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東京カレンダー
表参道
「ここ絶対、予約取れなくなるね」と弊誌副編集長が唸った。たまちゃんこと玉井哲雄が?おやじ〞と慕うレストラン業界の重鎮から「やってみない?」のひとことで、7坪のお店を始めたのは2008年のこと。母の味を忠実に守るオモニの惣菜・鉄板料理・お好み焼きの三本柱で連日満員の大阪本店が、2014年に東京進出!
東京店と大阪店を忙しく行き来するたまちゃんだが、鉄板を打ち付けるこての音は休めず、いつも笑顔でお客さんを迎えている。?超ミーハー〞なたまちゃんの店には業界人が集い、誰も彼もが?たまちゃんとこ〞を合言葉に、毎夜集う。大阪では知らぬ人がいない名物店主の玉井氏だが、「お好み屋はお好み屋のままでええ」という信条の下、ジュウジュウと旨い音を湛えたアテを今夜も作り続けている。
「サクっと顔を出せば元気になって、また明日から頑張ろうと思える場所。たまちゃんの笑い声に癒されます。なにより、本当に何でも美味いんだよね。そして、トマトサワ̶ー(通称T.S)の呑みやすさは危険。毎回ベロベロに……。」
千駄ヶ谷
メニューがない。理由はふたつ。大分を中心に全国各地から届く新鮮な魚介類は、毎日何が届くかわからない。そして、ケースに並んだ魚介類からどれを選んでどう食べるか、客が店と相談しながら料理が決まっていくからだ。このシステムは大の魚好き店長のアイデアで、「鮮魚が並び、選べ、それとは別に小皿料理が揃う。自分が行きたい店を考えたらこうなったんです」とのこと。
食材に目移りするし、調理法にも大いに悩む。でも、それが楽しいのだ。だからこそ供されるひと皿は、愛おしく、ことのほか美味しいのだ。予約困難もやむなし。
「新鮮な魚介類を目の当たりにしながら調理法もリクエストできる、その独特のスタイルに、まずワクワクします。素材の持ち味を生かした料理は味も申し分なく、CPも抜群。3〜4人で出かければ、より満足度も上がるはず。」
恵比寿
2013年12月21日にオープンした貝料理専門店。カウンターには、築地や産地から届く新鮮で立派な活貝が毎日15〜16種。身を一度貝殻からはずし、細やかに掃除や下処理をして供される刺身や焼貝は、絶品の一言に尽きる。刺身は贅沢な厚切りで、口に入れると貝それぞれの持つ香りと味わいが広がる。そこへ淡麗の、例えば「秀鳳 純米辛口」など流し込めば、後味はグッと豊かさを増す。
香ばしく旨みがギュギュッと凝縮された焼貝と、熟成感のある「川鶴」や「常山 大吟醸」など味わい深い酒の組み合わせには、言葉もなくただただ次なる一口を促される。酒はいずれも店主自ら蔵元の顔や考え方を知る銘柄ばかりだ。ほかにも出汁に、肝料理にと貝の魅力を余すことなく発揮させる様々な料理がズラリ。専門の料理人が貝本来の味を引き出した料理は、早くも満席御礼の人気を博している。
「肉に次ぐ好物は実は貝。刺身、焼貝、一品料理、こちらでいただく貝の美味しさときたら! 厳選の日本酒と貝なら無限に飲んで食べてできそう。魚貝をメインに扱う店も増えており“今年は貝よ来い!”です(笑)。」
ワインスタイリストと、編集部きっての名店ハンターが予約してでも行きたい名店とは?
外苑前
20種を超える小皿アンティパストが人気のドゥエ・コローリの1階部分に位置する2号店の『ドゥエ・コローリ エビイロ』。2号店のテーマは?自然な造りの美味しいワインと美味しいツマミ〞。看板のひとつである小皿アンティパストで、腰を落ち着けてワインを楽しんでもらおうというのだ。ゆえに、2号店は和「エビイロ」つまり葡萄色と名付けた。「ドゥエ・コローリとはやや内容を変え、アヒージョや煮込み料理なども小皿料理に加え、よりワインが進む味付けにもしています。また肉が食べたいお客様がいらっしゃれば、下で焼き持って来ることも」。ガッツリ気分の日には下で炭火焼を。ワインと向き合いたいときは新店をと使い分けられる、魅力ある店だ。
「ドゥエ・コローリとはやや内容を変え、アヒージョや煮込み料理なども小皿料理に加え、よりワインが進む味付けにもしています。また肉が食べたいお客様がいらっしゃれば、下で焼き持って来ることも」。ガッツリ気分の日には下で炭火焼を。ワインと向き合いたいときは新店をと使い分けられる、魅力ある店だ。
「2号店はオーナーが好きと言う各国の自然な造りのワインと小皿料理を揃えた、ワインバー的なお店。しかし1号店の炭火焼も頼まれればお持ちしますという。この使い勝手のよさは、界隈の人を中心に早くも話題のようです。」
神楽坂・飯田橋
もし、『枝魯枝魯 神楽坂』で逢瀬を企てるのであれば、一度は下見した方が賢明。なぜなら、そこが易々と辿り着ける場所ではないから。元・花街ならではの小さな路地を進み、左手に小道、そして足元には石畳、見上げれば?枝魯枝魯〞の看板。奥に進み、扉を開ければ、?くずし割烹〞の生みの親・枝國栄一氏のショータイムのはじまりだ。2014年1月、京都の名店『枝魯枝魯ひとしな』が東京・神楽坂に出店。1階にはコの字型のカウンターが設えられ、職人と相対しながら料理を楽しめる。かたや、2階は接待にもデートにもおあつらえ向きなモダンもで妖艶な印象。2つの顔を持つ、使い勝手の良い割烹と言えよう。
こちらで楽しめるのは、月替わりで内容が変わる先付けから甘味までの8皿15品のコースのみ。季節の和食をベースに洋の技を随所に駆使。見た目にも美しい料理は、提供されるまで分からず、職人との会話で徐々に明らかになる。肉じゃがのじゃがいもをペースト状にしたり、刺身の醤油にごぼうを入れてムース状にしたりと、独自の?くずし〞にはニヤリとさせられる。供される前のワクワク感と供された瞬間の驚きと煌めき。この夜は忘れられない体験になるだろう。
「凛としたなかの情緒ある“くずし”という裏腹プレイに女性は弱いもの。裏路地へ“連れ込まれる感”もグッときます。たまにコースをきちんと頂きたいときに「今月はなにを食べさせてくれるだろう」と足が向くお店です。」
最後は、「味の手帖」顧問にしてタベアルキストのあの人が絶賛するフレンチ!
水天宮前
自分が旨いと思うものを出そうとしたら、ほぼ自然派の食材になった。フランスの自然派農業を経験し、ナチュラルな食材の魅力を知った店主。その日仕入れた旨い食材しか使わないからメニューは毎日変わる。どんな料理が楽しめるかは、来店するまでわからないのだ。シェフが発案したリフトで炭火との距離を少しずつ調節し、じっくり肉に火を通す。絶妙な火入れ術と塩のみの味付けで、口中にじわじわと広がる優しい旨みが堪らない。
強く瑞々しく育てられた有機野菜のサラダも人気。色が濃く、オイルで馴染ませてもしならない、葉モノのばりっとした歯ごたえに驚く。500種類以上のナチュラルなワインは、化学農薬を使ったものが一本もないというから徹底している。食本来の姿を追い求める『ラ・ピヨッシュ』、今宵も違ったメニューで驚かせてくれるはずだ。
「店主さんが全国から選び抜いた食材が素晴らしく、とくに野菜のサラダは驚くほどの力強さがある。的確に火入れされたジビエ等の肉料理や熊のテリーヌも素晴らしい。これらの皿に厳選されたヴィオワインを合わせれば、幸せが増幅する。」