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低く良好なドライビングポジション

試乗を許された、次期型BMW M2。偽装されたドアを開くと、分厚い布で覆われたインテリアが待っていた。8速ATと6速MTの両方を運転することができたものの、内装の素材や仕立てなどについては、お伝えできない。

【画像】BMW M2 クーペ 次期G87型と先代のF87型 欧州の同セグメントモデルとも比較 全126枚

少なくとも、ドライビングポジションは低く好印象。ステアリングホイールやペダルなどの位置関係も良い。メーターパネルはモニター式で、ヘッドアップ・ディスプレイも備わるが、こちらも高精細で見やすかった。


BMW M2 クーペ・プロトタイプ(欧州仕様)

シートはBMWとしては一般的なデザインで、位置調整もしやすい。座り心地が良く、コーナーでもしっかり太ももや背中を支えてくれる、サイドボルスターが備わる。

M3やM4で選べる、カーボンシェルのバケットシートはオプションで装備可能。座面が低くなり、一層良好なドライビングポジションに落ち着ける。横方向のサポート性も大幅に向上する。

このバケットシートも快適に座れ、サーキット走行では明らかに有効。週末の走行会を楽しみたいというドライバーなら、迷わず選んでいいだろう。多少、乗降性は犠牲になるけれど。

BMWが用意してくれた試乗スケジュールは、オーストリアのサーキット、ザルツブルクリンクを6周するるセッションが2回。ATとMTを乗り比べるというもの。公道に出ることは許されなかった。

それでも、変化に飛んだ勾配の連続で、高速コーナーと低速コーナーが組み合されている。シャシーバランスを確かめられる場所といえる。

高性能モデルを運転しているという濃密さ

コースへ出てみると、冒頭のモヤモヤとしたものが一変。非常にダイナミックな特性を備えることが明らかとなった。車重が及ぼす制限は、最小限に抑えられたようだ。

同時に、先代のコンパクトなM2が打ち立てた、見事な機敏さや流暢さといった印象とも決定的に異なる。従来以上に操縦の正確性を高めつつ落ち着きを増し、ドライバーに寄り添った仕上りのようでもある。


BMW M2 クーペ・プロトタイプ(欧州仕様)

M3やM4と比べて、パワーやサイズ、スピードでは確かに劣る。しかし高性能なモデルを自ら操っている、という感覚的な濃密さでは負けていない。

ペースを速めるほどに、盛大なサウンドやパワーだけでなく、手や足で運転しているという感覚が深くなっていく。ボディはコーナーでもフラットさを保ち、鋭く回頭。それでいて、乗り心地はさほど硬いとは感じられない。

意図したラインを忠実に辿り、コーナーの途中にある隆起部分は、アダプティブダンパーが受け流してくれる。先代では若干落ち着きのなかったリアタイヤは、しなやかに路面へ追従する。

これまでのM2でアダプティブダンパーを装備していたのは、最終のCSのみだった。しかし標準装備となった最新版では、ステアリングホイールにM1とM2と記されたボタンが追加された。ワンタッチで、クルマの特性を一変させることもできる。

ドライバーへ自信を抱かせるような一貫した挙動を保ったまま、高速にサーキットをクリアしていく。手のひらに伝わる情報量に不足はなく、グリップの限界領域でも漸進的だ。

まったく疑問のない動力性能

後輪駆動モデルらしく、アクセルペダルの操作で姿勢調整も可能。ドライバーが望めば、テールスライドに持ち込める状態にもある。それでいて、不意にテールが暴れるような素振りは一切ない。

それでは、先代のF87型M2 CS以上に楽しいだろうか? まだ公道での印象を確かめられていないから、その疑問に答えを出すのは尚早だろう。


BMW M2 クーペ・プロトタイプ(欧州仕様)

少なくとも、動力性能にはまったく疑問がない。8速ATの中間のギア比がやや離れている印象だったが、全体を霞めてしまうほどのものでもない。

6速MTなら、一層リニアでダイレクトなレスポンスを楽しめる。ストロークが長く、スプリングの効きが強いシフトレバーの感触は、BMWらしいものだった。

「このM2が、楽しい要素をどれだけ備えているのか、ということの重要性を理解しています。しかし、グリップやシャシーの落ち着き、高速域での安定性や正確な操縦性など、最新のMモデルとして正しい決断だったと自信を持っています」

「M2には、求められるすべてが詰まっています。ひと回り大きいモデルと同等の、システムの柔軟性も獲得し、望み通りに運転することが可能です。M2を楽しむほど、より良いクルマだと思ってもらえるでしょう」

Mモデルの開発主任技術者、スヴェン・エッシュ氏が確信を持って言葉にする。公道で、新しいM2をより自由に運転できる日を心待ちにしていよう。

BMW M2 クーペ・プロトタイプ(欧州仕様)のスペック

英国価格:6万ポンド(約978万円/予想)
全長:−
全幅:−
全高:−
最高速度:249km/h(予想)
0-100km/h加速:4.2秒(予想)
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:1650kg(予想)
パワートレイン:直列6気筒2996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:450ps(予想)
最大トルク:62.1kg-m(予想)
ギアボックス:8速オートマティック