（＿{ヽ‐､ｒｚノ{_＿,
　　　 _,＞ヽﾉぃ 　 /´ ム
　　　 _ﾌ / ,ﾊヽ、 ､ 　 ﾉ
　　　　Ｚ |/{ﾄN､ﾐﾘ_ｌ　ミ>　　　　　　　 杉山　先の戦争で日本は清国に
　　　　 ﾉ'{ｌ 〒　〒ﾉｨﾄr'´　　　　　　　何とか勝利することができたが
　　　　　　、　_'_　 /N{、
　　　　　　 ヽ ‐‐ 'ｌ‐､＿　　　　　　　　次に対峙するのは何処だと思う？
　　　　　／::|l､　｢/ /　　＼
─────────────────────────────────────
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丿　　　　 |＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 　 　 　 |　 `‐-〆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ 　.ノ　　　　　 r`´　　　ノ
　　　 r-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,-‐'　￣　　　　　　　ﾚ＾‐-､丿
　　　ﾉ　　　　`,　　　 　 　 　 　 ,,,r‐-,　　　　　　　　}　　　　　　　　　　　 r‐＾,
. r‐'´ 　 　 　 ,'　　　　　　　＿ノ　　/ ／｀ヽ　　 r‐´　　　　　　　　　　　　{　　}
ﾉ　　　　　　 ,'　 　 　 　 　 `-,　　　｀´　　／　　｀ヽ　　　　　　　　　　　　/　 /
　　　　　　 ,'　　　　　　　, ' '　`‐´｀_つ　 ｀'‐-､　　 ヽ　　　　　　 　 ,､　ノ 　 |
　　　　　　'､_ , -､__ , ‐ '　　　　 ノ　　　　　　く　　　 }　　 　 　 　 丿｀´　 　｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　く　　　　　　　丿　 ＿| 　 　 ,-‐-‐'　 　 　 _　r'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 '-‐'´~ο　ﾆ二 -‐‐､　 r-‐＾´.ﾞ"
　　 ,-‐-､　　　　　　　　　　,‐-､_ ヽ　　　　 ｏ　　　 r'´ヽ ｨ二コ ヽノ
-‐'´　　　｀ヽ　　 , ､　　　,, '　　　`‐)　　　　 　 　 　 }　 .}
　 　 　 　 　 ｀‐´ 　｀-‐´　　　　 ＜　　　　　　 　 　 ｀‐´
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ）　　　　　　　　　｡°
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 r'´　　　　　　　　　o
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 丿　　　　　　　　ο
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ノ´, っ　　　　　　　°
　　　　　　 　 ,､　　 , - '　 /　/　　 。｡ °
￣〉 r---‐' ´　 ｀~´　　　 {　丿
　 `‐`　　　　　　　　　　　 ｀´
─────────────────────────────────────

　 　　 　＿＿_
　 　 　/　ﾉ　 ヽ
　　 　 |　(-　 (-
　　 　 |　 (_人_)|　　　　それはやはりロシアでしょう
　　　　ヽ___ 　 ,ﾉ　　　　日本はロシアとどうしても戦争をせねばなりますまい
　　　　（　 '__,ー'ヽ
　　　　 |￣　 　 ｙ'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 イ _ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,--j /　厂｀二ｸ　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　_,ﾄン"　　　　　　　｀―＝ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　 シ｀　 　 　 　 　 　 　 　 ∠､
　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　 __　　　　　　　　丶ヽ
　　　　　　　　　　　　　　_|〃　　√ﾆ／三ｧ'／　　　　 マ
　　　　　　　　　　　　　　7/ .//／/,yイテ,ィ　　　　　 ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　_∨// ,ｲ,毛/イ ﾚ￣ﾒZ,ﾉノ| ,ﾚ |　　　だがロシアは世界一等の強国
　　　　　　 　 　 　 　 　 二ﾉ /l/ ｲl '　　　 ｀ヽ,ﾉｲ／lﾒ　　　　　日本は総力を結集して之にあたらねばならぬ
　　　　 　 ＿. ―.､　　 ｲ: :´､l/l/|　l　　　 -‐=T　ﾚ　|
―‐^ ‐'￣: : : : : : ￣ヽy: : : :⌒〉〉 ､ 　 　 ,,丶ヘ`､
￣: : ＼＼: : : : : : : : : : ＼: : : //　/＼ .／　/7ヽ ＼
｀丶 l : |　|: : : : : : : : : : : : : : //　/: : : : >,ヽl ゝヽ_ﾄ　'､
　　　｀`　: : : : : : : : : : : : : : :丶-､　l ／／,丶｀ 　 l　　ヽ
　　　　　　　｀　､: : : : : : : : : : :ヽヽ ￣lｲ l　ヽ＼ _ ゝ _　ヽ
―― ＿　　,　　　丶: : : : : : : : : ヽヽ　ll　l　　ヽ　￣l　　 ＼





　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）　　　　 はい　同感です
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　 強力な内閣　国論の一致　民意識の高揚……
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　　考えねばならぬことは山ほどありますね
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　　　　　　　　　　　　.._
　　　　　　　　　　　　　　 ,.-‐ ゝヽ'´- .._
　　　　　　　　　　　 ､.. -‐'' 　 ,.‐-´｀丶 "、　　　　　　　　　　　　 挙国一致ね……
　　　　　　　　　　　　>,.　　 (.,-'`- 　 　 丶、
　　　　　　　　　　 ヽｰ,.'　　 / /￣_　　 　 　｀　.　　　　　　　　　　それには政党も藩閥も心を一つにせにゃならんが
　　　　　　　　　　　〉,/,　 　 ﾞ'! i'´,..＞＿__,. 　 　丶.　　　　　　　　反目しあっている両者に手を握らせるのは容易ではない
　　　　　　　　　　　 {,;'j ;.{ヾ,: ｀／´￣////,`ｰｉ　　　丶.
　　　　　　　　　　　　` ﾞ'ｌ;i`,／///,..-－' "" '‐ヽ．..＿_ 丶
　　　　　　　　　 　 　 　 </,'／￣＼////∧///////,ヽﾞヽ丶
　　　　　　　　　　　,．-‐''"´　　 ヽ. ＼'///∧////////ﾞ/ヽ ヽ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 ﾞ .　ヽ////////////i//,'i　;
　 　 　 　 　 　 ／ ﾞ.　　　　 　 　 　 ﾞ 　 ∨//,'i///////l//,'ﾚ





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　いやいや　実は政党の連中というのは
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　 藩閥が大の好物なのですよ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣




　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|　　　　 藩閥が政権の元売を独り占めしているから
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |　　　　 ギャアギャアと騒いでおるのです
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }　　　　　キチンと看板を掲げて店を開けば
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}　　　　　万客招来、満員御礼間違いなしです
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ

.　　　　　　　　　　 lヽゝｰ` `　　　　　　　　　　三ミヽ、
　　　　　　　　　　, `ﾆ　　　　　　　　　､　 ､　　 ⌒ヽ`＼
　　　　　　　　　 '／　 　ム ／ﾚ＾ソヽ ! ヽ l ヽ,､ ､ `‐`-- ,
　　　　　　　 ､ -‐ '//／ //ィ / l l　 ﾘ　 ヽ l､ l.ヽl`ー二ﾆ-
　　　　　　　＼￣　　　　 /::l/!.ノﾘ /ヽ､ ﾄ.ヽ.!ヽ! .ﾘ　 ヽ
　　　　　　　 　>'　　.ｲ/!/::::l:::l',､l /::::l::ﾘN;ヽﾘl::l,､ 廴ヽ`＼
　　　　　　　　ﾚ'ﾌ　/l/ ﾘ::::::l:::/ﾙ':∧:l.､:ﾘ:ﾄ:::lN:::::l lミ‐-`
　　　　　　　-ﾆ∠:::l:::ｒｲ:::::::ﾄ､l/／二ニﾐ./ ! l/.ﾉ /＼`
　　　　　　　　`‐-,::l::l '_ゝ::N 　　　` `´ /　 l/lｲ/ｿ￣
　　　　　　　　　　ﾉ:::::ヾﾆ`:ゝ　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　 ／'´7:::::`ー､ 　　　　　　　　ノ/　　　　　　　　キチントした看板とは具体的には何だ
　　　　　　　　　　 / 'ﾘ:::λ!ヽ. 　　　　　 - ‐ｿ
　　　　　　　　　　　　l::`-`_- _`　、 　　 ー/-､_
　　　　　　　　　　　 」::::::::::::`-`_-,　` ‐-, '::::`:::‐, 7
　　　　　　　 　 　　ハ::::::::::::::::::::l l　　　,'::::::::::::::〃‐- 、
　　　　　　　　 ,..::'´:::::::::＼:::::::::::l !　　　lヽ:::::::::〃　　　` ､
　　　　 　 ,...:'´:::::::::::::::::::＼＼:::::l.!.　　　' .ヽ::::〃ヽ　　　　ヽ





　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |　　　　　　つまり　伊藤公に看板を持たせて
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　　 新政党という店を開いてもらうのです
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|





　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　藩閥の元締め伊藤博文公が高位高官の椅子を保証すれば
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　 皆こぞって伊藤公の下へ馳せ参じることでしょう
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　 〃./　 ,　 .ｌ　　 /　 　 /ｌ|　 |　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ハ
　　　 /／/　　| 　 ,′ 　 ,′|　 l　|　　　　　　　　 　 　 '.,　　 ',　　　.| リ
　　　.i/.〃　　ｌ|.l　.l　　　.i　|.|　 .'; |　　i　　;!　　　,　　　.ハ 　 .ｉ　　Ⅵ
　 ‐=彡' _／　.l!ll　.!　 i　.| /l　 　 '|i　 .|　　l＼ 　 .';　 l　　.ｌ|.:Ⅵ　 l　＼
　　　￣/ .／　Ⅵ､ ';　{　.|.! .';　l　 ∨　ｌ∨ |ｌ　＼　.;　.| .l　.l|　l.|　 ト-- `ー
　　　 .〈// ._　　ヽﾄ､　.';　!|.　∨ﾄ､　'.; ｌ|l ∨ ｨ≠.∨}l.,' /　./　|;　　＼
　　　　　l/ /　　 ｜.＼ｌﾄ､.;｀＞ミ､'; .∧.{ｌ '´ヽ〉＿_Ⅵノ.|.,′　,'.ト､＿_.＞
　　　　　／_ノ;　.ハ 　 ﾐｚ､＿__,ｯ'ﾍヽ ∧〉　tｚ..―ｔッァ./ノ} , ; 从_＼
　　　　 ￣'⌒∧ .ﾄ 〉.　　｀￣´　　 　 ＼从　 　￣￣　′//.,'ｲ|',
　　　　 　 　 .{ .Ⅳ',　　　　　　　　　　　 ｀　　　 　 　 　 /ｲｌ/.ﾉ从　　　　　　　 なるほど　伊藤さんをして政党の首領に据えて
　　　　 　 　 .ﾍ ヽ.ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ .ｲ　　　　　　　　　政党と藩閥の一致を目指すというわけか
　　　　 　 　 　 ＼ヽ',　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /_／
　 　 　 　 　 　 　 | ハ.　　　　　 　 ` 　´　　　　 　 　 /　 {、
　 　 　 　 　 　 　 | ﾊ.ｌ＼　　`ー-　　　 　 __　 　 　 .ｲ　.ﾄ､〉
　　　　　　 　 　_,〈/-|:l｜＼　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ,':::i::ト､
　　 　 　 　 ＜:::::::::::::|:| |　　　　　　　　　　　　 　 　 l　Ⅳ}:::::＞ｘ、
　　　　＜／..:::::::::::: 〈从l　　 　 ｀　　 　 　 イ　　 　 .|､ |lヽ〉:::::::::＞:＞..、
　　　｀ヽ:.＼:::::::::::::::::::::::ﾘ　　 　 　 　 ￣　　　　　 　 |::ヽ〉:::::::::::::::::/.　／





　　　　　　　　　　　　_ -‐ゝ `　`ｰ￣` ､lヽl､＿
　　　　　　　　　　 -=､ﾆ　　　　　　　　　　　≦_
　　　　　　　　　　 ＞´　　　　　　　　　　　　　ヽ彡
　　　　　　　　　　/_ｨ'　 l /　　　ヽ ､　　　、　　≦´
　　　　　　　　　　_∠　 l l､　､　　ヽlヽヽ　ヾ　　ｲ`､
　　　　　　　　　　　`≦ `l ﾄ､ミ≧　M ﾒ＼ ヾ、:≦´　　　　　　　　　 しかし　政党嫌いの山県のオヤジが問題だわな
　　　　　　　　　　　　／入iヾｔｧ‐　/ｲγヽ::::::::ヽ┐
　　　　　　　　　　　　! <_　　　　 ´　l/(^ﾉ, ,ｙ／::::l　　　　　　　　　　 ぜってー反対するだろ
　　　　　　　　　　　　l　ゝ‐-　　　　 厂lv／:::::::::::ヽ-‐　､
　　　　　　　　　　　　 !　`!＿　 -‐,　':´::::::::::::::::／　_　-‐＼
　　　　　　　　　　　　 l　　_ _　ノ＼＼::::::::::::::::/　/　　　　　 ` ､
　　　　　　　　　　　　/　　/　ハ:::::ヽ ヾ::::::::::/　/　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 　　ﾉ　 　'　/:::::＼:::ﾄ .l l:::::/　/　　 　 /　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　／　　 　 /､:::::::::ヾ', .l l:::/　/　 l　　/　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 ／　　　 　 /::::ヽ:::::::::ヾ l l:/　/　　l　/
　　　　　　　／　　　 　　 /::::::::ヽ:::::::::ヾl./　 '　 　 ! l　　　　　　　　　　l
　　　　　 γ　　　　　　 ./:::::::,--ヽ:::::::::::l　　l　　　 l.l　　　　　　　　　　l
　　　　　　l　　　　　　 ./::／´　　 ヽ:::::::l　　l.　　　 l'　　　　　　　 　　 ﾊ
　　　　　　 、　　　　 ノ´　　　　　_ _ヽ:::l.＿l　　　　l　　　　　　　　　 /　l

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　ですね　そのときは山県公を
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　引き摺り下ろすことも考えねばなりますまい
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　 ロシアとの対決には国論の一致は必須
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 イ _ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,--j /　厂｀二ｸ　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　_,ﾄン"　　　　　　　｀―＝ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　 シ｀　 　 　 　 　 　 　 　 ∠､
　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　 __　　　　　　　　丶ヽ
　　　　　　　　　　　　　　_|〃　　√ﾆ／三ｧ'／　　　　 マ
　　　　　　　　　　　　　　7/ .//／/,yイテ,ィ　　　　　 ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　_∨// ,ｲ,毛/イ ﾚ￣ﾒZ,ﾉノ| ,ﾚ |
　　　　　　 　 　 　 　 　 二ﾉ /l/ ｲl '　　　 ｀ヽ,ﾉｲ／lﾒ
　　　　 　 ＿. ―.､　　 ｲ: :´､l/l/|　l　　　 -‐=T　ﾚ　|　　　　　　　ロシアか……
―‐^ ‐'￣: : : : : : ￣ヽy: : : :⌒〉〉 ､ 　 　 ,,丶ヘ`､
￣: : ＼＼: : : : : : : : : : ＼: : : //　/＼ .／　/7ヽ ＼
｀丶 l : |　|: : : : : : : : : : : : : : //　/: : : : >,ヽl ゝヽ_ﾄ　'､
　　　｀`　: : : : : : : : : : : : : : :丶-､　l ／／,丶｀ 　 l　　ヽ
　　　　　　　｀　､: : : : : : : : : : :ヽヽ ￣lｲ l　ヽ＼ _ ゝ _　ヽ
―― ＿　　,　　　丶: : : : : : : : : ヽヽ　ll　l　　ヽ　￣l　　 ＼

＝‐　　　　　　　　　　　　　　　　　/´.- ー ﾉ
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／
　　　　　,　　　　, 　　　 :|　 、　　　　, - _ヽ..
.,　／　 /　　　/　　／　l !　 Ｙ :l　,　 ｀ --冫
./ ／ ｿ / ／ /.:/ /ソ　| .|　 | /　.| 　 _ノ´
./ ,=、／/　/／　∠ | .:l　| ! /|　,/　 ,ヽ.
.://_.ヽ/人|/l／ニ.、｀|:L | l./ | 丿| ﾉヾ|
::1r-、| /　　 ｀''｀´-｀ ノ /∠ 、ｌ/／ﾉ　`
::ﾍ｀ !　|　　　　　 　 　 ,ﾉ .ﾞ´-/
　l ｀-1　　　　　　　　　　! 　/
　! |/ ﾍ.　　　　　　　　 ‐´ , '　　　　　 杉山　俺としてはロシアと対峙する際
　ヽ　　:｀...、　　　 -ー　／
. ￣ ｀ ＝- ｀ゝ、　 　 .　　　　　　　　　 ペシャペシャと交渉を続けた挙句
　....::::::::::::::::://..,ヽ- ´
、:::::::::::::::::::.ｿ　/= _ ＿　,　　　　　　　　 いつの間にか戦争に引きずり込まれていた
:::::＼ _:::::::::ﾍ /::::: :: ::::://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 などという事態は避けたい




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　　はい　とにかく日露の戦争完遂の為　やれることをやっていきましょう
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

　　　　　　　　　　　　　－､ 、　 ノｊ／丿　　 ノ）
　　　　　　　　　　　（ー　､_） Ｙ´ /／⌒'ー' ∠ ,＿__　､ ヽ
　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　　　　　　＜,＿,ノ）＿,
　　　　　　　（ー‐ ' ´￣　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ ／
　　　　　　　　＞‐ ､　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　ヽ)丿
　　　　　／⌒7　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　　　　 く ＿_/
　　　　　　＿ﾉ　　　　　}　　}　　　　　　　｜l|ｌ|ｌ|　　l　　 ＿_ノ
　　　　ー'‐一　 !　 　 / / // /　　 ＿_/| | ｌ|ｌ|ﾘ　ｌ|ｌ|　　 ＜ ＿,
　　　　　 ｀フ　 ﾉ/／/／ノ/ ｲ l/／/／｀|ﾒ ｌ|ﾘ l　ｌ|ﾘ　　､＿ ノ
　　　　　 （ｒｫ / ' /⌒Y ｛ ｛/ ヽ{/ ,ニ,ニ/ ｌ ﾘ /ﾊ ﾘ　　ヽし
　　　　　　/い!　ｊ に! !l ﾊ（　　´　｀''┴　 ﾉｲ//-､! ｊ ﾄヽ〈
　　　　　　　 ｿｨ八 つ ｌ!{　　　　　　　　 　 ﾉ'ｲﾃﾐﾉ/丿 )ｿ
　　　　 　 　 乙ｨ　＼　ヾ　　　　　　　　　　　｀　{｢ﾄ(
　　　　　　　　 ﾉｲ ｌ| ｌ｢|　　　　　　　　　　‐__,ノ 从{　　　　　　 うむ　俺たちは同志というわけだ
　　　　　　　　／| ∥|! ヽ　　　　　　　 -=||　 ￣￣|
　　　　　　　　　 ﾘ |しﾚ 　 丶、　　　　 'ｰ||　 　 　 |
　　　　　　　 Ｆ＝= ‐_- ,,_　　 ｀　 、　 　 ||　 　 ＿|
　　　　　　　 |　　　 　 ￣ `ｰ_､_　　ヽ､_,/||＿／ 　 ＼
　　　　　 /￣´"''－..,,_　　　　 ｀ `ｰ/- .,,__／　 ∠`ｰく
　　 _,. ‐'´￣￣´"''－　　　　　　 //　￣〉{　　/　 -－､）
　／　　　　　　　　　 　 　 　 　 //　　 /,ハ　 }　　　Ｋ }
/　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽヽ　// 　 !　　　　 し′





　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　 　（ ⌒）（⌒）
　 　 　 　 　 |　　 　　（__人__）
　　　　　　　 |　　 　　 ｀ ⌒´ﾉ
　 　 　 　 　 ,|　　 　　　　　 }　　　　　 おおー　なら我々で秘密結社でもこさえますか
　　　　 　 ／ ヽ　　　　　　 }　　　　　　メンバーは二人だけですが……
　　　　　く 　く ヽ　　　　 ノ
　　　　 　 ＼　`' 　　　 く
　　　　　　　 ヽ、　 　 　 |
　 　 　 　 　 　 | 　 　 　 |

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　ふーむ　秘密結社なんていうからショッ○ーとか
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　 みたいな組織的なものをイメージしてたけど……
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／




　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !　　　　　　　この場合は行動方針の確認
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j　　　　　　　 それに基づいた二人の密約といったところだな
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　 _ノ　　 ヽ_＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　それにしてもロシアとの戦争を考えるほど
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　 両国間の緊張は高まっていたのかお？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}
　　 　 ヽ∧/￣　 　 　 　 　 /ﾍ
　　　 　 j　＼.　 ―‐‐- 　,. '|　j
　　　 　 　 　 ＞,　___,,. ィi ::::|　　　　　　　　 東アジア、特に朝鮮半島を巡って両者は睨み合っていた
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /
　　　　ヽ- i' "´ | o　　 ｀ﾞ" ''i‐‐´

　　　　　　　　　　　　　┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　│明治29年　朝鮮・漢城府にて親露派の李完用らが　 │
　　　　　　　　　　　　　│ロシア将兵の助力を得て武装蜂起　　　　　　　　　　   │
　　　　　　　　　　　　　└──────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ ==　＼　　　　　ウリたちのバックにはロシアが付いてるニダ！
　 　 ＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　／∥ ＠ ∥ ＼
　　/＿☆|__　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　 ==　　 ／＼　　∧∧　　　　　 　∧ ∧　　　　　∩∧∩
　//)｀Д´>　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　　／　　　＼< ｀∀´>　　　　　<　｀∀>　　　.<| |｀∀>
　 ヽ,____/|〆　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼／　　　　,,ノつ　　つ　　　　　 /　つつ　　　/'　　/
.　　.|,,,T,,,|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ⊂,　　　ノ　　　　　　⊂..,,　/　　　⊂..,,　/
.,..,.,..,じ'`J ,..,.,.._.,..,.,..,.,.,.,..,.,.,..,.,.._.,..,.,..,.,.,.,..,.,.,..,.,.._.,..,.,..,.,.,.,..,.,.,.,.,.,"ヽフ.,.,.,.,.,.,.,.,,.,.,.,,.,.,.,,.,.,ヽフ.,.,.,.,.,.,.,.,ヽフ.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,


　　　　　　　　　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　 │親日派の金弘集政権は倒れ　親露派の政権が誕生　  │
　　　　　　　　　　　　　 │国王もロシア公使館へ移った　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　 └───────────────────────┘

┌──────────────────────────────────────┐
│ロシアは明治31年までにハルビンから旅順にいたる東清鉄道満州支線の敷設権を獲得     │
└──────────────────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {　　　/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　 　 } {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 　 /　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　〈 /￣}
　　　　　　　　　　　　　　　　　☆　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　ハルビン　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　 　 〉＼　　　　　　　％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 　 　 　 　 /　　 ＼＿, 　％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　 　 _}　　　　 　 〉゛　ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／＾'ｰ─'"　　　　　　　　　／　 　 　 ／⌒
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /´　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈 く＾⌒＼/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 [rﾚ┐
　　　　　　　 ／⌒)　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 }'＾　{
　　　　 　 ／　 ／ 　 _,,,∠,__　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｛　 　 ',
　　　 }一'　　　]☆／☆　/　　　 ＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 }　　 ノ
　　　{＿__ 旅順 　大連湾〈　　　　　 ',　　　　　　　　　　　 　 　 　 % ／　┌'
　　 　 　 [__／＾'ー┐　　 　￣＼ 　　　',_　　　　 　 　 　 　 　 η　__/　　　}_
　　 　 　 　 　 ,..斗┘　　　　　〈　　　 　 {　　　　　　 　 　 　 _}└'ﾞ　　　　 ７
　　　　　 　 ／　　 　 　 　 　 　{　　　　 /　　　　　 ＿＿ 　_}　　　　　　　〈
　　 　 　 ／ 　　　　　　　　　　j{　　 ___/　　　　_,／　　　￣　 __　　　}‐{_/＾
　　　　　⌒＼　　　　　　　　　j{ー'⌒ 　　　　と___,,斗rやつ　 〉 ￣￣
　　　　　　　　',　　　　　　　　 ∞　　　　 /⌒'ｰ,　 / _＿〉＼_/
　　　　　　　　 ',　　　　　　　 　 　 　 　 　了 　 〉└'
　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　 　 　 } 　 /
　　 　 　 　 　 　 〈　　　　　 　 　 　 　 　 └‐'ﾞ
　　　　　　┌───────────┐
　　　　　　│旅順口と大連湾を租借　　│
　　　　　　└───────────┘

┌───────────────────────────────┐
│朝鮮政府ともロシア軍による国王保護、軍事教官及び財政顧問の派遣　  │
│電信架設等の秘密協約を締結、朝鮮半島に対する影響力を高めた　　　  │
└───────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _r-- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'"'ー-'"` ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ロシア帝国
　　　　　　　　　　　　　　　 i,7 _　 , ,　_　　!,.、
　　　　　　　　　　　　　　　 .i! 'oﾆﾘ i,'oｭ'　i'{(i
　　　　　　　　　　　　　　_,,..,ﾘ `,ｨ_　_i ''　 ｲ!'/
　　　　　　　　　　　_,,.-''" iｿ;;i!r;;ニ二ヽ, ﾉ;;ヾ`ｰ-､_
　　　　　　　　　 -''／　　彡; ; i'i`ﾆ,ﾆ7!!/; ; ;ミ ､`　`ヽ
　　　　　　　　　　 '　　 /　i; ; ; !i`ー'ｿ i; ; ; ;/、　　　　＼
　　　　　　　　　　 、＞- `　!; ; ;`ﾆニ/; ; ; /　　`　　　 i　!
　　　　　　　　　　　＾　　`i　 i; ; ; ; ; ; ; ; ; ;/　ー　　i　　!　i
　　　　　　　　　　　　　 ii l　 ` -=;_;_;_;_;/i　　　 `ヽi　! l　 !

.　　 ∧__,,∧　　　　　　　　　 ∧,,_∧　　　　　　　　　 ..∧_,,∧
　　 <｀∀´∩　　　　　　　　<｀∀´　∩　　　　　((　 ∩*｀∀´>　 ))　バックにロシアが付いてる！
　　/　つ　E_）　　　　　　　　（つ　　丿　　　　　　　　〉　 　__つ
　　し―-J 　　　　　　　　　<＿＿ ノ　　　　　　　　 (<⌒）ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　レ　　　　　　　　　　　ヽ,_,ﾌ

┌───────────────────────────┐
│日本政府は明治31年、外務大臣西徳二郎が　　　　　　　　　　　   │
│駐日ロシア公使ローゼンとの交渉において満韓交換論を提示　　│
└───────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'_,.,"k"'"7"''''ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／>;;:v:ii>　i　/~'　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ﾍへ_〉⌒t,""i_,i,.,._l　　　 入
　 ∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈ヾメ'"＞-ｰヾ＞-::ム､　　　ﾉ
　（,,；´∀｀）　　　　満州におけるロシアの権益の一切を認めるから　　　　　 "'ヽi"　.,,,,,..- 彡,.　,.い=-i'"
　と 　　__　 ）つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"'彡''''ヽ,.___iウ　 ＼ヽ|
　　）　） ）　）　　　 代わりに朝鮮半島での日本の権益を認めて欲しいな　　　　　　_＞'"､＼/　　　 ノ"l
　（＿）（＿）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.,,,,,.-ー'l.,　 i ク'"_ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"''''"￣"





　　　　　　　　　　　 ┌────────────┐
　　　　　　　　　　　 │がロシア側はこれを拒否　　 │
　　　　　　　　　　　 └────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,=＝､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,, }ﾆ､Pﾐ ､_
　　　　　　　　　　　　.rﾆi个､ｯ,,, -ー､,,r' ー `"'''"=t- 二ー､- m'ミｭ
　　　　　　　　　　　　 {ﾆU-''!il　ー-ｰ__　　）ヽ､ヾ-ー!-ｲ!__ｨ__,,ﾘ!ﾆ{ﾖ
　　　　　　　　　　　　 ヾﾆ'-'"ｰ-､＿ﾉ-ｰt_'_ミ　 r＼'T/ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !ﾆ=＝＝=!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（,rー ､　 r!_
　　　∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾆ＝- ﾄ''メゝ
　　 （´Д｀　）☆　　　　　　　　　　　　　　　i　　, ､ i　 il l
　　　し　　し）　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ (　 iｲｰ''_ｿ
　　　 　＼＼＼　　　　　　　　　　　　　　　 （`}W{ ）ミV
　　　　 　 し し'　　　　　　　　　　　　　　　　F=ﾐﾃ ﾆ!_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(_ 三ヽ=='
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー-'

　　　　　　　　　　　 　 　 .　　-----　　.
　　　　　　　　　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼
　　　　　　　　　　　, ::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::V: :ヽ.
　 　 　 　 　 　 　 / :::/:://: :/!! :::::|:||:|::::Vﾊ:::::::ﾊ
　　　　　　　　　　|::::/::::|:|::::|| ||:::::::|:||:|:::::|::::|／:::|
　　　　　　　　　　|::::||::::|:|::::|| ||:::::::|:||:|:::::|::::|∨:::|
　　　　　　　　　　V::|≧＝=-､ 　　 ''"´￣￣ ｝:::|
　　　　　　　　　　 }-l'　／ ／ﾞY´　　イﾃ〒ｱ|彡|　　　　 こういった動きが秘密結社結成の背景にあったわけだ
　　　　 　 　 　 　 {ﾍ|Y::／　　ﾉ　　　弋:ソ' /|ﾊ}
　　　　　　　　　　 ゝ|ﾊｰ一　　　,　　　　　 '.ﾞ|ノ
.　　　　　 　 　 　 　 |. ﾍ　　 　 _　__　　　/l　|
.　　　　　　　 　 　 　 　 丶　　　 　 　 ／ :|
　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　.__. イ!::::::::|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |｀ヽ.　／ | ::::: |
　 　 　 　 　 　 　 　 .　＜／ヽ ｣/　／ヽ.＞　.
　　　　 　 　 　 r＜＞　´　　　|.o　　　　　｀　＜＞┐
　　　　 　 　 　 |　ｉ　　　　 　 /　　　　　　　　　　／ﾊ





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　 なーる　一触即発というほどではないけど
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　油断なら無い状況だったのかお
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　( ア .　　　　　　 かくして茂丸は伊藤博文を首領に添えた新党結成に向け動き出す
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／
　　　　　　　　　|::|:::::|‐'￣ ＞　.　　＼
.　 　 　 　 　 ／|::|:::::|　　　　　　　＞‐≧:､
　　　　 　 　 |:　|::|:::::|　　 　 　 　 　 ／￣`ヽ、
　　　　 　 　 |i　|::|:::::|　　　　 i:. 　／　　　　　ﾄ､
.　　　　　　 /!ﾍ.|::|:::/ 　 　 　:|:: /　 /　　　　 |｜
・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　 　 |　　　（ ●）（●）
　　　　　　　 　 |　　 　（＿人__）
　　　　　　　 　 | 　 　 　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　 さーて　どうやって伊藤閣下をその気にさせるかだ
　　　　　　　 　 | 　 　 　 　 　 i
　　　 　 　 　 　 > 　 　 　 　 ノ
　　　　　　　　/´⌒｀￣ ￣¨ ｀ ＜
　　　　　　 　 | 　 　 　 ＿ﾞ＿.､ 　 ＼
　　　　　　　　ヽ, イ´￣ /　　ヽて 　 〉
　　　　 　 　 　 l　　 　 / 　ｒ 　 ヽ彡'
　　　　 　 　 　 ヽ 　　/　 　ヽ　　 ヽ 　 　 　 　 ｊ ⌒l
　　　　　　　　 ,ィヽ 　　　　 / Ｙ　　 ゝ-､ ──´　 │
　　　　　　r_-ィ__ﾉ_ヽ､＿＿ﾉ__「＿＿＿ﾉ__＿_＿＿」





　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　. （　（● ） .　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　|
　　　　　r‐-､　　 　.　　　|
　　　　 （三））　　　.　　　|　　　　　政党こさえて首領になってください！
　　　　　>　ﾉ　　　　　　 /
　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /　　　　　 なんて正面から言っても果たして引き受けてくれるかどうか
　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈
　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）
　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　.　|　 ＼_／...|

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　　いや　そもそも今、大礒に病気療養面会謝絶と称して
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　引きこもっている伊藤公をまず引っ張ってこなけりゃならん
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼




　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　 ……ここはちょっとした搦め手で誘いをかけてみるか
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　 　 　 　 　 ／￣￣￣ヽ
　　　　　　 /　　　　　　　ヽ
　　　 　 　 | 　 _,ノ　ヽ､_　 |
　　　 　 　 |　 （●）（●）　|
　　　　　　 |　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　ヽ.　　 　 　 　ﾉ
　 　 　 　 　 .>　　　　　 く
　　　　　　／　　　　　　　 ヽ　ｶﾘｶﾘ
　　　　＿/((┃))＿＿_＿i　|
　..　／ /ヽ,,⌒) ￣￣（,＿,ノ ＼
　／　 /＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. 　＼
　 .￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　/ ヽ＿＿__／/
　　　　　　　 　/　　　/　　　/
　　　　　　　　/　　　/　　　/
　　　　　　　 /　　　/　　　/
　　　　　　　/　　　/　　　/
　　　　　　 /　　　/　　　/
　　　　　　/　　　/　　　/
　　　　　　￣￣￣￣￣

／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
|　小生昨今政治談に倦き果て申し候間、同好の士連れ │
|　今晩より義太夫興行を致し候間……　　　　　　　　 　　│
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／



　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ●）（●）
.　 　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　政治談ではなく義太夫の興行ってことなら
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　 伊藤公も顔を見せるだろ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}
.　　 ヽ 　 L　　　 　}　　　　　　　　 引きこもっていても退屈だろうしな
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ





　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　　 　　 ＼
　　　　　　|:::::: 　 　　 　　｜
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　　　　　　　 あ、そうだ　ダメ押しに芸者を
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜　　　　　　　 一二人連れてくるってことも書き加えておこうか
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　}
　　　　　.　 ヽ:::::::::::::: 　　 }
　　　　　　　 ヽ::::::::::　　ノ
　　　　　　　　/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: ＼―((┃))―――
　　　　　　 　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

┌───────┐
│大礒　濤龍館　  │
└───────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／／／.＼＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／／／:|| || ||＼＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　.／／　.|_||_||_||_||_.||　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　 .／／　　　￣￣￣￣´　 　.＼＼
_____________________________／／:: : :: : : : ....　　　　　　　　　.＼＼____________________________________________
ｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿ.／／:::::: :::: ::: ::: :::: ::::: ::: ::: : . .. . . .　　＼＼ｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿ
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⌒/癶)))))))))))l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」((((((((((癶⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒
⌒/⌒ヾソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソ_/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/
⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/
⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/
二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二
　　　　|:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|
　　　　|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:|
__ __.　 |:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:|
| || |......|:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|.........................................艸艸.
|_||_|......|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:|.............................................艸艸
.　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　艸艸艸
＼_________________________________________________________________________________________________________________________________ヾヽ
ｿｿ＞=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l==l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l==l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l==l=l=l=l=l艸艸-､,､　艸艸艸
|""＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝ 艸艸艸⌒ヽヽ/
|＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝ 艸=彳艸艸　　　　_ｿ:’;;:
|((二二二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二fnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn　 (,!｡:;;
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|　|　　　　　| |::::|＿＿|_|＿＿|_|　ヽ.　ヽ.　ヽ. 　 .| |　　　　　|　|:||_ _.i _ _;i _ _i _ _i.__,.i _艸彳　　　　　　　ｿ｡ﾟ；::
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|　|　　　　　|_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|_|　　　　　|　|:||_ _.i _ _;i _ _i _ _i.__,.i 艸艸艸艸　　）::；；
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ,､,､,､
　::::::::::::::::::::／＝　　＝　　＝　　＝　＝　＝　＝　＼::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　ノ⌒´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒`´　,.r''"　""

┌─────────────────────┐
│はたして伊藤は茂丸の目論見どおりやって来た　   │
└─────────────────────┘


　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.i.: : : : : : : :.,r´⌒` 、 : : : : : : : }::＼
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.|.: : : : : : : :.{ /∨ヽ.}: : : : : : : : .ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　 　 |:.:.:.:.:.:|.: : : : : : : :.丶､__,．': : : : : : : : 丿:.:.:.:）
　　　 　 　 　 i:.:.:.:.:.:.:i、 : :__,,.-ｬ=ァ~~￣~~了"べ亙:.:.:.:./
　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:`iｧ弋: : : : : : : : :.ﾄ､.: : : : : :.ノl|∨/
　　　　　　　 　＼ ／＼,＿.: : : : : : : :.|,,,i、_,,.∠;斗l|l|ｲ
　　　　　　　　 　,ゞ,l|l||´<込ﾆﾅｧーｰ亠 z弋才ゞ{l|れヽ
　　　　　　　 　　i､丸l|{　.f　￣.,,/" }　!"ヾ,,￣ 　}ミ/ﾜﾘ　　　芸者に釣られたって訳じゃないぞ
　　　　　　　　　 ヾ`､_言 ｌ.　 　 　　|　　　　　　./ﾐfｿ./
　　　　　　　　　　　＼_ﾐ. ｉ 　 　　i､,i_,jゞ, 　 　 /　|／
　　　　　　　　　　　ノl`i、､_.．イ´彡ｪﾐ爻ﾞｼｪ;,.ｬ　i|`夊
　　　　　　　　　　　ﾙj;|ト`ｰ‐''""￣ ￣｀`゛゜`゛　ﾒ|ミﾐし
　　　　　　　　　　　 彡廴＼ヽ.　~武才~ 　/ ／/_|父
　　　　　　　　　　　　ノ|:.:.ｉＶ＼!, 　　　　　／ ｵ.ｉ:.:ト．_
　　　　　_,,.． ｬヒ''"´ 斗:.:.:ｉﾍ.: :＼,_＿_,／ｼﾞ/: :.ｉ.:.:r-ゝ~"'ｰ- ,,

　　　　　　　　　　　　　　　　　伊藤博文





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ⌒）（⌒）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　 はいはい　では始めましょか
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　 │ 宴会中　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 └────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -‐＝=､､
　　　　　　　　　　　　 ,. =＝=､､　ｏ 　 ○o. 　i 　　 　　 :::ト､
　　　　　　　　　　　_,/ 　 　 　｀ヾ´´`ヽ、　ﾟ　.ｌ 　 　　 　:::ﾄ､＼
　　　　　　　　　　 // 　　　　 .::::/　　:::::!=＝=l　　　　　 :::|ｽ.　',
　 　 　 　 　　 　 /./ 　 　 　 .::::/　　 ::::l　　　 |　 __ ..... _::::|} ヽ l-､
. 　 　 　 　 　 ,ｨｸ ,'..__ 　　　.::::/ 　　 ::::l　　　 :l '´　　　　｀)'｀ヽ ヾ;＼
　　　　　 　／::{ﾞ　ヽ、 ｀`丶､;/‐‐- ､::::l　　 　 `'::┬‐--＜_ 　 } ./;:::::＼
　　　　　／::::::::!　　 ,＞---‐'ﾞｰ- ...__)ｲ　,.　-‐‐-､ﾄ､　　 |l::ヽ ／;';';';';::::＼
. 　 　 ／|::::::;';';'＼／｝　（ヽ、　　_/| 　 (´　　　 _,.ｨ!::ヽ. 　ヾｰ'´;';';';';';';';';:: /ヽ、
　 　／ ,ﾉ:::;';';';';';';';';'/　 /ヽ､二ﾆ-ｲ　　 ヾT　¨´ ,/;';';::`、.　＼';';';';';';';';';';〈::...
.　／　 i::;';';';';';';';';';'/　,ｲ.:::::::::::::::::: !　　 　ヽ`ｰ‐'";';';';';';';ヽ　　 ＼';';';';';';';';';!:::::



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　┌────────────┐
　　　　　│そして数日たったある日　　   │
　　　　　└────────────┘

.　　　　　　／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:＼
.　　　　 ／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:＼
.　　　／:.:.:.:.:.::.,.k≦¨¨彡:.:.:.::.:.:.:.:.:i
　　　i:.:.:.:.:.::√　　　　 　 ミ:.:.:.::.:.:.:|
　　　|:.:.:.:.:.:|!|　､_厶-‐''¨　 Ⅵ⌒j:|　　　　　　 おい杉山君　いい加減にして欲しいな
.　　 八:.:.:.:.rﾍ 　　イ ア'　　 　,ノ:.|
　　/　 }:.:.:.|ヒｧi　　　　　　　　ｉ刈:|
.　　　　|ﾊ!:ﾄ､　|　　　　　　　　}　 V_
　　　　　　　　､`　, -‐－　　, ′／ 乂_
　　　　 　 　 　 ＼　　　　／ .／　　　 /＼
.　　　　　　　　　　`ｰ─　,≦.　 　　　/　　＼
　　　　　　　　　　　／|　}　 }　　 　 /　　　　 ＼

　　　　　　　　　憲政党幹部　　原敬




　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　ん　なんのことだ？
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／:::::::::::::::::¨:''ﾍ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::=-‐
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｒ''ミ:::メ、
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 V::::::::::::::::::::::::::／/::/　}:ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　 　厶ミ!|.::/:/:/／ ./::/／/!|
　　　　　　　　 ＿＿＿_,.．, イ　{ｔｯ|:/:/斗zｫｰ''/ ﾋﾔi┐
.　　　 ,　''　¨　　　　　　 /　 {　弋.|　 　 `¨¨　　､ 　 ! ﾄ､　　　　　　君等が毎晩毎晩宴会をして
　　／　ヽ, 　─── ‐‐|　　 ､　　ｉ　　　　　　　' 　 '　!　;　　　　　　伊藤の親父さんを引き上げてしまうから
　/　　　　i　　　　　　　 |　　　ﾍ　 ＼　　 -‐ ‐　 ｲ　　}　!　　　　　 俺たちの用事が少しも運ばぬ
./　　 i　　|　　　　　　　 |　　/¨''{　　 ＞　 __ ／　　　/　j
　　　 i　　|　　　　　　　 |　/| |　 }　　ｒ'' {　／/　　　/　/
.　 　 i　　.|　　　　　　　 |/　l .{　 乂　　j ノⅣ.　　 /　/
　　　i　　 |　　　　　 　 　 　 ＼＼　ﾍ,ノ/ /.　 　 /　/
　 　 !　　 |　　　　　　 　　　 　 ＼＼__/./ 　 　 /　/




　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　　　　　　 　 　 　 .　|　　　　 （__人__）
　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　君の用ってのは伊藤公を政党の首領に
　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　　 　 }　　　　　 引っ張り出すことだろう
　　　 　 　 　 　 　 .　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　それは俺が担当してやるから　まあ待っててくれ
　　　　　　　　　　　　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　＿＿＿ 三）
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　／　　 ⌒　　＼
　　　　　|　　ﾐｨ赱､i .i_r赱
.　　　　　|　::::::⌒ （__人__）
.　　　　　|　　 　　ﾄｴｴｴｲ　　　　　　君がご馳走を食わせてくれたら
.　　　　　ヽ　　 　　｀""´}　　　　　　より確実だぞ　ｳﾋﾋ
　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　/　　　 く




.　　　　　　／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:＼
.　　　　 ／:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:＼
.　　　／:.:.:.:.:.::.,.k≦¨¨彡:.:.:.::.:.:.:.:.:i
　　　i:.:.:.:.:.::√　　　　 　 ミ:.:.:.::.:.:.:|
　　　|:.:.:.:.:.:|!|　､_厶-‐''¨　 Ⅵ⌒j:|
.　　 八:.:.:.:.rﾍ 　　イ ア'　　 　,ノ:.|　　　　　　　　 それで本当に伊藤さんを説得できるのか？
　　/　 }:.:.:.|ヒｧi　　　　　　　　ｉ刈:|
.　　　　|ﾊ!:ﾄ､　|　　　　　　　　}　 V_
　　　　　　　　､`　, -‐－　　, ′／ 乂_
　　　　 　 　 　 ＼　　　　／ .／　　　 /＼
.　　　　　　　　　　`ｰ─　,≦.　 　　　/　　＼
　　　　　　　　　　　／|　}　 }　　 　 /　　　　 ＼

　　　　 　／￣￣＼
　　　　／　　 _⌒　 ＼
　　　　|　　　（●）（ー）
　　　　|　　 ⌒（_,,人__） ﾎｼﾞﾎｼﾞ
　　　　|　　　∩ノ |;;;| }
　　　　|　　／＿ノ"' }　　　　　　　食わせてくれれば確実だ　食わせねば見込みは無い
　　　 /ヽ/　　/　 　 }
　　　(　 ヽ　 /＿　ノ
　　　7.ヽ＿_/　　　＼







　　　　　　　¨''＜:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:ヽ_
　　　　　　 _,.．≦":.:.:.:.:./::./:/ﾚ{:.:/^⌒^¨''ｰ､:.:.::.:.:ヽ
　　　 　 　 　／::.:/:/.:.:!:!:./:/_,ノ!:| ､　　u　　　ヾ:.:.::.ﾍ
　　　　　　　':.:.//:/: :/|:|/≦　　|:!　`ｰ- ．..,,__　}:.:.::.:.:ﾍ
　 　　 　 　 i:./ |:/|.:.:{ |i-‐ tｧ　 |!　　-‐─tｧ　　{:.:.::.:.:/
　　　　　　　|′|' .{.:.:|　 ￣　 /　　　　 ￣　　　 .}:.:.::./
.　　　　　　　 　 　 Ⅵ　　　　 }: :`　　　　　　　　Ⅴf ヽ
　　　　　　　　　　/ﾍ|　　　　　　　　　　　　　し　〈　ji }
　　　　　　　　　　{{:iﾊ　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　ノ　　　　　　 情けないやつめ
　　　　 　 　 　 　 ヽ ﾊ　　　 ヒ 二 つ　　　　　＿／
　　　　　　　　　　　 ヽﾊ　　　　ｰ　　　 　 　　/!:/　　　　　　　　　まあいいや　今度の宴席は俺が奢るよ
　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　 　 　 　 　 ／ {/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ､　　　　　　 ィ　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　｀ ｰ─≦　　　 　|
　　　　　　　　　　　　　　 _| 　 　　　　　　　　 |＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 /{　　　　　　　_,.．-'''"　 {
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　＼　　　./￣l　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　 　 　 /　　ｧ､}＿_/＿__j　　　　　　／`ｰ-､＿
　　＿＿ _ ,,.. ．-‐ '''/　／ﾍ/////三三＼　　　／　　　　　　 ￣ ''‐- ．_

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　 ┌────────────────────┐
　　　　　　　　　　 │数日続いた義太夫の宴席も　　　　　　　　　　　   │
　　　　　　　　　　 │とうとう語る段が無くなり義太夫会は自然解散　   │
　　　　　　　　　　 └────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 気をつけてー

　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　,.ノ　 、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　（● ●
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　 （__人）/ )　　　　　　　　　　　　　　 ∧＿∧ ∩
　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ　 　 ノ/ /　　　　　　　　　　　　　　 （´∀｀　）丿
　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾊ　　　ヽ/　　　　　　　　　　　　　　 ⊂ 　 　丿　　　　　んじゃ　かえりますー
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ l　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　γヽ　
　　　　　 　 　 　 　 　 　 （ |　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　(__丿＼__ノ　
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 し　　.Ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 茂丸の義太夫仲間

　　　　　　　　　　　　　　┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　│しかし　それ以降も伊藤は濤龍館へと足を運んだ     │
　　　　　　　　　　　　　　└──────────────────────┘


　 　 　 　 　 　 　/二三￣￣: :: :｀ヽ、
　　　　　　　　　〈: :: :: :（M）: :: :: :: :: ::＼
　　　　　　　　∠二二二二ニﾆﾆ≧ｭ､ :ヽ
　　　 　 　 　 　 lミ　'´　　　 ｀ヽ　ミ三ヽ:j
　　　　　　　 　 ﾍﾐ　●(⌒ヽ ● 　 ミ彡/　　　今日は宴会やらないのかい？
　　　　 　 　 　 ヽﾐ⊃ (从从ﾊ ⊂⊃ ﾐ'ﾉ
　　　　　　　 　 　 ﾍ　　　　　　　　／
.　　　　　 　 　 　 　 /⌒l __　 ,. イｭ､
　　　　　　　　　 　 /＝/; : ,ｨ/ﾆ/:: : :ヽ
　　　　　　 　 　 　 |: :: :l: \: ;'ﾆ/;ィ｀: : :}






　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　（連日あれだけドンチャン賑わってればな
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　引きこもりの療養生活に戻るのなんて退屈で仕方なかろうて）
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　　　　　（まずは目論見どおりだな）
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　閣下が山県公と同様に政党を無視して
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　 之を改造することをお勤めにならぬのこの現状
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　一体いつまで引きこもりをお続けになるのです
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣





　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ― ｨ'⌒ヽ　　　　　　　　　　政治もこうなっては駄目だろう
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ　　　　　　　　　　 せっかくの憲法も役にたたなくなってきたわい
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）　　　　　 ; ｿ
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ　　　　 　 　 .（(
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼＿__　＿__.. ｿ
　　 （　 ﾞヽ　 ０　 0 l 　(､_うｿ￣‘;
　　 　 ヽノﾉ'　　　　ﾉ ￣

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　それでは憲法御発布時の勅語
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　　「万世不磨ノ大典」という陛下の詔はどうなるのです
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　　　　　　　 ,. :´: :: :￣￣三二ヽ
　　　　　　　／:: :: :: :: :: :（M）: :: :: :〉
　　　　　　/: ,.z≦ﾆﾆニ二二二二＞
　　　　　　{:,/三ミ　　 　 　 　 　 ミl
.　　　　　　Vミミ 　 ノ　　　 ｀ヽ　ﾐﾊ
　　　　　　　('ﾐ　　　●,r'⌒)●　ﾐｿ　　　　　　うっ　陛下の詔を出されるとな……
.　　　　　　 　 ｀⊂⊃(从从ﾊ⊂/
　　 　 　 　 　 ,z‐＞､　___ ,l⌒ヽ
　　　　　　　 /: : :ﾊムヾ : ,ｨi ＝',
　　　　 　 　 {.: :´ヽﾍム :\: :l: :: :|

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　 閣下には早く善良なる政党を御自身で拵える
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　御責任があるのでございます
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　 　 ﾋﾞｼｯ
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__ 　 て
　　　|　　　　＿＿＿ 三） 　（
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣　　 ´




　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ― ｨ'⌒ヽ　　　　　　　　　　そうは言うがねえ……
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼






　　　 　 　 　 　 ,　 -‐‐…‐‐-　 .
　 　 　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
.　　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :〃「∨|ヾ: : }
　　　　／:.:.:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :ゞ,!___」ﾉ:_::ﾉ
.　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: ::_;: ::-‐: : ¨￣: :: : ＼
　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イｧ‐ ,.へ _‐―‐‐ｘｪ一'
　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ=守i 　" ≧tﾗ＾{ )ﾁｭ}
　　　　｀ ｰｧ爪てヾﾐ　 {　　　 '´'. {　｜
　　　　　　川込_うミ　 ヽ　　　,. 、）　!　　　　 現在のところ小党分立状態でお互いに攻撃しあい
　　　　 (､_川i∧　jﾐ　　　　,.ｨ彡ミメ〈　　　　　それでいて藩閥も攻撃する
　　　　 冫少 　 、ｷ　　 } 〃こ二7/`
　　　　彡ﾍ、　　　込、　｀　　'⌒ ,′　　　　　そんな渦中に藩閥の頭目である私が突っ込んでも
　　_／: :: :{ :｀ ‐　.,__　 ＞x､ 　　,ﾘ　　　　　　 ことが上手く運ぶわけもなかろうて
＜//ヽ　: :: ::.:.:.:.:.:. :｀;: : ::‐―〕¨´
: : ＼/∧:_::_::_::_:: :＼::', :: :: : :l＞-　..,,__

　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　 いえ　それは違います　政党というのは実は藩閥が大好きなのです
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　 彼等はキチンと公平に高位高官の椅子を
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm　　　　分配してくれる人を待ち望んでいるのです
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣




　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　 政党が分配を担当すれば、主義主張もなく集まっている連中のこと
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　　 必ず諍いが起こり、結局元の木阿弥でしょう
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　 ／　 　_ﾉ＼
　　　　　　 /　　　　 （一）
　　　 　 　 |　　　　　（__人）
　　　　　　 |　　　 　 　 　 ｌ
.　　　 　 　 |　　　　　　 　|
.　　　　　　 ヽ　　　　　　ﾉ　　　　　 劣悪な政党員も陛下の赤子、日本国民であります
　　　　　　　 ヽ　　　 　/
　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　|　　　　　|
　　　　　　 　 |. 　 　 　 |




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　閣下は政党員を先ず集めて指導、育成して
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　 堅実な政党を拵えるだけの面倒を
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　見ておやりなさらねば済みますまい
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　　　　　　　　　　 z≦￣¨: .．
　　　　　　　　　（:: :(M)_::_:: :: ｀'' ､
　　　　　　　　 　 >≦⌒ヾ_ヽ:: :: ::}
　　　　　　　　　（(::;^fぇ tﾃ`了'=┤　　　　　　　 うーむ　そうかもしれぬが……
　　　　 　 　 　 　 ﾐ1　j_,､ 　 １ﾗﾐ}
　　　　　　　　　　 从〆ﾆ㍉ｬj《弐
　　　　　　　　　　 　 ﾍ ¨　 ,.ｲノ}､＿　　　　　　　　いや私もしっかりとした政党の必要性は
　　　　　　　　　　　_／〕爪ﾌ´:_::;仁/: ￣｀ヽ　　　　 わかっているつもりだ
　　　　　　　　　 ィ仁}=､Vz≦´/ﾆ/: :: :: :: ::.:.:.
　　　　　　　／:: /ﾆ/.: :j!: :: :: ::{ﾆ｛: :',: :: :: :.:.:.:}

　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ― ｨ'⌒ヽ　　　　　　　　　だが直ぐに、というわけにはいかぬな
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　　　　なぜです　善は急げと申すではありませぬか
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ― ｨ'⌒ヽ　　　　　　　　　こういうのには金が入るんだよ
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）　　　　　　　　　 先立つものがね……
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼







　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　つまり金さえあれば良いのですね
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　　 それはわたくしが直ぐに用意します
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ● ｨ'⌒ヽ
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）　　　　　　 いや君が拵えた金は受け取れぬ
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　 なぜです　私は福岡においては閣下方よりも上位にある侍ですぞ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／ ヽ､.　_ノ　＼
　　　　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　　　　|　　（__人__）　｜
　 　 　 　 　 |　　 ｀ ⌒´　　|
　　　　　　　 |　　　　　　 　}　　　　　　　　国家の為に拵える私の金が、何故使われぬのです
　　　　　　　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　　　人＿__＿_ノ"⌒ヽ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　/ 　　　　　　　　　　 へ　　＼
　　　　 （　　ヽγ⌒)　　　　　| 　＼ 　 ＼
　￣￣￣＼＿＿／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ― ｨ'⌒ヽ
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ　　　　　　 君は藤田伝三郎から取ってくるんだろう
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）　　　　　　 アレの金を使うことは個人的に嫌でな
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　それならばこれから持ってくる金は、決して藤田から取らぬこと
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　 閣下の御生存中に、この金のことを決して口外せぬこと
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　この二点を閣下に誓約いたします
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ● ｨ'⌒ヽ
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）　　　　　　そんな金がこの世にあるのかね
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||





　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |　　　　　　 もしあったら、の話です
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　　　　　　あったなら閣下はお出掛けにならねばなりませぬぞ
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│数日後　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────┘



　　　　　　　　ｖwｗｗｗwwwwwwwwwwwwwv
　　　　　　　　:ll----------------------ll　　　　　　　　　　　　　：;;ゞ；：;:ゞ.
　　　　　　 ,,r'ﾞ:;;:; ;::; :;;:; ; ;:;:; ::;:; :;:; ;:;::;:; :;:; ; :;:;ﾞﾟ'i､　　　　　　　彡ﾐ､r~::　：　;;ゞ(;;;：;:ゞﾟ'ﾞ
　　　　　,r''ﾞ;;:; ; ;:;:; ::;:; :;:; ;:;::;:; ;;:; ; ;:;:; ::;:; :;:; ;:;::;:; :ﾞﾟ'i､　　　　 ﾐ彡iﾟﾞ(;;　　:.'；:;:.：ゞ　;;ゞ:;:ゞ
　　　.,,r''ﾞ;;:; ; ;:;:; ::;:; :;:; ;:;::;:; ;;:; ; ;:;:; ::;:; :;:;,,,ｿ “ﾞﾟ''''' ''ﾟﾞﾞﾟ　　彡ﾐ；ヾ::：;;ゞ　：;:ゞ.：ゞ
　 ,,rﾞ‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰　　(彡ﾐ彡ﾐ彡ﾐ彡ﾞ》ﾐ彡ﾉ''ﾞ(　　　;;:　.'；:;:.：　ゞ;ﾞﾟヾ；:;::ゞ;:;
《《,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　(彡:;:彡ミ;　;:;;　:ﾐ;;:;:;彡｀ﾟ“'：;;ゞ；：;:ゞゞ.：;　;ゞ ：;:ゞ.：.
　,r'~二二二二二二二二二二二二二　ヽﾐゞ　ゞ::;ゞ;　:;:ﾐ;:;:彡ﾐ彡ﾞﾟ''')：　　;　:ゞ.：;;ゞ；：;:ゞ.：;;
　ﾞ~l~~~~~~~~~~~~~~~~ﾆﾆﾆｗﾆﾆﾆ~~~~~　(彡　　彡;:;:;ﾐ　彡ﾐ：　;;丿：;;ゞ　：;:ゞ.：　　;;ゞ；　：;:ゞ.：;;ゞ
　　|￣￣￣￣￣￣￣|　　 ∥　　 |目　　　.(ゞ;:ゞ;:,ｖr━i､
　　|￣￣￣￣￣￣￣|　　 ∥　　 |　　　　l'''''''"'''''''''ﾟ゜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
　　|￣￣￣￣￣￣￣llllllllllllllllllllllllll　　　 │::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ~'ﾍ､;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　:.､､;:　...:,:.:.､　,:.:.､､;　.:,:.､　　:.､､;:..　.:,:.:.､.:.､ ~'ﾍ;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　:.､､　;:...:,:.:.､,:.:.､､　;:...:,.､　:.､､;:...:,:.:.　､,:.:.､､;:...:,:　　.:.､~'ﾍ;;::::::::::::::::::::::::::::::::
:.､､;:...:,:.:.､,:.:.､､;:...:,:.:.､　　:.､､;:...:,:.:.､　,:.:.､､;:...:,:.:.､　:.､､;:...

　　　　　　　　　　　　 ┌─────────┐
　　　　　　　　　　　　 │大礒　伊藤の別荘　  │
　　　　　　　　　　　　 └─────────┘

　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/　　　　　　 これはお約束のものです
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|






　　　　　　　　　 　　,, -─- ､._　〃"
　　　　　　　　"ミ ／　　　　　　ヽ
　　　　　　　 　　 |　　 ノ 　ヽ､　 |　　　　　　　お、丁度ここにいいかばんが
　　　　　　　 　　 |　（●）（●）　 |
　　　　　　　　　　|　 （__人__）　　|
　　　　　　　　　　ヽ　 ｀⌒´　 　.ﾉ　　　　　　　 このかばんに入れておきますね
　　　　　　　　　　/　　 　 　　 ヽヽ,　） ）"
　　　　　 "（ （　（　ヽ　 　　　／.／
　　　　　　　　　　＼ ＼　゛／／　 |　　　ｶﾞｻｺﾞｿ…
　　　　　　　　　　／ / ヽ ~ ＼ ｀ヽ~＼
　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　 |　ブランドバッグ　 /
　　　　　　　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿／





　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ● ｨ'⌒ヽ
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）　　　　　　 本当に金を作ってくるとはね……
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ　　　　　　　　　 どれどれ
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||＼

　　　 　 ／: :: :: : 〃.＿　 ＿ ヽ: :: :: :: :＼
.　　　／: :: :: :: :: :{.　|:l　V　!:|　} : :: :: :: :: :＼
.　　/: :: :: :: :: :: : ∧ |:l　 　 |:| ﾉ: :: :: :: :: :: :: :ﾍ
　 /: :: :: :: :: :: :: : _: :ﾆ=―=ﾆ: :_: :: :: :: :: :: :: :: :',
　,': :: :: :: :: :; ＜´:::::::::::::::::::::::::::::｀＞ ; : :: :: :: :: :i
　l: :: :: : ／ , ． -‐=＝￢＝=‐-　．,.ハ: :: :: :: ::}
　|: :: : /／ ,≧ｪ=≠ﾑ　　(仁ﾆｮzｭ､、ヾゝ: :: : /
　ﾔ: : i彡i!" ．-‐=､ｭ､',　/　_ｨ=‐-．` i|ミ}: : :/
　 ＼ {彡i ´〈　● ﾍ　.}　!　7　● ,〉` ilミl:／　　　　　　　おい　こんなに沢山あるのかね……
　　 /二'i|;　　｀¨ ´　　l　　　 ｀ ¨´u 　ilニヽ
　　 Ⅷわﾐ j. 　　　ゝ ﾉ"ﾞ　ヽ　　　 　 ﾐう.i }
　 _, ゝマ | U 　_,,宅=（;;,,;）=之､_　　　|ゝ ｿ､
／ : : /＞!. ,,イ彡＞≧ﾆ≦＜爻ミュ, |＜､ : :＼
: :: :: :,': : :ﾍ　´¨　　|{i｀¨i¨´i}| . 　 ¨ﾞ｀ ﾊ: :: :',: :: :
: :: :: :{: :: :: :ヽ.　 　 ゝ三 三ﾉ　　　　/: :: :: : }: :: :
: :: :: : ﾏ: :: :: :へ　　　≧≦　　　,. :': :: :: :: :/: :: ::






　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'　　　　　　 それだけ入るものでありましょう
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ　　　　　　　　 では私は之で失礼します
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／
　 　 |　　　　i´

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　　　　　 　 　 .　　-----　　.
　　　　　　　　　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼
　　　　　　　　　　　, ::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::V: :ヽ.
　 　 　 　 　 　 　 / :::/:://: :/!! :::::|:||:|::::Vﾊ:::::::ﾊ
　　　　　　　　　　|::::/::::|:|::::|| ||:::::::|:||:|:::::|::::|／:::|
　　　　　　　　　　|::::||::::|:|::::|| ||:::::::|:||:|:::::|::::|∨:::|
　　　　　　　　　　V::|≧＝=-､ 　　 ''"´￣￣ ｝:::|
　　　　　　　　　　 }-l'　／ ／ﾞY´　　イﾃ〒ｱ|彡|
　　　　 　 　 　 　 {ﾍ|Y::／　　ﾉ　　　弋:ソ' /|ﾊ}　　　　　　 伊藤はこの後、憲政党系の政治家らと協力して
　　　　　　　　　　 ゝ|ﾊｰ一　　　,　　　　　 '.ﾞ|ノ　　　 　　　 明治33年8月立憲政友会を結成する
.　　　　　 　 　 　 　 |. ﾍ　　 　 _　__　　　/l　|
.　　　　　　　 　 　 　 　 丶　　　 　 　 ／ :|
　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　.__. イ!::::::::|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |｀ヽ.　／ | ::::: |
　 　 　 　 　 　 　 　 .　＜／ヽ ｣/　／ヽ.＞　.
　　　　 　 　 　 r＜＞　´　　　|.o　　　　　｀　＜＞┐
　　　　 　 　 　 |　ｉ　　　　 　 /　　　　　　　　　　／ﾊ
　　　　 　 　 　 |　|/ 　　　　/　 　 　 　 　 　 i／　/∧





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　 伊藤に新党結成の政治資金を提供したのが
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　貧乏浪人の杉山茂丸ってのは
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　 なんか引っかかるところだお
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凵i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j　　　　　　茂丸はこの時の資金を、名前は示していないが
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼　　　　　　　　　 友人から提供してもらったと自著で述べているな
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／/　∩ノ ⊃　　　　　　うーん　金持ちの友人がいたのね
(　 ＼　／ ＿ノ　 　 ＼／ ＿ノ
.＼　“　　／　　.　＼　“　　／
　　＼ ／　　　　　　/＼／

　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　　´￣￣￣｀　　　 .
　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 __／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　( ア .
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／　　　　　　　　さて　新党結成に忙しく動く伊藤に対して、総理大臣山県有朋が
　　　　　　　　　|::|:::::|‐'￣ ＞　.　　＼　　　　　　　　　　　　 ある提案をする……
.　 　 　 　 　 ／|::|:::::|　　　　　　　＞‐≧:､
　　　　 　 　 |:　|::|:::::|　　 　 　 　 　 ／￣`ヽ、
　　　　 　 　 |i　|::|:::::|　　　　 i:. 　／　　　　　ﾄ､
.　　　　　　 /!ﾍ.|::|:::/ 　 　 　:|:: /　 /　　　　 |｜

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●




　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　 ＼　ヽ　　 |　|　│　|
.　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　､　　　　ヽ　ヽ.　 |　|　│　!
　 　 　 　 　 　 /　 /　　　＼ 　 ＼.　　　 ヽ　､　,!-:!、 |　 !
　　　　　　 　 /　 /　　　　　 ＼ 　 ＼　　　ヽ ∨ ,r､ ＼!　|│
.　　 　 　 　 /　 〈　　､　　ｰ- ﾆ≧≠!^ヽ、　 '、V }　ヽ. ヽ ! |
　　　　　　　｀　､. ＼　＼＼　 ､__／│ 　 ＼　'､}_ﾉ　　　/│|
　　　　　　 　 　 ｀　､＼　＼≧ｨ'}　 /　　　　 '、 |　_／ /|　| |
　　　　　　　 　 　 　 ｀　､ｰ‐ヘjﾉ '´　　　　　　Ⅵ´　 ,人 l.│|
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ｧ-､_＼.　　　　　 　 ﾘ｀￣ ＼.ヽ | |
　　　　　　　　　　　 　 　 /　　 ｀丶.　　　　 　 　 j＿＿ ＼ヽ.!
　　　　 　 　 　 　 　 　 ノ　　　　　　　　　　　　　|　　　 ￣￣　　　　　　　伊藤　俺は近日中に内閣総辞職をするつもりだ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀丶､ 　 __　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　 後継をお前に任せたい
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 `〈　　　　 　 　 　 ,.'|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　 　 　 　 /|│　　　　rｆ⌒
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |￣＼　 　 ／ｰ! |　 　 　 {
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　`ー'´　r┴l.　　　　 ﾞ'ｰ=
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　　　|::::::|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | 　 ＿＿＿_,|::::::|
　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿___ﾉ　　＼　　　 _￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　 　 ＼　　　　￣￣￣＼　 |│/7
　　　　　　　　　　　　　 ヽ 　 　 　 　 ／::::〉│ﾚ'〈

　　　　　　　　　　　　　　　 総理大臣 山県有朋





　　　 　 ／: :: :: : 〃.＿　 ＿ ヽ: :: :: :: :＼
.　　　／: :: :: :: :: :{.　|:l　V　!:|　} : :: :: :: :: :＼
.　　/: :: :: :: :: :: : ∧ |:l　 　 |:| ﾉ: :: :: :: :: :: :: :ﾍ
　 /: :: :: :: :: :: :: : _: :ﾆ=―=ﾆ: :_: :: :: :: :: :: :: :: :',
　,': :: :: :: :: :; ＜´:::::::::::::::::::::::::::::｀＞ ; : :: :: :: :: :i
　l: :: :: : ／ , ． -‐=＝￢＝=‐-　．,.ハ: :: :: :: ::}
　|: :: : /／ ,≧ｪ=≠ﾑ　　(仁ﾆｮzｭ､、ヾゝ: :: : /
　ﾔ: : i彡i!" ．-‐=､ｭ､',　/　_ｨ=‐-．` i|ミ}: : :/
　 ＼ {彡i ´〈　● ﾍ　.}　!　7　● ,〉` ilミl:／
　　 /二'i|;　　｀¨ ´　　l　　　 ｀ ¨´u 　ilニヽ
　　 Ⅷわﾐ j. 　　　ゝ ﾉ"ﾞ　ヽ　　　 　 ﾐう.i }
　 _, ゝマ | U 　_,,宅=（;;,,;）=之､_　　　|ゝ ｿ､　　　　　　　 えっ　そ、それは困る
／ : : /＞!. ,,イ彡＞≧ﾆ≦＜爻ミュ, |＜､ : :＼
: :: :: :,': : :ﾍ　´¨　　|{i｀¨i¨´i}| . 　 ¨ﾞ｀ ﾊ: :: :',: :: :
: :: :: :{: :: :: :ヽ.　 　 ゝ三 三ﾉ　　　　/: :: :: : }: :: :
: :: :: : ﾏ: :: :: :へ　　　≧≦　　　,. :': :: :: :: :/: :: ::

／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
: : i: : : : : : : : : : : ,: : : : :､: : : : : : ＼:､
: : |: : i: : : : ／: :/: : : }: : :} : !: : : : : :} 〉
: : |: : |: : : /: : :/:}: : /: : /: /}: : : : ://
: : !: : |: : /: : :/ /: ∧: :/: // : } : //
: : !: : |: /_:_:_/_/∠: :}:/ ://_:_/: //
＼!: : |/＼＿_○__}// ://{}_∧//
r-t､: { 　 　 　 　 /:'／ ' ーｧ ∨
{:{ :∧i 　 　 　 ／´　　 　 / 　 }
ー' /}'　　　　　 　 　 ＿_ 　　 /　　　　　　　困る　とは何故だ　せっかく新党をつくるのだから
>､＿_>､　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　この際政権も担ってみたらどうだ
　|: : : :/＼＿ 　 　 　 　 　 / 　 /}.
　|: : : :| ／　 |　　　　　　 /ー‐'　|
　|: : :／　　　| ＞　　__ ノ　 　 　 !
　i:／　　　　 L ＿＿＿|_　　　　 i
／　, ⌒ヽ 　{::::::::::::::::::::::}　　　　 |
　　{　　ノ 　 |:::::::::::::::::::::|＿＿＿｣





　　　 　 　 　 　 ,　 -‐‐…‐‐-　 .
　 　 　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
.　　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :〃「∨|ヾ: : }
　　　　／:.:.:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :ゞ,!___」ﾉ:_::ﾉ
.　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: ::_;: ::-‐: : ¨￣: :: : ＼
　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イｧ‐ ,.へ _‐―‐‐ｘｪ一'
　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ=守i 　" ≧tﾗ＾{ )ﾁｭ}
　　　　｀ ｰｧ爪てヾﾐ　 {　　　 '´'. {　｜
　　　　　　川込_うミ　 ヽ　　　,. 、）　!
　　　　 (､_川i∧　jﾐ　　　　,.ｨ彡ミメ〈
　　　　 冫少 　 、ｷ　　 } 〃こ二7/`　　　　　正直に言おう　まだ私は政友会の掌握
　　　　彡ﾍ、　　　込、　｀　　'⌒ ,′　　　　　意見調整が終わっていないのだ
　　_／: :: :{ :｀ ‐　.,__　 ＞x､ 　　,ﾘ　　　　　　 このタイミングで政権を渡されても……
＜//ヽ　: :: ::.:.:.:.:.:. :｀;: : ::‐―〕¨´
: : ＼/∧:_::_::_::_:: :＼::', :: :: : :l＞-　..,,__

　　　＿＿
　　{:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.ヽ
r‐=':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
|:.:.:.:.:.:._:.:,l:.:.／:.ｲ:.:.:.:.j:＼
|:.:.:.:.:/iY:.l:.r弋ｯ':.xイ/／
|:.:.:.:.{ (fﾍl/　 ￣　 ﾗ
ヽ:.:.:.≧─ｉ　　　-‐j＿　　　　　　　　とにかく　内閣の総辞職はもう決めたことだ
r‐＜　 　 ト　　　 /　 /　　　　　　　 それだけは伝えておく
i!　　　　　|　　tｰ' 　 /
〈　 ◯　　| 　 ｊ　　 　|　_　-‐,
≧ x ｭ 　 |　　L　＿ レ　Ｏ ｲ






　　　　　　　　　　 　 , ．..-―‐‐￢::¨: :: ::｀ヽ
　　　　 　 　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :: :ゝ‐‐､ ﾊ
　　　　　　　　　　{ : :: :: :: : _＿＿__　{ |lV!| }: :l
　　　　　　　　　　',　＞､ミﾐ-‐=＝-::_＞..､ィ: ::!
　　　　　　　　　　 Y/ﾆi}ミ'　¨≧=､　 ｀ヾ::へ/
　　　 　 　 　 　 　 {ﾍらﾐ　ij 　｀ ﾟ′,ﾆ≦､}::::::ヽ,
　　　 　 　 　 　 　 У| 　 　 　 r　 |｀ﾟ´/￣￣
　　 　 　 　 　　_ イ　ﾑ　　￢＝=;┘ /　　　　　　　　　まいったな……
　　,√￣￣￣〈: :.:＼ ∧　 　 マ ヾ}/
.　〃: :: :｀ヾヽ ∧: :: : ＼:＞　__, 　'"
　i : : : : :: ::ハﾏ :ﾍ、: : : : ＞-<

　　　　　 ┌──────────────────┐
　　　　　 │明治33年　9月26日　山県内閣は総辞職　  │
　　　　　 └──────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　_
　 　 　 　 　 　 　 　 /｀´　 ヽ
　　　　　　　　　　　〈　ｌ　| l　ｊ
　　　　　　　　　　　 (Y＿l＿ﾑ
　　　　　　　 ﾄ ､　＿{ ＿＿＿ }
　　　　　　　 |　_　o　　 　 　 　 ￣o ﾌ
　　　　　　　 ∨∧　o　　　　　 　 oｲ
　　　　　　}i､__∨∧ /　　　　　 oｲ/
　　　　　 　 ￣ ∨=}　　　　　　/≧=‐'
　　　　　　 　 }i､Ⅳハ　　　　／|≧=‐'
　　　　　　　　 ﾌ∨　i! -‐=彡､ |//|
　　　　　　 　 ｲ＞|二i!　=≦ｲｨ 〉/i|





　　　　　　　　　　　　　┌──────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　│28日　明治天皇は伊藤に組閣を命じる　　 │
　　　　　　　　　　　　　└──────────────────┘



　　　＿＿＿_＿＿＿＿／　　　　　／:　:　::　: :: : 　:　:　::　:::　:　:＼　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　∠＿＿＿_∠＿:　:　::　:　::　:　::　:　::　:　:＿＿＼＿＿＼
　　　　　　　　　　 ＿|＿＿＿_＿|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : Ｌ_＿＿|＿
　　　　　　　　　／　　　　　　　／: : : : : : : : : : : ￣￣￣: : : : : :: : : : : : ＼＿＿＿ ＼
　　　　　　　　　「￣￣￣￣　 |_: : : : : : : : : ￣￣￣￣￣￣￣: : : : : : : ＿|＿＿＿＿|
　　　　　　　　　 ￣￣￣￣ ／.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼

　　　　　　　　 ＿
　　　　　 ,. :'´:.:.:.:. ｀ヽ
　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:. :: :}
　　　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:メヽ、
　　　 ヽ:.:.:.:.::＞:i´（{├‐'
　　　　　守秡州ｉｌi : |
　　　　 ､_)州州i从 ﾘ
　_ 　-‐≦､:.:.:.:.:._:.冫=ｭ_
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ.:.:.:.:.:.:.|ニ|:: :: ‐-　.
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.|ニ|:.:.:.:.:.:.:..:: ::ヽ
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.|ニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :: :.
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.:.:.|ニ|:.:.､:_:.:.:.:.:.:. :: |
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.:.:.|ニ|:.:.､:_:.:.:.:.:.:. :: |
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.:.:.|ニ|:.:.､:_:.:.:.:.:.:. :: |

┌──────────────┐
│伊藤はこれを固辞するも……　　 │
└──────────────┘

　　　 　 　 　 　 ,　 -‐‐…‐‐-　 .
　 　 　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
.　　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :〃「∨|ヾ: : }
　　　　／:.:.:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :ゞ,!___」ﾉ:_::ﾉ
.　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: ::_;: ::-‐: : ¨￣: :: : ＼
　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イｧ‐ ,.へ _‐―‐‐ｘｪ一'
　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ=守i 　" ≧tﾗ＾{ )ﾁｭ}
　　　　｀ ｰｧ爪てヾﾐ　 {　　　 '´'. {　｜　　　　　 山県内閣がここで総辞職する必要はないし
　　　　　　川込_うミ　 ヽ　　　,. 、）　!　　　　　　まだ政友会の組織も完成していない
　　　　 (､_川i∧　jﾐ　　　　,.ｨ彡ミメ〈
　　　　 冫少 　 、ｷ　　 } 〃こ二7/`
　　　　彡ﾍ、　　　込、　｀　　'⌒ ,′
　　_／: :: :{ :｀ ‐　.,__　 ＞x､ 　　,ﾘ
＜//ヽ　: :: ::.:.:.:.:.:. :｀;: : ::‐―〕¨´
: : ＼/∧:_::_::_::_:: :＼::', :: :: : :l＞-　..,,__





┌──────────────────────────┐
│原敬や松方らの説得を受けて　10月7日組閣の大命を承諾　   │
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿_ ､ ＿
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ...:::::::::::::::::::::::::::::::....
　　　　　　　　 　 　 　 ／::.::::.::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　/:::::::::/:::::/::::M〃''''ミ::::::::::＼
　　　　 　 　 　 　　,ノィ:::::/:::::/: ::::|　　　　 ミ::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　/:::/:::::升!八ｉ　-‐,二_ .ミ::::::::::i
　　　　　 　 　 　 　 /:::::{::::/ｰ‐-　　 '´ｔツ 　 　Y''刈
　　　　　　　　　　 /／ .|从ﾞ､iｔツ　　　　　　　　　　}　　　　　　　伊藤さん　組閣の大命　受けてくださいよ
.　　　　　　　　　　　　　 iハ 　.ﾉ 　 　 　 　 　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　 　 ! .!ﾞ､　　　 ―-，　　　∧　　　　　　　　　政友会の皆もそれを望んでいます
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾞ､ 　｀ ―　　　　ｲ　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　 ,　 , -‐ ´　!､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞-‐ ´　|￣|　　　　〉
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 __／　　　|　　|　 >､　 　 |
　　　　　　　　　　　　　_, -‐'／＼　 ,イ＼/／ ／＼. /―-　 ＿
　　　　　　　　　　　／_, -‐'´,＜´）/　|　／ ／　　　｀
　　　　　　　　　　´￣_, -‐ ´＼　/　／　／　　　　　　　／





　　　　　　＿＿＿＿
　　 　／ 　 　　 （M）ヽ
　　　/_＿＿_＿＿＿_|＿__
　　　i'(⌒ヾ,ゝ ― ｨ'⌒ヽ
　　　| ヾ_`　　⌒_＿_ ノ　　　　　　　　うーん
　　　ﾘﾝ,　 　 /,",,,､,,.,.）
　　　　/⌒)ヽｰ‐ィ　　　　　　　　　　　（ここで引き受けなかったら党員の不安と疑念を招くことになるか……）
　　　/　 ﾉ_ﾉ |＿_||

　　　　　　　　　　　　┌────────────┐
　　　　　　　　　　　　│四度目の首相の座に就く　  │
　　　　　　　　　　　　└────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●




　　　　　　　　　　　　　　　_　　　_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　｀　'´　＼
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　/　ｲ　　　 　　ヽl|‐､ l/　　　　　　政権運営能力のあるしっかりとした政党を作る
　　　　　　 　 　 　〈/_l |　八　 斗‐ﾍj )〉il
　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ{､_＼{ ｰ‐'　r'_!|　　　　　　　という伊藤の考えは分からんでもない
　　　　　　　　　　　　　 ＿ヽく __　　/!　 ＞､
　　　　　　　　　　 　 　 |　　 ＼＿ /..| 　 0 |　　　 　　　＿＿
　　　　　　　　　　 　　__| 　 　 ｛:::::::::::| 　 _. |＿　-‐=イ: :￣: :}
　　　　　 　 　 「＝‐-‐＼￣ ＝l::＼￣　　　　O／z‐､: : : : : /
　　　　　　 　　|　o　　 　∨::::::::::::::::::> Kc　 j/:::::::::::ハ : : : /
　　　　　 　　 人　　　　　 〉::::::::::::::::/　　　Y{:::::::::::::::::::|: : :/
　　　　　　　/:::::::ヽ o/　 /::::::::::::::::/ O　　 「::::::::::::::::::::|: :/





　　　＿＿
　　{:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.ヽ
r‐=':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
|:.:.:.:.:.:._:.:,l:.:.／:.ｲ:.:.:.:.j:＼
|:.:.:.:.:/iY:.l:.r弋ｯ':.xイ/／
|:.:.:.:.{ (fﾍl/　 ￣　 ﾗ
ヽ:.:.:.≧─ｉ　　　-‐j＿　　　　　　　　が、先に器を作って人を集めるというやり方では今までと変わらぬ
r‐＜　 　 ト　　　 /　 /
i!　　　　　|　　tｰ' 　 /　　　　　　　　大臣の椅子取りゲームに熱心な連中が国政を担うなど……まったく
〈　 ◯　　| 　 ｊ　　 　|　_　-‐,
≧ x ｭ 　 |　　L　＿ レ　Ｏ ｲ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_....:::::::::､...__
　　　　　　　　　　　　　　　　...::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::／::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　 {:::::::.＞ヽ::／／::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　 　 　 i::::::f 1ヽ}/／∠::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　.::::::::ⅥУ〃 ﾄ､-=彡ィ::/::::::::
　　　　　　　　　　　　 /:::::::::ゝ }'　　 { fｯ<_::::／/::::/:!
　　 　 　 　 　 　 ｛＼/::::::／〈　 　　　＞'_彡イ／/::」
　　　　　　　　　　j [/:::／　　 i　 　 ､￣　(歹''゛￣　　　　　ともかく伊藤の内閣はこれで内部対立が噴出するだろう
　　　　　　　　　(ﾉ　｀<　 　 　　　　 　＞ ´
≧=-　_＿_　..｡く　〇　＞､　 　ト､-'´　　　　　　　　　　　　長くはつづくまい
ｉ　r::､　＜ヽ. 　　｀丶　〇||　　 ﾚヽゝ




　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　 ＼　ヽ　　 |　|　│　|
.　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　､　　　　ヽ　ヽ.　 |　|　│　!
　 　 　 　 　 　 /　 /　　　＼ 　 ＼.　　　 ヽ　､　,!-:!、 |　 !
　　　　　　 　 /　 /　　　　　 ＼ 　 ＼　　　ヽ ∨ ,r､ ＼!　|│
.　　 　 　 　 /　 〈　　､　　ｰ- ﾆ≧≠!^ヽ、　 '、V }　ヽ. ヽ ! |
　　　　　　　｀　､. ＼　＼＼　 ､__／│ 　 ＼　'､}_ﾉ　　　/│|
　　　　　　 　 　 ｀　､＼　＼≧ｨ'}　 /　　　　 '、 |　_／ /|　| |
　　　　　　　 　 　 　 ｀　､ｰ‐ヘjﾉ '´　　　　　　Ⅵ´　 ,人 l.│|
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ｧ-､_＼.　　　　　 　 ﾘ｀￣ ＼.ヽ | |
　　　　　　　　　　　 　 　 /　　 ｀丶.　　　　 　 　 j＿＿ ＼ヽ.!
　　　　 　 　 　 　 　 　 ノ　　　　　　　　　　　　　|　　　 ￣￣
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀丶､ 　 __　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　さて　もう一人　あの男に釘をさしておくか
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 `〈　　　　 　 　 　 ,.'|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　 　 　 　 /|│　　　　rｆ⌒
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |￣＼　 　 ／ｰ! |　 　 　 {
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　`ー'´　r┴l.　　　　 ﾞ'ｰ=
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　　　|::::::|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | 　 ＿＿＿_,|::::::|
　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿___ﾉ　　＼　　　 _￣￣￣￣￣￣



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
　　　　　　　　　　　　　│山県有朋邸　 │
　　　　　　　　　　　　　└──────┘

i!i!i!i!i!|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿___／
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　|
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　|
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　|
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　|
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　r─---　 .....＿＿_ 　|
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　Ｖﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　|￣　｢三二,.ｘ≦}┬r=＝
i!i!i!i!i!|　　 　 　 　 　 .Vﾊ　|j｣L.＜⌒￣￣￣￣￣￣.⌒＞｢三ﾆ/: : :/　| |　|
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　　Ｖﾊ |￣　　 ≧‐┬------┬‐≦　 ｢三 ,': : ./　..| |　|
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　　 |/ﾊ!＿＿＿_,＞|:. .　 　 . .:|＞ﾄ､_　｢三:ｉ: : :i 　 ..| |　|
i!i!i!i!i!|　　　　　　　　　 Ｋ＿_＿_＿_ﾉｉ　|:. .　 　 . .:|:,.　'´￣｀`Ｙ|: : ,l.. ＿| |　|
i!i!i!i!i!|￣￣￣￣￣￣ .| r──ー､ | |　|:. .　 　 . .:|｢ ,ﾆ￢=─'_!ｘ1.|　　:|_|￣
''''''''''''　　 　 　 　 　 　 | | |　　 　 | | |　|:. .　 　 . .:|| |　 | |￣ | |　| |　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　| |_|　　 　 | |_| (乂:..　　.:乂| |: . Ll　　| |　| |　　　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　 |_|　　 　 .::Ｌ!. .: .:.:.:￣￣＾:..|_l:::.:.:...　　| |　Ll
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 :.:.:.:....Ll






　　　　　 ／￣￣＼
　　 　 ／ 　 ノ 　ヽ ＼
　　 　 |　 （ ●） （●）|
　　 　 |　 　 （__人__） |
　　　　| 　 　 ｀ ⌒´　|　　　　　　　　失礼します
　　　　 |　　　　　　　|
　　　 　 ヽ 　 　　　/　　　　　　　　　何か御用でしょうか　山県閣下
　　　　 _,,ゝ　　　 (,_
　　　/´　 `ー-一´｀ヽ
　　 /　　､　　　　　 ,　|
　　/ 　 ﾉ　 　 　 　 |　 l





　　　　　　　　　　　　　　_
　 　 　 　 　 　 　 　 /｀´　 ヽ
　　　　　　　　　　　〈　ｌ　| l　ｊ
　　　　　　　　　　　 (Y＿l＿ﾑ
　　　　　　　 ﾄ ､　＿{ ＿＿＿ }
　　　　　　　 |　_　o　　 　 　 　 ￣o ﾌ　　　……杉山、お前は石田三成を知っているか？
　　　　　　　 ∨∧　o　　　　　 　 oｲ
　　　　　　}i､__∨∧ /　　　　　 oｲ/
　　　　　 　 ￣ ∨=}　　　　　　/≧=‐'
　　　　　　 　 }i､Ⅳハ　　　　／|≧=‐'
　　　　　　　　 ﾌ∨　i! -‐=彡､ |//|
　　　　　　 　 ｲ＞|二i!　=≦ｲｨ 〉/i|

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　石田三成というと関が原の戦いで徳川家康と争った
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　 あの石田三成でありますか？
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　　　　　　　　　　　　　_
　 　 　 　 　 　 　 　 /｀´　 ヽ
　　　　　　　　　　　〈　ｌ　| l　ｊ
　　　　　　　　　　　 (Y＿l＿ﾑ
　　　　　　　 ﾄ ､　＿{ ＿＿＿ }
　　　　　　　 |　_　o　　 　 　 　 ￣o ﾌ　　　往昔、石田三成は策を弄して太閤の天下を過り
　　　　　　　 ∨∧　o　　　　　 　 oｲ
　　　　　　}i､__∨∧ /　　　　　 oｲ/　　　　　東西幾多の忠勇の士を鋒鏑の間に殺戮した……
　　　　　 　 ￣ ∨=}　　　　　　/≧=‐'
　　　　　　 　 }i､Ⅳハ　　　　／|≧=‐'
　　　　　　　　 ﾌ∨　i! -‐=彡､ |//|
　　　　　　 　 ｲ＞|二i!　=≦ｲｨ 〉/i|

　　　　　　　　　　　　　　_
　 　 　 　 　 　 　 　 /｀´　 ヽ
　　　　　　　　　　　〈　ｌ　| l　ｊ
　　　　　　　　　　　 (Y＿l＿ﾑ
　　　　　　　 ﾄ ､　＿{ ＿＿＿ }
　　　　　　　 |　_　o　　 　 　 　 ￣o ﾌ　　　お前は策を弄するの病がある
　　　　　　　 ∨∧　o　　　　　 　 oｲ
　　　　　　}i､__∨∧ /　　　　　 oｲ/　　　　　どうもするとそれが自己を害し、国を害するの根本となるものである
　　　　　 　 ￣ ∨=}　　　　　　/≧=‐'
　　　　　　 　 }i､Ⅳハ　　　　／|≧=‐'
　　　　　　　　 ﾌ∨　i! -‐=彡､ |//|
　　　　　　 　 ｲ＞|二i!　=≦ｲｨ 〉/i|





　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼
　　　 　　 　（○）（○ ）　　　|
.　　　　　　 （__人__）　 　u　 .|
.　　　　　　　 ヽ｀⌒ ´　　　　|　　　　　え、えーと　閣下　もしや怒っています？
　　　　　　　　｛　　　　　　　/
　　　　　　　　lヽ、　　,ｨ'.) ./
　　　　　　　　j　.}ﾝ／／　ヽ
　　　　 　　　ﾉ　'"´ ￣〉　　|
.　　　　　 　 {　　　　 勹..　｜
　　 　 　　　 ヽ　､＿_,,ﾉ　.　|

　　 　 / : : : : : ＼: : : ＼: :｀ =‐-: : : : :_:≧ﾐ､ヽ: :丶 : : , ｲ／^ 　 ∨
　　　 .: : : : : : : : : ＼: : : ＞‐--─=彡´_|⌒｀＼ ､ : : : ｉ /く´ ヽ　　!
　　　ｉ: : | : :丶: ＼ : :丶_ : : ‐- ＜/ｲ　( ｌ　　 　 ヾ: :|: :K_　>　 　　l
　　　|: : |: : :ﾄ :＼:丶: : : : : : :＞〃 弋／　　 　 　 Ⅵ: :!｀ヽ-‐ｧ　 /
　　　|: : |i : :{ :＼ : ＜: :＼:＼ ｲ!　 ／　　 　 　 「￣￣ 　 =‐- ＜
　　　| : : l : :丶_ :｀ : : : : ＞ヾ＼｀´''""　　　　　|　　　　　　　　　　｀
　　　|: i : : : :＞＝─‐‐- ≦ミ`　　　　 　 　 　 |
　　　∨.: : : : : : : : : :ﾆ=彳⌒゛`　 　 　 　 　 　 |
　　　　｀　＜ : : : : : : : 〃　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　ああ　怒っているとも
　　　　　　　　　¨　‐- /_　　　　　 _　　　 　　　|　　　　　　　貴様あの政友会の様は何だ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ`　 ／,,　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､　　　　　　　　　 |　　　　　　　まるで国家も天皇も眼中に無い
　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＞　　　　　　　 j　　　　　　　尊氏九州の兵を率いて京師に迫るという有様ではないか
　　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ｲ
　　　　　 　 |　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ ｰ=≦





　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
.　　　 　/: : : : : : : : : : : :＼: : : : : : : : : : ＼
　　　　/: : |: : :| : : :＼: :ヽ: :ヽ: : !: : : : : : : : ヽ
.　 　 /: :l: :|: : :{:.＼: :.ヾ≦=ﾊ: : :|'二ヽ: : : : : : 〉
　　 / i: :l: :{: : : : : : :Yt::ツ/　∨:kﾆ )　): : : : /
　　└　≧ヾftｯ＜: :.{ ￣　　　∨ソノ /: : : :/
　　　　　　｀Y´ヽ　｀ヽ　 　　{＞ _}-イ: : : : :|　　　　　　　　そんなに俺を総理の椅子から蹴落としたいのか
　　　　　　　丶　　f´￣ヽ 　|　　 　=- :_: : :|　　　　　　　　そしてその役目を俺の奮友伊藤にやらせるのか
　　　　ﾄ､ 　 　 ＼ ヽ⌒ソ 　!　　　　　　 ＞-.
　　　　|　＞‐-　 _＼￣　　 ,l　　γ⌒Y　　　|
　　　　|　　　　　　　　ー≦__!　　乂　ﾉ　　f⌒i＿
　　　　|　　　　　　　 　f三三|　　_ 　-=　￣
　　､＿!＿＿　　　　　∧￣￣￣{
　　 ヽ　 ＿＿　ニ≦三∧
＿＿_Ⅵl:.:.:.:.:.:.:.:.//三三∧　 |/

／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
: : i: : : : : : : : : : : ,: : : : :､: : : : : : ＼:､
: : |: : i: : : : ／: :/: : : }: : :} : !: : : : : :} 〉
: : |: : |: : : /: : :/:}: : /: : /: /}: : : : ://
: : !: : |: : /: : :/ /: ∧: :/: // : } : //
: : !: : |: /_:_:_/_/∠: :}:/ ://_:_/: //
＼!: : |/＼＿_○__}// ://{}_∧//
r-t､: { 　 　 　 　 /:'／ ' ーｧ ∨
{:{ :∧i 　 　 　 ／´　　 　 / 　 }
ー' /}'　　　　　 　 　 ＿_ 　　 /　　　　　　　　俺はこんな悪習を政党に付けてはならぬと言って
>､＿_>､　　　　　　　辷ｦ 　 /　　　　　　　　　お前と議論してきたではないか
　|: : : :/＼＿ 　 　 　 　 　 / 　 /}.
　|: : : :| ／　 |　　　　　　 /ー‐'　|　　　　　　　 その結果がこれか
　|: : :／　　　| ＞　　__ ノ　 　 　 !
　i:／　　　　 L ＿＿＿|_　　　　 i
／　, ⌒ヽ 　{::::::::::::::::::::::}　　　　 |
　　{　　ノ 　 |:::::::::::::::::::::|＿＿＿｣






　　　＿＿
　　{:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.ヽ
r‐=':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
|:.:.:.:.:.:._:.:,l:.:.／:.ｲ:.:.:.:.j:＼
|:.:.:.:.:/iY:.l:.r弋ｯ':.xイ/／
|:.:.:.:.{ (fﾍl/　 ￣　 ﾗ
ヽ:.:.:.≧─ｉ　　　-‐j＿　　　　　　　　お前も武士道を知る者なら腹を切れ
r‐＜　 　 ト　　　 /　 /
i!　　　　　|　　tｰ' 　 /




　　　　　　　　　　　 　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　 　|　 （●）（●）　|
.　　　　　　　　　　　　 |　u.（__人__）　.|　　うっ　それは……
　　　　　 　 r､ 　　 　　|　　 ｀ ⌒´ 　.|
　　　　　 ,.く＼＼r､　　 ヽ　　　　　　ﾉ　　 その件に関しては　一言の申し開きも無くお詫びいたします
　　　　　 ＼＼＼ヽ}　　　ヽ　　　 　/
　　　　　　 rヽ ` 　 ヽ　　/　　　ｧ'´ヽ
　 　 　 　 └'｀{　 . 　 ＼.|　　　/　 　i
　 　 　 　 　 　 ヽ､._　　　ヽ､_,r'　　　.|
　　　　　　　　　　　　｀ヽ､　　　／' 　|
　　　　　　　　　　　　　　 ｀'ｰ'´

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　が　閣下のご命令に従って切腹は致しませぬ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　 閣下には私に死を給うの御資格が有りませぬ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　 石田三成は佐和山の城の
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　城主たるの待遇を蒙りております
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　私は閣下よりなんらの
　　　/　　　 く＿＿,-ｭ__　　　　　待遇をかたじけのうしておりませぬ
　　　|　　　　＿＿＿ 三）
　 　 |　　　　|　 　 　 ￣

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　 況や三成は関が原の軍中にあって血戦致しております
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　私はこの戦争の圏外にある非戦闘員でございます
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ　　　　　　私が自殺する事とは事柄が違うと思います
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ

　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　 ／　 　_ﾉ＼
　　　　　　 /　　　　 （一）
　　　 　 　 |　　　　　（__人）
　　　　　　 |　　　 　 　 　 ｌ　　　　　　私は以後この政党を戒め善導し
.　　　 　 　 |　　　　　　 　|　　　　　　 只今我が国に迫っている日露の困難に
.　　　　　　 ヽ　　　　　　ﾉ　　　　　　　きっと御用立てをさせたいと考えているのであります
　　　　　　　 ヽ　　　 　/
　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　|　　　　　|
　　　　　　 　 |. 　 　 　 |





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）. ｒｍ､
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉｒ川 ||　　　　　 ただし　罪を閣下に得た以上は当分謹慎して　
.　 |　　　　　　 　 },.!　 ノ'
.　 ヽ　　　　　 　 ｒ / .|　　　　　　　 参上しないように致しましょう
　　 ヽ　　　　　ノノ　ﾉ
　　　/　　 　 ／ .／
　　　|　　　 　 ／
　 　 |　　　　i´





　　　＿＿
　　{:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.ヽ
r‐=':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
|:.:.:.:.:.:._:.:,l:.:.／:.ｲ:.:.:.:.j:＼
|:.:.:.:.:/iY:.l:.r弋ｯ':.xイ/／
|:.:.:.:.{ (fﾍl/　 ￣　 ﾗ　　　　　　　　　フン
ヽ:.:.:.≧─ｉ　　　-‐j＿
r‐＜　 　 ト　　　 /　 /
i!　　　　　|　　tｰ' 　 /
〈　 ◯　　| 　 ｊ　　 　|　_　-‐,
≧ x ｭ 　 |　　L　＿ レ　Ｏ ｲ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

（（￣（（￣（（￣（（￣（（￣（（￣（（￣（（￣@　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　(;;ヾ
/￣//￣//￣//￣///￣//￣//￣//人 ＼　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　,,;;ゞ;; ヾ;;;, ;;;;)
/￣//￣//￣//￣///￣//￣//￣//人＼ .＼　　　　　　　　　 　　　　　　　　ﾐ;;;; ヾ;;( ;;;:::;;;ﾐ;;;;ゞ
　//￣//￣//￣///￣//￣//￣//人＿＼＼ ＼　　　　　　　　　　　　　　　(;;;; ﾐ:;;;;ゞ;;;;(;;;;;;ﾐ;;; ;)
￣//￣//￣///￣//￣//￣//ⅱ人人＿ ＼＼　＼　　　　　　　　　　　　　(;;;;; ゞ;;;;;;( ::;;::;;ﾐ;;;;;;;ゞ;;;ゞ
=@,==@,==@,==@,==@,==@,==@ノ人＿@＿@、＿＼ ＼　　　　　　　　　　　(;;;; ヾ;;;;; ::(;;;;; 〃;;;;ゞ;;;ﾐ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
:,　　　　　　,:　　　　' :　　　　　　;　　　　　.　:,..＿＿＿＿＿　　　　　　,:　　　　' :　　　　　　;　　　　　.　:
　　　　　　　　　,　　　　　　　'　　　　　....　　...|￣＼　　　　 ＼　.　:
　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　...　....　:　|　　 |:￣￣￣￣:|
　　　,:　　　　' :　　　　　　;　　　　　.　:　...　　.|　　 |:　　　　　 .:|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ .|＿.. |:＿＿＿＿:|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　'　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　:　　　　　　　　　　　　　　　　'.
　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　;　　　　　　　　　　　　　　　　.　:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　　　 _ノ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　　　（ ●） |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 　　（__人）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 　　　 ⌒ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾝ　　　 　 　 ノ　　　　　やれやれ　当分山県公の門は閉めるしかないだろ
　　　　　　　　　　　　　　　　　（　（ 　　　 ／⌒ヽ､　 　 _ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 ﾉ ＼__ィ ´
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 /　　　　'|.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　y　 　 　 |.
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　＼　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ｨﾝ､＿＿)、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .| 　 　 ij　ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │数日後　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └────┘



　 　　　　　　　　　　　　○　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:;,:.
　 　　　　　 .; .　　　 　　　Ｏ　　　　　　　　　　　　　,.. ´ ｀ ､　　　　　　　　 :;ゞヾ
　 　　　　　' ;::, 　 　 　　　[ 三 ] ／ ＼　　　　　 ,. '　　　　 ｀ ､　 　 　　　,;ﾐヾゞﾐ
　　　　 　 ' ;: : '　 　　　　　|　／:::::::::::::::＼　　,. '　 ..⌒ ... ~^~...` ､ 　 　　 'ゞミヾﾐ
　　　　　 :; : ; : .;　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼　　..:.:.:::.:::::.:.::.::::....　｀ ､　　 ;:ゞ彡;ゞ
　 　 　 　; :; ' ; :　　　　／|￣￣￣￣￣￣￣|＼　:::::::::::::::::.:::.::..:.:::.:..:.｀ .､ ;ゞヾヾゞ;
　　　 　 　', ; .; '　 　 　　 | 　　　□ □ 　 　 |　　 ::::::.:::::::::::.:::::::.::.::::....:......゛ゞﾂ;ﾐ;;ｿ
　　　　　　 !　i! 　 　 　　 |　　 　□ □ 　 　 |　 .:.:::::::.:::::::.:::::::.:.:.:.::..:..:..:......:..:.:li l !
　　　　　 　ｌ ｉ !　 　　　　][][][]＿_＿＿＿＿|_　::...::.::::::::.::::::::::::.:.:..:..:........::..::.::i: l!i ::~^"''''' ー - -
'"^''"'''~''"'"'"^"^^^'^'""'' _||_ 　 　 　 　　 _||_└i'"''"""'''"^"'^'^'"^"'""'"^'''^^''''''^"'~^^''^""^^'"^~^
.:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. :
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　　　　　　　　　　　　　　　┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　│向島　茂丸の別荘「其日庵」　  │
　　　　　　　　　　　　　　　└─────────────┘

＝＝==‐|| || ニニニニニニ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
'￣￣￣||| | ┏━┯┯━┳━┯┯━┳━┯┯━┳━┯┯━┓
　　　　　|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼士─┃
　　　　　|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼|＼,￣■]＼,
　　　　　|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼||＼＼　　　 ＼
、　　　_,,|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼||＼l＼|￣￣￣|
　 'ヽ,／ || | ┣━┷┷━╋━┷┷━╋━┷┷━╋━┷||＼l＼||　　　　|
.／″'　..|| | ┃|　　　　　 ┃　　　 　　|┃|　　　 　　┃　 　 ||＼l＼||　　　　|
　　　　　|| | ┃|　　 　　　┃　　　 　　|┃|　　　 　　┃　 　 ||＼＼.||　　　　|
　　　　 ／￣￣jl ━━━┻━━━━┻━━━━┻━━ヽ、| ｡}||　　　　|
　　　／　　　 /i＿__,,;;;;;:|　;;;　　　　　　　　　　;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;::.　＼|　 ||　　　　|
. ,.∠＿＿＿/ ´x　 /,,,,;||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼;;;;;;;;;;;;;.　 ＼ ||　　　　|
´ ||￣￣￣||ー―‐',, ,,,,:.||￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　 ＼:::::::::::　　~ ￣￣￣







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 ⌒　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ ー）（ ー）　　　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人__）　 　 　 .|
　　　　　　　　　　r‐､　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　 　 |　　……
　　　　　　 　 　 ,.くヽ`、　　　　　　　 {　　　　　 　 　 |
　　　 　 　 　 ／　 ', ', ', 　～♪ 　 　 {　　　　　 　＿ |
　　　 ｏ　　／ 　 　 ｌ ｌ　ｌ 　 　 　 　 （ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　 ｒ‐|に◎＿＿＿l_ｌ　ｊ　　　　　　 |　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　_l`i‐F古ｌ　 ／￣ﾟ`'''′　　 　 　 ゝ　ノ　　 　ヽ　 ノ
　/､ヽ|＿＿|‐く　　　　　　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　＼ｌ‐───‐ヽ
　　 ￣￣￣￣￣

　　　　　　 /| .Ｎ　'　　 　 　 　 　 　 ,_≦＜⌒
　　　 　 　 | ∨　 　 　 　 ,､ ,､ ､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ　　　　　　 おーす　杉山　お邪魔するぞー
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　 　 _,〉 　.|
　　　 　 　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ
　　　　　　　 厶イゞｲ≧ヽ 　　　 　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　 ヽ,,_ _





　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／ 　 ⌒　　 ＼
　　　　　　（ ●）（ ●）　 　 |
　　　　　　.（__人__）　 　 　 .|
　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　 　 |
　　　　　　　{　　　　　 　 　 |　　　　　　おや　児玉閣下　いらっしゃい
　　　　　　　{　　　　　 　＿ |
　　　　　　（ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　 |　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　 ゝ　ノ　　 　ヽ　 ノ
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

/　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／
　　　　　,　　　　, 　　　 :|　 、　　　　, - _ヽ..
.,　／　 /　　　/　　／　l !　 Ｙ :l　,　 ｀ --冫
./ ／ ｿ / ／ /.:/ /ソ　| .|　 | /　.| 　 _ノ´
./ ,=、／/　/／　∠ | .:l　| ! /|　,/　 ,ヽ.
.://_.ヽ/人|/l／ニ.、｀|:L | l./ | 丿| ﾉヾ|
::1r-、| /　　 ｀''｀´-｀ ノ /∠ 、ｌ/／ﾉ　`
::ﾍ｀ !　|　　　　　 　 　 ,ﾉ .ﾞ´-/
　l ｀-1　　　　　　　　　　! 　/
　! |/ ﾍ.　　　　　　　　 ‐´ , '　　　　　　　 まず分裂していた政党は一団となった
　ヽ　　:｀...、　　　 -ー　／
. ￣ ｀ ＝- ｀ゝ、　 　 .　　　　　　　　　　　これで日露の問題となったら仕事はし易くなった感じだな
　....::::::::::::::::://..,ヽ- ´
、:::::::::::::::::::.ｿ　/= _ ＿　,
:::::＼ _:::::::::ﾍ /::::: :: ::::://





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　 それはそうかもしれませんが……
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　　　　　 /| .Ｎ　'　　 　 　 　 　 　 ,_≦＜⌒
　　　 　 　 | ∨　 　 　 　 ,､ ,､ ､ヾ-ﾍ> ､-ミヽ
　　　　　／｀ ,.ｨ　　　 ,　/ ﾊ !ヾ|ﾊ.V, ,ﾄ,ﾊ-ヽイ
　　　　 /'ﾌ／/∧,ｨ ./.|/　,､ﾘ小|,ﾄ,:|:ﾘ､:ヽ|:＜
　　　　　И　.ﾚ　' .|//ﾉ　/jｨ::ﾊ::!:::ﾘ;ﾒ「ﾊ:}'ヾ､Y
　　　　弋ｰ__,､　| ,//|'/|/:ﾑ!/‐|l::::|ﾘｨｔﾁ''Vﾘ　　　　　　　　　　が　なんだ　何か問題が起きたのか？
　　　　ヽ-≧:::Ⅵ.代!ﾊ:|;::/,ﾑｔﾁ Ⅳヾ￣　.ﾄヾ
　　　　　.｀Ｔ:|;::::ﾊ|:_'ヽ､Ⅳ￣´ 　 　 _,〉 　.|
　　　 　 　.ヽﾄ､ｌ:::「:トヾ､`　　　　　　__,,　 .iｧﾌ
　　　　　　　 厶イゞｲ≧ヽ 　　　 　' ﾆ´　/./:!
　　　　　　　　　 '´ ﾚﾍ;ｰヘ　 ,,_＿＿__,,//:::::ゝ　　_ -､
　　　　　　　　　　　　　ハ|;V: : : : : : : /./:::::／7才　　 ヽ,,_ _
　　　　　　　　　　　 ／ｲ:::ﾚ:ﾍ　 : : : : 'ーｧﾌ::::/ｲ　　　　　／｀ー-ミ




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　　　 私は先日山県公に呼びつけられて大目玉を食らいました
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/　　　　　　　　 貴様のような奴は石田三成だ　切腹しろとまで言われて
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ　　　　　　　　 さんざんでしたよ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

　　 〃./　 ,　 .ｌ　　 /　 　 /ｌ|　 |　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ハ
　　　 /／/　　| 　 ,′ 　 ,′|　 l　|　　　　　　　　 　 　 '.,　　 ',　　　.| リ
　　　.i/.〃　　ｌ|.l　.l　　　.i　|.|　 .'; |　　i　　;!　　　,　　　.ハ 　 .ｉ　　Ⅵ
　 ‐=彡' _／　.l!ll　.!　 i　.| /l　 　 '|i　 .|　　l＼ 　 .';　 l　　.ｌ|.:Ⅵ　 l　＼
　　　￣/ .／　Ⅵ､ ';　{　.|.! .';　l　 ∨　ｌ∨ |ｌ　＼　.;　.| .l　.l|　l.|　 ト-- `ー
　　　 .〈// ._　　ヽﾄ､　.';　!|.　∨ﾄ､　'.; ｌ|l ∨ ｨ≠.∨}l.,' /　./　|;　　＼
　　　　　l/ /　　 ｜.＼ｌﾄ､.;｀＞ミ､'; .∧.{ｌ '´ヽ〉＿_Ⅵノ.|.,′　,'.ト､＿_.＞
　　　　　／_ノ;　.ハ 　 ﾐｚ､＿__,ｯ'ﾍヽ ∧〉　tｚ..―ｔッァ./ノ} , ; 从_＼
　　　　 ￣'⌒∧ .ﾄ 〉.　　｀￣´　　 　 ＼从　 　￣￣　′//.,'ｲ|',
　　　　 　 　 .{ .Ⅳ',　　　　　　　　　　　 ｀　　　 　 　 　 /ｲｌ/.ﾉ从
　　　　 　 　 .ﾍ ヽ.ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ .ｲ　　　　　　アー　はいはい　そういうわけか
　　　　 　 　 　 ＼ヽ',　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /_／
　 　 　 　 　 　 　 | ハ.　　　　　 　 ` 　´　　　　 　 　 /　 {、　　　　　　　この前　山県のオヤジに会ったら
　 　 　 　 　 　 　 | ﾊ.ｌ＼　　`ー-　　　 　 __　 　 　 .ｲ　.ﾄ､〉
　　　　　　 　 　_,〈/-|:l｜＼　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ,':::i::ト､　　　　　　　　こんなこと言ってたぞ
　　 　 　 　 ＜:::::::::::::|:| |　　　　　　　　　　　　 　 　 l　Ⅳ}:::::＞ｘ、
　　　　＜／..:::::::::::: 〈从l　　 　 ｀　　 　 　 イ　　 　 .|､ |lヽ〉:::::::::＞:＞..、
　　　｀ヽ:.＼:::::::::::::::::::::::ﾘ　　 　 　 　 ￣　　　　　 　 |::ヽ〉:::::::::::::::::/.　／
　　　　　＼ ＼:::::::::::::::,ｨ　　　　　　　　　　　　 　 　 .li､::::::::::::::::::::/ ／
. 　 　 　 　 ＼ ＼:::〈//　　　　　　　　　　　　　 　 　 ハ:::::::::::::::/ /


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　　　　　_　　　_
　　　　　　　　　　 　 　 ／　｀　'´　＼
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　/　ｲ　　　 　　ヽl|‐､ l/
　　　　　　 　 　 　〈/_l |　八　 斗‐ﾍj )〉il　　　　　　　　　　　　　　　杉山という男は悪い男ではないが
　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ{､_＼{ ｰ‐'　r'_!|
　　　　　　　　　　　　　 ＿ヽく __　　/!　 ＞､　　　　　　　　　　　　　 構わずに置くと方図もない事ばかりして仕方が無い
　　　　　　　　　　 　 　 |　　 ＼＿ /..| 　 0 |　　　 　　　＿＿
　　　　　　　　　　 　　__| 　 　 ｛:::::::::::| 　 _. |＿　-‐=イ: :￣: :}
　　　　　 　 　 「＝‐-‐＼￣ ＝l::＼￣　　　　O／z‐､: : : : : /
　　　　　　 　　|　o　　 　∨::::::::::::::::::> Kc　 j/:::::::::::ハ : : : /　　　　　 俺はこの間　ウンと叱り飛ばしておいた
　　　　　 　　 人　　　　　 〉::::::::::::::::/　　　Y{:::::::::::::::::::|: : :/
　　　　　　　/:::::::ヽ o/　 /::::::::::::::::/ O　　 「::::::::::::::::::::|: :/
　 　_＿___　＞:::::::::∨　d:::::::::::::::::/　　　　/二ﾆ{コ二二二＞
　　⌒`ｰ─｀∨二ヽ|　　|::::::::::::::::i　 　,r‐く二{コニニ二＞
　　 　 　<ニVﾆﾆv-z- ｲ::::::::__:::::l O/､ヽヽ):::::::::::/
.　　　　　　 /:::::f__/　io/￣/o./ ァ‐^ヽヽjJ::::::／
　　　　　　 {::::::::::/＞＜_　 | o|　|:::::::::: ‐'::::::::/
　　　　　　/::::::::::{　 |o|　＞＜|　|:::::::::::::::::::::/
　　　　　　＼:::::::乂=斗＜::￣:｀ト　_::::::::::／
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　　　＿＼　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ _,,,ィ
　　　　　　　　　　-ﾆ,,__＞`　　　 ｨ　　　_,.,　 ,　/ .,　　　　　　　 ￣ . /
　　　　　　　　　　 ／ｧフ _,-ｧ ／/ _,-彡ｲ／! /ｲ/ ,　.ト､ ヽ　　　ｰ≦‐ｧ
　　　　　　　　　　　./ ﾚ´　/イ .//' .／ /ｲ　! l .ハ ﾄ､.|　ヾ,ﾊ`＜,ィ　＜_
　　　　　　 　 ＿_,,, イ　　 ! i./ .|/／　,ィ 　 ', |./　',代. ､ !ﾊ＼　_ヱ,,ミ:､`
　　　　　　　　＼ｰ--:::::-:ﾊ.ﾘ　 ﾚｰｧ /;ｨ ./　Ⅵ　　!' ヽ､',| ⊥,_ヽ彡≧ヽ
　　　　　　　　　 `フ７_ノ:.イ|　/:〃!// .| i　i/:ヾ .､ 　,､ヾヽ.､-イハイ__
　　　　　　　　　　ﾚ1:::;:::::_i::lⅥ:./｀|メ.、|ﾊ/!::ﾄ;:l 代:､トヾ::`ｰ`::ﾊ　ヽイ
　　　　　　　　　　　|;ﾍ:::バ::ﾄ､ﾚ ーﾓﾃミ`ｌ::!::| Ⅵ_,ゝ:|-Ⅵ::::::::ﾄ､|　 .ドヽ
　　　　　　 　 　 　 　 ∨ ,ﾄ;|　　　￣´ 　 ';:!:「´ヾ,,__ヾ .jｲ:;:::ハ、　　|　｀
　　　　　　　　　　　 　 戈;ﾍ!　　　　　　　 ｀ヾ.　　　￣ .ﾉ:イｰｧﾞ　　.|
　　　　　　　　　　　　　 个ﾐ､　　　　　　　　　 　 　 　 　 /イﾘ　　　|　　　　　　　それにしても　石田三成か　ハッハッハ
　　　　　　　　　　　　　 /::::ﾊ. 　 　 　 　、 _ 　　　 　 　./ｲﾉ　　　　|
　　 　 　 　 　 　 　 　 厶イ;∧　　　　　　　　　　　　　/イ{　　　　　!　　　　　　　　名誉至極だな　杉山　
　　　　　　　　　　 _＞ﾆ二|:!:::|＼　　ー ニ -‐　　　 ,ｲ;:/ ` 　 　 　 ｀､
　　　　　　　　　／..:´::::::::/ｲ:::|　 ＼　　　　　　　 ,イ/ｲ＼　 ､: 　 　 　ヽ　　　　　　　関が原の中心人物となりァ結構結構
　 　 　 　 　 ／イ:::::::::::::::::::l;ﾍ|　　ミ＼　　_,..:＜ : : ハ|::::::ヽ　`:　　　 　 ＼
　　　　 　 　 .｀＞ミ ､::::::::::::::::.|　　　ﾐﾐ｀¨´ : : : : : : i ::::::::::::::ゝ,　　　　　　　＼=ミ;.、
　　　　　　　　　　　ヽ ､::::::::／　　　　: : : : : : : : : : l::::i:::::::::://ﾍ　　　　　　　　＼|:.:＼
　　　　　 　 _,,..-‐'"´:ヽ '::;::ﾊ 　 　 　 　 : : : : : /: : :ヽj::::::://: : ﾍ 　　　　　　　　.!:.:.:./＼






　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ー）（ー
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　人事だと思って……
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　ゝ彡'　　　　　　　　 　 　 　 　 ソ
　　　　　ｿ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ⌒ゝ
　　 ｰ=イ　　 |　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾐ、
　　　　ゝ 　　从　/|　 /　 　　　 　 　　　（_,　　　　　お前、今の「其日庵」なんて戯号は改めて
　　　ソ彡 イ　|ル从ﾊ| 　 / ／ .|　　　 　ノ
　　　　フ　 |　.| と ・ヾ| 　.!/_从人　　　（　　　　　　 「三成庵」としたらどうだ　折角だしなァ
　　　　 うｲハﾄゝ 　''´从 .| ｀ ﾟ ..) |ル　≧_,　　 　_
.　　　　　　ヽ|　　　　 　 ﾊゝ　　ノ/ｲ（￣　　 　 /　）
　　　　　　 j∧ 　r、 ヾ=-'　　　 /ノ⌒　 　 　 /　/　　　　／ )
　　　　_,..-　ﾘ|ﾄ､ 　 　 三 ヲ 　ｲ/　 　 　 　 /　.ﾉ　　　／ .ノ
　ｔ=彡　　　　 |　＼　ー　　 　|ﾊ}⌒ ､　　　/⌒/　　／　ノ　　 ⌒
　 ＼.　　　 　 |　　　ー彡　　 | /　 .ﾉ 》　./ミ.ノ　／ヾ.／ ／　／
　 ￣V/　　／ｊ |　 　 /　　 　 |{.＿,.| /ヽ./⌒　ゝ ミ／ ／ヾ／
　　　 V. 　|　 　 ﾐ　　　　　　　}≧-:!､／ミ､　 ＼ ヾ／ヽ.／　 _　、
　　　　|. 　|　　　　　　 　/　 /{彡 〃}＼ 　 　 　 ＼　／_,,.-''　／
　　　　.V　ヾー- ､　 　〃__//∧ 　ノ　　ヾ　　＼　､　　 〉＞'´
　　　　 .|　/∧ 　 　 　''￣/// 人＜＼　|　,,彡　　　）／
　　　　 　.V/∧─----‐///　 　 ＼　　／　ヾ＼）／ハ




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　えー……
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

┌─────────────────────────────┐
│その後しばらく児玉は茂丸宛の手紙に「三成庵」という宛名を使い　　  │
│茂丸をからかった　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
└─────────────────────────────┘




　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 ／　　_ノ　 　＼
　　　　　｜　　（ ●）（ ●）
　 　 　 　 | 　 　 　（__人__）
　 　 　 　｜　Ｕ　　｀⌒ ´ｌ
　　　　　 ｜ 　 　　　 　　}　　　　　　 またかよ……いじられる方はたまったもんじゃない
　　　　　　ヽ　　　　　　　}.
　　　　　　　ゝ　　　　　丿
　　　　　　/　　　　　　/￣￣/´￣/　＜三成庵殿へ
　　　　　　|　　　　　　/ 　 　/　 ⊂)
　　　　　　|　　　　　　￣￣｀´￣ ノ

　　　　　　　　　　　　　┌─────────┐
　　　　　　　　　　　　　│うんざりした茂丸は　   │
　　　　　　　　　　　　　└─────────┘

　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　＼ ＼／｀i
　|　 （●）（●）./　　ﾘ
.　|　　（__人__）..|　　/
　 |　　 ｀ ⌒´　ﾘ　 ﾋ
.　 ヽ　　　　 ／/　　,｀弋ヽ　　　　 いい加減にしてください　陰で言ってた
　　 ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ
　　　/〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖ　　　　元老の皆様方への悪口 　全部チクリますよ
　　　|　ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//
　 　 |　 　　ﾌ-､｀ｰ┴‐-〃
　　　　　　　　　`ー‐一′





　　ﾉノ　　　,' / /:/ :/:/｜ 　 . : : :.ヽl、
. Y´ . l　｜ !/ /:厶ｲへ!ｌ|: : /: : : : : .､一
　| . :.:ｊ:.: :ﾄ､l　イｰ=ﾆニ}ﾘ//.:.:l :l :「￣
　| l: :{｀ヽ|　　 　｀''ｒｰ┴' /. : ﾉ:ﾉ:ﾉ
　| l: ﾘ　　　　 　 l|l|　　 /　〈　´´
） Ⅵ:{ 　 　 　 　 　 　 　 　 丶
ｰ 、ヽ　　　　　　　　　　　 _ ノ
: : ヽ　　　　　　　　　　 　 (
: : : : .　 　 　 　 　 r―‐一'
ー‐――┐　 　 　 ￣￣)　　　　　　　　　 げっ　それは勘弁だわ
:.:.:.:.:.:.:.:.//､　　 　 　 　 |
: : .:.:.:.:// 　 ,ー-　　　..ﾉ
: :.:.:.:.// 　 /.: ￣.:ﾌ
:.:.:.:.// 　 /.:.:.:.:／
: : // 　 /.:.:.／
.:.:.{ {　　Ｌ〃＼
┌────────────────────────┐
│と　児玉を脅してようやくこのいたずらを収めてもらった　  │
└────────────────────────┘

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （⌒） 　（⌒） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　なんとなーく微笑ましい感じがするエピソードだお
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　 二人はこういう軽口を叩き合う仲だったのね
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／




　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}
　　 　 ヽ∧/￣ ＿＿＿_　　/ﾍ
　　　 　 j　＼　‘、 　 .ノ　, ':|　j
　　　 　 　 　 ＞,.こ__,,. ィi ::::|　　　　　　　 そうだな　結構気の置けない仲だったんだろう
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /
　　　　ヽ- i' "´ | o　　 ｀ﾞ" ''i‐‐´




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　　　　　　　　　　V::|≧＝=-､ 　　 ''"´￣￣ ｝:::|
　　　　　　　　　　 }-l'　／ ／ﾞY´　　イﾃ〒ｱ|彡|
　　　　 　 　 　 　 {ﾍ|Y::／　　ﾉ　　　弋:ソ' /|ﾊ}
　　　　　　　　　　 ゝ|ﾊｰ一　　　,　　　　　 '.ﾞ|ノ　　　　 こんな二人の関係は児玉が死ぬまで続くことになる……
.　　　　　 　 　 　 　 |. ﾍ　　 　 _　__　　　/l　|
.　　　　　　　 　 　 　 　 丶　　　 　 　 ／ :|
　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　.__. イ!::::::::|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |｀ヽ.　／ | ::::: |
　 　 　 　 　 　 　 　 .　＜／ヽ ｣/　／ヽ.＞　.
　　　　 　 　 　 r＜＞　´　　　|.o　　　　　｀　＜＞┐
　　　　 　 　 　 |　ｉ　　　　 　 /　　　　　　　　　　／ﾊ

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.　　　　　　　　　 /:/:二ニ==一:::::::::::;:/::/ : /:i:::::: i::::::::::::::ﾍ.
　　　　　　　　　/:λ:::::::ｰ==ﾆ二 :／/::/ : /:/|ｉ::::::|::::: V:∧ﾊ
　　　　　　　　　|::||:ﾍ: ::::::::::::::::: 〃 /::/ :::::|::|::||: :/!:::::: i::::::|:||
　　　　　　　　　|::|:!:::ﾍ:::::::::::::::::/　 l::｣|;_:::::|::|::||:::| |:::: λ::::|:||
　　　　　　　　　|::|ﾊ:::::ﾍ:; --､/　　>‐―＞､|::||:::| |::_,.斗::::|:|!
　　　　　　　　　|::|: ﾍ:::::ﾞ| .ﾍ. ﾍ. 　l.　／::／ }　　,ｨテｧ⊥:::ｌ:l'
　　　　　　　　　|::|:::::|＼ﾍ V)　|／`く::／　ノ　 　 じ/
　　　　　　　　　|::|:::::|.　 ＼:７´|　 　 ｀￣　　 　 　 ,'
　　　　　　　　　|::|:::::|　／/ｿ 　 　 　 　 　 　 　 ' /
　　　　　　　　　|::|:::::|　┌─＜_＞ .　　　( ア .
　　　　　　　　　|::|:::::|　/　　　　 ＼ /＞ .__／　　　　　　さて　第四次伊藤内閣は
　　　　　　　　　|::|:::::|‐'￣ ＞　.　　＼
.　 　 　 　 　 ／|::|:::::|　　　　　　　＞‐≧:､　　　　　　　　山県のにらんだとおり人事面でのゴタゴタが続く
　　　　 　 　 |:　|::|:::::|　　 　 　 　 　 ／￣`ヽ、
　　　　 　 　 |i　|::|:::::|　　　　 i:. 　／　　　　　ﾄ､

・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

┌───────────────────────┐
│伊藤は当初大蔵大臣に井上馨を当てるつもりだった　   │
└───────────────────────┘


　　　　　　　　　 　 　 　 　l´｀､''‐=_‐-:､_
　　　　　 　 　 　 　 　 i'r"`､ __ヽ､　ヽ、 `:､
　　　　　　　　　　　　　!.i　r'"_,,,.';',　　 i_　 ';
　　　　　　　 　 　 　 　 |.i､'､. rti-|i,　 ,'-`i　|
　　　　　　　　　　　　　 !'`;| _　　ﾉ ! ./!) ﾉ./
　　　　　　　　　　　　　　　.!-‐-　,'ノ /'く,/
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ''　 _,,. :' _,. '､_
　　　　　　　　　　　　　　　　 フi-r‐''"_,.-''i `i- ,,_
　　　　　　　　　　　　　　　 ,:;':' |　|''_　-',/.　 ',　　`'''ｰ--;;､
　　　　　　　　　　　　　　／,'　/,　|ﾞ　 ,:;''-､,.-´　　 .／ ´　｀:､
　　　　　　　　　　　　 _,.:!ヽ!ヽ,! lヽ!／./　　`-,　　/　　　　　 i
　　　　　　　　　　　／ _,iﾞ-, l-:､_i"|　/　 　 ,.:'　　i　　　 　 　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　井上馨





┌─────────────────────────────┐
│が、これに元大蔵大臣で政友会創立委員長だった渡辺国武が反発　 │
└─────────────────────────────┘

　　　　　　　　 ,. -ｰ冖'⌒'ｰ-､
　　　　　　　,ノ　　　　　　　　 ＼
　　　　　 　/　,r‐へへく⌒'￢､　 ヽ
　　　　　　 {ノ へ.._、 ,,／~`　　〉 　｝　　　　,r=-､
　　　　 　／プ￣`y'¨Y´￣ヽ―}j=く　　　　/,ミ=/
　　　　ノ　/レ'>‐〈＿ｭ`ー‐'　　ﾘ,ｲ} 　　　〃　/　　　　　　おいおい　僕じゃないのかよ
　　　/　_勺 ｲ;；∵r;==､､∴'∵;　シ　 　 〃　/
　　,/　└' ノ ＼ 　 こ¨｀　　　 ノ{ー--､〃__/　　　　　　　 第二次伊藤内閣では大蔵大臣だったんだぞ
　 人＿_/ー┬ 个-､＿_,,..　‐'´ 〃`ァーｧー＼
. /　　　|／　|::::::|､　　　　　　　〃　/:::::/ 　　　ヽ
/　　　｜ 　 |::::::|＼､_________／' 　 /:::::/〃
! 　 　　l 　　|::::::|　　｀￣￣´ 　　　|::::::|/

　　　　　　　　渡辺国武

┌─────────────────────┐
│渡辺は新聞紙上に伊藤を批判する記事を掲載　  │
└─────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／/
　　　　 　 　 　 　　/｀‐──-､__＿＿_,-‐´　/
　 　 　　　 　 　　./　 /￣￣/ 三三=　 彡 /
　　 　 　 　　　　/　 /＿＿/ 三三=／彡 /
　　 　 　 　 /｀‐──-､__＿＿_,-‐´　/
　 　 　 　 ./　 /￣￣/ 三三=　 彡 /
　　 　 　 /　 /＿＿/ 三三=　 彡 /
　　　　 ./　 ./





　　　 ┌───────────────────┐
　　　 │伊藤は渡辺を説得して矛を収めてもらった　　│
　　　 └───────────────────┘

　　　 　 　 　 　 ,　 -‐‐…‐‐-　 .
　 　 　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
.　　 　 　 ／: :: :: :: :: :: :: :: :〃「∨|ヾ: : }
　　　　／:.:.:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :ゞ,!___」ﾉ:_::ﾉ
.　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: ::_;: ::-‐: : ¨￣: :: : ＼
　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イｧ‐ ,.へ _‐―‐‐ｘｪ一'
　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ=守i 　" ≧tﾗ＾{ )ﾁｭ}
　　　　｀ ｰｧ爪てヾﾐ　 {　　　 '´'. {　｜
　　　　　　川込_うミ　 ヽ　　　,. 、）　!
　　　　 (､_川i∧　jﾐ　　　　,.ｨ彡ミメ〈　　　　　 立憲の大事なとこは譲歩にあるんだ
　　　　 冫少 　 、ｷ　　 } 〃こ二7/`　　　　　 ここはこらえてよ……
　　　　彡ﾍ、　　　込、　｀　　'⌒ ,′
　　_／: :: :{ :｀ ‐　.,__　 ＞x､ 　　,ﾘ
＜//ヽ　: :: ::.:.:.:.:.:. :｀;: : ::‐―〕¨´
: : ＼/∧:_::_::_::_:: :＼::', :: :: : :l＞-　..,,__




　　　　　　　　　　　　　,. -ｰ冖'⌒'ｰ-､
　　　　　　　　　　　　,ノ　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 　/　,r‐へへく⌒'￢､　 ヽ
　　　　　　　　　　　 {ノ へ.._、 ,,／~`　　〉 　｝　　　　,r=-､　　　　むう
　 　 　 　 　 　 　 　 i. i'￣`y'¨Y´￣ヽ―}j=く　　　　/,ミ=/
　　　　　　　　　　 　 |. '>‐〈＿ｭ`ー‐'　　ﾘ,ｲ} 　　　〃　/
　　　　　　　　　 　 　 i.;；∵r;==､､∴'∵;　シ　 　 〃　/
　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 こ¨｀　　　 ノ{ー--､〃__/
　　　　 　 　 　 　 　 , ィ 个-､＿_,,..　‐'´ 〃`ァーｧー＼
　　　　　 　 　 　 ／　|::::::|､　　　　　　　〃　/:::::/ 　　　ヽ

┌───────────────┐
│そして井上は伊藤の誘いを断る　　   │
└───────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 ,____,-_‐_'''‐-:､
　　　　　　　　　　　 ,-､-!'-:､ヽヽ`':､　 ＼
　　　　　　　　　　　 | i‐:､', _,,ヽヽヽ ',r-､ |
　　　　　　　　　　　 | |　 !"　_,-! l　 .!,､.l |
　　　　　　　　　　 　 !'ヽ.`i｀`'''"!'.|　;'.',ﾉ |　　　　　 ここで私が大臣を引き受けると政友会分断の原因となろう
　　　　　　　　　　　　　 `''‐i＿_,' .|/ ,! `‐!　　　　　そうなると伊藤との関係に禍根を残すやも知れぬ
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 　,.　 _,,.-'i､
　　　　　　　　　　　　　　　　 フi-r‐''"_,.-''i `i- ,,_
　　　　　　　　　　　　　　　 ,:;':' |　|''_　-',/.　 ',　　`'''ｰ--;;､
　　　　　　　　　　　　　　／,'　/,　|ﾞ　 ,:;''-､,.-´　　 .／ ´　｀:､
　　　　　　　　　　　　 _,.:!ヽ!ヽ,! lヽ!／./　　`-,　　/　　　　　 i
　　　　　　　　　　　／ _,iﾞ-, l-:､_i"|　/　 　 ,.:'　　i　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　 i ./.| (ヽ Ti　|:i _| ,'　　 ,:' 　 　 | 　 　 　 　 |




　　　　　　　　　　┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　│結局渡辺が蔵相の椅子に座ることになる　　   │
　　　　　　　　　　└───────────────────┘


　　　　 　 　 ,. -ー冖'⌒^'ｰ-､
　　　　 　 ,ノ　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　/　,r‐ヘヘく⌒'^''￢､　 ヽ
　　　　　{　ﾉ ´~＼_、　ゝ--､ 　〉 　｝　　 ,r=-､
　　 　 　 〉{ ‐7￣｀Y¨Y´￣ヽ- }j=く　　 /,ミ=/
.　　　 　 { {　 ﾞｰ‐くi___ｭｰ‐‐' 　 ﾘ,ｲ} 　 〃　/
　　　　　 ﾞﾍ ；∵ゝ=＝=ｧ∴'∵;jｼ　　,〃　/　　　　　フフン
　　　　　　　ヽ　　｀⌒´　　　　ノ{ー､〃　/
　　　　. -┬ 个-､＿_,,..　‐　 ｘ个 ┬―-ミｘ
　／　　　 |::::::|、　　　　 　 〃　|::::::| 　／　 ＼
｛　　　　　|::::::| ＼、______／　　 |::::::|〃　 　 　 }

　　　　なんだあいつ

　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧
　∧ (´｀д´) (｀Д´ ) ∧∧
(　｀・Д)　Ｕ) ( つと ﾉ(ﾍ・´　)　　 ごねれば大臣になれるとでも思ったのか
｜　Ｕ (　　｀・) (・´　　)　と ﾉ
　ｕ-ｕ （l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ
　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'

　　　　 実際なってるし……

┌───────────────────────────┐
│当然ながら渡辺の勝手な動きに他の政友会幹部は反発する　　  │
└───────────────────────────┘



　　　　　　　　　, 　--- 　、
　　　　　　　／　　 　 { M.}ﾊ
　　　　　 　 i_＿_ , -＜二二ﾝ
　　　　　 　 Y^ゝZ　◯ 　◯i､
.　　 　 　 　 (,'_　　lヽ__(⌒)ノl
.　 　 　 　 　 ,ト、　ゞ;;;;;仁i;;ノ
.　　　　　 　 /　 ! .|ﾄ　--‐r个x　　　　　お願いだから内部対立とかやめてね
.　　 　 　 　 {l 　Ｙ化----化 ｲ　　　　　組閣早々空中分解とかやめてね……
　　　　　 　 { l　 l　　　　　 l　l
.　　 　 　 　 i .l　 l　　 　 　,l　l
　　　　 　 　 i .l＿l　　　　　l,ｿ
.　　　　 　 　 i ｀^^　　　　　l

┌────────────────────────────────┐
│入閣見送りを告げられた原敬も、伊藤に対しての不満を日記に残している　  │
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　＿＿___
　　　　　　　､__＿＞ ￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　 _..:::彡⌒.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ __
　　　ー ≦､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ.
　　　＜:::::::::__: ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ.
　　　　 ＞ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:/彡イ气:::::::::::::::ﾍ.
　　　／:／:::::::::::::::::::///;ｲ:／／//:/´　　　　 ｀ミ::::::::::ﾍ
　　　／__＿::ノ:::::::://77ﾒく_/　//:/　　　 ＿　　ﾐ:::::::::::::l
　　　　　／クハ::://///_,,/≧/´/　..,≦´　　｀ヽﾐ::::::::::::!
.　　　　　　／ 〉!/ﾊ! ｲ'ひゾ /: /　/　ｲろ心、　 ﾊ::::::::/
　　　　　　　 //ﾙ !　　｀￣'/　　 　 　 ゞｰ"ノ　 ハ:::::/
　　　　　　　 ヾ に!　　　　　　　　};.　　　　　　 ﾑわ/
　　　　　　　　 ヽい　　 　 　 　 ´:ｿ　　　　 　 /ノ:/′
　　　　　　　　 　 ｰ', 　 　 　 __＿__　　 　 　 んソ　　　　 内閣にお前が必要だからと言って
　　　　　　　　　　　ヽ　　　´ 　　　 `　　　 :/´　　　　　　 政友会に勧誘されたのにこんな仕打ちを受けるとは
　　　　　　　　　　_＿|＼　　　｀"　　　　 ／
.　　　　　　　 　 /　　|　 :ヽ　 　 　 　 .イ:!｀ヽ
.　　　　　　 , イ　　 .:.j　　: : : :ー: ´:.:.:.:.:.:! / |
　　　 　 ／　_＿　..:/ｲ　　　　　　　　　／　 |
　　　　/_／　/⌒)/:.:.l　　　　 　 　 __/:　 　 L___,､_＿
　　　　　,..＜ｲ⌒/:.:.:.:l　　　　　　 / :/:|　　/ー:、　　　￣￣




　　　　　　　　　 _..ノ:ｲ::::::/::::::::::::::::::::|　　　　 　｀ミ::::::::::∧
　　　　　　　　　　　/::::::/ :: :::./::: ::::::|　　　 　　　ﾐ::::::::::::ハ
　 　 　 　 　 　 　 /::::::/:::::::::/::: :::::|:::|　　　　　　　｀Ｙ:::::::::/
　　　　　　 　 　 /:::／!::::::::廾斥.,_八!､__,,..　-一　 　|::.ﾊ/
.　 　 　 　 　 　/／　 |:从:{ーrｯ‐ﾍ　　ミｰrｯ‐一　　 }/} ｝
　　　　　 　 　 ′　　 iハハ｀￣　　　　　 　 ￣´ 　 /_,)/　　　　　渡辺の勝手な脅迫のせいで
.　　　　　　　　　　　　i　.! .ﾑ　　　　　　　　　 　 　 _, イ　　　　　 俺との約束に背く事態になってしまった
.　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∧　 　 ｀ ´　　　　　　/{
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　 ‐　─　　　 ／　|＞､　　　　　　 伊藤さんの薄弱なやり方にも困ったもんだ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞　＿__　 ィ　　／　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 ／　　 　 ﾉ .ﾞｉ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .{ 　＿／　　　　／　 　 ＼
.　　　　　　　　　　　　　　　,　’/'ｒ＿ﾝ<　 　 　 　.／　　　　 　 ＼

┌──────────────────┐
│伊藤本人もこれについては苦悩していた　 │
└──────────────────┘

　　　　　/ _＿: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :＼
.　　　 　ﾚ r:v::､ヽ: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ｀ｰ=ミ
　　　　　Ⅵ:ﾄ1:|　}: :: :: :: :: :: :: :: :: :x= ､:: :: }
　　　　 ／´￣￣｀¨ ＜::_＿＿＿_{ らい: /
　 　 ／: :: :: :: :: _＿__／ u ﾊ　ﾉﾆｦ　) /
　　 ー‐=＝ ｧﾗ:::::¨r㍉ﾌ /ﾆ）　¨＾´（_ﾉ::)x-―-　　　　　政友会の事情かくの如く、泣くにも泣かれぬ有様だ
　 　 　 　 Y´::::::::::'"¨´∠ﾆﾌ　　　　　/: :: :: :: :: :
　　　　　　{:::::::.: '　 瓜ﾆﾌx-う　　　 /: :: :: :: :: :: :　　　　 国政の計画手段を胸中に秘めている者なんて見当たらない
　　　 　 　 ｀ ｰ‐=くz=≦¨´　　 xァﾁ: :: :: :: :: :: ::
　 　 　 　 　 　 　 /て´　　_ｘく'///: :: :: :: :: :: :: ::　　　　 集まっている連中は他人に依頼して栄達利録を
　　　　　　　　　 /: :: :｀¨¨lﾆﾆT.:7: :: :: :: :: :: :: :: ::　　　　 貪ろうとしているに過ぎない……
.　　　　　 　 γ⌒ ＜⌒うﾆrｭ|/／: :: :: :: :: :: :: :/:
　　　　　 　 /　　／⌒У⌒{_}圧ﾆ¨: :: :: :: :: :: /ﾆ

┌────────────────────────────────────┐
│そして閣僚人事といえば、この頃茂丸は金子を通じて伊藤から意外な誘いを受ける     │
└────────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　＿＿
　　 ／ノ　ヽ＼
　／.（○）（○）＼
　|. u.　（__人__）　|
.　|　　　　　　　　|
　 |　　　　　　 　|
.　 ヽ　　　　　　ﾉ　　　　 えっ　伊藤さんが俺に警視総監の地位を用意するですと！？
　　 ヽ　　　 　/
　　　/　　　　ヽ
　　　|　　　　　|
　 　 |　 　 . 　 |



　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　_,､ｒ'´:::‐､｀ヾ‐､｀丶、
　　　　　　　　　　　　 ／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　 〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　 ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　 ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊ ｿｒ‐ﾃﾊ!:l/
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　 　 　 　 !　 j川/　　　　うん　まずは警視総監　いずれは内務大臣にという話だ
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/
　　　　　　　　　 　 　 Yｌ:ﾄ､　 　 ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ ニ′／}'
　　　　　　　　　　　 　 丨　　 丶、　　／
　　　　　　　　　　 ノ￣´"''‐ 、 　 ｀¨´￤
　　　　　　　 ＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　 ＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　 ヽヽ ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　 　 ∧=､､
　 |八 ＼　　 　 　＿_/　　　　　 ＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥

────金子堅太郎─────────────────
　茂丸と同じ福岡出身の政治家　第四次伊藤内閣で司法大臣
──────────────────────────

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　し、しかし私は今まで何の公職にも就いたことのない只の浪人ですぜ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　　 　 　 　 _＿_　＿
　　.‐::::二´::イ:ｉﾄ､‐=-｀::.､_
／:::／／::::,:ｲ::ｉ:ｌ:ｉ::::､:::::｀:､::｀:.､
:::／／/:／/:ｉ: |:!:|:ｉ::::丶:::: ヽ丶＼
/:::/:::/´::〃ハ:ｌ::::!:!ｉ:::: ｉ丶｀:!ヽ:ヽ::ヽ
: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
/ｉ: /:: /ｉ::ｌ::: /ｉ::ｌヽｌ::丶:::ｌ::::::ﾊ:ｉ|::ｉ: ｉ:､::ｉ
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀ ､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉ ｌ
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　 ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |
::!:|:|::::!:!: !/ィ示ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ::ﾉ_ '　/'　|!　.ィ､ ｌ:!::|:!:: '
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く:::ｿ ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/
:､:!|ﾊ　　　 　 ､_＿_　　　　 /::!:/′　　　　　 それだけ伊藤さんが君の事を評価しているって訳さ
小:!. ヽ　 　 　 ｀ ー｀ｰ　　 'Ⅵ'
::::ﾘ. 　 ＼　　　　　　　／
Ⅵ.　　 　 ヽ､　　　　 ´
｀　 ー　 _　　 T　´
､　　　　　｀ ー ､
　｀　 ､　　　　　ｉ
. ､　 　 ＼.　 　 ｌ

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　少し考えさせてください……
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l



　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　_,､ｒ'´:::‐､｀ヾ‐､｀丶、
　　　　　　　　　　　　 ／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　 〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　 ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　 ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊ ｿｒ‐ﾃﾊ!:l/
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　 　 　 　 !　 j川/　　　　ああ　いい返事を期待してるよ
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/
　　　　　　　　　 　 　 Yｌ:ﾄ､　 　 ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ ニ′／}'
　　　　　　　　　　　 　 丨　　 丶、　　／
　　　　　　　　　　 ノ￣´"''‐ 、 　 ｀¨´￤
　　　　　　　 ＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　 ＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　 ヽヽ ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　 　 ∧=､､
　 |八 ＼　　 　 　＿_/　　　　　 ＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　うむむ　どうしたものか……
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　受けるべきか受けざるべきか
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　 ……俺は今まで、時に大物政治家に助言をし
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　 時に彼等の手足となり、国事に働いてきた
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）　　　　　 つまり自分の考えを実現させるのに
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　 まず政界の大物を介していたわけだ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │ 茂丸　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └───┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓献策
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ 大物政治家　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 実行

　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　. （　（● ） .　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　|
　　　　　r‐-､　　 　.　　　|　　　　　おれ自身が地位ある者になってしまえば
　　　　 （三））　　　.　　　|　　　　　直接政治に影響を持てるわけで
　　　　　>　ﾉ　　　　　　 /　　　　　効率の面からいったらこっちの方がいいわな
　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /
　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈　　　　　　　　 ┌─────┐
　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　） 　 　 　 　 　 │ 大臣茂丸　│
　　　　　　.　|＼　　 　,.1　　　　　　　　└─────┘
　　　　　　.　|　 ＼_／...|　　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　政策実行




　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　 大臣にもなれば役人を使うこともできるし
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l　　　　　政府資料も最新のものが直ぐに手に入る
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　 工業銀行設立案が貴族院で潰された時
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　　　　　 俺は浪人である自分の限界を思い知らされた
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ　　　　　　これはその限界を超えるチャンスか……？
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ





　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　 ／　 　_ﾉ＼
　　　　　　 /　　　　 （一）
　　　 　 　 |　　　　　（__人）
　　　　　　 |　　　 　 　 　 ｌ
.　　　 　 　 |　　　　　　 　|
.　　　　　　 ヽ　　　　　　ﾉ　　　地位さえあればもうあの時のような
　　　　　　　 ヽ　　　 　/　　　　悔しい思いをしなくて済むようになる……
　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　|　　　　　|
　　　　　　 　 |. 　 　 　 |

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　しかし　国家の大事を忘れて猟官にいそしむ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　 政党の連中を俺はこれまで側で見てきた
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　この話を受けたら俺はあの連中と
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l　　　　　 同じということになりはしないか……？
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼





　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　. （　（ー ） .　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　|
　　　　　r‐-､　　 　.　　　|　　　　　　うーん　迷う　迷うぞこれは
　　　　 （三））　　　.　　　|
　　　　　>　ﾉ　　　　　　 /
　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /
　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈
　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）
　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　.　|　 ＼_／...|

　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |　　　　　　一人で悩んでも仕方が無い
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　　　ここはあの人に相談してみるか……
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　てなわけで　伊藤さんから大臣にならんかと誘われたんですが
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　やっぱこの話受けるべきでしょうか
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　＼　　　／　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　 ……
　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|
　　　＼　　 ,彡　　　ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼

福岡の政社玄洋社の代表的人物　頭山満

　　 　 　 　　　　＿＿＿_
　 　　 　　　　／　////　＼
　　　　　　 ／　＼　　　／　＼
　　　　　／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　　　　馬鹿ッ！！
.　　　　 | 　 　 　/__´___ヽ、　　　|
　　　 　 ＼ 　 　　|il!|!il|　　　 ／
.　　　　　／ 　　　￣￣　　　 ＼

　　　 ┌───────────┐
　　　 │と　頭山は茂丸を一喝　　 │
　　　 └───────────┘


　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ◯）（◯）
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　！！
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●



　　 　 　 　 , -―- ､
　　　　　　/　　　　　＼
　　　　　 /　　＼_　　　|
　　　 　 (●) （●）　　 |
　　　 　　(_人__)　　　 /
　　　　　 l｀⌒´　　　 /　　　　　　　　　　馬鹿だ　俺は馬鹿者だろ……
　　　　　　|　　　　　　ヽ
　 　　　　__!､＿___／　　＼
　　　　／､ ヽ　　　　　r ､　ヽ
　　 　ﾊ ヽ Y｀l　　　　 |　 >　 Y
　　　{　ヽ_ゾﾉ　　　　　|　ﾚi i i}
　　　｀¨´　　ヽ　　　　ハ　 `'''
　　　　　　　 　>　　 /　ﾍ
　　　　　　　　/　　/ヽ　 ﾍ
　　　 　　　 _,/　　/　ご_ノ　　ﾓｷｭﾓｷｭ
　　　　　　（　ヽ　/
　　　　　　 ＼__ノ




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　 ここで俺が大臣になったら世人は俺をどう評する
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|





　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　. （　（● ） .　　　|
　　　　　. （人__）　　　　　|
　　　　　r‐-､　　 　.　　　|
　　　　 （三））　　　.　　　|　　　　　 山県に取り入っていたが大臣の椅子欲しさに
　　　　　>　ﾉ　　　　　　 /　　　　　 伊藤に乗り換えて地位を手に入れたこずるい奴
　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /　　　　　　 と俺をみなすだろう
　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈
　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）
　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　.　|　 ＼_／...|

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　　　 そうなってしまったら　もう誰も俺の話を
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　 真剣に聞いてくれなくなってしまうのではないか
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼






　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　 ／　 　_ﾉ＼
　　　　　　 /　　　　 （一）
　　　 　 　 |　　　　　（__人）
　　　　　　 |　　　 　 　 　 ｌ　　　　　　また　地位を得たからといって
.　　　 　 　 |　　　　　　 　|　　　　　　なんでも好き放題できるというわけではない
.　　　　　　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　　　　　　 ヽ　　　 　/　　　　　　　大臣になったらなったで新しいしがらみに縛られるんだし
　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　|　　　　　|
　　　　　　 　 |. 　 　 　 |

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　 地位を得れば、今度は得たその地位を守る為に
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　汲々とせにゃならん
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　 何しろ政友会には他人の足を引っ張ってでも
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　大臣になりたい奴らがごまんといるんだ
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |　　　　 よし　俺は心を決めたぞ
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●




　　　　　 ／￣￣＼
　　 　 ／ 　 ノ 　ヽ ＼
　　 　 |　 （ ●） （●）|
　　 　 |　 　 （__人__） |　　　　　 金子さん　先日のお話ですが　辞退させてもらいます
　　　　| 　 　 ｀ ⌒´　|　　　　　　役人になって官服を着てサーベルをつければ
　　　　 |　　　　　　　|　　　　　 　私には一文の値打ちもない
　　　 　 ヽ 　 　　　/
　　　　 _,,ゝ　　　 (,_
　　　/´　 `ー-一´｀ヽ
　　 /　　､　　　　　 ,　|




　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/　　　　私はやはりこの野武士が一番仕事ができると思います
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|






　　.‐::::二´::イ:ｉﾄ､‐=-｀::.､_
／:::／／::::,:ｲ::ｉ:ｌ:ｉ::::､:::::｀:､::｀:.､
:::／／/:／/:ｉ: |:!:|:ｉ::::丶:::: ヽ丶＼
/:::/:::/´::〃ハ:ｌ::::!:!ｉ:::: ｉ丶｀:!ヽ:ヽ::ヽ
: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
/ｉ: /:: /ｉ::ｌ::: /ｉ::ｌヽｌ::丶:::ｌ::::::ﾊ:ｉ|::ｉ: ｉ:､::ｉ
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀ ､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉ ｌ
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　 ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |
::!:|:|::::!:!: !/　　 ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ _ ,,_ ' /'　|!　.ィ､ ｌ:!::|:!:: '
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く _ ,, ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′
小:!. ヽ　　　　　 ￣ ｀　　　'Ⅵ'　　　　　　　　そうか　残念だ　でも君らしいよ　杉山君
::::ﾘ. 　 ＼　　　 ｀　　　／
Ⅵ.　　 　 ヽ､　　　　 ´
｀　 ー　 _　　 T　´
､　　　　　｀ ー ､
　｀　 ､　　　　　ｉ

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　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣


　　 　 　 　 　 ,.． ''""""'''　 ．
.　　　 　 　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::｀':､
　 　 　 　 /: :/!::i ::::i:::::::::i::::::',::ヽ::ﾍ
.　　 　 　 |: :/ |::|:::::|!:::::::|!::::::|!:::}:::::}
　 　 　 〃i::/ 七卞l!:::::::l!ヒﾆi}:::|;;;;;|
　　　　 |:;へY´ /::/'Y´　 下丁! L:i
　　　　 |:|δﾍ,/::/_ノ　､　 凹i.´ | 〕
　　　　 | '-' }､￣ 　 　 　 　 　 /V　　　　　 ちなみに頭山は茂丸から相談を受けた後
　　 　　|:::::| | ＼ 　 ,　 ､　　／　 !
　　 　　|:::::| |　　＞;―,へ'´　　　j　　　　　　こんな事を言って笑っていたという
　　　　 |:::::| _,,,....{´Ⅴ〈/´＼
　　　　 |:::厂 、　 「o´ {彡　|≧‐､
　　　　 ∨　y　　/　　 ル-'ﾍ.／ |
　 　 　 / i /　　/o 　 ∧　　 ∨ .|
　 　　/　 i{　　 {　 　 　 ∨ 　 ﾊ .|
　 　 〈　 ｀∧ 　 ', o　　　 ＼　 ' /
　　　 ∨ ´ヽ| 　 |　 　 　 　 厂´

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　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　　　／　////　＼
　 　　　／　⌒　　　⌒　＼
　 　 ／ 　 ー□ー□ー　　＼　　　　　大臣になりたければ俺に相談なんかせず
.　 　| 　 　 　 /__´___ヽ、　　　|　　　　　さっさとなってしまえばよかったんだ
　　　＼　　 ,彡`ー'´ﾐﾐヽ　 ／
　　　／　　　　　　　　　　　＼　　　　　　ハッハッハ
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　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　うーむ　この人も何を考えているんだかよく分からん人だお……
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　 　 　 　 ,.　' ""~~""'　．
　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:::/i::::i::::i:::::::i::::::::i:::::i ::ﾍ
　　　　|:::/ !:::|::::|i ::::|!::::::l!:::;i ::/i
　　　　|:::i こ二戈i::::::l!斗l!亠l ::}
　　　　メi´　/::/｀Y´ ￣它アr‐!.
. 　 　 {δｉ､/::/　丿, 　　しﾉ i∂}　　　　　　 こうして茂丸は一人一党無位無官の浪人として
　　 　 ヽ∧/￣ ＿＿＿_　　/ﾍ　　　　　　　明治の時代を駆けてゆくのであった
　　　 　 j　＼　‘、 　 .ノ　, ':|　j
　　　 　 　 　 ＞,.こ__,,. ィi ::::|　　　　　　　　と今回はここまで
　　　　 　 　 　 |｀ヽv- '´|::::::|
　　　　/ﾆﾆ二´＼_,||_, 　'二ﾆﾆ.ﾍ､
　　 　 i'＼　　　　　「o 　 　 　./　.|
　　 　 | 　.〉 　　　/　　　　　 / 　 |
　　 　 |　/　　　 / o　　　 　 .}/ 　|
　　 　 |. {　　 　 |　　／ir／￣｀ヽ |
　　　　| i´￣ｉ´ﾞﾞ" ''' ‐　!.,,,__,-ヽ'~ |
　　　　| |　　| 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ |
　　　　|.へ-'‐- __．..,,__　　　　　 /
　　　　ヽ- i' "´ | o　　 ｀ﾞ" ''i‐‐´




　　　　 　 　　　＿＿＿_
　　　　 　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　　／（ ー） 　（ー） ＼
　　　　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|
　　　　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／　　　　　読んでくださってありがとうございました
　　　 　　r´､＿__∩∩＿_,　 /
　 　　　　＼＿_　´人 ｀　＿ﾉ
　　　　　　 ヽ 　￣　　￣ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ つづく　   │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────┘