豊臣秀吉に拾丸が産まれて半年ほどたった、文禄三（1594）年春。
秀吉と甥・秀次の間に、目立った関係の変化はなかった。
． ´￣￣￣￣` ､ . ￣￣ミ 、
／ 仁二二二ニﾆﾆヘ ／ ,≫}
/ / | | ｉｌ | ＼ ／ ／ . ／／／ 〉、
. / ｉ 川 ｌ| | ｉ ﾊ ///, ／／ ／／／ /,ハ
ｉ l| |一 ￣ ￣ ￣｀ ､} i i/// {／ ／／／, / // , i|
／ .１ ∧ | ￣｀ ´ / | 〈// /く_i/ ,////}/// /,｜
. く ／ | i ﾊ l,z==ミ z==ﾐ : l | i// ／{{`式/i/'花ア'/ //从
} |⌒| ＼{ 从j '}/i 八￣, ￣彡'//i/
. 从i| ﾍ ′ .: | |/'}/i.>. ｔｪｪ夕 .イ ,iく__
. lト.、 ｰ ─┐ 八! ／i/≧≦弖j/_,,ノ )ヽ、 ［関白・秀次］
. / 川v‐‐ﾄ { ﾉ ／ ! /{ ／`￢→ ｧ＜.＿_ ,>､
/ ---ﾐ∨∧ イ 八 ｉ ,／ ),∨/ ／ ∠),
. /´ ＼ ∧ ｀ Ｔ ∨ ＼ ［豊臣秀吉］ |〃＼ ,∧/ ／ ／ ,}
′ Ｖ∧-- ､ ゞ、 ∨￣ミヽ {{＼ `〃 { ／ ／ /__
/ V∧ }. ∨ i ＼ ヾ＝≪＼__／ ／
正月には秀次が大坂まで年賀に訪れ、十日ほど滞在している。
幼い拾と、年の離れた従兄弟として接する場もあったかもしれない。
二人は茶席も持ち、春には吉野で花見を催した。
........,,,_＿,ﾉ_儿,,..r‐‐‐---一' く..,,_,,x<⊂ニゞ:ヾヾ.:::::r'⌒(⌒ﾌ)ｰﾍ......）; ;; ;ヾ ; 、
ｰ─‐----─=＝气 √￣￣￣~'ｰ-=＝≪⌒ー(⌒ﾌ⌒Y⌒ヽヾ.: ; ;ヾ::::; :ヾゞヽ., ; . . .
丶 ｀Yﾞ ,rシ’{{,,___＿__,,,,....__(￣廴仄)⌒介く..》⌒ｰﾍんｸヾ ;(ﾌ: :(ﾌヾ.: ; ; ;、
＼,,_ ‐-rシ’ ﾞｰ----rr─(￣廴x<⌒)ゝｰﾍ__）ヾ.: ;ゞ;;::ヾ(ﾌ(ﾌ ; ;ゞヾ.: ; ;ヾ: : :丶､.: . ..
｛= ｰ彳 (⌒(⌒ﾌ（ )べー(⌒)んJ.: ＼＼ヾヾ:: ;ゞ;;ぃつ; ;ヾ.: ; ;ヾ ; ; :ヽ丶 .. .
｛ ¨入__,,......__,,.<⌒介⌒Y⌒ﾌ(ﾌ<⌒(⌒7ぃ; ; (⌒ﾌ..ゞ;; ;ヾ ; ;ひJヾ ;ヾ ; ; :ヾヽ: :., ;
广´ ;;广￣て⌒Y⌒７ｰ<⌒ﾌ《 f⌒介⌒Y⌒Y⌒ｽ); ; ゞ:ヾヾ.: ;ゞ;; ;ヾ ; ;､ .: ; ;､ ; ; .
ﾉ｀¨´ '＾.:.;;⌒'く⌒介く⌒)介く__込ﾉ“ 人ﾉソ⌒Y介く._,,jj）; ; ゞ:ヾヾ.: ;ゞ;; ;ヾ ; ;丶ヾ.: ; ;ヾ ; ; : 、
／"ﾌ'小`ﾞ｀ ミﾃえrﾍ ）んしﾍノ 介ーﾍr久n,,人んJン ゞ;; ;ヾ ; ;丶ヾ.: ; ヽ ; ; :ヾ
／ _,:=ミｼ′ ｀´ ｀¨´ （丿 从
'’ ｰ=广¨´_ ん癶)
,,_ `ミラ′ _ _
⌒｀ミﾐｼ′ - _
"'ヽ､ｼ′ ‐ ‐
' ､ｼ′
〃 ‐ _
;′
-{
=ｉ
豊臣一門はもちろん、都の貴人や諸侯も集い、数日にわたって宴はにぎやかに続いた。
やる夫も、諸侯の列に連なっていた。
＿＿＿
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼
／ （ ⌒） （⌒）＼ 先生もおつきあいですかお
i ::::::⌒ （__人__） ⌒:: i
ヽ、 `ー ' ／
/ ┌─┐
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ
ｒ ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と_＿＿_＿ノ＿ノ
＿＿_
「￣´.:.:.:.:.:r‐≧､､
／:.:＼:.:.:.:..://⌒ヽ/ﾆヽ
/:.:.〃:/ ＼:.:.〉ヽ {薔} vﾞ)
!:.://;/ ｀ヾ入､ //:i
!/'´,.--､ ,.--､ヽ､/:.:|
. ぃ i:.:V
代 ⌒ , ⌒ }ｼ,
ハ_'､_ ┌‐┐ ,ｒﾆ〈ﾘ 歌人としてはこっちが本職なのかしら
∨ ニ＞.｀__´_ ,.イ＝=/
〉､ニ ｿ〈介ﾄヽ { ﾆ､/- ､
,／ }=〈 〈八〉´ 1__l/ ヽ
l ﾃ l ： ,l ﾃ |
. ＼ ､ , ノ＞＝＜ ヾ 〃 ノ
| {. ∞ / /´ ［連歌師・里村紹巴］
l ! .∧ ,/ /
丶､/
＿ ＿＿_ /ヽ／
,. :'´: :,. -―‐-ミ:ヽ、 ／ ﾍ.
／: : : :厶ｨ': ´￣￣ヾ : :＼ "´i￣
/: : : : : :.!: :M: : : : : ｝､: ヽﾄ､:.＼
ｉ: : :.!: : : ﾚ‐' ｀￣⌒ ⌒" ﾄﾍ:ﾊ!
ﾄ--|: : :.!: : ､| ｰ‐'' ´ ｀'ｰ ｝: :.ﾄ
ﾐ ﾐ ﾐ : :!: : : :! z=≡ ≡z.{: :.ﾊ ﾐ ﾐ ﾐ
/⌒)⌒)⌒.ﾊ :_Nとつ ＼＼＼ C VVﾘ /⌒)⌒)⌒)
| / / /:弋こ ＼ヽ ＿＿,. ｝ (⌒)/ / / /／ ∧＿∧ ∩,＿∧ ∧＿∧ﾞ
| :::::::::::(⌒) : :｝＼ / 1 ／ ゝ :::::::::::/ （, ﾟ∀ﾟ ） | |゜∀゜） （゜∀゜ ）
| ノくf⌒Y ｀ {_ _,ﾉイ| / ） / （( ⊂ ⊃ / ,⊃ （⊂、 ⊃ﾞ
ヽ / ヽ ﾍ,､ _｢ |::!:::::｝ / ／ バ （( ⊂,,, ノﾞ ((（ ,,_,,⊃ﾞ （(⊂,,,_,, ）
| | l||l 从人 l||l.!::|ｲ:::ヽ_./ l||l 从人 l||l バ ン （__/,, ヽ_）,, （_/,
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､/:::::ｲ; -一'''''''ー-､ ン
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ):::/｝ (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
＿＿＿
／ ＼
／⌒ ⌒ ＼
／（● ） （● ） ヽ （ご機嫌麗しいようだお）
| ⌒（__人__）⌒ |
＼ ｀⌒ ´ ／
/ ＼
＿＿＿
／⌒ ⌒＼
／（ー ） （ー ）＼ （秀次卿への心配をいろいろしてみたけど
／::::::⌒（__人__）⌒:::::ヽ
| |r┬ | （ヽ | あの様子だとうまいこと話はまとまってるみたいだお 杞憂だったお）
＼γ⌒=/⌒ヽ＿(⌒ |/
/ ( ^=/ / ヽ ノ＼
| / ,(⌒ヽ/ ＼
ヽ＿ﾉ ー '
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ -=・=- -=・=- ＼ （となれば さやも楽しみにしてるし
| （__人__） |
＼ |++++|」_ｷﾗｯ／ ひとつびっくりさせてやるかお）
`ー''´ l
＿＿＿＿ ＿＿＿＿_
／ ＼／ ＼ ‐-､
､-‐ ／⌒ ⌒ ⌒ ⌒＼ __＿,ノ-､
､- !､,＿_／（● ） （● ） 彡 （ ●） （ ●）ヽ __＿,ノ
!､,＿__ l （__人__） （__人__） |
＼ ｀⌒ ´ 彡 ⌒´ ／ あれ？
/ ヽ
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ 先生 大谷吉継殿はお見かけしましたかお？
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | ちょっと船と港の使用で相談が
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
,. -―‐ ー- ､
＿ ／ ＼
／ ｀ ー- ､ iｿ´ヾl ,､_ ハ
// ,〃 ＼ ､ >!<,j- ､__ヽｧ ',
l/ l/ ｀ ｰ=(,〉 {薔}-' ﾉｒ' ﾊ
丶 !i ゝ'i_ィ､‐､" .}
', -' ｀ｰ >-、 /
! ━ ━ ｒ=っ У 大谷殿なら今回は席を外しておられるかしら
. /ﾊ |l ＿'_
ﾞ 「 ､ n ,.ィﾞ＿ i 眼を病んだらしくて 遠出はおつらいみたい
´ニﾕ_＞-ｒｒ彡´ﾉt=ｭｧ_´ー ､
└‐､7（(ﾆｱﾄゝ） 'ーｧ‐' ﾊ
／｀´ /｀ｲll !￣ テ ﾊ
i / l ljl.j / / ﾊ
く | ヽ _ _ノ ', 〈
＿＿＿_
／_ノ ヽ、＼
／（ ●） （●）.＼ あ そんなにひどいんですかお
／ （__人__） u. ＼
|ｎi 7 ｀ ⌒´ . |ｎ 体調が悪いとは聞いてたけど
l^l | | ｌ ,/) U l^l.| | /）
', U ! ﾚ' / . . | U ﾚ'/／)
{ 〈 ﾉ ／
..i, ."⊃ ｒニ /
."'""⌒´ `''""''''
_,. -―- ､,.-‐､__
__ ,／.:.:.:.: ,-― ' ,.- ヮi {
〃､ヽ.:.:.:.:.:.: } ┌‐ﾋ薔ﾊ y !
亅/.:.:. 〉、.:.:. ヽ＼へ〒ヽ_ﾉ、
i.: l.:.,' ｀ ￣ =－-､l」ﾆ´i_〉!
∨:.{ ＿, ／x‐=､i!ﾍY.:.l 唐入りも一息って時なのに
. ヽ:ﾍ ,=､ 弋_ｿ l!ﾉ//
ﾞﾗ､i::ﾘ /.:/.:i__ わざわざ大船でもご所望かしら？
{::ﾊ､_ ｀ っ ／ｼ.: ,ｲ ヽ
ﾚ-{ﾞｰ.i/jﾄ､-‐ﾉ:／.ｨ ',
/ 〈ﾆ/ﾉ}{ヽヾj .;.:. ﾉ ﾊ
. ,ﾊ >ｊ ､ ' ,ﾍ、｀ヲ' _ ＿ ∠
ト-､_.ﾉし､_ﾑｯ ,f‐| ﾊ, ｒ､ ﾆ} !
,> //｀1__ ,ｲ｀´ﾉ_,. ‐＾､l! ! 「´
|,/ /‐v‐iﾍ ヽ_」
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! ! いえいえ 戦じゃなくて
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| |r┬-| | ／ 先生が仲介してくれたお話
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
ヾ.: ; ;ヾ ; ; :ヾゞヾ., .ゞヾ;ゞヾ;;;
; ;ヾ ; ;ゞ ;" "ゞ; ; ; ゞ゛;ゞ:.; ;ヾ ; ;ゞ ;
ゞ:ヾヾ.: ; ;ヾ ; ; :ヾゞヾ., .ゞヾゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ ` `
,,ヾ ;";ヾ; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ "ヾ;ヾ ;:," `
; ;ゞ ;" ;ヾ ; ;";ヾ; ;"/" ; ;ヾ ;ヾ "" ゛;"; ヾ:.;ﾞ,;゛;:.゛ ゛ ` ` ` `
" ;ヾヾ ; ; ヾ ;ゞヾ; ;ゞ ;" "ヾ ; ;"/" ヾ ;ゞ ;" "ヾ ; ; ; `
ゞヾ;ヾゞ:ヾ ゞ:.y.ﾉヾ ; ;ヾ ; ;ゞ ;" "ヾ; ; ; ヾ゛; ;ヾヾ,; ﾞ,,:.ヾ ` `
ゞ:.y.ﾉゞ ; ;ヾ ; ;ゞ ;" "ゞ; ; ; ヾ゛;;ヾ ;ヾ ;" "ゞ ; ; ; ヾ ;;; "ヾ;ヾ; ` ` `
ヾ:.y.ﾉヾ ; ;ゞ ; ;ヾ;; ;" "ヾ; ; ; ゞ゛;ヾ:.y.ﾉヾ ; ;ヾ ; ;ヾ ;" "ヾ; ; ; ヾ゛; ` `
:ゞ:.y.ﾉゞ ; ;ヾ ; ;:_/ヾ ;" "ゞ; ; ; ヾ゛;ヾ:.y.ﾉヾ ; ;ヾ ; ;ヾ ;""ヾ; ` `
"ゞ ; ;";;;;""ゞヾ:;;＿;/"ゞ ; ;"/" ヾ ;ゞ ;" "ヾ ; ; ; ` `
;;;;;; ; ;ゞ;;ノ;ノ″ ` ` ` ` ` `
:;;; ;;;;.....:::/ ` ` `
;....;;;::::;i;..ii| ` ,ﾍ ` ` `
:::: ;;;..;.ii:i| ` ＿＿＿_ / /
::..;;;.::.. :ii| ` ／＼ ／＼ ／ / `
／（ ⌒） （⌒）＼／ /
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼ / おコマをそろそろ上洛させてやろうと思うんですお！
| |r┬-| |
＼ ｀ ー'´ ／
／ ＼
/ ＼
/ ／＼ ヽ
／ ＼ ﾉ
U ヽ ノ
○ 第六十五段 ： 正夢
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! ! あ 先生にはおコマが上洛した後も
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| |r┬-| | ／ いろいろお世話になると思いますお
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
, -「＼‐- .._
, - ´ ヽ ＼＼ゝ＝､,､
／ ／/＼､ :. :〉{ ｒ;､ﾍ
/ ./ ./.:／ 丶､::ゝイゝ}７
i{. .:/ ./／'´￣｀ ｀ﾆﾐﾍ/ｿ
i:､::{ _{´ ､ , Vｿ
ゝ:`{ﾒ, =＝ﾐ ､_ /' それはもちろん
｀`i{､＿ "" ,、 , ｀`ﾞ{= ､
人､__メ { ｿ ノ 〉 私のためでもあるんだから当然かしら
,. ┴‐ ＜￣ }､...`" .ィ'´｀ヽ /
ｒ'´ V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､
i: ､: . . ゝ ィｌ」 ヽヽｒ－」 ＼
ヽ: :､: :__ . . :くく.ィ oﾞ"ゝ_ゝ . ｒ: }
／ ／T: . : ＼ ､ ￣ }i:､ :i ﾚﾉ
／ー- ｖ |: : : : . . ｀丶､､ﾟ_／ ﾄ､ ヽ
. 〈 ＼ ,ﾚ. : : : : く.／i､＼L_ヽ__ ＼
ｌ｀ヽ､-―- ､ _
／| ｌ ＼＿ ｀ヽ、
{, '´い //⌒ヽ ＼
/ ム ＼{_ﾚr行ﾐ⌒ヽ ｀､
ｌ ｰ'´ ヽ、Vﾍ_彡ﾍ. ノ l
ノ ､＿, ｀ヾヽ _＞彳 | 手始めに
｢ xx￣xx _V l l 「最上の姫君は東国一の萌え萌え美少女」って吹聴しといたから
lr‐1 》⌒! ｜ /
ヽ/7┐ ヾ==彳_,ノ ﾉ / だいぶ評判になってるみたいかしら！
_rｸ/ / r'⌒ヽ、＿＿ ／
__/）'´ 丿rｸ{￣ _〕仁ﾆ､ ＼
／{{くヽ.＿,.ィ-‐兀/l:ﾚ―ヘ ／￣｀ｰ- ､
_, -‐'´ ||厶|￢t┴ / ﾟ/└rｰ､ﾉ, ｌ
「 ｌl ノ|く rこ7 ｡//{三ヲ l n｜
｀､ ||ヽj‐'⌒7 匸ﾌ | ＿ |ｌく
ヽ. || く＞ ∧ ﾟ ＞くﾉ ｀ｰ┬ｰﾍ. ＼
＿＿＿_
／_ノ ヽ、＼
／（ ●） （●）.＼ そっ そんな先生！
／ （__人__） u. ＼
|ｎi 7 ｀ ⌒´ . |ｎ 本当のこととはいえ気恥ずかしいですお！
l^l | | ｌ ,/) U l^l.| | /）
', U ! ﾚ' / . . | U ﾚ'/／)
{ 〈 ﾉ ／
..i, ."⊃ ｒニ /
."'""⌒´ `''""''''
うーん、この親バカ
…・・・・… ミ
.: ＼
〔 Ｙ￣￣ヽ＿＿
/ //` ＼ ／.> ）
// く／ >／
//⌒ く／＜ |!
＼ 〃
∨ ｘ =- -=ミ v^Ｙ./:/
,: .rノ/ / え？
／ ヽ r , ..: ￣`く
く. ／ ≧ ＿_ . イ￣ ＼ /
／ ⌒ヽ |. : . ・: . ｌ￣＼/
( ｊ .乂:_._： ノ⌒ ソ
＿ ノ 【＞o＜】 人
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ―
／ （ ●） （●）'
| （__人__） | え？
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ー‐ '
＿＿＿＿＿
／.－ ､ －､ ＼
／ | ・|・ | -、 ＼
/／ `－● － ′ ＼ ヽ やあやあそうか！
| 三 | 三 ヽ ヽ 関白殿下にお姫様が嫁ぐんだったね
| （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
| ＼. / | | 遅れたけどおめでとう 最上殿
ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
_ ヽ `───-′ / / _
（ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ） ［前田利家］
＼ / ＼ ／
＿＿__
／ヽ ／＼
／（●） （●）丶 これは 前田様！
/::⌒（__人__）⌒:::uヽ
l |r┬-| l ありがとうございますお！
＼ `ー'´ ／
/ ヽ
し､ ﾄ､ﾉ
| _ l
!___/´ ヽ___l
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ 太閤殿下の世だ 海賊の心配はなくなったけど
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ 初めての渡航だものね 親としちゃ心配に決まってる
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼ 波に強い大型船がやっぱり希望かな
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
＿＿＿＿_
／ － ､－､ ＼
/ , -| ／・|・＼|- ､ヽ
/ / U ` －●- ′ ヽi. すぐにでも と言いたいけど
| / 二 | 二 | 大型船は唐入り部隊の交代や引き上げに徴用されててね
| | ─ |__ ─ !
ヽ ヽ __) / 杉材を供出してる秋田も あんな状態だ
＼ ヽ _) /
l━━６━━━━┥
| / ＼ |
, ────- ､
／ /⌒ ヽ ⌒ヽ＼
/ , -|／ ・|・ ＼| ､ ヽ
/ ／ ` ─ ●ｰ ′ ヽヽ どうかな 来年の春にしたら
ｌ / ── | ─ |
| / ── | ─ | せっかくの晴れ舞台なんだ
| ｌ ── | ─ ｌ
ｌ | ／￣￣￣￣｀ヽ / ケチがつくようなことになったら嫌だろ？
ヽ ヽ （＿＿＿＿＿ノ ／
>━━━━━ Ｏ━━─（ _ ）
/ ／ ヽ ／
＿＿＿_
／⌒ ー､＼
／（ ●） （●）＼ そりゃまったく構いませんお
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |r┬-/ ' U | こっちは急ぐわけでもないし
＼ `ー'´ ／
, -────- ､
. ／ ／⌒ヽ⌒ヽヽ
/ , -| ／ （|）＼ | ＼
/ ／U ヽ､ .l､__ ノ＼ヽ
. / / ￣ ● ヽl 早く収まればいいけどね 出羽も
ｉ / ￣￣ | ── |
|. l ￣￣ | ── ! 大谷くんと蒲生くんが体調を悪くした途端にコレだ
|. ! ￣￣ | ⌒ヽ
|. | ＿_|＿＿＿ノ まったく心配だよ
ヽ | ／￣￣ ／
>━━━━━━,-､━━く
／ ／ '､フ ヽ ヽ
奥羽仕置の当初、荒れる奥羽への要石として派遣されたのが蒲生氏郷である。
秀吉からの信任厚く、所領は会津一帯に伊達家の旧領を加え、九十二万石。日本屈指の大大名となっている。
／￣ ｀丶､
/ ／ /
/ くヽ-─ イﾍ/
_＿--─/ _,二-:::::::>xﾄ､─-､＿ ぐぐっ………
. / /ﾍｨr､r-Fﾑrｬ‐'::〈´:::lハ ￣入
| l ヽﾊ ｨ l / l
| l Tヽ.u - l / |
| ヽ | >､ _ , ｲ .′ |
. ｜ | | ／ Vﾆ7ﾍ| l :L
| ｌ l /Tl l | 〈 ［蒲生氏郷］
| l '、 / ｜/ | ヽ
| ' ∨ l/ ( >─ ￢ ヽ
| __厶ｭ＿⊂ ) ∨_/ ／ ｀Tﾄ､ 丶
| ／ ￣｀ ー──rくT 〉ハ _, -- ＼
. / Vﾆ、 ∠-‐'´ ヽ
| o o o ／ ｀ ￢ﾍく /
ヽ--- ────── ￢くl / ／ l | o∞ _, -‐ ´
しかし先年より病を発症、九州名護屋の滞在すら耐えられないほど悪化し、療養を余儀なくされていた。
また、秀吉の奉行として奥羽仕置に活躍し、奥羽大名との連絡役も担っていた大谷吉継。
/ / + ん ⌒y' + ﾉ⌒) ﾉ:|ハ
.′ |）V⌒ /' ／ヽ x ／ +| i
| |ノ + （__んﾉ ／′ﾉ ／) （__,| ｜
_|__ ノ｀¨ ７ ―..┬‐.ｧ..―――――く |
｀i ７′ :ト :/|.:/|.:i:.ハ:∧:.ト､ :|ノ:.:.ヽ､`:廴
|/イイ:/lﾙ,≧ﾐｰﾊ′}ー},ﾑ≦ﾄ､トヽ:V 丁
} 从 /'|_r::ci` :::::::::::::' |_r::clヽVﾄ:ト} |
/ . | .:l {{ 廴ツ 廴ツﾉ' }: | ∧ 書状に花押もすえられない……
i ｜:.i u , 小:| ' ヽ
ﾉノ ∧小. u .八 :| i
/ ﾉぐ} {）＼ ∠｀ヽ , ｲ} :/{ {
/ ／ ヽ｜l{ |.i＞ . ＿_ . イ/.// :∧ﾍ ハ
. （_))イ´ |: :l l..ヽ、 ` ー ´ /../ ': :i{/.ﾍ 〉、 ヽ
} ｜ |: :| ヽ_.＼＿彡'_;;/ |: :l| `=ト､ 丶
∧ } } | （こ)__ ヽ/.._jD） |! :l| | ∧ ［大谷吉継］
/....＼ﾉ |. :l| ￣ヽ/|ヽ/ |! :l{ | /....＼
彼も病に侵され、それが眼に及んで半ば引退状態となっている。
ふたりの病臥と前後して、出羽では騒乱沙汰が起こるのである。
＿＿__
／＼, ､ﾉヽ
／ （ ー） （ー）、 せ 仙北のことはやる夫にお任せくださいお
／ U ⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | 一揆勢を平らげ 速やかに雄勝を接収してみせますお
＼ `ー'´ ／
ノ´ ´ヽ
. ／ / y ﾊ
{ <. l l
.ｒヽ } | ﾉ、
｀ー-ｰ'. jー"
＿＿＿＿
, -‐'"´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
／/二ヽ／⌒ヽ;:::::::::::::::::＼
/::ハP_/P￣ヽ/ー-:、::::::::::::＼ きみと小野寺くんとの遺恨が
/ ヽ、（::::::）ー‐' ＼:::::::::::::::i
十―- Y -‐'"￣￣￣ !:::::::::::| たかだか蔵入地の収拾程度を面倒にしてることはわかってる
_|＿＿ .| ￣￣￣｀ |:::::::::::|
(´ .| ￣｀ヽ、_ _ |:::::::::::! 「わかってる」ということは重々承知しておいてほしいね
ヽ-ー‐┴―--- 、r―-:、!:::::::::/
/＼ /´ }/:::::::/
ヽ、｀丶、＿＿_{ ﾉニニ!
, ──── ､
／ / ⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , -| ／・|・ヽ |ヽヽ ま それより頭が痛いのは秋田くんのほうさ
/ ／ ｀ ー ●ｰ′ ヽ
ｌ / 三 | 三. | 平和にやってほしいからわざわざ僕が手を貸したってのに
| l └─-､ l
l | /´⌒＼ ＿＿＿ ノ / どう考えてるんだろうね
ヽ ヽ ヽ､＿＿＿＿＿/ /
〉━━━━━O━━ー◯
/ ／ ＿＿＿ヽ ／
/ | ヽ ﾉ | |
◯/ `ー‐<⌒ヽ─ ヽ
ｌ | | ｌ
` ー──く __ノ── ´
前田利家は名護屋に奥羽諸侯が集まったのを好機とし、彼らの和親に心を砕いた。
その一つが、秋田実季と南部信直の和睦仲介である。
｀`ヽ､
,-- ､ヽ-- --､ ,. -‐'ﾍ
／ ./＼.i／,'ﾊﾍ ﾍ
/ /ﾞﾞﾞﾞ丶'´ﾞﾞﾞﾞﾞ∨ﾍ ﾍ
/ / , ､ ∨ ＼ ∧
7/ 7 -√ `‐=-i .＼ .ﾍ
〃! i 〃¨`, 〃¨`; | .! ヽ ﾍ
i.| i | |7:.:i:.ヽ,ィ キ‐､ もともとこっちから仕掛けた喧嘩じゃなし
,--j i y､_＿'_＿ ,.-i | ﾘ':.:.:i:.:i¨ﾍ￣- ﾔ
/:.:.､!:i|, .i, i::::::::::::::::::::::::i .! 7ﾘ:.:./:.:.ﾍヽﾍイ_ !
y､:.:.:.ﾍ:':ﾍ!ヽ ヽ::::::::::::::::::ノ ノ!7:.:::/:/:.:.:./ﾍ ヽ-' iﾔ
∠:.:.>:.:.:.ﾍ:.:.:.:ﾍ＞｀二二´＜ 7:.:.／:.:.／:.:.:ヽ､ .i ﾊ
/:.:.／:.:.＼:.:.＼:.:ﾊ､ ﾍ / _,-,〈:./:-i'":.:.:/:.:.:./-､iﾍ彳!
i:.‐‐､:.:.:.:.:.:.:.＼:.:ヽ:.i`ヽ､_ _／::::j:.:i:.:.i:.:.:/:.:.:.7:::::i／:.:.:.:! ［秋田実季］
ﾔ:.:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.i::::::::::::￣::::::::::i:.:.i:.:.ﾍ:.i:.:.:.:.:i:.-'":.:.:.:.:.:.i
,,､､_ ,ィ‐-─＝ ､
,r '´ ｀` ＼
/ , ＼
/// / , / /! `,､ヽ ヽ
, イ // // //l_,ｲ_j ,!,ｲﾄ､l ヽ!
／／l/N ,ｲ/ //ｨl/,､rt|ヽ/ l/N !j ,j
／／ V´｀Y ｲ/ ｨ'´〈じj ｲIj |/ / /
,彳/ ／ ヽ(ｶVY ゝ-‐'ﾞ ゝ, ,ﾚNl/ ま お互い戦争する時代でもないでしょ
/ // ／ゝr ' ' ´ ﾉ/'´
/／// ,イ / l ! -‐ ,ｲ'´
/,ィｲ^7^i/火､ 丶、 ,ｲ｀ヽ
,ｨﾆ二ヽ´￣二ﾌ´N/ `''ｰ-､｀二ﾆ´/ | l
.,ｨﾚ'´￣ ヽ､￣ ヽ'´ ｀ ｲ√ l ,!
/ ,rhellsing､＼ `ﾄ､_ jメ ､,,!/ ［南部信直］
〉/;:;:;:;:/ / ＼r=＝‐､ ｀ゝィ ｀ヽ
//─戈─ / ,ﾚ;:;:;:;:l i l/､ ,ィ´ b _,＼
両者は実季相続時の紛争「湊合戦」で敵対し、国境をめぐって激しく争った。
これを利家が世話し、信直の娘を実季の弟に嫁がせることで和解の運びとなったのである。
では、両軍が争った地、比内盆地はどうなったかといえば、手にしたのは彼であった。
, -'´￣￣￣￣/ ○
／ _, -―' ,二＼ Ｏ 人
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.（ , / ____ .,' ─卜| □□ | ────（´∀｀ ）-（´∀｀ ）-（´∀｀ ）-（´∀｀ ）-（´∀｀ ）─
｀く | ／ ｀ヽ、 .ヒ| | ⊂ Ｕ ）⊂ ⊂ ）⊂ ⊂ ）⊂ ⊂ ） ⊂ ⊂ ）
ヽ | / ,-､ .y､ﾉ ￣||￣￣￣||￣ Ｌ Y 人 Y 人 Y 人 Y 人 Y 人
ヽ | . 〈=ﾆ-―'´`l || || Ｌ （＿）`Ｊ （＿）`Ｊ （＿）`Ｊ （＿）`Ｊ （＿）`Ｊ
ヽ ＼＿ __,ノ ￣ ￣
ヽ____ /_
, -/ ￣ ＞＜ |｀i ､
,. ' ヽ ｀ｰ､ ／＼;;;;;;l`;| 」 ＼
/ ｀´7 ｀ｰ､ |;;;;;;ヽ| ＼ ', ヽ
l 'ｰ ､_ ＼;;;;;;;;;| ﾉ ', ヽ ［秋田配下・浅利頼平］
| ､, -、｀ー-`''''｣ ' ', ヽ
ヽ , ' ,- ＼ l ヽ
ヾ '７ ／,- ', __,､- |-、 ヽ
第三勢力として登場した浅利頼平は、当初苦戦していた実季と結んで比内を切り取り、居座った。
秋田と浅利の因縁は、互いの父親世代から深まる。
/
/ ,イ /| |', ',＼ ヽ､
/ ／:::|/: :'､ | ヽ ', ヽ､＼
/ｲ ／|r- ､:::ｌ|:: ヽ ｌ ヽ ', ヽ＼､
|ｲ / /| ﾄえ::ア|ト､_ヽヽ ' ,_, -;-__＼
ｌ/ イ/:: ￣ヽ-､'´ '､` ﾍ`ｰ'- '::::ﾄ
ヾヽヽ!: :::::ｌﾉｌ
＿＿＿＿ ﾄ､`ｌ!:: ..:::ﾊ|
／∵∴∵∴＼ ｒ--- /ヽ. |:. ...::::::::/ l
. /∵∴∵∴∵∴＼ ＿ｌ ｀`ー-ゝ､＿ ,＿ ｀ '´:,,.::::::::::::/
/∵∴／／ ＼｜ ［実季父・安東愛季］ ／｀ ー ､＿ ｀`ー--,-､￣::::::::: ／
｜∵/ ＜･>ill< ･>.| , -‐‐‐‐ ￣￣ ｀ ー---､_-､_ /ｆｖ- | ||:::::::; イｎゝ
(6 u つ .| ｀ヽ ＼､ﾉ /| |- '´ﾍ| ||,;|
｜ u _＿＿ ｜ ------- ､_ ヽ、＼､ﾊ Ｎ ﾊ/ﾊ|::|＼
＼ /＿＿/／ ［頼平父・浅利勝頼］ ｀ヽ､ ', ヽ ＼',ヽ//::::ll:::', ヽ
／ヽ ／＼ ヽ|:::::::::Vヽ ＼
浅利勝頼は愛季の力を借りて内紛を制し、当主となったが、後に敵対して謀殺されてしまった。
この時、比内は愛季に併合され、頼平らは国外に亡命。
そして愛季死後の騒動に乗じ、本拠奪回を成功するわけだが、頼平が急に勢力を成したのには種がある。
頼平をかくまっていたのは、大浦を名乗っていた時分の津軽為信だった。
､-≦_ー‐ -=ﾆ`ー､ヾ,ヽヽﾄ､ヾﾖヽ'i Y,r‐'‐ｲ
〉三_‐_´＿ `ミ､_ヽ`ミﾄ､ﾄ_ﾐ;;W_ヽi ﾘ∠'-三!,
彡ﾗ'_´-_‐' -‐三ミｰ_-ミﾐr' `"┴ミﾐﾐ≦
〃彡-_ ,-__ヽ≡_－ヾミ{_ ﾄ＼､!
ﾑ,∠／-,-',,.-, |彡_／~~≡＿ |ﾊ!ヾ'
}三三{ ／) ﾄ'､'､ `ｰ‐-'_､ , !
. f三三ﾑ !r'( ヽヽ､ ､ r-､ミヾi|!|,-|
f三シ´ } y'/ ＼｀ヽ,ヾ|!､ !ヽﾐﾘｿ|Z!
ﾉ彡ﾞ ヽｯ';:;;:､ ＼ ｀ヾ≧ｷ};=＝iﾘ
:ﾞ /;:;:;;〃_,,､_ ｀ヽ{_ノ'-' ! いいですか？ 浅利さん
ヽ, i /;:;:;=､´,=ﾄ､ﾞ_ ,.-､. i
ヽヽ,i' i',彡;:;, ﾞﾄy_`,ｰ-..､ ﾄ､,.＿ 〉 暴力を振るっていい相手は南部軍だけですよ
ヽヽ, ＼ﾚ: .:, ｀'ヽ'､'w,_ ｀ヽ､〉"
､ ヽヽ, ｀に;;::; ､ ｀ヽ_~)'r'´
ヽ ヽヽ ヾrシ ヾ_-ｧ‐'
ヽ ヽヽ ヾfｼﾉ, , 〃/
ヽ ヽ＼_,..-ヾｶｿﾉｿｼﾉ｀ヽ､ ［津軽為信］
ヽ､_ソ／）､ ｀＼´ ｀ヽ ※都で藤原氏・津軽姓に変更。
ヽミ_-' / ﾉ＼ ＼ |
ヽ ￣ ´ ＼ ＼.
南部家からの独立闘争中だった為信は、湊合戦にて実季に味方。
手元にいた頼平の比内復帰を支援し、火事場に補完勢力をでっち上げたのである。
その後の奥羽仕置で為信の独立は達成され、頼平は実季配下に編入された。
すべては為信の策謀通りに運んだが、結果としてこのふたりが結びつくことになる。
_ ,,,...,,,__,/ _._
,;-'" ((`'"_=-
,;' ∠ ￣`~ヽ､
/ ∠ '"￣~_`_＼
/ / ／／ ／/, ヽ､ヽヾ
／ /／/ / ／ﾅﾒ/, ヾ､ヽ ヾヾ
／／／ .r^`{|l /ｧ-;-,::{l | }_}_ ヾ、 〉
／／ ／ .ヽ`| | .|.ヾ;ﾉ ,::::l l/-､ﾘl| } l/
／/／／ y^ ヽ{ ~￣ ､ヾｼ/,l/}/
'／/／,‐'.-. ,,ヽ、 ' /~' ' ヒゲ野郎……
〉~; : ; : ; :~;`‐. ..,,_~ ／
／: ; ヾ :ヾｰ;-:-;-:‐; :~`ゝ
/~`'‐ :.,;_:_: : : : :_; ; ; ;ゞヽ ,,-‐､
〈::::::::_,,..,,_ ヾ,:~:ヾヽ、 ` ､ ヽ、
{:::::,'" ~ヾ: ; : ; .ヽ ヽ
|.r':::::::::::. ヽ,: : ; . ;ヽ .〉
,.y __ r-､r=､__
,-/ {{i´r/／｝ z--､ヾ､ /ヽ､ < ヽ Y Ⅵ ﾄ ヽ
{ 〈 ／ ＼∨/ ＼ /,′ /
ト､_ ,. - ≧ ./ ／ﾆニニﾆ:､ ＼ ７￣: ｀ :ﾄ､／
＞'´: : : : : :', / /`ｰ ミ元ヲ'´ ∨ ﾍ 7: : : : : : : :.｀Y
',: : : : : : : : :', .// ,ｲ `ー '´ニ`ー '´Vハヾ 7: : : : : : : : : 7 頼平の野郎 津軽の被官気取りじゃねーか！
. ',: : : : : : : : :',Ⅵ /:i 「￣￣￣￣｀i |､ ' 7: : : : : : : : : 7
',: : : : : : : : :', },{ (! |ＶＶＶＶＶＶⅥ |', |７: : : : : : : : : 7 結局こっちのシマ荒らしに来たのかよ！！
',: : : : : : : : :', | Y |:::::::::::::::::::::::::::! ﾚﾘ.': : : : : : : : : 7
',: : : : : : : : :',:/.i !:::::::::::::::::::::::::::| | ': : : : : : : : : 7
∨: : : : : : : :ﾄ､ﾍ│:::::::::::::::::::::::::::! 从: : : : : : : : :./
∨: : : : : : : i: Y`!:::::::::::::::::::::::::::::i': :i: : : : : : : : :/
∨: : : : : : :i: : :ﾄ､∧∧∧∧∧|: i: : : : : : : :./
∨: : : : : : i: :.| |:.i: : : : : : : /
∨: : : : : i: └┬:┬┬─r:.┘!: : : : : : /
∨: : : : :',: :..:.|//! ｜//|: : :,': : : : : :/
,': : : : : : :',: :..|//! ｜//|: :,': : : : : : {
利家がスムーズに縁談をまとめられたのも、彼らの仮想敵が一致したためである。
そして、ついにはこうなった。
－､、
＼ ､
,.－ヽV´￣｀ヽ､
／ ／｀ﾆ´＼ﾆﾆﾆ｀=､、
／ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽﾆﾆﾆニl ､
r‐ 、 '´| ｌニ_ﾆﾆﾆﾆ_ニ|ﾆﾆﾆlｺﾆﾄ
＼ ＼ ,., { | |（(_,)）ニ（(_,)）|ニニﾄ!‐ｌ、
＼ ＼｀ ,. ｊ | ｌ | ﾆﾆﾆﾆﾆニニ|ニﾆ|ｆヽ ! オイ頼平 状況わかってんのか
＼ ＼｀'、 !,| ﾄ| ニ_,ﾆ,ニ,ﾆ,_ﾆ|ﾆﾆ|ソ/
＼ ＼ i | ! ,ィく∧∧∧∧>|∧|＜ さっさと土下座して年貢払え 奉公しろ
＼ ＼'',, } | i､´|｢三三三三|｢／/ﾆﾆ＼
＼ ＼ |∧| ｀lｊ'－ｧ三三 'ｌj ／ﾆﾆﾆニ＼
＼ ＼ ／｀'ー一 ''´ﾆﾆニ／ﾆニヽ
＼ ＼ _ / ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニ/ﾆﾆﾆﾆニｌ
Y´_,r｀ヽ ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニlﾆﾆﾆﾆﾆニ|
ｌ -'´_｀Lﾆﾆﾆﾆニニニ|ﾆﾆﾆﾆﾆニ|
l ´ ｒくﾆﾆﾆﾆニニニ|ﾆﾆﾆﾆﾆニ|
〉 ﾆﾆ{､ ＼ﾆニニニニｊ_,r─－-､」
_, -＝―- 、
､'´ __ ｀` ､_
〉'´,￣ ￣_'`ｰ-､_ }
,' _ノ,-､ .,-､ ＼ .| |
,' ・ﾉ ・ﾉ ,､| .|
,' ___ ｀ ｰ- .| |
.l （ ` ､ L＿,-{ あー 奉公ね いいよ
', 入＿___,､_つ-、 ）
. ',｀´ ´ ＼ T´ 君じゃなくて 太閤殿下にだったらね
', ___. ', |
Y´ ＼ ', |
ゝ,､__,-､_ヽ、 ', |
(｀ｰ―‐'´ﾉ |
｀ーt-‐' |、
, -‐十‐__---―‐'フ 〉>､
／ / |イ;;;;＼ ／_,ノ/ ＼
実季と頼平は武力衝突寸前に至り、奥羽仕置の奉行でもあった木村重茲が仲裁に入った。
, , , ........:::::::::::::::::::::ヽ ソ /
丿.//::::_:::::::／ヽ :::::::::::::::::::::::::::::` > ＿,／
-´ |:/ ＼/ ／::::::::::::::::::::::::::,-rｲ /::::::l
／|::＼ <:::::::::::::::::::::::::::::!_ヾ,＞く :::::::|
` -l::::／ _ >::::＿ ----- K__ イ_> |
` ー-,|::ヽ ∠:＞'::￣::::::::::::::::::::::::::::::: ￣￣ ` 、
て⊥-´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／￣:::::::::::::::::::::::＿ --------- 、::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::: , - ´.u ／-､ r- , _ヽ::::,､:::::::::
:::::::::::::::: l ､__ , ､､イ!;;;;;;!} ﾉ-,//::ヽ/::丶,／ お前らちょーっと待て待て！！
､__:::::::::::: l /,,,ヽ ヽ-- ' /'-/ |:::::,::.>－ヽ
￣￣ ` l ヽ''' j- ､ , ､ く_ノ t ´ _ | いったんその喧嘩 こっちに預けろ！
ヽ i´Y ／^ i >､ ／ヽ r:, ´'ﾉ
` ､ーt_'__ , ,´-､l l´o、 ` ーt_'
_ ,、 ｀入ヽ ri´ /l lo l｀ミ 彡 ＼
/::>ゝ,ー ', ﾄ Y l .ノ//Z !ヽ＼ 丶 , ［秀次宿老・木村重茲］
ヽ＿ゝ- ┴､l ヾ_`´_ノ/ ＼ ヽ ､ ／
/`i ￣￣ ＼ 丶 '／
/ l ＼_／
< l ／ヽ
ー ＋ー --
重茲はこれまでの軍役負担を免除し、頼平の違法行為をひとまず棚上げ。
その上で実季への奉仕を再度義務付けた。
ヽ ＿＿＿＿＿
＼ ／ ＼／ ヽ ｀＼
＿ / | ．|． |－ ､ ヽ
/／`ｰ ●ー ′ ＼ ヽ まったく 余計なことを！
__l 三 | 三 ヽ ｌ
.＼_＿_＿__|＿_／￣｀ヽ ｌ | 津軽にまた釘を差しておかなくちゃあ
. l | | /⌒ヽ
| / ⌒ヽ⌒ヽ | |ヽ＿ノ
. ､ｰ┴─────┘ / / ﾉﾉ
＞━━O━━━━/ /
/⌒ヽ ／ ＼ | ズダッ ズダッ
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ （なるほど
／ （●） （●） ＼
| （__人__） U | やりすぎて前田殿クラスを怒らせるのも非常にやべえお）
＼ ｀⌒´ ,／
／ ー‐ ＼
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼ （こっちもいい加減決着させるかお
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 小野寺は八柏を切った これがやつらの結論だお）
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ―） （―）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ ……うし やるかお
| |
＼ ／
いまだ奥羽の山間には雪の残る、早春。
最上側から峠を越え、仙北へと軍勢がなだれこんだ。
ﾉﾄ |
彳ﾐ ﾉiﾐ
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_,.．-'''" ｒ"⌒;;ｙ、 彡彡ミﾐ 彡;;;ミﾐ
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, -'" ... ,... ... ,.. . ," .,.:,. :.. .,. :,..:....
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軍勢は仙北内でみるみる数を膨らませ、雄勝郡に入った時点で総勢数千に達した。
／/
┣¨┣¨┣¨┣¨ ､/ / ┣¨┣¨┣¨┣¨
/ ｀
|＼ / ┣¨┣¨┣¨┣¨ ∧
`>.く /◆＼∩ | | ∧ ∧
＼ (Д・´# ソ,,,､三ニ＝―┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ | |ミﾟДﾟ ミ
∩／◆＼ '''' ＜ニ||― ｒ-／◆＼――― とiiiUiii⊃..
｀(Д・´#),,,､三ニ＝― ヽ(Д・´# ),,,､三ニ＝― 《,r'甘ﾞｉ;》
＜ニ||― ｒ-／◆＼――― （＿ヽＪ≡;;⌒｀
（＼ ∧ ∧ ヽ(Д・´# ),,,､三ニ＝―┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ /l
＼＼＿ミﾟДﾟ 彡 ＜ニ||― ∩――∩――― '''''''''´´´´´ | |/（◆）
と @Ｕ@ヽ三ヽ ｀(Д・´#ソ,,,､三ニ＝― |（｀Д´ ）
（####） Ｕ '''''''''＜ニ||― ｒ-／◆＼――― ﾍと つヽ
/|三|ヽ三ヽ ヽ(Д・´# ),,,､三ニ＝― ┌γ 人 ≡
（＿）ヽＪ≡ソ;ソ⌒) ヽ＿人__)≡ ）
率いるは最上家北方攻略の責任者である二人。
rｰ ｰ-､
／ j=r i
,, -― ''"￣ ''ｰヽー-､ i 'r-し'-ｰr､,-ー---- ､_
-'" ＼ i 'r,＞i､_二ｰ--===='"ヽ_
ヽ, `ヽr /'"j-､_)ｰ-===ニ三ﾆ=7ﾊ
ヽ, ,, "／ｰっ''"ｉ ｉ ｉ`_､ ヽ'└ｉｌ､
ｌ _,.／ ／_7／ /'ｌ , ｌ/ｉ'"ヽ|＼ ｉ, ｌ:ｌヽ
＜ `'ｰ'ﾆ='" ,r!へ,ｌﾊ ｌ -ｰir,jr-i､ .ｉ ｌ:ｌ ｌ
, ヽ, /／ｌ ｲｉ',/r`),ﾉヽｌ `''ｰ～,､'ヽ、 ,ｌ ｌ:ｌ ｌ
ヽ ヽ、 ｌ ｌ ,ｉ'}y, `'<. _ ` ｌﾊ/ﾘｌ:ｌ ｉ
. ヽ `r=､ ｌ ｌﾊ' ` _,, -ｰ―' ｌっ `ｌy'
`､ ｉ,＼＼ `､ -'",, ／ﾆ'-'"<,
`､ ｉ ｉ`r､ノ` ､ ` ／ /'" ＼
ヽ, ` ｌ ｌ､`ヽ, ` ､ ／ ,' ヽ、 ［雄勝郡代官・楯岡満茂］
ヽ, ｌ ﾊ_ rヽ._`r=-'--ｰ┐ /, ﾄ,､,,`ｰ--`ｰ
＼ ｌ ｌ `＼_ヽヽ、ｌ￣`'ｌ_ｌ_／＼、 ヽ､`ヽし
ヽ ｌ ｌ ` ` `-'_, `"'' ﾉﾊｉ＼ｉ'ヽ
┌―00 __00
｀フ∠ く,ﾆ ! [][]「l
／ _,,-‐''゛゛￣゛ '''' ‐- ,,,, ＼ └'＾ｰ┘ くノ くノ
／ ／ .､ -‐ ''''゛゛゛゛゛ ''‐-,,｀＼ ﾞｉ
l ./／´ ｧo=ﾐ''フ ン ゛゛゛ ''''=Θ〆 l,
| // ／:::::/ ､‐'゛ﾞ,,=,,゛'‐- ,,_ ゛'';;) 〉
'く|i´／:::::::::::l ' i´ l｀゛;ゝ'､ｪ_ '〈
,,r'､ﾆ' ,:::::::::i ｀‐・ゝ, ` l,-゛,ﾄ-｀＼
..l..{::`:::':::..''ﾞ '・ l l ｀´
､ -‐――- ::, ﾃ､/ ｀i
､/ッ:´:::::::::::'' ,,''''';;;;;;;＼ ､ -‐- .._ ´ l
／／,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''''';;;;;;＼ ｀｀゛' ‐｀、, /
､.ッ;;;;;;'''',,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;''';;;;;;;;,,,,''''';;;l. ｀' / ［満茂与力・鮭延秀綱］
.ﾞｉ;;;;;,,,;;;;;;'''''''゛､ ＜;;;;''´＼ : : : :ﾞｉ,|::::. /
/;;;;;／ ＜;;;;;;,,,,,,,,,,,,'''''''';;;;;;l: : : : :| ゛::;::'' ‐-ノ;;;;;;;｀ヽ
,,,,,,,,,, ゛''''''';;;;;;;;;;;;,,,,''(,: : : :|l::::: ;;;;i l;;;;;;;;;;; .:::::'
; ; ; ;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,, '''''';;;;;;;;;;i : : :ﾞｉ;;;;;;;;;;ﾘl;;;;;;;;;; ::. . :::..
; ; ; ; ; ; ;;;;;;;;'';;;;;;;;,, c ''';;;;ﾞｉ: : :|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ::::. .:: ::
; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;, ,,''';;;' ',' , '';;!､: :l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; _､ -‐l::....::::
; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;;, '';;,,'';;'',,'' , c '';｀'‐｀'';;､-,;;;;;;;;;| l,,,,,,,,,,,,,
.; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;;;ﾞｉ '';;;,';ﾞｉﾞｉ''‐- ,｀'r;;;;;;;;'/;;;;;;;;;;;l |;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
従うは丹与左衛門ら、北部で戦を重ねてきた精強な軍団。
_,..--------..._
;( );
| ｀` ------- '´´.|
|⊂⊃ ⊂⊃ |
((__)) ,|､__ _,...--'7
|| ／ `--`-v--'´--''´~＼
``=|,,,,,;; ;;;;;;;;; ;;; >
└'´|;;;; O ;;;;;;;;;;;|`'|| ［金山城主・丹与左衛門］
|;;;; O ;;;;;;;;;;;| ||
| ;;;; ∧ ;;;;;;;;;;;;|((~))
't--､_ハ__,... ----┤
｀｀||~```~~~~||~￣
.||､ .||､ ┌―00 __00
／ > < ＼ ｀フ∠ く,ﾆ ! [][]「l
<__／ ＼__ > └'＾ｰ┘ くノ くノ
,. -───- ､
,. -'´ ヽ!l＿_
／ , ---- ､ ___ ヽｰヽ
r'´ ___r─'´ ´ r‐､ ヽ
/ r'´/ ＼＼ ヽ
/| ﾚ' ヽミヽ!
j / l ヽヾ|
/ 〃 ,ｨ / /|ﾊ/ﾄ､. | ヽ |、
/イ/ ///／┼! //､ﾘ┼||ト| | | l|、
| | rﾍ ー一 l/l/〃 ー一' リ ﾄ､|/!
|/|/!,ｨﾍ__ i /ﾉ ヽ|ヽ!
! !|/ |/|ハ ､＿'＿_ , ,ｨ| || /ﾘ! ［やる夫娘婿・野辺沢光昌］
! l/´「lヽ、 ／「ll/ l/
ﾄ､＼`ー‐ '／/ |
, ---┬‐┬イ! lヽ､￣￣／ |ヽ----- ､
'´ | | / └ |___| ┘ | | | ｀`
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::/::／.::l/::Ｖ::/::::!::Ｖ/:::::｀ヽ:::::::::ヽ ∧∧ ∧＿∧ ∧∧ ∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧
. ,′′.:::::::|::::/:/:::|::|::::::::::::::ﾍ::::N:::::::} ( ）（ ）( )( （ ） ( ）（ ） ( （ ）
. {/|::::::::::::::ﾊ::ﾄ､:::::|:::::::::::|:}:::::::Ｖ:::::|ﾊ| （ .）（ .） | | （ | （ ） （ ） （ （ ）
|::::::|::::::ﾄ|::ト{:::::|::::::/:从/|::::|:::::ﾘ | | | ｜ | | |..| ｜ .| | .| ｜ ｜ ｜ ｜ ｜ ｜ | | | | |
. |:::::|从|ｰｔﾃ戈::::::/:ｲｔﾃｧ}::/:::ｲ| .し`Ｊ （＿_）＿）し`Ｊ（＿_）_（＿_）＿） （＿（＿_）（＿_）＿） （＿_）__（＿_）＿）
ﾚl {:::ﾄ ￣ ヽ/ｲ ￣lﾊ:/}/
ヽﾍﾄ.u l::/ノ
|::ヽ ‐' ﾊ´
. _|/::|ヽ、 ｰヾヽ. イ::::ﾄ､ ﾆｼﾓﾅｲ
/:::::::| ＼ ムiｊ |::::::::∧ ［小野寺義道弟・西馬音内茂道］
/:::::::::|ヽ、 __ 二r― ､ﾅ::::::::∧
. /:::/ヽ::| // Ｖ } /∧:::∧
_ ,......-‐:'/:::/:::::::|ﾘ ,′ | Ｖ//.::∧::∧ｰ.... __
::::::::::::::::::/::Ｖ::::::::::|| , ′ | |/:::::::::∧:::|::::::::::::
:::::::::::::::::{ｖ'::::::::::::::|| | | }}:::::::::::::∧}:::::::::::: ┌―00 __00
::::::::::::::::::::┌―‐‐|| | | ||￣￣|:::::::::::::::::::: ｀フ∠ く,ﾆ ! [][]「l
└'＾ｰ┘ くノ くノ
さらに、小野寺家を見放した者、失脚に追い込まれた者らまでが列に加わった。
公儀代官として、雄勝郡の諸士の大多数が最上家を受け入れた瞬間だった。
∧_,,∧
､-‐'''""''''＼ /＼. (｀･ω･´) ／ヽ
＼ 歓迎 ＼. | ⊂ ⊃ | r--─‐i
＼-‐'''""'''' ヽ／@/ く ＼ / r─--‐i | |
＼ ∧_,,∧ ∧_,,∧（ノ⌒ヽ）∧_,,∧ | | ∧_,,∧ |--─‐''
○○･ω･´) (｀･ω･´)∩ ∩(｀･ω･´) ''─--‐| (｀･ω･´)∩
ヽヽ｀ ヽ'´） ⊂ r ' '-､ つ ⊂ ／
@〉 ,.- '´ @ﾉ / ヽ '､@ r‐' /@
〈_ノ´..................（ノ⌒し'......................'､_l⌒'､）................｀""ヽ_ﾉ
............::::::::::::::::::::::.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::............
/っﾉ /っﾉ /っﾉ /っﾉ /っﾉ
/ / / / / / / / / /
/ / ∧＿∧ / / ∧＿∧ / / ∧＿∧ / / ∧＿∧ / / ∧＿∧
＼＼（ ）＼＼（ ）＼＼（ ）＼＼（ ）＼＼（ ）
＼. ⌒ ＼. ⌒＼ ⌒＼. ⌒ ＼ ⌒＼
/ /ヽ / /ヽ / /ヽ / /ヽ / /ヽ
/ / / / / / / / / /
もはや身を危険にさらしてまで満茂入部に抵抗する者などなく、最上軍は雄勝中心部までするすると進んだ。
ここにただひとつ立ちはだかったのが、府城・湯沢城であった。
::: ::::::::::::::: ﾉ::::::⌒::::........ ......:: .....::::::::::::::ι- ―
:::::::::..... .....::::............::::......） (...::::::::::.......... .........::::::::
（ ........::::::::::::. ..: ( ..........:::::: ......:::::ﾉ
‐- ::::..... ......::::: ヽ .......::::.. ....::::)-‐
.......:::::: ......:: ⌒) _ γ:::::::::::::::::ﾉ
:::::::::::::::::） ヽ ..:::::::: :::::...... ／/ヽ ...:::::::::::::...(
:::::::::::::::::::::....⌒ヽ (⌒:::::.......::::.） ﾛ_|品|目l （ :::... ...:::::...........
....:: ...::.ﾉ /__/ヽ_ﾄ‐┴┐.......:::::::... ......::ヽ
|lllll|,､ｌ ...ｒ､ﾍへ、 :...⌒)
(´(;::)..､=‐'''"~;７´::::::〉
..ｒ:(´(;:::)_ｒ'´"'" _フi ;';〈 ::::::::::L
ｒ'´(::(´＾::⌒::) __-‐´::::ﾉ ;';'; ゝ ::::::::::〉
(:::⌒)::｀) ,.‐''´;';〈:::::::::/ ;';';';/ ::::::::::::::ゝ
iΞﾌ(:::) _...ﾌ;';';';';';';'ｌ::::::i ;';';';'; 台 台::::::ヽ
(´(;;::｀),,.-‐ ''´~ _,,ｒ‐' ';';';';';';';';';';'ﾉ::::::台 台
最上方にとって、この徹底抗戦は意外だった。
､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
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ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
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洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ {Z弐近{ :.
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}从{ V|i ､_ ′ .' :. 降伏はしねぇ
从 {_ ｀ .ィこ> ,' :.
}ﾄ､_ ｀二 / ::.
从汽 ,ｨi斥仆v :.:
洲 ｀ ー‐- {i｣从｣ｼ{ .:.
ﾉ]} | .:
／.::i｣ 、 j＼_ : .
_ -‐ {::::::::{、 、 / {ヽ::ヾヽ、
_／ |::::::::| ＼ 、 { ハ::.:.:.. ｀丶、 ［湯沢城主・八柏孫七］
_ -‐ ´ |::::::::| ｀ヽ､__ ／ ',:.:.:.. i ｀`丶、
／ |::::::::| ｀ヽ. {_ ',:.:.:. i ヽ、
/ |::::::::| l | ||! }:.:.:.::! ＼
./ ＼ |::::::::| l | |{ ｌ::.:.:::l ヽ
ヽ |::::::::| ／,ア￣￣｀ヽ l:.:::::::l i `､
＼ |::::::::| ／／ ／＞≦二;;}:::::::l | `､
城主の孫七は小野寺美作とも名乗ったが、本姓は八柏氏―――
この正月、粛清の対象となって謀殺された、八柏道為の叔父である。
,､r '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､
／ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ＼
／ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヽ
/ :.:.:.:.:.:.:/| A .ハﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:.:.: /,r|ｷ-ﾘト‐-リA.:.:.:∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
./ :.:.:.:.:.:/|{,ｨ´・ } ヽ/~ i:.:,.:.:.:.:.:.:_.:.:.:.:.:.: : |
i: :.: /ハ|イ ’ ,／,r' i!'ヽ.:.:.|´ .｀i.:.:.:.:.:.|
|ﾊ: :|夕'¨｀￣￣´ ヽ.:| |.:.:.:.:.:| 僕が内通だって！？
! |{´.} i! i.:.:.:.:.:.|
! iヽ ,､rヘ、 /.:.:.:.:.:i デタラメだッ！！
{ ＜r'´￣::.｀>、 u. ,_, r'|.:.:.:.:.:.|
ヽ ヽ:::::::::r' .ヽ j | ,､.:.:.:i
ヽ ヽ::::.| .ヽ j i! ヽi;,i!
ヽ ヽ::::| ,〃 , ' ｀ヽ
ヽヽ=='″ , ' | ／ ［八柏道為］
.ヽ｀¨´ , r' | / /
ヽ､ _ ,､< | / /
ヽ .| / /
｀>､ .! / /
／ |＼ ./ /
／ | |.|｀, / /
／ | | | .'/ /
道為の死に伴って急遽、城と一族の指揮権を引き継いだばかりだった。
当然ながら、配下たちの団結など期待できないし、そもそも抗戦の目的すら見いだせない。
＼
', ﾍ
/ |_災壬从,,ﾉ .}
', 弋从述少 /
,r､ 彡,､_ ／;ﾚ ,r､
/;∧ 从ﾐ ｀ー―'´ 从 ./;;;∧
/;;;;;;∧ 'lil弋晨ｦ^弋ﾐヲヽl /;;;;;;;;∧
/;;;;;;;;;;;∧ l'i| ;;|､ l l} ∨;;;;;;;;;∧ 戦う！ 絶対に戦う！
/;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ヽi _ __ . j/ ∨;;;;;;;;;∧
./;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ﾊ ／ ー｀ ./. ∨;;;;;;;;;∧
/;;;;;;;;;;;;;;;;;/ j｀tlililililililｲ l. ∨;;;;;;;;;∧
./;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / ﾊ. ∨;;;;;;;;;∧
|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
| ノl |
./|＿＿_____lｰ'´ﾞ7_＿＿＿l｀7_＿lヽ_＿/ /.＿＿＿__|' ,
.,' .| ﾞ´| i＿Γl r‐' ⌒Y } Y ./ /_ | ',
j. | ,r'´ i--ﾁr､} ｀7 /｀i .l ｀´./ ,r､ヽ_|ヽ .| '、
,''' | ゞ_ノ ｀' .（ノ ヾノ ヽ/ ヽ_ノ | ヾ .Y
,' | | ';, ヽ
ただ孫七とその周辺だけが、強い戦意をもって籠城しているという状況だった。
／ |
/ / / ＼
/／ / / 〉
, '´ ,--ｙ' / ／ ／ |
￣ /ハ/ / / ／ ／ 〉 V
二二、 { （/ / /／ ─メ ｧ'´ / ／/ !
｀ヽ､ヽ /| | / =＝ミ、 ／ ／／ / // │
＼/!| / ` ／ ／ __/ //| ,'
＼ /.u ／ ＝ミ 〃/ //
＼（ .イ / // さすがに意味がわからないんだけど
￣｀丶､ ヽヽ､＿ ' ノ //// /〃
ヽ ＼_, /／/ , '
｀￣￣￣￣￣￣￣￣￣｝ ---‐ '"く /／
＿＿___〉| | ＼ﾄ 乂
`ー───‐ '¨"´ ＼ヽﾄ､い＼＼
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::/::／.::l/::Ｖ::/::::!::Ｖ/:::::｀ヽ:::::::::ヽ
. ,′′.:::::::|::::/:/:::|::|::::::::::::::ﾍ::::N:::::::}
. {/|::::::::::::::ﾊ::ﾄ､:::::|:::::::::::|:}:::::::Ｖ:::::|ﾊ|
|::::::|::::::ﾄ|::ト{:::::|::::::/:从/|::::|:::::ﾘ
. |:::::|从|ｰｔﾃ戈::::::/:ｲｔﾃｧ}::/:::ｲ|
ﾚl {:::ﾄ ￣ ヽ/ｲ ￣lﾊ:/}/ ……和睦の使者を出す
ヽﾍﾄ l::/ノ
|::ヽ ‐' ﾊ´ あいつなりにメンツを気にしてんのかもしれねぇからな
. _|/::|ヽ、 ｰヾヽ. イ::::ﾄ､
/:::::::| ＼ ムiｊ |::::::::∧
/:::::::::|ヽ、 __ 二r― ､ﾅ::::::::∧
. /:::/ヽ::| // Ｖ } /∧:::∧
_ ,......-‐:'/:::/:::::::|ﾘ ,′ | Ｖ//.::∧::∧ｰ.... __
::::::::::::::::::/::Ｖ::::::::::|| , ′ | |/:::::::::∧:::|::::::::::::
:::::::::::::::::{ｖ'::::::::::::::|| | | }}:::::::::::::∧}::::::::::::
::::::::::::::::::::┌―‐‐|| | | ||￣￣|::::::::::::::::::::
が、孫七はかたくなだった。
〉::::::::::::::::::::::; ﾍ/ﾘ ヾヽ:ﾊ; ヘj::::::::::≧__
. ､ー'::::::::::::::::/}／__,ｨ -､ヾー‐ ､＿ヽiヽ:::＜
ヽ:::::::ﾉﾘﾙ'ｨ≦圭/ ヽi::＼ヽ圭≧､i:::;::≧=-
,ｲ::::i∧::ヽ＼＞{ ﾊ ﾊ )￣｀ ー‐ ﾍﾘｲ:::::> 攻めてこい！ 堂々と野戦しろ！！
. /ｲ::// ヽ= ' , ─ '¨¨ヽ u ﾏ!::::ﾍ￣ヽ ＿
.. ／￣ヽ j:::!:| { i ﾏ:::::iヽ＿ ＞'´ ヽ:￣＼‐-
. /,:' ﾏ 乂:|. u } iニ´｀ヽ ! : :|:::|｀i: ＼:: : : ::: 〈_
. ﾏ∧!::::. i | | l : :ﾘﾉ｀i}:: :: : ::: )
. ',｀(ﾍ:::::. | | : : : :ｲ､/ ::. l i: : ／
l' ,:' ￣ ヽ＼ )';::::. |～┴ｲ : : ﾉ/: :: :. i i: : i: :/
ﾍ 〈_/ ￣ ヽi:: | i jノﾑ: : ', i i: : ;' /＼
ﾑ }: 辷´｀´ﾉ /,仁ﾐ! : :ﾏii:. ﾚ′ 〉
ﾑ ＼ ﾉ::＼ i ＿_ 丿 ｲ:i三ミ| .:: : : :ﾏ: :/: :: /
＼ ﾑ ー‐ ´ ﾏ从ﾉ＼ ｀¨´,.ｨ､ ／乂j三ミ| . : : : : ∨: : : /
＼ﾑ ﾏﾑ ＼ ,ｲ::::::ヽ _／/ /三三| : : : : : : : :ヽ: i〈
Λ Λ
(ill・д・) えっ あ はい
/（ ）y|
⊂（_ノＵ |__）
名分もなにも立てない彼の戦は、ただ公儀を拒否する反乱でしかなかった。
. ／ ',
/ l ',
j { '.
/∧l |＼,＞､ ',
ｲ/ l| {／ﾑ廴＼ !
｢|ﾌﾃ弌. ｜く 乞ぅミﾊ ∧ |
| 厶{f'迂} ＼ | 弋ゾ_,.ﾍ} l | |
{ | ト ゝ＜ ＼{ | jﾊ｜ | ……なに？ 援軍のアテでもあんの？
ﾊ | |lＮ , ､ .u jｨ /イ } !
ⅥI{| |ﾄ、 _ ノ / |/ j∧/＼
. ∧!込、 -‐'二￣ / / ﾍ. ＼
. / ,ゝ ｲ ＼
// ／ 〕h､ ／/| ＼ ＼
/ ／ | 'ｰ | __{＼{＼{ ￣￣
. / ／イ ｜ |_／〉＼＿＿__
/／ ,⊥∠/}_,ﾉ / ＞'＾ ／ ＼＿＿___
＿_／ ＜_ / / ／ ＼
＼ ／ ヽ
-;彡::::::::::´l/l/:::l':/::::l:::l:::|:::l/:::l:::ﾍl::ﾍ|:lﾍ ﾄ､l:∧
/:::ィ::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽl:::::::::::ゝ
〃 /:::/::::/:::::/:::::::ｌ::::::l::::::::;ｲ:::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::l:|
/ ':::ｨ::::::':::::|:|:::::::::|::::::|::l::/ |:ｌ::/|:::/::::::::::::::::::::::::::l:N
l/ l:::::l:::::l:|:|､::|:::l::::/!;l/-/'l/_」ｲ:/::/:::::::ﾄ､::::::::ヾ
′l:::::l::::从|_Ⅵ::|:::|ﾉナ￢丈//7:ｲ/::::::ﾑ V:::l::ﾄl
|:::∧l､ こiｱⅥ::| ￣ /´/'i::/::ﾑ l l::::Ｎ そんなもんねぇだろ
Ⅳ lﾊ /ヽl /ｲ::/) /::ﾄl
`l ', 〈 ｲ:/,_／::::| 道為ですら 公儀への反逆って結果を恐れて
. _^__ 〃/!:::::|::/
ヽ. ィｱー‐ヽ / l::::::N あんたらと軍勢で張り合うなんてことしなかった
_.イｧく ￣ . ´ ｛:::|:|
`¨´ ヽ ＜ V:ﾄl
i`ー ´ / Vヽ._
_ﾑ / ／ / ＼
／/ ﾍ. / ／ / ヽ _
. ＿／ / ﾚ{ / ／ / ∧ ＼
_ ‐ ´／ / / ﾉ ／ / /
, ´ / / ! ／ / /
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::/::／.::l/::Ｖ::/::::!::Ｖ/:::::｀ヽ:::::::::ヽ
. ,′′.:::::::|::::/:/:::|::|::::::::::::::ﾍ::::N:::::::}
. {/|::::::::::::::ﾊ::ﾄ､:::::|:::::::::::|:}:::::::Ｖ:::::|ﾊ|
|::::::|::::::ﾄ|::ト{:::::|::::::/:从/|::::|:::::ﾘ
. |:::::|从|ｰｔﾃ戈::::::/:ｲｔﾃｧ}::/:::ｲ| その道為すら 小野寺の本家はやっちまった
ﾚl {:::ﾄ ￣ ヽ/ｲ ￣lﾊ:/}/
ヽﾍﾄ l::/ノ 小野寺は雄勝を切ったんだ
|::ヽ ‐' ﾊ´
. _|/::|ヽ、 ｰヾヽ. イ::::ﾄ､ 誰がやつらに義理を尽くすってんだ
/:::::::| ＼ ムiｊ |::::::::∧
/:::::::::|ヽ、 __ 二r― ､ﾅ::::::::∧
. /:::/ヽ::| // Ｖ } /∧:::∧
_ ,......-‐:'/:::/:::::::|ﾘ ,′ | Ｖ//.::∧::∧ｰ.... __
::::::::::::::::::/::Ｖ::::::::::|| , ′ | |/:::::::::∧:::|::::::::::::
:::::::::::::::::{ｖ'::::::::::::::|| | | }}:::::::::::::∧}::::::::::::
::::::::::::::::::::┌―‐‐|| | | ||￣￣|::::::::::::::::::::
＿＿＿＿＿_
|°| |
|°| (二) |) ___ 横手から援軍が出る気配もまるでないぜ
|°|＿＿＿＿| (___)
|￣￣￣￣l､.∧ ｌ l
| l＿_ｌ o |＝＝ヰ
| | | .o |
| ヾ､ .o |
└ (⌒)――l^ｌ┘
| | | |
| | | |
l二二l ｌ二二ｌ
横手城の小野寺義道も特段の動きをとらなかった。
i:::∨:::::::::::::::::::::::::::::::::Y::i
{ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚi
iY::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::У
',::::::::::::::::;;;;;;;;::::::::;;;;;;;;;:::::::::::::彡
>:::::::{"゛ ｀＾~ ~^}:::::::ｱ
'彡:::/ ,､__ _＿ .ﾞi:::::::iﾞ
从::| --ｯﾞ_z i!'´- ｯ_ｧ |:::::i
〉^i! ￣ ￣ .|:/｀i
| ! i! し i!i ,! ま 孫七 なにやってんだ
＼.! . ｀ ´ ,'ｨ'"
|:::i ､ ´￣ ｀ ./i::|
И ＼ ／ .N
／ヾ;､ .｀ヾWシ′ .|､
,-'"､ ヾ;､ / !i.＼
_,.．-‐'" ＼ ヾ;;､ / i;;i ＼
,.-‐'" ＼ ヾ;;､ i;;i | .｀ヽ_
／ __ ＼ ヾ;;;､ i;;ｉ | ｀ｰ-=.,_
＼. ' , >―‐- ､| ヽ,
', ヽ, .(_／＞‐'''"￣i ヽ, ［小野寺義道］
.', ヽ, ／ ,ｨｧ'''''' ｀ヽ ヽ,
ヽ, ヽ,〉-'./ ／ﾌ''＿ | | ヽ,
｀ヽ, ヽ, | f⌒ヽ_`ｧ´ / ./ ', .| |
ヽ, ヽ, | ＼_ .｀i´. .i .| . |
そもそもが彼の指図ではなく、義道が軍を繰り出せばそれこそ公儀への謀反となりかねない。
横手でも、この事態に戸惑っていた。
i ,-'":::::::::::::::::::::::::;;;--'": : : : :|.,=ﾍ ﾔ ∨: : : ;: : : ヽ::::::i
∨:::::::::::::::;;;-''7===､,|.:i: : : : : :| 二､ﾔ-､∨i: : i: : : :.ﾔ:::i
.∨:::::／: : : 7, __二| |､: : : ﾔ| '" ｨヽヾ ∨i: :i: : :.,､ﾔ:i
＼/: : : : :7／ ｨヽﾔ, ∨ : ',i 弋ﾉ ,∨i: i: : :.|ヾ.i, ふーん 特に裏はなし？
/: : : : i:7´ 弋ﾉヾ ∨: :ﾔ ､＿＿ノ .ヾi: i: : :.i:::ヾ,＿＿
/: : : : : i7, , ノ ＼: ﾔ ﾔi: : :.|::7 ＜'", バカが勘違いしてるって話なのかな？
./:／i: : : i:i:ﾊ "'" ＼, 从: i |:i::i : : : : : ＞
／ |:.i: : : :.i::ﾍ ､::y /-,: :/||7ﾊ: : :＜
|:i': : : :.ﾍ::ﾍ / / |/::::::| ﾔﾍ-､: : ＞
|;i'i: : i iﾍi:::::>､ ＿ ／ / ./.|:::::::| .ﾔヾ ヽ---､
|' ∨:|i:|:::':::::::| ＞ '---` ／ 〆 |:::::::| ,-' ﾔ ﾔ
|ﾔ| iﾍ::::::::| ＞ ／ ./ .|:::-,i |' ヽ i .ﾔ'-
ﾉi |:::::::i ＞‐ ´,, ,/ , '::i v〃'/ 〃 .ﾔ::::
, -' i, .|:::::::i'-,,＿__ ~ ／,.|::∨i:./ ／i .ﾔ:::
〉, ヾ |::::::i｀ﾞ''ｰ-､｀ﾞ''ｰ---､,,＿＿＿_／ '"_.|::::::|/ / i 7:::
＿_
_,,,, -‐''''.´￣ ￣'''ｰ=x
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::::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i
ﾞYﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ
=:}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{
:Tヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__
.{.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }::::､ﾞヽ､
::ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:;:ヾ､::.＼ ……武士としての意地でしょう おそらくは
,w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ::jﾉ:::::::::::`ｰ
, .}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ::::::::::::／i::::..
ﾐ,, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ::;ｨﾞ::/／:::::::.
:::ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／/::/./::::::::::::
:::::::ﾐ､ヾ､:;ﾞヾi}ｴｹZﾞｴﾂﾞ:/ ミ:;ｨﾞ ,,ｲ::j'./:::::::;;;;_::
/ ) r'､,＿､, ,, ノ ｌ ＼
,､r ｰ '￣￣"'＞､,_ー- ､, ｌｉ ヽ
／ ／/ / `-r､ ,＿` ､,ｌ ﾄ-､,
ｌ /' ,ｉ / ｉ./_,ゝ, ﾑ"￣`'ﾄ ､ _ { ` ヽ､＿_
＼ / / /ｌ ｌ ｌ/" ￣ｌ,ｌ"ヽ, ｉ, ｌ`＞=.､ 〉 ＼ー'"
`ｰｧ// ｉ' /=ｌﾊ ﾉ' _ィrｰ'ﾘ-rヶヾｉﾉ ｉ'ん/`ヽ,r' , ヽ、 ／
ｰ７'ｿ ｉ /__,,,､ｌ / , `'ｰ’ ,､`､/ ｌ`>,j' ﾉ ,､＞'" へえ そりゃあおかわいそうに
,ﾊ ｲﾉｌ,<'`='j' ` ' " > ｉ '"／ヽ, ,､'"
ｉ / ヽ ヽ` _ﾉ ,/ ｉ'ヽ、 ,＞' _ 配下の兵卒どもが
ｌ' ヽ '､ ヽ_ - // ﾉ , >'" ,､イ<
＼ｌ'､ j'――-rー' ﾉﾘ / ／ ,､r '" (`' ﾉ
ｌ >';;;,,,"/" ,ﾙ'" ,､r '"ｌﾊ、ｉ ヾ、
／'三=,;,/'､,_＿,､ '" ,､ ｨ'ハ, , ﾙ `ヾー-ｰ
／;;;':--'" / ,､ '" ＿,,､_,､ '" ＿＿＿ｌ、ｌ/
／;;''';;;,,,''' ／ '" rｰ'" -`ヾ、 }, '' `ｌ
￣ ￣`フ'" ,／ ｉｌ 〉
_r-､ヘ, ,､ r '" ／ ｌｉ ＼
／ ｌ `r,＞'"ヾ、ヾ,／ ｌｉ ヽ
ｒ-// rｉ .ｌ ヾ, ,､rイ l ｌｉ ｌ
ｌ ' ` ` ヽー'" ｌ ／ l _/ ｌ
ヽ, ｌ'/ ｌｉ／ ｌ
最上方の総攻撃が始まった。
湯沢勢はよく戦った。しかし、所詮は相手の十分の一に過ぎない小勢である。
, = - ､
∠ﾆiと'"""(:;:;@:;) // ∧,..,.
(ili ) :;8;:;,. /// (ﾟ- ﾟ#)
∨∨:;:;,8.:;:;,.;: i:i:iつＯ|l二ニ＞
,-―-､:;:;ミ ～ﾉ,,,ﾉヽヽ 彡 （,.,.,..,,.,.,. ,.,,.,.∧∧
∧∧ ～（,, ﾉ :;:;:;;:,. し' ｀(,/ と:;:;:::;:(:;:;@:),.,.(:;::;;:つ:;pﾟ)
(；ﾟ oﾟ)／ヽ (,/ ｀Ｊ ,.:;:;;:,.:;:;,. "';:;:;;:;:;:;:;:;;'"
( つ≫―l> ∧∧
～（,, ＼ノ /|(ﾟＯﾟ；)
し'｀Ｊ <l―≪ ＝ ― （ | と )
∧∧ ヽ|ヽ ,,）～
∧∧ /|(ﾟへﾟ#) し'｀Ｊ
(#ﾟ皿ﾟ) <l―≪ ＝ ― （ | と )
( つiﾆﾌつiﾆﾌ ∧∧ ヽ|ヽ ,,）～
～（,, つ (#ﾟＯﾟ) ﾟ ｡ ﾟ ∧∧｀Ｊ
(,/ ━( つ━Ｏ━━(((＜＞ ＜(iliﾟ ^ﾟ) (ﾟ- ﾟ*)
～（,, つ ＜＞)))( つ━━Ｏ━とi:i:i━ ＝ ―
孫七が城外に打って出て手薄になった守備を打ち破られ、孫七の弟が討死。
大勢は明らかとなった。
孫七はなんとか城に帰り着くと、妻子を自らの手で介錯した。
＼ ;; ;;, ＼
/;; ＼
/,, ;; ヽ / /
{ ;; ;; ,, ;;∨ /
∧ ., ∨/
∧ {,, ;; ///
} jヽ;;;; ;; }///
. {;;ノヾ|`ミz､;,ヽ;}//
＼;;;;|:::: :.{ ヽノ/
`|:::: : :i¨ヽ
|;;:: : :i |
|;;;: : :i |
|ヾ : :i |
|;;;;:`㍉、.|
|州 i ヾミ
|州 i }l|
ﾏil|、i ;!|
iⅦi㍉、;;|
,; iⅦ㍑il;;|
,, }!ヾ州ｉｌ|
｡ﾟ l; ;;, ＼|
ヽ ､______＿＿ ヽヽ. ､ ＿___ ＿___
_,, ..≧::::::::::::::::::::::::::ヽV::ヽl Ｌr┐ ! に二二l Ｌr┐ ! に二二l
,.イ::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`＝イ/ くノ くノ
/／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
〃::::::::::::;ｲ／/ﾘ|:/|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
∠::::::::从（ l/ !::::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
/イ∧` ､,,ｨ≦=ｒヽl／ﾙ::::::::::::::::::::::::ヾ、
〈_≧ｒ=!:::::::ノ ﾘ:::/ヽ:::::::::::::ｌヽ
!:::::/ ￣ lん） !::::::::::ﾙ ……まるでダメじゃん 俺
`ｌ〈 _ ,.. ( ,.ｲ:::::::::::（
ヽｒ__ / l´ !::::::::从ヽ
___ ,....,..._ ト-｀¨ ノ ルﾘ人ヾヽ
ｒ‐"＿ｌ＿辷〕_}illi、 ,, - ,,..::::"::::.. | ＿_
ｆ,! └‐ｒ‐‐／ / ^vllllllｒ''" ,,...::''::::::::::::::::::::／´ ／`!
H__ﾉ__ﾉ__ﾉ / ｒ=`-''::::::::::::::::::::::::::::／ ／ ヽ
{ ∨ ｌ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::／ ／ ,. " ＼
l､ l ／ / l::::::::::::::::::::::／ ／ ／
/｀'ー― / ／ /:::::::::::::::::／ ／ ／
/ / ／￣/ /:::::::::::::／ /
､＿刈从WWWW从从≦二ィ_,_
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ィW洲从从}i州从ハ从从}Wkく :.
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洲W从从ﾘ{ィ＝≦壬r示≧＝代 :
刈洲W{iﾚ'´ 込Z弐シ {Z弐近{ :. でもさ 降伏すんのはちげーだろって
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}从{ V|i ､_ ′ .' :. なんか思っちまったんだもん
从 {_ ｀ .ィこ> ,' :.
}ﾄ､_ ｀二 / ::.
从汽 ,ｨi斥仆v :.:
洲 ｀ ー‐- {i｣从｣ｼ{ .:.
ﾉ]} | .:
／.::i｣ 、 j＼_ : .
_ -‐ {::::::::{、 、 / {ヽ::ヾヽ、
_／ |::::::::| ＼ 、 { ハ::.:.:.. ｀丶、
_ -‐ ´ |::::::::| ｀ヽ､__ ／ ',:.:.:.. i ｀`丶、
／ |::::::::| ｀ヽ. {_ ',:.:.:. i ヽ、
/ |::::::::| l | ||! }:.:.:.::! ＼
./ ＼ |::::::::| l | |{ ｌ::.:.:::l ヽ
ヽ |::::::::| ／,ア￣￣｀ヽ l:.:::::::l i `､
＼ |::::::::| ／／ ／＞≦二;;}:::::::l | `､
孫七は敗残の手勢をまとめると、再度敵方に突入し、力尽きた。
（ （;;､(,,, 、 （;; ;;'''）） 、
（;;(（ )） ） ﾉﾉ ,,） (
（（ ,,,;） （ ( ,;;） (",）ｿ;ソ ⌒)
.（;;､（;;⌒''） ） ﾉ ヽヽ ,,ﾉ ('"⌒;; ﾉ;;
,,,.. ;;⌒''）､ （ _ ⌒) ） ）) ノ''⌒;;）⌒）..,,,
（;(､（( .,,;;;;⌒),, （ ( （,, （ (⌒;;;;,,.⌒） )）);）
::⌒;ソ⌒;;;;'''）ノ,）ｿ＿,,,.....=) ﾉ--''''"""""￣￣｀ﾞﾞー‐-- ﾉ､,,,,,,,_,_ (;; ｀)⌒;;,,.⌒） )）);）
（;(（( （⌒.从从''"""^ )ﾉ ....;;;;;;;::.. ""'''''从从,,,,,,'-､,,, ,,,;;)）
'';,,,,）_,'从从,,,,、 .'';;;" ::::::;;;;;;,,,.... ;;;;;;:::::,,,' 从从,,,, ）),）
,,,;;;;;; ΛΛ ,､... ::::;;;;; ／ ⌒・～
,,,;;;; / ⌒ ） ::::;;;;; / ；・ ヽ；）,､..
/ ;：/ つ．・． （ ） ∪:::::::::.
～（ ） Ｖ Ｖ ;;;;;;:::::::::,,,
～ ⊃
やがて、湯沢城も陥落。
雄勝一郡が、太閤蔵入地とは言いながら最上方の切り取ったも同然の地となる。
やる夫は有屋峠の北に支配を浸透させ、仙北・由利に大きな影響力を持つに至った。
＿＿＿_
／ ＼ ／＼ ｷﾘｯ
／ （ー） （ー）＼
／ ⌒（__人__）⌒ ＼ 蔵入地の仕置 誠心誠意果たしていきますお
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
ノ ＼
／´ ヽ
| ｌ ＼
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
ただ一方で―――
, ∧ /l /:.:.:.l:.:.:.ﾚ:.:.:l:.:Ⅵ:.ヽ ﾄ､
Ⅳ::.:ﾞ{:.:ﾞ{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｿ:.:.:V:.:ﾊ l,
ｌ､|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｊ:.:l:.:ﾚ:.|
|:.`:.:.:.:.l､:.l:.∧:.:.l:.:.:.:.l:.:./l:.:.:.:/:.:.:.:/:./,!
ﾄ|:.:ﾄ､Ⅳ |Ⅳ ﾄヽl|:.:.:/ﾚ //レﾚl:./ﾚﾚｿl,
|:.:.:ヽﾍlﾍlヘN:.:ヽl:.:.7／:.l／レﾝィ:.:.:.ノ}
ゞ:.:.:.:.:.:.:.､､:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:._:.:.:.:.:.:∠
≧:.:.:.:.:.ｆゞヘﾄﾍ从从/〃ゞﾍ彳:.:.:.:.:≦
ア:.:.:.:.:.ﾃ Z:.:.:.:.:く｀
lｲｨ」:.:/ ＿ ､:::::／ , ― ヽ:.Ｌﾄﾄl
/_|:.:| ー‐ｔ≧=ｭ},/ｒ=≦ｔ―ｧ |:.|_ヽ
｛{ |:.:| ゞ三三 :::::::::ゞ三三 |:.| ｝}
ヽヽ:| l:///
ゝﾞl l'／
ﾞlﾍ ヽ ｒ' /|
,-┬― 1:{ヽ ,.-ーー-､ /:.ｆー ┬ ､
l ! !:.| ＼ ￣￣ ／|:.:| | ｒ |
| | | l:ム ヾ川川川ｼ |｀ﾞヽ |｜|
| | | 〃 ヽ ｀¨¨¨¨´ ＿,ﾚ l |｜|
/∧∨ ,ム Y⌒Y⌒`´￣ ヽ ヽ ﾉ∨∧ヽ
＿ ―// ﾍ∨{ l､ / / | l l／} //. | |ー-､＿
孫七の愚直さと、対する最上軍のやり口は、小野寺側の敵意を激しく掻き立てた。
┏━━━━━━━━━┓
同年夏 羽州比内
┗━━━━━━━━━┛
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
∧＿∧
ﾍ ∧ ﾍ ∧ ∧＿ . （ ´Д｀）
／|（ ﾟ∀)ﾞ ﾍ ∧ ∧ .／ （ ﾟ∀ﾟ)ﾞｉ| ・＿） :/つ _つ
,r'√|_(⊃ ／|（ ﾟ∀ﾟ)ﾞｉ| ・＿） ﾍ(, ∧ ∧__Ю／| ,ﾍ ∧ ∧＿ 人 Ｙ
;;⌒｀)⌒｀) (,(^（ ∪~,r'√|_(⊃ Ю／| ／ （ ﾟ∀ﾟ)ﾞｉ| ・＿） ） ／ （ ﾟ∀ﾟ)ﾞｉｉ| ・＿） し'（＿）
;;⌒｀)⌒｀)| ） | )(,(^（ ∪~ ￣ ） ,r'√ (⊃ Ю ／| || |,r'√ _(⊃ Юヨ===┯ ☆ ｸﾞｴｯ
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∧∧ ;;⌒｀)⌒｀) ⌒｀)⌒｀) ⌒｀)⌒｀) ;;⌒｀)⌒｀)~ ~' ／ ／ / つ _つ
⊂(ﾞε;'(;:)')）二二つ ∧ （__（＿） 人 Ｙ
'⊂´と´（;;;ﾞд｡）つ （し'（＿）
,: ´ ⌒＾ ヾヽ ,: ´ ⌒＾ ヾヽ
(,, ""⌒ '' .. " ヾ ） (,, ""⌒ '' .. " ヾ ）
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从(;;::,, ,,（、、...,,,Y),,,ノ:.:）,, , 从(;;::,, (;;;:: ;;;: ,,（、、...,,,Y),,,ノ:.:）,, , 从(;;::,,
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(:. ,:. _ｎ_;:人; ::(::::... ::(::::::(::::...:... (;;:从:人,( (;;;::
,)ﾉ':.:, ／ ／/へ (;;;:: ::. ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ (;;;:: ;;;:: ::.:: ／/~へ ｡ ./_(;;;,.. :(::::...
ノ;ﾉヾ;/ ｜i| |i＝) _(;;;,.. :: ヾ､ _(;;;,.. ;;;,.. :: ::.;/ ｜[＝＝) : _ｎ_〆＼Ｈ (;;;::
（. ,.（ ,""""ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ"へ~从(;;::,, ,ﾉ ）´( 从(;;:从:人,(;;;:: ヾ＝≒／％＼:;,.. ::
実季、あいも変わらず奉公を拒む頼平に対し、ついに軍を派遣。
/, / ｲ l /: : : : : : : : : : : :＼ ﾄ
// l ﾉ'// /l /: : : : : : : : : : : : : : :l l::ヽ
// ,/ ./ / ﾄ,l /: : : : : : : : : : : : : : : :l l: :>
/' ,ｨ' / / / l /: : : : : : : : : : : : ,: : : : :l l´ ｀
l /ﾚ´ /｜/ ＼: :＼: : : : ::／ : : : ／l l
ｌ / / ,,; / l/ ＼: : : :i::, :,:, : :／ l l
_,,,,..-,,ﾚ._/ ,;;; / ' ・ ＼',:|}li|,':／ ・ |ﾉ
..-''' ￣''''-,;;;;: l､ _,....::''::''::'ﾆ...,,,,＿＿_
,/'F-'｀'＾'-っ---...,,ノ};;; ,; l ｀':':':':':':':':´: : : : : :i!: : : : : : : : : : ￣ かまうこたねぇえええ！！
'''´ ／ ｀'i'｀'''-.....l r......;,;,;,: : : : : : : : : : : : : : : ;,;,;.:.:..-─'
.::/ l l´｀'''-､ ￣￣￣￣￣￣￣ 年貢の強制徴収じゃコラアアアア！
..::::/:... .:/ l l ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ /
:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l::::::.......... l l/::::::∨::::::∨:::::∨:::::∨:::::∨
::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::.l::........ l､∧::::::∧:::::::∧::::∧::::∧::::::/
::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::l::::::::::::::.l, ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
::::::::::::l::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::l＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／
:::::::::::::',:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::l､: : : : : : : : : : : : : : : : ／ ／
浅利領に焼き討ちを敢行し、村々から略奪を行う軍事制裁に出た。
浅利軍と秋田軍は各所で衝突。砦を築き、奪い合うという公然とした戦闘状態になる。
_, -＝―- 、
､'´ __ ｀` ､_
〉'´,￣ ￣_'`ｰ-､_ }
,' _ノ,-､ .,-､ ＼ .| |
,' ・ﾉ ・ﾉ ,､| .|
,' ___ ｀ ｰ- .| |
.l （ ` ､ L＿,-{
', 入＿___,､_つ-、 ） ほほう 僕を本気にさせたようだねえ
. ',｀´ ´ ＼ T´
', ___. ', |
Y´ ＼ ', |
ゝ,､__,-､_ヽ、 ', |
(｀ｰ―‐'´ﾉ |
｀ーt-‐' |、
, -‐十‐__---―‐'フ 〉>､
／ / |イ;;;;＼ ／_,ノ/ ＼
同時に、頼平は実季の武力行使が不法であり、太閤の家臣となって保護を求めたい旨を公儀に訴え出た。
これまで一揆として叩き潰されてきた国人たちと頼平の、大きな違いである。
結局、奥羽情勢を憂慮して穏便に収めようとしてきた人々の努力もむなしく、闘争は激化。
､-,.-､ _､-‐─‐- ､._ __
/ | / ┌'´::::::::::::::::::::::::::::::::／／) ､-､
l l ﾚ/::::／ヽ／ヽ:::::::::::::| ./ /､ ） .|ヽ-､
ヽ /:::::＞ ＜::::::::::::ヽ l （__|ノ / 丿 .）
>/::::::ヽ ∧ ／::::::::::::::＞ ノ ノ .／
┌-ｰ''":::::::::::::::::::::::::::::::::::::└─ へ､__ - '
|::::::::::::::_,.．-ｰ‐- ､._::::::::::::::::::::つ
｀‐-､＿l（ ・ ) / 。 ヽ ‐､:::::::::::::＼ _,,,...-――-,,.._
l ▼ ヽ__,.ノ ノ:::::::::::::::/ ／::::::::::;' "Y'"ヽ_;;::＼
Σ |-┴- ､-ｰl , -'´｀`‐--┘ /::::::,. -‐i olo_,ﾉ _,ヽ::i
／||`‐--ｰ''"// ヽ ,|::::/ｰ- ` "● ＿,,_`i
/// ||/ ヽ// ヽ ＼ |:::|-‐ |_,-､ ､_ }
／ ）| || // l | |:::i,,,-'" _,ノ ｀ i
（、 / | || // / ヽ i::i､ ､_,) /
W |、.|| // ( ） ヾ >､＿＿＿＿＿,,,ｨ.
|::::||､__,. //＿＿＿_,.-'' レV ,i ::::￣￣,=（t）‐､'':::::i
ヽ |l.__,//:::::::::::::::::::::::::::/
さらに中央政界を巻き込み、問題は長期化することになる。
さて、こうして羽州で次々に起こるいざこざに対し、肝心の秀吉はというとまるで対応をとらなかった。
＿ ＿＿_
_人_ ,. :'´: :,. -―‐-ミ:ヽ、
｀Y´ ／: : : :厶ｨ': ´￣￣ヾ : :＼ *
/: : : : : :.!: :M: : : : : }､: ヽﾄ､:.＼
ｉ: : :.!: : : ﾚ‐' ｀￣⌒ ⌒" ﾄﾍ:ﾊ! ,ｲ │
ﾄ--|: : :.!: : ､| ｰ‐'' ´ ｀'ｰ }: :.ﾄ // |:!
`ｰ‐!: : :!: : : :! z=≡ ≡z.{: :.ﾊ _人_ //,. -/r‐- ､| !
',: :.ﾊ :_Nとつ ＼＼＼ C VVﾘ ｀Y´ /,/ ./ | _」 ﾄ､
ｉ: :弋こ ＼ヽ ＿＿,. } /.＼`/ |二...-┘ ヽ
|: ﾊ: : :}＼ / 1 ／ _!_ . i ,.>､;／ｰ- ､ l
/>=くf⌒Y ｀ {_ _,ﾉイ| ! ! ∠..＿;'＿＿＿_＼ |
_!_ /:.| ヽ ﾍ,､ _｢ |::!:::} ∩ ,!ｲｉ´●｀> <´●｀> ｀＼.､ヽ. ［拾丸］
! ／: :.| ,r‐┴く:ﾄ､＿_ｉ⌒!::|ｲヽ ,. -‐ ､ | |／'´ | ￣､_,､_, ￣ |＼ ヽ、
／: : :∨ / ､ }:::::!C|: :|:ｲ | :}/ ､ ＼ | |＼ | !.ノ | `''-;ゝ
／: : :./:/ / `ｰｖ-J:::::!::::|: :|/ V し､__,__} ＼ ＼| |. ‐''´
/: : : : /:./ /ｉ::|: : |:::::::::|: :| / / ＼| |
/: : : : :/:.人 ノ::::::|: : |:::::::::|: :|＼ ／! | | |
/: : : : :./: : : :｀ｰ＜::::::::::|: : |:::::::::|: :|: : :￣!: :∧ | | |
彼の興味はすべて拾に向けられていたのである。
また、秀吉の体調不良がどっと現れるのも、またこの時期だった。
／ /´ -‐…‐- .｀＼
/ /´ i !｀ヽﾄ､
. ,ﾍ ,' i ! ! | |i |ﾊ i ヽ
/ ゝ! ﾉ| ! !::__!::ノ ´ ￣ i::.i ｜!
＼ .| .:i i :i i |´ ノ ヽ ｀!､ﾊ:!
｀ヽi 从 i i | !:::::|
. | ＹﾊｉﾊN ニﾆ｀ ´ニﾆ '::::N いつつつ……
. | ヽゝ u ´ ｀ﾊ!｀
. |∧ Ⅵ! ′ ,':::| 古傷だの関節だのが痛むようになったのう
ｊ/∧ _!::｝ 、 ⊂' ..ｲ:::::| 寒気と暑気もひどい
///∧´ ∨ ｀ ,.... ィ´ﾞY:::::|
. /////∧ ヽ {ﾄ､∧ |::::::!
,＜￣￣∧ } ｀ヽ ＞''} {￣｀ヽ
. / ｀ヽ:::::::::Y´ヽ i´｀∨::::∧
/ ∨:::::| .:: ! i .:.: !::::/ i
秀吉はたびたび湯治に出かけたが、足の痛みに耐えかねてひとりでは歩けないという日まであった。
/ ! │ :| ｉ |:1
i ! .１ |ｌ /| | | |
| i| / | l||＿_＿i ー─ｰ┘ｰ─
| l|_./ ￣￣ ／
l.. 斗ﾍ＼ ／
| .ﾊ___`ｰﾍ ﾞ ｰ‐一,,.. -==ｫ…
| ∧¨`トミ. ´{ん-ﾊリ
| il从 . 弋ﾉ| ､ゞ==彡
}八 ∧｀￣ﾘ ￣ 認めとうはないが
ｉ /
ヽ し これが歳ということか………
. ゝ ＼
､ ＿＿
ｉ＼ ｰt ´ __ノ
l. 丶
ｌ ＼
! ／:.:.:.:.. ー‐＜
川:.:.:.:.:.:.:.:.:./ 〃 ＼
|:.:.:.:.:.::.:./⌒y′
ﾊ:.:.:.:.:.:/ ∧
ｉ ､:.:.:/ / }
拾という愛息子が生まれた矢先だ。
否応なく自身の体が衰えていくという現実に、秀吉は大きなショックを受けた。
┏━━━━━━━━┓
京郊外 伏見城
┗━━━━━━━━┛
｡ + * * 。ﾟ o + * ｡
* ﾟ ★ + o . * ﾟ +
* . ゜ 。 ゜ + ｡ +
ﾟ 。 . + ★ + ﾟ
。 + 。 * . /' ゜ ゜ ゜ ｡
+ ｡ ﾟ * ｡ o ★ + ｡ ﾟ * ﾟ
ﾟ * ｡ * ｡ + ,;-ｰ-ュ
｡ ﾟ ★ ｡ ﾟ ﾟ * + , A |ΞΞ|
+ ﾟ * ｡ ﾟ ﾟ ﾟ ｡ . ﾊ_/ヽ-ｎ-ｰ-'ΞΞl_,ｰ
｡ ﾟ ﾟ 。 * + ﾟ ｡ ﾟ 1;l::lｺ::|;;l.lﾉ,:;.,-.::";:;: '";;
° ｡ + ｡ ★ ｡ + ｡ l;|;;;;;;;;|ﾉ.:.｡:;；.:'､;；.;::｡. :
+ ﾟ ｡ 。 * ｡ * _,|;l;;/;.,-.[｡:;: .i:i. ；.: ・..:.;；
｡ + * ﾟ ﾟ ｡ ﾟ ﾟ ｡ i;;';;;;/:;；'/､;｡:;；.:.;: ;；'､;::,., ;
○ ﾟ 。 ゜ o ○ ﾟ 。 ゜ o o o
o ○ 。 . ゜ o ○ 。 . ゜ ﾟ
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＼ l ! .// ／
⌒⌒ヽ ヽ＼ | | // ／
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｀ー ､＿ ―＝ﾆ二´ ｀二ﾆ＝‐
｀ヽ ￣⌒｀ヽ､ ――――＝ﾆ二､ ,二ﾆ＝――
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: : : : : : : : : : ｀ー―v⌒ヽ ／ // l ! ＼
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: : : : ｀ヽ{: : : : : : : : : ⌒ヽ ／
: : : r―‐' ｀ー‐､ : : : : : ＜
: : : : : : ー―― ､ ー‐､ ｀ー ､
⌒⌒⌒辷‐､＿x― ､ ＿ ）＿ ｀ヽ ＿＿人＿)⌒) ノ
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´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| ノ ヽ Ⅳ: : : :
∧＿__j: : :| : l:| ┬┬ ┬┬ !: : : !:Ⅳ
| | .: ;ﾚ:.八 t:::ﾉ ｔ:::ﾉ : : : :N
｀ー一'| : { （￣ ': :ﾚ'┘ ？ なんじゃこのヘンテコな場所は
|: :{＼ﾉ ' {: :|
|: :＼: ｰﾍ. ,' : | どこか見覚えもある気がするが……
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 ⊂｀ ｲ: : :|
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∠__ 〈 .:.:::::| / ::: !ﾆｰ┘＿_`ー─-ﾞ,
`ヽ､`ｰｧ-､:|. / :: i:::､｀`ヾl:::::ｰ-ﾆr─ ' ああ そりゃそうだろうぜ
／-ﾆ＿ｿ :: !:::. ＼ ＼:::;r‐'
,. -‐／ .::: `ー､‐-､_ : |/ヽ. ＼. /
／ ,∠＿＿ :l｀`ヽ `ヽl. ＼__,ノ
／ ／ ,／ ￣｀`ｰ-､_| ／
/,.／'"´ ￣￣ヽ`ヽ‐-､ |ヽ./＼
. ／───- ､ ＼｀ヽ｀ヽ l ヽ:: ＼
,,
､_,ﾙ -- ､ _）
,ィ-― T ´ ヾｭ
y′ヽＫ_ﾉノ ´ハ_ﾉ
´,ｲ木､_{ハ｀i＜,ﾙiz｀
/ :!ﾒ.､_､フ不ヽ ﾊヽ.｀ ｰ- ､
r'/:. ' l|tﾓｧ千tﾁ:i! :' ヽ:､_r'´
,.７_:; iﾑ´∠i:､｀ﾌl i :､_V ここは地獄ってやつだからな 秀吉
. ,. ＜--ム _l:ﾍヾ.三ﾌヌl ├'´: : ヽ.
f´- ､ ｀T TVﾄ:ﾐ:ヾﾆィ: ル'´l: : ヽ.
l ,. -亠-:! ｌ ! ﾄ:.:v':./::ﾚi´: : , ハ
. /‐-,＜､-! ｌ l ､.ﾆ,ｲ: : /: : :./: : . , ﾊ rｪｪ.､
/―:'-､入:l ｌ ! V/: : ;' i: : ;': : :〃:, -ヽrvｭ }ﾆ!ｨ7
. /―:- ､vヾハ. l ヽ. 7: : :i: :l: :,': /:/:!/: : : :{iﾆﾆ'ﾆjTi
i .:=-､/ V__｀T´__ヽ/: : :,ｌ: :l: ;' /:,' ;ｲ: : : : ｛､ニﾆｼ´
!.:｀__､/ _}､｀7 ___/: : :/:ｌ: :l:;':/: i´; ｌ: :i: : :∧ニ7
. l: __ :/ ＿,r=/ {::!_'_ /: : :/: :ｌ: :|'/; : l:;': !: :!: :∧二7
f:/ ／｀>､!: :ヽ:ﾍ_:_:_/: : :/: : :ｌ: :l':/: /; : l: !:ﾚ'､二ﾆﾊ
l'_､l ｀ i' ､_＞ ､: ､／: : :/: : : ': : ｌ'_:_j:;': : ! l/ヽ.二ﾆN
,. -亠‐＞-=-'z_/ , ＞､: : /: ;ｨ_:＞､_）,ﾙ':/: :! !､｀二ﾆ lﾊ
／ ｀ヽ: ､｀ヽ: :｀ヾ,´-弋／_＿__ . ィ: :｀ト-ヽﾄ､二.ィく: !
／: :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :＼
/: :∠:＿:_／ : : : : : ／.: : : : : : : : : : |: : : : ヽ
/: /: : :/ ｀￣＼／ : : : /| : : : : : : |: : : : : :'.
/／|: : / ＼ 丶 ￣￣￣ |_: : : /: : |/ : : : : |
/: :,ﾚ'/ ・ ＼ - ＼/: : :/: : : : :| j
/: （ ,' ー‐ ー───＼/: : : : : / ′
. / : : ヽ{ ､ ・ /: : : : : : : '＼
/: : /: :/'. ￣ 厶: : : : :/:/ > の 信長公……
. / : :/ : /八 /／∧/:/＼／
/ : :/ : / / ,＿_,ノ: : :/
. / : :/ : / /: :/:.>､ 二) ｨ/＼/: : :./
/ : :/ : /＼/:_:/_/:___/＞r---z‐=ｧ＜: / /:/ : /
. / : :/ : /: : /＿＿_＿_＿_,入￣ （ : : / /: {: : :|
/ : :/ : /: : /{ / ﾉ＼ ｀ﾞ７＼/l : |: : :|
, '"´￣￣￣ヽ｀ ` ヽ､
| ／＼ ＿ヽﾚ-_,.-‐ヽ_ ヽ. ＼
ヽ＼|/＿＿ニ=_‐:::::::ﾆ_-‐ヽ ヽ ヽ ヽ |
／＞/ ,.rァ:;:::::;i:::::::､ヽ ヽ `､ ヽ | Ｎ
/li / ／ /／!:/!|::|i:::| ヽ!｀ヾ､ ‐-､ ',|'::l!:ﾉ,/
/ /. l/ l/ | !:| l::| | ｀ヽ､ヽ｣::::::::∠_
,/!￣￣￣|￣|! フi::ト|:|､ -‐─ァ:::::::::::､‐-｀ヽ、
,. '／/ | .::: ／ ヾ! ﾘ |｀ヽ ､ ／"／/ﾊ〉:::::ヽ ｀ヽ
,. '´ ／::/ .:| :: , ' .::. i::. |､ヽ|::r`､､/ 〃./:||::i､:ゝ＼
／ ／.::/ .::| : / .:: l:: |. ｀ヽ､ｰﾞﾟﾍヽ_/ ﾘ !/ i:|
∠_ ／ ::/ .:::| .: / ::: i:: !￣￣￣￣{ﾞ! / |:! 俺がいなくなった途端 ずいぶんと暴れたみてぇだな
ブ :/ .:.::::| .: / :::: !:: |::＿＿＿ .｣｣ ノ ﾉ
∠__ 〈 .:.:::::| / ::: !ﾆｰ┘＿_`ー─-ﾞ, もうそっちは充分楽しんだだろ
`ヽ､`ｰｧ-､:|. / :: i:::､｀`ヾl:::::ｰ-ﾆr─ '
／-ﾆ＿ｿ :: !:::. ＼ ＼:::;r‐' てめぇも頃合いじゃねぇか？
,. -‐／ .::: `ー､‐-､_ : |/ヽ. ＼. /
／ ,∠＿＿ :l｀`ヽ `ヽl. ＼__,ノ
／ ／ ,／ ￣｀`ｰ-､_| ／
/,.／'"´ ￣￣ヽ`ヽ‐-､ |ヽ./＼
. ／───- ､ ＼｀ヽ｀ヽ l ヽ:: ＼
´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ u. ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| u. _ノ~ ヽ Ⅳ: : : : |
∧＿__j: : :| : l:| ＿__..二 ﾆ..＿ !: : : !:Ⅳ
| | .: ;ﾚ:.八 弋::::ﾉ 弋::ﾉ ｀ﾊ: : :N はっ な なにを仰せです？
｀ー一'| : { （￣ ¨ ¨ ': :ﾚ'┘ わらわにはまだまだ仕事が残っております
|: :{＼ﾉ ' {: :|
|: :＼: ｰﾍ. r､＿＿＿ ,' : | う 上様の敷かれた天下一統のご偉業
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 `ー -'´ ｲ: : :| これを盤石のものｔ
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
. /: : :_/ -| | u. {rヘ| |:│ |
/ｘ＜::::::::::Ｌ___j ＿ ＼{＿_ﾄ│ |
／ ヽ ::::::| : : | ヽ. / ￣|: : :|:::}｀＼
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／/ ＿_, ＿／／"´ ￣￣￣（_,.ィ＿___
／r'＾／厂´ '⌒(｀′ ＿／￣￣`´￣｀`ヽ__｀ｰz＿__
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} //} 厂,丿 r‐え,ゝ＜´ヾ丱尨＞ . ∟ノi
! 「/,{ {//l ノ {_ｲ二∠'ﾆ＝-く／ ヽ,ｲ j} |
刈/ﾊ__j//!_|/ ,.-､r (⌒／ ,ｲ／ V!尨ｲ_ ７
'//////////ﾉ ,ｨヽ(´/ |!/ｲ__, ／ヽ}洲爻、∟ __
'//////////イヽ!′＞>Ⅵ'∠/／ }ｲlﾄヽ /
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＼///////j∨ ﾉ ,! l:{t＜|!厶l!,ｨｧﾃ:! ! i r'⌒
ゝ＞'////〈 У, |∧￣´!Ⅴ }￣/' /' |､ ＼ 寝ぼけんなよ 藤吉郎
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//////// ∧＼ ﾄ､ﾞ〈 ー___一7У / /_
//////// ／ヽ!｀ヽﾄ＼二二二ｲ ,､!＜ﾍ ヽ
＼///＞‘ |､Y ＼､!＼`ー‐‐ｲﾉイ / Y! ＼
′￣ |ミ! } ｀ヽ_ヽ―ﾉ‐' /／ /' / /i丶
ヽ======彳V=‐く ､}_`ヽ{／/ヽ-/ /.: /.:lj :. ＼
＼__________ｌノV､ ヽ ヽ´｀イ‐' ,' __/.:.:.: /.:.:l|:.:.:.:. ＼
i ￣￣￣ｌ ﾊヾ.､ '. iT ﾉ / /.:.:.:.:/.:.:.:ｌ!:.:.:.:.:. /.: }
ヽl、 ,!/ } | ｉ '. Ⅴ' / /.:.:.:.:/.:.:.:.:l!:.:.:.:.:./.:.: |
､_ヽ￣￣ 〃 ,ﾉ j,.| '. / / /.:.:.:.:/.:.:.:.:.:l:.:.:.:. ,'.:.:/ |
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XXXxヽ.‘:.，:. .: .: :.；:. .:’' /゛xXXXX／´二≧ヾi__Y_〃三ミヽ､
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ヾXXXXXx＼‘ :. :;':. ., ，' .::'／xXXXX;ｲ!〃ｲ;ﾆミゞ/´ ／:::::.ヽ. |!
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:.〝＞イXXXxﾉXXX）XXX〃xXXXX／ /:`ヽゞﾍﾄ.{l!ﾍ!i!}ﾉ_.:ﾘ'＿ノイ∧j' }i!
イ´XXXX}x:／XXX/XXX《x＿＿_／' ,':::ｉ ﾄ二ラﾍl! /ﾍｨゞヲ彡ｲ,: |::∧ﾉ' てめぇ うつつで何をしやがった？
XX､XXXﾉｲXXXX/XXXX/.:.∧｀ヾ:∨ {::::! .l／ヾﾞ／/､.::＼＞'.:/,: |:::.∧
XXy__／XXx}XX/XXXX/{:.:.{ﾘﾉ}｀ヾ::∨!＼ ﾍ∠-―!;､:::::::/ .::/ ':: |::::::∧ さあ早くこっちに来やがれ
ﾞ_,イﾌXXx､∠-‐'XXXXノ {ﾞ:.:{',',ﾊ:::::}::::|､|ﾍ`弋:;二=≧:＼/ .::/ ,::: !::::::::∧
::...,!'XXx ﾊ｀＞r≦彡'／,{ ﾚｲ::}:::::}:;ﾊ､ ﾄ､ `ﾆ‐'''`/＞ﾍ:/ /.:. |:::::::::::∧ 積もる話もあるじゃねぇか なあ？
:./XXヾ／ｰ} ﾐ}::!＞―'／ ! i i|/,}::}:::;'ｲ ､＼!:ﾍｰ-ﾞ:::-イﾆﾍ/ ＿＿j´￣￣´
ｲXX ノﾐヽﾆ} ﾞ |―‐ﾆ彡'{,!iﾍ!/;}::!;;ｲl!ﾄ､ヽ. ＼ﾐー‐イ'j､::､ゝ<
XXノﾍﾄ､ヾ､} !二ﾆイ::_j'／/:ﾉノ:/.::i!､::､ヽ゛::.ミ三/´:.＞ｉ ＼ﾍ＿＿__
-イ::.；:.ヾiﾞﾆﾞ} !＞'／_ノ.／,ｲ'::::/::::::!ﾞﾞヾ､ ﾄ､::::::::（:／.:::::} l､＼-､ ｀ ヽ
::":∵ `:.弋ミ} ::.､|,ィ__-二／ｲ::::::/:::::::::!: ヽ} ヾ.､:ｰ∨／/l!:. ﾄ､ ヽ:.＼:.:.:.
ﾄﾐ}､i:::.!彡ﾆﾆﾆイ/::::/::::::::::::|: l `，＜_,;;厶::!:.:.:...:.:.:.i:.､.＼:.:＼
: : : : : : : : : : : : :!: : : : |: : : :_!:}
: : : : : : ! : : : : : :|＿,レ'´￣Ｌ}
: : : : : : !: : : : : : | | |ﾄ､｜| | ;
: : : : : : |: : : : : : | | || ﾄ､｣ ;
: : : /⌒ﾍ: : :: : : | -===- | ;
: : : { ⌒い: :|: : :.| u ＼ ;
: : : .＼ヽ ｀^^^` r― ￢ } ; う 上様……あ……あ……
八: : : :`￢. | | /
: : ヽ: : : :.∧ | |ノ
: : : |＼_ノ＿＼. | |
: : :√:/´ ＼:ﾊ.‐1 ｉ
: :/::::/ Vﾍ└‐‐ ┘fY'} ;
:/::::/ }:∧ /7rく. }ﾉ /7-､/7 ;
:::::/ |: :.ﾊ/ -‐'ノ ／ Y^Y ﾑク ;
:::::| !: : :.| ノ / '´/ ／ ;
○ ﾟ 。 ゜ o ○ ﾟ 。 ゜ o o o
o ○ 。 . ゜ o ○ 。 . ゜ ﾟ
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//////////┃//////////┃//////////┃/////////∠ ぎゃあああああああああ！！ ＞
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二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二￣ / ／∨| /Ｗ＼ /＼|＼ .| ￣
て /／ |/ ＼/ ＼|
＿ て
..'´ ヽ＼ /
.ﾉ ﾉﾉ⌒ヾ）
/ ﾉﾉ；ﾟ -ﾟﾉヽ
ヾﾉ/ヽヽyﾉﾉ
/ /'ﾉ=ヾヽ
／__/＿＿)ヽゝ
：
：. |ヽ
-‐┴┴‐- 、 ＿ノ＼ ：
／: : : : : : : : : : : : :｀＜ ノ
': : : : : : : : : : : : : : : : : :｀く￣
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
. ：. /: : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶､: : : :＼ ：
' /、: : : : : : : : : ､: : |: : : : : : ｀丶: : :＼
|ｲ ｀ ー――‐ﾍ: :|: : : : : |: : : : : :.￣ヽ
| ＼ V: : i |､ト､: : ＞- ､: !
. |: :ｌ ｌ｀. .ー―― ￢"|: : : |:ﾄ､|: : : :／⌒ヽ| お許しを！ お許しを！！
. |i| | | |: :|: : : : |: :. :|: |: : :ｌ|:|ﾉｌ|.イ/ ＼
}レ ⌒､ﾄｌ､＿|ｌ_: : }: |: : ｊｲ＜ｨ// ', お許しをおゆるしをおゆるしをおゆるしを
. / ／ 丶､ｲ／| :ﾚ/ ﾄ､
：. / / ヽ.」 .// }::ｌ
. / l ＼// ／ /::|
. ' .! ｌ: / ／―‐'′|
,ｲ } | / /::::::::::::::::::::| ：
. {:| ﾊ |―' ./ :::::::::::::::::::::|
ヽﾄ､ ハ | ｀ヽ、 .人 :::::::::::::::::::::|
：. | ￣￣ / .! ノｌ ＼ ／ ＼:::::::::::::::::|
| ./ |｀ヽ-‐ ''´ | ヽゝ ＼:::::::::: | ：
悪夢に飛び起きた秀吉は、我を忘れて布団から数メートルも転がり出た。
＿
..'´ ヽ＼
.ﾉ ﾉﾉ⌒ヾ）
/ ﾉﾉ；ﾟ oﾟﾉヽ 殿下！ お気を確かに殿下！
ヾﾉ/ヽヽyﾉﾉ
/ /'ﾉ=ヾヽ
／__/＿＿)ヽゝ
. , ´ ... -――--...､｀ .､
. ／ /´.. - ―― --､ﾍ. ヽ
. / /´ | i :.ﾊ ',
. ,' | ! | | i| .:.:| :
i i:.: ∧,-‐' ￣ ｀ヽ! : :! .!
|: |/.===､" '',===-､| ! |ヘ
へ..|i ! （ ) （ ) .|: ｜.| | > 上様！ わらわは天下！ 天下のため！
. く || : ｜o=='' , ﾞ===ｧ。|; | ﾉ ! ／
｀ ー|l_i N _ _ ﾒイﾊ､ i´ 天下の！ 天下のため一統を！
| {｀ﾄ! .r――‐┐ / ノ |
|:.:.ヽ、_ ﾚ,二二ェ! ,'イ∧.|
|:.:.:.:i {ﾍ... `ｰ-―-'... ／ .!:.:.:.:|
|:.:.:.ﾊ__∨｀ト... ..イ:::.}___|:.:.:
|:.:.:.ハ ∨.:.:） ｀ _ .{ !::.,' ,'.:.:.:.
/へ￣｀i {7´,.く｀ｰ'｡∨｀7 /￣￣
. / ヽ ! /´三ﾐ､===彡三∨ ,'
{ ∨!| i´川ﾒﾒﾒ７ / /
| |.:i.! ﾉ:ﾒﾒﾒﾒﾒﾒ{ .! ./
,' l i , i |､ ､ {! ＼､ .', ヽ Y
,' |! .l! i { i ', ', ､ |!､ ｀ヾ､ {! |!ノ
{! i! }! i ',_,ﾘ_ ', ', .}! .|!ヾ ,､ ＼ヾ .';, ´
',＿_{! _ﾘﾚ'´_,,.. ...,,_', .}!,| |!Y r､ ヽ ､_ ＼ｰ-､.';,
|!ﾞ´ ヽ ´ t､ ', , ﾘ|!､ |´ { 〉ﾉi､ ｀ー- ..,,_ヽ';,
.ﾚ'､|、 ';, ゞ_,,. ﾚ'i/ ｀iノ }! ヽ ｀ｰ- ..,,＿
i! ヽ ﾉ ´ i! ､/ ';, >ｰ-―''''"´￣
わらわは 天下のために織田家を…… く u , ' ﾄ-'i!/´…
｀ｰ､ ＿＿ /ﾉ |! |!
｀ヽヽ_ノ , イ;;｀ｰ-､ |! |!
｀ヽ . ＜ﾘ .|!;;;;;|､ ﾘ､_,|!
｀ ´
/ | ; | | ;
; | | .| |
｜ー ｜ l ー- l
; /⌒ヽ | | l l
l l ; ;.| ｜ | |
| l | ｰ- | l - l ;
| -‐| | | | | /⌒ヽ ;
| l | | | l | ヽ
l _! | !__,! ‐ 一 | l ヽ、
.; /⌒ヽl ‐ ＼ |, . . l 〉-‐ l わらわは 織田家を……
l〉 ）ヽ、 ヽノ ヽ、 | |
/ 人 ヽ、 ヽノ |
；; l ヽ、＼, . ／ ノ/ l
ヽ ノ ＼,/ / ヽ l ；
＼ / ／ |
ヽ、 ／ ／ l |
ヽ、 ／ / | l
ヽ、 l /
ヽ、 | /
ヽ l /
かつて、織田信長が一躍台頭し、天下の主へとのし上がっていった時代。
, ｨ ､.
/! i_ﾉ{‐ - ､ノt_,
｀ヽj>f_ゞﾒく'_／｀ヽｲ _ , -‐─- 、
-=ﾏ/＞ィﾊﾄﾐr｀＞､{!Vf´ ,イz ﾆﾆﾆ ｭ､ ヽ
≧ｨ（' __!∠＿__ｰ彳从ﾐヽ , , .//,' l l | | l .lヽ|､ ､ ﾞ
〃{!_,ｨゞ'ｽ＼ヾtﾃｧヵ､ｿﾄﾐ!` rﾍ〆' ﾉ| |￣ヽ￣ﾌ￣.| | | |"'´j
' ,ゝl ＜,ｨr_､＼｀'/ ∧＼ 〈_ｒ' ､_ /-lゝ ＞_＿＜ | | | |￣ ＿,山
／/ |,<≦ｰ_一≧._/ ｉヽ ＼ ｀ヽ _｀ ﾌ,〉､ﾞﾞ { j ﾞﾞ j .l-‐… "¨__ζ ,)
/ / ∀ﾄ＞――'ｧｲ | ‘, ヽ . ｀ﾄト ､ﾉｵﾆ.不´ﾄｙ'- '' T ￣
/＿{,.-､j〈;;;ﾏ二＞';;;/ __!＿‘,--} // ／/| |〉7 ヽ
｀ｰ～⌒ｰ};;;;;`´;;;;;;;/ｧｲ＜r‐‐'~´ /〃 `'j | /∧ ＼
ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉弋二ヽ /,./{ }_j //､ヽ ヽ ヽ＞
__,．イ_〉;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ／／. .:.‘, { l | | く. //| ,〉-ゝ､_L ＞´
,ｨﾆT´┼-､/;;;;;;;;;;r‐'’∠／. . .:／.:＼ {_|_| ﾞ､ l }ヽ,i i .|〈 ＼＜
/＿. ! ｀.ﾄ､,/;;;;;;;;;;;;;〉/ ／.:.:. .／/.:.:. . :＼ ⌒'^| l"ュ,ゝノ'< __`_,､
. 〈￣＞! !/＼;;;;;;;;;/ ' /.:.:.:. ./.:./.: : .: :. .:. .ヽ 't==⌒
}'´＿.! /ヽ＿7ﾏ’ /.:.. :.:./.:./.:.:,.:.: . .／｀:.i | /
,'ﾆ-―!/ヽ＿.∧/ /.:.:.:.:.:/.:./:／.:. ／.:.: .:.:.} `'
! __/､＿ '∧/ /.:.:.:.:.:/.:././.:.:／.:＞―､:j
!∠-/ ,' /'ア__/.:.:.:.:.:/.:./:/.／.:／.:.:.:/.:.:lj
{ /＼__,_/￣ /.:.:.:.:.:/.:.,'.:,′.／ .:.:.: /.:.:.:|
下級の武士から引き立てられた秀吉は、有能な吏僚として、また勇敢な軍指揮官としてその統一戦争を支えた。
秀吉の功績は誰よりも信長が認めるところであったし、秀吉も信長を無二の主君と信望していた。
しかし、本能寺の変と、その後に続く織田家跡目をめぐる抗争。
（ ヽ
（ ヽ ⌒)⌒ )
（ ) 丿 )⌒丿⌒) ボォォォオ！！
（ ノ ノノ ノ )
（ 人从从|::|从（（、 'r'"⌒ヽ,
'r'"⌒ヽ,'" （:::从∧ △|从人:）ミ^!、 '"⌒'"⌒⌒ヽ'"⌒
'r'"⌒ヽ, 从从从Π从人:）|「|||:ll;| 'r'"⌒ヽ, ⌒ヽ '"⌒
'r'"⌒ヽ, /＿从从::::从||O;;（:人:） "⌒'"⌒"⌒'"⌒"⌒'"⌒
/_| ロ 人从:: ::人:::人从人::::|［［［［| ,,;:;":;;:;";;`;";:､ ,.､'r'"⌒ヽ,
'"⌒ |ll.|ロ ロ＿）（:: ::人:::人从:::: |ミミミミミミ'"⌒
'"⌒;;`;";'"⌒゛;:'"⌒'"⌒'"⌒'"⌒'"⌒'"⌒'"⌒'"⌒ '"⌒
'"⌒ '"⌒ '"⌒
＿＿_ ＿
.,. :'´三 ―- .,: :｀ヽ
／: ,ｲ´￣￣｀ :ヾ＼: : : ＼
／.:,rl / : ,{ : : : : :M: : :!: : : : :ﾊ
.!ﾊ/ﾞl ﾞ⌒ ⌒￣´ 'ｰ､l: : : !: : i
.|.: :{ ー'´ ｀ 'ー‐ |: : : :! : :|--'l
ﾊ.: :} ○ ○ ! : : : !: : !‐‐'
ヾVv. ＿＿ N_: ﾊ.: :〈
. {. | | こﾉ: : i
＼ | | .／{: : :ﾊ:.:|
|>├──┤´Y⌒f>=くﾍ
{::::!:| ｀l_ ,､/ / |.ﾍ
, ‐- ､ /ゝ|::!⌒i＿_,rl:.>┴- ､ .|: : ＼
. ／ ハ {: | ヾl: :lC:!::::{ , ﾍ ∨: : : ＼
{__,__,､_j .∨.ハ|: :|::::!:::::｀ｰ'ｰ ' ﾍ ∨: : : :.:＼
ﾍ .,ﾍ .|: :|:::::::::|: : |::iゝ .∨: : : : : ﾊ
ここで秀吉は、信長亡き世界の統一者として立つことを決し、様々な策謀を繰り出していく。
その最大なるものが、織田一族・家臣団を分断し、離間させ、戦争によって自勢力に吸収することだった。
／ , '´_,.. -――――- _｀､ ､
／ / ´ ., / l ヽ、
/ ., / / , / l |.l l.l､ ヽ ヽ
/ l l.l l l l lﾘ |l l.l l l ヽ
l .l ll rl l |‐'"´￣ ' l ￣｀`ヽ | l .ﾍ
.l .l l .l.ﾄ／ ￣ l_ﾘ l l
l l .l l .l l ノ ' ヽ､ _ .l ' .|ﾘ
ﾄ ､ ＿ ,| | || | -┬‐:┬ ＿＿ .l |.l
l l l rl､ N o::::ﾉ |｡:::｝ `.ﾄ lﾘ おーおー
l＿,,. l l | (｀- ￣ ｀´ .l l/l_ﾉ
l l.､ , l .| わらわは信長公の葬儀をとり行い 喪に服しておったというに
| l ｀ - ､ l .l 勝手放題に振る舞う不心得者がおるようじゃ
l ヽ, - ヽ ' ‐- .....＿ ノ l
l l |.ヽ ｀` ''" イl .l .l これは許しておくわけに参らぬ（棒）
l l.| .| ｀ ､ イ .l l .l .|
l l | | ￣/ l | .l ﾄ..l
l l, ‐| .| l､､ .| ヽ .l l l
l_,-‐ '" .| .| ヽ ､.l , ‐.､| | .l l
／ ヽ、 レ⌒ l― ､ ＿ヽl l､l l l
/ ヽ | | ｀ '´ | | |ヽl l
l ヽr=､l l＿＿__, ― ､＿_l l l ヽ
秀吉は宿老・柴田勝家を滅ぼし、信長の三男・信孝も自害に追いやり、内戦に勝利。
,. 彡 ---丶: : : ミ: .、
／ ', ィ:.´￣￣`＼:ヽ＼ ＼
//.イil : : : : :i! : . . :ヽ:| : ヽ:ハ
//′: l|l: : : :| :|ヽ: : :ヽ: ヽ : ヽ∧
i: i : :!: :||{: : :_｣┘ `- :} : :|: : : :l : ﾚヽ
| l| . {: :ハ'´ ,ノ__ヽ} : l: :| : |ノ
|: { : :〉´__＼ ,=ﾃ｡≡ﾇ-|: i.:.N: i |
. ∨ ''７｡ﾈミ _ぅ__:ソ jノ:.:ハ l.|
V:丶 ぅ_ｿ }イ'ノ小!
ヽ{ハ ｀ ＿_ 爪: :｜|
从小 i/´ ヽ. 八: : :ﾉ:.;'
, 、 ' `i |八{ヽ. ` ー ' ／{'⌒Y_, ｧ
ヽ ＼、_ , ' ,' i｀`ゝヽー― 、 .|!:.:.:Y⌒iフj ー ＜ j / }:/ }'
ヽ、 ￣ヽ/´｀ l´ヽ ヽヽ ｀ヽー-－ヾゝ },:.-ｧ} |´ } / /i j
｀/｀ー ｀' / | l l ヽヽ、＼ i′ |´｀` lｒ´￣'`} j::l |ト
,/,丿,'ﾞ ; ´ ﾌ'´ー-'/ | | ヽ、 .ﾚ‐v ,', l/⌒Y、|、| l ',_ _ , 、
ｒ' ´ / , ,_ _ノ＼ / | | ,、 ヽ /: : :| ,',' .′: :|_┐ ｀/ ／H ＼
`─ー´i |´l ヽ、￣ //'ー- ' ｀`-´｀ヽ、_ ,',/: : :j/ ;; li: : i ｀ 〈' / A 人ゝ
,l/ ﾊ ヽ ｀ー ―'´'´ ,';/ : : :/:::.... ;;. ...jl: : :l: :::.... ,´ / S , ' ｀ ヽ、
〈／ ヽ' / : : :/:::::::::::: ;;: :::::::jl: : :l::::::::::/ ﾍ H / ヽ,
自ら朝廷の主催者となり、織田家中を指揮下に組み込んでいった。
信長の嫡孫である秀信には、岐阜十三万石の知行が与えられた。
_,....-‐ー-..､,-‐-:.､
,...-‐:;.r:'"ﾞ::::::::::ﾊ:::::::::::::ﾞ'::.､::::ﾞ':､
. ,.:'ﾞ::::::::/:::::::::/:::/::! ﾞ､l_,;;:､::､:::､:::::::ﾞ'､
,'::::::::::::,ﾞ:;'|::i:::!:''/'|_ ﾞ'!,.ﾞ;::!;:::i:::'i:::::::::ﾞ､
. l::::::::::::::|:!:|::|::! |'";;､ i:;;,, !ﾞ':lri::i::__:::::ﾞ,
|::::::::::::;::r'"l| ! l. { ;; } !;;ﾘ |'! ￣
|::::;:-''ﾞ '､ (_'､ ' '''ﾞ , .!
ﾞ''ﾞ ﾞ' ‐'ﾞ':､_ ー .／
|ﾞ'' ‐- r<ﾞ
／|_ _.／ ﾞ' ‐､
r'ﾞ ﾄ ｧ' ,. ‐'ﾞヽ
,'ﾞ'i-i |./ r,.‐'ﾞ .／ﾞﾞ '! ［信長嫡孫・織田秀信］
|',i ﾞ' |'-‐'' ,. / |
あくまで秀吉に「与えられた」のであり、家臣団も秀吉につけられ、当然に一門への裁量権もない。
|ヽ
-‐┴┴‐- 、 ＿ノ＼
／: : : : : : : : : : : : :｀＜ ノ
': : : : : : : : : : : : : : : : : :｀く￣
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
. /: : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶､: : : :＼
' /、: : : : : : : : : ､: : |: : : : : : ｀丶: : :＼
|ｲ ｀ ー――‐ﾍ: :|: : : : : |: : : : : :.￣ヽ
| ＼ V: : i |､ト､: : ＞- ､: !
. |: :ｌ ｌ｀. .ー―― ￢"|: : : |:ﾄ､|: : : :／⌒ヽ| （信長公は 恨んでおられるか
. |i| | | |: :|: : : : |: :. :|: |: : :ｌ|:|ﾉｌ|.イ/ ＼
}レ ⌒､ﾄｌ､＿|ｌ_: : }: |: : ｊｲ＜ｨ// ', 無理もあるまい）
. / ／ 丶､ｲ／| :ﾚ/ ﾄ､
/ / ヽ.」 .// }::ｌ
. / l ＼// ／ /::|
. ' .! ｌ: / ／―‐'′|
,ｲ } | / /::::::::::::::::::::|
. {:| ﾊ |―' ./ :::::::::::::::::::::|
ヽﾄ､ ハ | ｀ヽ、 .人 :::::::::::::::::::::|
| ￣￣ / .! ノｌ ＼ ／ ＼:::::::::::::::::|
| ./ |｀ヽ-‐ ''´ | ヽゝ ＼:::::::::: |
|ヽ
-‐┴┴‐- 、 ＿ノ＼
／: : : : : : : : : : : : :｀＜ ノ
': : : : : : : : : : : : : : : : : :｀く￣
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
. /: : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶､: : : :＼
' /、: : : : : : : : : ､: : |: : : : : : ｀丶: : :＼
|ｲ ｀ ー――‐ﾍ: :|: : : : : |: : : : : :.￣ヽ
| ＼ V: : i |､ト､: : ＞- ､: ! （されど
. |: :ｌ ｌ｀. .ー―― ￢"|: : : |:ﾄ､|: : : :／⌒ヽ| わらわとて我欲ばかりではありませんでした 上様
. |i| | | |: :|: : : : |: :. :|: |: : :ｌ|:|ﾉｌ|.イ/ ＼
}レ ⌒､ﾄｌ､＿|ｌ_: : }: |: : ｊｲ＜ｨ// ', ああせねば滅ぼされていたのは秀吉であったかもしれず
. / ／ 丶､ｲ／| :ﾚ/ ﾄ､
/ / ヽ.」 .// }::ｌ 上様の夢見られた天下一統すら危うく―――）
. / l ＼// ／ /::|
. ' .! ｌ: / ／―‐'′|
,ｲ } | / /::::::::::::::::::::|
. {:| ﾊ |―' ./ :::::::::::::::::::::|
ヽﾄ､ ハ | ｀ヽ、 .人 :::::::::::::::::::::|
| ￣￣ / .! ノｌ ＼ ／ ＼:::::::::::::::::|
| ./ |｀ヽ-‐ ''´ | ヽゝ ＼:::::::::: |
／: :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :＼
/: :∠:＿:_／ : : : : : ／.: : : : : : : : : : |: : : : ヽ
/: /: : :/ ｀￣＼／ : : : /| : : : : : : |: : : : : :'.
/／|: : / ＼ 丶 ￣￣￣ |_: : : /: : |/ : : : : |
/: :,ﾚ'/ ・ ＼ - ＼/: : :/: : : : :| j
/: （ ,' ー‐ ー───＼/: : : : : / ′
. / : : ヽ{ ､ ・ /: : : : : : : '＼
/: : /: :/'. ￣ 厶: : : : :/:/ > んあ？
. / : :/ : /八 /／∧/:/＼／
/ : :/ : / / ,＿_,ノ: : :/
. / : :/ : / /: :/:.>､ 二) ｨ/＼/: : :./
/ : :/ : /＼/:_:/_/:___/＞r---z‐=ｧ＜: / /:/ : /
. / : :/ : /: : /＿＿_＿_＿_,入￣ （ : : / /: {: : :|
/ : :/ : /: : /{ / ﾉ＼ ｀ﾞ７＼/l : |: : :|
ｌ: : : : : : : : :| :ｌ: : : : : : : : :| //: : : : /: : : : : : :l:| |: : : : :|: : : : : :|: :|
ｌ: : : : : : : : :| :ｌ: : : : : : : : :|〃: : : ://: : : : : : /:ｌ |: : : : ﾊ: : : : : |: :|
{: : : : : : : : :| :|: : : : : : : : :|: : : :.:.//: : :._: :. :ｲ_」 ｀丶」 ＼: : ::|: :|
|: : : : : : : : :| :|: : : : : : : : :|: : : :.//＞'"└'´ 入 j: :|
}: : : : : : : : :! :|: : : : : : : : :|: : ／ /: :｀|: |
＿＿」.: .: : : : : : :. :|: : : : : : : : :ﾚ´ ､ ／ : : : :ﾚ′
ﾄ: : : : : : : : -ｌ: : : : : :.l: : | ＿... ､｀ヽ-' /ｚ=ｒゝ,': : : : |
| }: : : : : :/ ,-|: : : : : :.l:.ｌ:.| -≠ｧ＝￢=ｚ ::::::::::::: ｲﾑ｡ﾉ /: : : : :| （……そうじゃ なぜ今まで考えもせなんだのか
＿＿ | |: : : : : :{ ｌ: :|: : : ::|:ﾊ:| 弋辷ﾍﾉ ::::::::::::::::: └'′/ｌ､: : : :.|
| l: : : : : :.', {｀ヽ＿: : |ハ| :::::::::::::::::::::: /ｖ|∧ハ/ わらわが死んだあと
| |: : : : : : :＼｀丶 ＼| ヽ /: :/
| ハ: : : : : : : ｀ヽ- ､ .u ｀ ﾉ: :/ 今一度『わらわ』が現れるやもしれぬことを）
/: :.ハ: : : : : : : : V ＼ ｲ: :/
/: :. :/ ヽ: : : : -―}＼ __, ' ／ | /
. /: : : : : : 入／ ﾍ ＼ ヽ､ ／ K――、
/: : : ＞‐'" ＼ ＼ｌ ＞ ､ ‐- ､ _ イ | ハ |
./: :.／ ＼ ＼ ＞ ､」/ | | ｌ | |
,' l i , i |､ ､ {! ＼､ .', ヽ Y
,' |! .l! i { i ', ', ､ |!､ ｀ヾ､ {! |!ノ
{! i! }! i ',_,ﾘ_ ', ', .}! .|!ヾ ,､ ＼ヾ .';, ´
',＿_{! _ﾘﾚ'´_,,.. ...,,_', .}!,| |!Y r､ ヽ ､_ ＼ｰ-､.';, （『わらわ』は争いを起こし
|!ﾞ´ ヽ ´ t､ ', , ﾘ|!､ |´ { 〉ﾉi､ ｀ー- ..,,_ヽ';, 公儀を崩し 天下を覆す……
.ﾚ'､|、 ';, ゞ_,,. ﾚ'i/ ｀iノ }! ヽ ｀ｰ- ..,,＿
i! ヽ ﾉ ´ i! ､/ ';, >ｰ-―''''"´￣ さすればお拾は死ぬる ころされる
く u , ' ﾄ-'i!/´ ねねも茶々も大坂も伏見も）
｀ｰ､ ＿＿ /ﾉ |! |!
｀ヽヽ_ノ , イ;;｀ｰ-､ |! |!
｀ヽ . ＜ﾘ .|!;;;;;|､ ﾘ､_,|!
｀ ´
. イ´ : : : : : : : : : ミ.. .
／: : : : : -―‐- . : : : : :＼
／ : :/イ´ .. ---- .. ｀ヽヽ: : :ヽ
/ . : / イ´ : / : :l: :| i : : ｀ヽ､i: : : : .
.′ : /: :/: . ｲ: : : | |i: : .ヽ: : l: . : :i i
i.! : : i|: :|: : : i |. :| . . l :|| : . .|| :｜: : :| l
|| :|: :|! :|! : _｣ L⊥: ⊥ハ: : :|! : || : : |:.|
∧||: |: :|:／´ _ノ ￣ ｀ヽ|l : :i.|:.レﾍ
〈. |l i:l:. :{ u. ｀^ｰ |l: : ﾘ: | ノ
` |从. : l ::::::::::::: j.l : 从:|´ （そうか 信長公の夢はそれを警告するものであったか
|.:.{`ト{ ≡≡′::::::::: `≡≡' ｲイ }.:.:!
|.:|トミ.! ﾚノ.i.:.:′ そうじゃ そうじゃそうじゃそうじゃ
|小: :.:.:､ ' ､ ﾉ:.: :/:/
|:.:ハ :_ :＼ ｰ､―‐ノ ／--v':.l{ されば わらわは探さねばならぬ）
|/:.:.:i´ i｀{:.i`i . ￣ ィ:´i:.j }:.:.|
}:.:.:.:.| |:.|i:} ￣ {:.:.l|:|/ ハ:.l
ﾉ:.:.:._:| レ' ` ｰ| ト :.:.|
f:.￣::.::.|, -､} ___ __/ j::.::.` ー..､
/⌒ヽ::.::.::|: :ハ ｀ .... ´ /⌒{::.::.::.::.::/ヽ}
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.l .l l .l.ﾄ／ ￣ l_ﾘ l l
l l .l l .l l. u ノ ' ヽ､ _ .l ' .|ﾘ
ﾄ ､ ＿ ,| | || | -┬‐:┬ ＿＿ .l |.l
l l l rl､ N l: :::ﾉ | : :｝ `.ﾄ lﾘ
l＿,,. l l | (｀- ￣ ｀´ .l l/l_ﾉ 天下を滅ぼすものを探し出し
l l.､ , l .|
| l ｀ - ､ l .l 早う消し去ってしまわねばならぬ
l ヽ, - ヽ ' ‐- .....＿ ノ l
l l |.ヽ ｀` ''" イl .l .l
l l.| .| ｀ ､ イ .l l .l .|
l l | | ￣/ l | .l ﾄ..l
l l, ‐| .| l､､ .| ヽ .l l l
l_,-‐ '" .| .| ヽ ､.l , ‐.､| | .l l
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:::ヽ::::::::::::::::::::＼::< ／, '`''' 、 ./:::::::::::l おねだりお手紙作戦大成功なのです！
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::::::::::::::lヽ:::::::::::::::::::ヽ ′ i`ヽ , く-､`l:::::::::::::l
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、::::::::::::::l::::::::l＼::::::::｀丶 ヽ、. ', '., ./ i l l:::::::::::::l ［駒姫］
ヽ:::::::::::::::l::::::::l::::＼::::::::::ヽ、丶､〉.___',, 、 il l l:::::::::::::ｌ
::::ヽ::::::::::::l::::::::l::::::::＼::::::; くヽ､.ゝ､ i ll l l::::::::::::::l
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!:::::f !::::::l ! ぉY:::::| はいはい
,':::::::`|_::_j l _ ' ,'::::ﾊ
/!:::::::::::l::::iヽ.. ´ ｲ:::::!;l! すぐにも準備に入りましょう
,. ,':::::::::ﾊﾄ:::ﾄ `r-..'!::::::!｢´
i /:::::::/ノｲ::::ヽ＼:::ィ:::::ﾉ'
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／ ､.'/:::::!: : : : :: : /´rt Yﾄ､
／ i!::::::::!: : l: : : : :ゝ-イ´ゝ._l ［駒姫傅役・おこちゃ］
, l!::::::::|: :..|: : : : : : : ゝーゝ.!
秀吉が悪夢にうなされている時、山形の見る夢はそれと対極のところにあった。
―― 第六十五段 終段 ――
信長って身内に相当甘かったし、あの世で幾ら殺しても殺り足りないぐらい恨んでそう秀吉の事
そうでもないと思うがなー
下克上の人だし、信忠が死んだ時点で諦めもしくは信雄信孝の無能っぷりを嘆いてそう
信雄はともかく、信孝は信長生前は優秀な若者って評価だったよ
彼が評判を落とすのは秀吉との争いに負けてから
宣教師の接待役させたり信長の家族像は結構微笑ましいよね
でも本能寺の変で真っ先に息子を疑うあたり流石下剋上第一人者
乙
死に近づくにつれて自分の妄執との戦いですな。
しっかしまあ、この時期のわが故郷は北も南もぐっちゃぐちゃだねぇｗ
創造とか、創造とか創造とかで多少時間がとられてますが。
ちなみに信雄系織田氏の系統が、後に天童藩を立てますので山形と無関係ではなかったりします。
今のところ出番の予定もなしですが
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