韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が17日午前、黄海上に巡航ミサイル2発を発射したと明らかにした。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は15日の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の演説で北朝鮮の非核化措置に合わせて経済支援を行う「大胆な構想」を提案したばかり。韓国と米国は16日に合同軍事演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」の事前演習を始めており、発射は演習への反発の意味合いが強いとみられる。この日は尹大統領が就任して100日となる日だった。
◇尹大統領 対日関係「迅速に回復・発展させている」
尹錫悦大統領は就任から100日となる17日、初の公式記者会見を開き、対日関係について、「過去最悪だった日本との関係を迅速に回復し、発展させている」と強調した。尹大統領は就任後、金浦(ソウル)―羽田(東京)の航空路線を再開させ、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で岸田文雄首相と歓談したほか、韓米日首脳会談も開催し未来志向の韓日関係の土台を築いたと言及。「今後も『金大中(キム・デジュン)・小渕共同宣言』を改善し、迅速に韓日関係を回復させていく。過去の歴史問題も普遍的な価値と規範を原則とし、未来志向で解決していく」との考えを示した。
◇尹大統領 北朝鮮が核開発中断なら「米朝関係の正常化支援」
尹錫悦大統領は記者会見で北朝鮮の非核化に関し、北朝鮮が核開発を中断すれば米朝関係の正常化を含む外交的支援と通常兵器の軍縮議論を行うと表明した。尹大統領は、光復節記念式典で行った演説で北朝鮮が核開発を中断した場合の政治、経済、軍事支援といった「大胆な構想」を提案したと言及。「大胆な構想」について、「米朝関係の正常化に向けた外交的支援、通常兵器の軍縮議論、食糧、農業技術、医療、インフラの支援と金融・国際投資支援を含む包括的な構想」と説明した。
◇北朝鮮軍による公務員射殺事件 海洋警察庁を家宅捜索
検察は北朝鮮軍が黄海で韓国公務員男性を射殺した2020年の事件を巡り、初動捜査を行った海洋警察庁を家宅捜索した。検察は押収した当時の捜査資料などを分析し、文在寅(ムン・ジェイン)前政権や大統領府による捜査への介入の有無を調べる方針だ。
◇コロナ感染者数「憂慮する水準でない」 防疫当局
鄭?碩(チョン・ギソク)国家感染症危機対応諮問委員長(新型コロナウイルス特別対応団長)は、韓国の人口全体に占める新型コロナの死者数は他の国に比べて少ないと強調し、現在の新規感染者数は憂慮する水準ではないとの見方を示した。鄭氏は中央災難(災害)安全対策本部の記者会見で「国際的に使用している統計によると、8月第1週(1〜7日)の韓国の人口100万人当たりの感染者数は約1万4000人で、日本の1万1000人、米国の2000人より多い」とする一方、「100万人当たりの死者数は米国やシンガポール、日本に比べて少ない」と説明した。