2011年上半期は、東日本大震災の発生直後に、テレビやパソコンの売り上げが2割近く落ち込んだ。しかし、3月末からは復興基調に転じたのだ。

調査会社ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンが2011年上半期の家電・IT市場動向を発表した。そこで、パソコン、タブレット、デジタルカメラ、携帯電話、薄型テレビなどの動向を見ていこう。

まずはパソコンからだ。やはり、東日本大震災の影響があり、一時的にリテール市場の販売が落ち込んだ。しかし、地デジチューナーを搭載した一体型デスクトップPC、15インチ以上のスタンダードノートPCの販売が好調であったため、2011年上半期は数量で前年比4%増とプラス成長を維持したのだ。ただし、平均価格は下落傾向が止まらない。そのため金額ベースでは前年比5%減となってしまった。
リセラー市場は、昨年のスクールニューディール特需の反動が大きく、1~3月が大きく落ち込んでしまった。4~6月はプラス成長に回復したものの、前年比1%減となった。ただし買い替え需要は引き続き堅調と見られているため、下半期には期待できそうだ。

タブレットの販売は、前年比203%増で24万台となった。市場の立ち上がりから1年だが、2011年上半期までに10社以上のメーカーが参入し、モデル数も大幅に増加した。これにより、市場が大幅に拡大したのだ。
Webカメラ搭載モデル、USB搭載モデルなども増え、画面サイズでも多様化が進んだ。このようなモデル数の増加は、選択の幅を広げることにもつながっている。

PC用ディスプレは、前年比5%減の198万台だった。TVと同様にLED化が進んできた。特に2010年後半から急速にLEDバックライトタイプが伸び、数量構成比は前年同期の7%から、今期は30%へと拡大している。また、大画面化も進み、20インチ以上の数量構成比は8割を超えるほどだ。

デジタルカメラは、数量で前年比9%減の476万台と2年ぶりのマイナス成長となった。その中でも、レンズ交換式は4%減にくらべ、コンパクトデジタルカメラは10%減と落ち込みが激しい。
これは、デジタルカメラの最大の需要期である3月に震災が発生したことでの需要の低下、サプライチェーンの混乱、製品の供給不足が影響したのだが、4月以降にも影響は及んだ。
その中でも、ミラーレス一眼タイプは順調に伸び、レンズ交換式で数量構成比30%までになっている。まさに新しい市場を確立したと言えそうだ。

携帯電話は、前年比2.7%増の1882万台と2年連続のプラス成長を記録した。割賦販売制度導入後の市場縮小から回復基調となったのだ。
その中心は、スマートフォンだ。スマートフォンは数量前年比124%増の649万台と市場をけん引し、携帯電話全体における数量構成比は2010年の20%から今期35%となった。一方、フィーチャフォンは数量前年比20%減の1233万台となり、スマートフォンへの移行が顕著となったのだ。

薄型テレビは、エコポイント制度終了と東日本大震災の影響があったものの、アナログ放送の停波を目前に控えた需要により、前年比23%増の1,167万台と大きな伸びを見せた。6月は133%増と2011年上半期の最大販売規模記録しただけでなく、全体的に2台目、3台目需要により、32インチの構成比が前年同期の32%から39%、26インチ以下が36%から38%へと増加したのだ。

DVD/ブルーレイレコーダーは、数量前年比26%増の500万台を記録した。特にブルーレイレコーダーは71%増の303万台と市場をけん引したのだ。HDD容量は値ごろ感がました500GBが全体の53%を占めた。

東日本大震災の影響はあったものの、どの分野も回復基調を示していた。各ジャンルの中でも、成長分野が出てきたこともわかった。たとえば、PCではデジタルチューナーモデル、デジタルカメラではミラーレス、携帯電話ではスマートフォンといった具合だ。この成長分野がどれだけ市場をけん引できるかが注目ポイントとなっている。

ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン

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