*Got a whale of a tale to tell ya, lads
 A whale of a tale or two
 'Bout the flappin' fish and the girls I've loved
 On nights like this with the moon above
 A whale of a tale and it's all true
 I swear by my tattoo
*さあ途方もない「尾」話を聞いとくれ、若い衆さんたちよ*1
 クジラみたいにばかでっかい話をひとつふたつ
 羽ばたく魚や、おいらが恋した女たちのことをさ
 こんな風にお月様がてっぺんにいる夜だったよ
 途方もないお話でも、みんな本当のことさ
 おいらの刺青に誓ってね
There was Mermaid Minnie,
met her down in Madagaskar
She would kiss me,
any time that I would ask her
Then one evening
her flame of love blew out
Blow me down and pick me up!
She swapped me for a trout
人魚のミニーという女がいてさ*2
マダガスカルへ行ったときに出会ったんだ
おいらにキスしてくれたよ
彼女におねだりすればいつだってね
ある晩のことさ
ミニーの恋の炎はかき消えて
(さあ相手になるぜ、かかってきな!)*3
そしておいらはマス一尾と交換されちまった

*Refrain
*繰り返し

There was Typhoon Tessie,
met her on the coast of Java
When we kissed I
bubbled up like molten lava
Then she gave me
the scare of my young life
Blow me down and pick me up!
She was the captain's wife
台風のテッシーという女がいてさ*4
ジャワ海岸で出会ったんだ
ふたりでキスした時にゃ、おいらは
溶岩みたいに煮えたぎっちまったよ
テッシーがおいらにくれたのは
若死にするほどの恐怖*5
(さあ相手になるぜ、かかってきな!)
彼女は船長の女房だったんだよ

*Refrain
*繰り返し

There was Harpoon Hannah
Had a face that made you shudder,
lips like fishhooks
And a nose just like a rudder
If I kissed her
and held her tenderly
クジラ殺しのハンナという女がいてさ*6
ぞっとするような顔立ちだった
釣り針のような唇に
舵のような鼻*7
もしおいらが彼女にキスして
そして優しく抱きしめてやったなら

"Held her tenderly-y-y-y"
(やさしーく抱きしめてやったなら…)

There's no sea monster big enough
To ever frighten me
もうどんなにでかい海の化け物だって
おいらは怖くないね

*Refrain
*繰り返し

*1 「a whale of」はクジラそのものというよりは「(クジラのように)ものすごい、途方もない」という意味で使われる。

*2 以降の女性名は同じ頭文字つながりになっている。なお、このミニーはミッキーマウスの恋人…でもまあ間違いじゃないのだが、さらに古いポピュラーソングの《ミニー・ザ・マーメイド》が元ネタ。

*3 「blow me down」は本来「俺を倒してみろ!」という感じのケンカをふっかけるセリフ。
「pick me up」は色々意味があるのだが(幼児が使う「抱っこちてぇ」、車の送迎で「迎えに来て」、名詞として「気付けの一杯」など)、ケンカをふっかけるという意味の「pick up a fight」の省略ではないかと思う。どちらも「嘘だと思うなら相手になってやんよ!」というニュアンスじゃないかな。

*4 テッシーはTessyともつづり、本来は女性名「テレサ」の愛称。
*5 scared for ~'s lifeという言い回しがあり、命にかかわるほどの恐怖に使う。つまり、死ぬほど怖い。

*6 ハープーンは捕鯨などに使う銛(もり)。簡単に抜け落ちないように凶悪な形状をしている。そんなあだ名ついてる女怖い。

*7 舵(かじ)というのは船によっていろいろ形は違うが、船の下の方についている可動性の装置。これを動かして進行方向を操作する。


text & tune: Al Hoffman(1902 – 1960) 、 Norman Gimbel(1927 – 2018)

ディズニーの古典実写映画『海底二万哩(マイル)』の劇中歌。カーク・ダグラス演じる捕鯨の名手ネッドが、調査艦で乗組員たちに披露する歌。全曲通しで披露されるのは一回だが、劇中でしばしばこのメロディが挿入されているらしい。



海底2万マイル [DVD]
ポール・ルーカス
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2009-07-17


Kirk Douglas
収録アルバム: 20,000 Leagues Under the Sea
A Whale of a Tale
Walt Disney Records
2020-04-09


おまけ:ニモ船長つながりなのか、ピクサーの映画「ファインディング・ニモ」で、隊列を組んで様々なシルエットを作るムーンフィッシュ集団が海賊船の形を作ったときにこの歌を引用している。



おまけその2:公式おふざけアニメ「ミッキーマウス!」の第47話「深海の神秘」は、まるっと「海底二万哩」のパロディ回となっている。もちろん人魚のミニーもいる。



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