



羽田さんのご両親は店に入ったときから、俺がどんな話をしようとしているのかを察していたようだ。俺は膝の上の握りこぶしに力を入れ、「もうお会いすることはできません」と告げた。羽田さんは当然、すぐには納得してくれない。



「そんな……」羽田さんが呆然とするなか、羽田さんのお母さんが「分かりました」と返してくれる。お父さんも「こちらこそありがとうございました」と話を終わらせようとする。そんな俺とご両親のやりとりに、羽田さんは青ざめていた。


どんな言葉を並べても言い訳に聞こえてしまいそうだったから、羽田さんには簡潔に要件だけを告げた。そして心からの
謝罪とともに俺はその場を去った。20年ぶりに羽田さんと再会してから、羽田さんの要望を叶えることで自分が許されていくような気がした。けれどその感覚は間違いだったのだろう。
これからは
家族も羽田さんも関係なく、俺自身がしっかりと罪と向き合いつづける。ひとりの女の子の
人生をめちゃくちゃにしてしまったという事実は消えない。相手に許しを得られれば罪が軽くなるなんてことはありえないのだ。
この話し合いのあと、羽田さんがどうなったか俺には分からない。ただ今の俺には大切にしないといけない
家族がいる。俺は過去の罪を背負いながら、目の前の
家族を大切にして生きていこうと決意したのだった。
原案・ママスタ 脚本・渡辺多絵 編集・井伊テレ子