『実用より気取ったファッション重視＝使い易くないです。』 リコー GX200 6084さんのレビュー・評価

写真１）本機による撮影。	写真２）本機の姉妹機、単焦点レンズのＧＲＤ?による撮影。	写真３）キヤノンパワーショットＧ１０による撮影。
写真４）パナソニックｍ４／３機、ＧＦ１＋オリンパス１２−５０による撮影。	写真５）ＡＰＳ−Ｃセンサーの初代ＧＲによる撮影。	写真６）本機とモノブロックストロボで撮影。

１．購入動機
大分以前ＧＲＤ?を常時携帯用として有り難がって使っていた頃、「小さくてズームレンズ付きは便利」と思い込み購入しました。

２．デザイン
ＧＲＤ?と共通した部分があり気取っていますが使いにくく余り実用的では無いです。
コンデジなのにレンズキャップが必要でこのままでは保護フィルターも付けられません。
オプションにフィルターの付けられるフードもありますが、小さく鏡筒を畳める折角沈胴式なのが台無しです。
電子ファインダーはオプションの外付けで面倒なのでこうした物は内蔵すべきと思います。
結局の所小型化したのにオプション類でそれをダメにしている様に感じます。

３．画質
コンデジなりです。ＲＡＷで撮影可能で、露出を失敗した時に現像時に救済出来るかも知れません。

４．操作性
コンデジとしてはこれで普通なのでしょうが、測距枠は「スポット」では移動出来ません。「マルチ」では他機種にも有りがちなカメラが勝手に選ぶ方式です。撮影者の意図の反映のし易さは一眼レフやミラーレス機には全く及びません。

５．電池
この機種の電池もご多分に漏れず端子が剥き出しでショートの危険性が有ります。ＧＲＤ?等と電池、充電器が共用できるのは良いです。

６．携帯性
昨今のミラーレス機と比べれば十分に小さいですが、レンズキャップを必要とし、炎天下では必要な外部ファインダーも携行には邪魔です。

７．機能性
「ステップズーム」をＯＦＦにした場合、テレ側からワイド側に画角を変更するとバックラッシュが起きて画角の設定がやり難いです。
「マイセッティング」にレンズ画角も設定出来、これは良いです。ステップズーム機能も有りますが、即座に好みの画角度に切り替えられます。私は広角、標準、中望遠に設定しています。ライカトリエルマー２８−３５−５０に近い便利さを感じます。

８．液晶
コンデジなりですが、長期保管で中央部分に変な固定パターンが出来てしまいました。撮影結果や電子ファインダーには無いので液晶だと思います。

９．ホールド感
小さいのであまり良いとは言えません。右手でグリップ部だけを持たずに左手をカメラ底面に添えるべきだと思います。

１０．写真、類似機種等との比較作例です。センサーサイズ、レンズ等が異なり厳密な比較にはなりません。
見て頂きたいのは、お人形さんのお顔が影の様になって暗いのでこの部分のノイズ発生等の様子と乱れた前髪、アイラッシュ、お洋服の胸の辺りのレースやリボンで解像感等を見て下さい。
ストロボを使うと「光量潤沢で評価に適さない＝どれも綺麗に写ってしまう。」とご指摘を受けた事があり、写真１）〜写真５）まではＬＥＤの普通の室内灯のみで撮影しました。
お顔が暗いので最後の１枚、写真６）のみモノブロックストロボを使い、ストロボを使えばお顔を明るく撮れるという事をお見せしています。（それだけです。）


被写体：４０cmクラスの市販キャストドール。
写真１）〜５）の光源：家庭用ＬＥＤシーリングライト。HotaluX LIFELED'S HLDCB0873（Ra85）
写真６）の光源：ＧＯＤＯＸ、ＳＭＡＲＴ３００ＳＤＩ（３００Ｊのモノブロックストロボ）＋ルーセントアンブレラ。

写真１）本機
写真２）本機の姉妹機、単焦点レンズのＧＲＤ?
写真３）キヤノンパワーショットＧ１０
写真４）パナソニックｍ４／３機、ＧＦ１＋オリンパス１２−５０
写真５）ＡＰＳ−Ｃセンサーの初代ＧＲ
写真６）本機とモノブロックストロボで撮影。ただお顔を明るく出来ると言うだけです。
皆さまがＲＡＷ現像で努力されれば遥かに綺麗な写真が得られると思います。

１１．総評
比較対象も含めかなり以前の旧機種です。中古市場には出回っていると思いますが、修理等困難に思えますので新規の方はくれぐれも新品で購入可能機種から選定して下さい。
色味は背景布の白い部分でＲＡＷ現像時に合わせましたが、それでも機種毎の差が出ています。ＬＥＤ照明下の色味は初代ＧＲに一番好感が持て、ついでキヤノンＧ１０でした。
暗部のノイズ感はやはり初代ＧＲが一番良好と感じましたが、同じくセンサーが大きめのｍ４／３機のＧＦ１は良く有りません。この時代のパナ機の弱点らしく、同じパナ機でも割と最近の機種とは全然違います。これも写真にお見せしたい所ですが、枚数の制限が有ります。
一般論としてセンサーサイズが小さいと不利、ズームレンズは単焦点レンズと比べて不利と言われ、それには根拠がありますが、明るい条件で撮影する事を心がけ、必要ならば外部ストロボを用いる事でかなり改善する事もご理解頂きたい所です。
最後の写真６）は本機とモノブロックストロボでの撮影です。一般に写真館や結婚式場等やプロの現場で多用される、この様な大型ストロボは高価で扱いにくいものですが、今回使用したモノブロックストロボは２万円未満の安価な物です。それでも何方にでもお勧め出来る手軽な物では無いと思いますが機会がありましたら是非。