Of one that is so fair and bright,
velut maris stella,
Brighter than the day is light,
parens et puella.
I cry to thee,
thou see to me,
Lady, pray thy Son for me,
Tam pia,
That I may come to thee.
Maria!
うるわしくも輝くただひとつのものよ
海の星のごとくに。*1
日の光よりも輝かしい光、
母にしておとめなるものよ。
わたしは貴女(あなた)に嘆願する、
わたしを顧み給え、
貴婦人よ、貴女の御子に願い給え、
孝心あつき御子に、
わたしが貴女のみもとへ至らんことを、
マリアよ!
All this world was forlorn
Eva peccatrice,
Till our Lord was yborn*2
de te genetrice.
With ave it went away
darkest night, and comes the day
salutis;
The well springeth out of thee
virtutis.
世は全くも堕落した、
罪深きエヴァゆえに。*3
我らの主が生まれ給うまでは、
それも母なる御身より。
かの「アヴェ」が追い払いしは
暗闇の夜、そして朝は来たりぬ、
そのみ救いによりて。
善きものが貴女から生いいでた、
その徳によりて。
Lady, flower of everything,
rosa sine spina,
Thou bare Jesu, heaven’s King,
gratia divina:
Of all that bear’st the prize,
Lady, queen of paradise,
Electa:
Maid mild, mother es effecta.
effecta.
貴婦人よ、万物の華よ
棘なきバラよ。*4
貴女はイエス、天の王を身ごもられた、
神の恵みによりて。
宝物にもましてとうといものを宿された、
貴婦人よ、楽園の女王よ*5
選り抜かれたお方よ。
柔和なおとめにして、母となり給いぬ。
なり給いぬ。
*1 聖母の尊称の一つ。→《めでたし海の星》。
*2 ybornのように yを頭につけるのは古語の過去分詞。
*3 「エヴァ」と「アヴェ」の言葉遊び。万人に死をもたらしたエヴァに対して、救い主をもたらしたマリアは「第二のエヴァ」ともされる。
*4 バラは聖母の象徴。絵画の中で聖母はしばしばバラの庭園に座る。原罪を免れた聖母は「棘のないバラ」とも呼ばれる。庭園はエデンの園の寓意でもある。
*5 マリアを「女王」とみなすのはカトリック独特の思想。特に有名な聖母の尊称は「天の女王」(「(天の)元后(げんこう)」とも)。ユダヤ教以前にも古代オリエントで有力な女神の尊称として使われたので、異教を連想させるとして嫌う人もいるらしい。
text: 1300年代の作者不詳の賛歌
tune: Benjamin Britten(1913-1976)
『ザルツブルク大司教のミサ典書』より「禁断の木の下のマリアとエヴァ」(15世紀オーストリア)

別にクリスマス限定の曲ではないが、クリスマスによくとりあげられる。
作曲者のブリテンは5歳で歌曲、7歳でピアノ曲を作曲、そして9歳の時には最初の弦楽四重奏曲を完成させるというモーツァルトの再来のような天才児。イギリスの音楽家として初めてLordの称号を得た(普通はsirどまり。ブリテンの場合一代貴族で、男爵に相当)。日本を訪れ、NHK交響楽団を指揮したり、能の『隅田川』に影響を受けて《カーリュー・リヴァー》を作曲したりしている。
ちなみにゲイ。テノール歌手ピーター・ピアーズとは生涯を共にしたパートナーで、オールドバラの聖ペテロ聖パウロ教会の墓地に仲良く隣り合って葬られている。というかいいのか英国国教会。
ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団 & スティーヴン・クレオベリー
収録アルバム: Carols From Cambridge: The Very Best Sacred Christmas Carols
おまけ:英国の作曲家で打線組んでみたら6番だった。
Eva peccatrice,
Till our Lord was yborn*2
de te genetrice.
With ave it went away
darkest night, and comes the day
salutis;
The well springeth out of thee
virtutis.
世は全くも堕落した、
罪深きエヴァゆえに。*3
我らの主が生まれ給うまでは、
それも母なる御身より。
かの「アヴェ」が追い払いしは
暗闇の夜、そして朝は来たりぬ、
そのみ救いによりて。
善きものが貴女から生いいでた、
その徳によりて。
Lady, flower of everything,
rosa sine spina,
Thou bare Jesu, heaven’s King,
gratia divina:
Of all that bear’st the prize,
Lady, queen of paradise,
Electa:
Maid mild, mother es effecta.
effecta.
貴婦人よ、万物の華よ
棘なきバラよ。*4
貴女はイエス、天の王を身ごもられた、
神の恵みによりて。
宝物にもましてとうといものを宿された、
貴婦人よ、楽園の女王よ*5
選り抜かれたお方よ。
柔和なおとめにして、母となり給いぬ。
なり給いぬ。
*1 聖母の尊称の一つ。→《めでたし海の星》。
*2 ybornのように yを頭につけるのは古語の過去分詞。
*3 「エヴァ」と「アヴェ」の言葉遊び。万人に死をもたらしたエヴァに対して、救い主をもたらしたマリアは「第二のエヴァ」ともされる。
*4 バラは聖母の象徴。絵画の中で聖母はしばしばバラの庭園に座る。原罪を免れた聖母は「棘のないバラ」とも呼ばれる。庭園はエデンの園の寓意でもある。
*5 マリアを「女王」とみなすのはカトリック独特の思想。特に有名な聖母の尊称は「天の女王」(「(天の)元后(げんこう)」とも)。ユダヤ教以前にも古代オリエントで有力な女神の尊称として使われたので、異教を連想させるとして嫌う人もいるらしい。
text: 1300年代の作者不詳の賛歌
tune: Benjamin Britten(1913-1976)
『ザルツブルク大司教のミサ典書』より「禁断の木の下のマリアとエヴァ」(15世紀オーストリア)

別にクリスマス限定の曲ではないが、クリスマスによくとりあげられる。
作曲者のブリテンは5歳で歌曲、7歳でピアノ曲を作曲、そして9歳の時には最初の弦楽四重奏曲を完成させるというモーツァルトの再来のような天才児。イギリスの音楽家として初めてLordの称号を得た(普通はsirどまり。ブリテンの場合一代貴族で、男爵に相当)。日本を訪れ、NHK交響楽団を指揮したり、能の『隅田川』に影響を受けて《カーリュー・リヴァー》を作曲したりしている。
ちなみにゲイ。テノール歌手ピーター・ピアーズとは生涯を共にしたパートナーで、オールドバラの聖ペテロ聖パウロ教会の墓地に仲良く隣り合って葬られている。というかいいのか英国国教会。
ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団 & スティーヴン・クレオベリー
収録アルバム: Carols From Cambridge: The Very Best Sacred Christmas Carols
おまけ:英国の作曲家で打線組んでみたら6番だった。
