世界における日本の特殊性はいっそう高まることになる。そうした環境の中で、サッカー協会は代表強化とどう向き合うつもりなのか。これまで以上に「欧州組ファースト」の視点に立たないと、いろいろが本末転倒になる。大袈裟に言えば、ベストメンバーは本大会が近づくまで編成する必要はないのだ。欧州組は少なくともギリギリまで、個人的な戦いに専念すべし。所属クラブで活躍することを一番に考えるべき。それこそが代表強化の近道だと、筆者は考える。
焦点は3年半後に行われるW杯本大会1本に絞るべき。本番でいかにマックス値を発揮するか。代表監督はそれだけを考えればいい。予選突破のハードルが大きく下がり、代表チームを取り巻く特殊性が一段と増した日本は、その強化方針をどの国より大きく見直す必要に迫られている。従来通りでは肝心の選手に負担がかかりすぎる。所属クラブのプレーに専念させた方がいい好選手を客寄せパンダよろしく国内で行われる、ユルい設定の親善試合や、アジアの弱小国と戦う予選のためにわざわざ招集する必要はないのである。