VAIO Phoneを発売する日本通信の狙いとは?

既報通り、日本通信とVAIO(バイオ)は12日、都内にて「VAIOスマートフォン新商品発表会」を行い、Android 5.0(開発コード名:Lollipop)を搭載したSIMフリースマートフォン「VAIO Phone(型番:VA-10J)」を発表した。

すでに紹介しているように各量販店などでは3月13日より事前予約受付を開始しており、出荷は20日を予定している。また、日本通信では年中無休のVAIO Phone専用のコールセンターを開設したこともアピールした。

発表会では日本通信とVAIOの協業の背景やVAIO Phoneの狙いとコンセプトについて語られた。そこで、今回はそれらについて写真を交えてまとめて紹介する。


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日本通信 代表取締役社長 三田聖二氏

最初に登壇した日本通信代表取締役社長の三田聖二氏はVAIO Phoneを「格安ではなくプレミアのスマートフォン」と紹介し、「iPhoneは世界のナンバーワンの通信機器、しかし、もう1つのブランドはグローバルな効果がある、アップルと対抗できるブランドは”VAIO”でございます。」と語った。


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VAIO 代表取締役社長 関取高行氏

次にVAIO代表取締役社長の関取高行氏はまだ始まったばかりの会社でリソースや通信技術が限定的とした上で「今回のVAIO Phoneはデザインと一部のエンジニアリングをしておりますが、事業主様は日本通信様ということで一緒にやってきた。」とし、「今回の発表を皮切りにパソコンからモバイルデバイスなど様々なデバイスと通信をつなげていくチャレンジをして行く。」と意気込みを語った。


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日本通信 代表取締役副社長 福田尚久氏

続いて、VAIOとの協業の背景について日本通信代表取締役副社長の福田尚久氏は「SIMロック解除によって端末と通信それぞれが競争することになる。」と説明した上で、「さまざまなMVNO(仮想移動体通信事業者)業者の競争によって料金のメリットが出たが、一方で端末市場では競争が起きていない。」と語った。さらに、現在のSIMフリー市場は「格安のブランド力のない機種か、日本メーカーだが高めの1年落ちモデルであり、日本通信とVAIOはストライクゾーンのど真ん中へ直球を投げていく。」ことを説明した。
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VAIO Phoneで広げる新領域として、日本通信の固定電話でスマートフォンが使える”03”スマホや固定電話の番号で利用できるFMCフォンなどを挙げ、「ソリューション、アプリケーション、販売ルート、アイディアを持っている方々と、さらに多方面でパートナーシップを組んで新しい領域を切り開いていくのが狙い」と説明した。


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VAIOの花里隆志氏

VAIO PhoneのデザインコンセプトについてVAIO 執行役員の花里隆志氏は同社のパソコン「VAIO Z」の元になった3つのコアを説明した上でVAIO Phoneのコンセプトを「ビジネスを始め、あらゆるシーンで使える」とし、「誰もが感じる使いやすさ」や「多機能より本質機能」であり、ストライクゾーンど真ん中の製品コンセプトとなるよう監修に当たったのだという。
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デザインに関して花里氏は「黒を基調としたシンプルな造型を心がけ、デザイン力を駆使し持って嬉しい端末としては足りないので表面と裏面のガラス素材を生かした光沢の部分と側面のマット仕上げでコントラストを表現した」と語った。

質疑応答において、VAIO Phoneのデザイン、ハード、価格の付加価値はどこにあるのかという問いに対し三田氏はハードウェアに機能を足し、画面を大きくしてもお客さんは満足しないと語り、「アプリケーションに限られているというコンピューティングとなって行かなくてはならない」というアップルの話を引き合いに出した。

そのアプリケーションとは「お客さんが必要としているソリューションであり、コンピューターやモバイルデバイスはそれらを使って問題を解決できたというところに付加価値が生まれる」と説明し、VAIO Phoneはその部分を追っていると語った。また、スマートフォンのハードウェアだけを評価すると、ハードウェアだけの付加価値を付けるのは難しく、コストが上がり、個客はそれに対価は払わないと述べた。
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福田氏は価格に関して「トータルコストでみて欲しい」とした上で、「NEXUS 4とSIMのセットが2年契約で2,980円、VAIO Phoneも同じ2,980円で提供することでトータルコストがストライクゾーンのど真ん中に入れている」と説明した。

さらに福田氏はVAIO Phoneは「おサイフ(FeliCa)やワンセグなど"ガラスマホ"と呼ばれる機能でハードウェアの差別化をするのではなく、ハードウェアは持ちやすさ、軽さ、使いやすさ、かっこよさを貫いた上で、サービスやソリューションをパートナーが追加しやすくする」と説明し、今後追加サービスを発表していくと語った。

記事執筆:mi2_303


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