八３０２．
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やらない夫が立ち去って少し後。

見えない縄に拘束されたまま、彼の言った意味を考えていたランサーは
答えが分からずに苛ついていた。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ヽ　|::::::::::::::::::::::∠:::::::／:::::::::/::::::::::ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::∨:::::::::::ヽ::::/:::::::::/:::::::::::ノ:::::::::ノ::::::::ノ::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ゝ::::::::::::::::::::::V:::::::/:::::::::::::::::;;;;─''''''';´:::::::::::::::/::::::::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::／,,,∠＿＿__, !:::::::::::／::::丿:::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::,／｀　＼＿＿　 !＿:::::::::::∠＿:::::/:::ｸ　　　　　　ノ´::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:ヾ||ﾞﾞ''丶´ 　 /　 　 　.＿二、　＼::/ 「.,.,.,.,∨:::::k───、彡::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞヽ ||　　　　 /　/　　 .ﾉ:;:;:;:;:ﾞ　　　　　r.,.,.,.,.）|::::::::ヽ　　　　））::::::::
　　　　　「くそおっ！」 　　　　　　　　　　　　! ＼　　　||　　　 ／:;:..ｰ─ｧ　　　　　.,.,.. /:::::::::ﾉ＿＿___ｿ彡ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!.;.;＼　　 ',,,,、〆ﾉ.0　）　丿　　　　　　i∠:::ヾ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、,,,＼=__ ｿ:;:;:';;:;:;:;;:;:;:;:;:ﾞﾞﾞﾞ　　　　　 |ヾ二二二＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!￣.;|┌´´　;:;:ﾞﾞﾞﾞ　 　　　　　　　　|,,,　 丿 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;.;.;|　　　　　　　　　　　　　　　 /,,,,　丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.ﾉ　　　　　　　　　＿　　　 　/,,,,,,,丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀──＿,-'''二￣___｣ 　　　/,,,,ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ミ x ＿＿＿ﾉ　　　/ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ￣ｰ　　　　　　/ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿-ｰ'¨,,,,'∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'∧,,,,,,,,,,,'∧



つい動けない事を忘れて、地面を蹴りつけようとしたその時―――

八３０３．



　　　　　　　　　　　　　 ,./ 　 l　.,i'
　　　　　　　　　　　　　/　.,r'｝./
　　　　　　　　　　　　　ｌ　/　′ ./
　　　　　　　　　　　　./　ﾞ、　　/
　　　　　　　　　　　 ./　　ｉ　 ノ
　　　　　　　 _,, -'"ﾞ/　　/　 ｌ
　　　　　 , '"　.．　/　　"　 lﾞ　　　ｼｭｳｳ………
　　　　　 ﾞ'￢― / 　　/　./
　　　　　　　　　/ _..ｯ‐゛ ./
　　　　　　　／ .ﾞ / 　／
　　　 ._..-'"゛　／ .,／
　 ／゛_./ ..-'",..-"
　/ .-',ﾞ　ｰｰ"゛
　l,__ｒ'"



魔法の束縛が消えて、
いきなり自由を取り戻した彼はたたらを踏んでしまう。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　うおっと！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ド　　　　　　　　　　　　|`ー--――-/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ッ　　　　　 　　　|::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-――}::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 （;:...　　{ttttttttttttttttt,=≡≡=､
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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八３０４．
魔法にはそれぞれ固有の効果時間がある。

何らかの継続手段を用いない限りこのように綺麗さっぱり消え失せるものだが、
補助系の魔法がこれほど短時間に消失するとは考えにくい。

理由があるとすれば、術者であるやらない夫がわざとそうしたかだ。



　　　　　　　　　　　　　ﾄ､＿　　＿
　　　　　　ヾー-＜￣¨ヾト､. ＼.ヽ ヽﾄ､
　　　　 _ト--'ド=､=三≧=ﾆﾄ､ﾄ､＼}iYi }i ,.ｨ
　　　　＞ =ニト-ドﾐi､｀ヾミli､＼ド､Vi:ﾚ/i/
　　 ≦=＝=＜￣¨ニ=- ､　｀ヾ ＼ Yｌ/ .lﾚｲ
　　 ＜-―＝ニ三≧=､ﾄ､ >}-iド!￢iﾍi斤Ｋ
　 ≦= '三 ニ＝,.ニ.Z 〃.〃　 {{i　 　 {　{iヾヽ
　 之_Ｚ二〃￣　__,.ｨ! {{　|{.　　|{ﾄ､　　ヽ ∨ }}　　　　　「―――動ける！
　　≦ｨ'∠,／￣,.イく.　ﾘ_,｣ﾋ==≠=ミ;､　 z久ﾉ　　　　　 効果切れか！？」
　　 ノｲ∠.ｲi,r＜ｿ'　　　　,ｨ''::ﾅ≧　　　 fﾃ
　　 ∠ｨ'〃,'{ ￢.、　　　　`￣ ´　　　 　 ｢i　　　　　　　（いや………
　　　フイ小| '､:::}　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 やらない夫がそんなミスを犯すはずがない。
　　　￣}ﾉ,'八.ヽ-､　　　　　　　　　　　　_ ,ノ
　　　　　'＾^!个irr:ｪ　　　　　　　　　　 ___７　　　　　　　これは意図された解放だ）
　　　　　　 ド.Ll {. } ヽ　　　　　　 ‐''",. -.〉
　　　 　 　 川｜|.｜　ﾄ､._　　　　　　　　{
　　　　　　ﾘ　 .| ∨　　　　｀ヽ、　　　　_ﾉ
　　　　　 厶=r:|_　　　　　　 　 ｀ T ￣
　　　　／　 く＿ ￣¨ ￢------┴､
　　　/　／　ﾉ 　 ￣¨ ￢-------イ
　　,/,∠...／　　　　　　　　　　　　　＼＿

八３０５．
果たしてその理由は、ランサーの想像通りなのだろうか。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　j､　|ｿ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ノｿ;;;ｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　i:;ヽ|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/l/: 'ﾉ'ノ／,ノノ'´: : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（V:;:;i:;:;:;:;:;ﾍ:;:;:;:;:;:;:;/: ／: : : : : : : : : : : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾvゝ:;:;lヽ: ヽヾ:;:;:;:;j: : : : : : : : : : : : : : : : : : ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ: : : : : : : : : ヽ/: ;;;;;ｿ''''ヾ'、}: : : : : : : : : j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ: ヾ｀/｀ヾ/'''´´　ﾍ、　ヾヽヾ;;: : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ミ:::}/　 /　　　　 ヽ;l　　 ﾍ　ヾ;: ;;ｰ､:j.　　　　　 /ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ::}　　ﾘ　　　　 　 ゝソ二|￣ ソ ,ﾍ }　　　　　/ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽi ｀ミ}≧ 　　ヾ~y| 弋少｀　　 （ ｧ,i　　　　/ミ　 /
　　「……………。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i ﾍ　匁ヽ　　ｰ─-　　　　　 丿ｿ　　 　 /ミ　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ',　｀￣　il　　 　 　 　 　 　 ﾍoj　　 　 /ミ　 /
　　 立場上、逃がすわけには行かないから、　　　 　 　 ',　　 　i|　　　　　　　　　 j. |.|i　　　/ミ　 /
　　 捕らえるフリをしたって事か？」　　 　 　 　 　 　 　 　 i'i、 　ヾ　 　 　 　 　 　 ,'　|.|.i 　 /ミ　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |.| ヽ　──一- 　 　 , '. 　i.jxゝ/ミ　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |.j.　 |ヽ　　　　　　／　　　!::::::ヽミ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　ヽ 　 __,,／|￣￣￣￣|: ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 「￣|ﾆﾆﾆ--ｰ┤　　　　　 |: : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |.　 |ﾍ|　|r- ､. |　　　　'''´￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｨ''ｳ＿|ヽl　l⌒ﾘ　｀￣￣＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　　　　　　　　 ＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / /

八３０６．
違和感は拭えないが、こうして自由になれたのなら当初の目的を果たすべきだ。
そう考えた彼は、やらない夫に感謝しながらも雑木林を東へと向かう。



　 |:: :|: .::| .:|:. l:|
　 |::.,: :r.:| ::|:. l:|
　 |: |:: |::..　::. j:|
　 |: |::.　::| .:|: ::|
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　 |:ｉ ::|　::　:| ｌ |
　 |:|: :|　::| :: ;| |
　 |:|: :|　::| :: :| |
　 |:|: :|　::| :: :{ |
　 |;} 　 : :| :| :: |
　 |: .:|　;n ::| :: |
, . |: ::| ::{ﾘ ::! :!:|　,,..,　.,..　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 z rf　　　　　　　　　＜　　　　　 　 ./;;/
; , | .::| ::r : :| :i | .:;;::;;;. ,;:.　,.　　　　　　　 　 　 　 　 （｀　　彡三　ミ;:;:;:;:;:.　∠　　　　 　 ./;;/
;; /.::/ :::|i :.:| :l;ﾊ.＿,,. ,,::;;.:.　 　 　 ,;:.,,. ..　　　 　 　 ゞ　　　　彡ミ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　 　　./;;/　 　　 ,.,,.
ノ,;ノ : ::八 :ゝ::ヽ＼＿,,.,. :,　　　　　　　　　　　　　　ヾ　,,ﾍ　彡ﾐ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:r´　　 　 　/;;/　　 　 　 ,.vVw,
;:´.:: :／.::::ヾ::＼::＼::ｰ､ ,;;::..　 　　　 ,,:;;;.. .　　　　　 ∧/　 ﾐ　f´ ﾐ;:;:;:;:;:;:;:;:|　　　　　./;;/,::　　　　　　　　　　　　　,;..,,..　..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | .）/ﾟ　　　 .λ;:;:;:;:;:,,ヘ、　　　./;;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |__　　　　Ι∨二彡∨ヽ、 ./;;/　　　　　　　　　　　（なら―――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　χ´　 イ_ 〆￣　　　ヽ;:∨;;/　　　　　　　　　　　　有り難く行かせて貰うぜ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└´r´＿　. -┐,,,　,,,,,）;:;:トｰ-r ￣、ｰ-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠ﾞﾞﾞ＼ｰ─-∧　　　　　 },,,,　,,,,!;:;:;:!.}　 」 ヽ　!　ヽ｀!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ＼　＼　＼,,,,￣,,,,ｰ--┘,,　,,,!;:;:;:!└ ┤　|　!　 i　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　＼　＼　ｿ,,,,　,,,,,,,,,,,,,,,,,,　,,,,!;:;:;:!,,,,,,,,,ﾍ＿　!　 i　|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 |∠,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,　,,,,,,,,,,,,　,,,,,,,,,,,,,,,　,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|,,,,,,,,,,,,| |,,,,,,,,,|,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,　,,,,,,,,,,,　,,,,,,,,,,,,　,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,|

八３０７．
城壁や城の横では伏兵が現れた頃。
林と暗闇に紛れたまま無事、城門へとたどり着いていたのだが―――



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;;:,,..w:,＿iiv;;::,＿l;;:w:,＿i;;w,.| 　　 | ''　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 "|　　､- ﾟ P<i;;::,＿l;;::,＿i;;::,＿l;;::,＿i;;::,＿l;;::,＿i;;::,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.⊂ﾆ^⌒夊〈'ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | 　 　 7ｦﾉ~)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | 　 . /ｯ'　;_|

八３０８．
そっと覗いてみれば第一騎士団の別働隊が張り込んでおり、
ネズミ一匹すら通れなさそうな雰囲気だ。



　　　　　　　＿
　　　, ‐''´~　　 ｀´￣`‐､
　ヽ‐'´　　　　　　　　　 　 `‐､
≦　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
≦　　　,　,ﾍ ､　　 　 　 　 　 i
　l　ｲ/l/|/ヽlﾍﾄ､　　　　　　│　　　　「堀伝いに裏門から回ってくる奴らは散発的だ！
　|/ |　! |　 | ヾ ヾﾍﾄ､　　　 l　　　　　 防御陣形を崩さず被害を最小限にせよ！」
　 ! ‐;-､ 　 ､__,._-─‐ヽ.　,.-'､
　 } ' (:)〉　　´(.:)｀i　 　 |//ﾆ !
　ﾞ! 　７　　　 ￣　　　　| ﾄy'/
　!　 `ヽ"　　　　 　 　 .;-‐i´
　ヽ　 `￣二)　　　 　 /ヽﾄ､
　　ヽ、　ー　　　　　　／ ゝ
　　　 ＼　　__, ‐'　 ／　／ ＼
　　　　　￣ i:::::　／　／



　　　　　　　　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
　　　　　　　＿|　 ＼/＼/　　 ＼／＼/　|∧／　/／/
　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/
　　　　　　　∠　　　　　イエッサー！　　　　　　　 ＞
　　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ＼
　　　　　　　￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　　　　　　　　/／　　　|/　　 　 ＼/　　 　 ＼|
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　／　　　　　　　　 ／　　　　 　 　 ／
..　　　　　　　　　　　／..　　 　 　　　 ／..　　　 　 　　　／　　 　　　　　／
　　／￣〈　　　　 ／／￣〈　　.　　／ ／￣〈　 　 　 ／／￣〈　　 　 ／
　　l/",ニヽ~'ヽ／　 l/",ニヽ~'ヽ／　　l/",ニヽ~'ヽ／　l/",ニヽ~'ヽ／
　 ﾉl_[,#ﾟ -) 0´|　　 ﾉl_[#ﾟ -) 0´|　 　ﾉl_[,#ﾟ -) 0´|　　ﾉl_[,#ﾟ -) 0´|
　　( _ii＿／_ノ　　　( _ii＿／_ノ　　　 ( _ii＿／_ノ　　　( _ii＿／_ノ
　 　|ヽ0´|　　　　　　|ヽ0´|　　　　　 　|ヽ0´|　　 　　　 |ヽ0´|
　　ﾉ／'i'i'iゝ　　　　 ﾉ／'i'i'iゝ　　　　 ﾉ／'i'i'iゝ　　　　 ﾉ／'i'i'iゝ
　／(/´"J　　　 　／(/´"J　　　　 ／(/´"J　　　　 ／(/´"J

八３０９．



　　　　　　　　　　　　　ﾄ､＿　　＿
　　　　　　ヾー-＜￣¨ヾト､. ＼.ヽ ヽﾄ､
　　　　 _ト--'ド=､=三≧=ﾆﾄ､ﾄ､＼}iYi }i ,.ｨ
　　　　＞ =ニト-ドﾐi､｀ヾミli､＼ド､Vi:ﾚ/i/
　　 ≦=＝=＜￣¨ニ=- ､　｀ヾ ＼ Yｌ/ .lﾚｲ
　　 ＜-―＝ニ三≧=､ﾄ､ >}-iド!￢iﾍi斤Ｋ
　 ≦= '三 ニ＝,.ニ.Z 〃.〃　 {{i　 　 {　{iヾヽ
　 之_Ｚ二〃￣　__,.ｨ! {{　|{.　　|{ﾄ､　　ヽ ∨ }}
　　≦ｨ'∠,／￣,.イく.　ﾘ_,｣ﾋ==≠=ミ;､　 z久ﾉ　　　　　「………こいつを突破するのは一苦労、だな」
　　 ノｲ∠.ｲi,r＜ｿ'　　　　,ｨ''::ﾅ≧　　　 fﾃ
　　 ∠ｨ'〃,'{ ￢.、　　　　`￣ ´　　　 　 ｢i
　　　フイ小| '､:::}　　　　　　　　　　　　　＼
　　　￣}ﾉ,'八.ヽ-､　　　　　　　　　　　　_ ,ノ
　　　　　'＾^!个irr:ｪ　　　　　　　　　　 ___７
　　　　　　 ド.Ll {. } ヽ　　　　　　 ‐''",. -.〉
　　　 　 　 川｜|.｜　ﾄ､._　　　　　　　　{
　　　　　　ﾘ　 .| ∨　　　　｀ヽ、　　　　_ﾉ
　　　　　 厶=r:|_　　　　　　 　 ｀ T ￣
　　　　／　 く＿ ￣¨ ￢------┴､
　　　/　／　ﾉ 　 ￣¨ ￢-------イ
　　,/,∠...／　　　　　　　　　　　　　＼＿



ランサーとて元親衛騎士、逃げに徹すれば何とか突破する事は可能だろう。

だが彼は知っている。
エンジュの部下達の練度の高さと、連携を取ったときの恐ろしさを。

八３１０．
無傷で抜けられる可能性は決して高くない。

後の事を考えるとここでは手傷すら負いたくない、と作戦を考えた彼がふと見れば、
王女がよく通る声で第二騎士団への語りかけを行っている。



　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　　｡
　　　　　　　　　　 　 　　 　 　 　｡　 ｡ 　 　 |　 　　 ｡　 ｡
　　　　　　　　 　 　 　　 　 　 　 |. 　| 　 　 |:| 　　　|. 　|
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　　　　　　　　　 　 　 　　 　 　 |:|.　|:|　 　l∧l 　　|:|.　|:|
　　　 　 　　　　 　 　｡　　　　　|.:.|. |.:.| 　 ,.傘., 　 |.:.|. |.:.|　　　　 　｡
　　　 　 　 　 　 　 　| 　 　 　 .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧| 　 　 　　|
　　 　 ｡　 ｡ 　 　 　 ||.　 　　　（VVVV）.傘傘傘.（VVVV） 　 　 　 ||　　　 　 ｡　 ｡
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　　 山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|ｌ~~|ｌ~~|}:／个＼ {|ｌ~~|ｌ~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山　 　 　 　 　 ∧
　　　||^^||^^|个ｌ个{∽}!||:.　　||{∽}{∽}}:{ﾆi二iﾆ}:{{∽}{∽}||:.　　||!{∽}个ｌ个||^^||^^|　　　　　　　/;;;;;ヽ
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　　　||　l||　l|鬥ｌ鬥||: ||!|鬥ｌ鬥|||　l||　l|}|鬥轟鬥|{||　l||　l||鬥ｌ鬥|!||: ||鬥ｌ鬥||　l||　l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 λ .λ. λ λ λ .λ .λ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 λ.. λ.. λ. λ λ .λ ..λ ..λ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 λ.. λ.. λ.. λ. .λ ..λ ..λ ..λ

八３１１．
耳を澄ませてその堂々さに心底驚いた。

王女としての気品は漂わせていたものの
襲撃があって城から逃げるまではそれだけであったはずの真紅が、
いつの間にか王者の風格を備えているではないか。



　　　 　　 　 　 　 　 　 , -､/￣ヽ 　　__
　　　　　　　　　　　 __（　　しヘ 弋／　)＼
　 　 　 　 　　　　／ー'　 　　＼ 　　　└ヘ＼
　　　　　　　　　└ヵ　　　　　　　　　　　 　 |＼
　　　　　　　　/￣＼　　　　　　　　　　　　　〕　＼
　　　　　　　 └┐　　　　　　　　　_ 　 -―-＼　　ヽー､
　　　　　　　 ┌┘ 　 　 　 　,.　　 ／　 ヽ　＼ 了 　　ト ∠ム　／ ヽ
　　　　　　　　廴　　　　　／ 　　/　　　　　　 ヽ｀つ　 ∨Y　 ￣〕マ７_
　　　　　　　　 r┘　　　/ 　 　 　 　　 　 　 |　　|└┐　|　|　 rﾍ´ ＼ ｊ! 　 ＿
　　　　　　　　 ｀つ 　 ./ 　 　 　 　 　　 |　　|　　| | 〔.　｜｜＜_ﾑ__＞　￣__
　　　　　　　　　〔＿　.′ 　 　 　 　 　　|　 | ||　｜ｉ　｀)｜｜　〔 ﾍ＼ ＜
　　　　　　　　　　　ヽ| |　:　　|　 |　　　 |　 | ||　 ﾚﾊ 弋 |r= 、r┘ |　＼ ｀
　　　　　　　　　　　　| |　|　　|｜| 　　　|　 川ィﾁﾚ,_|　({ﾍ參〉） 　！ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　| |　|　　|⊥从_| /ｊ／/ィi´うﾊ｢|　|广7_ハ 　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　＼＼ヽ７了7ヾ　　　　 ゞ- '｜ |∨/ 　 ＼　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 ＼| ヽ　ゞン　　　　　　　｜ | ∨ 　　　 ＼　　＼
　　　　　　　　　　 　 　　　　|　∧　　　 ｀ . - 　 　__|　ハﾍ 　　　　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　|　l|　＞＿　　　　／　j /￣ヽ.ﾏ＿　 　　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 /∧|／　　 __ｱ=ﾐく入`マ"￣￣ ／　　 　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　／/　ﾍ　　　/-ゞ參r' _≧　＼￣/___〉 　　 　　　　　＼
　　　　　　　　　　＿__／∠ ヽ＿＼イ　　 ｀T1く, ―‐ 　∨　　ヘ,__
　　　　　　　　　　＼ 　 ＿...ニニニ＞ 　 　｣ K_,／￣ヽ　〉￢　　　＼_
　　　　　　　　　　　 ￣　 ＿／　__〔　　／　　| ゝィ厂ﾄ 　Ⅴ | |　 廴 厂 ヽ
　　　　　　　　　　　 ＜二、≦二.＿ヽｲ　　　 |　　｢ 广ヽ.ノ　|/ 　　＼ 　 /
　　　　　　　　　　　　　　冫￣_.ｱ／　/　　　　 /（　 ┬―＼　　　　　|　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　 ／ --≧＞　/、　__　　ゝ┴イﾍ 　 　　　　　 /!　　ﾉ
　　　　　　　　 　 　 ／　 　 ヾ＼　 ん}｝丿 `ｰ'￣丿　 ﾄ ＿ 　　　　 / r‐'´
　　　　　　　　　　 く　　　　　　｀ ＝＝' （￣￣￣　　　ﾄ　　 ￣ ー‐' ノ
　　　　　　　　　　　 ＼＿＿,....., 　 　　 ﾉ 　 　 　　／,!　＼――＜__
　　　　　　　　　　　／　　　　　＞ｰ―'　　　　　／　/　　 /　　　　　ﾄ
　　　　　　　　　_／　　　　　／　| 　 　 　 　 ／ 　 /　　 /ﾍ　　　 ／ﾍ＼
　　　　　　　　/ ＿__ 　 　／|　　ヽ　　　ー '´　　 / 　　/　　ヽ＼＿〉　ヽ ＼
　　　　　＿＿L｛　　｀　ノ /∧　　 ＼　　_,.. 　 　/　　 /　　　　＼　　｀　、＼＼
　 　 　　|　　＿＿　￣__ノ/　 ヽ　 　 ￣　　　　/ 　　/ | 　　　　　＼
　　　　　し'⌒i 　 　　く　/　　　 ＼　　　　　　/　　 / ｜　　　| 　 　 ＼
　　　／　　　弋__r‐､　У　　　　　　　　　　 /　　 /　｜ 　 　 | 　 　　　＼
　 ／　イ丁j　/ 　　 ﾌ　　　　　　　　　　　 /　　 /　　|　　|　　|
　‘ 'レ/ノ　{_/　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　||　　|

八３１２．
無意識のうちに引き込まれ、演説に見入っていると―――
王女の周りを固めている主要人物はマコト、キバヤシ、アリア、ロイの四人のみだと気づく。



　　　　　　　　　　　　　￣ヽ､
　　　　　　　　　　_　,-─ ､,〉ゝ－-::...　、
　　　　　　　 ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`＼_
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　, ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 NヽN｀　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ､
　　　　 /:::.／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .、Nヾミ　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　,/:::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｌ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾミﾐ､　　　　　　 _,.ｨｲ八、　　　　 !
　 　 l::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー-=ﾆ ＿,..､_'"'ノ,."-'ニ'ヾ､.＿ l_
　 　 |/|:::::::::::::/::::::::::::::::: ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{F|! '､辷ﾞiニ{´'_辷,ﾞ ﾞ!r'-r,^､i
　　　　|::::::::::::::::::::::::_:::/　ｌ:::::::::::::::::::|＼:::::::::::::::::::::::::::ｌ:::::::::| 　　　　　　　　　 　 　 ／|　　　　　　　l;jﾞ､_ 　 ﾉ　ヽ)、　　ﾉ'　 ゝ:'/
　　　　|:::::::::::::::::::::::::/≧､ ｌ::::::::::::::::::| 　＼斗::::::::::::::::ｌ:::::::::ｌ.　　　　　　　　　 　 ／ 　|　　　　　　　｀!　￣ヽ '　　￣~´　 ,'.,ｨ'
　　　　|:::::::::|:::::::::/l::/ｲ⌒ﾞ`ﾒ::::::|＼::ｌィ千代`:::::|:::::::::ｌ:::::l〉ﾘ　　 　 　 　 　 　 ./　/ ./　　　　　　　　 i.　　 --一 、　　　,'　|
　　　　|::::::::/|:: /　ﾘ弋､ _ﾉｌ　ヽ|　 ヽﾚ; __ｿ ｌ j|人:::::::ｌ:::::|　　 　 　 　 　 　 　/　/ ./　　　　　　　　　　ヽ、 `二ﾆ´　　.／　 ﾄ、
.　　　　|::::/　|:::fzlｌ　＾ー‐'´　　　　　＾　‐-'´　jｌノ:::::l::l::て. 　　　　 　 　 　 /　/ ./　　　　　　　　　　,..-i;:ヽ、　　 ,. '´　　／ ヽ､_
　 　　　|/　　ヽ.:::|ﾍ　　　　　　　　　　　　　　/ィ<"j ﾒ_／　　　　　 　 　 ./　/ ./　　　　　　　　_,.イ´　 j　　￣￣　　 ／　　　,i､ﾞト-､
　　　　　　　　　ゝ;八　　　　　　;　　　　　　/ｲ　　　　　　　　　 　 　 　 /　/ ./
　　　　　　　　　　　x > ､　　　ｰ ｰ　　　　ｲゝ:::｀＞-､　　　 　 　 　 　 /　/ ./
　　　　　　　　　〆::::;//ﾊ`　、　　　　 <´/　 ｌ）:::}:::::::::::::::` ､　　　　　/　/ ./
　　　　　　　 ／/::::://　　＼ 　｀‘´　　 /　 /::::7::::::::::::::::::::ﾊ::l 　 　 /　/ ./
　　　　　　 ﾉ::::/::::::《〈 ヽ／ﾍヽ 　　　／　 /::::/::::::::::::::::::::::/::::l　　 /　/ ./　　　　　　　　 　, -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀`'' ‐､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀;‐､
　　　　　　　／／　　ｨうヾ　　 　 　 　＼ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
　　　　　　　| j 　　　 >=彳　　　　　　 ::::ｌ |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／イ;ｲ;;;;;l
　　　　　　　| l　 __＿| 　 |＿＿　 　 　::::l｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ﾄ;|

　 　　　 　 /l |　|　　　　　　　　|　　　.::::l l::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／／/;;;;ｲ/ ト/､X,　ｌ:ｲ　ｌ
　　　　　　| .| | └─┐　┌─┘　　.:::::l l:::::::.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´//／'´　　　┘　!ﾘ
　　 　 　　ｌ　! |　 　 :::|　　|　　　　　.::::::j ,'::::::::::. ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ,. Y　　　　　　　　 '､
　　　　 　｜ ｌ｜　　::└ｰ┘　　 　.::::::::j ,'::::::::::: ,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rｲ;;;;;;;;;;;／　 'ｰ' 　　　　　　 　 　ﾝ
　　 　 　　 ', ', l _,;:ｧ-rｰヾー ､＿.:::::::://::::::::::: ,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　ヽ='´'　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　vｲ´:/ 　 !: : :!: : : :ヽ､`:ｘ'/::::::::::: /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　　　｀`ヽ､_　　 ､　　　 -‐‐r＜
　　　　　　　| l,'/＞ 、ヽ,: '､:ﾄ､＼:丶､:｀l: ､: /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;ヽ、　 ,､　,､ ｀ヽ､_ヽ.,_ 　 ,ｲ´　 L..
　　　　　　　| ! i彳tぅﾐ　ヽ!斗≦毛zﾐｌ: ! : ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;＼ヽ ｿ　｀〉 /小ｰ､｀ 〉ﾉにｿ　｀ヽ_
　　　　　 　 l: ;ｲ}ゝ辷;j. 　 　´ ﾄｨ':::j"|: l: : : !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ`ー' / ﾊ | /、'" 　 /　､ﾉ
.　　　 　　　j : 八　,,,, 　,　　　┴ｰ"'ｫ ,': : : l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿
.　　　 　　 ,'/ｨ : : `..､　　- 　 """ィ|:!/l : : :l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／r': : :└､
　　　　　 //j : : : : : _´＞┬_,≦ノ|㍉＿: : :!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ r┘: : : : : :乙
　 　 　 ノ　/: : : ｧ´ {{:::｛{ヾ－　　〃:::〃ヾ,l　 　　　　　　　　　　　　　ｒ‐z- ､,　イ　' {￣｀丶､: : : : 〕
.　 　 　　 /: : :/　 〃;;::::ゞ=三 彡':::〃　　.}　 　　　 　 　 　 　 　 　 に/ｒ'　/　/ ／｣'　 l　　l ＼: ｣
.　　　　, ': : : :ｲ　 /'　　::/　 / 　''〃/　　 j　　　　　　　　　　　　　　 /| 〈　'|　 l'　 ノ_ｌ　l| 　 |　 lY′
　 　 ／イ: : : { 　｛　　.::/　./　　.:!l/　 　./l　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ　|ヽfこ}　ｲ |ｨf ﾄﾑ　ﾉ　 jｌ|
.　　　 　l,': : : :i 　 l､;;;;;/　 /;;;;;;;;;;;j'　　 ./: :!　　　　　　　　　　　　 　 l　l|　 ゞﾍ 〈!｜ゞ'′ {:Nﾚﾘ'
　 　　　{,ﾍ: : : ', 　 l￣　 　￣￣/　　 /: : :l　 　　　　　　　　　　　　 /　,!　 　ヽヽ| l! 　- ,　ﾉｌ|
　 　 　 i|　', : : |　　'r┐　┌--/　　 /: :l: :ｊ　　　　　　　　　　　　　　 l　/　　　 「r:ｌ |ヽ-ｒ ＜:l iヽ
.　　　　 ヽ ヾ＼!.　　'ｖ　　|:::::/　　 /ノ丿ｿ　　　　　　　　　　　　 　 / /　　　/ｒ‐- ､!ﾉ='｀　/:l !ﾑヽ
　　　　　　　　　ｌ　　｜ 　!:::/　　 / ＼　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / /! ＿／　ｒゝ､ソ:个 ､j .厶 ィ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /|ｌ {_＿　　 ヽソ|:　ヽ＿ゝ {ソ￣}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / / /　 / 〕　 r┐〉:ﾄ-- 'ヽ _ く'-､ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'´　ｌ　 /　┴-'､_j/ヽ.ﾉ＿ｒ.｣ヽノ｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　./　 ヽ.　　　〈 ' _ノ　､　　 ｀ｽ.　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/　　　 l　　　 l＼_.厶ﾌ　 丶　ヽ/　ハ._ｫ'´ｰ､ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／'／　　　 /　, -'´/´-'´　/　　　 ヽ　 / ヽ ＼､｣┘ヽ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／_／＿　＿_/　ヽ.／'´　. : :/　　l　　　　　　　｀　､＼　__ ゝ_ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ.. -―ｚ-､.＞ ､-‐:/　. : : : ／　l　　l　　　　＼　　　､｀¨ ー‥_T´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ‐'二 -- ､＿ノ ´. : : : ／　　/ 　|　ヽ　 ヽ　　ヽ: : .　｀　ｰｬ､: :｀ヽー-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く‐'´ー-　､＿ |. : : _ -'´　　. :/:　　ｌ: .　ヽ　 ヽ: 　 ヽ: : : : ./: : }: : :/―--'´

八３１３．
個人行動のやらない夫はともかく、ジュンが居ないのは不自然だ。



　　　　　　　　　　|レ　/,/　　　　|,,/　　　　　　　　　　 |,,,|::::::::::::::|;ヽ::::::::::::::::」.;.;.;
　　.;;;;;:::::::............　 !}　｀lヽ、　　　|ﾉ　　　　　　　　　　　.|,,,|::::::::::::::ゝ':::::::::::::／.;.;.;.;　　　　（本当にマゴットが加わってやがる。
　.;;;　　　　　　　 へ}　 |　 ＼　　|　　　　　　　 /　　　　|,,|:::::::::::::::|,,|:::::::＜.;.;.;.;.;.;.;　　　　 意外に神殿も腐敗していないのか？
;;;;　　　　　　　　 !iヽ}.　|　 　,＼ .|　　i.　　　　/　　　 ::::/ﾉ::::::::::::::::|,|::::::::::::＼.;.;.;.;　
.;　　　　　　　　..!.i　 }　=＝f=、.＼ 　 il　　　/.　　　　::::|/::::::::::::::::::|::::::::::::::::::ミ.;.;.;　　　　それにしても妙だ、
　　　　　　　.::.　 !i ｀t　　　i、・ ;,ミゝ'i li... . /;　　　　　::::|＿.;-──--:::::::::::::::ﾐ.;.;.;.　　　　ジュンの奴が居ない。
　　　　　　 :::　　 ! ゝi　　　...............::::::::::::::〈‘_.,;;;'.'_二￣.|＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::,;;.;.;.;
　　　　　 .:::.　　　ト,. i　　　　::::::::::::　ヽミ彡::::≦:::::ィfキ”，゜テヾ、::::::::::::::::::,;/:::::::　　　　 裏門への別働隊？
　　　　　 ::::　　　　ヤi　　　　　　　　 ） ::::::::::::::::::ミ:::::::........＜__ノ´:::::::::::::::::::ﾉ::::::;::　　　　 いや、その分散は意味が無い。
　　　　　::::.　　　　 | |.i　　　　　　　　 .:::::::::::::::::::::. 　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ
　　　　　::::.　　　　 | |ヽ　　　　　　 / :::::::::::::::::::::::::.. 　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∀::::　　　　　 ならば何処へ？）
　　　　　.:::.　　　　 | | ヽ.　　　　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::..::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::| |::::
　　　　　 .::: .　　　 | |　 ヽ.　　　 / :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::| |::::
　　　　　　:::　　　　~　　　ヽ.　　丶::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::| |::::



別働隊にしても、城攻め以上の重要拠点があるとは思えない、
一体何を企んでいる―――
そう思った瞬間、やらない夫の横顔が脳裏に思い浮かんだ。



　　　　　　　　 　 　 　 ￣　 　 ､
　 　 　 　 　 　 ´　　　　　 　 　 ＼
　　　　　／　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　 　 　 /　　　　　　　　　　　､＿　　ヽ
　　　　'　　　　　　　　　　　　　　 ｀　､ヽ
　　　 l　　　　　　　　　　　　　　,‐-,.._ ゞ
.　　　l　　　　　　　　　　　　　　l　弋心 l
.　 　 l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!
　　　l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'
　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'
　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
￣　｀ー -　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　　/
:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



戦術はあの少年が立てたに違いない。

ならばただ麻呂を斃すだけではない、
全てを掴み取るようなとんでもない作戦なのだろう。

八３１４．
その確信から閃きを得れば、後は数珠つなぎに発想が繋がっていき、
急に視界が開けたかのように色々なものが見えるようになる。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 j､　|ｿ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ノｿ;;;ｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i:;ヽ|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/l/: 'ﾉ'ノ／,ノノ'´: : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （V:;:;i:;:;:;:;:;ﾍ:;:;:;:;:;:;:;/: ／: : : : : : : : : : : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾvゝ:;:;lヽ: ヽヾ:;:;:;:;j: : : : : : : : : : : : : : : : : : ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヾ: : : : : : : : : ヽ/: ;;;;;ｿ''''ヾ'、}: : : : : : : : : j
　　「………まさか！？」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヾ: ヾ｀/｀ヾ/'''´´　ﾍ、　ヾヽヾ;;: : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ミ:::}/　 /　　　　 ヽ;l　　 ﾍ　ヾ;: ;;ｰ､:j.　　　　　 /ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ::}　　ﾘ　　　　 　 ゝソ二|￣ ソ ,ﾍ }　　　　　/ミ
　　（ジュンはギャブレットの邸宅狙い！　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽi ｀ミ}≧ 　　ヾ~y| 弋少｀　　 （ ｧ,i　　　　/ミ　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ﾍ　匁ヽ　　ｰ─-　　　　　 丿ｿ　　 　 /ミ　 /
　　 ―――確かにサクラダ殿の汚名を濯ぐには良い案だ。　　　　　 　 　 ',　｀￣　il　　 　 　 　 　 　 ﾍoj　　 　 /ミ　 /
　　 どうせ叩けば埃の出る身のはず、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ',　　 　i|　　　　　　　　　 j. |.|i　　　/ミ　 /
　　 別件のネタでも手に余るほど出てくるだろう。　　　　　　　　　　　　　　　 i'i、 　ヾ　 　 　 　 　 　 ,'　|.|.i 　 /ミ　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |.| ヽ　──一- 　 　 , '. 　i.jxゝ/ミ　 /
　　 つまり―――）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.j.　 |ヽ　　　　　　／　　　!::::::ヽミ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　ヽ 　 __,,／|￣￣￣￣|: ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 「￣|ﾆﾆﾆ--ｰ┤　　　　　 |: : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |.　 |ﾍ|　|r- ､. |　　　　'''´￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｨ''ｳ＿|ヽl　l⌒ﾘ　｀￣￣＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　　　　　　　　 ＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / /

八３１５．
ジュンの向かった先、その目的、そこから得られる恩恵、そして―――
やらない夫が何を言いたかったのかを。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　､
　　　　　　＿_ｰ-=＝＝‐ｰｰ''""`ヽ､___ iヽ、　､
　　　　　　＼;;;`ｰ--＞;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;i;;;;;ヽ　;｝
　　　＜二ニゝ;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;∨i　,
　　　　 ＼ヾ=＝＜￣`;;｀￣＞､;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;;;;;;;i/i
　　　　　ヾﾍ;￣￣`::::ヾ:::::::::::::::::＼;＼;;;;;;｝;;;;;;;;;;;;;;;;ﾚ
　　　　　　!::::ﾍヘ::::::::/ `7;ヘ､::::::::::::::::ヽﾉ;ﾚノ／ノ;i
　　　　　　!;ヾ;;ヾ＼;/　 /;/　 `ゝ､::::::::::iｿ:::::::::::::ｿﾉ
　　　　　　 !;;ヘ＞"　　 !;!　　 //　＼;/ﾍ"ヾ:::::/′　　　　　　　　　　「バゼットはジュンが助け出す。
　　　　　　 :i ゞY　ｰ-､,_|!　 　 !;i　　　　i;:〉　!;;i′　　　　　　　　　　　 だから俺は―――」
　　　　　　人｛　　___.,,,,≧ｔｒｭ､_i;! 　 　_,i/,,､ﾉ!;!
　 　 _,､＝クﾄし、　｀ゼﾂﾞ¨` 　　≦ｆｾｭ7 i/
　　.三ソ'ｌ:.:.:.:!! :i 　 　 　 　 　 　 i 　 　 /__＿　_
　　.二.:.:.:i.:.:.:.||八　　　　　　 　 　i　　 /　 `ヽ:.:.:.｀＞....、
　　ヽ_∧.:.:!.:.:.:.:.､ﾍ　　　　　　　 ''′ ,ｲ:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.ヽ:.:.＞.、
　　,_:.:.:∧.:.:ヽ.:.:.:.:.:.ﾍ 　 ´　￣ ﾞ　／⌒i:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:i
　　 ｀'┤:i.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.ヽ　　´　／ｿ.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:!
　　.:.:.:.:i :ﾄ;;;;;;;;;;;;;;ヽヘ二｀ｰ-..タ∧;;;;;;;;ﾉ:.:.:.:.:.:.:.ﾉ:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.i!
　　:'ｰ､_i ヽ;;;;;;;;;;;;／ﾞ＼i i／ヘ;;;;;;;;;;入。:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:ノ:.:.:.:.:.:.:.i!
　　:.:.:/:.:/ヾヽ;;;;;;!;;;;;;;;ヽ /;;;;;;ｿ,-'"_ノ;;;o`:´:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:/:.!
　　:.:/:.:/;;;;;;;`;ｰ-..､ ヽ;;! !/ ,--ｰ";;;;;;;;;;;〉､:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.!、
　 ／／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ､　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ﾟ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.ゝ
　 ／!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;∨;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼__＿＿＿_／;;;｀;;く
　 ヾ;;!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾヽ;;;;;;;;;;;;;＼
　　;;i::i､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ｀＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼＼;;;;;;;;;;;;＼
　　;;|::|;;i､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　 　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ; ヽ､;;;;;;;;;;;ヽ
　　;;i::i;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,;';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ　 　 　　　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ｀ヾ;;;;;;;ﾍ,
　　;;|::|;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;／;;ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;／´　　　　　　　　 ＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i└ｰ‐-､;＼



後の事を考えろ。
自分の気持ちだけでなく、家族の事を、それからの事を考えろ。

そう、彼が言っているのが分かった。

八３１６．
自分は騎士を裏切り、アレクサンドやアレックス、サツキを死なせ、
エンジュ処刑を見逃した極悪人だ。

あの場で斬り殺されたって文句は言えないはずなのに、
あろう事かやらない夫は、より良い道を選べと手を差し伸べてきたのだ。

だから大いに呆れたランサーが、
信じられないと苦笑を漏らしたのも当然だろう。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ 　 　__ ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::/,､ｰ'´／ｰ--ｰ／ __,,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i／::::::::::::::::::::／/::::::::::::￣／/_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i !i:::::::∧,_／´/:／::／ニニソ:::ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ､i::::::::/∨::/i::::/::://／:::::::::::二ニ彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ヾ∨/:::/彡ミヘ"彡::::::二二ニ彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ヾｿ〃＼:＼　 }:｝"`ｰ-､彡彡彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:/i!　　　 ヾ:i 　」i,,､-　　彡／ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/　! 　 　　斤7"ﾘ　　　　　　ソ ）
　「ククククッ………　　　　　　　　　　　　　 ﾘ　　ヽ　　 ﾌ ､､,,,､-′　　　つ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　　　　　ゝ〈ﾍ
　馬鹿じゃねぇのか、あいつ。　　　　　　　　 　 　 i　　　　　　　　　　 / i :iﾍﾍ
　なんで裏切り者の俺に　　　　　　　　 　 　 　 　 ' ｰ ､. ｰ - " ´　 　 　 ! j ヾ;ヽ.
　情けをかけるかねぇ？」　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　／　　　　_,ァ:::'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ-､- 　 　 _,､ｰ′: :∨ﾍ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　　　　　　　　　　ｲt､,,,､､i´: : : : : : : : :＞ｰ-､_ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´: : : ／￣＞ｰ--､,,､ｰ'´:.| i丁厂ﾍ__;, : : : :／: : : : :!√ヽ:｀:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/',: : : : : i: : : : i: : : : /: : : :,､／Υｿγ⌒ヽﾍ／: : : : ／: : : : : :,ヘ :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/:.:.',: : : : :l : : : l: : : : i:,､ｰ';;;;（( ノソ´;;;;;;;;)）;;/: : : ／´: : : :.,､ｰ'′: :ヾヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i:.:.:.:.',: : : : ! : : :.l: : : :|二ニヘノﾉヘ＝=≡∨: :／: : :,､ｰ':´: : : : : : : : : : :ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;.:.:.:.:.'.,: : : ﾍ : : ∨:._:ﾟ/;:;:;:;:ヽ__／;:;:;:;:;:;:;iﾟ。∨: :,､ｰ': : : : : ; : :´: : :｀: :': : ; :'.,
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　'l:.:.:.:.:..:.:'.,: : : ＼厂ﾟ/´;:;:;:;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!ト。_／: : : ; : :´: : : : : : : : : : : : : : .〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';.:.:.:.:.:.:.:.:':.,: : : ﾟｿ´;:;:;:;:;;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ﾍ: : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.,/;;:;:;:;:;:;:;;;;;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ﾍ: ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　／:.;,;,;,:､;ｰ/7丁´:;:;:;:;:;:;:;;;;;;:;:;:;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　`フ;:;:;:;:;:;//;:;:i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:＼: : : : : : : : : : : : : : : :／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /;:;:;:;:;:;//;:;:;:;ヾ;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;:;:;:;:;:;:;＼: : : : : : : : : : : ／

八３１８．
麻呂の姪であるバゼット。
騎士を裏切り、大逆人に荷担した自分。

現状、捕まれば二人とも断頭台行きは免れない。
それが分かっていたからこそランサーは、
今夜妻を助け出して国外へ逃亡するつもりでいたのだ。

しかし―――本当にそれは可能なのだろうか。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ 　 　__ ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::/,､ｰ'´／ｰ--ｰ／ __,,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i／::::::::::::::::::::／/::::::::::::￣／/_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i !i:::::::∧,_／´/:／::／ニニソ:::ノ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ､i::::::::/∨::/i::::/::://／:::::::::::二ニ彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ヾ∨/:::/彡ミヘ"彡::::::二二ニ彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ヾｿ〃＼:＼　 }:｝"`ｰ-､彡彡彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:/i!　　　 ヾ:i 　」i,,､-　　彡／ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/　! 　 　　i::レ"ﾙ､,_ 　 　 　 ソ ）
　　　「冷静に考えれば、　　　　　　　　　 　　　　 ﾘ　　ヽ　　勹´ 弋ﾀﾞ｀ 　 　　つ/
　　　 身重のバゼットを連れて　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　ゝ〈ﾍ
　　　 国外へ抜けられる訳がねぇ………　　　　　 　 　 i　　　　　　　　　　 / i :iﾍﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ' ｰ ､. ｰ＝ニ ′ 　 　 ! j ヾ;ヽ.
　　　 逆に、逃げたり抵抗して捕まったら　　　　　　　　　　　＼　　　　／　　　　_,ァ:::'.,、
　　　 その場で処刑されるだろう。　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ-､- 　 　 _,､ｰ′: :∨ﾍ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿　　　　　　　　　　ｲt､,,,､､i´: : : : : : : : :＞ｰ-､_ ＿
　　　 だが―――」　　　　　 　 　 　 　 ／´: : : ／￣＞ｰ--､,,､ｰ'´:.| i丁厂ﾍ__;, : : : :／: : : : :!√ヽ:｀:＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /',: : : : : i: : : : i: : : : /: : : :,､／Υｿγ⌒ヽﾍ／: : : : ／: : : : : :,ヘ :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/:.:.',: : : : :l : : : l: : : : i:,､ｰ';;;;（( ノソ´;;;;;;;;)）;;/: : : ／´: : : :.,､ｰ'′: :ヾヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i:.:.:.:.',: : : : ! : : :.l: : : :|二ニヘノﾉヘ＝=≡∨: :／: : :,､ｰ':´: : : : : : : : : : :ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;.:.:.:.:.'.,: : : ﾍ : : ∨:._:ﾟ/;:;:;:;:ヽ__／;:;:;:;:;:;:;iﾟ。∨: :,､ｰ': : : : : ; : :´: : :｀: :': : ; :'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　'l:.:.:.:.:..:.:'.,: : : ＼厂ﾟ/´;:;:;:;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!ト。_／: : : ; : :´: : : : : : : : : : : : : : .〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';.:.:.:.:.:.:.:.:':.,: : : ﾟｿ´;:;:;:;:;;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ﾍ: : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.,/;;:;:;:;:;:;:;;;;;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ﾍ: ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.;,;,;,:､;ｰ/7丁´:;:;:;:;:;:;:;;;;;;:;:;:;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`フ;:;:;:;:;:;//;:;:i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:＼: : : : : : : : : : : : : : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;:;:;:;:;:;//;:;:;:;ヾ;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;:;:;:;:;:;:;＼: : : : : : : : : : : ／



幸運に恵まれて上手く逃げおおせたとしても、
追われる者の恐怖と良心の呵責、あてもない暮らしが待っている。

戦う事しか出来ない自分と、貴族暮らしの長いバゼットの二人で
いったいどんな生活が出来ると言うのか。

冷静になればなるほど、自分達が追い詰められている事が分かる、
詰んでいるとしか言いようがない。

八３１９．
だが―――



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　　　　　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　 　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　　　　　　 _..,,ノ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　　(● ) 　 ﾉ　　　　「どうして、最初に―――
ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　/　　　|ヽ　　　　 俺達に相談してくれなかった？」
:::::｀ヽ､ 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 !　　　　　　　　　　　丶＿ / /
_,　‐､::::::￣ )　　　　　　　　　　 |￣￣ ‐ '─ !_　　　 　　　 　　 　 　　ノ ´
:::::::::::ﾚ' ￣　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::::::::::｀‐　_　　　　　　　 ／
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:::::Ｖ　　　　　　　 |::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀‐-､ _:::::::::::::::::::::::::::>
::::::〈　　　　　　 __|::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ _:::::::::::::::／
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::::::´::::::::ヽ:::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ ‐-､
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　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::: {:::::::::::-‐‐‐:::::::::::::::::::::::::/
＿　　　　　　　　　　ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
::::::::｀‐-､_　　　　　__ ｷ:::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::￣￣￣￣｀‐-､
:::::::::::::::::__ ＞-‐´::::::::ヽ:::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
:::::::::-‐´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/



┗──────────────────────────────────────────────┛



自分が罪を認めて自首をし、罰を受け入れれば、
バゼットも素直に正式な裁きの場に出れば、
そして、やらない夫が口利きをしてくれるのであれば―――

もしかしたら、バゼットが子を産む余裕があるかも知れない。

そしてそうなれば、事件の際にはこの世に生を受けていなかった子だけは、
裁きの対象にならない可能性が高い。

八３２０．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i､,,-ーフ,､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 iヽ／i/::::／∠_::::::::::::::｀＞__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |::ヽ:/:／／/::::::／::＞::::::::::::ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ヾ::V:::/:,彡ｿﾊﾍ;;;;;::::￣´＼:ト
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ升/`"ﾍL__,,､__ﾍ　/｀二ニ:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !/≧　`"''i斤┬,ｒ､ く;;:::ニ＿＼::＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'fj_)　　　ヾ┴ ′　　ミ::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/フ　　　　　　　 　 　 ﾐ>＝-::ﾍ一
　　「今、俺に出来る事は―――　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈 ヽ　　　　　　　　　　γ´ヾラﾍ
　　 ジュンを信じる事、そして………　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　 ､ｰ'""'､ 　 　　　ソノ/::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　', 　` ｰ　′ 　 　∧≦／
　　生まれてくる子だけでも　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i′　　　　　　　´　l:l::::|
　　救われるよう行動する事、か」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:lヽ __　　　　　　　l:l:l:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　L!　　 i　　　　_.,､ｰl !」ゞ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　　　　　　　　　　ｲt､,,,､､i´: : : : : : : : :＞ｰ-､_ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´: : : ／￣＞ｰ--､,,､ｰ'´:.| i丁厂ﾍ__;, : : : :／: : : : :!√ヽ:｀:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/',: : : : : i: : : : i: : : : /: : : :,､／Υｿγ⌒ヽﾍ／: : : : ／: : : : : :,ヘ :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/:.:.',: : : : :l : : : l: : : : i:,､ｰ';;;;（( ノソ´;;;;;;;;)）;;/: : : ／´: : : :.,､ｰ'′: :ヾヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i:.:.:.:.',: : : : ! : : :.l: : : :|二ニヘノﾉヘ＝=≡∨: :／: : :,､ｰ':´: : : : : : : : : : :ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;.:.:.:.:.'.,: : : ﾍ : : ∨:._:ﾟ/;:;:;:;:ヽ__／;:;:;:;:;:;:;iﾟ。∨: :,､ｰ': : : : : ; : :´: : :｀: :': : ; :'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　'l:.:.:.:.:..:.:'.,: : : ＼厂ﾟ/´;:;:;:;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!ト。_／: : : ; : :´: : : : : : : : : : : : : : .〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';.:.:.:.:.:.:.:.:':.,: : : ﾟｿ´;:;:;:;:;;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ﾍ: : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.,/;;:;:;:;:;:;:;;;;;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ﾍ: ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　／:.;,;,;,:､;ｰ/7丁´:;:;:;:;:;:;:;;;;;;:;:;:;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`フ;:;:;:;:;:;//;:;:i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:＼: : : : : : : : : : : : : : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /;:;:;:;:;:;//;:;:;:;ヾ;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;:;:;:;:;:;:;＼: : : : : : : : : : : ／



零以下の結果に墜ちるのか、未来への可能性を残すのか。
それが分かってしまった今、ランサーに選択の余地など無い。

八３２１．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､,　　／i_,､-ゝ､＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ∨:::/:::::／:::／∠__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |:i::::/:::::/::::::/:::／::::::｀:＞-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _|il:/:::::/::::::/／::::::::二ニﾆゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ゞ"''ﾍﾃ"ヽｰ-､､::::::::::::::＼:::::ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃 /　 　|:i　　|i　ﾉ_＿__::::::::::ヾ＜::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i __ }ヾ==ﾒｰ､_il　　ﾐ:::::::｀ヘ_＿:::::＼::ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,､-'´　/　　ゝｔrｯ　　　　ミ_:::::::::::::::::::::／::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rn､′　　／　　"　 "′ 　　　ミ::___ニ＝"´;;:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 rn;;;´;;;i　ｌ　､　　 ゝ　　　　　　　　　　　　こ｝::::::／/_
　　　　　　　　　　　　　 　_,､-''ﾞﾍヽ;;;;;;!　!　冫 　ヽ､＿　　　 ι　　　　ルﾉ彡"／´　　　　　「ったく。
　　　　　　　　　　　 _,､-''ﾞ::::::::::::::ﾍヽ;;;;;ヾヽ_　　　ヽ　　｀`ヽ　　　　　こソミ〈'"′　　　　　　 とんだ甘ちゃん野郎だぜ。
　　　　　　　　_,､-''ﾞ:::::::::::::::::::::::__:::::ﾍヽ／`′ ｰ-ﾉ　 　　　　　　　/ i i￣:l　ﾍ
　　　 　_,､-''ﾞ´::::::::::::::::::::::,､-''ﾞ::＜ﾆ〃'ﾞ　 　 　 　 `　､_　- "´ .／___| |:-∧　ﾍ　　　　　　　　―――けど、誰かが言ってたっけ」
　　　／:::::::::::::::::::::::::,､-''ﾞ::::::_,､-'ﾞ´　　　　　　　　　　　/￣>-l￣´　 ｀' 　　〉,久
　　/::::::::::::::::::::::;､-''ﾞ::::::::,､-'ﾞ　　　　　　　 　 　 　　 ／　ﾍ〕∃､___,,,､､､､=＝!:::::'.,
　 ｛:::::::::::::::::::::://´:::::::／::::Y Y"￣｀｀"''ｰ--､､＜ﾆ〈::::::／〔￣∟_ヘ､.　￣ 〉l::::::::',
　　ヾ＿＿＿//:::::::／:::::::::::ﾍﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼>/;;;;;;;￣｀＼ ＼ ＼／:::';::::::::::'.,
　　　`"'ｰ=＝＞:､__,,,､--ー ソ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀＼.:.:.＼::::::';:::::::::::',
　　　　　　　｀"''ｰ-､;;´￣￣::´｀"''"'ｰ-､_::::::::::::::::::::/:.:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀＼入:::::';:::::::::::',.
　　　　　　　　　　　　｀"'ｰ-､_:::::::::::::::::::::｀"'ｰ-､_;;;;il:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト､:::';:::::::::::',.
　　　　　　　　　　　　　　　　｀"'ｰ-､_::::::::::::::::::::::::`li:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.人 ヘ:';:::::::::::',
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::ﾍ::::`"´i |::::::::::::::::ソ／:::::::;::::::;
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨;;／二ﾆl::::::::::::i l:::::::::::::::∨:::::::::∧:::;'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 (ソ／::::::::::ヾ:::::::::l i:::::::::::::::::∨::::/　ヾ!



普通有り得ない事だと分かっていた。

犯罪者をかばったりすれば、その者にも良くない影響を与える事は確かだし、
そもそもここまで絶望的な二人を救う事など、誰も考えてくれやしないのが現実だ。

八３２２．
┏──────────────────────────────────────────────┓

　　　その背に負うものが多い程に男は輝き―――
　　　あらゆる道を選ぶ事を許される、だったか。

┗──────────────────────────────────────────────┛



　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　..／　　　　　　＼
　　　 　　　　　　　　　| 　　　　　:　:::::::|
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　　　 　　 　　　　　　　{ 　 　__＿＿／
　　　　　　　　　　　　　(, .／_.,r'ﾆﾆ'r
　　　　　　　　 　　　　ﾝ:`三ｰ`_:ニﾆ:'r
　　　　　　　　　　＜:::::::::::､ニ,´::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　,.-''´::;:､::-;::::::::::::::::::::::::ｒｌｯ
.　　　　　　　　　ｒ{:::⊂-='"::::::::::::::::::::::::::::ｆｧ
　　　　　　　　　 ｒ!:::::ｒ:::{ﾛ}::っ:::::::::::::::::::::/
　　　　　　 　 　　ｌ::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　　　　　 /::::::::::::/::::::::::::::::::::::::;::ｌ
　　　　　　　　　/:::::::::::/::::::::::::::::::::::::;::::ｌ
　　　　 　　　　/:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::;:::::!
　　　　　　　　/:::::::::::/::::::::::::::::::::::::::ｊ:::::!
　　　　　　　 ｆ::::::::::::/_,. -――''"Ｔ::::::;'
　　　　　 　 /:::::::::::/＿_,,,..､-ｒ‐''´';:::::;'
　　　　　　/::::::::::::/::::::::::::::::::::ｌ:::::::::';::;'　.
.　　　　　/::::::::::::/ゝ:::::::::::::::::::ｌ::::::::::Ｙ.



アレクサンドやアレックスの遺族からは疎まれるだろう。
実際に被害を受けた言葉にだって理解してもらえないに違いない。

この事件で傷ついた者五十人、司法に詳しい者五十人に尋ねたら、
合わせて九十八人ぐらいは処刑やむなしと判断するであろう裏切り者の自分と、
見た事もないその妻をもやらない夫は受け止めようとしている。

彼自身、心の中に葛藤を抱えているはずだと言うのに―――

八３２３．
それでもやらない夫は、手を差し伸べた。

その気持ちに気づいてなお、
黙って城を出て行ける程ランサーは落ちぶれてはいなかった。

騎士は捨てた。
己の命だってもはや重みを感じない。

それでも、彼は男だった。



　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　Z弋ミヾﾍヾヽ,,
　 　 　 辷彡 彡ﾈ〉ヾヾ〉ﾊ爪
.　　　 / -=ﾆ 彡'ﾅヽ､/｀ヾ《ﾊ
　　　人ﾆ三彡　 込ﾂ ヽ　 Yヽ
　　　Y ,ﾐYヽ　　　　　　:::..ｲﾂ |　　　　　　　　「―――馬鹿だな、やらない夫。
　　　 廴ﾐゝ､　　　 ､＿__　ｨ
　　　　ヾミZ:::..　　　　　　/　　　　　　　　　　 けど、けどよ………」
　　　　　j'' 　::::::::::......... 　j
　　_____/　 　 |:::::::::::r-／
　ｲ　　ヽ　 　 |　　 Yミヽ､＿＿,,,--一-､
　　　　　＼ .小　　ﾊヾミ三三ミﾐ､
　　　　　　 〉､ー-　>-ゝ＞ ミ二ミミﾐ､
　　 　 　 　 ﾍ:::::::...........:::Y　　　 ﾊヽヾ〉
　　　　　　　 ﾍ:::::::::::|:::::::|　　　　 |丿
　　　　　　　　 ﾍ::::::::::::::::|　 　 　 |
　　　　　　　　　 ＼::::::::::|　　 　 /
　　　　　　　　　 　 ＼::::j 　 　 /
　　　　　　　　　　　　 Y　　　丿
　　　　　　　　　　　　 j　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　ｿ
　　　　　　　　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 「

八３２４．
これ以上ないぐらいに、男だったのだ―――



　　　　　　　　　,r";;ﾚ ';;;;;;;;;;;/:!;;r'´::::;;;;;;:::::;;;;;;;;;;r'::;:::'::;;;;_;;;-;;;''':::::::::::;;;';｀ヾ､;;;;;;ｰ;;;_;;;;;;.:.:.:.`.､
　　　　 　 　 /l/;;;;;;;;;;i;;;;;;;/::::'´;;;;;:::;;;;;::::;;;;;;;;;;r';:::'::::;r";;;:::''::::::::::::::;;;;;;;;;;;;r''';;;''';;::''´:::::¨;;;-;,;,_: ` ､
　　　 __,,,...-¨;;;;;;;;;;;;;;/!;; /:::::;;;;;;;;;;::;;;;;::::;;;;;;;::':;::':::;;; /;;::'':::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;r";;;;::::::::::::::::::;;;;;;;;;.:.:.:.:.:.:¨:.''`ヽ､ _,,
　　 _＞一;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::ﾚ;;:::::;;;;;;;;;::;;;;;:::::;;;;;;;;;::':_∠ -､:::::::::::::::;;;;;;;:::;;;r";;::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.:.:.:.:.:.:.:.:._: ノ/′
　＜;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;::::;;;;;;:::;;;;;;;;::::;;;;;::::::_;;:::-" 　　ヾ:::::::::;;;:::;;;;r";;;;:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;;;:.-:.:¨:.:.∠
　　 ヾ;;;-;;;;_;;;;;;;;;;!;;;;;:::;;;;;;:::;;;;;;;:::;;_,i:;r'´　｀ヾ､ヽ、 　 l:::::;;:::::;／;;::::_;;-:";;;;;;;-;;;-;;‐;;‐;;'';¨;;;;;.:.:.:.:.:.:.;∠′
　　　 ` ､;;;;;;｀;;､;;;!;;;;;::;;;;;;;:::;;_;;／ '´　　　　　`ヽヽ、　 !:::／;;:_;;-:";;;;r'´;;;;_;;;;;-;;''';´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.;.';;.:./
　　　　ヾヾ､;;;;;;`;､i;;;;:;;;;;;;;:;/ ｀､`,.､　　　　　　　`､ヽ ﾚ､;;";;__;;;;-''::'''¨;;;;;;;;:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.:.:.／;;.:.:.:/
　　　　　` ､::;;;::::;::ヽ;;;;;/ﾚ′　 `､;;ヽ　　　　 _,,,,,...ヽヽ‐‐-　 ＜;;;;;;;:::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.:;;;;;;/;;;;;.:.:.:./
　　　　　 　 >r;;i;;ト､rv' ; 　 　 　 ヽ;ヽ ,,.-'';r'´　 　 ヾ､　　　 　 ､>::::;;;;;;r''¨¨ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::;;;.:,':.:/　　　「誰がなんと言おうとお前は英雄だ！
　　　　　 ,f;/ ヽl;;ヽ　　;　　　 　 　 >;;l;;r'"-‐ __　　　`､　　　 ＜;;;;;;;;/　,r ''　 `､;;;;;;／:::;;;;:.:,:.:.i　　　　 俺と、バゼットの―――！」
　　　　　i;;;i　　`!､:`､　;　　　　 ,r'´;;;ｲ:i r..''::`､ /, '　　　　　　　　<;/　/　　｀　　 i´;;::::;;;;;;:.:,:.:.:!
　　　　　!;;l　　 i　ヽ:`、　　　 /;;／,,r'ヾヽ:::::ソ '　　　　　　　　　　　 ヽ　　 /　 /;;:;;;;;;;;;;;.:.:i.:.:i
　　　　　l;;l　 　 !　 ` ､ヽ　　 '"　 '　',　l;!>'´　　　　　　　　　　　　　　 ヽ- '　 ; l;;;;;;;;;;;;;.:.:./;,:.:!
　　 　 　 !;l　　 i_,,-‐‐.､ヾ､ ', -‐　　 `"　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,, -'　,!;;;;;;;;;;:／;;.:./
　　 　 　 ヾ!　　`＜,r¨ >´ `ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i _,,,,ノ;;;;;;;／;;;;;;;.:/、
　　　　　　 `、　　　V<:;!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 f　　 !;;;;;;;;';;;;;;;;'/　/`ヽ､
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 iヽ､r`､ヾ､;;;;;;;';i　/　　　 `ヽ､
　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　 `、 `､　ヾ､トヽ､　　　　 　 `ヽ､_,,,_
　　　　　　　　　　　/　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 ヽ　 `、 　 `ヽ､　　　　　 / /ｰ-------.....,,,__
　　　　　　　　　　 `､__　 ‐''''>　　　 _,,..-_,,フ"　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　 `､　 `､　　　　 ` ヽ､　/ /;;;;;;;;;;;;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,:.:.:.:.¨-,,
　　　　　　　　　　　　　¨‐┐　　,,-",,-'"　　　　　　　　　　　　　　　, '　 ;　　 　 ヽ 　 ヽ _,ヽ,,-‐- 、　 　 `<;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;___
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-､` ''´　　　　　　　　　　　　　　　　,r"　　; ;　　　　 入　`､　　　　　`、　　　 `､;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;_;;-‐''¨￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　 ; ;　 _,,-''´.:. `､　 !　　　　　`､　　　 　 ` ､;;¨;;r'''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ` 、　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 　 ;,-".:.:.:.　:.:.:.　`-′　　　　　`､　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　_ ,／　　　 ,,-'".:.:.:.:.:.:.:.:.　:.:.:.:.　　: : .　　　　　`、　,,.-''¨`ー‐-- ,,_

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 `、　　　　　 　 ,, -"　　　　　,r"　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　:.:.:.:　 : : : .　　　　_,,-''´　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i　　　 　 ,,-'´_,,-、　　　　_,,i　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　: : : :　 ,,-"　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　` - ,,___,, -‐"　　ヽ　,,-''¨　`､　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　 .......＞'´　　　　　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r"　　,,.-'¨ヽ 　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ....:.:.:.:.:　／　　　　　　　　 /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 !　!:::i　i';;;;;`､　 :.:.:.:.:.:.;.:'.:.:.:.:.:/　　 　 　 　 　 　 /

八３２５．
叫ぶなり、ランサーはその場から駆けだしていた。

雑木林を突っ切り、跳ね橋の制御室へ続く階段へ飛び込むと
衛兵が未だ昏倒している制御室の、向こう側の階段を駆け上がる。



┏──────────────────────────────────────────────┓

　　　そして！

　　　お前らがバゼットを助けてくれるってんなら―――！
　　　俺はお前等を助けなきゃなんねぇ！

┗──────────────────────────────────────────────┛



　　　　　　　　　　　　　^＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　＜　　うおおおおおおおお！！　＞
　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::/ /´::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::/ /:::::::/.／!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::!ヽ一'　l／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;:::::└‐:::ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!::::;_:::::::/
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　　　　　　ー　　　　　　　　.　|.　|::ﾛ::|::ﾛ::|::::|:::::::::::::::;;;;;;;;;　　　　　　　　　　　　　　 　 /::::::<　└-' 〈_:/
　　　　　_＿　　　　　　 .　 ＿l___|_.:::ﾞ|:::::::|:::｣:::::::::::;;;;;;;;　　　　　　　　　　--　　　　　/:::;へ::::＼
　　　　　　　　　二　　　　/=======:::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;,,,　＝　二　　　　　　　　∨　　丶;::::>
　　　　　　￣　.　　　　　/f────‐:::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,　　　　　￣　　　　　　　 　 　 　 __,,..、
　　　　　　　　-‐　.　　 /ﾄ─────‐:::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;　　　　　‐-　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::ｊ__
　　　　　　　　／　　　/. | 　:　: : : :.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,:'::::::::／::::::〉
　　　　　　　　 .　　　/[￣￣￣￣￣￣￣:::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;,,,　　　　　 ＼　　　　　　 　 　 /:::::／/:::::::/,.ﾍ.
　　　　　　　 . 　 　 /　|　.　.　:　:　: : : :.:.:.:.:.:::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,　＼　　　　　　　　 　 　 ./:::::<　 ー-'<::／
　　　　　　 ／　　 /|￣￣￣￣￣￣￣￣￣:::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,　＼　　　　　　　　　,'::::;ヘ::丶、
　　　　　／　　　./　　.　.　...　..::　::: ::: ::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,　＼　　　　　　　　レ'　　 ｀¨



数段飛ばしに階段を上がる度に心が昂ぶり、
無意識のうちに雄叫びが漏れた。

八３２６．
そのままの勢いで、城壁の上へ続く扉を蹴り開け―――



　　　 　/: .: .: .: .: . : ./　　　 _,,.-‐''" 　　 /　/　　　　　 　 　/￣||　　　　　　 　 　 |: .: .: .: .
　　　　/: .: .: .: .: .: . _,,.-‐'':　:　:　:　:　 三 二 ﾆ ―　　　　 /　 ||　　 |￣|| | || | ||　|: .: .: .: .
　　　 /: .: .: .: .: .: .//::　:　:　:　:　:　:　: /　/　　　　 三 二/　 || ―　|　 || |_|| |_||　|: .: .: .: .
　　　/: .: .: .: .: .: .//:　:　:　:　:　:　:　: /　/　　　　　　 　 /　 ||　　 　|　 ||　　.|　　 |: .: .: .: .: .
　　 /: .: .: .: .: .: .//:　:　:　:　ヽヾ｀;;:} 三 二 ﾆ ―　　 　/＿_||　　 　.|　 ||　　.|　　 |: .: .: .: .: .
　　/: .: .: .: .: .: .//:　:　:　:　Ｚ::::Ｚ,,, /　/　　　　　　　　=￣　　　　　.|＿||　三 二 ﾆ ―: .: .: .
　 /: .: .: .: .: .: .// :　:　:　:　<:::::::ヽ:::＞'　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿ l　　 ||￣|| .: .: .:
　/: .: .: 三 二 ﾆ ―　:　:　＜:::::/￣,　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |＿|| 　　/　// .: .: .
_/: .: .: .: .: .: .//:　:　:　:　:　Ｚ:::::{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　/　// .: .: .
/ : .: .: . : .: .:,'/:　:　　_,,.-‐＞::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿/　//.: .: .: .: .
: .: .: .: . : .: //_,,.-‐''":　 Ｚ:::::}ヽ､::::{､　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |＿＿＿// .: .: .: .: .
: .: .: .: . : .://:　:　:　:　　ﾉ／　/ｰ/ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　 |: .: .: .: .: .
: .: .: .: . : //　:　:　:　:　:　:　 /　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |: .: .: .: .: .
: .: .: .: .: ,'/ :　:　:　:　:　:　: ./　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 |: .: .: .: .: .
: .: .: . : .:l |　:　:　―二:　: ./　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |: .: .: .: .: .: .
: .: .: . : .{ l:　:　:　:　:　:　:　{　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　 |: .: .: .: .: .: .: .
: .: .: . : .| |:　:　:　:　:　:　:　|　 |　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 |: .: .: .: .: .: .
: .: .: . :..| |:　三 三 二 ﾆ ―　|　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 |: .: .: .: .: .: .
: .: . : . :| |:　:　:　:　:　:　:　|　 |　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 |: .: .: .: .: .: .
: .: .: .: .| |:　:　:　:　:　:　:　:|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |: .: .: .: .: .:

八３２７．
外に出るなり全身を濡らす雨。
しかし、この程度で内に燃える炎は消せやしない、と彼は雨空に向かって吼え続け、



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　______　　　　　　　　　　 k.､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,r''´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`’:.:.`ヽ、　k.､
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　　　　　　　　　　　　 !.:.`､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;7　　　 ￣'l'7-､　　 !:.:,/　',　　　 ,'　`､　`x;!
　　　　　 　 　 　 　 　 l:､:.:`:､,;_:.:.:.:.,/　ｰ- ､-' _,ﾚ--.,`､　l:.:,!　　',　　 ;　　 iヽ/ヾ'i
　　　　　　　　　　　　　!:`､/ r､ `､;! '''''''''''ヽ `､　　,r‐,､ヽl.:.l　 　 ;　 ,'　　　!:.lヾ!l:.!
　　　　　　　　　　　　　l,:.:,! ,r'´`､　　　　　　ヽヽ　ヽ.'_ﾉ　l;/ヽ　　;　;　　,,r'l:/-ﾚﾚ
　　　　　　　　　　 　 　 !.:! i `ｰ-/　　　　　　　　`ｰ‐‐''　　　-､　 ;　,r',;--ﾚ､,r'　　　　　「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！」
　　　　　　　　　　　　　 !:.! l　　 i　_,,,r'''''''''‐‐--　　　　　　　 `　``'!'7_,,ﾉ　/
　　　　　　　　　　　 　 ,rl;ヽヽ　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　i l`｀ｰ-´ !
　　　　　　　____,,,,,.-‐'" l. Vヽ`ｰ''　　　　　　/｀　　　　　　　　　　! !　､　　i
_,,r‐'''''''￣￣:.:.:.i i　　　　y'　 l''''7´i　 ,r‐'　　　ト､　　　　 　 　 　 ! !　 i_ ./
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽヽ　　_,/　　l-l’;　!,/　　　　 ﾄ､,,,`'''‐‐-..,,___^ _,r''´　 ／
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._ゞ'''´/　　 l　 ! ,　` ､/　　　 ヽ _￣''‐-- ,,_ /　　 ／
:.:.:.:.:.:.:.:.:_,;r‐'''''''´ /';''/　　　!　 l　,　　 `､　　　　 ￣''‐-- ,,_/　,ri'´
_,;r‐''￣　　　　 ,/　　`.､　　l　　!　,　　　 ` 、　　　　 ｀　　　,ri'　l
　　　　　　　 ,/′　　　 `ヽ､!　 !　;　　　　　` 、　　　　　,r'’ l　 l
　　　 　 __,／　　　　　 　 　 !　,!,,__　　　　　　 ｀ｰ;‐-- '′　 l　 l
_,,,,,,..-‐"　' ,　　　　　　　　　`''′ ￣! 　 　 　 ,'_,,!ヽ　　　　　l　 !
　　　　　　　' ,　　　　　　　 　 　 　 /`ｰ‐‐--‐l 　 ,!　　　　　l　,!
　　　　　 　 　 '　,　　　　　　　　　/`ー┐,r--l　　l_　　　　　 `’
　　　　　　　　　　 '　,　　　　　　 /:.:.:.:.:.:! l:.:.:.:.!　 | ｀ヽ、
　　　　　　　　 　 　 　 '　,　　　 /:.:.:.:.:.:.:! l.:.:.:.:!　 l　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　　 ,r‐''7>--'ｰ-､:.:.:.;! !_,r-l　 /　　　　　`ｰ＜'''''‐--.,_
　　　　　　 　 　 _,r'''´:.:.:.:.ﾚ:.:.:.:.:.:.:.:.:.`､l ﾚ:.:.:.:.`''ト､　　　　　　　　`ヽ、　 `ヽ、

八３２８．
突如現れた自分に、戸惑う雑兵共に狙いを付ける。



　|￣￣￣￣￣|￣|─‐､
　|　i⌒i　:i⌒i　|　 |￣＼＼
　|,_,|_[_|_:_|_]_|__|＿|　　　＼＼
　＿＿＿＿＿＿＿＿__／／|
　─────┐＿＿__／　 |
　　 , -‐- ､.　　｀´｀´｀´:|:　　 |
　γ　.l⌒l　ヽ .　 ＿ 　 |:　　 |＼
　 |＿_|＿|＿,| ;　i_|_l　.:;|:　　 ||　|
　 | γ⌒ヽ､. |　; i_|_l.;,　|:　　 |＼＼
　 i.［|￣|￣|］.!　　;　　　|:　　 |　 ＼＼
　 |X|─|─|X| ,　 ;　 　 |:　　 |　　　＼＼
　 |__|＿|＿|__|　. 　 , 　 |　 ／＼　　　 ＼＼ .
.／ニニ ニニ＼_＿＿__|／　　　＼. 　 　 ＼ﾞ────────‐,. 、
　　　　　　　　　　　　,_／　　　　　 ＼　　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣|＼＼
　　　　　　　ヽY〃"'<l^|　　　 　＿/＼／＼/＼／|＿[囗　 [囗　 .|.　 ＼＼
　　　　　　　《ﾞ´〉)"彡,/　　 　 ＼　　 　　　　　　　／＿＿＿＿＿| 　 　 ＼＼.
　　　　　　／､- ﾟ P<ヌ　　　　 ＜うおおおお！！＞　 　 　 　 　 ＼. 　 　 ＼＼
　　　　　.⊂ﾆ^⌒夊〈'ヽ　　　　／　 　　　　　　　　＼　　　　　　 　 　 ＼. 　 　 ＼＼
　　　 ／　 　 　 7ｦﾉ~)　　　　　￣|／＼/＼/＼/￣ 　 　 　 　 　 　 　 ＼. 　 　 ＼
　　〆 　　 　 . /ｯ'　;_|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼


　　　　∧∧
　　 < ；｀∀´>／ヽ　　　　　　　　「て、敵！？」
　　　 (　つ≫──l>
　 ～（,,　　< 　＼/
　　　 (,/´ヽ,)　　　　　　　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　< ；｀∀´>／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　(　つ≫──l>　　　　「なんでこんな所から！？」
　　　　　　　　　　　　　　～（,,　　< 　＼/
　　　　　　　　　　　　　　　　(,/´ヽ,)
　 　 ∧∧
　 < ；｀∀´>／ヽ
　　 (　つ≫──l>　　　　「う、撃て撃てぇ！」
..～（,,　　< 　＼/
　　 (,/´ヽ,)

八３２９．
槍技は他の近接武器の戦技に比べて直進力、貫通力、指向性に優れている物が多く、
狭い城壁に並んでいる連中を相手するには最適と言えた。

迷い無く突き出された槍から閃光が放たれ、次々に南の敵兵達を薙ぎ払い―――


＝xii＿,_　　　　　　　　　　 ｀ﾞ''ｰ､,,,　　｀'ｰ､、　 ﾞ'-､　　　　　.＼　　　　　　　 !.|：　　/ / /　.〃　 ,rﾞ／
　　　 ｀ﾞ"'｀-=t;;ii ..,,_　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ　.　 "　　　 ＼ 　　　　.＼ 　 　 　 　 !./ 　.;"/./ . / 　 / ."　 . ／
_、　　　　　　　　 ｀ﾞ''''´ﾞ''ｉｉ,,;;．,,,、　　　　　 .丶　 　 　　｀'=i、　　　＼　　　　　!./ . ".，　./ 　 :'　　 ,／゛
｀ﾞ''“'┴-　..,,,,,_　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ　　　｀'．　　　 － 　: 　 .゛　　　　'"　　 ._..．
,,,,＿__　　　　　.￣ﾞﾞﾞ''''''―-　....,,,_、　　　 　 　　　　　　　 　　　 　　　 　　　　 丶　　 　 　 　　　 .,..-'"゛
'''￢ｰ｀-｀-ﾆﾆﾆ';;';;ｰ-.-　､...,,., 、 　.￣"'''―- ..,,,,_　　　　　　　　　　人人人人人人人　　　　　 　 　 　 :
　　　　　　　　　　　 　´`.""'　　 　 　 　 　 　 　 　 ￣''''―-....,,.、＜　　　　　　　　　　 ＞
＿,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, 　 　 _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　　彗・星・衝！ 　＞
--ー‐ー‐ ―‐￢'' '''''''　'''" 　`　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 __、＜　　　　　　　　　　 ＞　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｨ
　　　　 　 　 　 　 　 __,,.... .;;;;,,ｯ-一゛''　　　　　　　　　_,,,,iiiiiillll!!!!″　Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ``Ｙ`　　 　 　 　 　 　 ,,. 　　 ,.　　　　.／::i
　　 . _,,,,..　-;;ﾆﾆ｀-ｰ'''"ﾞ´　　　 　 　　　　　　 _,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ″　　,,iilllli　　　　　/ | 　 /|　／|　　　　 _,,.ｒ':/　 ／::|　　 ／::::::/
二｀-‐'''"ﾞ´　　　　　　 　 　 　　　　　　_,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ″　　　　.,,iiilll!!ﾞ゛　　　　 /:::::i　 /::i　|:::::i　 ./'''"´:::::/ .／:::::::|　 ./::::::::::/
　　　　　　 . _.....‐ 　　　　　　　 _,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ´　 　 　 　 　 ,,iillll!!ﾞ゛　　　　　 /::::::::i　 |::::! .i::::::i　/::::::::::,,./／:::::::／　 /::::::::::/
　_._..ぃｰ''"´　　　　　　 ._,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ´　　　　　　　　　 ,,iiilll!!ﾞ゛　 　 　 　 　 i::::::::::i　 i::::i　i:::::::i/:::;.r''" ／:::::::／　　/::::::::／
ﾞ~　　　　　　　　 _,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ´　　　　 　 　 　 　 　 ,,,iilll!!ﾞ’ 　　　 　　 : 　　 i:::::::::i.　i::::i,/i:::::/'"´　.／:::::::／　　 ./::::::／
　　　　　._,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ″　　　　　　　 　 　 　 　 _,iiilll!!ﾞ゛ 　　　 　'　　 　　　　i:::::::::i. i:::/::::i:::/　　／:::::::／　　　 /::::::/
　._,,,,iiiiiillll!!!!ﾞﾞﾞ´　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,,,iilll!!ﾞ’　.,　　　, ／ 　 　　　　　i:::::::::i i/:::::::i/:| ／::::::::／　 　　　/::::::/
illll!!!!ﾞﾞﾞ″　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,iiilll!!ﾞ゛　　/ 　　././ 　 　　　　　　i:::::::::"::::::::::／ |:::::::／　　　　　 /::::::/
゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,iilll!!ﾞ´　　 ,r′　 ./ ﾞ　　 　 　 　 　 　 i:::::::::::::::／　　i::／　　　　　　./::::::/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,,,iilll!!ﾞ’　　 . / 　　 ,i'ﾞ　　 　 　 　 　 　 　 i:::::::::／ 　 　 i/　　　　 　　 /:::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,iiilll!!ﾞ゛　　　 ,r′　　/ 　　　 　　　 　　　　　,.i::::::::i　　　　　　　　　　　　/／
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,,iillll!!ﾞ゛　　　 . / 　　 : ″　　 　 　 　 　 　 　 　 | i:::::::i　　　　　　　　　　　　^
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,iilll!!ﾞ´　　　　　/ 　　 　:　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　i:::::::i　　　 　 　 　 　 　 　／i
　　　　　　　　　　　　 _,iiilll!!ﾞ゛　　　　　 / 　　　 : 　　　　 　　　 　　　　　　　 !　.i:::::::i　　　　　　　　　　／::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i::::/　　　　　　　　　　i::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i/　　　　　　　　　　　i／

八３３０．
大勢の弓兵と、二人の魔符持ちを貫いた槍技はただの一撃で
十名以上の相手を打ち倒してしまう。



　　　|　||　　　|　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　_______口_______　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　||　|　 　 |堀
　　　|　||　　　|　　　 田田　　田田　　田田　　　|＿＿.リ＿＿.|　　　田田　　田田　　田田　　　 |　　　||　|　 　 |堀
　　　|　||　　　|.＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__.|　　　||　|　 　 |堀
　　　|　||　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 門門門　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ||　|　 　 |堀
　　　|　||　　┌───────────┐.. . |　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　投投投投投　 ||　|　 　 |堀
　　　|　||　　│　　第一騎士団待機所　.....│.. . |　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　投投投投投　 ||　|　 　 |堀
　　　|　||　　└───────────┘.. . |　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　投投投投投　 ||　|　 　 |堀
弓弓|. └＝＝＝＝＝＝|...|＝＝＝＝＝＝＝＝.|　 　 　 　 　 |=＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝┘ |弓弓|堀
弓弓|　　　　　　　　　　　投投投　　　　　　　　　|　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |弓弓|堀
弓弓|　　　　　　 　 投投投投投投投投 　 　 　 |　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　~ll''"v.　　　　　　　　|弓弓|堀
弓弓|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 　 　 　 　 |　　　 　 　 　 　 　 " ~ヽ!l／''" '`"" .　　 　 |弓弓|堀
弓弓|　　　卒　林　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　',　　;　"||.....　　　　 　 　 　 |死　 |堀
　 死|　林　卒　木　　卒　　卒.　　　　　 　 　 ①|①①①①①|①　 　 　 　 　 　 　 ~'.....　::" '`'　:　　 　 　 |弓弓|堀
弓弓|　林　　　　林　 　 　 林 　 　 　 　 　 　 ①|①①マキ①.|①　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|弓弓|堀
弓弓|　卒　　卒　　卒　傘.　　　　　　　　　 　 　 |①①①①①|①.　　　　　　 .,,.,.,,　　　　　　　　　　　　　　|弓弓|堀
弓弓|卒　林　　　木　　傘.　　　　　　　　　 　 ①|①ア真ロ①.|①.　　　　 　 ::..........::': :,::..,,."　: :,::　　　　　　|弓弓|堀
弓弓|　傘　　木　　　木　　　木.　　　　　　 　 ①|①①①①①|① 　 　 　 `:　:'::r'"￣..　_-　= -　-_　ｰ､_、.|弓弓|堀
弓弓|　卒　　　卒　林　　卒.　　　　　　　　 　 ①|①①①①①|①　　　　 　 "',i´　　　　　　　　　　　　 ,i、 .|弓弓|堀
弓弓|　　傘　　　林　　　卒　　林　　傘.　　　 ①|①①①①①|①　 　 ....　 ;:;./　=　　　池　　　　　 　 iﾙ　.|弓弓|堀
弓弓|林　　　卒　　木　　　卒　傘.　　　　　　 ①|①①①①①|① 　 　 　 ' ;:,!　^　　 　 　 　 　 　 　 :,'~　　|弓弓|堀
　　　|　　傘　　　卒　　卒　傘. 　 や 傘..　　　　 |　 　 　 　 　 |　　　　　　　　i ^_　　.　　_= -　　^ 　 /.　　 |　 　 |堀
　　　|　木　林　　　卒　　　卒　　傘;　　 　 　 　 |　 　 　 　 　 |　　　　　　　::::ヽ、-_=_　_-_=_　= -_　,i′　. |　 　 |堀
　　　|　.卒 　 　 卒　　卒　傘　 木　　　　　　　　|　 　 　 　 　 | 　 　 　 ,.　,.､. , ヽ､、　 ^___,,,≡=　.,,ノ′　　|　 　 |堀
　　　|↓制御室　林　林　卒　　林 　 　 　 　 　 |　 　 　 　 　 |　　　　　　　　 　 　 ''"~"　　""'ﾞ ﾞ'/''　　　　|　 　 |堀
　　　￣￣￣￣￣￣ ラ→負負負負負負負負負負負負負負負負負負負弓弓弓弓弓￣￣￣￣￣￣￣ 　　　|堀
..凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹凹|堀
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;|堀
...＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿門＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|堀



真：真紅
ロ：ロイ
ア：アリア
マ：マコト
キ：キバヤシ
①：第一騎士団

や：やらない夫
ラ：ランサー

リ：リフ
プ：プレーター（魔符持ち）
チ：チャイ（魔符持ち）
弓：弓兵（第二騎士団）

投：投降した騎士
負：負傷者
死：死者

八３３１．
その無双っぷりはまさに親衛騎士だった時の如く。
一歩たりとも立ち止まらずに突き進みながら、南と東は受け持ったと王女達に叫ぶと、



　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　Z弋ミヾﾍヾヽ,,
　 　 　 辷彡 彡ﾈ〉ヾヾ〉ﾊ爪
.　　　 / -=ﾆ 彡'ﾅヽ､/｀ヾ《ﾊ
　　　人ﾆ三彡　 込ﾂ ヽ　 Yヽ　　　　　　　　　　　　「こっちの相手は任せろォォォ！」
　　　Y ,ﾐYヽ　　　　　　:::..ｲﾂ |
　　　 廴ﾐゝ､　　　 ､＿__　ｨ
　　　　ヾミZ:::..　　　　　　/
　　　　　j'' 　::::::::::......... 　j
　　_____/　 　 |:::::::::::r-／
　ｲ　　ヽ　 　 |　　 Yミヽ､＿＿,,,--一-､
　　　　　＼ .小　　ﾊヾミ三三ミﾐ､
　　　　　　 〉､ー-　>-ゝ＞ ミ二ミミﾐ､
　　 　 　 　 ﾍ:::::::...........:::Y　　　 ﾊヽヾ〉
　　　　　　　 ﾍ:::::::::::|:::::::|　　　　 |丿
　　　　　　　　 ﾍ::::::::::::::::|　 　 　 |
　　　　　　　　　 ＼::::::::::|　　 　 /
　　　　　　　　　 　 ＼::::j 　 　 /
　　　　　　　　　　　　 Y　　　丿
　　　　　　　　　　　　 j　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　ｿ
　　　　　　　　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 「



魔符持ちを全員倒されてしまったリフが、
これまた身勝手な事を叫び返した。



　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　:::::::ヽ＼
　　　　「おのれランサー！　　　　　　　 　 　 │　　　　:::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ,,-‐　 ‐-､.:::│
　　　　 私の愛人候補を逃がした上に　 　　　､_(o)_,:_(o)_,:::∂＼　 .
　　　　 再び寝返るとは！」　　　　　　　　　　｜　　<丶 　√│　|　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｜/( [三] )ヽ ::│ │/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　:::::／ ／/⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　ゝ──／ノ　/ |冫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　＼＿＿　／　 ./　|`

17 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 21:31:26 ID:B5HRZpSr ここを生き延びたら裁判までは生きられそうだなランサー

八３３２．








┏──────────────────────────────────────────────┓

　　　―――誰が、愛人候補ですって？

┗──────────────────────────────────────────────┛








しかし、聞き捨てならない者が居た。

八３３３．
氷点下の声に驚き、リフが振り返ったそこには、
いつの間にか瞳に霜を落とした被害者が般若のような表情で立っていて―――



　　　　　 / : : : : : : : : : : :/: : :| : : : : : : :/.:: 　 | :|　|: :|:: 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : :l
.　　　　 / : : : : : : : : : : :/: : : :| : : l : : :/.::　　│:|　|: :|::　　　 　 　 |: : :| : : : : : : : : l
　　　　/: : :/ : : : : : : : /: : : : :| : : i : :/.:: 　 　 ! :|　|: :|::　　　　　　 |: : :| : : : : : : : : l
.　 　 /: : ,ｲ : : : : : : : / : : :/: :| :._⊥/-─‐ 　 ! :l　.|: :| ──- .. 　 |:|: :l!: : :l : : : : : |
　　 /: :/ │: : : : ｌ : : !: : : :|:,.イ´.: l/.::::::::::　　/:/　 |: :|:::::::::::::...　｀メ |: :|!: : :l : : : : : |　　　　「くだらない妄想を抱いたまま、
　　,' : ,′ | : : : : ｌ : : |: : :.イ:/|: : :/-─＜ 　/:/　　|: :| ＞─‐--､｀下y'| : : l: : : : : :|　　　　 今すぐ奈落に落ちなさい？」
　 │: |　　| : : : : | : : |: : : :|:.:_,.ｨ≠≦三ﾐ ／'"　　 |: :l　 彡三≧ｪx |/ ヽ: : :l : : : : :|!
　 │: |　　| : : : : | : :│: : :l,ｲィ'::l|li|l|li|!:|　　　　　　| /　　 |::l|il||i|li:ヾ;､　| : : :| : : : : i:!
　 │: ｌ　　ｌ: :/: : :| : : l : : 〃 {:::::l|l|l|l|l|::| 　 　 　　 j,′ 　 |::l|l|l|l|l|::::}ヽゝ : : :l : : : :,ハ
　　|: :,′　∨: : : :l : : l : : : l: .∨:!!|l|ll!!::|　　 　 　 　 　 　 |:::!l!|l|l!!::/　/} : : /: : : :/ : :l
　　|: ′　 ∧ : : : |∨ l: : : :|: :',∨:::::::::::j_　　　　　　 　 　 {::::::::::::::/　// : :/| : : :/ :| : l
　　i,′　 /　ヽ : : | ∨ : : : |!.:ハ＞=≦三三　　　　 　 三≧==＜. //: : /: | : :/ : :| : |
　　　　／　 　| ＼| : ∨ : : ﾊ : :{三三三三　　　 三:.　　三三三三ムイ: : :| :/ : : :| : |
　　　　　　 　 | : |: : : :|＼: {＼乂三三三　　　　i!三三三三三三三/ :| : : :|/ : : : :| : |
　　　　　　 　 | : |: : : :| : :ヽ＼ ￣　　　 　　　　＿Ξ三三三三三,/| : |: : : : | : : : :| : |
　　　 　 　 　 | : | : : : |: : : :|｀ |lヽ、　 　 　 　 ´￣｀ 三三三三:,イ: :| : |: : : : | : : : :| : |
　　　 　 　 　 | : | : : : |: : : :| : |l |: |li:..、　　　 　 三三三三才il| :l : :| : |: : : : | : : : :| : |



ただ端的に、死刑執行を告げる。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　:::::::ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　:::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ,,-‐　 ‐-､.:::│
　　　「な、何故ここに！？」　　　　､_(o)_,:_(o)_,:::∂＼　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　<丶 　√│　|　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜/( [三] )ヽ ::│ │/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　:::::／ ／/⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　ゝ──／ノ　/ |冫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　＼＿＿　／　 ./　|`

八３３４．
慌てた高司教が待て、と手を挙げかけたが、もはや彼女に語る舌はない。



　　　　　　　　　　　　　,,／｀ _,-‐'"ﾞ＾　　　　　　　　　　　　 ｀'''-,、
　　　　 　 　 　 　 　 ／　 ,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　/゛　 /′　.,,,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 /　.,,-'│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　 ._,､,-へﾐ"ﾞ｝ ,/｀ /　 、　　　　　　　　,-､、　　　　　　　　｀'i､
　　　　　,,／",,,＿,、　｀lﾞ.,i´　 |　.,ト　.,,i´./　 .,‐ .,'"''ﾍl|、　　　　　　　　 ｀'-､,,_、
　　 ._,／｀ ,,,i{!ﾞ‐'''''ﾟ'i､　.}" ﾞヽ,,| .,!|　,/lﾞ.,l｝　,!|｀,i´　　　│　　　　　　　　　 ｀'-,,"ﾞ''―-,,,,_　　　　＿/＼／＼/＼／|＿
: ,,／｀　　 |"　 __、　ﾞ,!　　　　 | lﾞ,i´|,.ﾞ,!i,,! ./.|│　　　　 ﾞl,　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ'ｰ-,,、　"　　 　＼　　 　　　　　　　／
'"　　　　 （ ／　/:::.::|ﾗ　 　　 ﾞl!|| lﾞﾞl.|.lﾞ`i､ .|lﾞ　　　　　　ﾞl、　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ''-,、　　　＜　　牙突！！　 ＞
　　　　　／　　./:.::.::.|　 　 ﾍ｀ｰ .|ﾞl.| .ﾘ､ﾞ''┘.|!　ﾞﾞ”|ﾞﾞﾞﾞﾞI'ﾍ ﾞl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 　　　　　　　　＼
　　　 ／;　 　 /::.::.:.::.|　　 　　　.| ﾞl!　ﾞl、　、`　　 ｀ﾞ'''′ .,ｲ　　　 .|-､、　　　　　　　　　　　　 　 ￣|／＼/＼/＼/￣
　　 /::::::':;.. 　!::.::.::.:.::.:|　　 　 　 |　｀　 ﾞlヽ、 ,,,,_、　　/⌒ヽ.　　　　レ''＼、
　　/'::;:::::::::::'::,l! ::.::.::.::.| 　 　 　 ,!　　　 .ﾞl.｀'-,￣._,,,-‐|　　　 ＼ _--..,_　　`'i､
..／;!　 '::;::::::::::::l:.:.:..::.::...| 　 ヽ¨ﾞ゛'' ―- ...､､　 _______,⊥ -ー"´´ 　　　 ｀'‐ゝ＼
'"　l.　　　''::;;／＼:.::.:..:.:.i! 　!､ 　　　　　　￣　　　　　　　　　　　≡三　　⌒＼
　 _|:.:..　　／　　　＼:::.:.:.:!　　＼　 　　　　　　　　　　　　....._≡三三,r'　　　ﾐミ＼.
,／:!::::.／　　　　 　. ＼::.::ﾞ:、. 　 ゛'''‐-　...＿＿＿....　-ー ＼ : : : : :／　　　　三三ﾝ―- 、
　　 ﾞく　　　　　　　　　 ＼:.:.ﾞ:　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　 ﾞl、} : : :／　　　　.三､ r`　　　　!､
　.　 　`　、　　　　　 　 　 ＼::ﾞ:.、　　　　　　　　　　　　　　l: :／　　　　　／　　ﾞ,　　　　　゛''‐-、
　　　　　　｀ﾞ　‐-　 .,,__　　　_,,.＞　　　　　　 ___＿＿＿､,,r'／ 　 　　　／: : : : : :|　　　　:ll 　 　 ﾞｉ
　　　　　　　　　　　　　　￣　　　 　　　ヽ￣　　: : : : : : :／ 　　　　／ : : : : : : :! 　 　　 l|ｌ　 　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゛゛ｰ-----／ 　　　　／:: : : : : : : : :| 　　　,r'', 　　　|　|

八３３５．
体当たりするような勢いで間合いを詰めれば、
白刃が易々と胸元へと吸い込まれて、吹き出した鮮血が篝火に照らされ、



　　　　　　　　　　　　　　 ヾ>
　　　　　　　　　＿＿＿＿＿ ヾ_>　　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
　　　　　　　　 /＿＿＿　　 ./　　　　　　　　　　　　　　　/⌒''⌒) :,,゜　　　　　 '　　　　　　　　 ,,,,,,,
　　　　　　　　　　　　 /　 /　　　　　　　　　　　　　　　　(:::::::::::::::!'　　　　　　　　　　　　　　　　 (::::::)
　　　　　　　　　　　　/　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::';'''　　　　　　　　　　　　　　　　　''``　　 。
　　　　　　　　　　　/ 　/＼/^　　　　　　　　　　　　　 τ'::/ .;:
　　　　　　　　　　,/ 　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　 )/
　　　　　　　　　 / 　/　　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　'　　、　　　　　　　;:　。
　　　　　　　　　,^--' ＿　ヾ>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''`~''・　　　　' `
　　　　　　　　　　　/　 /　 ヾ_>　　　　　　　f''`⌒(　　　　　,,,,　　　　　　　　　　　　　　　!:(',,,,、　　　　　　　　　　　　　　::,,,,,、...
　　　　　　　　　　/　 /　　　　　　　　　　　　,!,,,、(　　　　　/::τ　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::)　　　　　　　　 　。 　!::::::::::`!　、
　　　　　　　　　 /　 　 ＼　　　　　　　:.、　　　　　　　　　　!:::(　　　　　ﾉ::`!　 　o　　　(::::::::::::::::::τ　　　　　　　　　　　　(:::,,;,;,、; 。
　　　　　　　　 ./ 　/＼ 　＼　　　　　　　　　　 ゜　　　　　(/　　　　　　⌒・　.　　 ・、;::::::::::::;;.;`` ''
　　　　　　　　./ 　/　 ´＼/^　　　　　　　　　,,、..　　　／/　　　ノ'　　　　　　　　 　/／'''`'`'` `　　　　　　 ..,,.. _,,,.、 ・　　　　　　　　　,, ...:・..
　　　　　　　 / 　/　　　　　　　　　　　　π /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　・っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '`'''::::::::::;''
　　　　　　　^--'　　　　　　 ＿　　　　　):::::::::::::::::::::::::::/　　'''''`　　　`　　　　　　　　'`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒　` !.:::τ''　``
　　　　　　　　 ＿＿＿　 　/ 　/　　　τ　!::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,,　γ　　　　　　　　　　　　　　 :'`'``:!
　　　　　　　./＿＿＿/　,/ 　/　　　　　(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'　　　　、,:'::::::`:::,,,,　　　　　　　 !:::::ノ　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　/ 　/　　　　::：':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ｰ''''`'`''''''''"
　　　　　　　　　＿＿＿/ 　/
　　　　　　　　./＿＿＿＿/

八３３６．
そのまま左手で力を失った老人を突き飛ばすと
よたよたと数歩下がったリフは、
血の吹き出す胸を押さえながら魔法の集中に入るが―――



　　　＿＿＿
　 ／ 　 　 ヽ＼
　｜　 　 　 　 ｜
　 へ-　―ヾ　｜　　　　　　　「ぐふっ！
　　―　―　 ∂＼　　　　　　 ………おのれ、おのれ………
　｜ し 丶 √｜|｜
　｜ ﾄ-＝ヽ　｜|｜　　　　　 私はただ………
　 ＼　　　／　|｜　　　　　　 もっと、女神に、お近づきになりたかった……
　／ ゝ―-" ／ノ丿　　　　　 だけ、なの………」
（　＼＿＿／　 /｜



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::: ﾄ､::ヽ:::::::::::＼::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::/::::::::::::::::: /::: ∧:!　ヾ:::＼:::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::i:::::::::::::::: / ::::::| |::!　　 ＼::＼::::::::: !::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　「それなら、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::|:::::::::::::: ':::::::::::| j_| .. -─十::|:｀ ､ :| ::: ::::::::::::::|:::::::::::::::::::i::::::::::::
　　　 もっと別のやり方があったでしょう」　　　　|:∧::::| ::::::|:::::::::√i::l _ __　　|::::|::::::| :::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::i:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　|:::| ::::::|:::::::ハ j/ｨ≡tiミ |::,ｲ!:::i| :::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::i::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　|:人 ::::|::::: |:::::/　 l 　 |　i/ |:::::i| :::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::i:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　i::::| ＼l:::::::|:::::i　 　､ ﾉ /　 |:::从 :::::::| ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::i::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヾ.､ ヾ:＼　＼乂:, 　 　´,,,,　　 |/;;/:! : :::|:: ::::::::::|::::::::::::::::::::::::i:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ーゝ　ゞ:/＼　´ 　 　 　 ;/ ;|::::::::|:: ::::::::::|:::::::::::::::::::::::::i:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 く 　 　 　 　　 　/;;;;;|　::/ :::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::i::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　__　 　 　 ;;;;;|:::/ :: ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::i::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　 　　,;;; j/　:::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::i:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞,. ─…；イ　 ::::::::::::::::::|::::::::::::::::l::::::::::::i::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／√　　　　　　|　 :::::::::::::::::∧::::::::::::::l::::::::::::i:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　/　　　　　 　 ｲ　 :::::::::::::::::|　 ゝ:::::::::l::::::::::::i:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::/　　　　〆 　　| :::::::::::::::::::::| ::::::::＼::::l::::::::::::i:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　::::ノ　　　／　 ィ:::::: | :::::::::::::::::::::| ::::::::::::::＼::::::::::::i

22 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 21:35:50 ID:B5HRZpSr はやくオロナインを塗るんだ

八３３７．
祈りは天に届かない。

死ぬ間際まで女神への渇望を失わなかった彼の道は、
一体何処で歪んでしまったのだろうか。



　　　　　　　　　　　　　　　　　..　/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　_,,..､　.|　 / ,..-､
　　　　　　　　　　　　　　　l 　 l　| /´ l,､_ノ ,
　　　　　　　　　　　　　　　|　 i'　'´_,,、　　　　　..　/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　.|　 し''´　」　　　_,,..､　.|　 / ,..-､
　　　　　　　　　　　　　　　.|　 ,,.-''´　　. 　 l 　 l　| /´ l,､_ノ ,
　　　　　　　┌ ､　　　　　　|　.|　　　　　　　|　 i'　'´_,,、
　　　　　 く＼.＼＼（＼ 　 ..l､_ﾉ　　　　　　 .|　 し''´　」　　　　　「に―――」
　　　　く＼＼＼,}　Ｙ　|　　　　　　　　　　　.|　 ,,.-''´　　.
　　　　　＼ヽ' 　 　 　/_　　　　　　　　　　　　|　.|　　　　　　,､ r‐'ｌ　.r､、
　　　　く`一'　　　　 /∨＼　　　　　　　　　 ..l､_ﾉ　　　　　　 ﾞl.|　ﾞl /　lﾞ
　　　　　｀￣¨丶､＿,／　　//`ー⊥∠⌒＼　ヽ 　＿＿ 　│ ﾞl |　|/　lﾞ
　　　　　　　　　　／　　 ___,ノ厶ﾆヽ.　　　　　　　｜ 　　　: ﾞl,,ﾉ '"│ /
　　　　　＜　　　＿|＼_／r─＜９ク ｎ＼　　　 　 　| 　　　 ´　　.lﾞ　lﾞ
　　　　　　 )　　　　二｀T￢=ﾆニ二辷|_} ｝　　　　 /_＿＿　　　 ＼,lﾞ
　　　　-　＜　　　　　　 　 　 　　　　　｀〈￣￣￣´
　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　 `
　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　 '´⌒`Y´⌒`



そして、それを正してくれる人は居なかったのか。

自分はやらない夫と言う存在に腕を引かれてここに立つ言葉は
出逢いも一つの運命なのだ、と改めて彼の存在に感謝し、
その、温かい絆の輪に加われなかった男を哀れんだ。

もし麻呂が行動を起こさなかったら、
もし、リフもやらない夫ともっと深く接していたら―――
こう言う最後にはならなかったのではないか。

八３３８．
しかし、時と命は戻らない。
流れ出した運命も遡る事は出来ない。

だから彼女は、一言だけを亡骸に投げかけて刀を鞘に収めた。

┏──────────────────────────────────────────────┓

　　　あなたには、道を正してくれる人は居なかったのね。
　　　お気の毒に。

┗──────────────────────────────────────────────┛


　　　 　/　　　　　｀ﾞ''ｰ ..,,、;;;;;;;L　　　　　　　　　　　 　　 　　|;;;;;;;;;;;;;;;;;;(　　　　　（;;;;;;;ﾘ 　 　　 　 　　 　 　　　　 　 |
　　　　'　　　　　　　 /;;;;;;;;;;｀ﾞ''ｰ　,,、　　　　　　　　　　　 　　f⌒ゝ.;;;;;;;;;)　　　　_ _ _　 　 　 　 　　　　　 　 　　　 　|
''ｰ　,,、　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ'''ｰ ..,,、　　　　　　 　　　＼/　`ー── ．:;;;;;;;;;l 　 　 　 　　 　 　　　 　　　　 |
:;:;:;::::　｀ﾞ''ｰ　,,_　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀'''ｰ　,,_　　 　　 　/　　　　　　 　　`　、j 　　　　　　　　　　　　　　　　|
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::::::::　｀'''ｰ　,,_　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ﾞ''ｰ ..,,_..'　　／/⌒ヽ　　　　　` … ──── r…─- ..._ 　 |
,_:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:::::　｀'''ｰ ..,,、　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ'''!７'''|'ﾞ´ﾞ' !　　(;;;;)　　　 　　 　　 　_|＿＿＿＿ ＞'
_｀ﾞ'''ｰ ..,,,;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:....:｀'''ｰ ..,,、　　　　 　 　 　 　 　 　 !:::iﾞ:::::;:;: |　 　 ;;! 　　 　　f;;;j 　, ´;;;!:　　|:::::::::::
: : : : : (ー:｀ﾞ''ｰ　,,_;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:....｀ﾞ''ｰ　,,、　　　　　　　　ｌ:;:,!:::::::::: |　　 　;:　　　　　　　ｲ;;;;;;;;l　 　 |:::::::::::
: : : : :/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ''ｰ　 ,,_;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:...｀ﾞ''ｰ　,,、　　 /;:;lﾞ::::;:::::..:|　　　 ｲ 　　 　| ／;;;! ;;;;;;;|_r─ヽ:::::::::
: : : :/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ :｀ﾞ''ｰ　,,_;:;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:...｀'''' !;:;/:::::;:;:::::::..| 　.／;;|;;　　　イ;;;;;;;;;! ;;;;;;;|:｀ﾞ'''ｰ- _
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i: | : :|: : : ｀ﾞ''ｰ ..,,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:,";/.:::::::::;:;:;.:.|／;;;;;;;;;!: 　　 (;;;! ;;;;;;;;! ;;;;;;;|:::::::;:;:;.::::::｀ﾞ'''ｰ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i: |: : |: : : : : : : : : : ｀'''ｰ ..,,,;;;;;;;;;:;: / ;/丶:::::::;:;:; :|;;;;;;;;;;;;;;| _ _ _ノ;|;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;!::::::::;:;:;.::::::::;:;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'ヾ;;;;;;;;ﾉ..:|: : |: : :;;;;;; : : : : : : : : : :;| ｀''''ｯく. / ;:;:;:;:;:::::::::: :|;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;/;;;;;;;/:::::::;:;:;.::::::::;:;:;.:
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; : : : : : :.: :|: : | :f;::,:,:,ヽ _: : : : : : : ::|: : : ::" ゝ..,,_;;;;;;;....;;;;;/;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;ノ;;;;;;/;;;;／ :::::::;:;:;.::::::::;:;:;.:
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i: : : : : : : |: : | :i;;;;;;;;;;;;;;;;;;i : : : : f;;;;|: : : : : : : : : ｀ﾞ'''ｰ-/;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;／;;;;;／／ :::::::;:;:;.::::::::;:;:;.:
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;,,:..: : : : :|: : |: :ヾ;;;;;;;;;;;;;;i: : : : : : :.|.: : : : : : : : : : : : :/;;;;;;;;;;; /;;;;;;／;;;;;／イ::::::::;:;:;.::::::::;:;:;.::::::::;:;:;.:
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ: : : : : :. |: : |: : : : : : : : : : f;;;;v :.:.| : : : : : : : : : : : /;;;;;;;;;;;;;/;;;／ ー:'’ ｀ﾞ'''ｰ- _::::::::;:;:;.::::::::;:;:;.:
` ー─r──-r-＜_: : : : : :..:|:._:j＿: : : : : : : : :i:;;;;;!: : |.: : : : : : : : : : :/;;;;;;;;;;／ イ:..:.: : : : : :.: |ー‐‐ ｀ﾞ'''ｰ- _ :::::::;:;:;.:
　 　　 |,.,., 　　|　　　￣￣￣　　　　￣￣￣ ^`ー─┴---------/;;;;;;;／:.: : ::| ￣￣￣￣　　　　　　　　　｀ﾞ'''ｰ- _
　 　　 |;;;:i　　 |;;;､　　　　　　　/;;'　　f;;;;;;;;;　　く;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／　　　　ゝ‐'　￣￣ 　　 　　 　　 　　 　　 　　 　|:::::::::
　 　　 |;;;;i 　　|;;;;l 　　 　　 　/;;;;L_ 　ゝ　　　　 〉;;;;;;;;;;;;;/　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　 　　 　　 　 |::::::::

八３３９．
一方。
強く降る雨の中、バルコニーに居るはずのリフの姿を見失っていたマコトは
増援でも呼んでいるんじゃないか、と不安に思ったが、



.　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
.　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/　|:./⌒ヽＶ: |.: : : | V　　　　「おい、リフはどうした？
　　＜ : ｣_: : / 〈　　{}　|/　　ﾚ　 {}　}|:./ヽ: : |　　　　　 雨で良く見えないぞ！」
　　＜:: |. 小{　　 _,,.. -　　　　､-.,_　 ﾚ{: :.|ヽ:|
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　　 ､　　　　 {ﾊ/　V
　　　　　 ＼_!　　　　　　＿　'　　　　 !
　　　　　　　 ヽ　　　 ／　　 ｀t　　 ／
　　　　　　___,ｒ| ＼　 {　　　　/　／
　　　　／:/::::| ＼　 ヽ ｀_⌒ ィ ´
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､
::::::::::::::/:::::::::∧　　　　/二＼　|::::::ヽ::::::::::::＼
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ　 /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::



手すりの淵から、ぶんぶんと振られる雨に濡れた白い手が覗く。


　　　　　　　　 ｌ⌒ｌ　　　　 /⌒!
　　　　　　　　 |　 |　　 　 /　 /　/⌒l
　　　　　　　　 |　 |　　　/　 /　 /　 /
　　　　　　　　 |　 |　　/ 　 /　 /　 /
　　　　　　　　 |　 |　 / 　 /　 /　./　　 .／ ）
　　　　　　　　 j 　 ∨　　l 　/　 / 　 ／ ／
　（￣｀ヽ　　　/　　　‐- .._ﾚ′　 | ／ ／
　　＼ 　 ＼_/　　　　　　　｀ヽ､　　／
　　　ヽ　　　 　 ＼　　 　 　 　 　 /
　　　　｀､　　　　　ヽ 　 　 　 　 /
　　　　　 ヽ　　　　　|　　　　　/
　　　　　　 ヽ､__　　　　　　　/　 ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
　　　　　　/　　￣　　　 　 /
　　　　　 /　　 　　　 ┬‐'"
　　　　 ./ 　 　 　 　 /
　　　　/　　　　　　/



.:.:.:.:.:.:.:.:.／／:.:.:.;ﾉ　　　　　　　　　　 　 　 ＼
.:.:.:.:.:.:. / /:.:.:.／　 /　　 ,　　 　 ｀､　 　 　 　 ヽ
.:.:.:.:.:.:/ /:.:.:.く /　 |　 　 | l　　　　 ヽ　　　　 ､　ヽ、
:.:.:.:.ノ /:.:.:.:.:.∥　 |ｌ　ｌ　 | ｌ　　　　｀､｀ヽ　　　 l　ヽﾄ､
:.:.:.:{　 !:.:.:.::.:;ハ　 |l　|l　 ! |　 ＼　　 ヽ、＼　 l|　 ｌ| |
::.:.: l　 |:::.:.:.::)　ﾄ、|ﾄ､|l　 } ﾄ､ヽ　ヽ、　| l|ヽ ヽ |ヽ l|ﾉ
::..::.:ｌ　 |:.:.:爪,斗七|廾ﾄ-|‐1ヽ }｀ヽﾑ-l￢ ∧ﾉ/　}ﾘ　　　　　「………あれは！」
ヽ.:.:ヽ. ヽ::.}| ｌ ﾊ/,ｨ´うﾊVl/| 　 ﾘ ん:::ﾊ. l |
　 ）:.:rへ_}|/ l|　{ｌ い:::j.　　　　　 い:::ﾉ　ﾊ
　 ヽ､!{ﾚ' ///　　 ゞ-'′　　　　　 ｀ ´ ∧ |
　　 ／／/人　　　ﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　　' 　ﾞﾞﾞﾞ 八l |
　／／ ／_＞ト､_r个､.　　 rァ　 ＿／|　ヽ＼
/／ ／　/: ／::..::..::{::..:ヽ.　 ´ .／::..l｀'┴:-:ﾍ　＼
´ ／ 　 _工l::..::..::..::..ヾ::..::ﾄｧ=く::..::..:l::..::..::..::..::}ヽ、＼
ノ 　 ／ : : {::..::..::..::..::..:∨{ﾘ廻ｌト､::.ｌ::..::..::..::./　　ヽ、ヾｰr- ､
　 ／: : : : : ｀ヽ､::..:;:-'´丁ヾﾆｼ::..｀T:ｰ::-:r'′ 　 　 ｀ｌ　/　 ∧
. /: : : : : : : : : : /´::..::..::.l!::..:| |::..::../::..::..::.＼ 　 　 　 ﾚ' |　/ /

八３４０．
続いてひょっこり出てきた顔が、襲撃の日に逮捕された言葉だったので―――



　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:ｉ:.:|Ｗｗﾊ.:.:.:.ヽ.:.:ヽ
　　　　　　/.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:/.:.:/ｉ:.:|　　　 !.:.:!:.:.:.:.:.:.:',
.　　　　　/.:.:/.:.:/.:.:.:.:.:/.:.:.:.:/.//　!.:,'　　　 ｉ:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:!
　　　　　ｉ.:.:/:.:/.:.:/.:.:/:.:,.斗 //　 ｉ/ --､　 ｉ.:/:.:.:.:.:.:.:!:ｉ
　　　　　|./!.:.:!:.:.:!.:.:/イ　　//　　/　　　 ｀ﾒ､ |..:!.:.:.:.:!:|
　　　　　|　|.:.:ｉ:.:.:ｉ.:.:|　|斗≠　　/　　 ≠=､　 |:.:!.:.:.:.:!:|　　　　　「王女様！
　　　　　|　|.:.:ｉ、.:ｉ:.:|./ﾄ:::::::ｉ}　　　　　 ﾄ::::心、!:/.:.:.:.:!:|　　　　　 みんな！
　　　　　ヽ |.:.:ｉヽ:ヽﾄ　ｖ':::::}|　　　　　 ｒ':::::ﾘ　|/:.:.:.:/!.:|
　　　　　　 |ｲヽ..＼ﾄ.　V少　　　　　　ｖﾆｿ　厶 イ:.:.!.:|　　　　　 リフは斃しました！」
　　　　　　/ |:.:.:.:.:.:.:ﾊ　 :::::　　　､　　　:::::　 /ﾉ:.:.:.:.:.:!.:|
　　　　　 /　|.:.:.:.:.::!:.!ﾍ、　　　ｒ　 ｧ　　　　/:.|.:.:.:.:.:.:.!.:|
　　　　　/　 |:.:.:.:.:.:!.:|.:.:.＞､　　　　　　 ィ´:.:.:|.:.:.:.:.:.:.!.:|
　　　　 /　　|ｒ―‐-､!:.:.:.:.:.:ｉ`　 ､.　 '´|.:.!.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.!.:|
　　　　/　　 |　　　　|!_, ィﾘ　　　　　　!＼.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:!.:|
.　　　/　　 /|　　　　|ｉ　 /　　　　　　　!　 ヽ!:.:.:.:.:.:.:.:!.:ｉ
.　　 /　　 /_|／￣ヽ||　 |　　　　　　　 |　　 |:.:.:.:.:.:.:.:!ハ
　　/　 .／::::|　　　　|ﾍ　!ー-､　　, -‐/　　/:.:.:.:.:.:.:/::::::＼
　 /　 ∧:::::::|　　　　|:∧ ＼　　　　 ./　　/:.:.:.:.:.:.:/::::::::::::∧



立場も状況も忘れたマコトは、よくぞ無事で居てくれたと大粒の涙を流すほかなかった。



　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
.　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|　　　　「こ、こ、こ、言葉ぁぁぁぁーーーーー！！！」
　　　|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/　|:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
　　＜ : ｣_: : / 〈　　{}　|/　　ﾚ　 {}　}|:./ヽ: : |　　　　　（やらない夫ぉぉぉ！ありがとう、本当にありがとう！）
　　＜:: |. 小{　　 _,,.. -　　　　､-.,_　 ﾚ{: :.|ヽ:|
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　（ (　　　 ､　　) ）　 {ﾊ/　V
　　　　　 ＼_!　　　) ）　＿　'　（ (　　 !
　　　　　　　 ヽ　 （ ( ／　　 ｀t ) ） ／
　　　　　　___,ｒ| ＼　 {　　　　/　／
　　　　／:/::::| ＼　 ヽ ｀_⌒ ィ ´
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､
::::::::::::::/:::::::::∧　　　　/二＼　|::::::ヽ::::::::::::＼
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ　 /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::!

八３４１．



　　　　　　　　　 r'ﾆﾆニ二二二ニﾆﾆヽ
　　　　　　　　　 | | 　 　 　＠　 　　　| |
　　　　　　　　ｒ ┤|　　　　　　　 　　 |├､
　　　 　 　 　 |　 | | 　 　　Π　 　 　 | |　.|
　　　　　　　　l　 l l　 　 lﾆ　 コ　 　 | |　.|
　　　　 　　 　 |　 l l　 　 　|_|　　 　 | |　.|　　　　　「言葉！
　　　　 　 　 　 l＿l_l＿＿＿＿＿__|_|＿|　　　　　 無事だったのですね！」
　　　 　　　 　 /　ｨ ,ｲ /　　 }　!､ ヽ　　 ヽ
.　 　 　 　 　 / ./| / l/ｘ'　　 l.ハ`x ヽ　!　}　　　　（やらない夫さんは本当に凄いです！
　　　　　 　　{ /| N ﾚ;行ミ　　 ≠ミﾄ､!､ト､!　　　　 言葉の事も中庭の事も、
　　　　　 　　V |/ .!ｲ {r､::}　 　 ﾄｨ,.:} 〉! l |　　　　　全部作戦通りじゃないですか！）
.　 　 　 　 　 　 l | .| ゞー' 　 　弋ツ ﾊ ! |
　　　　　　　　　| !　ﾄ､'''''　{￣j ''''' ｨ'|l .| .l
　　　　　　　 　 j l　!_|_l ` r - ｬ＜_j_| ハ.|
　　　　　　　　r'ﾆﾆＹヽ　ゞ､＿,〃　/yﾆﾆヽ
　　　　　　　　}､ ﾆﾆ! ヾ　　,ニ,　　//ﾆﾆﾝ



落ち着いて状況を見返してみればリフが斃れ、言葉が戻り、人質など出てこない。

王女が王女たる威厳を見せ、奇跡を起こした結果、
死者は殆どなく正規兵は全員投降、スラム兵も抵抗する気を失っている。

これを完全勝利と言わずして何を勝利と言うのだ、と
アリアとロイは裏方に徹したやらない夫の事を思い―――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／"　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,,ﾗ::::::::::::::::::::;:::::::::::::／ |:::::;::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／／::::::::::::::::::ｲ:／!::／　 l::::/|:::::､:::::::::::::::::::::
　「どうやら、　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　-"　./::::;ｲ:::::::／>:/ /／　　 !:::i .l::::|ヾ::::::::::::::::::::::::::::::
　 中庭は無事抑えられたようですな。 　　　　　　　　　/:/　l:::::／／'^X"　　　 l:::/　|:::| ヾ::::::;:::::::::::lヾ::::::::
　 王女様―――」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　/::ｲ　 ＿ ヽ丶　 　 l::i　　|:::|　i::::::::|ヽ::::::i,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ|/　"⌒ヾ,,　　　　 |:l　一|::|ｰ-i::::::| ヽ::::::::::ヽ>::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,,,__　　　　　　 /　　　　　~　　　　 i/ =--l:|　 ヾ:::l^`ヾ::::::::::::::::::::
　（残すはイチジョウとギャブレット、 　''".　.'' .＜三` =-.,,_/　　　　　 　 　 　 　|　_,,-┿=､ ヾ:|　 ヽ::::::::::::::::::::
　 そして別働隊のサクラダ殿か。　　 ヽ..　.　.　.＼￣ﾞﾞ'''=i　　　　 ,　　　　　　　　　　　　 ヾヾl 　 !:::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ.　.　.　.　.＼ .　.{　　 　 r"　　　　　　　　　　　　　　 |　　i:::ﾍ::::::::::::::::::::::
　 ………もはやビップ殿を　　　　　　　　.　.　.　.　.　.）.　. ',　　　､_　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |;/ ヾ|）::::::::::
　 止められる者など居まい。　　　　　　　 　.　.　.　./,-"　 .',　　　 ﾞ''-,,_　　　　　　　　　　　　　　　ノ　 〉ﾉ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　.　.　／"　／.　.'、　　　　　ﾞﾞ'' ｰ- ,,＿　　　　　　 　 ,/_/／:::::／
　 彼は大河だ。　　　　　　　　　　　　　 　　.　. ／　／.　.　.//:'.、　　　　　　　　　　　　　　　　,=-- <:::::k"
　 姑息なイチジョウの小川など　　　　 　　 ／　／.　.　.　//:: : ' ､　　　　　　　＿,,,,,,, --─'''''""￣￣
　 一気に押し流してしまうだろう）　　　　　　 ／.　.　.　／/／ :.| l.ﾝ- ,,＿/⌒）.　.　.　.　.　.　.　.　.　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:　.　.　. ( ノ .　. :.:i::t.K |　/./::7 /.　. :／'''"""￣⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:　.　.　.　.　.　.　 .　:.:.l:) ） `// // /.　.／.　.　.　.　.　.　.　.

八３４２．
真紅もランサーの登場と青い宝石、
聞かされていなかったその二点について考えを巡らせながら
この場の確保の指示を出す。



　 ｢｀ー'′／　 　 /　　 ヽ、 ＼ ＼　 ヽl}::.:)､ ＼
　 l_,ｨ　　/　/　　 l　 　 　 l 、　 ｌ　｀､　{:|}く＼ヽ/
　　ノ　 ,′ !　 　 {　 　 　 | l| 　 | 　 l　):|} ﾉ|:｢´
.　 ヽ∧| ,　| 　 |　l　 　 　 | ｌ|　　|　 l|　{:|!::）|:|
　　　|::l| |　|　　ｌ　 、　 　 | l | _,厶| j| ｛::|}::} |｣　　　　　　　　　　「ええ。
　　　l:::| ｀、!| 　 ＼ ヽ、　|,.イ,斗予 |　|{K!j　|　　　　　　　　　　 キバヤシ、城壁の制圧と
　　 〈:;小､ヽヽ、Ｔ,Ｚﾆミヽj　 ^ヾrｼ　|　|ァ１　|　　　　　　　　　　 騎士団の配備を。
　　　　|　 ＼ヽN {ヾtｸ　　　　 　 　 |　ﾄ |_|　 |
.　　　｜　 | 　 l　＼　　　 ｀-　　 ／!| |::..::.｀:┴-､　　　　　　　　 マコト、ランサーをここへ呼びなさい」
. 　 　 |　　|　　|　 | ＞ ､　_＿ ／::..::|| |::..::..::..::..::..:ﾄ､
　　　 |　　j　 /|　 l/::..::..::..::..rｸﾆﾐ::../| |::..::..::..::..::./::..｀ヽ　　　　　　（ランサーが戻ったのは
.　　　l　　 ! //l　 l::..::..::..::/;ﾊﾐZシ//| |::..::..::..::..:/::..::.｀ｰ┴―-ｫ　　やらない夫、あなたの―――？）
　　　j　　 ﾚ'∧!　,'::..::..::.〃::..::..::.ﾚ'/::| |::..::..::..::r'::..::..::..::..::..::..::/::|
　　 /　　/ / /|　ﾊ::..::..::..::..::..::. /l ﾄ､| |::..::..::..::{ー-::.ﾊ::..::..:: /::..|
.　 /　　/ ｜{::.| ||::.＼::..::..::..::../::.| l::.| |::..::..::./::..::..::/::..＼::./:ヽ:j



　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !　　　　　「ハッ！」
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|



もちろんキバヤシは素早く騎士達に指示を下して
城壁の確保、正門前の味方への伝令、
投降した第二騎士団を今は待機所に待たせる事を指示したのだが。

八３４３．



　　　　　　　　　　　　　⌒ヽ､
　　　　　　　　　　_　,-─ ､,〉ゝ－-::...　、
　　　　　　　 ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`＼_
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　, ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　 /::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　,/:::. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　 　 l:::./.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　　　「……………」
　 　 |/|:::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　|:::::::::::::::::::::::::::::/　ｌ:::::::::::::::::::|＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　（やらない夫の読み違いで、
　　　　|::::::::::::::::::::::ゝ/L　 ｌ:::::::::::::::::| 　 ＼斗‐:::::::::::::::::::::|　　　 実はあいつは裏切ってなかった？
　　　　|:::::::::::::::::::/l /　　`ﾒ::::::|＼::::ｌィ´　　＼:::::::::::::l:::|
　　　　|::::::::/|::::/　ﾘ　　,__､ ヽｌ　 ＼ｌ;,__　　　|ｌ |人::::::::|∨　　　いや、違う。
.　　　　|::::/　|:::fzlｌ　＾`=＝'´　　　　 ＾===‐'´ｌjｌノ::::::::/　　　　 何かあって、戻ってきたんだ）
　 　　　|/　　ヽ::::|ﾍ　　　　　　　　　　　　　　/ィ<"l/
　　　　　　　　　ゝ;八　　　　　　;　　　　　　 /ｲ
　　　　　　　　　　　x > ､　　　 ─　 　　　ｲゝ:::｀＞-､
　　　　　　　　　〆::::;//ﾊ`　、　　　　 <´/　 ｌ）:::}:::::::::::::::` ､
　　　　　　　 ／/::::://　　＼ 　｀‘´　　 /　 /::::7::::::::::::::::::::ﾊ::ｌ
　　　　　　 ﾉ::::/::::::《〈 ヽ／ﾍヽ 　 　 ／　 /::::/::::::::::::::::::::::/::::l



複雑そうに考え込んでいたマコトが、
真紅の指示に返事をするまでしばらくかかった。



　　　　　　　　　　　　　￣ヽ､
　　　　　　　　　　_　,-─ ､,〉ゝ－-::...　、
　　　　　　　 ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`＼_
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　, ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　 /:::.／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　,/:::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｌ　　　　「………分かりました、王女様」
　 　 l::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　 　 |/|:::::::::::::/::::::::::::::::: ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　|::::::::::::::::::::::::_:::/　ｌ:::::::::::::::::::|＼:::::::::::::::::::::::::::ｌ:::::::::|　　　　（まあいい。
　　　　|:::::::::::::::::::::::::/≧､ ｌ::::::::::::::::::| 　＼斗::::::::::::::::ｌ:::::::::ｌ　　　　少しでも妙な素振りを見せてみろ、
　　　　|:::::::::|:::::::::/l::/ｲ⌒ﾞ`ﾒ::::::|＼::ｌィ千代`:::::|:::::::::ｌ:::::l〉ﾘ　　　　独断と言われようが―――斬る！）
　　　　|::::::::/|:: /　ﾘ弋､ _ﾉｌ　ヽ|　 ヽﾚ; __ｿ ｌ j|人:::::::ｌ:::::|
.　　　　|::::/　|:::fzlｌ　＾ー‐'´　　　　　＾　‐-'´　jｌノ:::::l::l::て
　 　　　|/　　ヽ.:::|ﾍ　　　　　　　　　　　　　　/ィ<"j ﾒ_／
　　　　　　　　　ゝ;八　　　　　　;　　　　　　/ｲ
　　　　　　　　　　　x > ､　　　ｰ ｰ　　　　ｲゝ:::｀＞-､
　　　　　　　　　〆::::;//ﾊ`　、　　　　 <´/　 ｌ）:::}:::::::::::::::` ､
　　　　　　　 ／/::::://　　＼ 　｀‘´　　 /　 /::::7::::::::::::::::::::ﾊ::l
　　　　　　 ﾉ::::/::::::《〈 ヽ／ﾍヽ 　　　／　 /::::/::::::::::::::::::::::/::::l

八３４４．



　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿_
　　　　　　　　　 　 　 ..::´::::::::::::::::〃⌒ヽ､
　　　　　　　　　 _　／::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::＼
　　 　 　 　 　 　 ｊ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 /:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 i::::::/::::::i::::::::!:::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::',
　　　 　 　 　 　 |:::/::::::::ｉ::::::∧:::::::::::::ﾄ､::::::::::::::::::i､::l
　　　　 　 　 ､__Ⅳ::::/:::i:::::/__!::::::::::::匕ヽ:::::::::::::ハ:|　　　　　　　　「ランサー！
.　　　　　　 　 ﾌ::l::ｒ'l:::/!::/ｾﾐl::::::ﾊ:::尨_ハ::::::i:::ﾄ､`!　　　　　　　　 武器をその場に残して降りてこい！
　 　 　 　 　 ´￣]八!/i」:瓜ﾘ !／ Ⅳ　　　小ハl
　　 　 　 　 　 　 　 ｊ､八i　　´　　ｊ〉　　 爪i　　　　　　　　　　　　 言葉もこっちへ来てくれ！」
　　　　　　　　　　　　 　 ｊヽ､　 ｔ＿ｱ　.ｨ
　　　　　　　　　　　 _＿／/| ヽ　__／/ |＼
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､::／::::| 〈　　　 ／　.|::::＼ﾞ''ｰ-::､_
　　　　/::／.:::::::::::::..ヽ :::::/∧。V￣＼　 |:::::::::＼:::::::::::::｀ヽ,
　　　 /:::::::::::::::::::..`ｰ-､::::|/＼丱／/ ヽ/|:::::::::::::::ゝ::::::::::::::::|::}
.　　　|::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ|　　|＿/　　　 .|―ー＜::::::::::::::::::::|::::i
　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヽ､　|;;|　　　　|::::::::_ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿　　＿
. 　 　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヽ.､　　,r‐'ﾞ　　　　　　　　 　 ／/ 　 ヽ
　　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　 ヽ　　　 　 　 l /　　　 l
.　　 　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'"　　　　　　＼___　　　　　　 　/
　　　　 ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／　l　　　　　　　　　 ＼X=-､,,＿_／
　　　　　 ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::|　|　　ﾉ　　　　 ` ､ 　　　　 ヽ ,ﾍ./::::::I
　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::|　l　i´　　　　　　　` ､　　　 ﾉ ヾ|::::::::丿
　　　　　　　 .|｀ヽ;::::::::::::::::::::|　|　|　　　　､　　　　　`'rイ　 ,ノ:::::::::＼
　　　　　　　 |:::::::::＼∩:::::::::|　l＼ 　　　　 `=､.._＿,ノ　 厂:::::::::::::::::/
　 　 　 　 　 |::::::::::::::::＼∩:/　 |　ヽ､＿　　　　ﾉ:::::::|　/:::::::::::::::::::::/
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　　 　 　 　 |:::::::::::::::::::::|　　ヽ_;;ｧ'~　　 |:::::::::::::::::::::::::|/:::::::::::::::::::::/

八３４５．
もちろんランサーとて、彼の複雑さは手に取るように理解できた。
だから大切な魔槍を城壁の上に残し、言われずとも鎧を脱ぎ捨ててから階段へ向かう。

我が子の未来を掴む為に、泥を啜り、如何なる屈辱にも耐える意思を堅めながら。



　　　　　　　　　　　　　 ｲ　　　　 __＿ ,.イ
　　　　　　　　　　,.イ／/／￣￣.:.:.:.:.:.:ノｰ ､
　　　　　　　 ヽ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:___ノ.:.:__ノ.:.:.:.:ニ＝ｰ
　　　　　　　　|/.:.:.:.:,.イ.:.:.:/／.:／.:.:.:.:.:￣￣￣.:.:＞/
　　　　　　 ＼ヽ/／.:.:.:.:.:ﾉノ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞.:.:.:／/ ｲ
　　　 　 　 　 ∨.:.:/ノイ!　　　彡──　´.:.:.:.／／:.:/
　　　　　 　 　 i／ﾍ 　 }｝　　　ミ二ニ.:.:.:.:／／.:.:.:,ｲ　　　　　「分かった。
　　 　 　 　 　 /　|/／厂｀　　ヾ:.:.:.r－く.:.:.:.:.:.:／.:.:.j　　　　　 ………抵抗するつもりはない、
.　　　　 　 　 /　／　　　　　 　 ∨/⌒ ヽ.:.:／/.:.: /　　　　　 やらない夫に誓ってな」
　　　　　　　　ヽ　　,,ノ　　　　　　ヽ丿 丿´.:./.:.:.:/
.　　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　__ノ.:.:.:./.:.:.:./
　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　Xヽ.:./.:.:.:,.ｲ　　　　　　　（お前が気づかせてくれたチャンス―――
　　　　　　　 ｀ヽ　　　 　 　 　 　 　 | |　 ヽく::::::ヽ　　　　　　　決して無駄にはしない）
　　　　 　 　 　 ｀<　￣　 　 　 　 　 | |　 　 l ヽ:::::::ゝ、
　　　　 　 　 　 　 ',　 　 　 　 イ 　/ ¨　 　 l　 ｀く:.:.:.:.ヽ
　　　 　 　 　 　 　 ',　　.. 、´　___./───－ｭ　 ＼:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　 　￣　 」￢|::::::::::::::::::::::::::::::∧　　 ＼.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　 　 | |￣|:::::::::::::／ ￣￣￣ ＞ｰ-::、:.:.:.:.:ヽ.
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,| |⌒トｰ､／／ 　.:／ ´　　　 　 ｀ヽ、:.:.:.ヽ.
　　　　　　　　 　 　 ／ｲ / 　 ）／／　.:.／　　　　　　　_＿　 ヽ:.:.:.:.:'.,
　　 　 　 　 　 　 ／∠ムへ､,/　/　.:／　　 . ・ ´ ￣　　　　｀ヽ ∨:.:.:.i
.　　　　 　 　 　 /ムγ´:￣::/　/.:／　　／　　　　　　　　　　　 ∨:.:.:.:l
　　　　　　　　 ハ.::::::::::::::::::/　/ ′　／　　　　　　　　　 　 　 　 ∨:.:.:l

八３４６．
バルコニーの言葉も当然、ランサーに対して複雑な感情を抱いたままだ。

目が冷めた牢屋の中で一番最初に裏切りに気づいたのが彼女であり、
その後は一度も顔を合わせていなかったが、
この状況以前に鉢合わせていたのなら、全力で斃しに掛かっていただろう。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::: ﾄ､::ヽ:::::::::::＼::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::/::::::::::::::::: /::: ∧:!　ヾ:::＼:::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::i:::::::::::::::: / ::::::| |::!　　 ＼::＼::::::::: !::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　「分かったわ！」　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:::|:::::::::::::: ':::::::::::| j_| .. -─十::|:｀ ､ :| ::: ::::::::::::::|:::::::::::::::::::i::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:∧::::| ::::::|:::::::::√i::l _ __　　|::::|::::::| :::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::i:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　|:::| ::::::|:::::::ハ j/ｨ≡tiミ |::,ｲ!:::i| :::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::i::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　|:人 ::::|::::: |:::::/　 l 　 |　i/ |:::::i| :::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::i:::::::::
　　（ランサー、どう言うつもり？　　　 　 　 .|:|　i::::| ＼l:::::::|:::::i　 　､ ﾉ /　 |:::从 :::::::| ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::i::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヾ.､ ヾ:＼　＼乂:, 　 　´,,,,　　 |/;;/:! : :::|:: ::::::::::|::::::::::::::::::::::::i:::::::
　　 改心したように見せかけて―――　　 　 .＼　ーゝ　ゞ:/＼　´ 　 　 　 ;/ ;|::::::::|:: ::::::::::|:::::::::::::::::::::::::i:::::
　　って言うのなら不可能よ。　　　　　　　　　　　　　　　　く 　 　 　 　　 　/;;;;;|　::/ :::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::i::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　__　 　 　 ;;;;;|:::/ :: ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::i::::
　　私とマコト君が居る今、　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　 　　,;;; j/　:::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::i:::
　　あなたの好きにはさせないわ）　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＞,. ─…；イ　 ::::::::::::::::::|::::::::::::::::l::::::::::::i::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／√　　　　　　|　 :::::::::::::::::∧::::::::::::::l::::::::::::i:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ／　/　　　　　 　 ｲ　 :::::::::::::::::|　 ゝ:::::::::l::::::::::::i:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::/　　　　〆 　　| :::::::::::::::::::::| ::::::::＼::::l::::::::::::i:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　::::ノ　　　／　 ィ:::::: | :::::::::::::::::::::| ::::::::::::::＼::::::::::::i

気持ちはマコトと同様に、少しでも不審な素振りを見せたら斬るつもりである。

とにかく急ごう、と出口を目指して駆けだしたのだが―――



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　　　　　;　 　 　 　 /
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l 　 　 　 ;　　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｌ　　　　 ,'　　　 　 /　　　　 ,.．､、
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｜　　 　,' 　 　 　 /ー- ､. -=― .､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l.　　　 ,′ 　 　 /　　　　　　　,:　ﾞｉ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　 ｉ　　　　/ヾ:　　　　 ,,.:'　　｜l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,!　,　　!、　　　' ﾉ,' ＿_　 '"_,_;_,..-',ｲ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,'　　　｜`ｰ--‐"'''´　　 ￣i｀－ '"　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 　 |　　　　 　 　 　 　 l　　　　 ,!
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 r'´￣`ヽ､!　　　　　　　　　　 ﾞ､　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,' 　 　 　｜　　　　　　　　　　　 `''''"
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　　　　,:'
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　/ 　 　 ,,.:' /
　　　　　　　　　　　　　 ､-ﾞ'' 　 '''"　/
　　　　　　　 ,:''⌒｀`'''＜ﾞヽ､、 　 　'{　　　　ﾀﾀﾀｯ
　 　 　 　 　 !,. -　､　 　 ＼ヽ､`　､.,!
　　　　　　　 ﾞヽ、　 ｀ ‐ ､...ヽ､_｀`'く
　　　　　　　　　 ｀`''‐- ､_　｀` ｀`r'′
　　　　　　　　　　　　　　 `丶､ノ

八３４７．
階段を下りている最中に、ふと足が止まった。



　 　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　　　i
　　　　　　　　　　　 ,Ｌ. __　　　　/'
　　　　　　　　　　　 Y´￣二　／〉
　　　　　　　　　　 　 |　　 　 　 /!
　　　　　　　　　　　　|　　　 .／ ｣!
　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　 　 !ｌ
　　　　　　 　 　 　 　 |　 　 　 　 |ﾑ
　　　　　　　　　　 　 │　　　　　| ∧
　　 　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　 |'/∧
　　 　 　 　 　 　 　 　 |　 　 　 　 !　/L_
　　　　　 　 　 　 　 　 |　 　 　 　 ｌ　/￣〉
　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　 　 |　　/∧
　　　　　　　　　　　 　 |　　　　 ／｀i　′,∧
　　　　　　　　　　　　　|Ｌ... _ 　 　 │　/'/∧.
　 　 　 　 　 　 　 　 　 「￣　`　 　/　 ′/ ∧.
　　　　　　　　　　 　 　 |.._＿ ,　／〕､　　　＿」.
　　　　　　　　　　　　　/￣　｀　　￣|　　 ￣　,〉　　ﾋﾟﾀｯ
　 　 　 　 　 　 　 　 ∠.. _　　　　 ／!-‐=ﾆ ／>..
　　　　　　　　　　∠￣　 ￣二ﾆ､　厶-､ , '／　〉
　　　　　　 r‐=≦￣ `　　　　　　∨　　 //｀ｰ'´
　　　　　　 iＬ.. ＿＿＿＿r‐=ｉﾆﾆ｣二ﾆ´/'
　　　　　　 ｀ ￣￣￣￣ ´　　｀￣ ￣￣´



ランサーが神や別の―――それこそ、王女の名にかけて言ったとしても信用しなかった。
しかし、彼はやらない夫の名を出したのだ。



　　　　　　　　　　　　　　_,,..　-‐……‐- ､
　　　　　　　　　　　,r''"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::|ヽ/|:::ｉ:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 ／::::::::::::::::::::/ｌ:::::lヾｰ|:::!i::::::::::::::::::::',
　　　　　　　/::::::::::::::::::/:::/ ｌ:::ｉ:ｌ　　|::ｉ !:::::ｉ:::::::::::::::ｌ
　　　　　　 /:::::::::/::::::/:::/　l:::ｌ:l ..,_｜! ｌ:::::l!::::::i::::::::l
　　　 　 　 {:ｉ::::::/::::::ｲ:::/ﾞ~ ｌ::iｌ:! 　 ﾞ!ｌ' +::::ｌｌ::::::ｌ::::::::ｌ　　　　（でも、やらない夫君の名を出した。
　　　　　　 ｉ|ｌ::::::::::::::{i:/　　ｌ:/ｌ!　 ,,ｨ灯沁､!::::::l:::::::::ｌ　　　　別れた後、どこかで遇って………
　　　　　　 ﾘ !::ｉ:::::::::::! ,ｨﾁ圷　　 　 c;;;;r} ﾞ!:::/::::::::::i!　　 　それで改心したのかな？）
　　　 　 　 　 ｌ:ﾊ:::::::::ｌ″c;;rｉ　　　　之ツ/／:::::::::i:::ｌ!
　　　 　 　 　 ﾘ　ヽ、::ヽ,ゝ‐' 　､　　　　／ｌ:::/:::::::ｌ::::ｌi
　　　　　　　　　　　i}::ﾊ. ｀　　　　　　　　,ｲ:/::::::::ｌ:::::ｌ i
　　　　　　 　 　 　 ｉｌ:::::ヘ ., 　 ´ ｀　　／ ｌ/::::::::::!:::::ｌ　i
　　　　　　　 　 　 /ｌ:::i:::::::::::＞　.. ．'´　　/:::::::::::!::::::ｌ 　i
　　　　　 　 　 　 / ｌ:::ｌ::::::::::i:::::, -,}　　　 /::::::::::::ｌ::::::::ｌ.　 i
　　　 　 　 　 　 /　l:::ｌ::::::::::l‐'´ y'　　　,/:::::::::::::ｌ｀ｰ ､ｌ　　i
　 　 　 　 　 　 /　 !::ｌ::::::::::ｌ　 /　, -／/:::::::::::::/　／::ヽ.　 i
　　　　　　　　/　　ｌ::ｌ::::::::::ｌ　/ 　／　/:::::::::::::/／::::::::::::} 　 i
　　　　　　　 /　　 ｌ:ｌ:::::::::::ｌ / ／　　/:::::::::::::/´:::::::::::::::::i　　 i
　　 　 　 　 /　 　 l:ｌ::::::::::::l ｌ/　 　 /:::::::::::::/::::::::::::::::::::::l　　　i



それなら信じる気持ちも少しは残しておかなければならない、と
少しだけ心に余裕を持たせてから再び走り出す。

あの日から離されていた、仲間達の元へ。

八３４８．
そして、出番を終えて肩の荷が下りた真紅は、
冬の雨に全身が濡れている事も苦にならない様子で
一心にやらない夫とジュンの無事を祈っていた。

彼女は首飾りの石が完全に光を失い、
沈黙してしまっているのが気がかりになっているのだ。



　　　　　　　　　　　　　　│_/l′
　　　　　　　　　　　　　　　!l'
　　　　　　　　　　　　 　　├
　　　　　　　　　　　 　,ｒ'´lllllll｀ヽ
　　　　　　　　　　　 /lllllllllllllllllllllヽ,
　　　　　　　　　　　!lllllllllllllllllllllllllll|
　　　　　　　　　　　|lllllllllllllllllllllllllll|
　　　　　　　　　　　illlllllllllllllllllllllllﾉ
　　　　　　　　　　　 ヽ､||||||||||／



本来は自分の身を守る為にこれを持っていたはずの、
やらない夫の防御は万全だろうか。

体力回復の霊薬を一本持たされただけで、
魔術師の援護がないジュン達は、果たして大丈夫だろうか。



　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::r‐､:ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
　　　　　 　_　 　 　 　 　 ,.ｨ'´:::::／!_‐- ､:::::::::::::::::::::::::（,､
　　　　　 /:::｀ヽ＿_,.ィ三/::::::::::::r‐､ﾉ　　 ｀ヽ､:::::::::::::::::ノ
　　　　r‐'､::::::::::::::/圭ﾐ/:::::::::r､:_） l　 l　　　 ヽヽ:::::::::ゝ,
　　　　l:::::::｀:::::::::/圭/´::::::::::ゝ´　 l　 l　　　　 ヽ ヽ:r‐'´
　　　 ノ::::＿::::::/圭/:::::::::::r‐､ﾉl　 l l　l　　　　 l l　 l!
　,ｨﾀ'l:::::::::::::::｀:l圭ﾐ!::::::／:ゝ､ l l　 l l　',　　　 l l l　 l
. lﾐ! /ヽ;::::::::::::::l圭ﾐ!::::::::::r‐‐'_ﾑ斗孑十弋､　 l l!　/　　　　（やらない夫、ジュン―――
　ゞ="〔＿:::::::::::l圭ﾐ!::::::::::｀)lヽl　 ィ示ｮ` 　 ｀ｭ! l／　　　　　どうか無事に戻ってきて）
　// 　 l __）::::::::ヾr‐'ｰ､:（´ l　　　`辷:ﾘ　　　ｶ
.//! 　 ﾄ､ゝ-､:::::::lﾉyヽ 〉:ﾉ. l　　　　￣　　　 ヽ
./ l　　 l. ヽ　 ゝ'､:ゞｰ.'´::） l.l　　　　　　　　 _´!
　 l　　 l　　＼　ゝ‐ヾ､圭.l l.l 　 　 　 　 　 ´, '
.　l　　 l　　　 ｀十-､__≧/ l ﾄ､　　　　　　／
　l　　 l　　　　　l　r‐‐'´.l　l圭ミ＝==,ｨ＝x､
. l　　 l　　　　　l　 〉:::::::/ /圭圭圭ﾐ/ヽ圭圭ゝ､
. !　　 !　　　　 l ／:::::::/ /圭圭圭ﾐ〈 ゞ〉圭圭/
.l　 　 l　　 　 ／:::::::／ /:《圭圭圭圭!´圭＝彳
l　 　 l 　 　 /:::::::::〈　｀ー‐-､圭圭圭l圭圭》
l　 　 l　　 /::::::::::::::::￣￣｀ー-､二`>圭/
　　　l.　／::::::::::::::::::::::::::ヽー´＜二圭圭ミﾄ､
　　　l /::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣＞ ／圭圭圭ミﾄ､
. , -‐'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝﾉ圭圭圭圭圭ﾐ!



この流れはもはや止められない。
だが、残り二つの戦いを制してこその復権だと思っている彼女は、
南の空と、城とを見比べてただひたすらに願った。

八３４９．
ちょうどその頃、言葉と入れ替わるように城の横手から一階に入り込んでいたやらない夫も、
おそらく何らかの戦いはあるであろう友の身を案じている。

だが、親衛騎士になってからのジュンの成長は目覚ましかった。
自分との修行期間と同じか、それ以上に―――



　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 , ------ 、　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　＼　　　　　　　　　 　 　 ／ヾ ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 i 　 　 　 　 　 　 i　　　　　　　　　　 ／ヾ／
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 ＼ 　 　／　 │　　　　　　 　 .／ヾ／
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ （ ●） （● ） ｜ ､-- ､　　　／ヾ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　（__人__）　　i　　弋||ニi／ヾ／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 , -!　　 ｀⌒ ´　　 !-､ 　　／○||´
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |､ヽヽ　　　　　　 / / |...／ト､／弋｀||　　　　　　（あとは俺達、か。
　　　　 　 　 　 　 　 , 　―;;;;;;;―´　| |､｀ ――― ´.,| | 　｀-;;;;;--　 ､｀弋 |
　　　　 　 　 　 　 ／ ヽ 　 ▽ 　ヽ　 ヽ ￣￣￣￣/　／　　▽／ ＼　 ´　　　　　―――ジュン、冷静にな。
　　　　　 　 　 　 .i　 　　｀　-　　r―‐/＼　　 　／ヽ― ､　 - ´　 　　 i　　　　　　お前はもう、一人前の親衛騎士なんだ）
　　　　　　　　 ／　　 　 　 　 　 |　／－ ―┬― －＼　|　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　>､ ｀ ー--　　　,／ 　 　 　 ｜　　 　 　 ＼　　--―　´ ,<
　　 　 　 　 　 .>､　 ｰ――‐,‐ ´ 　<＾ ＾>　　|　　 　 　 　 ｀ｰ､－――‐ ,<
　　　　 　 　 　 >､　 ｰ‐,―､´....　　　Ⅴ 　　｜　　　　　　　　 ,｀ｰ､‐―‐ <
　　　　　　 　 / 　　　／::::::i＼.　　,.　-－―┴―－-　､ 　 ／!::::::::＼ 　　ヽ
　 　 　 　 　 /＿　／:::::::::八　 Ｙ　　　　　　　 　 　 　 　 Y　　八::::::::::＼ ＿ヽ
　　　　　　　　i::::::::::::: ／:i;;;;;ヽ. ヽ　　　　　　　　　 　 　 /　 ,/;;;;;;ト:::::::::::::::::<
　　　 　 　 　 i::::::::::::::::::::/;;;;;;;;|ヽ´ ＼, -――――- ､／ ヽ´|;;;;;;;;i::::::::::::::::::::i
　 　 　 　 , - !::::::::::::::::::::|;;;;;;;/　　　　|　　　　　　　　 |　　　ヽ;;;;;;;.!::::::::::::::::::::!- ､
　　　　　 i｀ ｰ――――i;;;;/＼ 　 　 !　　　　　　　　 !　 　／ヽ;;;;i――――‐ ´i
　　 　 　 .|------i　　　.|/　　 ｀ー―――――――― ´　　　.｜ 　　.ｒ‐‐‐‐‐|　　ｶﾂﾝ…
　　　　　 .|　　　　.|　 　 .|　　　　　　 　 / :::::::::::::∧　　　 　 　 　 |　　　.|　　　 .|　　　ｶﾂﾝ…
　 　 　 　 |----- .!　　　.!＼　　　　　../:::::::::::::::::::∧　　　　　..／.|　　　.|-----|
　　　　 　 |　　 　 .i　　　.|　 .＼ 　 　 /::::::::::::::::::::::::∧　 　 .／ . . |　　　.|　　　 |

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　　　　　 　　　　　　　　　　　　Ｏ
─────────────────

八３５０．
┏──────────────────────────────────────────────┓

それは、偽りの平和の裏側の物語。

暇さえあればやらない夫だけでなく、他の親衛騎士にも教えを請うていた彼は
様々な武器の特性や基本戦術を知り、
そしてそれに縛られない者こそが親衛騎士に相応しいと知った。



　　　　　　　　　　 　 ＞'´　／　　 ∧　 　 ｜　　　　i|　ヽ.　 　 　 ＼
　　　　　　 　　　　／ 　 ／ 　 　 /::::ヽ　_,斗:.:.:.: : 　 |　　 !　　:...　　 ＼
　　　　　　 　　 　 〉 　 　　　　::ー‐^´¨　|:.: : !:.:..　ﾄ､　 |　　 :.:.:...　: :..｀ー-､
　 　 　 　 　 　 　 |　　　| 　ｉｌ　　::|　　 　 　 ! ::∧:. :. 　,=‐ｉ　　　:.:.:.:.:...:.:.:..:.:.／
　　 　 　 　 　 　 /　.:.:.:.:|　 i| 　 ::| 　 　　　 | / ,ｨ|,.イ´__ ∧　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　/ :::／イl|　 ｌ|　 ::|=､＞ｰ=､ ｉ′|:rレ弍¨ヽ ﾄ :.:.:.:.:.:.:.:.:.／　　　　　「なるほど。
　　　　　　　　./::／　 /　　　|　　|´戈¨Ｔ |ﾄ==､||　弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　 剣にも槍にも体術にもカタナにも、
　　　　　　　　ﾚ'゜ 　 /　／　 iヾヽ! 辷_ソ｣|　　 ヽ=＝＝=='　ﾏヽ.:.:r-‐'´　　　　　 二刀流にも理屈があるんですね。
　ｒr‐、 　 　 　 　 　 レ'　ﾚ'〉　! ヾﾆ==＝ ′〈　　　　 　 　 　 'ノ::;;;>
　ﾄ'　| 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ヾﾇ、　　　　　 ｀　　　　　　　,/‐'´　　　　　　　　　 それに縛られているかどうかが、
　| 　|　　　　　　　　　　　 　 　 ￣ヽ　　 　 　 ー‐　　　 　 /　　　　　　　　　　　　一つの目安になるわけだ」
..ﾉ 　l'⌒!　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　 　 　 　 　 _, ィ´
´　ノ^ヽ '､　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀¨ﾆt-　　-‐'　ﾄ-┐
　　／｀ヽ.ヽ、　　　　　　　　　　＿　 　/´iイ　　　　　 |/　ヽ―-- ､__
　　 ‐'´｀ヽ. ｉ､　　　　　 　 　 ／i　 ゞ7″ | ′　　 　／　 　 |　　　 　｀ヽ、
＼ 　　イ-' 　ヽ　　　　 　 ／　 i　　/　,ﾍ |＿___,_／ |―､　 |　　　　/　　ヽ.
　 ヽ.　 ″　 　 ｌ　　 　 ／-‐'´ | .//／　ヽﾄ-―/ニ,ﾉ　　＼| 　 　 /　　 ＼'､
　　　＼　 　 　 l.　,.-‐' 　 　 :　ﾚ' ′　　く !　 //　　　　　　　 　 / 　 　 　 ヾ、
　 　 　 |　　　　.ﾄ''　　　　　　! .|　r―┐　 | ,//　　　　　　:. ｌ　 /　　　　　　　｀ヽ、
　　　　 l　 　 　 l､__　　 　 　 ﾚ' 　|　　|　　i/o’　 　 　 　 :.:. !　|　　　　　　　　 　 ヽ、
　 　 　 |　　　　 |／＼　　 　 |　 　￣´　 / /　　 　 　 　 :.:.:.ヽ⊥_　　　　　　 　,.-＜}
　　 　 ﾉ　　　　｜　　 ヽ.　 　l　　　　　　{i∧　　 　 　 　　:.:.:.:.:.:.:.|＼　 　 　 ／　 　 ＼



剣を基本と喩えれば、槍は突進力や貫通力など直線的な性質を持ち、
刀であれば速度と切断力に優れる。

言葉はそれを認めた上で、その枠を超越した戦士が居る事を示唆し―――



:::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ:::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::ｌ:::::ｌ:::::::::::::ヽ:ﾞ:,
:::::::::::::::::::::/::::::::::::/|::::ｌヽ::ｌ::::::::ｉ::::::::',::}
::::::::::::/:::::ｌ::::::::::::/ .ｌ::::ｌ_ }::ｌ:::::::::ｌ::::::::ｌ:|
:::::::::::ｌ:::::::ｌ:::::::::/ _,.ｌ:::/ ｀!::!:::::::::|ｌ::::::ｌ:ｌ
::::::::::ｌ::::::::ｌ:::::::/'´ .ｌ::/_　ｌ::ｌ::::::::::l ｌ::::l|ｌ　　　　「そうね。
::::::::::ｌ:::::::::ｌ:::/ 　 //气, ｌ:ｌ:::::::::::ｌ ｌ::/l!　　　　 たとえばやらない夫君の持つ両手剣なんかは、
:::::::::::ｌ::::::::l|::{ ,;彳/;rｌ　 l∧:::/|:! ｌ/　!　　　　 切断すると言うよりは叩き付けるって言った方が一般的よ。
i:::::::::::ｌ:::::::ｌｌ::i　／0j ｌ 　!　ヽ、ﾘ
:l:::::::::::l::::::l ｌ:i　　｀‐-　　　　 冫　　　　　　　 でも、彼はそうじゃないでしょう？」
:::ヽ::::::::ｌ::::ｌ ヾ　　　　　　 　 /
:::::::::ヽ::::ｌ::::ｌ　｀　　　__　,.　ﾉ
::::::::::::::ヾヽ:ゝ　 　 　 　 ／
ｉ:::::::::::::::::::｀:ｌ ､ _　　　 /
.ｌ::::::::::::::::::::::::ｌ/　￣￣
　!:::::::::::::::::::::ヽ
‐-ヽ:::::::::::::::::::::＼
　　 ＼::::::::::::::::::::::＼

八３５１．
先日、やらない夫がこんなのただの芸だけどな、と言って見せた神技が
瞬発力と切断力に優れたカタナや細剣ではなく、
彼が持っているバスタード・ソードで行われた事を思い出したジュンは、肩をすくめて同意する。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　Λ／　〈 へ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヘ|　　 　　　　 ,＞
　　　「はい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　∠　　/　　　〉ヽ　 ￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ノ〈 |＾＾| /＼ﾄ､　　ﾄ､l
　　　 放り投げた金貨を、　　　　　　　　　　　　|／| .ﾊ|__ |/＿__　ヽ　 ヽ
　　　 落ちてくる間に五枚に下ろした時は　　　　l/　　|‐|　　 |―ヽ＿|
　　　 ぶったまげましたよ」　　　　　　　　　　　　　 | ￣ c　￣　　　6 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　ヽ (＿＿＿_　　,-′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ＿＿＿ ／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ＼∨／　l ＾ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　 |　　|



./::::i.:..:i.:..:.:i.:.:.:/ /.::///:/　　 .|.:i.:.:i.:.:.:.:i.:.:.
|:.:.:i.:.:.:i.:.:..:i.:.:/ //// 'メ__　　 .|:.ﾄ, i.:.:.:.:i:.:.
|:.:.i.:.:.:i.:.:::i:.:{i:.ﾝ´/´ /　　`'''ｰ.f;| |.:i.:.:.:i.:i:.:
|:.:ﾊ::i.:.:i.:..:レiｆ´/.／　　　　　 .|i'.`|.:i.::.:i.:i::.　　　　「私も、調子の良いときに
.ヾiヾi.:.:i.:.:i{| i　　　　　 　ｧ--=ｪ､ |ﾘ.:.:i.:ﾘ:.　　　　 三枚なら出来るんですけどね。
　ヽ､{:.:ﾄ;:::ト､ｒ;ﾆﾐ　　　　 "￣＾`ｿ/;:ｲ.:i.:.:
　　　.|ﾄ;ヾ'ﾐ､":::::　 　　　　::::::::　/'.|.:i./.:.:　　　　　『飛燕剣』の訓練には良いですから、
　　　 |i.:｀ﾍヽ. 　　｀ .__　　　u　　/i.i:/:.:.::　　　　　 ジュン君もやってみるといいですよ」
　　　 |.:i.:.:.:i.:i｀;;.､. 　　　　 　　 .ｲi/i/.:.::.:
　　　 .|:.i.:.:.::i:i.:i.:.:i｀;;...､._　,　'´ 　|i.:i.:/.:.:.:
　　　　|.:.:i.:.:.:i.::i.:i.::i.:.::.:;:i 　　　　.|:.i/.:.:.:.::



斬撃の軌道を途中で鋭角に変えて
Vの字型の攻撃を刹那に繰り出す剣技の事を言った彼女は、
もちろん五枚は極端な例ですけどね、と困り顔で前置きした上で、

八３５２．
ジュンの持つ類い希な素質と、それを活かした戦術を磨くように言った。



　 |/.:.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.::／.:.:.:.:.: /<ヽ.:.:i.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　.|i.:.:.:/.:.:.:.:/.::.:.:.:.:.:/.:.:.:.:／.:.:.:／;;//iﾍvwｖ| :|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　|.:.://.:.::.::/.::.:.:.:.:/.:.:.:／:.:.:／;;／///　　　 .|.:|.:.:.:i.:.:.:.:i.:.:.:|
　|:.:| |.:.:.::.:i.:.:.:.:.:::i.:.:.://.:::..／;;;／.//　　　　 |:.:|i.:..:i.:.:.:.:i.:.:.:|
　|:.| .|.:.:.::.:i.:.:.:.:.:i.:.:/ｰ;;／ソ／　// -＝=､_.|:.| |.:.::i.:.:.::i.:.:::|　　　　 「それはともかく。
　.|:| .|.:.:.:.::i.:.:.::.:i.:.:ﾑ;ｒ-y,ﾈ'　　//　-_､,,,,__ .|:;ﾍ|.:..:i.:.:.:i.::..:|
　 ii　|i :i.:.::i.:.:.:.:|ﾔｹiﾃうﾄ`　 ,/'´ 　'´,ｹﾈﾃﾞﾇ;., |.:.:i.:.:/|.::.::|i　　　　 ジュン君はとても良い眼―――つまり『分析力』を持っているわ。
　 .` |iﾄ,.:i..:i.:i.:..:|{_|;:::::`}:|　／　　　　　|{::::::f;;ｲｿ:.i.:.ｲ./.:.:.::|i　　　　 私達と並ぶか、それ以上の。
　　 |i|i.:.::ﾄ,.:iヾ;;:| ｬ:::::,ソ　　　　　　　 .ｾ_:::::ソ/.:.:/.|/.:.:.:.:|.i
　　.|i|i.:.:.:;iヾ;ヽトヽ￣　　　　　, 　　　　.~￣ /イi.:.:|i.:.::.:.:.| .ｉ　　　　その眼を活用し、
　 .|i |:i.:.:.:.:i..:`,ﾐ:ト､　　　　　＿＿　　　　　 ' /V::./.:.:.:.:.:||　i　　　　戦いを有利に組み立てる事が出来れば一段………
　 |i .|.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:トト`: .､.　　ヽ __丿　　　 , ｒ'´.:::|.:.:/.:.:..:.::||　i　　　　………いいえ、二段上の相手にも互角に戦えるでしょうね」
　|i　|:.:i.:.:.::.:.:i.:.:.::i.:|;:;:;:;::`i 　､ __　, .　ｒ'´;:;:i:;:;;:/:/.:.:.:.::.:.:|.:|　ii
. |i　|;:;:;i:;;:;:;:;:;:i;:;:;:i:;|_,／ i　　　　　　 :ト､;;;;i;;;//;:;:;:;:;:;:;:|;:;::|　.ii
.|i　.|;:;:;:ﾄ;:;:;:;:;:;:;:i;:;::i:|　　　　　　　　　　　＼/';: /;:;:;:;:;:;:i;:;:::|　 .ii
|i　.|;:;:;:小;:;:;:;:;:;:;::i;:;::|＿,,...,,_　　　._,,,＿＿:/;::/;:;:;:;:;: /:|;:;:;::|　 .ii
　 ﾉ'´　|:ﾊ;:;:;:;:;:;:;:;:i :|`ヽ,　　　　　　 , ｒ'´/;:/;:;:;:;:;;:/;:/＼;::|　　ii
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それはやらない夫も思っていた事で、
自分の方向性を見出したジュンは
それからもめきめきと実力を高めていく事になる。



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│　　出る機会を失って　　　　　　　　　│
│　　立ち聞きになってしまった人　 　 │
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40 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 21:51:24 ID:Op5SWy7x ジュンの成長速度はやらない夫以上なのか これなら多少毒を飲ませても大丈夫かな 41 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 21:51:55 ID:WewNL15A やらない夫可愛いよやらない夫ｗｗ

八３５３．
今のジュンなら、並大抵の戦士では相手にならないだろう。



　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　..／　　　　　　＼
　　　 　　　　　　　　　| 　　　　　:　:::::::|
.　　　　 　　　　　　 　 |　　　　　:::::::::::::|
.　　　　　 　　　　　　　|　　　 　 :::::::::::::|　　　　（もう少しだ。
　　　　　 　　　　　　　 { 　 　　 :::::::::::::::|　　　　 もう少しで俺は、
　　　 　　 　　　　　　　{ 　 　__＿＿／　　　　　一つの約束を守る事が出来る―――）
　　　　　　　　　　　　　(, .／_.,r'ﾆﾆ'r
　　　　　　　　 　　　　ﾝ:`三ｰ`_:ニﾆ:'r
　　　　　　　　　　＜:::::::::::､ニ,´::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　,.-''´::;:､::-;::::::::::::::::::::::::ｒｌｯ
.　　　　　　　　　ｒ{:::⊂-='"::::::::::::::::::::::::::::ｆｧ
　　　　　　　　　 ｒ!:::::ｒ:::{ﾛ}::っ:::::::::::::::::::::/
　　　　　　 　 　　ｌ::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::ｌ
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　　　　　　　　　/:::::::::::/::::::::::::::::::::::::;::::ｌ
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　　　　　　　 ｆ::::::::::::/_,. -――''"Ｔ::::::;'
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　　　　　　/::::::::::::/::::::::::::::::::::ｌ:::::::::';::;'　.
.　　　　　/::::::::::::/ゝ:::::::::::::::::::ｌ::::::::::Ｙ.



ならば後は自分が上手にやるだけだ、と気合いを入れたやらない夫は

八３５４．
降りしきる雨を一度だけ見やり―――



┏──────────────────────────────────────────────┓

　　そして―――

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へへへへへへへへへへへへへへﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍ　　 |
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|　|　　!l |! !　 l　| ! |　|i　　 |　!ｌ　| |　l　ｌ　!ｉ| |　 l i ||／.:.:.:.:.:＼
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|　|　 !l 　!　 　!　 | |　| !　 |　!　ｌ | |　|l　il |!| |／　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
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赦されざる者が待つ、最後の舞台へと向かう。

八３５５．
彼らを正式な裁きの場に出す必要は残っていない。
もはや、動機も理由も聞く必要は無い。

ただ二人に望まれる事、それは一刻も早く表舞台から姿を消す事のみ、だ。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -────--､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;:;:;:;:　　　　　;:;:;:;:;:;:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;:;:;:;:　　　　　　　　　;:;:;:;:;:ヽ、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;:;:;:､i!i!i!i!i!`､　 　 　 　 　　　　;:;:;:;::.l
　　　　　　　　　　　　　.　　　　l __ノ' i!i!i!i!i!"ｰ--　　　　　　　　;:;:;:;:.|
　　　　　　　　.　 　 　　　　　　L!０　）li!i!i!i!i!|（０　）l　　　　　　;:;:;:;:;:|　　　　　「イチジョウ、ギャブレット。
　　　　　　　　　　　　　　　　　j`ー’i!i!i!i!i!i!i!`ー "　　　　　　　;:;::;;:;:|
　　　　　　　　　　　　　　　　 /;:;:;:　　ｊ 　　;:;:;:;:　ヽ、 　　 　 　..;:;:;:;:;:|　　　　　この世の全てに、お別れの挨拶は済ませたか？」
　　　　　　　　　　　　　　 　 丶､_＿_ﾉ"ヽ、＿_＿__ﾉ,ノ'!}　　　;:;:;:;:;:;:|
　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　ヽﾊ＜/Vヽ jv-,_,.ｨﾉv'ﾘ　　　;:;:;:;:;:;:;:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ-､} ,.´-‐ｧ￢‐,,'/　　　;:;:;:;:;:;:;:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l　/　 ／　,､r7　　　　;:;:;:;:;:;:;:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j∨　　 ,}ヽj／　　 　　;:;:;:;:;:;:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊｆvﾍﾊﾉゝ'_,.　　 _＿＿＿_ノ |＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽr ´　　　 　 厂..:..:..:..:..:..:..:.::.::.::.::￣
　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -rr:ｫ　 ヽ;:;:;:　　 ,..ｲ..:..:..:..:..:..:..:..:..:.::.::.::.::.::..
　　　　　　　　　　　　　　　j:..:..:!|::.|　　丶＿..ィ.:::/..:..:..:..:..:..:..:..:..:.::.::.::.::.::.::.:.
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国王が逝去してから実に半月。
その間、十分過ぎるほど国主と大騎士団長の座を味わった二人に、
裁きの刃が振り下ろされるのはもう間もなくの事。

たとえ彼らが最後の抵抗を見せようとも、結果が覆る事はないだろう。
未来はすでに、選ばれてしまったのだ。

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45 ◆FrtuoSIf66 10/11/12 21:54:52 ID:AqBReZrA 本日の投下は以上になります。 閲覧、合いの手ありがとうございました！ 次回は第八章その６になります。 49 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 21:56:42 ID:Op5SWy7x おつかれー ランサーのことは、事情がわかっても何らかの処分を下さなきゃいけないから 真紅もやらない夫も苦しいだろうな 50 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 21:57:04 ID:WewNL15A 乙でした。 とうとうクライマックスが近づいてきましたね。 やらない夫がこの事件にどう決着をつけるのか今から楽しみです！ 52 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 21:58:54 ID:pSGvZZhZ 乙です ついにイチジョウも終わりか 53 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 21:59:48 ID:9gRzER9V 乙でした！ 傷薬は結構あっさりいったなー 54 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:01:07 ID:fP1h/2CO 乙でしたー ってかやらない夫ＫＯＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥＥ 55 ◆FrtuoSIf66 10/11/12 22:02:08 ID:AqBReZrA >>46-54 乙と閲覧をありがとうございました。 一話も、残すところあと数回の投下となりました。 残りも全力で頑張って行きますので よろしければ見てやってくださいな。 56 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:02:20 ID:qwKgBWuY 乙です！ 軟膏さんの性職者っぷりは最高でしたｗ つーか、相変わらず投下中はみんな引き込まれてレス無しなのが最高ｗ 57 ◆FrtuoSIf66 10/11/12 22:07:41 ID:AqBReZrA >>56 乙と閲覧をありがとうございました。 >>56 ほんとうちは合いの手すくないですねー(･ω･`) 武丸さん辺りで引っかかる人がいるかと思ったんですがｗ 68 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:22:25 ID:qwKgBWuY >>57 そんだけこの話に引き込まれてるんですよ 子供のときに見ていたアニメとか戦隊物みたいにｗ 次も楽しみにしてますね～ 60 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:10:40 ID:/Drey8Dl 合いの手はなんか、遠慮しちゃうんだよね。 >>1の作る空気を崩したくないというか。 それほどまでに魅力がある作品だと思うよ。 よっぽどのギャグだったら思いっきり乗っかるけどさ。 62 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:13:53 ID:UoEEHgJt 乙です。 合いの手は、なかなか話に引き込まれて入れにくいですね。 武丸は全然思いつかなかったです。 次は、入れれる様に努力しますね。 63 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:14:06 ID:BfHvNyjR そういや、あまりギャグ要素はないよな。 でも面白い。ふしぎ！ 65 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:18:34 ID:9gRzER9V ギャグ回ならともかくシリアス＆クライマックスな今の雰囲気は合いの手入れづらいよ！ かっこいい静寂的なものを崩したくないんだよね 66 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:19:27 ID:rwQDH0PR おつ 真紅さんには大岡越前ばりの裁きを期待したい 64 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:17:31 ID:PdeqMJam 乙 イチジョウはクーデターを起こした割に反撃を見越してなかったのかな 名有りの腕の立つ傭兵を何人か雇って備えてもいいのに 67 ◆FrtuoSIf66 10/11/12 22:20:07 ID:AqBReZrA >>56-59 >>61-64 >>66 乙と閲覧をありがとうございました。 >>60 その分、大勢の方から乙をいただけているので へこんだりはしていないんですけど。 ギャグのセンスは多分ないので難しいですね、アハハハ　orz >>62 無理して合いの手まで入れて頂かなくても、 読まれて乙が頂けるだけで>>1は小躍りするぐらい喜んでいます！ >>63,65 世界観やキャラ崩壊をするようなギャグや、 メタネタは入れないように気をつけています。 そもそも上でもかいたのですが、ギャグセンスが無いともいいますが。。。 >>64 十三人衆がそれにあたるんじゃないでしょうか(ﾟДﾟ) 何を血迷ったか魔符係にしてしまったので 役に立たなかったようですね。 また、親衛騎士が居る以上、 物理攻撃は殆ど意味が無いとも思ったのかもしれません。 70 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:23:30 ID:xF9vyQl/ 乙でしたー 流石にあの場面で「疼くんだよぅ……」とは言えなかったぜ… 71 ◆FrtuoSIf66 10/11/12 22:24:51 ID:AqBReZrA >>69-70 乙と閲覧をありがとうございました。 >>68 実は、合いの手が少ないと 「やらない夫オンリーブログ」さんがまとめるのが 楽そうだなーと思ってましたｗ ※仰るとおりです。 72 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:25:39 ID:GjTeYEPZ ジュンの戦いが楽しみすぎるだろ 左手は添えるだけを思い出すわ 73 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:28:39 ID:j/ptWi/J 乙、やらない夫かっこいいけどKOEEEEえ 74 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:32:25 ID:c/XuSa5c 今追いついた！ 乙！ いよいよクライマックスか～ 76 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:37:12 ID:B5HRZpSr 気にせず合いの手入れました たけまるっぽいとこなんてあったのか 気づかんかった ﾋﾞｷｯとか？！とか入れてもらえると 78 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/12 22:38:10 ID:nBQVe8hS 投下お疲れ様でした。 つーか、改めて思えば、この濃さと内容でまだ一話なんだよな・・・ この話の終わりも、この話の続きもどっちも気になるわ 80 ◆FrtuoSIf66 10/11/12 22:42:38 ID:AqBReZrA >>72-79 乙と閲覧をありがとうございました。 >>76 単にバゼットの父が武丸さんだったってだけです／(^o^)＼ >>78 ７月の終わりから開始して、、、 大体四ヶ月かかった事になりますね。 途中、原案に無い展開を入れたりなんだりしているうちに 随分膨らんでしまいました。 長編一本分ぐらいにはなりましたかね＜一話 83 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/13 00:10:42 ID:Yufdo2Kn 乙。 全てやらない夫の作戦通りに進んでますね。あとはジュンがどう動くのか。 ここが騎士としての分水嶺ですかね。 124 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/14 20:08:08 ID:JZJp4Jzv 踊るっつーとあれか、大小のもふもふふさふさ癒し系マスコットが呪文を唱えながら左右にゆらゆらと 125 ◆FrtuoSIf66 10/11/14 20:22:37 ID:Nfk7Ne8R やっとプロットがまとまった。。。 220kbぐらいだー(ﾟДﾟ) というわけで休憩とおまけ。 　　,.へ　 　 ,.へ __＿　　　_ ........... _ 　　_＿＿ 　　|　 |::⌒::::／ヽ::::::::〉＜　　　　　　｀´　_..∠..___ 　　|::::{::::○:〈　/　＞' /´　 　 　 　 　 ﾍ　 ヽ／ 　　|:::::|ゝ-イ　!／::://　|　i__//∧__!__.| !　 ヽ＼ 　　|:::::| :|:::::|∠:::::;ｲ｜ 下ﾍ///　∨八リ　　 !｀ヽ 　　 ＼:>L::」｜　:!| _|　 |三三 　　三三ﾘ　/ﾘ 　　 　 　 | |　|　 :|i{: |　 |､､､　　　　　､､､Ｖ |　　　風呂に行ってしまった>>1のキャスティングメモを見たら 　　 　 　 | |　|　 :|!ﾍ:!　:|_＿_　　　　　　 八|　　　私の名前があったんだけど×と○と二重線がついてる……… 　　 　 　 | |　|　 :|　 ﾍ　!::::/､　っ _,.､イ:＞ |　　　 　　 　 　 | |　|　 :|..,,ィ∧∨ゝ人_人:::::<| :/｜ 　　 　 　 | |　|.,..ム へ:::ヽ∨／___ヽ::::: |/　:| 　　 　 　 と二 ＿...,.＜::::::l |:::::::::::::::::l|:::| l　:| 　　　　　 | |　|/::::::::::::::: {ヽﾘ､:::::::::::::;ｲ:::リ:!.:| 　　　　　 | | ./:::::/::::::／ ＞::;:｀:::＜:ノﾍ:::: |/ 　　　　　 | |/:::::/:::::く_／　く::::＞::､_〉　|:::::| 　　　　　 | |:::::/:::::::::::::｀ｰ{ーﾍ、,:イ_.」┤:::| 　　　　　 | |／｀ヽ:::::::::::::├‐┤::├‐┤|:::/ 　　　　　 | |　　　 ｀￣￣'| :::｜::｜::: |::ﾚ′ 　　　　　 [:]　　　　 　 　 乂ノ　 .乂ノ 　　　　　　　　　　　　 ＿_ 　　　　 　　　　　　′　　　 ｀ '　､ 　　　　　　 ／　　　　　　　　　　＼ .　　　　　 /　/ /　|　∧　　＼　 　 ヽ 　　　　　/　/　:|:| :| :|　|.:.:.　;l_ｌ__.: |: |l 　　　 　 |　 |　.:从7ナ'ヘヽ;.:}ﾚ从/ノﾘ 　　　 　 |　.:|　.:.|ィ孑テ' ｀ |ﾉｲｿ}:.|　　　　　　　　　原作をよく知らないから出すか悩んでるみたいね。 　　　 　 | .:.:|　 :ヽ, ゞｰ' 　 、｀´ | | 　　　　ノ.:|.:.:ヽ　.::ゝ　　　 _　 ／| ヽ 　　 ／.:.:.ﾉ:.:.:.:}　:.:.:.}｀　､_　イ .:.:|:.:、＼ 　／/.:.:./.:.:.:./ｌ　.:.:.:.〉_,_,_｣-┤ .:ヽ.:ヽ,　ヽ ./　{.:.:./ rｰく/　.:.:.:/ /∧　∧　 .:.:＼〉　 } 129 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/14 23:24:09 ID:hO3jBla5 >>125 ｗｉｋｉみればおｋ 126 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/14 20:26:22 ID:40rzb7b6 原作を見ればいいんだよ！ 127 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/14 20:41:03 ID:ZzzINLNn 踊るって言われると、真っ先にユートピアと思ってしまうんだが・・・ 128 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/14 21:04:19 ID:rJFyDnKg あ、勇者のお供のぺたんｋ（ｺﾞｼｬｧ 130 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 01:34:04 ID:EwJgwAbj フェイトそんを！ フェイトそんの登場を激しく希望します 131 ◆FrtuoSIf66 10/11/15 18:34:36 ID:UhG2yFqa こんばんは。 寒いし雨が降るしでもう大変。 皆様、全裸待機される場合は 風邪など引かぬよう室温を適度に 保ってからでお願いします(′･ω･) 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 __　　　　　　　　　　 ／￣＼ 　　　　　　　　　 /⌒＞‐く⌒i　 ＿＿＿／＼/／￣￣ 　 　 　 　 　 　 /　く: : :.:l／￣￣｀　　　 ｀¨¨´｀ヽ 　　　　　　　　/　　∧／//　　 　/　 　 |　 ＼ 　 ＼ .　　　　　　　/,　　 〉′/　　 --､　　　　レ-- ､　　　＼ . 　 　 　 　 〃　　/ 　/　,ｲ　　 　 　 /　ﾊ　 　 lヽ 　 　 ＼ 　 　 　 　 /,′　/　　l　　　 　 /　,〃　′　∧ !　　　　l⌒ヽ　　　　>>126,129,130 . 　 　 　 //　 　 　 / ! 　 | 　./j／/／ 　 j/　jﾊ　　 │| 　 　 　 // 　 ,/　　l　|　　|　,∩　 　 　 　 ∩　 l　 　 ﾊj　　　　　　wiki見て何とかなりそうなので . 　 　 /　　 〃　　　>|　　lV ∪　 　 　 　 ∪　 ﾄ､　∧　　　　　　　キャラ枠が決まったようです！ 　 　 /　　.//　 　 /　|　　| ::::::.　　＿__　　 :::::　　j/＼ . 　 /　 ／ '　　　/　　　　{＞　 　 ､＿ﾉ　　イ l 　 ! 　　　 /　│　 　 !　　|　　l　／:ヽ_(::)∨＼.　!　ヽ　ヽ　 ! 　 l　/　　.| 　 　 |　　′　|/:r～┼|l|:.l!: :._.＞　　 　 l 　| 　 ﾚ′　　 ＼}　 |　/　 　 !: : :. :.:.Y¨.:.lヽ: : :.:.:./ヽ | 　　　　　　 　 ＼jVｌ　 ／: ､＿＿_|: : :|:V>､.:.:.lヽJ !ｌ　　| 　　　　　　　　　 }: ｊ／: : : : :.:| 〈ﾊ〉: : |: ∨ ＼!/　.jﾊ　/ 　　　 　 　 　 　 {:.:/: : : : : : :.l: : : : : : | : : :.. 〈ﾊ〉　　ﾚ′ 　　　　　　　　　 V: : : : : : :.,/: : : : :. :.|: : : : 〉 　 　 　 　 　 　 　 ＼＿: : 〃: : : :./}: ﾊ: :／ 　　 　 　 　 　 　 　 / ∧＿＿,.ィ¨７¨¨´ 　　　　　　　　　　 /_/ 　 　 　 /_/ 　　 　 　 　 　 　 〈_/ 　 　 　 〈_/ そもそもこの作品における登場人物は 原作設定ほぼ準拠せずなんだから気にする必要が無かった＼(^o^)／ 132 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 20:32:11 ID:5HwZHoyw フェイト参戦ｋｔｋｒ！ 第何章から登場する予定なんですか？ 133 ◆FrtuoSIf66 10/11/15 20:41:03 ID:UhG2yFqa 　　　　　　　　　　　 |＼　　　　　　　　　　 ＿ 　　　　　　　　_, -￣ ヽ|　―― ＿_　　 ／　/ 　　　　　　　｀ ｰｰ-ｧ‐ 　 　 　　　　` ､/, -､' 　　　　　　　 /　/／ 　// |　∧/ﾘ/ﾘ.ヽ ￣ ＼ 　　　　　　　 ￣/　l !{ ﾚ┼l‐l 　 l┼|‐.|､ｰ--‐` 　　　　　　　　　＼!ﾍ∧　●　　　●　|　|　|　 |　　　　「………言っていいのかな？」 　　　　　　 　 　 |　 |ヽ}⊃　､_,､_, ⊂⊃　|ﾊ|　 | 　　　　　　 　 　 |　 | 八　　 {　 }　　　|　|.ノ|　 | 　　　　　　 　 　 |　 | lr'⌒)､._￣_ (⌒ |　|　 |　 | 　　　　　　 　 　 |　 ｌ/ヾ三} ''i.|.i''",彡 !　|　 |　 | 　　　　　　 　 　 |　 |ｌ　　 ﾉ -山-l　　ﾍ　|　 | 　| 　　　　　　 　 　 |　 | ゝｰ' く_./ ヽ._>＿_ j　/　　| 　　　　 ＿＿＿_ 　　　／　　　　　＼ 　 ／　　─　 　 ─＼ ／ 　　‐=・=‐　‐=・= ＼　　「やる夫と同じ五話予定だお？ |　 　　 　 （__人__）　 　 |　　今言ったところでこの>>1のペースだと ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／　　 2011年冬頃とかになりそうだし 　　　　　　　　　　　　　　　　 言っても大した影響はなさそうだお」 現在の>>1の予想 一話　2010/8～2010/11　（ボリューム指数130） 二話　2010/12～2011/2　（ボリューム指数45） 三話　2011/2～2011/5　　（ボリューム指数55） 四話　2011/6～2011/12　（ボリューム指数200） 五話　＼(^o^)／ いやぁ、、、なんだこれ。 どんだけ書きためしないといけないんだろう。。。 134 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 20:43:01 ID:NS6uYd0m 何という超大作乙乙 135 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 20:43:03 ID:5VBtjzuS それだけ期間があれば原作だって見れるんじゃないかｗｗｗ 136 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 20:43:25 ID:Xa7OhVIF 長いなｗｗｗ 無理すんなよー 137 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 20:47:34 ID:1an1dIu2 再来年まで出番が無いよ！ やったねやるちゃん！ 144 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 21:33:36 ID:+FnSapSQ 壮大すぐるわろた。 鬼が大爆笑しそうですね。 ま、まぁ無理のないペースで投下お願いします。 147 ◆FrtuoSIf66 10/11/15 21:44:04 ID:UhG2yFqa 一話一話、一回一回を着実にこなしていれば いつかは終わるでしょう多分。 童帝さんのサクラスレもこのあいだ１００超えましたし、 蕪菁さんの所みたいにめちゃくちゃレベルの高いＡＡと 安価管理、各ヒロインendとかがあるわけでもないので、、、 楽しみながらのんびりやっていきましょうね、はい(･ω･`) そんなわけで現在の書きため状況 →30枚ぐらい 148 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 21:54:36 ID:BY9vCUTu まとめで再度一気読みしてきたけど、途中で止めれなかった。 読めば読むほど、やらない夫の今の話も続けてほしいけど 賢者の石編も気になって仕方ないです。 150 ◆FrtuoSIf66 10/11/15 21:59:00 ID:UhG2yFqa 　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /∧ ,.. :´: :￣￣￣: :.｀丶、　　/∧ 　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .〈〈 〉〉: : : : : : : : : : : :__＿: :＼.〈〈 〉〉 　　　　　　　　　　　　　 　 /: :∨/: : : :／: : ∧: : : : : : ＼:.:｀ヽ/∧ 　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : !: ／: : : :/　∨: : : : ﾊ: :ヽ: :ﾍ: :∧ 　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : ﾚ':.: : :.／ー'　i: :.;ー'　∨: : ハ : ∧ 　　　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : i: : :／　-　　/／ -　　 ∨: :.:ﾘ: : :∧　　　　　　　　>>148 　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : !: :/￣￣｀　〃　´￣￣　ｉ.: :/: : : :.:∧　　　　　　　「ミツカミの話は歌ってはならないと約束させられていますし、 　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : :.:/!:/:!　　　　 　 　 　 　 　 i: / __: :, -―- ､　　　　　真相を知る者も殆ど居ないので、 .　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : :,'Ⅳ: |　∪　 　 　 　 　 　 /ｉ/:/　! : : : :.∧.__,r‐､　　 賢者の石事件について語られる事は無いと思いますよ。 　　　　　 　 　 　 /: : : : : : : : : ; ∨:.:|　　　 r――┐　　∧: i.{ 　!: : : : : :./ ﾉ　〈 .　　　　 　 　 　 /: : : : : : : : : :.:　 V:.|＼　　｀￣￣´　,.イ　|/ | 　＼　 ,.-ﾉ./　 /　　 あの話は噂話や断片程度で推測して頂くしかありません」 .　　 　 　 　 　 ,′: : : : : : : : : l　　ヾ! /::｀:ｰ‐┬‐‐ く　 　 ′ >､ 　 Υノ　　 / 　　　　　　　　.: : : : : : : : : : : :l　 ,ィ≦｀＼:.:.／＼:.:.:.i≧r 、　 {__:.!　　!;.-' 　/∧ 　　　 　 　 　 .: : : : : : : : : : : :l／｀ヾ:.:.:.:.:.:∨ﾍ: : jヽ:.j:.:.ﾊ ﾍ　 ノｉ ＼　|　 .;.ｲ、:∧ .　 　 　 　 　 i: : : : : : : : : : : :l　　　 }:.:.:.:.:.:.:.:.:.i|: :|!:.:.:.:.:.:.:',　ｉ//ﾊ　ヽ　 ／丿ｉ :.:.∧ 　　　　 　 　 l: : : : : : : : : : : :l　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i|: :|!:.:.:.:.:.:.:.:∨////////////!: : : : '. .　　　　　 　 l: : : : : : : : : : : :l　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: i|: :|!:.:.:[￣]:.:.}ﾊ///////////j: : : : : '. 　　　　　　　l: : : : : : : : : : : :ｌ　／ﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:. : i|: :|!:.:.:.:.:.:.:.:.,' 　〉､_,////////: : : : : : i 　　 　 　 　 l: : : : : : : : : : : :l /　　 j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i|: :|!:.:.:.:.:.:.:.:.i　////￣￣///: : : : : : : | 151 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:02:08 ID:BY9vCUTu >>150 そういえばそういう話が有りましたね。残念ｗ 153 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:07:34 ID:arlT096a ミクさん、ミクさん 清貧勇者できる夫の歌の予定はありますか？ 155 ◆FrtuoSIf66 10/11/15 22:17:12 ID:UhG2yFqa >>153 　　　 　 　　　＿＿＿_　　　, 　　　 　　　／　　　　　＼　 - 　　　　　／　　⌒　　　⌒＼` 　　　 ／　　 （ ●） 　（●） ＼　　　　「おや、なんか嬉しい声があがっているようですよ！」 　　　 |　　　　　　___´___　　　 | 　　　　ヽ、　　　 `ー '´　　 ／ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　／　　 /　　　|　　　 ヽ 　　　　　 ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　/　　　 /　　　　ヽ.　:.:.:.　＼　 ｉ　　 　 ', 　　　「ええっ！？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　|　 .:| :._｣__ 　　:.:. .:.:|＼_,. L _',　|　　ｉ　　} 　　　 出番！？出番があるの？　　　　　　　　　　　　　　 |ﾊ　|　.::.|/| ∧|ヽ:. :.::|イ厂 _ｉ__.:..:|:＼　　|　　| 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 || |ｉ |　 .:|.:レ‐-ﾐ ＼:.:|从ｨﾁ-､ ＼|:.|　　.:|　　| 　　　 ちょ、ちょっとロレンス！　　　　　　　　　　　　　　　　　| ﾊ＼| {　んﾍ　 ﾚ'　　|ﾊ_ｒ'}　/|/　　:.:|　　| 　　　 エステとメイク道具のお金ちょうだい！　　　　 　　　　ﾚ∧ ::.|　 辷.ﾘ　　　　 ヾ-┘　/　 :.:.:∧　 | 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　| :.:.|　"　　'　　　　　　u／　 .:.:.:./.:..:',　' , 　　　 こんなぼろぼろの状態で映りたくないわ！」　　　　 ／　 /.:.:ﾊ　　　　ｒｧ-､　　 ／　　:.:.:.:./.:.:.:.:.:ヽ. ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ／　 ／ :.:＼:＼　　 Ｙ___.）　/ 　　 :.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　　:.:.:く⌒ヽ、　　　/　　　 :.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:ヽ ヽ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼　　　:.:.:＼　| `ｰ‐ {　　　　.:.:（.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ　| 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ＼　　　:.:.:＼＼ｒ く　　　　　:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::/　 / 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　　　　　　＼　　 :.:.:.＼|ヽ ｀ｰ‐く｀ヽ‐､ :.＼.:.:.:.:.:.:.:./　／ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　 ::.:.:|　 ｢√ヽ.＼ヽ∨ :.:.ヽ.:.:.:.:/　（ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　　:.|　ｉ　　/ |＞ﾍ_}ﾉ　 :..:.',:.:（.:.:.　＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',.　/　 |　　 /　／　　　　.:.:）:.:＼:.:.　 ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿ 　　　　　　　　　　　　　　　,　-‐ ' ´￣　　`　　、 　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　―--.ｧ 　　　　　　　　　　　 .／　　　　　　　,　　　　　　.ハ、 　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 /　　　 /　 ./　 ﾄヽ 　　　　　　　　　　 /　　　 /　　　 l　　　!,ｨ　　/l　 ヽ ｀ 　　　　　　　　　 ム'　　　/ . i　　 ﾚ　ｨAﾄ＜N. l　!ﾘ｀ 　　　　　　　　　　/ｨ　　 .ﾚﾒ',i　　, ∧! '､''￢` .,''`'　　　　　　「財布担当して、そんな贅沢は許さん。 　　　　　　　　　　　ﾚ､　　 !爿ﾍ　l'　　　￣ '´ ヽ、　　　　　　今のところオファーも来てないしな」 　　　　　　　　　　　　 ヽ.　 ＼ゝ､l　　　　　　 　 / 　　　　　　　　　　　　　 ヽ,　 ,八　　　　 , -―, ' 　　　　　　　　　　　＿/: ヾ'´　 !｀＞ 、　 , i i j 　　　　　　　　＿／:.:/-―仆､　　　　 ﾌ/iニ´､‐---― ―- ､ 　　　　. -‐':.´:.:.:.:.:.:./: : : : l L ヽ.　 ／ 」 l: : :｀:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ 　　 ／:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:/'´￣:`!　､￣V´￣ィ　!-‐: ､',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ 156 ◆FrtuoSIf66 10/11/15 22:17:26 ID:UhG2yFqa 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,　-ｰ- ､ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　 ヽ｀　、 　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　/. l ｌ从、 从､｜ | l 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼!」＞ヽ'＜ '7 ｜! 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ|　 __　　 /　∧ヽ 　　　「でしょうねー」　　　　　　　　　　　 ／/　＞､ _｀イ　 l　 ＼＼ 　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　 〈　人　 ﾄr十一）　ヾヽ　〉 〉 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽl/ﾉ　 〉夲／　　/_::Lｌ. / 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r／　／ヾ〈　　　〈:::::::::＼＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/ 　 ./:::/::||､＼　　＼::::::::!　 ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ｲ　　〈:::/::/||::ヽ::）　　 ヽ::::ﾄ、 　 ヽ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ／　ヽ　ﾄゝ::/::||:::／　　l　　）:l　＼　　〉 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l |　　 f´ヾ｀:::/::::∧彡__ノ/!／::::|　　 l　/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 |::::::::::/::::::|　!＼:::::＼::::＼:l　／／ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌヽ|::::::::/::::::::|　|::::::＼:::::＼::::Y ／ 　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ノ　ﾉ:::::/::::::::::|　.!:::::::::::ヽ::::::ヽ」 | 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣/::::::/::::::::::::|人!:::::::::::::::::::::::::|　＼ 　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　/::::::/::::::::::::::|::|::|::::::::::::::::::::::::::!｀l￣ 　　 　 　 　　　＿＿＿_ 　　 　 　　　／　　　　　＼ 　　 　　　／　⌒　　　⌒　＼　　　「もう少し本編が軌道にのったら考えるかも知れませんが、 　　 　 ／ u （＝） 　（＝）　　＼　　先にロードマップを書いたとおりとんでもなく長丁場ですので 　　 　|　　　 　　__´___　 　　　　|　 まずはやらない夫さん優先って事で」 　　　　＼ 　　 　`ー'´ 　　 　／ 158 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:21:57 ID:W1Ol4zPt そのうち本格的に交わる事もあるんかなできる夫サイドと 159 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:22:30 ID:arlT096a JUMとの会合が見たくもありｗ 160 ◆FrtuoSIf66 10/11/15 22:28:33 ID:UhG2yFqa >>159 こうなると思いますよ？ 　　　　　　　 ／l 　　　 　Λ／　〈 へ、 　　　ヘ|　　 　　　　 ,＞ 　∠　　/　　　〉ヽ　 ￣＼ 　/　ノ〈 |＾＾| /＼ﾄ､　　ﾄ､l 　|／| .ﾊ|__ |/＿__　ヽ　 ヽ　　　　「えーっと、こんばんは。 　　　l/　　|‐|　　 |―ヽ＿|　　　　ジュン＝サクラダです」 　　　 | ￣ c　￣　　　6 l .　　　ヽ (＿＿＿_　　,-′ 　　　　 ヽ ＿＿＿ ／ヽ 　　　　　／ ＼∨／　l ＾ヽ 　　　　　|　|　　　　　 |　　| 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　＿＿＿_ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　／　　　　　＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／　　　　　　　　＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　＼　　　　／　　＼ 　　　　　「どうも、できる夫＝パーソクデと申します」　　　　　| 　 　（●） 　　（●） 　　| 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　　　　　´　　　u　／ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　　⌒　　　　　＼ 　　　　　　　 ／l 　　　 　Λ／　〈 へ、 　　　ヘ|　　 　　　　 ,＞ 　∠　　/　　　〉ヽ　 ￣＼ 　/　ノ〈 |＾＾| /＼ﾄ､　　ﾄ､l 　|／| .ﾊ|__ |/＿__　ヽ　 ヽ 　　　l/　　|‐|　　 |―ヽ＿　　　（呼ばれて来てみたけど、特に話題もないし………| 　　　 | ￣ c　￣　　　6 l　　　 というかなんでこの人、いきなり僕を睨んでるんだろう？） .　　　ヽ (＿＿＿_　　,-′ 　　　　 ヽ ＿＿＿ ／ヽ 　　　　　／ ＼∨／　l ＾ヽ 　　　　　|　|　　　　　 |　　| 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　＿＿＿_ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　／::::::::::::::::::＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／::::－::::::::::::－:::＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　（ ○ ）:::::（ ○ ）　＼ 　　　　（ブルジョワめブルジョワめブルジョワめ………　　　 |　　　　:::::::__´___:::::::　　　| 　　　　 その魔剣を私によこしなさい………）　　　　　　 　　　＼ 　　 :::::::::::::::::::: 　　／ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　:::::::::::::::::::::::::::::::　＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | 172 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/16 10:18:57 ID:LpqgTp/k 無理をせずに頑張って下さいねー。 >>160 美味いモン食わせれば、場の雰囲気変わるよ！ 161 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:32:19 ID:5VBtjzuS できる夫さんがだんだんヨゴレキャラにｗｗｗ。 早く綺麗なできる夫にしてあげてｗｗｗ 162 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:34:13 ID:8UwuQwPt できる夫さんは幸せになれるのかなぁ… 163 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:34:36 ID:arlT096a 多少汚れた方が深みがあるじゃないｗ ヨゴレたできる夫も、大好きだw 164 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:35:15 ID:wwbUFiWG クソ笑ったｗｗｗ やらない夫相手ならこうはならないんだろうなｗ 165 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:43:29 ID:a2X6Pr1n おごってもらった物の差がｗｗｗ 166 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/15 22:45:49 ID:8Mejx7pw 短編の時のようにオドオドしちゃうんじゃないか？ｗ

八３５６．
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降りしきる雨の中、大広場から南に向かったジュン、ナワヤと五十五名の騎士達は
午前零時十五分にはギャブレー家を包囲していた。



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　　　　　／ . 　 ｜ﾆ| |＼| |ｉヾ|｜ﾆ| |ｉヾ| |ｉヾ|｜ﾆ| |ｉヾ| |ｉヾ|｜ﾆ|　 　 　 |二|　|＼|　|　　|ﾐ|　 |i　 |｡;:；ii:;;;：､;＿＿＿＿
　 　 　 ｜.　　　｜ﾆ| |＿| |＿|｜ﾆ| |＿| |＿|｜ﾆ| |＿| |＿|｜ﾆ|　 　 　 |二|　|＿|　|　　|ﾐ|.|ii.|i　 | ∠∠∠∠∠∠∠ｉ|
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　　| 　 　 　 　|二| 　 　 　 　|二| 　 　 　 　|二|　 　 　 　 |二| 　 　 　 　|二|　 　 　.|｀ﾞ'' ／＿＿＿/ ＼∠∠∠／ 　 |
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　　''"'"' "''' 　_,,.-‐''" 　　￣￣￣￣￣/　　　 　''"'　"' "'' 　';.；,,;､.ii:';　;..;;ｲ;;　 ;,ii.;;:'　　　 　／　　　　　..:.:.



だが、おそらく中の者は起き出しているにもかかわらず、家屋は不気味に静まりかえったままだ。
明かりも点いておらず、まるで息を潜めているかのように不気味な気配を漂わせている。

八３５７．
それでも、ここまで来て怖じ気づいたり時間を取られている暇は無い。
事前の指示通りに動け、とのナワヤ小隊長の命令で騎士達は準備を始め―――



　　　　　　　 　 　 　 　 _,,.-‐-..,,_
　　　　　　　　　　 　／　　　　　｀''.v'ν
　　　　　　　　　 　 i' 　 ／￣""''--i 7
.　　　　　　 　 　 　 !ﾍ /‐- 、　　　 |'　　　　　　　　　「目標！
　　　　　　　　　 　 |'' !ﾞ　i.oﾆ'ｰ'〈ｭﾆ!　　　　　　　　　 家屋内全員の速やかな確保及び、
　　　　　　　　　　　 | 　　 　 　 ..ゝ !　　　　　　　　　 予定された箇所の捜索！
　　　　 ＿__._,r､　　 ∧ 　 (二>　／　　　　　　　　　　いいな、証拠隠滅の時間を与えるな！」
　　 ／｀ヽ_j'､_ノ￣l!'´ヾ＼　'' ／|､
　　∧　,ﾉ　 Yヽ　　l　　ヽ ￣　 7ヽ~ﾍヽ.､
　/-'´｢　ヽ　ヽｊ＿. l　ﾄ､ 　/〃ﾊ　 | ヽ ｀ヾ ､_
r'´, イ ヽ､ ｀,__,ｨ､__)| l ヾヽ∧'〃ﾉﾞヽl　 ヽ　 ヽj｀ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|　 ＼/＼/　　 ＼／＼/　|∧／　/／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　　イエッサー！！！　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　|/　　 　 ＼/　　 　 ＼|

　　　　　　　　　　　　　　　　　 く￣＼　　　　 く￣＼　　　　 く￣＼　　　　 く￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　/二､"ヽ　　 　/二､"ヽ　　 　/二､"ヽ　 　 　/二､"ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　(ﾟ#]_＿ﾉ　 　　(ﾟ#]_＿ﾉ　 　　(ﾟ#]＿ﾉ　　　 　(ﾟ#]_＿ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　r'⌒ヽii　　　 　r'⌒ヽii　　　 　r'⌒ヽii　 　 　r'⌒ヽii
　　　　　　　　　　　　　　　　─|　　 | |　　　─|　　 | |　 　─|　　 | |　　　─|　　 | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ＿ﾉi'ゝ　　　 ヽ＿ﾉi'ゝ　　　 ヽ＿ﾉi'ゝ 　　 ヽ＿ﾉi'ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　U"｀ヽ)　 　　　U"｀ヽ)　　　　U"｀ヽ)　 　　　U"｀ヽ)

八３５８．
少し離れた場所で、その様子と館とを見比べているジュンに
騎士一年生のシローが話しかけてきた。



　　　　　　　　　　　.ｨ
　　　　　　　　　 ／/. -''"￣￣￣｀ﾞ''ｰ-､
　　　　　　　 .へ}　 ′　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 /　　`　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i
　　　　 /　／／ / .ｲ .l|　 ト､　　 ､　 ､　　　　l　　　　　　「サクラダ殿、
　　　　ﾉｯ′/.　/./ |/ .|　 |　ヽ､　ヽ　 l　　　　l　　　　　　エンジュ団長の無念を晴らすときですね！」
　　　　　| ./|　/lｲフ=､｜　|_,.=キ､ ﾄ､ :|:::....　　ヽ
　　　　　|ｲ | /::::} l　{ﾟj`ヽ　|　'´{ﾟjヽ|　Y::yﾍ::::::.　〉
　.　　　　 ﾚ|/:::::::| ￣　　 ヽ{　　￣　　}:/^i |::::::::/
　 　 　　　　｀ヽ::::l,　　〈　　　 　 　　　ﾚ‐'ノ::::／
　　　　　　　　 ｀'ｰヽ　　ｰ ―　　　　ｲT":::;∠-ｯ'
　　　　　　　　　｀'ミﾐヽ,　　　_,..　イ　　|:::::::::;∠
　　　　　　_. -―''''^'ーl「 ￣　　　l 　　.|ｿ￣｀">
　　　　　 ＼､　､　jilil||ﾘ　　　　 /.l　__,.ｲ∠-z'〈



おそらく気遣ってくれているのだろうが、
みな口を揃えて同じような事を言うのでさすがにに少しくすぐったい。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.∧:.:|　　　 |:.::∧:.:.:.:.:.| ≧:.:L-＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:.:.:.:.ヾ:.:.:',　　　|:./　.V:.:.:.:|ﾆ-=＝＝=＼:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >:.:.:.:.:.|ヾ:.V=＝/ニ　 V:.:.:i{　ゞテ＝ァ　||＼:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.::V:.:.:.:ﾚ'´>=ﾆ示 ヽ､＿V:.||　 {辷zり　 .||　ﾚr -､V:.:.:.:.:.:∧
　　　「うん、そうだね」　　　　　　　　　　　　.　 　/:.:.:.:.:V∧:.r'´ /ひｮリ ||￣ .ヾ∧＿＿＿ //　　／ .}:|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:..:/ヾ::>　 ゞ' ´　|| {　　　 ￣￣￣￣　　 入 ソ/:.:.:.:._＿／
　　　（居なくなってもみんな、　　　　　　　　　　￣￣￣ |:.:.:∧ヽ＿ -=''´ ヽ　　　　　　　　　 　/　／:.:ヽ￣
　　　 事ある毎に父さんの事を言う。　　　　　　　　　　ﾚ'´ ヽ |　　　　　　　 ＿　　　　　 　 /-'´／￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　 ￣_　　　 　 　 　/￣゛゛
　　　 本当にでっかい人だったんだな）　　　　　　　　　 　 　 　　＼　　　　　　　　　　_　ィ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ 　 ､　　　　 イ　　　ｙ入
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニi　´　　　　／　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/　}　　 　　/　　　　|＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　/　/　ﾉ　　　　/　　　　　|　 ￣ ' - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/　　V'´￣￣ ../　 　 　 　 |　　　　　　｀ ' - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／/　 　/::::::::::::::／＿＝=-､＿ |　　　　　　 　　/ヽ



今のジュンには痛いほど分かるのだ。
父がどれほど偉大であったか、どれほど騎士団に慕われていたか、
そして―――自分が、比べられ始めていると言う事を。

八３５９．
そうこうしている内に準備を終えた騎士達は、作戦行動開始の合図に散っていった。



　　　　　　　_,,.-‐-..,,_
　　　　　 ／　　　　　｀''.v'ν
　　　　　i' 　 ／￣""''--i 7　　　　　　　　　「工具の準備は万全か！？
　 　　　 !ﾍ /‐- 、　　　 |'
　　 　　 |'' !ﾞ i.oﾆ'ｰ'〈ｭﾆ!　　　　　　　　　　 ならばかかれっ！」
　　 　 　| 　　 　 　 ..ゝ !
　　 ,..-/ ＼ 　 (二> ／
　 ./::":::`ヽ､＼　'' ／ﾞ
　/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´｀ｰ -,,＿ _
. }:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f"　 、　　　 ｲ/ `i
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ　　　 ＼xｰ.ｫ､__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r'　　 `　､_冫y"
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、　 ヽ,＿ﾉ"ｰ'

八３６０．
騎士団は警ら巡回の他に火事の時は消火活動、災害時には救助活動など
幅広い知識と技術を求められる公務員である。

たとえば何か犯罪が行われた時には現場検証や捜査を行ったりもするし、
証拠集めや聞き込みも出来れば、このような強制捜査も手慣れたものなのだ。



　　　　　　　　　　ｍｍ
　　　　　　　　 // ///
　　　　　　　//￣￣/　　　　　　　　　　,______
　　　　　　　ゝ　　　/ｎ　　　　　　　　／／　　｀ヽ
　　　　　　,--ｌ---､　丿　　　　 　　/─'　　　　　ヽ
　　　　　 /　　　　/　　　　　　　　　ｌ＿＿＿エニニi　　　　　　　　　　「俺達は離れ小屋へ向かうぞ！」
　　　　　/　　　　/　　　　　　　　　|-i ,-､_　　/　Θ|
　　　　/　　　　　|　　　　　　　　　 |　ｌｌ　　｀-'／i||||ｌ
　　　 /　　　　　|　　　　　　　　　　i /＼　'´　　　　|
　　　/　　　　　|　　　　　　　　　 /　　　　＼　　　　）
　　〈＿＿,----'　　,＿　　　　　（０）只（０）　　-‐￣,――､
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　　　「分かった！」　　　　　　　　　　　　　　,r'..,, 　　 　 　 　 　 　　　_...._..,,__　　　|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / 　 ｀＼＼　　‐ ''`´ 　　　　　 ﾍ　 　　｀￣´|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 　　　　＼＼　 ｨ------－,r'　　　 /////|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈ﾞｉ 　　　　 　 　＼＼ 　 ,,,,＿......＿......_ ///// ﾞｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （ ）　　　　 　　　　 　　ﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍ', 　 　　|
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八３６１．
善意の情報提供者により、要注意箇所は絞り込めている。

敷地周りの哨戒、キノコが栽培されているらしい離れ小屋に向かう者、
それから屋敷に突入する者の三隊に分割した者の内、
屋敷担当の騎士達は玄関をこじ開けようと広い庭のど真ん中を突っ切った。



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　　　　　　　　　　　　,-‐'´￣￣￣ﾍ-'''''ﾍ |'''‐-,___________,,--‐ｌ/￣ｌ/　　　　　 　 Ｖ　＼＼　|
　　　　　　　　　　／　　　　　　　 　ﾞi |　| ﾍ,,,-‐‐‐‐i　i‐‐‐--,,ｌ///|　　　　　　　　|　　ヽ ｌ　|　　　　　　「行くぞビックス！
　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　||（　ヽヽ　　　ﾞi .i　　　/　/ ） |　　　　　　 　/　　 ﾍ|　||ﾍ　　　　　玄関をこじ開けるんだ！」
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　 ||　ﾞi　　＼,,,,,,,-i i-,,,,,/　/ /　|＼　　　　　 ﾉ　__--/ //　 |
　　　　　,,,-‐‐‐＼＿＿　　　　　　／|　　ヽ'￣　　　　　　　￣｀ﾉ　 |::::ヽ＿＿_ﾉ_,,-‐‐ﾍテ　　　 |
　　　／＿　　 　　　　　｀'''''|─‐‐'::::::|　　　＼　　　,--､　　　丿　　|::::::::::::::／　 　 　　ﾍ　 　 　|
　／＿　　　￣　　　　　 　　|,,::::::::::::/　　 　 　⊂⊃ 　　⊂⊃　 　 　ﾍ::::／　 　 　 　 　 ﾍ　　　|
/::::::::／￣￣￣＼､／￣｀＼___￣'''i　　　　　　　　　i　　　　　　　　　/|　 　 　 　 　　　,-､|＿＿|
| |::::/　　　　 　　　＼　　　　　　｀''‐-､＿　　　　　　|　　　　　　　　/　|　 　 　 　 　　　ヽ::::/￣|
＼ ＼　　　　　　　/￣'´￣￣｀'ヽ　　　　 ''‐-､＿ 　|　 　　 　　 　/　ﾉ　 　 　 　 　 　　 〉__＼//
　　｀'''''―-＿＿__ｌ |　　　　　　　ﾍ｀'‐-､＿　　　　｀'‐‐--‐‐‐‐‐‐‐／|　 　 　 　 　　 　 　 　￣
　 　 　 　 　 　 　　＼　　 　　／::::::::＼＿ 　｀'‐‐-＼／｀'''‐-､　／|　|



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣￣＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　ヽ　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |､　　　　　　　ﾞi ﾞiﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔＼｀'‐-∪　　　└'　i
　「任せろウェッジ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|∩　＼＿　　　　 ＿|
　俺様のバール裁き、見せてやるぜ！」　　　　　　　　　　　|∪＼　|´｀''''''''''''''''''''i|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　,-ｌ ｌ ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼iiiiiiiii　　　/／／　 ヽ___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾍ｀'''''ヽ　　　　 　ｪｭ 丿＼　ヽ
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231 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:05:42 ID:SHBRq1tt スターウォーズの名コンビじゃないか！

八３６２．
ところが。
騎士達が、庭の真ん中辺りまで進んだ所で突如玄関が開き―――



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暗く降りしきる雨の中に誰かが歩み出てくるではないか。



.　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ.
　　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : ／.:.:.:. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l
　　　　 / : : : : : : : : : /: : : : : : ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|
　 　 　 l : : : : l: : : : :/: : : : : : /:.:.:.:.:.:.:./＼:.:.: :.:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : :|
　 　 　 |: : : : :l: : : :/: : : : : : /:.:.:.:.:.:.:.:/ 　 ＼:.:.:.:.:＼: : : : : : : : : : : : : : : :|　　　ｻﾞｯ
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　 　 　 ! : : : l : /: : : : : : :/.:.:.:.:.:.:.:./ 　 　 　 　 ＼:.:.:.:.:.＼: : :＼: : : : : : : |
　 　 　 |: : : :l: : : : : : : : :/:.:.:.:.:.:_r┘ 　 　 　 　 　 ヽ: :＼: ＼ : :ヽ: : : : : : |
　　　　 l: : : l : : : : : : : /:.:.:.｣￣　　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ヽ: :＼: :ヽ: : : : :|
　　　 　 !: : l: : : : : : : ;'-‐'´　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ￣ ￢＝=┬‐┘
　　　　　ー'フｰ‐＝ｦ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　　＼
　　　　　 ／　　　 〈　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l!　 　 ｀li､
　　　 _,r'´　　　　ノ 〕　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽニ‐-ll　ヽ.
　 .／l l, -―､_／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼￣ヽ_ﾉﾉ
　（ヽ/'´￣フ／´　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀=＝'´
　 ｀ー=＝´′

八３６３．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_冖___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　| |　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　| |　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　└|
　　　　　　　　　　　　　　　　　(　ニニニニニ　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　〕ｌ ｌ-‐‐i i‐‐--ｌ〔　　　　　　　　　「おいウェッジ、誰か出てきたぞ！」
　　　　　　　　　　　　　　　　 （　 ヽ .,,,,ｌｌ,,,..　/　）
　　　　　　　　　　　　　　／￣ト､　 ヽ　 　,'　 /--､
　　　　　　　　　　　　　/　　 ,'|　i＼(0)只(0)/／￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　|__／　|　ﾍ＿＿／　 |　　　　　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　|＼＿|　　　,'　　　　　|＼　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　|　　　|　　　i　　　　　ﾍ　＼―----'ﾞ
　　　　　　　　　　　　　|　　　|　　　|　　　　　　＼|　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 |￣￣ﾍ￣　´｀''‐‐----,'　　ﾍ　　　　 |
　　　　　　　　　　　　|　　　　|ヽ　　　　　　　　　　ヽ　＿＿--i
　　　　　　　　　　　　〈　へへｌ/___,----､　　　　　　ﾍ´___　　 |



その人影がおそらく大人の、たった一人のものだったので、
後ろめたい事のある家主が降伏のために出てきたのか、と彼らは思ったのだが。



　　　　　　　　＿,,......-........ ..、
　　　　　　／　,,,,,,,- -- -.... _ ｀''ヽ､
　　　　　/　／´　　　　　　　｀'' ､｀ヽ、
　　　　ﾉ／　　　　　　　　　　　 　 ､　ﾞi
　　　/　 　　　 　　　　　　　　　　　￣ヽ､
　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi
　　 |　　　__,,.._...._　　　 　 　 　 　 　　 ,,..ヽ
　　 r‐‐‐'';;;;;;;;;;;;;;;;丶　　___......-‐‐''ﾆ二二ﾞi　　　　　　　　　「降伏するのか？
　　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾆﾆ＿ -r─''''' -､;;'〈　　　　　　　　　暗くてよく見えないが―――」
　　 |丶..---‐―''""｀ ｲ";;;;;;;;;;;;;;;;;;／ 　ヽ;;ﾍ
　　 | ／＼＼ 　 　　　 ヽ;;;;;;;;;;.r'´　　　　 ﾍﾍ
　　　|（⌒）　））......､　 　 丶‐'´　 　　 　 　 ﾍﾍ
　　　 |　　ﾉ ﾉﾉ＼ ､ ｀''''‐-､,,,,　 　 　　　　／ ヘ
　　 　 |￣´　　 　ﾍ 　　　　　 ｀`'' ‐　　／／´　 ヽ
　　 　 |ﾍﾍﾍﾍ 　　　ヽ－------ｨ 　／／　　　　 ヽ
　　 　/　ﾍﾍﾍﾍ _......＿......＿,,,, 　 ／／　　　　　　 /j
　　　 |　　 　 ,'//////////7　　 　　　　 　　　　（ ）
　　　　ヽ＿ ,'丶　　　　　　 ´ 　　　　　　　　,r／
　　　　　　｀ ﾞi...._、__＿＿＿〈 　　　　　 　/／
　　　＿＿/:::: :::::::::::::::::::::::: ''‐-......＿.. |（ ）　　　,―――--､
／／　　　 ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|￣￣＼＼　　　　　　ヽ
／　　　　　'、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　＼＼　 　 　 　 ヽ
　　　　　　 　＼....:::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　　　＼＼　　　　　ヽ

234 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:07:35 ID:1d/Pbc66 召喚獣に転送されないように気をつけろｗ

八３６４．
輪郭しか視認できない闇の中、遠慮のない殺気が膨れあがり―――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　‐ '`: .､
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　　　　　　　　　　　　　;:.:.:.:.:.:.;' ,:.:.:.:., :.:.:'.,:.:.:,.'.:. :.:. :.:. :; ;:. :.:. :.'.,.:.:.:. : : : : : :',
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　　　　　　　　　　　　　;:.:.:.:.:.:.;.　　 ' ,.,:':.:, :..'.,.-､:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:. :.:.:.;'.,:. :. :. :. :. :.',　　　　　　　　　 _ _ _.;　;. ':.:´:.` ‐.､-:.:. ‐ .:‐:.‐
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236 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:08:53 ID:652WgNqA ちょｗ

八３６５．
敷地に入った所、門の前に居たジュンが敏感に察知して警告を発するのとほぼ同時、



::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::/i/／ i:::::::::::::::::::::::::|::::::|:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::＼
::::::::::::::::::::::::::::ﾊ;;;;;;;;;/-'´ 　 .|::::::::::::::::::::::::ﾄ::::: ﾄ::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ￣　　 　 　 |::::::ﾊ::::::::::::::|　＼i ＼::::::::::::|:::::::::::::::::::::ﾊ
::::::::::::::::::::::::::::;:::ﾊ　　　 　 　 |:::/　V::::::::::ﾘ　　　　ｨ=ﾊ:::: |::::::::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::iヽ:ﾍ　　　　　 |:/　　 V::::::/　　　/ｲ＝ﾌi｝ヾ─────'｀
ヽ:::::::::::::::::::::::::|　＼ヽ　　 　 |i!　　　 ｝::/　　　r''´ゞハi l:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　「！？
::::＼::::::::::::::::::::|　　 ＼　　　＿＿ニ三ｲ　　　||r j｝i|　.i lヾ｝　　　　　　　　　　　　　　　 下がれ！敵だっ！」
::::::::::＼::::::::::::: |　　　／::::＿,,,ィ彡=''´i/il_,=＝|.しｿﾊ ﾉﾉ-､
:::::::::::/ ＼::::::::::ヾ ／:- ''´＞''´ -=ｲ｀　 ||r'´｀ ﾊ彡　ｙ/: : : :＼ニニミ-､
::::::::/　　　｀ー- xゝ rィ彡''´イッ:::ﾘ　　/i　　　ミー=´i: : : : : : :｀:-:､: : :｝ｿヽ
:::::/::ﾊ＿＿＿＿＿/ /　 /　ﾋ:::..ソﾉ　｛.ﾘ　　　　｝.　 l-､: : : : : : : : i: ://: :ﾊ
￣ヽ──────､ﾊ　ヾ　　ゞ''´　 ノﾉ　　　 ./　 ./: :ﾉ: : : : : : : : l: i l: : : ﾊ
i ヽ　｀ -ゝ　　　　　　ヽヽ　ミ=''´　／／　　　　 　 /: : i: : : : : : : : : l: i l: : : : :ヽ､
｛　　ﾊ　　　　　　　　　＼＼＿_／／　　　　, ィ　/: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : ＼
　｀　　 廴　　　　　し　　　ー─''´　　　 ir'_´'´ ./: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : /
>､＿　　　ー　　　　　　　　　　　 　 　 　　 　 /: : :/: : : : : : : : ::／: : : : : : : : : : :/
: : : : : ＞-､＿ハ､　　　　　　　　　　　　　　　ハ／: : : : : : : :／: : : : : : : : : : : :/ハ



雨粒をも寸断しそうな程の剣閃が真横に走った。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ''''ｰ- ..,,,｀ﾞ"'ｰ-..,,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ ..,、 ｀ﾞ''ｰ　,,,　　　　　　　　　　　　　　　.,l｀　,,,llﾞﾞ"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀''ｰ..,,　　｀ﾞ'ｰ ,,、　　　　　　　　　　　,l,,,lllﾞﾞ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀''ｰ..、　 .｀''-､　　　　　　　　　llﾞ"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ'''.､,　　 ｀'-、　　　　　　.ll　 _,,,,illｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　　　 ｀､　　　　　.ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ~　.,,,illll'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　 .ゝ　　　　　　　 ﾞ｀.,,,,,,illlﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　　　　 /　　　　　　 .,illlllﾞﾞﾞ~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,、 -‐''''″　　　　. ／　　　　　　　　　　 ,,.,、,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　____,,,,,..　r━'''"ﾞ´　　 　 　 　 　 ,..-'"　　　　　　　　　　　　ﾞ'ﾞ,,lﾞﾞ
ー―-------------------------ｰー―ｰ￢''''''''ﾞﾞﾞﾞ￣￣　　　　　　　 　 　 　 　 _,,　‐'″　　　　　　　　　　　　　　　 ,i!｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,,,.. -‐''"゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,lﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿,,,,.... --ｰ''''"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .'ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　＿____,,,,,,,,,,.......... --――'''''"ﾞ￣´
￣￣￣￣￣￣￣￣￣´゛

八３６６．
間一髪、薙ぐような一撃は飛び退いた先頭の騎士の腹を掠めただけで終わり、



　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　　うわわわわわっ！？　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿　　/￣／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　/　/　／
　　　　　　　　 　 ,.-===、､　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　　　　_,,..,,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　/　/ﾚ/　/￣／
　　　　　　　　　/ｲ　　　ヽヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _r'/￣＼､　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿＿＿＿＿　　 /　　　　 /　／
　　　　　　　　 :l匚ユ_＿＿__ｌ　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / ‐-､　　丶　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　/　　/　　　　　ｉＹ/
　　　　　　　　 jΘ-|l__-‐l.ｌ‐i|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　,'Θ｀''''､ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　/
　　　　　　　　 リ ..ﾑ＼　」∟i　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l′　＼/,'/　/　　　　　　　　 　 　　 　　　＿＿＿＿＿/　　/
　　　　　　 　 （ ( ─,' ヽ'´　ム　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 冫;:-.._ 　　/　　　 ,--ェ-‐､　　 　 　 　　 / 　 　 　 　 　 　 /_
　　　　　,,....＿__,,,〉-!､＿O 只0),--- 、　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,-‐‐‐-､ゝノ_,.ノ.―‐‐∟ ソ'´´　 _,,　‐''" .　 /＿＿＿＿＿＿_/
　　　 ./ 　/ /　｀'''‐‐,‐‐''￣ .|　（　　 ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　个－ -　〉〉.　　／　_.. ‐'"゛　 .,.. ‐'　　　　 　 　 _从'″
　　　 ｌ　/ ./　 　　 /　 　 　 ヽ　ゝ、　 ヽ 　 　 　 　 　 　 ′　　　　丿ﾉ　ﾍ＿／￣ ,..-'"　　 _..-'"゛　　　　　　　　 /　/ _从＿＿
　　　 ｌ/　 j　　,.-‐∧, 　　　　卜　 ＼＿| 　 　 　 　 　 　 丿｀-'┴ ､ノ.　　ﾍ　　　 ／ 　　 ,, .'"　　　　　　　 　 　 ./,.,//　//　 ／
　　　'ﾞY　Ｙ／´　　　 ｀ﾞ'''‐-､_rｲ ／￣｀ヽ　　　　 　 　 　 /　　　　/　　　　　|　. / 　　　 /　　 　 　 　 　 　 　 　 ."　/,､/'´ ／
　　　　|　ｲ 　　 _,,....,,,,　　　　＾ 'ﾘヽ 　 　 ヽ　　　　　　　,'＿＿ 、/ 　　 　　丿 .lﾞ　　　　　ｌ　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞ　/／
　　 　 ∟│ ノノー‐‐ヽゝ､ 　 │ 　、___..,,/　　 　 　 　 |　 　コ ナ′i＿＿,-┘.ｌ,　　　　　＼、
　　　 ..ﾃ─ﾚ'　'´| |　| | ヽヽ､__|　 　ﾍ----｀、　　 　 　 |／ｌ￣ゝ-'|￣|Π冂Π | ＼,　　　　　 ｀''ｰ- .,,_
　　　 にニ|￣|-冂冂-|´￣|冂~l　　　i─个）　　　　 　 ﾞi∧　　　| |＿|| |凵凵 |　　｀'-､,　　 　 　 　 　 ｀ﾞﾞ'━== ....,,,,＿_
　　　,' 　　|　 |-凵凵-|　 　|凵 |　 　 厂 　 ）　　　　　　ﾍ 　 　 | _----､ Ｔ　　ﾁｯ 　 　 ｀''ｰ ..,、　　　　　　　　　　　　　￣￣ﾞﾞﾞ'''''''''￢――+―--
　　 /　 　ｌ─-'￣￣￣ｌ─‐ｌ┌┘　　 |　 　丿　　　　　　　ﾍ 　　|/　　　　|　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ'''ｰ-..,,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y'ｺミ＼|￣＼..ｒ'　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞﾞ"''―- ....,,＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣ﾞﾞﾞﾞ"''''''――-............,,,,,,,,

八３６７．
波が引くように下がる騎士団を追いやるよう、庭の中心まで出てきた相手は、
東方の衣服を着たサムライの姿をしていた。



　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 　 ／´￣￣｀ヾ｀ヽ.:｝
　　　　　　　 　 　 /.:.:.:￣￣＞＜´￣｀ヾ｀ヽ､、
　 　 　 　 　 　 __/＿二ニｲﾍ:.:.:｀ヽ｀ヽ｀ヽ.:.}.:｝｀ｰ.､
　　　　　　　　 | ｉ´.:.:.:.:.:.:/.:|.:.:.＼,rへr─‐.､j.:ｊ.:,.:}.:｝ヽ
　　　　　　　　 | | :.:.:.:／小ヽ ／.:.:.:./.: //∧///く/:く
　　　　　　　　 { {_:／／{ヽ .://,:.:.:./.: //://|/∧.:.:｀Y^>
　　　　　　 　 /ヽ_／／ﾊゞ////／／/:/ﾍV/|/.:.:.:.//　　　　　　　「ち、掠めただけか」
.　　　　　 　 /.:.:.:/ /.:/⌒Y.:/／／　 ;:/ 　 　 !.:.:.: 从
　　　　　　 /.:.:.:／／｛こノ／ﾊ㍉、　;:i　　 　 |.:.:.:.|.Y　　　　　　　　（反応が早い奴が居る。
　　　,.. -≠＜´／／ハ／ｲ/　 ｀ｰ＼ヽ　　 ,,小.:.:.|:.|　　　　　　　　 親衛騎士って奴か？）
　／:.:／ .:.:∠二二=／／:.| 　 　 　 　 '.　ｨシ'|.:.:.:.| 乂
.:.:.:／ .:.:／ﾊ::::::::::／／/ｌ:.:.|　　　　　　∧ 　 /!.:.:. |　　 ｀ヽ、
／ .:.:／.:.//ﾊ_／／!::/ :ｌ.:.:|､　 -ｰ_､_'´　ヽ´ﾊ|.:.:.:.| 　 　 　 ＼
.:.:.／:／//// ／ヽ∧∨ｌ.:.:|:.＼　　　／:::::::ヽ::∨:∧　　　　 　 ＼　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┌────────────┐
彡＜厂'/,V ∧///,＼ヽl.:.:|:　　 ー个＜:::: /∨∨:∧＿＿＿＿　ヽ　　　　　　　 　 　 　 │　ギャブレー家用心棒.　　 　 │
////ﾊ/,∨∧////////l .:|　　　 .:.ﾊｌ!: : :｀|∧∨＼ ∨二二二二二＼二二ニﾆ７>　　　│　？　？　？　　　　　　　　　....│
二ニ＝∨∧/////////l:.:|　 　 .:/　il : : : |/∧∨/,＼＼////////ハ∨///////　　　..└────────────┘
/////∨∧//////////l :ﾄ､　 .:｛　 :il: : : :|//∧∨/,ハ ∨////////} ｝'//////
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//////l |//////////∧ﾊ: : ヽ＼　 :il : : :|/// ∧///ﾉ ﾉ///////／//////



問答無用で騎士に斬りかかるなど、
十中八九、いや確実にギャブレットに雇われた用心棒だろう。

厄介な相手が居る、と彼らに下がるよう指示を飛ばしながら
自分もそちらまで走ったジュンは、



　　　　　　　　　 ＞ -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
　　　　　　　　　 >:.-:.－:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀´:.:./
　　　　 　　 r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:.／::|:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　/:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|￣｀''- ､;i:.:.:.:.:.:.:.:.￣ヽ
　 　 　 　/:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.:.|　　　　　 |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_　　　　//:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ､=､_,, ,/　|:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|
　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´＼-;/￣ V￣ | |ｲ≧ミ=､/ 　 |:.:.:/:.:.:<´ヾ|　　　「騎士団！
　 ｀ '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.　　　 | | 辷り｀ |}_　r-Vｿ:.:∧}　　　　　そいつに近づくな！」
　　　　　 ／:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::　　　 ヽ廴_　 <ﾃ=/rァヾ:∧:.|
　　　　　 フ/:.:.:.:.:.＼::::::::::::::::　　　　　￣ヾ=ﾉ　 <-ﾝ /:| .V　　　　　（なんかヤバそうなのが出てきた！
　　　　　　´''- ､:.:.:.:./::::::::::::::::　　　　　　　　　　/=テヾ|　　　　　　　でも―――）
　　　　　　　　　 ヾ/:::::::＼::::::..　　　　　ー -　 　 /
　　　　　　　 　 　/:::::::::::::::::::::::::...　　　　 -　　.／
　　　　　　／＼./::::::::::::::::::::::＼:::::::::...　　 　／
　　　　 ／　　　∧:::::::::::::::　　 /｀ 'ー - ' ´
　　　ノ |　　　　　 }ヽ::::　　 　/_
￣￣　 .|　　　　　　 ＼　　　{　ヽ
　　　　 .|　　　　　　/　｀ ー='´　 ＼

八３６８．
眼光鋭い相手の威圧を真っ向から受け止め、
この場を預かる者として恥ずかしくない堂々さで警告する。



　　　　　　　　　　　　　 i::::＼　　　 r::'::´::::::::::::::::::::::／＿
　　　　　　　　　　　　　 ヽ:::::::＼.　 |::::::::::::::::＞-...':::´:::::::::＼
　　　　　　　　　　　＿＿ ≧::::::::＼i!:::::::::r､'::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　／::::::::::::::::/＼:::::::::|:::::: /:::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　 ／::::::::::::::::／:::::::::＼::::::::/:::i:::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::...::::｀:::-.._
　　　　 　 ／_:: -─ｲ::/::::::::::::::i::::::＼/:::::|::::::::::::::: ＼:::::::::::::::::::::::＼＿＿＿::＞
　　　　　　￣,...-:':´:／::::::::::::::::|:::::::::V:/: |:::::::::::::::::::::ﾊ::::::＼:::::::::::::::::｀:-._
　　　　　　 /::::::::::: /::::::::::::::::::::::|:::::_:ｨ=-.-|::::::::::::::::::::::::i:::::::::::＼:::::::::::::::::::: ﾍ
　 　 　 　 /:::::::::::::i::::::::::::::::::::::::|'´　　 　 .|:::::::::::::::::::::: :|:::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ﾍ
　　　 　 /::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::､:::::| 　 　 　 .|:::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::＼::::::::::::::::ﾍ
　　　　/:::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::i ＼ヽ　　　　.|:::::ｲ::::::::::: ﾊ:::|::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::＼
　　 ／::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::|＿_ゞ'＿＿　|::/ i:::::::::/＿ヾﾄ::::::::::::::::::: |::::::::i ヽ::::::ﾊ
. ／:::::_::_:: - ﾌ:::::::::::::::ﾄ-三ﾆニ＝＝≦　ﾚ　|::::三ニニニ=ヾ:::::::::::::|::::::: |　 ｀ー-｀-　　　　「そこの剣士、ギャブレー家の用心棒か！？
　　　　　　 /::::::::::::::::::| |r::::|て芯ミヾ Y}　　 .|::::/ ≧ニニ＝ﾐヾ::::::: |::::::::ﾊ
　 　 　 　 /:::::;:::::::::＿| |　ヾ i!;;;....;;}　 i }ニニニi」 ｛ﾋｲ:::::｝ >　i l＼::|::::::::::ﾍ　　　　　　　　　僕はジュン＝サクラダ！
　　　　　/／ /::::::/>‐ﾊi　　　ゞー'　<iﾘ　 　 ﾚi l　　廴../ ｲ　//::::::ゞ:::::::::::ﾊ　　　　　　　　 真紅王女の名代としてギャブレー家の
　　　　 /　　ﾊｨ::::i　-ﾊヾニニニニ彡　　 i　　 ミ､＿＿＿_.//-､::::::::ヽ￣ ￣　　　　　　　　調査に来た親衛騎士だ！
　　　　　　　　 ヾ i　- ﾍ　　　　　 　　　　 ;　　　 ￣￣￣￣/ハ i:::::i￣
　　　　　　　　　 　 ヾ､∧　　　　　　　　 ＿　　　　　　　　/　　ﾉ-''´　　　　　　　　　　　　　抵抗を止めて貰いたい！」
　　　　　　　　　　　　 ーヽ　　　　　　　´　 ｀　　　　　　 /-'／
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ..::　　　　 　　/-'´　　　　　　　　　　　　　　　　　（―――この場の代表は僕だ！
　　　　　　　　　　　　＿　　　｀　､　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　僕がやらなきゃいけないんだ！）
　　　　　　　　　　 ／: : :｀: -..､　　｀i'　､　　　,　ィ' ´
　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : :｀: x.ﾉ　　｀　´　　|　　　　　　＿
　　　,...-::'::´:::￣::｀::-::::_: : : : : : : : :＼＿　　　　 ﾄ､　　 ／: : : :ヽ
　r'´: : : : : : : : : : : : : : : :｀:ー-: : :＿: : : :｀ー. ､　.>'´: : : : : : : : : :>＿
　｝: : : : : : :-: :､: : : : : : : : :: : : : : : : : :￣: :ヾ: ::Ⅵ: : :: : : :_: -:'´: : : : :ﾊ

241 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:12:41 ID:auQ3utVZ ジュン成長しちゃって……ほろり 242 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:12:44 ID:e8uP/p+P これまでのジュンの修行の成果が出るのか すげぇ楽しみだ

八３６９．
少年の気迫、その覚悟、共に年齢に似つかわしくないと分かった用心棒は
自分の相手を彼に定めると、退くつもりはないと遠回しに言い―――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,_　,r'´:.:`.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,,..----'‐=Hﾆﾆｺ:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´;.:.:,',:';r'´,;_:.:.:.ノ｀ヾ:.:.:.:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. f'''ヾ.;.:,';.',;.:-;.:.:ヾ.:.:.:.:.:.i､.:.:.:.l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.!ヾ､;,r;´,;z,;i:.:.:.i:.:.:.:.;/:.:.!:.:.:.l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l　　　　　　!:.:.:!z:.:':/:.:ｲ:､:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l　　　　__,,,,l-'.:! `'''ヾ:.;!.:ヾ.:ヽ
　　　　「こちらも契約なんでね。　　　　　. l.:l｀ｰ_　　 -__l,;,;.l　に l/ !.:.:`､:.i
　　　　―――断る、と言ったら？」　　　 . !:.l､ｰ' ,　　　 l:.;.:.! ,r‐'ヾ! !.:.:.:.ヾ'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l ヽ、--一 l.:,:.:.!,!l'''''ﾄ､ `､.:.:.:.:`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l　　` ,､___, !.;.:.:!_,y'´:.:.i_　ヾ:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l　　,l'-;;;;;l　!,:.:.;!:.:.:.:.:.:.:.:,!--.ゞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,f;.:.!-‐'i : :l　! ,!;.:.;!:.:.:.;.:',／::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l,!ヾヽ'´ヽ:,! ﾚ'ﾚ!./!.:,;.:''.:.:￣''''''‐



ならば戦いもやむなし、と剣を抜いたジュンが先に構えを取った。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::ヽ／::::::〈 へ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-┘:::::::::::::::::::::::::::｀＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠::::::/::::::::::::::::〉ヽ::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::〈:::|＾＾|:::::/＼ﾄ､ヽ::::::>
　 |＼　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::::ﾊ|＿l/l/.＿_-ヽ|:::」
　　＼＼　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .￣7/.|＿_|─|＿_|- lj/　　　　　　　「僕が相手になる！
　　　 ＼＼　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾍ. 　__;_＿、 /
　　　　　＼＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾌヽ辷フイ{ヾ　　　　　　　　親衛騎士の末席とは言え、
　　　　　　 ＼＼　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::〈｀l7:´::::::ヽ　　　　　　　 無傷で帰れるとは思うなよ！？」
　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　 ﾉ::::::::::::V::/:::::::::::〉
　　　　　　　　 　＼＼　　　 　 　 　 　 /:::::::::::7::ﾄ/:::::::::::/
　　　　　　　　　　　＼＼　　　　 　 　 /::::::::::/:::::/::::::::://
　　　　　　　　　　　　 ＼＼ 　　　 ／::::::::::／l ／:::::::::/::l
　　　　　　　　　　　 　 ∠二フ　／:::::::::::::/　／:::::::::／::::!
　　　　　　　　　　　 　 　ヽ,'~つﾆ〉ヾ::::::::/／::::::::::／::::::::j
　　　　　　　　　　　　　　ﾞへノ7 　ヽノ<::::::::::／ヾー--￢　　ｽﾁｬｯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 くヲ｀`　 ヽ＜／^ヾフ=／{
　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -ヾソ　　ノ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,
　　　　　　　　　　　　　r ' ´:::::::::::::`ｰ‐'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀`丶
　　　　　　　　　　　　　l::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -─- ､_:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::r -- ' ´　　　　　　　｀`'ｰ､:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::l　　　　　　　　　　　　　　 l::::::::::::

244 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:13:32 ID:SknNnx4B 本当にJUNは成長したなぁ…貫禄すら感じるぞ。 要職に就いていたとはいえ、一年もたっていないのに。 255 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:19:02 ID:SHBRq1tt ガニマタといいたいんですね、わかります

八３７０．
命のやり取りをする覚悟、素早い判断力。

二十歳未満の少年に人を斬った経験があり、
修羅場をくぐっていると察した相手は驚きながらも、
所詮結果の見えているお遊びだと高をくくった。

ローゼン王国親衛騎士のレベルの高さは噂に聞いていたが、
末席でかつ見た目は少年、構えも完璧と言うほどで無いのがその理由だ。

だから名乗り返す事はせずに―――



　　「フン、良い気迫じゃないか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'''`ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r‐'''''ヾ:.:.:.:.`､`.､
　　 俺は名乗る程の名を持ち合わせちゃいない、　　　　 _,,,r‐''<:,r'´:,/;':ﾄ､ヾ:.:.i,:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　 ただの流浪人だ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ:､:.`､:.`:､ノ`ｰ'l!:`:､ヾ:i:.:.:i,　　　　　　　,r-､___　　　___________,r‐''7´7,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l:.:.`ﾄ､`;､:.ヾr､;'l!;!.i.:ﾄ､i.:.:.;.l____,,,,,,,...-┬ﾌ (´:.:ﾟ.:`i￣`''´:.:.:.;r--っ￣>i,!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,!:.:.λ/ｧ､ヾ:ヽ,!;':,:':/ﾆ l:.:.:,:.!__,,..---‐┴<　i,:':.:.;r-ﾆ'''''￣/ f'''´￣／,;';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___,,,,..,..---‐‐‐''''￣/.:.:/-ﾉ　, ヾ:ヾ:!-‐‐''''/.:.:.;.:l,,r‐'''´￣l'''ヽ_二ﾆ;l_,f-､￣`ヾ ,ﾉ _,／　,;'　';
　　　　　　　　　　　___,,,,....--‐‐‐'''''''￣__,,,,,...--‐‐‐'''''''￣7.:.:./　｀ヾ､ /l:.:.l,:l::::;;;;;;/:.:.:,:.:,!;;;;;::::::;::::::!　 ,ﾉ　　　　 ,'　 `;　`Y　　 ,;''　　';,
　　　 __,,,..--‐‐''￣_,,..--‐‐‐'''''''''' ￣　　　　　　　　　 ,r'ﾌ.:.:/　　 _,,/;;/:.:_;!l:!;;;;;/:.:.:.;.:./;;:::;;;;;;:::::::::! ,r'　, '　　, '　　　　　 `､,;''　　　　;;
-‐''￣,...-‐''''''' ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,f:,i l:.:.i _,,r''´;;r'":,r";;;l;!;/:.;.:':.:.;/:::;;;;;;;;::::::::::::!' ,　'　　, '　　　　　　,,;;''l `ヽ､　　,;'
''' ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚl! ,>''´;;:::::;;;ﾚﾚ'´;;;;;;／;.:'.:.:.:,/::;;;;;;;;;:::::;;::::::::l;' _ , - '　　　 ,r'　,,,;;''　 ,!`､　 `,;;'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `､;;;::::::;;;;;;;;;;;;;;;／;.:.'.:.:.:,／:;;;;;;;;::::::;;;;:::::::::l'´, , _　　　　　 ''''" _ , , '　 ヽ,,;;''　,>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:::::;;;;;;r''´:.:.:.:.:.:,;／::::;;;;;;;;;:::::;;;;;;:::::;;:::::!' , ' - ', ' ' ' ‐ -　　　　　 ,;;;'"　 ,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ゞ''´:.:.:.:.:.:,;／´;;:::::;;;;;;;;::::::;;;;;;::::::;;;;;::::!　 ' ,　　｀ ' ‐ ,　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r''''´:.:.:.:._;,r‐''´;;;;;;:::::::;;;;;;;:::::::;;;;;;;;:::::::;;;;;;:::l 　 ' ,　' ,　　　　　'　,　　　　　　 ,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r'''´:.:.:_,;,.:-‐'´ `､::::::;;;;::::::;;;;;;;::::;;;;;;;;;;::::::::::;;;;:::::ﾄ､　 ;　　　'　__　　　　'　　　　 _,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r''´:._;r‐''''´　　　　　　ヾ:;;;:::::::::;;;;:::::;;;;;;;;;:::::::::::;;;::::::::l ｀ｰ-‐'''''7￣　ﾄ､　　　__,,,..-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r''´,;,r‐''´　　　　　　　　　　　 !;;:::::::;;;:::::;;;;;;;;;;::::::::::;;''::::;;;;;;;!　　　　/ _,,,,,,,,,!　`ｰ'''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r':´;r'' ´　　　　　　　　　　　　　　 l;;:::;;;;;;::;;;;;;;;;;;::::;;;;:::'::;;;;;;;;;<　　　 _,/''´
　　　　　　　　　　　　　　　　_,r'´;r''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >;;;;;::::;;;;;;;:::;;;;;;:::;;;;;;;;;;:::;;;;>'''''￣
　　　　　　　　　　　　　　,r'´;r''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!;;;:::::;;;;:::;;;;;;;::;;;;;;;::::::;;;;;;;:::`､
　　　　　　　　　　　　 ,r".;r'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r';;::::;;;;:::;;;;;;::::;;;;:::::::;;;;;;;::::;;;;;:ヽ
　　　　　　　　　　　 ,f:.;r'’　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r''´;;::::;;;;;::;;;;;;::::;;::::::::::;;;;;::::::::::;;;;;;;;;i,
　　　　　　　　　　　 ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r';;;;;::::::;;;;;::::::;;;;:::::::::::::::::;;;::::::::::::::::::;;;;;;l　　ｻﾞｯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r'´;;;:::::::;;;:::::;;;;;;::::::::::::::::::::::;;:::::::::::::::::;;;;;;;;;l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r';;;;;;;;;:::;;;;;;::::;;;;;;:::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´;;;;;;;;;;;;;;;::::::;;;;;::::;':::::;':::::::::::::::;;::::::::::::::::;;;;;;:::::::::::l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r";;;;;;;;;;;;;;;;:::::::;;;;::::::::;;;;;;:::::;;':::::;;;;;;::::::::::::::::;;;;;;;:::::;;;;;::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r'´;;;;;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;';;;::::;;;:'::;;;;;;;:::::::::::::::::::::;;;;;;:::::;;;;;;;;:::!



遊んでやろう、と右顔前にカタナを構える独特な形を取る。

八３７１．
こうなってしまうと周りの騎士達には手出しが出来ない。

場合によっては数秒、最短なら一合で決着が付いてしまう剣士同士の戦いが始まってしまったので、
せめて邪魔は入らぬよう、そしてジュンの邪魔にならぬようナワヤが指示を飛ばし、



　　　　　　　　　　　 ,. -─- ､._
　 　 　 　 　 　 ,. ‐'´　　　　　　`‐､
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ヽ､_／)ﾉ
　　　　　　/　　　　 ／￣~`'''‐- ､.._　　　ノ
　　　　　　i. 　　　／　　　　　　　　 ￣l　7
　　　　　　,!ヘ.　/ ‐- ､._　　　u　　　　|/
.　　　　　 |〃､!ﾐ:　　 -─ゝ、　 　 ＿_ .l　　　　　「小隊！
　　　　　　!_ﾋ;　　　 Ｌ(.:)＿ `ｰ'"〈:)_,` /　　　　　サクラダ殿から距離を取れ
　　　　　　/｀ﾞi　u 　 　 　 ´　　　 ヽ　 !　　　　　 巻き込まれないように注意せよ！
　　　　_／:::::::!　　　　　　 　 　 　 ,,..ゝ!
_,,. -‐ﾍ::::::::::::::ヽ、　　　 r'´~｀''‐､　 ／　　　　　　それから周辺の警戒も怠るな！」
　!　 　 ＼::::::::::::::ヽ　　　`ｰ─ '　／
　i､　　 　 ＼:::::::::::::::..､　　~"　／
　.! ＼　　 　 `‐､.　 　 `ｰ;--'´
　 ヽ　＼　　　　 ＼　　 /



二人の真ん中でぶつかり合う気迫みたいなものに飲まれていた騎士達は、
我に返ると更に距離を取るべく後ろに下がる。



　　　　　　　　　　　 　　 　　 ,..＿丶 ､_
　　　　　 　　 　　　 ,,.-‐ '"´: .: : .: : ＼:.＼
　　　　　　　　 ,.　'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶:.＼
　　　　　　 　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠
　　　　　　 / 　 　 . .:.:.:.:/:.:.:／／i:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:｀i
　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.／ﾝ=、 |:.:.:.:./|:.:.:.:.:i:.:.:!
　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／!/／ｨ'jTヾｉ:.:.:./,ハ:.:.:.:.l:.:.|
　 　 　 /:.:.:.:.:.:.f⌒ｉ!:.l/　　　￣　 ｌ／ ｨj'!|:.:.:.:.:j ヽ
　　 　/:.:.:.:::::::::.!｛r ﾍ|　　　　　　　　丶´:!:.:／
.　　　ヽ:.:.:.::::::;:;:` ﾆｉ　　　u 　 　 　 　′!´　　　　　　「は、はいっ！」
　　　　 ＼:.:.:::::;:;:;:;:;ｌ　　　　　　!￣ 7 　/
　　　　　｀ヾ､ｰ:.::;:;:i ,. -'"ｌ　 　　　´　, '
　　　　　　 　＞'"´ 　 　 ﾄ-　､., _ ／
　　　　　　r ´ 　 　 　 　 |　　　 !＿__
　　　 　 　ヽ、,＿__　　_ └- ､　|　 　 ￣￣/
　　 　 　　 , >:::::::::::::::::::::::::i　　|　i　　 　 ／
　　 ,. '"￣::::::::::::::::::::::::::::::::l　　i`┴-,、 !ｰ--
. ／ ￣　ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::＼ ｀丶、ヽ! 　/ ､
´　　　　 　　＼'ー ' ´　"´ ｀　 ＼ 　 ＼| 　!::::::ヽ ､_
　　　　　　　　　ヽ　 　　　　 　　　＼　 |　/::::::r‐-- ｀ヽ

八３７２．
一方、館の二階の窓から庭の様子を楽しげに見下ろしていたのは
やはり起き出していたシンジだった。

雇った用心棒は試験の際にミツカミから呼び寄せたマコト＝ブラッドレイとは格が違う、
剣匠位とはとても言えないが、達人と呼ばれる程度には名のあるサムライなのだ。

だから、結果は見えている―――と余裕の表情で、



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::＼,,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　┌ーヽi::::::::::::::::::ヽ￣｀',
　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ::/::/:/:::!:::::∧∧:::::::::::::::::i､:::＼
　　　　　　　　　　　　　　 / /:/::/::::i:::::/　　 ｝:::）:::ﾍ::::ﾍ::ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　 { ｛:く;;｛:::∧:（　　 （:::(ヽ:::::）:::ヾ::｝ }
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ::)::）ﾉ￢）)　　　):）フ::ﾊ::::）:/
　　　　　　　　　　　　　　　　 {ﾍ!:,r＝=､　　　,r＝=､ ﾚ!iﾍ　　　　　　　　　「ササキは達人級のサムライだ。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｛∧　　　　　　　　　　 / ソ　　　　　　　　　 お前程度が勝てると思うなよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝﾍ 　 　＿'＿ 　 　 /ノ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾘヘ 　ゝ　 ノ　 ／!!′　　　　　　　　　　まあ、万が一の切り札もある、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|＼　__　／　|/!　　　　　　　　　　　 なあ―――」
　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ┌‐┴─ｒr─‐‐┴!
　　　　　　　　　___　__＿＿＿r=┤: : : : : |||: : : : : ├､,,
　　　　　　　 /: : : :: : : : : : : : : : : : : : : : 〃/: : : : : : : : :｀:ｰ:-:.:.､,,,__
　　　　 　 　/: : : : :: : : : : : : : : : : : : : : :i ! |: : : : : : : : : : : : : : : : :: : :｀ヽ
　　 　 　 　/: : : : : :: : : : : : : : : : : : : : : i ! i: : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : ',
　 　 　 　 /: : : : : : ;;: : : : : : : : : : : : : : i | i: : : :r＝＝===ｭ: : : :;;: : : : : : i
　　 　 　 /: : : : :;: : ;;: : : : : : : : : : : : : : i | i: : : : : : : : : : : : : : : ;; : : : : : : i
　　　 　 /: : : : : ;: : :;; : : : : : : : : : : : : : i l l: : : : : : : : : : : : : : : ;;: : : : : : : |

254 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:18:54 ID:1d/Pbc66 シンジ帰ってきてたんだな

八３７３．
隣に立つ人質、ランサーの妻に嘲笑うような視線を向けるが。



┏──────────────────────────────────────────────┓

　　　裏切り者の奥さん？

┗──────────────────────────────────────────────┛



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r':.:´:.:.:.:.:.:.:｀ヽv..ー.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､':.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:.ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.,
　　　　　　　　　　　　　 /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.:;､:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
　　　　　　　 　 　 　 　/:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:lヾ/ｿ､::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　　　　　 i:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i:.:.:.i:l| 　 　l:.i:.:.:.i:.:.:.:.i.:.:',
　　　　　　　　　 　 　 | !:l:.:.i:.:.:i:.:.:.:|:.i:.:.:.:i|:.:.:.|:!　　　|:.li:.:.l:.!:.:.:l!:i:.i
　　　　　　　　　　 　　i !:|:.:l:.:.:|:!|:.:|l:.ﾄ;:.:.:l.!:.:.:|:i、　　|:.!i:.:リ:.:.:.!| |:i
　　　　　　 　 　 　 　　! !i:.:i:.:.:l`i|:iトl､ﾍ:.;|ﾍ;:.:!:iゝ__,,斗ﾚ´ﾘ:.:/!|ﾉ|!
　　　　　　　　　　　 　 　 i!:ｌ!:.:i!|､､,,___,,＼ ＼!＜＿__,,,,､ |:.∧l/
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｛ﾍ＼ﾍ｀"￣　　 ::　　　｀¨`´　i/ﾉ) ）　　　　　　　　　（ランサー………
　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾄi＼　　　 　 : 　　　 　　　/7／　　　　　　　　　　あなたは今、何処でどうしてるの………？）
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i∧ 　　　　　!　　　　　　/ﾟ:|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l:|:i i＼ 　　─-─ 　 　／|:.||:i
　　　　　　　　　　　　 　 　 　!: :i i:.:|i＼　　　　　 ／i:.|:.l:!:|ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　 　＼i:!lr:| 　＼ 　__／　|r:!ﾚ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　,,∨ `ヽ､,_ 　 　_／´　ﾍ＼_
　　　　　　　　　　　 　 __ ,r‐''´ ｛　　　 　ゝｰく　 　 　 〉.:.:.:`ゝ-、
　　　　　　_, ､ -― ''"´.:.:.:.:/.:.:.:.:ﾄ　 　 / 　　 　i 　　/ !.:.:.:.:.:i.:.:￣｀i´`ー-ヘ
　　 　 　.':.:.:.:.:.:.:ﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:| ＼ / ヽ ,- 、ﾍ ／　l.:.:.:.:.:.:l.:.:.::.:.l.:.:.:／.:.:.:.｀.,
　 　 　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:! 　 　　i　 　i　 　 　i.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:|／.:.:.:.:.:.:.:.: !



バゼットは答えない。
ただ口を一文字に結び、奥歯をぐっと噛みしめて恥辱に耐えている。
愛する夫の身を、ただ一心に案じながら。

八３７４
ジュンとて、相手の実力が分からずに向かい合っているわけではない。

肌を嘗めるような冷たい殺気は自分よりも格上の重圧を感じさせるし、
獲物だってカタナと言うには長すぎる未体験のものだ。



　　　　　　　　　 ＞ -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
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　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_　　　　//:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ､=､_,, ,/　|:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|
　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´＼-;/￣ V￣ | |　　 　 =､/ 　 |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
　 ｀ '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.　　　 | |　　○ |}_　r-Vｿ:.:∧}　　　　　「抵抗の意思があると見なし、
　　　　　 ／:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::　　　 ヽ廴_　 <ﾃ=/rァヾ:∧:.|　　　　　公務執行妨害で逮捕する！」
　　　　　 フ/:.:.:.:.:.＼::::::::::::::::　　　　　￣ヾ=ﾉ　 <-ﾝ /:| .V
　　　　　　´''- ､:.:.:.:./::::::::::::::::　　　　　　　　　　/=テヾ|　　　　　　（なんて長いカタナだ、
　　　　　　　　　 ヾ/:::::::＼::::::..　　　　　ー -　 　 /　　　　　　　　　一メートル半はありそうだぞ！）
　　　　　　　 　 　/:::::::::::::::::::::::::...　　　　 -　　.／
　　　　　　／＼./::::::::::::::::::::::＼:::::::::...　　 　／
　　　　 ／　　　∧:::::::::::::::　　 /｀ 'ー - ' ´
　　　ノ |　　　　　 }ヽ::::　　 　/_
￣￣　 .|　　　　　　 ＼　　　{　ヽ
　　　　 .|　　　　　　/　｀ ー='´　 ＼



それでも、逃げるわけにはいかないじゃないかと気炎を吐くと、
その意気や良し、と―――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,_　,r'´:.:`.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,,..----'‐=Hﾆﾆｺ:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´;.:.:,',:';r'´,;_:.:.:.ノ｀ヾ:.:.:.:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. f'''ヾ.;.:,';.',;.:-;.:.:ヾ.:.:.:.:.:.i､.:.:.:.l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.!ヾ､;,r;´,;z,;i:.:.:.i:.:.:.:.;/:.:.!:.:.:.l,
　　　「やれるものなら―――」　　　　. !.:l　　　　　　!:.:.:!z:.:':/:.:ｲ:､:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l　　　　__,,,,l-'.:! `'''ヾ:.;!.:ヾ.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. l.:l｀ｰ_　　 -__l,;,;.l　に l/ !.:.:`､:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l､ｰ' ,　　　 l:.;.:.! ,r‐'ヾ! !.:.:.:.ヾ'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l ヽ、--一 l.:,:.:.!,!l'''''ﾄ､ `､.:.:.:.:`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l　　` ,､___, !.;.:.:!_,y'´:.:.i_　ヾ:.:.:
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251 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:18:19 ID:gCkKkRP7 ジュンは相変わらず種田ばりのスタンスだな

八３７５．
相手が先手を取り、凄まじい速度で突きかかった。



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　　　やってみるがいい！

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |.| .|　　　　　 |＼　　　　　 　 　 　 ∧
　　　　　　　　　　 　 　 　 |ヽ　　　　||.| | | |.　　　　　 ＼＼ 　 　 　 　 　 /∨
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　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ ＼　 　 |　 !　　　　　　　 　 　 　 　 ／　,/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ ヽ, 　 |　|　　　　　　　 　 　 　 ＜ _ ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼j 　 .| .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| .|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 | |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {j

　　　　　　　 　 　 　 　 /:|:::::::::i::::;iく　ﾞi;:lll!::::|||!
　 　 　 　 　 　 　 　 　 i::::::i::::::|;ｨi|liﾘ　　l::ii|:i:lil!
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ-|--イｉlliil/　　　|||:||:|:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｰ!´　　　　ll:::i||:|!
　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　|:|::l:!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |:||!!:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l iil!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |l

八３７６．
眉間を貫こうと迫る切っ先を見極め、持っていた剣で左に打ち払う。



　　　　　＼
　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　 ＼.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／
　　　　　　　　　＼ ＼　　　　　 　 　 |　　　　 　　 　 　 ／.／
　　　　　　　　　丶＼ ＼丶.　　　　　||　 　　　　　／／ ／
　　　　　　　　　　　ヽ＼ ＼ヽ...　O　|│　　　　／／ ／／
　　　　　　　　　　　　＼＼　＼＼　 。./　　 ／／ ／／　　　　　　　ｶﾞｯ！
　　　　　　　　　　　ヽ　＼＼　　＼＼　.。／／ .／／
　　　　　　　　　　　〇 　　ヽ＼　　　　　 ／　／／
　　　　　　　　- -＝二二 三 　　　　　　　　　 三二 ≡ = - -
　　　　　　　　　　　　　　o　　　　　　　＼　＼＼　。
　　　　　　　　　　　　　 ／／　　　　O.＼＼　＼＼　０
　　　　　　　 　 　 0　 ／／　 ／ 。// 　 ＼＼ .＼＼
　　　　　　　　　　　／／　／／　　/　｀~´　 ヾ＼ ＼ヽ
　　　　　　　　　 ／／　／／　○/　　。　 　 　 ヽ＼.＼丶
　　 　 　 　 　 ／／ ／／　　　　　　　　　　　　　 　 ＼＼
　　　　　 　 　 ／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　／／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／



だが―――

八３７８．
そこから更に、刃の軌道が『払い』に変化した。



　　　　 　 　 　 　 　 'i､
　　　　　　　　　　　　..ｌヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿　　/し'/
　　　　　　　 　 　 　 　 ｌヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,r'⌒''"´　 ｊ /　　/
　　　　　　　　　　　　　 ﾞLヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　,く（　　 {
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 /　　,, 　 ,ｲ　l|　　/
　　　　　　　　　　　　　〟 .ｌ. ..ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　／/　/ ｌ　ｌ|　 _｣
　　　　　　　　　　　　　 ﾞぐ､|． .ヽ　　　　.ｌ　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　/ ／ /　/　l　 lレ′
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　.ヽ　　　.l.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 "′/　 ヽ　レ､ゝｨ.__..　-‐ｚ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　 ヽ　　 .!.ｌ　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　 /　ハ　ヽ､　/　　 　 _　/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾞｉ、　　 .ヽ　　!..ｌ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　 ヽ　 { l　 ,r''7ﾞ// ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `-、　　ヽ　| . ｌ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l　/　　　ヽ-' {／　/ ∠ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞ'-、　ﾞ'│ ...ｌ,　 、　　　　　　　　　 　 　 　 ﾚ′　　　　　　　/ /,r‐ｒ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'-　　　　ヽ |.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　l / l　/ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 '|,　　　 .｀'ﾞ ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ　| ル/´｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 " /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ..i-、　　　.ヽ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!!　＼　　　.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾚ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀'-,ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀' |'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ` li,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ、

八３７９．　　　 ・ .・ ・ ・ .・
しかし、それも見えている。

だから落ち着いて最短軌道で剣を引き戻し、刃と刃を合わせるように受け止めると、
魔剣と魔刀がぶつかり合ってオーラ光の火花を散らした。



　　＼＼　　　　　　 　 　 　 |　| |　　　　　　 /　　　　　　　／　　　 　 　 　 　 　 /´ 　 ム -イ;‐ｧ
.　　＼＼＼　　　　 　 　 　 .|　| |　 　 　 　 /　　　　　　／　　　　　　　　　　　　,!　　　 　　〃 /
　　 　 ＼＼　　　　　　　 　 |　|　　　　 　 /'!　　　　 ／　　　　　　　　　　 　 ／　 　 　 ｨ!　|ｌ　ｉ¨７
　　 　 　 ＼＼..　　　　　 　 |　|　　　 　 ./　!　 　 ／／　　　　　　　　　 　／　 　　　;'´ i　 ｌ|　|　|
　　　　　 　 ＼　　　　 |＼　　 |　　　　 //| |＿＿＿　　　　　　　　　　　　l　　／| 　 !:　!　 |L/|　!〉
　　　　　　　　 ＼　 　 |　 ＼　|　　　 .// .l＿　　 ／ 　 　 　 　 　 　 　 　 |.／　 l 　 |!　l　 |　 .|__|　　 　　/`l
　　　　　　　＿＿＿＿|　|＼＼／＼//　　／ ／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　 l!　|　 |　　　　　,､ 　 l　 |/ 〉
　　　　　 　 ＼　　＿＿__|　 ＼／＼/　／ ／　 ＿＿＿＿＿＿＿ 　 　 　 　 　 !　 |l'　|　 |　　　　 ,l |　　l　 |ﾚ'
　　　　　　　　 ＼ ＼　 　 　 　 　 　 ／　　￣￣　 ＿＿　　　　　／　　　　　　　|　 |!　.|／ 　　　　,!　L.-ヾi=,'
　　　　　　　　　　＼ ＼　　__lV ､＿　￣￣￣￣￣―　""　　 ／　―― 　 　 　 |／　　　　　　_,.-'´　 _, - '_´
　　　　　　　　　　 /　 /　,　>　 へ´　　｀ ､￣￣ 　 　 　 　 ／　――　　　　　　　　　　　　　　|_,.- '´|　L-'´_|
　　 　 　 　 　 　 /　 /／/　 Y　l＼　　　　＼　　 　 　 　 く　――――　　　　　　　　　　　　　　,.-'´　 ,.-'"
　　　　　　　　　/　　／./　　　　!　 ＼　 |￣　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　|,.- '´| |　　　　　 ／|
　　 　 　 　 　 /　／ //　　／! .! l＼　＼l　　 !￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|,i　　　　／／　　 ＿＿　　　 　_
　　　　　　　 /／　..//　／　...! l l　　＼ 　 　 | 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ ｨ'　　／＿＿ノ　　 ／丿
　　 　 　 　 /　　　//／／ |　.l l ｌ　　　 ＼ 　 | 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 く／レ　　　　　　 　　／ ／
　　　　 /　/　　　/　／　　 ｌ　∥ｌ　　　　　＼ | 　 　 　 　 ＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,____,. - '´ ／
　　　 ./　/　 　 /／　　　　 l　　.i　　　　　　 ｀　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿＿__,／

八３８０．
驚いて間合いを取ったのは用心棒だ。
今の、突きから払いへの二段攻撃で凡庸な戦士であれば大抵沈むはずなのだ。



　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 　 ／´￣￣｀ヾ｀ヽ.:｝
　　　　　　　 　 　 /.:.:.:￣￣＞＜´￣｀ヾ｀ヽ､、
　 　 　 　 　 　 __/＿二ニｲﾍ:.:.:｀ヽ｀ヽ｀ヽ.:.}.:｝｀ｰ.､
　　　　　　　　 | ｉ´.:.:.:.:.:.:/.:|.:.:.＼,rへr─‐.､j.:ｊ.:,.:}.:｝ヽ
　　　　　　　　 | | :.:.:.:／小ヽ ／.:.:.:./.: //∧///く/:く
　　　　　　　　 { {_:／／{ヽ .://,:.:.:./.: //://|/∧.:.:｀Y^>
　　　　　　 　 /ヽ_／／ﾊゞ////／／/:/ﾍV/|/.:.:.:.//
.　　　　　 　 /.:.:.:/ /.:/⌒Y.:/／／　 ;:/ 　 　 !.:.:.: 从　　　　　　　　　　　　　　「ほう？
　　　　　　 /.:.:.:／／｛こノ／ﾊ㍉、　;:i　　 　 |.:.:.:.|.Y　　　　　　　　　　　　　　 今のをしのぐか」
　　　,.. -≠＜´／／ハ／ｲ/　 ｀ｰ＼ヽ　　 ,,小.:.:.|:.|
　／:.:／ .:.:∠二二=／／:.| 　 　 　 　 '.　ｨシ'|.:.:.:.| 乂
.:.:.:／ .:.:／ﾊ::::::::::／／/ｌ:.:.|　　　　　　∧ 　 /!.:.:. |　　 ｀ヽ、
／ .:.:／.:.//ﾊ_／／!::/ :ｌ.:.:|､　 -ｰ_､_'´　ヽ´ﾊ|.:.:.:.| 　 　 　 ＼
.:.:.／:／//// ／ヽ∧∨ｌ.:.:|:.＼　　　／:::::::ヽ::∨:∧　　　　 　 ＼
彡＜厂'/,V ∧///,＼ヽl.:.:|:　　 ー个＜:::: /∨∨:∧＿＿＿＿　ヽ
////ﾊ/,∨∧////////l .:|　　　 .:.ﾊｌ!: : :｀|∧∨＼ ∨二二二二二＼二二ニﾆ７>
二ニ＝∨∧/////////l:.:|　 　 .:/　il : : : |/∧∨/,＼＼////////ハ∨///////
/////∨∧//////////l :ﾄ､　 .:｛　 :il: : : :|//∧∨/,ハ ∨////////} ｝'//////
//////l |///////////∧ヽ＼　　　:iｌ: : : |//Ⅵ ｝///,｝ ｝'//////,∨///////
//////l |//////////∧ﾊ: : ヽ＼　 :il : : :|/// ∧///ﾉ ﾉ///////／//////



だが、ジュンは馬鹿にするなとと吼えた。
その程度の速度、鍛錬の間で嫌と言うほど見てきたし―――



　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:|ヾ:.:.:.:/:::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 　 ／:.:..:.:..:.:.:.:.:.:|:::::>/-''｀.|:.:.:. /:.::.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 ／ -''´:.:.:.:.:.::.:.:.|／　　 　 |:.:/:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.::.:ヾ:.:.:.:.:.::.､:.:.:::＼
　　　　 ￣/:.:.:.:.:.:.:.:.V:.:.|　　 　 　 |:/:.:.:.:.:,､:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.::.:V:.:.:.:.:.:ヽ ￣
.　　 　 　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ:.:ヽ　＿＿/ﾊ:.:.:.:.: /__V:|≧､:.:.:.:.:.:.V:.:.:.:.:.∧
　　　　 /:.:.:.:.:.:.::V:.:.├弋￣＿＿/ .V:.:/＿ _V=- ､V:.:.:.:.:V:.:.:.:.:.∧
　 　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V:.:ﾚ-=≦￣￣||　i:./i |　　　　　 ||ヾ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.∧　　　　　「親衛騎士の名は、伊達じゃないッ！」
.　　　/,;,;:.::.-' /:.:.:.:.Vゞ　　／／ ||=イ=|.|　　○　　|| V:.:./ヾ:.:.:.:.:.:.::ゝ
　　　 ￣　 　/:.:／/∧ ／／　 /　　　廴=======　r─､:./￣￣ ´　　　　　（魔刀持ち、しかも早い！
.　　　　　　 /／　{　ヾー＝＝''´　 {　　　￣￣￣　　 r　 }´　　　　　　　　　 けど、マコトさん程じゃない！）
　　　　　　　　　　 ヽ .|　　　　　　 ＿＿　　　　　　 /／/
　　　　　　　　　 　　 ∧　　　　　 {=---ｧ}　　　　 /__／
　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　　　 ─= ‐　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　｀　､　　　　　　　, イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|> ､ _ , ィ´　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　r─|　　 　 　 　 ├‐ ､
　　　　　　　　　　　 　 　　 / ..| .}　　　　　　　 V 　 }
　　　　　　　　　　　　　 ／　 　V､　　　　 　／/　　 |＼



彼にとって『見た』と言う経験は、一般のそれとは意味が異なる。

259 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:22:06 ID:auQ3utVZ 見てきたのはやらない夫の剣だもんな 264 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:23:36 ID:1d/Pbc66 それこそが才能だもんな

八３８１．
その大言、後悔するが良い。
呟いた用心棒は再び同じ構えから―――




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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'''`ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r‐'''''ヾ:.:.:.:.`､`.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,r‐''<:,r'´:,/;':ﾄ､ヾ:.:.i,:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ:､:.`､:.`:､ノ`ｰ'l!:`:､ヾ:i:.:.:i,　　　　　　　,r-､___　　　___________,r‐''7´7,!
　　　　「ならば受けてみよ！　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:.`ﾄ､`;､:.ヾr､;'l!;!.i.:ﾄ､i.:.:.;.l____,,,,,,,...-┬ﾌ (´:.:ﾟ.:`i￣`''´:.:.:.;r--っ￣>i,!|
　　　　 秘剣―――」　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,!:.:.λ/ｧ､ヾ:ヽ,!;':,:':/ﾆ l:.:.:,:.!__,,..---‐┴<　i,:':.:.;r-ﾆ'''''￣/ f'''´￣／,;';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___,,,,..,..---‐‐‐''''￣/.:.:/-ﾉ　, ヾ:ヾ:!-‐‐''''/.:.:.;.:l,,r‐'''´￣l'''ヽ_二ﾆ;l_,f-､￣`ヾ ,ﾉ _,／　,;'　';
　　　　　　　　　　　___,,,,....--‐‐‐'''''''￣__,,,,,...--‐‐‐'''''''￣7.:.:./　｀ヾ､ /l:.:.l,:l::::;;;;;;/:.:.:,:.:,!;;;;;::::::;::::::!　 ,ﾉ　　　　 ,'　 `;　`Y　　 ,;''　　';,
　　　 __,,,..--‐‐''￣_,,..--‐‐‐'''''''''' ￣　　　　　　　　　 ,r'ﾌ.:.:/　　 _,,/;;/:.:_;!l:!;;;;;/:.:.:.;.:./;;:::;;;;;;:::::::::! ,r'　, '　　, '　　　　　 `､,;''　　　　;;
-‐''￣,...-‐''''''' ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,f:,i l:.:.i _,,r''´;;r'":,r";;;l;!;/:.;.:':.:.;/:::;;;;;;;;::::::::::::!' ,　'　　, '　　　　　　,,;;''l `ヽ､　　,;'
''' ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚl! ,>''´;;:::::;;;ﾚﾚ'´;;;;;;／;.:'.:.:.:,/::;;;;;;;;;:::::;;::::::::l;' _ , - '　　　 ,r'　,,,;;''　 ,!`､　 `,;;'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `､;;;::::::;;;;;;;;;;;;;;;／;.:.'.:.:.:,／:;;;;;;;;::::::;;;;:::::::::l'´, , _　　　　　 ''''" _ , , '　 ヽ,,;;''　,>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:::::;;;;;;r''´:.:.:.:.:.:,;／::::;;;;;;;;;:::::;;;;;;:::::;;:::::!' , ' - ', ' ' ' ‐ -　　　　　 ,;;;'"　 ,/
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八３８２．
鋭く踏み込むと、同時に見えるほどの素早い剣閃を三つ放った。
構える少年の首へ、胸へ、腹へ。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿/＼／＼/＼／|＿
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｒ'"￣ﾞﾞﾞ.''''ー　,,,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ ..,、　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　燕返し！　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　._............,,,,_ ｀'''-..,、　　　　　　　　　　　　　／　 　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　　　 ｌ　　　　　 ｀ﾞ'''ｰ-ﾐ;;-..、　　　　　　　　　　 ￣|／＼/＼/＼/￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'-、　 ヽ　　　　　　　　　 ｀'''ﾆti､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀-､　.ヽ,　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ'ﾍ..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'-、＼,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'-､.＼、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,,､-∠
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀'-､ ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　) 　 ／　 ,､'て ,,､ィ
　　　　　　　,,,..､ -―ｰ;;二ﾆﾆﾆ＝＝＝＝────｀'-_ ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾌ　/_,,､-ｲ　/./　/
　 _..-''''"´　　　 .../ ﾞ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'-､ﾞ''-､　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　,, /　 ´　　 / / /　/　　　 ,,,､-ｰァ
　ヽ,,　　　　　　　`-..,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀'-､｀'-､　　　　　　　　　　　　　 ｨ, ､- '"　　 r''ｰ "/__l. /　」 ,,ｲ　/ 　 ／
　　　｀ﾞ''''ｰ- ..,,,,_　　　｀ﾞ'''ｰ　..,,_　 　 　 　 　 _、　　　　　　　　　 ｀''-､`'-..,、　　　　　　　　ノ'''´　 ,,､-'"/　/　　,,ｲ 　 /／／ .| /　／,,,､ｲ
　　　　　　　　　　 ￣'''''―-　....,,,_,ﾞ"''―-ﾆ,ﾞ,,_　　　　　　　　　　　　　｀''　　　　 　 　 　 .イ　,､-'"　　ノ　 / ,r'" （　　 　 ）　 （/／/´　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_..-,￣^''''''―--二二;;;;;;―-　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /'´" ／（　　）　/　ﾉ　 /　　　 ﾉ　／　　/　　/
　　　　　　　　　　　　　　　,..-彡'"　　　　　　　　　　　　￣￣ﾞ"'''''￢―ー　　　　　　　　　 　 }　 /　/.　/　 ）　 |　　　 /／　　　/　／
　　　　　　 　 　 　 　 ,..-'ﾞ ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｲ　 }　/　 /　 /　／　　　　　　　　/／
　　 　 　 　 　 　 ,..‐" .,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,,,　　　 　 　 　 /　/　 |　/ 　 /／
　　　　　　　. ／ 　.／　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _,, .;;V｀-´　　　　　 　 ./,／　　|／
　　　　　 ／ 　.／"　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,,.. -‐二ﾞ‐''″
　　　 ,／　 . /　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,.. -ｰ''',ﾞ,ﾞ　ｰ''"゛
　　／　　　/　　　　　　　　　　　_,,..　ｰ''''",ﾞ,,.. -‐''"´
　 /　　　　 !..,,,,,,,,,,,...... --ｰ''''ﾞﾞ,ﾞ,,..　-‐'''"゛
　 `- ..,,,,,,,,,,,,,,,,........--ｰ''''''"´

八３８３．
結果、金属音が二つ―――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /￣ ~/　 　＿＿ ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 /_＿_./　　//　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/￣￣　　　　 　 /　　//　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /＿＿　　　＿_　/　　//　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /　/ /._Ｍ//_Ｍ/
　　　　　　　　　　　　　　　　`　　　　　'　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　 /　/　　 /
　　　　　　　　　　　　　 　　　　､ 　　ﾉヾ　 　 　'　　　 　　　　　　　　/　　 /　/　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　)ヽ/　　ヽ､ﾉ|ノ´　　　　　　　　　　./　　 /　/　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 `r　　　　　　r'　　　　　　　　　　 /μM/　/　　 /　＿　＿　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　（　　　　　　　　　　　　　　　./μM/　/　//　//　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　,　'´⌒`Y´⌒` ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　./M//M//　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　/
　　 `　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /M/
　　　　＼ ,,_人､ノヽ
　　　　　)ヽ　　　　（
　　-　＜　　　　　　 ＞─
　　　　　)　　　　　て
　　　　／^⌒`Y´^＼

　　　　　　　　..　/⌒i
　　　　　　_,,..､　.|　 / ,..-､
　　　　　　l 　 l　| /´ l,､_ノ ,
　　　 　 　 |　 i'　'´_,,、
　　　 　 　 .|　 し''´　」
　　　　　 　 |　 ,,.-''´　　.
　　　　　　　|　.|　　　　　　,､ r‐'ｌ　.r､、
　　 　 　 　 .l､_ﾉ　　　　　i　ﾞl.|　ﾞl /　lﾞ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 │ ﾞl |　|/　lﾞ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾞl,,ﾉ '"│ /
　　　　　　　　　　　　　　 ´　　.lﾞ　lﾞ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼,lﾞ



そして、少量の血しぶきが舞った。



　　　o
　　　　ゝ;:ヽ-‐―ｒ;;,　　　　　　　　　　　　　　 。
,,____＿冫;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼　　　　　　,,,,,,,,　o　　／
"｀ヽ;:;:;;;:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:从　　　　（;:;:;:;:ヾ-r
　　　〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:）　０　　ソ;:;:;:;:;:;:;:｝
　　,,__);:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ　　　　 ゞｲ"ヾ,:;:,ｿ
　　(;:;:ノｒ-´^~;;r-ー⌒｀　　　　,.、
　　"　　,,,,　　　　　　_;:;:⌒ゝｿ;:/
　　　　（;:;:丿　　　　（;:;:;:;:;:;:;:;:;:)
　　　　　　　　　　　　ヾ;;;;;;;;;;;;/;　＼　　　ﾊﾟｯ
　　　　　　　　　　　　´　　/;:ﾉ　。　　。
　　　　　　　　　　　　　　　　（）

八３８４．



　　 　 　 　 _, -, =ｚ＞､　 _＿
.　　 　 　 ／　/_,: zｿ／.ｿヽｲ、
.　　　 　 ﾏ:ｒ:／ ＼ヽ¨ｿ} / l |
　　　 ,- ､ l/　　　 _´ヽ/=､! ､〉
　　.ー' １ Y　　 ／ ﾌ　 ＼>! ヽ　　　　　　　　「ギャアアッ！」
　　　i　 /　ﾊ　 ヽ／　　　／! トヽ
　　,／ {　 {,､＿　＿_, ィノﾚ'j/
　´ r､ ＼ ｉー-{二 ┐
　　　 ´ 　 rー‐' , ┴i､l　 　,　-－-
　　 l　　　　￣{└〈_,- 〉／／　　　　',
　　 l　 　 　 /入_＿ ／ ｢/　　　　　 |
　　　＼　 　 ＼ヽ／　／　　 　 　 　 {
　　＼　 ＼ _, - '´ ／., -- ､　　　　　 |
　　 ヽ - ／　 　／. :/　　　 〉: : : : .　 l　　ﾄﾞｯ
　　 ￣'´　 　 /: : : /　　　 ￣ヽ:､: : : .|
　　 　 　 　 . l : : : { ヽ _　　　　l: :ヽ: :｝
　　　.　 . : : : : : : /　　　　　　　＼:}:ｲ



　　　　　　　　　　　 ,. -─- ､._
　 　 　 　 　 　 ,. ‐'´　　　　　　`‐､
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ヽ､_／)ﾉ
　　　　　　/　　　　 ／￣~`'''‐- ､.._　　　ノ
　　　　　　i. 　　　／　　　　　　　　 ￣l　7
　　　　　　,!ヘ.　/ ‐- ､._　　　u　　　　|/
.　　　　　 |〃､!ﾐ:　　 -─ゝ、　 　 ＿_ .l　　　　　「サ、サクラダ殿ォォォ！」
　　　　　　!_ﾋ;　　　 Ｌ(.:)＿ `ｰ'"〈:)_,` /
　　　　　　/｀ﾞi　u 　 　 　 ´　　　 ヽ　 !
　　　　_／:::::::!　　　　　　 　 　 　 ,,..ゝ!
_,,. -‐ﾍ::::::::::::::ヽ、　　　 r'´~｀''‐､　 ／
　!　 　 ＼::::::::::::::ヽ　　　`ｰ─ '　／
　i､　　 　 ＼:::::::::::::::..､　　~"　／
　.! ＼　　 　 `‐､.　 　 `ｰ;--'´
　 ヽ　＼　　　　 ＼　　 /

八３８５．
弾き飛ばされて地面に転がった相手を見て、剣士は勝利を確信した。
切れ味が鋭すぎるせいで、綺麗な切断面から血が余り出ないと言うのは何回かあったからだ。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,_　,r'´:.:`.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,,..----'‐=Hﾆﾆｺ:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´;.:.:,',:';r'´,;_:.:.:.ノ｀ヾ:.:.:.:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. f'''ヾ.;.:,';.',;.:-;.:.:ヾ.:.:.:.:.:.i､.:.:.:.l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.!ヾ､;,r;´,;z,;i:.:.:.i:.:.:.:.;/:.:.!:.:.:.l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l　　　　　　!:.:.:!z:.:':/:.:ｲ:､:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l　　　　__,,,,l-'.:! `'''ヾ:.;!.:ヾ.:ヽ
　　　「口ほどにもな―――」　　　. l.:l｀ｰ_　　 -__l,;,;.l　に l/ !.:.:`､:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l､ｰ' ,　　　 l:.;.:.! ,r‐'ヾ! !.:.:.:.ヾ'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l ヽ、--一 l.:,:.:.!,!l'''''ﾄ､ `､.:.:.:.:`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l　　` ,､___, !.;.:.:!_,y'´:.:.i_　ヾ:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l　　,l'-;;;;;l　!,:.:.;!:.:.:.:.:.:.:.:,!--.ゞ､　　　　　　　　＿/＼／＼/＼／|＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,f;.:.!-‐'i : :l　! ,!;.:.;!:.:.:.;.:',／::::::::::::::　　　　　　　　＼　　 　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l,!ヾヽ'´ヽ:,! ﾚ'ﾚ!./!.:,;.:''.:.:￣''''''‐　　　　　　　　　＜　　まだだっ！　 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ￣|／＼/＼/＼/￣



しかし。
弾かれるように飛び起きたジュンは頬から血を滴らせてはいるものの、
致命傷を負っている様子は無い。



::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::/i/／ i:::::::::::::::::::::::::|::::::|:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::＼
::::::::::::::::::::::::::::ﾊ;;;;;;;;;/-'´ 　 .|::::::::::::::::::::::::ﾄ::::: ﾄ::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ￣　　 　 　 |::::::ﾊ::::::::::::::|　＼i ＼::::::::::::|:::::::::::::::::::::ﾊ
::::::::::::::::::::::::::::;:::ﾊ　　　 　 　 |:::/　V::::::::::ﾘ　　　　ｨ=ﾊ:::: |::::::::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::iヽ:ﾍ　　　　　 |:/　　 V::::::/　　　/ｲ＝ﾌi｝ヾ─────'｀
ヽ:::::::::::::::::::::::::|　＼ヽ　　 　 |i!　　　 ｝::/　　　r''´ゞハi l:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　「僕はまだ、死んじゃいないぞ！」
::::＼::::::::::::::::::::|　　 ＼　　　＿＿ニ三ｲ　　　||r j｝i|　.i lヾ｝
::::::::::＼::::::::::::: |　　　／::::＿,,,ィ彡=''´i/il_,=＝|.しｿﾊ ﾉﾉ-､
:::::::::::/ ＼::::::::::ヾ ／:- ''´＞''´ -=ｲ｀　 ||r'´｀ ﾊ彡　ｙ/: : : :＼ニニミ-､　　　　　　　　　（何だ今の！？
::::::::/　　　｀ー- xゝ rィ彡''´イッ:::ﾘ　　/i　　　ミー=´i: : : : : : :｀:-:､: : :｝ｿヽ　　　　　　　 同時に三つの剣閃が迫ってきたぞ！）
:::::/::ﾊ＿＿＿＿＿/ /　 /　ﾋ:::..ソﾉ　｛.ﾘ　　　　｝.　 l-､: : : : : : : : i: ://: :ﾊ
￣ヽ──────､ﾊ　ヾ　　ゞ''´　 ノﾉ　　　 ./　 ./: :ﾉ: : : : : : : : l: i l: : : ﾊ
i ヽ　｀ -ゝ　　　　　　ヽヽ　ミ=''´　／／　　　　 　 /: : i: : : : : : : : : l: i l: : : : :ヽ､
｛　　ﾊ　　　　　　　　　＼＼＿_／／　　　　, ィ　/: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : ＼
　｀　　 廴　　　　　し　　　ー─''´　　　 ir'_´'´ ./: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : /
>､＿　　　ー　　 　 　 ┃　　　　 　 　 　　 　 /: : :/: : : : : : : : ::／: : : : : : : : : : :/
: : : : : ＞-､＿ハ､　 ....┃　　　　　　 　 　 　 ハ／: : : : : : : :／: : : : : : : : : : : :/ハ

八３８６．



　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 　 ／´￣￣｀ヾ｀ヽ.:｝
　　　　　　　 　 　 /.:.:.:￣￣＞＜´￣｀ヾ｀ヽ､、
　 　 　 　 　 　 __/＿二ニｲﾍ:.:.:｀ヽ｀ヽ｀ヽ.:.}.:｝｀ｰ.､
　　　　　　　　 | ｉ´.:.:.:.:.:.:/.:|.:.:.＼,rへr─‐.､j.:ｊ.:,.:}.:｝ヽ
　　　　　　　　 | | :.:.:.:／小ヽ ／.:.:.:./.: //∧///く/:く
　　　　　　　　 { {_:／／{ヽ .://,:.:.:./.: //://|/∧.:.:｀Y^>
　　　　　　 　 /ヽ_／／ﾊゞ////／／/:/ﾍV/|/.:.:.:.//
.　　　　　 　 /.:.:.:/ /.:/⌒Y.:/／／　 ;:/ 　 　 !.:.:.: 从　　　　　　　　　　　　　　　　　「防いだだと？
　　　　　　 /.:.:.:／／｛こノ／ﾊ㍉、　;:i　　 　 |.:.:.:.|.Y　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―――生意気な」
　　　,.. -≠＜´／／ハ／ｲ/　 ｀ｰ＼ヽ　　 ,,小.:.:.|:.|
　／:.:／ .:.:∠二二=／／:.| 　 　 　 　 '.　ｨシ'|.:.:.:.| 乂
.:.:.:／ .:.:／ﾊ::::::::::／／/ｌ:.:.|　　　　　　∧ 　 /!.:.:. |　　 ｀ヽ、　　　　　　　　　　　　　（首を狙った一撃は皮一枚で避け、
／ .:.:／.:.//ﾊ_／／!::/ :ｌ.:.:|､　 -ｰ_､_'´　ヽ´ﾊ|.:.:.:.| 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　 胸は鎧に任せ、
.:.:.／:／//// ／ヽ∧∨ｌ.:.:|:.＼　　　／:::::::ヽ::∨:∧　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　　腹は魔剣で受けた、か）
彡＜厂'/,V ∧///,＼ヽl.:.:|:　　 ー个＜:::: /∨∨:∧＿＿＿＿　ヽ
////ﾊ/,∨∧////////l .:|　　　 .:.ﾊｌ!: : :｀|∧∨＼ ∨二二二二二＼二二ニﾆ７>
二ニ＝∨∧/////////l:.:|　 　 .:/　il : : : |/∧∨/,＼＼////////ハ∨///////
/////∨∧//////////l :ﾄ､　 .:｛　 :il: : : :|//∧∨/,ハ ∨////////} ｝'//////
//////l |///////////∧ヽ＼　　　:iｌ: : : |//Ⅵ ｝///,｝ ｝'//////,∨///////
//////l |//////////∧ﾊ: : ヽ＼　 :il : : :|/// ∧///ﾉ ﾉ///////／//////



見れば、ブレスト・プレートの左胸には大きな刀傷が付いている。
確かに速度重視の攻撃故に、金属を断つほどの鋭さと重さを兼ね備えている訳ではない。

しかも自信のあった戦技を受けられてプライドが傷ついた所に、
塩を塗り込むように少年がこんなものか、と挑発してくるので、



　　､＿＿／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::/: /::/::::::＼ﾍ
　　 ＞::::::／::::::::/::::::::::/::::::::::::::::: |:::::::::::::::::::/::::V:::/:i::::::ﾍ:::＼
　　　 ／:::::::::::::/::::::::::/::::::::::::::::: : |::::::::::::::ﾄ::iト::┴<:::|:::i::::::＼::＼
　　 /:::::::::::::::::/:::::::: /::::::::::::::::::: ::ｲ::::::::::::::ﾊ::|　 　 Vﾉ: |:::::::::ﾊ￣
.　 /:::::::ｨ:::::::/::::::::: /::::::::::::::::::::::/-∠ヽ:::::',　ヽ　　.ｲ:::/:::::::::i::ヽ
　/:::／ |::::: {::::::::::::i:::::::::::::::::::／＿＿≧:::::ﾊ　 ＿∠:/:::::::::人:::::ゝ　　　「さぁどうする！」
./／　　.}::::::i::::::::::::|::::::::::::／ ||' r￣ (:::). Yヾ:::i　 r===ﾚi::::::/:}＼i
　　　　 ﾉ::::::|::::::: : |::::::／|　 .||　＼　＿　i　ﾊﾄ=ｲ(::)ヽ{:l:: /:::i　　　　　 （一撃一撃は団長ほど重くない！
　　 　 ハ:::/i::::::::::ﾊ／ヽ/　　ヾ＿＿＿ノ　　　}､-　i::./ハ.|　　　　　　 間合いはランサー程度と思った方が良い！）
　　　／=＼ ﾚﾍ::ﾊ ヽ　{　　　　￣￣￣　　　 ノ　　|'´
　　/'´　　　＼＼::::ヽ ヽi　　 　 ┃　　　_ ＿　　　 /
　　{　　　　　　￣＼￣｀ー ､　 .┃　　 'ー-' 　 ／
　 ノ｀ー ─　ミ､　　.＼＼　 ￣}┃.　　　 ｀　／┐
. (　／　　　　　 ＼　　 ＼＼　 i　　>──'´　　ヽr-､
　.Y　　　　　　　　 ＼　　 ＼＼廴r　＞'´　　　/　　 /
　/　　　　　　　　　　ﾊ　　　　ミ＝V　　　 /／　　イ

267 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:25:35 ID:gCkKkRP7 ここまで長い刀はTRPG的に都合よく取り出せないと邪魔で仕方ないだろうな 272 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:27:28 ID:SknNnx4B 思えばJUNは、学ぶ才能があったんだな… 加えて、やらない夫を初めとする先達にも恵まれていたし

八３８７．
次は確実に殺すつもりでカタナに気を込め始める。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'''`ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r‐'''''ヾ:.:.:.:.`､`.､
　　　「死ね。　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,,,r‐''<:,r'´:,/;':ﾄ､ヾ:.:.i,:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　―――地平―――」　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾄ:､:.`､:.`:､ノ`ｰ'l!:`:､ヾ:i:.:.:i,　　　　　　　,r-､___　　　___________,r‐''7´7,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l:.:.`ﾄ､`;､:.ヾr､;'l!;!.i.:ﾄ､i.:.:.;.l____,,,,,,,...-┬ﾌ (´:.:ﾟ.:`i￣`''´:.:.:.;r--っ￣>i,!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,!:.:.λ/ｧ､ヾ:ヽ,!;':,:':/ﾆ l:.:.:,:.!__,,..---‐┴<　i,:':.:.;r-ﾆ'''''￣/ f'''´￣／,;';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___,,,,..,..---‐‐‐''''￣/.:.:/-ﾉ　, ヾ:ヾ:!-‐‐''''/.:.:.;.:l,,r‐'''´￣l'''ヽ_二ﾆ;l_,f-､￣`ヾ ,ﾉ _,／　,;'　';
　　　　　　　　　　　___,,,,....--‐‐‐'''''''￣__,,,,,...--‐‐‐'''''''￣7.:.:./　｀ヾ､ /l:.:.l,:l::::;;;;;;/:.:.:,:.:,!;;;;;::::::;::::::!　 ,ﾉ　　　　 ,'　 `;　`Y　　 ,;''　　';,
　　　 __,,,..--‐‐''￣_,,..--‐‐‐'''''''''' ￣　　　　　　　　　 ,r'ﾌ.:.:/　　 _,,/;;/:.:_;!l:!;;;;;/:.:.:.;.:./;;:::;;;;;;:::::::::! ,r'　, '　　, '　　　　　 `､,;''　　　　;;
-‐''￣,...-‐''''''' ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,f:,i l:.:.i _,,r''´;;r'":,r";;;l;!;/:.;.:':.:.;/:::;;;;;;;;::::::::::::!' ,　'　　, '　　　　　　,,;;''l `ヽ､　　,;'
''' ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚl! ,>''´;;:::::;;;ﾚﾚ'´;;;;;;／;.:'.:.:.:,/::;;;;;;;;;:::::;;::::::::l;' _ , - '　　　 ,r'　,,,;;''　 ,!`､　 `,;;'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `､;;;::::::;;;;;;;;;;;;;;;／;.:.'.:.:.:,／:;;;;;;;;::::::;;;;:::::::::l'´, , _　　　　　 ''''" _ , , '　 ヽ,,;;''　,>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:::::;;;;;;r''´:.:.:.:.:.:,;／::::;;;;;;;;;:::::;;;;;;:::::;;:::::!' , ' - ', ' ' ' ‐ -　　　　　 ,;;;'"　 ,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ゞ''´:.:.:.:.:.:,;／´;;:::::;;;;;;;;::::::;;;;;;::::::;;;;;::::!　 ' ,　　｀ ' ‐ ,　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r''''´:.:.:.:._;,r‐''´;;;;;;:::::::;;;;;;;:::::::;;;;;;;;:::::::;;;;;;:::l 　 ' ,　' ,　　　　　'　,　　　　　　 ,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r'''´:.:.:_,;,.:-‐'´ `､::::::;;;;::::::;;;;;;;::::;;;;;;;;;;::::::::::;;;;:::::ﾄ､　 ;　　　'　__　　　　'　　　　 _,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r''´:._;r‐''''´　　　　　　ヾ:;;;:::::::::;;;;:::::;;;;;;;;;:::::::::::;;;::::::::l ｀ｰ-‐'''''7￣　ﾄ､　　　__,,,..-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r''´,;,r‐''´　　　　　　　　　　　 !;;:::::::;;;:::::;;;;;;;;;;::::::::::;;''::::;;;;;;;!　　　　/ _,,,,,,,,,!　`ｰ'''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r':´;r'' ´　　　　　　　　　　　　　　 l;;:::;;;;;;::;;;;;;;;;;;::::;;;;:::'::;;;;;;;;;<　　　 _,/''´
　　　　　　　　　　　　　　　　_,r'´;r''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >;;;;;::::;;;;;;;:::;;;;;;:::;;;;;;;;;;:::;;;;>'''''￣
　　　　　　　　　　　　　　,r'´;r''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!;;;:::::;;;;:::;;;;;;;::;;;;;;;::::::;;;;;;;:::`､
　　　　　　　　　　　　 ,r".;r'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r';;::::;;;;:::;;;;;;::::;;;;:::::::;;;;;;;::::;;;;;:ヽ
　　　　　　　　　　　 ,f:.;r'’　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r''´;;::::;;;;;::;;;;;;::::;;::::::::::;;;;;::::::::::;;;;;;;;;i,
　　　　　　　　　　　 ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r';;;;;::::::;;;;;::::::;;;;:::::::::::::::::;;;::::::::::::::::::;;;;;;l

八３８８．



　　　　　　　 　 　 　 　 /:|:::::::::i::::;iく　ﾞi;:lll!::::|||!
　 　 　 　 　 　 　 　 　 i::::::i::::::|;ｨi|liﾘ　　l::ii|:i:lil!　　　　（―――！）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ-|--イｉlliil/　　　|||:||:|:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｰ!´　　　　ll:::i||:|!　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /ﾍ､
　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　|:|::l:!|　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /::::::r'　　　　 _　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |:||!!:　　　　　　　　　　　　 　　　　　 {_::::/　　　　 /:/ /:r'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l iil!　　　　　　　　　　　　 　　　　 　//　　　　 〈;;/ /:::i　　　　 　 　 　 　 ／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||i!　　　　　　　　　　　　 .　　　 　// 　　　 r':ヽ　/:::::l　　　　　　 　 　 ./::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |l　　　　　　.　　　　　　　　 　 　//　　　 　 7:/　｀ヽ'　　　　　　 　 　 /::::::／
　　　　.(○)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 /::l　　　　　/:/　　　,._　　　　 　 　 　 .i::::/
　　"'" ヾ|〃　　 　 　 "' "　　　　　　　　"'"　　　　　　　　　　　"'"'"　　　 　l::::l　　　　 /:/　　 r'::ﾉ　r'ヽ　　 　 　 ./::/
　　　　"'"" 　　　 (○)　　　　　　　　　　　　　　　　　"'"　　　　　　　　.　　 j::::l　　 　 /:::l　　　l::i　 /::/　 　 　 　 i::/
　　　　　　　　　　ヾ|〃　　　　　　　　　"'"　　　　　　　 　 　 　 　 (○) . 　 /::::::l 　 　 l::::::l 　　L:j　「:ﾝ;へ　　 　 ./::l
　 　 　 "'"'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ|〃　　|::::::::l　　　.ヽ／　　　　　_／:／　　　.ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　"'"'" 　　　　　　　　　　　　　　 　　 ''"'" 　　ヽ::／　　　　　　　　　　ヽｰ '　　　　 ,ｨﾍ
　　　"'" . 　 　 　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(○)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ/
　　　　　　　"'"　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 "'" 　 　 　　ヾ|〃
　"'"　　　　　　　　　　　　　"'"　　　　　　　 　　　　　　　　"'""
`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,



刹那、相手の狙いを見切ったジュンはその場から跳び退り、

八３８９．
一瞬遅れて振るわれた攻撃は―――



　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞﾞ"'ｰｯ　　　　　　　￣,二＝─
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 , ／　　　　　 _..-'"゛
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ 　　　　 ., ／
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ 　　　　 .／゛
　　　　　　　　　　　　 _／゛　　　　　／
　　　　 　 　 　 　 ,／゛ 　 　 　 　 /
　　　　　　　　,∠―''ﾞﾞ,!　　　　　/
　　　 　 　 -'"　　　 ./ 　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈 ￣l
　　　　　　　　　　　/ 　,..┐　 .lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　/ｰ'　　ヽ、　　　　　ハ　　　　　　　__
　　　　　　　　　　 /.／　 !　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ヽ、 　 r'　　　　　ノ 　 ! 　　　　　/　ヽ
　　 　 　 　 　 　 〃　　　!　　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐' 　　￣ヽ／￣　　　! 　　　　　!　　!
　　　　　　　　　 ″　　 .lﾞ　　　 .ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 =　 ﾞ 　 ﾊ　　 ＿_ノ 　　　　　/　　j
　　　　　　　　　　　　　 !　　　　 .ｌ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 =　ﾞ　/　!　 ｀ヽ-―､ 　　　 /　　/
　　　　　　　　　　　　　lλ　　　　.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ__　 = ⌒　　　　　_ノ　　　/　　ノ
　　　　　　　　　　　　 　│　/'､　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　 　 　 l｀￣ 　 〈⌒/ /ヽ　 ﾉ　　　　/　 ノ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ! /　 ヽ　　 .｀､　　　　　　　　　　　　　　 　ヽ-‐ヘ ヽr'_/　 |　|　　　　 /,､__!
　　　　　　　　 　 　 　 　 |/　　 .ヽ　　　 .＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.j.　 　 |　|　　　／ {
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　 . ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　|　_,.-､⌒
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ.iｰ ､　　　 . ＼　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,ノ　l　{ 　 ｀!
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　　｀'-、　　　 ﾞ''-､　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀¨ー 　｀ー'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀'-　l＼ 、 ｀''-､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀〈i、 .｀''-..、 ｀''-､,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀　　　　｀''-､、 .｀''ｰ､,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀'‐llZｰ-.｀''ｰ..,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　｀''''‐

八３９０．
無人の地面をざっくりと切り裂いた。



　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿　　/し'/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,r'⌒''"´　 ｊ /　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　,く（　　 {
　　　　　　　　　.　　　　　　 /　　,, 　 ,ｲ　l|　　/
　　　　　　　　　　　　　　　/　／/　/ ｌ　ｌ|　 _｣
　　　　　　　　　.　　　　　/ ／ /　/　l　 lレ′
　　　　　　　　　　　 　 　 "′/　 ヽ　レ､ゝｨ.__..　-‐ｚ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　ハ　ヽ､　/　　 　 _　/
　　　　　　　　　　　　　　　/　/　 ヽ　 { l　 ,r''7ﾞ// ,'
　　　　　　　　　　 　 　 　 l　/　　　ヽ-' {／　/ ∠ノ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾚ′　　　　　　　/ /,r‐ｒ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　l / l　/ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ　| ル/´｝
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 " /　/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾚ′
　　　　.(○)
　　"'" ヾ|〃　　 　 　 "' "　　　　　　　　"'"　　　　　　　　　　　"'"'"
　　　　"'"" 　　　 (○)　　　　　　　　　　　　　　　　　"'"
　　　　　　　　　　ヾ|〃　　　　　　　　　"'"　　　　　　　 　 　 　 　 (○)
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/人＿人∧
　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^YY￣∨￣∨^Y
　　　"'" . 　 　 　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(○)
　　　　　　　"'"　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 "'" 　 　 　　ヾ|〃
　"'"　　　　　　　　　　　　　"'"　　　　　　　 　　　　　　　　"'""
`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,"'`',:'':'`::;:;..,




　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.-===、､
　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ　　　ヽヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 :l匚ユ_＿＿__ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　 jΘ-|l__-‐l.ｌ‐i|　　　　　　　　　　　「じ、地面が！？」
　　　　　　　　　　　　　　　　 リ ..ﾑ＼　」∟i
　　　　　　　　　　　　　　 　 （ ( ─,' ヽ'´　ム
　　　　　　　　　　　　　,,....＿__,,,〉-!､＿O 只0),--- 、
　　　　　　　　　　　 ./ 　/ /　｀'''‐‐,‐‐''￣ .|　（　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 ｌ　/ ./　 　　 /　 　 　 ヽ　ゝ、　 ヽ
　　　　　　　　　　　 ｌ/　 j　　,.-‐∧, 　　　　卜　 ＼＿|
　　　　　　　　　　　'ﾞY　Ｙ／´　　　 ｀ﾞ'''‐-､_rｲ ／￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　|　ｲ 　　 _,,....,,,,　　　　＾ 'ﾘヽ 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　 　 ∟│ ノノー‐‐ヽゝ､ 　 │ 　、___..,,/
　　　　　　　　　　　 ..ﾃ─ﾚ'　'´| |　| | ヽヽ､__|　 　ﾍ----｀、

八３９１．
また、驚愕が男を突き抜ける。
『地平斬』と言えば使い手を選ぶ程の剣技である、
それをこうも簡単に見切られるとは考えもしなかったのだ。



　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 　 ／´￣￣｀ヾ｀ヽ.:｝
　　　　　　　 　 　 /.:.:.:￣￣＞＜´￣｀ヾ｀ヽ､、
　 　 　 　 　 　 __/＿二ニｲﾍ:.:.:｀ヽ｀ヽ｀ヽ.:.}.:｝｀ｰ.､
　　　　　　　　 | ｉ´.:.:.:.:.:.:/.:|.:.:.＼,rへr─‐.､j.:ｊ.:,.:}.:｝ヽ
　　　　　　　　 | | :.:.:.:／小ヽ ／.:.:.:./.: //∧///く/:く
　　　　　　　　 { {_:／／{ヽ .://,:.:.:./.: //://|/∧.:.:｀Y^>
　　　　　　 　 /ヽ_／／ﾊゞ////／／/:/ﾍV/|/.:.:.:.//　　　　　　　　　　　　「貴様！
.　　　　　 　 /.:.:.:/ /.:/⌒Y.:/／／　 ;:/ 　 　 !.:.:.: 从　　　　　　　　　　　　 何故避けられる！」
　　　　　　 /.:.:.:／／｛こノ／ﾊ㍉、　;:i　　 　 |.:.:.:.|.Y
　　　,.. -≠＜´／／ハ／ｲ/　 ｀ｰ＼ヽ　　 ,,小.:.:.|:.|
　／:.:／ .:.:∠二二=／／:.| 　 　 　 　 '.　ｨシ'|.:.:.:.| 乂
.:.:.:／ .:.:／ﾊ::::::::::／／/ｌ:.:.|　　　　　　∧ 　 /!.:.:. |　　 ｀ヽ、
／ .:.:／.:.//ﾊ_／／!::/ :ｌ.:.:|､　 -ｰ_､_'´　ヽ´ﾊ|.:.:.:.| 　 　 　 ＼
.:.:.／:／//// ／ヽ∧∨ｌ.:.:|:.＼　　　／:::::::ヽ::∨:∧　　　　 　 ＼
彡＜厂'/,V ∧///,＼ヽl.:.:|:　　 ー个＜:::: /∨∨:∧＿＿＿＿　ヽ
////ﾊ/,∨∧////////l .:|　　　 .:.ﾊｌ!: : :｀|∧∨＼ ∨二二二二二＼二二ニﾆ７>
二ニ＝∨∧/////////l:.:|　 　 .:/　il : : : |/∧∨/,＼＼////////ハ∨///////
/////∨∧//////////l :ﾄ､　 .:｛　 :il: : : :|//∧∨/,ハ ∨////////} ｝'//////
//////l |///////////∧ヽ＼　　　:iｌ: : : |//Ⅵ ｝///,｝ ｝'//////,∨///////
//////l |//////////∧ﾊ: : ヽ＼　 :il : : :|/// ∧///ﾉ ﾉ///////／//////



しかしその剣技もジュンは見た事がある。
しかも、もっと早く鋭い一撃を、だ。



: : : : : : /　　　　　l.:::＼ | |.:.:.:.:.:.:＼
: : : : : /　　　　　　l.:.::::::ﾘ |/´ ￣｀`,　　.:.:.:.::.:.:.:＼
: : : : /　　　　　　　l.:.:／　　　　　　',　　　　.:.:.:.:.:.:＼
: : : /　　　　　　　　＼　　　　　　　 ',　　　　　.:.:.:.:.::::ヽ
: : 〈　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ', .:.::::::::::::::::::|＼.::.:|
: : : :',　　　　　　 .:.:.:.:.:　 ＼　　　　　 ',::::::::ﾄ､.::::::::|　ﾊ:.:l
: : : : :',　　　　　 .:.:.:.:.:.:.ﾄ､　＼　　　　 ',::::::lﾆ＼:::::|
: : : : : .',　　　　　.:.:.:.:.:.:l　＼　＼／　　',::::l　　 ﾄ､|
: : : : ::::::',　　　　 .:.:.:.:.:.:l　　　`y':／ﾆヽ ',::l1 　 l |　　　　　　「『地平斬』は知ってる！
.:.:.:.:::::::::∧ 　　　 .:.:.:.:.:.:l　 ／／／　 い / l　　l |　　　　　　 タメなきゃ撃てない限り、僕には当たらない！」
:.:.:.::::::::/　ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ..／∠　　　 い /ハノ/
.:.::::::::./　　　＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:V彳o:::ヽ　　　j! !　　`ヽ　　　　　　 （やらない夫の練習を見ていたおかげだ！
.:::::::::〈 　　 　　 ＼.:.:.:.:.:.:.:}ﾑ:::::::ノ´ ／／　　　 /　　　　　　
､::::::::::.＼_,,　-‐　　＼.:.:.:.:l　￣　／／　　 　 ,.ｲ　　　　　　　―――しかしこいつ、なんで大技の先手ばっかり？
　ヽ　　　　　　 　 　 　＼:L＿／／　　　　　 /　　　　　　　　守りが苦手なんだろうか）
　　＼　　　　　　　　　　└＝＝'　　　　 ／/
　　　 ＼　　　　　　　　 ┃　　　　　　　　 /
　　　　　＼　　　　　 　 ┃ 　 　 　 　 　 ,′
　　　　　　 ＼　　 　 　 ┃　　　　　　　 ,′
　　　　　　　　＼`ー--------r---‐‐'´
　　　　　　　　　 ＼　　　　　 ∠￣`ヽ

八３９２．
取りあえず防御や回避に集中していれば致命傷は負わなさそうだ。
そう判断した彼は、そろそろ攻撃に出てみるかと大体のアタリを付けてみた。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::ヽ／::::::〈 へ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-┘:::::::::::::::::::::::::::｀＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠::::::/::::::::::::::::〉ヽ::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::〈:::|＾＾|:::::/＼ﾄ､ヽ::::::>
　 |＼　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::::ﾊ|＿l/l/.＿_-ヽ|:::」
　　＼＼　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .￣7/.|＿_|─|＿_|- lj/
　　　 ＼＼　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾍ. 　__;_＿、 /　　　　　　「今度はこちらから行くぞ！」
　　　　　＼＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾌヽ辷フイ{ヾ
　　　　　　 ＼＼　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::〈｀l7:´::::::ヽ　　　　　　（長い武器だ、取り回しが苦手とか
　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　 ﾉ::::::::::::V::/:::::::::::〉　　　　　　懐に入られるのが嫌いなのかも！）
　　　　　　　　 　＼＼　　　 　 　 　 　 /:::::::::::7::ﾄ/:::::::::::/
　　　　　　　　　　　＼＼　　　　 　 　 /::::::::::/:::::/::::::::://
　　　　　　　　　　　　 ＼＼ 　　　 ／::::::::::／l ／:::::::::/::l
　　　　　　　　　　　 　 ∠二フ　／:::::::::::::/　／:::::::::／::::!
　　　　　　　　　　　 　 　ヽ,'~つﾆ〉ヾ::::::::/／::::::::::／::::::::j
　　　　　　　　　　　　　　ﾞへノ7 　ヽノ<::::::::::／ヾー--￢
　　　　　　　　　　　　　　　　　 くヲ｀`　 ヽ＜／^ヾフ=／{
　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -ヾソ　　ノ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,
　　　　　　　　　　　　　r ' ´:::::::::::::`ｰ‐'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀`丶
　　　　　　　　　　　　　l::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -─- ､_:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::r -- ' ´　　　　　　　｀`'ｰ､:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::l　　　　　　　　　　　　　　 l::::::::::::

八３９３
それからの踏み込みは、ジュンとしては最大の速度で行ったつもりだったが―――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::7　_
　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.::::::::::::::::::厶=-‐-.､＿　　　　　　　　　/::::/_r':::|　/￣|
　　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.::::::::::::::::/.:::::::::::::::::|　ハ　　　　　　　/:::::::::::::::::::|/::::::::|
　　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::: /.:::::::::::::::::::jこ jﾘ　　　　　　|::::::::r-､:::::j |::::::::|
　　　　　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::/.:::::::::::::::::ィﾖ 　{{　　　　　　　|::::::/─::::/ |:::::/_
　　　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::..＜´　|主 　}ﾄ､ 　 　 　 　 |::::/ヾ-::::|　|://:::|
　　 　 　 　 　 　 　 ＼.:.:.:.:.:::::::::::::::::／ 　 ＼'｢ ｀ヽﾉﾘ.::',　　　　　 |._/　　|::::|.　 └┘
　　　　　　　　　　　 　 ` ー一'´￣　　　　　 ヽｰ彡'.::::::＼　　　 　 　 　 |::::|　　　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ.:.::::::::::::丶　　 　 　 ..|:::::|　　 /| |:::::}　 　 ,,-┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨.:::::::::::ハ　　　 　 |:::::」　　|:::| |::/_　　 |::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨/.:::::::::::} 　 　 　 |／　　 L:ﾉ　/:::|　　|::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 V.::::::::::::::ヽ　　　　　　 　 　 　 |:::/　　|::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈.:::::::::::::::::::}　　　　　　　　　　 |/　　 |:::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Y.::::::::::::::入　　　　　　　　 　 　 　 .|:::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ー=≦∨〉　　　　 　 　 　 　 　 |/,-┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }主}｀ヽ/　　　 　 　 　 　 　 　 　 |::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｊ主ｊ_ ,ﾉ|　　　　　　　　　　　　　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /ー‐ヘ.ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ー‐彡'



　　　　　　　　　　　　　 ,,,_　,r'´:.:`.､
　　　　　　　　_,,,,,..----'‐=Hﾆﾆｺ:.:.ヽ
　　　　　　 ,r'´;.:.:,',:';r'´,;_:.:.:.ノ｀ヾ:.:.:.:.i
　　　　　. f'''ヾ.;.:,';.',;.:-;.:.:ヾ.:.:.:.:.:.i､.:.:.:.l,
　　　　　. !:.!ヾ､;,r;´,;z,;i:.:.:.i:.:.:.:.;/:.:.!:.:.:.l,　　　　　　「フッ、甘く見られた物だな。
　　　　　. !.:l　　　　　　!:.:.:!z:.:':/:.:ｲ:､:.:.l　　　　　　 この備中青江の懐が弱いと思ったか？」
　　　　　. !:.l　　　　__,,,,l-'.:! `'''ヾ:.;!.:ヾ.:ヽ
　　　　　. l.:l｀ｰ_　　 -__l,;,;.l　に l/ !.:.:`､:.i
　　　　　. !:.l､ｰ' ,　　　 l:.;.:.! ,r‐'ヾ! !.:.:.:.ヾ'i
　　　　　. !.:l ヽ、--一 l.:,:.:.!,!l'''''ﾄ､ `､.:.:.:.:`
　　　　　. !:.l　　` ,､___, !.;.:.:!_,y'´:.:.i_　ヾ:.:.:
　　　　　. !.:l　　,l'-;;;;;l　!,:.:.;!:.:.:.:.:.:.:.:,!--.ゞ､
　　　　　,f;.:.!-‐'i : :l　! ,!;.:.;!:.:.:.;.:',／::::::::::::::
　　　　　l,!ヾヽ'´ヽ:,! ﾚ'ﾚ!./!.:,;.:''.:.:￣''''''‐



笑止、と鼻で笑った剣士は彼の狙いを看破し、

八３９４．
逆に剣戟の弾幕で迎え撃ってくる。



‘''''''';;;;r......--.... ..二￣ﾞﾞ.ｌ..ヽ''￢――-....　ｌ　　 ヽ＿_ 　 　 　 　 　 / 　　　　　　 ./ 　｀''-..、
ｰ'"゛　　 　 　 　 　 　 ´ﾞ'''''ゝxiii- ....,,,,＿、,!　　　!　 ￣￣ﾞﾞﾞﾞ"''''''./ 　　　　　　 ノ,, 、　　　 ｀'-､,
,,　ｰ''''''ﾞﾞ"｀ﾞﾞﾞ""''''―-..,,,、　　　 ｀'''ｰ ,,、 /　　　 |ー-- ......,,,,、./ 　　　　　　 ./ 　　｀'-、　　　 .｀'''ﾐ￢――--............
. ｀ﾞ''ｰ-..,,_　　　　　　　　 ｀.ｌ'ｰ､、　　　 .｀'''-､、　l 　 　 　 　 / 　　　　　　 ./ . ....,,,,＿、.＼　　　　　 ﾞ'-､
ｰ ..,_　　　 ｀ﾞ''ｰ　..,_　　　　 ｌ,　.ｌ.｀'‐､、　　　　｀''‐､,.._　　　/ 　　　　　　 ,./ 　　　　　 ￣ﾞ".＼　　　　　 . ＼
　　 .｀ﾞ''ｰ､,,,　　　　 ｀ﾞ'''ｰ　..,.!　 ｌ'"゛ ｀''-、　　　　　｀'- ／　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　 `''ﾐ¨ﾞ''''
￢―――ｰ┴―'''''''''''ﾞﾞﾞﾞ´　 .ｌ　 ｌ,　　　_.. ＼ 　　　　　 ｀''-、　　　.／ ‘''''―　..,,,,_　　　　　　　 ＼　 　 　 　 　 ＼,
ー-　....,,,,＿__、　 　 　 　 　 _..ｌ　 .ｌ-'''″｀'''ｰﾆｭ、　　　　　 .｀'- ／　　　　　　　　　 ￣''''―- ..,,,_、＼
-､　 ｀'-､、 'ｰ￣￣￣￣￣´ ' .!　 .ｌ　　　　　　／＼　　　　　　 . ＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀. ヽ
｀ﾞ''ゞ..,_　 .｀'-､、｀''-..、　　　　　l　　ｌ ｰ ..,, .／　　　 ＼　　　　　　　 ﾞ'-、　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
｀''ｰ ..、｀''ｰ ..,_ ﾞ''-､、 ﾞ''ｰ..、　　.!　　l . ／ 　　　　　　.,ﾉ､　　　　　　　　＼ ..,,_　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.､　　　｀ﾞ'ｰ ..,、｀''ｰ .ﾐ;;-､　 ﾞﾞ'ｰ .! _／゛ 　 　 　 　 ,／-..,_.＼　　　　　　　　＼. ｀ﾞ'''ｰ　,,_　　　　 　 　 　 　 ｌ
　.＼　　　　　 ｀''ｰ ..,、｀ﾞ''ゝ ,,..-'"　　　　　　 .,／゛　　　 .｀"＼　　　　　　　　 ＼　　　　 ｀ﾞ''ｰ　,,,_　　　　　|
　　 . ＼ 　　　　　　 `'つ='"゛　　　　　　 ,..-'´　　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　｀ﾞ'''ｰ-　lﾞ
.＼　　　.＼　　 _.. -'"゛　 　 　 　 　 .../ ´ﾞﾞ''''｀-x.._ 　 　 　 　 　 ヽ,　　　　　　　　　＼　　　　 　 　 　 　 /
　 .＼　_,,　ｰ''"　　 　 　 　 　 ,..-'"゛　｀|''‐ ..,_　　　.｀ﾞ''''―　..,,_、　.ヽ　　　　　　　　　 ＼　　　　　　 _／
―‐''"　　　 　 　 　 　 _.. -''ﾞ゛./　　　　l　　　 ｀'''ti＿　　　　　　 ⌒ .ヽ　　　　　　　　　　ヽ, .　-‐''"゛
　　　　　　　　_,,　ｰ''ﾐ゛　　　/ 　　　　│､、　　　 .｀'''二ｰ　,,、　＿＿＿＿＿＿＿　　/￣／
　　_,,,.. -‐'''"､.　　　　.＼ ／　　　　　 .l　 .｀'-､　　　　 .｀''-､. ｀/　　　　　　　　　　/　/　／　 ＼
⌒　ヘ..,、　　 ＼　　 . ／ 　　　　　　 .!　　　　.｀'-､　　　　　｀/　　　　　　　　　　/　/ﾚ/　/￣　 ヽ
..＼,　　　｀''''―ｰ￢'"　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　｀'-､.　　 /＿＿＿＿＿　　 /　　　　 /　／　　ヽ
　　 ＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　　　　　　　　　 ｀'-､　　　　　　｀'/　　/　　　　　ｉＹ/　　　　 ヽ￣ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ￣´゛
　　　 .''ﾐ'-､,　　　　　　　　　　　　 / -、 　 　 　 　 　 　 　 ｀'-､ 　 　 　/　　/.ｌ,　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　 .＼ ｀''ｰ..,,　　　　　　　 ／ 　　 ﾞ'-、　　　　　　　 ＿＿＿＿＿/　　/　..ｌ,　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　ヽ.　　　｀ﾞ''''''ー'''''"-、　　　　　 ＼　　　　　/　　　　　　　　　 /　　　ｌ　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 　 　 　 　 ヽ　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 ＼ 　　/＿＿＿＿＿＿_/｀''-､　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　 ヽ...、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ _从＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,.,//　//　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"　/,､/'´ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ　/／

八３９５．



　　 　 　 　 _, -, =ｚ＞､　 _＿
.　　 　 　 ／　/_,: zｿ／.ｿヽｲ、
.　　　 　 ﾏ:ｒ:／ ＼ヽ¨ｿ} / l |
　　　 ,- ､ l/　┃　 _´ヽ/=､! ､〉
　　.ー' １ Y　　 ／ ﾌ　 ＼>! ヽ　　　　　　　　「うわああああ！？」
　　　i　 /　ﾊ　 ヽ／┃.　／! トヽ
　　,／ {　 {,､＿　＿_, ィノﾚ'j/
　´ r､ ＼ ｉー-{二 ┐
　　　 ´ 　 rー‐' , ┴i､l　 　,　-－-
　　 l　　　　￣{└〈_,- 〉／／　　　　',
　　 l　 　 　 /入_＿ ／ ｢/　　　　　 |
　　　＼　 　 ＼ヽ／　／　　 　 　 　 {
　　＼　 ＼ _, - '´ ／., -- ､　　　　　 |
　　 ヽ - ／　 　／. :/　　　 〉: : : : .　 l　　ﾄﾞｶﾞｯ
　　 ￣'´　 　 /: : : /　　　 ￣ヽ:､: : : .|
　　 　 　 　 . l : : : { ヽ _　　　　l: :ヽ: :｝
　　　.　 . : : : : : : /　　　　　　　＼:}:ｲ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_冖___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　| |　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　| |　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　└|
　　　　　　　　　　　　　　　　　(　ニニニニニ　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　〕ｌ ｌ-‐‐i i‐‐--ｌ〔　　　　　　　　　　「サ、サクラダ殿！」
　　　　　　　　　　　　　　　　 （　 ヽ .,,,,ｌｌ,,,..　/　）
　　　　　　　　　　　　　　／￣ト､　 ヽ　 　,'　 /--､
　　　　　　　　　　　　　/　　 ,'|　i＼(0)只(0)/／￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　|__／　|　ﾍ＿＿／　 |　　　　　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　　|＼＿|　　　,'　　　　　|＼　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　|　　　|　　　i　　　　　ﾍ　＼―----'ﾞ
　　　　　　　　　　　　　|　　　|　　　|　　　　　　＼|　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 |￣￣ﾍ￣　´｀''‐‐----,'　　ﾍ　　　　 |
　　　　　　　　　　　　|　　　　|ヽ　　　　　　　　　　ヽ　＿＿--i
　　　　　　　　　　　　〈　へへｌ/___,----､　　　　　　ﾍ´___　　 |



無数の剣閃は、遠くから見ている騎士達にとっては
白刃の帯がばらまかれた程度しか見えず、
再び弾き飛ばされたジュンを見て今度こそ駄目か、
と悲鳴に近い声があちこちからあがる。

八３９６．
ところが、今度も彼は跳ね起きた。

何カ所か避けきれなかった攻撃があり、
全身に切り傷がついているも致命傷には至っていない。



　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:|ヾ:.:.:.:/:::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 　 ／:.:..:.:..:.:.:.:.:.:|:::::>/-''｀.|:.:.:. /:.::.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　 ／ -''´:.:.:.:.:.::.:.:.|／　　 　 |:.:/:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.::.:ヾ:.:.:.:.:.::.､:.:.:::＼
　　　　 ￣/:.:.:.:.:.:.:.:.V:.:.|　　 　 　 |:/:.:.:.:.:,､:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.::.:V:.:.:.:.:.:ヽ ￣
.　　 　 　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ:.:ヽ　＿＿/ﾊ:.:.:.:.: /__V:|≧､:.:.:.:.:.:.V:.:.:.:.:.∧
　　　　 /:.:.:.:.:.:.::V:.:.├弋￣＿＿/ .V:.:/＿ _V=- ､V:.:.:.:.:V:.:.:.:.:.∧
　 　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V:.:ﾚ-=≦￣￣||　i:./i | ゞﾃ=､-､ ||ヾ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.∧
.　　　/,;,;:.::.-' /:.:.:.:.Vゞr'て・) }　 ||=イ=|.|　{ ・ .) / || V:.:./ヾ:.:.:.:.:.:.::ゝ　　　　「くそおっ！
　　　 ￣　 　/:.:／/∧　｀== ´　/　　　廴=三三=/　r─､:./￣￣ ´　　　　　誘い込まれただけだ！」
.　　　　　　 /／　{　ヾー＝＝''´　 {　　　￣￣￣　　 r　 }´
　　　　　　　　　　 ヽ .|　┃　　　　＿＿　　　　┃　 /／/　　　　　　　　　　（その気になれば手数が多い！
　　　　　　　　　 　　 ∧.┃　　 　{=---ｧ}　　　┃ /__／　　　　　　　　　　　 あの剣戟の中をかいくぐるのは
　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　　　 ─= ‐　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　至難の業だぞ！）
　　　　　　　　　　　　　　　｀　､　　　　　　　, イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|> ､ _ , ィ´　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　r─|　　 　 　 　 ├‐ ､
　　　　　　　　　　　 　 　　 / ..| .}　　　　　　　 V 　 }
　　　　　　　　　　　　　 ／　 　V､　　　　 　／/　　 |＼



そこまで来ると用心棒も手を止めて、相手を見極め直さなければならなかった。
手応えは鈍いもののある、動きも見える、だのに何故か致命傷を与える事が出来ないのだ。



　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 　 ／´￣￣｀ヾ｀ヽ.:｝
　　　　　　　 　 　 /.:.:.:￣￣＞＜´￣｀ヾ｀ヽ､、
　 　 　 　 　 　 __/＿二ニｲﾍ:.:.:｀ヽ｀ヽ｀ヽ.:.}.:｝｀ｰ.､
　　　　　　　　 | ｉ´.:.:.:.:.:.:/.:|.:.:.＼,rへr─‐.､j.:ｊ.:,.:}.:｝ヽ
　　　　　　　　 | | :.:.:.:／小ヽ ／.:.:.:./.: //∧///く/:く
　　　　　　　　 { {_:／／{ヽ .://,:.:.:./.: //://|/∧.:.:｀Y^>
　　　　　　 　 /ヽ_／／ﾊゞ////／／/:/ﾍV/|/.:.:.:.//
.　　　　　 　 /.:.:.:/ /.:/⌒Y.:/／／　 ;:/ 　 　 !.:.:.: 从
　　　　　　 /.:.:.:／／｛こノ／ﾊ㍉、　;:i　　 　 |.:.:.:.|.Y　　　　　　　　　　　　　　　（なんだこの違和感は。
　　　,.. -≠＜´／／ハ／ｲ/　 ｀ｰ＼ヽ　　 ,,小.:.:.|:.|　　　　　　　　　　　　　　　 なぜ、その程度でしのぎきれる？）
　／:.:／ .:.:∠二二=／／:.| 　 　 　 　 '.　ｨシ'|.:.:.:.| 乂
.:.:.:／ .:.:／ﾊ::::::::::／／/ｌ:.:.|　　　　　　∧ 　 /!.:.:. |　　 ｀ヽ、
／ .:.:／.:.//ﾊ_／／!::/ :ｌ.:.:|､　 -ｰ_､_'´　ヽ´ﾊ|.:.:.:.| 　 　 　 ＼
.:.:.／:／//// ／ヽ∧∨ｌ.:.:|:.＼　　　／:::::::ヽ::∨:∧　　　　 　 ＼
彡＜厂'/,V ∧///,＼ヽl.:.:|:　　 ー个＜:::: /∨∨:∧＿＿＿＿　ヽ
////ﾊ/,∨∧////////l .:|　　　 .:.ﾊｌ!: : :｀|∧∨＼ ∨二二二二二＼二二ニﾆ７>
二ニ＝∨∧/////////l:.:|　 　 .:/　il : : : |/∧∨/,＼＼////////ハ∨///////
/////∨∧//////////l :ﾄ､　 .:｛　 :il: : : :|//∧∨/,ハ ∨////////} ｝'//////
//////l |///////////∧ヽ＼　　　:iｌ: : : |//Ⅵ ｝///,｝ ｝'//////,∨///////
//////l |//////////∧ﾊ: : ヽ＼　 :il : : :|/// ∧///ﾉ ﾉ///////／//////



またジュンも、作戦の変更を余儀なくされて、
戦いは睨み合いの膠着状態へと突入していく。


―――この時点で、お互いは気づいていなかった。

用心棒はジュンの実力を推し量ろうと、ジュンは男の弱点を見極めようとしている。
つまり、見ている物が違う、と言う事に―――

279 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:31:55 ID:gCkKkRP7 AAの都合ではなくて本当に兜をかぶっていないのかな 281 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:32:11 ID:8ju/Ddm7 ＪＵＮ・・・・・今こそ、今までの真価を発揮するとき！ 大いに跳躍するんだ！ 282 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:32:19 ID:e8uP/p+P ジュンの観察眼すごいな 達人級の太刀筋さえ見え始めてるのか 283 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:32:56 ID:SknNnx4B JUNはいつだって成長してるからな！ 戦いの最中、まさにこの一瞬も！

八３９７．
王城の中庭で決着が付いた頃、強くなってきた雨が二人を包む。

冷たい雨とは対照的に、熱気をはらんだ彼らの全身からは湯気が立ち上っており、
いまだ勝負が続行されている事を現している。



!　!　l !　|! !　!　!　l !　! !　l l !　!　l !　! !|　l !　!　l !　! !　l !|　!　l !　! !　l !|!　l !　! !
　　!　!　l !　! !　　　l !　!　l !　! !　l !　!|　l !　! !|　l !　　!　l !　! !　!　l !　! !　l !!　!|
|!　!　l !　! !　l !　 　ｌ |　! !　ｌ　ｉ　ｌ !　! !　l l !　!　l │　 │ヽヽ!　l !　!　l !　! !　l !
!　!　l !　|!　!　l !　! !　　　l ! !　l !　!　l !|　! !　l !　┼─┼　　l !　! !　|l !　!　l !　!
　　!　ｌ　l !|　! ｌ　l i　|!　l !　i　ｌ !　l !　!　l !|　! !　l　　l !│　　──────　!　!|
!　!　l !　! !　l !　!　l !　! !　l !　!　l !　! |　　!　l !　!　l !／　! !　l !　!　l !!　!|　l !　! !　l
　!　!　l !　! !　l !　　|!　l !　! !　l !　!　l !　! !　l |!　　　!　l |!　! !　l !　!　l |!　! !　　　l
!　!　l !　|! !!　　!　l !　! !　l 　l !　!　l !　!　l !　! !　l !　! !　l| !　!　l !　! !　l !　!　l !　|!
|　!　!　l !|　! !　l !　|!　l !　! !　　　l !　!　|l !　! !　l !　!　l !　! !　l !　!　l !|　! !　　　|l
!　!　l !　! !　l !　!　|l !　! !　l !　!　l !　!　!　l !　!| !　l ! !　　l |!　!　l !　! !　l !　!　l !　!
!　!　　　l| !　!　!　l　 !　! !　l ! !　l !　　　l !　!　l !　! !　l 　|! !　l !　!　!　|!　l !　! !|　l
!　!　l !　|! !!　　!　l !　! !　l 　l !　!　l !　!　l !　! !　l !　! !　l| !　!　l !　! !　l !　!　l !　|!
|　!　!　l !|　! !　l !　|!　l !　! !　　　l !　!　|l !　! !　l !　!　l !　! !　l !　!　l !|　! !　　　|l
!　!　l !　! !　l !　!　|l !　! !　l !　!　l !　!　!　l !　!| !　l ! !　　l |!　!　l !　! !　l !　!　l !　!
!　!　　　l| !　!　!　l　 !　! !　l ! !　l !　　　l !　!　l !　! !　l 　|! !　l !　!　!　|!　l !　! !|　l



そして、この睨み合いがジュンにとって有利に働いた。

八３９８．
彼はまだ、集中を高める事、気を練る事に長けている訳ではない。

試合では開始前に十分な準備時間を貰っていたが、
今はいきなりの真剣勝負で完全に達していなかったのだ。

もちろんそれが大いに未熟たる理由の一つであるし、
やらない夫や他の親衛騎士のように寝起きと同時に全力を出せるようになるには
まだ数年の修行が必要だろう。






＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―　　――――　　　　＝＝　￣――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣ 　――＿――￣＿＿＿￣―
　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::i ＼ヽ　　　　.|:::::ｲ::::::::::: ﾊ:::|::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::|＿_ゞ'＿＿　|::/ i:::::::::/＿ヾﾄ::::::::::::::::::: |::::::::i ヽ::::::ﾊ
　　　　　　　. ／:::::_::_:: - ﾌ:::::::::::::::ﾄ-三ﾆニ＝＝≦　ﾚ　|::::三ニニニ=ヾ:::::::::::::|::::::: |　 ｀ー-｀-
　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::| |r::::|て芯ミヾ Y}　　 .|::::/ ≧ニニ＝ﾐヾ::::::: |::::::::ﾊ　　　（もっと集中！
　　　　　　　　 　 　 　 /:::::;:::::::::＿| |　ヾ i!;;;....;;}　 i }ニニニi」 ｛ﾋｲ:::::｝ >　i l＼::|::::::::::ﾍ　　　もっと！もっとだ！）
　　　　　　　　　　　　/／ /::::::/>‐ﾊi　　　ゞー'　<iﾘ　 　 ﾚi l　　廴../ ｲ　//::::::ゞ:::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　 /　　ﾊｨ::::i　-ﾊヾニニニニ彡　　 i　　 ミ､＿＿＿_.//-､::::::::ヽ￣ ￣
　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ i　- ﾍ　　　　　 　　　　 ;　　　 ￣￣￣￣/ハ i:::::i￣
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―　　――――　　　　＝＝　￣――￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣ 　――＿――￣＿＿＿￣―





だが、訝る相手が出方を窺っている時間は十分過ぎた。
相手が自分より格上だと言う命の危機が、彼の歯車をいつもよりも早く回した。

285 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:33:54 ID:I4+s0mmO 覚醒か？！

八３９９．
そして、脳裏に次々と思い返されるのは修行の記憶。
激しく厳しく、しかし掛け替えのない程に濃く、
そして確実に血肉となった鮮明な映像。

そこには、一流の戦士になる為の技術を叩き込んでくれた先輩が居た。



　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿_
　　　　　　　　　 　 　 ..::´::::::::::::::::〃⌒ヽ､
　　　　　　　　　 _　／::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::＼
　　 　 　 　 　 　 ｊ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 /:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 i::::::/::::::i::::::::!:::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::',
　　　 　 　 　 　 |:::/::::::::ｉ::::::∧:::::::::::::ﾄ､::::::::::::::::::i､::l
　　　　 　 　 ､__Ⅳ::::/:::i:::::/__!::::::::::::匕ヽ:::::::::::::ハ:|
.　　　　　　 　 ﾌ::l::ｒ'l:::/!::/ｾﾐl::::::ﾊ:::尨_ハ::::::i:::ﾄ､`!　　　　（呼吸を読め、
　 　 　 　 　 ´￣]八!/i」:瓜ﾘ !／ Ⅳ　　　小ハl　　　　　　 行動の前には必ず変化がある！
　　 　 　 　 　 　 　 ｊ､八i　　´　　ｊ〉　　 爪i
　　　　　　　　　　　　 　 ｊヽ､　 ｔ＿ｱ　.ｨ　　　　　　　　　　 逆にお前は読まれるな！
　　　　　　　　　　　 _＿／/| ヽ　__／/ |＼　　　　　　　　　深く、ゆっくりにして常に一定の調子を保つんだ！）
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､::／::::| 〈　　　 ／　.|::::＼ﾞ''ｰ-::､_
　　　　/::／.:::::::::::::..ヽ :::::/∧。V￣＼　 |:::::::::＼:::::::::::::｀ヽ,
　　　 /:::::::::::::::::::..`ｰ-､::::|/＼丱／/ ヽ/|:::::::::::::::ゝ::::::::::::::::|::}
.　　　|::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ|　　|＿/　　　 .|―ー＜::::::::::::::::::::|::::i
　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヽ､　|;;|　　　　|::::::::_ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿　　＿
. 　 　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヽ.､　　,r‐'ﾞ　　　　　　　　 　 ／/ 　 ヽ
　　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　 ヽ　　　 　 　 l /　　　 l
.　　 　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'"　　　　　　＼___　　　　　　 　/
　　　　 ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／　l　　　　　　　　　 ＼X=-､,,＿_／
　　　　　 ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::|　|　　ﾉ　　　　 ` ､ 　　　　 ヽ ,ﾍ./::::::I
　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::|　l　i´　　　　　　　` ､　　　 ﾉ ヾ|::::::::丿
　　　　　　　 .|｀ヽ;::::::::::::::::::::|　|　|　　　　､　　　　　`'rイ　 ,ノ:::::::::＼
　　　　　　　 |:::::::::＼∩:::::::::|　l＼ 　　　　 `=､.._＿,ノ　 厂:::::::::::::::::/
　 　 　 　 　 |::::::::::::::::＼∩:/　 |　ヽ､＿　　　　ﾉ:::::::|　/:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　|:::::::::::::::::::| ＼:!`ｰ､ 　,,='' | ｀､'‐-'ﾞ:::::::::| /:::::::::::::::::::::/
　　 　 　 　 |:::::::::::::::::::::|　　ヽ_;;ｧ'~　　 |:::::::::::::::::::::::::|/:::::::::::::::::::::/

八４００．
そこには惜しげもなく、自分の弱点を教えてくれた仲間達も居た。



　　　　　　　　　　　　　ﾄ､＿　　＿
　　　　　　ヾー-＜￣¨ヾト､. ＼.ヽ ヽﾄ､
　　　　 _ト--'ド=､=三≧=ﾆﾄ､ﾄ､＼}iYi }i ,.ｨ
　　　　＞ =ニト-ドﾐi､｀ヾミli､＼ド､Vi:ﾚ/i/
　　 ≦=＝=＜￣¨ニ=- ､　｀ヾ ＼ Yｌ/ .lﾚｲ
　　 ＜-―＝ニ三≧=､ﾄ､ >}-iド!￢iﾍi斤Ｋ
　 ≦= '三 ニ＝,.ニ.Z 〃.〃　 {{i　 　 {　{iヾヽ
　 之_Ｚ二〃￣　__,.ｨ! {{　|{.　　|{ﾄ､　　ヽ ∨ }}
　　≦ｨ'∠,／￣,.イく.　ﾘ_,｣ﾋ==≠=ミ;､　 z久ﾉ　　　　（長物だから攻撃が伸びきった瞬間、
　　 ノｲ∠.ｲi,r＜ｿ'　　　　,ｨ''::ﾅ≧　　　 fﾃ　　　　　　 引き戻しの瞬間はどうしても対応が遅れるな。
　　 ∠ｨ'〃,'{ ￢.、　　　　`￣ ´　　　 　 ｢i
　　　フイ小| '､:::}　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　支点となる肩、肘、手首の動きを良く見てろ。
　　　￣}ﾉ,'八.ヽ-､　　　　　　　　　　　　_ ,ノ　　　　　 武器の動きはその延長でしかない）
　　　　　'＾^!个irr:ｪ　　　　　　　　　　 ___７
　　　　　　 ド.Ll {. } ヽ　　　　　　 ‐''",. -.〉
　　　 　 　 川｜|.｜　ﾄ､._　　　　　　　　{
　　　　　　ﾘ　 .| ∨　　　　｀ヽ、　　　　_ﾉ
　　　　　 厶=r:|_　　　　　　 　 ｀ T ￣
　　　　／　 く＿ ￣¨ ￢------┴､
　　　/　／　ﾉ 　 ￣¨ ￢-------イ
　　,/,∠...／　　　　　　　　　　　　　＼＿



:::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ:::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::ｌ:::::ｌ:::::::::::::ヽ:ﾞ:,
:::::::::::::::::::::/::::::::::::/|::::ｌヽ::ｌ::::::::ｉ::::::::',::}
::::::::::::/:::::ｌ::::::::::::/ .ｌ::::ｌ_ }::ｌ:::::::::ｌ::::::::ｌ:|
:::::::::::ｌ:::::::ｌ:::::::::/ _,.ｌ:::/ ｀!::!:::::::::|ｌ::::::ｌ:ｌ
::::::::::ｌ::::::::ｌ:::::::/'´ .ｌ::/_　ｌ::ｌ::::::::::l ｌ::::l|ｌ　　　（カタナはね、直剣と比べるとどうしても軽いから
::::::::::ｌ:::::::::ｌ:::/ 　 //气, ｌ:ｌ:::::::::::ｌ ｌ::/l!　　　 正面から受け止める事は出来るけど―――
:::::::::::ｌ::::::::l|::{ ,;彳/;rｌ　 l∧:::/|:! ｌ/　!　　　 刃の側面を打たれるのは弱いの）
i:::::::::::ｌ:::::::ｌｌ::i　／0j ｌ 　!　ヽ、ﾘ
:l:::::::::::l::::::l ｌ:i　　｀‐-　　　　 冫
:::ヽ::::::::ｌ::::ｌ ヾ　　　　　　 　 /
:::::::::ヽ::::ｌ::::ｌ　｀　　　__　,.　ﾉ
::::::::::::::ヾヽ:ゝ　 　 　 　 ／
ｉ:::::::::::::::::::｀:ｌ ､ _　　　 /
.ｌ::::::::::::::::::::::::ｌ/　￣￣
　!:::::::::::::::::::::ヽ
‐-ヽ:::::::::::::::::::::＼
　　 ＼::::::::::::::::::::::＼

八４０１．
そこには戦いの心構えを教えてくれた、



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,へ、_,..-――-､.._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! /､ヽ　　　　　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ゝ9　　　　　　 　 ,　　　｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　､　（　　　　　〈　　　　ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〉-ｪ'> ､`ーｪｰ'　 '　　,-､ ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　+ 　ｉ 　/　　｀　￣　　 ､　' ｆ' 〉|
　　　（踏み込みは勇気である！　　　　　　　　　　　　,! 〈ｰ､ ､　　,-､　　 /　 〉ﾉ |
　　　 次の一手を読み切ったならば、　　　　　　　　 〈ヽ'｀ｰ´｀ヽ､ノ 〉　　l　 |´　!
　　　 それを受け流して体当たりするつもりで　　　　｀Ｙ￣｀ヽ､__,ノ 　　, 　 | 　 !
　　　 行くが良い！）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　'⌒　　　 ＿,ノ　 ,!/　ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　 （　　　　　　_,r'´-一'´￣ !、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､＿＿＿,,r'´:::::::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾍ:::::::::,ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,!|ｉ|:::::::||i !::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉﾉヾヽﾉﾉゝ｀



自分の限界がまだ先にある事を知らせてくれた思い出もあった。



　　　　　　　　　,;彡ミﾐﾐ;'""'''""'''""""'''''""''彡ミミ;,
　　　　　　　　　ﾌ彡彡;;, ヽ、,, ,..:::..　 ,.:'　　 ゞ;;,ミﾐゝ
　　　　　　　　　';彡ﾐｼ,;r==::;,,':.':::::::..,,,;r=ﾆﾆゝ;,,ミ7"'
　　　　　　　　 "'';;彡'",;;;;;;;;;;;;;;,ヽ:::....r;;;;;;;;;;;;;;;;;,,Ｙ"'ヽ,
　　　　　　　　　/"'iｼi,;;;;;;;;;;;;;;;;;;',l::::"''!;;;;;;;;;;;;;;;;;,ﾉl⌒"l,
　　　　　　　　 ,i /,;"ｿヾ::;;;;;;;::ノ.l:::.."''ヾ:::::;;;;,''"::l　ﾉ ﾉ　　　　（死にものぐるいで歯車を入れ替えなさい。
　　　　　　　　 i., y　'l,　　....:::::::l',;''　;,,　ヽ、 　　ｌ〆/　　　　　君はまだ、全力を出し切っていない）
　　　　　 　　　 ＼ヽ;'i:.　　　"',;':::::::::....ゝ　"'ヽ.,:l /"
　　　　　　　　　　 ＼,'l..　　　　"':::;;;'''""　 ;''ゝ i''
　　　　　　　　　　　　"l,::.. r‐,_,. -―''''''ﾆﾆﾉ ..:::l
　　　　　　　　　　　　　l:::..."'ヽ,二ニニ‐''",,; .::/l
　　　　　　　　　　　　　'ｌヽ、.::"'''''''""""""..:::/ .l
　　　　　　　　　　　　　 l;;;;;ヽ、 . :.: :::. . : ..::../　 ｌ
　　　　　　　　　　　　,r'"l;;;;;;;;;ヽ,,;;,,;,;;;;;;;;;;;;;;/ 　 l"';,
　　　　　　　　　 　　 l;（く;l..:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''''""　,;;l)）:l
　　　　　　　　　　　　ｌ;;,"''ー-::;;;;;;;;;;''　　_,,,...r'':::::::;;ー;,,
　　　　　　　　　　i''"";ii;;:::::::::::::;i::i:ヽﾆﾆﾝ,i,;:,:::::::::::,;l'::ヾ:'i_,,
　_＿,,,,,,,.....:.....,i"::::::::::::::;ii;:"'t.,::::::::;;;l　　 /:::::::::;;;;::i'i::;;:::ヾ:::::ー―- ...,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::.ヽ.::;;ii;:::::::';,-:::::;l_,,../;;;'"::::::::::;ii;:::::'"":::::::::'''""''::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::;,,:::::::;;,,::::::;ii;,:::::'":::::::::::;;::,;::::::::::::;;::i;iii::::::::;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::

八４０２．
その根底には、一対一の戦いは運でも博打でもなく、
実力と戦術に則って行われるチェスの様な物だと教えてくれた父が居た―――



　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿__
　　　　　　　　　　　　 _　-―――――-＜￣} }!
　　　　　　　　　　　 ´　　　　　 -――７　 く.７./-､
　　　　　 　 ,　 ´　　　　　￣　　,. -―/　　　Ｙ´ ＼＼
　　　 　　 /　　　　　,　　　,　 イ　　 /　　　　　　　 ヽ.｀　､＿.ノ
　　　　　/ 　　　 ,／　　／ 　,/ 　　 { 　 {　　　　　　　＼￣
　　　　 /　　　　/ 　 　 　 　,ﾉ　　　 }　　ﾊ　 }　　　　　、ヽ.
　　　　 |! 　 　 /　　　 　_.／ ,ｨ /　/　　　}　 !　　　　　 ヽ.}ヽ、
　　　　 |　　　/　 　 　｀才　 /:/　,　　 　/　/　　　　ヽ. 　ヽ.　}
　 　 　 {　 　/　　､　.＿__.／ /　/ ,.　__/　ハ　　ハ 　 }!　i {　　　　　（捨て身は許さん。
.　　　　 Ｙ　/　　　｀　.ナｰ-r七´ /／７ :/二.!_/}!　}　 ハ ﾊ!　　　　　 運頼みもするべきではない。
　　　　　| /　,　-―　〈 /　 {!　 ,ｲ | ／ ´tﾃ::ナ}ﾉ ./　/　ﾘ ﾉ
　　　,イ⌒Y´￣￣　　ハヽ (ヽ. i ヾ ､_　　 ￣ ノイ}／　　　　　　　　　 ただ、理路整然と詰めよ）
　　〈　　　人　　――-　ヽゝxくヽ、　　　　　　 　∨
　　 }!　　∧_ ヽ. ,ｘxzrく⌒´ヽ!　　 　 　 　 　 　 ／
　　八　{〈 　 ,.イ}　　 ｀　　　 {　 　 　 　 , 　 _ '´
　　　 }ハﾘ　{´　i　　　　　　　ヽ　　　　　　 /
　　 ノ'　 }! 　ヽ/　　　　　　　　{ヽ.　＿＿_/
　 　 　 　 ＿∠__＿＿＿　　　 ヽ.
　　　　　/: : : : : : : : : : : : ￣￣￣＼
　　　　 入 ＿ ＿＿＿＿＿　　　＿厶、
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣￣:.:.:.:.:.:.:＼

290 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:37:13 ID:e8uP/p+P この二人の教えと顔を見ると涙が･･････

八４０３．
まるで良質の鉄鉱石の如き天賦の才は
まるで最高の炉のような鍛錬の中で熔かされ、



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　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 o
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 :
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 !
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　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 :!　　　ﾎﾟﾀｯ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 .;:　｡
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､　　.　 |　　 .｡
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾟ　,､人,､'　　　　



まるで、最高の鍛冶師の如き男に依って鍛え上げられた。

八４０４．
そして自身の覚悟が、集中が、気持ちが刃を鏡面の如く研ぎ澄まし、
今こそ、全てが結実の時を迎える。



　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 :|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 o






　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｡





　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 :!　　　ﾎﾟ………ﾀ………
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 .;:　｡
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､　　.　 |　　 .｡
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾟ　,､人,､'　　　　

八４０５．
その集中力は精神を加速させ、別の時間の流れへと彼を誘い―――



　　!|　　　　　　　　i|　　　　　　　i|　　　　　　|i　　　　　!|　　　i　　　　　　　!　　i
　i　　　i|　　　!　　　　　i　　　　　　i　　　|!　　　　i　　　　　　　!　　!　　i　　　　　i
　　i|　　　　!　　　i　　　　　i　　　　　!　　　　!　　　　i　　|!　　　　　　i|　　　!
　　!|　　　　　　　　i|　　　　　　|i　　　　　!|　　　i　　　　　　　!　　i
　i　　　i|　　　!　　　　　i　　　　　　i　　　|!　　　　i　　　　　　　!　　!　　i　　　　　i
　　i|　　　　!　　　i　　　　　i　　　　　!　　　　!　　　　i　　|!　　　　　i|　　　!　　　i|
　　!|　　　　　　　　i|　　　　　　|i　　　　　!|　　　i　　　　　　　!　　i
　i　　　i|　　　!　　　　　i　　　　　　i　　|!　　　　i　　　　　　　!　　!　　i　　　　　i
　　i|　　　　!　　　i　　　　　i　　　!　　　　!　　　　i　　|!　　　　　　i|　　　!
　　　　|i　　　　l　　　　!　　l　　　　 　　　!　　　　　　　i　　　　i　　　!|　　i
　　!|　　　　　　　　i|　　　　　　　i|　　　　　　|i　　　　　!|　　　i　　　　　　　!　　i　　　ｻﾞｰｰｰｯ
　i　　　i|　　　!　　　　　i　　　　　　i　　　|!　　　　i　　　　　　　!　　!　　i　　　　　i
　　i|　　　　!　　　i　　　　　i　　　　　!　　　　!　　　　i　　|!　　　　　　i|　　　!
　　!|　　　　　　　　i|　　　　　　|i　　　　　!|　　　i　　　　　　　!　　i
　i　　　i|　　　!　　　　　i　　　　　　i　　　|!　　　　i　　　　　　　!　　!　　i　　　　　i
　　i|　　　　!　　　i　　　　　i　　　　　!　　　　!　　　　i　　|!　　　　　　!
　　　　|i　　　　l　　　　!　　l　　　　　　　　!　　　　　　　i　　　　i　　　!|　　i
　i　　　　　!　　　　i　　　　|!　　i　　　　　　|i　　　　　　　　　　　i|　　　　　　i!
　　i!　　　　　i!　　　i 　　　　　　　　　i|　　　　i　　　　　i!　　　　i!　　　　　i!
　　　　　!i　　　　i|　　　　　!|　i!　　　　　　　　　　|i　　　　　　　　　i!
!|　　　i　　　　i　　　　　　　|!　　　　　　　i!　　　　　　　　|i　　　　　　　　i!
　　　　　　i　　　　i !　　　　　　　　　i|!　　　　　　　|　　　　　　　　i!

一流の戦士達の立つ超集中の世界、
降りしきる雨粒すら数えられる一瞬へと踏み込ませた。



　　. . 　　　　　　　　. . 　　　　　　　. . 　　　　　　. . 　　　　　. . 　　　. 　　　　　　　. 　　.
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　. 　　　. . 　　　. 　　　　　. 　　　　　　. 　　　. . 　　　　. 　　　　　　　. 　　. 　　. 　　　　　.
　　. . 　　　　. 　　　. 　　　　　. 　　　　　. 　　　　. 　　　　. 　　. . 　　　　　. . 　　　. 　　　. .
　　. . 　　　　　　　　. . 　　　　　　. . 　　　　　. . 　　　. 　　　　　　　. 　　.
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　　. . 　　　　. 　　　. 　　　　　. 　　　. 　　　　. 　　　　. 　　. . 　　　　　　. . 　　　.
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　. 　　　. . 　　　. 　　　　　. 　　　　　　. 　　　. . 　　　　. 　　　　　　　. 　　. 　　. 　　　　　.
　　. . 　　　　. 　　　. 　　　　　. 　　　　　. 　　　　. 　　　　. 　　. . 　　　　　　. . 　　　.
　　. . 　　　　　　　　. . 　　　　　　. . 　　　　　. . 　　　. 　　　　　　　. 　　.
　. 　　　. . 　　　. 　　　　　. 　　　　　　. 　　　. . 　　　　. 　　　　　　　. 　　. 　　. 　　　　　.
　　. . 　　　　. 　　　. 　　　　　. 　　　　　. 　　　　. 　　　　. 　　. . 　　　　　　.
　　　　. . 　　　　. 　　　　. 　　. 　　　　　　　　. 　　　　　　　. 　　　　. 　　　. . 　　.
　. 　　　　　. 　　　　. 　　　　. . 　　. 　　　　　　. . 　　　　　　　　　　　. . 　　　　　　. .
　　. . 　　　　　. . 　　　. 　　　　　　　　　. . 　　　　. 　　　　　. . 　　　　. . 　　　　　. .
　　　　　. . 　　　　. . 　　　　　. . 　. . 　　　　　　　　　　. . 　　　　　　　　　. .
. . 　　　. 　　　　. 　　　　　　　. . 　　　　　　　. . 　　　　　　　　. . 　　　　　　　　. .
　　　　　　. 　　　　. . 　　　　　　　　　. . . 　　　　　　　. 　　　　　　　　. .

八４０６．





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＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣ 　――＿――￣＿＿＿￣―
　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::i ＼ヽ　　　　.|:::::ｲ::::::::::: ﾊ:::|::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::|＿_ゞ'＿＿　|::/ i:::::::::/＿ヾﾄ::::::::::::::::::: |::::::::i ヽ::::::ﾊ
　　　　　　　. ／:::::_::_:: - ﾌ:::::::::::::::ﾄ-三ﾆニ＝＝≦　ﾚ　|::::三ニニニ=ヾ:::::::::::::|::::::: |　 ｀ー-｀-
　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::| |r::::|て芯ミヾ Y}　　 .|::::/ ≧ニニ＝ﾐヾ::::::: |::::::::ﾊ　　　（―――見える！）
　　　　　　　　 　 　 　 /:::::;:::::::::＿| |　ヾ i　 O　}　 i }ニニニi」 ｛　O　 >　i l＼::|::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　/／ /::::::/>‐ﾊi　　　ゞー'　<iﾘ　 　 ﾚi l　　廴.._ ｲ　//::::::ゞ:::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　 /　　ﾊｨ::::i　-ﾊヾニニニニ彡　　 i　　 ミ､＿＿＿_.//-､::::::::ヽ￣ ￣　　ｷｨｨｨｨﾝ
　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ i　- ﾍ　　　　　 　　　　 ;　　　 ￣￣￣￣/ハ i:::::i￣
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
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ジュンはその双眸で見た。
先程までは切り崩す隙が無いと思っていた、向かいの男の弱点を。

八４０７．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'''`ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r‐'''''ヾ:.:.:.:.`､`.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,r‐''<:,r'´:,/;':ﾄ､ヾ:.:.i,:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ:､:.`､:.`:､ノ`ｰ'l!:`:､ヾ:i:.:.:i,　　　　　　　,r-､___　　　___________,r‐''7´7,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l:.:.`ﾄ､`;､:.ヾr､;'l!;!.i.:ﾄ､i.:.:.;.l____,,,,,,,...-┬ﾌ (´:.:ﾟ.:`i￣`''´:.:.:.;r--っ￣>i,!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,!:.:.λ/ｧ､ヾ:ヽ,!;':,:':/ﾆ l:.:.:,:.!__,,..---‐┴<　i,:':.:.;r-ﾆ'''''￣/ f'''´￣／,;';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___,,,,..,..---‐‐‐''''￣/.:.:/-ﾉ　, ヾ:ヾ:!-‐‐''''/.:.:.;.:l,,r‐'''´￣l'''ヽ_二ﾆ;l_,f-､￣`ヾ ,ﾉ _,／　,;'　';
　　　　　　　　　　　___,,,,....--‐‐‐'''''''￣__,,,,,...--‐‐‐'''''''￣7.:.:./　｀ヾ､ /l:.:.l,:l::::;;;;;;/:.:.:,:.:,!;;;;;::::::;::::::!　 ,ﾉ　　　　 ,'　 `;　`Y　　 ,;''　　';,
　　　 __,,,..--‐‐''￣_,,..--‐‐‐'''''''''' ￣　　　　　　　　　 ,r'ﾌ.:.:/　　 _,,/;;/:.:_;!l:!;;;;;/:.:.:.;.:./;;:::;;;;;;:::::::::! ,r'　, '　　, '　　　　　 `､,;''　　　　;;
-‐''￣,...-‐''''''' ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,f:,i l:.:.i _,,r''´;;r'":,r";;;l;!;/:.;.:':.:.;/:::;;;;;;;;::::::::::::!' ,　'　　, '　　　　　　,,;;''l `ヽ､　　,;'
''' ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚl! ,>''´;;:::::;;;ﾚﾚ'´;;;;;;／;.:'.:.:.:,/::;;;;;;;;;:::::;;::::::::l;' _ , - '　　　 ,r'　,,,;;''　 ,!`､　 `,;;'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `､;;;::::::;;;;;;;;;;;;;;;／;.:.'.:.:.:,／:;;;;;;;;::::::;;;;:::::::::l'´, , _　　　　　 ''''" _ , , '　 ヽ,,;;''　,>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:::::;;;;;;r''´:.:.:.:.:.:,;／::::;;;;;;;;;:::::;;;;;;:::::;;:::::!' , ' - ', ' ' ' ‐ -　　　　　 ,;;;'"　 ,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ゞ''´:.:.:.:.:.:,;／´;;:::::;;;;;;;;::::::;;;;;;::::::;;;;;::::!　 ' ,　　｀ ' ‐ ,　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r''''´:.:.:.:._;,r‐''´;;;;;;:::::::;;;;;;;:::::::;;;;;;;;:::::::;;;;;;:::l 　 ' ,　' ,　　　　　'　,　　　　　　 ,!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r'''´:.:.:_,;,.:-‐'´ `､::::::;;;;::::::;;;;;;;::::;;;;;;;;;;::::::::::;;;;:::::ﾄ､　 ;　　　'　__　　　　'　　　　 _,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r''´:._;r‐''''´　　　　　　ヾ:;;;:::::::::;;;;:::::;;;;;;;;;:::::::::::;;;::::::::l ｀ｰ-‐'''''7￣　ﾄ､　　　__,,,..-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r''´,;,r‐''´　　　　　　　　　　　 !;;:::::::;;;:::::;;;;;;;;;;::::::::::;;''::::;;;;;;;!　　　　/ _,,,,,,,,,!　`ｰ'''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r':´;r'' ´　　　　　　　　　　　　　　 l;;:::;;;;;;::;;;;;;;;;;;::::;;;;:::'::;;;;;;;;;<　　　 _,/''´
　　　　　　　　　　　　　　　　_,r'´;r''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >;;;;;::::;;;;;;;:::;;;;;;:::;;;;;;;;;;:::;;;;>'''''￣
　　　　　　　　　　　　　　,r'´;r''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!;;;:::::;;;;:::;;;;;;;::;;;;;;;::.／￣┳￣＼
　　　　　　　　　　　　 ,r".;r'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r';;::::;;;;:::;;;;;;::::;;;;:::::::.　　　┃ヽ
　　　　　　　　　　　 ,f:.;r'’　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,r''´;;::::;;;;;::;;;;;;::::;;::::::::::;;;;|┣━╋━┫|
　　　　　　　　　　　 ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r';;;;;::::::;;;;;::::::;;;;:::::::::::::::::;;;:.　　　┃　Weak！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,r'´;;;:::::::;;;:::::;;;;;;::::::::::::::::::::::;;::::.＼＿┻＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r';;;;;;;;;:::;;;;;;::::;;;;;;:::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´;;;;;;;;;;;;;;;::::::;;;;;::::;':::::;':::::::::::::::;;::::::::::::::::;;;;;;:::::::::::l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r";;;;;;;;;;;;;;;;:::::::;;;;::::::::;;;;;;:::::;;':::::;;;;;;::::::::::::::::;;;;;;;:::::;;;;;::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r'´;;;;;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;';;;::::;;;:'::;;;;;;;:::::::::::::::::::::;;;;;;:::::;;;;;;;;:::!



ならば後は、詰めるだけ。

八４０８．
見極めた瞬間、爆発的に身体能力を向上させるやり方を教えてくれた師匠が―――
行け、と耳元で叫ぶ。



　　　　　　　　　 　 ,. ‐―――――‐ - ､
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　＼
　　　 　 　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　/　　　 ＼　　 　 　 　 ﾉ　　　　　 .',
　　　 　 　 /　　　　 ,　 ゞ.._,,　ー "　　 ､　　　　',
　　　 　 　 l　　　　 l {::::::::}　l　 l　{::::::::} l　　　　 l
　　　　　 . l　　　　 ｀ ー '　'　　｀　ー ' '　　　 　 l
　　　 　 　 l　　　　　 /　　　 .!　　　 ヽ　　 　 　 l　　　　　（今だ！
　　　 　 　 l　　　　　 ヽ＿_／ ＼＿_/.　　 　 　 l　　　　　 全身の気を爆発させろ！
　 　 　 　 . l　　　　　 〈　　　　　　　 〉　　 　 　 l
　　　　　　 .l　 　 　 　 ｀ｰ―――　' 　 　 　 　 l　　　　　　足に、腕に、剣に、一気に送り込むんだ！）
　　　　　 　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l
　　　　　　 . l　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　 　 　 　 . l　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l
　　　　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !
　　　　　 　 ／!　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'＾ヽ
　　 　 　 ／{　|ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 /|　/ ＼
　　 　 ／　 ∨|　ヽ　　　　　　　　　　　 ／　| /
　　 ／ ヽ　　＼　　｀ー―――――　´￣￣　 ／
　／＼ 　 ＼　　＼　　　　　　　　／　 　＿　／
"ヽ　 . ＼　　ヽ　　｀ ー──一'　　 ／
　　＼　　＼　　＼　　　　　　　　／/
　 ,　 ‐┬─‐'ﾌ⌒ヽ｀ ー──　´　/
／　　　￣￣ 　 　 } 　＼　　 　　/
　　／ ￣｀ヽ／￣ ヽ　　 ＼
　/　　　　　/　　 　 |￣｀ヽ￣￣/
./　　　　 . /　 　 　 |　　　 |￣ヽ
　　　　　 /　　　　　|　　　｜ 　　}

301 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:41:47 ID:l+xAt3FN やらない夫演出きた！！これは勝てる！！

八４０９．



: : : : : : /　　　　　l.:::＼ | |.:.:.:.:.:.:＼
: : : : : /　　　　　　l.:.::::::ﾘ |/´ ￣｀`,　　.:.:.:.::.:.:.:＼
: : : : /　　　　　　　l.:.:／　　　　　　',　　　　.:.:.:.:.:.:＼
: : : /　　　　　　　　＼　　　　　　　 ',　　　　　.:.:.:.:.::::ヽ
: : 〈　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ', .:.::::::::::::::::::|＼.::.:|
: : : :',　　　　　　 .:.:.:.:.:　 ＼　　　　　 ',::::::::ﾄ､.::::::::|　ﾊ:.:l
: : : : :',　　　　　 .:.:.:.:.:.:.ﾄ､　＼　　　　 ',::::::lﾆ＼:::::|
: : : : : .',　　　　　.:.:.:.:.:.:l　＼　＼／　　',::::l　　 ﾄ､|
: : : : ::::::',　　　　 .:.:.:.:.:.:l　　　`y':／ﾆヽ ',::l1 　 l |
.:.:.:.:::::::::∧ 　　　 .:.:.:.:.:.:l　 ／／／　 い / l　　l |
:.:.:.::::::::/　ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ..／∠　　　 い /ハノ/　　　　　「いくぞ用心棒！
.:.::::::::./　　　＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:V彳　　ヽ　　　j! !　　`ヽ　　　　　 死なないように注意しろ！」
.:::::::::〈 　　 　　 ＼.:.:.:.:.:.:.:}ﾑ　　ノ´ ／／　　　 /
､::::::::::.＼_,,　-‐　　＼.:.:.:.:l　￣　／／　　 　 ,.ｲ
　ヽ　　　　　　 　 　 　＼:L＿／／　　　　　 /
　　＼　　　　　　　　　　└＝＝'　　　　 ／/
　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ｽｳｳｳｳ
　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′
　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　 ,′
　　　　　　　　＼`ー--------r---‐‐'´
　　　　　　　　　 ＼　　　　　 ∠￣`ヽ



後は堰を解放するだけだ、と大きく息を吸い込んだジュンから放たれる重圧に、
男も集中を最大限に高めて防御体勢を取ったその時―――



　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 　 ／´￣￣｀ヾ｀ヽ.:｝
　　　　　　　 　 　 /.:.:.:￣￣＞＜´￣｀ヾ｀ヽ､、
　 　 　 　 　 　 __/＿二ニｲﾍ:.:.:｀ヽ｀ヽ｀ヽ.:.}.:｝｀ｰ.､
　　　　　　　　 | ｉ´.:.:.:.:.:.:/.:|.:.:.＼,rへr─‐.､j.:ｊ.:,.:}.:｝ヽ
　　　　　　　　 | | :.:.:.:／小ヽ ／.:.:.:./.: //∧///く/:く
　　　　　　　　 { {_:／／{ヽ .://,:.:.:./.: //://|/∧.:.:｀Y^>
　　　　　　 　 /ヽ_／／ﾊゞ////／／/:/ﾍV/|/.:.:.:.//
.　　　　　 　 /.:.:.:/ /.:/⌒Y.:/／／　 ;:/ 　 　 !.:.:.: 从
　　　　　　 /.:.:.:／／｛こノ／ﾊ㍉、　;:i　　 　 |.:.:.:.|.Y　　　　　　　　　　　　「！？」
　　　,.. -≠＜´／／ハ／ｲ/　 ｀ｰ＼ヽ　　 ,,小.:.:.|:.|
　／:.:／ .:.:∠二二=／／:.| 　 　 　 　 '.　ｨシ'|.:.:.:.| 乂　　　　　　　　　　　（こいつの気が、膨れあがっていく！）
.:.:.:／ .:.:／ﾊ::::::::::／／/ｌ:.:.|　u　　　　∧ 　 /!.:.:. |　　 ｀ヽ、
／ .:.:／.:.//ﾊ_／／!::/ :ｌ.:.:|､　 -ｰ_､_'´　ヽ´ﾊ|.:.:.:.| 　 　 　 ＼
.:.:.／:／//// ／ヽ∧∨ｌ.:.:|:.＼　　　／:::::::ヽ::∨:∧　　　　 　 ＼
彡＜厂'/,V ∧///,＼ヽl.:.:|:　　 ー个＜:::: /∨∨:∧＿＿＿＿　ヽ
////ﾊ/,∨∧////////l .:|　　　 .:.ﾊｌ!: : :｀|∧∨＼ ∨二二二二二＼二二ニﾆ７>
二ニ＝∨∧/////////l:.:|　 　 .:/　il : : : |/∧∨/,＼＼////////ハ∨///////
/////∨∧//////////l :ﾄ､　 .:｛　 :il: : : :|//∧∨/,ハ ∨////////} ｝'//////
//////l |///////////∧ヽ＼　　　:iｌ: : : |//Ⅵ ｝///,｝ ｝'//////,∨///////
//////l |//////////∧ﾊ: : ヽ＼　 :il : : :|/// ∧///ﾉ ﾉ///////／//////

八４１０．
雄叫びと共に全てが解放され、
丹田で練りに練っていた生命エネルギーが全身を駆け巡って魔剣と反応し、
青白い光を纏わせる。



　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1
　　　　 ）
　 ‐=､´　ウオオオオオオオオオオオオオオォォォォ！！
　　　 ）
　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |::ヽ／::::::〈 へ、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,-┘:::::::::::::::::::::::::::｀＞
_____　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠::::::/::::::::::::::::〉ヽ::::::::＼
:::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::〈:::|＾＾|:::::/＼ﾄ､ヽ::::::>
ヽ:::|＼:::::ヽ:　　　　　　　　　　　　 　 　 ／::::::ﾊ|＿l/l/.＿_-ヽ|:::」 　 　 　 　 　 　 　 　 || .|.|
..ヽ:::＼＼::::ヽ　　　　　 　 　 　 　 　 　 .￣7/.|＿_|─|＿_|- lj/　　　　　　　　　　　　　| |.| .|　　　　　 |＼　　　　　 　 　 　 ∧
　....ヽ:::＼＼::::ヽ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾍ.┃__;_＿、 /　　　　　　　　|ヽ　　　　||.| | | |.　　　　　 ＼＼ 　 　 　 　 　 /∨
　　　 .ヽ:::＼＼::::ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾌヽ辷フイ{ヾ 　 　 　 　 　 |　`,　 　 | | | | | |　　　　 　 　＼＼　　 　 　 /∨
　　　　　.ヽ:::＼＼::::ヽ　　　　　　　　 　 　 　 ／::::〈｀l7:´::::::ヽ　　　　　　　l　　`､／　! |j　|j　　　　　　　　 ＼|　 　 　 /∨
　　 　 　 　 ヽ:::＼＼::::ヽ　　　　　　 　 　 　 ﾉ::::::::::::V::/:::::::::::〉　　　　　　l　　　　　 |　　　　 　 　 　 　 　 　　 　 　 /　/
　　　　　 　 　 ヽ:::＼＼::::ヽ　 　 　 　 　 　 /:::::::::::7::ﾄ/:::::::::::/　　 　　|` ,/　 ,､／|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　/　/
　　　　　　　　 　 ヽ:::＼＼:::ヽ　　 　 　 　 /::::::::::/:::::/::::::::://　　　　　|　 .,／　　 |　 |　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　/
　　　　　　　　　　　 ヽ:::＼＼::;　　　　.／::::::::::／l ／:::::::::/::l　　　　　 ＼ ＼　 　 |　 !　　　　　　　 　 　 　 　 ／　,/
　　　　　　　　　　　　 　 ∠二フ　 .／:::::::::::::/　／:::::::::／::::!　　 　 　 　 ＼ ヽ, 　 |　|　　　　　　　 　 　 　 ＜ _ ／
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ,'~つﾆ〉ヾ::::::::/／::::::::::／::::::::j　　　　　　　　 ＼j 　 .| .|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾞへノ7 　ヽノ<::::::::::／ヾー--￢　　 　 　 　 　 　 　 | .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 くヲ｀`　 ヽ＜／^ヾフ=／{　　　　　　　　 　 　 　 | |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,. -ヾソ　　ノ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,　 　 　 　 　 　 　 | |
　　　　　　　　　　　　　　　 r ' ´:::::::::::::`ｰ‐'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀` 　 　 　 　 　 　 {j
　　　　　　　　　　　　　　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -─- ､_::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::::::r -- ' ´　　　　　　　｀`'ｰ､:::::::::::::
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /::::::::::::::l　　　　　　　　　　　　　　 l::::::::::::



　　　　　　　　　　　 ,. -─- ､._
　 　 　 　 　 　 ,. ‐'´　　　　　　`‐､
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ヽ､_／)ﾉ
　　　　　　/　　　　 ／￣~`'''‐- ､.._　　　ノ
　　　　　　i. 　　　／　　　　　　　　 ￣l　7
　　　　　　,!ヘ.　/ ‐- ､._　　　u　　　　|/　　　　「魔剣が………
.　　　　　 |〃､!ﾐ:　　 -─ゝ、　 　 ＿_ .l　　　　　オーラ光を纏った！」
　　　　　　!_ﾋ;　　　 Ｌ(.:)＿ `ｰ'"〈:)_,` /
　　　　　　/｀ﾞi　u 　 　 　 ´　　　 ヽ　 !
　　　　_／:::::::!　　　　　　 　 　 　 ,,..ゝ!
_,,. -‐ﾍ::::::::::::::ヽ、　　　 r'´~｀''‐､　 ／
　!　 　 ＼::::::::::::::ヽ　　　`ｰ─ '　／
　i､　　 　 ＼:::::::::::::::..､　　~"　／
　.! ＼　　 　 `‐､.　 　 `ｰ;--'´
　 ヽ　＼　　　　 ＼　　 /



ナワヤが驚嘆の声を上げた時にはすでに―――

八４１１．
先程の攻撃とは次元が異なる速度で、ジュンは間合いを詰めていた。



　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿　　/￣／
　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　/　/　／
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　/　/ﾚ/　/￣／
　　　　　　　　　　　　　/＿＿＿＿＿　　 /　　　　 /　／　　　　　　　　　　　　　_从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/　　　　　ｉＹ/　　　　　　　　　　　　　 /　/ _从＿＿
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,.,//　//　 ／
　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿/　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 "　/,､/'´ ／
　　　　　　　　　　 / 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞ　/／
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　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.::::::::::::::::/.:::::::::::::::::|　ハ――　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.::::::::::::::::/.:::::::::::::::::|　ハ　:::::::::|　ハ
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　　　　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::/.:::::――――――――　　 　/.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::/.:::::::::::::::::ィﾖ 　{{　::::ィﾖ 　{{
　　　　　　　　　　l.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::..＜´　|主 　}ﾄ､　　 　 　 　 l.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::..＜´　|主 　}ﾄ､　|主 　}ﾄ､
　 　 　 　 　 　 　 ＼.:.:.:.:.:::::::::::::::::／ 　 ＼'｢ ｀ヽﾉﾘ.::',―――　　＼.:.:.:.:.:::::::::::::::::／ 　 ＼'｢ ｀ヽﾉﾘ.::','｢ ｀ヽﾉﾘ',
　　　　　　　　　　 　 ` ー一'´￣　　　　　 ヽｰ彡'.::::::＼　　 　 　 　 ` ー一'´￣　　　　　 ヽｰ彡'.::::::＼　'.::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ.:.::::::::::::丶　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ.:.::::::::::::丶::::::::::丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨.::::::::::――――――　　　　　　　　　　　 　 ∨.:::::::::::ハ::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨/.:::::::::::}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨/.:::::::::::}::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 V.::::::::::::::ヽ――――　　　　　　　　 　 　 　 　 V.::::::::::::::ヽ:::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈.:::::::::::::::::::}　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈.:::::::::::::::::::}::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Y.::::::::::::::入―――　　　　　　　　　　　　　　　　Y.::::::::::::::入:::::::::入
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ー=≦∨〉　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀ ー=≦∨=≦∨〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }主}｀ヽ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 }主}｀ヽ/主}｀ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｊ主ｊ_ ,――――　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｊ主ｊ_ ,ﾉ|　主ｊ_ ,ﾉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /ー‐ヘ.ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ー‐ヘ.ﾉ　‐ヘ.ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ー‐彡'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 {ー‐彡'　　‐彡'
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝＿＿―＿＿

八４１２．
しかし、相手も達人級。
防御に注力していた事もあり見極められない程ではない、と―――



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'''`ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r‐'''''ヾ:.:.:.:.`､`.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,r‐''<:,r'´:,/;':ﾄ､ヾ:.:.i,:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　（疾い！　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ:､:.`､:.`:､ノ`ｰ'l!:`:､ヾ:i:.:.:i,　　　　　　　,r-､___　　　___________,r‐''7´7,!
　　　　　だが見切れん程ではない！）　　 　 　 　 　 　 　 l:.:.`ﾄ､`;､:.ヾr､;'l!;!.i.:ﾄ､i.:.:.;.l____,,,,,,,...-┬ﾌ (´:.:ﾟ.:`i￣`''´:.:.:.;r--っ￣>i,!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,!:.:.λ/ｧ､ヾ:ヽ,!;':,:':/ﾆ l:.:.:,:.!__,,..---‐┴<　i,:':.:.;r-ﾆ'''''￣/ f'''´￣／,;';,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___,,,,..,..---‐‐‐''''￣/.:.:/-ﾉ　, ヾ:ヾ:!-‐‐''''/.:.:.;.:l,,r‐'''´￣l'''ヽ_二ﾆ;l_,f-､￣`ヾ ,ﾉ _,／　,;'　';
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''' ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚl! ,>''´;;:::::;;;ﾚﾚ'´;;;;;;／;.:'.:.:.:,/::;;;;;;;;;:::::;;::::::::l;' _ , - '　　　 ,r'　,,,;;''　 ,!`､　 `,;;'、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:::::;;;;;;r''´:.:.:.:.:.:,;／::::;;;;;;;;;:::::;;;;;;:::::;;:::::!' , ' - ', ' ' ' ‐ -　　　　　 ,;;;'"　 ,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ゞ''´:.:.:.:.:.:,;／´;;:::::;;;;;;;;::::::;;;;;;::::::;;;;;::::!　 ' ,　　｀ ' ‐ ,　　　　　　　　　 i
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,r'''´:.:.:_,;,.:-‐'´ `､::::::;;;;::::::;;;;;;;::::;;;;;;;;;;::::::::::;;;;:::::ﾄ､　 ;　　　'　__　　　　'　　　　 _,ﾉ
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　　　　　　　　　　　 ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r';;;;;::::::;;;;;::::::;;;;:::::::::::::::::;;;::::::::::::::::::;;;;;;l

八４１３．
ジュンの、大上段からの打ち下ろしに合わせるように、



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿___
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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _ ／ ._..-''"゛　　　　 .｀'､　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／゛_ ／　　　 　 　 　 　 　 ｌ,　 　 　 　 　 　 ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ,／　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　 ｌ
　　　　　　　　　　　　　 ,／.／　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　　　　　　　　　　 ｌ
　　　　 　 　 　 　 　 ,／,／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　!
　　　　 　 　 　 　 ／,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　 ／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 　 　 　 　 　 !
　　　　　　　／,./ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　,!
　　　　　 .,ﾉ.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 l
　　　　.,ﾉン゛　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　　　　 　 　 　 　 !
　　　,ﾉ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　 /
　 .,ﾉ./ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 /　　　　　　 　 　 　 　 　 lﾞ
..,i'／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　,!　　　　 　 　 　 ,,、
./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　 　 　 　 　 　 !　　 　　.,l｀　,,,llﾞﾞ"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / 　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　,l,,,lllﾞﾞ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　llﾞ"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　　　 　　.ll　 _,,,,illｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　.ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ~　.,,,illll'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / 　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　 ﾞ｀.,,,,,,illlﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾞ　　　　　　　 .,illlllﾞﾞﾞ~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / 　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　 ,,.,、,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　ﾞ'ﾞ,,lﾞﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / 　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　 ,i!｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　　　　　　　　　　　　　,!　　　　　　　　　　　　　,lﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　 　　　　　　 .'ﾞ

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ￣｀ﾞﾞ"'ｰｯ　　　　　　　￣,二＝─
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 , ／　　　　　 _..-'"゛
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　　　　　　　　　　　　 _／゛　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /. i　　　　　　　 ／i
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　　　　　　　　,∠―''ﾞﾞ,!　　　　　/　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|､-'"　,/:|　 ||　/
　　　 　 　 -'"　　　 ./ 　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　 ,,､- '"　|　r'.|/"
　　　　　　　　　　　/ 　,..┐　 .lﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,､-'"　　 ii　,／ |　|／ ／|
　　　　　　　　　　 /.／　 !　　 |　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 r'"　,､-'|.　 ﾉ　|　　|　　,! |.　|
　　 　 　 　 　 　 〃　　　!　　　!　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 j　 /　　.|.　/　.|　　|　r".| |. /／|
　　　　　　　　　 ″　　 .lﾞ　　　 .ｌ　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /／ ,ri　 |.　i　 .|　 r'　|　 |.ﾚ''|　 |
　　　　　　　　　　　　　 !　　　　 .ｌ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. |　 |　| 　 |／　 .|　/ 　 |. r'
　　　　　　　　　　　　　lλ　　　　.ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |.　 | 　.|　〉 　 　 　 .|/　 　 |/
　　　　　　　　　　　　 　│　/'､　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 | 　 | /
　　　　　　　　 　 　 　 　 ! /　 ヽ　　 .｀､　　　　　　　　　 　 　 　 　 |. /. 　 |i
　　　　　　　　 　 　 　 　 |/　　 .ヽ　　　 .＼　　　　　　　　　　　　　 |/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　 . ＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ.iｰ ､　　　 . ＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　　｀'-、　　　 ﾞ''-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀'-　l＼ 、 ｀''-､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀〈i、 .｀''-..、 ｀''-､,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀　　　　｀''-､、 .｀''ｰ､,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀'‐llZｰ-.｀''ｰ..,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　｀''''‐



下から全力で斬り上げた。

307 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:43:32 ID:652WgNqA ここで水月か・・・

八４１４．
だが、カタナの始動を待っていたジュンのロング・ソードは途中で軌道を変え、
さらに加速するではないか。



　　　　 ＿,,,,,,....　--ｰ￢'''"ﾞﾞ´　　　　　　　 　_,,,,.... --ｰ''''''ﾞﾞﾞ´_,,,,..　-ｰ''''"゛　 ヽ　　 ヽ.
''''''^ﾞ￣´　　　　　　　　　　 _,,,,.... --ｰ'''''"ﾞ´　 __,,,,　-ｰ'''''"ﾞ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,.. -‐''"´
　　　　　 _,,,,.... --ｰ'''''"ﾞ´　　　_,,,,..　-ｰ'''''"´　,,/l　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _,,.. -‐'''"゛　　　　 ._..-'
ー''''"ﾞ´　　　 　_,,,.... -ｰ''''''"´　　　　 ,l　　　 / .│　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _,,,　-‐''"´　 　 　 　 　 _..-'"´
._,,,,..　-ｰ'''''ﾞﾞﾞ´　　　　　　　　　　　　/.!　　/ 　　!　　.、　　　　　　　 _,,,　-‐''"゛　　 　 　 　 　 　 _,, ‐'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.! / 　　　.!,,-/　　 ._,,,.. -‐''"´　　　　　　 　 　 　 　 _.. ‐'"
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / 　 　　　　　 　.!ｰ'''"´　　　　　　　 　 　 　 　 　 _..-'"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _..-'"゛
　　　　　　　　　 　 　 　 　 lL ./　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _..-''"
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ! ''゛　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.. ‐'"
　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _..-'"´/'i
　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　!　._..-'"゛　　　/. i　　　　　　　 ／i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ! 　　　　　　　　　　　 ﾚ｀　　　　　　j　　| 　 .,､-'/／|r" ﾘ　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　 　 　 　 　 !　　　　　　　|　　|､-'"　,/:|　 ||　/　　　　　 　 　 　 　 　 ／　 ,
　　　　　　　　　　　　　　l丶　　　　　 　 　 　 　 l　　　　　　　|　　 ,,､- '"　|　r'.|/"　　　　　　　　　　　／　 .／
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　,､-'"　　 ii　,／ |　|／ ／|　　 　 　 　 　 　 ／ 　 ／
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　,!　　r'"　,､-'|.　 ﾉ　|　　|　　,! |.　|　　　 　 　 　 ／ 　 .／　　 . /
　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　 　 　 　 　 |　　j　 /　　.|.　/　.|　　|　r".| |. /／ 　 　 　 ／　 . ／ 　　 .／ .
　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　 　 　 　 　 　 ,!　 ./／ ,ri　 |.　i　 .|　 r'　|　 |.ﾚ''|　 | 　 ／　　 ／ 　　 .／ . /
　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 !　　　／. |　 |　| 　 |／　 .|　/ 　 |. r' ／　　 ／　　　 ／ . /
　　　　　　　　　　　 ｌ　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　　　.|.　 | 　.|　〉 　 　 　 .|/　 　 |/　 　　.／　　　 ,./ 　/
　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　|　　 　|　 | 　 | /　　　　　　　　　　　　.／　　　 .／　.／　　　 . /
　　　　　　　　　　 i′　　　　　　　　 　 　 　 　 !　　　 |. /. 　 |i　　　　　　　　　　　　／　　　　／ 　/ 　　　　 /
　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　 .|/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　.／　　　　.／
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　 ／ 　　 .／　　　　.／　.／　　　　　/ 　　　/
　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　 ／　　　 ,／　　　　.／　.／　　　　 . / 　　 . /
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　 ,／　　　 .／　　　　 ／ 　／　　　　 . / 　　　 /
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　　　　　　 . ／ 　　　.／　　　　 .／　 ／　　　　　.／　　　 /
　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 . ／ 　　　 .／　　　　 .／　 .／　　　　　.／　　　 ./

八４１５．
その重く鋭い一撃に虚を突かれた用心棒のカタナは
予定とは別の角度から打たれ、大きく内側に弾かれてしまい懐に隙が出来る。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　 　 　 　 |　| |　　　　　　 /　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　＼＼＼　　　　 　 　 　 .|　| |　 　 　 　 /　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼＼　　　　　　　 　 |　|　　　　 　 /'!　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼＼..　　　　　 　 |　|　　　 　 ./　!　 　 ／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　　　 |＼　　 |　　　　 //| |＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 　 |　 ＼　|　　　 .// .l＿　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿|　|＼＼／＼//　　／ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　＿＿__|　 ＼／＼/　／ ／　 ＿＿＿＿＿＿＿
　　　 　 　 /´ 　 ム -イ;‐ｧ　　　　　　　　　　 ＼ ＼　 　 　 　 　 　 ／　　￣￣　 ＿＿　　　　　／
　　　　　　,!　　　 　　〃 /　　　　　　　　　　　　　＼ ＼　　__lV ､＿　￣￣￣￣￣―　""　　 ／　―――
　 　 　 ／　 　 　 ｨ!　|ｌ　ｉ¨７　　　　　　　　　　　　 /　 /　,　>　 へ´　　｀ ､￣￣ 　 　 　 　 ／　――
　　　／　 　　　;'´ i　 ｌ|　|　|　　　　　　　 　 　 　 /　 /／/　 Y　l＼　　　　＼　　 　 　 　 く　――――――
　　　l　　／| 　 !:　!　 |L/|　!〉　 　 　 　 　 　 　 /　　／./　　　　!　 ＼　 |￣　　　　　　　　 ＼
　 　 |.／　 l 　 |!　l　 |　 .|__|　　 　　/`l　　　　 /　／ //　　／! .! l＼　＼l　　 !￣￣￣￣￣￣
　　　　　　 | 　 l!　|　 |　　　　　,､ 　 l　 |/ 〉　 /／　..//　／　...! l l　　＼ 　 　 | 　 　 　 ＼
　　　　　　 !　 |l'　|　 |　　　　 ,l |　　l　 |ﾚ'　 ./　　　//／／ |　.l l ｌ　　　 ＼ 　 | 　 　 　 　 ＼
　　　 　 　 |　 |!　.|／ 　　　　,!　L.-ヾi=,'　 ./　　　/　／　　 ｌ　∥ｌ　　　　　＼ | 　 　 　 　 ＼＼
　　　 　 　 |／　　　　　　_,.-'´　 _, - '_´　./　 　 /／　　　　 l　　.i　　　　　　 ｀　　　　　　　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　|_,.- '´|　L-'´_|
　　　　　　　　　　　　　　　　,.-'´　 ,.-'"
　　　　　　　　　　　　　　　|,.- '´| |　　　　　 ／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|,i　　　　／／　　 ＿＿　　　 　_
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ ｨ'　　／＿＿ノ　　 ／丿
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 く／レ　　　　　　 　　／ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,____,. - '´ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＿＿__,／

八４１６．



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,_　,r'´:.:`.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,,..----'‐=Hﾆﾆｺ:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´;.:.:,',:';r'´,;_:.:.:.ノ｀ヾ:.:.:.:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. f'''ヾ.;.:,';.',;.:-;.:.:ヾ.:.:.:.:.:.i､.:.:.:.l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.!ヾ､;,r;´,;z,;i:.:.:.i:.:.:.:.;/:.:.!:.:.:.l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l　　　　　　!:.:.:!z:.:':/:.:ｲ:､:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l　　　　__,,,,l-'.:! `'''ヾ:.;!.:ヾ.:ヽ
　　　　　　　　　　　　「くっ！腹を叩くとは！」　　　　. l.:l｀ｰ_　　 -__l,;,;.l　に l/ !.:.:`､:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l､ｰ' ,　　　 l:.;.:.! ,r‐'ヾ! !.:.:.:.ヾ'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l ヽ、--一 l.:,:.:.!,!l'''''ﾄ､ `､.:.:.:.:`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !:.l　　` ,､___, !.;.:.:!_,y'´:.:.i_　ヾ:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. !.:l　　,l'-;;;;;l　!,:.:.;!:.:.:.:.:.:.:.:,!--.ゞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,f;.:.!-‐'i : :l　! ,!;.:.;!:.:.:.;.:',／::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l,!ヾヽ'´ヽ:,! ﾚ'ﾚ!./!.:,;.:''.:.:￣''''''‐



少年の狙いが、最初からカタナだったと気づいた時にはすでに遅く―――



　　　　　　　　　 ＞ -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
　　　　　　　　　 >:.-:.－:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀´:.:./
　　　　 　　 r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:.／::|:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　/:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|￣｀''- ､;i:.:.:.:.:.:.:.:.￣ヽ
　 　 　 　/:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.:.|　　　　　 |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_　　　　//:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ､=､_,, ,/　|:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|
　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´＼-;/￣ V￣ | |　　 　 =､/ 　 |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
　 ｀ '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.　　　 | |　　○ |}_　r-Vｿ:.:∧}　　　　　「まだまだああああぁぁぁ！！！」
　　　　　 ／:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::　　　 ヽ廴_　 <ﾃ=/rァヾ:∧:.|
　　　　　 フ/:.:.:.:.:.＼::::::::::::::::　　　　　￣ヾ=ﾉ　 <-ﾝ /:| .V
　　　　　　´''- ､:.:.:.:./::::::::::::::::　 　┃　　　　 　 /=テヾ|
　　　　　　　　　 ヾ/:::::::＼::::::..　　┃　..ー -　 　 /
　　　　　　　 　 　/:::::::::::::::::::::::::... ┃　　 -　　.／
　　　　　　／＼./::::::::::::::::::::::＼:::::::::...　　 　／
　　　　 ／　　　∧:::::::::::::::　　 /｀ 'ー - ' ´
　　　ノ |　　　　　 }ヽ::::　　 　/_
￣￣　 .|　　　　　　 ＼　　　{　ヽ
　　　　 .|　　　　　　/　｀ ー='´　 ＼

八４１７．
身体を狙っていなかったはずの斬撃が、
撃ち合いの衝撃を利用してもう一度軌道を変化、加速する。



　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　..-'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　/　_..ッ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / 　　　　　　　　　ノ.／ /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 /ﾉ゛　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 　 　 　 　 　 〃　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　 　 　 　 　 　 / 　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 .、　　　　　　/ 　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　./　　　,!|　　　　　 ./　　/
　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　 !│ . !|　　 ."　　/　.，
　　 　 　 　 　＼　　　　　.i′　　 l　.|　,! l　　　　　.|､ /|
　 　 　 　 　 　＼　　　　!　　　 .|　 .l .l　.!　　　,,　 .〃.!　 　　　 ,,、
　　 　 　 　 　 　 　　　│　n　 .!　　l.,!　 l　　 /.!　 ７!|　y|　　,ﾉ/　.r|″
　　　　　 　 　 　 　　　.|　 .! ｌ　l　　 .″　.!　 /　!　/ ﾘ//.l .／./ ,ﾉ./
　　　　　 　 　 　 .＼　l　　!　ｌ,l　　　　　　! /　　! ｌ　 l./ ﾀ'ﾞ　/ノ./ ,
　　　　　　　　　　　　＼_　|　　　　　　　　 ﾞ′　 ｀　　　　　.,ﾚﾞ.ii.ｌl″
　　　　　　　　　　＼　　 ﾞ'-!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　──＝＝二二　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,./
　　　　　 　 　 　 　 _.;;彡-ッ　　　　　'、.ヽ,　　 .,,,,、 ＼
　　　　　　　　　　'"´　 ／ ,.. /　　　　ヽ　.ヽ.　 ..＼¨''ｰﾆ;;､、　　　　　　　　　　 ,,　　　　　　　 　　　 　　,,. 　　 ,.
　　　　　 　 　 　 　 ,.;;ﾝ‐″./ 　 .,　　　 ｌ　　.ﾞ!l>､.　 ＼　　 ´　　.　　　　　　　 / | 　 /|　／|　　　　 _,,.ｒ':/　 ／::|
　　　 　 　 　 　 ,..广　　　./.,v　/!　　.i'i.|.ｌ　　　ヽ｀'-､. ｀'-,　　　.　　　　　　 /:::::i　 /::i　|:::::i　 ./'''"´:::::/ .／:::::::|
　　　　　　　　 "　　　　 .,i./　|./ ,!　　lﾞ ﾘ !　　　 ヽ.　 ｀'-､＼　　　 　 　 　 /::::::::i　 |::::! .i::::::i　/::::::::::,,./／:::::::／
　　　　　　　 　 　 　 　 〃　 i}′|　　ｌ　　 .ｌ　　　　.ヽ　　　｀'''ゝ .　　　　　 i::::::::::i　 i::::i　i:::::::i/:::;.r''" ／:::::::／
　　　　　　　　　　　　 ,i″　 　　 !　 ,!　　　.ｌ　　　　 .ヽ　　　　　.　 　 　 　 i:::::::::i.　i::::i,/i:::::/'"´　.／:::::::／
　　　　　　　　　　　　l′　　　　│ /　　　　l　　　　　 ヽ　　　　 .　 　 　 　 i:::::::::i. i:::/::::i:::/　　／:::::::／
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | /　　　　 .｝　　　　　 .ヽ　　　 .　　　 　 　 i:::::::::i i/:::::::i/:| ／::::::::／
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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |′　　　　　!　 　 　 　 　 ｌ,　　　　　　　　　i:::::::::::::::／　　i::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,! 　 　 　 　 　 ｌ　　　　 　 　 　 i:::::::::／ 　 　 i/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　　 　 　 　 　 ｌ　　　　　 　 　 i::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　 　 　 　 　 　 ｌ　.　　　　　 　 i:::::::i
　　　　　　|　　　　　. |　　　　　　　　 　 　 　 !　　　 　 　 　 　 !.　　　　　　　 i:::::::i
　　　　　　|　　　　　 .|　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　 |　　　　　　　 i:::::::i
　　　　　　|　　　　　 .|　　　　 |　　　　　　　　l　　　　| 　 　 　 　| .　　　　　 　 i::::/!
　　　　　 | |　　　　　| |　　　　|　　　　 |　　 　!　　　　||　　　　　.|　 　 　 　 　 i/ !
　　　　　川　　　　　川　　　 | |　　　 川　 　 l　　　川　　　 　 　!
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二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二／

八４１８．


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　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 　 ／´￣￣｀ヾ｀ヽ.:｝
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　 　 　 　 　 　 __/＿二ニｲﾍ:.:.:｀ヽ｀ヽ｀ヽ.:.}.:｝｀ｰ.､
　　　　　　　　 | ｉ´.:.:.:.:.:.:/.:|.:.:.＼,rへr─‐.､j.:ｊ.:,.:}.:｝ヽ
　　　　　　　　 | | :.:.:.:／小ヽ ／.:.:.:./.: //∧///く/:く
　　　　　　　　 { {_:／／{ヽ .://,:.:.:./.: //://|/∧.:.:｀Y^>
　　　　　　 　 /ヽ_／／ﾊゞ////／／/:/ﾍV/|/.:.:.:.//
.　　　　　 　 /.:.:.:/ /.:/⌒Y.:/／／　 ;:/ 　 　 !.:.:.: 从　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　 /.:.:.:／／｛こノ／ﾊ㍉、　;:i　　 　 |.:.:.:.|.Y　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　,.. -≠＜´／／ハ／ｲ/　 ｀ｰ＼ヽ　　 ,,小.:.:.|:.|　　　　　　 ＜　　　　　なんだと！？　　　　＞
　／:.:／ .:.:∠二二=／／:.| 　 　 　 　 '.　ｨシ'|.:.:.:.| 乂　　　　　 　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
.:.:.:／ .:.:／ﾊ::::::::::／／/ｌ:.:.|　　u　　 　∧ 　 /!.:.:. |　　 ｀ヽ、　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
／ .:.:／.:.//ﾊ_／／!::/ :ｌ.:.:|､　 -ｰ_､_'´　ヽ´ﾊ|.:.:.:.| 　 　 　 ＼
.:.:.／:／//// ／ヽ∧∨ｌ.:.:|:.＼　　　／:::::::ヽ::∨:∧　　　　 　 ＼
彡＜厂'/,V ∧///,＼ヽl.:.:|:　　 ー个＜:::: /∨∨:∧＿＿＿＿　ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／　ノ 　/ ///　|i　|``lヽ　　　　 ＼　　`‐ `=-　　 ＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞　　　//|　　　ﾚ! | 、ヾ 、ﾔ　＼　ヾ＼　　　　　　ヾ ｝`
　　　　　　　　　　　　　　＜　　もらったぁぁぁぁ！！！　　＞　 　 i//　/　　 | ヾ　ヽぃ i iヽヽ＼ヽ,,,＼　　＼| | ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(　　　　　 |//　　　H Aﾄ-仆ヽぃ ヽ! xｨ勿 }}＼ 　 `ﾚ′
　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　　　　 　 /| ,,　 ｷ,,x=≠=x,　ﾚ ヽ　ｲ弋_歹　! ＼ヽヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/|　| 代 勿 }}　 　 　 　 　 　 　 ト ´|` ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | / ヽ `‐゛　　　　　　　　　┃,′| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ!　┃ 　 　ヽ　　　　　〃| |ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＼　　　　-一　　／ /|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ `ト　、_　 _ ／ | /
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＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣ 　――＿――￣＿＿＿￣―

八４１９．



　　　　　　　　　　,r'''`ヽ、
　　　　　　 ,r‐'''''ヾ:.:.:.:.`､`.､
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　　 ﾄ:､:.`､:.`:､ノ`ｰ'l!:`:､ヾ:i:.:.:i,　　　　　　　,r-､___　　　___________,r‐''7´7,!
　　 .l:.:.`ﾄ､`;､:.ヾr､;'l!;!.i.:ﾄ､i.:.:.;.l____,,,,,,,...-┬ﾌ (´:.:ﾟ.:`i￣`''´:.:.:.;r--っ￣>i,!|
　　_,!:.:.λ/ｧ､ヾ:ヽ,!;':,:':/ﾆ l:.:.:,:.!__,,..---‐┴<　i,:':.:.;r-ﾆ'''''￣/ f'''´￣／,;';,
'￣/.:.:/-ﾉ　, ヾ:ヾ:!-‐‐''''/.:.:.;.:l,,r‐'''´￣l'''ヽ_二ﾆ;l_,f-､￣`ヾ ,ﾉ _,／　,;'　';
..7.:.:./　｀ヾ､ /l:.:.l,:l::::;;;;;;/:.:.:,:.:,!;;;;;::::::;::::::!　 ,ﾉ　　　　 ,'　 `;　`Y　　 ,;''　　';,
ﾌ.:.:/　　 _,,/;;/:.:_;!l:!;;;;;/:.:.:.;.:./;;:::;;;;;;:::::::::! ,r'　, '　　, '　　　　　 `､,;''　　　　;;
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 　 l　.|Ｖ| /.／｀ー.､__＼ム::彳:::≧､V:|　 |/,斗|::l　ヽゝ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|.| ＼ー〈XXXx/ 　 =＿.∨V::::匚 ]―匚 ] ｌ/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | l ｌ＼　 ∨::: :::|::::::::::::::::::::∨　|::::∧|
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315 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:45:59 ID:A2PLzDDs これは、やったか？！ 318 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:46:54 ID:SHBRq1tt >>315 フラグたてやがって！ 317 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:46:36 ID:4bcScoMP フラグ建て自重ｗｗ 321 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:47:33 ID:SknNnx4B おお、支援AA がかっこいいぞ！ ゲーム的にはMP全開の大技使った感じだろうか。

八４２０．
致命傷には至らなかったが、懐をかいくぐって脇腹を斬りつけ、
背後まで通り抜けた少年を振り返り、何があったのかを悟る男。



　　　　　　　　　　　　　　　　_＿_
　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 　 ／´￣￣｀ヾ｀ヽ.:｝
　　　　　　　 　 　 /.:.:.:￣￣＞＜´￣｀ヾ｀ヽ､、
　 　 　 　 　 　 __/＿二ニｲﾍ:.:.:｀ヽ｀ヽ｀ヽ.:.}.:｝｀ｰ.､
　　　　　　　　 | ｉ´.:.:.:.:.:.:/.:|.:.:.＼,rへr─‐.､j.:ｊ.:,.:}.:｝ヽ
　　　　　　　　 | | :.:.:.:／小ヽ ／.:.:.:./.: //∧///く/:く
　　　　　　　　 { {_:／／{ヽ .://,:.:.:./.: //://|/∧.:.:｀Y^>　　　　　　「ぐっ………
　　　　　　 　 /ヽ_／／ﾊゞ////／／/:/ﾍV/|/.:.:.:.//　　　　　　　まさか、こちらが間に合わないのを見越して
.　　　　　 　 /.:.:.:/ /.:/⌒Y.:/／／　 ;:/ 　 　 !.:.:.: 从　　　　　　　 合の衝撃で軌道を変えるとは………」
　　　　　　 /.:.:.:／／｛こノ／ﾊ㍉、　;:i　　 　 |.:.:.:.|.Y
　　　,.. -≠＜´／／ハ／ｲ/　 ｀ｰ＼ヽ　　 ,,小.:.:.|:.|
　／:.:／ .:.:∠二二=／／:.| 　 　 　 　 '.　ｨシ'|.:.:.:.| 乂
.:.:.:／ .:.:／ﾊ::::::::::／／/ｌ:.:.|　　　　　　∧ 　 /!.:.:. |　　 ｀ヽ、
／ .:.:／.:.//ﾊ_／／!::/ :ｌ.:.:|､　 -ｰ_､_'´　ヽ´ﾊ|.:.:.:.| 　 　 　 ＼
.:.:.／:／//// ／ヽ∧∨ｌ.:.:|:.＼　　　／:::::::ヽ::∨:∧　　　　 　 ＼
彡＜厂'/,V ∧///,＼ヽl.:.:|:　　 ー个＜:::: /∨∨:∧＿＿＿＿　ヽ
////ﾊ/,∨∧////////l .:|　　　 .:.ﾊｌ!: : :｀|∧∨＼ ∨二二二二二＼二二ニﾆ７>
二ニ＝∨∧/////////l:.:|　 　 .:/　il : : : |/∧∨/,＼＼////////ハ∨///////
/////∨∧//////////l :ﾄ､　 .:｛　 :il: : : :|//∧∨/,ハ ∨////////} ｝'//////



対して一撃で体力を使い果たして呼吸も乱れるジュンはしかし、
手持ちには体力回復の霊薬がある、と勝利を宣言。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞ -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >:.-:.－:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀´:.:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:.／::|:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|￣｀''- ､;i:.:.:.:.:.:.:.:.￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　/:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.:.|　　　　　 |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
　　　「僕の勝ちだ！　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_　　　　//:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
　　　 ここを通してくれ！」　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ､=､_,, ,/　|:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´＼-;/￣ V￣ | |ｲ≧ミ=､/ 　 |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.　　　 | | 辷り｀ |}_　r-Vｿ:.:∧}
　　　（くそ、目眩が………）　　　　　　　　／:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::　　　 ヽ廴_　 <ﾃ=/rァヾ:∧:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 フ/:.:.:.:.:.＼::::::::::::::::　　　　　￣ヾ=ﾉ　 <-ﾝ /:| .V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´''- ､:.:.:.:./::::::::::::::::　　┃　　　　　　　　/=テヾ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ/:::::::＼::::::..　 ┃　　ー -　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　/:::::::::::::::::::::::::...┃　　　-　　.／　　ﾊｱｯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼./::::::::::::::::::::::＼:::::::::...　　 　／　　　　ﾊｧｯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　∧:::::::::::::::　　 /｀ 'ー - ' ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ |　　　　　 }ヽ::::　　 　/_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣　 .|　　　　　　 ＼　　　{　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　/　｀ ー='´　 ＼

八４２１．
しばしの睨み合いの後、まだ五分五分程には戦う余力のあった用心棒はだが、
少年を見くびっていた己の不甲斐なさと、
まさしく親衛騎士たる戦いぶりを見せた彼に敬意を表して負けを認めかけたのだが。



　　　　　　　　 ,,,_　,r'´:.:`.､
　　　_,,,,,..----'‐=Hﾆﾆｺ:.:.ヽ
　 ,r'´;.:.:,',:';r'´,;_:.:.:.ノ｀ヾ:.:.:.:.i
. f'''ヾ.;.:,';.',;.:-;.:.:ヾ.:.:.:.:.:.i､.:.:.:.l,
. !:.!ヾ､;,r;´,;z,;i:.:.:.i:.:.:.:.;/:.:.!:.:.:.l,　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
. !.:l　　　　　　!:.:.:!z:.:':/:.:ｲ:､:.:.l　　　　　　「―――見事。　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
. !:.l　　　　__,,,,l-'.:! `'''ヾ:.;!.:ヾ.:ヽ　　　　　 ここを通るが　　＜　おっと、そうはいかないな！＞
. l.:l｀ｰ_　　 -__l,;,;.l　に l/ !.:.:`､:.i　　　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　　　　　(
. !:.l､ｰ' ,　　　 l:.;.:.! ,r‐'ヾ! !.:.:.:.ヾ'i　　　　　　　　　　　　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
. !.:l ヽ、--一 l.:,:.:.!,!l'''''ﾄ､ `､.:.:.:.:`
. !:.l　　` ,､___, !.;.:.:!_,y'´:.:.i_　ヾ:.:.:
. !.:l　　,l'-;;;;;l　!,:.:.;!:.:.:.:.:.:.:.:,!--.ゞ､
,f;.:.!-‐'i : :l　! ,!;.:.;!:.:.:.;.:',／::::::::::::::
l,!ヾヽ'´ヽ:,! ﾚ'ﾚ!./!.:,;.:''.:.:￣''''''‐

320 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:47:10 ID:wCLjvsS6 ジュン、恵まれたなあ

八４２２．
そこへ割り込んできたのは、いつの間にか玄関から現れていたシンジだ。

相変わらず裏付けのない自信と、空気の読めなさっぷりは健在のようで―――



　　　　　　　　　　　　　　　　 __＿...、
　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿,/:.:.:.:.:.:.:.ヽｰ‐ｭ
　　　　 　 　 　 　 　 ,.イ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.L.__
　　　　　 　 　 　 　 j:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
　　　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:/:.: /:.:.:.:.: /Vﾍ:.:.:l.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　ｲ:.:.:.:.:.:.:.〈:.:.:./:./ ｀"´｝:.:〉:.:.:.:ﾍ
　　　　　　　　　 く:.:.:.:./:./ノ）:ハ:.）　　/:.;ハ:.:.:.:ﾄゝ
　　　　　　　　　　 ）:.ｲ:.〈ハﾘ≧､(　　 ,）斗ト:.γ
　　　　　　　　　　ﾉﾊ/こﾊ）込）　） 　 込)ヽﾊﾘ　　　　　　　　「兵を退け！」
　　　　 　 　 　 　 　 ∨(　　　　　　　､　　/
　　　　　　　　　 　 　 |ゝﾄ　　､_＿＿´　 /
　　　　　　　　　　　　ﾉ从 ヽ　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　 　 __|　　＞　　イ
　　 　 　 　 　 　 　 _ｒ┘:.:.￣￣｀|||´|
　　　　　　 _.,..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｰ:.:-.:.:.:.|||:ｲ¨:...､ _
　　　,. ＜´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}}}.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.ｰ...、 _
　　 /.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:l:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.,
.　/.:.:.:.:.:.:.:.: ∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:l:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.: i
. ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:l:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.;.:.:.:.l
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;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:l:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|':.:.:.:.:.:.l



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞'´　／　　 ∧　 　 ｜　　　　i|　ヽ.　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　／ 　 ／ 　 　 /::::ヽ　_,斗:.:.:.: : 　 |　　 !　　:...　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 〉 　 　　　　::ー‐^´¨　|:.: : !:.:..　ﾄ､　 |　　 :.:.:...　: :..｀ー-､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　| 　ｉｌ　　::|　　 　 　 ! ::∧:. :. 　,=‐ｉ　　　:.:.:.:.:...:.:.:..:.:.／
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　.:.:.:.:|　 i| 　 ::| 　 　　　 | / ,ｨ|,.イ´__ ∧　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／
　　　「シンジ！」　　　　　　　　　/ :::／イl|　 ｌ|　 ::|=､＞ｰ=､ ｉ′|:rレ弍¨ヽ ﾄ :.:.:.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　./::／　 /　　　|　　|´戈¨Ｔ |ﾄ==､||　弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'゜ 　 /　／　 iヾヽ! 辷_ソ｣|　　 ヽ=＝＝=='　ﾏヽ.:.:r-‐'´
　　　　　　　　　　　ｒr‐、 　 　 　 　 　 レ'　ﾚ'〉　! ヾﾆ==＝ ′〈　　　　 　 　 　 'ノ::;;;>
　　　　　　　　　　　ﾄ'　| 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ヾﾇ、　　　　　 ｀　　　　　┃ ,/‐'´
　　　　　　　　　　　| 　|　　　　　　　　　　　 　 　 ￣ヽ　.┃ 　　ー‐　　　 ┃/
　　　　　　　　　　..ﾉ 　l'⌒!　　　　　　　　　　　　　 　 ＼┃　　 　 　 　 _, ィ´　　ﾊｯ､ﾊｯ
　　　　　　　　　　´　ノ^ヽ '､　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀¨ﾆt-　　-‐'　ﾄ-┐
　　　　　　　　　　　　／｀ヽ.ヽ、　　　　　　　　　　＿　 　/´iイ　　　　　 |/　ヽ―-- ､__
　　　　　　　　　　　　 ‐'´｀ヽ. ｉ､　　　　　 　 　 ／i　 ゞ7″ | ′　　 　／　 　 |　　　 　｀ヽ、
　　　　　　　　　　＼ 　　イ-' 　ヽ　　　　 　 ／　 i　　/　,ﾍ |＿___,_／ |―､　 |　　　　/　　ヽ.
　　　　　　　　　　　 ヽ.　 ″　 　 ｌ　　 　 ／-‐'´ | .//／　ヽﾄ-―/ニ,ﾉ　　＼| 　 　 /　　 ＼'､

323 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:48:08 ID:SknNnx4B 空気読めよ、ワカメェ 325 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:49:36 ID:e8uP/p+P シンジある意味でものすごい度胸だな 326 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:50:00 ID:l+xAt3FN おっとぉ、シンジくんまたここで死亡フラグがっ

八４２３．
大勢を前にたった一人、
腕を縛られて隣に立つ女性に抜き身の刃を向けて
金切り声を上げている。



　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人ﾉ
　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
＜　　　こいつの命が惜しかったらな！　 　 　 　 　 　 ＞
＜　　　ヒャーーーーハハハハハハ！！！ 　 　 　 　 ＞
　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r':.:´:.:.:.:.:.:.:｀ヽv..ー.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､':.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:.ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.,
　　　　　　　　　　　　　 /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.:;､:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
　　　　　　　 　 　 　 　/:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:lヾ/ｿ､::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　　　　　 i:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i:.:.:.i:l| 　 　l:.i:.:.:.i:.:.:.:.i.:.:',
　　　　　　　　　 　 　 | !:l:.:.i:.:.:i:.:.:.:|:.i:.:.:.:i|:.:.:.|:!　　　|:.li:.:.l:.!:.:.:l!:i:.i
　　　　　　　　　　 　　i !:|:.:l:.:.:|:!|:.:|l:.ﾄ;:.:.:l.!:.:.:|:i、　　|:.!i:.:リ:.:.:.!| |:i
　　　　　　 　 　 　 　　! !i:.:i:.:.:l`i|:iトl､ﾍ:.;|ﾍ;:.:!:iゝ__,,斗ﾚ´ﾘ:.:/!|ﾉ|!
　　　　　　　　　　　 　 　 i!:ｌ!:.:i!|､､,,___,,＼ ＼!＜＿__,,,,､ |:.∧l/
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｛ﾍ＼ﾍ｀"￣　　 ::　　　｀¨`´　i/ﾉ) ）
　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾄi＼　　　 　 : 　　　 　　　/7／
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i∧ 　　　　　!　　　　　　/ﾟ:|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l:|:i i＼ 　　─-─ 　 　／|:.||:i
　　　　　　　　　　　　 　 　 　!: :i i:.:|i＼　　　　　 ／i:.|:.l:!:|ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　 　＼i:!lr:| 　＼ 　__／　|r:!ﾚ／　　　　　　　　　　　　|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　,,∨ `ヽ､,_ 　 　_／´　ﾍ＼_　　　　　　　　　　　　|　ヽ
　　　　　　　　　　　 　 __ ,r‐''´ ｛　　　 　ゝｰく　 　 　 〉.:.:.:`ゝ-、　　　　　　　　.|;;;;;　ヽ
　　　　　　_, ､ -― ''"´.:.:.:.:/.:.:.:.:ﾄ　 　 / 　　 　i 　　/ !.:.:.:.:.:i.:.:￣｀i´`ー-ヘ　　. |;;;;;;;; ヽ
　　 　 　.':.:.:.:.:.:.:ﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:| ＼ / ヽ ,- 、ﾍ ／　l.:.:.:.:.:.:l.:.:.::.:.l.:.:.:／.:.:.:.｀.,　　ｌ ;;;;;　 ',
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　　　　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:/.:.:.:.:.:.:.:.:,ｲ　　　 l:::::::::::l 　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:/.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　' ,;;;;;　　',
　　　　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/__, ､-ｰ'´:.:l 　 　 |::::::::::::i 　　/´`''ｰ-､,_ﾍ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!.　　 ヽ;;;;;; 　 ',
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　　　　　＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛.:.:.＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　 　 　 　 　 ヽ. 　　',
　　　　　　 ＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉.:.:.:.:.`'' ｰ-.､_:.:.:.:.:＼:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ:.:.:.:.:.:.:.:.:/、　　　　　　　　ヽ. 　　',

八４２４．



　　　　　　　　　　　 ,. -─- ､._
　 　 　 　 　 　 ,. ‐'´　　　　　　`‐､
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ヽ､_／)ﾉ
　　　　　　/　　　　 ／￣~`'''‐- ､.._　　　ノ
　　　　　　i. 　　　／　　　　　　　　 ￣l　7
　　　　　　,!ヘ.　/ ‐- ､._　　　　　　　　|/　　　　「シンジ＝ギャブレー！
.　　　　　 |〃､!ﾐ:　　 -─ゝ、　 　 ＿_ .l　　　　　お前とギャブレットには国王毒殺幇助容疑の他、
　　　　　　!_ﾋ;　　　 Ｌ(.:)＿ `ｰ'"〈:)_,` /　　　　　王国法で禁止されている奴隷の所有、
　　　　　　/｀ﾞi　　 　 　 　 ´　　　 ヽ　 !　　　　　死斑毒蜘蛛の飼育とデッドニードルの生成、所有の容疑が掛けられている！
　　　　_／:::::::!　　　　　　 　 　 　 ,,..ゝ!　　　　　
_,,. -‐ﾍ::::::::::::::ヽ、　　　 r'´~｀''‐､　 ／　　　　　　抵抗しない方が身のためだぞ！」
　!　 　 ＼::::::::::::::ヽ　　　`ｰ─ '　／
　i､　　 　 ＼:::::::::::::::..､　　~"　／　　　　　　　　　
　.! ＼　　 　 `‐､.　 　 `ｰ;--'´
　 ヽ　＼　　　　 ＼　　 /



もちろんナワヤは正式な捜査であり、抵抗を止めるよう忠告するが、
もはや抵抗を示しても示さなくてもギャブレー家は全員処刑を免れない。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::＼,,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌ーヽi::::::::::::::::::ヽ￣｀',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ::/::/:/:::!:::::∧∧:::::::::::::::::i､:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / /:/::/::::i:::::/　　 ｝:::）:::ﾍ::::ﾍ::ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 { ｛:く;;｛:::∧:（　　 （:::(ヽ:::::）:::ヾ::｝ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ::)::）ﾉ￢）)　　　):）フ::ﾊ::::）:/
　　　「うるさいな、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ﾍ!:（丁;;jゝ　　 ´「;;;j厂ﾚ!iﾍ
　　　 そんな事はどうでも良いんだよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｛∧　 ￣　　　 　 ￣　 / ソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ゝﾍ 　 　 　' 　 　 　 /ノ
　　　 こっちは脅しじゃないぞ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾘヘ 　´ ￣｀ 　／!!′
　　　 ご覧の通り、僕の剣には怖い怖い毒が塗ってある。　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼|＼　__　／　|/!
　　　 かすり傷でも死んじゃうぐらいの、ね」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌‐┴─ｒr─‐‐┴!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___　__＿＿＿r=┤: : : : : |||: : : : : ├､,,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　/: : : : : :: : : : : : : : : : : : : : : i ! i: : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : ',



だから隠すつもりは無いのだろう、
確かに彼の持つ剣には紫色の粘液がたっぷりと塗られている。

328 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:50:23 ID:652WgNqA こんなに若くしてこうも小物役を完璧にやってのけるのは一種の天才なのでは

八４２５．



　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::ゝ､
　　　　　......::::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ::ヽ
　　　　〈:::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::ヽ::::::::::::::ミヽ
　　　 　 >;;:::::::::::::::ヽ:::::ヾ::::::|ﾐ::::::::::::::::::::ヽ､
　　　 .〈:::::|:::::::f:::::::::;;''')::::人::ﾊミ:::::::::::::::::从
　　　　 i:::|::::::::ﾄﾐ'' 　 〈::::{ ／}::L ミ::y-ミ::ヽ　　　　「ほらぁ！
　　　　 |::|::::::::::::::ヽ　　 ):）fイ:丁　ｿr}k ）:| ）　　　　さっさと下がれっての！
　　　　 |::|::::::::::Y}::|__　 ~　　¨´ 　 　 Y/:::l
　　　　 { ヾ:::::::::t k夕　　　　　　　　 r':::::jゝ　　　　こいつの命が惜しくないってのか！？」
　　　 　 　 ￣ゝ(ﾍ　　< 　 ＿　　　　　ヾﾘ
　　　　　　　（　 　 ヽ　 　´　　　 ／　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　＞ ､___／---──ゝ.
　　　　 　 　 　 　 z-≠─- ､　　 ヽ へ─--ﾍ
　　　　　　　　　　|　　　　　　＼　　　　｀ 　　　ゝ､
　　　　　　　　　　|　　　　　　　 ＼　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　＼　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　ｲ　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　　　f＼　　 ﾉ　　　　　　 ﾍ　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　{ 　＼ｲｨ´￣　　　　　 ﾍ　　　　　　　　 }



毒剣を振りかざし、周りを睨め付けたシンジは騎士達に退くよう騒ぎ続けるが、



　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : :´: : : : : :＼
　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　 : : : :/: : : :_: : : : : : : : :､: : : : : : ',
　　　　　　　　/: : : :/: /:.//:ヽ: :／:|:',:ヽ:ヽ:ヽ: : : :
　　　　　　　 ,':.,: : : : :.′!:.!ヾ`v´^´ｌ:.!:!:.i: :ｌ: ﾊ: : : |
　　　　　　　 : i: : : ｌ:ｌ:.!: :|: !　　　　 i: |:ｌ: ｌ|:.!: : ｌ: : :ｌ
.　　　　　　　|:.ｌ:!: : |:|:|ｌ: ﾊ:|　　　　 ｌ:.ﾊ|:ﾊ!_!: : ｌ: : :}
　　　　　　　 !:|:|: : ｌｰ+!:i､ｌi　　　_　+'ｪ≦､}i: :.,'_: :/
　　　　　　　 ﾚぃ､: ｌﾔ下:ヾ　　´ ﾌ´い:リ' ｌ: /ｨ },'　　　　　「……………」
　　　　　　　　　`{ヽ{　､ﾏｿ　　　　　─ '･///' /i
　　　　　　　　　　ヽ_`　　　 ,　　　　　　 '´ム':|:.{
　　　　　　　　　　　} {:.､　　　　　　　　　 /! !|:|ｌ:|
　　　　　　　　　　　| !|:|:＼　´ ￣｀　　／|:| |从ﾘ
　　　　　　　　　　　ＵＮ､!: :丶 ___　イ　　ｌ､ン
　　　　　　　　　　　　 , -／{|　　　 ,， '"´ ヽ.､
　　　　　　　　　　 イ´::/　　ヽ_ ／　　　　　 }::ヾ.､
　　　 ．-┬一':´:::/::::::,'!　　f´::::ヽ　　　　　/:::::::',:::｀ﾞ...ｰ-､＿
　　 /:::::::::|::::::::::::/::::::::ハ　/|::::::::::ﾊ　　　 /'::::::::::::!::::::::::::::::ｌ:::::::ヽ
　　,':::::::::::{::::::／::::::::_:{　∨ t:_:_::/ ﾍ　 ／/::::::::::::::!:::::::::::::/::::::::::::',
　　!::::::::::::',:::}ｰ:､:／:::ｌ　　 /:::::::ヽ　　´ ／＼:::::::::::|:::ｌ:::::/:::::::::::::::::ｌ
.　 ｌ::::::::::::::∨:／::::::::::ヽ　/::::::::::::|　 ／::::::::::::＼￣:::::i::/::::::::::::::::::::|
.　 !:::::::::::::::/､::::::::::::::::::::＼::::::::::::i／::::::::::::::::::::::::｀ヽ::::{::::::::::::::::::::::::|
　 i::::::::::::::,':::::＼::::::::::::::::::::ヽ:::／::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::ｌ:::::::::::::::::::::::ｌ
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330 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:51:16 ID:9l54zYgW 相変わらずというかなんというかｗ 331 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:51:40 ID:SknNnx4B なんだわざわざ証拠を持参してくれたのか。 空気は読めないのに、気が利くじゃないかw

八４２６．
彼の後のない様子と、
ただ不快そうに冬の雨に身をさらしている女性を見比べたジュンは
とても不思議そうに、心からの疑問を口にする。



: : : : :: : :、: : : ::::::,lll,,,,,,,,,,,,,__
: : ::_、,,､‐,l,: : : :,,ll,i,_ﾞﾞﾞllllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,ﾞl,、:,illilllllli,l,: ,lliillﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾟ”￣
lllil!llilﾞ゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i､
l!lilllﾞιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lllﾞ!liill!llllil,i､
illll!`lll:,lllllll!ﾞﾞlﾞ!!ﾞlllllﾞ!lllllll,llll,,ﾞ!lliﾞllll!llil,i､
!l】l::lllﾞllllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,ﾞlli、ﾞﾞlllll,,、
ilﾟ,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,ﾞlll　　ﾞﾞﾞ!l,,、
lﾞ,lllllll|llllllll:.､:::x,、:､:|'llllllllll.lllllli,lli,　　　 ﾟﾞ=:
,,llll!,lllllllllll: : : : ﾞ'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,lﾞ'llli,"ll｀ .'!li,,　　　　　　「いや、そもそも………
llilllll:ﾞllllllllll､､:､:ハ::ﾞi!ﾞ,l｀|lli"ll　　　　　　　　　 その女の人は、誰だよ？」
lllllll:_,ﾞllllllll〆":'│::.ﾞ.:｀､.＝,｢
!|llll'｀::'!llllﾞli､丶'|,!::::::::::::::i!lﾞ,!
::)ll′: :ﾞ!llﾞﾞl: : ::|:．: : : : :`|::l、
、'l、:: : :ﾞ!!::｀::、U,、,:、..,i,|、ﾞi,、
、::｀::: 丶丶丶:::ﾞ!i{h,､_,ｼ｀::::::.|
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　　　　　　　　　　　　 　 i;;;;ﾉ;;;;;;;ｲﾙｲ＞(;;;γ　　彡';;;八
　　　　　　　　　　　　　ノ;;;/じソ 　`で;;)｀);ト　　（;;ノ;;;ｿ）　　　　　　「ハァ！？
　　　　　　　　　　　 　 　!;;ﾄj ( 　 　`ｰ＝ ｿ 　 ヘ;);;（´ｿ　　　　　　　バゼットだよバゼット！
　　　　　　　　　　　　　　）;〉ｰ　　u 　 　 　　 ６ｿ）ﾉ)ﾘ
　　　　　　　　　　 　 　 （;/　 ; 　　　/ ⌒ ､ ゝ/　　　　　　　　　　　 ランサーの奥さんだよ！」
　　　　　　　　　　　　　　）　　＼　　ヽ - '　　′
　　　,.-ｰ-:.､__＿ 　 ┌‐┴￢､,,,, ＞　_ ／
　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣´¨:.:.:.:.:.:.:.:|;;|;;|:.:.￣i
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 「;i;;i':.:.:.:.:.:.:｀ｰ─‐--､,,,,_
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あまりにも素の質問だったので何で知らないんだよ、とシンジは驚くが、
確かに彼女とジュンは面識が無い。

そもそも、彼ややらない夫が入城した時にはすでに
バゼットは自宅で安静にしていなければならなかったし、
ランサーも結婚している事は二人に話していた程度で、顔合わせなどはしていなかったのだ。

334 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:53:40 ID:auQ3utVZ シンジはこんな時でも自爆だなｗ 335 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:53:54 ID:1d/Pbc66 裏切り者の奥さんとか自分で言ってる割になぜ彼女を人質にするのかｗ

八４２８．
だが、そのシンジの大声が騎士達にランサーの事情を察させ、



「………あれ？
　親衛騎士のフーリンって
　裏切ったんじゃなかったっけ」

　　　　　　　　　「おお、確かそんな話が………」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　「でもよ、奥さんがなんでここで
　　　　　　　　　　　　　　　　　　人質にされてんだ？」

　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　／　　　　　　　　 ／　　　　 　 　 ／
..　　　　　　　　　　　／..　　 　 　　　 ／..　　　 　 　　　／　　 　　　　　／
　　／￣〈　　　　 ／／￣〈　　.　　／ ／￣〈　 　 　 ／／￣〈　　 　 ／
　　l/",ニヽ~'ヽ／　 l/",ニヽ~'ヽ／　　l/",ニヽ~'ヽ／　l/",ニヽ~'ヽ／
　 ﾉl_[,#ﾟ -) 0´|　　 ﾉl_[#ﾟ -) 0´|　 　ﾉl_[,#ﾟ -) 0´|　　ﾉl_[,#ﾟ -) 0´|
　　( _ii＿／_ノ　　　( _ii＿／_ノ　　　 ( _ii＿／_ノ　　　( _ii＿／_ノ
　 　|ヽ0´|　　　　　　|ヽ0´|　　　　　 　|ヽ0´|　　 　　　 |ヽ0´|
　　ﾉ／'i'i'iゝ　　　　 ﾉ／'i'i'iゝ　　　　 ﾉ／'i'i'iゝ　　　　 ﾉ／'i'i'iゝ
　／(/´"J　　　 　／(/´"J　　　　 ／(/´"J　　　　 ／(/´"J

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「まさか、奥さんを人質にされて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　仕方なく言う事を聞かせられていたんじゃ？」



身重の女性を冬の冷たい雨にさらして人質にしている非道さに、
怒りを膨れあがらせる結果となった。



　　　　　　　　　　　.ｨ
　　　　　　　　　 ／/. -''"￣￣￣｀ﾞ''ｰ-､
　　　　　　　 .へ}　 ′　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 /　　`　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i
　　　　 /　／／ / .ｲ .l|　 ト､　　 ､　 ､　　　　l　　　　　　「見ればご婦人は身重のご様子。
　　　　ﾉｯ′/.　/./ |/ .|　 |　ヽ､　ヽ　 l　　　　l　　　　　　なんと卑劣な………！」
　　　　　| ./|　/lｲフ=､｜　|_,.=キ､ ﾄ､ :|:::....　　ヽ
　　　　　|ｲ | /::::} l　{ﾟj`ヽ　|　'´{ﾟjヽ|　Y::yﾍ::::::.　〉
　.　　　　 ﾚ|/:::::::| ￣　　 ヽ{　　￣　　}:/^i |::::::::/
　 　 　　　　｀ヽ::::l,　　〈　　　 　 　　　ﾚ‐'ノ::::／
　　　　　　　　 ｀'ｰヽ　　ｰ ―　　　　ｲT":::;∠-ｯ'
　　　　　　　　　｀'ミﾐヽ,　　　_,..　イ　　|:::::::::;∠
　　　　　　_. -―''''^'ーl「 ￣　　　l 　　.|ｿ￣｀">
　　　　　 ＼､　､　jilil||ﾘ　　　　 /.l　__,.ｲ∠-z'〈

八４２９．
呼吸が定まらず、顔色も悪いジュンもランサーの苦悩に気がつくが、
だからと言って彼が裏切った事実は変わらないし、
大罪過ぎて裁きの結果が変わるとも思えない。



　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.＼
　　　　　　　　_ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::＼　　 ,
　　　　　　　ヾ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::､:.:.:.:/ ／/
　　　　　　　　　＞:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:./:.:.:.:.:.:.:.:ﾚ:.:.:/
　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´
　　　　　　　　｀ -､:.:.:/:.／/ ゞ:.x ､-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　ﾚ､:ﾚ´∧ /　｀　 ＼　.ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r､_::ゝ　　　　「ランサー………！」
　　　　　　　　　　　 ミ,;,;:.::|　　　　 　 ｀＞ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
　　　　 ,＿＿ r‐─ v'´　 ヽ　　　　　／ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|　　　　　　（そう言う訳だったのか！
　 　 /.: : : : : : ＼: : : :＼ 　 ､　　/_　ヽ '´ |'' ´ ﾚハ:.:./　　　　　　 でも、それでも―――
　　/／＼: : : : : : ＼: : :: :>v ＼/ヾ_ , -―　　　　　　　　　　　　　 もはや裏切った事実は消せやしない。
　.//: : : : :＼: : : : : : V/: : K: : : ミ'´　　　　　　　　　　　　　　　　 僕はどうすれば良いんだ！？）
../: : : : : : : : :＼: : |: : V: ∨: V: 入　ﾊｱｯﾊｱｯﾊｧﾂ
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : ＼//: :/ヽ



それでも個人の気持ちとしては、バゼットは救出したいしランサーにも温情を与えて欲しい。

だが、上手く考えがまとまらない上に
猶予も無い事からナワヤが判断を迫り、大いに迷う羽目となった。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -─-､._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ‐'´　　 　　　` ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　 ￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 ／￣~`'''‐- ､.._　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i. 　　　／　　　　　　　　 ￣l　7
　　　「サクラダ殿！　　　　　　　　　　　　　,!ヘ.　/ ‐- ､._　　　u　　　　|/
　　　 どうなさいますか！？」　　.　　　　　 |〃､!ﾐ:　　 -─ゝ、　 　 ＿_ .l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!_ﾋ;　　　 Ｌ(.:)＿ `ｰ'"〈:)_,` /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/｀ﾞi　u 　 　 　 ´　　　 ヽ　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／:::::::!　　　　　　 　 　 　 ,,..ゝ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,. -‐ﾍ::::::::::::::ヽ、　　　 r'´~｀''‐､　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　 　 ＼::::::::::::::ヽ　　　`ｰ─ '　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i､　　 　 ＼:::::::::::::::..､　　~"　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.! ＼　　 　 `‐､.　 　 `ｰ;--'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　＼　　　　 ＼　　 /

342 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:56:57 ID:e8uP/p+P ジュンはやらない夫から体力回復のための内功は習わなかったんだっけか それともそれ以上に気を遣いすぎたんだろうか

八４３０．
その時だった。
シンジの裏側、生け垣の中からにゅっ、と手が覗き―――



　　、、, , ,
⌒ヽ:;";`;:　ヽ
:;";`⌒ヽ:;";`;⌒ヽ
,.;；:｡: :く；;:：､;....: :）
；';:'：､;　⌒ヽ";`;:; ⌒)
,.;；;;:｡;:: : : : :ヽ__, --､）　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　/⌒´⌒⌒ヽ⌒⌒ヽ
,.;；;:：､;: : : : : : :）;;;: : :）　　　　 　　　（ ⌒),,　　　　　　　 　　　〉ゞ:;ヾ　　　　　　　 ヽ
；;:：､;: : : : : : : /⌒ヽ　）: :⌒⌒ヽ⌒'":;"; 　ヽ⌒⌒⌒ヽ⌒／⌒　　／⌒⌒'"⌒ヽ⌒）
,.;；:｡;:: : : : : :ノ: : : : : ヽ,；;:：､;: : ）,.;；:｡;:: : :（,.；;:：､;；:）: : : （ゞ:;ヾ　 （;;;;;ヾ　　　　　　 ）
ノ⌒⌒ヽ　 （；;:：､;: : : : ）,.;；:｡;:　）；;:：､;: : :（　,.;；:｡;:: : :）（;;;;;ヾヾ （　／⌒⌒⌒ヽ（⌒ヽ
ヽﾉ;;;;　　）　（；;:：､;: : : : :）:;";`;:;"　-､／⌒ヽ:;";`;:;": : :）（　ヽﾉ;;;;　　　　　　／⌒ヽ､　）　　n
ﾉｿゝヾ;;;;⌒ヽ/⌒ヽ: : : :ﾉ　；;:：､;⌒": : : : : : ）,.;；:｡;:: : : :）（;;;;;ヾ;;　　　　⌒⌒　　　 　〈二（Ｅ)　ｸﾞｯ
;;(;;))　ヽﾉ;;;;　）;;;　 ）　／⌒ヽ；:｡;:;";`;:;": : : : ）: : ,-ｰ'⌒ヽ（;;;ヽﾉ;;;;⌒ゞ:;ヾ⌒　　 　　　）
;;;;;ヾヾ　　　　）;;;,,　 ）: : : : : : ）；;:：､;:;";`;:;": :）(⌒；;:：､;: :（ （　（ﾉｿゝヾ:;ヾ　　　）　　　ﾉ
　／⌒⌒ヽ､⌒⌒ヽ､⌒ヽ　-､⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒): : : : : ） （;;;;;ヾ:;ヾ　　 　 　⌒⌒　　　）
ヽﾉ;;;ﾉｿゝヾ;　）ﾉｿゝヾ）　　）ゞ:;ヾﾉ;;;;: : : : : : : : ）: :(⌒ ）: :>ヽﾉ;;;;　（⌒⌒　　　　　　 ﾉ
ヽゞ:;ヾヾ;;;;　　）;;;;;ヾ　）　　　）ﾉｿゝヾﾉ;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::（　ヽﾉ;;;;　　ヽﾉ;;;;　　　　　ﾉ
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　　　　　　　　　　　|:|:::j:::::::|ヾY''´):::::）::::::::):::::ﾊ::j
　　　 　 　 　 　 　 j:|:::{:::::::ヽ　　(::::（::(ヾ::从ミ:::ヽ　　　　「おい！
　　　　　　　　　　 |:{:::::ヽ::::人　　）ｲｨt7ﾊﾉ/^i:::ヾ　　　　 僕は兵を退けと言ってるんだ！」
　　　 　 　 　 　 　 `ﾄ(::::::j:::汽ｿ ゝ' 　¨　 　 /::/
　　　　　　　　　　　　 (''ｿヽ｀¨　,　 　 　 　 ﾊ;）
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',.　 　r-ｦ 　 / .l)
　　　　　　　　　　　 　 　 　 丶､　￣　／　 |､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |｀==.´-一ﾞﾞ:.:t＿
　　　　　　　 ＿＿＿＿＿,,-一'.:.:.:.:.:|:l:|:.:.:.r.yヽ:.:.:｀ｰ───､
　　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:l:|:./ / /ﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ
　　　　　　/.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|f Y / / ,ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|
　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|
　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:) 　 　　ｊ.:.:.:.:.:..::..:.:.:.:.:.:.:.:.|



委細承知、とばかりに親指を立てて見せるではないか。

338 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:55:42 ID:652WgNqA チート来たかこれｗ

八４３１．
その手が騎士団のハンドシグナルで



　　　　　　　,...,
　　　　 　　,'　 }
　 　 　 　 /　./
　　　　　/　./　　　ﾋﾟｯ
　 　 　 /　./
　　　 /　　{/｀ヽ,　　　　　　　　　　　　　　　（我―――）
　　　/ _／´）　/｀ヽ
　　 /‐'　_,ィ" /　 /ヽ
.　 ,'　　,ﾍ(__ノ　, '　,. }
　,'　　 　 } ,ﾞー'ーﾍ_ｊ
　ヽ　　 　 /　　　　∧



　　　　――- ､＿
　　　　　　　　　｀ヽー―ｧ
　　――‐ヽ、　　　ヽ￣｀ー-､　　　　　　　　（後方より―――）
　　 　 　 　 ヽ　　　　 ｀`ー＜、　　ﾋﾗﾋﾗ
　　　 　 　 　 ヽ、　 rf――--`
　　 　 　 　 　 　 ヽ. ヽ
　　　　　　 　 　 　 ヽ,_）



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -―- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　 /
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i　　　　　　　　/　　　ｽﾞﾋﾞｼ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /|ｌ:､　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 j　　　　 　 / ￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　广}　　　　 , //　　　 　 |　　　　（―――襲撃す）
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　＼＿　　l/′　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／_　　 ＿　／　　　　　/／ 　 ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ___／　　 l＼. 　 /　　　　　　/´　　　　|
　　　　　　 　 　 　 /　　　＼　l　 _　/　　　　 　 /　 　 　 / l
　　　　　　　 　 　 /　　　　ー―く　|　　　　　　/　 　 　 /　 〉
　　　　　　　　　　 ＼　 /　　　　　 l､＼､　　／　　　　 /　　|
　 　 　 　 　 　 　 　 入l　　　―-　　＼__／　 　 　 .／　　/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　〈　　　　｀! 卜、＼ 　 ／　　／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ￣＼＿_ 丿/ 　｀匸¨´ 、 ／
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣　　　　　￣￣






と言うので、

340 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:56:21 ID:SknNnx4B アフターケアは万全だな なんという欝フラグブレイカーｗ 341 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:56:49 ID:auQ3utVZ 安心のトンファー使いｋｔｋｒ 344 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:57:31 ID:I4+s0mmO なぜかｽﾞﾋﾞｼがツボったｗｗｗ 345 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/11/17 21:57:47 ID:c+Nb7+4D 兄者か！？