“健康”長寿県・三重と山梨に学ぶ「死ぬ直前まで健康でいるコツ」

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介護を受けたり、寝たきりになったりせず、健康的に暮らせるまでの年齢を意味する健康寿命。健康寿命は、3年に1回行われる国民生活基礎調査から、「健康上の問題で日常生活に影響がない」と答えた人の割合や年齢別の人口、死亡者数などで算出される。

東京都健康長寿医療センター研究所の大渕修一先生は、健康寿命を延ばすことで、直前まで元気に過ごして寿命を迎える“ピンコロ”を実現できる可能性が高まるという。

「健康寿命と寿命の差が『不健康寿命』。健康上の問題で日常生活に制限がある期間で、男性が約9年、女性で約12年もあります」

「47都道府県・女性の健康寿命ランキング」(画像参照)からもわかるとおり、平均寿命が長くても、寝たきりや認知症などで健康に問題がある「不健康寿命」が長い県も多い。

健康寿命は、健康状態だけでなく、県民の健康に対する意識の高さにも左右されるという。

「せっかく長生きしても、不健康に過ごすのは残念です。健康寿命を延ばし、不健康寿命を短くすることを目指しましょう」

では、どのような習慣が健康寿命を延ばすのに役立つのか。このランキングで安定的に上位をキープしている三重県と山梨県の取り組みも学ぼう。

■海女さんの多さが健康の秘訣!?

女性の健康寿命が77.58歳と、2位を1歳近く引き離して全国トップだった三重県。前回も3位の高順位だった。

「幸福感を判断するとき、“健康かどうか”を重視する県民が、アンケート調査で他県と比べて多くいました。自分の体に目を向ける意識が高いことが、健康の維持に役立っていると思います。また海女さんの数が日本一多く、高齢になっても元気で働く女性を身近で見る機会が多い。そのことが、活動的な女性を増やすことにも影響しているのかもしれません」(三重県健康推進課)

自治体の健康づくりのアドバイザーも務める筑波大学名誉教授の田中喜代次先生はこう語る。

「三重県が全国の生産量の6割を占めるアオサには、血糖値や血圧を下げる効果が報告されています。多くの県民が血管の老化予防に効果的な、アオサや新鮮な魚介類などをふだんから食べていることも関係しているでしょう」

76.74歳と2位だった山梨県は、男性も2位だった。

「’19年の大腸がん検診の受診率は53.9%と全国2位でした。胃がん、肺がん、乳がんなどの検診受診率も全国5位以内に入っています。県民の健康意識が高いことが要因のひとつでしょう。また65歳以上の就業率が30%で全国2位(’17年)。退職後もやりがいをもって仕事をする高齢者が多いことも関係が深いと想定しています」(山梨県健康増進課)

田中先生は、山梨県独特の習慣に注目している。

「山梨県には、男女関係なく、同級生や同じ趣味をもつ仲間が定期的に集まって懇親会をしたり旅行したりする『無尽』という習慣があります。いわゆる地域の多世代交流のコミュニティで、高齢になっても人とのつながりが保たれる場が身近にあるのです」

田中先生は“健康長寿県”の共通点をこう語る。

「健康寿命の長い県民の気質として、おおらかでざっくばらん、のんびりしていて和気あいあいなどの特徴があります」

一方、最下位だったのが京都府。本音を隠す“建て前社会”であることが関係しているのか……。

最後に女性の健康寿命を延ばす秘策を大渕先生が語る。

「健康寿命の延伸には、自分が健康だと自覚している期間を延ばすことが欠かせません。私たちの研究では、化粧をするだけでも心が明るくなり、自分が健康だと感じる人が増加する一方、化粧をしなくなると、不健康と感じる人が増えることが明らかになっています。心がときめく化粧をすることで外出機会も増え、人との交流や足腰を鍛えるきっかけに。結果的に健康寿命を延ばすのです」

心ときめかして生きるーー。それが“ピンコロ”を実現させる秘訣かもしれない。

■【ランキング】47都道府県「女性の健康寿命」1〜16位

■【ランキング】47都道府県「女性の健康寿命」17〜47位