秋といえば運動の秋。涼しい気温になり、外で運動をしようと考えている人もいるのではないでしょうか?久しぶりに運動をすると筋肉痛はつきもの…。もし、筋肉痛を治す方法があれば知りたいと思いますよね。今回は、医療法人藍整会なか整形外科 理事長の樋口直彦先生に筋肉痛の治し方を聞いてみました。

○筋肉痛を治す方法は?

――痛みが強い時に冷やす場合、やり方のコツがあれば教えてください。

樋口先生:まず冷やす場合としては急性外傷によって生じる応急処置として行うことが一般的です。またスポーツ障害などでも使われます。

一般的なアイシングのポイントとしては「1.冷却温度」、「2.冷却時間」、「3.インターバル」といわれています。冷却温度が氷点下になると凍傷になる恐れがあるため、家庭用の氷を使う場合は表面が溶け始めて使用する、氷嚢を使用する、ない場合はビニール袋を2枚程度重ねてタオルなどを巻いて患部に当てるといいです。冷却時間に関しては急性外傷、スポーツ障害ともに15分〜20分程度の実施が望ましいとされています。また感覚が消失すればアイシングを終了します。インターバルに関しては、急性外傷の場合はアイシングの間を1〜2時間の間隔をあけて24〜72時間継続するのが望ましいとされています。

スポーツ障害、また慢性的な症状で痛みが強い場合や急性炎症ではないケースでは1分間程度患部を冷やし、感覚がなくなれば少し患部の関節を動かす、また感覚が出てくればまた冷やすということを繰り返していくことで痛みの感覚を抑えた状態で運動させ、痛みによって生じる二次的な筋痛や関節の運動制限を改善させる効果もあります。合計の時間に関しては15分程度でインターバルなどは2時間はあけましょう。

また、アイシングは患部の代謝や細胞の不活性化が起きますので、長期間実施する場合は組織治癒が遅延する恐れがあるので注意しましょう。

――痛みが和らいできて温める場合のやり方のコツがあれば教えてください。

樋口先生:温熱療法の効果は基本的に血管の拡張、代謝の亢進、リラックス作用、筋緊張の緩和になります。方法としては入浴して、湯船に浸かるなどして全身的に身体を温めることもいいですし、最近流行りのサウナのような形で交代浴という方法もよいです。自宅であれば湯船に浸かる、シャワーの水で手足を冷やすということを1〜2分のセットで組み、10分程度実施するのも効果的です。

また、リラックス目的であればホットタオルを作って患部また患部に近い大きい血管の通っている頸部、脇、鼠蹊部、膝下などを温めるのもよいと思います。

――筋肉痛の箇所をマッサージしたり、ストレッチで伸ばすことは痛みの改善に繋がりますか?それともあまり動かさない方がよいのでしょうか。

樋口先生:筋肉痛に関しては出る前に対処するのが効果的といわれています。運動後、マッサージガンや人の手を使ったマッサージを受けることで筋肉痛や疲労感の軽減に繋がりやすいという研究もあります。残念ながらストレッチに関してはあまり効果が高くないという結果になっています。また、筋肉痛後も二次的なかたまる場所もあるので全体的なマッサージや背骨周囲を動かすストレッチなどは血流改善などに繋がるので効果的だと考えます。全く動かさないことは血流などの代謝が落ちてしまい、関節可動域の低下に繋がりますので有酸素運動などの軽運動などは実施してください。

――筋肉痛は何日ほどで落ち着きますか?痛みがなくならない場合、病院に行く目安があれば教えてください。

樋口先生:通常1週間以内症状が治まることが多いです。運動後から発症のタイムラグは個人での違いがあります。また病院に行く目安ですが1週間以上症状が持続する、痛みが非常に強く、局所的に腫れや発赤、熱感などが生じている場合は肉離れなどの外傷が生じている可能性や、繊維筋痛症など筋肉に炎症が生じる病気の可能性も否定できませんので病院で検査するといいでしょう。

筋肉痛で仕事に支障が出そうと躊躇ってしまう運動。これらの対処法があれば、子供の運動会や、やってみたいと思っていた運動に挑戦しやすいのではないでしょうか。筋肉痛や疲労感の軽減ために、まずは運動後にマッサージを取り入れてみると変化を感じられるかもしれません。

○取材協力:樋口直彦先生

医療法人藍整会なか整形外科 理事長。帝京大学医学部卒業。いくつかの病院勤務、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科 京都西院リハビリテーションクリニックを開業。バレーボールVリーグのサントリーサンバーズのチームドクターも務める。クリニック運営にICTを推進し、お待たせすることない診療が信条。

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