List to me while I tell you
Of the Spaniard that blighted my life
俺の話によく耳を傾けておくれ*1
俺の人生をめちゃくちゃにしたスペイン男のことを
List to me while I tell you
Of the man who pinched my future wife
俺の話によく耳を傾けておくれ
俺の妻となるべき人をかすめ取った男のことを

‘Twas at the bull fight where we met him
We’d been watching his daring display,
And while I’d gone out for some
nuts and a programme
俺たちがそいつと出会ったのは闘牛場だった
やつの不敵な戦いぶりを眺めていたが
俺がちょっとばかり席を外して
ナッツとプログラムを買いに行ってる間のことだった

The dirty dog stole her away
Oh, yes! oh, no!
But I’ve sworn that I’ll have my revenge
薄汚い野良犬めが彼女を盗んでいったんだ
そうなんだ!ひどいんだ!
だが俺は復讐を心に誓ったのさ

*And if I catch Alphonso Spagoni, the Toreador
 With one mighty swipe
 I will dislocate his bally jaw
*闘牛士のアルフォンソ・スパゴーニをとっつかまえたら
 渾身の一発で
 やつの憎たらしい顎を外してやる!

 I’ll find this bullfighter, I will
 When I catch the bounder,
 the blighter I’ll kill
 He shall die! he shall die
 He shall die tiddly-i-ti-ti-ti-ti-ti-ti
あの闘牛士を見つけてやるぞ、俺はやるぞ、
あの女たらしを取っ捕まえたなら、
あのごろつきをぶっ殺してやる
あいつはお陀仏だ!あいつはお陀仏だ!
あいつはきっちりとお陀仏だ!だ!だ!

 He shall die! he shall die
 For I’ll raise a bunion
 on his Spanish onion
 If I catch him bending tonight
あいつはお陀仏だ!あいつはお陀仏だ!
俺様がタンコブを作ってやるからな*2
あのスペイン産タマネギ頭に*3
今夜あいつをとっ捕まえて土下座させたなら*4

Yes, when I catch Spagoni
He will wish that he’d never been born
そうとも、スパゴーニをとっ捕まえたら
奴は生まれてこなけりゃ良かったと思うに違いないさ

And for this special reason
My stiletto I’ve fetched out of pawn
こういうのっぴきならない事情で
俺は質入れして短剣を手に入れたのさ

It cost me five shillings to fetch it
This expense it has caused me much pain
そいつを手に入れるのに5シリングもかかった
こいつは俺には痛い出費だった

But the pawnbroker’s promised,
when I’ve killed Spagoni
He’ll take it in pawn once again
Oh, no! oh, yes!
So tonight there will be dirty work
でも質屋は俺に約束してくれた
俺がスパゴーニめをぶち殺した暁には
質草はまた俺のものだって
ああいやだ!ああそうさ!
だから今夜俺は汚れ仕事をやるつもりさ

*Refrain
*繰り返し

Yes I tracked him to London
And he gave me the slip once again
そう、俺はロンドンまで奴を追いかけた
ところが奴はまたも俺に空振りを食わせた*5

And they told me this morning
That he’d doubled and gone back to Spain
みんなが今朝俺に言うことには
奴はスペインにとんぼ返りしたってさ*6

But whatever it costs me, I’ll find him
And no more he will give me the slip
でもどんなに金がかかっても、絶対に奴を見つけ出してやる
そして二度と俺に舐めた真似をできないようにしてやる

With my last one-an-nine-pence,
On Sunday I’m going
To Spain by the Sunday League Trip
Oh no! Oh, yes!
And then the dark deed will be done
俺はなけなしの10ペンスで*7
日曜に出かけていくぞ
スペインへ、日曜日の試合に間に合うように
ああもう!ああそうだ!
そしたら汚れ仕事をやり遂げてやるんだ

*Refrain
*繰り返し

*1 listは「傾聴する」の古語、もしくは詩的な表現。
*2 bunionは普通外反母趾(足の親指の付け根下にできるコブ)のこと。直訳すると「あのスペインタマネギに外反母趾を育てるだろう」になるんだが…
*3 タマネギは俗語で頭のことも指す。とりあず「頭にたんこぶができるほどぶん殴る」と解釈したが、「足にタコができる程頭を蹴りまくってやる」かもしれない。わからん。
*4 bending(bend)はスペイン男にひざまずかせたとも取れるし、スペイン男が堕落した人間であるとも取れる。英語に自信がある人は教えてください。
*5 slipは色々な意味があるのだが、「しくじり、やりそこない」を意味することもある。
*6 double backで「逆戻りする、引き返す」。
*7 1+9で10ペンスと解釈したけど合ってるんだろうか。

text & tune: Billy Merson (1879–1947)

イギリス人はスペイン人を何だと思ってるのか。
昔の歌詞だからなのかあちこち翻訳が怪しい。英語に自信がある人は代わりに翻訳してみてください。よろしく頼みましたよ。

ここでアップしたのはカナダで人気のあった音楽番組『The Pig and Whistle(「子豚と呼子」実在のパブに由来するネーミング)』で司会者役ジョン・ヒューワーによって歌われたバージョンだが、元来は1909年に英国のソングライターであったビリー・マーソンによって作詞作曲及び初演された歌。


その後アメリカの歌手兼コメディアンのアル・ジョルスンが1913年に歌唱・録音したレコードがブレイク(その後さらに1947年にビング・クロスビーと共に歌い再ブレイク)したが、主演映画『シンギング・フール』(1928年)で勝手にこの曲を使ったのでマーソンは著作権侵害の訴訟を起こした。その結果該当シーンを全て削除させることには成功したが、多額の訴訟費用のために破産する羽目になったという。勝負に勝ったのか負けたのかわからん。

収録アルバム:Host of the Pig & Whistle (Music From the TV Series "The Pig & Whistle")
The Spaniard That Blighted My Life
UNIDISC MUSIC INC.
2015-12-18


おまけ:さらにその後、ラリー・パークス主演によるアル・ジョルスン伝記映画『ジョルスン物語』の劇中歌として《俺の人生をめちゃくちゃにしたスペイン男》が登場した。ただし、当時まだアル・ジョルスンは存命中だったので、歌声はジョルスン本人が吹き替えをしている。



ジョルスン物語 (字幕版)
ルドウィッグ・ドナス
2012-10-28



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