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　　　　　　　　　　　　 番外編　やる夫は杉山茂丸の『青年訓』を読んだようです
　　　　　　　　　　　 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






.

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　 廂髪の全盛時代には奥様も令嬢も下女も妾も
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　みんな廂髪に結んでいた
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　杉山茂丸



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　＿＿＿　　o
　　　　　　　( ;;;;;＿;;;;; )／'''
　　　　 丶.-'~;;;;;;;;;;;;;;~'-､
　　　　／~;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,ヽ、
　　　,;';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ
　　l;;;;;;;;;'　　　~''''''''''~　　　　';;;;;;;;l
　 .l;;;;;;;;;;　　　　　　　　　　　　;;;;;;;l
　 l;;;;;;;;;;'　　　　　　 　 　 　 　 ;;;;;;l　　　　← 廂髪（ひさしがみ）
　 k;;;;;;;'　　''''''　　　　　''''''''　　;;;;;l　　　　　　横から見ると前髪が突き出て見えるくらい
　ﾍ ヽ;; 　（●）,　　　､（●）､.::;; ﾉ　　　　　　　盛ってある
　　　∧.　　　,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　　 l
　　／ ｷ　　　｀-=ﾆ=- '　　　/ヽ、
　./　　 ヽ 、　　｀ﾆﾆ´　　／　　　ヽ
　/　　　　ヽヽ､_　___　／　　　　　　|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　 元来は年齢、風貌、境遇それぞれに相当した髷を結ぶのだ
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/　　　　　それに新奇を衒いて猫も杓子も
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ　　　　　廂髪を結うて喜ぶというのは気が知れない
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|






　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　もっとも今では殆ど廃れているが
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　 まあ一時の流行であったのだろう
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　 廂髪の講釈をしたいわけではないぞ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ　　　　つまりだ　思想にも流行というものがあるわけだ
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ

　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）　　　　社会主義だの自然主義だの……
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　 今日の青年はこの思想的流行に右往左往させられ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}
.　　 ヽ 　 L　　　 　}　　　　　 まるで浮き草のようにフカフカと何処へでも流れていく
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ






　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　見渡したところ今日の青年間には
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　 これと云って見るべき特徴がない
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　みんな生活難生活難と泣き面をしては
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ　　　その癖 働く事は嫌いで貴人と黄金とを夢見ている
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　だから目先の事ばかりに追い込まれ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　少しも遠大な識見と昂然たる気風とを具えていない
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　 　 ﾋﾞｼｯ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__ 　 て
　　　|　　　　＿＿＿ 三） 　（
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣　　 ´

　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　　 フランスにはフランスの　イギリスにはイギリスの
　　 |　　　,.<))／´二⊃　　　　　　特有の国民の気風というのは何処の国にもある
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉　　　　　　　　今日の青年にはこの特色があるか
　　 　,-/　　　 __人〉　　　　　　　　宇内に誇るべき何かがあるか
　 　/ ./. 　 /　 　 ＼
　 　| / 　 /　 　 　i　＼
　 　|"　 / 　 　 　 | >　 )
　　 ヽ／　　　　　 とヽ /
　　 　|　　　　　 　そ ﾉ





　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼　 　,.:┐
　　　　　　　　　 .（ ●）（ ●）　　..|　／　｜　　　もし特色があるとすればだ
　　　　　　　　　 （__人__） 　　　　.|./　　 /　　　　それは今云った流行を追うて走る軽薄極まる風潮である
　　　　　　　　　　 i⌒ ´ .r－､　　|/　 ／
　　　　　　　　　　 { 　 　 ヽ,　',. .,/　:/',
　　　　　　　　　　 .ヽ　　　.|　 l_/_, -‐､',
　　　　　　　　　　　 .ヽ　.　| 　 / , -－'i|
　　　　　　　　　　　　/　　 {　　V , -－ﾍ
　　　　　　　　　　　　|　　　ヽ　 Ｌ|　r=　|

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　総じて流行を追うて走る奴は衆愚郡盲の徒だ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　 志操の堅実な達人は流行の潮流意外に超然と卓抜して
.　 |　　　　　　 　 }　　　　寧ろ時流を導く先覚者となる
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　 同じ書物を読むにしても楊子の利己と墨子の兼愛とを
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　 　 併せて信じたら何が出来る
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|




　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　 ／　 　_ﾉ＼
　　　　　　 /　　　　 （一）
　　　 　 　 |　　　　　（__人）
　　　　　　 |　　　 　 　 　 ｌ　　　　自分に確乎たる批評眼を具えずに万巻の書を読破したからとて
.　　　 　 　 |　　　　　　 　|　　　 　論語読みの論語知らずで糞の役にも立つものじゃない
.　　　　　　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　　　　　　 ヽ　　　 　/
　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　|　　　　　|
　　　　　　 　 |. 　 　 　 |

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　 然るに今日においてはだ
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　 修養も徳操も人格もない一介の青書生に過ぎない
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　 木っ端蚊士（文士）等が生活の為に書いたくだらないもの
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　淫売を買い回った経験なぞを
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　　　 涎を垂らしながら感心して傾聴している
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/　　　　 　今の青年の馬鹿さ加減といったらない
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）　　　　 それだけならまだしも、今度は自分でそれを真似る
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　 鼻持ちのならぬ状態だ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼






　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　　 その癖二言目には生活難生活難と
　　 |　　　,.<))／´二⊃　　　　　　仰々しい泣き言を名誉か何かのように心得て騒ぎたてる
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉　　　　　　 　 こんな風潮が幾年もそのままに推移していくとすれば
　　 　,-/　　　 __人〉　　　　 　　　 国家の前途は甚だ寒心に堪えない次第である
　 　/ ./. 　 /　 　 ＼
　 　| / 　 /　 　 　i　＼
　 　|"　 / 　 　 　 | >　 )
　　 ヽ／　　　　　 とヽ /
　　 　|　　　　　 　そ ﾉ

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　　今日の青年は自己が国家の一分子として社会に立ったとき
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　 どんな重い責任が双肩に落下してくるかという事を知っておるか
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　　　　　　 かつての日本と今のそれとは大変な相違である
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ

　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　. （　（一 ） .　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　|　　　　　時代の空気放漫空疎であった維新当時ですら
　　　　　r‐-､　　 　.　　　|　　　　 　青年は血眼になって国家の前途を憂い
　　　　 （三））　　　.　　　|　　　　　 危うい境涯を屁とも思わずに死生の間に突入して
　　　　　>　ﾉ　　　　　　 /　　　 　 　国家の為に尽くしていた
　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /
　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈
　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）
　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　.　|　 ＼_／...|




　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　彼等は小難しい理屈など知らなかった
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　唯数巻の経書を腹中に蓄えていただけだが
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　　　　　　　　　それで結構経国の大志を抱いていたのである
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　 即ち当時の青年は時代の先覚者として時代の風潮を
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　支配する陣頭に立って郡盲衆愚を指揮していたのだ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |　　　　　いわば流行は青年の手で作り出されていた
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　 其の時代から見れば、今はもっと多事多難である
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／ ヽ､.　_ノ　＼
　　　　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　　　　|　　（__人__）　｜
　 　 　 　 　 |　　 ｀ ⌒´　　|　　　　 一時の流行に過ぎない軽薄な思想にかぶれて
　　　　　　　 |　　　　　　 　}　　　　 肥料にもならぬ腐った腸を持ってそれが何になるか
　　　　　　　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　　　人＿__＿_ノ"⌒ヽ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　/ 　　　　　　　　　　 へ　　＼
　　　　 （　　ヽγ⌒)　　　　　| 　＼ 　 ＼
　￣￣￣＼＿＿／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　＼ ＼／｀i
　|　 （●）（●）./　　ﾘ
.　|　　（__人__）..|　　/　　　　　　　　　淫売に肘鉄砲を喰らってメソメソ泣いている
　 |　　 ｀ ⌒´　ﾘ　 ﾋ　　　　　　　　　 クサレ蚊士の書いたものなぞを読む暇があるなら
.　 ヽ　　　　 ／/　　,｀弋ヽ　　　　　　少しはわが身の事を忘れて国家の前途を考えてみるがよい
　　 ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ
　　　/〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖ
　　　|　ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//
　 　 |　 　　ﾌ-､｀ｰ┴‐-〃
　　　　　　　　　`ー‐一′



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・




　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿
　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 　＼
　　　　　　　 　 　 ／　　　　 　 　 　 ＼
　 　 　 　 　 　 ／　_ノ 　 　 ＼_ 　 　　 ＼　　 うーむ　杉山先生なかなか厳しい事をおっしゃる……
　 　 　 　 　 　 |　 （●） 　 （●） 　　　　　|
.　　　　 　 　 　 ＼　 （__人__）　 u.　　　／
　　　　　　　　 　 ／　　｀⌒ ´　 　　　 　＼
　　　　　 彡三三ミY彡三三ミ＼--、 　　 |
　　 　 　 ＼　　　 ＼＼　　 　＼Ｅ　|　 　 ﾉ




　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !　　　　　　 『青年訓』は1914年　大正2年にでたそうだ
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　大正時代ってことは「大正デモクラシー」の頃の
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／/　∩ノ ⊃　　　若者に向けて書かれたわけかお
(　 ＼　／ ＿ノ　 　 ＼／ ＿ノ
.＼　“　　／　　.　＼　“　　／
　　＼ ／　　　　　　/＼／
　　　 ＼　　　　　　　＼





　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}
　　 　 ヽ∧/￣ ＿＿＿_　　/ﾍ
　　　 　 j　＼　‘、 　 .ノ　, ':|　j
　　　 　 　 　 ＞,.こ__,,. ィi ::::|
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|　　　　　　　そうだな
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|　　　　大正といえば杉山茂丸の息子夢野久作の『東京人の堕落時代』も
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |　　　　併せて読んでみると面白いかも知れない
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /
　　　　ヽ- i' "´ | o　　 ｀ﾞ" ''i‐‐´

　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i　　　　　　「クサレ蚊士」　「淫売を買いあさる」
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V　　　　　　 私はこれを見て、石川啄木の『ローマ字日記』を読んで
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !　　　　　　 ちょっとびっくりした時の事を思い出したなぁ
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼　　　　　　　　 　 まあ『ローマ字日記』は刊行目的で書かれた物ではないが
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´




　　　　　　　　　　.　-‐……‐- 　.
　　　　　　 ,. ::::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶.
.　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::: ｰ‐==ニ二ﾆ=‐::ﾍ
.　　　 /:/:/ :!:::|　,.．-――――‐- ．.,::::::〉､
　　　/:/:/i::::|::ｉ|´ :::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＞Y:::::::ｉ
　 　 |::||:|::|:: |::ｌ|＼::::::::::::::::::::::::::::;:;';（__,.ｲ::::::::|
　 　 |::||:|::|::::!斗 　ゞ;ｧ‐､ ::::::;:;:';';';';';';';';'| :::::::|
　 　 |::||:k／,ｨiヒ!´ / ﾊ　! ; ';';';';';';';';';';';'| :::::::|
　　 　 ￣｀ﾊ弋ﾉ　 |　Y ﾉ;';';';';';';';';';';';';';'| :::::::|　　　　　　で、ダメ人間の象徴的存在たるやる夫は
　　　 　 　 ﾉ　　　｜　∧; ';';';';';';';';';';／| :::::::|　　　　　　茂丸の青年訓を読んでどう思った？
　　　　　 く　　　　　　 　 ヽ､';';';';';／　｜: ::::|
　　　　　　 ＼- '　　　　 　 　 ｀Y｀ヽ　｜: ::::|
　　　　　　　　＼　 . へ.　 '"´￣￣|.　｜: ::::|
　　　　　　　　　 ｀　　|＿,　-――┴‐┤: ::::ﾄ､
.　　　　 　 　 　 . -=ﾆ＞　　　　　　　　| :::::::| ﾍ
　　　　　　　∠二ﾆ､　 　 　 　 　 　 　 | :::::::| |.|
　　　　　 　 |　　＼ ﾍ.　　　 　 　 　 　 | :::::/｜!
　　　　　 　 |　　　 ＼V　i/　　　　　　｜::/　:|::|
　　　　　 　 |　　　　　＼/: : .　　　　　 |:∧ :/!:ﾊ
　　 　 　 　 ∨ 　 　 　 /＼　　　 　 　 |′V / ∧





..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　 （一） 　（一）
　　／　　　　 （__人__）　＼
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　 うーん……
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　 確かに青年時代に激動の明治を全力疾走してきた茂丸から見れば
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　この頃の若者は軽薄に見えたかもしれないお
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／




　　　　　　　 .＿＿＿
　　 　 ／）／ノ '　ヽ､.＼
　　.／ .ｲ '（●） 　（●） ＼
　 /,'才.ﾐ)　 （__人__）　　　 ＼　　　　　茂丸の心配どおり、日本はこの後に酷い敗戦を経験するわけだし
　 |　≧ｼ'　　´ ⌒｀　 　 　 　 |
　 .＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　 ただ考えてみれば、茂丸にだめだしされた若者達が
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　まさにその泥沼の15年戦争を戦い抜いて
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　 そして戦後の復興を成し遂げたわけだお
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／






　　　　　　　　　　　　 　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}
　　　　 ／⌒　　⌒＼　　 |　　 |
　　　／（ ●） 　（●）＼　 !　　 !　　　　　立派な人たちだと思うお！
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 | 　／
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／／
　　/　＿＿　 　　　　　　/
　　(＿＿＿）　　　　　　/

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　 それを考えれば（後出しジャンケンだけど）
　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　 大人の目から見て若者が未熟に見えたり
　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　 　 理解できない事に夢中になっていたりしても
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　　　　　いちいち憂慮せんでもいいんじゃないかお
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

　　　　　　　　　　　　 　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}
　　　　 ／⌒　　⌒＼　　 |　　 |
　　　／（ ●） 　（●）＼　 !　　 !
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l　　　 やる夫は今を生きる若者達がダメだと思わないお！
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 | 　／
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／／
　　/　＿＿　 　　　　　　/
　　(＿＿＿）　　　　　　/





　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　＼ ,　, ／ 　＼
　　　　／　 （●）　 （●） 　 ＼
　　 　 |　　 　 （__人__）　　　 　|　　　　　きっとこれからの困難な時代に立ち向かってゆける
　　　　＼ 　 　 ` ⌒ ´　　 　,／　　　　　立派に日本の将来を担っていけると信じているお！
　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼
　 ._i⌒i⌒i⌒i┐ 　　　　　　　　ヽ
　（ l　 l　 l　 l　l
　 ヽ 　　　　　/

　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}
　　 　 ヽ∧/￣ ＿＿＿_　　/ﾍ
　　　 　 j　＼　‘、 　 .ノ　, ':|　j
　　　 　 　 　 ＞,.こ__,,. ィi ::::|　　　　　　　なるほど、楽観的だが希望のあるやる夫らしい言葉だ
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
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　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /
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　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　 , . :‐: :￣: : : : :.｀丶
　　　　　／: :./ : : l: :.ヽ:.ヽ : : : :ヽ
.　　 　 /: : :./:l: : : |l.: :.ﾊ :ﾊヾ＿_ _ヽ
　　　 〃: :./|l:|.: : :ﾊ: :: :ﾊ: :ﾊヾｰ--:ﾊ
　　　ﾊ:.: :.ﾘ⊥ ￣／イ´￣｀ 　}ﾆ彡ﾉ:ヽ
.　　 {! L ﾊ　〃Y 　　r＝＝=､ Yr‐ ､:.:.ﾊ
　　　　　　}〃丿,　　　 　　　〃.ぇ } }: :.:.l　　　　　　　ではそろそろいい年になるやる夫も
　　　　　 ├‐'　r-―┐　　　!　 __,ノ!: : : l　　　 　　　 日本の未来を担うべく、少しでも立派な人間になれるように
　　　 　 　 ヽ 　∨ 　ﾉ 　 　 ィｸ＿　|ﾄ.: : l　　　　 　　 努力してこうじゃないか！
　　　　　　　 ＞､　ｰ　 ,　...::::|⌒ヽ.　|!ﾍ:.: l
　　　　　　　　 　 ｀¨T:::: ＿,.ィﾞ!　 　 l!　V::|
　　　　　　　　　　　｢V´　 　 ,⊥-=＝ー戈{
　　　　　/ﾞﾞfニニｱﾞｲ｣ -‐ 彡'ﾞ¨￣ ／　　 ﾊ
.　　 　 / /　　　ヾﾉrぅ　　´　　　〃　ー---ﾊ
　　　r'ﾞ〃　　　／　　　　　　　 〈　￣¨''ー--}

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　え、なんで？
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼




　　　　　　　　　　　　　　ﾐ ､
　　　　　　　　　　　　　　 l ヾヽ
　　　　　　　　　　＿　 ＿.|　ヾﾍ
　　＿ , . -ーフ´: : : : : : : : :゛゛: : ヽ
　 ゛ｰ-ﾆ二/: : : : : : : : : : : : : ﾄ､: : :`､
　　　　　 /: : : : : : : : l: : : : : :l　ヽ.: :.:i
　　　 　 ｲ: : : /: : : : :i| : : : : :l-一l― l
　　　　/ L: : :L: : : : :lL: : :＿|　　.l: : :l
　　　　!　　.l/￣//`Y´ﾆニ二__　ﾐヘハ
　　　　　　 ﾊ　//　丿　　{り }ﾔ / 6ﾉ: :l　　　　　　　 えっ
　　　　　　{ﾍー- ′、　　:::::::　 {　イ: : l
　　　　　 　 八　　　　　　　u　ｲ 　 l: : l
　　　　　　　　 ＼　⊂⊃　 ／ l　 　l: : l
　　　　　　　　　　　　ｰ　　 　.｜　　l: : l
　　　　　　　　　　　|￣|　/￣ ~７. 　l: : l
　　　　　　　 ＿＿ |　.|／　　　.{ ＿_l: :.l
　　　　　　/|――/　「 0　　　　t―‐三三ﾊ
　　　　　 ハ￣￣　 /　　　　　　 ￣　　 /　ヽ

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　　⌒＼ ﾎｼﾞﾎｼﾞ
　　　／（ ●） 　（●）＼　　　　　　　　今の若者が立派なら
　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　　　 別にやる夫が懸命に努力する必要はなくね？
　 |　　　 ｍj |ー'´　　　 　 |
　 ＼　 〈＿_ﾉ　　　　　　／　　　　　　 大事な事だからもう一度云うお
　　　　ノ　　ﾉ








　　; ' + 　　　　　＿＿　　'　，:‘. 　, .. .
　　　　　　 ／￣　　 　 ｀ヽ　　; 冫;．"
＼＼／ ／　　　　　／＿ 　ヽ　ﾟ:｡:+
.　 >　</　　　　　､ｨ,ｨtj ｲ　 　}
／／ヽl ｒ＝=､　　　｀ ､　　　　!　　　 .||　　　 「やる夫は今の若者を信じているから！」
／　　 i　ィ彡'　 　､＿ﾉ☆　 ノ　＿＿||＿＿
　　　　!　　　（__ノ- ' ,　　 ／l.　 ￣￣||￣￣
　　　　 ヽ　　　　 ￣　　　 　 ｌ　 　| 　||
　+ﾟ+。o　_ー--,　ｰ　　,　‐､　ｌ ￣|￣　　＋+
　　　ｒ-､/ /　　/　　　/　　　} ｌ　　　　*::｡
　　 ｊ　　　{　　/　　／　　　　　ｌ
　　 {　　　 ｀ー-- '　　　／　　　ｌ ＼＼／／
　　 ｀ー-､__　　　　　／　　　　　ｌ　 .>　 < 　＼／
　　*::｡　　　T ー-‐'　　　　　　　 ｌ／／＼＼／＼
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　ｌ







　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　 ／　　 　 　＼
　 　　 ／　⌒　　⌒　 　＼
　　 ／　 （ー）　（ー） ／^ヽ　　　　　　つーわけでやる夫は今日も安心して
　　|　　　（__人__）（　/　　 〉|　　　　　 ダメ人間でいられるんだおー
　　＼　　 ｀ ⌒´　　〈 ／ ⌒^ヽ
―――――――― ＼ _ _ ＿ ）

　　　　　　　 ＿＿＿_　　　　　　 日本の将来はきみたち若者に任せたー
　　　　　　／　　 　 　＼　　　　　やる夫の年金もきみたち若者にまかせたー
　　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　　／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　 さっ　エロゲやろっと
　 　 |　 　　 　 （__人__）　 　 |　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
　　　＼　　　 　 ｀ ⌒´　　,／　 　.| |　　　　　　　　　　　　　|
　　　ノ　　　　　　　　　　　＼ 　　.| |　　　　　　　　　　　　　|
.　／´　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | |　　　　　　　　　　　　　|
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　　　　|
　ヽ　　　 -一ー_~､⌒)^),-､　　　 .|_|_＿＿＿＿_＿＿＿＿_|
　　ヽ ＿＿＿＿,ノγ⌒ヽ)ニニニニ　　 ＿|_|＿_|＿






　　　 　 　 　 　 　 ,．'''""~~""'''‐--‐・,''´
　　　　　　　 　 ／:::,'::/::::i::::',:::::ヽ::::"::':ヽ.　 　 人
　　　 　 　 　 ,.' :::::::i:/ii:::::|::i::l!::',::iﾍ:::＼:::i＼　　　て
　　　　　　　/:::::／ |!､|!::::|::|::i!:::iナﾍ;::::::ヽ､ 　　　 〈
　　　　　 　 |::::彡,.．-‐>丈ｿ .∠__,,,,,,ト- '"´
　　　　　　　|:::::| !　　/::/　i　'"´　　　|-､
　　　　　　 /l⌒} ゝ_/::/_,.ノ ､ -‐'''"~ ﾄi }
.　　　　　 /:::{δ|／　「｀丶、__,,．イ　 |メ､　　　　　　　　　ええっ結局そうなるの！？
　　　　　/::: /`‐Ｋ　/　　　　　　　|　/ 　 ',　　　　　　　　 最初はなんか良い感じの事言っていたのに……
　 　 　 /::: /　　ｊ　へ._　　　 　 　_|,.'　 　 ｊ
.　　　 /::: /　　　 　 .＿i' ‐┬‐'i＿　　　　　　　　　　　　　なんてオチだ
　　　/:/i/　　　 ,.:＜.　 i''‐'7‐‐'i_　 ｀丶､
　　　|//　 　.／ ゝ,./￣　　',.o　　￣￣ ´＼
　　　| i 　 ／　　　/ 　 　 　 '.,　　　 　 i 　　＼
　　　　 ／　　　　/ 　 　 　 　 ',.o　　 　 V.　 　＼
　　　／　ヽ,　_,.イ　　　　 　 　 i 　　　 　 }＼＿.　＼
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