Joseph was an old man,
and an old man was he,
When he married Mary
In the land of Galilee.
ヨセフはおじいさんでした
おじいさんといえばヨセフでした、
マリアさまと結婚した頃
ガリラヤの地でのこと。
And as they were walking
Through an orchard so good,
Where were cherries and berries
As red as any blood.
ふたりは散歩していました
とても素敵な果樹園の中を、
そこではさくらんぼや木の実がなっていて*1
血のように赤かった。
O, then bespoke Mary,
With words both meek and mild,
"Pluck me one cherry, Joseph;
For that I am with child."
その時マリアさまが話しかけました、
とても優しく柔らかな言葉で
「さくらんぼを一粒もいでくださいな、ヨセフ
わたしは身重ですから」
"Go to the tree then, Mary,
And it shall bow to thee;
And you shall gather cherries,
by one, by two, by three."
「それなら木の方へお行き、マリア
木がきっとお辞儀をするだろうから。
それからさくらんぼを集めるのだよ、
一粒でも二粒でも、三粒ずつでも」
Then bowed down the highest tree
unto our lady's hand.
"See!" Mary cried, "see, Joseph!
I have cherries at command!"
すると一番高い木がお辞儀をしました
我らが聖母の御手に向かって。
「まあ!」とマリアさまは叫びました、「まあ、ヨセフ!
好きなだけさくらんぼが食べられますわ!」
"O eat your cherries, Mary,
O eat your cherries now.
O eat your cherries, Mary,
that grow upon the bough."
「さくらんぼをお食べ、マリア
さあ、さくらんぼをお食べ。
さくらんぼをお食べ、マリア
枝の上で実ったさくらんぼを」
Then Mary plucked a cherry,
As red as any blood,
Then Mary went she homewards
All with her heavy load.
マリアさまはさくらんぼを一粒つみました
血のように赤いそれを。
そしてマリアは家路につきました
どっさり荷をかかえて。*2
*1 berryはイチゴ類のことではなく、木の実全般を指す。「berry as brown(小麦色に日焼けしている)」という言い回しもある。
*2 この「荷」はさくらんぼをどっさり摘んだとも読み取れるし、お腹いっぱいさくらんぼを食べたともとれるが、もしかするとお腹の赤ん坊のことも含むのかもしれない。
text & tune: 英国民謡のDavid Valentine Willcocks (1919 – 2015)によるアレンジ
チャイルドバラッド54番。《さくらんぼの木のキャロル》は様々なバージョンの歌詞やメロディがあり、マリアに対してヨセフが邪険な態度をとっているというパターンが多いが、これは珍しくヨセフが優しい。
チャイルドが編集したバラッド集にはヨセフが不機嫌なバージョンしかないが、収録されていないだけで優しいヨセフバージョンの歌詞が存在するのか、ウィルコックスが教会でも歌えるように改変したのかは不明。
他の色んな《さくらんぼの木のキャロル》
フェデリコ・バロッチ「エジプトへの逃避途上の休息」

Choir of King's College, Cambridge/Sir Philip Ledger
収録アルバム: Classic Christmas Carols
Through an orchard so good,
Where were cherries and berries
As red as any blood.
ふたりは散歩していました
とても素敵な果樹園の中を、
そこではさくらんぼや木の実がなっていて*1
血のように赤かった。
O, then bespoke Mary,
With words both meek and mild,
"Pluck me one cherry, Joseph;
For that I am with child."
その時マリアさまが話しかけました、
とても優しく柔らかな言葉で
「さくらんぼを一粒もいでくださいな、ヨセフ
わたしは身重ですから」
"Go to the tree then, Mary,
And it shall bow to thee;
And you shall gather cherries,
by one, by two, by three."
「それなら木の方へお行き、マリア
木がきっとお辞儀をするだろうから。
それからさくらんぼを集めるのだよ、
一粒でも二粒でも、三粒ずつでも」
Then bowed down the highest tree
unto our lady's hand.
"See!" Mary cried, "see, Joseph!
I have cherries at command!"
すると一番高い木がお辞儀をしました
我らが聖母の御手に向かって。
「まあ!」とマリアさまは叫びました、「まあ、ヨセフ!
好きなだけさくらんぼが食べられますわ!」
"O eat your cherries, Mary,
O eat your cherries now.
O eat your cherries, Mary,
that grow upon the bough."
「さくらんぼをお食べ、マリア
さあ、さくらんぼをお食べ。
さくらんぼをお食べ、マリア
枝の上で実ったさくらんぼを」
Then Mary plucked a cherry,
As red as any blood,
Then Mary went she homewards
All with her heavy load.
マリアさまはさくらんぼを一粒つみました
血のように赤いそれを。
そしてマリアは家路につきました
どっさり荷をかかえて。*2
*1 berryはイチゴ類のことではなく、木の実全般を指す。「berry as brown(小麦色に日焼けしている)」という言い回しもある。
*2 この「荷」はさくらんぼをどっさり摘んだとも読み取れるし、お腹いっぱいさくらんぼを食べたともとれるが、もしかするとお腹の赤ん坊のことも含むのかもしれない。
text & tune: 英国民謡のDavid Valentine Willcocks (1919 – 2015)によるアレンジ
チャイルドバラッド54番。《さくらんぼの木のキャロル》は様々なバージョンの歌詞やメロディがあり、マリアに対してヨセフが邪険な態度をとっているというパターンが多いが、これは珍しくヨセフが優しい。
チャイルドが編集したバラッド集にはヨセフが不機嫌なバージョンしかないが、収録されていないだけで優しいヨセフバージョンの歌詞が存在するのか、ウィルコックスが教会でも歌えるように改変したのかは不明。
他の色んな《さくらんぼの木のキャロル》
フェデリコ・バロッチ「エジプトへの逃避途上の休息」

Choir of King's College, Cambridge/Sir Philip Ledger
収録アルバム: Classic Christmas Carols
