ただ、代表とクラブは別物。クラブで活躍できるからといって、代表で活躍できるとは限らない。また、その逆もしかり。キエーザやロカテッリは、所属クラブであるユヴェントスの低迷により、今季はEURO2020ほどのインパクトはここまで残せていないかもしれない。
そんな中で、EURO2020で素晴らしい活躍を見せ、クラブへ戻っても大きな存在感を発揮している選手がいる。サッスオーロでプレイするFWドメニコ・ベラルディだ。元々イタリア国内では一定の人気を誇ったベラルディだが、グループステージで2アシストを記録するなど一躍注目を浴び、その名を欧州全土に轟かせた。
そして、怪我で開幕2試合を欠場する多少の出遅れはあったものの、今季に入ってもベラルディはEURO2020からの調子を維持。ここまでセリエA20試合に出場して10ゴール10アシストと、“ダブル・ダブル”を達成しているのだ。また、序盤戦からしっかり結果を残してきたが、2022年に入ってから出場した3試合で2ゴール3アシストを記録しており、後半戦に入ってさらにギアを一つ上げてきているようにも思う。なお、データサイト『opta』によると、2022年に入って5ゴール以上に関与しているのは、リーグ内でベラルディだけだという。
近年はクラブで毎年のように20ゴール以上に関与し、抜群の安定感を誇るベラルディ。EURO2020優勝メンバーたちの移籍の噂は今も絶えないが、長期戦となるクラブでの戦いにおいては、同じウイングを主戦場とする爆発力が売りのキエーザよりも、安定感のあるベラルディの方が移籍市場では狙い目かもしれない。サッスオーロ愛の強いベラルディだが、イングランド挑戦なども噂されており、近い将来ステップアップはあるのか。