「プライド? それ、ないほうが楽しいでしょ!」天才クリエイター Tehu未来を語る』で紹介したように、DODAエンジニアITではさまざまな業種の著名人が登場してエンジニアたちへ有益なメッセージを語っている。

そのDODAエンジニアITに懐かしい人の名前を発見。その名を増井俊之と言う。いまのようにスマホやタブレットが流行するはるか前に人気だった個人情報端末「PalmOSデバイス」やアップルの「Newton OS搭載端末」を使ったことがある人なら、おそらく知っているだろう。

同氏は画期的な日本語入力支援システム「POBox」の開発者であり、以降「POBox」は、ソニエリのガラケー端末に標準搭載されるなどして進化を続け現在では、Android対応のPOBox Touchとなっている。

その増井俊之が若い世代のエンジニアに向けて、非常にためになるメッセージを発信しているので、ここで紹介したい。

■遅いスタートを乗り越えた秘策
増井俊之氏は、東京大学大学院修士課程卒業後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所を経て、2006年から2008年まで米AppleでiPhoneの日本語入力方式の開発に従事。2008年より慶應義塾大学で環境情報学部の教授をしている。

DODAエンジニアITには、同氏の研究室のことがかなり詳細に書かれており、理系の学生でも驚くような他の研究室にないユニークなことが多く、読んでいて非常に興味深い。

たとえば研究室のドアの開閉だが「NFC対応のスマートフォンをかざして回す」操作で解錠する仕組みが盛り込まれているなど、日常生活に新しいギミックが満載されているのだ。天井付近には、モノレールが走るためのレールが設置されており、インターネット経由で制御したモノレールから研究室の風景を撮影できるという。研究室の片隅には鍵盤のほうのキーボードといった楽器が置かれている。

そんな面白研究室を作り上げた増井俊之氏だが、研究者としては遅いスタートだったとのこと。たとえば多くの研究者は20代に実績を積み重ねるが、増井氏が論文を書き始めたのは30歳を超えてからだという。

当然人より遅いスタートになるわけで、何かしらで注目される必要がある。そこで取った作戦がUI研究のコミュニティ「インタラクティブシステムとソフトウェア研究会(ISS)」を立ち上げることだった。これが研究者としての活動には大きくプラスに働き、増井氏の研究成果を最も良く周囲にアピールできる場となったそうだ。

ほかにもAppleで働くことになった経緯など、面白おかしい話の中にエンジニアとして実にためになる内容が盛りだくさんだ。ここですべてを紹介しないが一読の価値が非常に高い内容になっている。


■「三年予測」って、なに?
「三年予測」とは、DODAエンジニアITが提供するWebコンテンツだ。様々な分野で活躍する「トップリーダー」と称される人にインタビューを行い、IT・Web系の企業に勤務している「エンジニア」へ向けたメッセージを発信している。

「トップリーダー」の人物像やご経験にスポットライトを当て、先の見えない昨今においてエンジニアとして魅力のある人物に成長していくためにはどうあるべきか、考え方や姿勢など、日々の業務を行うだけでは思いつかなかった発見・気付きを示唆するコンテンツとなっている。

同コンテンツを読んでもらうことで、より重宝される人材になるためのアクションを起こしてもらうことを目的としている。


UI研究者 増井俊之が語るエンジニアに伝えたいこと
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