三３７６．
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　　その場に居たのは国王、王妃の他、
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　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　｀,
　　　 　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　l
　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　 　 !
　 　 /　　　　 /　 /　　　　　　　　　　 　 　 　 ､l , -　　 　 ',
　　 l　　　　　l 　 !,ｨ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'　　　　　　 ',
　　 ヽ　　　　 !　 !l!　　　　　　　　　　　　 , , ノ　　　　　　　 /
　　　 ヽ　　　 ﾄ､ ヽ　 ! /,　_,.-＿ ,ノノ ,ｨﾉl'ヽ/,　　　　　　　,'
　　　,...ﾉ'　　　| ﾍｰヽヽl（/ l'´ ≧ﾐ､_ ,ノ'　!　ﾘ! l　　　　 　 ﾄ!_
　r'´イﾉ　　　 ヽ ﾘ　　 r'｀　 　 ヽヾ歹､=､ヽ　,_ﾘ=､　 l　 ﾉ l ｀
　!（　ゞ,.　　　　 ´r､　r'　　　　　　￣｀ ヽ　 /ゞｸｲﾉ /ノ ﾉﾉ
　}ヽ､｀` ｰ-　_i´, ﾉ'.lﾍゝ　　　　　　　　　　/　 /ｰ '´_, '´
　l　　￣｀ ｰ- ､｀ヽ､l,_　　　　　　　　_　　 l　 /　,(´
　!　　　　　　　 ｀ ｰ-､ヽ　　　　　　　ヾ=-' ,.', ィ､丶､
_,ゝ　　　　　　　　 　_レ'-―- ..,'' ―＝- ,ｲ(　　　｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　`iｰrﾍ￣｀ヽ､｀ ｰ, - '一ｰ- ､　　 ヽ.ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 l　lｰ-ヽ _, -｀´　, --‐_ﾚ‐- ｀)　 /∠、
　 　 　 　 　 　 　 　 |　| ヽ.／ r=ー'―‐'´-､ ￣ ｀ヽ///ﾆ,
　　　　　　　 　 　 　 !　ト.ﾉ　　　, ―---=､_ヽ　l　/　＼ ヽ
　　　　　　　　　　　　ヽ〉′　　　　　　, - ､ ｀i.| !/　　 〃,.､!
　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　 '　　　ヽ_!!l'　　　 ヽ'へ＼
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ　　　　　　ヽヽ



　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　 　 　 /::::::::::::::::::::::ﾍノ!::::|::::::!::::::|:::!:::}:::i:::::}
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ﾆｾゞ､イｲfｱｲ::::::＼
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ　　　　-─　, ′::::!::::::::ﾄ／
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__
;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;｀ヽ､__>;;;;ヽ;;;;ト;;｀ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ::::l;;;;ヽ;;;;;｀;,,､
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;;ー───''"/;;;;;i!;;;;;;;｝;;;;;;;;;;;＼
γ;;⌒ヽｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;｀＼;;;;;;;;;／;;;;;丿;;;イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
´￣｀ヽ;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀＼;;;;;;;￣;;;;;;;／／;;;;;};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j

三３７７．
―――――――――――――――――――
　　運良く生き残った数名の貴族や司祭達、
―――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　 　 　　　　　 ＿＿__ _
　　　　　　　 　 　　　　　,､z-´ｧｧｰ-､､　 ｀ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　'´"´　　　｀ヾ　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　 　 ! 　 　 ヽ
　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 j　 　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　　　_,,､z=-､ }　 　 　 l
　 　 　 　 　 　 　 !ゞ､､-､,,,,　｀`j,ィﾗ' 　 | ,r‐､ 　 !
　　　　　　　　　　 !"´,ｨﾃj´　 '　 ｀`　　 j ! rﾙ　/　　　　　　　「即刻縛り首にかけろ！」
　　　　　　　　　　 ヽ　　　､__,ィ､､,,　　　ヾ'"´ Y
　　　　　　　　　　　 ﾞi　 ,ｲ,ｨ-ーーｭ　　 ,个 ー'- ､
　　　　　　　　　 　 　|　　 '"´￣ 　　　,」 ﾄ､　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 __人 _､　　　　　,．' 」 i 　l　　 　　 l
　　　　　 ,r'´ j￣　　 /ヽ 二二二´_／ | i　 |　　 　 　ﾄ､_
　　 　 　 i　 / 　　　,ﾉ｀`ｰrrt‐'"´　　　| i　 L＿＿／　　｀`''ー- ､
　　　　　 |　i! 　 　 / 」　　i l ! 「三」 _//　　　 〉ー‐'"´`ヽ､＿　　 ｀777ヽ
　　　　　 l　!ﾊ 　 ,ｲ/　ヽ_」 l ｰ '"´　// 　　　/　　　　　　　　 ￣｀ﾌｲ/ _久
　　　　／｀ﾌ,ｲ ,ｲ</　　 ///　 　 ／/　　　 /　　　　　　　　　　　/￣　　　ﾄ､
　　 ／　 ///!/　 l　　 /// 　 ／　/　　　 /　　　　　　　　　　　/　　　　 　 ﾊ



　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　 ＿＿ _
　　　　 　 　 　 　　 　　 ,．-‐ "´　　　 　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 l　　　　 -‐-､､ヽj　,!
　　　 　 　 　 　 　 　 　,!　　　　 ,r'´￣｀`ヾ」
　　　　　　　　　　　　　|　　　　/　　　　　　ﾞ!
　　　　　　　　　　　　　l 　 　 /　　 ＿,, ,!　 l
　　　　　　　　　　　　　| ,r‐､ﾉ　 　´ﾓﾌﾞ´rｧ |　　　　　　　　　「手ぬるい！
　　　　　　　　　　　　　ヽ! Yr ヽ､　´　　,」; /
　　　　　　　　　　　　　 ｀t, ﾉ　　i　,ｨ'´￣ヾ!　　　　　　　　　　ありとあらゆる拷問にかけ、
　　　　　　　　　　　　　　|　 i 　　!　ﾞ"ー''ﾞ''!　　　　　　　　　　ティターンズの情報を洗いざらい吐かせるのだ！」
　　　　　　　　　　　　　　l 　 i丶､,　　　´ /
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､＿ヽ　｀`ー‐,!
　　　　　　　　　　　 　 　|　　　｀ﾆﾆヽ_Tjﾊ
　　　　　　　　　　　　 ／`ー-､ i /7」 ｀llk i､＿
　　　　　　_,ｨｰyrr一'´　　　　　￣｀ヽ _」!「　　 ￣｀ヾヽ
　　　 ,．'´￣｀ヽヽ＼　　　　　　　　　　 ヽi|　　　　　 ヽﾊ
　　 /　　　　　　ヾ'´　　　　　　　　　　　　l!　　　　　　 `,ヽ
　 ,/　　　　　　　 ﾞ､　　　　　　　　　　　　 l!　　　　　　　| l
　 i　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　 l!　　　　　　　| |
　 i　　　　　　　　　l　 i　　「二二二/ 7」　l!　　「二ﾆ!　 l ,!
　 | 　 　 　 　 　 　 |　,!　　　　　　　　　　 l!　　　　　　　l l
　 |　　　　　　　　　 !/　　　　　　　　　　　l!　　　　　　　| |

三３７８．
――――――――――――――――――――――――――――
　　その他は、容疑者一味の周囲を見張る騎士や衛兵ばかり。
――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　「こいつらのせいで大勢………」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「おい、油断するな！」
　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　 　/￣￣＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,、
　　　　　　　　　　　／　　　　　ヽ　ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／,/ /,','/ ゝ､　_、
　　　　　　　　　　 |､　　　　　　　ﾞi ﾞiﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /,','/ /,','/)ｻ ﾆ|　ll
　　　　　　　　　　〔＼｀'‐-　　　　└'　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／───∩,-‐‐‐∥
　　　　　　　　　　|∩　＼＿　　　　 ＿|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..〈-------く　{　/|￣.|
　　　　　　　　　　|∪＼　|´｀''''''''''''''''''''i|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞi 「⌒1j⌒丶　　|　| .|丶
　　　　　　　　　/　|||/ 　｀''''''´´￣ｌ 「'''/　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽLへヽ､ 　　ヽ 　　 |〕.　
　　　　　　　　　|　　　　　　　　　,-ｌ ｌ ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / 　　ヽヽ　　　,―二ﾉ　
　　　　　　　　　＼iiiiiiiii　　　/／／　 ヽ___　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾍlｮハ 　　　,,ノ' ﾆ│
　　　　　　　　／ﾍ｀'''''ヽ　　　　 　ｪｭ 丿＼　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,----.{Ο゛ ⊂⊃）.. エﾆ ｌ７――-､
　　　　／￣|::::::::::＼　　＼__(⊃-‐‐⊂)‐ﾞi::::ヽﾉ　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　ｌ　　 　 /　　　　　 l::ヽ、　 　 ヽ
　　　/　　　 |::::::::::::::ﾞi　　　｀'‐‐‐‐'´　　　ﾍ::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿/ .　　　　 ﾉ　　 　/ 　田田　　|::::::ヽ､_　 　 ヽ
　　/　　　／::::::::::::::::::|　　　　　　ヽ　　　　ﾍ::::::/ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　./ミ〉,' _'''ｰ-..l　　＿,-∧-､　　　　　ﾍ::::::::::`ヽ、　ﾍ
　　|　　／―--､::::::::::|　　　　　　　ヽ　　　　ﾍ/　ﾍ　　　　　　　　　 　 　 　 ∧ │｀│　　 |／　 　　　　＼＿　　 ﾍ__..r‐‐‐‐｀i___〉
　　|　/　　　　　ﾍ::::::::/　　　　　　　∧___----|　　ﾍ　　　　　　　 　 　 　 　 ト 　 1 │ ― |　 　　　　　　　　　＼ ?|ﾞi　 　 　 │
　　ｌ/　　　　　　/／　ﾞi　　　　,,-‐‐'　　　　　/―''''〈　　　　　 　 　 　 　 　 「 　　〉 ､∟二│ 　 __　　　　　　　　 　|│ﾞi 　　 　│
　　└―--､,-‐ｌ|　　　　　,--‐'＿　　 　　 　 |／￣　ﾞi　　　　　　　　　　　│ ､ 亅／｀''‐-､i‐ -'´ ｀ 丶､＿＿＿＿/　　ﾍ＿_ _;八



―――――――――――――――――――――――――――――
　　全く予想もしなかった禁呪による襲撃とそれによる多くの犠牲、
　　宝具をすべて奪われた状況からすれば無理からぬことで、
　　怒りの矛先は騎士が捕らえたというティターンズの一味―――
　　エルと雪華綺晶に向けられている。
―――――――――――――――――――――――――――――

628 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:33:54 ID:V8uPBR0Q ない夫～、早く来てくれっ！！

三３７９．
―――――
　　しかし。
―――――



ー┴ー[＿＿] ─┴||─┴─:[＿＿]─┴─┴─┴[＿＿] ─┴||─┴─:[＿＿]─┴
￣￣￣||: | :|l ￣￣ ||￣￣￣ ||: | :||::￣￣￣￣￣￣||: | :|l ￣￣ ||￣￣￣ ||: | :||::￣￣
　 　 　 ||: | :||:　{}={}个{}.={} 　 ||: | :||::.: . 　　　　　　　||: | :||:　{}={}个{}.={} 　 ||: | :||::.
　 　 　 ||: | :||:　 ｀{}={}={}´　　 ||: | :||::.: . 　　　　　　　||: | :||:　 ｀{}={}={}´　　 ||: | :||::.
　 　 　 ||: | :||::.　　　　　　　　 ||: | :||::.: . 　　　　　　　||: | :||::. :.　　　　　　　 ||: | :||::.
　 　 　 ||: | :||::.　　　　　　　　 ||: | :||::.: . 　　　　　　　||: | :||::. :.　　　　　　　 ||: | :||::.
　 　 　 ||: | :||::.　　　　　　　　 ||: | :||::.: . 　　　　　　　||: | :||::. :.　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
　 　 　 ||: | :||::.　　　　　　　　 ||: | :||::.: . 　　　　　　　||: | :||::. :.　　　　|　　ですから―――　 　 |
　 　 　 ||: | :||::.　　　　　　　　 ||: | :||::.: . 　　　　　　　||: | :||::. :.　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ
　 　 　 ||: | :||::.　　　　　　　　 ||: | :||::.: . 　　　　　　　||: | :||::. :.　　　　　　　 ||: | :||::.
＿＿＿||: | :||:.＿＿＿＿＿＿||: | :||:.＿＿＿＿＿＿||: | :||:.＿＿＿＿＿＿||: | :||::.＿＿
ΤΤΤ||: | :||::ΤΤΤΤΤΤ||: | :||::ΤΤΤΤΤΤ||: | :||::ΤΤΤΤΤΤ||: | :||::.ΤΤ
｜｜｜||: | :||::｜｜｜｜｜｜||: | :||::｜｜｜｜｜｜||: | :||::｜｜｜｜｜｜||: | :||::.｜｜
⊥⊥⊥||: | :||::⊥⊥⊥⊥⊥⊥||: | :||::⊥⊥⊥⊥⊥⊥||: | :||::⊥⊥⊥⊥⊥⊥||: | :||::.⊥⊥
──‐l二二二l:─────l二二二l:─────l二二二l:─────l二二二l──
＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/
＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿
/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿
＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/＿＿＿/__

三３８０．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　数分も経つ内に空気は一変していた。

　　ジェリドの尋問を華麗に受け流し、逆に状況を確認することで
　　違和感と矛盾点を突きまくるエルの話術によって。
―――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､_、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀"ｰﾆｰ- ､,_ ゛`=､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,,-‐=二｀:::::::｀::‐､ﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,､-‐"´￣.::::::::_,::::::::::=､:::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／´,:-ｰ ..:::::::::: ￣::::::::::::::::::ﾐ:::::::,:: !、_
　　　　　　　　　　　　　　　 　,,=‐':´::::::::,:::::,::::::::::,:::∠´:: ..:::::::::::::ﾊ:::::::::｀=、
　　　　　　　　　　　　　　 -"´／::／:／::::´::〃..::::　..::::::::::::::ノ:::!::i:ヾ::::::::i,｀、
　　　　　　　　　　　　　 　　,i':::彡:::,::::::／:::/.::: .,:::::::::::::／／:::::::::::::::i:::::ﾘ::',
　　　　　　　　　　　　　　ﾝ:::::::::／::::::/:::::: ..:::::::::::::::::::::::::ﾝ'"/::::::::::: /:::::: :::i,
　　　　　　　　　　　 __,.='''ﾞ´,/::::::::::l/::::::::::::.／::::::::／-/／'/:::::ﾉ:: ∧:::::: l::i
　　　　　　　　　　　　　　　/' /::::::: .::::::: .ｨ::::::::::ﾝ''! （;;;）i,丶:::./;ノ./､'i::::::l:::|
　　　　　　　　　　　　　　/ ,/:::: /:::::::／::::::／:/　｀'‐-= 　／,.:ｼi.（;）i|:::::ﾉ::i　　　「まずですね、
　　　　　　　　　　　　 　 ,/::/i::/:::::::〃::::::!:::∧|　　　　　 　 '::: ヽ =ﾉl::::l:h::l　　　 賊が宝物庫から証を奪った手口について
　　　　　　　　　　　　　／'´,!/:::::／/:::::::::i::::,'ﾘ　　　　　　 :::: '　ﾉ 　i:::::!! l:|　　　 説明してください。
　　　　　　　　　　　　 '　　/::::／:::/:::::::::::::l::l 　　　　　　　　　　　　,i::::|　 !
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / /::::::ハ::::h::::::::iﾞl,　　　　 　‐=二7　　 /､::l'　´　　　 順序立てて、明確に、理路整然と、可及的速やかに」
　　　　　　　　　　　　 　'",::::ｻ:::::::::::::ﾘ,l:::ii::l ! ヽ､　　　　'‐- 　　,ｲ'　'/
　　　　　　 　 　 　 　 　 ,/: /::::／" 'i:l'l:::::!　　:::::'i:､,　　　　　／!::i　 !
　　　　　　　　　 ＿,､=ｰ ,､''"´　　　 !i ヾ:!　　　:::::::｀'::､､,,,／　　i!　 '
　　　　　　　_,､=ﾆ、 　　 ヽ＼　　　　 ヾ丶　　　　::／!::/　　　　 '
　　　　　 ,ノ　　　 ヽ 　　　＼丶、　　　　　　 　 ／　!!i 　 ,-､　　　　,-‐-､
　　　　／　　 　 、 ｀i　　 　丶　 ｀ヽ,、__　　　／ヽ、 ' !　 ﾉ　i_,,､〆´ , ‐､ ` ,
　　　 /　　　　 　＼　ヽ　 　 ヽ　　　 ヽ｀丶､_｀　 ヽ｀ヽ､,=‐´￣ 　 '''''ヽ　｀､ i
　　　/　　　　　　 　＼ヽ 　 　 ＼　　　 ｀'-､_　 　 i､／　　　　　　ー ､ ｀‐､｀′
　　　|　　　　　　　　　ヽ'i,　　　　丶　　　　　 ｀／′ ＼　　　　　　　　｀'-､ ）
　　 /　 ､　　　　　 　　 ）|　　　　　｀、　　　／′　　　 ヽ、　　　''´⌒丶､ ヽ,
　　,|　 　l,　　　　　　　 i/　, 　 l　　 ＼　　ヽ,　　　　　　 ＼　　 _,-ｰ-､､_｀ヽl
　　l　　　ヽ　　　　　　 /l ./　　,i::.　　 ｀　　/　　　　 ..　　　＼イ　　　　　i　|
　 /、 ､ 　 'l　　 　　　 '´ /　 　 |:::.　　　 　i　 　　　::::::.. 　　ヽ! 　 　　　　'ｰ'
　 i ＼ 'ｌ　　'i, 　 　　　　/　　 　l::::::: 　　　,|　　　　 :::::::::/　　/
　 ヽ　ヽi　　 ＼　　　　 |　　,　　|,::::. 　　,‐l　　　　　:::::,/　　/
　　i丶 'iヽ　　　'i、　　　>、 |　　 ',:::　　丶'　i ....　　:::/　　/
　　l、　 丶　　　 ＼　　 l ヽ i　　 ｌ,::　 ,( ､　 'ｌ::::　 ,/'　　 /
　　|＼　 ヽ　　　 　ヽ　　　　|　　 |,;　／｀､｀'､_i::::: ,/_,,,-'
　 ｜ ヽ　 |、 　　　　＼　i,　l　　　i,l´　　 ｀ｰ､_ｰ--ノ i、
　　! 　　 :::::i　　　　 　　　l,　| 　　 l/　 　 　:::::::::''‐-i,ヽ,>┐
　　! 　　　:::l、　　　　　　 ｀Vi　　 /　　　　　::::::　　ﾉ　| !」
　　! |　　...:::::',　　　　　　＼ ヾ　　/′　　　::::　　 /　 i,i」
　　| i, 　　:::::::i,　　　　　　 　"、/　 　 　 　 ::　　 /　　| '!」

三３８１．
――――――――――――――――――――――――――――
　　もちろんジェリドは主導権を取り戻そうと必死になっていたが、
　　発言は最後まで続けさせてもらえないし、
――――――――――――――――――――――――――――


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ノ´　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂 　 　 　 　 　 ｀＞､ _
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ´　　　　　　　　　　　　　｀＞ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 .,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 / /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ',
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ヽ、　　 ⌒ヽ、　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　｀　　　　 .,ﾍ　　　　　}　　 __　　　　　 　l
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｛　　 　 　 　 /　ゞ　　　　ﾉ ノ´　 ｀ ,:　 　 　 l
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ゝ、　 　 　 /　 {〃ｲ , - '"　　　　　∨:　 　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ミ　 　　/　　 ヽ　!ﾘ　　 　 　 　 　 ∨:　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ 　 ,'　　 　 　｛　　 　 　 　 　 　 ﾐ:　 ,'
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨　l ＜≧-.､,,_ 　 {_,,､-≦千＞　j:　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨lj 　ー ｔｧｰ ヽ　ヾ"￢ｔｧ ー　 lﾍ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!K:!　　 ￣´ 　 l　　　 ￣´　　 j_）｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l（l:!　　　　　　 j　　　　　　　　|)/　　　　　「あぁ！？　　　　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨j　 u　　　 ヾ;>　 　 　 　 　j ｲ　　　　　 な、何を言って………|　　ああ、それから………　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヾ、　 　 　 _＿____ 　 　 　 /|:ﾘ　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾘﾍ　　　 ´　 ,,, 　｀　 r‐＜j､ﾉ,,,____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿| l|＼　　　　　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i´::::::::::::::ﾘ｜　＼　_＿＿_／｜:.:.:/,､,､7:.: /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::::::::::::::|　　,､r─ ､_＿__ /:.:.:ムﾞ'ﾞ'/:.:./
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |::::::::::::／⌒／::::::::／::::::::::::く:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::/／／::::::::／:::::::::::::／´:.:.:.:.:.:.:＞:<___＿＿＿＿
　　　　　　　　_____ 　＿＿＿..,＞::::〉:::/::::::::::/::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.／/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　 　 /7＾/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|l:::::::/::::/::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　 　 　 //::/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!l::::｛:::::::::::::::::::::::::::::::／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:

三３８２．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　矢継ぎ早な問いはどれも自分が答えたくない事ばかりの上に、
　　一つ一つの言い回しが憎たらしい。
―――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　/:::〃i::::',::::ヽヾヽ::ヽ＼:､＼:'.,',`ヽ::::::::::ミｪ､､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::/::!::'::::::':,:'.,::::ヽヽ､::::::::::＼＼',:::::::::::::::ヽ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::i:::::::i:::､::::::::ヽ:::､､:::ヽ::::､::::::＼ヽ､:::::::::ヽ:ミｰ
　「それから。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,'::;::::i:::::::ｌ!::!ｧ､:::::::::ヾ:､rﾞ=､::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::`、ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｼi::::i::i::::!:ｉi （::ﾒヾ､::'.,ﾒ （::ｿ,ﾞi::::ヽ:::::::::ヽ::::::::::::ヽ、
　 ホセイ隊長が何故、　　　　　　　　　　　 　 　 　 /'　i:::i::!::::::i '=ﾃ'　｀ ヾ::ﾐ＝"　ﾘ::::ヽ::::､:::::::::::::::::::::ヽ、
　 単独で族を追ったかについても　　 　 　 　 　 　 　 i:::!:::i:::::!. ヾ　.、　　`　　　 l!i:::::::::::::'::::::::::::::ﾐ｀ヽ
　 ここに居られる皆さんが納得できる理由を　　　　 'i::::l !i:::'､　｀　　　　　　　　! i:::::ｌ::::::::::::::::::::ヽ`ヽ
　 考えつきましたか？」　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 'i::l　i;lヾ､. ＝=-　　　　　, ｲﾘ,:::iﾞﾃ､::::::::::::ミヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ';i　il 'i:ヽ 'ー　　　　,...:':　: i! ';:i'ｼ' ｀` ｰ-=:､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　!　'i:::'、　　 ,...:'::::::　　: ! // , ', -‐'''''ｰ ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ　`ｰ ヽ､::::::　　 ; ,'/／〃　　　　　｀　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀`ヽ､ //　 〃　　　　　　　　　ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,　-――――- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　_,, - ''"　　　　　　　　　　 `ー-､_
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　 　　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　 ｒ―― ､　　　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 ／　　　　 ＼　　　　＿__ 　 　 l´
　　　　　　　 　 　|　　　 __　　　 ／ 　 ＿__　　　ヽ　 ／二ヽ｀　　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　|　　／　ヽ　 /　　 　､＿,＼　　　`Yｰ ､ヽ 　 　 　 l
　 　 　 　 　 　 　| 　 l r.ソ/　/　　.＿　ｰ､ o､＼ ､ ノ ﾉ　|　　　　／
　　　　　　　　　　|　 | |（ /　/ 　　´￣　 ｀` ┘　ｿ ＿_ 　|　　／
　　　　 　 　 　 ／　 ヽヽｲ　l　　　　　　　　　　.　 fｰ｡､｀ |,／
　　　　　　 　 /　／　 ゝ, `'"　　　　　　　　　　　 ヽ`ｰ'／
　　　 　 　 　 |　l / ノノ/　　　　　　　　　＿_.　－ノ 　.l
　　　　　　　　レﾚ'" 　 l.　　 　 　 　／￣ー､＼ 　 　 /
　　　　　　　/;;;`ヽ、　 　'､　　　　 .l|::::::::::::::::::「/　　／　　　　　　　　「な、なぜそんな事を
　　　 　 　 /;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、　'､ 　　　 ヽ､＿::::::／　／　　　　　　　　　　お前に言わねばならんのだ！」
　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ､'､　　　 　＿￣　　/
＿＿_／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r;;〉､　　　　￣　 ／
;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｲ/　 `ーr､＿__／_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;|/`ー､__/;;;;;;;;;;;;;;:/;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;／;;;|　　　　　＼;;;;;;;;/;;|
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633 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:37:16 ID:V8uPBR0Q Ｌの平常運転っぷりの頼もしさは異常 口の上手さだけなら人外レベル

三３８３．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　呆気にとられてやりとりを眺めているのはいるのは国王や周りの者達だ。
　　容疑者の言い回しが何を言わんとしているのかぐらい、流石に分かる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .　- －＝－- ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　.　: ´　　　　 　 　 　 　 ｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　 　 　 　 j　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ',
　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　ｉ | !　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　 .:　　　　　 {｛彡イノノノ ハソ ﾊ　　i
　　　　 　 　 　 　 　 　 {　 　 {　　 从////////ﾊィ//ﾊリ　}
　　　　　　　 　 　 　 　 i　 　 乂У　∨/////／∨////ソﾉ
　　　　 　 　 　 　 　 　 乂 　 　い　Ｙ ｀ー "´　　 ∨/ｲ′
　　　　　　　　　　　　　 彡　　　Ｙ从ミ 　 　 　 　'"´ ７
　　　　　　　　　　　　　　八　　　ミ、　 　 　 ⊂ﾆ7　/ﾐ　　　　　　　　「……………」
　　　　　　　　　　　　　　い　　　У ヽ　　　　 ｰ　 /ﾊ
　　　　　　　　　　　 　 　 ゞ＝=ﾘﾉ､、　 ＞ 、　　 /ﾉ
　　　　　　　　　　　　 　 /:::::::::/:.:.:.:.:.:.≧ｘ､、_￣彡､、
　　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::/:.:/　　｀ '･＜: : |!:.:.:.:|:.:.|
　　_ ...... _　　　　 .．＜｀::::::､/:.:/ ☆ ☆ ☆　〉:|!.:.:.:.|:.:.|
／::::::::::::: ｀Y￣｀ヾ::::::::::::::／:.｀:.:.＞ ．　　　/:.:.|!:.:.:.:|.:..|､、_ 　 　 ＿
::::::::::::::::::::::∧__＿:j＞.:"´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:.:.:.＞.:.:.:.:|!.:.:.:.|:.:.|:::::::|｀`:y':::::::::｀ヽ.



　　　　　　(ヽ、００　　∩
　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ
　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）　　　(ヽ、００　　∩
　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
／￣ー―‐　、　　　　　　　　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ　 〇　 〇
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　 　 　　　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）
:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::i　　 ., -―- 、 　 ___
:::::::::::::::::::_＿_ノ､/〉'　 ／::::::::::::::::::て/::_:::ヽ
:::::::::::::::/ u　 て;/7　/::::::::::::::::::;ｧ､､:::「ｪ ヽ::〉 __
::::::::::::/　　　　 /〈　 i::::::::r､::／=ﾐ ｀く.u J／:::::::::＼
:::::::::::j　u　　 ､ ´_}ヽ.|::::::iｵ/u　ﾆi < iヽｧ/:::::r----J　 　.r:´二ﾆヽ
::::::::::i　　 （二７´_.L.,　､ハ　〉 　_　_ﾏ/ﾝ::::r ' ;tr /;j　　　i::/r-､r-|　 r一ー､
::::::::::|、　　 .r ' c ／､:.:.:ヽ ヽ　 ｰ」: : : : ii ヽu.___､/　 ＿ん' ｀´ム.'　 |:::r―┤
:::::::::／￣ ´」ｰ／:.:.:.:.＼:.:.＼＼__j: : : : : ヽ　ヽフ｀ヽ´　 | | ヽ'ｰン､ _/ﾊu.'_' |
i:i i:::i:iヽi　´　!':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.',:.:i: : : : : : : :「=| : : : |: !　　７!｀:´|<　 ７ﾏ.ヽー'

636 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:39:12 ID:maFuh5oc ざわ……ざわ……

三３８４．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　これでとりあえず、一方的に罪を擦り付けられて
　　いきなり処刑される事態は避けられただろう。

　　後はこの考えなしの化けの皮を剥げば良い、と眼光鋭いエルは―――
――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ー-- ､,,_ー=ミ‐-..､
　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿ﾐ::::::::::::::::｀¨ミヽ､::::::ヽ.
　　　　　　　　　　＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
　　　　 　 　 　 ー=ﾆ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j::ﾊ
　　　 　 　 --─=＝ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾミ:::::::::::}
　　　　　　　 ,,ｨ彡:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡ｲﾊ::く
　　　　　　／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::l::::::::',
　　　　 ／---─ｧ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::／:::ﾘ:::::::}ﾊ
　 　 　 　 　 ／/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::ﾂ<彡'/:::;イ::::::::::l:::|
　　　　　　　　/::::ｨ::::::::::::::::::::::::::,ｨ/ 　¨''=ｲ _,ｲ:::ｲﾃ ::::::::::ハj
　　　　　　 _,,ｲ／/:::::::::::::::::::::ｲ/ |　　　　 　 ノ　|¨ .::::::ｲ/
　　 　 　 　 　 ∠ イ:::::::::ｨ::/ .|　　　 　 　 　 ､ _｣ ｲ:／.j'
　　　　　　　　　　/ｲ:／ .|ｲ　 　＼　　　‐--- ／|:/　　　　　　「私達を下手人扱いする以上、背景の説明は必須です。
　　　 　 　 　 　 __ ｲ　　 j　　　　　＼　　ﾞﾞﾞ／ 　.ｿ
　　　　　　　　 /＼　　　　　　　 　 ／ヽ- '　　　　　　　　　　　隕石が落とされたとは言え、
　　　　　　　／　　 ヽ､　　　　　_ ｲ　　　　　　　　　　　　　　　ティターンズの狙いがグラナダの証なのは
　　　　　 ／　　　　　　ヽ､　　Y　　　　　　　　　　　　　　　　　分かりきっていた事ですよね。
　　　　 /　　　　　 　 　 　 ー┴､
.　　 　/　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　 宝物庫の警備が手薄になるとも思えないのですが」
　　　/　 　 　 　 　 　 ＼　　　　 |､
　 　 i　　　／　　　 　 　 ＼ 　 　 ﾊ
　 　 |　　/　　　　　　　　　　ヽ　　 |
　 　 |　 ,'　　　　　　　　　　 　 }　　|

三３８５．
―――――――――――――――――――
　　ゆっくりと、論理の包囲網を狭め始める。
―――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 　 ,,,.:-‐,,..... -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ::':ﾙ'´:ｰ''´::::≦-
　　　　　　　 　 　 　 　 　　　r''ﾆ、:::::ニ＝-:､::::二ｪｪｯ=-‐
　　　　　　　　　　　　　　　 r'::::::ﾆ-､::::::::ミﾐヽ､::::::::::::::＝ﾆ＿
　　 　 　 　 　 　 　 　　　 /:://:::::ミ､::::::::::::＼ヽ､:::::::::::::＜
　 　 　 　 　 　 　 　　　　,':::,'::::iヽヽ:::ミ:::::､:::::::::＼:::::::::::::ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::::!:::::ヽ:ヽ::::::::::`:::::::::ヽ:::ヽ::::::ヾヾ､
　　　　 　 　　　　　　　/"i::::::::::::ｉﾞ_､:::::::::!＼vヽ、:::::::::ヾ:::＼
　　　　 　 　 　 　　　　　 i:;::::l::',:li ｏヽ`ヾi. Y'ｏﾞﾘ､:::::::::::iｰ=ヾ
　　 　 　 　 　　　　　　　/ lﾊ::::',ｉﾞー" 　 ′ ー" i:::::::::ヾ､
　　　　　　　　　　 rｲ￣'",ﾆ､!:::::i.　 　　. . 　 　　,':j::lヾﾔ-､_
　　　　　　　　　／ |　　　l　lｻ!::iヽ 　 . --､ 　,.ｲ::l!';:l　　　 ,ヽ　　　　　　「賊は一体、どのような手を使ったのですか？
　　　　　　　　　|〉　!　　　|　l八ﾞ!　＼　￣ .ｨ'　/ｉ! i '!　　　i　i
　　 　 　　　　／<　';,.　　 l　| ヽゞｬ-､`＝ﾝ　_ｿ, !　i　　　 ,'　ヽ　　　　　 いえ、そもそも賊は何人だったのです？
　　　　　　　 〉ヽ-`'　i!/｀`ｉｰ',　 ｀`-ﾆ_--‐'ﾆ-' ,'　 / ｉ　 / i　i l　　　　　 その風体は？男女、種族比は？」
　　　　　　　/ 　' , ,,,i'´!、 l-　ヽ=- -‐-;'''´　　　 　　 ｌ　　, ' ,' .i
　 　 　 　　/　　　ﾞl　i　 'i　j/　 ,..-‐'￣　　　　 　　　 !　/　　　|
　　　　　 /　　　　 ll､ヽt,ｹﾝｪ‐'´　　　　　　　　　　　 ,!'　　　　.|
. 　　 　 i┴､＞ﾆ ﾝ`''＝ｰﾝ´ヽ　　　　　 　 　　　　　/ヾ!ー,-,ﾝ.i
　　　　 ﾘﾝニ--/　　 　, ' 　　ヽ　　　　　　　　　　 /　 |､-‐'´　 i
　　　 ／r'　 ii" 　 　　/　　　　　　　　　　　　　　 /　　ｌ　　、 　 i
　　　く lハ　l:l　　　 ｲ ＼　　　　　　　　　　／　 /　　<　ﾐ､､`ｰ.k
　　　　|.　　 l::',　　/ｼ　　　　　　　　　　,　'　　, 〈　　 ノﾞ -ｰ､-ヽ.i
　　　　!､　　 !､::ｰ::k ヽ　　　　　　　　' 　　,　'　メ､　 ﾉ　　　　`ヾ,!
　　　　　`ー-､_ﾆｨ_ ､ ﾆ ー　　 '''' ーー '　　,　- .ﾒ∠､.　 　 　 /



―――――――――――――――――――――――――――――
　　それはまるで猟犬が鹿を追い詰めていくがごとく、
　　淡々とした、それでいて確実に獲物を弱らせる狩りのようなもの。
―――――――――――――――――――――――――――――

637 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:39:19 ID:Sk9XmUy. Lは頭いい役似合うな、ホントｗ たいして、ジェリドは原作からして口で失敗するイメージしかないｗ 639 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:40:35 ID:V8uPBR0Q ねえねえジェリド？ 今どんな気持ち♪ ねえねえどんな気持ち？

三３８６．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　獅子や虎とは性質の違う、しかし自分を付け狙う肉食獣の気配を感じた
　　哀れな子鹿の背中を悪寒が駆け巡る。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ノ´　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂 　 　 　 　 　 ｀＞､ _
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ´　　　　　　　　　　　　　｀＞ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 .,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 / /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ',
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ヽ、　　 ⌒ヽ、　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　｀　　　　 .,ﾍ　　　　　}　　 __　　　　　 　l
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｛　　 　 　 　 /　ゞ　　　　ﾉ ノ´　 ｀ ,:　 　 　 l
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ゝ、　 　 　 /　 {〃ｲ , - '"　　　　　∨:　 　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ミ　 　　/　　 ヽ　!ﾘ　　 　 　 　 　 ∨:　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ 　 ,'　　 　 　｛　　 　 　 　 　 　 ﾐ:　 ,'
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨　l ＜≧-.､,,_ 　 {_,,､-≦千＞　j:　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨lj 　ー ｔｧｰ ヽ　ヾ"￢ｔｧ ー　 lﾍ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!K:!　　 ￣´ 　 l　　　 ￣´　　 j_）｝　　　　　　　　　「た、多分魔符だ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l（l:!　u.　　　　 j　　　　　　　　|)/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨j　 　 　 　 ヾ;>　　　u　　　j ｲ　　　　　　　　　　 魔符で皆眠らされて………」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヾ、　 　 　 _＿____ 　 　 　 /|:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾘﾍ　u　 ´　 ,,, 　｀　 r‐＜j､ﾉ,,,____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿| l|＼　　　　　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i´::::::::::::::ﾘ｜　＼　_＿＿_／｜:.:.:/,､,､7:.: /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::::::::::::::|　　,､r─ ､_＿__ /:.:.:ムﾞ'ﾞ'/:.:./
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |::::::::::::／⌒／::::::::／::::::::::::く:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::/／／::::::::／:::::::::::::／´:.:.:.:.:.:.:＞:<___＿＿＿＿
　　　　　　　　_____ 　＿＿＿..,＞::::〉:::/::::::::::/::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.／/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　 　 /7＾/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|l:::::::/::::/::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　 　 　 //::/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!l::::｛:::::::::::::::::::::::::::::::／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:

三３８７．
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　　だがその逃げ道が、巧みに誘導されている事に気づかない。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::､::::::､::ヽ､::ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//N/l:l､:::::::::::､::ﾄ､:::::::::::|l:::トl＼〉 Ｗ＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　///l | l:l└ヘl＼ｖ l`￢ｖ::|l:::V　 へ Vヽ､:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 /ｲ/::ﾚl ハ l＼ﾄﾄ､l| ﾄl＼ V l::::∨l::_;ｒ1::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾟ ｛l|::::::l'::A`ｌ::::::::|ヽN::::::::ヽｖ:::::::::://, 1::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌﾞ|::|::::l:|｛i::::::::N〃＼::::l::::ｌ|::::::::,' ' ' ｒﾍ::::::ﾄ｡l
　　「ふむふむ。　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 　 l/l::::ﾄﾄ∧､:ｌ| i､ ｛;;)ヽ|::::'l::::::::| | | |　l::::::l ﾟi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾟ　l::::lﾝ　 lﾍl| `三彡/!::::::::::::;ｊ｜| |　';:::::|
　　 では、宝物庫の鍵も魔符で解除されたらしい、　　　　　　　ヽ:|ヽ、.　　　　　//ｨ::::::::/ | | ､ ､　Vﾄl＼
　　 と言うのですね？」　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l'l::ﾊ ｔ. ､＿_,　///::!::::::{ _ｊ ヽヽヽ　V｀ /＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 　 　 　 　 |' lﾍ　ニ¨´　/ 从|::l::/　/ ､ 　 　　∨ ￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　 ﾄ　＿　.</｡ ﾉ/ｿ　∧　∨　　　 〉　　　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l、　|　　　 |､ ヽ{／ .イ　ﾊ　 ＼ 　 /　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | ＼|　 　 ∧ヽ {　　　　,　}　　 ｀ /　　_　 ――ﾍ



　　　　　　　　　　_,.. -― ､_,-､
　　　　　　　 , ‐'´　　　　　　　ヽ
　　　　　　／　　　　　　　, -,　　ヽ
　　　　 ／　　　　　　　 / / , -j　 lj
　　　／　　　 , = ､ﾍ　_j　 ｲ 〃｀´ !
　 　 !　　　　　　〃ヽ､　　　ﾍ'ヽ　 !
.　　 |　　　　　 /　　 〃ｰrｰ'　　 ! |
　　　!　　　　 /　　　　　ヽ　　 　 l !
　　　ヽ　　　 {　　_,,__　　　　_,._‐''ﾘ
　　　　l,　 r ､ l '´-ﾆt'ﾃ''　　!┴' |　　　　　　　　「た、多分………」
　　　　 i　{ r､l l　　　　　　　'､　 !
　　　 　 ! iヾｰl j　　　u　　- '　 !
　　　　 _j人l Tl　　u 　ー―,,'　 ト- ､
　　　 lく　　 Tヽ`ｰ- ､　　　　　l　　 〃
　　　 ヽヽ　　! ＼ヽ､,-ミェ- くﾄi　 〃
　　　　 ＞ヽ　ヽ　/7　 ﾊヽヽヽl　〃､＿＿
_, -‐ ''´　 ｀´l　 ヾ/　　ﾘ !　 l! lヾく　　　　　｀
　　　　　　　ヽ＼ ＼　　 '　 l /ィ7 '
￣￣￣ ｀ ｰ ､ヽ ＼ ヽ　　／イ/　　　　, - '
　　　　　　　　l　ヽ　ヽl／／ ﾚ　 ,. -‐'´

三３８８．
――――――――――――――
　　袋小路に追い詰め―――
――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　 ,r':i::::､::::､:::::ヽ::::::::::::::ヽ､::ヾヽ::::::::､:::::::ヽ､､:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　i:::i:::!::ヾヽ､::ヽ､::::::::::::::::::::::ヽ:::::､ヽ:::::::::ヽ､::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　i:::i::::',:::::::`'-.:::::ヽ､、::::::::::::::::::::::::::::ヽ､::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　 !:､i::::ヽ:::::､:::::__ヾ::::`::::::::::::::::::､:::::::::::::::`ヽ::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 　 　　 l:! ki::､:ヽ::',ヽi,､`ikj､:::`:::::::::::::::ヽﾐ､::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　 i!　ヾ:､:::::::::､ 'J ;::"　ﾞヽ::i､:::::::::::::ヽ9`i､:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　!　　ヾ ｿ＼::､ '" 　 　 ヾ!ヽ::i::､::::::;X".i`:::::::ヽ:::::::
　　　　　　　「抵抗したかして、　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　 　　　　/　　 ヽ､ 　 　 　 l!　';:iヽヾ:::'rヽ.`ヾ::::::､::::
　　　　　　　 いち早く目覚めたホセイ隊長が　　　　　　　　　　　　　　'､＿-‐　　　　　　 !　 ﾘ　ヽヾ:',　:: 　 ヾ:',`
　　　　　　　 周りのあなた達を起こさずに　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀i　　　　　　　　　′　ｿヾ;　';　　 ヾ',
　　　　　　　 一人で賊を追った理由は？」　　.　　　　　　　　　　　　　　　　'ｰ‐ｧｯ　　　　　　　 ,:':　　ヽ ',　　//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､、　 　 　　／::::　　　　:　//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　 　　　　i　　　 ., '""'-､,,_＿.._　//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞｰ-‐ "　　　 〈'i ヾ:､:::i`/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. 　ヾ､:/



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_
　　　　　　　　 　 ,,. -─‐ ''"´￣　　　｀ヽ
　　　　　 　 ,. ‐'´　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾘ
　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ゝ
　 　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／ 〈
　 　 |　　　　　　　　 ／⌒＞yヽ　　fr'"'、　}
　　　|　 　 　 　 　 , '　　 ´ （'´　`ｰ'´　　l　ﾉ
　　 │　　　　　　/　　　　　 ｀　　　　　　ﾚ'
　 　 |　　　　　　（._　　　　　　 　 　 　 　 |
　 　 |　　　　　　 / -─- ､._　 　 　 __,..ヘ!
　　　|　　　　r‐､ {　　ｰヮﾆﾆ`ｰ'　 〈ｩﾆ'‐.|
　　　ヽ　　　| ,ゝ| !　　　　　　　　　ヽ、　|　　　　　　　　　「知らん。
　　 　 }　 　 ヽ(､Ll　　　　 　 　 　 r:ﾝ'　l　　　　　　　　　　手柄を独り占めしたかったのでは？」
　　　 {　! { { /`ｰi　　　　　 _,. -─‐ｧ　 l ￣￣｀!
　　　 ,ゝﾄ､ヽ{　　{　 　 　 　 `ｰ-- ' 　 ,'　　　　|
　　 i(　 ヽﾐ`ヽ　　ヽ､　　　　 　 ｰ　　 l　 　 　 |
.　　 | `'''┴-- ､.._　　｀''‐､　　　　 　 ,!、　 　 亅
　　　| 　 ＿＿＿__￣￣~ヽ` ｰ-r-‐ﾍ　ヽ　く´
.　　　!　 |=<>=<>=|　　　　ト､-､r=ﾆ⌒ヽ.）　ヽ
　 _,r=ゝ、 ￣￣￣　　　　 |　ヽ. ＼　｀ヽ }　/
　　　　　 `ヽ ー-----‐‐┴､　} 　 ヽ ﾚ',ﾉ./`ｰ-

645 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:44:33 ID:DaHh6u2Q ジェリドは本当にダメな子だなぁｗｗｗｗｗ

三３８９．
――――――――
　　退路を断つ。
――――――――



　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　 　 　 /::::::::::::::::::::::ﾍノ!::::|::::::!::::::|:::!:::}:::i:::::}
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ﾆｾゞ､イｲfｱｲ::::::＼
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ　　　　-─　, ′::::!::::::::ﾄ／　　　　　　　　（手柄を部下や同期に譲り続け、
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´　　　　　　　　　　 ノア達からも心配されていたホセイが？
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__　　　　　　　　　　　　　 ………ありえん）
;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;｀ヽ､__>;;;;ヽ;;;;ト;;｀ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ::::l;;;;ヽ;;;;;｀;,,､
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;;ー───''"/;;;;;i!;;;;;;;｝;;;;;;;;;;;＼
γ;;⌒ヽｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;｀＼;;;;;;;;;／;;;;;丿;;;イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
´￣｀ヽ;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀＼;;;;;;;￣;;;;;;;／／;;;;;};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　エルにとってジェリドの言う理由は何でも良かった。

　　とりあえず答えれば答える程にボロが出て支離滅裂になるのは見えている、
　　考える時間を与えずに言わせれば、勝手に相手が自滅するのは分かりきっていたのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三３９０．
―――――――――――――――――――――――
　　あとは自分が見た事実で外堀を埋めれば良い。
―――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 /,/;:;:;:;/;:;:;/;:;:;:;l;:、;:;ヽ;:;:;:;:ヽ;:;:;:ヽ;:;:;＼;:;:;:;:;:;l;:;:;:;:;:!｀'＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ｌ;:;:;:/ //;:;:!;:;:;ﾍヽ;:;:;:;＼;:;:;:＼;:;:;＼;:;:ヽ;:;:;:;:!;、;:;:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　/;:;:;/ //;:;:;:|ヽ;:;:'､;:;＼;:;:;l;:;ヽ;:;:＼;:;:ﾍ　i',:;:;:;| ヽ:;:;i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|;:;:/l;:l/;:;:l;:;:!ヽ＼.＼;:;:＼ヽ、＼;:;:＼ ', | i;:;:;i':,::＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| /;:;:/l |;:l;:;:| i´ f::::j ､＼;:＼　,rt:::j フl .! |ヽ:! !;:ヽi＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ヽ/ |､ヽヽ {　`＝‐' ヽ|｀ｰ ゝ`ｰ＝'　l ! |;:;:;l !ヽ＼- ゝ
　「で、後から気づいたあなた達は　　 　　|　 |;:;l ヽ＼ ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 / | i;:;:;:!.|:;::|:;:!
　 どうして裏庭に？　　　　　　　　　　　　　 　 |;:;l　|＼ヽ_,ゝ　　　　　i 　 　 　 　 / ,! :;:! !;:;:l;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | ∧ |;:;:ヽ' 、　 　 　 ｀ ´　　　　　/|/ l;:;:;ﾍ;:;:i
　 裏庭の警備が手薄だったと　　　　　　　 　 |/　ヽ ∧ヽ,＼　　‐‐---‐‐　　 ｲ/;:;:;:|;:;:/ ヽ!.
　 知っていたのですか？」　　　　　　　　　　　　　 |/　|∧|　＼ 　 　 　 　 ／ .| / l/;:;:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |'　 l　　 ヽ、　　 ／　　 l'／ ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　　 　 ｀￣´　　　　l､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. '´　　　　　　　　　　　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_ ,..　'' ´ 　 ヽ　　　　　　　 　 /　　　｀'ー-　..__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐ '´ {´　　　　　　　 ヽ　　　　　　　/　　　　　　　　 ｀} ￣ 'ー- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 　 ヽ　　 　 　 / 　　　　　　　　　/ /　 　 　ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ /　　 　 　 |　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　 /　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'ｰ-　 _　　　　　　　　 ＿　 -‐ '´　　　 　 　 /　　 　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 　 ｀'ー----‐ '´　　　　　　 　 /　　　 l 　 　 l　　　!

三３９１．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ........ _
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 . 　´　　　　　｀ : .
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　 ｀ : .
　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　 　 　 ｀ ,
　　　　　　　　　　　　　　i 　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Y
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 :、 　 　 　 　 　 　　　　　　} （　　　　　　　（裏庭が手薄だった、だと？）
　　　　　　　　　 　 　 　 　 Ｙ　　　　　　　　　　　　乂乂
　　　　　　　　　　　　　 　 〈　　　　　　　　　　　イＹ´
　　　　　　　　　　　　　　　 У　　　　　　 　 　 Уﾉミ
　　　　　　　　　　　　　　　ミ彡　　　　　　　_乂从ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　 ／:{ 　　　　　ソ´::::::::::::::＞ ．.
　　　　　　　　　　　 　 　 ∨:乂（（　　乂ミ=-::::::::::::::::::::::ｿ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼::::乂__У::::＼:::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　＿_〉ミ三二ニ＝＼::::::::::く、
　　　　　　ｘｰﾍｖーr.:.::￣:::::::::::三二ニ＝ニ二￣￣｀ヾ＿_ 　 　 ,へﾍ、
　　　　　/:::::::::Y´￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿＿＿::::::::::::::::::::￣￣::／:::｀ヽ
　　　　　Y::::::∨.:.:.:.:.:.:.￣￣∨:::::::!::::::::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣￣￣￣｀jУ::::/　ハ
　　　　　ハ:::::i:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨::::ｌ:::::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／/:::∨　 　 i
　　　　. i　 ∨ｉj:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:i:::/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::∨:.／　 　 　;



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　そんな馬鹿な、と呟いた国王もこれは聞き捨てならなかった。

　　宝具の警備は最優先事項として騎士団に指示してあった、
　　だのに場内の警備に手薄な場所があったなどと、にわかに信じられるものではない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三３９２．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　だが、ジェリドはそれを否定しない―――否、出来なかった。

　　手薄だった事を裏付ける外部の者を、
　　事件発生現場で見つけて騒いだのが自分とあっては否定できるはずがない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ノ´　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂 　 　 　 　 　 ｀＞､ _
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ´　　　　　　　　　　　　　｀＞ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 .,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 / /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ',
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ヽ、　　 ⌒ヽ、　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　｀　　　　 .,ﾍ　　　　　}　　 __　　　　　 　l
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｛　　 　 　 　 /　ゞ　　　　ﾉ ノ´　 ｀ ,:　 　 　 l
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ゝ、　 　 　 /　 {〃ｲ , - '"　　　　　∨:　 　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ミ　 　　/　　 ヽ　!ﾘ　　 　 　 　 　 ∨:　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ 　 ,'　　 　 　｛　　 　 　 　 　 　 ﾐ:　 ,'
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨　l ＜≧-.､,,_ 　 {_,,､-≦千＞　j:　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨lj 　ー ｔｧｰ ヽ　ヾ"￢ｔｧ ー　 lﾍ,'　　　　　　　「か、勘だ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!K:!　　 ￣´ 　 l　　　 ￣´　　 j_）｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l（l:!　u.　　　　 j　　　　　　　　|)/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨j　 　 　 　 ヾ;>　　　u　　　j ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヾ、　 　 　 _＿____ 　 　 　 /|:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾘﾍ　u　 ´　 ,,, 　｀　 r‐＜j､ﾉ,,,____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿| l|＼　　　　　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i´::::::::::::::ﾘ｜　＼　_＿＿_／｜:.:.:/,､,､7:.: /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::::::::::::::|　　,､r─ ､_＿__ /:.:.:ムﾞ'ﾞ'/:.:./
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |::::::::::::／⌒／::::::::／::::::::::::く:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::/／／::::::::／:::::::::::::／´:.:.:.:.:.:.:＞:<___＿＿＿＿
　　　　　　　　_____ 　＿＿＿..,＞::::〉:::/::::::::::/::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.／/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　 　 /7＾/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|l:::::::/::::/::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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649 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:47:48 ID:V8uPBR0Q か、勘だ(ｷﾘｯ 650 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:47:50 ID:XmcaRazM もうジェリドをいじめるのはやめてあげてｗｗｗｗｗｗ

三３９３．
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　　苦し紛れの言い訳も、もはや語るに落ちている。

　　あまりにもお粗末な回答に呆れたエルはそろそろ止めを刺すことに決め、
―――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´"　　/::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ!　ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃 ｼi::::::::ｌ 　｀""゛　　` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
　　　　　　　　「……………。　　　　　　　　　　　　　　 '　'　.ｌ::::::::l　 　 　 　 　　ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::/ｌ::::!　　　ヽ　、 　 　　　 ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',
　　　　　　　　 あなたの班の人達は何処へ？」　 　 　 　 l/　!:::'､ 　 ｧ､.　　　　　　　 !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　　 ,!. 　|/ ';､. ヾﾐ.`j 　 　 　 ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　" . ';ヽ　　　　　,､y'´ /ｼ ｌ::::::ヽ:::::ｌ　ヾ;　゛丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　'|!`=tｰ:::'"／　 /'　 ﾊ::;::::il!';::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　　　　　　　　　'i::: '　　　　　　　ﾘ ｿ ヽ'ﾘ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!'i　　　j　　 　 　 ~ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ ､　／　 ―ー '''"""f,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / _冫'''~ 　 　 　 　 　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ´　　 ,､　　　　￣~ ヽ　 'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l!~　　　　/　　　　　 　　　ヽ.　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｿ. 　　　/　　 ﾝ　　　　　 ､　',　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /　　 / 　 　 　 　 　',　', 'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 '　　 / 　 　 　 　 　　 i.　', ｌ



　　　　　　　　　　_,.. -― ､_,-､
　　　　　　　 , ‐'´　　　　　　　ヽ
　　　　　　／　　　　　　　, -,　　ヽ
　　　　 ／　　　　　　　 / / , -j　 lj
　　　／　　　 , = ､ﾍ　_j　 ｲ 〃｀´ !
　 　 !　　　　　　〃ヽ､　　　ﾍ'ヽ　 !
.　　 |　　　　　 /　　 〃ｰrｰ'　　 ! |
　　　!　　　　 /　　　　　ヽ　　 　 l !
　　　ヽ　　　 {　　_,,__　　　　_,._‐''ﾘ
　　　　l,　 r ､ l '´-ﾆt'ﾃ''　　!┴' |
　　　　 i　{ r､l l　　　　　　　'､　 !　　　　　　　　　　「賊を追っていったが？」
　　　 　 ! iヾｰl j　　　　 　 - '　 !
　　　　 _j人l Tl　　　　ー―,,'　 ト- ､
　　　 lく　　 Tヽ`ｰ- ､　　　　　l　　 〃
　　　 ヽヽ　　! ＼ヽ､,-ミェ- くﾄi　 〃
　　　　 ＞ヽ　ヽ　/7　 ﾊヽヽヽl　〃､＿＿
_, -‐ ''´　 ｀´l　 ヾ/　　ﾘ !　 l! lヾく　　　　　｀
　　　　　　　ヽ＼ ＼　　 '　 l /ィ7 '
￣￣￣ ｀ ｰ ､ヽ ＼ ヽ　　／イ/　　　　, - '
　　　　　　　　l　ヽ　ヽl／／ ﾚ　 ,. -‐'´

三３９４．
―――――――――――――――――
　　圧倒的矛盾を真正面から突いた。
―――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::､::::::､::ヽ､::ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//N/l:l､:::::::::::､::ﾄ､:::::::::::|l:::トl＼〉 Ｗ＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　///l | l:l└ヘl＼ｖ l`￢ｖ::|l:::V　 へ Vヽ､:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 /ｲ/::ﾚl ハ l＼ﾄﾄ､l| ﾄl＼ V l::::∨l::_;ｒ1::::::::ヽ
　　　　「………おかしいですね？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾟ ｛l|::::::l'::A`ｌ::::::::|ヽN::::::::ヽｖ:::::::::://, 1::::::::::::l
　　　　　　　 　 　 ・ ・ .・ .・ ・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌﾞ|::|::::l:|｛i::::::::N〃＼::::l::::ｌ|::::::::,' ' ' ｒﾍ::::::ﾄ｡l
　　　　 あなたが帯剣もせずに裏庭に来た時、　　　　　　　.　　　　　　　 　 l/l::::ﾄﾄ∧､:ｌ| i､ ｛;;)ヽ|::::'l::::::::| | | |　l::::::l ﾟi
　　　　 すでに他の人は居らず一人でしたよね？　　　　　　　　　　　　　 　 ﾟ　l::::lﾝ　 lﾍl| `三彡/!::::::::::::;ｊ｜| |　';:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　ヽ:|ヽ、.　　　　　//ｨ::::::::/ | | ､ ､　Vﾄl＼
　　　　 その前に賊を追いかけて別れた、と。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l'l::ﾊ ｔ. ､＿_,　///::!::::::{ _ｊ ヽヽヽ　V｀ /＼
　　　　 裏庭に来る前に賊を見かけていたと言う事ですか？.　　　　 　 　 　 　 |' lﾍ　ニ¨´　/ 从|::l::/　/ ､ 　 　　∨ ￣ ＼
　　　　 それとも―――」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　｜　 ﾄ　＿　.</｡ ﾉ/ｿ　∧　∨　　　 〉　　　 丶
　　　　　　　　　＼_人＿人∧∧_人_从_/／　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l、　|　　　 |､ ヽ{／ .イ　ﾊ　 ＼ 　 /　　　　　∧
　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　 ＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | ＼|　 　 ∧ヽ {　　　　,　}　　 ｀ /　　_　 ――ﾍ
　　　　　　　　　＜　　う、うるさい！　　　＞
　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　／＾Y￣∨^⌒Y^YY^^Y^

三３９５．
――――――――――――――――――――――――
　　こうなるとジェリドは大声で恫喝するしかなかったが、
――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,　-――――- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　_,, - ''"　　　　　　　　　　 `ー-､_
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　 　　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　 ｒ―― ､　　　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 ／　　　　 ＼　　　　＿__ 　 　 l´
　　　　　　　 　 　|　　　 __　　　 ／ 　 ＿__　　　ヽ　 ／二ヽ｀　　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　|　　／　ヽ　 /　　 　､＿,＼　　　`Yｰ ､ヽ 　 　 　 l
　 　 　 　 　 　 　| 　 l r.ソ/　/　　.＿　ｰ､ o､＼ ､ ノ ﾉ　|　　　　／
　　　　　　　　　　|　 | |（ /　/ 　　´￣　 ｀` ┘　ｿ ＿_ 　|　　／
　　　　 　 　 　 ／　 ヽヽｲ　l　　　　　　　　　　.　 fｰ｡､｀ |,／
　　　　　　 　 /　／　 ゝ, `'"　　　　　　　　　　　 ヽ`ｰ'／　　　　　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人从人ﾉ
　　　 　 　 　 |　l / ノノ/　　　　　　　　　＿_.　－ノ 　.l　　　　　　　　 　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　　レﾚ'" 　 l.　　 　 　 　／￣ー､＼ 　 　 /　　　　　　　　 ＜　　尋問をしているのは　　　　 　 ＞
　　　　　　　/;;;`ヽ、　 　'､　　　　 .l|::::::::::::::::::「/　　／　　　　　　　　　＜　　こちらの方だ、忘れるな！ 　 ＞
　　　 　 　 /;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、　'､ 　　　 ヽ､＿::::::／　／　　　　　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ､'､　　　 　＿￣　　/　　　　　　　　　　　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒Y
＿＿_／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r;;〉､　　　　￣　 ／
;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｲ/　 `ーr､＿__／_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;|/`ー､__/;;;;;;;;;;;;;;:/;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;／;;;|　　　　　＼;;;;;;;;/;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;/;;;;;;;;|　　　　　　　Y;/;;;;|

三３９６．
――――――――――――――――――――――――
　　若造の威嚇など九十三歳に通用するはずがない、
　　踏んできた場数が違う。　
――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 　 ,,,.:-‐,,..... -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ::':ﾙ'´:ｰ''´::::≦-
　　　　　　　 　 　 　 　 　　　r''ﾆ、:::::ニ＝-:､::::二ｪｪｯ=-‐
　　　　　　　　　　　　　　　 r'::::::ﾆ-､::::::::ミﾐヽ､::::::::::::::＝ﾆ＿
　　 　 　 　 　 　 　 　　　 /:://:::::ミ､::::::::::::＼ヽ､:::::::::::::＜
　 　 　 　 　 　 　 　　　　,':::,'::::iヽヽ:::ミ:::::､:::::::::＼:::::::::::::ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::::!:::::ヽ:ヽ::::::::::`:::::::::ヽ:::ヽ::::::ヾヾ､
　　　　 　 　　　　　　　/"i::::::::::::ｉﾞ_､:::::::::!＼vヽ、:::::::::ヾ:::＼
　　　　 　 　 　 　　　　　 i:;::::l::',:li ｏヽ`ヾi. Y'ｏﾞﾘ､:::::::::::iｰ=ヾ
　　 　 　 　 　　　　　　　/ lﾊ::::',ｉﾞー" 　 ′ ー" i:::::::::ヾ､　　　　　　　　「仮に、賊が私達の知るキル夫だったとしましょう。
　　　　　　　　　　 rｲ￣'",ﾆ､!:::::i.　 　　. . 　 　　,':j::lヾﾔ-､_
　　　　　　　　　／ |　　　l　lｻ!::iヽ 　 . --､ 　,.ｲ::l!';:l　　　 ,ヽ　　　　　　 しかし彼はメイス使いです。
　　　　　　　　　|〉　!　　　|　l八ﾞ!　＼　￣ .ｨ'　/ｉ! i '!　　　i　i　　　　　　 メイス使いの彼が逃げる最中、
　　 　 　　　　／<　';,.　　 l　| ヽゞｬ-､`＝ﾝ　_ｿ, !　i　　　 ,'　ヽ　　　　　 ホセイ隊長の背中に刀傷を負わせる事が
　　　　　　　 〉ヽ-`'　i!/｀`ｉｰ',　 ｀`-ﾆ_--‐'ﾆ-' ,'　 / ｉ　 / i　i l　　　　　 果たして出来るのでしょうか？」
　　　　　　　/ 　' , ,,,i'´!、 l-　ヽ=- -‐-;'''´　　　 　　 ｌ　　, ' ,' .i
　 　 　 　　/　　　ﾞl　i　 'i　j/　 ,..-‐'￣　　　　 　　　 !　/　　　|
　　　　　 /　　　　 ll､ヽt,ｹﾝｪ‐'´　　　　　　　　　　　 ,!'　　　　.|
. 　　 　 i┴､＞ﾆ ﾝ`''＝ｰﾝ´ヽ　　　　　 　 　　　　　/ヾ!ー,-,ﾝ.i
　　　　 ﾘﾝニ--/　　 　, ' 　　ヽ　　　　　　　　　　 /　 |､-‐'´　 i
　　　 ／r'　 ii" 　 　　/　　　　　　　　　　　　　　 /　　ｌ　　、 　 i
　　　く lハ　l:l　　　 ｲ ＼　　　　　　　　　　／　 /　　<　ﾐ､､`ｰ.k
　　　　|.　　 l::',　　/ｼ　　　　　　　　　　,　'　　, 〈　　 ノﾞ -ｰ､-ヽ.i
　　　　!､　　 !､::ｰ::k ヽ　　　　　　　　' 　　,　'　メ､　 ﾉ　　　　`ヾ,!
　　　　　`ー-､_ﾆｨ_ ､ ﾆ ー　　 '''' ーー '　　,　- .ﾒ∠､.　 　 　 /



―――――――――――――――――――――――――
　　エルはもはや目の前のジェリドを見ておらず、
　　視線は真に情報を伝えるべき国王に向けられており、
―――――――――――――――――――――――――

三３９７．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　気づいていた国王は回りくどい言い方は不要、と真意を問いただす。
―――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　_ , ､- '' "￣｀　ｰ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ　　　　　　j　　　　 　 　 　 　　 　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　 ﾉ八　:|、　　　　　　　　 　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 　/　/:ノﾉ　 ＼!ヾ丶　　　　　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　 /　!:/彡ｲ　 　＿ゝ＼＼ゝ　　 　 　 ﾉ
　「………何が言いたい？」　　　　 ｛　 i　l ﾘ´ﾆfｧヾ｀ ｰ=ヱｵ ゝミﾐ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼｛ {ゝi　　　 i　　　　　　　（　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝヽ∧ 　　j__,　　　　　　ノﾉ7 　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ） ﾍ　　__｀　　　　　ゝ､ソ　　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　(（　ﾍ 　　_　￣　 ,.､_ (（　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿つハ　　　　　 //へヘ）　}イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ', 　 　　彡　i｀ー‐＜//:::::ｰ=ニソ八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　ヽ,ト、＿__//:::::「x:x:x」(　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', 　 　　　!　　　//:::::::::￣￣::::)）ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣/ﾍ 　', 　 　 　ｌ 　　//:::::::::::__,,､=＝＜_＿ 　 　 　 ..,,､､、 ,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i 　 /:￣￣ヽ.　 　 ﾉ 　 //:::::::／／:::::::::::::::::::::::::￣￣／　　　ヽj ヽ
　　　　　　　　　　　　.　　　 　_ﾉ　/___ ::::::::::冫/人 彡//::::／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　_＿___　 ',



.　 /,/;:;:;:;/;:;:;/;:;:;:;l;:、;:;ヽ;:;:;:;:ヽ;:;:;:ヽ;:;:;＼;:;:;:;:;:;l;:;:;:;:;:!｀'＼
　/　ｌ;:;:;:/ //;:;:!;:;:;ﾍヽ;:;:;:;＼;:;:;:＼;:;:;＼;:;:ヽ;:;:;:;:!;、;:;:|
./　/;:;:;/ //;:;:;:|ヽ;:;:'､;:;＼;:;:;l;:;ヽ;:;:＼;:;:ﾍ　i',:;:;:;| ヽ:;:;i
　　|;:;:/l;:l/;:;:l;:;:!ヽ＼.＼;:;:＼ヽ、＼;:;:＼ ', | i;:;:;i':,::＼|
　　| /;:;:/l |;:l;:;:| i´ f::::j ､＼;:＼　,rt:::j フl .! |ヽ:! !;:ヽi＼
　　| ヽ/ |､ヽヽ {　`＝‐' ヽ|｀ｰ ゝ`ｰ＝'　l ! |;:;:;l !ヽ＼- ゝ
　　|　 |;:;l ヽ＼ ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 / | i;:;:;:!.|:;::|:;:!　　　　　　「誘い出された隊長は、
　　 　 |;:;l　|＼ヽ_,ゝ　　　　　i 　 　 　 　 / ,! :;:! !;:;:l;/　　　　　　　背中から斬られたのでは、と言う事ですよ。
　　 　 | ∧ |;:;:ヽ' 、　 　 　 ｀ ´　　　　　/|/ l;:;:;ﾍ;:;:i
　　 　 |/　ヽ ∧ヽ,＼　　‐‐---‐‐　　 ｲ/;:;:;:|;:;:/ ヽ!.　　　　　　　 信頼していたはずの部下に、ね」
　　　　　　 |/　|∧|　＼ 　 　 　 　 ／ .| / l/;:;:l
　　　　　　　　 |'　 l　　 ヽ、　　 ／　　 l'／ ヽ/
　　　 　 　 　 　 　 l　　 　 ｀￣´　　　　l､
　　　　　　　　　,. '´　　　　　　　　　　　 ヽ､_
　　　＿_ ,..　'' ´ 　 ヽ　　　　　　　 　 /　　　｀'ー-　..__
-‐ '´ {´　　　　　　　 ヽ　　　　　　　/　　　　　　　　 ｀} ￣ 'ー- ､
　　　 ヽ　　　　　 　 　 ヽ　　 　 　 / 　　　　　　　　　/ /　 　 　ヽヽ
　　ヽ　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ /　　 　 　 |　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　 /　　　　 ',
　　　　　　　 ｀'ｰ-　 _　　　　　　　　 ＿　 -‐ '´　　　 　 　 /　　 　　　l
　　/　　　　　　　　 　 ｀'ー----‐ '´　　　　　　 　 /　　　 l 　 　 l　　　!

三３９８．
――――――――――――――――――――――
　　確かに状況には不自然な点が多く、
　　この男の指摘は理に適っているように思える。

　　だがそれを認めると言うことは―――
――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿___
　　　　　　　　　　 　 　　 ∠´　　　　　　｀ 　､
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　｀　､
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ .､
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　 l　　　　　　　　 　 　　γ　　　　　 ｝　（　　l
　　　　　 　 　 l　　　　　　　　 　 　　 i　 ／ ノ ノﾉル））ｊ　ヽ
　　　 　 　 　 ,'　　　　　　　　　　　{　｛ ｛　｛彡≦≠ｭ/　! リ
　　　 　 　　 ,'　　　　　　　　　　　　ゝ､ゝｰ( ´`ヽﾆ ｾヾ　〉ｿ
　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　 ｛´ヾﾒ　）　　　　 　 　'､
　　　　　　　 ヽ､　　　　　　　　　　 ヽ)）（ (　　　　 　 　　 ヽ
　　　　　　　 　　ヽ 　 　 　 　 　 　 　 i ト ゝ 　 　 　 　　ｒｰ′　　　　　　「……………」
　　　　　　　　　　 ミ　　　　　　　　　ノﾉ! 　　　　　´￣」′
　　　　　　　　　γ⌒ 　 　　ヽ 　 ｛（　　ヽ、 　 　 　 ｀{
　　　　　　　　　 ゝ,　　　　　　!ニﾆヾ彡 ｀::.. ＞ 　 　　j
　　　　　　　　（　つ　　　　　ﾉ 　 | |　ﾍ　　　┬‐｀ ｰ ´
　　　　　　　　 ミ彡 γ〃〆　　　| |￣￣￣｀ヽ==＝＝＝y
　　　　　 　 　｛ 　 　｛（(ﾍ 　 　 　| |　　　　　/ 　 　 　 //
　　　　　 　 　 ゝ、 _丿　　 　 　　| |　　　　　| 　 　 　 i l
　　　　　　　　　｛　　　　　　　　　| |　　　　　|　 i　　　| l
　　　　　　　 __＿彡ニニ二二 ヽ ヾニニヽノハ | 　 　l | 　　ｒー - ､
　---ｰ　''''"´　　　　　　　 　ヽヽ　＼　　ヽ ゝ　!|　 　くくヽｰ--　､ ヾヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　ヽ ヽ　＼ （ （　　ヽ 　　 〉〉　　　　ヽ　 ＼
　　￣￣ 　───ー　￢　　　　 ヽ ヽ　　＼＼　 ヽ 　| |　く´￣　 ヽ 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　ヽ　ヽ　 ＼＼ 　ヽ| | 　 ヽ　　　 ヽ　　ヽ

三３９９．
―――――――――――――――――――――――
　　懸念していたとは言え、信じたくなかった
　　中央騎士団からの造反を認める事に他ならない。
―――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,　-――――- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　_,, - ''"　　　　　　　　　　 `ー-､_
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　 　　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　 ｒ―― ､　　　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 ／　　　　 ＼　　　　＿__ 　 　 l´
　　　　　　　 　 　|　　　 __　　　 ／ 　 ＿__　　　ヽ　 ／二ヽ｀　　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　|　　／　ヽ　 /　　 　､＿,＼　　　`Yｰ ､ヽ 　 　 　 l
　 　 　 　 　 　 　| 　 l r.ソ/　/　　.＿　ｰ､ o､＼ ､ ノ ﾉ　|　　　　／
　　　　　　　　　　|　 | |（ /　/ 　　´￣　 ｀` ┘　ｿ ＿_ 　|　　／
　　　　 　 　 　 ／　 ヽヽｲ　l　　　　　　　　　　.　 fｰ｡､｀ |,／
　　　　　　 　 /　／　 ゝ, `'"　　　　　　　　　　　 ヽ`ｰ'／
　　　 　 　 　 |　l / ノノ/　　　　　　　　　＿_.　－ノ 　.l
　　　　　　　　レﾚ'" 　 l.　　 　 　 　／￣ー､＼ 　 　 /　　　　　　　　「き、貴様！？
　　　　　　　/;;;`ヽ、　 　'､　　　　 .l|::::::::::::::::::「/　　／　　　　　　　　　騎士を愚弄するのか！」
　　　 　 　 /;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、　'､ 　　　 ヽ､＿::::::／　／
　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ､'､　　　 　＿￣　　/
＿＿_／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r;;〉､　　　　￣　 ／
;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｲ/　 `ーr､＿__／_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;|/`ー､__/;;;;;;;;;;;;;;:/;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;／;;;|　　　　　＼;;;;;;;;/;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;/;;;;;;;;|　　　　　　　Y;/;;;;|

661 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:55:04 ID:NYgRoxl. 相手が悪かったとしか言いようがないw つるし上げて罪をなすりつけるつもりが自分が公開処刑にw

三４００．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/y　　　　　　　 _　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r''´Xﾒ})　／　／　　／　　　　　　　　　　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ /(/┘ ./　 /　　／　ノ　 /　　　　　　　　　 X糸
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　|　// ./　 /　／ - ´　 ／　/　/　　　　　 |　≧┤ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　//　 /　 ./　/　　　 ／　　/　/　､　|　　　ﾉ／KZソア
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |/　 ./　 ./／　　 ／　　／/ ./　 ﾄ/ |　　 ≦xくノ|lハﾀ)､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/　//　　/　　　／/　　/､ ﾉ　 / /|　|| /　 XK＜ニﾐ彡　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |/|　 / |　 ／　/　／ / ｀'-/､_//　/　 / /ヾーﾐﾃン　　 )
　　　「繰り返し申し上げますが、　　　　　　　　　　　　　　|／|/|／|　ﾚ´アミゝく　./ﾐ=､＿ /ヽ| /　 / /　／　|　　　　 i
　　　 私達が裏庭に来た時には　　　　　　　　　　　　　　|　|li　ﾚ　|　K薔>ｲﾏ　　 ｲﾃ￣ﾟミ､/　 ／ /　/　/ .　　　　/
　　　 騎士様はすでに血だまりに伏しておりました」 　　| |　|l　|　|　ト=ｹソ　　　　廴oﾟソ/ .／　 /　/　/　 /　　.,'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i | ..|　|　i　 K´ ｀　ヽ　　　　￣／　/　 /／　/　/　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ| 　 |　|　 |(ヽ　 ､ _　　　　　 フ´/　.//　　　 /　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/　 i　 i　 |)(i.＼　' ｀　　　／/ /　./　　　　/　　/　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　il　　　　|　| ) ilﾊ､>.- ‐＜仝/ /　./　　　　　　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 ｝|　|ﾒ )､,(⌒)､,/⌒ / /　./　　　　　　 /　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| -―´/|　|-､　,- ､　　,､ /　　 /　｀'''- ､_ﾉ　/　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　ゝ i｀-´｀-´｀-´｀/　　 /　　　　　 ヽ　　　　　 i



――――――――――――――――――――――――――
　　だからもう少し決め手が欲しい、と眉をひそめた国王は
　　部外者がなぜそこに、と理由を問い、
――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　__,r'"　　　　~ヽ.
　　　　　　_ノ~　　　　　　　　　＼
　　　　 ／　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ!
　　　i　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞi
　　 ,i　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　 ./　　　　　　　 i　　　　　　　　 　 ( .
　,i　/　　　　ﾉ,ﾉノi i i　　　　　　　　　）
　! ,ヽ,　∧ﾆ'ﾚ'ｰ'　!､j､　､　　　　　　 i
　ヽ＼ソ,ﾉ''ﾐｪf､　　,__二ミ　　　　　　j
　　"Yヽ.ﾄ　　　）　　''ﾐｪｧ,;ﾞ）　'"　　 ）　　　　　　　　　「―――ふむ。
　　　ﾘゞ.l　_　/　　　　　　~i　／/,＼
.　　　ﾞヽ!ﾄl ,＼ヽ　　　　　 j　!, (/iﾞ｀' ＼　　　　　　　　 しかし、そなたらは何故裏庭に？」
　　　__,j,ﾊL!ヽ.ﾞy‐'"￣ﾞヽ'"j j. ,r┴‐‐'ﾞ7i!
　 (~r'　!　ヽ.／__,r＝~ヽｲ｢｢｀^~　　(（　 !
　　!.l　　) ,f~　 ＿,,ｨ､＼,i !j! ,.へ　 　 ）/
　　| |　( /　　　　　 ヽ./,/／　/ﾞ^ヽ.__/
_,..-.! !　 i　　　-=＝ｰ/／j､,､)）　　 /)
　　 !ヽ　j　　　　　 　 ）ｰ'Y ("　　 //
　　 ＼V　　　　!i~_／　　 ﾄｰﾞ　　//‐-r'"￣~ヽ､
　　　／　　　　 ,j~_＿ _,.ノ!.　　 //　　　　　　　 ＼_
　 _j'~　　　　　/　　　 　 ,八　 //　　　　　　　　　　i.

三４０１．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　確かに無断で敷地内に入っていたことは認めなければならない雪華綺晶が、
　　言葉を選んだ時だった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __　 　 ,､ .（(,､-―‐''''''''''―-､,　　　　((
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ `'ｨｹ´vﾄr,,)）　　　　　　　　　｀ヽ, ,ｨｭ))-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l　　 ,ゞﾍﾉﾌｨ　 .／　 　 　 i 　 　 　 `､Yﾉ　 l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 j　 　 ゞ〃‐'´　/　　/ 　　 | 　 　 | 　((ヽ､　 i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / 　 //.（(　　　/ 　 / |　|　 | 　 　 | 　 )） ヽ　.i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 / 　 // 　 )）　:/ 　 /.　|　|　 | 　 　 | 　　　　i!　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　/ 　　/　　 "　 / 　 / 　 |　| 　|　　|　|　 |　|　 i!| |
　　　　　　　　　　　　　　　　「それは―――」　.　 　 ′ 　.i　　/　 l .|　　l!　.)）|　|　|.| ｌ　|　|　 |　||　|: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　|　 i!　　.| |　　ﾄ､（(ｨｭ, |　l.| |　|　|　 |　||　|: {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V　　i!i　 |　　 |.i　,ｲ´ｨY^ﾔﾊ| i!|| | l:|　|从| l:|! ||:ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ﾍ　ﾉﾉ　 |!　　 |! _Vゝ~ﾝ'.ﾉ j`´ ｀ γﾃｫ､// i!/　l ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ,ｲ .l　 l!　　 l!ゝ_ゝ｀´ﾝﾝゝ　　　込ｿ.ﾉ/.| .〈ヽ,l:　 ＼
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／　 　 　 　 　 　 ／／|　.ﾘ　 .|!　　ヽ　((`ｰ'´`　 　'　　￣ /　|　.ﾍ .ヽ 　　＼
　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　　　　　　　,ｨ'´／　 l　/ ,ｨ　 |! 　 ,､`､))　 ,､,　.ｰ.,､　_, ｨ' 　 |　| ゝ 　＼　　:.
＜　　雪華綺晶、エル！！　　　＞　　　　　　　　/　　 ﾉ／ｨ'　_,､ｨ'ヽﾉ,ﾊ､,` ﾉ´ ｲ,-‐ﾉ `ｰ'r-､ ､.ヽ l　 ヽ　 ﾉ　　}
　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　　　　　　　　{_,､ｨ´,ｨ'´　ｨ'´　　 　　__,ﾊ,　ﾉ (__ -‐　 '´ （,､‐-`､!　　〉/　　　〉
　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^



――――――――――――――――――――――――
　　飛び込んできたのは無事を心配していた仲間の声。
――――――――――――――――――――――――

663 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:56:28 ID:XmcaRazM きたああああああ！ 665 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:57:29 ID:V8uPBR0Q 真打は遅れて登場するんだぜ！！

三４０２．
――――――――――――――――――――――――――
　　振り返れば、手枷をされて衛兵達に囲まれてはいるが、
　　無事な様子の二人がそこに居る。
――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　　＿＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _／_,,.......,,,,..ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　 .,,i_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /;;|　　 （●）（●）|　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |;/|　　　（＿人_）│　　　　　　　　 　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | 　 　 ｀ ⌒´　 |　　　　　　　　　＜　　やらない夫！コナタ！　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .　 ヽ　　　　　　/　　　　　　　　　 　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / lヽ　 　　　/
　　　　　　　　　　　　　＿／ﾞヾヽﾉ_ヽ ￣ﾉ　,r‐;=
　　　　　　　　,r‐＜￣´､?ヽ、 ｀ﾄ-＝==＝ﾊ| 　 ,`v-, ､__
　　　　　 　 /　　 　｀ ｰ-｀､ｰ_`､ ,!'｀`'┴┴ヘ,|／.-'_´.-' 　｀ヽ
　　　　　　 l　　　　　　　　 r-ｨヽ.}ヽ､__　　_,.-ﾍ´‐'r-ｨ　　　　 |
　　　　 　 ﾉ 、　　　　 　 　ヽ_ｿ≠====:三===キヲ_ノ　　　　 |　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,..::;ﾆ＝-､
　　　　 　 〉､ 丶､ _　 　 __,. ゝシ｀`ー---ll--‐‐ﾍゞ‐′ 　　 ,. ヽ、　　　　　　　　 　 　 　 　 i::/　　 　 、
　　　　 　 !、 `丶--'丶､＿_,ノ　　<＾＾>　||　　　 ヽ,--､ -‐',. イ´　　　　　　　　　　　　　　　,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
.　　　　　 }､`_ー_'二フ７'､_}ヽｭ__,.., Ⅴ　´￣｀丶､_,ｯ}:::ゝ-二._,.ｲ　　　　 　　　　　　　　　／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
.　　 　 　 〉､_ 二 -ｨ′八ヽ ﾞ´Y　　　　　　　　　　}ﾘ::::::::{'ｰ--〈　　　　　　　　　　　　　/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
　　　　　/ｰ--‐''´::::::/;;;;;ヽヽ､_>､　　,. -─‐- ､ノﾚi:::::::::ゝ､ーｲ　　　　　　　　 　 　 　 l:/::;'::::'オ/　!:::/へ|:::::::::::ﾞ:.ヾ:、
.　　　　 l::::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;〉｝　　Ｙ´　　　　 　 ｌ　|;;|::::::::::::::￣l　　　　　　　　　　　　 ,!,イ:::::/ !′ l::/　 .lﾊ:::::|;;::::l
　　　 　 ゝ:::::::::::::::ノ;;;;;;;;;;;;く ﾉ　　 }　　　　 　 　{　l;;|::::::::::::::::丿　　　　　　　 　 　 　 /i:::::!::/iTﾆT ,!;'　ｲﾆﾘ,!:::l｀､:|
　　　 　,〉:::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;;/ ｀ヾ丶ゝ、　　　　　 ゝ'〈;ヽ､::::::::::`ヽ､　　　　 　　　 　 　 　 !:（|:'!::l ゜┘/　　ﾟ‐：!:}::!　 ﾞ!
　　　　{:::::::::::::::::く;;;;;;;;;;;;r'､　　　,.､`丶` =--=''´'´ ,..ヽ､|:::::::::::::::::|　　　　 　 　 　 　 　 |::::M::::!､　 ｰ'‐'　 ィ:i!ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ￢＜:!::|::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　 　 　 !::::|x<!::l.　l―|　,|::;!::|

三４０３．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　聞き覚えのある名にぴくりと柳眉を動かした王妃が見れば、
　　中央で引き合わされた容疑者達はお互いの無事を改めて確認し、そして、
―――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　 　 　 /::::::::::::::::::::::ﾍノ!::::|::::::!::::::|:::!:::}:::i:::::}
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ﾆｾゞ､イｲfｱｲ::::::＼
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>　　　　　（ヤラナイオ―――？）
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ　　　　-─　, ′::::!::::::::ﾄ／
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__
;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;｀ヽ､__>;;;;ヽ;;;;ト;;｀ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ::::l;;;;ヽ;;;;;｀;,,､
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γ;;⌒ヽｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;｀＼;;;;;;;;;／;;;;;丿;;;イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
´￣｀ヽ;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀＼;;;;;;;￣;;;;;;;／／;;;;;};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j

670 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:59:43 ID:NYgRoxl. ついに英雄バレキタ―！ 667 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 20:58:01 ID:n.rF8/yk きたか

三４０４．
―――――――――――――――――――――
　　背の高い少年を中心とした輪が出来ていた。
―――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　_　 ／イ　　　　　　　｀Y≦ixッ
　　　　　　　　 r'/ ﾐｲ-　　　　　　　　i　　　＼ ﾊ
　　　　　　　　ﾉ/　'￣｛ij｝-､　　i　 i　il　　　i　ﾍﾊ
　　　　 r─''´./　/ i （｛　　　i　il　 il .il i　　.il　　ﾄミ､
　　　 /　　ﾉ 　イ　 |　 Ⅶ　 .il .il　 il .il ﾄ 升-､i　il　 ﾍ
　　　｛　／　/　i 　 |　　ﾐV　il .il　 ilﾊﾘi il ≦=-ｲﾘ　 .ﾊ
　　　ﾉ ｛　 /　.人　il　　 トゞ.ilﾊﾘハ/　　　ｨ芯ﾘK　ヽミﾊ
｀ー'´　 .ﾄ ｛　 ヽ i　ilミ､　　 Yil「薔ｧﾄ､　　 ゞ=ｲ V､_　 Ⅶ　　　　　　「心配、したよ？」
イ　 イ 小　i　　｝il .il　ヾ　　ゞ）ﾐ-､ｿ　　　　´　　iミ､_　V
-=　　 ノ　V　ノ /　i　　 ）　　 ＼　　　　　,ィ　　ｲ三ﾐ　 廴
＿　_ｲ　　 ／ ノ　 小　　人　　　）　　　　 ｀　 /ﾊ　Y　　　　ヽ
　　　　ﾉ / ／　 /　il　 ./il ilゞ　 /ﾊ,ﾊ､_ﾊ､＿/ｲil　i il　　ﾉ　 ｲ
　　 ／ / 人　.ノ　 /　/ r=､ﾊハｿ､ミ　　　　ﾌ il.il　l il　i　　　.ト ､
￣´　ノ ｛　　/　／　 ｛　i　　　　（入_ﾊ_ﾊ_ｒﾒﾌ//　 ） 人　　　）ミヽ
　イ　　｝｝　　 /　　　　ノ　　　　Y　 | | ＞＜||ｿ_,､_　　　）　　　） ） ｝
　　　／/　　./　　　イ'　　　　　 ﾄ､ハﾊ_ﾊ_ﾊ_/￣ /　　ノ　　Y　 ﾉ　i
　 ／ イ　　/　　／｛　:::.　　　/ ﾉ　　　　　　）　　 K>　 ノ 　 ト/ ／
ミ､_　= - =　　イ　 .ト　:::...　..:: /　　　　　　（　　 　｝＼　　 /　ィ
　 /￣　　 ／ .小　入　　　　 il:::::...　　　　...::｝..　 /::.　 ＼　　　｝
　　　 ィ''´　　 川　　 ｝　　　　il:::::...　　　 ..:::（　 Y:::.　　　 ｀ーY｛　il
　/ /　　　　　　　　ｿ.|　　　　/　　　　　　　　ゞｲハ　　　　　　 ヽﾉｿ
./ /　　／　　　　 /　.i　　　 il:::.　　　　　　/　 人｝　ト ､ー'｀ー - ミ-､



　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ー-- ､,,_ー=ミ‐-..､
　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿ﾐ::::::::::::::::｀¨ミヽ､::::::ヽ.
　　　　　　　　　　＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
　　　　 　 　 　 ー=ﾆ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j::ﾊ
　　　 　 　 --─=＝ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾミ:::::::::::}
　　　　　　　 ,,ｨ彡:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡ｲﾊ::く
　　　　　　／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::l::::::::',
　　　　 ／---─ｧ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::／:::ﾘ:::::::}ﾊ
　 　 　 　 　 ／/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::ﾂ<彡'/:::;イ::::::::::l:::|
　　　　　　　　/::::ｨ::::::::::::::::::::::::::,ｨ/ 　¨''=ｲ _,ｲ:::ｲﾃ ::::::::::ハj
　　　　　　 _,,ｲ／/:::::::::::::::::::::ｲ/ |　　　　 　 ノ　|¨ .::::::ｲ/
　　 　 　 　 　 ∠ イ:::::::::ｨ::/ .|　　　 　 　 　 ､ _｣ ｲ:／.j'
　　　　　　　　　　/ｲ:／ .|ｲ　 　＼　　　‐--- ／|:/
　　　 　 　 　 　 __ ｲ　　 j　　　　　＼　　ﾞﾞﾞ／ 　.ｿ　　　　　　「二人とも無事で良かった。
　　　　　　　　 /＼　　　　　　　 　 ／ヽ- '
　　　　　　　／　　 ヽ､　　　　　_ ｲ　　　　　　　　　　　　　　　………妖術師は？」
　　　　　 ／　　　　　　ヽ､　　Y
　　　　 /　　　　　 　 　 　 ー┴､
.　　 　/　　　　　　　　　　　　 　 |
　　　/　 　 　 　 　 　 ＼　　　　 |､
　 　 i　　　／　　　 　 　 ＼ 　 　 ﾊ
　 　 |　　/　　　　　　　　　　ヽ　　 |
　 　 |　 ,'　　　　　　　　　　 　 }　　|

三４０５．



　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）　　　　　「………負けた。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l　　　　追い返したんじゃなくて、
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ　　　　 見逃された」
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　とんでもない相手だった、と素直に負けを認めたやらない夫と、
　　仇を取り逃がした事よりも、自分の未熟故に彼を危険にさらしたコナタの声は沈んでいる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　 _,-,ﾆ二ニ=､
　　　　　　　　／／
　　　　　　　 /:/
　 　 　 　 　 ヾ`､
　　　　　　　　＞+:‐: ´:￣: ￣: :`:'￣:l.､＿＿＿,／
　　　　　　／: : : : ／: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
　　 　 　 /: : : ／: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : ､:＼
　　　　　l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
　　　　 /: :/: :/: : : _,:_∠Ｌ､:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
　 　 　 l: /://: : : : :／::/':::::/: : : /::::-H､: : : : : lト､: ヽ
　　　　l://://: : : ｲミ土=､_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l　｀ヾ､
　　　　l/: :l l: : : ｲ:llo:::::::/:::/://:::テﾃヵl: : :ﾊ: : l
　　 　 l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
.　　　 l: : : W/: : N　　　　 　　 ､ `‐':::l::l: : lN　V
.　　　 l: : : : :ﾊ: : : ト､　　 ー=　　　 ノlﾊ: :ハl　　　　　「私が足、引っ張ったから………」
　　　 l: : : : : :､: : : 「ﾌ｀‐- ,､-┬:Ｔ´: :l　l/
.　　　l: : : : :,レ､: : :ヾ､　　/､｀Y/:l:l: : l
　 　 /: : :rﾆミミヽ: : ヾ､-─┤ `┤: : l
　　 /: : /￣＼ヾヽ: : :ヾ､　　 l　　ll: : l
　　/: : /　　　 ヽヾヽ: : lヽ　　l　 /l: : l
　 /: : /　 　 　 l ＼ヾ､: l ヽ　 l //l: :/
　/: : :l　　 　 　 l ハ ヾ､l､､l　 l////l

三４０６．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「コナタ、もう気にするな。　　　　.　 　 　 {　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 正直勝ちきれるかも　　　　　　 　　　　　{　　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 分からなかったしな」　　　　　　　 mｍ 　 ヽ 　 　 　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⊂　￣￣￣　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　￣￣￣|　　　　|



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　だが結果はどうあれ、コナタを労るように手を振ったやらない夫に、エルは心底驚いていた。
　　あの超越者を相手に戦って、五体満足で生き残った者をこれまで聞いたことがなかったのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ
　　　 　 　 　 　　 　　 　 　　　／　　,／/ _､-
　　　　　　 　 　　　　　　　 , '/ ／‐'::::,､ﾝ'／
　　　　　　　　　　　　　 , ./:::ﾚ:::::::::::::´::::::ー--...､.._
　　　 　 　 　 　　　　　_iV::::::::::::::::_::_::_::::::::::::::::::::::::::::::::::=-
　　　　　　　　　　　r::'::::::::::::｀ヽ三ニー-::::ニ:::::::::-=ﾆ´
　　　　　　　　　 ／::／三:::＼＼ヽ:::::::::ミ､::::::::::::::_:::＝≧ー
　　　　　　　　　/:::::/:::::ンヘ＼＼ ヽ:::::::::::｀ヽ:::::::::::::ﾆ三三ｪ-
　　　　　　　　 //i:/:／/:::,'i::::ヽ＼＼',､::::ヽ:::::::::::::::::::::＜'´
　　　 　 　　　 !' /::;:':::/:::,'::i　i:::ヽ:::::::ヽ:ミﾐ:::::ヽ､:::::::::::k-ﾆヽ､
　　　　　　　　　 /::i::::l:i:::i､::',. ',::::::ヽ::::::::ヽ::::::::::::`::::::::::ミヽ､
　　　　　　　　　/:::ii:::l::i:::L::::':,::i:::::::＼､_:::ヽ::::::::::､::::::::::ヾ､
　　　　　　　　 /::/i:ｉ::l::i::i f:::j､:;::::',ヾ:::,rt:::j､＼:::::::::::::::::i､＼
　 　 　　_,rｰｧ'/'´ i:ﾊ:l::lﾘ`＝‐ヾ'､::､ﾞヾ､ﾆノヽ::::::::::::::ヾヽ､.
　　　,r''"　　　　 i.ﾘ/ﾘ::',ﾞ　　　　　ﾞヽ　 　　 .,!::;:::::iヾ::',ヽ､ ｀`ｰ-
　　/　',　 -､ 　　 i//::l:ｌﾞ､ 　 　 ､ ..　　　　..:':l::i!ヾl:::ｌ lヽｉ ',　｀ヽ
　 ∧　 ', 　 i i　　 i i:　ﾘ　ヽ.　‐-- ､ 　 ／ /ﾘ　/ !/./　'　'　 ﾞヽ　　　　（理由はどうあれ、
　 ,' ヽ　 ',　i 〈　　 ,i i::.､　＼＼　　　..::'::: /　! 　 , ', ' .i　　　　　　　　　 二人が生き残ったのは事実。
　 ､　ヽ　　ｉ 　 　　'ヽゞﾐヽ、ゞ: `ﾆ:´:::::''　_,. -／／　 i
.　 ヽ、ヽヽ　 i　　　 ',ヽ､`ヽﾐヽ､ 　 　,.:-'´,. '´／　　 ﾉ　　　　 /　　　　ライトを相手にして
.　　 iヽ ＼i　.i!ヽ　　　　 `　､`'-､､､､､- ',ン'' 　 　 　 　　　　/〃　　　 これは驚異的な事だ………）
　　　i　 ヽ.＼ !　　　　　　　　｀ ｰ-ー '´　　　　　　　　　　, ' //
.　　　i　　 ヽ､ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 , ' ／ '
　　　 ',、　　　ﾞﾞ'i＼ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　, ir'　ヽ=
　　　　iヽ　　　　i!　ヽ ヽ　　　　　　　　　　　　　　 ,　'／i! 　　/

三４０７．
――――――――――――――――――――――――――――
　　事前の準備も情報も不足していた迎撃戦で
　　これ以上の戦果を望んだら罰が当たるだろう。

　　そして、次の為に綿密に計画を立てて準備をしたのならば
　　何とか奴に立ち向かえるのではないか。

　　そんなふうに、彼に一縷の希望を見いだしたエルは
　　とにかくと現状についての情報を伝え、
――――――――――――――――――――――――――――




.　 /,/;:;:;:;/;:;:;/;:;:;:;l;:、;:;ヽ;:;:;:;:ヽ;:;:;:ヽ;:;:;＼;:;:;:;:;:;l;:;:;:;:;:!｀'＼
　/　ｌ;:;:;:/ //;:;:!;:;:;ﾍヽ;:;:;:;＼;:;:;:＼;:;:;＼;:;:ヽ;:;:;:;:!;、;:;:|
./　/;:;:;/ //;:;:;:|ヽ;:;:'､;:;＼;:;:;l;:;ヽ;:;:＼;:;:ﾍ　i',:;:;:;| ヽ:;:;i
　　|;:;:/l;:l/;:;:l;:;:!ヽ＼.＼;:;:＼ヽ、＼;:;:＼ ', | i;:;:;i':,::＼|
　　| /;:;:/l |;:l;:;:| i´ f::::j ､＼;:＼　,rt:::j フl .! |ヽ:! !;:ヽi＼
　　| ヽ/ |､ヽヽ {　`＝‐' ヽ|｀ｰ ゝ`ｰ＝'　l ! |;:;:;l !ヽ＼- ゝ
　　|　 |;:;l ヽ＼ ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 / | i;:;:;:!.|:;::|:;:!　　　　　　　　　　　「とにかく無事が一番ですよ。
　　 　 |;:;l　|＼ヽ_,ゝ　　　　　i 　 　 　 　 / ,! :;:! !;:;:l;/
　　 　 | ∧ |;:;:ヽ' 、　 　 　 ｀ ´　　　　　/|/ l;:;:;ﾍ;:;:i　　　　　　　　　　　　 こちらですが、証は奪われています。
　　 　 |/　ヽ ∧ヽ,＼　　‐‐---‐‐　　 ｲ/;:;:;:|;:;:/ ヽ!.　　　　　　　　　　　　キル夫を捜しに裏手に来たところで
　　　　　　 |/　|∧|　＼ 　 　 　 　 ／ .| / l/;:;:l　　　　　　　　　　　　　　　あの騎士と出会しましてね。
　　　　　　　　 |'　 l　　 ヽ、　　 ／　　 l'／ ヽ/
　　　 　 　 　 　 　 l　　 　 ｀￣´　　　　l､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 宝物庫警護隊の隊長殺害、
　　　　　　　　　,. '´　　　　　　　　　　　 ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　 女神の宝具強奪の一味との疑いをかけられています」
　　　＿_ ,..　'' ´ 　 ヽ　　　　　　　 　 /　　　｀'ー-　..__
-‐ '´ {´　　　　　　　 ヽ　　　　　　　/　　　　　　　　 ｀} ￣ 'ー- ､
　　　 ヽ　　　　　 　 　 ヽ　　 　 　 / 　　　　　　　　　/ /　 　 　ヽヽ
　　ヽ　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ /　　 　 　 |　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　 /　　　　 ',
　　　　　　　 ｀'ｰ-　 _　　　　　　　　 ＿　 -‐ '´　　　 　 　 /　　 　　　l
　　/　　　　　　　　 　 ｀'ー----‐ '´　　　　　　 　 /　　　 l 　 　 l　　　!

675 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:03:02 ID:XmcaRazM エルの頭の回転の速さがマッハ 678 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:04:49 ID:NYgRoxl. エルさん素敵。

三４０８．
―――――――――――――――――――――――――――
　　衛兵達にしょっ引かれた理由が予想と食い違っていたので
　　目的の人物について確認し、
―――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　!　　（__人__）　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（キル夫は？） 　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾎﾞｿﾎﾞｿ.　|　|／|　　　　 |　|



.., -,,,-‐,"´￣￣｀``'丶,　.／/i
'　}_i行}ｸ　　,,　　　　　 ヽ､ .l .|
_,,ﾞｰＺ彡l　 / ／/ .i　　i　､`''､|
　　 ,,　((　// ./ ./!li i　 li　l .l.l
_,／ l　i　//l ﾊ ./l ll .l　 ∧ l .l.l
"iィ'-l l　 l/l/　.ll l.l l ! ,/_ l l .li l
.l l l il　l　f.k薔ミl.. l .ll ,,-､; ;i l .ll
..ll.l l rl .l .l-ﾐ'彡"　　.l.尓i!i !l/　　　（見かけなかった、よ。
.l ll ､ l､l ､　""　　'　,,`'´'i .l
.l.!l　/!l <i..ヽ､,_　 ‐ .,".イ　l　　　　 私達が裏庭に来た時には
ll/ ./ .! .!l`"ト-` ''´__l .l　 l　　　　　騎士隊長様が斃れていて、
､ /_,,/／! ., ! ﾄ／--, ‐‐､　　　　　 そこへあの人が………）
　l､____/　l　l　l　l､フ＼　l　ﾋｿﾋｿ

三４０９．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　ほんと困っちゃう、とささやき返した雪華綺晶に頷いてから視線を動かせば、
　　見覚えのあった騎士は新しく現れた自分とコナタを睨んでいる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ､_　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. （　（● ）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. （人__）　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 r-ヽ　　　　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（アンマンで会った人だな………）　　　　（三） |　　　 　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 >　ノ　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾎﾞｿﾎﾞｿ　 / 　/ ヽ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / 　/　へ>　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿__ヽ　　＼／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＼　　　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ＼_／　|



　　　　　　　　　,, -‐'''″￣｀ミ`{.{@yiゝゝ
　　 _,,,,i=η／　　　　　　　ヾ､`ヾ､)) l　｀'i
　 ,//,i<迴'j　　　i　　　　,　ゝ ＼. (( .i i　 !
　 l l　/ //　i　i 7 .i　　　ヽ,ヽヽ i i　l l ﾊ　｀!
　 l i　 / i　l l　l .i| |　　 i i　i　,ﾊ　il　i i ,ヽ　!
　 l i　i l ,　l. !　|i|i　l　i i l i　l l　ﾊ7i　i l i ゝ,.｀'i
　 ,i i l l　!　i ヾ i　l ＼i i lﾊi i i l　ﾉl　| i l　 .l　}
. // /i|　| i | i l_.,,((、ii､ |il! .だ｀｀'i.7　l l|　 .'y l
//,'´　i＼＼ヾiFｯﾐ''ｼi　　 弋__沙7　//i　./ ./
イ　.,/′ヽゞゞ≦汗彡'　 ,　　　.//　li　| / /　　　　　　（思い込みとか決めつけってより、
　 /,,_　　 }li ゝ､i,　))　 　 ｡ 　 . lil　.li l i ,l .{　　　　　　　 私達を犯人に仕立て上げたいみたいだよ。
　l　　　　7 i! !i)..ゝ．.,_. 　　,.／il　 il　＼＼＼
　　　　ノ i/ //-‐'′κ,｀"-　>ヾ　! >.-‐'ゝゝ＼　　　　 最初は危なかったんだけど………）
　　　/''"　~´ ,/ | k>っ>b, ,,.,ciyi)-ゝ　　　 ＼ヾ
　　 7ζ　　_ / l　ξl lゝ､ . ／l .!　i l　　　　　iゝ｀l　ﾎﾟｼｮﾎﾟｼｮ



――――――――――――――――――――――――――
　　エルがなんだか凄くてね、と殆ど出番のなかった彼女は
　　今はそれほど切羽詰まった状況でない事も付け加えた。
――――――――――――――――――――――――――

三４１０．
――――――――――――――――――――――――――
　　―――と、そこで劣勢だったジェリドが切り札を切った。
――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,　-――――- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　_,, - ''"　　　　　　　　　　 `ー-､_
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　 　　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　 ｒ―― ､　　　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 ／　　　　 ＼　　　　＿__ 　 　 l´
　　　　　　　 　 　|　　　 __　　　 ／ 　 ＿__　　　ヽ　 ／二ヽ｀　　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　|　　／　ヽ　 /　　 　､＿,＼　　　`Yｰ ､ヽ 　 　 　 l
　 　 　 　 　 　 　| 　 l r.ソ/　/　　.＿　ｰ､ o､＼ ､ ノ ﾉ　|　　　　／
　　　　　　　　　　|　 | |（ /　/ 　　´￣　 ｀` ┘　ｿ ＿_ 　|　　／
　　　　 　 　 　 ／　 ヽヽｲ　l　　　　　　　　　　.　 fｰ｡､｀ |,／
　　　　　　 　 /　／　 ゝ, `'"　　　　　　　　　　　 ヽ`ｰ'／
　　　 　 　 　 |　l / ノノ/　　　　　　　　　＿_.　－ノ 　.l
　　　　　　　　レﾚ'" 　 l.　　 　 　 　／￣ー､＼ 　 　 /　　　　　「何をこそこそと言い合っている！？
　　　　　　　/;;;`ヽ、　 　'､　　　　 .l|::::::::::::::::::「/　　／
　　　 　 　 /;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、　'､ 　　　 ヽ､＿::::::／　／　　　　　　　 大体お前等は、アンマンで護衛を裏切った仲間に
　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ､'､　　　 　＿￣　　/　　　　　　　　　証を手渡したという、動かぬ証拠があるだろう！」
＿＿_／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r;;〉､　　　　￣　 ／
;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｲ/　 `ーr､＿__／_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;|/`ー､__/;;;;;;;;;;;;;;:/;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;／;;;|　　　　　＼;;;;;;;;/;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;/;;;;;;;;|　　　　　　　Y;/;;;;|



―――――――――――――――――――――――――――
　　この事実とキル夫が奴らの関係者である限り
　　どんなに言い訳が適当でも押し通せる、と思っていた通り、
―――――――――――――――――――――――――――

三４１１．



　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　｀,
　　　 　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　l
　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　 　 !
　 　 /　　　　 /　 /　　　　　　　　　　 　 　 　 ､l , -　　 　 ',
　　 l　　　　　l 　 !,ｨ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'　　　　　　 ',
　　 ヽ　　　　 !　 !l!　　　　　　　　　　　　 , , ノ　　　　　　　 /
　　　 ヽ　　　 ﾄ､ ヽ　 ! /,　_,.-＿ ,ノノ ,ｨﾉl'ヽ/,　　　　　　　,'
　　　,...ﾉ'　　　| ﾍｰヽヽl（/ l'´ ≧ﾐ､_ ,ノ'　!　ﾘ! l　　　　 　 ﾄ!_
　r'´イﾉ　　　 ヽ ﾘ　　 r'｀　 　 ヽヾ歹､=､ヽ　,_ﾘ=､　 l　 ﾉ l ｀
　!（　ゞ,.　　　　 ´r､　r'　　　　　　￣｀ ヽ　 /ゞｸｲﾉ /ノ ﾉﾉ
　}ヽ､｀` ｰ-　_i´, ﾉ'.lﾍゝ　　　　　　　　　　/　 /ｰ '´_, '´
　l　　￣｀ ｰ- ､｀ヽ､l,_　　　　　　　　_　　 l　 /　,(´　　　　　　　　　「それは事実か？」
　!　　　　　　　 ｀ ｰ-､ヽ　　　　　　　ヾ=-' ,.', ィ､丶､
_,ゝ　　　　　　　　 　_レ'-―- ..,'' ―＝- ,ｲ(　　　｀ヽ＼　　　　　　 （確かにヘンケンからの報告では………）
　　　　　　　　　　　`iｰrﾍ￣｀ヽ､｀ ｰ, - '一ｰ- ､　　 ヽ.ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 l　lｰ-ヽ _, -｀´　, --‐_ﾚ‐- ｀)　 /∠、
　 　 　 　 　 　 　 　 |　| ヽ.／ r=ー'―‐'´-､ ￣ ｀ヽ///ﾆ,
　　　　　　　 　 　 　 !　ト.ﾉ　　　, ―---=､_ヽ　l　/　＼ ヽ
　　　　　　　　　　　　ヽ〉′　　　　　　, - ､ ｀i.| !/　　 〃,.､!
　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　 '　　　ヽ_!!l'　　　 ヽ'へ＼
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ　　　　　　ヽヽ



――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　アンマン領主からの報告書を思い出した、国王の表情と声が厳しさを増した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

682 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:07:00 ID:1USQU3Ms ホウレンソウは大事だなぁｗ

三４１２．
――――――――――――――――――――――――――――――
　　だが、ぐっと唇を噛んだ雪華綺晶は俯きながらもはっきりと答える。
――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _＞yえ}ﾄｖ^ー　　　 　　　　 　 　　 　 　　　｀丶へv七たﾍﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 》ゞそヅ/　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　＼乂v匕人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　＾｝乂=ｧ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 Y^＞=ﾍ V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿_ﾉ/7 /.′ 　　　　 　|　l|　l　　 |! i　　 |　!| 　 　 　 　{　　 　 ) ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　((´~7￣/ /　　 　　 |　ｌ |　|　l|　l　 　|! |　|　|　!| 　ｌ　　　　| 　 　 ( (＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_)} ./　/　′　 　 　 |　| |　|　l|　|((⌒|! |　|　|　!| 　|　　　　l　　　 ｝｀￣)）
　「………はい。　　　　　　　　　　　　　　　　　.　/　/　 |　　ｌ 　 　 |　| |　|　l|　| ｀)l |! |　|　|　!| 　l/　 　　}　　　ﾊ　　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l!　｛ 　 ! 　 |　 _　 |　| |　|　l|　レ'/ |! |　|　|　!|　/! 　 　　ｌ　　/　|
　 妖術師に洗脳されたキル夫の他、　　　　　　｝　 Ｖ　|　　|ﾍ｀}!　|　|_l_⊥斗 ﾍくi　|! ト┼- ､!| / !　　　　|　 /　 |
　 ベッケナー公を含めた全員の　　　　　　　 　 ＼　ヽ.| 　 | ∧ゞ==く rｯ7そト〉{　 　 ｨfﾗ冬圷　/ ./ ″　!　{. 　 |
　 安全確保のためにやむを得ず………」　　　　 .）　∧　 ＼∧　　 》ゞト=ン^〈　　 　弋 ぅﾂ´′/ / 　 八　＼人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ ∧　　 Ｖ） ＿ﾉ!ーv__ゾ´　　　　　　　/ /.|　l!　 / ∧　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 /　/　　 }　 　 ﾚ'ﾉ´~ 丶　　　　_'._　 　 　 イj |　|　l!　｛　　ﾊ　 　 ヽ ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　 /　 　 ﾉ＾　/　　 ＞　　 ´｀　　＜=ﾍﾞ} |　|　l! 　 ＼　ｌ　　　 |(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　/　　 /　　 （ 　 ./　 r=くｘﾍ ト=ー=ヘ人 　 | l　|　l! 　 　 ヽｌ 　 　 | ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 ∧　　　｀ヽ′ ノ　 ｨ^ー～v-～ yへｖﾉ j　|　|!　 　 　 ｌ 　 　 |　　）



――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　今でも正しかったか分からない判断は自分の責任に他ならない。

　　けれどもやらない夫が―――エルが、コナタが、共に背負ってくれているのだ。
　　だから濁す必要も、たじろぐ必要もない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三４１３．



　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿___
　　　　　　　　　　 　 　　 ∠´　　　　　　｀ 　､
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　｀　､
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ .､
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　 l　　　　　　　　 　 　　γ　　　　　 ｝　（　　l
　　　　　 　 　 l　　　　　　　　 　 　　 i　 ／ ノ ノﾉル））ｊ　ヽ
　　　 　 　 　 ,'　　　　　　　　　　　{　｛ ｛　｛彡≦≠ｭ/　! リ
　　　 　 　　 ,'　　　　　　　　　　　　ゝ､ゝｰ( ´`ヽﾆ ｾヾ　〉ｿ
　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　 ｛´ヾﾒ　）　　　　 　 　'､
　　　　　　　 ヽ､　　　　　　　　　　 ヽ)）（ (　　　　 　 　　 ヽ
　　　　　　　 　　ヽ 　 　 　 　 　 　 　 i ト ゝ 　 　 　 　　ｒｰ′
　　　　　　　　　　 ミ　　　　　　　　　ノﾉ! 　　　　　´￣」′　　　　　　　　「……………。
　　　　　　　　　γ⌒ 　 　　ヽ 　 ｛（　　ヽ、 　 　 　 ｀{　　　　　　　　　　その、キル夫とそなたらの関係は？」
　　　　　　　　　 ゝ,　　　　　　!ニﾆヾ彡 ｀::.. ＞ 　 　　j
　　　　　　　　（　つ　　　　　ﾉ 　 | |　ﾍ　　　┬‐｀ ｰ ´
　　　　　　　　 ミ彡 γ〃〆　　　| |￣￣￣｀ヽ==＝＝＝y
　　　　　 　 　｛ 　 　｛（(ﾍ 　 　 　| |　　　　　/ 　 　 　 //
　　　　　 　 　 ゝ、 _丿　　 　 　　| |　　　　　| 　 　 　 i l
　　　　　　　　　｛　　　　　　　　　| |　　　　　|　 i　　　| l
　　　　　　　 __＿彡ニニ二二 ヽ ヾニニヽノハ | 　 　l | 　　ｒー - ､
　---ｰ　''''"´　　　　　　　 　ヽヽ　＼　　ヽ ゝ　!|　 　くくヽｰ--　､ ヾヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　ヽ ヽ　＼ （ （　　ヽ 　　 〉〉　　　　ヽ　 ＼
　　￣￣ 　───ー　￢　　　　 ヽ ヽ　　＼＼　 ヽ 　| |　く´￣　 ヽ 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　ヽ　ヽ　 ＼＼ 　ヽ| | 　 ヽ　　　 ヽ　　ヽ



――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　不利な情報と人間関係に、国王の判断が揺らいでいるのは分かる。

　　それでも相手をまっすぐ見据えたやらない夫は言い切った。
　　彼の中に、誰かとの繋がりや絆を否定する考えなど微塵も存在しないのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　 　 ,. ‐―――――‐ - ､
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　＼
　　　 　 　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　/　　　 ＼　　 　 　 　 ﾉ　　　　　 .',
　　　 　 　 /　　　　 ,　 ゞ.._,,　ー "　　 ､　　　　',
　　　 　 　 l　　　　 l {::::::::}　l　 l　{::::::::} l　　　　 l
　　　　　 . l　　　　 ｀ ー '　'　　｀　ー ' '　　　 　 l
　　　 　 　 l　　　　　 /　　　 .!　　　 ヽ　　 　 　 l
　　　 　 　 l　　　　　 ヽ＿_／ ＼＿_/.　　 　 　 l
　 　 　 　 . l　　　　　　 ｀　　⌒　　´　　　 　 　 l
　　　　　　 .l　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l　　　　　「グラナダの証を持ち去ったのが
　　　　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　 キル夫かは分かりませんが、
　　　　　　 . l　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　 キル夫は俺達の仲間です」
　　 　 　 　 . l　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l
　　　　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !
　　　　　 　 ／!　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'＾ヽ
　　 　 　 ／{　|ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 /|　/ ＼
　　 　 ／　 ∨|　ヽ　　　　　　　　　　　 ／　| /
　　 ／ ヽ　　＼　　｀ー―――――　´￣￣　 ／
　／＼ 　 ＼　　＼　　　　　　　　／　 　＿　／
"ヽ　 . ＼　　ヽ　　｀ ー──一'　　 ／
　　＼　　＼　　＼　　　　　　　　／/

三４１４．



　　　　　　　 　 　 　 ,..::;ﾆ＝-､
　　　　　 　 　 　 　 i::/　　 　 、
　　　　　　　　　　　,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
　　　　　　　　　／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
　　　　　　　　/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
　　　 　 　 　 l:/::;'::::'オ/　!:::/へ|:::::::::::ﾞ:.ヾ:、
　　　　　　　 ,!,イ:::::/ !′ l::/　 .lﾊ:::::|;;::::l
　　 　 　 　 /i:::::!::/iTﾆT ,!;'　ｲﾆﾘ,!:::l｀､:|
　　　 　 　 　 !:（|:'!::l ゜┘/　　ﾟ‐：!:}::!　 ﾞ!
　　　 　 　 　 |::::M::::!､ 　 ο　 .ィ:i!ﾘ　　　　　　（仲間………）
　　　 　 　 　 |::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ￢＜:!::|::|
　　　 　 　 　 !::::|x<!:l　 |―|　,l:::|:::!
　　　　　　　 l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
　　　　　 　 ,':::::::|　 ヾ＞ﾐV∠}′ i|
　　 　 　 　 l::::::::{　,r=-=ニＬ._〉,ノ l|
　　　　　　 ,!:::::::::l　　　 　 |l!l!|´ 　 |!
　　　　　　 !:::::::::::ﾄ、　　　|＜　＿/:|
　　　 　 　 !::::::::::::ﾞ7ー イ丁´「 〈::::::|
　　　 　 　 l::::::::::::/　l　 |　|　 l　ﾞ､::::|
　　　　　　 l::::::::::/　l. 　|　 |　 l　 ﾞ､:|



―――――――――――――――――――――――――――
　　仲間って何だろう、と改めて思うコナタ。

　　誰が相手でも、どのような状況でも
　　立ち位置を決して変えないやらない夫に、言葉のないエル。
―――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ハ :::: :::: :::::::::::.::::::::::::::::ヽ::::::::､::::::::::::ヽ ::::::..ヽ::::::`､ :. ::::::ヽ :::::.:.::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／| ::: :::リ､:::rＮヽ＼::::ヽ､::::ヽ､::::::丶＼　::.＼:::::ヽ .:. :::::｀ヽ‐- ､_:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ﾊ ::.:.::!　V　/　 ＼ヽ::i ヽ:::| ｀ヽ::､::｀ヽ丶､:::丶､::､ :::::...､::::＼　｀`ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ヽ.: ::l 　　/　　　　 ヾ　ヽ:i　　i| ヽ::::ヽ＼｀`'' ‐---::::ヽ:::＼rヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';:: :! 　〈　　__　　　　　ヽ　　|　 ',::::::: :＼:.::､｀ヽ:＼::::::ト ､::丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　|:: ﾊ　　`　　　　　　　　　 　 　 }:::::::. ::::ヽ::ヽ::.:＼:ヽ､ヽ　｀` ｰ-
　　　　　　　 　 （………………）　　　　　　 　 　 　 　　　|/l:ハ　　 ､　＿＿　　　　　　　ﾊ:::::.::| :i:.:ヽ.:i::: :､:ヽ}　｀`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ ﾉ'　l心　　`ー‐一`　　　　　 ,. '|:::::::| :| :.::.N :;､!`､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |ハ　　　　　　　　　,　'´　i!::::::| ::|　:.ハ | ＼ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ ヽ　　　　　 ,.　'´　　 ,/!/ |: :::､　!　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　 __,.ノ/ 　 ヽ __,,.　'´　　　　　 ノ　l,ｲ:: ﾊ:{ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..､,.ィ"r''"´　 .:::　　　　r　　　　　　　　　/ /　|､:! ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.. -‐''"´　{　　 ヽ　　 r　　 i　ヽ＼　　　　　　 ／　　　: ヾ丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 |　　ヽ ＼　　　　ｌ　　＼!　　　　　/　　　　　　 ヽ　｀ヽｰ-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 ヽ　 ＼　　 ヽ　　　　　　　　i　　　　　　　　　　 ﾉ /　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　 |　|　　　　　　　､ 　 ＼　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　／ / r　　　｀`丶､



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　二人が思う以上に、やらない夫の仲間に対する意識と言うのは深く強いものらしい。
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三４１５．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　だが、そんな気持ちを逆手にとったジェリドが勝ち誇った声を張り上げ、
――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　_,.. -― ､_,-､
　　　　　　　 , ‐'´　　　　　　　ヽ
　　　　　　／　　　　　　　, -,　　ヽ
　　　　 ／　　　　　　　 / / , -j　 lj
　　　／　　　 , = ､ﾍ　_j　 ｲ 〃｀´ !
　 　 !　　　　　　〃ヽ､　　　ﾍ'ヽ　 !
.　　 |　　　　　 /　　 〃ｰrｰ'　　 ! |
　　　!　　　　 /　　　　　ヽ　　 　 l !
　　　ヽ　　　 {　　_,,__　　　　_,._‐''ﾘ
　　　　l,　 r ､ l '´-ﾆt'ﾃ''　　!┴' |　　　　　　　　「そらみたことか！
　　　　 i　{ r､l l　　　　　　　'､　 !　　　　　　　　 検査官を呼ぶまでもない、即刻処刑しましょう！」
　　　 　 ! iヾｰl j　　　　 　 - '　 !
　　　　 _j人l Tl　　　　ー―,,'　 ト- ､
　　　 lく　　 Tヽ`ｰ- ､　　　　　l　　 〃
　　　 ヽヽ　　! ＼ヽ､,-ミェ- くﾄi　 〃
　　　　 ＞ヽ　ヽ　/7　 ﾊヽヽヽl　〃､＿＿
_, -‐ ''´　 ｀´l　 ヾ/　　ﾘ !　 l! lヾく　　　　　｀
　　　　　　　ヽ＼ ＼　　 '　 l /ィ7 '
￣￣￣ ｀ ｰ ､ヽ ＼ ヽ　　／イ/　　　　, - '
　　　　　　　　l　ヽ　ヽl／／ ﾚ　 ,. -‐'´



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,____,.廻}｀lii_,,..､∥
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,-''"´´￣｀｀!K呈/ゞ､''-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,／´　　　　-､　 .｀iﾞ""i..} !　l `',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ././　　 i　　 i　 'i　 i }　　'i　li　,　.l＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .|　　　|i　　 ii　 l　.! .i　　 i　ll　i .|＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ,.ii　　　| l　 !i　　l　.l　|　　i .i ii　l .l　.＼＼
　　　　　　　　　　　　　「お待ちください、　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l i.lu　　./ll`''ii-l=､l_ / λ　 li　i.ヽ､! ｀i　 i ,/
　　　　　　　　　　　　　 検査官を呼んでください！　　　　 　 　 　 　 　 li li i､ ..//!_/ ! !　/｀l''i/i　 .li　 .|i.＼, ＼ l l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽi{ｼ/´. '行勿ｯ/ / / .l　 .! il　 i＼ ｀ゝ､``'_'
　　　　　　　　　　　　　 そうすれば私達が嘘を申していないと　　　　　　 ﾞ<　　 ｀ｰ'´.//'!./入 !　l ..| ヾ i｀＼ li ｀｀
　　　　　　　　　　　　　 証明されるはずです！」　　　　　　　　　　　　　　　 .`.､-､.　.,//l..! /-∧ヽ !､ il ..l .l　ii|　i｀-i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/./..!._,i､,__,,,l　/!i｀｀''.!入!>i!!　l l　il　 l　li
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　 .i　iii/､l　l''''y!‐''>.-.!! .l　.|i Il　l　/ il
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　.l　.iil/.Ll l!=ﾝ-'./´　`'i i＼i li .li　l　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l./　　　 .l　.il-ンl .!,　　 !　　　｀il　i　/ il ..!　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l.l　　.,,／ i　l Z-/i.＼　 .!ｨli　　 ゝil　l　il l　 i



――――――――――――――――――――――――――――――
　　それは困る、と雪華綺晶が検査官を呼ぶよう願った。

　　真実と虚偽とを聞き分ける神聖魔法により
　　適切な取り調べが行われれば、疑惑はすぐに晴らされるだろう。
　　だが国主たる者には真実を越えて裁く権利があるのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――

三４１６．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　腐敗した利権主義の貴族達―――これには政治に無関心な国民との関連性もあるが―――
　　の対処にも思うところがあり、ゆっくりと変えていこうと国王が考えていたように、
　　国政とは清濁併せ呑む必要があるものだ。

　　時に真実や正義が国益に反する場合もあり、
　　長い歴史の中では冤罪や大局のために犠牲になった罪無き者も大勢居る。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


　　　　　　〃￣｀
　　　　　　!|　　　　, ィ
　　　　　　ヾ､＿／:/--‐;ｧ
　　　　　 ／::｀::.::.::.::.::.::.｀ヽ
　　　　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ｀＼
　　 　 ,' : : .::.::.::.::.::.:: . : |.::.:}￣
　　 　 !.::.::.;;.;:.::.::..: .::.::.::.!.:ｉ:.|　ｲﾗｯ
　　　　l.::,;;';;';;';;.;;.::.::.::j.:/)ﾍ::|
　 　 　 !;;';;';;';;';;';;';:.::.j.:/ﾞ!::|`}　　　　（やっぱりぶっ飛ばす？）
.　 　 　 l;;';;';;';;';;';;';:./::.|ｲ::.!
　 　 　 λ;;';;';;';;';;';/.:: | |.:l
　 　 　 l:i:!';;';;';;';;';/:..:..:|ﾞヾ
　　　　j:|.::.i|;;';;';;/.::.::.::.|l!ﾊ
　　 　 |::!;;.::|;;';;/:.::.::.::.::|l|｜
　　 　 !::|';;.:l;;';'.::.::,'::.::.::!」｜



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ＼　 　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人__） 　u　 　|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（………うーん）　　 　 　 　 　 { 　 　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ 　 　　　u.　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 　 　 　　＿＿＼　　　　 /ﾘ 厂`'‐- .._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ :　　: :介ｰz＜__｣// |: : : : : : :ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| : : : : : /: |　{::::}　/ `7: : : : : : : :│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 　 　 　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |



―――――――――――――――――――――――――――――
　　もし、国王が騎士の言い分を全面的に信用して有罪と言えば、
　　それはもうこの国の中で絶対なのだ。
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三４１７．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　まだ監査を受けていないジェリドと、
　　真実は違うと声を張り上げる冒険者達を見比べて考え込む国王には
　　もちろん話を聞き終えたところで検査官を呼ぶつもりはあった。
――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀;
　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾞ、
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Ｙ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨　　　　　　　　 　 　 |　ｉ|　　　　　　　　　　　 　 　 　 |
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｲ|　　　 ｲ　　 　 从　ｊノい八 ｉ　　　　　　　 ｀ヾ　　　　　!
　　　　　　　　　 　 　 　 ハ! 　 　 :|:!　　 ノ八 （　 Уハ乂 　 ｀ヽ 　 　 　|i　　　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　乂､ 　 :|:!i / Ⅵ､、 ｿ 　 ﾒ　ﾉ 　｀ヾ｀Y､、　 　 ﾘ　　　!/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / /:.＼ 从!{//∨77777ﾊ-ﾊ77777∨777У乂　 　 ｲ ヽ、　　　　　　「そうであるな―――」
　　　　　　　　　　　　 　 / /:.:.:.:.:｀Y小/////////r－//////////イノ　　／: :∧ ﾍ
　　　　　　　　　　　　 _,/ /:.:.:.:-=彡ハ∨///////.:i　 ＼//////ｲ彡/　 （.:.:.:.:.:.:∧ ﾍ
　　　　　 　 　 __/￣／／:.:.:.:.:.:./ｲ 乂_ﾍヽ///／:.:.:|　 　 ヽ///／从′ ﾉ:.:.:.:.:.:.:. :∧ ﾍｰ: . . __
　　　　　 　 三三／／:.:.:.:.: //:.{八　　从　￣　　 ､ｊ;,_ 　 　 ￣　/ｲ　 Y:.:.:.:.|!.:.:.:.:.:.:.∧ ﾍ三三二ニ　　.f´￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
.　　　　 　 三三/ /:.:.:.:.:.:.:.:.:///:.:.:.:｀ソﾊﾍ　　　 ＿＿__ ,　　　 /ﾙﾍﾘハ:.:.i.:|!:.:.:.:.:.:.:. ∧ ﾍ三二ニ　　　|　　待て、キャスバル。　|
　　　　　 三三/ / :.:.:.:.:.:.:.:.:./// :.:.:.:.:.:.:.:j　＼ 　 ｀ 二 ´　　 ／彡ｲ:.:.:.:.:.:. i.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}　j三二ニ　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ
.　　　　 三三/ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:.:./　 　 ヽ　　 　 　 ／　.: 　 !:.:.:.:.:.:.//:.:.:.:.:.＞ "´ .ｲ三二ニ
　　　　三三く く:_:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ハ.　　　 ｀ ー― ´　 ..:.: 　 从:.:.:.／＞ "´. ．＜三三二ニ
　　　 　 三三｀ ー―ｰ＝=　､:.:.:.:.:.:.:.:.{　 ヽ.　　　　　 　 　 　 ／ /:.:.:.:.:／.．＜三三三三二ニ
　　 　 　 =三三三三三三｀ヽ＼:.:.:.:.:.:＼ 　 ＼　　　 　 　 ／／/:.:.:.:.:/ /三三三三三三二ニ
　 　 　 　 =三三三三三三三＼ヽ:.:.:.:.:.:ﾍ、　　　　　　 　 ／　/:.:.:.:.:/ /三三三三三三二ニ
　　　　　　　 =三三三三三三三＼ヽ:.:.:.:.: ＼　　 　 　 イ　　/:.:.:.:.:/ /三三三三三三二ニ



――――――――――――――――――――――
　　ところが、口を開きかけた彼を遮った者が居る。
――――――――――――――――――――――

690 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:12:54 ID:NYgRoxl. キタ―！ 688 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:12:32 ID:XmcaRazM いよいよ英雄バレくるか！？ 689 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:12:50 ID:16EmbxXA 女王か ってかやっぱ国王は無能かよ 694 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:14:20 ID:NYgRoxl. >>689 この状況だからこの国王の判断は間違ってないだろ。 検査官を呼んで真偽を確かめるつもりはあるみたいだし。 707 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:19:41 ID:16EmbxXA >>694 検査官呼べば一発って状況に助けられてないか？ まあそれがなかったらどうするかまではただの憶測になるんだけど 691 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:12:58 ID:DaHh6u2Q すげーどきどきする

三４１８．



　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿___
　　　　　　　　　　 　 　　 ∠´　　　　　　｀ 　､
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　｀　､
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ .､
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　 l　　　　　　　　 　 　　γ　　　　　 ｝　（　　l
　　　　　 　 　 l　　　　　　　　 　 　　 i　 ／ ノ ノﾉル））ｊ　ヽ
　　　 　 　 　 ,'　　　　　　　　　　　{　｛ ｛　｛彡≦≠ｭ/　! リ
　　　 　 　　 ,'　　　　　　　　　　　　ゝ､ゝｰ( ´`ヽﾆ ｾヾ　〉ｿ
　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　 ｛´ヾﾒ　）　　　　 　 　'､
　　　　　　　 ヽ､　　　　　　　　　　 ヽ)）（ (　　　　 　 　　 ヽ
　　　　　　　 　　ヽ 　 　 　 　 　 　 　 i ト ゝ 　 　 　 　　ｒｰ′　　　　　　「どうした、ハマーン？」
　　　　　　　　　　 ミ　　　　　　　　　ノﾉ! 　　　　　´￣」′
　　　　　　　　　γ⌒ 　 　　ヽ 　 ｛（　　ヽ、 　 　 　 ｀{
　　　　　　　　　 ゝ,　　　　　　!ニﾆヾ彡 ｀::.. ＞ 　 　　j
　　　　　　　　（　つ　　　　　ﾉ 　 | |　ﾍ　　　┬‐｀ ｰ ´
　　　　　　　　 ミ彡 γ〃〆　　　| |￣￣￣｀ヽ==＝＝＝y
　　　　　 　 　｛ 　 　｛（(ﾍ 　 　 　| |　　　　　/ 　 　 　 //
　　　　　 　 　 ゝ、 _丿　　 　 　　| |　　　　　| 　 　 　 i l
　　　　　　　　　｛　　　　　　　　　| |　　　　　|　 i　　　| l
　　　　　　　 __＿彡ニニ二二 ヽ ヾニニヽノハ | 　 　l | 　　ｒー - ､
　---ｰ　''''"´　　　　　　　 　ヽヽ　＼　　ヽ ゝ　!|　 　くくヽｰ--　､ ヾヽ



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　それが公の場では殆ど自分に異を唱えたり、横から口を挟まない妻の声だったので
　　国王は隣に、ジェリドはわずかに視線を動かした。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ノ´　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　厂 　 　 　 　 　 ｀＞､ _
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ´　　　　　　　　　　　　　｀＞ ､
　　　　　　　　　　　　 .,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　 　 / /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 　 　 　 〈　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ',
　　　　 　 　 　 　 　 ∨ヽ、　　 ⌒ヽ、　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　 }　　｀　　　　 .,ﾍ　　　　　}　　 __　　　　　 　l
　　　　　　　 　 　 　 ｛　　 　 　 　 /　ゞ　　　　ﾉ ノ´　 ｀ ,:　 　 　 l
　　　 　 　 　 　 　 　 ゝ、　 　 　 /　 {〃ｲ , - '"　　　　　∨:　 　 j
　　　　　　　　　　　　　 ミ　 　　/　　 ヽ　!ﾘ　　 　 　 　 　 ∨:　　,'
　　　　　　　　　　　　　　∨ 　 ,'　　 　 　｛　　 　 　 　 　 　 ﾐ:　 ,'
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨　l ＜≧-.､,,_ 　 {_,,､-≦千＞　j:　,'
　　　　　　　　　　　　　　　 ∨lj 　ー ｔｧｰ ヽ　ヾ"￢ｔｧ ー　 lﾍ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　!K:!　　 ￣´ 　 l　　　 ￣´　　 j_）｝　　　　　　　「王妃様？」
　　　　　　　　　　　　　　　　l（l:!　　　　　　 j　　　　　　　　|)/
　　　　　　　　　　　　　　　　∨j　 　 　 　 ヾ;>　 　 　 　 　j ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヾ、　 　 　 _＿____ 　 　 　 /|:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾘﾍ　　　 ´　 ,,, 　｀　 r‐＜j､ﾉ,,,____
　　　　　　　　　　　　　　__＿＿| l|＼　　　　　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉
　　　　　　　　 　 　 　 i´::::::::::::::ﾘ｜　＼　_＿＿_／｜:.:.:/,､,､7:.: /
　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::::::::::::::|　　,､r─ ､_＿__ /:.:.:ムﾞ'ﾞ'/:.:./
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三４１９．
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　　説明もないままに国王に小さく頷いただけで、
　　一歩前に出た王妃は謁見の間の中央、
　　青いバンダナを巻いている少年に指を突きつける。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ............ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ィ:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:..､
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .:.:.:.:.:.:.:.{:ﾄ､ﾍ: 乂: 乂У/:.:.:／:ﾉ.:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:从乂ミヾ＼:ノ厶イУﾘ:.:.:.:.:.: ∧
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛j::.｀ヾ丐'′i ｀丐ｱ´小:.:.:.:.:.:.:.:.∧
　 　 　 　 　 　 　 　 -=彡:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:Vﾍ.　　　　､　　　 ﾑﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∧
　　　　　　　　　　　 　 ＼:.:.:.:.: //:.:.:.:.:.: Иﾍ. 　 、＿ , 　 从ｊ/:.:.:ﾍ:.:.:.:. : ∧
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼:.//:.:.://:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　　 　 イ:.:.:.:.:.:.:. ∧:.:.:.:.:.:ハ　　「そこの、背の高い冒険者。
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀` ＜/:.:.:.:.:/:/:::::| ＞ ＜ |:.i.:.:|:!:.:.:.:.:.:.∧:.:／　　　　名を何と言う？」
　 　 　 　 　 　 　 　 __＿,r―''''''ヽ,　/∧∨∧ﾉ 　 　 .: !:.l. 从ｊ_:.:＞ "´
　　　　　　 　 　 　 ,r‐' ,､;-‐''''""''ヾ､､,/ﾊ∨∧、　　.: ﾊぐ"´
　　 　 　 　 　 　 /' ／　　　　　r''"ヽ, ＼,Ⅵ/ハ＼ 　 l:|/|＼､、
　　　　 　 　 　 /j　l　,.　/　　　 '　 　 l　　ヽ､/ﾊ.ヽ＼,l:|/|///ﾊ┐
　　 　 　 　 　 ｛ ,.Lj∠､'´　　 , i,　 　 /　　 　 ｀ヾ､//,j:|/|/////ｊ
　 　 　 　 　 　 l,　　　　　 ／　二'''"　 　 ,;､, 　 　 ｀''ｰﾞ--､'///ﾊ
　 　 　 　 　 　 /ﾞヽ-ｯ-‐'´　.／｀ト-:rイ｢´ ﾞ　｀''　-､,＿　ノ////∧
　　　　 　 　 ／　 ／　,;∠∠,ノ´ 　 ｲ//ハ∧///////!//／∧/ハ
　　 　 　 .／ﾉ　.／　／､,__＿＿__,､'/／'////＼三三三三／'////｝
.　　　　　ヽ---ﾂ　 /.: : : : : :｀ｰ┼＜'///////////////////////
　　　　　　　　/　 /: : : : : : : : : : ∨'///////////////////////
　　　　　 　 ./､ ./: : : : : : : : : : : :.:∨////////////////////,ｲ
. 　 　 　 　 .l､,.ノ: : : : : : : : : : : : : :.:∨////////////////／//



――――――――――――――――――――
　　―――最初は、単なる偶然と思っていた。
――――――――――――――――――――

三４２０．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　だが武器こそ持っていないものの、背の高い二十歳前の少年、
　　竜の紋章を持つ板金鎧、青色のマントの条件を満たしているのであれば確認せねばならない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　　＿＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _／_,,.......,,,,..ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　 .,,i_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /;;|　　 （●）（●）|
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |;/|　　　（＿人_）│
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | 　 　 ｀ ⌒´　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 　 　 　 |　　　　　　　　「………やらない夫＝Ｄ＝ビップと申します」
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .　 ヽ　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / lヽ　 　　　/
　　　　　　　　　　　　　＿／ﾞヾヽﾉ_ヽ ￣ﾉ　,r‐;=
　　　　　　　　,r‐＜￣´､?ヽ、 ｀ﾄ-＝==＝ﾊ| 　 ,`v-, ､__
　　　　　 　 /　　 　｀ ｰ-｀､ｰ_`､ ,!'｀`'┴┴ヘ,|／.-'_´.-' 　｀ヽ
　　　　　　 l　　　　　　　　 r-ｨヽ.}ヽ､__　　_,.-ﾍ´‐'r-ｨ　　　　 |
　　　　 　 ﾉ 、　　　　 　 　ヽ_ｿ≠====:三===キヲ_ノ　　　　 |
　　　　 　 〉､ 丶､ _　 　 __,. ゝシ｀`ー---ll--‐‐ﾍゞ‐′ 　　 ,. ヽ、
　　　　 　 !、 `丶--'丶､＿_,ノ　　<＾＾>　||　　　 ヽ,--､ -‐',. イ´
.　　　　　 }､`_ー_'二フ７'､_}ヽｭ__,.., Ⅴ　´￣｀丶､_,ｯ}:::ゝ-二._,.ｲ
.　　 　 　 〉､_ 二 -ｨ′八ヽ ﾞ´Y　　　　　　　　　　}ﾘ::::::::{'ｰ--〈
　　　　　/ｰ--‐''´::::::/;;;;;ヽヽ､_>､　　,. -─‐- ､ノﾚi:::::::::ゝ､ーｲ
.　　　　 l::::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;〉｝　　Ｙ´　　　　 　 ｌ　|;;|::::::::::::::￣l
　　　 　 ゝ:::::::::::::::ノ;;;;;;;;;;;;く ﾉ　　 }　　　　 　 　{　l;;|::::::::::::::::丿
　　　 　,〉:::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;;/ ｀ヾ丶ゝ、　　　　　 ゝ'〈;ヽ､::::::::::`ヽ､
　　　　{:::::::::::::::::く;;;;;;;;;;;;r'､　　　,.､`丶` =--=''´'´ ,..ヽ､|::::::::::::::::::

三４２１．
――――――――――――――――――――
　　果たして、自分の知る存在なのか―――
――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　 　 　 /::::::::::::::::::::::ﾍノ!::::|::::::!::::::|:::!:::}:::i:::::}
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ﾆｾゞ､イｲfｱｲ::::::＼
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼　　　　　　「………そなた、正式に身分を
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>　　　　　証明できるものを持っているか？」
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ　　　　-─　, ′::::!::::::::ﾄ／
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__
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γ;;⌒ヽｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;｀＼;;;;;;;;;／;;;;;丿;;;イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 { 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　 　ノ
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三４２２．
――――――――――――――――――――――――――
　　果たして、あの少女の言った条件を満たす存在なのか。
――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _＿_
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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　. . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.: : : : '.
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 . . : : i、: :、乂: : : :{: : : j!: :.ﾉ: :!:l:.:.:.: : : : :'.
　　　　　　　　　　　　　　／　. . : : : :从乂:＞､｀ソ ゝ:ノﾉイ__ノｲノ:.:. : : : : '.
　　　　　　　　　 　 　 ／/　. : : : : :,小　弋¨えゞ、 /,ィえ¨才 从:.:.:.: : : : : :'.　　　　　「何も無いのか？
　　　 　 　 　 　 　 ／／　. . : :/　. いﾍ 　 　 　 　 :　　　　　ムﾉ:.:.:.:. : : : : :'.　　　　　たとえば、神竜の記章は？」
.　　　　 　 　 　 ／／ . . . : :// 　. : : |:.ﾍ　　　 　 ､;　　　　 / Ｎ:.:.:.:.:.:.:. : : : :.',
　　　　　　　　　　 ヽ . . : : // . . : : : :Niハ 　 　 , - ､　 　 /:.:.|:.:.:.:.:. i!.:.:. : . . :.'.､
　　　　　　　　　　 　 ＼. //:/　. : : : : :|:.:.: ＼　 ｀二´　　ｲW/:.:.:.:.:.:.:|!:.: : : : . . .:ゝ
　　　　　　　　　　　　　 ヾ.:/ 　 . :i : : :i|:.:.:.:.:.:| 　、 _　イ!.:.:.: |i:.:|i:.:.:.:.:|!i:.:.: : : ／
　　　　　　　　　　　　　　　｀ ＜. ｉ|: : :.ｉ|:.:.:.:.:.:|　　　　　 |.:.:.:.:|i:.:|ｉ:.:.:.:.:|!::＞ "
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ ＜:_ｉ|!＿:.:.j　 　 　 / |:.:.:.:.|i:.i|i＞ "´
　　　　　　　 　 　 　 　 　__＿......,,,,r≦≠＝′　　　/　い≦＜,,,_＿__
　　　　　　　　　 　 　 ,イ//////////ﾊ､、　　 　 　 　__ ....　∠////////ﾊ､_
　　　　 　 　 　 　 　 ///////////////ﾊ ､、　 __ ノ　 _ .イ/////////////ﾊ
　　　　　　　　　　　////////////////////≧==≦//////////////////ハ
　　　　 　 　 　 　 //////////////////////////////////////////////∧

698 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:17:22 ID:XmcaRazM くるよくるよくるよ！

三４２３．
―――――――――
　　そして―――
―――――――――



　　　　　　　　　 , --────-- ､
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐ｰ',!
　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　r‐ｰ1　 lﾞ　 .lﾞ
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　,lﾞ　 ,i´　lﾞ　 lﾞ
　　　 .／　　　　　　　　 ─── 　　　 ──＼　　　　　　　│　,"　 lﾞ　│
　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　　　|　 ,lﾞ　 .|,,,,,ﾉ
　　｜　　　　　　　　　／／:::::::::丶＼　　:／／::::丶丶　　　.Ｌ,,,ﾉ　 .,ｒ'"ﾞﾞl
　　.｜　　　　　　　　｜ {:::::::::::::::::|　 |　 ｜ {:::::::::::::|　|　　　ｒ'"＾ﾞl　　ヽ-'゜
　　　|　　　　　　　　　 ＼ヽ:::::::／ ／　　 ＼ヽ:::::::ﾉ／　　　ヽ-'゜
　　　.|　　　　　　　　　　　　　,／　　　　|　 　 　 ＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　｜　　　　 ｜　　　　 ｜
　　　 |　　　　　　　　　　　　｜　　　　 ｜　　　　　|
　　　 .|　　　　　　　　　　　　 ＼＿＿／＼＿＿／
　　　　|.　　　　　　　　　　　　　ヽ　　, ─ 、　ノ　'
　　　　.|　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　 |　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ）
　 　 　 丶　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 )
　　　　　　 .＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　 く
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ



―――――――――――――――――――――――
　　目を見開いた少年は、動揺で大きく体を震わせる。
―――――――――――――――――――――――

702 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:18:31 ID:DaHh6u2Q 身分証明狙い撃ちだなｗｗｗｗｗ 704 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:18:44 ID:g9444kB2 周りはポカーンだろうなｗｗｗ 701 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:18:25 ID:maFuh5oc この紋所が (ry 703 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:18:37 ID:XmcaRazM めにはいらぬか！

三４２４．



.., -,,,-‐,"´￣￣｀``'丶,　.／/i
'　}_i行}ｸ　　,,　　　　　 ヽ､ .l .|
_,,ﾞｰＺ彡l　 / ／/ .i　　i　､`''､|
　　 ,,　((　// ./ ./!li i　 li　l .l.l
_,／ l　i　//l ﾊ ./l ll .l　 ∧ l .l.l
"iィ'-l l　 l/l/　.ll l.l l ! ,/_ l l .li l
.l l l il　l　f.k薔ミl.. l .ll ,,-､; ;i l .ll
..ll.l l rl .l .l-ﾐ'彡"　　.l.尓i!i !l/
.l ll ､ l､l ､　""　　'　,,`'´'i .l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／!/ヽ::::＼::ヽ＼ヽ､::::::＼ヽ:::::::::::ミ./
.l.!l　/!l <i..ヽ､,_　 ‐ .,".イ　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　/::::!i::::',ヽ::iヽ＼:＼!::＼ヽ::ヽ`::::::::::ヽi.
ll/ ./ .! .!l`"ト-` ''´__l .l　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　//:::::i:::::::'.,ヽ:i:::::::`::ヽ::::ヽ＼:＼:::::::::ヽi
､ /_,,/／! ., ! ﾄ／--, ‐‐､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::l:::∧:､::､:!::iヽ_::::::ヽ:::ヽ＼:ヾ:::::≦
　l､____/　l　l　l　l､フ＼　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　iｿ:::::::::!:i{:)ヾヾヽ::i {:ｿヽ､::::::::ヽ＼::＼::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「「「？」」」　　　　　　　　ﾘ i!:::i:::::!ﾞ＝ﾂ` ｀ヾ!＝"　 i::::::::｀::ヽ:::::::ヾ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　i:::!i::::ｉ　ヽ　､　　　　　　i::::::::::::::::`:::､::ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 リ i!'i:',　 ｀　　　　　　　i::::::::::::::::::::::::＼ﾐ､
　　　　　　　 　 　 　 ,..::;ﾆ＝-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　!　 ! ﾊ. ヾﾆ= 　 　 　　!:へ:::､:::::::::ヽ＼`
　　　　　 　 　 　 　 i::/　　 　 、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:i 　ー　　 　 ,..ｨﾘ　　ヾ､ｼｧヾﾐ､
　　　　　　　　　　　,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　 ﾘヽ 　 　,..::'" 　! :　　／'"／　 ｀ｰｪ､
　　　　　　　　　／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀""´ヽ　　　 :. ／/ ／　 　 r'´　 ｀- ､._
　　　　　　　　/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　 :／ /ﾝ　　　　i　 　　　　　`ヽ
　　　 　 　 　 l:/::;'::::'オ/　!:::/へ|:::::::::::ﾞ:.ヾ:、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ'　 /　　　　　i　　　 　　　　　',
　　　　　　　 ,!,イ:::::/ !′ l::/　 .lﾊ:::::|;;::::l
　　 　 　 　 /i:::::!::/iTﾆT ,!;'　ｲﾆﾘ,!:::l｀､:|
　　　 　 　 　 !:（|:'!::l ゜┘/　　ﾟ‐：!:}::!　 ﾞ!
　　　 　 　 　 |::::M::::!､ 　 ο　 .ィ:i!ﾘ
　　　 　 　 　 |::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ￢＜:!::|::|
　　　 　 　 　 !::::|x<!:l　 |―|　,l:::|:::!
　　　　　　　 l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
　　　　　 　 ,':::::::|　 ヾ＞ﾐV∠}′ i|



―――――――――――――――――――――――――――――
　　もちろん、全く話の見えない三人や周りの衛兵、騎士、貴族達、
―――――――――――――――――――――――――――――

706 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:19:34 ID:fqBsbaH. 隣の国の新しい騎士団の紋章なんて一般人にはわからんのか…

三４２５．
――――――――――――――――――――――――――――
　　国王やジェリドもそのやり取りを訝しげに眺めているだけだ。
――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .　- －＝－- ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　.　: ´　　　　 　 　 　 　 ｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　 　 　 　 j　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ',
　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　ｉ | !　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　 .:　　　　　 {｛彡イノノノ ハソ ﾊ　　i
　　　　 　 　 　 　 　 　 {　 　 {　　 从////////ﾊィ//ﾊリ　}
　　　　　　　 　 　 　 　 i　 　 乂У　∨/////／∨////ソﾉ
　　　　 　 　 　 　 　 　 乂 　 　い　Ｙ ｀ー "´　　 ∨/ｲ′
　　　　　　　　　　　　　 彡　　　Ｙ从ミ 　 　 　 　'"´ ７
　　　　　　　　　　　　　　八　　　ミ、　 　 　 ⊂ﾆ7　/ﾐ　　　　　　　　「ハマーン？」
　　　　　　　　　　　　　　い　　　У ヽ　　　　 ｰ　 /ﾊ
　　　　　　　　　　　 　 　 ゞ＝=ﾘﾉ､、　 ＞ 、　　 /ﾉ
　　　　　　　　　　　　 　 /:::::::::/:.:.:.:.:.:.≧ｘ､、_￣彡､、
　　　　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::/:.:/　　｀ '･＜: : |!:.:.:.:|:.:.|
　　_ ...... _　　　　 .．＜｀::::::､/:.:/ ☆ ☆ ☆　〉:|!.:.:.:.|:.:.|
／::::::::::::: ｀Y￣｀ヾ::::::::::::::／:.｀:.:.＞ ．　　　/:.:.|!:.:.:.:|.:..|､、_ 　 　 ＿



　　　　　　　　　　_,.. -― ､_,-､
　　　　　　　 , ‐'´　　　　　　　ヽ
　　　　　　／　　　　　　　, -,　　ヽ
　　　　 ／　　　　　　　 / / , -j　 lj
　　　／　　　 , = ､ﾍ　_j　 ｲ 〃｀´ !
　 　 !　　　　　　〃ヽ､　　　ﾍ'ヽ　 !
.　　 |　　　　　 /　　 〃ｰrｰ'　　 ! |
　　　!　　　　 /　　　　　ヽ　　 　 l !
　　　ヽ　　　 {　　_,,__　　　　_,._‐''ﾘ
　　　　l,　 r ､ l '´-ﾆt'ﾃ''　　!┴' |
　　　　 i　{ r､l l　　　　　　　'､　 !　　　　　　　　（何をグダグダと………）
　　　 　 ! iヾｰl j　　　　 　 - '　 !
　　　　 _j人l Tl　　　　ー―,,'　 ト- ､
　　　 lく　　 Tヽ`ｰ- ､　　　　　l　　 〃
　　　 ヽヽ　　! ＼ヽ､,-ミェ- くﾄi　 〃
　　　　 ＞ヽ　ヽ　/7　 ﾊヽヽヽl　〃､＿＿
_, -‐ ''´　 ｀´l　 ヾ/　　ﾘ !　 l! lヾく　　　　　｀
　　　　　　　ヽ＼ ＼　　 '　 l /ィ7 '
￣￣￣ ｀ ｰ ､ヽ ＼ ヽ　　／イ/　　　　, - '
　　　　　　　　l　ヽ　ヽl／／ ﾚ　 ,. -‐'´

709 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:20:27 ID:XmcaRazM くそｗｗｗｗひっぱるねｗｗｗｗｗ 714 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:22:59 ID:Ea8QiFOI >>709 おまえ俺と同じで超2828してるぞwww 710 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:20:31 ID:NYgRoxl. キタキタキタ―！ 712 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:21:17 ID:V8uPBR0Q 水戸黄門のあのＢＧＭが脳内再生準備中

三４２６．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　その場の全ての注目を集めていたやらない夫は
　　後ろめたい部分がある事からしばし、沈黙を決め込むか悩んだ。
―――――――――――――――――――――――――――――



　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |:
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　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 :|::;:;:;:;:;:,.　　　 　 　 .,:;:;:;:;:;::|:　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿_ ノ
　　　　　　　　　　　　 　 :/:::.　　　　 　 　 　 　 　 　 |:
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　　　　 　 　 　 　 　//:　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:
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　　　　 　 　 　 　 ｉ,':　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ||
　　　　 　 　 　 　 l|:　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:
　　　　 　 　 　 　 :|:　　　　　 　 ,::..　　 　 　 　 　 　 |:
　　　　 　 　 　 　 :|:　　　　　 ／::.:.:. 　 　 　 　 　 　 |i　　ｸﾞｯ
　　　　 　 　 　 　 i|:　　　　 /￣｀ヽ::.　 　 　 　 　 　 ||
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　　　　 　 　 　 　 :|:　 　 　 | :／　＼　 　 /:　 /:　//:
　　　　 　 　 　 　 :ヽ＿＿_人.＿＿_＿_／:. ／_／´
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ￣￣￣￣



―――――
　　だが。
―――――

三４２７．
―――――――――――――――――――――――
　　だが、少なくとも自分は信じているのだと―――
―――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　￣　 　 ､_
　　　 　 　 　 ´　　　　 __....--‐'''"´: :＼
　　　　 　 _/_....-一'''".／ : : : : : : : : ／ヽ
　　,.ｘ‐て/: : : : : : : ／ : : : : : : : : ／: : : :ヽ
　/::,;:/そ|_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_|
./:/V　　 l　　　　　　　　　　　　　　,‐-,.._ ゞ
.V.　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　l　弋心 l
.　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
.　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!　　　　「それなら、確かに持っています」
.　　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'
　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'
　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　￣　｀ー -　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　　/
　　:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
　　ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



――――――――――――――――――――――
　　また、会える日を信じているのだとそれを肯定し、
――――――――――――――――――――――

三４２８．
――――――――――――――――――――――
　　やはり、と呟いたハマーンが声を張り上げる。
――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼://:.:.:.:/:.:.:.:.:./i }`|:.:.|￣` ﾐゝ､_i､:.:.|:.:.:.:./_j/≦,!:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ :.:.:.:/:.:.:.:.:i:.|∧' |:.:.|　 戈 t_ｯ≧ ﾂゝノｨｒj ﾁ∧:.:.|:.:.:.|:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼://:.:.:.:.:ﾚ'/∧|:.:.|　　 　￣　　　'´　￣　//| :.:|:.:.:.:|／
　　　　　　　　　　　　r= 二二≡ ヘ:.:.:.:.:.∨/ ∧:.:ゝ　　　　　　　l　　　∧/ i:.:.:|:.:／　　　　　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人人.ｨj､ﾉv1
　　　　　　　　＞ ´三二ミ ､///i∧//≧ - __ノ ￣ ､　　　 　 - ﾝ 　　/ ///:.:.／　　　　　　　　　　 ）
　　　　　　.／/／ /////{　 ∨/! ∧/∧i//ﾍ　　　　＼ 　　 -ﾆｧ　／!≠'､´ ヽ　　　　　　　　 ‐=､´　　アグリアスを急ぎ、ここに！
　　　 　 .///i´////////|　　∨i|　　V∧ i//ヽ　 !　 　＞　.. __ イ　/j　|//i　i､ヽ　　　　　　　　 ）
　　　　 ,斗ｨ´/////////ゝ､　 ∨i　　∨∧ﾍ //＼　 　 　 ／　ｲ　//　///j /∧ ',　　　　 　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ
　 　 　 |/////////////// ヽ |/ ミ_　∨∧ ヽ////￣￣iﾝ´//　//　////////! !
　 　 　 |///////////////|/l !/////｀ヽ//ｾ=‐/////ム_ﾝ ,ｲ //　/// 　/// 　|



　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　 　　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　 ｒ―― ､　　　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 ／　　　　 ＼　　　　＿__ 　 　 l´
　　　　　　　 　 　|　　　 __　　　 ／ 　 ＿__　　　ヽ　 ／二ヽ｀　　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　|　　／　ヽ　 /　　 　､＿,＼　　　`Yｰ ､ヽ 　 　 　 l
　 　 　 　 　 　 　| 　 l r.ソ/　/　　.＿　ｰ､ o､＼ ､ ノ ﾉ　|　　　　／
　　　　　　　　　　|　 | |（ /　/ 　　´￣　 ｀` ┘　ｿ ＿_ 　|　　／
　　　　 　 　 　 ／　 ヽヽｲ　l　　　　　　　　　　.　 fｰ｡､｀ |,／
　　　　　　 　 /　／　 ゝ, `'"　　　　　　　　　　　 ヽ`ｰ'／
　　　 　 　 　 |　l / ノノ/　　　　　　　　　＿_.　－ノ 　.l
　　　　　　　　レﾚ'" 　 l.　　 　 　 　／￣ー､＼ 　 　 /　　　　「王妃様！？
　　　　　　　/;;;`ヽ、　 　'､　　　　 .l|::::::::::::::::::「/　　／　　　　　何故そのような手間を！
　　　 　 　 /;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、　'､ 　　　 ヽ､＿::::::／　／
　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ､'､　　　 　＿￣　　/　　　　　　　　 アンマンでの事、
＿＿_／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r;;〉､　　　　￣　 ／　　　　　　　　　容疑者との関係を鑑みれば
;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｲ/　 `ーr､＿__／_　　　　　　　　　　疑う余地はないはず！」
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;|/`ー､__/;;;;;;;;;;;;;;:/;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;／;;;|　　　　　＼;;;;;;;;/;;|



――――――――――――――――――――――――――――
　　検査官の聖騎士の、よりによって筆頭を呼ぼうとする王妃に
　　ジェリドは慌てて反論したが、
――――――――――――――――――――――――――――

三４２９．



　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : :´￣ . : : : :￣｀: : . 、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　 . . . . : : : : : : :.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　. . . : : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.: : .､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , ′　. . . : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:. : :､
　　　　　　　　　　　　　　　　/　 . . : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.: : : '.
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　. . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.: : : : '.
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 . . : : i、: :、乂: : : :{: : : j!: :.ﾉ: :!:l:.:.:.: : : : :'.
　　　　　　　　　　　　　／　. . : : : :从乂:＞､｀ソ ゝ:ノﾉイ__ノｲノ:.:. : : : : '.
　　　　　　　　 　 　 ／/　. : : : : :,小　弋¨えゞ、 /,ィえ¨才 从:.:.:.: : : : : :'.　　　　　　　「控えよ！
　　 　 　 　 　 　 ／／　. . : :/　. いﾍ 　 　 　 　 :　　　　　ムﾉ:.:.:.:. : : : : :'.
　 　　 　 　 　 ／／ . . . : :// 　. : : |:.ﾍ　　　 　 ､;　　　　 / Ｎ:.:.:.:.:.:.:. : : : :.',　　　　　　これは非常に高度な外交問題である！
　　　　　　　　　 ヽ . . : : // . . : : : :Niハ 　 　 , - ､　 　 /:.:.|:.:.:.:.:. i!.:.:. : . . :.'.､　　　　　騎士風情が口を挟める事では無い！」
　　　　　　　　　 　 ＼. //:/　. : : : : :|:.:.: ＼　 ｀二´　　ｲW/:.:.:.:.:.:.:|!:.: : : : . . .:ゝ
　　　　　　　　　　　　 ヾ.:/ 　 . :i : : :i|:.:.:.:.:.:| 　、 _　イ!.:.:.: |i:.:|i:.:.:.:.:|!i:.:.: : : ／
　　　　　　　　　　　　　　｀ ＜. ｉ|: : :.ｉ|:.:.:.:.:.:|　　　　　 |.:.:.:.:|i:.:|ｉ:.:.:.:.:|!::＞ "
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ ＜:_ｉ|!＿:.:.j　 　 　 / |:.:.:.:.|i:.i|i＞ "´
　　　　　　 　 　 　 　 　__＿......,,,,r≦≠＝′　　　/　い≦＜,,,_＿__
　　　　　　　　 　 　 ,イ//////////ﾊ､、　　 　 　 　__ ....　∠////////ﾊ､_
　　　 　 　 　 　 　 ///////////////ﾊ ､、　 __ ノ　 _ .イ/////////////ﾊ
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――――――――――――――――――――――――――――――
　　危ないところだった、と胸を撫で下ろすハマーンに怒鳴り返されて
　　目を白黒させる羽目になる。
――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　 .,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　 　 / /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 〈　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ',
　　　 　 　 　 　 　 ∨ヽ、　　 ⌒ヽ、　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　 }　　｀　　　　 .,ﾍ　　　　　}　　 __　　　　　 　l
　　　　　　 　 　 　 ｛　　 　 　 　 /　ゞ　　　　ﾉ ノ´　 ｀ ,:　 　 　 l
　　 　 　 　 　 　 　 ゝ、　 　 　 /　 {〃ｲ , - '"　　　　　∨:　 　 j
　　　　　　　　　　　　 ミ　 　　/　　 ヽ　!ﾘ　　 　 　 　 　 ∨:　　,'
　　　　　　　　　　　　　∨ 　 ,'　　 　 　｛　　 　 　 　 　 　 ﾐ:　 ,'
　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨　l ＜≧-.､,,_ 　 {_,,､-≦千＞　j:　,'
　　　　　　　　　　　　　　 ∨lj 　ー ｔｧｰ ヽ　ヾ"￢ｔｧ ー　 lﾍ,'
　　　　　　　　　　　　　　　!K:!　　 ￣´ 　 l　　　 ￣´　　 j_）｝
　　　　　　　　　　　　　　　l（l:!　　　　　　 j　　　　　u　　 |)/
　　　　　　　　　　　　　　　∨j　 　u　 　.ヾ;>　 　 　 　 　j ｲ　　　　　「な、何ですと？」
　　　　　　　　　　　　　　 　 ヾ、　 　 　 _＿____ 　 　 　 /|:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾘﾍ　　　 ´　 ,,, 　｀　 r‐＜j､ﾉ,,,____
　　　　　　　　　　　　　__＿＿| l|＼　　　　　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉
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717 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:24:08 ID:NYgRoxl. ジェリド終了wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 718 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:24:12 ID:16EmbxXA 勝利確定ジェリド涙目ｗｗｗ 731 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:28:49 ID:16EmbxXA ジェリドさっさと逃げればつかまらなかったのになｗｗｗｗ 720 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:24:58 ID:XmcaRazM 一応所属はローゼンって扱いになるのね 722 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:25:14 ID:fqBsbaH. 身分なき放浪の冒険者だと思ったら隣国の近衛騎士隊長だったでござるの巻

三４３０．



　　　　　　(ヽ、００　　∩
　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ
　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）　　　(ヽ、００　　∩
　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
／￣ー―‐　、　　　　　　　　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ　 〇　 〇
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　 　 　　　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）
:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::i　　 ., -―- 、 　 ___
:::::::::::::::::::_＿_ノ､/〉'　 ／::::::::::::::::::て/::_:::ヽ
:::::::::::::::/ u　 て;/7　/::::::::::::::::::;ｧ､､:::「ｪ ヽ::〉 __
::::::::::::/　　　　 /〈　 i::::::::r､::／=ﾐ ｀く.u J／:::::::::＼
:::::::::::j　u　　 ､ ´_}ヽ.|::::::iｵ/u　ﾆi < iヽｧ/:::::r----J　 　.r:´二ﾆヽ
::::::::::i　　 （二７´_.L.,　､ハ　〉 　_　_ﾏ/ﾝ::::r ' ;tr /;j　　　i::/r-､r-|　 r一ー､
::::::::::|、　　 .r ' c ／､:.:.:ヽ ヽ　 ｰ」: : : : ii ヽu.___､/　 ＿ん' ｀´ム.'　 |:::r―┤
:::::::::／￣ ´」ｰ／:.:.:.:.＼:.:.＼＼__j: : : : : ヽ　ヽフ｀ヽ´　 | | ヽ'ｰン､ _/ﾊu.'_' |
i:i i:::i:iヽi　´　!':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.',:.:i: : : : : : : :「=| : : : |: !　　７!｀:´|<　 ７ﾏ.ヽー'

三４３１．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　ざわめきの中、一歩前に立つやらない夫を見つめる雪華綺晶、
　　エル、コナタの表情は様々だったが―――
―――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉´.,,,,,-----,,,,...ヽ_
　 　 　 　 　 　 ／ ／_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_|
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !　　　　　「……………」
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___　 　__　_))r-､ィ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {薔}　　　　　 λ廻 }⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.／　　　　　　 辷ﾆｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　 l　　l　l　 l　(( ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　/　ｌ　 ｌ|　/i| i|　i|　|　| ｌ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 　 　 /　/ l　|　l | / i|/_|/ |　!　! |　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「……………」　　　　　　　　 　 　 　 / 　| /!　| r//　 ｲ示ﾊ|/! /l l　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 　 /　 /ﾚ' l　l必}）　 弋沙/ l l　l|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　 /　　 l,ﾘゞ彳,　　　　　 ﾚ!　ｌ　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 /　 /　　　/ ﾉ八　 _　　　　 /　/　 i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 /　　　/　 l　l　ゝ､　　 _ ｲ　/ 　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .′　i　　／　 / /　/＿fTフ./　/ ﾍ. ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 i　 ／ ／　　/ /　/r| ／ノ　i　 i! しﾍ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 / / ／　 　 / / ／ﾉfi　ﾌしﾍ!　 |ｨ⌒´ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ / /　　　 / / {　 {　ﾉ≫≪　|　 |ノ⌒てi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i i　ﾉ　　 ／ /　ヽ　У|≫≪ λ　 ＼￣｀＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 // ( 　　 (　　＼　 i fてzr-z＿ﾉ ＼　 ＼　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ﾉ　　i　　　＼　　)　 )　　　⌒乙　 /　　/

三４３２．
―――――――――――――――――――――――――
　　やらない夫の背中は説明を拒んでいるように見えた。
　　だから今は何も聞かなかった。
―――――――――――――――――――――――――



.　 /,/;:;:;:;/;:;:;/;:;:;:;l;:、;:;ヽ;:;:;:;:ヽ;:;:;:ヽ;:;:;＼;:;:;:;:;:;l;:;:;:;:;:!｀'＼
　/　ｌ;:;:;:/ //;:;:!;:;:;ﾍヽ;:;:;:;＼;:;:;:＼;:;:;＼;:;:ヽ;:;:;:;:!;、;:;:|
./　/;:;:;/ //;:;:;:|ヽ;:;:'､;:;＼;:;:;l;:;ヽ;:;:＼;:;:ﾍ　i',:;:;:;| ヽ:;:;i
　　|;:;:/l;:l/;:;:l;:;:!ヽ＼.＼;:;:＼ヽ、＼;:;:＼ ', | i;:;:;i':,::＼|
　　| /;:;:/l |;:l;:;:| i´ f::::j ､＼;:＼　,rt:::j フl .! |ヽ:! !;:ヽi＼
　　| ヽ/ |､ヽヽ {　`＝‐' ヽ|｀ｰ ゝ`ｰ＝'　l ! |;:;:;l !ヽ＼- ゝ
　　|　 |;:;l ヽ＼ ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 / | i;:;:;:!.|:;::|:;:!
　　 　 |;:;l　|＼ヽ_,ゝ　　　　　i 　 　 　 　 / ,! :;:! !;:;:l;/
　　 　 | ∧ |;:;:ヽ' 、　 　 　 ｀ ´　　　　　/|/ l;:;:;ﾍ;:;:i
　　 　 |/　ヽ ∧ヽ,＼　　‐‐---‐‐　　 ｲ/;:;:;:|;:;:/ ヽ!.　　　　　「……………」
　　　　　　 |/　|∧|　＼ 　 　 　 　 ／ .| / l/;:;:l
　　　　　　　　 |'　 l　　 ヽ、　　 ／　　 l'／ ヽ/
　　　 　 　 　 　 　 l　　 　 ｀￣´　　　　l､
　　　　　　　　　,. '´　　　　　　　　　　　 ヽ､_
　　　＿_ ,..　'' ´ 　 ヽ　　　　　　　 　 /　　　｀'ー-　..__
-‐ '´ {´　　　　　　　 ヽ　　　　　　　/　　　　　　　　 ｀} ￣ 'ー- ､
　　　 ヽ　　　　　 　 　 ヽ　　 　 　 / 　　　　　　　　　/ /　 　 　ヽヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　｀`ヾ:.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾞ;,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.. . . . . ､/｀ヽ.-:‐:‐.-. . . ,_　,ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -,.ﾆﾞ-;.‐:'': : : : i: : : : : : : : : : : : : :｀:ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣　 ,　'　: :,: : : : :.l: : : : :.i: :､: : : : :.､: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 　 　 ／　　. ./. . . ./.:!:.i: : : : i､:.ﾞ､: : : : :`:、　　 ｀、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:/　i: : :.::::!: : /:/　　 !:!､: : :.|　　＼､: : : :!':,ﾞ、: : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j/　 .l: : .:::;::!: ://二二 ヾﾞ､: : |ニ二,,`:､: : :i: i:i: : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |: .::/!:::!: ハ! 行下　 ヾ: |　/示刀ﾍ: :.|: ﾘ: : :.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l: :/ !::::i: ﾊ　 っ::|　　　ヾ!　っ::/ /:::ﾍ |､: : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .l:/　l;::::V !i　`-┘　　　　└-'．/;::::::ﾊ!,!: : :.i
　　　　　　「……………」　　　 　 　 　 　 　 {' 　 i::::l. |:l、 　 　 '　 　 　 　 /::::: :/‐':: :|: j
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : ::|::!i:::::::i:::;:!": : : :, '{::::!::j::: : : :{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i: : ::!j У`>: : : : ∠,,_ l::::i::l:::. : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :j/　ｨ゛: : ;.-"三ミﾐ:i::::i:|::: : : :.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: /／/:.;.‐"´ 　 　 ｀ヾi:::i:!::: : : : !



――――――――――――――――――――――――――
　　彼が話さなくても、どうせ王妃からの説明はあるだろう。
　　ならば今は、それを待てば良いだけの事だ。
――――――――――――――――――――――――――

724 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:26:22 ID:V8uPBR0Q 正に黄門様じゃねえか 725 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:26:39 ID:svuqgnyc 面白いｗｗ 728 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:27:30 ID:16EmbxXA 外交問題って、ローゼンがこれでかかわってくることがあるのかな？ 単にない夫相手だけか？ 746 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:32:24 ID:UDxrQwLY >>728 いくら今は所属を外れているとはいえ、他国の救国の英雄を冤罪で処刑しちゃったら その国との外交関係が致命的に冷え込むのは確定的に明らか

三４３３．



　　　　　　 　7　　　　　　.１　i;;;;;;;;;;;:;;;l
　　　　　　　ゞ　　　　　　　｝. i!;;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　　｀ヾ‐------‐'i　 |:::::::::::::（
.　　　　　　　　 ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　 ヽ_;;;;;;;;;;ﾉ.
.　　　　　　　　　)::::::::::::::::::i　　　￣~~
.　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::）
　　　　　　　　/:::::::::::::::::.//
.　　　　　　　｛―--―-',/
　　　　　　　　`--――'
　　　　　　　i !　　　　　　　　　_　　　i !　　　　　　　　　_　　　i !
　　　　　 二　二~i　　　｛｝｛｝//　 二　二~i　　　｛｝｛｝//　 二　二~i　　｛｝｛｝//
.　　　 　　　|_|　|_|.　　　　　// 　　　|_|　|_| 　　　　　// 　　　|_|　|_| 　　　　//
　　　　　　　　　　　　　　　 " 　　　　　　　　　　　　 "　　　　　　　　　　　　"



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　　数分して。
　　具足の音も高らかに謁見の間に入ってきたアグリアスはまず入り口で一礼した後、
　　中央まで歩み寄ったところで三人に気がついた。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　-‐…‐- 　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,..　´::,,..　ヾ　 　 　　｀ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ　 ! ヾ､　　　　ヽ　　 　　ﾐ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　 　 　 / 〃 ヽ　 ヽ　ヽ　　 　　　　 　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /, ﾄ､　ﾄ､ 　 、、　､　　　　 　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ. / И､＼ヽ＼弋ヽ、 ﾍ　　 　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　.,'´　ヽ ヽ　 ｀`斗ﾍﾍ　 　 ! 　 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 　 　 ﾄ: :ｆﾃｧz､ 　 　 ィﾗ〒7}　　1|: :　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　 !　:|　じ'　 　　　 じｿノ{ 　　|〃/ヽ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　 　 /　:1　　　　　　　　　　| 　　| /ヽ　》
　「アグリアス＝オークス、　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　/　 :人　 　 　　　　　　/ 　　,|《 彡 ヽ
　 ご用命により参上いたしました！　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　:::./＼　「￣ヽ　 　/　 　 ∧彡,／ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　 　 /　./.,＞-､　-イ/ 　 　/ :ﾍ／/／ミ}＼
　………あなた方は！！」　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /,/ 　γ´/　 /r-ﾍ＿,イ　 　 /: : : ﾍ/ｰ-:.:∧ミヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 /　　　/　/　|/: : { 「 [_ / 　　/: : : : : :＞-‐… ‐-、＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　,/　Ⅳ,/´: : :| |　|/ 　　/: : : : ／　／　　　　　 ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 　 ,〃// /::: : : / / / 　　/: : : : /　　/　　　　　　 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠　　　　/_ノ厶ｲ : :／／ / 　　/-‐…/　　/　　　　　　 　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　/　　　 /; ; / 　 |／／|　/ 　　１ 　　∧　　　　　　　　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 1 ∧　∧　/ 　 /|／ヽ 　1 .　　 |　　. | |　　　　　　　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾚ　 ∨　ｿ1　 / .|/　 |＼んｲﾘW　　 |;|;1　　ﾄ　 　＿ ＿＿　　 　　1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 い::ヽヽ　!　１ 　| 　| 　 |　 　 ソ└ソ｀┴一　　 　　　 　ソ─┘

三４３４．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　名も知らぬ恩人達にまた会えた、と感謝の気持ちを露わに歩み寄ってくる彼女を見て、
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿,,＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,,-~、　　~^`-,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/i l |　　　ミヾ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 //i| | iヾヽヽヽ＼ヽ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .i/|i ＼ヾヽヾ＼ヾ,ヽi　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | | |二ヽ,＼＿ヾ＼| | .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 //i ヽU>　　TJ^ﾌ|i | |/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .///ﾉ|ヽ,　　　 ￣ ./|i| |ヽ
　「先程は本当に　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /"i|　|i＼　--　,イ|i　|i |.＼
　 ありがとうございました！」　　　　　　　　　　 / /|; |i　|l／i`ー-"i>,| i　/i　| )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i /il | i l／^ヽ|^i^i￣/|i ;i | i　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|i i| i |;//γ// /γ//;:ﾉノ^=,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,-ヽi/::::::|iγi|i　/γ//i:ﾉ,,、　　~＞,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.ソi|i:;::::::|iγ|i　|γ/|;／;:::~^-ー"::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,-=;| |i .,='i:::/:::::|γ|i　|γ|//;::::::::::::::/;::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／彡ヽ,,,＿|::i;:::::::iγVγ／;::::::::::::::::::|i;:::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　,,,,--=二il|　三　" /~~|;:＼;:::＼,,,,／;:::::::::::::::::::::::|;::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　;:-==~　,,,-=~ヾ＼,,,,;::.ノ　　 i;::::::＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／li;::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　／-=-~,,--==;/^~　　　　　 |;::::::::::[＿|i＿i|＿＿＿]　|i;:::::::::::::::::i.



　　　　 　 　 　 　 　 ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
　　　　 　 　 　 ー=ﾆ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j::ﾊ
　　　 　 　 --─=＝ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾミ:::::::::::}
　　　　　　　 ,,ｨ彡:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡ｲﾊ::く
　　　　　　／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::l::::::::',
　　　　 ／---─ｧ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::／:::ﾘ:::::::}ﾊ
　 　 　 　 　 ／/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::ﾂ<彡'/:::;イ::::::::::l:::|
　　　　　　　　/::::ｨ::::::::::::::::::::::::::,ｨ/ 　¨''=ｲ _,ｲ:::ｲﾃ ::::::::::ハj
　　　　　　 _,,ｲ／/:::::::::::::::::::::ｲ/ |　　/// 　.ノ　|¨ .::::::ｲ/
　　 　 　 　 　 ∠ イ:::::::::ｨ::/ .|　　　 　 　 　 ､ _｣ ｲ:／.j'
　　　　　　　　　　/ｲ:／ .|ｲ　 　＼　　　‐--- ／|:/
　　　 　 　 　 　 __ ｲ　　 j　　　　　＼　　ﾞﾞﾞ／ 　.ｿ　　　「いえ。
　　　　　　　　 /＼　　　　　　　 　 ／ヽ- '　　　　　　　　ゴーレムは？他の人達も無事ですか？」
　　　　　　　／　　 ヽ､　　　　　_ ｲ
　　　　　 ／　　　　　　ヽ､　　Y
　　　　 /　　　　　 　 　 　 ー┴､
.　　 　/　　　　　　　　　　　　 　 |
　　　/　 　 　 　 　 　 ＼　　　　 |､
　 　 i　　　／　　　 　 　 ＼ 　 　 ﾊ
　 　 |　　/　　　　　　　　　　ヽ　　 |



―――――――――――――――――――――――――――――――
　　また少し頬が赤くなったエルは思う。

　　今度は彼女が心強い援軍になるはず、と。
　　自分の―――自分達のした事は、決して間違っていなかったのだと。
―――――――――――――――――――――――――――――――

三４３５．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-──-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　／　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　/　　　　　　 　 　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾊ　 　 　 　 ､ 　 　 l　 l:...|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l:l＼ 　 　 ヽ　ヽ 　 .l　 l:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l:l 　 ＼,. イ　　 l　　}　ﾉ:人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ！ﾐ　 ´i::ﾉ人　 　V⌒).イ｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l　 　 　　 ';　 l _ノミﾐﾐヽ.: .ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,.小　__ 　 　ﾉ　「_⊥ミﾐ:ミﾐヽﾉ. :人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　}　ヽ __,. イ　 /.:.:.:.:.:.ﾄミﾐヽ彡'.:.ﾉﾊ
　「はい！　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　/　　.:::::ﾉ/　 /.:.:.:.:.:.:人ミ辷彡'ﾉﾉﾊﾊヽ,. -─- ､
　 先程すべて倒し終わりました！　　 　 　 　 /　/ 　,. ィ´/　／.:;.ｨ´／ /´ ￣￣｀`ヽ彡'ﾉﾉ´ ￣｀ `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　 /　/　／/　/ イ.::://:/　 /　　　　　　　 ヽ￣｀`ヽミミﾐヽ
　 被害も拡大しておりません！」 　　　　　　l　/　/ ./　/ __」 ｲ/:::′./　　　　　 　 　　 j　　　　`ミﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/′/ / ／　　　 ｛::::l　/　　　　　　 　 　／`ヽ　　　　ヽﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｛　1　´ 　 　 　　 ヽ:ヽ＼　/`ｰ-----‐'　　　j!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　Vハ　　　 　 　　　 ＼＼＼ヽ　　　 　__ ,.. イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 い::ヽ　　　_ ＿ _ 　　　 爪　ミｰ __--‐‐イ{L_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾉ::::.:.::.｀Y´.:.:::::::::::.｀`Y´.:.:.:/ヽ辷三二ﾆ彡人　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l.:.:.:::::::::.:.ﾉ. : : : :.: .: .: ;′.:./　 ﾉ. :. :. :. :. :. ﾉ　l1　 j!



　　　　　　　　　　　　/　＿_癶ぅ) ／　　　　　　　　　 　 癶ぅ｛＼　 ﾊ
　　 　 　 　 　 　 　 　 ′ {fγ{f ｱ }　　　　　　　　　　((_杙必〉｝　 ヽ　i
　　　　　　　　　　 　 ?　/ 込辷ソ　　　　　　　　　　　 癶辷り　　　V
　　　　　　　　　　　　 |　 i　(( / 　 　 　 　 ｌ　 |　　|　　　　 (｛ ＼ 　 ?
　　　　 　 　 　 　 　　ﾊ 　　 }′|　 |　 　|　|　 |　　|　 |　|　ｉ ＼　ﾊ, 　|
　　　　　　　　 　 　 /　',　　 |　 |　 |　　 |　|　 | T .ト _|　|　| 　 }　ﾉ　人
.　　　　　　　 　 　 / 　 }　　 |　 |　 | }}_.⊥_|　ﾊ/ /　从/　 ,　 / /　/　 ＼
　　　　　　　　 　 /　　.′/　|　 |　 |/だＴt｝ｧ'/ / 　ｒ=ミ，/　/ /　∧　　　丶
.　　　　　　　 　 /　　/　/　 ,}ﾊ人_{ﾒ { 必 k 〉　　　弋zｿ/　/　{　 {　＼ 　 　 ＼
　　　　　　　　 /　　/ ／　 ﾉ|}　　((ヽ弋辷ｿ 　, 　　.:.:.:./　/　八 八　 ハ　　　　ヽ
.　　　　　　　 /, -‐ ¨ 　 ／ /　　/ }　ﾊ(( 　 　 _ ..,　　 {　｛　/　 ﾊ　＼　} ＼　　　　　　　「良かった………」
　　　　　　／, -‐─… ´　 ′　/　|　(介　.　　｀ ´　 , ｨい Y　 / 　.　　y　　 ＼　 ?
　　　　 ／／　 /　　　 ﾉ/　　 /　∥ / }　rz_＞　 ＜γf＼＼＿ __} .∨　＼　　 ヽ }
　　　　{　{　　 ,　　　／ ｉ　 　/ ／ イ.／ Y＾YひfてﾉY^＼ハ ヽ　　ヽノ　人 丶　 } ハ
　　　　ヽ {　　i　　 /　　|　　 !/　　　{　／)う　 乂Y {ニﾆ .} }　}　　　∨´　 ﾊ ﾊ /　　}
　　　　 .} |　　|　( {,　　人　　| 　 　 ∧　"´r」几几{ｆ─‐　| } /　　 　ﾊ　 /' ? }　　/
　　　　 .} |　 .ﾊ　ハ 　 　 ＼ﾉ　 　 / ∧　 　ヽ ⌒ { ヲ　 /// 　 　 /'　V 　./　′ /
　　　　 {リ　/　Y　 }　　　　′ 　 , 　　 ﾊ　　 }_fてﾉ| 　 / { {　　　　　　 }　/　′ /
.　　　　 　　{　　＼ ヽ　　　{　　　　　　 /i　　/　　 {|　｛, 八 ＼　　　　 ﾉ /　′ /
　 　 　 　 　 ＼　　＼＼ 　 ゝ-‐┐　／ﾉ 　/）　　(}|　 ｝V　＼ ＼厶イ　′ 　 ,

三４３６．



　　　　　　〃￣｀
　　　　　　!|　　　　, ィ
　　　　　　ヾ､＿／:/--‐;ｧ
　　　　　 ／::｀::.::.::.::.::.::.｀ヽ
　　　　 /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ｀＼
　　 　 ,' : : .::.::.::.::.::.:: . : |.::.:}￣
　　 　 !.::.::.;;.;:.::.::..: .::.::.::.!.:ｉ:.|
　　　　l.::,;;';;';;';;.;;.::.::.::j.:/)ﾍ::|
　 　 　 !;;';;';;';;';;';;';:.::.j.:/ﾞ!::|`}　　　（………誰？）
.　 　 　 l;;';;';;';;';;';;';:./::.|ｲ::.!
　 　 　 λ;;';;';;';;';;';/.:: | |.:l
　 　 　 l:i:!';;';;';;';;';/:..:..:|ﾞヾ
　　　　j:|.::.i|;;';;';;/.::.::.::.|l!ﾊ
　　 　 |::!;;.::|;;';;/:.::.::.::.::|l|｜
　　 　 !::|';;.:l;;';'.::.::,'::.::.::!」｜



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　なおも沈黙しているやらない夫と、喜び合う三人とを見比べるコナタは蚊帳の外であったが、
　　防衛に出ていたアグリアスの反応が王妃の考えをより強固なものとしていた。
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　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
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　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ｹﾆゞ､イｲｦイ:::::::＼
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ 　 　　ー－ , ′::::!::::::::ﾄ／　　　　　「やはり、な………」
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´　　
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__
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γ;;⌒ヽｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;｀＼;;;;;;;;;／;;;;;丿;;;イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
´￣｀ヽ;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀＼;;;;;;;￣;;;;;;;／／;;;;;};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j

三４３７．



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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　 　 |::l 　ヽ　　　　　　　　　 　 ||::　|イ:＼::ヾ:/　 :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::|ヽ　 ___　　　　　　　　 , ||::　| |::ヽ､:‐/　...:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::|:::|ヽ 　 ｀`　　　　　／　||::　L|__ミ／ ...:::::/ヽ
　　　　「………国王様？　　　　　 　 　 　 　 |　:::|i::|ヽ　　　　_,､-'´　 __|!　 |:::::::|　...:::::／:/ .|
　　　　 彼らが何か？」　　 　　　　　　　　　　 |　:::||::|　` -‐'"r||イ´:::::::::|:　 |:::::::::|...::／/:/ ..::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 ::|!::|　　　　 |:|.|.|:::::::::::|::　 |::::::::::ト彡':/..::::;∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　:|:::|　　　　 |:|.|.|ｰ‐::::|::　 |::::／:::/＼...::／　.:〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |::| 　 　 　 |川-:::::::|:::　 |::::::::::::::::::::::＼::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |::|-─‐y‐ｿ,| |::::__:|::::　 レ'´￣￣￣￣｀`ﾞヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | .::i:...:::|　　/:::://! |'´:::::|::::　 |　　 　 　 　 　 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /「ｰ|/:/　 ,/　ヽ　　　　 ｀l:::::/.: i |　ﾞヽ､　　　　　　　　 　 ／ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　|__/:/ ∧ |　　レ'|　　　 |::::/ ::/ |　　　 ｀`''ー──‐''"´　　 |



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　そこで、はたと気がついてアグリアスは王座に不審の視線を向けた。

　　てっきり彼らの活躍が国王達の耳に入って、その報償の場に呼ばれたのかと思ったら、
　　何故だか武装解除をされている上に手枷まではめられているではないか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三４３８．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　普段なら不遜な態度をたしなめただろうが、
　　納得がいきません、と遠慮なく疑惑をむき出しにする聖騎士に
　　今は苦笑して準備をするよう促すハマーンと、
―――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　 　 　 /::::::::::::::::::::::ﾍノ!::::|::::::!::::::|:::!:::}:::i:::::}
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ﾆｾゞ､イｲfｱｲ::::::＼
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>　　　　　「細かい事は気にせずとも、
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ　　　　-─　, ′::::!::::::::ﾄ／　　　　　　 検査官として立ち会ってくれればそれでよい」
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__
;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;｀ヽ､__>;;;;ヽ;;;;ト;;｀ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ::::l;;;;ヽ;;;;;｀;,,､
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;;ー───''"/;;;;;i!;;;;;;;｝;;;;;;;;;;;＼



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､‐'"´　 ｀ﾞヽ.､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　,　 ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　.ﾊ. i　ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　.,ﾞ!　　 ／　　　　 ,　.ﾉ　!.!.　ﾞ,
　　　　　　　　　　　　　　j.|　　/　_,､-'._,､ｲ／　　!|　　!
　　　　　　　　　　　　　　l.l　 /イ'';Kﾞﾞ´ ／.-‐''''' ﾘ　;. |
　　　　　　　　　　　　　　l.| , ,|　｀ﾞ"　　　 'ﾞL;ﾉ> ﾉ /　|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 j |.! ﾊ,　　　　　　　　 ,ｨﾞ./　 .!
　　　　　　　　　　　　　/ .!| .l:::ﾄ､　 _ﾞ_ '　　　.ノｲ　　 .|　　　　　　　　「は、はい。
　　　　　　　　　　　　　!　ﾘ .|rj　ヽ　ｰ ｀ ,.ィ'´　|i　　 .|
　　　　　　　　　　　　　|j. |　ﾘ::｀'ｰrﾐ';=''-‐'|　j.ﾉ.|　　 |　　　　　　　　 ―――真実の神よ、
　　　　　　　　 　 　 　 /_j　 |:::::::::i　十;j::::::l､./　.|　　 |　　　　　　　　どうかその御力を分け与えたまえ。
　　　　　　　　　　 _,､‐'´ |　 |::::::::::|. （ （:::::::::｀ヽ､!i.　　!　　　　　　　　正しき言葉のみを我が耳に伝え、
　　　　　　　　　,＜;:::::::::::!　 |:::::::::l　 l　(::::::::::::::::!.|　　,ト､　　　　　　　虚言は地に落ちて呪われよ―――」
　　　　　　,r''"´　　ﾞヽ;::::j　 .|::::::::ﾉ .人, ﾞヽ､::::::::j.ﾘ　　!|:::ヽ,
　　　　　/:::::::::::::::::::::::::ﾞ;:!　　レ'´／　　 ヽ､.｀ヽ/:l　　.j.!::::::::ﾞ､
　　　　　|::::::::::::::::::::::::::::j　　 | ／　　　,.､,　 ヽ､｀'!　 /:l|::::::::::::l,
　　　　 .l::::::::::::::::::::::::／ l ､　|　　ﾄ､,／ .| ヽ,.イ｀'|　./ﾞﾒ;::::::::::::/
　　　　 .l;::::::::::::::::::::/　　 !|　 | 　 |　i　　|　 | .|　l　ｲ 'ﾞ ヽ;:::::::::|
　　　　　l::::::::::::::::::l　　　 'ﾊ,　l 　 ! .|　　|　.l　l　|　!.|　　 ﾞ､::::::l



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｾﾝｽ･ﾗｲ
　　訳が分からないながらも真実の神に助力を願い、嘘発見の奇跡の呪文を唱えるアグリアス。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三４３９．
―――――――――――――――――――――――――――
　　聖騎士に神の御力が満ちるのを待ってから王妃は問うた。
　　容疑者達にではなく―――
―――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,ｲ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ.
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ
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　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:从乂ミヾ＼:ノ厶イУﾘ:.:.:.:.:.: ∧
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛j::.｀ヾ丐'′i ｀丐ｱ´小:.:.:.:.:.:.:.:.∧
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　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼:.//:.:.://:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　　 　 イ:.:.:.:.:.:.:. ∧:.:.:.:.:.:ハ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀` ＜/:.:.:.:.:/:/:::::| ＞ ＜ |:.i.:.:|:!:.:.:.:.:.:.∧:.:／
　 　 　 　 　 　 　 　 __＿,r―''''''ヽ,　/∧∨∧ﾉ 　 　 .: !:.l. 从ｊ_:.:＞ "´　　　　　「それではジェリド、貴様に問う。
　　　　　　 　 　 　 ,r‐' ,､;-‐''''""''ヾ､､,/ﾊ∨∧、　　.: ﾊぐ"´
　　 　 　 　 　 　 /' ／　　　　　r''"ヽ, ＼,Ⅵ/ハ＼ 　 l:|/|＼､、　　　　　　　　　ホセイを殺したのは
　　　　 　 　 　 /j　l　,.　/　　　 '　 　 l　　ヽ､/ﾊ.ヽ＼,l:|/|///ﾊ┐　　　　　　　 彼らに間違いないのか？」
　　 　 　 　 　 ｛ ,.Lj∠､'´　　 , i,　 　 /　　 　 ｀ヾ､//,j:|/|/////ｊ
　 　 　 　 　 　 l,　　　　　 ／　二'''"　 　 ,;､, 　 　 ｀''ｰﾞ--､'///ﾊ
　 　 　 　 　 　 /ﾞヽ-ｯ-‐'´　.／｀ト-:rイ｢´ ﾞ　｀''　-､,＿　ノ////∧
　　　　 　 　 ／　 ／　,;∠∠,ノ´ 　 ｲ//ハ∧///////!//／∧/ハ
　　 　 　 .／ﾉ　.／　／､,__＿＿__,､'/／'////＼三三三三／'////｝
.　　　　　ヽ---ﾂ　 /.: : : : : :｀ｰ┼＜'///////////////////////
　　　　　　　　/　 /: : : : : : : : : : ∨'///////////////////////
　　　　　 　 ./､ ./: : : : : : : : : : : :.:∨////////////////////,ｲ
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　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　 　　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　 ｒ―― ､　　　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 ／　　　　 ＼　　　　＿__ 　 　 l´
　　　　　　　 　 　|　　　 __　　　 ／ 　 ＿__　　　ヽ　 ／二ヽ｀　　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　|　　／　ヽ　 /　　 　､＿,＼　　　`Yｰ ､ヽ 　 　 　 l
　 　 　 　 　 　 　| 　 l r.ソ/　/　　.＿　ｰ､ o､＼ ､ ノ ﾉ　|　　　　／
　　　　　　　　　　|　 | |（ /　/ 　　´￣　 ｀` ┘　ｿ ＿_ 　|　　／
　　　　 　 　 　 ／　 ヽヽｲ　l　　　　　　　　　　.　 fｰ｡､｀ |,／
　　　　　　 　 /　／　 ゝ, `'"　　　　　　　　　　　 ヽ`ｰ'／
　　　 　 　 　 |　l / ノノ/　　　　　　　　　＿_.　－ノ 　.l
　　　　　　　　レﾚ'" 　 l.　　 　 　 　／￣ー､＼ 　 　 /
　　　　　　　/;;;`ヽ、　 　'､　　　　 .l|::::::::::::::::::「/　　／　　　　「なっ！？
　　　 　 　 /;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、　'､ 　　　 ヽ､＿::::::／　／
　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ､'､　　　 　＿￣　　/　　　　　　　 何故私をお疑いになるのです！？」
＿＿_／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r;;〉､　　　　￣　 ／
;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｲ/　 `ーr､＿__／_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;|/`ー､__/;;;;;;;;;;;;;;:/;|
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――――――――――――――――――――――――――――――
　　容疑者達を捕らえたはずの、この国を守るはずの騎士に向けて。
――――――――――――――――――――――――――――――

738 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:30:18 ID:V8uPBR0Q 一時間前のジェリド：俺達もやがて伝説になる　（キリッ 749 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:34:00 ID:DPwK.xk2 >>738 伝説にはなるねw 期待しているのと、真逆のベクトルでw 740 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:31:11 ID:BZNMtoWo ジェリドは本当にダメダメだなぁ…なんていうか本当にダメだなぁ… 744 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:31:58 ID:svuqgnyc ジェリドﾌﾟｷﾞｬｰ 743 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:31:28 ID:NYgRoxl. うろちょろしていた冒険者に罪をなすりつけてやろうと思ったら絞首台に一直線でござるw ねえ、ジェリドさんどんな気持ち？どんな気持ち？

三４４０．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　本来なら、どのような理由があろうとも順番が逆だ。
　　どれほど疑わしくとも自国の騎士を最初に嘘発見にかける事などあり得ない。

　　それは騎士団を敵に回すも同然の行為で、
　　ジェリドの言葉に同意を示す衛兵や騎士達から大きなどよめきが漏れた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　(ヽ、００　　∩
　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ　　　　　　　(ヽ、００　　∩
　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）　　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ　　　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ
　　　　　　　　_冖___　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.-===、､
　　　　　　／　| |　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ　　　ヽヽ､
　　　　　/　　　| |　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :l匚ユ_＿＿__ｌ
　　　　　|　　　　　　　└|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jΘ-|l__-‐l.ｌ‐i|
　　　　　(　ニニニニニ　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 リ ..ﾑ＼　」∟i
　　　　　〕ｌ ｌ-‐‐i i‐‐--ｌ〔　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （ ( ─,' ヽ'´　ム
　　　　 （　 ヽ .,,,,ｌｌ,,,..　/　）　　　　　　　　　　　　　　　　,,....＿__,,,〉-!､＿O 只0),--- 、
　　／￣ト､　 ヽ　 　,'　 /--､　　　　　　　　　　　　　 ./ 　/ /　｀'''‐‐,‐‐''￣ .|　（　　 ヽ
　/　　 ,'|　i＼(0)只(0)/／￣｀ヽ､　　　　　　　　　　　 ｌ　/ ./　 　　 /　 　 　 ヽ　ゝ、　 ヽ
　|__／　|　ﾍ＿＿／　 |　　　　　 ヽ､　　　　　　　　　 ｌ/　 j　　,.-‐∧, 　　　　卜　 ＼＿|
　|＼＿|　　　,'　　　　　|＼　　　　　ヽ　　　　　　　　'ﾞY　Ｙ／´　　　 ｀ﾞ'''‐-､_rｲ ／￣｀ヽ
　|　　　|　　　i　　　　　ﾍ　＼―----'ﾞ　　　　　　　　　|　ｲ 　　 _,,....,,,,　　　　＾ 'ﾘヽ 　 　 ヽ
　|　　　|　　　|　　　　　　＼|　　　　　|　　　　　　　 　 ∟│ ノノー‐‐ヽゝ､ 　 │ 　、___..,,/
...|￣￣ﾍ￣　´｀''‐‐----,'　ﾍ　　　　 |　　　　 　 　 　 ..ﾃ─ﾚ'　'´| |　| | ヽヽ､__|　 　ﾍ----｀、



　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　 　 　 /::::::::::::::::::::::ﾍノ!::::|::::::!::::::|:::!:::}:::i:::::}
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ﾆｾゞ､イｲfｱｲ::::::＼　　　　　　　　　「高度な外交問題と言ったはずだ。
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>　　　　　　 世の中には、徒に尋問や検査官にかけることが
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ　　　　-─　, ′::::!::::::::ﾄ／　　　　　　　 国交問題になる人物も居ると覚えておくがいい」
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__
;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;｀ヽ､__>;;;;ヽ;;;;ト;;｀ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ::::l;;;;ヽ;;;;;｀;,,､
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;;ー───''"/;;;;;i!;;;;;;;｝;;;;;;;;;;;＼
γ;;⌒ヽｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;｀＼;;;;;;;;;／;;;;;丿;;;イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',



―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　しかし王妃は、騎士の信頼を損ねるよりも、よほど大きなものがあるのだと
　　彼らの反論を封じ込める。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

752 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:35:26 ID:DPwK.xk2 >>748 ジェリドさん、覚えておいても役に立てる機会はもうないだろうねw 750 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:34:10 ID:NYgRoxl. ジェリド糸冬了wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

三４４１．
――――――――――――――――――――――――――――――
　　政治的判断を持ち出されてはこれ以上文句を言うことも出来ない。

　　不自然なほど脂汗を垂らすジェリドは必死に考えを巡らせ、
　　なるべく事実に近い、核心に触れない程度で濁そうとするが、
――――――――――――――――――――――――――――――



ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!
l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l_＿! {＿} 　 .l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ´　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 厂 　 　 　 　 　 ｀＞､ _
ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　ﾉ´　　　　　　　　　　　　　｀＞ ､!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!
l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　.,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ ,l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ',
ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　∨ヽ、　　 ⌒ヽ、　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l|. .ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!
l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　}　　｀　　　　 .,ﾍ　　　　　}　　 __　　　　　 　l!..{＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛　　 　 　 　 /　ゞ　　　　ﾉ ノ´　 ｀ ,:　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ、　 　 　 /　 {〃ｲ , - '"　　　u.　∨:　 　 j
ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄミ　 　　/　 u. ヽ　!ﾘ　　 u 　 　 　 ∨:　　,'| .ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!
l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　∨ 　 ,'　　 　 　｛　　 　 　 　 　 　 ﾐ:　 ,'ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　l ＜≧-.､,,_ 　 {_,,､-≦千＞　j:　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨lj 　ー ｔｧｰ ヽ　ヾ"￢ｔｧ ー　 lﾍ,'
ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| !K:!　　 ￣´ 　 l　　　 ￣´　　 j_）｝　　　　　　　　　 　 　 　 　 ・ ・ .・ ・ ・ ・ .・
l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! l（l:!　u.　　　　 j　u 　　　　u.　|)/　　　　　　　　「げ、現場は見ておりませんが………」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨j　 　 　 u. ヾ;>　 　u　.　 　j ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ、　u　 　_＿____ 　 　 　 /|:ﾘ
ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒ﾘﾍ　　　 ´　 ,,, 　｀　 r‐＜j､ﾉ,,,____　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!
l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　__＿＿| l|＼　　　　u. 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉.! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i´::::::::::::::ﾘ｜　＼　_＿＿_／｜:.:.:/,､,､7:.: /
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ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　|::::::::::::／⌒／::::::::／::::::::::::く:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./､.　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!　　ﾄ､　| ｆ⌒!
l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　|:::::::::/／／::::::::／:::::::::::::／´:.:.:.:.:.:.:＞:<___＿＿＿＿ l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}　　l　ヽ! {＿}
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754 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:35:59 ID:V3IjDZbc やべえ、展開がドキドキする よく出来た詰将棋みたいだ… 756 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:36:04 ID:DaHh6u2Q アウトォー！！

三４４２．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　真実の神の目を―――その助力を得た聖騎士の耳を惑わす事など出来るはずがない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　-‐…‐- 　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,..　´::,,..　ヾ　 　 　　｀ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ　 ! ヾ､　　　　ヽ　　 　　ﾐ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　 　 　 / 〃 ヽ　 ヽ　ヽ　　 　　　　 　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /, ﾄ､　ﾄ､ 　 、、　､　　　　 　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ. / И､＼ヽ＼弋ヽ、 ﾍ　　 　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　.,'´　ヽ ヽ　 ｀`斗ﾍﾍ　 　 ! 　 　|
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 　 　 ﾄ: :ｆﾃｧz､ 　 　 ィﾗ〒7}　　1|: :　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　 !　:|　じ'　 　　　 じｿノ{ 　　|〃/ヽ｝
　「真実の神の名に於いて！　　　　　　 　 　 /　:1　　　　　　　　　　| 　　| /ヽ　》
　 汝の言葉に偽りあり！」　 　 　 　 　 　 　 /　 :人　 　 　　　　　　/ 　　,|《 彡 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　:::./＼　「￣ヽ　 　/　 　 ∧彡,／ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　 　 /　./.,＞-､　-イ/ 　 　/ :ﾍ／/／ミ}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,/ 　γ´/　 /r-ﾍ＿,イ　 　 /: : : ﾍ/ｰ-:.:∧ミヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 　 /　　　/　/　|/: : { 「 [_ / 　　/: : : : : :＞-‐… ‐-、＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　,/　Ⅳ,/´: : :| |　|/ 　　/: : : : ／　／　　　　　 ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 　 ,〃// /::: : : / / / 　　/: : : : /　　/　　　　　　 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠　　　　/_ノ厶ｲ : :／／ / 　　/-‐…/　　/　　　　　　 　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　/　　　 /; ; / 　 |／／|　/ 　　１ 　　∧　　　　　　　　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 1 ∧　∧　/ 　 /|／ヽ 　1 .　　 |　　. | |　　　　　　　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾚ　 ∨　ｿ1　 / .|/　 |＼んｲﾘW　　 |;|;1　　ﾄ　 　＿ ＿＿　　 　　1



　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .　- －＝－- ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　.　: ´　　　　 　 　 　 　 ｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',
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　　　　　　　　　　　　　 .:　　　　　 {｛彡イノノノ ハソ ﾊ　　i
　　　　 　 　 　 　 　 　 {　 　 {　　 从////////ﾊィ//ﾊリ　}
　　　　　　　 　 　 　 　 i　 　 乂У　∨/////／∨////ソﾉ
　　　　 　 　 　 　 　 　 乂 　 　い　Ｙ ｀ー "´　　 ∨/ｲ′
　　　　　　　　　　　　　 彡　　　Ｙ从ミ 　 　 　 　'"´ ７　　　　　　　「ぬうっ！」
　　　　　　　　　　　　　　八　　　ミ、　 　 　 ⊂ﾆ7　/ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　い　　　У ヽ　　　　 ｰ　 /ﾊ
　　　　　　　　　　　 　 　 ゞ＝=ﾘﾉ､、　 ＞ 、　　 /ﾉ
　　　　　　　　　　　　 　 /:::::::::/:.:.:.:.:.:.≧ｘ､、_￣彡､、
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　　_ ...... _　　　　 .．＜｀::::::､/:.:/ ☆ ☆ ☆　〉:|!.:.:.:.|:.:.|
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三４４３．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　感情の感じられない、氷のような眼差しで容疑者を貫くハマーンは確信に触れた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――



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　　　　　　　　　 　 　 ／/　. : : : : :,小　弋¨えゞ、 /,ィえ¨才 从:.:.:.: : : : : :'.
　　　 　 　 　 　 　 ／／　. . : :/　. いﾍ 　 　 　 　 :　　　　　ムﾉ:.:.:.:. : : : : :'.
.　　　　 　 　 　 ／／ . . . : :// 　. : : |:.ﾍ　　　 　 ､;　　　　 / Ｎ:.:.:.:.:.:.:. : : : :.',
　　　　　　　　　　 ヽ . . : : // . . : : : :Niハ 　 　 , - ､　 　 /:.:.|:.:.:.:.:. i!.:.:. : . . :.'.､　　　　「ジェリド＝メサよ。
　　　　　　　　　　 　 ＼. //:/　. : : : : :|:.:.: ＼　 ｀二´　　ｲW/:.:.:.:.:.:.:|!:.: : : : . . .:ゝ　　　 ホセイを殺したのは貴様ではないのか？」
　　　　　　　　　　　　　 ヾ.:/ 　 . :i : : :i|:.:.:.:.:.:| 　、 _　イ!.:.:.: |i:.:|i:.:.:.:.:|!i:.:.: : : ／
　　　　　　　　　　　　　　　｀ ＜. ｉ|: : :.ｉ|:.:.:.:.:.:|　　　　　 |.:.:.:.:|i:.:|ｉ:.:.:.:.:|!::＞ "
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ ＜:_ｉ|!＿:.:.j　 　 　 / |:.:.:.:.|i:.i|i＞ "´
　　　　　　　 　 　 　 　 　__＿......,,,,r≦≠＝′　　　/　い≦＜,,,_＿__
　　　　　　　　　 　 　 ,イ//////////ﾊ､、　　 　 　 　__ ....　∠////////ﾊ､_
　　　　 　 　 　 　 　 ///////////////ﾊ ､、　 __ ノ　 _ .イ/////////////ﾊ
　　　　　　　　　　　////////////////////≧==≦//////////////////ハ
　　　　 　 　 　 　 //////////////////////////////////////////////∧



　　　　　　　　　　_,.. -― ､_,-､
　　　　　　　 , ‐'´　　　　　　　ヽ
　　　　　　／　　　　　　　, -,　　ヽ
　　　　 ／　　　　　　　 / / , -j　 lj
　　　／　　　 , = ､ﾍ　_j　 ｲ 〃｀´ !
　 　 !　　　　　　〃ヽ､　　　ﾍ'ヽ　 !
.　　 |　　　　　 /　　 〃ｰrｰ'　　 ! |
　　　!　　　　 /　　　　　ヽ　　u　l !
　　　ヽ　　　 {　　u,__　　u 　_,._‐''ﾘ
　　　　l,　 r ､ l '´-ﾆt'ﾃ''　　!┴' |
　　　　 i　{ r､l l　　　　u.　　'､　 !　　　　　「……………」
　　　 　 ! iヾｰl j　u, .　 　 - '　 !
　　　　 _j人l Tl　　　　ー―,,'　 ト- ､
　　　 lく　　 Tヽ`ｰ- ､　　　u 　l　　 〃
　　　 ヽヽ　　! ＼ヽ､,-ミェ- くﾄi　 〃
　　　　 ＞ヽ　ヽ　/7　 ﾊヽヽヽl　〃､＿＿
_, -‐ ''´　 ｀´l　 ヾ/　　ﾘ !　 l! lヾく　　　　　｀
　　　　　　　ヽ＼ ＼　　 '　 l /ィ7 '
￣￣￣ ｀ ｰ ､ヽ ＼ ヽ　　／イ/　　　　, - '
　　　　　　　　l　ヽ　ヽl／／ ﾚ　 ,. -‐'´



―――――――――――――
　　しかしジェリドは答えない。
　　答えられるわけがない。
―――――――――――――

759 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:37:13 ID:NYgRoxl. 絞首台まで一マイル。 761 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:37:55 ID:V8uPBR0Q もう棺おけに片足突っ込んでるレベル

三４４４．



　　　　　　　　 ,　　"￣￣｀　　、
　　　　　　　／　　　 ＞ ､　_,...、ヽ
　　　　　　/　　　 ／:::::::::::::ヾ:::::.　＼
　　　　 ／　　 ..　ｌ:::::::::::::::::::::}ﾊ::::::..　＼
　 　 ／　 /　 ｌ::l:::ゞ､::::::::::::::ﾉ_;;}:::::::ヽ　 ＼
　　く　　/　　ｌ |:ｌｰtﾃﾞヽＹ t:ｧ=ｌｌ:::::::::::＼　 ＼
　 　 ｀ /　 ノ::::ﾍ:ｌ　　　 ,　 　 ｌ:::::::::::::::::::＼＞'
　　 　 ＼　/:::::::::::､　 ‐. ‐ 　 '::::::::ｌ:::::::::／
　　　　　 ＼ ｌ::::::::::|＼__　イ:::::::::::ｌ::＞'
　　 　 ―‐ ､二二ﾉ　　 　 |-､―- ､　　　　　　　＼_人人∧从_人_从_/／
　　 /;;;/;;;;;;;;;;;;,,ﾐ､;;;＼__　　ヾ:;;ヾ:;;;;;;l　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　 ＞
　 ./;;;/;;;;;;;;;;;_/　};;ヾ:;;＼＿／};;;;ｌ;;;;;;|　　　　　　　＜　　　答えよ！　　　＞
　/;;;;;;;;;;;　／､ 〈_;;;;;;ヾ:;;;;｀ ‐ ';;;;;;ヾ;;;|　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　(
_〈;;;;;;/;;;;;ﾊ ヽ Y｀´⌒};;;＼;;__;;;;ノ;;;/;;|　　　　　　　　／＾Y∨⌒Y^YY^^Y^
　 ヾ|;;;;〈 ､ヽ_ゾﾉ￣;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／
　　 |;;;;;;;{ '｀´ /} -;;;;;｀ ー--―';;/
　　 |;;;;;j弋__ノ/;;;;;::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;ヽ
　　 ヾ;;;;ゝ-／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//;;;;;ﾍ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ノ´　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂 　 　 　 　 　 ｀＞､ _
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ´　　　　　　　　　　　　　｀＞ ､
　　　　　　　　　　　　　　　 .,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 / /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ',
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ヽ、　　 ⌒ヽ、　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　 }　　｀　　　　 .,ﾍ　　　　　}　　 __　　　　　 　l
　　　　　　　　　　 　 　 　 ｛　　 　 　 　 /　ゞ　　　　ﾉ ノ´　 ｀ ,:　 　 　 l
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ゝ、　 　 　 /　 {〃ｲ , - '"　　u.　　∨:　 　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　 ミ　 　　/　u .ヽ　!ﾘ　　u　 　 　 　∨:　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ 　 ,'　　 　 　｛　　 　 　 u. 　 　 ﾐ:　 ,'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨　l ＜≧-.､,,_ 　 {_,,､-≦千＞　j:　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨lj 　ー ｔｧｰ ヽ　ヾ"￢ｔｧ ー　 lﾍ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!K:!　u . ￣´ 　 l　　　 ￣´　u j_）｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l（l:!　　　　u .　 j　　　u 　　　 |)/　　　　「……………」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨j　 u. 　 　 ヾ;>　 　 　 u　..j ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヾ、　 　 　 _＿____ 　 　 　 /|:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾘﾍ　　　 ´　 ,,, 　｀　 .r‐＜j､ﾉ,,,____　　ﾀﾞﾗﾀﾞﾗﾀﾞﾗ
　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿| l|＼　u 　　　 　u　.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉
　　　　　　　　　　　 　 　 　 i´::::::::::::::ﾘ｜　＼　＿u＿_／｜:.:.:/,､,､7:.: /
　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::::::::::::::|　　,､r─ ､_＿__ /:.:.:ムﾞ'ﾞ'/:.:./
　　　　　　　　　　　 　 　 　 |::::::::::::／⌒／::::::::／::::::::::::く:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::::/／／::::::::／:::::::::::::／´:.:.:.:.:.:.:＞:<___＿＿＿＿
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　　　 　 /7＾/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|l:::::::/::::/::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　 　 　 //::/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!l::::｛:::::::::::::::::::::::::::::::／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:



――――――――――――――――――――――――――――――
　　真実を聞き分ける神の御力がこの場にある以上、沈黙も肯定だ。
――――――――――――――――――――――――――――――

763 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:38:01 ID:XmcaRazM ほれジェリド、使えよ　つ「貴様は…俺のおおおおお！」 765 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:38:59 ID:DaHh6u2Q ジェリドのAAもそろそろ見納めなのかな……

三４４５．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　自分たちに濡れ衣を着せようとした金髪の小僧に今こそ天罰よ下れ、と
　　エルは耳に手を当てて答えを促し、
―――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::､::::::､::ヽ､::ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//N/l:l､:::::::::::､::ﾄ､:::::::::::|l:::トl＼〉 Ｗ＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　///l | l:l└ヘl＼ｖ l`￢ｖ::|l:::V　 へ Vヽ､:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 /ｲ/::ﾚl ハ l＼ﾄﾄ､l| ﾄl＼ V l::::∨l::_;ｒ1::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾟ ｛l|::::::l'::A`ｌ::::::::|ヽN::::::::ヽｖ:::::::::://, 1::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌﾞ|::|::::l:|｛i::::::::N〃＼::::l::::ｌ|::::::::,' ' ' ｒﾍ::::::ﾄ｡l
　　　　　　　　　　　　「王妃様がお尋ねですよ？」.　　　　　　　 　 l/l::::ﾄﾄ∧､:ｌ| i､ ｛;;)ヽ|::::'l::::::::| | | |　l::::::l ﾟi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾟ　l::::lﾝ　 lﾍl| `三彡/!::::::::::::;ｊ｜| |　';:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　ヽ:|ヽ、.　　　　　//ｨ::::::::/ | | ､ ､　Vﾄl＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l'l::ﾊ ｔ. ､＿_,　///::!::::::{ _ｊ ヽヽヽ　V｀ /＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 　 　 　 　 |' lﾍ　ニ¨´　/ 从|::l::/　/ ､ 　 　　∨ ￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　 ﾄ　＿　.</｡ ﾉ/ｿ　∧　∨　　　 〉　　　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l、　|　　　 |､ ヽ{／ .イ　ﾊ　 ＼ 　 /　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | ＼|　 　 ∧ヽ {　　　　,　}　　 ｀ /　　_　 ――ﾍ



　　　　 　 　 　 　, ｨヘ￣＞y‐ｧ-─ -､ ＿
　　　　 　 　 　 　|/　〈(薔)Y⌒ヽ　　　　　　｀`丶､
　　　　　　 　 　 /　/( >‐<　,　/　　 !　　 　 　　　 ＼
　　　　　　　　 /　//　こ)　/ /　 !　!　　　　　　　　（(_/⌒Y⌒ヽ
　　　 　 　 　 /　 l/　, /　/ / 　 !　! 　 　 |　　| 　　i|　/Y ﾆYi　i
　　　　　　　/ 　 /　// l/i /　　l　,!　,　　|　　 ! 　　||.:i 人式i|　|
　　　 　 　 / 　 /　　 ,ｲ　/ 　　l　 ）/ 　 l　　/ 　 / l|::|! /^Y^i　|
　　　　　 ,/　 / 1　!（(　/　 ,rr＝' l/　 /l　 /　　/ / l::|　 _ノﾉi　|
　　　 　 / 　/ 　|　|:.:〉こ二仆 l　/1　/ l　/　　/ /　|.:|（( _ ノ　 |
　　　　,/　/　 　|　|:〈{ (Y) ） ）}l/　l / ─‐- ､./ /　/^i^7 　　　 |
　　　 /　/ 　 　 〉ﾄﾄ､ﾄ､こ ﾆソ　　　　r=＝ﾐ､ ヽ| ,/ / |/　　 　 ,′
　　 ,/　/ 　 　 // V^l/ ー‐'′ 　 　 { ,fか} 〉i::/　/　/　 　,　/　　　　　「私達はやっていませんよ？」
　　/　/ 　 　 //　 l{ _)　　 　 　 　 　 ゞ‐‐ < :/ｨｲｲ /　　 / / |
　,/　/　　　 //　　|,.ﾍ　　　ヽ ＿, 　　　 　／ 　 / /　　 / /　.!
　′/ 　 人//　　/(⌒) 、 　 　 　 　 　,.ィ:/ 　 / /　 　/ /　 .:|
　　/ ／ 　　 >イ 　 入L1 >‐──一<⌒/ 　 / /／!// /　 . :.|
　_／　　　　（　 〉二ﾆ　　 / ⌒Y⌒ Y　/ 　 ,/ /　　|/ /　 .:.:::::|
　　　　　　　　Vr‐-,　　, 人＿人＿人/ 　 / / ～～＼　.:.:.::::::|
　　　　　　　　 ）.::<＿ノ入 ＿ _ノ入_/ 　 //´　 　 　 　 ヽ:::::::::|
　　　─ <⌒Y´.:.:/｡ﾟ /´￣｀7弐く7 / 　 //　　 　 　 　 　 `,::::::|



――――――――――――――――――――――――――
　　アンマンの時から腹に据えかねる物があった雪華綺晶も、
　　聖騎士に繰り返し真実を告げる。
――――――――――――――――――――――――――

767 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:39:31 ID:NYgRoxl. 楽しそうだなぁw

三４４６．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　数秒して。
　　忌々しげに大きく息を吸い込んだ国王が腕を振り上げて命令を下し、
―――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　ﾊ　|　 、　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 | |　| 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　いl ヽ,l＼＿ ＼ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | / 　 　 ﾄ'　　__ , --｀ｰ ｀ｰ､ __ゝ　　l　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|! 　 ,-＝､__f´::,.- =‐'´:.:.:.:.:.:.::::::）　 ﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 |:::::::::::::::::::::::´ ,‐tｧ‐=-　　`r‐ｲ　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽヽ|:::::::::::厂ヽ:::::. :￣:.:.:.:.:.:.:.:::/　{　 　 　 ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼!::::::::/　　 ＼:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ 　 ヽ 　 　 | ＼
　「その者を捕らえ、　　　　　　　　　　　　 　 　 l::::/ 　 　 　 ヽ---一 ' 　　､_ノﾉ　　 ﾄ､ ハ　l
　 即刻取り調べるのだ！　　　　　　　　　　　　 ヾヽ､_ -　　　　　　　　　　､_フ′/ /　＿/ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ',　__　　 　 　 　 　 　 ヽ＿∠ノ　/　 ヒ´ノ
　 多少手荒手段でも構わん！」　　　　　 　 　 　 　 ', ,-―‐--　　 　 　 　 　 　 　 /｀l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ',　--　　　　 ＿＿_＿　　　 /　 ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　| r――-　ニニニニニヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　 　 　 　 | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ　ﾉ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r,――‐　´￣ヽ＿＿　‐┤l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::―‐/ ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 {{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| 　 l　｜|:::::::::::::┌────‐┐ヽ! ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ノ　　 l　 | |::::::::::::: |=<>ﾆ<>ﾆ<>=|::::::::::::ﾉ　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヾ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ＿,.r┴┤|::::::::::::└――――‐┘:::::::ヽ＿_ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ!　　', ',::::::::::::::::::::::::::::, -――::::::::::::::::::::::´＜



　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　 　/￣￣＼＼
　　　　　　　　　／　　　　　ヽ　ヽ､
　　　　　　　　 |､　　　　　　　ﾞi ﾞiﾍ
　　　　　　　　〔＼｀'‐-∪　　　└'　i
　　　　　　　　|∩　＼＿　　　　 ＿|
　　　　　　　　|∪＼　|´｀''''''''''''''''''''i|
　　　　　　　/　|||/ 　｀''''''´´￣ｌ 「'''/　　　　　　　「り、了解しました！」
　　　　　　　|　　　　　　　　　,-ｌ ｌ ｌ
　　　　　　　＼iiiiiiiii　　　/／／　 ヽ___
　　　　　　／ﾍ｀'''''ヽ　　　　 　ｪｭ 丿＼　ヽ
　　／￣|::::::::::＼　　＼__(⊃-‐‐⊂)‐ﾞi::::ヽﾉ
　/　　　 |::::::::::::::ﾞi　　　｀'‐‐‐‐'´　　　ﾍ::::ﾍ
/　　　／::::::::::::::::::|　　　　　　ヽ　　　　ﾍ::::::/ﾍ
|　　／―--､::::::::::|　　　　　　　ヽ　　　　ﾍ/　ﾍ
|　/　　　　　ﾍ::::::::/　　　　　　　∧___----|　　ﾍ
ｌ/　　　　　　/／　ﾞi　　　　,,-‐‐'　　　　　/―''''〈
└―--､,-‐ｌ|　　　　　,--‐'＿　　 　　 　 |／￣　ﾞi



――――――――――――――――――――――――――
　　予想もしなかった騎士団からの裏切り者に戸惑いつつも、
　　騎士と衛兵達がジェリドをぐるりと取り囲んだ。
――――――――――――――――――――――――――

三４４７．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　審判は下された。
　　いや、エルに言わせればお遊戯の終わりに過ぎない。

　　凶器を処分したために武器すら持っていなかった男は抵抗する事すら出来ず、
　　一秒前まで仲間だった騎士達に易々と拘束されてしまう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　_,, - ''"　　　　　　　　　　 `ー-､_
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　 　　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　 ｒ―― ､　　　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 ／　　　　 ＼　　　　＿__ 　 　 l´
　　　　　　　 　 　|　　　 __　　　 ／ 　 ＿__　　　ヽ　 ／二ヽ｀　　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　|　　／　ヽ　 /　　 　､＿,＼　　　`Yｰ ､ヽ 　 　 　 l
　 　 　 　 　 　 　| 　 l r.ソ/　/　　.＿　ｰ､ o､＼ ､ ノ ﾉ　|　　　　／
　　　　　　　　　　|　 | |（ /　/ 　　´￣　 ｀` ┘　ｿ ＿_ 　|　　／
　　　　 　 　 　 ／　 ヽヽｲ　l　　　　　　　　　　.　 fｰ｡､｀ |,／
　　　　　　 　 /　／　 ゝ, `'"　　　　　　　　　　　 ヽ`ｰ'／
　　　 　 　 　 |　l / ノノ/　　　　　　　　　＿_.　－ノ 　.l
　　　　　　　　レﾚ'" 　 l.　　 　 　 　／￣ー､＼ 　 　 /
　　　　　　　/;;;`ヽ、　 　'､　　　　 .l|::::::::::::::::::「/　　／　　　　　ヽ人_从人__从_从人__从_从人__从人ﾉ
　　　 　 　 /;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、　'､ 　　　 ヽ､＿::::::／　／　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ､'､　　　 　＿￣　　/　　　　 　 ＜　　　くそっ！　　　　　　　　　　　　　　　　＞
＿＿_／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r;;〉､　　　　￣　 ／　　　　　　 ＜　　　どうしてこうなったァァァ！！！　　 .＞
;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｲ/　 `ーr､＿__／_　　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;|/`ー､__/;;;;;;;;;;;;;;:/;|　　　　　　　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;／;;;|　　　　　＼;;;;;;;;/;;|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 　 ,,,.:-‐,,..... -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ::':ﾙ'´:ｰ''´::::≦-
　　　　　　　 　 　 　 　 　　　r''ﾆ、:::::ニ＝-:､::::二ｪｪｯ=-‐
　　　　　　　　　　　　　　　 r'::::::ﾆ-､::::::::ミﾐヽ､::::::::::::::＝ﾆ＿
　　 　 　 　 　 　 　 　　　 /:://:::::ミ､::::::::::::＼ヽ､:::::::::::::＜
　 　 　 　 　 　 　 　　　　,':::,'::::iヽヽ:::ミ:::::､:::::::::＼:::::::::::::ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::::!:::::ヽ:ヽ::::::::::`:::::::::ヽ:::ヽ::::::ヾヾ､
　　　　 　 　　　　　　　/"i::::::::::::ｉﾞ_､:::::::::!＼vヽ、:::::::::ヾ:::＼
　　　　 　 　 　 　　　　　 i:;::::l::',:li ｏヽ`ヾi. Y'ｏﾞﾘ､:::::::::::iｰ=ヾ
　　 　 　 　 　　　　　　　/ lﾊ::::',ｉﾞー" 　 ′ ー" i:::::::::ヾ､
　　　　　　　　　　 rｲ￣'",ﾆ､!:::::i.　 　　. . 　 　　,':j::lヾﾔ-､_
　　　　　　　　　／ |　　　l　lｻ!::iヽ 　 . --､ 　,.ｲ::l!';:l　　　 ,ヽ　　　　　　「あなたの頭が悪いから、
　　　　　　　　　|〉　!　　　|　l八ﾞ!　＼　￣ .ｨ'　/ｉ! i '!　　　i　i　　　　　　 以外に理由があるとでも？」
　　 　 　　　　／<　';,.　　 l　| ヽゞｬ-､`＝ﾝ　_ｿ, !　i　　　 ,'　ヽ
　　　　　　　 〉ヽ-`'　i!/｀`ｉｰ',　 ｀`-ﾆ_--‐'ﾆ-' ,'　 / ｉ　 / i　i l
　　　　　　　/ 　' , ,,,i'´!、 l-　ヽ=- -‐-;'''´　　　 　　 ｌ　　, ' ,' .i　ｷｯﾊﾟﾘ
　 　 　 　　/　　　ﾞl　i　 'i　j/　 ,..-‐'￣　　　　 　　　 !　/　　　|
　　　　　 /　　　　 ll､ヽt,ｹﾝｪ‐'´　　　　　　　　　　　 ,!'　　　　.|
. 　　 　 i┴､＞ﾆ ﾝ`''＝ｰﾝ´ヽ　　　　　 　 　　　　　/ヾ!ー,-,ﾝ.i
　　　　 ﾘﾝニ--/　　 　, ' 　　ヽ　　　　　　　　　　 /　 |､-‐'´　 i
　　　 ／r'　 ii" 　 　　/　　　　　　　　　　　　　　 /　　ｌ　　、 　 i

774 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:41:34 ID:DPwK.xk2 Lｗｗｗｗｗ 776 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:41:54 ID:DaHh6u2Q 事実にしてもひでぇｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ 777 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:41:59 ID:w.VESI.A そこは触れてやるなよエル。 785 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:43:51 ID:NYgRoxl. エルが辛辣すぎるw

三４４８．



　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､1人.ｨj､1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1
　　　　 ）
　 ‐=､´　　放せ、放せっ！！
　　　 ）　　オム様の崇高なお考えも知らぬ、愚劣な輩め！！
　　　 ）
　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ


　　　　　　　　　　　 　 　　　　,､　　_　.　---　‐-　 .,_
　　　　　　　　　　 　 ,r' ｀ｰ､ ,ﾊ ｀ヽ／(⌒　　　　　　　｀ﾐ ､
　　　　　　　　　　　　ｌ　　　rｧｫ7ﾊフー'　　　 ,　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　ｌ i　　 ｲゞﾝ7ﾊ!_　 /　　/　　　　　　　　 ﾌ､￣了
　　　　　　　 　　　　/　　　ゞアン'　　/　　 /　　　　　　　　　ヽヽﾌ　ヽ
　　　 　 　 　 　　　/　　 //　｀Y　　'　　　/　　　　　　　　　　　 ヽ'　　i
　　 　 　 　 　 　 ｿ　　 ./.ｌ　　　　）/　　 / -/-/─ /　,　 /｀　　 ヽ 　 l
　　　　　　　　,／,　　　　 i　　￣　/　　/　 / / / /　/　/ｌ､　　　ヾ i　 l
　　　　　　　/／/　　　　|　　　 i　i　　,'r{辷ト､/ /　/　/ﾘ　＼ l 　 i .l　l
　　　　　　 （　 i　　　 i.　l l　 l　l　l　　.ﾊﾞY^ド{ /／ ／ / / 　 i　　l　i .l
　　　　　　　 　 l　　　l　　ｌ　 l　 l. ! 　 ゞ弋ソソ　　　 ,ｨfﾃﾄ､　ﾘ　　|l　l l
.　　　　　　　 　 ヽ　 / i.　 l　 l　 l. !　 .| ｀)）　 　 　 　 込ﾝ/　､ .i.　 l　l l
　　　　　　　　 　 i /. /　　i 　i　 l　 　 | .((　　　　 ,　　　/,.イ / 　 i　lノ　　　　「やれやれ………」
　　　　　 　　 　 ／／　i　 ヽ l　 ヽ 　 l 　 　 　 　 　 　 / ,'　/　 ./　 i
　　　 　　　　／ ／i　　ｌ　　 ヽ　 　 　 | 　 　　´￣　イ l/.イヽ　 ヽノ
　　　　 　 ./　／　 i/　/　 　 ｌ　 　 　 |　 ‐- t‐＜　　ﾘﾘ　,ﾊ　 ＼　ヽ
　　　　　 /　/　 　 / ／／ 　l　　 .从ﾉ～ヽ～'. /　 .//　/　　ヽ　l 　l



―――――――――――――――――――――――――――――
　　心底くたびれた雪華綺晶の耳から負け犬の遠吠えが遠ざかり、
　　謁見の間はまたもざわめきに包まれる。
―――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　(ヽ、００　　∩
　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ
　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）　　　(ヽ、００　　∩
　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
／￣ー―‐　、　　　　　　　　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ　 〇　 〇
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　 　 　　　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）
:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::i　　 ., -―- 、 　 ___
:::::::::::::::::::_＿_ノ､/〉'　 ／::::::::::::::::::て/::_:::ヽ
:::::::::::::::/ u　 て;/7　/::::::::::::::::::;ｧ､､:::「ｪ ヽ::〉 __
::::::::::::/　　　　 /〈　 i::::::::r､::／=ﾐ ｀く.u J／:::::::::＼
:::::::::::j　u　　 ､ ´_}ヽ.|::::::iｵ/u　ﾆi < iヽｧ/:::::r----J　 　.r:´二ﾆヽ
::::::::::i　　 （二７´_.L.,　､ハ　〉 　_　_ﾏ/ﾝ::::r ' ;tr /;j　　　i::/r-､r-|　 r一ー､
::::::::::|、　　 .r ' c ／､:.:.:ヽ ヽ　 ｰ」: : : : ii ヽu.___､/　 ＿ん' ｀´ム.'　 |:::r―┤
:::::::::／￣ ´」ｰ／:.:.:.:.＼:.:.＼＼__j: : : : : ヽ　ヽフ｀ヽ´　 | | ヽ'ｰン､ _/ﾊu.'_' |
i:i i:::i:iヽi　´　!':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.',:.:i: : : : : : : :「=| : : : |: !　　７!｀:´|<　 ７ﾏ.ヽー'

783 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:43:17 ID:BZNMtoWo 所詮噛ませか… 781 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:42:22 ID:svuqgnyc さて、身バレくるかな？

三４４９．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　それを静まりかえらせたのは、王座を立った国王だった。

　　聞けば彼らはアグリアス達へ助力していた様子、
　　今ここで裏切り者が濡れ衣を着せようとしていた件も合わせ
　　謝罪と礼を伝えねば、エゥーゴのキャスバルは無能と評されても仕方ない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　｀,
　　　 　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　l
　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　 　 !
　 　 /　　　　 /　 /　　　　　　　　　　 　 　 　 ､l , -　　 　 ',
　　 l　　　　　l 　 !,ｨ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'　　　　　　 ',
　　 ヽ　　　　 !　 !l!　　　　　　　　　　　　 , , ノ　　　　　　　 /
　　　 ヽ　　　 ﾄ､ ヽ　 ! /,　_,.-＿ ,ノノ ,ｨﾉl'ヽ/,　　　　　　　,'
　　　,...ﾉ'　　　| ﾍｰヽヽl（/ l'´ ≧ﾐ､_ ,ノ'　!　ﾘ! l　　　　 　 ﾄ!_
　r'´イﾉ　　　 ヽ ﾘ　　 r'｀　 　 ヽヾ歹､=､ヽ　,_ﾘ=､　 l　 ﾉ l ｀
　!（　ゞ,.　　　　 ´r､　r'　　　　　　￣｀ ヽ　 /ゞｸｲﾉ /ノ ﾉﾉ
　}ヽ､｀` ｰ-　_i´, ﾉ'.lﾍゝ　　　　　　　　　　/　 /ｰ '´_, '´
　l　　￣｀ ｰ- ､｀ヽ､l,_　　　　　　　　_　　 l　 /　,(´
　!　　　　　　　 ｀ ｰ-､ヽ　　　　　　　ヾ=-' ,.', ィ､丶､　　　　　　　「部下の管理も出来ぬ国王で済まぬ、
_,ゝ　　　　　　　　 　_レ'-―- ..,'' ―＝- ,ｲ(　　　｀ヽ＼　　　　　　危うく濡れ衣を着せてしまうところであった。
　　　　　　　　　　　`iｰrﾍ￣｀ヽ､｀ ｰ, - '一ｰ- ､　　 ヽ.ヽ　　　　　すぐに拘束を解かせよう。
　 　 　 　 　 　 　 　 l　lｰ-ヽ _, -｀´　, --‐_ﾚ‐- ｀)　 /∠、
　 　 　 　 　 　 　 　 |　| ヽ.／ r=ー'―‐'´-､ ￣ ｀ヽ///ﾆ,　　　 　それからアグリアス達への助力も感謝する」
　　　　　　　 　 　 　 !　ト.ﾉ　　　, ―---=､_ヽ　l　/　＼ ヽ
　　　　　　　　　　　　ヽ〉′　　　　　　, - ､ ｀i.| !/　　 〃,.､!
　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　 '　　　ヽ_!!l'　　　 ヽ'へ＼
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ　　　　　　ヽヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「いえ、分かっていただければ………」　　　　 　 （｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 { 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　 　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　 　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　 |

784 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:43:38 ID:Aq4BFkCs 俺はこういう瞬間が好きで浅見光彦のシリーズを読んでいた気がする

三４５０．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　だが、どうにも分からない事がある。
　　続きはそれを聞いてからでも遅くない、と王座に戻った彼は隣の妻に説明を求め、
――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　／　　　　　 　,_, 　 　　　　　　　　 　 ',
　　 /　　　　　　　（ l ､　　　　　　　　　　　 ',
　　 l　　　 　　,i､/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ　 　｀ヽi　　　l
　　 l　 　 i　, ノ ﾊ( ､ ,-‐..'´｀ｿ'｀ヽ　i ﾘ　　 /
　　│　　i、l=‐':´｀"ﾞ:::::::::::::.　　: ﾉノ/､　　/
　　 | i i |/::｀ :: ::::::::,i ヽ ;::::::..　 .:: l l　 l 　 ヽ
　　 l ヽゝ l:::　::: :::/ |　　｀' ､::: -'´j l' /　　　）
　　 ヽ、ヽ ｀ ､､:::/　 !､-　　　　　ゝ,l '　　　/　　　　　「して、ハマーンよ。
　　　　ﾞ''- ､ﾐ ',　　　_,　- ‐-　　　/r, ､　｀（ _　　　　　説明してくれるな？」
　　　　 　 _ﾉヽ＼　　　 -　　　　, '//　＼　　 ）
　　　　　　 ｀ｦ.　 ＼　　　 　 ／ // 　　　｀''‐'-,
　　　　,　=＝l ,　　l ｀　- ‐ '　　// 　　,---､ /
　 , , ' '´　　　!li　　ｌＬ. 　　, - ' 7/　　 |=000| ）
／/　　　　　　｀ﾞﾞﾞ_)|　｀' '´　　 l（　　　 ﾞｰ ' ´く
ヽ.ヽ、　　　　　　　 l　　　　　　ヽ >　　　　　　l
.　　　　　 └



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:- ' ￢ ─ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠´　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ　　　　　　～ヽ　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　ヽ　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ λi_λ_(_ﾉ!_ﾉ__火,　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「いいだろう」　　　　　　ノ　　i'ta:、　ｲtｦフ' | 　　　　＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　| .ﾌ　　　″　 | | γ　　　 ＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 　　< ノ 　　 ゝヾ___　　　　|i.レ'　 　 　 　 ＼　ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ ﾉ i ヾ!ヽ　　　_　　|i.| ﾉ 　　　　　＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'-、ﾉ　 `- ┐　　 ﾉﾉ/ 　ﾊ　　_,／´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'-ﾉ,_/.　|　　　ヽ　ﾉ/ル-"＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／´￣ヽ｀フ　　　　／/　ヽヽ＼　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　ヽ＼＼ﾍ 　 ／　/ 　　｝ ∧ ＼ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　　＼＼｀￣´　／ 　　/ /　｝　 ヽ 　 ',



―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　遅れに遅れていた話をここで―――大勢の前ですることになるとはな、と
　　笑った王妃が入れ替わりに椅子を立った。

　　現状に窮する国王とは対照的にハマーンの表情には余裕が残っている、
　　その理由も話が終わる頃には夫に伝わる事だろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

787 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:44:39 ID:XmcaRazM こんどこそくるよー！

三４５１．
―――――――――――――――――――――――――――――
　　あちこちで命令を下し、疲弊した体とかすれ気味の声ではあるが、
　　英雄譚とは胸を張って語るべき物だ。

　　だから彼女は壇上でまっすぐに立つと
　　貴族や騎士達にも楽な姿勢になるように言った。
―――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 . : ´: : : : : : : : : ｀: ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : ´: : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
　　　　　　　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　 　 　 　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　 　 　 　 　 ／／: : : : : : {: :i| : i : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:',
.　　　　 　 　 ／／: :／: : : : : ∨ﾍ: |: :{: : : : : : :!: :.i: : :i:}: : : : : : : : ',
　　　 　 　 　 ｀ヾ:／／: : : : : :__!ミヾ: :ﾍ: : : : :从:ノ:_:ノﾉ: : : : : : : : : ':,
　　　　　　　　　 ∨: : : : : : : :.{h!｀ヾえｱ乂:.:ノｨえア´!_: : : : : : : : : : : ':､
　 　 　 　 　 　 　 ∨: : : : : : : Ｖi　　　　　.:′　　　　ﾊ） : : : : : : : : : : : :＼
.　　　　　　 　 　 　 ＼: : : : /:.:八　　　　 i .:.　　 　 ,小 : : : : | : : : : : ／
　　　　　 　 　 　 　 　 ＼//:./:.| ﾍ　　　__`´_　 　ｲ/ハ.: : ｉ: :|i : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　＼: :|　:|＼　　 ､　　／　ｲ .:|: : |i_:|i＞"　　　　　　　「皆の者、楽な姿勢でよい。
.　　　　　　 　 　 ,rf777777777L...j｛ヽヽ _ 　イ ／　L.:j､＜.._＿＿___　　　　　　ただ静かに聞いてくれ」
　　　　　　　　　//////////////,|:!　｀ー一 ´　　 ｲ////////////ﾊ
　　 　 　 　 　 ///////////////,|j､　　　　 　 ／i//////////////ﾊ
.　 　 　 　 　 ////////////////,|　 ｀ ー一彡'　ﾊ//////////////ﾊ
　　 　 　 　 /////////////////,|　　　　 　 　 /////////////////∧
.　 　 　 　 //////////////////ﾊ　　　 　 　 ///////////////////∧
　　 　 　 ///////////////////,∧ 　 　 　 /////////////////////∧
.　 　 　 /////////////////////,∧ 　　 .ｲ//////////////////////∧
.　　　　j//////////////////////,∧ ／/////////////////////////ﾊ



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　それからもう一度謁見の間を見回して、
　　最後に中央に立つ少年に意味深な視線を向けた王妃は
　　南の隣国で聞いたばかりの、ローゼン王国を救った若き英雄の物語を語り出した―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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789 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/04/03(日) 21:45:51 ID:5wU9qVJY 前半の投下は以上になります。 閲覧とたくさんの合いの手を誠にありがとうございました。 後半（三章ラスト）は22：00～より投下開始です。 790 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:46:04 ID:vLBR38KA ｳﾋｰｗｗｗｗｗｗｗｗｗ 792 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:46:32 ID:DPwK.xk2 乙～ いいところで切りますね～w 796 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:47:12 ID:iTU0mqqo 乙でしたー！ 逆にこの話がローゼンに伝わるときも面白そうだ 798 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:47:22 ID:g9444kB2 とりあえず乙です！！ どこの国の騎士にも、ざまぁ役の小物がいるもんだなｗｗｗ 801 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:47:42 ID:16EmbxXA 乙！！メシウマ 802 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:48:39 ID:UDxrQwLY 乙 莫迦な裏切り者が処罰されるときほど、すがすがしいばめんってないなー 807 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 21:51:59 ID:xkeIVg9A ひとまず乙！ 後半がｗｋｔｋ過ぎて今のテンションならユートピアしてもお隣さんの視線ももう何も怖くない！ 816 ショボン玉 ◆Shobon.2x. 2011/04/03(日) 21:59:00 ID:5wU9qVJY 皆様、前半乙をありがとうございました！ では後編の投下を開始します。

三４５２．
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　　エゥーゴ王国王妃、ハマーンは先月まで南の隣国であるローゼン王国を訪れていた。

　　貴族院やティターンズの事もあって国を離れられない国王の名代として、
　　実兄であり、フリート神聖王国の聖王であるエギーユと共に新女王の戴冠式に招かれたのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_､-''"´￣￣¨''ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､-'"　　　　　　　　　 ｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　 ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　,　　　　　 　 |
　　　　　「………ローゼンの復興は　　　　　　　　　　　!、　i　 ,　　　　　　 i　　 　 　 __ ,!
　　　　　 上手く行っているようであるな」　　　　　　　　　〉、∠　 ＿＿　　 }!　　 ,ｨ二, ﾚ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈`_ｦ ≡≦≡=-　 '"　　　ﾒ-ｭ ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨/　　` 二ﾞ- ""　　　　,>ノ ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l!'_,,≧:　　　　,､-''　　 ｨﾞ_,､イ｢ﾞi
　　　┌──────────────┐　　　　　　　｢｢ミ`ﾆｰﾐ､　 |　　　　 ｢ 　　/l! ﾞi
　　　│　　フリート神聖王国　聖王　　　....│　　　　　　　| !｀`ｰ ヽヾ　ﾉ　　　　ﾉ　,／ｨﾘ　|
　　　│　　エギーユ＝Ｄ＝フリート　　　　 │　　　　　　　j ﾋﾍ、_,..}　ﾞY　　_､-" ､ｲ f.／　 ﾄ､
　　　└──────────────┘　　　　　　　!ﾀ_,N"lii;,　_ﾉ-''"_､-''" ﾉ／　　　|. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　|.ﾄ-三ﾆ=_,ﾆ"　 :='／　　　　 .|　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　,'|.| ｢ ﾅ'ﾆﾆｨﾞ 　 ,／　　　　　　 |　　　 `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　' |.| ﾚ'__二ﾌ′ ｨ'　　　　　 　 　 |



　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ,,....　....,, _
　　　　　　　　　　　　　　,　'"　　　　　　 ｀ ' -.、
　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　 　 , '　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 , '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　／　　　　　　　　 lﾊl l　 !l　! ヽ　　　　　　l
　　　　 _,. '´　 .／　　　,.-.l　 /ヽヾ_Ni l |l', ﾘi　　　　　 !
　　　　 ';　　／/　 ./,　i ('l. l l!.　ヽｧﾃミ ､ ' ﾉ-‐ｸﾚﾉ.ﾉ l
　　　　　', / ./ 　 〃　 ヾ.|. l ll　　 ｀　　　　r'tﾃｧ/./　 !　　　　　　「そうですね、兄上。
　　　　　 ヽ､!　　 i,'i　　 ! i、! ',､ 　 　 　 　 l　　/　　　ヽ　　　　　　おそらく目の届かぬところには
　　　　　　　 ＼ ,'.!i l　l .ll ,ヽ｀ヽ.　 　 ､ __''"　./ !　　　ヽヽ　　　　　まだ傷跡が残っているでしょうが―――」
　　　　　　　　　｀ヾ.,l._,,,_l,ィ'　 　 ､　　 ｰ　 ／.ヽ!. _ ,.!''"´
　　　　　　　　　 　 i=ｰ-_ ,_'ｰ-- .､ヽ_...ィｰ'=,､ .r '
　　　　　　　　　　　!　　　｀ ''￣ｰ＝,'iー‐:1r''l_,.!

824 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:01:36 ID:w.VESI.A 相変わらずの良い頭の形してるなw

三４５３．


┏────────────────────────┓
│　　それを補って有り余るほど、　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　この国の者達は前を向いているのが分かります。　　　│
┗────────────────────────┛



　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.ィ≦三ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　,..::'´:._j三三三ﾆ廴
　　　　　　　　　　　　 　 　 ／:r'二´三三三三二｝
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.）三三三三三三く_
　　　 　 rｰ-ｖ一'⌒ヽノj:.:.: , イ ￣￣｀ ＜三三三ﾆ）
　　　 　 |匸7:.:.:.:.:.:.:/_7:.:／:r┘/　 　 　 　 ヽ、三〔_
　　　 ／人/:.:.:.:.:.:.ﾊ７:.:.:.:.:.〈　 ′ 　 　 ､　　　ヽ三ﾌ
　　　 ＼V{:.:.:.:.:. /ﾆ7.:.:.:.:.:_:ﾉ,　l　 |　 　 ､ヽ　 ヽ ∨ 〉
　　　　 └う:.:.:.:.{三{:.:.:.:.:.:ヽ ｌ　|　lﾄ､＼ヽ ヽ｀ 、｀､Vﾆヽ、
　 　 　 ／ {:.:.:.:.:.|三|:.:.:.:.r‐'∥ ｌ　| ',丶　ｌ 川 l | ｌ | !　 ヽ＼
　　　 //　∧:.:.:.:.ｌ三l:.:.:.:ヽ　|ヽ｣斗-ﾍ }ノ,ｴZ{ノ/リﾍ＼　＼ヽ
.　 　 | l　/　ヽ、:.:Vﾆヽ:.:r个ﾄ,ｨfｌ圷　 ｀ 化ﾉｹハ　　｀ヽ＞└′
　　　ｌ｜,'　　　「ヽ{ｌＨｌﾘ:{ 小 ` ゞ ′　　　　八ヽ＼　　　　　　　　　　「皆様。
　　 ｜V　 ,'　 l| | ｀ ＜7/ | lヽ､　 　 , .′, 仆 ヽ ＼ヽ　　　　　　　　　此度は遠いところをお越しくださいまして
　 　 ｀７　/　 ,ｲ |　 　 l├ヘヽ―ﾍ、__,.:'⌒ヽ ｀､｀､　ヽ＼　　　　　　　この真紅、感謝の念に堪えません。
　　　 /　　　/ |｜　　 | |:.／ヽ＼::.::rﾍ::.::.::.::.::＼ヽ ＼　＼ヽ
　　　,'　′ / /|｜　／ヽ＼::.::.::.) ）{廴r-､__::.:rく　 ＼ ヽノ /　　　　　 ささやかではありますが
　　 / /　 　 /ﾊ !／:.:.:._:_;＞=≠-‐､::.f‐ﾐ ヽV　 ＼　}　〉 /　　　　　　答礼の宴を催したいと思いますので
.　 / /　 　 / 'rﾍヽ:.:.:. ヽ二ﾆ＝=､　｝:｢｀{　　,ゝ､＿Ｖ_/∠＿.　　　　　どうかお楽しみください」
　/ , 　 　 / ,':.:.:.:.ヽ＼:.:.:.:.:.: r‐彡ィ´:::|::.::>‐':.:.:.:.｀)ー‐r≠ﾆ　｝
./ /　 　 / /:.:.:.:.ノ:.＼ヽ:.:.:.:.:.ヽ＞:l ::.::|::└r1 :.:.:.:.:.ヽノ/_／ く
／/　 | / /:.:.:.f⌒ヽ:.:.ヽ｀､:.:.:.:.:{{ヽＬ 厶-‐'/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.人　　 ヽ　　　 　 　 ┌─────────────┐
. /　 l |　/ヽ､:_＞ｸ^ヽ:_:＼ヽ:.:.:.:｀T￢ー‐く丶:.:.:.:.:.:.:.:!:ハ ｀ヽ　　＼.　 　 　 │　　ローゼン王国　新女王　　　.│
,′　| | /　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:/〉､＼:-勹::-‐￢__〉:ヽ:.:.:.:.:.:}ヽ ＼　＼ 　 ヽ 　 　 │　　真紅＝Ｌ＝ローゼン　　　　...│
ｉ　　　ｌ/　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:〃:.:.:＼ヽく_:_:_:_j-‐个､:.:.:.:.:./　 / ∧　　ヽ、 ｀､. 　 └─────────────┘
|　 ｜l　 ,...-勹:.:.:.:.:.:.:.:. ｌ＾ヽ､:.:.:.ヽ＼:.:.:.:.:.:.:八＼ー'ニ二ノ　 ｀丶､ l　　ﾄ､



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　華やかだが、どこか寂しかった戴冠式と新親衛騎士団のお披露目の後、
　　大広間での宴に先だって新女王の式辞が始まった。

　　宴と言っても宴会と言うよりは食事会に近く、
　　親衛騎士や宮廷魔導師長、宮廷司祭長の他、
　　近隣の王侯や自国の地方領主など、近辺の有力者がずらりと列んでいる中―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

825 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:01:59 ID:NYgRoxl. お寿司…… 827 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:02:19 ID:/9QzPwuc お寿司が振舞われてるぞー！　 …え、違う？

三４５４．
――――――――――――――――――――――――――――――
　　末席に一人で座らされているのは、明らかに場違いな詩人の娘。
――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _..　-‐: : ‐ : : ‐-　.._
　　　　　　　 　 　 　 　 　 . :.´: : : : : : : : : : : : : : : : ｀.: .　　　__
　　　　　　　　　　/ 7ヽ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼´ヽ丶
　　　　　 　 　 　 |　| /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ |　|
　　　　　　　　　/|　|ﾞ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::|　|ヽ
　　 　 　 　 　 /: ヽ/: : : : : : : ／: : : , : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ/: :ヽ
.　 　 　 　 　 /: : : :|: : : : : :／: : : : /l: : : : : : ﾄ : : : : : : : : : : : :|: : : : :',
　　　　　　　/: : : : :l: : :.:／: : : : : /　!: : : : : :.ｌ ヽ: : : : : : : : : :.:l: : : : : : ',　ｶﾁﾝ
　　　　　　 /: : : : : :!:／: : : : : : :/　　'.,: : : : :.l　　＼: : : : : : : :l: : : : : : : ',　ｺﾁﾝ
　 　 　 　 /: : : : : :./: : : : : : : :./　　 　 '.,: : : l　　　 ＼: : : : : :ﾄ : : : : : : : ',
　　 　 　 ,': : : : : : :|: : : : : : : :/.-‐ ´￣　＼: :ｌ ￣｀ ｰ-ヽ : : : :ﾄ, ヽ: : : : : : ',
　　　　　i: : : : : : : :i: : : : : : :/　, -‐- 、　　ヽl　, -‐- 、　i: : :.i:ｌ|　l: : : : : : : ',
　　　 　 i: : : : : : : :!i: : : : : /.　i 　　　 i　　　　 i　　 　 i　.!: :/ :l|　i: : : : : : : :',
.　　　　 i: : : : : : : :! i: : : : ﾊ 　丶 __ ノ　　　　 丶 __ ノ　 !:/_／　 !: : : : : : : :.!
.　 　 　 !: : : : : : : :i. ＼: :.l　'.　　　　　　　 ,　　　　 　 　 l/　　　　i: : : : : : : : !
　　　　 !: : : : : : : : i　　ヽl 　 ＼.　　 ┌───┐　u.／　　　　　!: : : : : : : : !　　　　「あわわわ………」
　　　　 l: : : : : : : : :l.　　　 　 　 ｀　　 |　　　　　 |　／　　　　　　 l: : : : : : : : :l
　　　　 l: : : : : : : : :l.　　　　　　　　_` ﾄ　 　　　 .!ｲ_　　　 　 　 　 l: : : : : : : : :l　　　　（女王様からお話を聞けるってんで
　　　　 l: : : : : : : : :l　　 　 　 　 　 l: :＼｀ ─ ´／: l　　　　　　 　 ｌ:.: : : : : : : :l　　　　 来てみたら、
　　　　 l: : : : : : : : :l 　 　 　 　 　 _ｌ: : : : >‐‐< : :.:.:l_　　　　　　　 ｌ : : : : : : : :l　　　　 なんかとんでもない席に座らされてるし！）
　　　　 ｌ: : : : : : : : :l　　.　-‐　'"/: l: : : />‐‐<、: :.:l: :',｀ﾞ　‐-　...　ｌ : : : : : : : :l
　　　　 l: : : : : : : : ,　´　　　　／: : :!: :/: l　　 l:ヽ: :l: : : ＼　　　 　｀ 、: : : : : :l
　　　　 l: : : : : : : :i　 　 　 　 i: : : : :.i/: : :l 　　l: :.ヽ! : : : : :i　　　　 　 i: : : : : :l
　　　　 l: : : : : : : :!　　　　　/.:.: : : : : : : :.| 　　|: : : : : : : : : ',　　 　 　 !. : : : : :l
　　　　 l: : : : : : : :i 　 　　　i: : : : : : : : : :.| 　　|: : : : : : : : : :i　　 　 0 i : : : : : :l
　　　　 l: : : : : : :.: ',　　　　 i.:.:.: : : : : : : :.| 　　|: :l=====l: : :i　　　　　i.: : : : : :l
　　　　 l: : : : : : : : :',　　　　 ',:.:.: : : : : : :.:|　　 |: :|: : : : : |.: :,' 　 　 　 ,'.: : : : : :l
　　　　 l: : : : : : : : :l.',　 　 　 ',: : : : : : : : | 　　|: :l;,;,;,;,,;,;,;l: :,'　　　　　,' : : : : : :l. 　 　 　 ┌────────┐
　　　　 l: : : : : : : : :l i ,,======',.: : : : : : :| 　　|: : : : : : : :,'======:、i : : : : : : :l　　　　　│　　詩人　　　　　　 .│
　　　　 l: : : : : : : : :l ',″:::::::::::::::',: : : : : :.:| 　　|: : : : : : ,'::::::::::::::::::::ﾞ,'l: : : : : : : :l　　　　　│　　ミク＝初音　　....│
　　　　 l: : : : : : : : :l　', :::::::::::::::::::ヽ.:.: : : :| 　　|: : : : :.:/:::::::::::::::::::::::,'l.: : : : : : : :l.　　　　 └────────┘



――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　事前に話を聞いていたのなら、せめてよそ行きの服ぐらいは準備できたのに、
――――――――――――――――――――――――――――――――――

830 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:03:56 ID:DaHh6u2Q ミクｗｗｗｗｗかわいそすぎるｗｗｗｗｗ 829 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:03:25 ID:V8uPBR0Q 「あんたクライマックスで語り部の役だから頼むね」 832 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:04:09 ID:DPwK.xk2 >>829 大丈夫、周りは国王とか外交官で、そういう語りは聞きなれてるからｗ

三４５５．
―――――――――――――――――――――――――――
　　半分涙目の彼女が恨みますよ、と
　　大扉の両隣で警護する騎士を睨んでも時すでに遅かった。
―――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧＿∧
　　　　　　　　　（おい兄者。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　（´<_｀　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /ヾ┰/九
　　　　　　　　　 詩人さん、えらい緊張しているようだが　　　　 　　　　/ 　 ／ゝ　|
　　　　　　　　　 ちゃんと説明してあったのか？）　　　 　 　 　 　 　 　 | |　:|／ :|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | |　:|°.::|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | |　:|°.::|　|


　　　　　　　　　　　　　　┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　│　　第一騎士団所属騎士　　　...│
　　　　　　　　　　　　　　│　　流石＝兄者　　　　　　　　......│
　　　　　　　　　　　　　　│　　流石＝弟者　　　　　　　　......│
　　　　　　　　　　　　　　└─────────────┘


　　　　　 　 ∧＿∧
　　　　　　 （ ´_ゝ`）
　　　　　　/⌒|＼||　　　　（いや特に。
　　　　　 / 　　￣/|　　　　まあ平気だろ）
　　　　. / 　/　　￣|
　　　　/ 　/|　　　　|
　　　　　~ヽ. 　 　 　|

833 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:04:22 ID:BZNMtoWo 説明しとけよｗｗｗ 834 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:04:33 ID:XmcaRazM 兄者ｗｗｗｗｗｗ

三４５６．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　ただ、結果として―――
　　伝手もない彼女がこの後、様々な事件の後に要人から直接話を聞き取れたのはやはり、
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∧＿∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （； ´_>｀）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ヾ┰/九
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（兄者を睨んでるぞ？）　　　　　/ 　 ／ゝ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | |　:|／ :|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | |　:|°.::|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | |　:|°.::|　|



　　　　　　　 　 ∧＿∧
　　　　　　　　 （；´_ゝ`）
　　　　　　　　/⌒|＼||
　　　　　　　 / 　　￣/|　　　（……………）
　　　　　　. / 　/　　￣|
　　　　　　/ 　/|　　　　|
　　　　　　　~ヽ. 　 　 　|



――――――――――――――――――――――――――――――
　　この場に目立つ―――方向性はともあれ―――服で参列した事が
　　理由の一つだったのは否めない。
――――――――――――――――――――――――――――――

三４５７．
―――――――――――――――――――――――――――――――
　　また、この十日あまり目が回るような忙しさだった親衛騎士の三人は
　　やっと一息吐けるな、とお互いの状況を確認していた。

　　今日から七日間、全ての町で行われる祭の警備に関しては
　　ジュンに任せっきりだったマコトが手はずを確認すれば、
―――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ
　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::ｲ::::::::::: 丶::::::::::::::::::::::::',
　 　 　 　 　 /::::: /:::::::::::::/ l::::::: !:::::::|＼::::::::::::::::: l
　　　　　　　i::::: /:::::::::::::/一V:::::| :::: |ーヽ:::::::::::::::!
　　　　　　　|:: /:::::: /::: |ィ云∨ |V::::| ィﾃﾍヽ::::::::!イ
　　　　　　　|:/ |::: /::ﾊ::| 迂:ﾘ V|　ヾ! 迂:ﾘハ::ﾄ::::::＞
　　　　　　　|′|::/|:::|ﾈﾍ ｀ｰ´　ヽ　　 ｀ｰ´　ﾊ!ﾉﾘ｀ヽ
　　　　 　 　 　 i/　V､_ﾍ 　 　 　 !　　　　　ﾑﾘ′
　　　　 　 　 　 ′　　　 ヽ、　　- -　　　, ′　　　　　　　　　　　　「おいジュン、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 |ヽ　　　　イ/　　　　　　　　　　　　　　　祭の警備はどうなってる？」
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,.ｲ 　 ｀　´　 ﾊ
　　　　　　　 　 　 　 ,.イ:!　 ＼　　 ／　 ヽ..､、　　　　　　　 　 　 　 ┌───────────────────┐
　　　　　　　　 ,...::::´/::::::l　　 /;⌒;ﾍ　 　 j:::::ﾍ:｀:::....、　　　　　　　　│　　ローゼン王国　親衛騎士団　副団長　　　 .│
　　　　　,...::::´::::::::::/:::::::::l､　∧;;;;;;;;;∧　/:l:::::::: ﾍ:::::::::::｀:::....、　　　　│　　マコト＝N＝イトウ　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　,ィ:::::::::::::::::::::/::::::::::/!∨　 ∨;;;/　∨ l::::::::::::ﾍ:::::::::::::::::::::`::..､.　 └───────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:.:.:.:.ヾ:.:.:',　　　|:./　.V:.:.:.:|ﾆ-=＝＝=＼:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >:.:.:.:.:.|ヾ:.V=＝/ニ　 V:.:.:i{　ゞテ＝ァ　||＼:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.::V:.:.:.:ﾚ'´>=ﾆ示 ヽ､＿V:.||　 {辷zり　 .||　ﾚr -､V:.:.:.:.:.:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　/:.:.:.:.:V∧:.r'´ /ひｮリ ||￣ .ヾ∧＿＿＿ //　　／ .}:|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:..:/ヾ::>　 ゞ' ´　|| {　　　 ￣￣￣￣　　 入 ソ/:.:.:.:._＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣ |:.:.:∧ヽ＿ -=''´ ヽ　　　　　　　　　 　/　／:.:ヽ￣
　「大丈夫です、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'´ ヽ |　　　　　　　 ＿　　　　　 　 /-'´／￣
　 各騎士団との調整は終わっています」　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　 ￣_　　　 　 　 　/￣゛゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　＼　　　　　　　　　　_　ィ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ 　 ､　　　　 イ　　　ｙ入
　　┌───────────┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニi　´　　　　／　　ヽ
　　│　　同騎士団　団員　　　　.│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/　}　　 　　/　　　　|＼
　　│　　ジュン＝サクラダ　　......│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　/　/　ﾉ　　　　/　　　　　|　 ￣ ' - ､
　　└───────────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/　　V'´￣￣ ../　 　 　 　 |　　　　　　｀ ' - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／/　 　/::::::::::::::／＿＝=-､＿ |　　　　　　 　　/ヽ



―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　一通りの事は終えました、と最年少の親衛騎士は自信ありげに頷いてくる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

836 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:05:39 ID:w.VESI.A あり？まだ副団長の肩書きなの？ 837 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:05:42 ID:/9QzPwuc ジュンも頑張ってるみたいでなによりだ。 839 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:06:13 ID:V8uPBR0Q 栄誉空席というものがあってだな

三４５８．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　目に見えて変わったのは彼だけではない。

　　たった十日の内に、マコトは長として落ち着いた雰囲気をまとうようになった。
　　言葉は、そんなマコトの補佐と自分の立ち位置を決め、
　　彼の目の届かぬ場所に重点を置くようになった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――



.　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　＼
.　　　　　　　　　　 /　　　　　..:　　　 ..::　　..i　　　..:.＼
　　　　　　　　　　/　　　　..:.:.:　　　..:.:.:　　.:.|　　　.::.:.:∧
.　　　　　　　　　 j　　　 ..:.:　　.:　..／::　　.:.::ﾄ､　　.:.:.:.:.:.:ﾍ
..　　　　　　　　　|　　　　/ .:.:.:.:／　.:,イ.:./!:..|　i 　:.:.:.:.:.:.: i,
　　　　　　　　　 |　　.:.:./.:.:. ／/ .:／/.:./ |:./　}　:.:.:.:.:.:.:.:.::|
　　　　　　　　　 |　.:.:.:/.: ／--─‐‐ ''/" l/＼ | :.:.:.:.|.:.:.:.:: |
　　　　　　 　 　 |　:.:./:.:/ ,ｨ=＝rｧ ／　／_,_　`ﾄ、:.:.|::.:.::.|::|
.　　　　　　　　　| :.:.:j:.:.:.:.l'"ﾄz::ﾟﾘ 　　 　 ィテﾗﾄ| .:.:. |:.:.:.:.|.:|　　　　　　「ごめんなさい。
.　　　　　　　 　 | ..:.:|:.:.:.:.{　`-‐'　　　　　ﾋ::,ﾟｿ /}:.:.: l＼:.//
　　　　　　　　　| :.:.:| :.:.:.ﾍ、　　 　　 　 　 ~　/,ﾉ:.:.::.∧ ＼　　　　　　　私もマコト君も戴冠式で手一杯で
　　　　 　 　 　 | :.:.:| :.:.:.::}へ、 　 　__　'　 _ ｲ : /二二＾　 ＼　　　　　 あまり手伝えなかったわね」
.　　　　　　　　 | :.:.:| .:.:.:.:.lト､ ＞､_　 _,. ＜:.:..:..〈 ー‐-、 　 　ﾍ
　　　　　　　　/ :.:.:.| :.:.:.:..|　　＼　了＼__:.:.:.:.:.:.:`l斤＼ 　　 　|
.　　　　　　　/ :.:／|:.:.:.:.:.:|ﾍ　 rー--ﾍ、　＼:.:.:.::.:..|　 ト---‐┴､
　　　　 　　/..／::::::|:.:.:.:.:.:|　＼{　ー-＜⌒)'二＼::.|　{::::::::::::::::::::::｝
.　　　　　 /../:::::::::: |:.:.:.:.:.:|＼　＼ __,, ィ`-K-- .__).!　|::::::::::::::::::::::|　　┌───────────┐
　　　　　/..:｛::::::::::::::|.:.:.:.:.:.|:.:.:＼／___ノ　ﾉ　＼-- ＞.|:::::::::::::::::::: |　....│　　同騎士団　団員　　　　.│
.　　　　/..:.:.:|::::::::::::::＼:.:.::.i,:.::.::.ヽ ::`ー''´:::ﾍ　 Y´:::::::＼:::::::::::::::::j　.....│　　言葉＝桂　　　　　　 　 .│
. 　 　 /..:.:.:.:ﾍ.::::::::::::::::.＼:.:＼:.:.::.）:::::::::::::::::::ﾍ　 }::::::::::::::::＼ ::::::::......　└───────────┘



　／::::::::::::::::::::::::::::/::::＼:::::|::::::ヽ:::::::::::::::::＼::::::::-──
_,,- -ィ::::::::::::::::::::/::::::::::i:::V::::::::::::>:::::::::::::::::: ＼:::::＼
　／::::::::::::::::::::／::::::: : :|:::::V/￣　V:::::::::::::::::::::::＼::::ヽ
/::::::ィ:::::::::::::::{:::::::::::::::i: |￣　　　　 V::ﾄ:::::::::::ﾊヽ;;::ゞ:::ﾍ
:::／:::::::::::::::::::|::::::::::::::ﾊ:|　　 　 　　 |::i　＼:::::::}:::::ﾄ-;;::::ﾊ
/:::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::| ﾘ───''　 i:ﾘ　ﾆ彡:::iト､;ヽ ＼::i
:::::::::::::::::::::::::::::|::::::: :: |＿,,,-＝＝=ヽ/　_||=__ﾒ:|　||　　　ヾ
::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::-::|＞''￣=.ィ-　 ||＝||{t..:jｱ　||
::::::::::::::::::::::::::::i＞＼:: |||ﾏﾊ廴ｿ　　..川　ﾊ￣　iノﾉ
:::::::::::::::::::::::r-､}''´　＼||　￣　　　 //　 ﾉ ｀￣ |´
::::/i:::::::::::::::| /ヽ　　　　ヾ＝=─''´´　　　　　 /　　　　「大変でしたけど、
:/　|::;;::::::::::ヽ　　＞　　　　　　　 ｀ー -　　／　　　　　 やり甲斐はありました。
　　ﾚハ:::::/i::::::≧::-:､　　　　　　　　　　／
　　　　 ﾚ'　￣￣￣Yi　　　　　　_＿__./ ＿　　　　　　 意外に何とかなるもんです」
　　　　　_...-:::'´￣￣｀:-..､　　　 |ー-　∧　}､＿
　　　 i: : : : : : : : : : : : : : : : ｀::-.┴..､: /: :}: :}: : : ヽ
　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : ヽ　/::/: : : : ∧



―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　そしてジュンは、居なくなった友の代わりになろうと色々な事に前向きになった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

841 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:06:43 ID:XmcaRazM 団長はだれだ？ 840 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:06:30 ID:E/oYIV1U 団長はあくまでやらない夫なのか 843 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:07:31 ID:xkeIVg9A ジュンが立派に・・・ ちょっと涙出てきた 846 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:09:11 ID:NYgRoxl. ジュン…… ずっとレギュラーでいて欲しかったなぁ……

三４５９．
―――――――――――――――――――――――
　　そんな三人の変化をすぐそばで見ていたロイは
　　別の選択の先を想定して難しく考え込み、
―――――――――――――――――――――――



　　 　, -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀`'' ‐､_
,､‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ､
￣／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀;‐､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／イ;ｲ;;;;;l
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ﾄ;|
イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／／/;;;;ｲ/ ト/､X,　ｌ:ｲ　ｌ
　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´//／'´　　　┘　!ﾘ
　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ,. Y　　　　　　　　 '､
　rｲ;;;;;;;;;;;／　 'ｰ' 　　　　　　 　 　ﾝ　　　　（彼は居なくとも何とかなる、か………）
ノ　ヽ='´'　　　　　　　　　　　　 ／
く　　　｀`ヽ､_　　 ､　　　 -‐‐r＜　　　　　　┌───────────┐
;;;ヽ、　 ,､　,､ ｀ヽ､_ヽ.,_ 　 ,ｲ´　 L..　　　 　 │　　宮廷魔導師長　　　　　.│
;;;;;;;;;＼ヽ ｿ　｀〉 /小ｰ､｀ 〉ﾉにｿ　｀ヽ_....　　│　　ロイ＝マスタング　　　...│
;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ`ー' / ﾊ | /、'" 　 /　､ﾉ.　 　 　 └───────────┘



.　　　　　 　 　 　　|　　|:::::::.:.:.:.:.:.!､;;,丿..........|.　 |
.　　　　 　 　 　 　！ 　|:::::.:.:.:.:.:.:┌￢.............|　 |
.　　　　 　 　 　 ,,:┤　 l::::::.:┌ー┘ └┐......ｌ　 |
.　　　　 　 　 ｨ'.:.:.:.:! 　 |:::::::.└ー┐ ┌┘.....|　 !
　　　 　 　 　 !::::::::::! 　 !::::::::.:.:.:.:.:.:|　 ｌ............l　 !
.　　　　 　 　 |:::::::::::ｌ　 .|::::::::.:.:.:.:.:.:|.__」............!　ｌ
　　　 　 　 　 !:::::::::::ｌ　　|::::::＿;;;;;;;;;;;;;;;＿::::::|.:.:|
　　　　　　　　!;::::;;;;;;>　※ｱﾒ､_　　.//ﾉ/,ｸ7ｧ┤　　　（飛鳥尽きて良弓蔵められ、
　 　 　　　　 　Y´|　; |. |〃、_,,ﾆ''〃//､／ﾊ: !'　　　　狡兎死して走狗烹らる。
.　　 　 　 　 　 ｌ:.l .::'λ !"`＝''"　　　 ゞ='',{:.l
　　　　 　 　 　l:.| ,:〃.!:.ﾞ､"""　 　 　，"" ,!;.|　　　　　やらない夫さん。
　　 　　　　　　!:.ｌ; /'ゝ!､:ヽ　　　　,..　　.ノ!ｌ:.l　　　　　 あなたはもしかして………）
.　　　　　　 　 l:.:|〃!|:.ｌゞヾ＞=┬-;＜´|:. !|:.l
. 　 　 　 　 　 |:.:!/ｌ｛ {::.:..｀ヾ;､.__ﾞｰπi､:.!;'|:.!.|　　　　┌──────────┐
　　　　 　 　　!;:!l::!::ｌ!ﾊ;::::.　ヽﾞ､￣´_ヾｌ |,'ﾉlﾘ|　　 　 │　宮廷司祭長　　　　　　.│
　　　　　　　 ﾘｨ'l|:::|l:!::{ﾞ､:::.　ヽ!::.ヽ ヽ＼'.:,|: !　　　　│　アリア＝マゴット　　 　 │
　　　　 　 　ハ! lﾊi|:l::ヽヽ::.:.　ﾞ､::.┘└ﾉ:ﾉ:丿　　 　 └──────────┘



――――――――――――――――――――――――――――――――
　　事件の最中から一人だけ、彼を頼るのではなく、
　　女王と英雄のために尽くすと決めていたアリアは答に近づきつつあった。
――――――――――――――――――――――――――――――――

三４６０．
――――――――――――――――――――――――――――
　　―――そして女王は、ある決意を秘めてこの宴に臨んでいる。
――――――――――――――――――――――――――――



　　　r=イ: : : : : :∨: : : : : : : : /＼__＿__
./⌒/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : : :i
{: {¨: : : : : : : ＞　 -　-　＜　: : : : : : : : ::∨ﾊ
廴: : : ::,． ´　　　　　　　　　 ｀　＜: : : :／: : :i
: : }ヽ, ',　　　　　　　　　　　　　　　 ＼: : : : ´｛
: : : /./　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　.ヽ: : : : ::｝
:..:.:.i.,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨: :.｛====､
八 |!　　　　　 i|　　li　　ヽ 　l　　　　 i:　　∨: ﾊ　　　}}
トﾑ|!　　　　　 i|　　li　　　 ）ﾉ　 　 　 |:　　 ∨ ﾉヽ=彳ヾ
:ｿ:::|!　　 i_|＿_i|__ 乂　　／　　/　i:.　|:　　　Ⅳ　 i＿＿}}
Y司! 　 _从___八 ｀　 ヽ　/＿/_/_|!::. |::　 i　爪　 |￣￣
:| ハ　　 <T芯トﾐ＼ ＼ / ,∠_ム从　!::.. ﾉ 八 ） :|
:|:i ハ 　 Ⅵ込ツ　　 　　　fモテﾐ爪 ﾉ::〃/}:::{ 　 |
:|:i 　 ',　 乂￣　　 　 　 　 ゞrｹ　ｿｲ イ／z}:::{',　 !
:|:i　　 i　　トヽ　　　　j　　　￣　/彡 彳/:/}:::{ !　:!
:|:i　　 |　　!ﾄ､　　　- -　　　 , ｲ 　 　 | {_{ ﾑ:j |　:|　　　　　　　「さて―――」
:|:i　＿|　i:...|　＞　 ＿　　＜___j 　 i　 | 　ﾉ:::ﾉ |　:|
＜: : : |　i::::|: : :⊥r=ｧ廴:_:_: : : | 　 !　:|.　￣　 |　:|
:∨.:.:.:.|　i::::|: : :辷zィ　ﾉ-: : :.:.:.| 　 !　:|:　　 　 |　:|
:::∨:.:.:|　i::::|: : : フTT､: : : : : : :| 　 !　:|ﾄ､　 　 |　:|
:::: ∨z|　i::::|: :イ: : | |: ＼: : : :.:.| 　 !　:|::::::ヽ　 |　:|
:::::::::Ⅳ /:::/: :/: : ::| |: : .:.＼ : ∧　　　∨:::::::＼　 !
::::::: / /:::/: :/: : :.:.:| |: : : : : :ヽ::∧　　　∨:::::::::::ヽ|

三４６１．



┏────────────────────────┓
│　　皆様に、私から是非お伝えしたい事があります。　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　おそらくは皆様も気にされて居るであろう事。　　　　 　 │
│　　身内の恥を晒すことになりますが、　　　　　　　　　　 　 │
│　　此度の内乱で何があったかと―――　　　　　　　　　......│
┗────────────────────────┛



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ￣ ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　.／　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　 !､　　　　ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　 |　 ､　　,:"　　 _,.-　!　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |,,_　ヽji(_, -;=f｡ﾃ‐'"　 　 ''",＼
　　　　　　　　　　　　　　　 'ｧ'ﾞrｪｧk≦~二~　"~　　　 i 〈ﾉ |!
　　　　　　　　　　　　　　　　〉ｰ'"|　ヽ._　　　　　ﾉ　　 (,ﾀノ
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ ﾉｰ;='-≧==.､　l 　 　 r'" |.　　　　（ほう………）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y"ﾂ'''''''''''ﾞヽ＼ !　 　 .|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　! |r'ﾆ二￣`＼ヽ,,_.／　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　j !　∧,,　　,,／,,ﾉ＿＿＿j-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　| `'"　 ﾞｰ'",,／='―――, 〔,|､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃,,,,,,,,,,r''",r‐'ﾆニ7　､.ノノ　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;ﾐヽ! |_ノ　-―./　 ,rj　　　　　　｀ー-､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　_／ /__ ＼ ,.-‐'"_二-‐ｧ''　　　　　　　　　　 ／`ーｧ----ｧ=≦三三三
　　　　　　　　　　　＿_／￣ 　 //　ヽL└‐'"　　／　　　　　　　　　　,∠(＿__(＿＿_(_,.. ｨ~T￣T~T
　　　　　_,. -'ニﾆ二ｨ'　　　,.r‐く└ｧ｀T"_,.-‐‐''Z"　　　　　　　　　　,:/　　　　　　　　/　 /　.|:　 |　|
　 r―'"ー'て＿/__ノ　 _／イ~｢` （　_ﾉr'　　／　＼＿＿_　　　　　.//　　　　　　　　 j 　 |　 .|:　 |　|
　 TTT~￣ﾞ7　　ノ__,..ノ" 　 | .|　 //　/　／　　　　ヽ.__　￣｀ｰ-､.//　　　　　　　　 /|　 j|　 .|:　 |　|
　 ,| | | ./ /　　　 _／　　　　| | ,//　/／　　　　　　　　＼､　　 ∑>==r'fｱーｧｰil　/.└‐'L＿|＿｣._｣

三４６２．



┏───────────────────────┓
│　　戴冠式に合わせてお披露目させて頂きました、　　....│
│　　神竜騎士団の団長が不在な事につきまして。　　　....│
┗───────────────────────┛



　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　 　 　 /::::::::::::::::::::::ﾍノ!::::|::::::!::::::|:::!:::}:::i:::::}
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ｹﾆゞ､イｲｦイ:::::::＼
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ 　 　　ー－ , ′::::!::::::::ﾄ／
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´　　　　　　（ミネバへの良い土産話になると良いが、な）
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__
;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;｀ヽ､__>;;;;ヽ;;;;ト;;｀ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ::::l;;;;ヽ;;;;;｀;,,､
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;;ー───''"/;;;;;i!;;;;;;;｝;;;;;;;;;;;＼
γ;;⌒ヽｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;｀＼;;;;;;;;;／;;;;;丿;;;イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
´￣｀ヽ;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀＼;;;;;;;￣;;;;;;;／／;;;;;};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j

848 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:10:34 ID:V8uPBR0Q 「ミクさ～ん、そろそろスタンバイよろしくー」 849 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:10:46 ID:XmcaRazM やはりない夫が団長か。 851 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:11:27 ID:w.VESI.A おお、娘がいらっしゃるのか。

三４６３．



┏──────────────────┓
│　　少し長くなると思われますので、　　　　　│
│　　どうか楽な姿勢でお聞きください。　　　...│
┗──────────────────┛



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :/ /: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／: :／／: : : : : : : : : : : : : : : : : : / く::ヽ: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: :／ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼＼l: : :
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: :／　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l: : : : : : l: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　 ,': : : i: : : : : :l: : : : : : : : : : : : : l: : : : : : ',: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l: : : :.',: : : : : l ／: : : : : : : : : : : l: : ,､- .._＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l: : : : :ヽ: : : : l ＼: : : : : : : : : : : Y:::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : : :: : :＼: : :.l　∩､: : : : : : : : : :ﾚ'"ヽ:::::::::
　　　　（メモ！メモとらなきゃ！）　　　　　　 　 　.l : : : ﾊ: : :lヽ: l　| |　ヽ: : : : : : : : l:::::::l::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l: : /　i: : :l ヽｌ　| |　　 i＼: : : : : :l::::::l::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l l　　 l: : l.　　 ∪ ///l: : ヽ: : : : l::::!::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾘ . 　 l: : l　　 　 　 　 l: : : : ＼: :l-':::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 !: :ヽ　　 <⌒ヽ l: : : : : : L:::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: ／ ＞　 ヽ '゛ !: : /: : :_:ヽ: : :〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /／　＞-ｰl: :/‐ ''"::::::::＼: :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿ l:/:::::::::::::::::／-‐ヽ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _l　 　 ヽ: : : : :/　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: l　 　 ハ: : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,': : L ／: : :V i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,': : /　　l: : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : /　　,': : : : : :l　　 0 1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /: : /　　/: : : : : : l



――――――――――――――――――――――――――――――
　　歓談の合間を縫っての女王の話は、
　　その場に居る全ての者を引き込みながら蕩々と紡がれていった。
――――――――――――――――――――――――――――――


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

853 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:12:49 ID:V8uPBR0Q キングクリムゾン！！

三４６４．



　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::r‐､:ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
　　　　　 　_　 　 　 　 　 ,.ｨ'´:::::／!_‐- ､:::::::::::::::::::::::::（,､
　　　　　 /:::｀ヽ＿_,.ィ三/::::::::::::r‐､ﾉ　　 ｀ヽ､:::::::::::::::::ノ
　　　　r‐'､::::::::::::::/圭ﾐ/:::::::::r､:_） l　 l　　　 ヽヽ:::::::::ゝ,
　　　　l:::::::｀:::::::::/圭/´::::::::::ゝ´　 l　 l　　　　 ヽ ヽ:r‐'´
　　　 ノ::::＿::::::/圭/:::::::::::r‐､ﾉl　 l l　l　　　　 l l　 l!
　,ｨﾀ'l:::::::::::::::｀:l圭ﾐ!::::::／:ゝ､ l l　 l l　',　　　 l l l　 l
. lﾐ! /ヽ;::::::::::::::l圭ﾐ!::::::::::r‐‐'_ﾑ斗孑十弋､　 l l!　/
　ゞ="〔＿:::::::::::l圭ﾐ!::::::::::｀)lヽl　 ィ示ｮ` 　 ｀ｭ! l／
　// 　 l __）::::::::ヾr‐'ｰ､:（´ l　　　`辷:ﾘ　　　ｶ
.//! 　 ﾄ､ゝ-､:::::::lﾉyヽ 〉:ﾉ. l　　　　￣　　　 ヽ
./ l　　 l. ヽ　 ゝ'､:ゞｰ.'´::） l.l　　　　　　　　 _´!　　　　　　　　「―――そして彼は、
　 l　　 l　　＼　ゝ‐ヾ､圭.l l.l 　 　 　 　 　 ´, '　　　　　　　　　空と大地の間へ帰って行ったのです。
.　l　　 l　　　 ｀十-､__≧/ l ﾄ､　　　　　　／
　l　　 l　　　　　l　r‐‐'´.l　l圭ミ＝==,ｨ＝x､　　　　　　　　　　私達に、掛け替えのない未来を残して―――」
. l　　 l　　　　　l　 〉:::::::/ /圭圭圭ﾐ/ヽ圭圭ゝ､
. !　　 !　　　　 l ／:::::::/ /圭圭圭ﾐ〈 ゞ〉圭圭/
.l　 　 l　　 　 ／:::::::／ /:《圭圭圭圭!´圭＝彳
l　 　 l 　 　 /:::::::::〈　｀ー‐-､圭圭圭l圭圭》
l　 　 l　　 /::::::::::::::::￣￣｀ー-､二`>圭/
　　　l.　／::::::::::::::::::::::::::ヽー´＜二圭圭ミﾄ､
　　　l /::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣＞ ／圭圭圭ミﾄ､
. , -‐'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝﾉ圭圭圭圭圭ﾐ!

三４６５．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　長い、しかしあっという間だった時間が終わった時、
　　ローゼン王国以外の者は誇張としか思えない話に反応を迷っていたようだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　 　 　 /::::::::::::::::::::::ﾍノ!::::|::::::!::::::|:::!:::}:::i:::::}
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ﾆｾゞ､イｲfｱｲ::::::＼
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ　　　　-─　, ′::::!::::::::ﾄ／
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´　　　　　　（兄上、信じられますか？）
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__
;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;｀ヽ､__>;;;;ヽ;;;;ト;;｀ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ::::l;;;;ヽ;;;;;｀;,,､
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γ;;⌒ヽｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;｀＼;;;;;;;;;／;;;;;丿;;;イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
´￣｀ヽ;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀＼;;;;;;;￣;;;;;;;／／;;;;;};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_､-''"´￣￣¨''ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､-'"　　　　　　　　　 ｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　 ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　,　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!、　i　 ,　　　　　　 i　　 　 　 __ ,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉、∠　 ＿＿　　 }!　　 ,ｨ二, ﾚ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈`_ｦ ≡≦≡=-　 '"　　　ﾒ-ｭ ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（フム………）　　　　 ∨/　　` 二ﾞ- ""　　　　,>ノ ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l!'_,,≧:　　　　,､-''　　 ｨﾞ_,､イ｢ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢｢ミ`ﾆｰﾐ､　 |　　　　 ｢ 　　/l! ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| !｀`ｰ ヽヾ　ﾉ　　　　ﾉ　,／ｨﾘ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j ﾋﾍ、_,..}　ﾞY　　_､-" ､ｲ f.／　 ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ﾀ_,N"lii;,　_ﾉ-''"_､-''" ﾉ／　　　|. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　|.ﾄ-三ﾆ=_,ﾆ"　 :='／　　　　 .|　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　,'|.| ｢ ﾅ'ﾆﾆｨﾞ 　 ,／　　　　　　 |　　　 `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　' |.| ﾚ'__二ﾌ′ ｨ'　　　　　 　 　 |

856 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:13:50 ID:XmcaRazM 国王「冒険者を尋問していたら隣国の親衛団長だった」 そりゃ外交問題にもなるわなｗｗｗ 858 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:14:38 ID:DaHh6u2Q まぁ確かに関係者じゃなきゃ御伽噺にしか聞こえないような大活躍だからなぁ

三４６６．
―――――――――――――――――――――――――――
　　だが、そんな彼らの反応を見透かしたように女王は続ける。
―――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 　 ┌,, 、 . . : : :￣: : : 〈〃,４、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,|.{{／, : : : : : : : : : : ∨ : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 / V:.:/l.: : :l: :ﾄ､: : : : : : '. : : : : ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : :', |　　 _.　　　|:/ァ ´| : : : : : : : :|
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　　　（空と大地の間に―――か。　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : : : :┗┿__xヘ,_xヘ.＿ _| : : : : : : : :|
　　　 女王様、そのお言葉ちょうだいします）　　　　　　　　　|: : : : : ,'´　ﾏ､_∧　ﾊ／/　 ｀', : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : :.{　,. -', 　 |　|　 /‐ ､　.}.: : : : : :|
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f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |: : : : : : :.|　　　　∨　　　 ！.: : : : : : :|
|　　最後になりますが―――　　　.|　　　　　　　　　　　 　 　 | : : : : : :｜　 　 　 ',　 　 　 ',.: : : : : : :|
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |: : : : :.／|　　 ,.　-‐',－､　　| : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : ／　 ', ／ ,.　-‐ト 、＼ ﾄ､ : : : : : !
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: ／　　　　／ V_.ｨ,从.ﾙ'‐｀ﾞヽ｀´__〉.: !

三４６７．
―――――――――――――――――――――
　　彼がこの国の未来を信じてくれたように、
　　自分達も彼の未来を信じているのだと―――
―――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-''´:: :: ::／;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -''´:: r''''''´´:::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:: :: :: :/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:: :: :: :: ::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:: :: :: :: :: :: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
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　　　　　　　　　　　　　　　　 イ:: :: :: :: :: :: ｲ''´￣｀''ｰ- ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　／: : :i:: :: :: :: :: ::/　　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　 ／: : : : :|:: :: :: :: ::/　　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　　　　　　i: : : : : : :l:: :: :: :: <　　　　　　　　　　　　　 ＼::::::::::/
　　　　　　　　　　／::|: : : : : : |:: :: :: :: ゝ　　 i　　　 ',　　　　i　　　 ヽ:::::ﾉ
　　　　　　　　 ／:: :: :|: : : : : ::|:: :: :: :ノ　i　　|　　　 .|　　　　|　　　　 Ｖ
　　　　　　　{´:: :: :: :: :|: : : : : :|:: ::::il´　　| 　 |　　　 .|　　　　|　　　　　',
　　　　　　　廴:: :: ／:: i: : : : : i:: :::ﾉ ￣ ﾅ.十|､　ﾊ　.i　 ,'　 /.　 　|　　 i
　　　　　　　 ＞┐:: :: :∧: : : : |::::ｿ .z≠ア≧ﾐ llﾍ　　　　/　　 　 |　ｨ .|　　　　　　「もし皆様のお国で何かあった時には、
　　　　　┌＝ィ∧:: :: :: ∧:_:_:_:|ノi7 ﾏん:::::}　　{　ﾍ　　 =ﾆニ'､ /i /　.|　　　　　　 彼が現れて活躍してくれるでしょう。
　　　　 　 >彡/ハ｀ー､::::Xrtjﾍ}　ﾄ 　 辷zｿ　　　　ﾍ/　ｱﾃﾄ.// }　ﾊ/
　　　　　　ゞ//　 ', i　 廴_t及ﾝ::|　',　　　　　　　　　　 ん:://ﾊ┌/ﾝ　　　　　　　　その時は是非、力を貸してあげて欲しいのです。
　　　　　,.:^ <　__'i i..-―‐-.... _　`　ﾍ　　 　 　 　 　 '　.マ' / i　i ＼´　　　　　　　　きっと悪いようにはなりません」
-――≦―::､::＼:::::::::::::::::::::::::ヾヽﾍ　.|_､　　 ｢ 　 .ｧ 　 　 /.　l　lﾍ　＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､:::::::::::::::::ヽヽ)　ヽ.＼　 ` ´　　　 イV弌　i　＼ .＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::∨i　｀,;;｀ヽ>　 ‐＜　　 |　V ヽ､l.　　ヾ　＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::/;;}　　i;;;;;;;ﾍ　 　 /ヽ, -―--i ﾍ.　 ＼　＼ ＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{;ノ　 ノ;;;;;;;;;;ヾﾍ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ､ ヽ｀ｖ､ヽ　 /ソ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　 -'''-‐;;;;;｀,Vﾊｶ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈　ヽ}V　)　).//
:::::::::::::::::::::::::::_　-――-､:::::::::/　 :::{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iﾝｨｿ,,,,,,､;;;;;;;;;;〈――‐┐ノ／
.――　￣￣　　 　 　 　 Ⅶ::{　　:::::ﾍ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/＼;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;};;;;;;;;;;;;;;l　<
　∨　　　　　　　　　　　　Ⅷ＼ ＜ー- ､＿;;;;/;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;ヽ;;;/｀>;;;;;;;;;l　　r-‐､　　　　　/〉
　 ∨　　　　　　　　　　　　Ⅷ:ﾍ:￣工＞＿/;;;;;;;;;;;;／;7ヾヽ､∨;;/;;};;;;;/,...:::^:::...´ ﾕ_r― ' /
　　∨　　　　　　　　　　　　Ⅶ::ﾍ::::::://＿＿;;;;_／:ヽ/__,ｲ＿..イ＼／'::::::::::::::::::＼　｀｣　 {
　　　＼　　　　　　　　　　　　Ⅵ::ﾍ:::ﾝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:::::::l::::::::::｀ヽ､:::::::::::::::::ﾍ_´_}＿ﾆ⊃
　　　　 ＼　　　　　 　 　 　 　 Ⅵ::ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　（
　　　　　　＼　　　　　　　　　　 ∨:::ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{:::::::〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::_｣､_ﾉ

860 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:15:25 ID:NYgRoxl. この言葉通りになってるから困る。 861 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:15:39 ID:kKzO9frs どこの聖戦士なんだｗｗｗｗ 862 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:15:54 ID:TqVpQwzg 伝説の勇者様扱いｗ 863 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:15:58 ID:16EmbxXA なんかすげー感動してる今

三４６８．
―――――――――――――――――――――――
　　もし、その為に不足するものがあると言うのなら、
―――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ イィ’＿_:::::::::::::::::::::::::::::::-=ﾆヒ.
　　　　　　　　　　　　　 　 ｲ　'"ｿ:.:.:.　,.　　　`　､:::::::::::::::::-ﾆﾋ
　　　　　 　 　 ,ﾋ'´`">ｰｆ´' ｲイ´.:.　,ｲ　 　 　 !　 ＼:::::::::::::::ノ
　　　 　 　 　 f ﾉﾆ-ｲ:::::| ,.ｨイ:.:.:. :./　　 / 　 ,!　　　ﾞ，::::::f´
　　　　　 　 f ﾋﾆrﾍｲ:::::|　7:.:.:|:.:.ｲ{;ｲ::. /: 　 /　,!　　 ｌr-ｲ
　　　 　 　 ﾑ'ｰ'´Lｨ{　 { ,r'､:.:ｆﾃ‐ﾄ､{i:. ｌ:. :. /:. ,ｲ　　　}ｲ
　　　　　　 ｲﾋｲL´ ﾞ!:::::ﾞ!7ｲ:.:| ィﾃﾄ､ヾ{ l|:.ﾑ‐7"|:.　 ! |!
　 　 　 　 ,/ｲ: :ﾄﾍ､ ﾞ!rべ{:.:.:|　弋:ﾂ　　 .`,ｨｾﾘ }::. / ﾘ
　　　　　 ﾑ'| : :|:;ﾍr､ﾍﾃｲ'〉:|　　　　　　　 {;:ｿ,.ｲィ,ｲ '　　　　　　「名声が不足と言うのでしたら………
　　 　 　 7 l : : ﾄ{ｆ`个rﾍ/.:.|、　　 　 __ ' 　 ./ ﾄ{´　　　　　　　　 彼が信頼できないと言うのでしたら―――」
.　　　　　　|! : :.! ﾞ!　!: : / ｨ !:ヽ.　　 (_У ,..イ:. |l|
　　　　　　|l : : | {'　|: :/ /_l !ﾆ->ー-､ イ__,. !:. !ﾍ
　　　　　　!! : : i　　| / /´ l |,　{::::::::::.ヾｲ:::::} |: |　ﾞ，
.　　　　　 || : : :| 　 く-ｲｪ_ | {、 ＼:::::::: }ｧﾍ::| ! { 　 i
　 　 　 　 !! : : :|　 ,ｲ ヽ_: : ` ‐-. .､ｆ-:. ﾄ,ﾄｲ{　| ! 　 }!
.　　 　 　 || : : ::| /　　　 `ｨｰ- ､: : ヽ::7ｲ::::::｝ ゞ〉 '´

866 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:16:06 ID:/9QzPwuc 繋がってるなあ…確かに繋がってるなあ… 867 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:16:17 ID:DPwK.xk2 英雄に会いたくもあり、そんな状況になってほしくもなしw

三４６９．
――――――――――――――――――――――
　　それは自分たちが補うべきもののはずだ、と。
――――――――――――――――――――――



　　　 　　 　 　 　 　 　 , -､/￣ヽ 　　__
　　　　　　　　　　　 __（　　しヘ 弋／　)＼
　 　 　 　 　　　　／ー'　 　　＼ 　　　└ヘ＼
　　　　　　　　　└ヵ　　　　　　　　　　　 　 |＼
　　　　　　　　/￣＼　　　　　　　　　　　　　〕　＼
　　　　　　　 └┐　　　　　　　　　_ 　 -―-＼　　ヽー､
　　　　　　　 ┌┘ 　 　 　 　,.　　 ／　 ヽ　＼ 了 　　ト ∠ム　／ ヽ
　　　　　　　　廴　　　　　／ 　　/　　　　　　 ヽ｀つ　 ∨Y　 ￣〕マ７_
　　　　　　　　 r┘　　　/ 　 　 　 　　 　 　 |　　|└┐　|　|　 rﾍ´ ＼ ｊ! 　 ＿
　　　　　　　　 ｀つ 　 ./ 　 　 　 　 　　 |　　|　　| | 〔.　｜｜＜_ﾑ__＞　￣__
　　　　　　　　　〔＿　.′ 　 　 　 　 　　|　 | ||　｜ｉ　｀)｜｜　〔 ﾍ＼ ＜
　　　　　　　　　　　ヽ| |　:　　|　 |　　　 |　 | ||　 ﾚﾊ 弋 |r= 、r┘ |　＼ ｀
　　　　　　　　　　　　| |　|　　|｜| 　　　|　 川ィﾁﾚ,_|　({ﾍ參〉） 　！ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　| |　|　　|⊥从_| /ｊ／/ィi´うﾊ｢|　|广7_ハ 　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　＼＼ヽ７了7ヾ　　　　 ゞ- '｜ |∨/ 　 ＼　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 ＼| ヽ　ゞン　　　　　　　｜ | ∨ 　　　 ＼　　＼　　　　　「彼が神竜の記章を持つ限り、私は―――
　　　　　　　　　　 　 　　　　|　∧　　　 ｀ . - 　 　__|　ハﾍ 　　　　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　|　l|　＞＿　　　　／　j /￣ヽ.ﾏ＿　 　　　＼　　＼　　いえ、ローゼン王国は彼の身元を保証し
　　　　　　　　　　　　 　 　 /∧|／　　 __ｱ=ﾐく入`マ"￣￣ ／　　 　 　 　＼　　　　有事の責を全て負う事をここに宣誓します」
　　　　　　　　　　　　　　／/　ﾍ　　　/-ゞ參r' _≧　＼￣/___〉 　　 　　　　　＼
　　　　　　　　　　＿__／∠ ヽ＿＼イ　　 ｀T1く, ―‐ 　∨　　ヘ,__
　　　　　　　　　　＼ 　 ＿...ニニニ＞ 　 　｣ K_,／￣ヽ　〉￢　　　＼_
　　　　　　　　　　　 ￣　 ＿／　__〔　　／　　| ゝィ厂ﾄ 　Ⅴ | |　 廴 厂 ヽ
　　　　　　　　　　　 ＜二、≦二.＿ヽｲ　　　 |　　｢ 广ヽ.ノ　|/ 　　＼ 　 /
　　　　　　　　　　　　　　冫￣_.ｱ／　/　　　　 /（　 ┬―＼　　　　　|　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　 ／ --≧＞　/、　__　　ゝ┴イﾍ 　 　　　　　 /!　　ﾉ
　　　　　　　　 　 　 ／　 　 ヾ＼　 ん}｝丿 `ｰ'￣丿　 ﾄ ＿ 　　　　 / r‐'´
　　　　　　　　　　 く　　　　　　｀ ＝＝' （￣￣￣　　　ﾄ　　 ￣ ー‐' ノ
　　　　　　　　　　　 ＼＿＿,....., 　 　　 ﾉ 　 　 　　／,!　＼――＜__
　　　　　　　　　　　／　　　　　＞ｰ―'　　　　　／　/　　 /　　　　　ﾄ
　　　　　　　　　_／　　　　　／　| 　 　 　 　 ／ 　 /　　 /ﾍ　　　 ／ﾍ＼
　　　　　　　　/ ＿__ 　 　／|　　ヽ　　　ー '´　　 / 　　/　　ヽ＼＿〉　ヽ ＼
　　　　　＿＿L｛　　｀　ノ /∧　　 ＼　　_,.. 　 　/　　 /　　　　＼　　｀　、＼＼
　 　 　　|　　＿＿　￣__ノ/　 ヽ　 　 ￣　　　　/ 　　/ | 　　　　　＼
　　　　　し'⌒i 　 　　く　/　　　 ＼　　　　　　/　　 / ｜　　　| 　 　 ＼
　　　／　　　弋__r‐､　У　　　　　　　　　　 /　　 /　｜ 　 　 | 　 　　　＼
　 ／　イ丁j　/ 　　 ﾌ　　　　　　　　　　　 /　　 /　　|　　|　　|
　‘ 'レ/ノ　{_/　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　||　　|

870 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:17:07 ID:16EmbxXA これ俺がない夫の立場で、人づてとはいえこんな話聞かされたら確実に号泣 871 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:17:33 ID:lLTBk7Uc やばい、泣ける 872 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:17:44 ID:V8uPBR0Q ここにもサブタイの一つが・・・・

三４７０．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,､　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.._/ / / /iｺiｺ ,..､.,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '‐-, .,ニ' ',コ　　!┌‐-ニ￢
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 '-'　/ /　　　.゛´　　 / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／ 　 　 　 　 ／／　ﾛﾛ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　｀´　 　 　 　 　 ｀‐´　　 ./_/

　(W从~j;::: :;'')),　　　　　　　　　　 　 　 　 ||（ ﾟωﾟ)ﾉ||:　　　　　　　　　　　　　　　　..:::::: : :
　vW;;;;;wﾘ:::::ﾘﾉ　　　　　　　　　　　　　　　||（..'Ｖ-）::||:　　　　　　　　　　　　　　..::::::::::::: : :
　vWﾘl从::::::ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　========i:　　　　　　　　　　　　..:::::::::::::::::::: : :
　WvﾘW从:ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..::::::::::::::::::::::::::: : :
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　圓圓|l;:|圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓:::::
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　　＼:三:／::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::: : :
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　　　　　　　　　　　　　　　/―∞　　　 Ψ　⊂oO⊃　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 /　―∞￣￣ ||　　◇⌒:θ:目　＼
　　　　　　　　　　　　　 ./　/　○　∞.⊂⊃ ＼△三＠＼.　 .＼..
　　 　 　 　 　 　 　 　　/日 _..○○_　　　'''＊＊＊ ￣￣　.　日＼::...
　　　　　　　　　　　　 /　'''/＼＿／＿＜＊＊＊＊＞　　⊂oO⊃＼:::::.....

874 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:18:42 ID:nM/YwDeU 不覚にも絵で吹いたｗ 877 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:19:33 ID:NYgRoxl. >>874 くそwwwwwwwwwwwwwwwwww おまえのせいで俺も噴いたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 882 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:20:52 ID:K.KCFK8Q >>877のせいで噴いたｗｗｗｗ これが「繋がる」ってことなんだな

三４７１．
――――――――――――――――――――――――――――
　　どよめきを余所にとても強く、しかし寂しげに微笑んだ女王は
　　お話は終わりです、と締めくくる。
――――――――――――――――――――――――――――



/: : : /::_::;:::::::::::::::::i　／　　／　　　　　　　　 ＼ｨ:::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : : /´::::-:::::::::::::::::lｲ〃 ／　　　　　　　　 ;,　 　 ヾ/::::::::::::::::::::::::::::::
: : /ヾ:::-::─＜ フ / ,〃　　／ ／ 　 　 　 i　　　　Vノ:_:_:_:::::::::::::::::
: :｛ー:::::-:::::::ノ/　,;　/　 ／　/　 　 　　 　 |　　　　 .V:::::::::::::::::::::::::
: :i＞::-::::_ノ゛/　〃/　,,;'　　/　　,;'　　　　,;i　　　　　 ',:ｨ::-:::::::::::::::::
: :lﾐ=::::/￣,ィ　 / ,;'　/　　〃　 /　　　　 ,;'!i　　 i　　　i::_:::-::::::::::::::_
Ⅳ::::rｲ　 /,;　 ﾊ / /i　 //　 ,;/　　　　　,;i;' 　　,l　　　i::::::::::::::::／
i｝ｿ:ノ　,;/i /ﾊ,; i ,;/i l /.;i　ｨ,;/　　　　　 /;　　 ,;'　　 　l:::::::::::::｛
Yノ　i　il　il 升- /_/,;ﾊ　/,;' i　　　,;'　 /,;　　　,;　　 ,　i:::::::r─'
ﾉil　 il ,;i≧＝-ミ;;,　 ヽiﾊ ,;i il　 　/　/,;'　/　 ,;　　 / ,;'::::ノ
i il　 il i! i/::芯:::ケﾐ､　 i;,ハ;;,　 ,;/_;/;;'　.;　　ｲ　　/〃ﾉ￣
i il　 il i! ゞ､:z=ン｀;,　　　　 iﾚ,;;/=､￣,;ヽ,;; /,;　 ./.;/''
川　 i i!　　 ￣゛　　　　　　　ｨ,;:烈ゞ,,;/〃ｲ,;'　ｲ／
小.;　 i　　　　　　　　　　 　 ,;::ｔ::ｨ ｱ /,,;;i.小イ i
ｲ i　 li　　　　　　　　　　　　｀ｰ''´／il　,;i川,;;il l　　　　　　　　　「そして………どうか伝えて頂けますでしょうか。
.i il　 ﾄ　　　　　　､　　　'　　　　人 ,;i　　i l,lﾐ　,i
.i il　 |: ｀: ,　　　　　｀　＿ _　イ　 i,; il　 ,;i 小;;..il　　　　　　　　　『ローゼンはいつまでも
.| il;;, i: :- :､:>､_　 , , ;': : : : : ｀:￣: Y i;　　i;;.';,　 ';,　　　　　　　　 あなたの再訪を待っています』と」
:| ;;.　i: :-=Y rｲﾐil｝=-: : : : : : :: : :.::i ,;i　　l;,ﾄ,　　 ;,
:i ;,　 i: :イ人廴Yｿ､: : : : : : : : : : : ,i il;,　 ,ﾊ ﾐ,　　ヽ
:i il　 i: : :/: : Y小ミ､-: : : : : : : : : :i川　　i..i　il､　　＼
:| il　 l; ;/; ; / ii;i; : : : : :ヾ: : : : : : :ﾊ;;,　　;l ヾ ヽ;,　　　';,
ミ;;,il i!: :i: :ｨ: : 小: : : : : : : : : : : : : : ;,　　 il: :', ヾヽ　　　＼



―――――――――――――――――――
　　いつか、再会できる事を信じて―――
―――――――――――――――――――

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三４７２．
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　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 . : ´: : : : : : : : : ｀: ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : ´: : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
　　　　　　　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　 　 　 　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　 　 　 　 　 ／／: : : : : : {: :i| : i : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:',
.　　　　 　 　 ／／: :／: : : : : ∨ﾍ: |: :{: : : : : : :!: :.i: : :i:}: : : : : : : : ',
　　　 　 　 　 ｀ヾ:／／: : : : : :__!ミヾ: :ﾍ: : : : :从:ノ:_:ノﾉ: : : : : : : : : ':,
　　　　　　　　　 ∨: : : : : : : :.{h!｀ヾえｱ乂:.:ノｨえア´!_: : : : : : : : : : : ':､
　 　 　 　 　 　 　 ∨: : : : : : : Ｖi　　　　　.:′　　　　ﾊ） : : : : : : : : : : : :＼
.　　　　　　 　 　 　 ＼: : : : /:.:八　　　　 i .:.　　 　 ,小 : : : : | : : : : : ／　　　　　「―――女王は、そう締めくくった」
　　　　　 　 　 　 　 　 ＼//:./:.| ﾍ　　　__`´_　 　ｲ/ハ.: : ｉ: :|i : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　＼: :|　:|＼　　 ､　　／　ｲ .:|: : |i_:|i＞"
.　　　　　　 　 　 ,rf777777777L...j｛ヽヽ _ 　イ ／　L.:j､＜.._＿＿___
　　　　　　　　　//////////////,|:!　｀ー一 ´　　 ｲ////////////ﾊ
　　 　 　 　 　 ///////////////,|j､　　　　 　 ／i//////////////ﾊ
.　 　 　 　 　 ////////////////,|　 ｀ ー一彡'　ﾊ//////////////ﾊ
　　 　 　 　 /////////////////,|　　　　 　 　 /////////////////∧
.　 　 　 　 //////////////////ﾊ　　　 　 　 ///////////////////∧
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.　　　　j//////////////////////,∧ ／/////////////////////////ﾊ



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　　やはり詩人のようにはいかんな、と反省するハマーンが見れば、
　　拙かった話し方ではあれど事の片鱗ぐらいは伝わったようだ。
―――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　(ヽ、００　　∩
　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ
　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）　　　(ヽ、００　　∩
　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
／￣ー―‐　、　　　　　　　　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ　 〇　 〇
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　 　 　　　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）
:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::i　　 ., -―- 、 　 ___
:::::::::::::::::::_＿_ノ､/〉'　 ／::::::::::::::::::て/::_:::ヽ
:::::::::::::::/ u　 て;/7　/::::::::::::::::::;ｧ､､:::「ｪ ヽ::〉 __
::::::::::::/　　　　 /〈　 i::::::::r､::／=ﾐ ｀く.u J／:::::::::＼
:::::::::::j　u　　 ､ ´_}ヽ.|::::::iｵ/u　ﾆi < iヽｧ/:::::r----J　 　.r:´二ﾆヽ
::::::::::i　　 （二７´_.L.,　､ハ　〉 　_　_ﾏ/ﾝ::::r ' ;tr /;j　　　i::/r-､r-|　 r一ー､
::::::::::|、　　 .r ' c ／､:.:.:ヽ ヽ　 ｰ」: : : : ii ヽu.___､/　 ＿ん' ｀´ム.'　 |:::r―┤
:::::::::／￣ ´」ｰ／:.:.:.:.＼:.:.＼＼__j: : : : : ヽ　ヽフ｀ヽ´　 | | ヽ'ｰン､ _/ﾊu.'_' |
i:i i:::i:iヽi　´　!':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.',:.:i: : : : : : : :「=| : : : |: !　　７!｀:´|<　 ７ﾏ.ヽー'

881 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:20:18 ID:svuqgnyc どんなVIP待遇だｗ 885 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:21:32 ID:E/oYIV1U >>881 ビップだけに（　´ｗ｀） 884 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:21:19 ID:DPwK.xk2 一国の看板しょった冒険者…すげぇ

三４７３．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　話の真偽はともあれ、エゥーゴ王国の中で一番南のアンマンでも
　　ローゼン王国内乱についての情報ははっきりと伝わってきていなかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　,, -‐'''″￣｀ミ`{.{@yiゝゝ
　　 _,,,,i=η／　　　　　　　ヾ､`ヾ､)) l　｀'i
　 ,//,i<迴'j　　　i　　　　,　ゝ ＼. (( .i i　 !
　 l l　/ //　i　i 7 .i　　　ヽ,ヽヽ i i　l l ﾊ　｀!
　 l i　 / i　l l　l .i| |　　 i i　i　,ﾊ　il　i i ,ヽ　!
　 l i　i l ,　l. !　|i|i　l　i i l i　l l　ﾊ7i　i l i ゝ,.｀'i
　 ,i i l l　!　i ヾ i　l ＼i i lﾊi i i l　ﾉl　| i l　 .l　}
. // /i|　| i | i l_.,,((、ii､ |il! .だ｀｀'i.7　l l|　 .'y l　　　　　（ローゼンってつい最近、
//,'´　i＼＼ヾiFｯﾐ''ｼi　　 弋__沙7　//i　./ ./　　　　　 王位継承関連で
イ　.,/′ヽゞゞ≦汗彡'　 ,　　　.//　li　| / /　　　　　　 かなりごたついたって聞いてたけど………）
　 /,,_　　 }li ゝ､i,　))　 　 ｡ 　 . lil　.li l i ,l .{
　l　　　　7 i! !i)..ゝ．.,_. 　　,.／il　 il　＼＼＼　　　ﾋｿﾋｿ
　　　　ノ i/ //-‐'′κ,｀"-　>ヾ　! >.-‐'ゝゝ＼
　　　/''"　~´ ,/ | k>っ>b, ,,.,ciyi)-ゝ　　　 ＼ヾ
　　 7ζ　　_ / l　ξl lゝ､ . ／l .!　i l　　　　　iゝ｀l



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ハ :::: :::: :::::::::::.::::::::::::::::ヽ::::::::､::::::::::::ヽ ::::::..ヽ::::::`､ :. ::::::ヽ :::::.:.::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／| ::: :::リ､:::rＮヽ＼::::ヽ､::::ヽ､::::::丶＼　::.＼:::::ヽ .:. :::::｀ヽ‐- ､_:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ﾊ ::.:.::!　V　/　 ＼ヽ::i ヽ:::| ｀ヽ::､::｀ヽ丶､:::丶､::､ :::::...､::::＼　｀`ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ヽ.: ::l 　　/　　　　 ヾ　ヽ:i　　i| ヽ::::ヽ＼｀`'' ‐---::::ヽ:::＼rヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';:: :! 　〈　　__　　　　　ヽ　　|　 ',::::::: :＼:.::､｀ヽ:＼::::::ト ､::丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　|:: ﾊ　　`　　　　　　　　　 　 　 }:::::::. ::::ヽ::ヽ::.:＼:ヽ､ヽ　｀` ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　|/l:ハ　　 ､　＿＿　　　　　　　ﾊ:::::.::| :i:.:ヽ.:i::: :､:ヽ}　｀`
　　　　　（私は大した事なかったと　　　　　　　　 　 ノ ﾉ'　l心　　`ー‐一`　　　　　 ,. '|:::::::| :| :.::.N :;､!`､ヽ
　　　　　 耳にしていました）　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |ハ　　　　　　　　　,　'´　i!::::::| ::|　:.ハ | ＼ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ ヽ　　　　　 ,.　'´　　 ,/!/ |: :::､　!　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾎﾞｿﾎﾞｿ　　　　　　　__　 __,.ノ/ 　 ヽ __,,.　'´　　　　　 ノ　l,ｲ:: ﾊ:{ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..､,.ィ"r''"´　 .:::　　　　r　　　　　　　　　/ /　|､:! ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.. -‐''"´　{　　 ヽ　　 r　　 i　ヽ＼　　　　　　 ／　　　: ヾ丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 |　　ヽ ＼　　　　ｌ　　＼!　　　　　/　　　　　　 ヽ　｀ヽｰ-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 ヽ　 ＼　　 ヽ　　　　　　　　i　　　　　　　　　　 ﾉ /　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　 |　|　　　　　　　､ 　 ＼　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　／ / r　　　｀`丶､



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　　ただ内乱があった事、女王が即位した事だけは一致しているので
　　何かがあったのは確かなのだろう。
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887 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:21:58 ID:XmcaRazM ＞（やらない夫のおかげで）大した事なかった 889 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:22:03 ID:NYgRoxl. たいしたことあったんだよ…… 惜しい人物を何人も失った…… 891 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:22:45 ID:16EmbxXA この流れは…！

三４７４．
―――――――――――――――――――――――――――――――――
　　いまいち信じられない雪華綺晶達とは逆、
　　真剣に聞いていたアグリアスは腑に落ちた様子で頷きを繰り返していた。

　　ゴーレムとの戦闘の最中に、あの少年に何かを感じたのは
　　やはり気のせいではなかったのだと分かる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　,､r'''""""''''‐-､､,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ／　　　　　　　　　　"‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／l:.:..::.:...　 　、ヽ､:.:.　、:.::.ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ／:.:..l:..i､:.ヽ､:.:..､ヽ　ヽ:.:....:.､:;:.:.:.'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／イ/:./､:.:l､:.:ヽ､:.:ヽヽ:.:.ヽ.:.:.:.､:.:.... l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,゛i:./.:/　'､:l ＼ヽ＼:.::＼＼ヽ:.:.:',:..:...l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'゛ l:.l:..l_　　ヽ　　＼--'ｒ､:.＼'､'､:.:.ｌｉ:.:..ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　ｉﾘ､:ｌ,ゝ､　　'''゛ ,,､ｪ-､ ゛'ｉ-､:､ゝ:.ｌ;ｌ:.ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　''､:.iｲl;;.） 　 　゛ l;.;;;;ゝ .l:.:.l‐'i,,､:.ll:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　l:;l　'゛　　　　　ｰ'゛　l:.:.l５ i､l:.:.lll､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　 lﾘ　､　　　　　　　　.l:.:l ｨ'゛ミ､lﾉ;ヽ
　　　（ローゼンの英雄殿であったか。　 .　　　　　　　 　　　l:.ヽ `　　　　　　 　ｨ:.:.l l三ﾐ／ ノ
　　　 しかし―――）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l;.;ll'､ ￣`　　　,,､r' l:.:.l l=ﾃ'.:／:./ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.;ll ヽ、 　,ィ'゛,､､‐|:. l;.;.i､／.ﾉノ:.:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:..:;l;l 　　 ' ,;ii";.;.;.;.l:. l.;.;.;.:l､彡//:./､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　　 　　　　　　　l　;l:l　　 　{Iiil.;.;.;.;.;l .:l.;.;.;.;;.ヽ､///:..ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　l　;l;l　　 　llli;.;.;;.;.;l:. l;.;;.;.;.;.;.;.;.ヽ,r' /､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　l .:.;;l,,､-､r'人;.;.;.;..l:.:.l,､r''"゛゛　　゛"'-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ;.;..;.l　 ﾉ.;./ii;.;;;.;.ﾉ:.:. l.　　　　　　 　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.;.:.从‐ﾉｿ､,,ll､..;./:..:. .l　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 /r;:.://ノｉ//　ヾ､;.ｌ:.:.　 ｌ彡　　　　　　　　　ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　//ｌ:.//　'゛　　　ｌ'､ﾉ:.::.　ｌ　//.　　　　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｌ /:./ 　/､　　　ヽﾉ;:.:.　ｌ、　 ､'ﾐ　　　　ｊｉ　'!.ｌ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｔ､::ﾉ,､/:.ヽ、,i　　i;.:.:.::.i:.l　ヽ、　　　　　,,､r''゛i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'゛k//;.;./ 　Y l　　l.::.:./l:.l 　 　゛"三￣　　　　.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .l.;l;l l:.:l:.:... l　l　 /:.:.:/ ;ﾘﾐｰ､　　＝　　　　,,､r'゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iT､ll;.l.:.... l　l　/:./:/ li　i'゛ ゛""'''''''==＝'" l



――――――――――――――――――――――
　　だが貴族や騎士、衛兵達の居るここで
　　その話をした王妃の真意がまだ、分からない。
――――――――――――――――――――――

三４７５．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　案の定、貴族の生き残り達は手のひらを返して浮かれた様子であるし、
――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　 ＿＿ _
　　　　 　 　 　 　　 　　 ,．-‐ "´　　　 　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 l　　　　 -‐-､､ヽj　,!
　　　 　 　 　 　 　 　 　,!　　　　 ,r'´￣｀`ヾ」
　　　　　　　　　　　　　|　　　　/　　　　　　ﾞ!
　　　　　　　　　　　　　l 　 　 /　　 ＿,, ,!　 l
　　　　　　　　　　　　　| ,r‐､ﾉ　 　´ﾓﾌﾞ´rｧ |
　　　　　　　　　　　　　ヽ! Yr ヽ､　´　　,」; /
　　　　　　　　　　　　　 ｀t, ﾉ　　i　,ｨ'´￣ヾ!　　　　　　　　　　「なんと、若き英雄殿であったか！
　　　　　　　　　　　　　　|　 i 　　!　ﾞ"ー''ﾞ''!　　　　　　　　　　 これは僥倖、僥倖であるぞ！」
　　　　　　　　　　　　　　l 　 i丶､,　　　´ /
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､＿ヽ　｀`ー‐,!
　　　　　　　　　　　 　 　|　　　｀ﾆﾆヽ_Tjﾊ
　　　　　　　　　　　　 ／`ー-､ i /7」 ｀llk i､＿
　　　　　　_,ｨｰyrr一'´　　　　　￣｀ヽ _」!「　　 ￣｀ヾヽ
　　　 ,．'´￣｀ヽヽ＼　　　　　　　　　　 ヽi|　　　　　 ヽﾊ
　　 /　　　　　　ヾ'´　　　　　　　　　　　　l!　　　　　　 `,ヽ
　 ,/　　　　　　　 ﾞ､　　　　　　　　　　　　 l!　　　　　　　| l
　 i　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　 l!　　　　　　　| |
　 i　　　　　　　　　l　 i　　「二二二/ 7」　l!　　「二ﾆ!　 l ,!
　 | 　 　 　 　 　 　 |　,!　　　　　　　　　　 l!　　　　　　　l l
　 |　　　　　　　　　 !/　　　　　　　　　　　l!　　　　　　　| |



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､z-´ｧｧｰ-､､　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　'´"´　　　｀ヾ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　 　 ! 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 　 　 j　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　_,,､z=-､ }　 　 　 l
　「うむ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !ゞ､､-､,,,,　｀`j,ィﾗ' 　 | ,r‐､ 　 !
　 英雄殿にお任せすれば良いではないか！」　　　　　　　　!"´,ｨﾃj´　 '　 ｀`　　 j ! rﾙ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　､__,ィ､､,,　　　ヾ'"´ Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi　 ,ｲ,ｨ-ーーｭ　　 ,个 ー'- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 '"´￣ 　　　,」 ﾄ､　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __人 _､　　　　　,．' 」 i 　l　　 　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´ j￣　　 /ヽ 二二二´_／ | i　 |　　 　 　ﾄ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　 / 　　　,ﾉ｀`ｰrrt‐'"´　　　| i　 L＿＿／　　｀`''ー- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　i! 　 　 / 」　　i l ! 「三」 _//　　　 〉ー‐'"´`ヽ､＿　　 ｀777ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　!ﾊ 　 ,ｲ/　ヽ_」 l ｰ '"´　// 　　　/　　　　　　　　 ￣｀ﾌｲ/ _久
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀ﾌ,ｲ ,ｲ</　　 ///　 　 ／/　　　 /　　　　　　　　　　　/￣　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ///!/　 l　　 /// 　 ／　/　　　 /　　　　　　　　　　　/　　　　 　 ﾊ

894 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:23:45 ID:BZNMtoWo お前らな… 897 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:24:08 ID:XmcaRazM 裏切り者どもの手のひら返しぶりにふいたｗｗｗｗｗ

三４７６．
――――――――――――――――――――――――――――
　　裏切り者を出して憂うはずの、
　　そして自分達こそが率先してティターンズ討伐、
　　宝具奪還に動かなければならないはずの騎士や衛兵達にも
　　英雄任せの空気が広がりつつある。
――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　_冖___
　　　　　　　　　　／　| |　　ヽ
　　　　　　　　　/　　　| |　　　ヽ
　　　　　　　　　|　　　　　　　└|
　　　　　　　　　(　ニニニニニ　ｌ
　　　　　　　　　〕ｌ ｌ-‐‐i i‐‐--ｌ〔
　　　　　　　　 （　 ヽ .,,,,ｌｌ,,,..　/　）　　　　　　　　　　「おいおい、本当かよ。
　　　　　　／￣ト､　 ヽ　 　,'　 /--､　　　　　　　　　あんな小僧がローゼンでは英雄扱いだとさ」
　　　　　/　　 ,'|　i＼(0)只(0)/／￣｀ヽ､
　　　　　|__／　|　ﾍ＿＿／　 |　　　　　 ヽ､
　　　　　|＼＿|　　　,'　　　　　|＼　　　　　ヽ
　　　　　|　　　|　　　i　　　　　ﾍ　＼―----'ﾞ
　　　　　|　　　|　　　|　　　　　　＼|　　　　　|
　　　　 |￣￣ﾍ￣　´｀''‐‐----,'　　ﾍ　　　　 |
　　　　|　　　　|ヽ　　　　　　　　　　ヽ　＿＿--i



　　　　　　　　　　　　　　　 ,--‐‐、
　　　　　　　　　　　　　 ／　　 凵 ヽ
　　　　　　　　　　　 　 ｌ」''l___________ﾞi
　　　　　　　　　　　　 r " ∟-''ＴＴ''‐|
　　　　　　　　　　　　 'ｌｌ `ｰ､ _　ｌｌ　ﾍ、　　　　　　　　　「どっちでもいいんじゃねぇ？
　　　　　　　　　　　　 ｨｲｲｲ　ヽ,ヘ/　ヽ
　　　　　　　　　 _＿_ ｀ゝ､ 　(0)只(0)/　　　　　　　　　 英雄様が現れたんだ、いろいろ任せて良いんだろうし
　　　　　　　／´　　/ｌ　 ( ＿＿　＞-- ､,----､　　　　 宝具を取り戻したら本物って事で」
　　　　　　/ ....-‐''´/　 　 　 |　　　　　|　 　　　ヽ
　　　　　 _/＜　　丿　　　　 i　　　　　ｌ ＼　　　　ヽ
　　　　　/　　　　,r'　　＿＿∧＿＿　 ﾍ　　ﾞﾞ''ｰｭ..冫
　　　‐ /　 　　　/　／　　　　　　　 ＼ﾍ　__ノ''　ﾍ
　　　,r'　 _ ﾞｉ__ /|　　　　＿＿　　　　　| ヽ　　　　ﾍ
　　,　r'=ニ二〈　|　　／| |　| |ﾍ　　　　|　ﾍ　　　 　ﾍ

898 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:24:38 ID:DPwK.xk2 終わっていたのは、ジェリドだけじゃないようです・・・ 900 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:25:11 ID:/9QzPwuc 騎士団も…余り褒められたモノではないなぁ… この状況について責任がある立場とはいえ国王が哀れだ。 901 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:25:13 ID:NYgRoxl. こいつら…… 908 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:27:40 ID:nM/YwDeU ローゼンの連中は一緒に苦労を共にしたから自分のことのように思ってても こっちの連中にとってはあくまで他所から来た「英雄さん」なんだな

三４７７．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 x＜￣￣￣＞――― 7
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /..:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::／..:.:.:.:.:.:.:.::/..:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ..／.:.:／..:.:.´￣.X.ィ..:.:.:.:.:.:.:.:./..:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |／.:.:／ ..:.:.:.:.:.:.ィ.:/　!..:.:.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 　 　 　 ／ ..:.:/.:.:.:.:.:.:.:／　l/ 　 !.::.:.:.:.:/｀|ヽ.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /.:.:／/..:.:.:.:.:圷 乍气.　/..:.:.:.::/　/ｲ..:＼.:.:.
　　　　　　「やらない夫―――？」　　　.　　 　 　 |.イ..::/.:.:.:.／| { {て:::V　'..:.:.:／　 　 !.:.::|.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |.:/..:／ ..:.:|弋辷 / /..::／ 　込≧!.:.::|.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾚ.:∧」.:.:.:.:| 　 ￣ / '´　　 ん::Ｖ }.:.:/.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |/..:.:.:|.:.:.:.:|　　　　　 　 　 ゞ少 ｲ.:/|.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |.:.:.:.:.:!..:.:.:l｀>　 　 ,　　　　　 ･/.:!'　l..::,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |.:.:.:.:.:!..:.:.:|' _」 ＞ ┬‐..┬―< ..:!　.l:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |.:.:.:.:.:!..:.:.:|::|＿　　/｀ヽ/..:.:/.:.:.:.:| 　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |..:.:.:∧:.:.: !::! 　 ｀/:::::::/..:.:/.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |.:.:/:::::',:.:.:|::| 　 /::::::::/..:.:/..:.:.:.:.::|



――――――――――――――――――――――――――――――――
　　この中でたった一人、興味のないコナタが振り返れば
　　彼は両手で顔を覆っていて表情は分からない。

　　震える手、熱くなる目頭と鼻の奥。
　　やらない夫はこぼれそうになる涙を何とか堪えている最中だったのだ。
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　　　　　　　　　　　　　　　￣　 　 ､_
　　　 　 　 　 ´　　　　 __....--‐'''"´: :＼
　　　　 　 _/_....-一'''".／ : : : : : : : : ／ヽ
　　,.ｘ‐て/: : : : : : : ／ : : : : : : : : ／: : : :ヽ
　/::,;:/そ|_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_|
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.V.　.　　 l　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::|　', ',｀,
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　　　　　l　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ::::l 　 ', ', ',
　　　　　l　　　　　　　　　　　{｀ヽ　　 　 ::::｝　 ヽヽヽ
　　　　　l　　　　　　　　　　　　',´ ヽ　　　/　　　　　｝　　　　（真紅―――
　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　',　　ヽ､_/　　　　　./　　　　　みんな―――！）
　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　 　 　 　./
　　￣　｀ー -　　　　　　　　　 　 `, 　 　 　 　 　　,'
　　　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　ゝ 　　 　 　 　,' ；
　　:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／ヽ　 　　 　〈；
　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´　　；｜　　　　 .i ；
　　ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ　　　；.｜　　　　 ｜；
　　　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　 ；｜　　　　 ｜ ；
　　　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　； ｜　　　　 ｜；



―――――――――――――――――――――――――
　　離れる事を選ぼうとも絆は繋がっていた。
　　繋がっていたものが、自分の背中を押してくれていた。

　　それが、何よりもやらない夫にとって嬉しい事だった。
―――――――――――――――――――――――――

902 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:25:36 ID:V8uPBR0Q おまえは今泣いていい 泣いていいんだよ！！！！！

三４７８．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　妻の話が終わり、調子づく貴族や騎士達を尻目にキャスバルが静かに口を開く。
　　彼は妻が何を考えているか分かったのだ。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,､ -‐''''""~~""''''‐- ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-'"　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r"　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾞ､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　{　 ,､-:::::..　 :.　:::ﾂ ﾉ　　 　 ﾞ､ﾞ'､　　 　 　 ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,"　　　 　 _!,,ｿ:::::::::::::::..　:. :::::ﾉ{　　　　　}　}　　　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　 　 r'':::::::::r-､;_::::::::　 :. :/　ﾞ'‐-､,　　 }.ﾉ　 　 　 ｛
　　　　　　　「ビップ殿。　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ､　 　 {　::::::::;'　　 ｀''ー-‐'"　　 　 ノ　　ﾘ　　　　 　 ﾞヽ
　　　　　　　 先程までの非礼、どうか許されよ」　　.　　ﾞ'‐-､ ﾞ'､ ::::/　　　　　　　　　　　､,クﾉﾊ　　　　　　 　 ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ'‐｀'{'ﾞiヽ､'　　 __,,,　 　 　 ,.,.,.,,,_/_ﾊ　　　　　　　｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'ヽ　 r"　　　　　　 .| ┌ー-ﾞ-ニっ　　　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ヽ　　"　　　　　　| .|　　　　　　｝　ト）　 　 ﾋ｀ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀~}ヽ　　　　　　／.| |　　　　　 -‐"　　ヽ､　ﾏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l'''ﾆﾆﾆﾆ{､､,ﾞ'､.,＿_-‐"　　| |　　　　　　　　　　　　ヽ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 　 | i　　　　　ﾉ　　　　 l,.､-'"| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | i　　　　 ｀つ　　 ζ　　 .| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ,ヽ　　　　　｀''ー'l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ヽ,ﾞ､　　 　 　 　 !



　　　　 　＿＿
　　　 .,／,-､　 ＼
　　／ ﾉ:/　ﾉfヽ.. ＼
　　|　/:/　/...|　|　　|
　　l　ﾚ　./..ノ .,''´}　i　
　　l　　　' ´ .〃 /　|　　　「………いえ、そんな」
　　ヽ.　 　 　.　〈　.ﾉ
　　　 ＼.,_　　._ﾉ /
　　　 　/　　/　 ヽ
　　　 ./　　/　　　|
　　 　i　.／　　.　 |

三４７９．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　だが、まだ国王としてどうするかを決めかねていたところで、
　　やっと手を下ろした少年の顔を見て驚いた。

　　話の間だけで何か彼を揺さぶるものがあったと言うのか。
　　先程まではただの少年だったはずの表情が迷いのない、覇気のあるものに変わっているではないか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 　,_, 　 　　　　　　　　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　（ l ､　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　 　　,i､/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ　 　｀ヽi　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 　 i　, ノ ﾊ( ､ ,-‐..'´｀ｿ'｀ヽ　i ﾘ　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　i、l=‐':´｀"ﾞ:::::::::::::.　　: ﾉノ/､　　/
　　　「一国の主がその身柄を保証し、　　　　　　　　　　 | i i |/::｀ :: ::::::::,i ヽ ;::::::..　 .:: l l　 l 　 ヽ
　　　 何かあった場合は責任を負うとまで言う。　　　　　 l ヽゝ l:::　::: :::/ |　　｀' ､::: -'´j l' /　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ、ヽ ｀ ､､:::/　 !､-　　　　　ゝ,l '　　　/
　　　 その信頼、決して軽いものでは無いのだ」　　 　　　　ﾞ''- ､ﾐ ',　　　_,　- ‐-　　　/r, ､　｀（ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ﾉヽ＼　　　 -　　　　, '//　＼　　 ）
　　　（この眼、この表情―――　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ｦ.　 ＼　　　 　 ／ // 　　　｀''‐'-,
　　　 非凡なものを感じる）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　=＝l ,　　l ｀　- ‐ '　　// 　　,---､ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 , , ' '´　　　!li　　ｌＬ. 　　, - ' 7/　　 |=000| ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　　　　　｀ﾞﾞﾞ_)|　｀' '´　　 l（　　　 ﾞｰ ' ´く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.ヽ、　　　　　　　 l　　　　　　ヽ >　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 └



　　　　　　　　　　　　　　　￣　 　 ､_
　　　 　 　 　 ´　　　　 __....--‐'''"´: :＼
　　　　 　 _/_....-一'''".／ : : : : : : : : ／ヽ
　　,.ｘ‐て/: : : : : : : ／ : : : : : : : : ／: : : :ヽ
　/::,;:/そ|_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_|
./:/V　　 l　　　　　　　　　　　　　　,‐-,.._ ゞ
.V.　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　l　弋心 l
.　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
.　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!
.　　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'　　　　　「………その重さ、
　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'　　　　　　 決して裏切りません」
　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　￣　｀ー -　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　　/
　　:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
　　ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
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904 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:26:12 ID:BK9T2al2 ハマーンはこの空気を使って何をする気なんだろう

三４８０．
――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　場の空気と夫が、少年をローゼンの英雄と認めたところでハマーンが動く。
――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　 ,　　"￣￣｀　　、
　　　　　　　／　　　 ＞ ､　_,...、ヽ
　　　　　　/　　　 ／:::::::::::::ヾ:::::.　＼
　　　　 ／　　 ..　ｌ:::::::::::::::::::::}ﾊ::::::..　＼
　 　 ／　 /　 ｌ::l:::ゞ､::::::::::::::ﾉ_;;}:::::::ヽ　 ＼
　　く　　/　　ｌ |:ｌｰtﾃﾞヽＹ t:ｧ=ｌｌ:::::::::::＼　 ＼
　 　 ｀ /　 ノ::::ﾍ:ｌ　　　 ,　 　 ｌ:::::::::::::::::::＼＞'
　　 　 ＼　/:::::::::::､　 ‐. ‐'　 '::::::::ｌ:::::::::／
　　　　　 ＼ ｌ::::::::::|＼__　イ:::::::::::ｌ::＞'
　　 　 ―‐ ､二二ﾉ　　 　 |-､―- ､　　　　　　　　「英雄殿。
　　 /;;;/;;;;;;;;;;;;,,ﾐ､;;;＼__　　ヾ:;;ヾ:;;;;;;l　　　　　　　　皆まで申さなくても分かると思うが、
　 ./;;;/;;;;;;;;;;;_/　};;ヾ:;;＼＿／};;;;ｌ;;;;;;|　　　　　　　　そなたには宝具の奪還を頼みたい。
　/;;;;;;;;;;;　／､ 〈_;;;;;;ヾ:;;;;｀ ‐ ';;;;;;ヾ;;;|
_〈;;;;;;/;;;;;ﾊ ヽ Y｀´⌒};;;＼;;__;;;;ノ;;;/;;|　　　　　　　　もちろん成功のあかつきには爵位を授け、
　 ヾ|;;;;〈 ､ヽ_ゾﾉ￣;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／　　　　　　　　莫大な報酬も約束しよう」
　　 |;;;;;;;{ '｀´ /} -;;;;;｀ ー--―';;/
　　 |;;;;;j弋__ノ/;;;;;::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;ヽ
　　 ヾ;;;;ゝ-／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//;;;;;ﾍ



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　言葉では頼みたいと言っているが、まさか断るまいなとその目は告げていた。

　　ただしこの条件は公的な立場を望む冒険者であれば最終到達点であり、
　　仲間はともかく彼に対しての報償としては十分と言えるだろう。

　　以降国とのしがらみも発生して有事の先鋒とされる、いわば子飼いを意味するとしても。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-──-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　／　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　/　　　　　　 　 　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾊ　 　 　 　 ､ 　 　 l　 l:...|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l:l＼ 　 　 ヽ　ヽ 　 .l　 l:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l:l 　 ＼,. イ　　 l　　}　ﾉ:人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ！ﾐ　 ´i::ﾉ人　 　V⌒).イ｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l　 　 　　 ';　 l _ノミﾐﾐヽ.: .ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,.小　__ 　 　ﾉ　「_⊥ミﾐ:ミﾐヽﾉ. :人
　（王妃様！　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 /　}　ヽ __,. イ　 /.:.:.:.:.:.ﾄミﾐヽ彡'.:.ﾉﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　/　　.:::::ﾉ/　 /.:.:.:.:.:.:人ミ辷彡'ﾉﾉﾊﾊヽ,. -─- ､
　 ローゼンを後にした英雄を　　　　　　 　　　　　/　/ 　,. ィ´/　／.:;.ｨ´／ /´ ￣￣｀`ヽ彡'ﾉﾉ´ ￣｀ `
　 エゥーゴに引き留めると仰るのか！？）.　 　 /　/　／/　/ イ.::://:/　 /　　　　　　　 ヽ￣｀`ヽミミﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　/　/ ./　/ __」 ｲ/:::′./　　　　　 　 　　 j　　　　`ミﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/′/ / ／　　　 ｛::::l　/　　　　　　 　 　／`ヽ　　　　ヽﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｛　1　´ 　 　 　　 ヽ:ヽ＼　/`ｰ-----‐'　　　j!　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　Vハ　　　 　 　　　 ＼＼＼ヽ　　　 　__ ,.. イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 い::ヽ　　　_ ＿ _ 　　　 爪　ミｰ __--‐‐イ{L_

三４８１．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__「:::::::::::::::::::::::::￣フ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／:::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　∠:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::彡ﾚ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　（なんと………　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　＿_,/:::/'i c |:|:|:::|:;lヾ:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　 貴族と同格以上に扱うと言うのですか）　　　　　　／￣7 /::::/　ﾞ＝':|::|:/ｲ c｀i:､:::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　/　　/|::::|　　 ,　 　|　ﾞ＝'':::〉:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 / 　　| |:::;| 　 _　^　　　　 :::/::::::::::::::::::ド､!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 ﾚ:::!　‘､_j　 　 　　/:::::::::::::::::;ﾍ| ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/`　| 　　　|::::::!.､`　　　　_／/:::::::::::::W　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　　| 　　　 ＼:::::i ￣￣￣_／ ﾚ;:::::ﾙ'　　 　 >　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　 | 　　　　　＼＿＿＿＿＿／ﾚ´　　　／/　　　 ﾍ



　　　　　　　　　,, -‐'''″￣｀ミ`{.{@yiゝゝ
　　 _,,,,i=η／　　　　　　　ヾ､`ヾ､)) l　｀'i
　 ,//,i<迴'j　　　i　　　　,　ゝ ＼. (( .i i　 !
　 l l　/ //　i　i 7 .i　　　ヽ,ヽヽ i i　l l ﾊ　｀!
　 l i　 / i　l l　l .i| |　　 i i　i　,ﾊ　il　i i ,ヽ　!
　 l i　i l ,　l. !　|i|i　l　i i l i　l l　ﾊ7i　i l i ゝ,.｀'i
　 ,i i l l　!　i ヾ i　l ＼i i lﾊi i i l　ﾉl　| i l　 .l　}
. // /i|　| i | i l_.,,((、ii､ |il! .だ｀｀'i.7　l l|　 .'y l
//,'´　i＼＼ヾiFｯﾐ''ｼi　　 弋__沙7　//i　./ ./
イ　.,/′ヽゞゞ≦汗彡'　 ,　　　.//　li　| / /　　　　　（事実上、王侯への仲間入りじゃない………）
　 /,,_　　 }li ゝ､i,　))　 　 ｡ 　 . lil　.li l i ,l .{
　l　　　　7 i! !i)..ゝ．.,_. 　　,.／il　 il　＼＼＼
　　　　ノ i/ //-‐'′κ,｀"-　>ヾ　! >.-‐'ゝゝ＼
　　　/''"　~´ ,/ | k>っ>b, ,,.,ciyi)-ゝ　　　 ＼ヾ
　　 7ζ　　_ / l　ξl lゝ､ . ／l .!　i l　　　　　iゝ｀l



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　　未だ反応を迷っているエルと雪華綺晶も、さすがにその条件には驚いた。
　　まだ二十歳前のやらない夫の前に、到達点の一つがぶら下がったと分かるから。
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911 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:29:13 ID:NYgRoxl. 爵位は断りそうだな。 912 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:29:34 ID:BZNMtoWo ない夫は報酬もいらんだろうなぁ…

三４８２．



　　　　　　　　　　　　　　　￣　 　 ､_
　　　 　 　 　 ´　　　　 __....--‐'''"´: :＼
　　　　 　 _/_....-一'''".／ : : : : : : : : ／ヽ
　　,.ｘ‐て/: : : : : : : ／ : : : : : : : : ／: : : :ヽ
　/::,;:/そ|_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_|
./:/V　　 l　　　　　　　　　　　　　　,‐-,.._ ゞ
.V.　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　l　弋心 l
.　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
.　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!
.　　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'　　　　　　　「王妃様
　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'　　　　　　　　 宝具は取り戻して参ります」
　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　￣　｀ー -　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　　/
　　:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
　　ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



――――――――――――――
　　そして、彼は云った―――
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 . : ´: : : : : : : : : ｀: ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : ´: : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／／: : : : : : {: :i| : i : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 　 　 ／／: :／: : : : : ∨ﾍ: |: :{: : : : : : :!: :.i: : :i:}: : : : : : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ヾ:／／: : : : : :__!ミヾ: :ﾍ: : : : :从:ノ:_:ノﾉ: : : : : : : : : ':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨: : : : : : : :.{h!｀ヾえｱ乂:.:ノｨえア´!_: : : : : : : : : : : ':､
　「おお、それでは―――」　　 　 　 　 　 　 　 ∨: : : : : : : Ｖi　　　　　.:′　　　　ﾊ） : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 　 ＼: : : : /:.:八　　　　 i .:.　　 　 ,小 : : : : | : : : : : ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼//:./:.| ﾍ　　　__`´_　 　ｲ/ハ.: : ｉ: :|i : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :|　:|＼　　 ､　　／　ｲ .:|: : |i_:|i＞"
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 ,rf777777777L...j｛ヽヽ _ 　イ ／　L.:j､＜.._＿＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//////////////,|:!　｀ー一 ´　　 ｲ////////////ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ///////////////,|j､　　　　 　 ／i//////////////ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 ////////////////,|　 ｀ ー一彡'　ﾊ//////////////ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /////////////////,|　　　　 　 　 /////////////////∧
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914 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:30:05 ID:V8uPBR0Q わかりきっている気もするが さあ、ない夫はどう出る？ 916 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:30:33 ID:svuqgnyc 褒美はお断る気がするな 917 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:30:57 ID:16EmbxXA ここで受け取るようならそもそもローゼンでてないからなｗ

三４８３．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　大切な者達との絆が確認できた今、それ以上何を望めと言うのか、と。
――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　 　 ,. ‐―――――‐ - ､
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　＼
　　　 　 　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　/　　　 ＼　　 　 　 　 ﾉ　　　　　 .',
　　　 　 　 /　　　　 ,　 ゞ.._,,　ー "　　 ､　　　　',
　　　 　 　 l　　　　 l {::::::::}　l　 l　{::::::::} l　　　　 l
　　　　　 . l　　　　 ｀ ー '　'　　｀　ー ' '　　　 　 l
　　　 　 　 l　　　　　 /　　　 .!　　　 ヽ　　 　 　 l
　　　 　 　 l　　　　　 ヽ＿_／ ＼＿_/.　　 　 　 l
　 　 　 　 . l　　　　　 〈　　　　　　　 〉　　 　 　 l　　　　「しかしそれは、ベッケナー公との約束によるものです。
　　　　　　 .l　 　 　 　 ｀ｰ―――　' 　 　 　 　 l　　　　 ですからその報酬は要りません」
　　　　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l
　　　　　　 . l　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　 　 　 　 . l　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l
　　　　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !
　　　　　 　 ／!　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'＾ヽ
　　 　 　 ／{　|ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 /|　/ ＼
　　 　 ／　 ∨|　ヽ　　　　　　　　　　　 ／　| /
　　 ／ ヽ　　＼　　｀ー―――――　´￣￣　 ／
　／＼ 　 ＼　　＼　　　　　　　　／　 　＿　／
"ヽ　 . ＼　　ヽ　　｀ ー──一'　　 ／
　　＼　　＼　　＼　　　　　　　　／/
　 ,　 ‐┬─‐'ﾌ⌒ヽ｀ ー──　´　/
／　　　￣￣ 　 　 } 　＼　　 　　/
　　／ ￣｀ヽ／￣ ヽ　　 ＼
　/　　　　　/　　 　 |￣｀ヽ￣￣/
./　　　　 . /　 　 　 |　　　 |￣ヽ
　　　　　 /　　　　　|　　　｜ 　　}



―――――――――――――――――――――――
　　自分を動かすのは自分と仲間の目的のみであり、
　　金銭や立場、名声ではないのだ―――と。
―――――――――――――――――――――――

922 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:31:46 ID:/9QzPwuc 約束… 925 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:32:13 ID:DaHh6u2Q タイトル通りのいい男だぜ

三４８４．
――――――――――――――――――――――――――――
　　その言葉は謁見の間に響き渡り、浮ついていた貴族や騎士、
　　衛兵達の心を大きく揺さぶってから空気へ溶け込んでいった。
――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r―=＝二￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >‐-_'´　u V:::::|
　　　　　　　　　 r―-―=＝ 、　　　　　　　　　　　　　　　, '　r-- ､　　 }:::::|
　　　　　　　　　 アー-'^⌒}:::::!　　　　　　　　　　　 　 　 （　 '　 　 }　 「r､:::|
　　　　　　　　　/　　　 u　 〉:::|　　　　　　　　　　　　　　　 > i}　　ﾘ　 |ヒ}}: |
　　　　　　　　 ヽ =＝ﾍ　 /-､::!　　　 ＿　 __　　　　　　 ／　ｰ-u'　　 |ン::: |
　＿　rｧ__　　 ／ i　　 }}　|ヒ}!::|　　　＞ ^´　 ヽ　　　 ∠__r=_`-ｲ丁ヽ.|ヽ:::::|
＞::::^':::::::::'.　/　　=u彡　 |ン::::|　　　イ/⌒く　 |　　　､---ヾエヱ二」 !　＼|r
そ:／ヽ:::::_::! ｀1工エｴﾊ ./＼:: 「｀ヽ　 .> i う ヒ}l　 　 <r ､V^ｰ ´｀ー '_|　／／
　ハ｡＝Y{.）|　　 _}-r‐://　　 ヽ＼ﾘ　<_r-┬!ﾄ､|_　　∠≦ﾘ::}　 ,　イ　／／.....
　 <.｀_^､/く:|　　Lー-ｲ/　　／/:.:.:.＼　 f＝' j　| ヽー-＜j /ｲ　　 ＼/／..........
　　〉-- / ／＼ （＿,イ　／:.:./:.: |｀Y´|＼イ-､　l　|　　　/｀ヽ#＼　 /...................
　　ヽ__/／　　 ＼　　　　（ ＼:.:.:.|　|　|:.::__|　|　K´　　　l　　 ＼#Y=―- ､.........
＼　　 }-― 、　　＼r──　　`'┴┴r!（___　 _ア´￣｀ヽ{　　 　 }/.................ヽ....
:.:.:.＼/　　　 }　　　 }`ー―― ､　 ､‐':.:.:.:.:.}　　 , ＜｀ヽ　'._/ 　 /............................
:.:.:.:.:.:V　　__/　　　 :.Y´￣￣￣　　 >:.:/:./ 　 /＼　　 }　} ◯./..◯...................../
:.:.:.:.:.:.:Vノ.　　￣｀Y:.:.|　（￣￣￣￣:.:/:.:/　　.|:.:.:.:.> ／ /　　.}............................/
:.:.:.:.:.:.:.:.',　＼. ヽ_人.人　 ￣￣￣￣）:.:(__,.ｨ__j:.:／（__／　 ,イ...............／....../
:.:.:.:.:.:.:.:.:.'. ヽ_ＶＬ イ:.:.:.:.:￣「￣「￣:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.／　　|:.＼／　j--―..´........../
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V"´　　　ヽー--}ヽ　＼:.:.:.:.:.:.＼／　　　 j:.:.:.:＼/........................./



　　　　　　　　 　 　 　 , ′　. . . : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:. : :､
　　　　　　　　　　　　/　 . . : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.: : : '.
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　　　　　　　　　　 /　 . . : : i、: :、乂: : : :{: : : j!: :.ﾉ: :!:l:.:.:.: : : : :'.
　　　　　　　　　／　. . : : : :从乂:＞､｀ソ ゝ:ノﾉイ__ノｲノ:.:. : : : : '.
　　　　 　 　 ／/　. : : : : :,小　弋¨えゞ、 /,ィえ¨才 从:.:.:.: : : : : :'.
　 　 　 　 ／／　. . : :/　. いﾍ 　 　 　 　 :　　　　　ムﾉ:.:.:.:. : : : : :'.　　　　　　　　「………なん、だと？」
　 　 　 ／／ . . . : :// 　. : : |:.ﾍ　　　 　 ､;　　　　 / Ｎ:.:.:.:.:.:.:. : : : :.',
　　　　　 ヽ . . : : // . . : : : :Niハ 　 　 , - ､　 　 /:.:.|:.:.:.:.:. i!.:.:. : . . :.'.､
　　　　　 　 ＼. //:/　. : : : : :|:.:.: ＼　 ｀二´　　ｲW/:.:.:.:.:.:.:|!:.: : : : . . .:ゝ
　　　　　　　　 ヾ.:/ 　 . :i : : :i|:.:.:.:.:.:| 　、 _　イ!.:.:.: |i:.:|i:.:.:.:.:|!i:.:.: : : ／
　　　　　　　　　　｀ ＜. ｉ|: : :.ｉ|:.:.:.:.:.:|　　　　　 |.:.:.:.:|i:.:|ｉ:.:.:.:.:|!::＞ "
　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ ＜:_ｉ|!＿:.:.j　 　 　 / |:.:.:.:.|i:.i|i＞ "´
　　 　 　 　 　 　__＿......,,,,r≦≠＝′　　　/　い≦＜,,,_＿__
　　　　 　 　 ,イ//////////ﾊ､、　　 　 　 　__ ....　∠////////ﾊ､_
　　　 　 　 ///////////////ﾊ ､、　 __ ノ　 _ .イ/////////////ﾊ
.　　 　 　 ////////////////////≧==≦//////////////////ハ



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　　宝具に対する協力は得られたものの、
　　子飼いにする目論見が外れた王妃は耳を疑ったが―――
―――――――――――――――――――――――――――

927 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:33:26 ID:w.VESI.A え？ホントに子飼いにするつもりだったの？ 936 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:36:54 ID:DaHh6u2Q まぁ何もかもやらない夫頼りだったローゼンとは若干違うんだろうけど、そんな報酬は受けないわなぁ

三４８５．
――――――――――――――――――
　　逆に、エルと雪華綺晶はそれで
　　王妃の話が真実なのだと信じられた。
――――――――――――――――――



.　 /,/;:;:;:;/;:;:;/;:;:;:;l;:、;:;ヽ;:;:;:;:ヽ;:;:;:ヽ;:;:;＼;:;:;:;:;:;l;:;:;:;:;:!｀'＼
　/　ｌ;:;:;:/ //;:;:!;:;:;ﾍヽ;:;:;:;＼;:;:;:＼;:;:;＼;:;:ヽ;:;:;:;:!;、;:;:|
./　/;:;:;/ //;:;:;:|ヽ;:;:'､;:;＼;:;:;l;:;ヽ;:;:＼;:;:ﾍ　i',:;:;:;| ヽ:;:;i
　　|;:;:/l;:l/;:;:l;:;:!ヽ＼.＼;:;:＼ヽ、＼;:;:＼ ', | i;:;:;i':,::＼|
　　| /;:;:/l |;:l;:;:| i´ f::::j ､＼;:＼　,rt:::j フl .! |ヽ:! !;:ヽi＼
　　| ヽ/ |､ヽヽ {　`＝‐' ヽ|｀ｰ ゝ`ｰ＝'　l ! |;:;:;l !ヽ＼- ゝ
　　|　 |;:;l ヽ＼ ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 / | i;:;:;:!.|:;::|:;:!
　　 　 |;:;l　|＼ヽ_,ゝ　　　　　i 　 　 　 　 / ,! :;:! !;:;:l;/
　　 　 | ∧ |;:;:ヽ' 、　 　 　 ｀ ´　　　　　/|/ l;:;:;ﾍ;:;:i
　　 　 |/　ヽ ∧ヽ,＼　　‐‐---‐‐　　 ｲ/;:;:;:|;:;:/ ヽ!.　　　　　　　「……………」
　　　　　　 |/　|∧|　＼ 　 　 　 　 ／ .| / l/;:;:l
　　　　　　　　 |'　 l　　 ヽ、　　 ／　　 l'／ ヽ/
　　　 　 　 　 　 　 l　　 　 ｀￣´　　　　l､
　　　　　　　　　,. '´　　　　　　　　　　　 ヽ､_
　　　＿_ ,..　'' ´ 　 ヽ　　　　　　　 　 /　　　｀'ー-　..__
-‐ '´ {´　　　　　　　 ヽ　　　　　　　/　　　　　　　　 ｀} ￣ 'ー- ､
　　　 ヽ　　　　　 　 　 ヽ　　 　 　 / 　　　　　　　　　/ /　 　 　ヽヽ
　　ヽ　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ /　　 　 　 |　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　 /　　　　 ',
　　　　　　　 ｀'ｰ-　 _　　　　　　　　 ＿　 -‐ '´　　　 　 　 /　　 　　　l
　　/　　　　　　　　 　 ｀'ー----‐ '´　　　　　　 　 /　　　 l 　 　 l　　　!



　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .．-‐　 ¨　≧ｧｵ¨_ﾐ:ｘ.__
　　　　　　　　　　　　 ,ィﾆｊァ='ィ　　　　　⌒´辷彡ｽ　｀Ｙ
　　　　　　　　　　　ｒ:ヘ.Yツ /　/　　 i ｌ　i ヽ　 ` ヾ） i　|
　　　　　　　　　　　ﾄi　,ｨ/　′ ｉ　l ｌ　l |　| ｌ .ﾊ　 (( 　|　!
　 　 　 　 　 　 　 　 | jﾍﾄN i　 |　| ｨ7从┼l‐-i!　 }` ！ﾘ
　 　 　 　 　 　 　 　 ﾚ′ l　 Vｱフ彡ｨ/ j」⊥j､!　ｲ　　ハ､
　　　　　　　　　　　/ 　 八 くヾｒjYｔリ　 ´ﾋ:z:ﾉ;7 /　　 Ｙ ヽi
　　　　 　 　 　 　 / 　 /　 ヽ卜辷ｒ"　: 　"" { ! ﾊ　 　 ト-ﾐ:　_＿__　　　　　「……………」
　　 　 　 　 　 √ｧ’　/ 　 トﾐ Ⅵ(　　‐.‐　　人ヾ {　 ,　ﾏ≧ ﾚ＝=ミ｀ヽ
　　　 　 　 　 /〃 ／ｲ　ｬ‐ミｘヾ:`へ､_ .．√てﾊ＞"{　　ヽﾉﾉ　　　　 ヽ＼
　　　　　　　人{／　/　　}　　 }rﾘ）　 ｒ'　｀’ ） _/　　 `ヽУく　　　　　　 ）/
　　．-一=彡 ハ ／r‐ "　 ,ィ Yヽ辷彡= _厂Ｙ `う 　 　 ﾚ/　＼ 　 ｰ=彡
ィ´　　￣ 　 /ヾく　 |　 =彡　 ﾘ_ /　＞ ＜　1|　{:_　　／ｲ＼　　丶
　／　　　／　 /＼-ィ　　　　「ぇ≧z＼_／ィﾐУ　{ 〃´　　/ヽ　　 ＼
/　　　 〃　　 ′　 Ｙ　 　 　 |　"　ヾ￣ ￣ /_　　}.:′ 　 / 　 }　　 　 ヽ
　 　 .ィ　　　i {　　　Lk､　　 ！　　 　 　 　 ¨_ﾉ　/=ﾐ　 　 〉／⌒ヾ　 　 ハ
　／　{ 　 　 ヾ:､　　ｒ'¨ `　rｧﾍ:､　　　ヽ　　しぅ〃　: ヾ　∧ 　 　 }l 　 /
く　　八　　　　　ヽ/　　　/ソi　} ` :.､　　}　　ｿｲ}　　　 }　　i　　 〃　/
　ﾊ　　 ヽ　　　ｒ='＝＜r彡八Ｖ_ =＝≧＜ｱ/ ¨{/　 　 ﾄ､　 v／ｲ　八



―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　思い返してみれば―――

　　今まで何度か驚いた彼の考え方も、超越者とやり合って生き残る実力も、
　　無限の財布や持っている高級装備も、全てその裏付けでしかないではないか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

三４８６．
――――――――――――――――――――――――――――
　　場が完全に止まりかけた直前、
　　少し考え込んでいたやらない夫が申し訳なさそうに口を開き、
――――――――――――――――――――――――――――



　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　「その代わりに一つ………
.　 |　　　 　　　　 }　　　　　　お願いをしてもよろしいでしょうか」
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　.>　　　 <
　　　|　　　　 |
　 　 |　　　　 |



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 　,_, 　 　　　　　　　　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　（ l ､　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　 　　,i､/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ　 　｀ヽi　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 　 i　, ノ ﾊ( ､ ,-‐..'´｀ｿ'｀ヽ　i ﾘ　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　i、l=‐':´｀"ﾞ:::::::::::::.　　: ﾉノ/､　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | i i |/::｀ :: ::::::::,i ヽ ;::::::..　 .:: l l　 l 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ヽゝ l:::　::: :::/ |　　｀' ､::: -'´j l' /　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「………申してみよ」　　　　　　　 ヽ、ヽ ｀ ､､:::/　 !､-　　　　　ゝ,l '　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''- ､ﾐ ',　　　_,　- ‐-　　　/r, ､　｀（ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ﾉヽ＼　　　 -　　　　, '//　＼　　 ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｦ.　 ＼　　　 　 ／ // 　　　｀''‐'-,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　=＝l ,　　l ｀　- ‐ '　　// 　　,---､ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , , ' '´　　　!li　　ｌＬ. 　　, - ' 7/　　 |=000| ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　　　　　｀ﾞﾞﾞ_)|　｀' '´　　 l（　　　 ﾞｰ ' ´く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.ヽ、　　　　　　　 l　　　　　　ヽ >　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 └



――――――――――――――――――――――――――
　　あの条件を蹴ってのことである、どんな無理難題か、と
　　国王は背筋を伸ばして続きを待つが。
――――――――――――――――――――――――――

三４８７．
―――――――――――――――――――――――
　　彼が願ったのは今はここに居ない五人目の事。
　　自分が助けたいと思う、最後の一人の事だった。
―――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉´.,,,,,-----,,,,...ヽ_
　 　 　 　 　 　 ／ ／_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_|
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　「俺達の仲間が妖術師に洗脳され、
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ　　　　　　　　　　　　　　　良いように操られています。
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　彼はアンマンで人を殺め、
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_　　　　　　　　　　　　　今日もまた、手先として動かされていた可能性があります」
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !



　　　　　　　　　　 _.,..､:-:─:-..､、
　　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::.:::｀:ヽ.
　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:､
　　　　　　,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　 　 　 /::::::::::::::::::::::ﾍノ!::::|::::::!::::::|:::!:::}:::i:::::}
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::厂 ≧rx|::::::j:/:ｲ:ノﾉ:ｲ
　　 ／:::::::::i:::::::::{こj::::i　弋ﾆｾゞ､イｲfｱｲ::::::＼
　／:::::::::::::i!:::::::::じｲ::::|　　　　　　｛　　/::::ヽ::::::＼
　＼:;ｲ::::::i!|::::::::: ゝｊ:::::!　　　　　 　ゝ /:::::!:.::ヽ:::::::::>　　　　　「……………」
　　　'＜::il:|:::::::::::::;:!::::ｊ　　　　-─　, ′::::!::::::::ﾄ／
　　　　　ヽi;;;;;;;;;;;;;j'"´　＼　　　 ／::::|::::::＞'"´
　　,.､rｰへへ/´;;＼ 　 　 　トﾆ´_＿"´
／´￣｀ヽ;;;;＼＼;;;;;;;;｀ヽ、　!＼;;＼;;;＼__
;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;｀ヽ､__>;;;;ヽ;;;;ト;;｀ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;＼;;;＼＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ::::l;;;;ヽ;;;;;｀;,,､
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;;ー───''"/;;;;;i!;;;;;;;｝;;;;;;;;;;;＼
γ;;⌒ヽｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;｀＼;;;;;;;;;／;;;;;丿;;;イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
´￣｀ヽ;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀＼;;;;;;;￣;;;;;;;／／;;;;;};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j

三４８８．



　　　　　　　　　　　　　　　￣　 　 ､_
　　　 　 　 　 ´　　　　 __....--‐'''"´: :＼
　　　　 　 _/_....-一'''".／ : : : : : : : : ／ヽ
　　,.ｘ‐て/: : : : : : : ／ : : : : : : : : ／: : : :ヽ
　/::,;:/そ|_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_:_:_／_:_:_:_:_:_:_|
./:/V　　 l　　　　　　　　　　　　　　,‐-,.._ ゞ
.V.　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　l　弋心 l
.　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
.　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!　　　　　　「もし俺達が宝具を取り戻すことが出来たなら、
.　　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'　　　　　　　彼を………
　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'
　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　キル夫を許して欲しいのです」
　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　￣　｀ー -　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　　/
　　:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
　　ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ハ :::: :::: :::::::::::.::::::::::::::::ヽ::::::::､::::::::::::ヽ ::::::..ヽ::::::`､ :. ::::::ヽ :::::.:.::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／| ::: :::リ､:::rＮヽ＼::::ヽ､::::ヽ､::::::丶＼　::.＼:::::ヽ .:. :::::｀ヽ‐- ､_:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ﾊ ::.:.::!　V　/　 ＼ヽ::i ヽ:::| ｀ヽ::､::｀ヽ丶､:::丶､::､ :::::...､::::＼　｀`ヽゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ヽ.: ::l 　　/　　　　 ヾ　ヽ:i　　i| ヽ::::ヽ＼｀`'' ‐---::::ヽ:::＼rヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';:: :! 　〈　　__　　　　　ヽ　　|　 ',::::::: :＼:.::､｀ヽ:＼::::::ト ､::丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　|:: ﾊ　　`　　　　　　　　　 　 　 }:::::::. ::::ヽ::ヽ::.:＼:ヽ､ヽ　｀` ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　|/l:ハ　　 ､　＿＿　　　　　　　ﾊ:::::.::| :i:.:ヽ.:i::: :､:ヽ}　｀`
　　（なんて、ぶれない人だ………） 　　　 ノ ﾉ'　l心　　`ー‐一`　　　　　 ,. '|:::::::| :| :.::.N :;､!`､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |ハ　　　　　　　　　,　'´　i!::::::| ::|　:.ハ | ＼ヽ!
　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ ヽ　　　　　 ,.　'´　　 ,/!/ |: :::､　!　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　 __,.ノ/ 　 ヽ __,,.　'´　　　　　 ノ　l,ｲ:: ﾊ:{ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..､,.ィ"r''"´　 .:::　　　　r　　　　　　　　　/ /　|､:! ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　,,.. -‐''"´　{　　 ヽ　　 r　　 i　ヽ＼　　　　　　 ／　　　: ヾ丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 |　　ヽ ＼　　　　ｌ　　＼!　　　　　/　　　　　　 ヽ　｀ヽｰ-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 ヽ　 ＼　　 ヽ　　　　　　　　i　　　　　　　　　　 ﾉ /　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　､　 |　|　　　　　　　､ 　 ＼　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　／ / r　　　｀`丶､

三４８９．
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　事が大きすぎる故に、王妃の言った条件にキル夫の事を追加しても十分通ったはず。
　　しかし王妃の条件を一蹴して、あえて最優先として請うその姿に雪華綺晶とコナタも微笑みを浮かべる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　 　 　 　　 , へｒｧｫ7フｘ- ´　￣　－　、
　 　 　 　／ 　ｲゞﾝ7ﾊ__　　　　　　　　　ヽrｧ7、__
　　　 　/　　　i ゞアン'ー,　　　　　　　　　　ｖｼ｝　　、
　　　　i　　　　ﾄ、　　　//　 ,　／　　　　　　ド'　　　i
　　　　|　　 　 |　 、　/./ ／, //, /|//　 .|　 ドﾐ、 　|
　　　　|,ﾉ ,　　.|　　V /／／//ｒ'/ //| |　|　｜　＼ .|
　　　／／　　 |　　 ｝|ｒｧｫﾒヾ/ﾉ　//-ﾄ|、|　/ﾄ、ヽ ｀ 、
　 ／／　　　, '　 ／ ﾄK乃ｯﾘ）　 　,ｒ=ｫx'ﾉｲ |　 ハ 　 ）
／／　　　／,'／ゝi　ﾄゞアﾝﾂ　　 　Ｊ | ﾉ/.| |／ 人メ、
／　　　／ ,','　　 .,|　　＼wx.　　　, じ'　/ .| |, イ／＼　 、　　　　（……………）
／／／ヽ.//　　,ﾍゝ 、　 ＼　、_ ,　w ｲ／| |　 |　　　＼ ＼
. （／　　// 、ﾉ￣ へ⌒ヽ、 ）_ｒ 、_ ィﾍ ノﾉ |,　 ゝ、　　 ）　.）
ﾍ ＼ 　 | |　 ）＼　 　 ＼_ｿ/ミ,|　i　/ / （／ﾉ　　　＼／ ／
　＼ ＼ﾉﾉ／　く´ _ ., …´/　　.}　!/ /,／ , ﾍ＼.　 ／ ／
　 　）　Y　　, イニ＿___,ノ　　 ﾉ　,' 　' _,∠＿ヽ,／ ／　 ＼
　 ,/　 /　/　　|　　しー　　　/　　　　 ,ー－='（　 （　 　 　 ）
／　, ｲ　 i　 　 、　｀ヽ⌒ 、ｒ＾丶　 　 ﾉ ／ 　/ ,＼ ＼ 　／
　／　 ＼ ｀　、　ゝ　ﾉ　　ｲ　　　 ゝ'＾ｙ　　／／　 ） 　）'



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣｀ヾ:`:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　ﾞ!:.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:＼＿,∠.._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ｨ: : : ﾚ‐!: : |:!'⌒､: : : :＼: :i
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　!: : : { |Lz,,Ｖ:.{ ﾆ弐ｬ:､: : !: :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'′ |: :.;!:iﾊ｢l､,l　ﾞ､:. ﾄイl' ハ: l: ;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｌ :ハl:::i└'　　` ￣ ・i::::ﾍ:|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V　 ﾞ!::ﾄ..,,_ ｰｰ' _,.､ｲ:::::バ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾆｺｯ 　 　 l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / _,,.-火ﾞ､　'"i　　　　i:::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞく　　ｨ､　 ＼j　　　　,l:::|



――――――――――――――――――――――――――――――
　　それはキル夫の事のみならず、自分達に何かあった場合は
　　同じぐらい真剣に手を伸ばしてくれるという信頼に他ならないのだ。
　　それが、嬉しくないわけがない。
――――――――――――――――――――――――――――――

三４９０．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　　　　　　　 ＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　　　　　　／ ＿＿　＼　　　　　　__　　　　　　/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　　　　　（__／　　　＼　＼＿＿／　）　　　　 /　 /／⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　 ∧　　　　　　　　　　＼＿＿＿／　　　　 /　　　　　　|　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　＼＿＿ノ ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ／|　 ＼_ノ　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼＿＿＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＿__／　　＼＿___ノ
　　　,.　- ─-　、
　　/　 ノノノノハヽ
　 i　,-､_{＿＿＿ l'　　,. -─- ､
　 } | r} ` / -' | |`i ／　　,ﾍr^､ |　　　 　,! -‐- ､
　 { 'ｧ'　　`ー'/,_ ）!／ﾘノ二二jﾉ　　 　/ 　 　 ＿i
　,-ｿ　､ 　 ノ＿ 　i／/　 -　r {　　　　|＿_∠＿_,へ　／￣￣ヽ
/#＼　 ､ 　　`='ノ iﾆij　 　,ﾆﾞ |　　　　| r､/＿＿,|￣/ 　　ノノﾉij
＼＃i＼ 　 ￣,ﾉ`i ヽ　　　､ ノi'　　　　{_　（__ﾊ_ !　　|　_ノ^i'_ﾌ'i,!
　 ＼i＃|＼==|/`|＼＼`ｰ　､ヽ　　　　|　i ` ,.-ｉ{ 　　}､|- 　　'i |
　　　＼|ヽ ｝ ﾉ　　i　＼ |　〉ノ`ｰヽ　 ,<j　　 二ﾉ 　/ｿ 　ヽ.､, ﾉ
　　　　　 Ｏ|/ 　　 |l/　i ﾉ´|　　 　_ノ＼＼　"{ヽ /＼　ヽ､|
　　　　　　 |　　　　ﾘ　/　　|　　　i/　　　ヽ_|＼ノヽ　　＼_|ヽ
　　　　　　 |０`　　 | 　　　　|　　|＼ 　 ､　　　`|　 | 　|　　 | ヽ
　　　　　　 |　 　　　|　　　　|　　|　　＼ ﾘ 　 　 | 　|　 ri　　|　|



――――――――――――――――――――――――――――
　　仲間達以外には理解できないやらない夫の反応に貴族達や、
――――――――――――――――――――――――――――

三４９１．
―――――――――――――――――――――――――――
　　騎士、衛兵達もただ立ち尽くして沈黙が流れた謁見の間。
　　そこに誰かが吹き出した声が響く。
―――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　|＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／７
　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /
　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　　　　　　　 ＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　/　 /
　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　　　　　　／ ＿＿　＼　　　　　　__　　　　　　/　 /
　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　　　　　（__／　　　＼　＼＿＿／　）　　　　 /　 /／⌒i
　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　　 ∧　　　　　　　　　　＼＿＿＿／　　　　 /　　　　　　|　　 ∧
　　　　　　　　　　　　＼　＼＿＿ノ ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ／|　 ＼_ノ　ﾉ　　　　　f´￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ＼＿＿＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＿__／　　＼＿___ノ　　　　　　|　　くくっ………　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿_ ノ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_冖___　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.-===、､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　| |　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ　　　ヽヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　| |　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :l匚ユ_＿＿__ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　└|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jΘ-|l__-‐l.ｌ‐i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　(　ニニニニニ　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 リ ..ﾑ＼　」∟i
　　　　　　　　　　　　　　　　　〕ｌ ｌ-‐‐i i‐‐--ｌ〔　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （ ( ─,' ヽ'´　ム
　　　　　　　　　　　　　　　　 （　 ヽ .,,,,ｌｌ,,,..　/　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,....＿__,,,〉-!､＿O 只0),--- 、
　　　　　　　　　　　　　　／￣ト､　 ヽ　 　,'　 /--､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ 　/ /　｀'''‐‐,‐‐''￣ .|　（　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　/　　 ,'|　i＼(0)只(0)/／￣｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　/ ./　 　　 /　 　 　 ヽ　ゝ、　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　|__／　|　ﾍ＿＿／　 |　　　　　 ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ/　 j　　,.-‐∧, 　　　　卜　 ＼＿|
　　　　　　　　　　　　　|＼＿|　　　,'　　　　　|＼　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　'ﾞY　Ｙ／´　　　 ｀ﾞ'''‐-､_rｲ ／￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　|　　　|　　　i　　　　　ﾍ　＼―----'ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　|　ｲ 　　 _,,....,,,,　　　　＾ 'ﾘヽ 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　|　　　|　　　|　　　　　　＼|　　　　　|　　　　　　　　　　　　　 　 ∟│ ノノー‐‐ヽゝ､ 　 │ 　、___..,,/
　　　　　　　　　　　　 |￣￣ﾍ￣　´｀''‐‐----,'　　ﾍ　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　 ..ﾃ─ﾚ'　'´| |　| | ヽヽ､__|　 　ﾍ----｀、
　　　　　　　　　　　　|　　　　|ヽ　　　　　　　　　　ヽ　＿＿--i　　　　　　　　　　　　　 にニ|￣|-冂冂-|´￣|冂~l　　　i─个）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' 　　|　 |-凵凵-|　 　|凵 |　 　 厂 　 ）

三４９２．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　心底愉快そうに笑ったのは国王で、してやられた妻を諫めるように王座を何度か叩いていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-'"　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r"　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,/　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　,r'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　{　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 {　　　　　{　　　　　..,,_　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 ﾉ　　　　 ,'ﾞ'､ヾ､レ‐---､ヾﾞ)ﾉ）　　　-､ 　 　 　 　 ﾞ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　{　 ,､-:::::..　 :.　:::ﾂ ﾉ　　 　 ﾞ､ﾞ'､　　 　 　 ｝
　「くくく、ハハハハハ！　　　　　　　 ,"　　　 　 _!,,ｿ:::::::::::::::..　:. :::::ﾉ{　　　　　}　}　　　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　 　 r'':::::::::r-､;_::::::::　 :. :/　ﾞ'‐-､,　　 }.ﾉ　 　 　 ｛
　 ハマーンよ、素直に負けを　　　　 ﾞ､　 　 {　::::::::;'　　 ｀''ー-‐'"　　 　 ノ　　ﾘ　　　　 　 ﾞヽ
　 認めて諦めるが良い。　　　　　.　　ﾞ'‐-､ ﾞ'､ ::::/　　　　　　　　　　　､,クﾉﾊ　　　　　　 　 ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ'‐｀'{'ﾞiヽ､'　　 ＿,.､　　　 ,.,.,.,,,_/_ﾊ　　　　　　　｛
　 彼はまさしく英雄だ、　　　　　　　　　　　　　 ｀'ヽ　 ＜ ,.-''´　　　 | ┌ー-ﾞ-ニっ　　　　　ヽ､
　 子飼いにして操ろうなどとは　　　　　　　　　　　{ヽ.　 ´ 　 　 　 　 | .|　　　　　　｝　ト）　 　 ﾋ｀ゝ
　 おこがましいにも程がある」　　　　　　　　　　　｀~}ヽ　　　　　　／.| |　　　　　 -‐"　　ヽ､　ﾏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l'''ﾆﾆﾆﾆ{､､,ﾞ'､.,＿_-‐"　　| |　　　　　　　　　　　　ヽ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 　 | i　　　　　ﾉ　　　　 l,.､-'"| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | i　　　　 ｀つ　　 ζ　　 .| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ,ヽ　　　　　｀''ー'l



　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
　　　　　　　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
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　　　 　 　 　 　 ／／: : : : : : {: :i| : i : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:',
.　　　　 　 　 ／／: :／: : : : : ∨ﾍ: |: :{: : : : : : :!: :.i: : :i:}: : : : : : : : ',
　　　 　 　 　 ｀ヾ:／／: : : : : :__!ミヾ: :ﾍ: : : : :从:ノ:_:ノﾉ: : : : : : : : : ':,
　　　　　　　　　 ∨: : : : : : : :.{h!｀ヾえｱ乂:.:ノｨえア´!_: : : : : : : : : : : ':､
　 　 　 　 　 　 　 ∨: : : : : : : Ｖi　　　　　.:′　　　　ﾊ） : : : : : : : : : : : :＼
.　　　　　　 　 　 　 ＼: : : : /:.:八　　　　 i .:.　　 　 ,小 : : : : | : : : : : ／　　　　「フン………
　　　　　 　 　 　 　 　 ＼//:./:.| ﾍ　　　__`´_　 　ｲ/ハ.: : ｉ: :|i : : :／　　　　　　どうやら、そのようだ」
　　　　　　　　　　　　　　　＼: :|　:|＼　　 ､　　／　ｲ .:|: : |i_:|i＞"
.　　　　　　 　 　 ,rf777777777L...j｛ヽヽ _ 　イ ／　L.:j､＜.._＿＿___
　　　　　　　　　//////////////,|:!　｀ー一 ´　　 ｲ////////////ﾊ
　　 　 　 　 　 ///////////////,|j､　　　　 　 ／i//////////////ﾊ



―――――――――――――――――――――――――
　　―――英雄を動かすことが出来るのは英雄のみ。

　　古事にあるままを少年はやって見せたのだ。
　　であれば、不思議と楽しそうなハマーンも頷く他にない。
―――――――――――――――――――――――――

948 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:41:50 ID:V8uPBR0Q 内心ハマーンも冗談、と言うか見極め半分で言ったのかもね

三４９３．
―――――――――――――――――――――――――――
　　それから、国王としてどうするべきかを決めたキャスバルは
　　改めて宝具の奪還を依頼すると共に助力を約束し、
―――――――――――――――――――――――――――


　　　　　　　　　　_ ,､-―- ､_
　　　　　　　, - ﾞ´　　　　　　 `ヽ、
　　　　 　, '　　　　　　　　　　　　`ヽ、
　　　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　 　　',
　　　　 ﾉ　　　　　　　　　　ノﾉ八 ,）　　ﾍ
　　 　 （　　　　 （(　ノﾉ∠ｲ＿　ﾉハ_リﾘｿ
　　　　 ｀)　　　　 Y＜;;::;;;;;:::;;;;｀´;;;;;;;;;!ﾉ
　　　　 ﾌ　　　,ﾍ　|ヽ;;;::;;;;;:::／ヘ;;;;;;;ﾉ　　　　　　　　　　　「ビップ殿、私からもお願いする、
　　　　 ヽ　　｛Kﾉ　ゝ`'''ｰ''′　, 〉 i　　　　　　　　　　　　 キル夫とやらについても良きに計らおう。
　　　　 　）)　 ヾﾄ ヾ　　　　 　 　 /
　　　　 ラ　( （ﾉﾚ ＼　　　´ ￣ /　　　　　　　　　　　　　 そしてローゼン女王の願い通り
　　　　,イルゝトミtr､. ＞ 　_＿/　　　　　　　　　　　　　　どのような協力も惜しまぬ、
　　　ノ::::::::::::::::/:.:.:.ヾクﾊ_入くヽヽ_,,､-ｰｰ-.,､　　　　　　　奪還のために必要な事があれば遠慮なく言ってほしい」
,､-＜:::￣:｀ヽ;/:.:.:.:.:.:.:.ヾｔｆｰ┬イ:.|ヽ;:ヽ:::::::::::/ﾍ､
､:.:.:.:.:.:｀ヽ;::／:.:｀ヽ;.:.:.:.:.||:.:.:.:|.:.:|.::|トヽ:.:ﾍ:::::/:.:.:.ﾍ
:::ヽ:.:.:.:.:.:.:.y:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ､;.li:.:.:.:i:.:.:!ノ｀ヽゝ:.::∨:.:.:.:.:.:.:ヽ
;;;;;;ゝ-ｰ:':':′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｲiｰ-十イ:.:..:.:.:.:.:.:.:.il!:.:.:.:.___ノ)）
:.:.:.:.:|i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:!:.:.:.:.|:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!:.:.ノﾉ´「ソ
:.:.:.:.:.i|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!|:.:.:.:.:i:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.li:/ﾉ:.:.:.:i:.ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ､_ 　　.＼
　　　　　　　　　　　　　　「では、女神の宝具とは何なのかを　　　　　　　　　　　　　. （　（● ） .　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 お教え願えませんか？　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 . （人__）　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 r‐-､　　 　.　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 ローゼンでは元高司教であったリフも　　　　　　　　　　 （三））　　　.　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 この国の宝具を狙っておりました。　　　　　　　　 　 　 　 >　ﾉ　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　/ ヽ、　.　　 /
　　　　　　　　　　　　　　 何故リフは、ティターンズは、　　　　　　　　　　　　　 　/ 　/ ⌒ヾ　　　.〈
　　　　　　　　　　　　　　 妖術師は宝具を狙うのでしょう？」　　　　　　　　　 　 （＿__ゝ､ 　＼／.　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|＼　　 　,.1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|　 ＼_／...|



―――――――――――――――――――――――――――――
　　ありがとうございます、と頭を下げたやらない夫は腕を組むと、
　　未だに分からない事件の根源について尋ねる。
―――――――――――――――――――――――――――――

947 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:41:28 ID:XmcaRazM 模範的な英雄だな　最近こういうタイプの主人公いないよね 949 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:41:51 ID:w.VESI.A おお、そういえばリフも狙ってたね。 951 名前なんて無いだろ常識的に考えて 2011/04/03(日) 22:42:10 ID:nM/YwDeU 傷薬さんの名前がｗ

三４９４．
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　盗賊団や妖術師のみならず、隣国の―――
　　友好国の高司教すらも証を狙っていたと言われて眉間にしわを寄せた国王は
　　暫し考え込んだ後に別室で待つように言い、
　　やらない夫が了承してこれからの予定が決まる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――



　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ .､
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　 　 γ　　　　　 ｝　（　　l
　　　　　 　 　 l　　　　　　　　 　 　　 i　 ／ ノ ノﾉル））ｊ　ヽ
　　　 　 　 　 ,'　　　　　　　　　　　{　｛ ｛　｛≦´;;;;;;;;;;;;￣〕リ
　　　 　 　　 ,'　　　　　　　　　　　　ゝ､ゝｰ( ´`ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;'ｿ
　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　 ｛´ヾﾒ　）　　　ヾ;;;;;;;;;/､
　　　　　　　 ヽ､　　　　　　　　　　 ヽ)）（ (　　　 　｀￣´　ヽ　　　　　　　　「………分かった。
　　　　　　　 　　ヽ 　 　 　 　 　 　 　 i ト ゝ 　 　 　 　　ｒｰ′
　　　　　　　　　　 ミ　　　　　　　　　ノﾉ! 　　　　　´￣」′　　　　　　　　　しかし今は事後対応の検討、指示が必要故に、
　　　　　　　　　γ⌒ 　 　　ヽ 　 ｛（　　ヽ、 　 　 　 ｀{　　　　　　　　　　　暫し客室で待っていてもらえるだろうか。
　　　　　　　　　 ゝ,　　　　　　!ニﾆヾ彡 ｀::.. ＞ 　 　　j
　　　　　　　　（　つ　　　　　ﾉ:::::::| |　ﾍ　　　┬‐｀ ｰ ´　　　　　　　　　　　見たところだいぶ疲れているようであるし、
　　　　　 　　　ミ彡 γ〃〆:::::::::::| |￣￣￣｀ヽ==＝＝＝y　　　　　　　　 やがて盗賊ギルドに調べさせている
　　　　　 　 　｛ 　 　｛（(ﾍ::::::::::::::::| |　　　　　/ 　 　 　 //　　　　　　　　　ティターンズの本拠地についても情報が入るだろう」
　　 　 　 　 　 ゝ、 _丿::::::::::::::::::::::| |　　　　　| 　 　 　 i l
　　　　　　　　　｛:::::::::::::::::::::::::::::::::| |　　　　　|　 i　　　| l
　　　　　　　 __＿彡ニニ二二 ヽ ヾニニヽノハ | 　 　l | 　　ｒー - ､　　　（証についてももはや、
　---ｰ:: ''''"´:::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ::::＼:::::::ヽ ゝ　!|　 　くくヽｰ--:::､::ヾヽ　　 今の有り様では立ち行かぬようだな………）　
　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::ヽ:::＼ （ （　　ヽ 　　 〉〉:::::::::::::::ヽ: : ＼



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「それでは、そうさせて頂きます」　 　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 { 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　 　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　 　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　 |



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　証が全て奪われて猶予がないのは確かだが、目的地が分からなければ動きたくても動けない。

　　動くべきなのか、気負いを抑えてでも休むべきなのかを適切に見極める事も
　　リーダーたるものの勤めなのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三４９５．
――――――――――――――――――――――――――――――――
　　とうに手枷は取り払われている。
　　武器についてもすぐにお届けします、とアグリアスが案内をかって出て、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､-'´　　　　　　　　 ｀`'''- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|　　　i､　　　　　　　　　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'／|　　i　|ヽ　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |/ /∧　|　|　ヽ　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l// /　l　|　 |　 ＼＼...:::|　　|　　　　　　　ﾞ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ .!フi ヽ|.　 |:---＼＼:|　　|i :::::... 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ||　|l l:ﾞ!　 ヽ　ﾞ､'´ﾞiﾞヽ＼l| 　 || |:|:::::...　 .::|::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 || / ／　　　＼ヽ |:::し|| |　　|| _|:|ヽ::::.. .:::|::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |!.|ヽ　　　　　　｀`｀''" | |　　||´r'｀i:ヽ::::i::::|::: !
　　「では、僭越ながら私が　　　　　 　 　 　 　 | |!　　　 　 　 　 　 　 | |　　|rj　| |:::ヽ:|::|:|:: |
　　 ご案内いたします」　　　　　　　 　 　 　 　 | l|ﾞ! `　一　　　　　　/ j:::　 |-‐'ノヽ:::::＼|::〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |:::ﾞi　　　　　　　 　 / /::::　|'T´ヽ::::ヽ::::::＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |:::::ﾞi　　　　　 　 __/::/.::::: |　ﾄ､:＼:::::ヽ:::::::|./:ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | |::::::::`Tlｰt‐‐ '"|//.::/::::::: j__⊥ﾞ!ヽ:＼::＼:jﾉ:::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | | ::::::::::||　 ヽ=＝l/.::/::::::::/､-‐'''ト ､:::::` ｰ-､// }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 ::::::::::|| 　 | | r:/.::/:::::::::/:::::::::::::ヽ:::`ヽ､::::::::::/:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 ::::|::::::| 　 | | |/.:::/::::::::/:::;､-‐'''"￣ ｀`''-､:::＼ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 ::::i|:::::| _r'ﾞr'´/..::/::::::_/'´　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ;:|::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　.:::::j|::／_,.rｸ /..::/:r'´/　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　::::／---､/ /..::/:::|　 |　　　　　　　　　　　　　　　|＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | :／　　　 / /|..::/:::::|　 |　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／| 　 ,ｨ　/ /:::|:::|::::::j　 j　　　　　　　　　　　　　 ／　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 レ'´/ / 　￣|::|::::/｡ /｡　　　　　　　　　　 ,､-'"　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　/　 / 　 ￣￣|::|:::|ｰr〈　｡　　　　　　 ,､-‐'´　　　　　　/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　|　 |　　|　　　　　 ヽl::ﾄ〈:::::::ヽﾟ　　　　　　　　　 __,､-‐'´|:|:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi　|　 |　　|　　　　　　 ヽ　＼:::::::`i` ー──‐'''"´　 _,､-'ﾞ V‐'"⌒ヽ､



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　　四人は国賓として客室に移動する事となった。
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