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まぐまぐニュース
南シナ海問題。中国とは「棚上げ」で合意したが、紛争になれば「仲裁裁判所の判決を根拠に戦う」ということですね。当然です。しかし、「棚上げ期間」に中国は、ますます実効支配を強化していく。フィリピンと中国で、領有権問題がある地域、仲裁裁判所は、「中国の主張には根拠がなく、フィリピンの方が正しい」という判決。しかし、「事実上」中国領になってしまいそうです。
このことは、日本に大きな教訓を与えています。北方領土も竹島もそうですが、「実効支配」を許したら、後が本当に厳しい。交渉しても帰ってくる可能性はほとんどなく、取り戻したければ戦争するしかない。だから日本は、尖閣諸島防衛についても、真剣に決意を固めるべきです。中国が尖閣に上陸したら、即日排除しなければなりません。「困った困った。まずアメリカに相談しよう。次に国連安保理で相談して」などと言ってたら、アメリカ軍でも「もうムリです」となるでしょう(たとえば、アメリカは、ウクライナがクリミア半島を取り戻すために、ロシア軍と戦う気はない)。
皆さんご存知のように、アメリカとフィリピンの関係は、相当悪化しています。ドゥテルテさんは、オバマさんのことを、「売春婦の子」と呼んでいる。そして、「アメリカとの軍事演習は今年が最後だ!」と言う。訪中時には、「グッバイ、アメリカ!」と宣言し、習近平を大喜びさせました。これは、中国と問題を抱える日本にとって、極めてマズイ事態。今回の首脳会談では、どうだったのでしょうか?
首相は、大統領が先に「決別した」と言及した対米関係について説明を求めた。これに対し、大統領は「米国と外交関係を断ち切るわけではない」と釈明した。両首脳は、南シナ海問題の平和的解決や日米、米比同盟の重要性を確認する共同声明に署名した。(同上)
「日米、【米比同盟】の重要性を確認する共同声明に署名した」。
これも重要ですね。ドゥテルテさん、オバマさんのことは嫌いでも、安倍総理が間に入ったので、こんな共同声明になったのでしょう。
さて、フィリピンと中国の和解を歓迎するといった安倍総理。その一方で、ちゃっかりフィリピンの防衛力を強化しました。
安全保障分野では、フィリピンの海上対処能力を向上させるため、大型巡視船2隻の供与や、海上自衛隊練習機「TC90」の貸与で合意。(同上)
これは、中国の脅威に怯えるフィリピンが最も欲しいものでしょう。安倍、ドゥテルテ会談の結果は、こうなりました。
大統領は首相のフィリピン訪問を招請し、首相も快諾した。(同上)
というわけで、首脳会談は成功だったようです。安倍総理、オバマさんを見習って、ドゥテルテさんを冷遇することもできました。しかし、アメリカとは正反対で、ドゥテルテさんを引き寄せた。日本外交も、少しずつ自立に向かっている気すらします。
image by: 首相官邸
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