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Cuckoo's Nest《カッコウの巣》Morris On Band

《CAUTION!! この記事には性的な記述が含まれています》

As I was a-walking one morning in May,
I met a pretty fair maid, anon to her did say,
“For love I am inclined, and I'll tell you me mind,
That me inclination lies in your cuckoo's nest.”
五月のある朝に歩いていたら
すてきにかわいい乙女と出会ったので、さっそく声をかけた
「一目ぼれだよ、君にぜひ伝えたいんだ
 君のカッコウの巣に寝転びたいものだね」

“Me darling,” says she, “I am innocent and young,
 And I scarcely can believe your false deluding tongue;
 Yet to see it in your eyes and it fills me with surprise,
 That your inclination lies in me cuckoo's nest.”
「あら、あなた」と乙女は言う、「あたしは未経験だし子供だわ、
 あなたの嘘つきな舌をこれっぽっちも信じられない、
 あなたの目つきが怖くてたまらないわ、
 あたしのカッコウの巣に寝転びたいだなんて」

*Some like a girl who is pretty in the face,
 And some like a girl who is slender in the waist;
 But give me a girl that will wriggle and will twist.
 At the bottom of the belly lies the cuckoo's nest.
*かわいい顔の女の子が好きな人もいれば
 腰がほっそりした女の子が好きな人もいる
 でも僕にはくねくね身をよじらせる女の子をちょうだいよ、
 お腹の下にカッコウの巣がある娘を。

“Then me darling,” says he, “if you see it in me eyes,
 Then think of it as fondness and do not be surprised,
 For I love you, me dear, and I'll marry you I swear
 If you let me clap me hand on your cuckoo's nest.”
「ねえ、君」と男は言う、「僕の目を見たならわかるはず、
 僕は君に惚れてるんだ、怖がるようなことじゃないさ
 君を愛してるんだ、愛しい人よ、君と結婚すると誓うよ
 もし君のカッコウの巣を僕の手でパンパンさせてくれるならね」

“Me darling,” says she, “I can do no such thing,
 For me mother often told me it was committing sin,
 Me maidenhead to lose and me sex to be abused,
 So have no more to do with me cuckoo's nest.”
「あら、あなた」と乙女は言う、「そんなことできないわ、
 罪深いことよとお母さんがよく言ってたわ、
 処女を奪われ、女としていたぶられるなんて
 だから、あたしのカッコウの巣をどうこうするのはやめて」

*Refrain
*繰り返し

“Me darling,” says he, “it is not committing sin,
 but common sense should tell you it is a pleasing thing,
 For you were brought into this world to increase and do your best,
 And to help a man to heaven in your cuckoo's nest.”
「ねえ、君」と男は言う、「罪を犯すようなことじゃないさ、
 むしろ世間じゃ喜ばしいことなんだ、
 君がこの世に生まれ落ちたのは、産んで増やして最善を尽くすため
 つまり君のカッコウの巣で男を天国へ連れてってくれるためさ」

“Then me darling,” says she, “I cannot you deny,
 For you've surely won me heart by the roving of your eye.
 Yet to see it in your eyes that your courage is surprised,
 So gently lift your hand in me cuckoo's nest.”
「あら、あなた」と乙女は言う、「あなたを拒むことなんでできないわ
 あたしの心はすっかりあなたの揺れるまなざしに奪われてしまったもの
 あなたの目つきの大胆さが怖いくらいよ
 さあ、その手を優しくカッコウの巣に差し込んでよ」

*Refrain
*繰り返し

So this couple they got married and soon they went to bed,
And now this pretty fair maid has lost her maidenhead;
In a small country cottage they increase and do their best,
And he often claps his hand on her cuckoo's nest.
そんなわけでこのカップルは結婚し、すぐに床入りして
今やすてきにかわいい乙女は処女を失った。
小さな田舎家で産めよ増やせよと最善を尽くしてるよ
男はしょっちゅう妻のカッコウの巣をパンパンするのさ

text & tune: 18世紀ごろの作者不詳の英国民謡

口語を表現しているのか、myがところどころmeになっている。

モリスダンスとはイギリスおよびその連邦圏におけるカントリーダンス。五月祭や聖霊降臨節に代表される春のお祭りの風物詩で、各地方で特色がある。男性6人チームで踊るのが基本だが、道化者、女装者が加えられることもある。時にはエロティックなおふざけ・お下品要素を含むこともあり、この曲もそのようなもののひとつ。
清教徒革命の際に背徳的であるとして弾圧されたが、王政復古ののちに再び復興した。その後また下火になったが、現在は再び盛んになっているとか。

ところで、そもそもカッコウは托卵性なので、巣作りする習性はない。
カッコウは春を告げる鳥でもあるが、古い隠語では男性器を指す(リーダーズプラスによれば)。そのカッコウが入り込むもじゃもじゃの鳥の巣とは…お察しください。





一応フォローを入れれば、春=恋の季節=セックス=子だくさん=豊穣という連想であり、豊穣を祈願するおめでたい舞踊歌とも解釈できる。ちゃんと責任取ってて偉い。



日本でも、おかめ(アメノウズメ)と天狗(サルタビコ)が(性的に)ふざけあう姿を模して舞い踊る「おんだ祭り」がある。


なお、演奏しているモリス・オンは、アシュリー・ハッチングス(1945-)によるプロデュース。ハッチングスは著名なフォークソング・グループであるスティーライ・スパンをプロデュースした人でもある。


The Morris On Band
収録アルバム: Morris On
Cuckoo's Nest
UMC (Universal Music Catalogue)
2022-06-24







The Girl I Left Behind Me《僕が残してきたあの娘》Rutter


I’m lonesome since I cross’d the hill,
And o’er the moor and valley
Such heavy thoughts my heart do fill
Since parting from my Sally;
僕はずっとひとりぼっち、あの丘と
荒れ野と谷を越えて以来ずっと
重苦しい気持ちで僕の心は締め付けられてる
僕のサリーと別れて以来。

I seek no more the fine and gay,
For each doth but remind me
How swiftly passed the hours away
With the girl I left behind me.
きれいなものも愉快なものももう欲しくない
どちらも僕に思い出させてしまうから
時間はなんて早く過ぎ去ってしまうのだろう
僕が残してきたあの娘と一緒にいた頃は。

O ne’er shall I forget that night
The stars were bright above me,
And gently lent their silv’ry light
When first she vow’d to love me.
ああ、あの夜を僕は決して忘れない
星々が僕の頭上に輝き
その銀色の光を快く貸し与えてくれた
あの娘が僕への愛を初めて誓ったあの時を。

But now I’m bound to Brighton camp;
Kind heaven then pray guide me,
And bring me safely back again
To the girl I left behind me.
でも今の僕はブライトンの駐屯地に行く運命なんだ*1
優しき天の神様が、どうか僕を導き
無事に還らせてくださいますように
僕が残してきたあの娘のもとへと。

Her golden hair in ringlets fair,
Her eyes like diamonds shining,
Her slender waist, with carriage chaste,
May leave the swain repining.
彼女の黄金色の美しい巻き毛
ダイヤモンドのように輝く瞳
ほっそりしたウエストに、しとやかな物腰
この不満居士の田舎者などいつか捨られてしまうかもしれない。*2

Ye Gods above! O hear my prayer!
To my beauteous fair to bind me,
And send me safely back again
To the girl I left behind me.
いと高き神々よ、僕の祈りを聞き届けてください!
僕と固く結ばれたうるわしき恋人のもとへ、
僕を無事に送り返してください、
僕が残してきたあの娘のもとへと。

*1 「ブライトン」という地名は、イギリスにもアメリカにもついでにオーストラリアにもある。イギリスのブライトンは風光明媚なビーチが有名で、植民地では似たような地域にこの地名がつけられた。軍隊用語における「キャンプ」は、新兵の訓練所を指すこともある。
*2 swainは田舎の若者、repineは愚痴をこぼす、forがつけば何かを切望する。

text: 文献初出は1791年だが、一説にはエリザベス朝にまでさかのぼることが出来るとされる、非常に古いテキスト。ただし、さまざまなバリエーションがある。
tune: 元来は《An Spailpín Fánach(さすらいの労働者)》というタイトルのアイルランド民謡。 文献初出は1840年、Edward Bunting (1773– 1843) により採集された『The Ancient Music of Ireland(アイルランド古謡集)』に収録。動画はラッターによるアレンジ。

兵士の出征時に好んで演奏された曲。早い時期にアメリカにも伝播したと考えられている。Brighton Camp《ブライトン・キャンプ》というタイトルもある。
英米ではとても良く知られており、様々な美術で引用されている。

イーストマン・ジョンソン(1824-1906)『僕が残してきたあの娘』(1875年制作)
アメリカ南北戦争の直後に描かれた作品。この民謡に基づいたタイトルとなっている。
746px-Eastman_Johnson_-_The_Girl_I_Left_Behind_Me



収録アルバム:Rutter: The Sprig of Thyme / Vaughan Williams: 5 English Folk Songs


おまけ:ワーナー・ブラザーズのアニメ『バッグズの独立戦争』(1950)で、劇終直前にヨセミテ・サムを伴ったバッグズが横笛で演奏しているのがこの曲。


このシーンの元ネタと考えられている絵画『76年の精神』(アーチボルド・ウィラード画)も、《僕が残してきたあの娘》もしくは《ヤンキー・ドゥードゥル》を演奏していると考えられている。どちらも横笛(ファイフ)で演奏しやすい曲であるため。


おまけのおかわり:アメリカで1920~40年代にかけて活躍した、スキレット・リッカーズによるバージョン。フィドルだと印象が変わる。


The Girl I Left Behind Me (Remastered)
Master Tape Records
2020-07-17



Jesus Walked This Lonesome Valley《イエスはこの寂しい谷を歩まれた》


Jesus walked this lonesome valley;
He had to walk it by himself.
Oh, nobody else could walk it for him;
He had to walk it by himself.
イエスはこの寂しい谷を歩まれた、
ご自身で歩まねばならなかった。
ああ、誰もイエスの代わりに歩むことはできなかった、
ご自身で歩まねばならなかった。続きを読む

Pretty Little Pink《かわいいピンクちゃん》Bradley Kincaid


Lor, Lor, my pretty little Pink
Lor, Lor, I say
Lor, Lor, my pretty little Pink
I'm going to stay away
ああ!僕のかわいいピンクちゃん*1
僕は「ああ!」と言うばかり
ああ!僕のかわいいピンクちゃん
僕は遠くへと行ってしまうつもり続きを読む

The Female Drummer《女太鼓手》Steeleye Span


I was brought up in Yorkshire
and when I was sixteen
Oh I ran away to London
and a soldier I became
わたしはヨークシャーで育ち
16歳になったころ
ああ、ロンドンへ家出して
兵士となったのです続きを読む

Lady Isabel And The Elf-Knight《イザベル姫と妖精の騎士》Polly Paulusma


Isabel sits by her window a-sewing
Aye as the gowans grow gay, grow gay
And hears a young elf-knight his bright horn a-blowing
On that first morning in May, in May
On that first morning, first morning in May
イザベルが窓辺に座って外を眺めていると
(ああ、雛菊が華やかに、華やかに生い茂るころ)*1
若い妖精の騎士が光り輝く角笛を吹き鳴らしているのが聞こえました
(五月の最初の朝のこと、五月の
 最初の朝のこと、五月の最初の朝のこと)続きを読む

Black Girl(Where Did You Sleep Last Night)《黒い娘(夕べはどこで眠っていたの)》Leadbelly


*Black girl, black Girl,
 don't lie to me
 Tell me where did you sleep last night?
*黒い娘よ、黒い娘よ、
 嘘はつかないでおくれ
 夕べはどこで眠っていたのか教えておくれ

 In the pines, In the pines,
 Where the sun never shine
 I shivered the whole night through.
 松林の中で、松林の中で
 そこは太陽が決して照らさぬところ
 あたしはそこで一晩中ぶるぶる震えていたの続きを読む

In The Pines《松林の中》The Kossoy Sisters


*In the pines, in the pines
 where the sun never shines
 Shivers where the cold winds blow
*松林の中は、松林の中は、
 太陽が決して照らさぬところ
 身震いするほど冷たい風が吹きすさぶところ

 In the pines, in the pines,
 in the cold lonesome pines
 Shivers where the cold winds blow
 松林の中は、松林の中は、
 太陽が決して照らさぬところ
 身震いするほど冷たい風が吹きすさぶところ続きを読む

O Jesulein Süß, O Jesulein Mild《可愛らしいイエスさま、お優しいイエスさま(優しくも愛らしき)》BWV493


O Jesulein Süß, o Jesulein mild,
可愛らしいイエスさま、お優しいイエスさま、
des Vaters Will'n hast du erfüllt,
あなたは父なる神のみこころを成し遂げられました。
bist kommen aus dem Himmelreich,
あなたは天のみ国よりおいでになりました、
uns armen Menschen worden gleich,
わたしたちと同じ貧しき民として、
o Jesulein Süß, o Jesulein mild.
可愛らしいイエスさま、お優しいイエスさま。続きを読む

Quem Pastores Laudavere《羊飼いらのほめたたえしお方》Rutter


Quem pastores laudavere,
羊飼いらのほめたたえしお方、
Quibus angeli dixere,
天使らの語りしお方を
Absit vobis jam timere,
恐れることなかれ、
Natus est rex gloriae.
生まれ給いしは栄光の王なるお方。続きを読む

Go, Tell It On The Mountain《行きて山の上で告げよ》Rutter


*Go, tell it on the mountain
 Over the hills and everywhere
 Go, tell it on the mountain
 That Jesus Christ is born.
*行きて、山の上で告げよ
 丘を越えてあらゆる地に向かって
 行きて、山の上で告げよ
 イエス・キリストは生まれましぬと。続きを読む

I Never Will Marry《わたしは決して結婚しない》Kossoy Sisters


One morning I rambled,
down by the seashore
And the wind it did whistle
and the water did roar
ある朝、わたしはぶらぶらと
海辺沿いに歩いていた
風はぴゅうぴゅうと吹きつけ
海水は吠え猛っていた続きを読む

Lady Diamond / Iron Legs《ダイヤモンド姫 / 鉄の脚》Bryony Griffith


There lived a king, and a very great king,
A king of great renown;
And he had a lovely daughter fair,
Lady Diamond was her name, her name,
Lady Diamond was her name.
あるところにひとりの王様がいた、とても立派な王様で、
とても高名な王様だった
王様には愛らしくうるわしい一人娘がいて、
その名は、その名はダイヤモンド姫といった
その名はダイヤモンド姫といった続きを読む

Y Fwyalchen Ddu Bigfelen《黒い尾羽の黒歌鳥(黄色い嘴のつぐみ)》


O'r fwyalchen ddu bigfelen,
黒い尾羽の黒歌鳥よ、*1
Swyna'r fron â'th gynnar gân.
お前の朝の歌でわたしの胸を満たしておくれ。
Nodau peraidd calon lawen
甘い旋律で心を楽しませてくれる
Ddeffry gôr yr adar mân.
小鳥たちの合唱隊を目覚めさせておくれ。続きを読む

Lady Diamond《ダイヤモンド姫》Rachel Newton


There was a king,
a glorious king,
A king of noble fame,
And he had daughters only one,
Lady Diamond was her name.
ひとりの王がおりました、
栄光に輝く王、
高潔で名高い王でした。
彼にはたった一人だけ娘があって、
その名をダイヤモンド姫といいました。*1続きを読む



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