エピソード1:<
不登校になったのはママのせい!>母親やめてもいいですか?
40半ばのユズキ(仮名)さんは、夫のリョウヘイ(仮名)さん、ひとり息子のコウタロウ(仮名)くん、そして義両親との二世帯同居をしながら、
正社員として働いていました。ある朝、小学校4年生になったコウタロウくんが「学校に行きたくない」と言い出したことで、その平穏な日々が崩れはじめます。

理由は、くせ毛をからかわれる
いじめでした。義父母は「母親の
しつけが悪い」と責め立てられ、夫がユズキさんに蹴りを入れる始末。
家族の怒りの矛先が自分ひとりに向けられる恐怖のなか、ユズキさんは声を上げることもできませんでした。

ユズキさんは仕事をやめてコウタロウくんをサポートすることにしましたが、そのうち、今度はコウタロウくん自身が
ストレスを母にぶつけるようになったのです。ユズキさんは息子を叱ることもできず、怯えながら耐える日々が続きました。これからもずーっと母として、耐えなければいけないのでしょうか?
エピソード2:<私の心はもう限界……!>「消えろ」息子
反抗期の凄まじさ
Bさんの家庭は、ごく普通の4人
家族。けれど、高校2年生のヨウタ(仮名)くんは、
思春期の
反抗期を迎え、母に対して過激な暴言を繰り返すようになりました。

夫は朝早く出勤し、夜遅くに帰ってくるため、家庭の問題には関わろうとしません。
相談しても「放っておけ」と取り合わず、Bさんは孤独に追い詰められていきました。

ある朝、登校前のヨウタくんがプリントを差し出し、「今日までだから早く書け」と怒鳴ります。その後も続く暴言に「このままでは、自分が壊れてしまう」と何かが切れました。Bさんは最低限の荷物をまとめます。母親である前に、ひとりの人間として限界を迎えていたのです。
エピソード3:<母親失格?>息子を可愛く思えない。産む前に戻りたい
Cさんは、息子のタカト(仮名)くんを出産して2か月が経ったころ、心身ともに疲れ切っていました。夜泣きで眠れず、食事も落ち着いて取れず、
トイレに行く時間さえありません。赤ちゃん中心の生活のなかで、Cさんは「息子を可愛い」と思えなくなっていました。

「もっと寝たい」「静かに過ごしたい」……そんな思いの裏で、「息子さえ産まなければ」という黒い感情が頭をよぎります。出産前は「自分の子なら無条件に愛せる」と信じていたCさん。けれど現実は違いました。そんな自分を責め、「私は母親失格なのでは」と苦しみながら、誰にも言えずに涙を流す日々が続いていました。

産後のホルモンバランスの乱れ、
睡眠不足、孤独……さまざまな要因が重なれば、誰にでも起こり得ることではないでしょうか。母親だからといって、常に強く優しくいられるわけではありません。そんななか、異変を察した旦那さんがCさんの実母に連絡しました。
「母親」という名の
束縛3人の母親に共通しているのは、「母親だから」と過度な責任を背負わされていることではないでしょうか。子どもの
不登校、
反抗期、育児の孤独……どの場面にも、「母親のせい」という言葉がつきまといます。しかし、母親もひとりの人間です。迷い、傷つき、泣いて、逃げたくなることもあるのです。社会のなかで、母親という肩書きの下に隠された苦しみや孤独。完璧でなくてもいい。立ち止まっても、泣いてもいい。母親も誰かに支えられるべき存在なのではないでしょうか。
編集・編集部