【画像】ユニークなスタイルをもつランボルギーニのワンオフ
モデル、プレグンタがオークションに!(写真28点)
プレグンタは、ランボルギーニがアウディに買収される直前、1998年のパリサロンにてお披露目された。この頃のランボルギーニは複雑な所有権の変遷を経験していた。1987年にクライスラーが買収し、1994年にはインドネシアのスハルト元大統領の末っ子が率いるメガテック・グループに売却され、その1年後にはマレーシアの
投資会社V`Power社とインドネシアのマイコム・セドコ社に、最終的に1998年にアウディに買収されたのだった。
つまり、プレグンタは元々クライスラー時代に構想されたプロジェクトだったが、その後の複雑な所有権変遷により開発が遅れ、実際の契約締結と製作はアウディによる完全買収の数週間前に行われた。この車は文字通り時代の狭間で生まれた特別なマシンである。
プレグンタの開発は、ランボルギーニと1920年創業のフランスの名門コーチビルダー、ユーリエの協力で実現した。ランボルギーニは開発用ディアブロのシャシーを無償提供し、ユーリエは”新しく、オリジナルで、他のどんな車とも混同されることのない”デザインを
約束した。また、プロトタイプは1台のみの製作とし、第三者への工業所有権の売却を禁止するなど、厳格な条項が設けられていた。
プレグンタのデザインを担当したのは、ユーリエ・トリノのマルク・デシャンである。マルチェッロ・ガンディーニの後継者としてベルトーネで約20年間スタイル・ディレクターを務めた実力者で、1980年のロードスター「ランボルギーニ・アトン」や超高性能
モデル「エドニス」なども手がけた実績の持ち主である。
プレグンタの最大の特徴は、フランス空軍の戦闘機ダッソー・ラファールからインスピレーションを得た前衛的なデザインにある。ラファールのステルス塗装と同じマットグレーを纏い、戦闘機のキャノピーを思わせる巨大で水平に近いウィンドウシールド、ラファールの胴体に設けられたエアインテークのような大型サイドエアスクープなど、航空
宇宙技術の要素も随所に散りばめられている。
写真で見るとずんぐりしているが、全高はわずか1,100?。フロントノーズは左右ホイールハウスの前方に”船首”をもつようなカタマランボートのような雰囲気で、レーシングプロトタイプを彷彿とさせるエアインテークが特徴的だ。
保守的なスーパーカーデザインから大胆に脱却したスタイリングは、プレグンタの名に相応しいのかもしれない。というのも、プレグンタはスペイン語で「質問」を意味する言葉だからだ。
ボディパネルは全面、カーボンファイバー製でまだまだ当時としてはめずらしかった。もっとも、オラチオ・パガーニ(パガーニ創業者)がランボルギーニ在籍時にカーボンファイバーボディのカウンタック実験車を手掛けているが…。フロントエンドのデザインは、翌年の1999年にデビューしたパガーニ・
ゾンダを彷彿とさせるのは偶然だろう。カウンタックやディアブロ同様、プレグンタは跳ね上げ式の”シザードア”を備え、取り外し可能なポリカーボネート製のルーフパネル2枚によりクーペからロードスターへの変身も可能だった。
ベースとなったディアブロから大幅な変更が加えられている。5.7リッターV12エンジンは最高出力537PSまでパワーアップされ、ディアブロが主に4輪駆動だった時代にあえて後輪駆動のみとすることで、よりピュアなドライビング体験を追求した。この変更に伴い、前後重量バランスを最適化するためにラジエーターは前方に移設されている。5速マニュアル・
トランスミッションと組み合わせ0-100km/h加速3.9秒、最高速度333km/hという当時としては目を見張る性能を誇っていた。