『Fujifilm 以外のフィルムも再現できるレシピが面白い』 富士フイルム FUJIFILM X100VI [シルバー] domnikさんのレビュー・評価

２代目 x100s からずっと買い換え続けていますが、今回は初めて品不足を経験したため、抽選購入を諦めてプレミアム価格で購入しました。

【デザイン】
Leica M10-P も愛用していますが、このカメラはまさしく「Baby Leica」といった感じです。軽くて片手で撮影でき、ライカほど気を使わずに使えるため、Everyday camera として最高のカメラです。

【画質】
Fujifilm のカメラを選ぶ人は、この絵作りに惹かれて購入するのだと思います。標準のフィルムシミュレーションも面白いですが、Fuji X Weekly というサイト(アプリ)には、Kodak や Agfa など他社製の色を再現する設定レシピが投稿され公開されています。これをカスタムプリセットにフィルム名とともに保存することで、純正シミュレーション以外のフィルムライクな JPEG を撮影できます。

Fujifilm は海外では日本以上に画質を評価されて人気のあるメーカーだと感じます。
X Raw Studio を使うと、フィルムレシピをPCに登録でき、出かける前にカメラのC1-7に設定をエクスポートして持ち出すことができます。これにより、"今日のフィルム"を選んで撮り歩く楽しみ方ができ、長年使っても画質に飽きることがありません。レンズ遊びは Leica Mで、色遊びは Fuji で。という使い分けを個人的には楽しんでいます。
参考画像はすべて JPEG 撮って出しで、Kodak Gold 200 などで撮影しました。

【操作性】
Leica がもし現代風にレンジファインダーを進化させていたら、の回答のようなデジタルレンジファインダーは唯一無二です。普段からLeica Mを使用している人は、併用していても比較的ストレスなく使えます。
メニューのタブ分けは相変わらず使いづらいです。
前作までは、C1-7までのカスタムプリセットを一時的に変更して電源を消しても設定が維持され、
プリセット番号を変更すると初期設定に戻る機能がありました。
しかし、新作ではおそらく自動更新するかしないかしか選べなくなりました。
このため、一時的に設定を変更してキープする使い方ができなくなりました。
この点は使い勝手が悪くなったなと感じています。


開発者さんも見ているかもしれないので、
将来のアップデートに期待して、個人的な希望を書かせていただきます。

1. カスタムプリセットの数を大幅に増やしてほしい。
2. カスタム設定の自動更新の挙動を前作のように戻してほしい。
3. 全ての画質設定をQRコードで表示できるようにして、カメラで直接読み取ることでそのプリセット情報を直接登録できるような機能があると便利だと思います。これができるとお気に入りのレシピ設定を交換したり、Instagramなどで撮影レシピのQRを共有することも可能になります。Raw 現像派が主体のメーカーが多い中、Jpeg 派が多いという特性を活かして、カメラ内で出来ることをもっと増やすと良いなと思いました。
4. ホワイトバランスだけでなく、7色を個別にHue, Saturation, Lightnessで調整できるパラメーター設定を追加してほしい。難しければ、High, Mid, Lowの3点の色寄せができるだけでも、絵作りの柔軟性が増します。

他にも面白い UX のアイデアはいくつかありますが、今後も買い続けるカメラシリーズなので、
次回作の開発の際に検討いただけると大変ありがたいです。

【バッテリー】
サイズ的に容量は期待していません。携帯と兼用のモバイルバッテリーを持ち歩くことが必須です。

【携帯性】
文句ありません。

【機能性】
他社に比べてメニューはクセが強めです。

【液晶】
前作よりも暗くなった気がします。青天時に標準の明るさではモニターが見えません。日常的にサングラスを使用する人には特に不便です。液晶のオート輝度調整がないため、MAXまで明るさを上げっぱなしにしています。

【ホールド感】
ホールド感を求めて醜くなるカメラが多い中、現在の状態を維持しているのは好感が持てます。軽いカメラですが、ホールド感が気になる方は、社外品のレザーケースやグリップを使うと良いでしょう。

【総評】
最高の Everyday Camera だと思ってシリーズを買い換え続けています。Leica M や Sony a7 なども併用していますが、センサーサイズでは語れない画質の良さや面白さが確実にあるカメラです。先日社長が言及してプチ炎上しましたが、
LeicaやFujiは海外で根強いコミュニティーがあり、共通ユーザーも多いブランドです。
Big3 とは違うベクトルで、今後も楽しいカメラメーカーとして進化してくれることを期待しています。