富士通が、静脈認証モジュールを搭載するUltrabookを発売する。標準モデルでは生体認証として指紋認証モジュールが搭載されているが、これをカスタマイズすることで指紋認証モジュールの代わりに静脈認証モジュールを選択できるようになっている。このモジュールが選択できるのは14型液晶を搭載するUltrabookの「LIFEBOOK U904/H」で、静脈認証モジュールを搭載しても通常モデルと同じサイズと厚みだ。


■よりセキュアでなおかつパスワードを覚える必要のない生体認証
小難しい文字の羅列であるパスワードをキーボードから直接入力するよりも、個人を認証するにはその人固有の情報を利用する生体認証の方がよりセキュアだ。最近では、iPhone 5sに指紋認証モジュールが搭載されるなど、一般ユーザーにも生体認証が普及し始めているが、ノートパソコンのセキュリティ機能の選択肢も増えることになる。

指紋認証は以前からノートパソコンなどに採用されていた。センサーに直接触れる指紋認証よりも、センサーから離した状態で認証でき、複雑な静脈を使う静脈認証は生体認証として、よりセキュアと言われている。

静脈認証では指を使う方法と手のひらを使う方法があるが、今回採用されているのは手のひらを使うタイプだ。
指を使う場合、寒い時期などにうまく読み取れないなど、気温などの影響も受けてしまう。対して手のひらは、より複雑な静脈を使え、気温などの影響も受けにくい。

富士通では以前からマウスに組み込まれた静脈センサーと認証ソフトなどのソリューションを提供していたが、今回は4月に発表した厚み6mmの薄型静脈センサーをノートパソコンに組み込んで提供することになる。

静脈認証はセンサーに直接触れることなく認証できるのが利点の1つだが、位置合わせなどが難しい。銀行のATMで採用されている静脈センサーでは、最適な位置で手や指をかざせるようにガイドが設置されている。ノートパソコンでは銀行ATMのようなガイドは設置できないため、位置合わせがより難しくなっている。

キーボード下の黒い部分が静脈認証センサー


実際に使ってみると、認証自体は一瞬で終わる物の、センサーが読み取る位置を探すため、しばらくセンサー付近で手のひらをかざす必要がある。慣れてくれば位置や高さなどもわかってくるので、この手順もすぐにできるようになるかもしれないが、慣れるまでは時間がかかりそうだ。

センサー自体は言われないとわからないくらい小型で、パソコンに組み込んでいても違和感はない。ノートPCはスマホやタブレットよりも大きいがその大きさゆえに、こういった認証機能をいち早く搭載できるというメリットがある。高いセキュリティが求められるビジネス向け端末などは、やはりこうした機能を搭載できるPCのほうが一日の長があると言えるだろう。よりセキュアにパソコンを利用する必要のある部署などは注目だ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

LIFEBOOK U904/H 製品詳細
富士通

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2008-01-11


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