創作に共通するのは「楽しむ」と「根性」。板垣巴留×YOASOBI、若きクリエイター対談

いまの時代を“駆ける”トップクリエイターたちの競演が、実現した。

2018年には、栄えある「マンガ大賞」を受賞。シリーズ累計発行部数500万部(2020年10月時点)を突破し、2021年1月に発売された22巻をもって堂々の完結を迎えた漫画『BEASTARS』(秋田書店)の作者・板垣巴留。

2019年のデビュー曲『夜に駆ける』がストリーミング再生3億回を突破し、Billboard Japan総合ソングチャート“HOT100”で2020年年間1位を記録、2020年末には『NHK紅白歌合戦』に初出場した「小説を音楽にする」ユニット・YOASOBI(Ayase、ikura)。

両者は、現在放送中のTVアニメ『BEASTARS』第2期で、初コラボレーション。板垣先生が書き下ろした2篇の小説をYOASOBIが『怪物』と『優しい彗星』の2曲にし、オープニングとエンディングを彩る。

Ayaseが紡ぐメロディと歌詞は、作品の世界観を驚くほど的確に捉え、ikuraの抒情的な歌声はキャラクターの心情とシンクロし、ドラマ性を存分に高めている。この2曲は「聴く『BEASTARS』」と言って然るべき完成度だ。

本記事では、90〜00年代生まれの若きクリエイターである両者に、徹底インタビューを実施。前半では小説と楽曲の創作秘話を紐解き、後半では「インスピレーションについて」を中心にディープな世界に踏み込んでいく。

さながら本作の主人公、ハイイロオオカミのレゴシのごとく、穏健な語り口の奥に猛々しい獣を飼う表現者たちの“熱き想い”を、じっくりと味わっていただきたい。

撮影/川野結李歌 取材・文/SYO
ヘアメイク/YOUCA(YOASOBI)

残酷にとれる場面も、躊躇せず描いてほしいとリクエストした

『BEASTARS』とYOASOBIのコラボレーションは、漫画・アニメ・音楽それぞれのファンにとってシビれる“事件”でした。まずは、楽曲の入ったオープニング映像をご覧になった感想を教えてください。
Ayase 本当に感動しましたね。僕はふだん頭の中で映像をイメージしながら楽曲を作るのですが、その際に考えていたものと重なる映像が出てきて、しかもすごくいい内容で驚きました。事前に映像の内容を知らなかったので、余計に感激でしたね。

サビで主人公のレゴシが走っているところもそうだし、前半はダークさがあって、サビでしっかりと開けていく感じが、楽曲とシンクロしていました。
ikura 私も楽曲をレコーディングするときに、AメロBメロでは、肉食と草食の世界を見ながら歩いているレゴシが、サビで走り出すイメージで歌っていたので、そこがすごくリンクしていて、鳥肌が立ちました。
板垣先生は、オープニングの映像をご覧になっていかがでしたか?
板垣 第1期のオープニング映像は人形劇でしたが、また随分とイメージが変わったなぁと感じましたね。学園モノのおとぎ話っぽさというより、大人の社会に出ていく厳しさを感じられる、ビターでカッコいい映像になったなと思います。
物語冒頭で起きた食殺事件の犯人探しや、レゴシとドワーフウサギのハルの恋愛模様など、2期で描かれるストーリーともリンクしていますね。
板垣 第2期は、大人の階段をのぼっていく、学園から外へ出ていくレゴシの第2.5次成長期のような内容ですよね(笑)。そのあたりを反映してくださっているから、すごくわかってくださっているなと感じました。
板垣先生から、アニメの制作サイドにリクエストしたことはありますか?
板垣 残酷にもとれるような描写がありますが、できるだけ躊躇せずやっていただきたいとはお伝えしましたね。ただ、第1期が素晴らしいクオリティだったので、概ねお任せしました。だからこそ、オープニングの映像を観たときは嬉しかったです。
▲写真左から板垣巴留先生、YOASOBIのikuraさん、Ayaseさん

原作を何周も読み返しながら歌詞を練っていった

板垣先生は今回のオープニングとエンディングの主題歌がYOASOBIに決まった際、どんな印象を持ちましたか?
板垣 若い子たちにものすごく人気があるアーティストさんだとは知っていて、中でも『夜に駆ける』のイメージが強かったですね。

『怪物』は若者への応援ソングのような雰囲気がありつつ、『BEASTARS』のエグろうとするところはエグる、といった厳しさも感じられて、ものすごく原作とシンクロした曲だと感じました。テイストを合わせていただいて、すごくありがたかったです。
Ayase そう言っていただけて、僕らも嬉しいです。
『怪物』は、YOASOBI史上最もシリアスな冒頭というか、低音から始まり、サビでスパークしていく構成が素敵でした。このあたりは、楽曲を作る初期段階から決めていたのでしょうか。
Ayase 第1稿として提出したイメージが、その形でした。少ない音数の中でikuraちゃんの声が近距離から発せられていて、かつそれが、いままでYOASOBIを聴いてくれた人たちが知らないikuraちゃんのカッコいい声にしたかったんです。

そこから、サビで一気に貫くイメージを持っていました。そのあたりは、うまく表現できたかなと思っています。
ikura まだメロディもついていない、音作りの最初の部分のデモを聴かせてもらったときに、いきなりベースのバチバチな音から始まっていて「これはYOASOBIの中でも新しい扉を開くんだろうな」と感じました。
ikura そのあと、初音ミク版のデモを聴いたら、今までのYOASOBI以上に奥深くに入り込んだダークさがあって、最初は「どういうふうに歌ったらいいんだろう」という迷いや葛藤がありましたね。ただレコーディングが進んでいく中で、力んで歌うのではなく、自分の周りの世界を俯瞰で見ているレゴシが歩きながら悶々と考えていることを、ボソボソ独り言のように歌ったらいいんだ、とコツをつかんだんです。

対照的に、サビではすごく駆け抜けるようにエネルギーを解放して、「僕はそれでも行くんだ」という流れを大事にして歌いました。
歌い方の部分、ちょっと演技的な要素がありますが、そういったアプローチもふたりで話し合って見つけていったのでしょうか。
ikura そうですね。レコーディングの中で、ふたりでつかんでいきました。
YOASOBIは「小説を音楽にする」をコンセプトにしたユニットですが、Ayaseさんは曲先(曲を先に作り、あとから歌詞を作る)・詞先のどちらのスタイルで楽曲を作っていくのでしょう?
Ayase 僕は完全に曲先ですね。今回に関しては、お話をいただいた段階で原作は全部読んでいて、アニメの第1期も拝見して自分の中でいろいろイメージを固めていく中で、板垣先生から2篇の書き下ろし小説(『自分の胸に自分の耳を押し当てて』/『獅子座流星群のままに』)をいただきました。それを何度も何度も読み返して作っていきましたね。

また、いただいた小説は『BEASTARS』全体を通して自分が抱いていたイメージと直結していたので、小説に加えて漫画をとにかく何周も何周も読み続けました。
板垣 何周も!
Ayase はい(笑)。手の届く場所に漫画を積み上げて、いつでもページを確認できるようにしながら、歌詞を書きましたね。『怪物』は、よりレゴシにフォーカスして、彼がどう思って、世界をどう見ているのか、「レゴシのフィルターを通した『BEASTARS』の世界」を表現したいと思っていました。
記事の最後には、『怪物』『優しい彗星』の原作になった板垣先生の完全書き下ろし小説を全文掲載しています。
いまお話に上がった書き下ろし小説ですが、原作のエピソードを補完する、ファンにはたまらない内容でした。オープニングはレゴシ、エンディングはルイとイブキにフォーカスを当てることは、最初から決まっていたのでしょうか。
板垣 そうですね。プロデューサーさんからの提案で、できれば程度のリクエストですが、「オープニングはレゴシで」「エンディングはルイで」というのはありました。
小説はどちらも車中が舞台になっていますが、どのような意図でこの舞台設定に?
板垣 場所が特定されているほうが書きやすい、というのが理由です(笑)。

オープニングは、レゴシが決意を固めようとしながら電車に乗るイメージで書いたのですが、電車や車の中って、景色が変わっていくのを見ながらいろいろなことを考えるじゃないですか。それに青春っぽいモチーフでもありますよね。

そういう場面って、いろいろな人にもあると思うんです。電車に乗りながら「この就活で決めるぞ」と気合を入れるとか(笑)。普遍的なものになればいいなと思って、その舞台設定にしたんです。
▲取材は2020年12月下旬。板垣先生との対談ということで、ikuraさんは『BEASTARS』を意識したトップスを、Ayaseさんはクリスマスっぽいパンツを着てきたとか。

自分の中で咀嚼することが、表現の肥やしになる

板垣先生は、原作コミックスの中で影響を受けた映画や音楽について語っていらっしゃいますが、インスピレーションの源について、教えてください。
板垣 やっぱり、漫画を描くからには漫画の範疇を超えたい気持ちがあるから、漫画からインスピレーションを受けたくないんです(笑)。そういう意識があってか、そもそもそんなに漫画は読まずに、映画を観ることが多かったですよね。その習慣が、いまも続いているのかもしれません。

ただ、映画を観た直後って、そんなに感想が浮かばないんです(苦笑)。それが学生時代、コンプレックスで……。
▲コミックス第1巻の巻末に収録されている、主人公・レゴシの創作メモ。顔のモデルはフランスの俳優、マチュー・アマルリックと書かれているように、板垣先生は映画が好き。
たしかにいまの時代、「映画を観る→感想をSNSに投稿する」までがセットになっている感覚はありますね。咀嚼する時間がないというか……。
板垣 そうそう。私は観た直後は「面白かったな」くらいで感想はとくにないのですが、何週間後とかに劇中のシーンをふっと思い出すことがあって、それがきっと自分の答えだなと思っています。「印象に残る」ってこういうことだと思いますし、それが「肥やしになる」ことだと思うので、その感覚を大事にしていきたいですね。

だから、若い子たちには「感想が浮かばなくてもいいんだよ」と、すごく言いたいです。
コミックス14巻のカバー裏では「生身の人間の顔を観るのが映画観賞の最大の目的」と書いていますね。
板垣 私自身、理論的に組み立てて考えるタイプではないので、「いまの寝起きの表情よかったな」とか、そういうものをたくさん観て、レゴシやほかのキャラクターにどんどん組み込んでいっているところがあります。やっぱり、生きている人間の顔って、モチーフとしてものすごく強烈なんですよね。

Ayaseが曲を作り、ikuraが歌えばYOASOBIになる

YOASOBIのおふたりにも「インスピレーション」の捉え方についてお聞きします。「小説を音楽にする」というコンセプトは、ある意味で楽曲のインスピレーション元が開示されている状態なのかとも感じたのですが、そのあたりはいかがでしょう?
Ayase 僕にとって、小説はインスピレーションを受けるものとしては捉えてはいなくて、たとえば『夜に駆ける』という音楽も、原作小説の『タナトスの誘惑』(星野舞夜)も一緒の作品なんですよ。
なるほど、小説ありきで楽曲が生まれた、ではなく、小説も楽曲も世界観を共有する同列の作品、という意識ですね。だから「インスピレーション」とは異なる。
Ayase そうですね。「表現方法が小説なのか、音楽なのか」という違いを僕らはやっているつもりで、同じ作品を僕たちは音楽で出しているという感覚です。「この小説を僕らの曲を使ってこういうふうに見せたい」ではないんです。
YOASOBIはこれまでにもさまざまな小説を音楽にしてきましたが、各楽曲に共通するYOASOBIならではの作家性があると感じていました。いまおっしゃったような意識が、その“らしさ”につながっているのですね。
Ayase 僕が音楽的なインスピレーションを受けるものと、ikuraちゃんが受けるものは別ですし、お互いにインスピレーションを与え合う部分もありますよね。そして、僕らふたりが組み合わさることでできるものが、そもそもの「YOASOBIらしさ」としてはあるように感じます。

「Ayaseが曲を作って、ikuraが歌えばYOASOBIなんだ」という僕たちのカラーは、この1年で少しずつ固めてこられたかなという気持ちですね。
ikura 自分が言おうと思ったことを、全部言ってくれました(笑)。それぞれが音楽人生でいろいろな経験をしてきたうえで“今”が融合しているから、作品が変わっても「YOASOBIらしさ」が継続されているなと思います。
Ayase 「YOASOBIらしさ」でいうと、僕の曲は、少し癖があると言われることも多いんですよ。自分ではナチュラルに出てきているものだとは思っていますが、メロディの癖や歌詞の運びの癖は間違いなくあって、それが僕の十数年の音楽人生のなかで、ある程度固まってきたところはあります。

そこに僕でも初音ミクでもなく、ikuraちゃんが歌うからこそ、「じゃあどういうふうにやっていこうか」という“変化”が生まれる。自分自身のベースを出発点に、ikuraちゃんと一緒にやることでその都度色や形を変えて、いろいろなジャンルに挑戦していくのが、YOASOBIなんですよね。

イメージが違うからこそ、面白い楽曲が生まれる

Ayaseさんとikuraさんが起こす“化学反応”が、YOASOBIなんですね。イメージのすり合わせは、レコーディング現場で行われるのでしょうか。
Ayase 事前にものすごく綿密に打ち合わせることはほぼなくて、レコーディングスタジオに入って「じゃあ、一旦やってみようか」って言って。
ikura 「じゃあ、一旦やってみます」 って(笑)。

曲ごとに「どういうふうに歌おう」と計画を立てて、スタジオで披露する感じです。オーディションのように、いくつかパターンを持っていって、どれが採用されるかみたいな(笑)。
Ayase ははは、そんなに厳格にはやってないですよ。ゆるーい感じです(笑)。
ikura ふふふ。ただ、自分的には初めて聴いてもらうのがレコーディングの場なので、適度な緊張感はありますね。私が持っていったものが通るときもあれば、Ayaseさんとすり合わせて模索していくこともあります。
Ayase でも、違うものをイメージしているのはすごくよいことだと思っています。ひとつの作品を読んだり観たりしても、絶対に感じることは違うわけで、どんな色味の世界観をイメージしながら読んだかとか、それぞれに感想が違うからこそ、面白いものができる。

完全に僕だけがイメージしたものを操り人形かのようにikuraちゃんに歌ってもらっても、面白くないですよね。だから、毎回ふたりが違うイメージを持って、レコーディングの場で披露してみて「あぁ! その手もあったのね」というディスカッションを交えながら楽曲を生み出せているので、毎回実験的だし、毎回遊べているんです。
板垣 めっちゃ楽しそう……(笑)。いいなぁ、青春だなぁ。
漫画を描く作業は、ひとりで取り組む部分が多いですもんね。
Ayase でも、僕も楽曲を作るときはひとりですよ(笑)。ただ、そうやってひねり出したメロディに、レコーディングでikuraちゃんの声が乗って、作品の完成形が見えたときに、報われる思いにはなりますね。

それぞれが準備してきたことを披露して楽曲ができたときに「うぉー!」ってなる感じってすごく青春っぽいし、文化祭っぽい(笑)。板垣先生がおっしゃった“青春感”は、たしかに大事にしていますね。

今後に生かせる部分もあるから、エゴサーチはする

漫画家もミュージシャンも、クローズドな環境で作った作品が人々に広がっていきますが、YOASOBIはライブではなくYouTubeでの楽曲公開からスタートしていることもあり、リスナーとの距離感や関係性が、より板垣先生のような漫画家に近いのではないかと思います。お互いの共通点については、いかがですか?
Ayase このご時世だからこそ、すごく板垣先生に近い感覚かなと思います。対面形式のライブもできないし、インストアイベントもできないので(取材は2020年12月末に実施)。僕らも自分たちの音楽を聴いてくれる人に直接会うことは、まだできていないですね。
板垣 漫画家も、なかなか読者さんとかかわりが持てない職業ではありますね。読者さんの反応が見られるという意味では、単行本発売が私にとってのライブみたいな感じでしょうか(笑)。

いつも「みんな、どう読んでるかな」と思いながら描いているのですが、単行本を出した直後はファンレターがたくさん来たり、Twitterのリプライが来たりして「みんな、読んでくれてるんだな」と安心できて、すごくパワーになっています。
Ayase 僕らも、どういうふうに受け取ってもらえているか知る手段は、SNSのリプライやエゴサーチが基本になってきますね。

あとは、数字。たくさん再生してもらえているということは、それだけ多くの人たちに聴いてもらえている、ありがたいねっていうふうに、ある種ちょっとふわっとしながら感じています。この部分は、板垣先生をはじめ漫画家さんとすごく近い感じじゃないかと思いますね。

実感が持てていないからこそ、調子に乗らずに済んでいる気はしていますが(笑)。
YOASOBIのおふたりは、エゴサーチをされるんですね。
ikura わりとしますね。作品を出したあとは、どう受け取られたのかが気になってしまって(笑)。

私たちが意図していることと、聴いてくれたみなさんが感じたことがもしかしたらズレているかもしれないし、それがいい方向だったり悪い方向だったりはあると思うのですが、次に生かせる部分もありますので。
板垣 私は、“エゴサ”はしないようにしてます(笑)。デビューしたての頃は見ていたんですが、担当さんと「エゴサしちゃダメ」と約束したので、いまだに守っています(笑)。
Ayase 検索するなら曲名とかにしていますね。
ikura そうそう。しっかり名前を出してくれているツイートはだいたいよいコメント(笑)。

創作において大切にしているのは、根性論

最後に、創作においてみなさんが大切にしていることを教えてください。
板垣 「ちょっとでも人の心を揺さぶりたい」ですね。不快でも感動でもどっちでもいいから、読者がページをめくったときに感情が動く瞬間を、作れればいいなあと思っています。
とくにアニメ第2期の内容は、衝撃的な展開が続きますね。
板垣 そうですね(笑)。読者への意識は常に心がけていますし、これからも大事にしていきたいです。
YOASOBIのおふたりは、いかがでしょう?
ikura 私はふたつあります。まず、YOASOBIのボーカルとしては、「ものすごく準備をしていくこと」を大事にしています。YOASOBIは小説を音楽にするユニットなので、とにかく小説を読み込んで、レコーディングまでに自分がどう歌いたいかを一言一句詰めていって、しっかりと歌う。それが私の役割だと思っています。

そこで何パターンか引き出しを持っておくと、レコーディングですり合わせをしていく中で、「じゃあこれをやってみよう」と制限なくいろいろなことができて、結果として自分が予想していなかったすごくいい歌声になる。120%くらい準備していくと、100%とか90%の歌声で作品に貢献できているんじゃないかなと考えています。
もうひとつは?
ikura 「感情をいちばん優先する」ですね。

歌詞の一言一句をたたき込むのですが、技術的に意識しすぎるとよくない。気にするべきことはたくさんあるんですが、いちばんは「なぜ私はこの曲を歌うのか?」「どういうふうに歌うことで、聴いてくれた人にどう伝わってほしいか」を最近すごく意識しています。
Ayase 僕は、「楽しむ」ということを大事にしています。音楽って、言ってしまえば娯楽なので。

自分が楽しいと思っているものを、自信を持って出せなくなっちゃったら、すごく悲しいことだよなと思うんです。やっぱり創作をやっているとしんどくなる瞬間はありますから、煮詰まったら別のことをして、自分が楽しくなれるタイミングを待つこともあります。
なるほど。
Ayase とはいえ、納期がヤバすぎてそんなこと言ってられないときもあるので(苦笑)、そのときは、自分がこういう生活をできている喜びを再度噛みしめています。「よく考えろ、俺はいま幸せでしょ?」って(笑)。「こんなことで悩めるなんて、俺はなんて幸せなやつなんだ」と思うことで、「よし!」と自己完結して筆が進むことがあるんです。

音楽をやってることを「楽しいな」と自覚できるようにコントロールするのが、創作においてモチベーション維持になるなと思いますね。けっこう根性論ではあるんですが(笑)。
板垣 その感覚、めちゃくちゃわかります。Ayaseさんの考え方があまりにも自分に似ていて、ビックリしました(笑)。

私も、ネーム中などで悩んでしまったときは「あんたこういうの好きでしょ〜?」と好きな演出を入れてどんどん話を進めていくと、やがてスムーズになるんですよね。締め切りは毎週来ますし、ゴネたってしょうがないので、とにかく描く、描く、描く!

楽しく描けた回はやっぱり人気が高いし、それってすごくわかりやすく出ることなので。私も、根性論で乗り切っています(笑)。

板垣先生による完全書き下ろし小説を全文掲載!

▲OPテーマ『怪物』の原作となった小説『自分の胸に自分の耳を押し当てて』。
▲EDテーマ『優しい彗星』の原作となった小説『獅子座流星群のままに』。
板垣巴留(いたがき・ぱる)
1993年9月9日生まれ。東京都出身。A型。左利き。武蔵野美術大学造形学部映像学科を卒業後、2016年に『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で4話構成の『BEAST COMPLEX』を短期集中連載し、商業デビュー。同年から『BEASTARS』の連載を開始する。同作は2018年に「マンガ大賞」ほかを受賞し、2020年10月時点で累計発行部数500万部を突破。2021年1月に最終巻22巻が発売。現在、フジテレビ系「+Ultra」ほかでテレビアニメ第2期が放送中。
YOASOBI(よあそび)
コンポーザーのAyase(1994年4月4日生まれ、山口県出身)、ボーカルのikura(2000年9月25日生まれ、東京都出身)からなる、「小説を音楽にするユニット」 。2019年11月に公開された第1弾楽曲『夜に駆ける』は2020年12月にストリーミング再生3億回を突破。2020年12月には、「第71回 NHK紅白歌合戦」に初出場。2021年1月には、1st EP『THE BOOK』をリリース。オリコンウィークリーデジタルアルバムランキングで4週連続1位を記録した。

作品情報

TVアニメ『BEASTARS』第2期
フジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24:55から放送中
NETFLIXにて毎週木曜日配信(日本先行)
公式Twitter
https://twitter.com/bst_anime
公式サイト
https://bst-anime.com/

©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会

YOASOBI
第2期オープニングテーマ『怪物』
1月6日よりダウンロード&ストリーミング配信中
https://orcd.co/kaibutsu

第2期エンディングテーマ『優しい彗星』
1月20日よりダウンロード&ストリーミング配信中
https://orcd.co/comet

サイン入り色紙プレゼント

今回インタビューをさせていただいた、板垣巴留先生×YOASOBIのサイン入り色紙を抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2021年2月17日(水)18:00〜2月23日(火)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/2月24日(水)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから2月24日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2月27日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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