Unihertzの新しい超小型スマホ「Jelly Star」をじっくりレビュー!気になった点をまとめ

中国・深圳を拠点に個性的なスマートフォン(スマホ)を多く開発しているメーカーのUnihertzから超小型モデル「Jelly」シリーズの新製品として「Jelly Star」が投入されました。クラウドファンディングが成功してリワードとして出荷されたのに続き、公式Webサイト内のストアや大手ECサイト「」などでの一般向け販売が開始され、その後、約2カ月ほど経ちました。なお、価格はAmazon.co.jpでは31,999円(税込)となっています。

Jelly Starは3インチディスプレイの手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズに加え、内部の基盤などが視認できるスケルトンボディーに背面側の撮影用ライトとは別に実装された光量調節可能なLEDライトを搭載したAndroid搭載のミッドレンジスマホで、Jellyシリーズとしては初代「Jelly Pro」や前機種「Jelly 2」に続く3世代目となります。

大画面化が進む昨今のスマホにおいてほぼ他に競合するモデルが存在しないこともあってか、根強い固定ファンがいるJellyシリーズですが、Jelly 2と比べて基本性能が大きくアップグレードされ、光るスケルトンボディーとなったものの、Jelly 2が対応していたおサイフケータイ(FeliCa)には残念ながら非対応となりました。

筆者もクラウドファンディングに出資して無事にリワードとして届いたので、前回の記事では開封して外観や同梱品、基本機能などを紹介しましたが、今回は実際にその後しばらく使ってみた上で筆者が気に入った点や気になった点、その他に気が付いた点などをまとめていきます。

【Jelly Starを使って気に入った点】

○コンパクトで嵩張らず、お散歩やランニングなどに身に着けてのアクティビティにぴったり
3インチディスプレイサイズ(外形は縦95.1mm × 横49.6mm × 厚さ18.7mm)で本体重量116g(公称値)と非常に小さく軽量で、ネックストラップなどで首から下げても気にならず、これからの時期ならジャケットの内ポケットなどに入れても問題ないでしょう。

筆者は本機をネックストラップで下げて、オーディオプレイヤーアプリやラジオ(本機はワイドFM対応)機能などを使って、ウォーキングを行っています。

FMラジオ機能を利用する場合は有線イヤホン(またはヘッドセット)の接続が必須となるので、完全なワイヤレス環境で活用するのであれば、radikoアプリなどのインターネットラジオアプリをインストールしておくのもいいでしょう。(ただし「radiko + FM」アプリによるFMラジオ聴取は非対応)

また、オプションのJelly Star用アームバンドを使って腕に装着しても軽いため、これにワークアウト系のアプリを入れて使うのもアリアリです。
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別売りの「Jelly Star用クリップ&アームバンド」を装着したところ。とにかく軽いので、スポーツのお供にもおすすめです。


○新要素の背面側LEDライトが楽しいだけじゃなくて、意外に実用的
前回の記事でも述べていますが、同じくUnihertzの背面側が光るスマートフォンの「Unihertz LUNA」とは異なり、点灯色は白のみとなっていますが、輝度設定で最大光量にするとかなり明るいです。

そのため、撮影用LEDライトとは別に制御できるので写真撮影用のライトの補助や、他のカメラ(スマホに限らず普通のカメラでも)で人物のポートレート撮影を行う際の追加の光源としても使うのにもよさそうです。(当然ながら、スタジオ撮影などで使われるような本格的な撮影用のライトには及びませんけども)

○実はこのサイズながら性能は結構高く、非常にサクサク動作
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端末の全体的な性能を測るベンチマークアプリ「PC Mark」での結果とランキングの近似値スコア

非常に小さい筐体ながら、本機はSoCにMediaTek製の4Gまでに対応したHelio G99に8GB RAMの動作メモリー。さらに本体ストレージは256GBと現行の4Gまでのネットワークに対応したスマホとしては最上位級に迫る性能です。(ただし、スコアだけを見ればQualcomm製のSnapdragon 855に近い数値なのですが、GPU絡みでクアルコム製Snapdragonと比べるといささか劣り、HelioシリーズのSoCは5Gに対応していないのですが)

本機には追加でメモリーカードも利用できますが、本体ストレージも256GBと比較的余裕があるため、デュアルSIMで利用する場合でも本体のストレージ不足を感じにくいのではないでしょうか。(特にサブ端末用途であれば尚のこと)

5Gには非対応ながら、4G世代のSoCを搭載スマートフォンとしては事実上最上位級に迫るクラスのスペック構成なうえに画面解像度が低いことから、SoC・RAMともに低負荷になる設計ではあるため、3Dモデルのキャラクターやエフェクトが飛び交うようなゲームアプリでも、最上位設定はさすがにちょっと厳しめなものの、アプリ側の画質設定を適切に見直しさえすれば、大抵のゲームアプリはそこそこ快適に動作してくれます。(画面の実サイズが小さすぎるので、操作は誤タッチに気を付ける必要があって大変ですが)

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主に端末の3D描画能力などのゲーム系アプリへの性能を測るベンチマークアプリ「3D Mark」のWild Lifeベンチでの結果とランキング内の近似値スコア。ちょっと前のハイエンドモデルの名前もちらほらと見られる。

近似値のスコアに国内でも発売されたゲーミングモデル、BlackShartk5や比較的最近発売されたばかりのミドルレンジ、Motorola Edge40などの少し前の世代のゲーミングモデルやほぼ同世代のアッパーミドルのスマホの名前もあるなど、ゲームアプリ系のスコア自体はかなり高い。



【Jelly Starを使って気になった・購入前にチェックしておく点】

○おサイフケータイ非対応
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Jelly 2には搭載されていたおサイフケータイ(FeliCa)ですが、今回のJelly 2では搭載見送りに…

先代モデルのJelly 2は日本向けモデルのみ、おサイフケータイ機能が実装されており、これと比較した場合のJelly Star最大のマイナス要素になってしまっているのがおサイフケータイ(Felica)機能の削除といえるでしょう。

NFCは搭載しているため、Google Payなどの決済サービスは利用可能なものの、コンパクトなボディにおサイフケータイ(FeliCa)を含めた決済関連の機能もフルに持たせることができたJelly 2と比べてしまうと、この部分だけは劣ってしまった部分となってしまっています。

なお、画面の実サイズが小さいためか、バーコード決済も決済端末によっては決済時の読み込みに時間がかかったりすることもある(QRコードも稀に読み取りミスがもたつくことがあった)ため、この辺りは注意が必要です。

Jelly 2のおサイフケータイ機能を利用していたユーザーでJelly Starへの持ち替えを考えている方は別途、決済方法を考えるなどの用意をしておきましょう。

Suicaなどの交通系決済カード機能が利用できるのはやはり便利ではあったので、次のモデルでは是非、復活採用して欲しいところです。


○カメラ機能はMediaTekの標準カメラそのまま
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Jelly Starのカメラアプリで撮影してリサイズのみ行ったもの

Jelly Starのカメラは約800万画素のインカメラ+約4,800万画素のリアカメラの組み合わせで、どちらもシングルカメラとなっています。

プリインストールのカメラアプリはMediaTek製SoC搭載スマホ向けに提供されているものとなっています。モノクロ撮影やタイプラプス、ナイトモードなど基本的な撮影機能は一通り用意されているものの、全体としてはシンプルで明るい室内や日中であれば、それなりに撮影できますが、4枚目の写真を見ると一目瞭然ですが、夜間や暗所などはノイズがわかりやすく発生してしまっています。

本機はカメラがシングル仕様でアプリの素の状態に近いものなので、GooglePlayストアなどでサードパーティ製のカメラアプリを入れてしまうのもいいでしょう。

なお、これまでのUnihertz製スマホのカメラアプリ同様にシャッター音は無効化可能となっています。(音をたてると迷惑になるようなシーンなどで撮影したい場合に便利です)


○スマホとしては非常に小さいことによるあれこれ
これは良くなかった点ではなく、極小サイズのスマホゆえに注意しておくべきことです。Jellyシリーズや同社のコンパクトタフネススマホのUnihertz Atom全般に言えるのですが、「非常に小さいため、失くし(行方不明になり)やすい」という点があります。

ちなみにこの原稿を執筆するまでにJelly Starを2度行方知れず(どちらも筆者の寝床の布団の中で発見)にしてしまっています(汗)

紛失を防ぐためにネックストラップを使ったり、自宅の中で行方不明になった際にすぐ発見できるようにブラウザからでも利用できるGoogleアカウントの機能の「スマートフォン(タブレット)を探す」の機能をPCやサブの端末から利用できるようにブックマークしておくといいかもしれません。
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ブラウザで「スマートフォンを探す」を開いたところ。やたらに数がある(19台出てきました)けどお気になさらず…


その他にも、「フリック操作は思いのほか快適に扱えるものの、タッチ操作によるQWERTYソフトキーボードは(特に縦持ち時は)かなり慣れが必要」など、クセの強いスマホであることは間違いないかと思います。
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縦持ちの状態でGboardのQWERTYキーを表示したところ。この画面サイズのスマホとなるとフリック入力の方が圧倒的に楽です。


前述の通り、ゲームアプリ自体は非常にスムーズに動作しますが、画面が小さいことによるプレイ(操作)しにくさがあります。お試しにリズムアクションゲームのデレステ(アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ)で実際に遊んでみましたが、画面小さいために快適に遊べるとは言い切れず、カードゲーム系も切りたいカードとは違う隣のカードを誤って選択してしまったりなど、ゲームプレイには支障が少なからずあると言えるでしょう。(ゲームアプリによってはゲームパッドを使うという方法もありますが、それなら他の端末で遊ぶべきでしょうし)

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「デレステ」であれば、縦画面の片手操作で遊ぶ「Smart」モード(画像右側)なら、それなりには遊ぶことはできました。

快適にゲームが動作する性能であっても快適にゲームが遊べるかは別のお話、ということです。


良いところをまとめてみると、5Gのネットワーク利用機能こそないものの、先代モデルのJelly 2と比べても十分すぎるほどスペックが向上しており、後継モデルと呼ぶに相応しいほどのスペック強化がされています。

動作も快適で、過去のJellyシリーズのスマホを使ってきたユーザーであれば、全く問題ないでしょう。逆にこれまで、ここまで小型のスマホを使ったことのないユーザーでも、思っていた以上に早い段階で操作に慣れてしまえると思います。そして操作自体になれてしまえば、使っていて楽しく、独特な所有感も嬉しい非常にユニークで魅力的な端末だと思います。

そして、新たなアクセントとして追加された背面のLEDライト機能もお飾り的な機能で終わらず、目立ちやすい通知ライトや工夫のし甲斐のあるユニークな機能です。唯一、おサイフケータイ(FeliCa)機能が非対応になってしまったのは残念ですが、この点が気にならない(または解決済み)の人には是非是非、手に取って欲しいスマホに仕上がっていると思います。

コンパクトさを活かしてオーディオプレイヤー的に使うのにも、さっと取り出して気軽に使えるサブ端末としてもオススメですよ!


余談:実は前回の開封レポートから今回の記事執筆の間までにUnihertzはJelly Starの新カラーバリエーションの「ブラック」が日本向け以外に発売開始されています。

このブラックモデルのJelly Starはグラファイト系のクリアカラーで、他のカラバリがブルーとレッドであることを考えると、スタンダードな色であるブラックも日本国内向けに販売して良さそうなモデルに見えます。

こちらはAmazon.co.jpには登録されておらず、Unihertzの公式Webストアからは発送先に日本を選択できないようになっています。が、AliexpressのUnihertzストアではカートに入れることができ、発送先を日本に選ぶことが可能となっていました(記事執筆時点では)

ブラックモデルが日本向けに正式に販売されるのかどうかは不明(技術基準適合証明、いわゆる技適マークがあるのは公式サイトでアナウンスされている)ですが、需要はありそうですし是非ともこっちも通常の手段で買えるようになるといいですね!

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記事執筆:河童丸


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Jelly Star:Unihertz公式サイト
Aliexpress内UnihertzストアのJelly Star販売ページ
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