帝国ホテル従業員から1987年に政界入りした57歳の野田氏、片や'92年にキャスターから転身した65歳の小池氏は、異色の経歴を持つ女性議員ながら、互いに切磋琢磨で政界を上り詰めてきた。
「それもあって、2人は焼き鳥屋で日本酒を飲み交わす仲。野田氏が一昨年に総裁選出馬を模索した際は、小池氏が推薦人集めをバックアップし、小池氏が都知事選に出馬し自民党と対立した時には、野田氏が裏で支援した。最近では、希望の党を立ち上げた小池氏が、衆院選で自ら出馬する場合、後継の都知事候補を野田氏にするとの情報もあったほどです」(全国紙政治部記者)
それだけに、希望の党の衆院選での大敗に、最も心を痛めていたのが野田氏だったという。そうした状況下、野田氏が塾立ち上げの宣言をした意図について、周辺関係者はこう言うノダ。
「当然、野田氏にすれば小池氏という類まれな才能を持つ女性政治家を、このまま見殺しにはできない。そこで、自らも含めての起死回生策として打ち出したのが、政治塾の立ち上げというわけです」
野田氏自身としては、塾開講はもちろん、来年秋の自民党総裁選に出馬するためのアドバルーンの意味合いも強いというノダ。
「閣僚にして塾の反響があれば、自民党内での存在感はかなり大きくなる。そこで、塾講師を小池氏にも依頼して話題作りをする。総裁選に向けては、野田氏は今、無派閥ですが、自ら立ち上げる準備も同時に進め、最低でも40人から50人規模を目指すのではないか。もちろん、現状のままでは安倍首相に総裁選で勝てるとは思ってはいないが、今後、安倍首相が森友・加計疑惑で失速するかもしれないし、改憲や得意の外交でつまずく可能性も十分にある。その時のために、しっかり爪を砥いでおく必要があるのです」(同)
そんなチャンスにかける青写真は、現実的なシナリオも併せ持つというノダ。
「党内で派閥を作り、安倍首相の動向次第では自民党を乗っ取る。それが不可能と見た場合は、ケツをまくり離党した上で、“野田新党”を立ち上げる。そこに、同じ“反安倍”の石破茂氏を引き込むことで、100人規模になる。そこから希望の党、日本維新の会、さらには民進党や無派閥とも連携を図れば、自民党超えも不可能なことではない。“野田新党”構想も含め、すでに衆院選後、野田氏は小池氏に計画を打ち明けているといいます」(同)
その了承を受けての、野田塾の動きということか。対して、小池氏周辺関係者はこう言う。
「野田氏の今回の動きの目的と小池氏との接触は、おそらく同一線上にあるのではないか。小池氏も再始動のチャンスを窺っている。もっとも、小池氏は今後の動きについて、衆院選後もツイッターなどで再三にわたって小池氏をフォローしている橋下徹前大阪市長との連携を画策しているという。その話を合わせれば、野田・橋下・小池の三枚看板になる。そうなると、野田新党に、希望の党、日本維新の会が合流し、政権交代可能な政党が生まれることになるのではないか」