“新たな出発”の前に――小林愛香×高槻かなこ×降幡 愛がAqoursと歩んだ5年間

“みんなで叶える物語”をテーマに、TVアニメやゲームをはじめとしたオールメディアで展開するメディアミックスプロジェクト・ラブライブ!シリーズ。

キャストがリアルライブを行うことで話題を呼び、『ラブライブ!』のスクールアイドルグループ「μ's(ミューズ)」の人気が爆発。ファンを指す言葉「ラブライバー」が2015年の流行語大賞の候補に選ばれ、その年の『第66回NHK紅白歌合戦』に出場するほどの社会現象になった。

続く『ラブライブ!サンシャイン!!』のスクールアイドルグループ「Aqours(アクア)」も、東京ドームを2日間満員にするほどのグループに成長し、2020年6月に結成5周年を迎えた。シリーズ初のドームツアーをはじめ、作品の舞台である静岡県沼津市への“地元愛(じもあい)”の想いを込めたアニバーサリープロジェクトが展開する。

ライブドアニュースでは、さらに進化するAqoursの9人にフィーチャー。3本立ての特集をお届けする。

第1弾は、小林愛香(津島善子役)、高槻かなこ(国木田花丸役)、降幡 愛(黒澤ルビィ役)の1年生キャストによる仲良し座談会。常に笑い声があふれるクロストークとなった。

撮影/増田 慶 取材・文/千葉玲子、野下奈生(アイプランニング) 制作/アンファン
ヘアメイク/清水有希子(AICON)、佐藤和佳(AICON)、原野麻美(AICON)

「Aqours」特集一覧

9人それぞれが違うけれど、合わさったときAqoursになる

『ラブライブ!サンシャイン!!』のスクールアイドルグループ・Aqours(アクア)の活動が5周年を迎えます。シリーズ初のドームツアーを含む『Aqours 5th Anniversary 地元愛(じもあい)!Take Me Higher Project』がスタートしますが、まず、ドームツアーのテーマソング『Fantastic Departure!』の印象から聞かせてください。
高槻
 (楽しそうに)“海”って感じですね!(笑)
降幡
 クジラ?
高槻
 イルカ?
3人 (口々に楽しそうに)そうそうそう!(笑)
小林
 やっぱりそこが印象的だよね。
高槻
 ライブの画が浮かびやすいよね? もしかしたら……って。
小林
 イルカに呼ばれて、クジラに乗っちゃうかもしれない……?(笑)
降幡
 全面的に海をモチーフにした楽曲って、今までにありそうでなかったなと思いました。
小林
 『Fantastic Departure!』は掛け合いも多くて、(客席から)みんなも歌ってくれるイメージが浮かびやすいので、今からライブが楽しみです。
降幡
 きっとライブ映えする1曲ですね。
高槻
 年々、楽曲が難しくなっているなとも感じます。
小林
 そう、そう。
降幡
 (今作では)けっこう低い部分があったよね。
高槻
 Aメロが低くて、サビが高い。
小林
 それにも挑戦できるAqoursになったのかなと思います。カッコいいところも引き出してもらえるようになったよね。
高槻
 最近、いい意味でアニソンっぽくないというか。アニソンとJ-POPのあいだの、いい感じに“Aqoursらしい立ち位置”の楽曲が多くなってきた感じがします。
小林
 ジャンル“Aqours”!
高槻
 おしゃれっぽい感じ…?
小林
 おしゃれサウンド!
高槻
降幡
 あはは!
降幡
 歌詞にはぎゅっとAqoursらしさが詰まっていて、楽曲はおしゃれサウンド!という感じですね。
レコーディングで歌ってみて、好きなフレーズは?
小林
 私、花丸ちゃんの「どこだどこだ?」が好きだな。
高槻
 ちょっ!(笑)最近、レコーディングするたびにクセが強くなっていて……。
小林
 気づいてた?(笑)
降幡
 (小林さんと高槻さんを見ながら)ふたりが最初にレコーディングすることが多いんです。その声を聴きながら録るので。
小林
 花丸ちゃんが歌ってるのを聴くと、好きなところがいくつも見つかるんです。
高槻
 一度、それぞれが歌ったバージョンを聴いてみたいですね。レコーディングではどのパートを誰が担当するかわからないので、その時点では解釈が違うフレーズもあったりして。自分にはない感覚をみんなそれぞれ持っているので、「ああ、こういうふうに歌ってるんだ」って刺激を受けます。
小林
 今度、ソロのアルバム(Aqours First Solo Concert Album)が出るよね。
高槻
降幡
 そうそうそう! うれしいよね。
降幡
 みんなの成長過程をぜひ聴いてほしいですし、9人それぞれが違うけれど、合わさったときにAqoursになる瞬間がスゴいって思います。
小林
 あと『Fantastic Departure!』の歌詞でいうと、「ファンタスティックな出発は」のフレーズが、譜割りが難しかったです。
高槻
 わかる〜。ぎゅっと詰まってる感じだよね。
小林
 そう、詰まってる感じがクセになるよね。
降幡
 ライブでちょっとドキドキしちゃうね。

畑 亜貴さんの歌詞がAqoursの気持ちを代弁している

カップリングの『Aqours Pirates Desire』も、「Dan-Da-Dan 奪うんだ!」といった、クセになる楽曲に仕上がっていますね。
3人 (口々に楽しそうに)Dan-Da-Dan!
小林
 かなこ、好きだよね?
高槻
 そう、世界観が好き。「Dan-Da-Dan」とか「Da-Dan Da-Dan」とか好き。
レコーディングで歌ってみていかがでしたか?
3人 (口々に笑顔で)すごく楽しかった〜!
降幡
 「Dan-Da-Dan」がね、いっぱい出てくるのが楽しくて。
小林
 でも、どこかで間違えそうでライブがちょっと不安かもしれないです(笑)。
降幡
 ちょっとずつ違う「Dan-Da-Dan」を繰り返してるからね。
高槻
 ライブの振り付けや衣装が楽しみです! 小物とか持ちたい。
降幡
 海賊っぽい小物?
小林
 そっか、太鼓かと思ってた!(笑)
高槻
 ドラムって言って!(笑)
降幡
 「合図のドラム叩いて」っていうフレーズがあるもんね(笑)。
小林
 みんなで一斉に!
高槻
 そういうパフォーマンスもありかもね(笑)。
降幡
 私、(口ずさみながら)「赤い自由の旗 風切って走るよ」のところが好きです。
高槻
小林
 わかる! わかる!
高槻
 「(黒いドクロのサイン 荒れた波を)乗り越え〜〜♪」って続いて、そのあと音がすごく下がるんだよね。
小林
 もしかして、Aqours史上いちばん低いんじゃない……?
降幡
 そうかも! そういうカッコよさが2曲ともにあるよね。「奪い取れ」「奪うんだ!」って力強い歌詞も多くて。
高槻
 『Fantastic Departure!』も『Aqours Pirates Desire』も、この強気な2曲の組み合わせがいいよね。どっちも海の上で強気。ライブで人気曲になりそうな気がする。
小林
 ホント、盛り上がりそう。(ファンの)みんなも好きそうだよね。
改めて、畑 亜貴さんの歌詞の魅力をどんなところに感じますか?
小林
 歌詞が私たちの気持ちを代弁してくれていることが多いんです。今回の2曲も、「ファンタスティックな出発」だったり、「おおきなセカイ ひろいセカイが待ってるんだ」とか、「探すんだ」とか、まさに今のAqoursを象徴する歌詞だなと思います。
高槻
 最近では、畑先生が書いたレールに沿って歩んでいる……ぐらいの感覚がありますね。未来を導いてくださっている感じがします。
降幡
 レコーディングのときはまだ歌詞に気持ちが追いついていなくても、時間が経つにつれて「畑先生はこういうことを言っていたんだ」と実感したり、私たちの未来のマインドを歌っている曲も多いのかなと思います。「畑先生は、そんな先のことまで見据えて歌詞を作っていらっしゃったんだ」って、時間とともに歌詞のよさが自分のなかに浸透してくるんです。
小林
 味わい深いね。
高槻
 うん、味わい深い。

「Aqoursのおかげで戻ってこられた」μ'sの言葉に感動

話がさかのぼりますが、2020年1月には『ラブライブ!フェス』が開催され、作品の垣根を超えて、μ's、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会と共演されました。とくにみなさんにとっては、μ'sと同じステージに立つことが叶ったわけですが、振り返ってみていかがですか?
降幡
 もう、本っ当に……できてよかったです(感慨深そうに)。
高槻
 (言葉にならない感じで)いや〜ホントに……。
小林
 (深くうなずきながら)ホントに……。
降幡
 この5年間ずっと望んできたことが、やっと叶ったので。
小林
 今までずっと望んできたことだからこそ……なんというか……私たちの目標であり、どこかで「叶わないことかな?」と思っていた夢でもあったので、本当に、すごくすごくうれしかったです。
高槻
 ラブライブ!シリーズ9周年プロジェクトでμ'sさんや虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のみなさんとご一緒する機会が多くて、いろんなお話もさせていただいたんですけど、μ'sさんからすごくうれしい言葉もいただいて。

「Aqoursがライブとかいろいろな活動をがんばってくれていたから、私たちも、今こうしてまた戻ってこられたんだよ」みたいに言ってくださって……ブワーッって感動しました。ちゃんと見ててくださってたんだ、って。本当にうれしかったです。
小林
降幡
 (隣で頷きながら)
差し支えなければ、ほかにμ'sとの交流エピソードはありますか?
小林
 フェスのあとに撮影会みたいなことがあったよね?
降幡
 1日目の終わりだったかな?
小林
 ステージ上で集合写真を撮りましょうということになって、集合写真が終わったあとに、その流れで。
高槻
 そのままフリータイムみたいになったよね?
小林
 そう、撮影タイムが始まったんです。なんというか、テーマパークの……。
グリーティングみたいな感じですか?
小林
 そうなんです(笑)。みんな順番に並んで、「一緒に写真撮ってください」って。Aqours以外は。
Aqours以外?
小林
 Aqoursのみんなはあまりグイグイいけない、みたいな感じでした。μ'sさんはやっぱり神というか……幻のような存在だったので、「こんなに幸せなことがあっていいのかな?」って感じで、みんな挙動不審になっていました(笑)。
いざ目の前にすると……。
小林
 固まっちゃいますね(笑)。
降幡
 「行っていいよ」って言われると行けない、みたいなね。みんな、ただのオタクと化してたから(笑)。でも小宮(有紗)さんは率先してほかのグループのところに行ってた気がします。
μ'sが本番のステージに登場したときもスゴさを実感しましたか?
高槻
 一気に会場の空気が変わるのを感じました。観に来てくださってる方ほとんどがずっと待っていた瞬間なので、まさに神聖な空気が流れて。
小林
 鳥肌が止まらなくて。会場が一気に揺れました。ホントに揺れるんだよね。
高槻
 そこにいてくれるだけでいいっていう存在なんだなと思いました。2日目のラストはμ'sさんのあとにAqoursだったんですが、『Snow halation』で客席が一面オレンジの光に包まれたあとに、Aqoursが船に乗って出ていく演出だったんです。まさに海賊のようだなって。
小林
 私も、天井に反射するオレンジ色を見て「ああ……」って思ってた。それを、私たちが出てきたときにはみんな海みたいに青一色の光に変えてくれて、また「ああ……」ってすごく感動しました。

納豆ご飯を食べたり……ライブ前の過ごし方はフリーダム!

Aqoursの楽曲は『未体験HORIZON』がライブ初披露でしたね。トリオユニットのCYaRon!、AZALEA、Guilty Kissでもパフォーマンスされました。
高槻
 ライブ初披露で、しかもフェスの1曲目だったので、けっこうドキドキしましたね。『未体験HORIZON』はホントに衣装もかわいくて、シンクロ率も高いですし、1曲目に「これがAqoursだ!」っていう姿を見せたい気持ちがすごく強かったです。あのフェスで初披露できたことが本当に光栄でした。
降幡
 CYaRon!はユニットでは1組目だったんですけど、いろんなグループが出演するフェスではもしかしたらCYaRon!を知らない方もいるだろうし、3人でやってやろう!っていう意気込みはすごくあって。

でも、いざステージに立った瞬間に、会場全体がすごく温かくて。「『ラブライブ!』って本当に素敵だな」って思いながら踊ってました。そういう温かさが、ファンのみなさんのいいところだなと改めて感じました。
小林
 Guilty Kissは、ユニットを知らない方でも「Guilty Kiss!」ってコールしたくなるような楽曲があるんです(笑)。初めてでも、みんなで「Guilty Kiss!」って言える。だから、みなさん覚えてくれたんじゃないかな?って思います。口が覚えてるっていうか(笑)。
高槻
降幡
 口が覚えてる(笑)。
小林
 Guilty Kissの口になったんじゃないかなって(笑)。『ラブライブ!フェス』という大きなステージで、私たちがこれまでがんばってきたAqoursであり、各ユニットであり、全部を通して、またラブライブ!シリーズのよさを示せたかなと思います。
バックステージではどんなふうに過ごしましたか? ライブ前のルーティンワークなどはありますか?
小林
 私たちは円陣くらいだよね?
高槻
 けっこう自由だよね? めっちゃ納豆を食べている人がいたり(笑)。
小林
 納豆卵かけご飯が流行って。ほとんど全員が食べてるよね?
高槻
降幡
 そうそう。
小林
 ライブの日と言ったらそれ、みたいな……口が覚えてる。
高槻
降幡
 ふふふ。
高槻
 ケータリングにチョコレートフォンデュがあったのがうれしかったです!
小林
 うれしかった! ホワイトチョコだったよね?
高槻
 「このチョコ飲んでいいかな」って言ったら、小宮有紗ちゃんが「さっき私も同じこと言った」って(笑)。
小林
 みんな、食べものの話ばっかり(笑)。みんな変わらないね。でも、本番になるとオンオフのスイッチが入るんだよね?
降幡
 そうそう、オンオフのメリハリがあるんだよね。そういえば、(桜坂)しずくちゃん(前田佳織里)がみんなにチョコをくれました。裏面にメッセージを書けるタイプのお菓子で、「がんばルビィ!」みたいな言葉をそれぞれに書いてくれてたんです。すごくかわいいなって。
小林
 私たち、自然にそういうことできないんだよね(笑)。
降幡
 そう。だからスゴいな〜って。
高槻
 食べることしか考えてないからね(笑)。

1年生の強みは“ホーム”感。お互いに自然体でいられる

最近はユニット活動も多かったかと思いますが、今回は学年ごとの座談会ということで、改めて“1年生の強み”を言葉にするならば?
小林
 (うれしそうに)仲良し!
高槻
 (ニコニコしながら)うん。
降幡
 戻れる、って感じです。
戻れる?
降幡
 それぞれユニットは違うんですけど、1年生同士でいると、戻れるっていう安心感がすごくあるんです。このメンバーならではの空気感というか。
小林
 “ホーム”だね。
降幡
 “ホーム”! そう、それ。
高槻
 シンプルに楽しい。エンジョイ!って感じ。
小林
 自然体でいられるよね。
降幡
 いい意味でふざけられるしね。1年生楽曲はワチャワチャした曲も多くて、3人がそれぞれ、いい意味で遊んでみたりエンジョイする気持ちがあるので、ライブもすごく楽しいんですよ。
高槻
 おもちゃ箱感がありますね。
降幡
 それが素敵だなって思います。2年生はカッチリ真面目で、3年生は大人っぽくて落ち着いているイメージがあって、1年生はワチャワチャ自然体のノリがあって。もちろん、ほかの学年を尊敬しているうえで。
小林
 後輩感ももちろんありますね。
高槻
 盛り上げ役でもあります!
すごく伝わってきます。お三方と話していると、不思議なリラックス感というか、安心感に包まれます。
3人 (口々に)よかったです!(笑) ホームです。
では、3人の絆を感じた瞬間を教えてください。
3人 (口々に)絆か〜。
小林
 私たち、そんなに感動エピソードないんだよね(笑)。
高槻
降幡
 そうだね(笑)。
降幡
 でも『未体験HORIZON』を披露したときは、なんというか……1年生でよかったって思いました。(手振りをつけながら)「(やり切って生きていこう)毎日〜♪」のフレーズのところとか、3人で三角形になってそれぞれ手を出す振りがあって、お互いに目を見て歌ったんですけど、ジーンときちゃいました。「ああ、1年生成長できてるかなあ、成長したなあ」って。
小林
高槻
 ホント、ホント、そうだったよね〜。
小林
 『未体験HORIZON』は、1年生がずっと真ん中にいていいんだ!って。
高槻
 ずっと“3こ1”なのもうれしいよね。
降幡
 歌い分けも、3人の声を重ねて、重ねて、力強さを感じたり。
高槻
 それなのに、サビでは盛り上げ役のほうだから(笑)。
降幡
 そう、「もっと!」「もっと!」「はい!」って(笑)。
小林
 基本、1年生は(曲のパート分けで)ガヤを担当することが多いんですよ。「フー!」とか。そういう元気いっぱいなところも1年生らしさかなと思います。
3人のうちで、お姉さんタイプというか、困ったときのまとめ役はどなたですか?
3人 (口々に)え〜、お姉さんはいないかも?
降幡
 ほぼほぼ、同い年な感覚です。1年生はこの関係性がすべてというか、私はツッコまれる側で、(高槻さんを見ながら)イジる側で。
小林
 (自分のことを指しながら)イジり、イジられ。ほかの学年にはスルーされながらも勝手にワチャワチャしている感じがあって、基本、自由に突っ走っているのが1年生です(笑)。わかっていなさそうでいて、ちゃんと周りの様子を見ながらワチャワチャしている……はず。
高槻
 まとめ役かあ……そもそも困ったときってある……?
小林
 笑い飛ばしちゃってるかもしれないです(笑)。
高槻
 どちらかというと、トラブルも楽しんじゃう3人かもしれないですね。きっとふたり(小林さんと降幡さん)も自分と同じように思っているだろうなって安心感もあって。
みなさんの口癖は?
降幡
 最近は「だねだね」です。けっこう変わるんですけど、その前は「ですです」とか。
高槻
 2回繰り返すんだよね(笑)。
小林
 3人ともなんですけど、自分のなかでおもしろいことを2回言っちゃうんです(笑)。
高槻
 すぐさま言うんですよ。無意識に。
降幡
 かなこの口癖は何だっけ?
高槻
 「水」かな? 私、ホントに水分が好きで(笑)。1日に2リットルくらい余裕で飲むので、わりといつも水を探してます。きゃん(小林さん)の口癖は何だろう?
小林
 「やだ〜」ってよく言うかも。なんでも「やだ〜」って(笑)。

ヨハネ、花丸、ルビィと一心同体になれていることが幸せ

それでは、Aqoursの活動を振り返りつつ、この5年を経て今どんなふうに感じているか聞かせていただけますか。
降幡
 Aqours結成当初は、ほかの8人……今もずっと憧れであり尊敬している8人なんですけど……みんなに比べて、自分は明らかに経験値がないところから始まったんですね。ダンスもできないし、歌もうまくないし、演技もできなくて。

でも今やっと、5年間一緒に歩んできて、自分のよさや役割に気づくことができましたし、Aqoursでよかったなと改めて思います。この8人と一緒じゃなかったら、今のマインドにはなれていなかっただろうなって。
5年は大きいですよね。
降幡
 こんなに長い時間、黒澤ルビィというひとりの人物に寄り添える機会ってなかなかないですよね。見た目も内面もそうですけど、自分なりに彼女への寄り添い方をとくに大事にしてきたことで、「自分にもこういう一面があったんだ」と気づくこともたくさんありましたし、作品やルビィへの愛は誰よりも負けないって気持ちもあります。もちろん、ほかの8人もそうだと思うのですが。
高槻さんはいかがですか?
高槻
 私の場合、地声が高くなかったり、花丸ちゃんと比べると身長も大きかったり、花丸ちゃんと似ている部分が少なくて、活動がスタートした当初は、Aqoursとして活動していくうえでみなさんに認めていただけるかどうかすごく不安でした。ライブしながら、パフォーマンスしながらも、人の目が気になったり……自分に自信がなかった時期もありましたね。

でも今は、私が何をしていても、たとえば普段の状態でも「あ、花丸ちゃんだ〜」って声をかけていただくこともありますし、花丸ちゃんと一心同体になれていることがすごくうれしいです。
いつ頃から変化してきましたか?
高槻
 2ndライブ(2017年の『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR』)の頃からですね。それまではステージに立つのを見られることが怖かったんですが、2ndからお祭りみたいなテンションになっていって、できることがどんどん増えて。

もともとダンスが得意ではなかったんですが、少しずつ成長が実感できて、『ラブライブ!』の醍醐味を自分のなかでしっかりと感じられるようになっていきました。
小林さんはいかがですか?
小林
 Aqoursには何人か、「これが初めての声優経験」だったキャストがいるんですが、私もそのひとりで。声でお芝居をする、その子の人生を一緒に生きていくということ自体が初めてでした。その、“どう寄り添っていくか”が、自分をここまで成長させてくれたのかなと思います。

低い声が出るようになったり、地声とも全然違う声で歌えるようになったり、ほかにも、この5年間でできるようになったことがたくさんあって。

ヨハネ(=善子)と向き合ったからこそ、たくさんの可能性を広げてもらえたし、“自分だけど自分じゃない”みたいな感覚があるんです。日々、一緒に成長させてもらっているなって。そういう不思議な感覚がこれからも続いていくことが、本当にうれしいです。ヨハネと一緒に、Aqoursとして、どんどんどんどん、もっと楽しいことができたらいいなと思います。
高槻さんが2ndライブの頃から変化してきたとおっしゃいましたが、降幡さんと小林さんは、周りが見えるようになったり、自信が持てるようになったのはいつ頃でしたか?
降幡
 私は3rdライブ(2018年の『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 3rd LoveLive! Tour 〜WONDERFUL STORIES〜』)のあとくらいからでした。

3rdライブでは『Awaken the power』という11人の楽曲(Aqours9人とSaint Snow2人によるユニット・Saint Aqours Snowの楽曲コラボレーション曲)を披露したんですが、それがすごくプレッシャーで。本当に必死でしたし、つらい思いもあって……。でも、その3rdライブを経てみなさんが、「黒澤ルビィが降幡 愛でよかった」と声を大にして言ってくださったのが、自分にとってとても大きかったです。
ファンの方々の声が力になって……。
降幡
 そうですね、それまでは自信が持てなくて。4thライブ(2018年の『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! 〜Sailing to the Sunshine〜』)は、そんななか、「Aqoursが東京ドームに立てる!」というプラスなマインドにもっていくことができました。
小林さんはいかがですか?
小林
 2ndだったかなと思います。1stライブ(2017年の『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours First LoveLive! 〜Step! ZERO to ONE〜』)で夢にも思っていなかった横浜アリーナに立つことができて、さらに2ndはツアーをすることになって。自分のなかでは、大丈夫なのかな?って気持ちもありました。

体調管理もしっかりしなければいけないですし、ツアーなので1回1回のステージを丁寧に、大事にしつつ、よりよいパフォーマンスを育てていかなきゃいけない。それをみんなで乗り越えて、絶対にどの公演も同じじゃない『HAPPY PARTY TRAIN TOUR』にしていこうって、周りを見ながらできたんじゃないかなと思います。
いろいろなお話をありがとうございます。5周年プロジェクトの目玉として、シリーズ初のドームツアーが開催されますね。
降幡
 ラブライブ!シリーズが9周年を迎えて、1月に初めてシリーズ全体のフェスを開催して以来の9人でのライブなんですよね。『Fantastic Departure!』や『Aqours Pirates Desire』の歌詞にもある通り、自分のなかでは、強気なAqoursをもっと出していけたらと思っています。

今まではどこか必死感がありましたが、今度のツアーでは少し余裕というか、黒澤ルビィの余裕さであったり、Aqoursのこれからをもっと前面に出したライブにできたらと。
高槻
 ドームツアーでは、おそらく、今までライブで披露していない楽曲も多くなるような予感がします。まずセットリストを知るのが楽しみですし、楽曲ごとの演出や振り付け、衣装も含めて、自分のなかのお気に入りポイントを早く見つけたいなって。すごく楽しみです!
小林
 でも振り返ってみると、私たちが4thライブで東京ドームに立ったときって、燃え尽きたというか……。ゴールにたどり着いたような安堵感もありつつ、これからもがんばっていこう!と決意した日でもあったんです。今回ドームで、しかもツアーができることが、夢みたいな感覚です。

これまでのツアーは同じセットリストを少しずつ変えてお届けしていたんですが、今回は「もしかして、全公演セットリストが変わったりするのかな?」と思ったりもしていて。でも、今のAqoursならそれができちゃいそうな予感もするので、新しい楽曲も、今まで大事に歌ってきた楽曲も、Aqoursらしくみなさんと一緒に楽しめたらいいなと思います。

1年生キャストが明かす、お互いの魅力は?

自然と周りを明るくできるところがスゴいし、いいなって思います。笑顔が伝染するんです。かなこのチャームポイントは、寝顔がとくにかわいい! 推しポイントです(笑)。ふたり(高槻さんと降幡さん)とも共通して、きちんと周りを見て気を配って発言したり、行動しているのが大人だなあと感じますし、一緒にバカやってくれるところも大好きです(笑)。
“降幡 愛”というジャンルを作っているところ。存在そのものがチャームポイントです(笑)。ひと言ひと言がちょっとおもしろかったり、真似したくなるかわいらしい部分をいっぱい持ってるんです。3人はホントに仲がよくて、おそろいのものもけっこう持ってます。洋服だとおそろいのトレーナーとか、一緒にセールに行って買うものがかぶって、色違いで買ったこともありますね。
あいきゃん(小林さん)は、おもしろいことが大好きで、楽屋を明るく楽しくしてくれます。初めて会ったときは、大人しくておしゃれだし、黒髪ストレートが美しい「ザ・都会の美少女」だと思っていたんです。でも、同い年なのもあって、一緒にいるにつれてどんどん打ち解けて。最近は悪友みたいになっていますね。ヨハネへの信仰心が人一倍強いところもスゴいなと思います。
ふりさん(降幡さん)は、いい意味で天然(笑)。発言がいちいちおもしろくて、みんなにツッコまれるところがいいなって思います。第一印象ではしっかりしていそうだなと思っていたし、実際3人きょうだいの長女なので姉御肌だと思っていたんですが、思いのほか、変わったところが多かったです(笑)。でも、やっぱり悪友感はあります。
小林愛香ちゃんは流行に敏感なファッションリーダーで、物知りなところ。私は機械オンチなので、ゲームやSNSのことはまず彼女に教えてもらっているんです。あと、自分の見せ方へのこだわりがすごく強い。歌もダンスもうまいし、多角的に自分を見せられるところがスゴいなと思っています。
高槻かなこちゃんは、言葉の使い方や雰囲気が独特で魅力的ですね。普通の人なら流しちゃうようなことにも食いついていくので、一筋縄ではいかないなあといつも感じています。歌がうまくてすごく努力家なんですが、それを全然見せないんです。私は、仕事に向き合う真摯な姿勢を彼女から教わっている気がします。

小林愛香さんの一問一答!

高槻かなこさんの一問一答!

降幡 愛さんの一問一答!

小林愛香(こばやし・あいか)
10月23日生まれ。O型。主な出演作に、『ピアシェ〜私のイタリアン〜』(花月李依)、『トリニティセブン -夢幻図書館と第7の太陽-』(村雲ナギサ)など。2011年よりアーティスト活動も行っている。
高槻かなこ(たかつき・かなこ)
9月25日生まれ。AB型。主な出演作に、『恋と嘘』(加藤絢乃)、『ぶらどらぶ』(紺野カオル)など。2019年よりアーティスト活動のほか、ヴォーカル&パフォーマンスユニット「BlooDye(ブラッディー)」としても活動。
降幡 愛(ふりはた・あい)
2月19日生まれ。B型。主な出演作に、『キラッとプリ☆チャン』(たい子)、『ヒーリングっど♥プリキュア』(水のエレメントさん、みづき、実りのエレメントさん)、『ぽっこりーず』(パンダちゃん)、『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』(リズベット)など。2020年秋にアーティストデビューを予定。

LIVE情報

ラブライブ!シリーズ初のドームツアー
『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020』
http://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/5th-anniversary.php

CD・Blu-ray情報

『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020』テーマソングCD
「Fantastic Departure!」
2020年7月22日(水)リリース
アーティスト:Aqours
LACM-14990/¥1,300(税別)
©2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!


■Aqours CLUB 2020開設 &『Aqours CLUB CD SET 2020 BLACK EDITION』
2020年8月26日(水)リリース

■ソロアルバム『Aqours First Solo Concert Album』
2020年8月1日の高海千歌を皮切りに各メンバー誕生日にリリース

■Aqours初となるベストアルバム
『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours CHRONICLE(2015〜2017)』
2020年10月7日(水)リリース

■Aqoursデュオトリオコレクション第2弾
『ラブライブ!サンシャイン!!デュオトリオコレクションCD VOL.2 WINTER VACATION』
2020年12月9日(水)リリース

■Aqoursのこれまでの海外公演をまとめた『Aqours World Love Live! vol.1』発売決定

「Aqours」特集一覧

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、Aqoursの小林愛香さん×高槻かなこさん×降幡 愛さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2020年7月15日(水)12:00〜7月21日(火)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/7月22日(水)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから7月22日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき7月25日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
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