久保は報道陣の前に立ち止まるなり「うれしいですね。よかったです」と笑顔を浮かべた。
「もう(自分の出番は)終わったと思って着替えてベンチに戻ったらすぐ点が入って、『おぉ』と思ったらすぐ2点目が入って。正直ビックリしました。あんなにうまくいくとは思っていなくて」
前日のピリピリした雰囲気を知っている報道陣からは笑い声も漏れるくらい、明るい声だった。
久保が悔しそうな表情を一瞬浮かべたのは交代について話したとき。「個人的には体も切れていて『このままやってやろう』と思っていた矢先の交代だったのでそこはちょっと悔しかった」と言い、「次は交代させられないように前半に出るチャンスがあれば結果を残すしかないと思いました」と決意を新たにした。
試合後、スペインの選手数人と話をして「彼らは余裕があるので『決勝で会えたらいいね』と言っていました」という。それに対し久保は「僕たちにはそんな余裕はないので、次のクロアチア戦に向けてしっかり準備をしたい」と気を引き締める。
だが同時に「あの(日本代表の守備の)固さなら、スペインから1点しか取られないのなら、日本からあまり得点を獲れるチームはいないのではないか」と自信を見せていた。
【文:森雅史@ドーハ/日本蹴球合同会社】