.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/　　　　　　 なんとかかんとか　といった感じだ
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_　　　　　　　 ……ただお前が指摘した通り
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7　　　　　　もうそろそろ戦は止め時だろうなあ
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、　　　　ギリギリのとこで踏ん張っているのが現状だ
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､
　　　　 　 ,...:'´:::::::::::::::::::＼＼:::::l.!.　　　' .ヽ::::〃ヽ　　　　ヽ





　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　 |　　　 （ ー）（ー）
　　　　　　　　　　 .　|　　　　 （__人__）
　　　　　　　　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　 はい……
　　　　　　　　　　 .　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
　　　　　　　　　　 .　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　ヽ　く
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　ヽ　＼

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　 児玉さんの今回の帰国もそのあたりの事を
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　 伊藤さんや山県さんとつめるためですよね
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /




　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ -‐ゝ `　`ｰ￣` ､lヽl､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 -=､ﾆ　　　　　　　　　　　≦_
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞´　　　　　　　　　　　　　ヽ彡
　　　　　　　　　　　　　　　　/_ｨ'　 l /　　　ヽ ､　　　、　　≦´
　　　　　　　　　　　　　　　　_∠　 l l､　､　　ヽlヽヽ　ヾ　　ｲ`､
　　　　　　　　　　　　　　　　　`≦ `l ﾄ､ミ≧　M ﾒ＼ ヾ、:≦´　　　　　ああ　それと桂の奴ともよく話し合わねばな……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／入iヾｔｧ‐　/ｲγヽ::::::::ヽ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　! <_　　　　 ´　l/(^ﾉ, ,ｙ／::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　ゝ--　　　　 厂lv／:::::::::::ヽ-‐　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　`!＿　 -‐,　':´::::::::::::::::／　_　-‐＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　_ _　ノ＼＼::::::::::::::::/　/　　　　　 ` ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/　ハ:::::ヽ ヾ::::::::::/　/　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　　ﾉ　 　'　/:::::＼:::ﾄ .l l:::::/　/　　 　 /　　　　　 ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　 │しばらく日本に滞在した児玉は5月20日再び満州へと戻る　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


┌───────────────────────────┐
│その後、明治天皇は山県に満州軍各司令官に奉天に召集し　　  │
│講和の聖旨を伝達するよう命じられた　　　　　　　　　　　　　　　　  │
└───────────────────────────┘




　　　＿＿＿_＿＿＿＿／　　　　　／:　:　::　: :: : 　:　:　::　:::　:　:＼　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　∠＿＿＿_∠＿:　:　::　:　::　:　::　:　::　:　:＿＿＼＿＿＼
　　　　　　　　　　 ＿|＿＿＿_＿|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : Ｌ_＿＿|＿
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　　　　　　　　　「￣￣￣￣　 |_: : : : : : : : : ￣￣￣￣￣￣￣: : : : : : : ＿|＿＿＿＿|
　　　　　　　　　 ￣￣￣￣ ／.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼




　　　　　　　　　　　　　　_
　 　 　 　 　 　 　 　 /｀´　 ヽ
　　　　　　　　　　　〈　ｌ　| l　ｊ
　　　　　　　　　　　 (Y＿l＿ﾑ
　　　　　　　 ﾄ ､　＿{ ＿＿＿ }
　　　　　　　 |　_　o　　 　 　 　 ￣o ﾌ
　　　　　　　 ∨∧　o　　　　　 　 oｲ
　　　　　　}i､__∨∧ /　　　　　 oｲ/
　　　　　 　 ￣ ∨=}　　　　　　/≧=‐'
　　　　　　 　 }i､Ⅳハ　　　　／|≧=‐'
　　　　　　　　 ﾌ∨　i! -‐=彡､ |//|
┌─────────────────┐
│七月　山県は神戸より奉天へと向かう　   │
└─────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…

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　　　　　　　　　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼
　　　　　　　　　　　, ::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::V: :ヽ.
　 　 　 　 　 　 　 / :::/:://: :/!! :::::|:||:|::::Vﾊ:::::::ﾊ
　　　　　　　　　　|::::/::::|:|::::|| ||:::::::|:||:|:::::|::::|／:::|
　　　　　　　　　　|::::||::::|:|::::|| ||:::::::|:||:|:::::|::::|∨:::|
　　　　　　　　　　V::|≧＝=-､ 　　 ''"´￣￣ ｝:::|
　　　　　　　　　　 }-l'　／ ／ﾞY´　　イﾃ〒ｱ|彡|
　　　　 　 　 　 　 {ﾍ|Y::／　　ﾉ　　　弋:ソ' /|ﾊ}
　　　　　　　　　　 ゝ|ﾊｰ一　　　,　　　　　 '.ﾞ|ノ　　　 それに同行する形で茂丸も大陸へ渡ることになる
.　　　　　 　 　 　 　 |. ﾍ　　 　 _　__　　　/l　|
.　　　　　　　 　 　 　 　 丶　　　 　 　 ／ :|　　　　　　　山県の副官だった堀内中将は当時をこう回想している
　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　.__. イ!::::::::|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |｀ヽ.　／ | ::::: |
　 　 　 　 　 　 　 　 .　＜／ヽ ｣/　／ヽ.＞　.
　　　　 　 　 　 r＜＞　´　　　|.o　　　　　｀　＜＞┐
　　　　 　 　 　 |　ｉ　　　　 　 /　　　　　　　　　　／ﾊ
　　　　 　 　 　 |　|/ 　　　　/　 　 　 　 　 　 i／　/∧



　 　 　 　 　 　 　 ┌───────────────┐
　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 │　 　 ┌─────────┐ 　 　│
　 　 　 　 　 　 　 └──┼─────────┼──┘
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 ┌─────┐　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 └─┼─────┼─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　□

┌─────────────────────────────┐
│当時非常な警戒態勢の中、山県元帥は河内丸で発って行かれた　　   │
└─────────────────────────────┘

　 　 　 　 　 　 _
　　　　　　　　ﾉ |_ 　 ll__l---||＿
　　　　　　rj「ｌ＿_｀ｰ'　 ヽｌーｊ　 L---┐
　　　　　 |―┴┴―｀ｰｒｭ-‐<￣.ｨｊ .__ｊｌ
　　　　　 |[][][][][][] i　""" _..,,ｒr=''´　l
　　　　　 l￣￣￣￣/7-‐'´　　　 　／
　　　f　 ｊL-､ ＿-‐'　　　　　 -‐´~~
　　　ヽ |　￣　　＿ｊ＿ -‐'~´~~
　　　　 ｀ー～´~~~~





┌───────────┐
│その山県元帥から私に　  │
└───────────┘


　　　　　　　杉山茂丸なる者を乗船せしめられたし、
　　　　　　　然るべく御依頼す
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　/
　　　　　　　　　　　　　 　 　| /

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿＿__
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /ヽ＿＿／/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　/　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　/.　　/　　　/
　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　 /　　　/
　　　　　　　　　　　　　 / 　　/　　　/
　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　/　　　/
　　　　　　　 　 　 　 / 　　/　　　/
　 　 　 　 　 　 　 　 ￣￣￣￣￣
┌─────────┐
│という手紙が来た　　 │
└─────────┘

┌───────────────────────────┐
│出発して港口にかからんとする頃、水上艇が追いかけてきた　　 │
└───────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　 　 　 　 　.ノ　､　、
　　　　　　　　　　 　 　 　● ●） l
　　　　　　　　　　　｡____｡（人__）　|　　おーい
　　　　　　　　　＿＿/|　ヽ　 　 ノ
　　　　＿＿＿/.□□ |　/ 　 　 ヽ
　　　　 ＼　　 ヽ＿＿_|)o　TTTT
　　　　　　＼ 　　　　　￣￣￣￣|　　　　　　　　　　　　
彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ
ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡
┌──────────────┐
│そこで杉山君を乗せたのです　　   │
└──────────────┘

┌──────────────────────────┐
│極秘の警戒態勢のなかで、杉山君は元帥一向に加わった　　 │
└──────────────────────────┘


　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||　満州まで同行させてもらいますよー
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／
　 　 |　　　　i´

┌─────────────────────┐
│ただの一市民の杉山君をそのように連れて行く　　│
└─────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　_　 　 _
　　　　　　　　　　　　　　　 ／: :`: ´: :＼
　　　　　　　　　　　　 　 . : : : : : : : : : : : ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : :l: : : ヽ
　　　　　　　　　　　　 /:./!: :/／ : : : : | : : :　〉
　　　　　　　　　　　　 ∨_|l/ﾉ彡ノ/: : :} : 〉:./
　　　　　　　　　　　　　 {〈V弋ｧｲ: : ,zｧﾇ';У
　　　　　　　　　 　 　 　 ヾﾍ_￣/イ ￣ﾊｿ　 __,
　　　　　　　　　　　　　 r＜　|､ ー'　ｲ:/r＜ /
　 　 　 「ﾆ -　_　 　 　 (}　Ｏ |::｀:ｰ:´::|'　! 　/ 　 　 ／}
　　　　 | | ＼　｀ヽ､__,ﾄ､j＿＿ヽ-‐ｧ:::|ﾐ l＿|_ ィ/∠　 |
　　　　 | |　　＼　◯　　丶　　 Ｑ/::::::::||::|////　　 O,|

　　　　　　　　　　　　　山県有朋元帥

┌───────────────────────────┐
│これは山県参謀総長が如何に杉山君の画策を買っていたか　　  │
│ということの証拠です　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　   │
└───────────────────────────┘

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣




　　　　　　　 　 　 　 　 .　-――-　.
　　　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　.:::::;ｨ::::;:::;::::::::::::::::::ﾍ: : ﾍ
.　　　　 　 　 　 /:::://::/ /|:::::|:||:::::|Ｖﾊ:::::ﾊ
　　　　　　　 　 | ::/ |: :| :|::|:::::|:||:::::|::l: :|Ｖ:::l
　　　　　　　 　 | :{　∟L｣::|:::::|:||,.斗:ﾋナ|:: |
　　　　　　　　　ＶY／:::／Y´ 　 ィﾁ〒ｱ｝:/
　　　　 　 　 　 {ﾍ|!:::／　ノ　 　 弋ソ ' 小　　　　　こうして茂丸は7月22日奉天に到着
　　　　　　　　　ゝ|:.｀￣　 　 ,　　　　　/.|/
.　　　　　 　 　 　 | ﾍ. 　 　 _　__　 　 /ｰ|　　　　　 児玉と合流する
　　　　　　　　　　 　 ｀　.　 　 　 　.ィ::|
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ＞-＜l:::::l:::|
　　　　　　　 　 　 　 __/´￣|:./￣};;;L:|
　 　 　 　 　 , ＜三＞ ｀ヽ　|.′ノ 　 ＜三＞､





　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j　　　　　奉天では児玉の居室に閉じこもり
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼　　　　　　　　満州の戦後経営を練っていたという
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　 なにげに凄い事だお
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　軍の最高幹部しか出入りできないような所に
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　一民間人が入りびたっていたなんて
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　( ア .　　　　児玉や山県がそれだけ彼のことを評価していた
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／　　　　 ということだろう
　　　　　　　　　|::|:::::|‐'￣ ＞　.　　＼
.　 　 　 　 　 ／|::|:::::|　　　　　　　＞‐≧:､
　　　　 　 　 |:　|::|:::::|　　 　 　 　 　 ／￣`ヽ、
　　　　 　 　 |i　|::|:::::|　　　　 i:. 　／　　　　　ﾄ､




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　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │ 満州　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └───┘
.._.
　 ｀"ﾞ";':':';':.,.,_　　　　　　　　　　 _...:;;:''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.;:.,..,;:;:;:,.,._,　...,,,..
　'"ﾞ''ﾞ"　　　　　　　　　　　　.,.,;:;゛:;:,.,.,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,......,,,,,;:;''"''':::..
.,;:　_...　　　　　　.....,,,,,;:;'''"'''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....,,_,,,...;:;::''""''''"
　　　　　 ,.,;:;:;:;:;'''""""""　　　　　　　　　　　　..,.,;:':';',,,..;:.;:;';:;';''""
　　.,;:,.'""　　　　,.,..,.;:';';':':':.':.:.　　　　　　　　　　　""'''''''::::;:;:;;,..,,.,.,　　　　　　　　　_,,...;:;:;;:'''""'''';:;;:,.,.,...
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　　　　.,,.,;:;:;:;;:'""''''''''''''''""""　　　　.,:;:.:;:';';';';';'''''''"""'''""""　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::;
　　　　　;:,.,.,.,....__....,,__,...._......__.._._..,...._,,,.._....,,___.._....,,__,....,_,..,,_....,,__,,,..::::;;;;;;,,,.....　　ヾy　　　　.......
,,,..,,.,.､､.,;:'''"""ヾｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　""'''''"'''" i:レ´..;,_..;;::..............__,
　　　　　､ 丶　}:l,/ー´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´￣｀i:|　_/‐'
　　　 　 ´￣＼|;{　　/ ,　　　　　　　　　　　　　　 ..　　　　　　　　　　　　　ｰ、　 {:レ'
　　 　 　 _;>ｰ=}i|ー'￣_ﾉ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ...　　　｀￣ヽ.}:|,.-'￣
　 　 　 ､＼ 　 |!l='ー<_　　　　　　　　　　　　　　　 . ...　　　　　　　　　　　 　 　 !:i|
　　　　 ￣｀ｰ=|:;{　 l　 ,_　　　　　　　　^　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´
　　　　　　　　}i!;|／￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　 　 　 　 |:;!il　　　　　　　　　.... ..　　　　　　　　　　　　 ／ヽ ＿ /ヽ
　　　　　＾　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　..:::'l ::.:　.:.::＼　　　　　＾　　　　..,,;:.,..
　　...,,..,;:..　　　　　　　　　r‐､　 　 　 　 　 　　　　　 　 　 '"'"''"'　￣ "''"''"
　　　　　　　　　　　　　　｀"""






　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　 ／　 　_ﾉ＼
　　　　　　 /　　　　 （一）　　　　　 満州の大地……
　　　 　 　 |　　　　　（__人）
　　　　　　 |　　　 　 　 　 ｌ　　　　　この山野は日本人二十三万の血肉を喰らった
.　　　 　 　 |　　　　　　 　|
.　　　　　　 ヽ　　　　　　ﾉ　　　　　 この山野は日本帝国三十億の借金を喰らった
　　　　　　　 ヽ　　　 　/
　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　|　　　　　|
　　　　　　 　 |. 　 　 　 |






　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　今後日本帝国はなんとしてでもこの要所を押さえ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　 満州の経営を成功させねばならぬ……
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　 　 　 　 |　,;:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　,;:　|　　　　||￣￣￣|￣￣￣||　　　,:;',　　　 　 |
　　　　　　〃　　　　 　 　 |　　　　||　 　 　 |　 　 　 ||　　　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　||　 　 　 |　 　 　 ||　　　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　||　 　 　 |　 　 　 ||　　　 　 　 ∠　 |
　　　　　　　　　#; 　 　 　 ﾄ┐　　.||＿＿＿|＿＿＿||,':　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　 　／ |.|＿＿__.,＿＿_＿__＿＿__＿＿、 　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 ／ ,ノ'⌒)　 ／:　.　:　.　:　.　:　.　:　／: !_.l￣;;|＿|
　　　　 ,;:' 　　　　　 |.l／ゞ__ノ_／:　.　:　.　:　.　:　.　:　／ ／」 .l＿;;|／
　　　　　　　　　　　 |.|´ ￣￣ l''''-- 　 -　--- - ー 「| ,r'ﾞ　 　 　／
　　　　　　　　　　／|」￣￣￣'-''～～―-ー～ー～|」´　　　 ／
　　　　　 ／￣￣／|　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／
　　　　／＿＿／／|　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／
　　　 |＿＿＿|／／　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／
　　　 |＿＿＿|／　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／
　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／

　　　　　　　　　　 ┌──────┐
　　　　　　　　　　 │児玉の居室　 │
　　　　　　　　　　 └──────┘







　　　　　　　　　　　　　 　 　 :::::::::::::::::::::::::::::／　　ヽ、
　　　　　　　　 　 　 　 　 :::::::::::::＿＿:::::::／　　　　 　ヽ、
　 　 　 　 　 　 　 　 :::::::::::::::／　　　ゝ- ヽ 　　　　　　 　ヽ、
　　　　　　　 　 　 ::::::::::::::::/　　ノ::::::::::（ー）＼　　　　　　　 〉
　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::　 ´（ ノ ） 　 　 ,_）　、　　 　 ／　　　　　ZZZ……
　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::,ヽ/＼｀　　（＿,ｲﾉ. 　 ＼　／
　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::／　 ＼ :＼　 ◇ー´ノ.　　　,-　､ｒｰ　、
　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::/　　　　 ＼/　　　　　　　 　 ｌ　 /
　　　 :::::::::::::::::::::::::::::..　　　　 　 　 ＼　　　　　　　ノ　ノ
　　　　 :::::::::::::::::::::::::::ヽ、 　 　 　 　 , ＞－　　　　　ｒ'
　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::ヽ、　　 　 　／:::::|　　／⌒´
　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::.....　　.....:::::::::ｒ゛￣´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　起きろ杉山 　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＿＿／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 :::::::::::::::::::::::::::::／　　ヽ、
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　 　 　 　 　 　 　 　 :::::::::::::::／　　　ゝ- ヽ 　　　　　　 　ヽ、
　　　　　　　 　 　 ::::::::::::::::/　　ノ::::::::::（●）＼　　　　　　　 〉
　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::　 ´（ ノ ） 　 　 ,_）　、　　 　 ／　　　　ん？
　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::,ヽ/＼｀　　（＿,ｲﾉ. 　 ＼　／
　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::／　 ＼ :＼　 ◇ー´ノ.　　　,-　､ｒｰ　、
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　　　 :::::::::::::::::::::::::::::..　　　　 　 　 ＼　　　　　　　ノ　ノ
　　　　 :::::::::::::::::::::::::::ヽ、 　 　 　 　 , ＞－　　　　　ｒ'
　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::ヽ、　　 　 　／:::::|　　／⌒´
　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::.....　　.....:::::::::ｒ゛￣´





＝‐　　　　　　　　　　　　　　　　　/´.- ー ﾉ
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／
　　　　　,　　　　, 　　　 :|　 、　　　　, - _ヽ..
.,　／　 /　　　/　　／　l !　 Ｙ :l　,　 ｀ --冫
./ ／ ｿ / ／ /.:/ /ソ　| .|　 | /　.| 　 _ノ´
./ ,=、／/　/／　∠ | .:l　| ! /|　,/　 ,ヽ.
.://_.ヽ/人|/l／ニ.、｀|:L | l./ | 丿| ﾉヾ|
::1r-、| /　　 ｀''｀´-｀ ノ /∠ 、ｌ/／ﾉ　`
::ﾍ｀ !　|　　　　　 　 　 ,ﾉ .ﾞ´-/
　l ｀-1　　　　　　　　　　! 　/
　! |/ ﾍ.　　　　　　　　 ‐´ , '
　ヽ　　:｀...、　　　 -ー　／　　　　　戦地では昼も夜も無い
. ￣ ｀ ＝- ｀ゝ、　 　 .　　　　　　　 眠たかろうが我慢して起きろや
　....::::::::::::::::://..,ヽ- ´
、:::::::::::::::::::.ｿ　/= _ ＿　,
:::::＼ _:::::::::ﾍ /::::: :: ::::://

　　　　　　　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　 　　 　 /　　　　　 　＼
　 　　 　 　 　　 |ノ　　ヽ､_　　　|
　　　　　　　 　 （-‐）（‐- ） 　　 |
　　　　　　　　　 |(人__）　　 　　.|
　　 　 　 　 　 　 | ⌒ ´ 　 　　　|　　　　 児玉さん……
　　 　 　 　 　 　 ヽ　 　　　　 　/　　　　 ふあ～あ　どうなされました？
.　　　　　　　 　 　 ヽ　　　　 　/
.　　　　　 　 　 　 　 ＞　　 　く
　　　　　　　　　　 / l　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　/ /l　　　　　丶 .l
　　　　　　　　　 / / l　　　　　　}　l
　　　　 ／￣ｰユ¨‐‐- ､_　　 　 l　!
　　 _／　　　　　｀ ヽ__　　`- 　,し´
　／　　　　ヽ　　　　　　　　 ｀ヽー






＝‐　　　　　　　　　　　　　　　　　/´.- ー ﾉ
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／
　　　　　,　　　　, 　　　 :|　 、　　　　, - _ヽ..
.,　／　 /　　　/　　／　l !　 Ｙ :l　,　 ｀ --冫
./ ／ ｿ / ／ /.:/ /ソ　| .|　 | /　.| 　 _ノ´
./ ,=、／/　/／　∠ | .:l　| ! /|　,/　 ,ヽ.
.://_.ヽ/人|/l／ニ.、｀|:L | l./ | 丿| ﾉヾ|
::1r-、| /　　 ｀''｀´-｀ ノ /∠ 、ｌ/／ﾉ　`
::ﾍ｀ !　|　　　　　 　 　 ,ﾉ .ﾞ´-/
　l ｀-1　　　　　　　　　　! 　/
　! |/ ﾍ.　　　　　　　　 ‐´ , '
　ヽ　　:｀...、　　　 -ー　／　　　　　お前に渡しておきたいものがある
. ￣ ｀ ＝- ｀ゝ、　 　 .
　....::::::::::::::::://..,ヽ- ´
、:::::::::::::::::::.ｿ　/= _ ＿　,
:::::＼ _:::::::::ﾍ /::::: :: ::::://

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　　Z二二二二ﾍヽ
　　 〉─────〉
　　/ ＿＿＿＿　〈ヽ
　 /　　　　　　　　| i |
　 |　　　　　　 　　| i |
　 |　　　　　　 　　| i |
　 |　　　　　　 　　| i |
　 |　　　　　　 　　| i |　－３　ドサッ
　 ヽ─────'-ｰ'
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　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　 ほう　これは？
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /




　　　　　　 /| .Ｎ　'　　 　 　 　 　 　 ,_≦＜⌒
　　　 　 　 | ∨　 　 　 　 ,､ ,､ ､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ　　　　　この袋には日本軍が占領した南満州の鉄道の用地
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　 　 _,〉 　.|　　　　　　それとその明細書が入っている
　　　 　 　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ
　　　　　　　 厶イゞｲ≧ヽ 　　　 　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　 ヽ,,_ _
　　　　　　　　　　　 ／ｲ:::ﾚ:ﾍ　 : : : : 'ーｧﾌ::::/ｲ　　　　　／｀ー-ミ、





.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/　　　　　　 これをお前に託す　満州における鉄道運用について
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ　　　　　　　なにかお前の意見をまとめておいてくれ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､
　　　　 　 ,...:'´:::::::::::::::::::＼＼:::::l.!.　　　' .ヽ::::〃ヽ　　　　ヽ

＝‐　　　　　　　　　　　　　　　　　/´.- ー ﾉ
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／
　　　　　,　　　　, 　　　 :|　 、　　　　, - _ヽ..
.,　／　 /　　　/　　／　l !　 Ｙ :l　,　 ｀ --冫
./ ／ ｿ / ／ /.:/ /ソ　| .|　 | /　.| 　 _ノ´
./ ,=、／/　/／　∠ | .:l　| ! /|　,/　 ,ヽ.
.://_.ヽ/人|/l／ニ.、｀|:L | l./ | 丿| ﾉヾ|
::1r-、| /　　 ｀''｀´-｀ ノ /∠ 、ｌ/／ﾉ　`
::ﾍ｀ !　|　　　　　 　 　 ,ﾉ .ﾞ´-/
　l ｀-1　　　　　　　　　　! 　/
　! |/ ﾍ.　　　　　　　　 ‐´ , '　　　　　満州を押さえ、支那と露西亜に睨みをきかせるには
　ヽ　　:｀...、　　　 -ー　／　　　　　　鉄道は必要不可欠だ
. ￣ ｀ ＝- ｀ゝ、　 　 .
　....::::::::::::::::://..,ヽ- ´　　　　　　　　　お前はもう一両日中に山県のオヤジと帰るのだろう？
、:::::::::::::::::::.ｿ　/= _ ＿　,　　　　　　　人目に付きにくい今のうちに渡しておこうと思ってな
:::::＼ _:::::::::ﾍ /::::: :: ::::://




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　 委細承知いたしました
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉　　　　　　ただ　一つだけ言っておく事があります
　　 　,-/　　　 __人〉
　 　/ ./. 　 /　 　 ＼
　 　| / 　 /　 　 　i　＼
　 　|"　 / 　 　 　 | >　 )
　　 ヽ／　　　　　 とヽ /
　　 　|　　　　　 　そ ﾉ



.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/　　　　　　　 なんだ　遠慮せずに言ってくれ
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　　　今回の戦争の勝利というものは
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　日本国民が始終緊張を続けていたから勝てたのです
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣



　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　 故に今回の事業は、これまでの様に官だけでなく
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　 国民を引き入れての事業でなければなりませぬ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　この鉄道の事業ばかりでなく
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　　 何事にもそうでなければならぬ事を
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/　　　　閣下は御承知にならねばなりません
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|



.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣　　　　　 それは尤もだが……
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/　　　　　　　　 今は軍人も文官も戦勝にわいて鼻息が荒い
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ　　　　　　　　　 何事でも自分の権力のうちに収めたい
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_　　　　　　　　 と思っている
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､

＝‐　　　　　　　　　　　　　　　　　/´.- ー ﾉ
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／
　　　　　,　　　　, 　　　 :|　 、　　　　, - _ヽ..
.,　／　 /　　　/　　／　l !　 Ｙ :l　,　 ｀ --冫
./ ／ ｿ / ／ /.:/ /ソ　| .|　 | /　.| 　 _ノ´
./ ,=、／/　/／　∠ | .:l　| ! /|　,/　 ,ヽ.
.://_.ヽ/人|/l／ニ.、｀|:L | l./ | 丿| ﾉヾ|
::1r-、| /　　 ｀''｀´-｀ ノ /∠ 、ｌ/／ﾉ　`
::ﾍ｀ !　|　　　　　 　 　 ,ﾉ .ﾞ´-/
　l ｀-1　　　　　　　　　　! 　/　　　　　　そんな時に官民一体策を出せば
　! |/ ﾍ.　　　　　　　　 ‐´ , '　　　　　　 苦情百出　とても纏まらんだろう
　ヽ　　:｀...、　　　 -ー　／
. ￣ ｀ ＝- ｀ゝ、　 　 .　　　　　　　　　　俺はお前一人にこの書類を託す
　....::::::::::::::::://..,ヽ- ´
、:::::::::::::::::::.ｿ　/= _ ＿　,　　　　　　　　 くれぐれも他に漏れることの無い様にな
:::::＼ _:::::::::ﾍ /::::: :: ::::://




　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　 これを児玉さんから受け取った事は
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　 決して誰にも言いませぬ
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・


　　　　　　　　　　　 　 　 .　　-----　　.
　　　　　　　　　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼
　　　　　　　　　　　, ::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::V: :ヽ.
　 　 　 　 　 　 　 / :::/:://: :/!! :::::|:||:|::::Vﾊ:::::::ﾊ
　　　　　　　　　　|::::/::::|:|::::|| ||:::::::|:||:|:::::|::::|／:::|
　　　　　　　　　　|::::||::::|:|::::|| ||:::::::|:||:|:::::|::::|∨:::|
　　　　　　　　　　V::|≧＝=-､ 　　 ''"´￣￣ ｝:::|
　　　　　　　　　　 }-l'　／ ／ﾞY´　　イﾃ〒ｱ|彡|　　　日露戦争での勝利で日本は
　　　　 　 　 　 　 {ﾍ|Y::／　　ﾉ　　　弋:ソ' /|ﾊ}　　　 東清鉄道（ハルビン-旅順）の利権を手に入れる
　　　　　　　　　　 ゝ|ﾊｰ一　　　,　　　　　 '.ﾞ|ノ
.　　　　　 　 　 　 　 |. ﾍ　　 　 _　__　　　/l　|
.　　　　　　　 　 　 　 　 丶　　　 　 　 ／ :|
　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　.__. イ!::::::::|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |｀ヽ.　／ | ::::: |
　 　 　 　 　 　 　 　 .　＜／ヽ ｣/　／ヽ.＞　.
　　　　 　 　 　 r＜＞　´　　　|.o　　　　　｀　＜＞┐
　　　　 　 　 　 |　ｉ　　　　 　 /　　　　　　　　　　／ﾊ
　　　　 　 　 　 |　|/ 　　　　/　 　 　 　 　 　 i／　/∧



　 　 　 　 　 　 　 . 　----　 .
　　　　　　　 　 ´:::::::::::::::::::::::::::::`丶、
　　　　　 ／ : :::::::::::::::::ｉ:ｉＶ::ﾍ::､::::::::::＼
.　 　 　 /:::: / : :ｉ::::::::::::|:|::∨:ﾊ:ﾍ::二ニﾍ
　　　　/:::: //:::::|::::::::::::|:|::::| ::::|:::∨ｰ=ﾆﾊ
　　 　 |:::::::|:|:::::::|::::::::::::|:|::::| ::::|:::::|ヾ:≧=:|
　　 　 |:::::::|:|:::::::|:::::::;::::ｌ:ｌ.斗-┼‐' ゞ:::: : :|
　　 　 | :::＞―　.／　 '´,ｨﾁ乞了　｝::＿/
　 　 　 　 ∨ /　 ﾍ 　 　 V ツ 　 / ,ﾊ. ﾊ　　　　　これが後の南満州鉄道になるわけだ
.　 　 　 　 {∨　　 ﾉ　　　　　　　 { ﾉノ/:::|
　　　　　 ∧ﾊｰ　　 '　　　 　 　 　 _,ノ::::::|
　　　　　 {.　人　　 　- 　'　　　 .ｲ | : ::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　'| 　 !::::::::::|
　 　 　 　 　 　 　 　 ＞‐＜.＿｣|　 | : ::::::|
　　　　 　 　 　 　 　 |｀Y´　 　 ﾉヽ !::::::::::|
.　　 　 　 　 .　＜＞ ヽ.|　　／ 　 '＜＞ :!
　 　 　 r＜＞　´　 　 /ｏ　　 　 　 　 ｀ ＜＞‐┐
　 　 　 |ﾍ 　 /　　　 /　　　　　　　　　　　　　 ハ

　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !　　 堀内中将はこの頃の茂丸についてこう述べている
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´

┌──────────────────────────┐
│関東州に軍政を布いてあそこを租借して　　　　　　　　　　　　　  │
│日本的な自治をやったのも、満州経営の計画を立てたのも　  │
│皆杉山君の建策で、これ一つでも実に偉いものです。　　　　　   │
└──────────────────────────┘









　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}　　　　　ちなみに児玉の副官だった
　　 　 ヽ∧/￣ ＿＿＿_　　/ﾍ　　　　　 田中義一と知り合ったのもこの時で
　　　 　 j　＼　‘、 　 .ノ　, ':|　j　　　　　 彼と大いに議論し、意気投合したそうだ
　　　 　 　 　 ＞,.こ__,,. ィi ::::|
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /
　　　　ヽ- i' "´ | o　　 ｀ﾞ" ''i‐‐´




　　田中義一
┌─────────────────┐
│日本の陸軍軍人、政治家　長州出身　　  │
│後の内閣総理大臣　　　　　　　　　　　　   │
└─────────────────┘

┌──────────────────┐
│かくして日露戦争は日本の勝利におわる　   │
└──────────────────┘



ﾊﾞﾝｻﾞｲ　　ﾊﾞﾝｻﾞｲ　　　　　　　　ﾔｯﾀｰ　　ｵﾒﾃﾞﾄｰ
　　 ∧＿∧　∧＿∧　 ∧＿∧　　∧＿∧
　(＾（,, ´∀｀）)　・∀・）(ヽ　　　 ）')(（・∀・ /')
　　ヽ　　　 /ヽ　　　 ﾉ ヽ　　　 ﾉ　 ﾉ　 　ノ
　 　ﾉ　 ｒ　ヽ /　　　 |　/　　Ｏ |　（　-､　ヽ
　 （＿,ハ＿,）,_,/´i,_,ﾉ （,_,/´i,_,ﾉ　 し'　ヽ,_,）



┌───────────────────────┐
│茂丸の指摘したとおり、米国大統領ルーズベルトが　　   │
│仲介を申し出て講和を斡旋　　　　　　　　　　　　　　　　  │
└───────────────────────┘

　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　 ／　　　　|　　　　　 |
　　　　 　 　 　 　 　 '　　　　 　 |　　　　　 |
　　　　　　　　　　 / 　 　 __ 　　| ＼　　 / !
　　　　　　　　 　 .'　　 〃　l| 　 | rｪｪ　rｪｪ|
　　　　　　　　　　|　　 { 　　| 　 |　　　li 　 |　　　　　　　　　仲介しマース
　　　　　　　　　　l　　 ヽ.　 j　　|　　 .」　　|
　　 　 　 　 　 　 ‘. 　 　 ｀¨　　 !　マニア |　　　　　　　　　ポーツマスへれっつらごー
　　　　　　　　　　 ‘ .　　　　　　|　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　`ー┐　　 |　　　　　 |　 　 　 ｎｎ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　|　　　　　 |　　 　/) { {Y
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　|　　　　　 |　　 　{ { { { {
　　　　　　　　 　 　 　 , く￣￣￣￣/￣ﾏ入　　 ∩ ⌒ }
　　　　　 　 　 　 　 , くﾆﾆ＼＿＿_∧＿∧/入　 { ヽ. 　}
　　　　　　　　　　∠二＼ﾆﾆ＼　　 /　 ∨/ﾆﾆ＼`ﾄ 　ｲ

　　　　　　　　ルーズベルト 大統領
┌─────────────────┐
│1905年　ポーツマス条約が調印された　  │
└─────────────────┘






　　　　　　ポーツマス条約
┌──────────────────────────┐
│日本の朝鮮半島に於ける優越権　　　　　　　　　　　　　　　　　   │
│南樺太の割譲　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　   │
│東清鉄道の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を譲渡　　 │
│沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────┘

┌──────────────────────┐
│ロシアから日本への賠償金を放棄した　　　　　　　　 │
│この条約に対し、国民の間では不満の声が上がる　   │
└──────────────────────┘



　　　　　_,､----,r ''''' ヽ,--､　　　　　　　）､＿ノi､__ノi_,ｨ
　　　 ,／:::::::::／:::::::::::r;;;;;::::::＼　　　　､-'　　　　　　　　しi
　　　/:::::::::::/::::::::::;ﾊﾄ! 、 ヾ;:::::`､　　　 ） ‐|‐　　|　‐|‐ 　 フ
　　 ,':::::::::ﾉ:|ﾙiｲﾚ',r‐‐'" `i‐ﾐ:::j`!　　､-'　ﾑﾅj　　し○‐　 (
　　 l::ﾉ:ィくﾉ::ﾉ　　(　｡i,ﾉ 〔 ｡i{/　　　 ヽ　　　十,　 __l__　　＞
　 _ﾉ:::::::|た|::|　 u `'''' r_　>'ﾞi!､　　　　ﾉ　　(ﾆ|7）　 _|_/　 (　　　　 日本は戦勝国なのに
＿ ﾌ:::::::ﾞこj::i| U　r───っ<　　　 '‐､　ﾆ|ﾆ 　 （_,ﾚ' ） 　＞　　　賠償金がないとかおかしいだろ！
::::::￣／/くノﾘ　　.| |￣￣:|ｌ/─ ､　　　ﾉ (_ﾚ' ）　r‐､ 　 　 (
::::::::::/　l 　/ i　　 | |‐ ､ ､|l!:::::::::::i　　／‐,　　　|　 r'　　 r‐`　　　 帝国軍は連戦連勝したはずなのに
::::::::;'　 l　/　 `'‐､ | !　 ) ),}:::::::::::!　　　／‐,　　･　・　　r'ヽ　　　　 なんだこの内容は！
:::::::i　　l､　　　　 ヽヽ`二ノ:::::::::/　　　　　/⌒Y⌒Y⌒ヽ
::::::i　／＼　　/‐'7`'─‐':::::::::::/





:　:: :::: ::::: ::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　 : : ::: :::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 　　: : : :: ::: :::::::::::::::::::::: Λ＿Λ . . . .: : : ::: : ::　　　　　　　　　日本の勝利の為に増税しといて
　 　　　　: : : ::　:::::::　:: :/:彡ミ゛ヽ;）ー､　. . .: : :　　　　　　　　　　こんなの酷すぎる
　 　　∧ ＿∧::::::::::::::::/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i 　 　　∧ ＿∧
::::::::/⌒￣⌒ヽ）'ヽ::::::/ :::/;;:　　ヽ　ヽ ::ｌ::::::::/⌒￣⌒ヽ）'ヽ:　　　賠償金でようやく生活が
￣/;;;;;;;;;:: 　 ::::ヽ;; |::::（_,ノ ￣￣￣ヽ､_ノ￣/;;;;;;;;;:: 　 ::::ヽ;; |　　　 楽になると思ってたのに……
::::::|;;;;;;;;;::　　ﾉヽ__ノ: : :::::::: :: :: : ::::::::::::::::::::::|;;;;;;;;;::　　ﾉヽ__ノ
￣l;;;;;;:::　　/:::￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l;;;;;;:::　　/

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.斗*-=ﾆﾆ=ミ*､ 　 /
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｘ≦　.／／　　　　 　 ＼{ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 〃〃／／／イ_／ / 　 　 V}⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 .′ : : : : : 　___　 乂八　　　八　　　　　 息子はこんな条約の為に死んだのか……
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /_,.斗 : : : 〃＾⌒ヽ　 xく　.／　}I}　　 }　　ふざけるな！
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／.′ } : : : :x*=-　　　　 .∨／⌒}____ノ　　__
　　　　　　　　　 　 　 　 {: :(”㍉; : : : :〈´　　　ヽ　　 .}{ (う 〈_,.斗*''”ﾆﾆﾆﾆ=‐
　　　　　　　　　 　 　 　 { : :j⌒ヽ : : : :j}x≦=　 ﾆ 　 }{　}__　}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐
　　　 　 　 　 　 　 　 　 乂 :kzzｧ〉:／ヽく⌒＾　　　　.}{ : : r彡ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐
　　 　 　 　 　 r‐､　 　 　 ﾘ}´〃 {;　　　 `ｰ　　　 　 .ﾙ : : ∨ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐
　　　　　 　 　 }　 }　　　　 ( : : : ﾊ　　.〃> : ⌒ヽ／ : : : : : 〉ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐
　　　　　　　　 ) .〈　　　　　≧=-く＼_／_,,xrｧｱ;;}〉 : : : : ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　 　 　 　 　 {　 .}　　　　　{ : : /ゝz≦,.斗*'′ }}. : : ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　　　　　　　 )　 }_ 　 　 　 ＼.′ : : : :/ 　 　 　 r≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐
　　 　 ／＾Y⌒{　〃⌒>㍉ . 　 { : : : : : {　　　　　ﾉﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　　 乂__ .Ⅵi.}　}　 〃　∧　 .乂 : : : ::{__,,,..　イﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　　　　　Ⅵi:i:}　}　　　ノ_/　　　　￣　アﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　　 　 　 .Ⅵi:}　　　　　〉　　　　　　／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　 　 　 　 　 Ⅵ}　　　　く_,.斗*==ﾆ三ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　　　　　　　＼　　　　　ヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-





┌─────────────────────┐
│講和反対運動は言論攻撃から集会、デモへと　　   │
│組織化、過激化する　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
└─────────────────────┘



　|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　　　　　ｻﾞｯ
　|　講和反対！ 　 |￣￣￣￣￣￣￣|
　|＿＿|￣￣￣￣￣￣￣|.講和反対.│　
.　.　.∧|政府は反省汁！|_＿＿＿.|￣￣￣￣￣￣￣|　　　　　ｻﾞｯ
.　.　( ﾟ |＿＿＿＿＿＿＿|　|| . . 　 |　講和反対！ 　 |
　　/　づΦ∧∧ ||　　( ﾟдﾟ)|| 　 . . |＿＿＿＿＿＿＿|ｻﾞｯ
..　 　 　 　 ( ﾟдﾟ)||　　/　づΦ　　　　　∧∧.||
￣￣￣|　 /　づΦ　ｻﾞｯ 　 　 　 　 　 .( ﾟдﾟ)||

┌────────────────┐
│やがて講和問題同志連合会が結成　  │
└────────────────┘


　　　　　　∧,,∧ 　.∧,,∧
　　∧∧(｀・ω・´)(｀・ω・´)∧∧
　 (｀・ω・´).∧∧) (∧∧(｀・ω・´)　　ぼくたち講和問題同志連合会！
　 ｜　Ｕ (｀・ω・´)(｀・ω・´) と ﾉ
　　 ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　 `ｕ-ｕ'　 `ｕ-u'



┌─────────────────────┐
│講和反対運動の先頭に立ち、世論を煽っていく　   │
└─────────────────────┘

　　　∧__∧
　　（ ｀・ω・）|||　　　　　　講和破棄！
　　（　　 　 　Ｏ　　　　　　ロシアには断固たる態度を！
　|￣￣￣￣￣￣￣|
　| 　 　 　　 　 　 　 |


　　　　＼そうだ！／　＼その通りだ！／
　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）　　　 （　　　　）　　　 （　　　　）

┌─────────────────────────┐
│9月5日同会主催で日比谷公園において国民大会が開催　   │
└─────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f¨ﾞ!
:┐　　　　　 　　　n /〉　　　　　　　　　　　　　　　<ヽ　　　　　　　　　　/^〉'
　!　　　　　　　　　}”/　　　　　　　　　　　　　　,､　 <｀ヽ　　　　　　　 ./:::/.,､
⌒!ｨ　　　　　　　 f¨ﾟ{　　　　　　　　　　　　　<´ 'ヽ　Vハ 　 |ヽ　Y¨!　|::::}ｲ { , -ー ､　　_ /¨>　 r-‐,､ <⌒!
::〈人_r-ｰ- ､_r＜}|　＞::::￣:｀ヽ__, - ､__r ､r=¨>‐-!　/:::::}＿_Vﾍ　}:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くﾉ￣!　./;;;;;;;;;}_, ﾍ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVｲ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ＜!　V_::|　',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ　ゝx}:::::: |::::::/:.:/　 /　> ¨⌒ヽ:'.　　V¨¨ヒ{_. V==<:::::｀ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
＼f':!::::::::::::::::::lﾊ:.:ﾘ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./　＞ｲ::! :::: |:::::{Y/'　〈　/:::::::::::::::::}:' 　　V::::::::::{ .}　　.}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
　 ヾ!,､:::::::::__/_／　 ヽ::::::::::::::::/|ﾚVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ﾊ　　 V!::::::::::::::::::!:/　　./:::::::;:::Y　　/^!:::::::{:ﾄ､: |:.:.:|:./:::::
　　　　｀Yﾟ￣　 　 ＿/VﾚvｲW:::::｀ー-::＿_／:::::::::/:::::::|　ヽ　 ｀!:::::i:::::::::::|'　　 /:::::::/L_|　　￣⌒¨}＞ﾍ}:.:.:|”::::::::
、　　　　　　f´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|　　ヽ　.|:::::l::::i::::::|　　/:::::::::|　　＞-　._　　}} 　 |:.: |ヽ:::::::



┌────────────────────┐
│決起集会に集まった群衆はやがて暴徒と化し　   │
└────────────────────┘
..　　　　　　　　　　 ''';;';';;'';;;,.,
　　　　　　　　　　　　　''';;';'';';''';;'';;;,.,
　　　　　　　　　　　　　　;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　 vymyvwymyvymyvy、
　　　　　　ヽ(ﾟдﾟ)vヽ(ﾟдﾟ)yヽ(ﾟдﾟ)v(ﾟдﾟ)っ
　⊂( ﾟдﾟ )　と( ﾟдﾟ ) 〃ﾐ ( ﾟдﾟ )っ ( ﾟдﾟ )つ
　　 ゝηﾐ ( ﾟдﾟ )っ ﾐ）　⊂( ﾟдﾟ ) .(彡η ｒ
　　　 しu(彡η ｒ⊂( ﾟдﾟ ) .ゝ.η.ミ）　i_ﾉ┘
.　　　 　　 i_ﾉ┘　 ヽ　ηミ）しu
　　　　　　　　　　 （⌒） .|
　　　　　　　　　　　 三`Ｊ



┌────────────────────┐
│内務大臣官邸、国民新聞社、交番などを襲撃　 │
└────────────────────┘


　　　＼　　　　　　☆
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　☆
　　　　　　ｺﾉﾔﾛｰ　 ⌒ヽ　　　/　　　　ﾎﾞｶ
　　　　＼　　（´⌒　　⌒　　⌒ヾ　　　／
　　　　　 （'⌒　;　__,,__　⌒　::⌒　） 　　　　　ﾎﾞｶ
　　　　　（´　　( ´･ω･)　　　　　　:::　）　／
　　☆─　（´⌒;:　　　　::⌒`）　:;　　）
　　　　　（⌒::　　　::　　　(・ω・´) 　)　　::⌒　）
　　 　／　（　　　　　　　ゝ　　ヾ　　　　　　）　─

┌───────────┐
│東京は大いに混乱した　   │
└───────────┘

　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j　　　　　世に言う「日比谷焼打事件」だな
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´





　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}
　　 　 ヽ∧/￣　 　 　 　 　 /ﾍ
　　　 　 j　＼.　 ―‐‐- 　,. '|　j　　　　 この集会の届出は黒龍会会員高田三六の
　　　 　 　 　 ＞,　___,,. ィi ::::|　　　　　 名で出されていた
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /




　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　 黒龍会？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　( ア .
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／　　　　　　黒龍会は明治34年1月に設立された
　　　　　　　　　|::|:::::|‐'￣ ＞　.　　＼　　　　　　　　　 　国家主義団体だ
.　 　 　 　 　 ／|::|:::::|　　　　　　　＞‐≧:､
　　　　 　 　 |:　|::|:::::|　　 　 　 　 　 ／￣`ヽ、
　　　　 　 　 |i　|::|:::::|　　　　 i:. 　／　　　　　ﾄ､
.　　　　　　 /!ﾍ.|::|:::/ 　 　 　:|:: /　 /　　　　 |｜
.　　　　　／|:.:.:.:|::l:/　　 　 　 |i/　 /　　　 　 :./＼





　　　　　　　 　 　 　 　 .　-――-　.
　　　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　.:::::;ｨ::::;:::;::::::::::::::::::ﾍ: : ﾍ
.　　　　 　 　 　 /:::://::/ /|:::::|:||:::::|Ｖﾊ:::::ﾊ
　　　　　　　 　 | ::/ |: :| :|::|:::::|:||:::::|::l: :|Ｖ:::l
　　　　　　　 　 | :{　∟L｣::|:::::|:||,.斗:ﾋナ|:: |
　　　　　　　　　ＶY／:::／Y´ 　 ィﾁ〒ｱ｝:/
　　　　 　 　 　 {ﾍ|!:::／　ノ　 　 弋ソ ' 小　　　　　　黒龍会の中心人物の一人に
　　　　　　　　　ゝ|:.｀￣　 　 ,　　　　　/.|/　　　　　　初代玄洋社社長平岡浩太郎の甥
.　　　　　 　 　 　 | ﾍ. 　 　 _　__　 　 /ｰ|　　　　　　　内田良平がいた
　　　　　　　　　　 　 ｀　.　 　 　 　.ィ::|
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ＞-＜l:::::l:::|
　　　　　　　 　 　 　 __/´￣|:./￣};;;L:|
　 　 　 　 　 , ＜三＞ ｀ヽ　|.′ノ 　 ＜三＞､
.　　　 　 　 / |　,　 　 　 　 ｢o　　 　 　 　 　 ∧




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　 　　＿＿＿_
　　　　　／- ､ ! ,. -＼
　　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　　／ ヾﾆ･ﾆハ ハﾆ･ﾆﾌ ＼
　　| 　　　 ／　| |　＼　　　 |
　　＼ 　　　ィﾆニﾆｭ　 　／
　　,--ゝヘヽ、___ ーーノﾞ-､.
　/　　|　';　ゝ_____ ノ. |ヽ　　i
　l　　 |. 　ヽ/ﾞ（__)＼/|　i. 　|
　|　 　|　 　ヽ. ハ..ノ　|　|　｜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
──内田良平────────────
　福岡出身の国家主義者　黒龍会主幹
　平岡浩太郎の甥
──────────────────

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .　 ---- 　.
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::ニ＝=- ．::::::::::: ﾍ
　　　　　　　　 　 　 　 /!:::::::::::::::::::::::::::Y:｀ヽ::::::ﾊ
.　　　　　　　 　 　 　 /|:|::ニ=-- : :::;:;:;'|:::::::|:ヽ ::|
　　　　　　　　　　　　 ||:|:::::::::／::::;';';';';'|:::::::|;';:::: |
　　　 　 　 　 　 　 　 　 {｀ヽ:::::;';';';';';';'/:::::: |';';';';′　 開戦前、玄洋社や黒龍会は
　　　　　　　　　　 　 　 λ ∧;';';';';';';/::::::::/;';' /　　　ロシアに対する強硬外交を主張する
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜Y　∨; ;' /::::::::/;';／　　　　国民同盟会の一員として世論をリードしてきた
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶.　ゞ/::::::::/／　　　　　 いわば対露強硬派だった
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 У:::::::/'￢
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／;:;:;:;∠二⊥､
　　　　　　　　　　　　　　 ∠ﾆ=‐　 　`''´　 ≧x ､
　　　　　　　　　　　r‐＜＞'"　　　　　 　 　 　 ｀ヾi-､
　　　　　　　　　　　|　　 ＼　　　　　　 　 　 　 　 i|; ﾊ_
　　　　　　　　　　　|　　　　ヽi　　 　 i　　　　　　 //　ハ､
　　　　　　　　　　　|　　　　 /　　　 /　　　　 　 //／　　 ＼

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧,, ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (`・ω・´)　　　　　今日の戦機を逸しては露人は遂に
　　　 　　　　　　　　　　　　 　 　 Ｕ θ Ｕ　　　　　　東洋を略奪する！
　　　　 　　　　　　　　　　　 ／￣￣Ⅰ￣￣＼
　　　　　 　　　　　　　　　　|二二二二二二二|　　　利害を察すれば露国打たざるべからず！
　　　　　　　　　　　　　　 　｜　　黒龍会. 　 ｜


　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧　　　　 ∧＿∧
　（　　　　）　　 （　　　　）　　　　（　　　　）　　　 （　　　　）　　　 （　　　　）　　　 （　　　　）
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}
　　 　 ヽ∧/￣　 　 　 　 　 /ﾍ　　　　 そして日露戦争においては会員の
　　　 　 j　＼.　 ―‐‐- 　,. '|　j　　　　 従軍通訳、あるいは特殊任務を帯びた
　　　 　 　 　 ＞,　___,,. ィi ::::|　　　　　　軍属としての送り出しに積極的だった
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　ああ前回でた満州義軍がそうかお
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／/　∩ノ ⊃　>>232
(　 ＼　／ ＿ノ　 　 ＼／ ＿ノ
.＼　“　　／　　.　＼　“　　／
　　＼ ／　　　　　　/＼／
　　　 ＼　　　　　　　＼




　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　ふーむ　対露強硬派にして、実際戦地を駆け巡った
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　 黒龍会が講和条約を不十分なものとみなして
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　反対するのも無理ないのかもしれないお
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕　　　　　 いや　内田良平はロシア徹底抗戦に
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V　　　　　　賛成していたというわけではない
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j　　　　　　　明治38年6月に伊藤博文へ出した『和局私案』
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼　　　　　　　　　　 では行き過ぎた強硬論を否定している
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　……我戦勝の余威を以って、強く要望せば、其他に於いても
　猶ほ且つ譲与せしめ得らるるとするも、禍難を外牆に孕ましめ、
　且つ経営に巨大の国費を浪費し……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　( ア .
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／
　　　　　　　　　|::|:::::|‐'￣ ＞　.　　＼　　　　　　　　　　 さらに同年８月には官邸で伊藤博文と桂太郎に
.　 　 　 　 　 ／|::|:::::|　　　　　　　＞‐≧:､　　　　　　　　以下のような意見陳述をしている
　　　　 　 　 |:　|::|:::::|　　 　 　 　 　 ／￣`ヽ、
　　　　 　 　 |i　|::|:::::|　　　　 i:. 　／　　　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・



　　　　 　　＿＿＿_
　　　　　／- ､ ! ,. -＼
　　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　　／ ヾﾆ･ﾆハ ハﾆ･ﾆﾌ ＼
　　| 　　　 ／　| |　＼　　　 |
　　＼ 　　　ィﾆニﾆｭ　 　／　　　　　 戦は六分の勝ちを以って全勝とすべし
　　,--ゝヘヽ、___ ーーノﾞ-､.　　　　　とは武田信玄の名言。
　/　　|　';　ゝ_____ ノ. |ヽ　　i
　l　　 |. 　ヽ/ﾞ（__)＼/|　i. 　|
　|　 　|　 　ヽ. ハ..ノ　|　|　｜





.　　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　／- ､ ! ,. .／｀i
　　　　　　 ／ヘ二_爪_/　　ﾘヽ
　　　　　／ ヾﾆ･ﾆハ /|　　/ﾌ ＼
　　　　 .| 　　　 ／　| | |ﾘ　 ﾋ　　 |
　　　　　＼　　　ィﾆ／/　　,｀弋ヽ　　　　　征露の戦最早六分以上の勝ちを収めた
　　　＿＿ ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ　　　　これ以上の戦争は国力が先に尽きる
　 ／ :　　: :介〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖヽ
　 | : : : : ::〈　｢｀ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//:|
　 | : : : : : /: |　{::::}　ﾌ-､｀ｰ┴‐- │
　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|

　　 　 　　 ＿＿＿_
　　　　　／- ､ ! ,. -＼
　　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　　／ ヾﾆ･ﾆハ ハﾆ･ﾆﾌ ＼
　 | 　　　 ／　| |　＼ 　 　 |　　 　 　 /)/）／）　　　　　たとえロシアを倒しえたとしても
　　＼ 　　　ィﾆニﾆｭ　 　／　　　 　「//／／　　　　　 その後、英、米、独等列強が支那に殺到し
　　,--ゝヘヽ、___ ーーノﾞ⌒￣￣'￣ヽ 　（___　　　　　　前門の狼を防いで後門の虎に喰われる愚を招く
　/　　/|';　ゝ_____ ノ. |ヽ 　 i_＿＿､_/_,ノ--ｰ'
　l　　|. |. ヽ/ﾞ（__)＼/|　i. 　|
　| 　 |. | 　ヽ. ハ..ノ　|　|　｜




　　　　　 ＿＿＿_
　　 　 ／- ､ ! ,. -＼
　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　／ ヾﾆ･/))／´二⊃　＼
　| 　　　/ ／　 '‐､ﾆ⊃　 |
　＼　　ｌ　　　　´ヽ〉　 ／
''"::l:::::::/　　　 __人〉ノﾞ
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　　　　 故に講和は今日を以って好時期なりとすべし
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|

　　 　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　 ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　 　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　 　 　 　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ　　　　　　 なるほど　君の意見はよく分かった
　　　　　　ﾐi　 　 /　　　　　　　　　　 ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　 　 　 ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　 ﾐミ}ノ／ミ　　　　　　　でだ、君に一つ頼みたい事がある
　　　　　　 圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　 ﾍ　¨`￣ ￣｀　　 　 　 　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　 从辷彡’

　　　　　　　　　伊藤博文




　　　　　 ＿＿＿_
　　 　 ／- ､ ! ,. -＼
　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　／ ヾﾆ･/))／´二⊃　＼
　| 　　　/ ／　 '‐､ﾆ⊃　 |
　＼　　ｌ　　　　´ヽ〉　 ／
''"::l:::::::/　　　 __人〉ノﾞ
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　　　　用件を聞こう……
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|





┌────────────────────┐
│　　その後内田は伊藤から金一封を受け取り　  │
│　　伊藤らの依頼に応じて東北地方へ遊説　     │
└────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　 　　／　- ､ ! ,.＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　ヘ二_爪_二＼
　　　　　　　　　　　　　　 ／ ヾﾆ･ﾆハ ハﾆ･ﾆﾌ＼
　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　　／　| |　＼　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　　 　ィﾆ二ﾆｭ　　／
　　　　　　　　　　　　　　 　 >　　＿＿＿＿　 く
　　　　　　　　　　　　　　　/ ∠_ヽ.,卍　卍/　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿＿ゝ⊃＿/　 ∥　|
　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￥´｀丿￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣　　√∧　　　 .＼

┌─────────────┐
│講和気運を説いてまわった　　 │
└─────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・


　　　　　　　　　　.　-‐……‐- 　.
　　　　　　 ,. ::::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶.
.　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::: ｰ‐==ニ二ﾆ=‐::ﾍ
.　　　 /:/:/ :!:::|　,.．-――――‐- ．.,::::::〉､
　　　/:/:/i::::|::ｉ|´ :::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＞Y:::::::ｉ
　 　 |::||:|::|:: |::ｌ|＼::::::::::::::::::::::::::::;:;';（__,.ｲ::::::::|
　 　 |::||:|::|::::!斗 　ゞ;ｧ‐､ ::::::;:;:';';';';';';';';'| :::::::|
　 　 |::||:k／,ｨiヒ!´ / ﾊ　! ; ';';';';';';';';';';';'| :::::::|
　　 　 ￣｀ﾊ弋ﾉ　 |　Y ﾉ;';';';';';';';';';';';';';'| :::::::|
　　　 　 　 ﾉ　　　｜　∧; ';';';';';';';';';';／| :::::::|　　　　政府の依頼に応じてロシアとの講和の為に
　　　　　 く　　　　　　 　 ヽ､';';';';';／　｜: ::::|　　　　世論の下地作りに協力したわけだ
　　　　　　 ＼- '　　　　 　 　 ｀Y｀ヽ　｜: ::::|
　　　　　　　　＼　 . へ.　 '"´￣￣|.　｜: ::::|
　　　　　　　　　 ｀　　|＿,　-――┴‐┤: ::::ﾄ､
.　　　　 　 　 　 . -=ﾆ＞　　　　　　　　| :::::::| ﾍ
　　　　　　　∠二ﾆ､　 　 　 　 　 　 　 | :::::::| |.|
　　　　　 　 |　　＼ ﾍ.　　　 　 　 　 　 | :::::/｜!
　　　　　 　 |　　　 ＼V　i/　　　　　　｜::/　:|::|




　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .　 ---- 　.
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::ニ＝=- ．::::::::::: ﾍ
　　　　　　　　 　 　 　 /!:::::::::::::::::::::::::::Y:｀ヽ::::::ﾊ
.　　　　　　　 　 　 　 /|:|::ニ=-- : :::;:;:;'|:::::::|:ヽ ::|
　　　　　　　　　　　　 ||:|:::::::::／::::;';';';';'|:::::::|;';:::: |
　　　 　 　 　 　 　 　 　 {｀ヽ:::::;';';';';';';'/:::::: |';';';';′
　　　　　　　　　　 　 　 λ ∧;';';';';';';/::::::::/;';' /　　　　講和問題同志連合会が各地で講和条件の
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜Y　∨; ;' /::::::::/;';／　　　　　 強硬主張を遊説していたことと対照的だな
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶.　ゞ/::::::::/／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 У:::::::/'￢
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／;:;:;:;∠二⊥､
　　　　　　　　　　　　　　 ∠ﾆ=‐　 　`''´　 ≧x ､
　　　　　　　　　　　r‐＜＞'"　　　　　 　 　 　 ｀ヾi-､
　　　　　　　　　　　|　　 ＼　　　　　　 　 　 　 　 i|; ﾊ_
　　　　　　　　　　　|　　　　ヽi　　 　 i　　　　　　 //　ハ､

　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i　　　　　　黒龍会は講和問題同志連合会に
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕　　　　　　その名を連ねているし
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !　　　　　　　内田も７月30日の東京での講和問題大演説会で
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j　　　　　 　　弁士として演説を行った
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´





　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 . 　 ´￣ 　 　 .
　 　 　 　 　 　 　 　 _,,,.........,,,,_ 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::／::::::::｀ヽ.
　　 　 　 　 　 　　´....:::::::::::::::::::::::.........‐-/二ニ＝一//::/!:::lｉｉ::::ｉｉ
　　　　　　 ／ ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣|ー＝ﾆ二://∠/::/||::::||
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |::::＼:>‐v′l´￣/ﾊ }／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '::::::: { ﾍ.|　人 _/ ノ（　　　　　　ただ、8月以降　彼は強硬路線から分裂
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼: ＞ﾉ´　　 　 　 /　　　　　 独自の行動を取り始めていたわけだ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 〉　 　 　 　 <ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 r=====^く￣l　/７ ＞-
　　　　　　　　　　　　　　　　 . ＜l!i ＼　　　　 ｢。　＼
.　　　　　　　 　 　 　 .．＜＿＿___∧　＼　 　 |　　 　 >､
　　　　 　 　 　 ＜´　　 ´￣￣￣＞!',＼　　　｜　　　|//

　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　( ア .
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／
　　　　　　　　　|::|:::::|‐'￣ ＞　.　　＼　　　　　　　　　平岡も同志連合会に名を連ねてはいるが
.　 　 　 　 　 ／|::|:::::|　　　　　　　＞‐≧:､　　　　　　 他の指導者に比べ、遥かに非活動的だった
　　　　 　 　 |:　|::|:::::|　　 　 　 　 　 ／￣`ヽ、
　　　　 　 　 |i　|::|:::::|　　　　 i:. 　／　　　　　ﾄ､



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　　 　 　 ／ﾚVVVVVVVV ｲ
　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　 　 　 　 ／
　　　 　 　 . : . : : .　／　　　　　　　　　∠
　　　　　　　.:.:.:.:.:／　／ヽ／＾＾＼　　 x≦⌒
　　　　 　 　 ):::::::）／　　（　　　　 〆　　ミ
　　　　　　 （:::::::( ′_ノ　　 ヽ_ 　 　 ﾑ　 ヾ
　　　　 　 　 ＼:::ヽ（―）　（― ）　 §从　ゝ
　 　 　 　 　 　 ヽ::|　（__人__）　　　　§ﾙ′
　 　 　 　 　 　 　 ・━( ヽ f ｉ　 　 o ﾟ　ヽ
　　　　　　　　　　　 |　ゝ＿　＼　　　　 }
　　　　　　　　　　　 |　l＿__＼　｀´　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼＿＿__＼__／

　　　　　初代玄洋社社長　平岡浩太郎衆院議員
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　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i　　　　 玄洋社－平岡－内田－黒龍会
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !　　　　　このラインが総じて講和に反対していたとしたら
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j　　　　　 小村外相の片腕、山座政務局長との関係にも矛盾が生じる
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　 そういえば満州義軍の件では
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　同郷出身の外交官山座と玄洋社の
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　 連携があったんだっけ
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}
　　 　 ヽ∧/￣　 　 　 　 　 /ﾍ　　　　開戦前に主戦論者だった頭山、平岡らは
　　　 　 j　＼.　 ―‐‐- 　,. '|　j
　　　 　 　 　 ＞,　___,,. ィi ::::|　　　　　　講和問題に関してはなんら積極的な活動を行っていない
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /





　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /　　　　　　これは推測だが　講和条約に関して
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　´￣ .　　　　　　　　 山座と玄洋社首脳部との間に
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／　　　　　　　　　何らかの了解があったのかもしれないな……




　　　 　＿＿＿_　　　　━┓
　　　／　　 　 　＼　　 ┏┛
　 ／　　＼　　 ,＿＼.　 ・
／ 　　 （●）゛ （●） ＼
|　 ∪　　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　うーん　でも玄洋社はともかく黒龍会は
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　同志連合会に参加して、日比谷の集会にはいたんだお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　( ア .
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／　　　　　　　 内田個人の判断とは別に黒龍会にも
　　　　　　　　　|::|:::::|‐'￣ ＞　.　　＼　　　　　　　　　　　 政府講和案に反対する者はいたのだろう
.　 　 　 　 　 ／|::|:::::|　　　　　　　＞‐≧:､
　　　　 　 　 |:　|::|:::::|　　 　 　 　 　 ／￣`ヽ、
　　　　 　 　 |i　|::|:::::|　　　　 i:. 　／　　　　　ﾄ､
.　　　　　　 /!ﾍ.|::|:::/ 　 　 　:|:: /　 /　　　　 |｜




　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}
　　 　 ヽ∧/￣　 　 　 　 　 /ﾍ　　　　また、それまで主戦論提唱の時から提携してきた
　　　 　 j　＼.　 ―‐‐- 　,. '|　j
　　　 　 　 　 ＞,　___,,. ィi ::::|　　　　　　諸団体との経緯から、内田と黒龍会が講和反対運動から
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､　　　　完全に域外に身を置く事が出来なかった事情もあった
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /

　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　( ア .　　　　　内田は講和問題同志連合会の一員として
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／
　　　　　　　　　|::|:::::|‐'￣ ＞　.　　＼　　　　　　　　　　 国民大会の開催に努力したが
.　 　 　 　 　 ／|::|:::::|　　　　　　　＞‐≧:､
　　　　 　 　 |:　|::|:::::|　　 　 　 　 　 ／￣`ヽ、　　　　　　国民大会実行者のうちに名を連ねてはいなかった
　　　　 　 　 |i　|::|:::::|　　　　 i:. 　／　　　　　ﾄ､
.　　　　　　 /!ﾍ.|::|:::/ 　 　 　:|:: /　 /　　　　 |｜　　　　　 当日も騒動とは一線を画して行動していた
.　　　　　／|:.:.:.:|::l:/　　 　 　 |i/　 /　　　 　 :./＼





　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V　　　 尤も内田も政府案に全く不満が無かった
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !　　　 わけではなかったが
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　＿＿＿_
　　　 　　／- ､ ! ,. -＼
　　 　 ／二了_爪_∠二＼
　　 ／ヾﾆﾆﾆハ ハﾆﾆﾆﾌ ＼
　　 | 　　　 ／　| |　＼　　　 |
　　 ＼ 　u 　ィﾆニﾆﾌ　 　／　　　 和局私案では樺太、カムチャッカ
　　,ﾍ´イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.　　　　ポセット湾地方の領土割譲を
　/　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　　提示してみたが、実際は南樺太だけか……
　l　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　|　 　|　＞　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}
　　 　 ヽ∧/￣　 　 　 　 　 /ﾍ　　　　内田は政府首脳よりは非現実的で強硬であった
　　　 　 j　＼.　 ―‐‐- 　,. '|　j
　　　 　 　 　 ＞,　___,,. ィi ::::|　　　　　　が、国民大会の幹部ほどには強硬ではなく、妥協的であった
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /




　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .　 ---- 　.
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::ニ＝=- ．::::::::::: ﾍ
　　　　　　　　 　 　 　 /!:::::::::::::::::::::::::::Y:｀ヽ::::::ﾊ
.　　　　　　　 　 　 　 /|:|::ニ=-- : :::;:;:;'|:::::::|:ヽ ::|
　　　　　　　　　　　　 ||:|:::::::::／::::;';';';';'|:::::::|;';:::: |
　　　 　 　 　 　 　 　 　 {｀ヽ:::::;';';';';';';'/:::::: |';';';';′
　　　　　　　　　　 　 　 λ ∧;';';';';';';/::::::::/;';' /
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜Y　∨; ;' /::::::::/;';／
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶.　ゞ/::::::::/／　　　　 講和反対運動はその後地方へと波及していくが
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 У:::::::/'￢　　　　　内田らはそれに参加する事はなかった
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／;:;:;:;∠二⊥､
　　　　　　　　　　　　　　 ∠ﾆ=‐　 　`''´　 ≧x ､
　　　　　　　　　　　r‐＜＞'"　　　　　 　 　 　 ｀ヾi-､
　　　　　　　　　　　|　　 ＼　　　　　　 　 　 　 　 i|; ﾊ_
　　　　　　　　　　　|　　　　ヽi　　 　 i　　　　　　 //　ハ､

　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /　　　　　　内田はむしろ伊藤博文、藩閥政府との関係を
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　´￣ .　　　　　　　　深めていく事になる
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／







┌──────────────────────────────────┐
│そして、藩閥政府に近い位置にいた茂丸と内田の関係もまた接近していく……     │
└──────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／- ､ ! ,. -＼
　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　 ／ヘ二_爪_二ヘ＼
　　　|　　　 （ ●）（●　　　　　　　　　　　　　 ／ ヾﾆ･ﾆハ ハﾆ･ﾆﾌ ＼
　　　|　　　 　 （__人__）　　　　　　　　 　 　 　 | 　　　 ／　| |　＼　　　 |
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　　　ィﾆニﾆｭ　 　／
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　　　　　　　,--ゝヘヽ、___ ーーノﾞ-､.
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　　　　　　　　/　　|　';　ゝ_____ ノ. |ヽ　　i
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　　　　　　　　　　l　　 |. 　ヽ/ﾞ（__)＼/|　i. 　|
　　＼　 “　／_＿_|　 |　　　　　　　　　　　　 |　 　|　 　ヽ. ハ..ノ　|　|　｜
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

┌───────────────────────┐
│茂丸は講和条約反対運動に対してこう回想している　  │
└───────────────────────┘



　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　　この条約は当時の熱狂した頭脳から考えたら
　　 |　　　,.<))／´二⊃　　　　　 当然不服だっただろう
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉　　　　　　　しかし国家として考えたら
　　 　,-/　　　 __人〉　　　　　　　これ以上時宜に適した成果は得られぬ
　 　/ ./. 　 /　 　 ＼
　 　| / 　 /　 　 　i　＼
　 　|"　 / 　 　 　 | >　 )
　　 ヽ／　　　　　 とヽ /
　　 　|　　　　　 　そ ﾉ






　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　 ／　 　_ﾉ＼
　　　　　　 /　　　　 （一）
　　　 　 　 |　　　　　（__人）
　　　　　　 |　　　 　 　 　 ｌ　　　　　桂総理の政敵といえども、
.　　　 　 　 |　　　　　　 　|　　　　　冷静に考慮する時は、
.　　　　　　 ヽ　　　　　　ﾉ　　　　　 黙して首肯するのであった
　　　　　　　 ヽ　　　 　/
　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　|　　　　　|
　　　　　　 　 |. 　 　 　 |

　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　. （　（● ） .　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　|
　　　　　r‐-､　　 　.　　　|　　　　国民が起こした騒擾事件
　　　　 （三））　　　.　　　|
　　　　　>　ﾉ　　　　　　 /　　　　これは警察の圧迫に対する反抗から
　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /　　　　　一時の感情に激して来たのであって
　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈　　　　　 無知の暴民は唯騒ぐのが面白さに
　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）　　　 　 無責任の野次馬と化したに過ぎぬ
　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　.　|　 ＼_／...|





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　有識階級の者は、この講和条件を是非も無いものとして
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　 当事者の苦心を諒としたのであった
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●



┌─────────────────────────┐
│茂丸は帰国した後、南満州鉄道の草案作りに取り掛かる　  │
└─────────────────────────┘


　 　 　 　 　 ／￣￣￣ヽ
　　　　　　 /　　　　　　　ヽ
　　　 　 　 | 　 _,ノ　ヽ､_　 |
　　　 　 　 |　 （●）（●）　|
　　　　　　 |　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　ヽ.　　 　 　 　ﾉ
　 　 　 　 　 .>　　　　　 く
　　　　　　／　　　　　　　 ヽ　ｶﾘｶﾘ
　　　　＿/((┃))＿＿_＿i　|
　..　／ /ヽ,,⌒) ￣￣（,＿,ノ ＼
　／　 /＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. 　＼
　 .￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



┌───────────────────────────┐
│出来た草案は児玉の手に渡り、南満州鉄道株式会社創立の　　 │
│一助となる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿_,
　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　 /.|
　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 /./|
　　　　　　　 　 　 　 /　　 　 　 　 　 ././/|
.　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　 /././/
　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　 /.//./.
　　　　 　 　 　 　 ｌ'三三三三三三ｌ/.//
　　　　 　 　 　 　 ｌ'三三三三三三ｌ.//

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●





￣ﾞ''ー-､..＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,-―'"￣
　　　　　　　||￣ﾞ''ー-､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,,-―'"￣
二.二二二二i＝＝＝||＿＿＿＿____,| |　 　 　 　 　 　 　 | |
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |￣￣__i__￣￣| |―┬―┬―┬―| | 　|＼
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |　　　|　 |: 　　| |￣￣￣￣￣￣￣| | 　|　 ＼
　 　 ||　　　　||;;　| 　| |　　　|　 |:　　 | |.　 i i　　　　　　　 | | 　|　　　|
　 　 ||　　　　||;;　|＿| |　　　|＿|:　　 | |　（_;;）.　　　　　　 | | 　|　 　 |
　 　 ||　　　　||／ ／| |　　　　　　 　 | |￣￣￣|￣''''――| | 　| 　　 |
　 　 ||　　　　||／　 ／三.三.三.三三|_|―――|ﾟ＿＿＿_,|_| 　 ＼　 |
　 　 ||　　　　||　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　＼|
　 　 ||　　　　||'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　／
／／
／




　　　　　　　　　　　　　－､ 、　 ノｊ／丿　　 ノ）
　　　　　　　　　　　（ー　､_） Ｙ´ /／⌒'ー' ∠ ,＿__　､ ヽ
　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　　　　　　＜,＿,ノ）＿,
　　　　　　　（ー‐ ' ´￣　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ ／
　　　　　　　　＞‐ ､　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　ヽ)丿
　　　　　／⌒7　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　　　　 く ＿_/
　　　　　　＿ﾉ　　　　　}　　}　　　　　　　｜l|ｌ|ｌ|　　l　　 ＿_ノ
　　　　ー'‐一　 !　 　 / / // /　　 ＿_/| | ｌ|ｌ|ﾘ　ｌ|ｌ|　　 ＜ ＿,
　　　　　 ｀フ　 ﾉ/／/／ノ/ ｲ l/／/／｀|ﾒ ｌ|ﾘ l　ｌ|ﾘ　　､＿ ノ
　　　　　 （ｒｫ / ' /⌒Y ｛ ｛/ ヽ{/ ,ニ,ニ/ ｌ ﾘ /ﾊ ﾘ　　ヽし
　　　　　　/い!　ｊ に! !l ﾊ（　　´　｀''┴　 ﾉｲ//-､! ｊ ﾄヽ〈
　　　　　　　 ｿｨ八 つ ｌ!{　　　　　　　　 　 ﾉ'ｲﾃﾐﾉ/丿 )ｿ
　　　　 　 　 乙ｨ　＼　ヾ　　　　　　　　　　　｀　{｢ﾄ(
　　　　　　　　 ﾉｲ ｌ| ｌ｢|　　　　　　　　　　‐__,ノ 从{
　　　　　　　　／| ∥|! ヽ　　　　　　　 -=||　 ￣￣|
　　　　　　　　　 ﾘ |しﾚ 　 丶、　　　　 'ｰ||　 　 　 |　　　　　　 お前から先日受け取った草案は
　　　　　　　 Ｆ＝= ‐_- ,,_　　 ｀　 、　 　 ||　 　 ＿|　　　　　　 なかなか見事だったぞ
　　　　　　　 |　　　 　 ￣ `ｰ_､_　　ヽ､_,/||＿／ 　 ＼
　　　　　 /￣´"''－..,,_　　　　 ｀ `ｰ/- .,,__／　 ∠`ｰく　　　　 さっそくこれを叩き台に
　　 _,. ‐'´￣￣´"''－　　　　　　 //　￣〉{　　/　 -－､）　　　 株式会社設立の具体案にしたいと思う
　／　　　　　　　　　 　 　 　 　 //　　 /,ハ　 }　　　Ｋ }
/　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽヽ　// 　 !　　　　 し′






　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　 　（ ⌒）（⌒）
　 　 　 　 　 |　　 　　（__人__）
　　　　　　　 |　　 　　 ｀ ⌒´ﾉ
　 　 　 　 　 ,|　　 　　　　　 }　　　　　 ありがとうございます
　　　　 　 ／ ヽ　　　　　　 }
　　　　　く 　く ヽ　　　　 ノ
　　　　 　 ＼　`' 　　　 く
　　　　　　　 ヽ、　 　 　 |
　 　 　 　 　 　 | 　 　 　 |

.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/　　　　　　　 ただ、一つ問題がある
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､






　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　問題ですか……？
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

＝‐　　　　　　　　　　　　　　　　　/´.- ー ﾉ
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／
　　　　　,　　　　, 　　　 :|　 、　　　　, - _ヽ..
.,　／　 /　　　/　　／　l !　 Ｙ :l　,　 ｀ --冫
./ ／ ｿ / ／ /.:/ /ソ　| .|　 | /　.| 　 _ノ´
./ ,=、／/　/／　∠ | .:l　| ! /|　,/　 ,ヽ.
.://_.ヽ/人|/l／ニ.、｀|:L | l./ | 丿| ﾉヾ|
::1r-、| /　　 ｀''｀´-｀ ノ /∠ 、ｌ/／ﾉ　`
::ﾍ｀ !　|　　　　　 　 　 ,ﾉ .ﾞ´-/
　l ｀-1　　　　　　　　　　! 　/
　! |/ ﾍ.　　　　　　　　 ‐´ , '　　　　　　俺は今度の戦功で昇叙される
　ヽ　　:｀...、　　　 -ー　／　　　　　　　また、軍事組織変更確立のため
. ￣ ｀ ＝- ｀ゝ、　 　 .　　　　　　　　　 陸軍参謀総長へ就任せねばならんようだ
　....::::::::::::::::://..,ヽ- ´
、:::::::::::::::::::.ｿ　/= _ ＿　,
:::::＼ _:::::::::ﾍ /::::: :: ::::://





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　 それはおめでとうございます
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　　　　 /| .Ｎ　'　　 　 　 　 　 　 ,_≦＜⌒
　　　 　 　 | ∨　 　 　 　 ,､ ,､ ､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ　　　　　　　　話はそれで終わりではないぞ
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　 　 _,〉 　.|　　　　　　　　　俺が参謀総長になるわけだから
　　　 　 　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ　　　　　　　当然台湾総督は辞任せにゃならん
　　　　　　　 厶イゞｲ≧ヽ 　　　 　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　 ヽ,,_ _
　　　　　　　　　　　 ／ｲ:::ﾚ:ﾍ　 : : : : 'ーｧﾌ::::/ｲ　　　　　／｀ー-ミ、
　　　　　　　　　　 / /_::::::::::::ﾊ　　　　　 j |:::;ｲ　　　　　, ′ 　 　 　 ｀丶、
　　　　　　　　　 ム-- ミ丶::::「' :.　　　 //:/　　　　　, ′　　　　　　　　 ヽ





.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ　　　　　　　　　 また、満州鉄道創立の事務も誰か別の者に
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_　　　　　　　　 引き継いでもらわんといかん
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､




　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼
　　　 　　 　（○）（○ ）　　　|
.　　　　　　 （__人__）　 　u　 .|
.　　　　　　　 ヽ｀⌒ ´　　　　|
　　　　　　　　｛　　　　　　　/　　　　　 あっ　そうか……となると誰か人物は？
　　　　　　　　lヽ、　　,ｨ'.) ./
　　　　　　　　j　.}ﾝ／／　ヽ
　　　　 　　　ﾉ　'"´ ￣〉　　|
.　　　　　 　 {　　　　 勹..　｜
　　 　 　　　 ヽ　､＿_,,ﾉ　.　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.._
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-‐ ゝヽ'´- .._
　　　　　　　　　　　　　　 ､.. -‐'' 　 ,.‐-´｀丶 "、　　　　　　　山県のオヤジに相談したら
　　　　　　　　　　　　　　　>,.　　 (.,-'`- 　 　 丶、　　　　　　 「大中将級には一人も見当たらない」そうだ
　　　　　　　　　　　　　 ヽｰ,.'　　 / /￣_　　 　 　｀　.
　　　　　　　　　　　　　　〉,/,　 　 ﾞ'! i'´,..＞＿__,. 　 　丶.
　　　　　　　　　　　　　　 {,;'j ;.{ヾ,: ｀／´￣////,`ｰｉ　　　丶.
　　　　　　　　　　　　　　　` ﾞ'ｌ;i`,／///,..-－' "" '‐ヽ．..＿_ 丶
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 </,'／￣＼////∧///////,ヽﾞヽ丶
　　　　　　　　　　　　　　,．-‐''"´　　 ヽ. ＼'///∧////////ﾞ/ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 ﾞ .　ヽ////////////i//,'i　;
　　　　 　 　 　 　 　 ／ ﾞ.　　　　 　 　 　 ﾞ 　 ∨//,'i///////l//,'ﾚ
　　　　　　　　　　_／. 　 ﾞ.　　　::　　　　　 ﾞ　　∨/,'|//////,'!//,_!
　　 　 　 　 　 {￣　　　　 ﾞ.　　 :　　　　　　 ﾞ. 　 V/,l//////,'!‐'"
　　 　 　 　 ／ ＼ 　 　 　 ﾞ.　　:　　　　　　　ﾞ　　 V,!//////,'





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　 それは困った事になりましたね
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　この問題が片付かないと、他の仕事が進まない
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　うーん……
　　　　　　　　　　　　　　　　.._
　　　　　　　　　　　　　　 ,.-‐ ゝヽ'´- .._
　　　　　　　　　　　 ､.. -‐'' 　 ,.‐-´｀丶 "、　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ヽ
　　　　　　　　　　　　>,.　　 (.,-'`- 　 　 丶、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 ヽｰ,.'　　 / /￣_　　 　 　｀　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　〉,/,　 　 ﾞ'! i'´,..＞＿__,. 　 　丶.　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|
　　　　　　　　　　　 {,;'j ;.{ヾ,: ｀／´￣////,`ｰｉ　　　丶.　　　　　　　　　　　　　　.|　　　 （ ー）ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　　` ﾞ'ｌ;i`,／///,..-－' "" '‐ヽ．..＿_ 丶　　　　　　　　　　　　.ﾉ| U 　　（___人_＼＼__
　　　　　　　　　 　 　 　 </,'／￣＼////∧///////,ヽﾞヽ丶　　　　　　　　　／　 | 　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼
　　　　　　　　　　　,．-‐''"´　　 ヽ. ＼'///∧////////ﾞ/ヽ ヽ　　　　　　　　{　　 .ヽ.　　 　 　 し「、　　　 ＼
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 ﾞ .　ヽ////////////i//,'i　;　　　　　　　　{　　 ﾄ　｀ヽ.　___´ノ　　ヽ、　 　 i
　 　 　 　 　 　 ／ ﾞ.　　　　 　 　 　 ﾞ 　 ∨//,'i///////l//,'ﾚ　　　　　　　　 .|　　 |　　　　　　　|　　／　　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●





┌────────────────────┐
│後日　茂丸は伊藤博文の下へ相談に行った　　  │
└────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ノ　､　、
　　　　　 　　　　 　 　 　 　 　 ● ●） l
　　　　　　　　　　　　　　　 　 （人__）　|
　　　　　　　　　　　　 　　　　 ヽ　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 / 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　 　 　　　　 G|　　 E.ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　　　∨　/-Ｊ
　　　　　　　　　　　 　 　 　　　(＿ﾉ

　　　 ,---､　 　 :|　 ::::|　|:::::::::|:::::::ﾞ| |　 　 　 |　　 　 ＼
　　　 ）~~~（　 　 |　 ::::|　|:::::::l:|:l:::::ﾞ| |　 　 　 |　　　　　|＼
　 　 （====）　　 |　 ::::|　|:::::::::|:::::::ﾞ| |　 　 　 |　　　　　|:　 ＼
￣￣ ）＿_（￣￣＼ ::::|　|:二二二]| |:::　::　:: |　　　　　|:　　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 ＼|　|.~￣|￣~.| |艸 　 0:|　　　　　|
　￣￣￣￣￣￣￣￣|　|　　ﾟ|ﾟ　　| |::　::艸:::|:0　　　　|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼　 艸:|::　艸　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　::|艸::　艸::|
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼|　　　::艸|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　 :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼






　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}
.　　 ヽ 　 L　　　 　}　　　　　　 と言うわけで　どうしたものやら困っております
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ




　　 　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　 ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　 　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　 　 　 　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ　　　　　　ふーむ　確かにこの際その問題は速く終わらせて
　　　　　　ﾐi　 　 /　　　　　　　　　　 ミﾐ/ ,ク /ﾐ　　　　　　今は日本の面目を一新せねばならぬ時期だ
　　　 　 　 ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　 ﾐミ}ノ／ミ
　　　　　　 圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　 ﾍ　¨`￣ ￣｀　　 　 　 　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　 从辷彡’





　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ― ｨ'⌒ヽ　　　　　　　 台湾総督の後任か、そうだな……
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ　　　　　　　　中将級ではちょっと居らんが……
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）　　　　　 ; ｿ
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ　　　　 　 　 .（(
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼＿__　＿__.. ｿ
　　 （　 ﾞヽ　 ０　 0 l 　(､_うｿ￣‘;

　　　／. :: :: ::_::_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　.: :: :: :γ ﾄ、/lヽ :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.
　/.:.:.:.:. ::弋！V！ﾉ_:: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.
. {.:.:.:.:＞:: ::¨￣:: :: :: :｀＞x.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　､::≫=＝ ＝==≪.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　//州__: : : : : : : :｀＞≧≡= ≧､.:.:.:.:.:.
　{（:州へ≧=x ､≦rﾋﾞﾃ‐`　　 川⌒ヽ:i
　 ゛¨沁 <ツゝi　!::''　　 　 ､__彡ｲ/＾} ｝i
　　-=彡　　　|　　　　　　　￣　}!_ ﾉ/:i:i
　 　 　 j!　　 ,{、ﾑ )　　 　 ）}　 〔彡'州:i　　　　　　　大将級だと、今東京の衛戍総督をしている
　　　　 ∧　,ｨ升_守≧=≦ノ　 ,' _）)川:i:　　　　　　　佐久間が居る　山県は嫌うかもしれぬが
　　　　 辷彡ノ辷ﾆ≧≡'" 　 / ｰ=≦彡
　　　　　　 ﾍ　 `:::::7´　　　 ,:′　　从州
.　　　　　　　 ';　　　　　　／ ;;　　　/:/ﾆﾆ
　　　　　　 ,.斗｀ー‐一 升i/:ﾐ　 ／.:.:i二ﾆ
　　　　　,ｨ劣/∧､ _＿＿___,/／:: ::.:.:|二ﾆ






　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　　　　　　なるほど佐久間大将は気が付きませんでした
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　 　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　 　 　 　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　 　＼ ／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ
　　　　　　　　 　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ
　　　　　　　 　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣ 　}ミ/ﾜﾘ
　　　　　　　　　 ヾ`､_言 ｌ.　 　 　　|　　　　　　./ﾐfｿ./　　　　　　山県や児玉は馬鹿にしているが
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ 　 　　i､,i_,jゞ, 　 　 /　|／　　　　　　 彼は維新の江戸城受け取りに
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊　　　　　　大功のある男でな　なかなか強情な奴だ
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣ ￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　 彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ ｵ.ｉ:.:ト．_
　　　　　_,,.． ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　　　どうしたら出来ましょうか？
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ― ｨ'⌒ヽ　　　　　　　そうだな　僕との変な関係を考慮するに……
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）　　　　　 ; ｿ
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ　　　　 　 　 .（(
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼＿__　＿__.. ｿ
　　 （　 ﾞヽ　 ０　 0 l 　(､_うｿ￣‘;




　　 　 /: :: :: ::r' ｢｀'v'´1ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ': :: :: :: ::{　|_ｌ∨ｌ_|　}: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　{: :: :: :: :: ゝ __ 　 __ノ: :: :: :: :: :: :: :: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ヽ: :: :-‐: :¨￣: :￣¨: :: :‐-: : _: :: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　／: :: : ＿＿__　__＿＿＿＿＿_z≧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　｀￣￣へ≧x､　　x≦三x＜¨`　　j三≧x:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　 ｉﾐ', ｨてｵ}　j: >'てﾘ＞　　 　 !ﾆﾆ／＾ヽ.:／　　　　　　　　まず山県が言い出す、と僕が反対をする
.　　　　　 iﾐｌ　　¨´!　　｀¨'' 　 　 　 　 lﾆﾆﾚく}　}ﾐ　　　　　　　　　 そうなれば彼奴も出かけてくる気だけは起こると思う
　　　　　　ﾐi　 　 /　　　　　　　　　　 ミﾐ/ ,ク /ﾐ
　　　 　 　 ｷr､　ヽｰ'ｧ､) 　　 ,.ｨ　　　 ﾐミ}ノ／ミ　　　　　　　　　　しかし、山県の奴が同意するか分からぬ
　　　　　　 圦辷ﾁ彡_込三彡’　　　　　ー'州ﾘ
　　　　　　　 ﾍ　¨`￣ ￣｀　　 　 　 　 ,′{州≧=ｲ
　　　　　　　　ﾊ　　( ⌒｀''　　　　　　ノ　 从辷彡’





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　　 ならば山県公に私が話してみましょうか
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　 　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　 　 　 　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　 　＼ ／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ
　　　　　　　　 　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ
　　　　　　　 　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣ 　}ミ/ﾜﾘ　　　　　それがよかろう　だが、僕が言ったという事にはしないで
　　　　　　　　　 ヾ`､_言 ｌ.　 　 　　|　　　　　　./ﾐfｿ./　　　　　 君が自分で気付いた事にして話してみたまえ
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ 　 　　i､,i_,jゞ, 　 　 /　|／
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣ ￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　 彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ ｵ.ｉ:.:ト．_
　　　　　_,,.． ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|　　　　　　　　　　承知致しました
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／
　 　 |　　　　i´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●





　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ノ　､　、
　　　　　 　　　　 　 　 　 　 　 ● ●） l
　　　　　　　　　　　　　　　 　 （人__）　|
　　　　　　　　　　　　 　　　　 ヽ　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 / 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　 　 　　　　 G|　　 E.ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　　　∨　/-Ｊ
　　　　　　　　　　　 　 　 　　　(＿ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　┌────────┐
　　　　　　　　　　　　　　│茂丸移動中……　 │
　　　　　　　　　　　　　　└────────┘

　　　　　　　　　　　　　　 ┌────┐
　　　　　　　　　　　　　　 │山県邸　 │
　　　　　　　　　　　　　　 └────┘


　　　 　＿　　　　　　 　 　　　 　 , ､ 　 　 　　　., ､　　 　 　 　 　 、　　　　　　　　　　　　　ｒ
　　　　'Ｆﾆ]ヽ　　　 　 　 　 　 ,／―＼＿＿_,／―＼＿＿＿／―＼_　　　 　 　 ＿　 　,/:
_　　　　l　 |,ｨｆﾞヾ ､　　,ｒュ_,､ -''| l田l |　ｒュ　 | l田l |　　ｒュ　 ! l田ｌ l　`''-ｒュ ,ｨｆ'ﾞ―‐ヾ ,｣ ::
: >　　　|,ｨf'ﾞ.＿__ ヾ ､_|__|＿＿_|＿＿|_,,|_,,|＿|＿＿|＿_ｌ_,,|＿|＿＿.!＿__,l_,,|_ゝ .ｒ┬┐_>"ﾞ:.
; .そ_,ｨf'ﾞ　　|__|_,｣　<ﾆlﾆ!ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロ｣　 _ィ'´`＾"ﾞ:.:；
::"..；:ﾍ'_'　　 　 　 　 |==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|| <"ﾞ:.:；:::.
"ﾞ:.:；:,”:7|三三三三_|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 || ｣:":: :,”"ﾞ:"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':,<||―|―|―||　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||ｒ'::；:":: :,”ｌ `:::.
:: :,”:"ﾞ:.:ﾞそー|―|―||　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||ﾞ､；:":: :,”::`"ﾞ:
:,”:"ﾞ:.:ﾞィ　 ￣￣￣~'ｆ==ﾄﾆﾆﾆニﾆﾆﾆf==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆ;ｆ==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆf==ｒ'´ﾞ:":: :"ﾞ:.:；:"ﾞ:
"ﾞ:.:ﾞ'”て =========|―'　,,. -－-　、 ﾞｰ'　 ,,. -－-　、 ﾞｰ'　,,. -－-　、／”:":: :,”::_/ヘ"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':ﾍ.、＿＿＿_,!　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /‐､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､”:":: :,；l´:_:：,"ﾞ:.:；
:: :,”:":: :,”7,,_||＿||＿|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|ｒ- ､￣|￣<,ｖ､”:":7　｢"ﾞ:.:；::
:: :,”:":: :,”〉,,_||＿||＿|　 l　ｒ‐､ ||　 |　 |　 |　 |　 ||　 |　 |　_|　<::.:;..:ｒ‐,,!、 !　 |`―'　　ﾞ､"ﾞ:.:
:: _,, ､_:":: ｌ_, ,ィ^´`^''ヽヘ<::;;..;ﾞｒ ､'^"＾''ｽ,.|＿|＿||＿|_,ｒ''´::..＾''=､::.::::.:ｒ‐- ､ . |―――‐<"ﾞ:.:
´　:: :..; ＼' /;;.;;...;.;.;;;..;ｌ::.:::ﾞ､:::;;.;;::.ﾐ ::.;;.::;.ミ|＿＿＿＿ﾐ::..::;＿::;.:...` ､::..;;..:::..ﾐTTTTTTTTTTT
､` ､; :::...:;;:ｌｲ;;.;..;;;::;;:::ｌTTTTTＴＴＴＴＴＴＴｌ三/＿＿__／＾´:::;.. `､:: ｒ┐_::.::...ﾐｒ―――――‐‐
;;.'i:::.ヽ､::;...ｌ`''-----‐---‐---‐---‐---‐---‐--ミ:: ;.:::;..::;;..;;..:. |　　 |-┐|_　　　 ｢￣￣￣
:./::.;;:; ..ｌヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｢::..:::;;..;;..:;;..;;..: .ｒ -‐‐､, !_,,ｌ..　-　 ､ 　　＿
:ﾉ-ｆ'ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾐ:;;..;;..:;;..;;..:;;..／;::.::.::..:::ｆ::...;;::.::.:;;:...::.:ヽｒ.:::::.:
ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆｼ:;;..;;..:;;..;;../::.:...;;;..:::...:ｌ..::.:;;.::.:;;.::.:;;::..::ｌ::...::::





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　 かくかくしかじか、と伊藤公が仰ってました
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣
┌──────────────────────┐
│茂丸は伊藤との会話を丸出しにして山県に話した　   │
└──────────────────────┘




　　　＿＿
　　{:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.ヽ
r‐=':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
|:.:.:.:.:.:._:.:,l:.:.／:.ｲ:.:.:.:.j:＼
|:.:.:.:.:/iY:.l:.r弋ｯ':.xイ/／
|:.:.:.:.{ (fﾍl/　 ￣　 ﾗ
ヽ:.:.:.≧─ｉ　　　-‐j＿　　　　　　　　　　うむ……　そうか
r‐＜　 　 ト　　　 /　 /
i!　　　　　|　　tｰ' 　 /　　　　　　　　　　伊藤も戦後経営の事をそんなに心配してくれているのか
〈　 ◯　　| 　 ｊ　　 　|　_　-‐,
≧ x ｭ 　 |　　L　＿ レ　Ｏ ｲ
　＼　ヾ　 ー‐ﾔ ＼￣￣/　 |

　　　　　　　　　　　　　　　_　　　_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　｀　'´　＼
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　/　ｲ　　　 　　ヽl|‐､ l/　　　　伊藤がそれだけ心配しているのにどうして俺が異議があろうか
　　　　　　 　 　 　〈/_l |　八　 斗‐ﾍj )〉il
　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ{､_＼{ ｰ‐'　r'_!|　　　　　早速手紙を遣ってみよう
　　　　　　　　　　　　　 ＿ヽく __　　/!　 ＞､
　　　　　　　　　　 　 　 |　　 ＼＿ /..| 　 0 |　　　 　　　＿＿
　　　　　　　　　　 　　__| 　 　 ｛:::::::::::| 　 _. |＿　-‐=イ: :￣: :}
　　　　　 　 　 「＝‐-‐＼￣ ＝l::＼￣　　　　O／z‐､: : : : : /
　　　　　　 　　|　o　　 　∨::::::::::::::::::> Kc　 j/:::::::::::ハ : : : /
　　　　　 　　 人　　　　　 〉::::::::::::::::/　　　Y{:::::::::::::::::::|: : :/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　 ┌───────┐
　　　　　　　　　　　　　　 │その後日……　   │
　　　　　　　　　　　　　　 └───────┘

　　　＿＿
　　{:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.ヽ
r‐=':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
|:.:.:.:.:.:._:.:,l:.:.／:.ｲ:.:.:.:.j:＼
|:.:.:.:.:/iY:.l:.r弋ｯ':.xイ/／
|:.:.:.:.{ (fﾍl/　 ￣　 ﾗ
ヽ:.:.:.≧─ｉ　　　-‐j＿　　　　　　　　　杉山　佐久間に話しはしておいたが……
r‐＜　 　 ト　　　 /　 /
i!　　　　　|　　tｰ' 　 /　　　　　　　　 彼は「軍人が行政の事を出来るものか」
〈　 ◯　　| 　 ｊ　　 　|　_　-‐,　　　　　と言って即座に断られた
≧ x ｭ 　 |　　L　＿ レ　Ｏ ｲ
　＼　ヾ　 ー‐ﾔ ＼￣￣/　 |





／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
: : i: : : : : : : : : : : ,: : : : :､: : : : : : ＼:､
: : |: : i: : : : ／: :/: : : }: : :} : !: : : : : :} 〉
: : |: : |: : : /: : :/:}: : /: : /: /}: : : : ://
: : !: : |: : /: : :/ /: ∧: :/: // : } : //
: : !: : |: /_:_:_/_/∠: :}:/ ://_:_/: //
＼!: : |/＼＿_○__}// ://{}_∧//
r-t､: { 　 　 　 　 /:'／ ' ーｧ ∨
{:{ :∧i 　 　 　 ／´　　 　 / 　 }
ー' /}'　　　　　 　 　 ＿_ 　　 /　　　　　　　　彼の意向を確かめてくれ
>､＿_>､　　　　　　 　　　 　 /
　|: : : :/＼＿ 　 　 　 　 　 / 　 /}　　　　　　　この事を片付けるのが目前の大事
　|: : : :| ／　 |　　　　　　 /ー‐'　|
　|: : :／　　　| ＞　　__ ノ　 　 　 !
　i:／　　　　 L ＿＿＿|_　　　　 i
／　, ⌒ヽ 　{::::::::::::::::::::::}　　　　 |
　　{　　ノ 　 |:::::::::::::::::::::|＿＿＿｣





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　 委細承知いたしました　上手くやってみましょう
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●



　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ノ　､　、
　　　　　 　　　　 　 　 　 　 　 ● ●） l
　　　　　　　　　　　　　　　 　 （人__）　|
　　　　　　　　　　　　 　　　　 ヽ　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 / 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　 　 　　　　 G|　　 E.ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 　　　∨　/-Ｊ
　　　　　　　　　　　 　 　 　　　(＿ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　┌────────┐
　　　　　　　　　　　　　　│茂丸移動中……　 │
　　　　　　　　　　　　　　└────────┘

┌─────┐
│ 佐久間邸　│
└─────┘
　　　　　　　　　　　　|ｌ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　|
　　　　　　　　　　 .／|::::::　|　　　　　／　　 ＼　　　　　　　|　|:二二二二:|
　　　　　　　　　.／／|::::::　|　　　　　|二二二 |　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　　 .／／.　.|::::::　|　　　　　|ｌ|　寂　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　.／／　　　|::::::　|　　　　　|ｌ|　滅　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 ／|／　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　為　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　／／|　　　　 　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　楽　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::ll::|::ll:::::::|
　 ／／.　.|　　　　 　 |::::::　|　　　　　|二二二 |　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／／　　　|　　　　 　 |::::::　|　　　　　0　　　　0　　　　　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／　　　　 |　　　　 　 |::::::　|　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 　 |　　　　 　 |::::::　|＿＿＿＿ ＿ ＿＿＿＿＿＿ |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 　 |　　　 艸 ::|::::::／　　　　　__）''（ ＿　　　　　　　 |　|:二二二二:|
　　　　 　 | 0: :::: 艸 ::|／　　　　　／_（~~~）_／　　　　　　 :|　|　　。|。　　|
　　　　 :0 |::::艸::::　::: |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|　|　　　|　　　|
　　　　 　 |　:::::　::::／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　 :: 艸 ::|::艸:: ／
:::::艸::::　　|　 ／
　 :: 艸 ::　|／
:艸:::　　／






　　　 　 　 ＼::ｰ､:::::＼::::::{::::::::{::::/::::/:::::/:::/::::／::::::::::::厶
　　　　　　 　 ＼::＼:::::＼::＼:::∨:::/:::::/{::|i:::rz::::::::::::::/::::::ヽ
　　　　　　　　　 ＞::＼:::::＼::}::::}::厶イ　}ハ:}　ミ::::::::::::::::::::::{
　　　　　　　 　 /:::::::::::｢｀´ﾞ''"i::/´　　 　 　 ﾘ　 ミ::::::::::::::::::::::.
　　 　 　 　 　 /／1|::::{　　　 !'　　　 　 　 ＿＿_ ＼:::::::::::::｢｀ヽ
　　　　　　 　 ′　从::::| ＿＿__ 　　 ,__／-rｯ‐ｧ　　 }:::/´ｉ:|
　　　　　　　　　　 　 Ⅵ 　､-rｯ‐`　　　ミ｀ ￣　　　 |::{/´ｉ:|
　　　　　　　　　 　 　 |ﾊ 　 ￣　/ } 　 　 　 　 　 　 ﾙ') i iﾘ　　　　 さて……山県は困っているのか
　　　　　　　　　　　　 {小.　　　　 j　 　 　 　 　 　 　 し.ｲ{
　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ∧　　 　 ､　 r　　　　-,　　 彳:ﾘ　　　　　　俺では行政が出きぬなど明白ではあるが
　　　　　　　　　　　　 　 ヽ'.　　　 ＿＿＿　　 / 　 / i:|:i
　　　　　　　　 --' ￣､__`ｰ‐ ､＜二ブﾆﾆ｀　　　　/　从ﾄ､
　　　　　　／ ､　　 ＼ 　｀ヽ 分､´　￣　　　　 ／　 　 !:i:i:ヽ___
.　　　 　 /　､　＼　　 〉　/_/,ｲ　＼ , ,;i;, , , ,／　 　 　 }:i:i:i:i:∨＼
　　　　 /｀Yﾆヽ　 〉_/＿/ /i:i '.　　 `'ｰ'‐''　　　　　　 /ｉ:i:i:i:i:i:|: : :｀ー‐
.　　　 / 　 `く｀__/´　 　 ノi:ｉ:l　}　　　　　　　　 /　　/:i:i:i:i:i:i:i:| '.: : : : : : :
　＿__′　　　　 /　　　/i:i:ｉ:i:|　　　'. 　　　　　/　　/:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:|　i: : : : : : :
: : : : {　　　　 {　　 　 ノ:i:i:i:i:i:|　i　　　　　　　/ 　 /:ｉ:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i|　i: : : : : : :

　　　　　　　 東京衛戍総督　佐久間左馬太



　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　 閣下　誰にでも、何にでも初めてということはあります
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／}　,ｨ　 ,ｨ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　_iW∨ﾞ":::::レ': ﾞﾒ::/w ,,
　　　　　　　　　　　　　　　　＿ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"::}
　　　　　　　　　　　　　　　　＞:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::レｧ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 'ﾌ´:::::::::::::::::::::::::;;;:::::::::::::::::::::::::ι
　　　　　　　 　 　 　 　 　 'ｱ:::::::::::::::::::::::::ﾐ　`ﾞ''w､::::::::::::/,
　　　　　　　　　　　　　　 "}::::::::/^}::::;-‐'゛　､　　 `ｰi／"
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ´}:::::{　 {::/ 　　 ､__ヽ,　__ |
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ::::::ヽ_∨ 　　　　　　{_./
　　　　　　　　　　　　　　 从:::::::{ | 　 　 　 　 　 ｉ !　　　　うむ　誰でも初めから上手くいく奴はいないか
　　　　　　　　　　　　　 ＿从从{ .＼　　　ｰ　_＾ノ
　　　　　　　　　　　　　 }　 ｀ヽ,､　　 ヽ,　　ｰ　/　　　　　 ……山県と児玉が困るのならその心情を打ち明けて
　　　　　　　　　 _,.=-‐亠 ､　　　ヾ;､ 　.ヽwW/　　　　　　 頭を下げれば遣れるだけの事を言わねば国家の為
　　　　　　　 ／　　　　　＼ ＼　　 ヾ;､ ∧　　　　　　　　 こっちの一分も相済まぬが……
　　　　　　 /　　　　　　 　ヽ,　 ＼　　ヾ;､|∧
　　　　　　,'　　　　　　　　　 ｀ヽ,　ヽ,　　ヾi;i ヾ,､




　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　（おっ　これは脈ありか？）
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　 　 　 ＼::ｰ､:::::＼::::::{::::::::{::::/::::/:::::/:::/::::／::::::::::::厶
　　　　　　 　 ＼::＼:::::＼::＼:::∨:::/:::::/{::|i:::rz::::::::::::::/::::::ヽ
　　　　　　　　　 ＞::＼:::::＼::}::::}::厶イ　}ハ:}　ミ::::::::::::::::::::::{
　　　　　　　 　 /:::::::::::｢｀´ﾞ''"i::/´　　 　 　 ﾘ　 ミ::::::::::::::::::::::.
　　 　 　 　 　 /／1|::::{　　　 !'　　　 　 　 ＿＿_ ＼:::::::::::::｢｀ヽ
　　　　　　 　 ′　从::::| ＿＿__ 　　 ,__／-rｯ‐ｧ　　 }:::/´ｉ:|
　　　　　　　　　　 　 Ⅵ 　､-rｯ‐`　　　ミ｀ ￣　　　 |::{/´ｉ:|
　　　　　　　　　 　 　 |ﾊ 　 ￣　/ } 　 　 　 　 　 　 ﾙ') i iﾘ
　　　　　　　　　　　　 {小.　　　　 j　 　 　 　 　 　 　 し.ｲ{　　　　　 彼等が大風な顔をして
　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ∧　　 　 ､　 r　　　　-,　　 彳:ﾘ
　　　　　　　　　　　　 　 ヽ'.　　　 ＿＿＿　　 / 　 / i:|:i　　　　　　　 人を勝手に使う事は出来ぬ相談だ
　　　　　　　　 --' ￣､__`ｰ‐ ､＜二ブﾆﾆ｀　　　　/　从ﾄ､
　　　　　　／ ､　　 ＼ 　｀ヽ 分､´　￣　　　　 ／　 　 !:i:i:ヽ___
.　　　 　 /　､　＼　　 〉　/_/,ｲ　＼ , ,;i;, , , ,／　 　 　 }:i:i:i:i:∨＼
　　　　 /｀Yﾆヽ　 〉_/＿/ /i:i '.　　 `'ｰ'‐''　　　　　　 /ｉ:i:i:i:i:i:|: : :｀ー‐
.　　　 / 　 `く｀__/´　 　 ノi:ｉ:l　}　　　　　　　　 /　　/:i:i:i:i:i:i:i:| '.: : : : : : :
　＿__′　　　　 /　　　/i:i:ｉ:i:|　　　'. 　　　　　/　　/:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:|　i: : : : : : :
: : : : {　　　　 {　　 　 ノ:i:i:i:i:i:|　i　　　　　　　/ 　 /:ｉ:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i|　i: : : : : : :




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　 閣下の仰るとおり、山県公は
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　 まだその道を尽くしたとは申せませぬ
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣




　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃　　　　　　　 が児玉大将は自分の事でございますから
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉　　　　　　　　 閣下に公と共に頭を下げるのはまだ早かろう
　　 　,-/　　　 __人〉　　　　　　　　 と思います
　 　/ ./. 　 /　 　 ＼
　 　| / 　 /　 　 　i　＼
　 　|"　 / 　 　 　 | >　 )
　　 ヽ／　　　　　 とヽ /
　　 　|　　　　　 　そ ﾉ

　　　　　　　　　　 ,　∧ /l /:.:.:.l:.:.:.ﾚ:.:.:l:.:Ⅵ:.ヽ ﾄ､
　　　　　　　　　 　Ⅳ::.:ﾞ{:.:ﾞ{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｿ:.:.:V:.:ﾊ　l,
　　　　　　　　　 ｌ､|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｊ:.:l:.:ﾚ:.|
　　　　　　　　　 |:.`:.:.:.:.l､:.l:.∧:.:.l:.:.:.:.l:.:./l:.:.:.:/:.:.:.:/:./,!
　　　　　　　 　 ﾄ|:.:ﾄ､Ⅳ |Ⅳ ﾄヽl|:.:.:/ﾚ //レﾚl:./ﾚﾚｿl,
　　　　　　　　　|:.:.:ヽﾍlﾍlヘN:.:ヽl:.:.7／:.l／レﾝィ:.:.:.ノ}
　　　　　　　　　ゞ:.:.:.:.:.:.:.､､:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:._:.:.:.:.:.:∠
　　　　　　　　　≧:.:.:.:.:.ｆゞヘﾄﾍ从从/〃ゞﾍ彳:.:.:.:.:≦
　　　　　　　　　ア:.:.:.:.:.ﾃ　　　　　　　　　　　 Z:.:.:.:.:く｀
　　　　　　　　　lｲｨ」:.:/　 ＿　　 ､　 ／　, ― ヽ:.Ｌﾄﾄl
　　　　　 　 　 　 /_|:.:|　ー‐ｔ≧=ｭ},/ｒ=≦ｔ―ｧ |:.|_ヽ　　　　 馬鹿な事を言うな　今日の時は
　　　　　　　　　 ｛{ |:.:|　 ゞ三三　 　 ゞ三三　 |:.| ｝}　　　　 自分の事などを考えるべきではない
　　　　　 　 　 　 ヽヽ:|　　　　　　　　　　　　　 l:///
　　　　　　　　　　　ゝﾞl　　　　　　　 　 　 　 　 l'／　　　　　 国家の為といったら、俺も山県も児玉も同じ事
　　　　　　　　　　 　 ﾞlﾍ　　　　　ヽ ｒ'　　　　 /|
　　　　　　　　,-┬― 1:{ヽ　　 ,.-ーー-､ 　 /:.ｆー ┬ ､
　　　　　　　　l　 !　　 !:.|　＼ 　 ￣￣　　／|:.:|　　 | ｒ |　　　　あ奴ら両人に頭を下げさせておかねば
　　　　　　　　| | |　　 l:ム 　 ヾ川川川ｼ 　 |｀ﾞヽ　 |｜|　　　　俺でなくとも誰でも遣れはせん
　　　　　　　　| | |　　〃 ヽ　　 ｀¨¨¨¨´　＿,ﾚ 　 l　|｜|
　　　　　　　 /∧∨ ,ム　 Y⌒Y⌒`´￣ ヽ ヽ　 ﾉ∨∧ヽ






　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　それでは先ず山県公に「頭下げ」を迫ってみましょうか
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／}　,ｨ　 ,ｨ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　_iW∨ﾞ":::::レ': ﾞﾒ::/w ,,
　　　　　　　　　　　　　　　　＿ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"::}
　　　　　　　　　　　　　　　　＞:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::レｧ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 'ﾌ´:::::::::::::::::::::::::;;;:::::::::::::::::::::::::ι
　　　　　　　 　 　 　 　 　 'ｱ:::::::::::::::::::::::::ﾐ　`ﾞ''w､::::::::::::/,
　　　　　　　　　　　　　　 "}::::::::/^}::::;-‐'゛　､　　 `ｰi／"
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ´}:::::{　 {::/ 　　 ､__ヽ,　__ |
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ::::::ヽ_∨ 　　　　　　{_./
　　　　　　　　　　　　　　 从:::::::{ | 　 　 　 　 　 ｉ !
　　　　　　　　　　　　　 ＿从从{ .＼　　　ｰ　_＾ノ　　　　　　　　いや　俺はそれを要求するのではない
　　　　　　　　　　　　　 }　 ｀ヽ,､　　 ヽ,　　ｰ　/
　　　　　　　　　 _,.=-‐亠 ､　　　ヾ;､ 　.ヽwW/　　　　　　　　　 ま　君の考えがそうなら随意に遣りたまえ
　　　　　　　 ／　　　　　＼ ＼　　 ヾ;､ ∧
　　　　　　 /　　　　　　 　ヽ,　 ＼　　ヾ;､|∧
　　　　　　,'　　　　　　　　　 ｀ヽ,　ヽ,　　ヾi;i ヾ,､
　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　　',　 .＼　 ヾi　 ', ｀ヽ､
　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　 ヽ, 　 ヽ,　.|　.　i　　＼
　　　　　 ,ゝ　　　　　　　　　　ヽ,　　　　 ヽ, |　　　i　　i .＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

┌────┐
│山県邸　 │
└────┘

　　　 　＿　　　　　　 　 　　　 　 , ､ 　 　 　　　., ､　　 　 　 　 　 、　　　　　　　　　　　　　ｒ
　　　　'Ｆﾆ]ヽ　　　 　 　 　 　 ,／―＼＿＿_,／―＼＿＿＿／―＼_　　　 　 　 ＿　 　,/:
_　　　　l　 |,ｨｆﾞヾ ､　　,ｒュ_,､ -''| l田l |　ｒュ　 | l田l |　　ｒュ　 ! l田ｌ l　`''-ｒュ ,ｨｆ'ﾞ―‐ヾ ,｣ ::
: >　　　|,ｨf'ﾞ.＿__ ヾ ､_|__|＿＿_|＿＿|_,,|_,,|＿|＿＿|＿_ｌ_,,|＿|＿＿.!＿__,l_,,|_ゝ .ｒ┬┐_>"ﾞ:.
; .そ_,ｨf'ﾞ　　|__|_,｣　<ﾆlﾆ!ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロ｣　 _ィ'´`＾"ﾞ:.:；
::"..；:ﾍ'_'　　 　 　 　 |==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|| <"ﾞ:.:；:::.
"ﾞ:.:；:,”:7|三三三三_|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 || ｣:":: :,”"ﾞ:"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':,<||―|―|―||　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||ｒ'::；:":: :,”ｌ `:::.
:: :,”:"ﾞ:.:ﾞそー|―|―||　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||ﾞ､；:":: :,”::`"ﾞ:
:,”:"ﾞ:.:ﾞィ　 ￣￣￣~'ｆ==ﾄﾆﾆﾆニﾆﾆﾆf==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆ;ｆ==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆf==ｒ'´ﾞ:":: :"ﾞ:.:；:"ﾞ:
"ﾞ:.:ﾞ'”て =========|―'　,,. -－-　、 ﾞｰ'　 ,,. -－-　、 ﾞｰ'　,,. -－-　、／”:":: :,”::_/ヘ"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':ﾍ.、＿＿＿_,!　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /‐､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､”:":: :,；l´:_:：,"ﾞ:.:；
:: :,”:":: :,”7,,_||＿||＿|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|ｒ- ､￣|￣<,ｖ､”:":7　｢"ﾞ:.:；::
:: :,”:":: :,”〉,,_||＿||＿|　 l　ｒ‐､ ||　 |　 |　 |　 |　 ||　 |　 |　_|　<::.:;..:ｒ‐,,!、 !　 |`―'　　ﾞ､"ﾞ:.:
:: _,, ､_:":: ｌ_, ,ィ^´`^''ヽヘ<::;;..;ﾞｒ ､'^"＾''ｽ,.|＿|＿||＿|_,ｒ''´::..＾''=､::.::::.:ｒ‐- ､ . |―――‐<"ﾞ:.:
´　:: :..; ＼' /;;.;;...;.;.;;;..;ｌ::.:::ﾞ､:::;;.;;::.ﾐ ::.;;.::;.ミ|＿＿＿＿ﾐ::..::;＿::;.:...` ､::..;;..:::..ﾐTTTTTTTTTTT
､` ､; :::...:;;:ｌｲ;;.;..;;;::;;:::ｌTTTTTＴＴＴＴＴＴＴｌ三/＿＿__／＾´:::;.. `､:: ｒ┐_::.::...ﾐｒ―――――‐‐
;;.'i:::.ヽ､::;...ｌ`''-----‐---‐---‐---‐---‐---‐--ミ:: ;.:::;..::;;..;;..:. |　　 |-┐|_　　　 ｢￣￣￣
:./::.;;:; ..ｌヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｢::..:::;;..;;..:;;..;;..: .ｒ -‐‐､, !_,,ｌ..　-　 ､ 　　＿
:ﾉ-ｆ'ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾐ:;;..;;..:;;..;;..:;;..／;::.::.::..:::ｆ::...;;::.::.:;;:...::.:ヽｒ.:::::.:
ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆｼ:;;..;;..:;;..;;../::.:...;;;..:::...:ｌ..::.:;;.::.:;;.::.:;;::..::ｌ::...::::



　 　 　 /.: : .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　 　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : . : : ヽ
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　 /:. : : : : : : : :|: : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : : : } 斥ﾘ |: ,'
.　 ヽ: : : : : : : 人: : : : : : : : : : |＞-‐　￣￣ Y: /　ツ　.}:.i
.　　　＼: : : : : : { ￣ ≧x､: : : |　ｒ-‐=ﾆィ　 /:/　イ .／: |
　　　　　＼ : : : |`ｰ=‐ '}　＼: {　　　　　　 /:/＿ ／: : : |
　　　　　 　 `ｰ‐{　 　 /　　　｀ヽ　　　　 ノ:ｲ＼　 |. : : : |
　　　　　　　　　 ＼　 ヽ　　　　　　　　　　 | 　 ＼! : : . |　　　　　 なるほど
　　　　　　　　　　　＼　　‐-‐ ' 　 　 　 ／.| 　 　 ＼. :｜　　　　　フッ　上手くいったようだな杉山
.　　　　　 |￣￣￣￣ ＼　　　　　 　.／ 　 |　　　 　 ＼|
.　　　　　 |　　　　　　　　＼　　　 ／＿＿ |　　　 　 　 |
.　　　　　 |　　　　　　　　 }/`ｰ＜///////|　　　　{:.:.:ｉ |
.　　　　　 |　　　　　　　　 {////////////|　　　　弋ﾉ｜


]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_....:::::::::､...__
　　　　　　　　　　　　　　　　...::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::／::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　 {:::::::.＞ヽ::／／::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　 　 　 i::::::f 1ヽ}/／∠::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　明日児玉を呼んで直ぐに二人で頭下げをやろう
　　　　　　　　　　　　　.::::::::ⅥУ〃 ﾄ､-=彡ィ::/::::::::
　　　　　　　　　　　　 /:::::::::ゝ }'　　 { fｯ<_::::／/::::/:!　　　　　　　　　　 この問題は直ぐに片付くだろう
　　 　 　 　 　 　 ｛＼/::::::／〈　 　　　＞'_彡イ／/::」
　　　　　　　　　　j [/:::／　　 i　 　 ､￣　(歹''゛￣
　　　　　　　　　(ﾉ　｀<　 　 　　　　 　＞ ´
≧=-　_＿_　..｡く　〇　＞､　 　ト､-'´　　　　　　　　　　
ｉ　r::､　＜ヽ. 　　｀丶　〇||　　 ﾚヽゝ　　　　　　　　　　
| ／≧z､　`ヽ◯　 　 ＼ |ト--〈　厶_　　／]



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

┌─────────┐
│そしてその日の夜　  │
└─────────┘

　　　　　　　　　　　　　　 .ノ　､　、
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ● ●） l
　　　　　　　　　　　　 　 （人__）　|
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　 ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l|　 （_ノ
　　　　　　 　 　 　 　 　 /　/└へ_）
　　 　 　 　 　 　 　 　 （＿ﾉ

┌──────────────┐
│茂丸は佐久間に呼び出された　   │
└──────────────┘

┌─────┐
│ 佐久間邸　│
└─────┘
　　　　　　　　　　　　|ｌ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　|
　　　　　　　　　　 .／|::::::　|　　　　　／　　 ＼　　　　　　　|　|:二二二二:|
　　　　　　　　　.／／|::::::　|　　　　　|二二二 |　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　　 .／／.　.|::::::　|　　　　　|ｌ|　寂　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　.／／　　　|::::::　|　　　　　|ｌ|　滅　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 ／|／　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　為　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　／／|　　　　 　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　楽　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::ll::|::ll:::::::|
　 ／／.　.|　　　　 　 |::::::　|　　　　　|二二二 |　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／／　　　|　　　　 　 |::::::　|　　　　　0　　　　0　　　　　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／　　　　 |　　　　 　 |::::::　|　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 　 |　　　　 　 |::::::　|＿＿＿＿ ＿ ＿＿＿＿＿＿ |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 　 |　　　 艸 ::|::::::／　　　　　__）''（ ＿　　　　　　　 |　|:二二二二:|
　　　　 　 | 0: :::: 艸 ::|／　　　　　／_（~~~）_／　　　　　　 :|　|　　。|。　　|
　　　　 :0 |::::艸::::　::: |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|　|　　　|　　　|
　　　　 　 |　:::::　::::／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　 :: 艸 ::|::艸:: ／
:::::艸::::　　|　 ／
　 :: 艸 ::　|／
:艸:::　　／



　　　　　　　　　　　　　　　　　/|∧ /ヽ!､ i､
　　　　　　　　　　　　　 　 ｨ､ .!::i!:::v:::::::::ﾚ'::∨',　 ,,
　　　　　　　　　　 　 　 　 i:::∨:::::::::::::::::::::::::::::::::Y::i
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　　　　　　　　　　　　　 >:::::::{"゛　　｀＾~　　　~^}:::::::ｱ
　　　　　　　　　　　　　'彡:::/ ,､__　　　　　_＿ .ﾞi:::::::iﾞ
　　　　　　　　　 　 　 　从::|　--ｯﾞ_z i!'´- ｯ_ｧ　|:::::i
　　　　　　　　　　　　　　〉^i! 　￣　 　　 ￣　　.|:/｀i　　　　　　　 君が何と言うたか分からぬが
　　　　　　　　　　　　　　| ! i!　 　 　 　 　 　 し i!i　,!　　　　　　　今日山県と児玉が意外にも
　　　　　　　　　　　 　 　 ＼.!　　　. ｀ ´　　　　,'ｨ'"　　　　　　　　頭を下げてきた
　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:::i ､ 　 ´￣ ｀ 　 ./i::|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 И　＼　　　　 ／ .N
　　　　　　　　　　　　　　／ヾ;､ 　.｀ヾWシ′ .|､
　　　　　　　　　　 　 ,-'"､　　 ヾ;､　　 　 　 / !i.＼
　　　　　　 　_,.．-‐'"　 　＼　　　ヾ;;､　　 /　i;;i　 ＼
　　　　 ,.-‐'"　　　　　　　　 ＼　　　ヾ;;､　　 i;;i　　| .｀ヽ_
　 　 ／ 　 　 　 __　　　　 　 　 ＼　　　ヾ;;;､ i;;ｉ　　|　　　｀ｰ-=.,_

　 　 　 　 　 　 　 ┌───────────────┐
　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 │　 　 ┌─────────┐ 　 　│
　 　 　 　 　 　 　 └──┼─────────┼──┘
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 ┌─────┐　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 └─┼─────┼─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　□

＝‐　　　　　　　　　　　　　　　　　/´.- ー ﾉ
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／
　　　　　,　　　　, 　　　 :|　 、　　　　, - _ヽ..
.,　／　 /　　　/　　／　l !　 Ｙ :l　,　 ｀ --冫
./ ／ ｿ / ／ /.:/ /ソ　| .|　 | /　.| 　 _ノ´
./ ,=、／/　/／　∠ | .:l　| ! /|　,/　 ,ヽ.
.://_.ヽ/人|/l／ニ.、｀|:L | l./ | 丿| ﾉヾ|
::1r-、| /　　 ｀''｀´-｀ ノ /∠ 、ｌ/／ﾉ　`
::ﾍ｀ !　|　　　　　 　 　 ,ﾉ .ﾞ´-/
　l ｀-1　　　　　　　　　　! 　/　　　　　　　 今日まで皆無理をしてきたから
　! |/ ﾍ.　　　　　　　　 ‐´ , '　　　　　　　　お前にも無理を頼むのだ
　ヽ　　:｀...、　　　 -ー　／
. ￣ ｀ ＝- ｀ゝ、　 　 .　　　　　　　　　　　 元来日露戦争が無理な話だ
　....::::::::::::::::://..,ヽ- ´
、:::::::::::::::::::.ｿ　/= _ ＿　,
:::::＼ _:::::::::ﾍ /::::: :: ::::://




　　　　　　 /| .Ｎ　'　　 　 　 　 　 　 ,_≦＜⌒
　　　 　 　 | ∨　 　 　 　 ,､ ,､ ､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ　　　　　　　　 お前が分からぬまま台湾の行政を遣るよりも
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ　　　　　　　　日露の戦の方が無理な仕事だったぞ
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　 　 _,〉 　.|
　　　 　 　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ
　　　　　　　 厶イゞｲ≧ヽ 　　　 　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　 ヽ,,_ _
　　　　　　　　　　　 ／ｲ:::ﾚ:ﾍ　 : : : : 'ーｧﾌ::::/ｲ　　　　　／｀ー-ミ、
　　　　　　　　　　 / /_::::::::::::ﾊ　　　　　 j |:::;ｲ　　　　　, ′ 　 　 　 ｀丶、
　　　　　　　　　 ム-- ミ丶::::「' :.　　　 //:/　　　　　, ′　　　　　　　　 ヽ

.　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : :|
　　　　 /: : : : : : |.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : .i :., -‐ ､ : : : : : : : : :.:.: |
.　 　　/: : : : : : : | : : : : :.{ : : : : : : : : : : : : : .}/　,ィヽV : : : : : : :.:.:.:.:|
　　　/: : : : : : : : {: : : : : :ヽ : : : : : : : : : : : : :| /　ヽ　 V. : : : : : : . : |
　　　: : .:: :. | : : : ＼.: : : : : ＼＿: : : : : : : : :.|'　ヽ　} 　.〉 . :.:.:.::.:.:.:.:.:|
　　;.:. : : : : .| : : : : : ＼_:_: : : : :,ノ￣￣￣ヽ: {７　}　i　/:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.|
　　i.: : : : : :.| : : : : : : :.＼￣￣ ﾉ　　　 　　 ゝ　 ﾉ　 ./ : : .:.::.:.:.:.:.::.:.:|
　　|: : : : : : |: : : : : : : : : .＼ ／　　　　 　　　 У　.,ｲ ..:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.|
　　{＿＿＿{: : : : : : : : : : : .＼ _　　　　　　　　ｒ‐く:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　￣¨¨ﾆ=‐--‐=ﾆ￣　　 　 　 　 　 }.　 ＼ .:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:{
　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　 　 　 　 　 / ＿ -‐─　 ￣￣￣　　　　　　 この際国家の為是非とも無理を遣ってほしい
.　　 　 　 　 　 　　/＿__ 　 　 　 　 　-‐=ﾆ ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　このとおりだ……
　　　　　　　　　　　　 　 ＼-‐　 　 ∨
　　　　　　　　　　　 　 　　 ＼ 　 　 ∨　　　　 Y⌒ヽ　　　　　　Y⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　＿_＼　　 ∨　　　　{　 　 }　　　　　 弋_ ,ノ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 V　 　 `ｰく ∨　 　　 ` ─′
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 V.　　　　　 ∨
　　　　　　　　　　　 　　　　 V.　　 　 　 ∨　　　　　　　　　＿ -‐=ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　 V.　　 　 　 ∨　　　 -‐=ﾆ￣




　 　 　 　 　 　 　 ┌───────────────┐
　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 │　 　 ┌─────────┐ 　 　│
　 　 　 　 　 　 　 └──┼─────────┼──┘
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 ┌─────┐　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 └─┼─────┼─┘
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　□



　　　　　　　　　　　　　　　　　/|∧ /ヽ!､ i､
　　　　　　　　　　　　　 　 ｨ､ .!::i!:::v:::::::::ﾚ'::∨',　 ,,
　　　　　　　　　　 　 　 　 i:::∨:::::::::::::::::::::::::::::::::Y::i
　　　　　　　　　 　 　 　 {ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚi
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　　　　　　　　　　　　　 >:::::::{"゛　　｀＾~　　　~^}:::::::ｱ
　　　　　　　　　　　　　'彡:::/ ,､__　　　　　_＿ .ﾞi:::::::iﾞ
　　　　　　　　　 　 　 　从::|　--ｯﾞ_z i!'´- ｯ_ｧ　|:::::i
　　　　　　　　　　　　　　〉^i! 　￣　 　　 ￣　　.|:/｀i
　　　　　　　　　　　　　　| ! i!　 　 　 　 　 　 し i!i　,!
　　　　　　　　　　　 　 　 ＼.!　　　. ｀ ´　　　　,'ｨ'"　　　　 と言われてな……正直困った
　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:::i ､ 　 ´￣ ｀ 　 ./i::|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 И　＼　　　　 ／ .N
　　　　　　　　　　　　　　／ヾ;､ 　.｀ヾWシ′ .|､
　　　　　　　　　　 　 ,-'"､　　 ヾ;､　　 　 　 / !i.＼
　　　　　　 　_,.．-‐'"　 　＼　　　ヾ;;､　　 /　i;;i　 ＼
　　　　 ,.-‐'"　　　　　　　　 ＼　　　ヾ;;､　　 i;;i　　| .｀ヽ_
　 　 ／ 　 　 　 __　　　　 　 　 ＼　　　ヾ;;;､ i;;ｉ　　|　　　｀ｰ-=.,_

　　　　　　　　　　　　　　　　　/|∧ /ヽ!､ i､
　　　　　　　　　　　　　 　 ｨ､ .!::i!:::v:::::::::ﾚ'::∨',　 ,,
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　　　　　　　　　　　　　 >:::::::{"゛　　｀＾~　　　~^}:::::::ｱ
　　　　　　　　　　　　　'彡:::/ ,､__　　　　　_＿ .ﾞi:::::::iﾞ
　　　　　　　　　 　 　 　从::|　--ｯﾞ_z i!'´- ｯ_ｧ　|:::::i
　　　　　　　　　　　　　　〉^i! 　￣　 　　 ￣　　.|:/｀i
　　　　　　　　　　　　　　| ! i!　 　 　 　 　 　 し i!i　,!
　　　　　　　　　　　 　 　 ＼.!　　　. ｀ ´　　　　,'ｨ'"　　　そこで君に頼みたい事がある
　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:::i ､ 　 ´￣ ｀ 　 ./i::|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 И　＼　　　　 ／ .N　　　　　 俺が分からぬなりに条件と言うのも卑怯な話だが……
　　　　　　　　　　　　　　／ヾ;､ 　.｀ヾWシ′ .|､
　　　　　　　　　　 　 ,-'"､　　 ヾ;､　　 　 　 / !i.＼
　　　　　　 　_,.．-‐'"　 　＼　　　ヾ;;､　　 /　i;;i　 ＼
　　　　 ,.-‐'"　　　　　　　　 ＼　　　ヾ;;､　　 i;;i　　| .｀ヽ_
　 　 ／ 　 　 　 __　　　　 　 　 ＼　　　ヾ;;;､ i;;ｉ　　|　　　｀ｰ-=.,_




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　 いえいえ　なんなりと
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　/|∧ /ヽ!､ i､
　　　　　　　　　　　　　 　 ｨ､ .!::i!:::v:::::::::ﾚ'::∨',　 ,,
　　　　　　　　　　 　 　 　 i:::∨:::::::::::::::::::::::::::::::::Y::i
　　　　　　　　　 　 　 　 {ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚi
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　　　　　　　　　　　　　 >:::::::{"゛　　｀＾~　　　~^}:::::::ｱ
　　　　　　　　　　　　　'彡:::/ ,､__　　　　　_＿ .ﾞi:::::::iﾞ
　　　　　　　　　 　 　 　从::|　--ｯﾞ_z i!'´- ｯ_ｧ　|:::::i
　　　　　　　　　　　　　　〉^i! 　￣　 　　 ￣　　.|:/｀i
　　　　　　　　　　　　　　| ! i!　 　 　 　 　 　 し i!i　,!
　　　　　　　　　　　 　 　 ＼.!　　　. ｀ ´　　　　,'ｨ'"　　　うむ……不案内な行政上の為
　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:::i ､ 　 ´￣ ｀ 　 ./i::|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 И　＼　　　　 ／ .N　　　　　 台湾で大成功のある後藤民生長官を
　　　　　　　　　　　　　　／ヾ;､ 　.｀ヾWシ′ .|､
　　　　　　　　　　 　 ,-'"､　　 ヾ;､　　 　 　 / !i.＼　　　　　　 このまま留任させる事
　　　　　　 　_,.．-‐'"　 　＼　　　ヾ;;､　　 /　i;;i　 ＼
　　　　 ,.-‐'"　　　　　　　　 ＼　　　ヾ;;､　　 i;;i　　| .｀ヽ_




　　　　　　　　　　 ,　∧ /l /:.:.:.l:.:.:.ﾚ:.:.:l:.:Ⅵ:.ヽ ﾄ､
　　　　　　　　　 　Ⅳ::.:ﾞ{:.:ﾞ{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｿ:.:.:V:.:ﾊ　l,
　　　　　　　　　 ｌ､|:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｊ:.:l:.:ﾚ:.|
　　　　　　　　　 |:.`:.:.:.:.l､:.l:.∧:.:.l:.:.:.:.l:.:./l:.:.:.:/:.:.:.:/:./,!
　　　　　　　 　 ﾄ|:.:ﾄ､Ⅳ |Ⅳ ﾄヽl|:.:.:/ﾚ //レﾚl:./ﾚﾚｿl,
　　　　　　　　　|:.:.:ヽﾍlﾍlヘN:.:ヽl:.:.7／:.l／レﾝィ:.:.:.ノ}
　　　　　　　　　ゞ:.:.:.:.:.:.:.､､:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:._:.:.:.:.:.:∠
　　　　　　　　　≧:.:.:.:.:.ｆゞヘﾄﾍ从从/〃ゞﾍ彳:.:.:.:.:≦
　　　　　　　　　ア:.:.:.:.:.ﾃ　　　　　　　　　　　 Z:.:.:.:.:く｀
　　　　　　　　　lｲｨ」:.:/　 ＿　　 ､　 ／　, ― ヽ:.Ｌﾄﾄl　　　　　　 モウ一つ、毎年の予算について総督府の役人どもが
　　　　　 　 　 　 /_|:.:|　ー‐ｔ≧=ｭ},/ｒ=≦ｔ―ｧ |:.|_ヽ　　　　　　　皆で総がかりで俺を助けてほしい
　　　　　　　　　 ｛{ |:.:|　 ゞ三三　 　 ゞ三三　 |:.| ｝}
　　　　　 　 　 　 ヽヽ:|　　　　　　　　　　　　　 l:///
　　　　　　　　　　　ゝﾞl　　　　　　　 　 　 　 　 l'／　　　　　　　　ご苦労だがこの点を両人に言うてくれ
　　　　　　　　　　 　 ﾞlﾍ　　　　　ヽ ｒ'　　　　 /|
　　　　　　　　,-┬― 1:{ヽ　　 ,.-ーー-､ 　 /:.ｆー ┬ ､
　　　　　　　　l　 !　　 !:.|　＼ 　 ￣￣　　／|:.:|　　 | ｒ |
　　　　　　　　| | |　　 l:ム 　 ヾ川川川ｼ 　 |｀ﾞヽ　 |｜|
　　　　　　　　| | |　　〃 ヽ　　 ｀¨¨¨¨´　＿,ﾚ 　 l　|｜|






　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ　　　　　　　かしこまりました　山県公　児玉大将にきっと伝えます
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／
　 　 |　　　　i´

┌───────────────────────────┐
│こうして茂丸はこの話を山県、児玉、そして桂総理に取り次ぎ　　 │
│佐久間左馬太を台湾総督へ担ぎ出す事に力を尽くした　　　　　  │
└───────────────────────────┘
　　　　　　　　フｨ　　　／ ⌒ ﾝ　 ／￣｀ｿ　　　Ⅵ l　　　 ´￣∠
　　　　　　　　了　　　l /　∨　／　　　 　 -､　　 Ⅵ,　　　　　彡
　　 ＿_　 -=彡　　　, }　ｒ /／　　　 　 ｒ‐､　｛ヽ　　`N　　 ∠ イ
__／￣ヽヽ∠ｨ　ｲ／　{ 　/´　　 　 　 　 Y)＼Vl　　　7　　　 ∠
＿　　　　｀＼／´　　　）　　　　　　　　　 ＼ ﾊl|_/　　〉　‐≦
　　 ＼　　 　 ＼　 　 /　　　　　　　　　　 ｒ ､ ¨´ｊ,___/　‐彡'
　　　　　 ､　　　∧　｛　　　　　　 ,、　 　　`　ﾆ仇ア¨Ｖ¨¨`
　　　　　　＼　　 ∧ ﾍ　　　　　　ﾄ＼ 　　 ‐,　 ﾄ/ 　.人
.　 　 　 　　　＼　 ∧ 丶　　　 　 ゝヽ＼_ ┌‐ｯ'　￣ Y ￣
　　　　　　 　 　 V　∧　￣＿ 　 ､　＼>‐彡 ´　　　__ｊ
　　　　　　　　　　V　∧　´ 三彡ｿ「｀ ／　 　　 　 ｛｀i丶
　　　　　　　　　　 V　 「 ＼ 三彡ｿ／　　 　 　 　 ﾉ　　l
　　　　　　　　　　　V　|　　 ｀＝　´　　 　 　 　 ｒ' ,　　‘’”￣￣
　　　　　　　　　 　 ｜｜　　　　　　　　　　　 , '／／ ー‐　 ､ｧ
　　　　　　　　　 　 ｜｜　　　　　　　　　　／　　-‐'　＿　　 ￣
　　　　　　　　　 　 ｜｜　　　　　　　　 ／　　　　　ｒ　　 `　‐-

　　　　　　　　　　　 佐久間左馬太　台湾総督

　　　　　　　　　　　　　 ┌────────────┐
　　　　　　　　　　　　　 │それからしばらくして……　  │
　　　　　　　　　　　　　 └────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●




￣ﾞ''ー-､..＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,-―'"￣
　　　　　　　||￣ﾞ''ー-､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,,-―'"￣
二.二二二二i＝＝＝||＿＿＿＿____,| |　 　 　 　 　 　 　 | |
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |￣￣__i__￣￣| |―┬―┬―┬―| | 　|＼
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |　　　|　 |: 　　| |￣￣￣￣￣￣￣| | 　|　 ＼
　 　 ||　　　　||;;　| 　| |　　　|　 |:　　 | |.　 i i　　　　　　　 | | 　|　　　|
　 　 ||　　　　||;;　|＿| |　　　|＿|:　　 | |　（_;;）.　　　　　　 | | 　|　 　 |
　 　 ||　　　　||／ ／| |　　　　　　 　 | |￣￣￣|￣''''――| | 　| 　　 |
　 　 ||　　　　||／　 ／三.三.三.三三|_|―――|ﾟ＿＿＿_,|_| 　 ＼　 |
　 　 ||　　　　||　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　＼|
　 　 ||　　　　||'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　／
／／
／




　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉　　　　　　　　　ふーい　台湾総督の件はこれで片付いたかな
　　 　,-/　　　 __人〉
　 　/ ./. 　 /　 　 ＼　　　　　　　　 次は満州鉄道総裁人事か
　 　| / 　 /　 　 　i　＼
　 　|"　 / 　 　 　 | >　 )　　　　　　 ですよね児玉さん
　　 ヽ／　　　　　 とヽ /
　　 　|　　　　　 　そ ﾉ




＝‐　　　　　　　　　　　　　　　　　/´.- ー ﾉ
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／
　　　　　,　　　　, 　　　 :|　 、　　　　, - _ヽ..
.,　／　 /　　　/　　／　l !　 Ｙ :l　,　 ｀ --冫
./ ／ ｿ / ／ /.:/ /ソ　| .|　 | /　.| 　 _ノ´
./ ,=、／/　/／　∠ | .:l　| ! /|　,/　 ,ヽ.
.://_.ヽ/人|/l／ニ.、｀|:L | l./ | 丿| ﾉヾ|
::1r-、| /　　 ｀''｀´-｀ ノ /∠ 、ｌ/／ﾉ　`
::ﾍ｀ !　|　　　　　 　 　 ,ﾉ .ﾞ´-/
　l ｀-1　　　　　　　　　　! 　/
　! |/ ﾍ.　　　　　　　　 ‐´ , '
　ヽ　　:｀...、　　　 -ー　／　　　　　　　　　ああ……
. ￣ ｀ ＝- ｀ゝ、　 　 .
　....::::::::::::::::://..,ヽ- ´
、:::::::::::::::::::.ｿ　/= _ ＿　,
:::::＼ _:::::::::ﾍ /::::: :: ::::://

　　　　　　 /| .Ｎ　'　　 　 　 　 　 　 ,_≦＜⌒
　　　 　 　 | ∨　 　 　 　 ,､ ,､ ､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜　　　　　　　　　 杉山……ずっと考えてはいたが……
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ　　　　　　　　　　やはり満州鉄道総裁は後藤新平を使わねば
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ　　　　　　　　　 あの乱麻の如き南満州を切り開く大仕事を
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　 　 _,〉 　.|　　　　　　　　　　　安心して託する人物が居ない
　　　 　 　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ
　　　　　　　 厶イゞｲ≧ヽ 　　　 　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　 ヽ,,_ _
　　　　　　　　　　　 ／ｲ:::ﾚ:ﾍ　 : : : : 'ーｧﾌ::::/ｲ　　　　　／｀ー-ミ、
　　　　　　　　　　 / /_::::::::::::ﾊ　　　　　 j |:::;ｲ　　　　　, ′ 　 　 　 ｀丶、
　　　　　　　　　 ム-- ミ丶::::「' :.　　　 //:/　　　　　, ′　　　　　　　　 ヽ




.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ　　　　　　　　　　 どうだ　後藤を台湾から引き抜けないだろうか
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.._
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-‐ ゝヽ'´- .._
　　　　　　　　　　　　　　 ､.. -‐'' 　 ,.‐-´｀丶 "、
　　　　　　　　　　　　　　　>,.　　 (.,-'`- 　 　 丶、　　　　　　　　　　　 まだ佐久間が赴任して一ヶ月
　　　　　　　　　　　　　 ヽｰ,.'　　 / /￣_　　 　 　｀　.　　　　　　　　　　このタイミングで後藤を取るなんて言ったら
　　　　　　　　　　　　　　〉,/,　 　 ﾞ'! i'´,..＞＿__,. 　 　丶.　　　　　　　　佐久間が驚くだろうが……
　　　　　　　　　　　　　　 {,;'j ;.{ヾ,: ｀／´￣////,`ｰｉ　　　丶.
　　　　　　　　　　　　　　　` ﾞ'ｌ;i`,／///,..-－' "" '‐ヽ．..＿_ 丶
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 </,'／￣＼////∧///////,ヽﾞヽ丶　　　　満州の安危には代えられねえ
　　　　　　　　　　　　　　,．-‐''"´　　 ヽ. ＼'///∧////////ﾞ/ヽ ヽ　　　何とか工夫できんか杉山
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 ﾞ .　ヽ////////////i//,'i　;
　　　　 　 　 　 　 　 ／ ﾞ.　　　　 　 　 　 ﾞ 　 ∨//,'i///////l//,'ﾚ
　　　　　　　　　　_／. 　 ﾞ.　　　::　　　　　 ﾞ　　∨/,'|//////,'!//,_!
　　 　 　 　 　 {￣　　　　 ﾞ.　　 :　　　　　　 ﾞ. 　 V/,l//////,'!‐'"





　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　 それはドウとでもなりますね
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/　　　　　　　　 簡単に言うな　今それを言い出したら
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/　　　　　　　　　 大変な事になりそうなものだが
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､
　　　　 　 ,...:'´:::::::::::::::::::＼＼:::::l.!.　　　' .ヽ::::〃ヽ　　　　ヽ




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　その大変だと言う事を桂総理と山県元帥に相談して
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　 御覧じませ……
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣




　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　その仕事が大変であればあるほど私の親友後藤の為に
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　　人物が向上するのです
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　　 /| .Ｎ　'　　 　 　 　 　 　 ,_≦＜⌒
　　　 　 　 | ∨　 　 　 　 ,､ ,､ ､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　 　 _,〉 　.|　　　　　　よく分かった　早速桂と山県のオヤジに相談してみよう
　　　 　 　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ
　　　　　　　 厶イゞｲ≧ヽ 　　　 　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　 ヽ,,_ _

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　┌───────────┐
　　　　　　　　　　　　│そしてその二日後……　  │
　　　　　　　　　　　　└───────────┘



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:::::::i::::::::::i::::::::::入てi::::::i　　　' '　＼ﾚ ri/i:/
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:::i:::::::::i:::::::i'''‐-、　　　i::::i　　　　/'　　　　　　　　なるほど国家の為に満州の始末をするのに
:::i::::::::i:::::::i_:::::::::::::::ヽ..∧:::i'''‐--''　　　　　　　　　後藤が良いと言うのは同意だが……
::::i:::::::i::::::i::::"''‐-..,,:::::::ヽ.i:::i
::::::::::::i::::::i::::::::::::::::::"'''‐-ヽi::i
i::::::::::::i::::i:::::::::::::::::::....　　"'‐:::i

　　　　桂太郎首相



　　　　　　　　　　　　　　　_　　　_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　｀　'´　＼
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 ヽ　　　 後藤を今すぐに引き抜く事について
　　　　　　　　　　　/　ｲ　　　 　　ヽl|‐､ l/　　　　佐久間と交渉するのは我々は局外中立とさせてもらう
　　　　　　 　 　 　〈/_l |　八　 斗‐ﾍj )〉il
　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ{､_＼{ ｰ‐'　r'_!|　　　　　おまえが一己の力で遣れ
　　　　　　　　　　　　　 ＿ヽく __　　/!　 ＞､
　　　　　　　　　　 　 　 |　　 ＼＿ /..| 　 0 |　　　 　　　＿＿
　　　　　　　　　　 　　__| 　 　 ｛:::::::::::| 　 _. |＿　-‐=イ: :￣: :}
　　　　　 　 　 「＝‐-‐＼￣ ＝l::＼￣　　　　O／z‐､: : : : : /
　　　　　　 　　|　o　　 　∨::::::::::::::::::> Kc　 j/:::::::::::ハ : : : /
　　　　　 　　 人　　　　　 〉::::::::::::::::/　　　Y{:::::::::::::::::::|: : :/




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.._
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-‐ ゝヽ'´- .._
　　　　　　　　　　　　　　 ､.. -‐'' 　 ,.‐-´｀丶 "、
　　　　　　　　　　　　　　　>,.　　 (.,-'`- 　 　 丶、
　　　　　　　　　　　　　 ヽｰ,.'　　 / /￣_　　 　 　｀　.　　　　　まあ同意してもらえればそれでいいかねー
　　　　　　　　　　　　　　〉,/,　 　 ﾞ'! i'´,..＞＿__,. 　 　丶.
　　　　　　　　　　　　　　 {,;'j ;.{ヾ,: ｀／´￣////,`ｰｉ　　　丶.
　　　　　　　　　　　　　　　` ﾞ'ｌ;i`,／///,..-－' "" '‐ヽ．..＿_ 丶
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 </,'／￣＼////∧///////,ヽﾞヽ丶
　　　　　　　　　　　　　　,．-‐''"´　　 ヽ. ＼'///∧////////ﾞ/ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 ﾞ .　ヽ////////////i//,'i　;
　　　　 　 　 　 　 　 ／ ﾞ.　　　　 　 　 　 ﾞ 　 ∨//,'i///////l//,'ﾚ
　　　　　　　　　　_／. 　 ﾞ.　　　::　　　　　 ﾞ　　∨/,'|//////,'!//,_!

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　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 │　 　 ┌─────────┐ 　 　│
　 　 　 　 　 　 　 └──┼─────────┼──┘
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 ┌─────┐　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 └─┼─────┼─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　□



.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/　　　　　　という話だったな
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ　　　　　　　 杉山　これからどうする？
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､





　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉　　　　　　　　　うーん　さあ大変だ
　　 　,-/　　　 __人〉
　 　/ ./. 　 /　 　 ＼
　 　| / 　 /　 　 　i　＼
　 　|"　 / 　 　 　 | >　 )
　　 ヽ／　　　　　 とヽ /
　　 　|　　　　　 　そ ﾉ

　　　　　　　　　　 i､　　- ､ヾ,､
　　　　　　　 l!ヽ、 ',ヽ､__ヽ,ヽl ', ,.-,,‐=‐ ﾉl
　　　　　　　 ',＼ヽ-ゝ　　　　　´　'-‐'"´/l
　　　　 _,.-ﾆニ'　　　　　　　　　　　　　 -'- ､
　　　　／_,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　ヾヾ､
　　　 /'´/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-ｨ
　　　＿〈ノ　　　　　　i　　　　　､､　　　　　　　,.ﾆﾌ
　　ゞゝ_,.ノ　　　　 // l i i ', ', ＼ヽ＼ヽ､　　　ヽ,
　　｀ヽ､_,.　　　/ j '　, ヽ l', ヽ',　｀ヽ　｀ヽヽ　 ヾヽ
　　　 ／ｨ'　　 !　l , ,ｲ ﾄ',',ヽ ,　ﾄ､ﾄ､ ヽ.　　 i　 ､〉
　　　_!'ノ　ノ i l /l i,'__',l_', ', i,ﾄ､ヽヾ､_',ﾄ､　i l　込=-
　　　-=ﾆ　　 ',ll　W＿',!｀ヽ lヾ,zx二｀__ l}ﾉ/　辷ﾆ=-
　　　　｀¨･1r､.N ´ー¨‐｀　 ヾ､ ´ｰ¨‐''　ﾚj jﾍぇ
　　　　　　 ﾚiﾞ',,l　　　　　　　　　　　　　 /ｲ,ﾉ　　　　　　 おい　今になって「さあ大変だ」とは何事だ
　　　　　　　 ヽ_,l　　　　　 ､ ,.　　　　　 /ノ　　　　　　　 何でもないと言ったのはお前だ
　　　　　　　　ﾉｲヽ　　　　 _ﾞ__　　　　 /j､',
　　　　　　　　'ﾉｨ　l＼ 　 ´ﾆﾆ｀　　 ,ｲ　ﾄヾ_　　　　　　　こんな事でも法螺丸では承知せんぞコラ
　　　　　　　,,.-‐'ﾚil　 丶、 　 　 ／　l∧!-､ ヽ､_
　　　　_,,.-'"-'"´: :jl　　　 ｀ ｰ''"　　 .ll: : : : : ¨> ﾞ>
　　　　ヽヽ: : : : : : ::l　　　　　　　　　 l: : : : :／／
　　　　　ヽヽ: : : : r''　　　　　　　　　　7: : :/ /iヽ､



　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　いや佐久間大将に対して山県、桂の両人が局外中立は
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　良いのです
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､　　　　　　　 後藤という男がなかなか一筋縄ではいかぬのです
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　. （　（● ） .　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　|
　　　　　r‐-､　　 　.　　　|
　　　　 （三））　　　.　　　|　　　　　　　 桂も山県も対後藤に口をきかないのでは
　　　　　>　ﾉ　　　　　　 /　　　　　　　　なかなか面倒ですね
　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /
　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈
　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）
　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　.　|　 ＼_／...|

　　　　　　 /| .Ｎ　'　　 　 　 　 　 　 ,_≦＜⌒
　　　 　 　 | ∨　 　 　 　 ,､ ,､ ､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ　　　　　　　分かった　対後藤について両人には
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ　　　　　　 けっして局外中立にさせない
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　 　 _,〉 　.|
　　　 　 　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ　　　　　　是非大至急佐久間と後藤を説得してくれ
　　　　　　　 厶イゞｲ≧ヽ 　　　 　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　 ヽ,,_ _
　　　　　　　　　　　 ／ｲ:::ﾚ:ﾍ　 : : : : 'ーｧﾌ::::/ｲ　　　　　／｀ー-ミ、




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　まあ　遣ってみましょう
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　　　　　　　 ノl　 イ
　 ｨ　　　＿／　 ll/　l 　 ＿
／l／￣'´ ´　　　　￣二＿ﾆ＝
'　　　　　　　　　　　　´　 ＜⌒_　'/
　　　　　　　　　　　　 ､　￣￣　ノ／l
　　　　　　　　　　　　　 `　 ､　 ´_ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ二ヽ
　　　　　　　　　　　,　 ,.　　　 ヽヽ`＼
　　　　　　l　 〃ノメ∠l .l､　/ `ゝ'＿
-l　　　l 〃＼ll´＝ﾆﾓﾁl/l l ｲl/彡'´
-ｲ , /∧ll　___ , - 　 ~/'/／ﾒ､≧-ゝ
__ヽ ll〃.　 ー､ (.　　 　´ 　_　 ﾉ
'´ヽ＼l.　　　　l l　　　 ／　　/_
＼`　 `　　　　　　　　 _／⌒l./
　 ゝ ヽ　　　　　　　　 `ー一.ゝ　　　　　　　　　 おいコラ　「まあ遣ってみましょう」
. 〃　 ヽ　　　　　　　　　 ＝ /　　　　　　　　　　じゃねえだろ
. ll　　　 `‐-　 、　　　　　　　!
ヽ!　　　　　　　　 `　‐-　、　l　　　　　　　　　　 何でもかんでもやれ！
　 /　　　　　　　　／￣ ￣ ´
　l　　　　　　　　/
　l　　　　　　　 /




　　　　＿＿
　　 ／ノ　ヽ＼
　／.（○）（○）＼
　|. u.　（__人__）　|
.　|　　　　　　　　|
　 |　　　　　　 　|　　　　　 はっ　何でもかんでも遣りますのです！
.　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　 ヽ　　　 　/
　　　/　　　　ヽ
　　　|　　　　　|
　 　 |　 　 . 　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │つづく     │
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