上司:ありがとう(気を遣わせているのかな……)
そんなふうに誤解を招かないために 「わかりやすく、素を伝える」 方法があります。
具体的にイメージしてください。
対面でそのまま伝えると疑念が生まれやすいので、トイレに行くときに相手に届くギリギリの声で「今日はすごく楽しい……」とつぶやいてトイレに行ってください。
このように伝えることで、上司からは「本音」が漏れたと認識されます。
なぜ、「楽しい」ことを上司にわざわざ伝える必要があるかというと、まともな上司であれば部下と飲んでいると「本当に楽しんでくれているかな……」「パワハラになっていないかな……」と不安を感じていることが多々あるからです。
部下:(小さな声でボソッと)今日はすごく楽しい……
上司:(楽しいと思ってくれているんだな)
部下からリアルタイムの気持ちを自己開示することで、上司も安心してあなたのことをこれからも誘いやすくなり、多くの経験を共にできるようになります。
また、ビジネスシーンではクレームなどのネガティブな感情を率直に伝えられることはあっても、相手にポジティブな気持ちを伝えることも、伝えられることも少ないため、この経験自体が相手の印象に残りやすくなります。
「打ち合わせ」や「1on1」でも効果を発揮する
余談ではありますが、どれほど人の記憶に残りやすいかというと、ある会社の新入社員100名に対して、サブリミナル効果を活用した一言を教えました。
3カ月後、その会社の部長さんから電話があり「中北さん、あなたはいったい何を教えたんだ!?」と焦ったような口調で問い詰められました。
私も3カ月経っており何のことだかわからず「何がですか?」と聞くと、部長さんに「今年の新入社員100人中の100人が、トイレ行くとき何か言うぞ!」 と笑いながら怒られました。
この年の新入社員のことを部長さんは、おそらく生涯忘れることはないと思います。
さらにビジネスシーンでの活用法をお伝えすると、この一言は「打ち合わせ」や「1on1」で使用しても非常に効果を発揮します。
例えば、あなたが上司の立場であれば部下の発言に対して「いい意見だな……」「いい質問だな……」とつぶやいてあげるだけでも、心理的安全性が生まれやすくなります。
また、あなたが部下の立場であれば上司の発言に対して「すごい憧れるな……」「尊敬できるな……」など、一言呟いてあげるだけでも上司の心理的安全性が生まれることは間違いありません。
ぜひ、まずは活用してみてください。そして、「Aさんにはこの一言が刺さるな」「Bさんにはあっちのほうがいいか」などゲーム感覚で、相手に使うとモチベートできる言葉を探ってみてください。
あなた自身も使いながら徐々に楽しくなってくるはずです。
(中北 朋宏 : 俺 代表取締役社長)