「新しいこと」を考えるのは楽しい。森久保祥太郎、“価値観の変革”のその先へ

約2年半ぶりとなるニューシングル『I'm Nobody』をリリースする森久保祥太郎。アニメ『天晴爛漫!』のエンディング主題歌としても注目を集める同曲は、これまでの彼の音楽活動ではあまりなかった曲調。だからこそ、大切な1曲になったという。

新型コロナウィルスの流行により、“再始動”と位置づける2020年の音楽活動にも大幅に影響があったそうだが、「一度歩みを止めて、振り返る機会を持てた」という言葉には不思議なほどポジティブな感情がにじんでいる。

そんな森久保の中にあるのは、“価値観の変革”と“エンタメを止めない”という信念。正面からエンタメの未来と向き合う姿は、真摯でまぶしい。彼のスタンスには、目まぐるしく動く時代の中で、前を向いて生きるためのヒントが詰まっているようにも感じた。

取材・文/原 常樹 制作/リアルコーヒーエンタテインメント

“森久保節”ではないけれど大事な1曲に

約2年半ぶりとなるニューシングル『I'm Nobody』がいよいよ発売となりました。
“森久保祥太郎としての音楽活動は一旦お休みしつつ、別の活動に専念する”というスタンスだったのが2019年。2020年はライブツアーも含めてそこから再始動という展望でした。僕の勝手な予定では、ツアーをやるちょっと前…つまりは夏ぐらいに新曲を出せればなぁ〜なんて思っていたら、急遽アニメ『天晴爛漫!』のエンディング主題歌を歌ってみないかという話が飛び込んできまして。
突発的な話だったんですか!
そうなんですよ。しかも、今回はアニメに合わせて具体的なオーダーをいただきました。
『天晴爛漫!』は“19世紀終わり頃のアメリカ”が舞台となっていますが、そういった世界観に沿ったオーダーが?
そうですね。「この食材で料理を作って!」と頼まれたような状況に近かったので、じつを言うと最初は不安だったんです。でも、せっかくいただいたお話ですし、ここは井上日徳さんに楽曲をお任せしようと。
長年、音楽活動を一緒にされてきて、全幅の信頼を置いている井上日徳さんなら…ということでしょうか。
そうそう!(笑) それで日徳さんと打ち合わせをして制作した楽曲は、プロデューサーから見事オッケーを出していただけて。
たしかに『I’m Nobody』には古き良きアメリカの風を感じます。
わかりやすく言うとネオカントリー。乾いた感じの、いなたい音(※関西の音楽業界でよく使われる言葉。野暮ったいけれど、味わいがある音)を出してほしいというのが先方のオーダーでした。

ただ、僕としては久しぶりのシングルは、再始動という意味でも“This is 森久保節”みたいなラウドロックをイメージしていたので、正直2020年の1発目がこれでいいのかなという気持ちはあったんです。これまでだったらカップリングに持ってくるような楽曲でしたし、「あれ? 森久保祥太郎は丸くなったな」と思われるんじゃないかなとか(笑)。

でも、作っていくうちにどんどん気に入っていって、結果的にはものすごく大事な曲になりました。あのタイミングでお話をもらわなかったら生まれなかったと思うと、ものすごくラッキーでしたね。
新たな一面を切り拓けた。
そうですね。ただ、個人的には「こういうのが森久保祥太郎らしさだ!」みたいなことはあんまり考えたくはないんですよね。気楽に自由に好きな音楽をやれたらいいな…という気持ちがありましたし、昨年はbuzz☆Vibesとして、それまでとは全然違うアプローチの音楽をやらせてもらって「こういうのも好きです」と提示できたので。

まぁ、そういう意味では「再始動が森久保節じゃなくていいのか」とか、そういうことを考えている時点でおかしな話ではあったんですけど(笑)。

逆に言うなら、この曲が今の森久保祥太郎のスタンスを裏付ける形になりましたし、僕の行きたい方向に行けているという感覚はあります。
方向性が新しくても、井上日徳さんの作る楽曲が染み入る部分はあった?
ええ。日徳さんは付き合いが長いぶん、僕のツボもよくわかっていますから(笑)。
曲調に関しても、ほぼストレートでこの形に仕上がった感じでしょうか?
一発というわけではないですね。じつは『I'm Nobody』が生まれる前に、日徳さんがまた別のパターンを上げてくださっていたんですけど、そっちはちょっと森久保節が強すぎて。

もともとテンポ感も目安はつけていましたし、アニメの世界観やエンディングテーマということを加味して「ライトに広がっていく方向でいいんじゃない?」という話は出ていました。ただ、マストであるアコースティックギターを、そのまま使うんじゃおもしろくないということでいろいろ加工した結果…まぁ、その、ちょっとやりすぎてしまいまして(笑)。
(笑)。
それは別の機会に使うとして、今回はストレートなアコースティックギターを取り入れる形になりました。でもこれが歌っていて、ものすごく気持ちいい! 何十年も一緒にやってきた日徳さんが、レコーディング中に「今回の歌い方で新しい引き出しができたんじゃない?」とおっしゃってくださって。

しゃべるように歌うクォーターノートのいなたさを自然に表現できたのは、この年齢になったからだと自分でも感じます。こういう機会をいただいて、新たな発見ができたのは、何度も言うように本当にラッキーですね!

過去のネタ帳から、同窓会の思い出を引っ張り出した

歌詞に関しても、やはりアニメ『天晴爛漫!』を強くイメージする部分が?
そうですね。プロットやシナリオなどの資料を拝見させていただいて、なんておもしろそうな作品なんだと。残念ながら声優としては参加できなかったので、「いいなぁ、この役!」って思ったりもしましたし(笑)。それに監督さんが“この作品を通じて、こういう想いを伝えたい”というのを記した企画書があって、その文章があまりに熱くて、ものすごく胸を打たれたんです。
その想いを反映させるような歌詞に。
ええ。これまで僕は“自分の目線でそのときの自分を切り取って出す”というのをスタイルにしてきました。ただ、今回はどうすべきかと思い悩んで…。とりあえず過去のネタ帳をバーッと見返したときに、数年前の高校の同窓会の記述が出てきたんです。
同窓会、ですか。
みんな男ばっかりなんですけど、30年ぶりぐらいに会って卒業アルバムを一緒に見ることになって。でも、周りが「ウェ〜イ!」っていうノリで写っているのに対して、自分だけがまったく笑っていなかったんです。それで「高校時代の俺って暗かった?」ってたずねたら、「暗くはなかったけど“俺はいつまでもここにいる男じゃねえ”みたいなオーラはあったよ」と言われまして。どうやら、相当スカしたサムい野郎だったみたいで(笑)。

そんな過去のエピソードをネタ帳から見つけて、ああ、これは『天晴爛漫!』の主人公の空乃天晴とも通じるなと感じたんです。彼もまだ見ぬ世界に想いを馳せて羽ばたこうとしているタイプの主人公ですし。そういう目線を維持しつつ、彼を鼓舞するような歌詞にしようと、そのときに思い立ちました。
未来志向なところが、過去の森久保さん自身ともつながったんですね。
“いつまでもここにいる男じゃねえ”とまではいきませんけど、たしかに早く卒業して舞台をやりたいとか、劇団も作りたいし、バンドももっとやりたい…みたいなことをずっと考えていたんです。部活も入っていなかったから、あとはバイトをするか、スタジオに行ってバンドをやるぐらいか。高校を卒業したら、閉塞的な状況から次のフェーズに行ける気がしていたんですよ。

そんなことを思い出したら、天晴をそういう目線で見ることができるようになって。高校時代の自分を振り返って、それを鼓舞することで“現在の自分”も出せるという構造で書こうとひらめきました。ずっと自分のことを切り取ってきた僕にとっては、これも新しい機会となりました。
過去の自分を見つめる歌詞と考えると、たしかにしっくり来る歌詞ですね! 「明日を塗り替えろ」とか「まだ何者でも無い」といったワードも。
こういう歌詞がすらすらと出てきたのも、芯の部分が昔から変わっていないからなのかもしれません。

MV撮影チームは「だよね」で伝わる信頼感がある

海岸を舞台にしたMVも印象的です。森久保さんのMVといえば、独特の雰囲気がありながらも毎回、“行きづらい場所”で撮影をされているイメージですが。
たしかに『FIRE』のときは、トイレも何もない極寒の採石場でノースリーブ1枚になりながらも、後ろでバンバン炎が上がって、“暑いんだか寒いんだかわからない”という状況に陥りましたね(笑)。今回も行きづらい場所での撮影だったのはやっぱり同じ。道なき道を進んだ挙句、ここから先は車が通れない、みたいなところを自力で歩きました(笑)。
過酷だったんですね(笑)。
ただ、ロケーションがきつかったのは海岸での撮影だけで。それに、いつもMVを撮影するときは雨に降られるんですけど、今回は快晴だったのはよかったですね。

少年が登場するシーンは、海辺にあるイイ感じのハウススタジオでの撮影。以前にも使ったことがあって、可能ならば住みたいぐらい気に入っているロケーションです(笑)。少年役の子のお芝居がメチャクチャうまくて、何も指示されていないのにアドリブでドンドンやるから「末恐ろしいなぁ…」と眺めていました。
MV制作にあたり、撮影チームとはどのような話をされたのでしょうか?
ずっと同じチームで作っているからこそ、現場での情報共有もしやすくて。以前に『MONSTER』の映像を撮ったときも、90年代のオマージュがふんだんに盛り込まれていて、同世代の監督さんとは「わかる! これこれ!」みたいな感じで通じる部分があったんです。

僕の音楽も“原体験”から来る部分が大きいですし、世代が近くて似たような原体験を持っている方と仕事をするとツーカーで通じることも多いので、本当にありがたいですね。打ち合わせも、ひたすら「だよねー」で終わるので、話が早いんです(笑)。
ジャケット写真も今までと同じ座組だったんでしょうか?
こちらもずっと同じデザイナー、ディレクターさんにお願いしています。ロケーションは都内にあるガレージで、年季の入った旧車みたいなバイクがいっぱいあって…。なおかつ、お酒もズラッと棚に並んでいて、バーカウンターの中を覗き込んだら、今度はレプリカの銃が!(笑)

ほかにもスノーマシンみたいなものもあったり、大人の男が遊びたいおもちゃがこれでもかというぐらいにありました。
まるで秘密基地?
そう、まさに秘密基地! テンションもめちゃくちゃ上がりました。
ブーツだけが写っているというジャケットもオシャレですよね。
ジェフ・ベック(イングランド出身のミュージシャン)のアルバムで、油まみれの手が写っているだけのジャケットがあるんです。車イジりが好きな彼が、自分の車をイジったあとの手を写しただけの写真なんですが、あの天才的ギタリストの手が油まみれになる、ということに大きな意味がある。僕のなかでもすごくインパクトがある写真だったんです。

それを踏まえて「僕が写ってバシッと決めるよりも、男のこだわりがにじみ出るものがいい」とお伝えしたところ、ブーツをアップで撮っていただくという1枚が完成しました。ブーツ自体は僕の私物ではないんですが、メッセージ性は内包できたんじゃないかと満足しています。
今回はカップリング曲として『PANIC KITCHEN』も収録されています。こちらは表題曲とは一転、ゴリゴリのロックですね。
「カップリングに関してはご自由にどうぞ」と言っていただけたので、ここはもう“This is 森久保節”でいこうと! それこそ、今現在の僕が考えていることを書こうという意図のもとで作らせていただきました。

今年はコロナウィルスの流行からスタートする形になってしまいましたが、こういうご時世だと、ちゃんとしなきゃいけないはずのことができていなかった…というのが明らかになってくるじゃないですか。もちろん、これは僕自身のことも含めてなのですが…。

そんなよくない状況を何かにたとえたいなと思って、頭に浮かんだのが“キッチン”だったんです。適当な料理をしているクセに、星だけついて評価されているレストランに騙されちゃった。「みんながいいって言っていたから行っちゃったじゃん。そんなんでいいの、自分!」…みたいな感じの曲です。
歌詞も鮮烈で尖ったワードが目白押しですね。
それこそ情報が錯綜して密になっているからこそ、見えなくていいものが見えてしまったり、見なきゃいけないものが見えなかったり。そんな状況をシニカルに、コミカルに落とし込みたかったんですよ。それを伝えるには、くだけた言葉のほうが適切だろうなと思って、てんやわんやなキッチンにたとえたんです。これまでのカラーが詰まった楽曲なので、日徳さんとのやりとりや収録もスムーズでした。

『I'm Nobody』もそうですけど、みなさんの前でライブという形でお披露目できる日が待ち遠しいです。

閉塞的な状況だからこそ、価値観のアップデートを

さらにこのシングルとは別に、新曲も完成したそうですが。
ちょうどこのインタビューの数日前に仕上がった、次のシングルの楽曲ですね!(※取材が行われたのは6月中旬)

こちらは、本来『I'm Nobody』のタイミングで発表しようと思っていたような楽曲、というとわかりやすいかもしれません。わりとドッシリしたイメージです。

これはもうスゴい偶然なんですけど、昨年の段階で“来年の方向性はどうしようか”とマネージャーたちと話しているときに出たのが、“価値観の改革”。それがこの曲のテーマでもあるんです。
価値観の改革ですか。
僕らの世代だと音楽は買って聴くのが当たり前。今ももちろんそうだと思うんですけど、世の中にはさまざまな形で音があふれていて、「えっ、音楽って買うものなの?」っていう感覚の若い子も少しずつ増えてくる気がします。実際、先日一緒にラジオをやっている10代の女の子が「初めてCDを見た! こうなってるんだ! ジャケット、カッコいい!」って。
ジェネレーションギャップが…。
それまで音楽について熱く語ってくれていた子が、初めてCDを見たと言い出したわけですからビックリしました(笑)。でも、これは“受け手側がアップデートされているのに、送り手側が昭和のままだから起こる現象”だと思ったんですよ。これは音楽だけの話じゃないでしょう。僕らはエンタメ業界にいるから、まずそこが目に入りますが、何事においてもそうなのかもしれません。

だからこそ価値観を変えていかなければならない…と言っていた矢先に、図らずもコロナウィルスが流行して価値観の変化を迫られたような気がしてしまった。こんな閉塞的な状況からの出口というと、ウィルスの流行が収まるとか、経済的に回復するとか…。いろいろあるでしょうけど、精神的な出口のひとつが“価値観のアップデート”なのかなと思っていて、そういう持論を詰め込んだのがこの新曲なんです。
新曲のタイトルにも意味が込められていますね。
ええ。もし世の中が違った状況だったとしても、別の角度から同じテーマを歌っていたとは思いますが、今回はそこが結びついてこういった形になりました。
楽曲に盛り込むということは、森久保さんにとっても“価値観のアップデート”はそれだけ大きなテーマなんですね。
もちろんです。さっき「しいたけ占い」を見たときに「価値観をアップデートさせていく時期です」みたいなことが書いてあって、めちゃくちゃビックリしました! しいたけ.先生、絶対身近にいますよ、これ(笑)。

偶然かどうかはわかりませんが、そういったものも含めて、吸い寄せられている先にこのテーマがあるのはたしかなので、感性をちゃんと保っていきたいなと思っています。
2018年には独立して株式会社アドナインスを設立されましたが、そういった動きも新たな価値観を求めてのことだったんでしょうか?
いや、まぁ、そこに関しては僕のスタンスの話ですかね(笑)。もとより自由にやらせてもらっていましたし、そんなありがたい環境から出るなんてもったいない、と言われたらそのとおりです。ただ、意識的な部分で、組織に属するよりは、自分で独立する道を選んだというか。

そもそも僕も養成所に入って声優になった人間ではありませんし、劇団を立ち上げたのがキャリアスタート。どうやったら食べていけるのか、そのときにやれることを全力で考えた結果、ここにいるというだけの話なんです。せっかく若手も育っているヴィムスというすばらしい事務所を出ちゃったのも、“インディーズ志向”が強すぎたからなんでしょう(笑)。
インディーズ志向ですか。
今は何かをやらかして傷つくのは自分だけなので(笑)、そういう意味では今のほうが気楽なのかもしれません。まぁ、変わっていないといえば変わっていない気もします(笑)。

独立してから1年が経って「なんとかやっていけそうだなぁ。2020年は積極的に動いてみるか」と思っていましたし。

昨今の流れのなかで、YouTubeを始めた声優もかなりいっぱいいますけど、僕は去年よりも前から「いっちょYouTubeやってみっか!」みたいな話はしていたんですよ。でも、丁寧に考えすぎた結果、実際に手を出せたのは遅くて(笑)。結果的に「みんなやっているから、僕も始めました」って誤解されそうな流れになっちゃいました(笑)。
(笑)。
対応が遅れたことも含めて、まだ準備段階だったということなのかなと。まぁ、これからですね、これから!

どうしても昨今の状況を悲観的に考えてしまいがちですけど、一度歩みを止めて、振り返る機会を持てたというのはよかった気がします。

これも偶然なんですが、仕事や生活の環境を一から組み直そうと思っていて、断捨離をしたり、床を剥がしてDIYをしたりして2020年に臨もうという目標を掲げていました。おそらくは1年かかるだろう…と思っていたんですが、ステイホーム期間で、それもすべて終えることができました。

じつは最近、あまり乗れていなかったハーレーを手放すことになりまして。お金を貯めて買ったものではありますが、価値観も変えたかったし、ちゃんと乗ってくれる人の元に行ったほうがハーレーも幸せだろうと。同じように楽器や機材もいろいろ手放して。スッキリ身軽になることで、見えてくるものもあるんだと思います。

共通認識は「エンタメは止めない」。『おれパラ』の絆

森久保さんのなかで、今後の音楽活動に対する具体的なビジョンは浮かんでいますか?
そうですね…。世界が目まぐるしく動いているので、予定されているライブツアーも含めてどうなるのかは僕もわかりません。でも、きっと世の中におけるライブの価値観も変化していくはず。人が集まってワーッとやるのが当たり前、という概念も変わっていく気がします。

だから、“変化を前提とした準備”をしておくべきだなと僕は考えています。「ライブって配信でするものじゃん?」みたいに言われる日が来るかもしれないし、だったら「配信だからこそこれは楽しい」と思えるものを発信できたらいいなと。

誰かがレギュレーションを決めるのをただ待つだけでは遅いから、だったらその時間を使って自分に何ができるかを考えたほうがいい。…まぁ、そんなことを言いつつ、何か具体的な案を思い描けているわけではないんですけど(笑)。
気持ちそのものが大切だということもわかります。
そんなふうに考えたほうが絶対に楽しいですし! 成功する根拠がなかったとしても、アイディアを考えるのは自由。不自由な状況だからこそ“あんなことをやりたい、こんなことをやりたい”と考えるのはいいことだと思います。むしろ、こういうときだからこそ浮かぶアイディアもあるんじゃないかなって。
ライブで共演する『おれパラ』のレギュラーメンバー(小野大輔さん、鈴村健一さん、寺島拓篤さん)とも、そういった話はされますか?
『ORE!!SUMMER 2020』を控えていることもあって、メンバーとはよく話をしますね! 僕はこれまで語ってきたような持論を展開していますが、メンバーの考え方もそれぞれ。ただ「エンタメは止めない!」というところでは同じ方向を向いています。やれることをキッチリやって、準備したA案がダメだったらB案、B案がダメならC案っていうぐらい入念に計画していこうと。
今の森久保さんにとって、『おれパラ』のメンバーはどういう存在に映っていますか?
まず小野さんは“素晴らしい器”。どんな食べものでもその器に盛られたらおいしく見えるし、どんな花でもその器に飾られたらキレイに見える。スゴい人が作ったスゴい器なんです。そんな器だから、こちらとしても何かを盛りつけたくなる。「次は牛丼を盛りたいな」とか(笑)。
森久保さんは小野さんにも楽曲提供をされていますが、そういうイメージで?
『More Super Love』、俗にいう『もすパラ』はそんな感じで作らせてもらいましたね。僕だけでなく、周りの人たちがみんな“小野さんにはあんなことをやってほしい”という願望を抱いていますし、そういう才能が小野さんにはあるので、だからこそ人気者なんだと思います。

アニメでメイン級の役をいっぱい演じられるのもその裏づけですし、ちゃんと期待に応えてどんな食材でも魅力を引き出す。スゴいですよ!
小野さん自身も『More Super Love』のクオリティーをべた褒めしていました。
いやもう、ずっと前からそういう(楽曲提供の)話が出ていたんで、頭の中には盛りたいイメージがあったんですよ。それで昨年、やっと正式にオファーが来たので満を持して盛りつけることができたと(笑)。期待以上に、そのイメージを表現してくれてうれしかったです。
鈴村健一さんに関しては?
鈴は僕とは全然違うエンジンを持っていて、でも根っこが似ている。物事の構築の仕方は近いけれど、ソースが違う…みたいな感じですね。なので、今回の『ORE!!SUMMER 2020』に関する発想や大事にする順番は違ったりします。ただ、通る道がお互い違うだけで、たどり着く場所はほとんど一緒。

行き着く先がバラバラだったらまとまらないし、かといって同じ道を通るだけだったらおもしろくない。違うルートを通るからこそ見える景色も違うし、アイディアも膨らむ。それぞれ別のベクトルに進んで「山にはこんなのがあったよ!」と「谷にはこんなのがあったよ!」という意見を合わせることができるんです。
理想的な関係性ですね!
『おれパラ』にとっても重要な関係性なんじゃないでしょうか。

そして、(寺島)拓篤は我々3人の要素を持ち合わせているハイブリッド。年齢がちょっと下ということもあって、僕らのことをちゃんと見ていて、いい部分を落とし込める。だからこそ、バランサーとしての役割を果たして、うまくパスを回すこともできるし、自分の活かし方もしっかりと心得ている…これはもう、僕らの背中を見てきてくれたからこその強みでもあるなと(笑)。

僕らが気づいていないようなことでも、彼なら気づいているのかもしれません。僕らも先輩を見ていて思うところがありますし、きっと彼もそうなんじゃないかなと。そういう意味でも、頼もしい存在ですよ。

何度も言いますが「エンタメは止めない」というところは共通しているので、前を向き続けたいと思います。
こういった前向きな考え方も、森久保さんの“らしさ”なのかなと改めて感じました。
いやー、前向きというよりも「自分でなんとかしよう」と考えていないと不安になっちゃうんですよね。極端なことを言えば、いつまでも安心できないんです。

だからこそ老後が安泰だなんて絶対に思わないし、いまだに「大人になったら何になろうか」って考えているぐらい(笑)。そういう意味では、今でも「I'm Nobody」そのものなんです!
森久保祥太郎(もりくぼ・しょうたろう)
2月25日生まれ。東京都出身。B型。主な出演作に、『メジャー』(茂野吾郎)、『NARUTO』(奈良シカマル)、『うたの☆プリンスさまっ♪』(寿 嶺二)、『弱虫ペダル』(巻島裕介)、『魔術士オーフェンはぐれ旅』(オーフェン/キリランシェロ)、『あんさんぶるスターズ!』(遊木 真)など。声優活動のほか、2001年よりアーティスト活動も行っている。

CD情報

Single『I’m Nobody』(CD+Blu-ray)
2020年7月22日(水)リリース予定

LACM-24001/¥2,100(税抜)

[CD]
1. I’m Nobody(TVアニメ『天晴爛漫!』エンディング主題歌)
2. PANIC KITCHEN

[Blu-ray]
1. I’m Nobody Music Clip
2. Making of I’m Nobody Music Clip

サイン入り色紙プレゼント

今回インタビューをさせていただいた、森久保祥太郎さんのサイン入り色紙を抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2020年7月21日(火)18:00〜7月27日(月)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/7月28日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから7月28日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき7月31日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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