ウィリアム・ウォルトンによるバージョン
ベンジャミン・ブリテンによるバージョン
There was a star in David's land,
In David's land appeared;
And in King Herod's chamber
So bright it did shine there.
ダビデの地にひとつの星が昇りました、
ダビデの地に現れました。
ヘロデ王のお部屋の中を
それはまぶしく照らしました。
ベンジャミン・ブリテンによるバージョン
There was a star in David's land,
In David's land appeared;
And in King Herod's chamber
So bright it did shine there.
ダビデの地にひとつの星が昇りました、
ダビデの地に現れました。
ヘロデ王のお部屋の中を
それはまぶしく照らしました。
The Wise Men soon espied it,
And told the King anigh
That a Princely Babe was born that night,
No King shall e'er destroy.
賢者たちはすぐさま星を見つけて、*1
王に申し上げました。
「この夜に王子となるべき赤ん坊がお生まれになりました、
どんな王もこの子を滅ぼすことはできませぬ」と。
If this be the truth, King Herod said,
That thou hast told to me,
That the roasted cock that stands in the dish
Shall crow full senses three.
「それがまことのことならば」とヘロデ王は言いました
「そなたらの言うとおりだというならば、
このローストされた雄鶏も皿の中で立ち上がり
必ずや三度時を作るだろうよ」*2
O the cock soon thrusted and feathered well,
By the work of God's own hand,
And he did crow full senses three
In the dish where he did stand.
おお、雄鶏がすぐさま動き出して羽をふさふさと生やしました、
神おん自らの御業によって。
そして雄鶏は本当に三度時を作ったのです、
皿の中で立ち上がりながら。
*1 espyは遠くにあるものをたまたま発見する、垣間見るという意味。
*2 crowはカラスではなく、ニワトリがコケコッコーと高らかに鳴くという動詞。full sensesというのは辞書にも出ていないが、「充分に」とか「現実感のある」とか「五感満足な」とかいう意味で使われたりするらしい。想像がそのまま現実になる、というようなイメージ。
text & tune: 英国民謡 原曲はセシル・シャープにより採取され、1911年にEnglish-Folk Carols(英国民謡集)に収録された。William Walton (1902-1983)による編曲、またはBenjamin Britten(1913-1976)による編曲がある。
チャイルドバラッド22番Saint Stephen And Herod《聖ステファノとヘロデ》、および55番The Carnal And The Crane《カラスとツル》に基づくキャロル(仮に「カラス」と訳しているがcarnalが実際は何を表すのか不明)。
死んだはずの雄鶏が復活するというのは、ヨーロッパの民話によくあるモチーフらしい。また、「雄鶏が三度鳴く」のは新約ヨハネによる福音書でイエスがペトロに言う「はっきり言っておく。鶏が鳴くまでに、あなたは三度わたしのことを知らないと言うだろう。」(13:38)に基づいており、「まさかと思うようなことが現実になる」ということの象徴でもある。
このヘロデ王は、《コヴェントリーのキャロル》でも言及されるヘロデ大王のことである。
遠方から来たはずの賢者たちと、ヘロデ王の配下の祭司や学者がごっちゃになっている(元ネタの一つである《聖ステファノとヘロデ》からして、キリストの死後に殉教したはずのステファノがヘロデ王に仕えていてクリスマスの翌日に殺されたという荒唐無稽なストーリーだったりするが)。
Christ Church Cathedral Choir
収録アルバム: Holst & Walton: Christmas Music
スカイラ・カンガ
収録アルバム: Britten: A Ceremony of Carols / Friday Afternoons
And told the King anigh
That a Princely Babe was born that night,
No King shall e'er destroy.
賢者たちはすぐさま星を見つけて、*1
王に申し上げました。
「この夜に王子となるべき赤ん坊がお生まれになりました、
どんな王もこの子を滅ぼすことはできませぬ」と。
If this be the truth, King Herod said,
That thou hast told to me,
That the roasted cock that stands in the dish
Shall crow full senses three.
「それがまことのことならば」とヘロデ王は言いました
「そなたらの言うとおりだというならば、
このローストされた雄鶏も皿の中で立ち上がり
必ずや三度時を作るだろうよ」*2
O the cock soon thrusted and feathered well,
By the work of God's own hand,
And he did crow full senses three
In the dish where he did stand.
おお、雄鶏がすぐさま動き出して羽をふさふさと生やしました、
神おん自らの御業によって。
そして雄鶏は本当に三度時を作ったのです、
皿の中で立ち上がりながら。
*1 espyは遠くにあるものをたまたま発見する、垣間見るという意味。
*2 crowはカラスではなく、ニワトリがコケコッコーと高らかに鳴くという動詞。full sensesというのは辞書にも出ていないが、「充分に」とか「現実感のある」とか「五感満足な」とかいう意味で使われたりするらしい。想像がそのまま現実になる、というようなイメージ。
text & tune: 英国民謡 原曲はセシル・シャープにより採取され、1911年にEnglish-Folk Carols(英国民謡集)に収録された。William Walton (1902-1983)による編曲、またはBenjamin Britten(1913-1976)による編曲がある。
チャイルドバラッド22番Saint Stephen And Herod《聖ステファノとヘロデ》、および55番The Carnal And The Crane《カラスとツル》に基づくキャロル(仮に「カラス」と訳しているがcarnalが実際は何を表すのか不明)。
死んだはずの雄鶏が復活するというのは、ヨーロッパの民話によくあるモチーフらしい。また、「雄鶏が三度鳴く」のは新約ヨハネによる福音書でイエスがペトロに言う「はっきり言っておく。鶏が鳴くまでに、あなたは三度わたしのことを知らないと言うだろう。」(13:38)に基づいており、「まさかと思うようなことが現実になる」ということの象徴でもある。
このヘロデ王は、《コヴェントリーのキャロル》でも言及されるヘロデ大王のことである。
遠方から来たはずの賢者たちと、ヘロデ王の配下の祭司や学者がごっちゃになっている(元ネタの一つである《聖ステファノとヘロデ》からして、キリストの死後に殉教したはずのステファノがヘロデ王に仕えていてクリスマスの翌日に殺されたという荒唐無稽なストーリーだったりするが)。
Christ Church Cathedral Choir
収録アルバム: Holst & Walton: Christmas Music
スカイラ・カンガ
収録アルバム: Britten: A Ceremony of Carols / Friday Afternoons

