『ヘッド部分が全てを台無しにしている』 日立 かるパックスティック PKV-BK50L(V) [ライトラベンダー] kaitaichiさんのレビュー・評価

【デザイン】
日本製の掃除機は単純なシルバーやホワイトなどの色が多い中、若干紫がかっており美しいデザインです。
明るい部屋、暗めの色のお部屋どちらとも相性がよくどんな部屋でも違和感なく設置できると思います。

【使いやすさ】
事前にネット上のレビュー動画では言及されていたのですが、ヘッドの作りがイマイチです。最近の他メーカーのコードレス掃除機は、壁際のごみまでよく吸えるように、前部が薄く作られていたり、壁に密着する機構があったり、サイドからもゴミが吸えるようにサイドの一部に窪みが作られていたりと各社様々な工夫が凝らされていますが、この掃除機はそういった工夫が全く見られません。
サイドも前部もかなり厚みがあり10年以上前の作りかと疑うレベルです。
ヘッドの耐久性のためにこのような形状にしているのかもしれませんが、結果的に壁際の吸い残しがひどいです。
以前利用していたパナソニックの方が壁際のごみは良く吸えていました。

【吸引力・パワー】
パワーはものすごく強いかといえばそうではありませんが、コードレス掃除機としては必要十分だと感じます。
基本的にはフローリングのハウスダスト程度であれば吸引力・パワー不足を感じることはないかと思います。
砂などの重みのあるゴミだと若干吸い残しがありますが、2往復ぐらいかければ吸い取ることができるので問題ないと思います。
ただし、前述のとおりヘッドの形状に難があるため、壁際のゴミの吸い残しがかなり多いため、隙間ノズルを使うか、モップを使って掃除するなど、この掃除機以外を使っての掃除は定期的に必要です。

【静音性】
問題ないです。掃除機としては一般的な大きさです。

【サイズ】
大きすぎず小さすぎず、ノズルの長さも適切なので身長165?の私で丁度よく使うことができます。

【手入れのしやすさ】
紙パックなのでダストボックスの水洗いや、フィルターの掃除が無いのはこの掃除機の最大のメリットと言えます。また取り出したダストボックスから埃がこぼれ落ちないように、使用済みの紙パックに蓋がついているのも良いと思います。
ただし、ヘッドのブラシがかなり汚れやすいです。
静電気が発生しているのか家のフローリングと相性が悪いのかわかりませんが、3週間も使用すればヘッドブラシの毛先にかなりの量の埃が付着します。
また、別の方も書き込まれていますが、回転ブラシに髪の毛や糸くずが絡みます。
また、絡みついた髪の毛や糸くず自体にも埃が溜まってしまい不衛生ですし、吸引力にも影響が出てきます。回転ブラシが他の掃除機と比べてかなり汚れやすいです。
せっかくコードレスでは珍しい紙パック式を採用しダストボックスやフィルターのメンテナンスフリーを実現しているのに、ブラシを3週間に1度手入れをしないときれいな状態を保てないのはかなり残念です。

【取り回し】
本体重量1.4kgなので驚くほど軽いです。
自走式ノズルも採用されているため、軽さと相まって取り回しはかなり優秀だと感じます。


【総評】
デザインや、この軽さ、紙パック式といったことはこの掃除機の大きな強みだと思います。
ところが、ヘッド部分（ヘッドの形状や回転ブラシ）がこの掃除機の良さ、全てを台無しにしてしまっています。
具体的には、せっかく必要十分な吸引力をヘッドの形状による壁の吸い残しで、紙パック式でのメンテナンスフリーを汚れやすいブラシで台無しにしてしまっており、結果的にこの掃除機の強みは何かと聞かれたら、デザイン性と軽さしか無い印象です。
私は、家の冷蔵庫もカメラ付きに惹かれて日立のもの、洗濯機も洗浄力の高さに惹かれて日立のビートウォッシュ、エアコンも凍結洗浄に惹かれて白くまくんなど、かなり日立を愛用しており、実際に利用してこれらの使い勝手がかなり良く、信頼しているメーカーでした。そのため、今回評価も高かったため、期待をして初めて日立の掃除機を購入したのですが、この掃除機に関してはかなり期待外れでした。
7万円以上を払って買う価値のある掃除機かどうかを総合的に判断して個人的には7万円の価値は全くないと判断し、この評価とさせて頂きたいと思います。
ただし、この掃除機以外にも別のメインで使う掃除機を保有しており、この掃除機はサッと掃除したい時に使うだけの予定の人や、ブラシのお手入れを面倒と感じない人には軽いので良い選択になるとは思います。