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【マリと】嘘つきアーニャの真っ赤な真実【三人の友達】「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」最終回

2012年10月25日

283 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:09:03 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────────────┐
│渋谷のハチ公前に似て、プラハ随一の目抜き通りバツラフ広場を登り切ったところにそびえる　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│ヤン・ジフコフの銅像の前は銅像の前は、もっともポピュラーな待ち合わせ場所である。　　　　　　 .│
└─────────────────────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　士
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
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:::...＼.＼ベ| |::∧＿|__[]..::[] ＿＿[] .:.:[]..__: :.[]: :.:[]. : : |/...::::)::７　[]:.: : []: :.::|: |.:::. ／／＼／　／＼'／￣／＼:ﾞ;;ﾐﾞo;ﾐ
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工エエ|::.:.:旧:|::...|.::[].. .: :.ﾛ.::| ./:ﾊ.:..:: :|. .::.:: .:|::／／.:::::;＞|::::|/ﾍ｢ｰ┴─ｰ|＿_;;|　| |〒|:. :[] :|:| .:::::::||＝|│｜.::.[]:::}iｌ|{´
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: :|ｪ| .:::::|:.:.|:::..|::::.| .:|襾|.: : : :|: |:||||,;,:.:⊥!‐'''"　　　　[ニニニ|ﾆ]　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾙﾍ:
: :|ｪl:∩ ﾄi:.|::::.l＼|_;;||;;:|L:: -‐'''"~　　　　　　　　　　　 | . : :.:.:.|　　　.
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／　　　　　　　'　　、　　　　　 `　　　　　 lニニニニニﾆﾆﾆﾆl/

284 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:09:43 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────────────────┐
│夜八時を過ぎているというのに、多数の人々が約束の人を待ちながらウロウロしている。　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│一一月の寒気の中で、立ち止まっていては凍えてしまうのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│ただ、銅像が強烈な光でライトアップされているおかげで、人々の顔は、昼間のようによく見える。　　　　.│
└───────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　＞　｀＞'´　＜
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　.::.　x=､＼__
　　　　　　　　　　　＿／／三≧==＜ヽヘ　　｀＞
　　　　　　　　　　　　7　／´　　　　　＼ﾍ｀｀＼　',
　　　　　　　　　　　 /i /　　　　　　　　　｀ｨ　　　ヽ}
　　　　　　　　　　 /　f　　ｨ　i　　　　ヽ　　　ヽヽ＼
　　　　　　　　　　　,'　 |　　/　 j　.:｛{　r:::.{ ヽ|　 .:! .:ﾄ　ｌ
　　　　　　　　　. /ｌ　|　斗ｌｰ八 .::: V -┼ト ! :::::|::::|∨
　　　　　　　　　/´| .:::|　 ::!∠_ 厶:::::ヽ ⊥j厶|::::::,'::::j′
　　　　　　　　　　 | :八　::|t（●）`＼|（●） /:::/::::|
　　　 _y⌒ヽ-一ｯ | l ハ从　　　　　　　／:::∧ﾘ.从
　　（　　　　 <´　　　　〉ーイ￣　｀ヽ_ノ￣L二￣｀!
　　　ヽ　＿_,,ノ　　　　 /V￣l　　　 /＼　　　　 7 　 |
　　　　　　　　　　　　　L＿_,ﾄ-‐-,/　　Ⅵ＿__,,/__ 　 L＿＿__/彡
　　　　　　　　　　　　（:::::::::./:::::::〈￣￣.j:::::::::! 　|　　　　　　　彡
　　　　　　　　　　　　　|:::::::::|●ー|:::::::::::::|::::| N　 L＿＿＿＿彡
　　　　　　　　　　　　　|:::::::::|:::::::::::|:::::::::::::|:::i:::〈
　　　　　　　　　　　　　ゝ二ﾉ●ー ',:::::::::ﾉ丿:::/
　　　　　　　　　　　　　　〉::::::::::::::::::::Y￣:::::::::入
　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::＼

285 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:10:21 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　＿　　_,
　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー-､
　　　　＿>ｚ二_　＿__`ー≧＿_
　　　　＞┴'´￣｀ ‐-､￣７＜
　　／　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
　 /　　,　　l、　、 ,　､ |　ヽ　}<
　ｌ ,ｨ　{７Tハ　T寸寸 |　　}ノ　|
　 |ハ .ﾊ（ ●）　（●） / / ,/ﾚ′三十一年ぶりに逢っても、すぐお互いが分かるかな
　　'/(|.ﾊ　　ヽ　　「)'/|/
.　　　ヽ､　―　_,.ィT/
　　　　　　 r-l 　 l= ､i
　　　　 r‐'　 `ヽ、 l　つ
　　　　 'v――-､¨ r'' ヽ
　　　　/　　　　　l　l　i .l
　　　　i　　　/　　　.!　l ヽ
　　　 /　　　i 　　　　l ／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__//￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　 . :´: : :　 -‐-　 : : : : : : :｀: .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. : :∠　　- ‐-　　｀　: : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌‐ ｧ :´: : : : : : : : : : : : ＼　ヽ : ､: : : ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|／/.: : 〃: : : :{: : : .＼: : : :.､ }. : :! : : : ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　/.: /:八: : : :八 : : : :..ヽ: : : :|. : :|_]､: : :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/. :7 : /:/＼＼ : : : ＼: : : :.ｉ : : :|. : :|∧＼ :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./ : / : :{: i ﾑ=ﾐ､{＼: : :! ＼: ム-=|. : :|'/ﾊ//>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , :〃. : :八《 {,ﾄ-}ヽ　＼{≦斗ﾐ∧:ﾘ. : :|/ノ／ :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{/{{: : : : { {　 vソ　　　 ´{,ﾄ--}》ﾚ′: :!「 :!.: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八: : : :乂_ 　　 ,　　　 v_ン　/ . : :八 :| :ﾊ |
　　　　それなら、バツラフ広場で待ち合わせしよう　　　　　　∧: : :.八　　　　　　　　　 / . : :/ : l :|/　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ||).: : : :)＼　｀　一　　　/. : :, '. : :八!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′|| }人 ( 　/丶　＿　.. イ/. :／. : .:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　:||　　　 /ヽ　　′　-=彡〃._:彡' ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　:||　　　∧　　　 -‐　／八(　　　　ヽ

286 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:10:51 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　.．.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
.　　　　　　　　／:.:.／∠二二二ヾ:.、
　　　　　　　 /／〉:.:./:.:.:.:.:.':.:.:.:.:.:!:.:.:.ヽ
.　　　　　　 /:.Ｖ1:.:..':.:/:.:/|:.: /:.厶:.i:.仆.
　　　　　　 ':.:./!.|:.:.|:.∧/｀|:./ﾚ′　Ⅵ:.ﾊ　　　　　　　あそこは間違いなくたくさんの人たちが待ち合わせしてるでしょう。
　　　　　　　i:.:.:l_l_|:.:.|/.ｨ==ミ′　ｨ= ﾊ:.:. !
　　　　　　　|:.:.i:.:.:|:.:.|　 xxx　　 '　 xﾚﾍ:.:|　　／）　　　東洋人のマリのことは見つけやすいから、
　　　　　　　ﾄ:.:l:.:.:|:.:.|へ　　 f三ｿ　ｨ:.:.:l:.:|/Y　く
　　　　　　　ヽ:.:.|:.:.|从|　ーr一1:.:l:.:.:.|:ｲ　ｌ_ｌ_ハ　　　マリが私を見つけるまで、我慢して声かけないからね。
.　　　　　　　 Ⅵ:.:.ゝ＝ミ　 !ミ≧ｼレ'　ゝ　　{_ﾉ
　　　　　　　　　/:::､＞ｭ、　＼／`ヽﾍヽ.　ﾄー‐┴!　　　なるべく早く見つけてよ。
　　　　　　　　.ｲﾄ::::::＼:::::＞ｭ､＼⌒i!.|ヾ:. ﾄ.ニﾆﾆ|
.　　　　　 /::::ゞ:::::::::::}::::::::::::::ヽ＼リ:::::ﾐ::|::ｰ‐::ｲ
　　　　　 /:::::::::::::::::::/:::::::::::::::: ﾊ＼f∧:::}/:::::::::ﾉ|
.　　　　 /::ー:::::::::／ヽ:::::＼:::::::::|　介x::.′:::::::::::}
　　　　 /:::::::::::::イ　　人:::::::::＼:::| iﾑﾄｲ::|＼:::::::ノ
.　　　　〈:::::::::::::::彡､　j:::::ゝ:::::::::::::| /∧j:::!　￣

287 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:11:16 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────┐
│それで、先ほどから銅像の周りをすでに五周した。　　　│
└───────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿｣ヽ　／|
　　　　　　　　　　　　　　　＞　　ﾞＶ´∠ｲz‐､
　　　　　　　　　　　　　　／　 ,イ￣￣　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 _,// 　〃　　　　ﾊ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 ,ノｲ| ｌ　 {　　　/_l/　 }ｧ-ﾊハ
　　　　　　　　　　　小|　 |　Ｘi八|｀　　|ﾅﾘvi`.l
　　　　　　　　　　　　　　　/l从　ﾄ｛（ ●）　（ ●,| ｲ´
　　　　　　　　　　　　　ノﾊ小 j l 　　　 ,　　ﾊﾉ
　　　　　　　　　　　　　　ノ八 |／＼　　─ 　ノ
　　　　　　　　　ｒく.へ、　　　__ ｲ::⌒ ≧==≦=__
　　　　　 <　|:::::::::::::￣￣::::::::::::::/　　　　　ゞ:::::)ﾌ
　　　　　　　　　⌒ ー―――― ｒ　　　　　　'´￣
　　　　　　　　　　＿＿_/　　　　/
　　　　　　　 /⌒ヽ　　　|　　　　　　 , '
　　　　　　 //　, -､　　　>､　　　　　 Y
　　　　　　 i {lX(::::::::＼／＼ >、/　/　∧
　　　　　　ゝ= ' ＼:::::::::::::／　＼/　/　〉
　　　　　　　　　　　＼_／　　　｢￣丁
　　　　　　　　　　　　　　　　 |￣:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ::::::|　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「⌒X^>‐ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ/／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　ー‐'

288 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:11:43 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────┐
│自分と同じぐらいの年恰好、背格好の栗色の髪をした女性を見かけては、　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│近寄っていって顔を覗き込むのだが、今のところすべてハズレ。　　　　　　　　　..│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　|.　　ヽ､: : : : : _,､-‐'"´￣: : : : : ￣`ｰ-,,ｨ"　　　|　　l!
.　　　　　|!　　　 .ゝ'"´: : : : : : : : : : : : : : : :_,,ｨ'"　　　　　|　　|!
　　　　　 `!　,ｨ'´／ : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ､　　　　　 |!ﾉ!ﾉ|!
　　　　　ゝ´: /: : : / : : : : : : : : : : : : : : : .i: : : :`､　　　　 |: : : :|!
　　　　／:/: :./: : :./ : : : : : : : : : : : : : : : : :.|!: : : : :`ヽ　　　| : : :.|!､
　　　/:./{: : ./: : ./: : : :.ﾊ : i: : : : : :: |: : :: : :.|: : : : :: : :`､　　| : : : |!:.'､
　　 // /: :.l!: : :.l!: : l!:..|!.|: :.|: : : : : :/: : :: :|: :| : :.|: : : : : :`､ |!: : : : |!: :'､
.　 //　|: : :.|: : :.|!: :.|: /　|: :|: : : : :./: : : : .| : :|: : .|! : : : : : :`i: : : : : |: : '､
　 l/　 |: : :.|: : /!: : |:ﾘ　 |: :|: : : : /!: : :: : |!: : |: : :.|: : : : : : : :|: : : : :: : : :',
　 |　　|: :.|:.|ﾊ|! |从!:ﾘ　|: |: : : .//: : ／: : : :.| : : :|: : : :: : : :|:|: : : : : : : :.|
　 `　　|从!| |!`_| ﾘij　　|:/: : :/ /: :/: /: : : /!: : : .|: : : : : : :.|:.| : : : : : : :.l
.　　　 | : : : :|ﾄﾐｮｭ､　　/ﾚﾚ´‐/／ﾚ´!/: :/!/!: : : | : : : : : : |: | : : :../ : |!|
　　　　| : : : :.|弋Pﾘ　　　　　ｨｭ､__ 　 .ﾚ´ / |: : : |! : : : : : : |: |: : :./: : /!:|!
　　　　|: : : : :l `ｰ"/　　　　　lﾄ:::又ﾃｭｬ､　./ : :.:|! : : : : : : :|:.|!: :./ : :/　|!:|!
　　　|: : : : :l　 .ノ　　　　　　弋ひ::ｼ〃`/: : :.|! : : : : : :./:/: :/ : :./:l　 .|:.:|!
.　　　 _|! : : : l　ヽ　　　　　　　　￣´´　 /: : : :|! : : :/: : /:./:./: : :./!: ゝ､ |: |!
　 .,ｨ'´　`､: :.:∧　　　　　　　　　　　　 /:/ : :./ : : ./: : /:./:./ : : /!:l: : : :ゝ|:.l!
.　l!.............'､ : : ∧　ヽｰ---ｨ　　　　　/:/: : :/ : : :./ : :/:./:./ : :_,,-‐'´￣￣｀`
　|!................'､: : : ∧.　`ｰ‐'´　　　　 /:/: : :/: : : :/ : :/:/_,,-‐'´..............................
　|....................ﾍ : : : :.､　　　　　　_,/:/ /: / : : :/_,､-‐'´............................................
. |!.....................∧ : : : :.ｰ ‐　..T .´./:/ 7 :/:,,ｨ'´´............................................................
　|..........................ﾍ : : : : : : : .:.|　.//_,,ｨ ''´..........................................................................

　　　　　､-ー'｀Ｙ＜,__＿
　　_＿≦ー`__＿　_二ｚ<＿
　　＞７￣､-人￣｀'┴＜
　＜之′Ｙ´／{:;o）　　　　＼
　　 >{　 ,' 　| ､゛´ ,.　 ,.l　　, 　ﾞｉ
　　 |　!､{　　| 寸寸T　ハT７} ｨ,ｌ　　（また違う・・・）
　　 ′Ｊｉ, ﾞｉﾞｉ（ ≡）　（≡）|ハ|
　　　　i⌒ヽ'(1. ''' 　＿'_　''' ﾉ川／⌒)
.　　　ヽ　ヽx＞､.｀⌒´_,イｌ |::::ヽ／
　　　　 ∧　人lﾊ:::::l,三|:::/ｌ|　,:::::ﾊ

289 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:12:08 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────────────┐
│まだここに到着していないのだろうか。それとも、私の記憶の中のアーニャを　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│中年女に老けさせたイメージと実際のアーニャはかけ離れすぎてしまったのだろうか。　　　 .│
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　,. - ──　- ､
　　　　　　　r'つ)∠───　　　　ヽ
　　　　　　〆⌒　￣￣￣　＼__r 、　＼
　　　 ,.イ　　　　　,ｲ　　　　＼ヽ,＼rｖ-,
　　ヾイ　　　/｛　{　ヽ、ト、　＼Ｙ <ﾉﾉ＼
　　　　｛　　.ト｛＼ヽ',　　メ __＼　　}　⌒ヽ　}へ
　　　　ゝ　|"ひ) 　＼　ｲびゞ＼ヽ- 、ノ　 // >=
　　　　　ﾉ　ﾄ、"´,.　　　　ー　ノ　／//＼／　／　　＼
　　　　/.　　{　　　ゝ　　　　／　　ﾚ//　　｝ Y´　　　　　　＼
　　　｛　　　ヽ　ヽ⌒＞　/　　　　ﾚ´TTア⌒＞、＿　　　　＼
　　　　Ｖ{　　　＼ └ ´　 / ,.イ／　　/ll |　　　／≦＿＿　　　｝
　　　　　V｛　　　＞ー┬|/ 　! ,.イノ　|| |　　/　　￣￣￣　／
　　　　　　　ﾘヽイ|　　/:| l ＿|'　'´　　|| |　　|　　　　　＿／
　　　　　　　　/{{ | 　　|＝＝＝| 　　　|| |　　　＿＿／

290 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:12:32 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────────┐
│あれからさらに背が伸びたのかもしれないし、すごく太ってしまったか、　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│あるいは逆にギスギスに痩せ細ってしまったのかもしれない。　　　　　　　　......│
└────────────────────────────────┘

⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　　　　　　　о
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡　　　　　
　　　　　　　　　　　　　／　　/　　　　　　　　　　　　　从　　　　　　　＼ゝ
　　　　　　　　　　　　/　　　 i　　 |::::　ヽ　　　　　　　　　ゝ,　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 .′ '　　ﾊ　　ヾ:::　 |＼　ﾊ　| 　ヾ;.　 |:::::　　　　ヽ　|
　　　　　　　　　　 | | │　/-＼-　ヾ　|ニ| /-i!│　 |: i::::::ト.::::　　　　 ∨
　　　　　　　　　　 | | │ﾊ┬‐'┬、　 │┬‐┬､ヾ|　 /　i::::/:::∨ヽ::::::　/
　　　　　　　　　　　 |ﾊ　Vｨ .|::::::::! 　＼| 　l::::::::!　　/／ ,/ V:::::::::::::::（::::::!|
　　　　　　　　 l　ゝ＼￣￣　　　　￣￣　イ／/ ) |:::::::::::::::::::＼ |
　　　　　　　　　　　　　「 ` 　　ヽ　　　　　　／jｲr '_ノ::::::::::::::: ﾊ::::ﾉゝ
　　　　　　　　　　　　ﾊ　　　　　　　　　　　　 rイ:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　ゝ.　　　　　　　　　イﾊi!:::::::::::::: //
　　　　　　　　　　　　　　　｀　．　　　　 .　'′ |　ヾ.::::::::::::ﾊi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞- r_ﾉヽノ＼／|　 ∨ゝ::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)::::::::::::::::::::::::::::::{.　　　 `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ:: - ―　… ...－::` …‐- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ .．' :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::: /::ヽ.::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::, :: ,
　　　　　　　　　　　　　　　.:::::::::::::::::ノ::::::::::ゝ::::::::::::::::::::::::|:::/:::／:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　.::::::::::::::::::/| _:::ノ￣｀ヽ _::::::::::|/／:::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ノ　　　　　　　　ヽ:: |.':::::::::::::::::│

291 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:13:01 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────┐
│よし、気を取り直して銅像の周りをもう一周してみよう。　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│石畳を見下ろしていた目線を上げた瞬間だった。　　　　　......│
└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　＿　　_,
　　　　　　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー-､
　　　　　　　　　＿>ｚ二_　＿__`ー≧＿_
　　　　　　　　　＞┴'´￣｀ ‐-､￣７＜
　　　　　　　／　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
.　　　　　　 /　 ,　　l、　、 ,　､ |　ヽ　}<
　　　　　　ｌ ,ｨ {７Tハ　T寸寸 |　　}ノ　|
　　　　　　 |ハ |（○）　（○）　/ / ,/ﾚ′　あっ
　　　　　　　　 `| 　　ヽ　　　「)'/|/
　　　　　　　　　ヽ､_ 　コ　_,.ィT/
　　　　　　　　,..ノ:::l 7Eニ::ィ::/ /:::ー...､∩
　　　　_ ,､r‐":::::､: 'ｲ '　　ヽﾚ:::::::::::::::::::| |-,／)
r-r;''´:::::::::::::::`､::/　　　　　 `、:;;;..-.,,_ 丿}ノ /ノ)
(,_{::::_::;;::--''-‐ /　　　　　　　ｌ:::/⊂ﾆ　　'" 　ニ⊃
　　　　　　　　/　　　　　　　ノ′　　 `'=>'''"´
　　　　　　　ﾉ　　　　　　／
　　　　　　 /′　　　　　/′
　　　　　／′　　　　　 │

292 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:13:29 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────────────────────┐
│広場と名付けられた大通りを黒っぽいコートを翻して駆け上がってくる女の姿が目に飛び込んできた。　　　│
└────────────────────────────────────────────┘

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　|＿|＿|＿|　　|＿|＿|＿|　　|＿|＿|＿|　　|　　}三三三{　　}三三三{　　}三三三{　　|　　　　||￣￣￣￣￣||￣￣
　￣￣￣￣　　￣￣￣￣　　￣￣￣￣　　|　　|| 　|| 　||　　|| 　|| 　||　　|| 　|| 　||　　|　　　ｉ_―_ｉ　　　ｉ_―_ｉ
　二二二二　　二二二二　　二二二二　　|　　||==||==||　　||==||==||　　||==||==||　　|　　　|(○)|======|(○)|
　I／ｌ⌒ｌ＼I　　I／ｌ⌒ｌ＼I　　I／ｌ⌒ｌ＼I　　|　　|| 　|| 　||　　|| 　|| 　||　　|| 　|| 　||　　|　　　|(○)|　　　 |(○)|
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　￣￣￣￣　　￣￣￣￣　　￣￣￣￣　　|ニ二二二二二|二二二二二|二二二二二|
三三三三三三三三三三三三三三三三三≧　　　　　 | |l二l || l二l| |　　　　　 |
　　 || 　　　| |l二l |l| l二l| |　　　 || 　　　|　　　　　　 | |l二l || l二l| |　　　　　 |　　　　　　　　　　　＿__
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　　 ||　　　 | |l二l |l| l二l| |　　　 || 　　　|　　　　　　 | |l二l || l二l| |　　　　　 |　　く:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イi:i:i:i:i≧=彡'
　　 ||　　　 | |l二l |l| l二l| |　　　 || 　　　|二二二二二二|三三三三三|二二二二二|　　￣￣´__ .ノi:i:i:i/´￣
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二二二二二=l|三三三三三|l=二二二二二二|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__ 乂i:i/:i:{i:i{
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ]＼￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣{//ー一 ’⌒V∧
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨　　　　　 V∧
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }//７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣

293 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:13:58 ID:dSIls7nU0

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　　　　l:::::::::::}　ヽ／／｀ヽヽ.::Y:::／≧::::i .ﾘ
　　　　ir-､.;/　　 ,′　・ i 　i;;_;;//・　｀Y　i
　　　Yﾞ,rvi::j　　　ヽ＿＿/　￣ヽ.＿__/　/
.　　 | 　.r゛ﾞ　　　　　　'　 /　＿〈゛.　　｛i　　　　ハハハハ、ザハレイドウが走っとるわ。
　　　 l ヽl　　　　　　´　;　 ,｀´　 ´　　　 iリ
.　　　＼｀ｰ_　　　/｀ー--=､＿＿ ,;　　　i!　　　　よくもまあ、ああも不格好に走るもんだ。
　　　　　 i!ﾄ　　　 i｀￣゛ー--―´/　　　ﾉ
　　　　 /ヾ　＼　ヾニ二.＾ーy/　　　 /　　　　まるで、雌牛みたいにモタモタしとるわ。
-―＝´ ｀､ヾz､.＼,;　,　　￣　　,　／
　　　　i　　｀:､　＼＼　,　;　　,;　　 /
　　　　|　　　｀:､　＼ヾ＝≡＝≡ﾁ

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┻━┻━┻━┻━┻　 ┻━┻━┻　　 ━┻━┻━　　 ┻━　 ━┻　　 ━　 ━┻━　━　…‥

　　　　　　　　＿　　_,
　　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー-､
　　　　　＿>ｚ二_　＿__`ー≧＿_
　　　　　＞┴'´￣｀ ‐-､￣７＜
　　　／　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
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　　ｌ ,ｨ {７Tハ　T寸寸 |　　}ノ　|
　　 |ハ |（●）　（●）　/ / ,/ﾚ′
　　　　 `| 　　ヽ　　　「)'/|/
　　　　　ヽ､_ 　ロ　_,.ィT/
　　　　　　　l 7Eニ::ィ1│
　　　　　　　'ｲ／ヽ::::｀l┘

294 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:14:33 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────┐
│スクールバスの運転手、パン・ヤードルシェックの声に続いて、　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│はやし立てる悪ガキたちの歓声が聞こえてきそうだった。　　　　　.....│
└────────────────────────────┘

━ 　 ━　┳━┳━┳━┳　 ┳━┳━┳　 ┳━┳━┳━┳━┳━　 ━┳━┳━　　　 ━　　━　━
┻━┻━┻━┻━┻　 ┻━┻━┻　　 ━┻━┻━　　 ┻━　 ━┻　　 ━　 ━┻━　━　…‥

　　　　　　 >=,亠//　　　　　　l .l　　l　l　＼三≡≡
　　　　　　<三 > l l　　　　　　 ll./＿ホl　　ヌ三≡=
　　　　　　l=,壬人,　　　　　∠ 　　/　　　　ゝ三≡=
　　　　　 .,三| 　 |.　　　　　　　＿.ノ　　　|三三=
　　　　　　 .<=ヽ　　　＿,　　　￣　　　　　　│∨⌒
　　　　　/ ヽ<=ヽ. ￣　　　　　　　　　　　　　 ∨ .∧　　　　ほれ、ほれ、ザハレイドウ、頑張れ！
　　　　 │　ヽ/ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　∨
　　　　 /　　.∥ |　　　　ヽ　 ,＿＿　　　　　　丿　　　　　　もう一息じゃないか！
　　　 /　　 / ＼.　　／´￣　　　.ヽ　　　　　＿／
　　　./　　 /　　＼　ヽ　　　　　 .│　　　／.│／　　　　頑張って牛乳の生産でアメリカに追いつき、
　　 /　　 ./　　　　　ヽ　ヽ　　　　　/　　　/　　│
　　ゝ　─┴-_ 　　　　丶 .ゝ,＿＿,/　　／　　　 |￢　　　　追い越さなくっちゃな！！
　 /　　　　　　＼　　　ヽ.　　　　　／　　,,,.＜　 (
　(　 ──--、　∧＿_＿＞ゝ---イ＿,＜´
│　　　　　　.ヽ　 | 　.)ヽ　　 | 　 │_.　　　　　　　/
│　￣￣＼　.ヽ/ ／::∧　 ,.│　 /　∧.　　　　／:::
.|　　　　　ヽ/ ／:::/　 ∧´／　 /　　_∧　　 /::::::::
|　　r￣丶　 / /::::::∧　/ ／　 .／　♂　　丶./::::::::::::

━ 　 ━　┳━┳━┳━┳　 ┳━┳━┳　 ┳━┳━┳━┳━┳━　 ━┳━┳━　　　 ━　　━　━
┻━┻━┻━┻━┻　 ┻━┻━┻　　 ━┻━┻━　　 ┻━　 ━┻　　 ━　 ━┻━　━　…‥

　　　　　　＿　　_,
　　　＿__,＞Ｙ´'ー-､
　　＿>ｚ二_　＿__`ー≧＿_
　　＞┴'´￣｀ ‐-､￣７＜
　／　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
./　 ,　　l、　、 ,　､ |　ヽ　}<
ｌ ,ｨ {７Tハ　T寸寸 |　　}ノ　|
|ハ |（○）　（○）　/ / ,/ﾚ′
　　`|'''' 　ヽ　　''''.「)'/|/
　　ヽ､ヽ､__,ﾉ　_,..ィT/
　　　　 l 7Eニ::ィ1│
　　　　 'ｲ／ヽ::::｀l┘

295 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:14:56 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────┐
│思わず、駆け上がってくる女に向かって走り出していた。　　　 │
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿>ｚ二_　＿__`ー≧＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞┴'´￣｀ ‐-､￣７＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 ,　　l、　、 ,　､ |　ヽ　}<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ ,ｨ {７Tハ　T寸寸 |　　}ノﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍ, |（＞）　（＜）　/ / ,/　/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､ `|ﾟ　r -- 、ﾟ。「)'/|/　/
　　　　　　　　　　　　　アーニャ！アーニャ！　　　　＼ヽ､ヽ､__,ﾉ　_,.ィT/=/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <　l 7Eニ::ィ1　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ'ｲ／ヽ::::｀､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i´￣｀ヽ::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j| 　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　ヽ　＼

296 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:15:21 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─…━━　ミ　　　　　＼＿_人＿人从＿人＿人从／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:＼　　　　＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿
　　　　　　　　　/ {　　　　　　　　　　　　　　 ,:':.:.:.:∠二二二二二ス:.:.:.:.ヽ　　　　）　　　マーリー！　　　　　（
　　　　　　　　 |　l　　　　　　　　　　　　／/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｢＼￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣
x─── -　.＿|　、　　　　　　　　　　 {_,/l:.:.:.':.:.:./ハ:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.Ⅵヽ. _}　　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
───- .､　　 { 　ヽ　　　　　　　　　ｲ′:.:./:._l_l＿ l:|:.:.:.:.:.:.:.Y＿厶:.:l＼＼　　　　　　　　　　　　　　　/　|　　　　／
-──‐…　　　、　　}¨ミヽ.　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.! 　ﾘヽ:.:.:.:.:.:| |:.:.:|:.:.:|:.:ハ. ヽ　　　　　　　　　　　　　/　廴.. 　 ´ ／
── ァ　　　　　　　ﾉ　 } |i:〕iト .　　//:.:.:./Ⅵ :.:.Ｎ　　　＼:./ j:.从:.:. :.:.:.:.:.、{　　　　　　　　　　 / 　ｌ　　　イ
.　／　　イ　　　　　,　|i:i:i:i:i:i:〕iト /:.:.:.,:.:.:.:.|:.:.: x≠气　　　ｘ≠气:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ〉　　　　　　-‐=ァ'7´{　　！　　　´￣￣
　(／　／／￣￣{＼ノ　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼:.:.:.:.:.:.|:.:.:.|""　　　 ,　　　 ""|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.∧　-‐=≦:i:i:i:i:i/　′　　ﾉ　　 _(￣￣
　　 Y_／　　　　　乂__ 　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`ト :.:.|:.:.:.|　　＿＿__ 　　 |:.:.:|:.:.:.:l:.:.ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|　{　　　　　　　､　￣￣
　　　　　　　　　　 }}:::ヽﾉ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〕|:.:.:.l＼　{: : : : : : }　　ｨ|:.:.:|-=≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:|　.ゝ_7￣￣｀　、＼￣￣
　　　　　　　　　 =彡:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.|:i:父ゝ :_:_:_:ノ.イ:i:i:|:.:.:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i乂:::::/　　　　　＼ }
　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣厂￣＼:i:i:i:ｉ:|:.:.:.|i:i:i:i| ≧==≦　|i:i:i:|:.:.:|:i:i:i:i:i:i:i:i: ィﾆ¨￣￣￣　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }i:＼:i:i:i/i:ヽ:iﾉ:.:.:.|7i{￣￣厂{￣￣} i|:.:.:.V:i:i:i／i:i:i:i:i:i}
　　　　　　　　　　　　　　　 /i:i:i:i:i:`:i}i:i:／:.:.:.ノヽiヽ＿/- ﾍ＿ノi:i:ゝ:.:.:＼"i:i{i:i:i:i:i:i{
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ---:i:i:i:i|iY:.:.ィi〔i:i:i:i:i∨　 | ｄ |　 ∨i:i:i:i:｀ヽ:.:)i:i:}:i:--=}
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:i:V:i:i乂i:i:i:i:i:i:＼_l、./!_／i:i:i:i:iノ:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i:i:i:i:i:i:i:i:人i:i:i:i:i:i:i:≧===== ≒ ====≦i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　、i:i:i:／:i:i:i＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｲ:i:i:i:i＼:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ＼:i:i:i:i:i:i:i:イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／i:､:i:i:i:i:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼i:i:i:i:i:i/:i:i:i:￣:i:７:i:i:i≧======‐＜:i:i:i:i:i:＼i{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーく:i:i:i:i:i:i:i:i:i{:i:i:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼:i:i:i:i:ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀寸:i:i:i:i:i{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}--‐=≦´ ￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣

297 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:15:56 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────┐
│気ぜわしく息をしながら、女が抱きついてきた。　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│抱き合ったまましばらくはお互いの名前を呼び合うばかりだった。　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│お互いの涙で頬がグチョグチョに濡れてしまった。　　　　　　　　　　　 .│
└─────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧　,ｲ　　 ;: . . :;
　　　　　　　　　　 _,,,,..,,,,,,_ 　　く　＞ >　　 :., ; 　　_,,,,..,,,,,,_
　　　　　　　　　　 |;￣￣i:|　　　 :ﾚ､!へ!::　　　:;:: , : ::|;￣￣i:| 　　:;
　　　　　 ,:: :: 　　: |i :／ :i:| 　　:　 i'：%；` 、　　　　　 |i :／ :i:|
　　　　　　　　　　 |i :／ :i:| 　 :; ./：,,;i｡；ﾞ,':、;: ,.　 :; : |i :／ :i:| :;
　　　　　　　　　　 |L;;___,,}｝　　:i',：':ﾞ |!ﾞ,.;；ﾞ";:､,_.,.,.　　|L;;___,,}｝
　　　　　　　　　　　　　　､:'ﾞ,：''ﾞﾞ::|!;;,,　；＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　　　　　　　　　　　　 “'j,"ﾞ',;：::ﾞ,.; ;l!''ﾞﾞ::''ﾞ：　)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　,:;　　　　　　⌒X；.,;　:":,!　”゛＜　アーニャ！　アーニャ！　　　＞
ニ二ニ二二ニ二ニ二二_,j';；,゛` ﾞ'' l! :. ''ﾞ"ﾞ,.<　　　　　　　　　　　　　　　　　(二ニ
　: :　　　　　　,:;　　　　_,,:/,：::ﾞ,｡.; ;: ,!''ﾞﾞ::,,r'ﾞ";／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
　　　　　　　　　　'"';､,:；, .: :''ﾞ"::;i! "::　,､,ﾞﾞ::ﾞﾟ,：:,､；
　 ||＼＿_人＿人从＿人＿人从／'”゛｡　　ﾞ;;r'："　：
　 ||＿）　　　　　　　　　　　　（＿＿ﾞ,.　　; {;､_,：,:　：　　 ,:;
　 ||　）　　　マーリー！　　　　　（::'"ﾞ:. . .::''.;;'⌒:：､,,:：、　　　　　　: :
;:　￣￣）　　　　　　　　　　　　　　(￣￣　: ::;'　::'i,,r:''；"‘；　　　　 ,:;
__;;||　／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼ﾞﾞ::　 'ﾞ　'ﾞ"ﾞ'ﾟ`,：, ､：＿;:,,＿＿＿＿;:,,＿____
￣||　　　　　　　i| :； '”ﾞ｀:,.;'ﾞ::: ｡:ﾞ::|!,.; 'ﾞ :ﾞ ,:ﾞ,.; ;.｡''`'ﾍﾞ:：､　：
＿||＿＿＿＿___,l|；＿；⌒X；.,;　:l!::　,､　,;；r"ﾞ;;" ＿_ ：　 :；＿＿＿＿＿＿＿＿＿
;' . ,:;' . ,:;' . ,:;' . ,:;'；　 .;；ﾞ'"_ﾞ;:''　:: :l!ﾞﾞ::　;ﾞ: :　`:';i''；　　　；　；;' . ,:;' . ,:;' . ,:;' . ,:;' . ,:;' .
　　　　　　　　　；　　；,γ';:'::: ,ｒ'::||ﾞ”;､｡゛ :　:く　　；　　　；　；
;' . ,:;' . ,:;' . ,:;' . ,；　　 ”　"ﾞ‘'⌒､':ii|: : :{;r'"⌒ﾞ` 　 ” 　　　；　；;' . ,:;' . ,:;' . ,:;' . ,:;' . ,:;
二二ニ二二ニ；ニニニニ　／.,ｲ||　":i、＼ニ二ニ二二ニ；ニ.：二ニ二二ニ二ニニ
￣￣￣￣￣；￣￣￣￣　|　 |　||　　;;:}　 |￣￣￣￣￣￣：￣:；￣￣￣￣￣￣￣
　　　 : ・: : ,;；:'。 ,: ・: : 　:　'。 ` ||:ｰ''　 .／:'。 , ,: 　　　　　；　: ”
　: 　 ..:'。　”'。 , :'。 ,:: ・: : :　`　 ||- ー''　　・: : 　　 :'。 ,:: : :: ；，

298 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:16:21 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────────┐
│アーニャは背格好も太り具合も少しも変わってないような気がした瞬間、　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│アーニャに先手を打たれた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿
　　　　　　　　　　　　　＿__ ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　 }＿_ ':.:./二二二､:.:.:.:.:ヽ_＿_
　　　　　　　　　　　〈　 /:.:.:.':.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.`:.:.:.:〈＿ｨ′
　　　　　　　　　｀7:.:.:./X:.{:.:.:.:.厶イ:.:.:.:.:.{＿_{
　　　　　　　　　　　 ':.:.l:. 芹ﾐ:.:.:.:' ィ芯l:.:.:.:!　く　　　　　　マリは五〇パーセントほど体重が増えたんじゃなくて？
　　　　　　　　　　　　　i:.:.:Ｎ　じ＼l　じﾊ:.:.:.l:.:.､＼
　　　　　　　　ｨｌ|　　 .l:.:.:ハ" 　 '　　 "" }:.:.:|:.:.:ﾄヽ｀ニニニヽ
　　　　　　　//　ﾚ1　　|:.:.:.:込、ｰ　´　ィi:.:.:.|:.:.:|＼＼　　　､〉
　　　　　 ′　' /　　,|:.:./ｨf⌒≧=≦─ｵ:.:.:|:.从　ヽ　、
　　　　　 {　　ｲ　ｲi|:ｲ:i|i:| 　芥ﾄ　 /i|:.:.:ﾑ:.:∧　　＼_〉
　　　　　／ト-彡、　{:i:i|:.li:i|i:i`T´　/`彡 i:|:.:.|:i:i:ヽ:.:.:.、
.　　　　 {ト==':i:i:i:i}　 }i:ｉ|:.|i:ﾊ:i:i:|　 ,　/:i:i:i:ｉ|:.:.|:i:i:i:i:V:.:.:＼
.　　　　 |:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｲ　/i:/:.八/:i:i:! 　厶イ:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i}:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 V:i:i:i:i:i:i:i∨:iｲ:./:i:i{:i:i:i:i∨/:i:i:i:|i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:ﾑ:.:.:.:.:.:.:.:...、
　　　　 }:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:/:ｲ:i:i:∧:i:i:/:i':i:i:ｉ:/:i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
　　　　 V:i:i:i:i:i:/:i/:.:.{:i:i:i:i: V/:i:i:ｉ:／:i:i:i:i:|:.:.|:i:i:i:i:i:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}

　　　　　　　　　　　　　　 |＼_ ￣ﾄ､ｰ―-､
　　　　　　　　＿＿＿＿_＞　＼| Ｌ＿＿_|
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　　　　　　　　l／　　　　ヽ　／　　＼!ゝ
　　　　　　／　　　　／ﾐヽ Vr勿＼　　＼ヾ
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　　　 /:/: . : /: . : . : . : . : . : . : . : . : . : .. :ヽ: . :}: | ﾉ
　　　/:/|: . /: . : . : . : . :/: . : . : . : . : 　.　　 ',:.:| :∧
　　　|/ :|: /: . : .:/: . : . ﾊ:: . : . : . : . : . :　 . 　', |'　 |
　　　 j:/!: . : .,': . : .:／: .|: . : .// /ﾚ'|i ト､|:　. Ｎ　　ｌ
　　　　ハl 　 l i.〃　　__＼　|. , _´_　＼ヽ l i |.| l　l|
　　　ヽ!　ハ〃_,r=＝ﾐ　ヽ! 　r＝=､ ∠ l l !.| l　|　　　あの頃、四五キロで、今六八キロだから、ほんとだ！
　　　　 i Y/ 　 Y　　　　　　　　　 / 》 ///i |　|
　　　　 | l !　 .ハ ´´ 　　_ '＿　　´´ イ/ ./ﾚ'| ト､|　　　五〇パーセント増だ！大当たりだ、すごい！
　　　　　ハ～､ゝ＞.、　　Ｙ　ｿ　 ∠//ﾚﾍﾄヽﾊﾉ
　　　　　　　ﾚｋレ　｀＞.- _　一´ﾑム/r
　　　　　　　 ,／￣｀＞　-- ' _ ´ﾑム/　、
　　　　　／l　ヽ｀＼ー、.　　イf´┐Y　ヽ
　　　　　 /　　＼　＼i＞ー ´く､｀ヽ　　}　　 }
　　　　　 /　　/￣/7へ、 : : : : : v〉　　　ﾉ　　 i
.　　　　 /　　 .{　　　　＾､} : : : : :/　　　 //　　 !
.　　　 /　　 f::.＼　　　　ヽ : : :」ー―‐く/　　 |

299 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:17:10 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────┐
│初めてマジマジとお互いの顔を見つめあった。　　　....│
└──────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　 /　 .ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ＼　 }
　　　　　　　　　　 {／ /:.:.:.:.:.:.:爪:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ，ヽ|
　　　　　　　　　　　廴/:.:.:.:.:.:.:/ l　}:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:. ﾄ　ﾉ
　　　　　　　　　　　 / /:.:.:.:.:‐≠ミ、ﾟ，:.:.:.:.:.:.:.:＼:.＞─:.:..:.:Vハ　　　　　　ふくよかになったけど、この顔、
　　　　　　　　 / ｲ:.:.:.:.:.l:./　　＼＼{＼:.: ィ´＼:.:､:.:l:.:.:.:ﾟ，ヽ
　　　　　　　　ｨ:.:/{!:.:.:.:.:.N x==ミ　　　　＼ィ==ﾐ　Ｖ:.:.:.:.:.|＼ハ　　　　夢にまで見たマリの顔、
　　　　　　　 / l:/ ﾊ!:.:.:.:.:l.《l{ ん心、　　　ん心}i》 }:.:.:.:.:.:i:.:.:Ⅳヽ
　　　　　　　　　/　/ /:.:|:.:.:.:∧　乂zｿ　　　　乂zｿ　ハ:.:,:.:.l:.:.ﾊ∨∧　　ぜんぜん変わってない！
　　　　　　　 {! / /:i:i:i!:.:从:∧/／/／　 }　　/／/／/:.:.:}/:.: lヾ:.:{ ∨ l〉
　　　　　　 ,ﾑ:i　{:i:i:ｉ:|:.:|:.:.ヾ∧ 　　　一ﾍ　　　 /:.:.:.:.:.ｌ:.:.:|i:i:Ⅵ　〉}′
　　　　　　　 /:|__{:i:i:ｉ:|:.:|:.:.:.:.:.込、　 {　　　 }　　 .ｲ|:.:.:.:.:.:ｌ:.:.:|i:i:i:}:.ﾟ，
　　　　　　 ./:.:. {:i:i:i:i:i|:.:|:.:.:.:.:.:|:i:i|＼　ゝ　_.ノ　／|:ｉ:|:.:.:.:.:.:ｌ:.:.:|i:i:iハ:.ヽ
　　　　　　 /:.:.:.八:ｉ:i:i:i|:.:|:.:.:.:.:.l|:i:i{￣＞ --　彳¨7:i:|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:|i:ｲ:.:.:}:. ハ
　　　　　 ./:.:.:./:.:.:.}:ｉ:i:i|:.:ｌ:.:.:.:.:.l|:i:iﾄ､　　-{__}-　　/|:ｉ:|:.:.:.:.:.:ｌ:.:.:|i:i{:.:. |:.:.:.:.i
　　　　　 /:.:.: ｲ:.:.:.:.}:i:i:i|:￤:.:.:.:.l|:i:i|/ ￣　|　| ￣ヽ!:i:|:.:.:.:.:.:|:.:.:|i:ﾘ:.:. !:.:.:. |
　　　　 .′/　!:.:.:.: }:i:i |:.:ｌ:.:.:.:.:.i|: / 　　 :|d:|　　　》 |:.:.:.:.:￤:.:|/:.:.:.:ﾊ:.:.: !
　　　　 {　{!:.:ハ:.:.八:ｉ:i|:.:|:.:.:.:.:.l|:i:＼　 ./ .∧　／!i:i|:.:.:.:.:.:ｌ:.:.:|:.:.:.:/　}:.:.:!

300 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:17:48 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────┐
│アーニャは両手で私の顔を力一杯つかんで頬ずりしながら叫ぶ。　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│栗色の大きな目から涙が溢れ続けている。　　　　　　　　　　　　　　　 .│
└─────────────────────────────┘

　　　　　　　／　　/　　　　　　　　　　　　　从　　　　　　　＼ゝ
　　　　　　/　　　 i　　 |::::　ヽ　　　　　　　　　ゝ,　　　　　　　ヽ
　　　　　 .′ '　　ﾊ　　ヾ:::　 |＼　ﾊ　| 　ヾ;.　 |:::::　　　　ヽ　|
　　　　 | | │. /　＼. 　ヾ　|　 ! /　!. !　｜ i::: :ト.:::: 　　　　 ∨
　　　　 | | │ﾊ.|　 _ _､　　 | ,.x }/─ トl . /　i::::/:::∨ヽ:::::::　/
　　　　 |ﾊ　V. イ´　　｀ミ､.ｌ ,x=≠ミ.z/／ ,/ V::::::::::: ::::（::::::!|
　　　　　 l!　ゝ.　 l,x＝ミ､　 `　　　　ｲ／ / ) |:::::::::::::::::::＼ |
.　　　　　　　 7∨ 　　　,:　　　／ j.ｲr '_ノ::::::::::::::: ﾊ::::ﾉゝ　　　　痛いよー
.　　　　　　　　ﾊ.　　　　　　 ,　　　　 rイ:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　ゝ　　｀　 ´ 　　　.イﾊi!:::::::::::::: //　　　　　　　アーニャも昔とおんなじ顔してる！
.　　　　　　　　　　｀　　　　　 , 　　 |　ヾ.::::::::::::ﾊi
　　　　　　　　　　　　　　＞- r_ﾉヽノ＼／|　 ∨ゝ::|
　　　　　　　　　　　　　　　)::::::::::::::::::::::::::::::{.　　　 `
　　　　　　　　　　　　　ノ:: - ―　… ...－::` …‐- ､
　　　　　　　　　　 _ .．' :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ
　　　　　　　　　　::::::::::::::::: /::ヽ.::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::, :: ,
　　　　　　　　　.:::::::::::::::::ノ::::::::::ゝ::::::::::::::::::::::::|:::/:::／:::::::|
　　　　　　　　　.::::::::::::::::::/| _:::ノ￣｀ヽ _::::::::::|/／:::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　 /ノ　　　　　　　　ヽ:: |.':::::::::::::::::│

301 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:18:19 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────────────┐
│と言いながら、眉間や目じりに切り込む皺の深さにたじろいでいる自分がいた。　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│思ったよりはるかにアーニャは老けていた。栗色だった髪は、半分以上白くなっている。　　　 .│
└───────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 -───- ミ＿_
　　　　　　　　　　　　.ｨ:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､ `　､
　　　　　　　　　　 .ノ:.:,,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　i:ト．
　　　　　　　　／:.:.:.:.:‐　ニニニ二二二.. _￣ V:.:-ﾍ
.　　　　　　 /ﾚ　　...:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:}ﾄ1{:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　 ′／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.／　;! ヽ:.:.:ﾄ
　　　　　　 ,　.ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:. く　 /|　/:.:.:!
　　　　　　 }/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.':.:.:.:.:.:.:.:.｀7 广i:.:ﾊ:.|
. 　　　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:i:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./{ ﾊ　!/:.:ｿ
　　　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{　l!:.Ⅵ:.メ
. 　　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.: !:./:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨{:.:.|l ヽ
　　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:..ｌ:':.:.:／:.:.:/:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:| |:.:.||　i
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. /:.:.:.:./:.:.／:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:./:.:.:.:.:／:.:／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ{:.:.:.|
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:.:.／:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ|:.:.:l|

302 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:19:09 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　ヽ　V/　/ /
　　　　　　　　　　　＿＿ , ．イ　　　　　　　V }　　イﾆミー- ﾉ
　　　　　　　　　　　￣¨ー .,　　　　　／ヽ　　　／　ヽ　r-イ
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　./:::...:.＞＝<_＿:.:ハ＼
　　　　　　　　　　　 .／　　　　　 i / ＜´　　　　　　＞::>　＞..._
　　　　　､＿＿ , ィ　　　／　　ﾊ !　　,, -　　　　　　　ハ从＜
　　　　　　　￣￣＝ ≠　 { i　　 /八! ／　　　　　　　　　　 }/　ヾﾐ;､
　　　　　　　　　　 /　　　!i!　 //　 ,'　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 ,'　　　ﾊ　川　/　　,　　　　/　　　　　　　ﾍ
　　　　　　　 /　　　　 ∧ |　 ,　　,'　　　　 ,ｨ　　　　 ,'　　 i　　ハ
　　　　　　　／　_,　　　　 }!　i　　,'　　　,／ ,'　　　/ /i 　 ./|　　　 |
　　　　　　　／　イ7　　　　　 |　 |　 ,'　´¨,ﾃﾅ=i‐- 　ｨ／十-.|,,_i　　　 .i
　　　　　　　￣　　i　　　i!　从　 | .i l　,rｆj￣ヾ､／/｜　,ム」_:,;　　　　 .|
　　　　　　　　　　 |　 / .|　　 ∧ .| .| lK {| ::::::ﾘ　　　l／,ｲ}:::::::ﾊﾉ/　　　|
　　　　　　　　　人八 {､　 ,' ∧ >　l,　゛ｰ ''　　　　 K.__,/ }/　 / ﾉ.,'
　　　　　　　／　| {_ ノ!　　　|::|{　＼!　　　　　　　｀""　ｲ.//／./　　　ねえ、私の夢を見てくれているって、今言ったけど、
　　　　　　　　　　　Vーイ{ 　　|::|　ト.､ >　　　 __　　　'　　　イ／
　　　　　　　　　　　 /　　　.|::|　|::|::|　　／　＼　　　　　,ｨ'　　　　　　　　その夢の中で私たちは、何語でしゃべってるの？
　　　　　　　　　　　　 /　／Yﾟ|::|　|::|::|､／　／~＼ヽ‐､_,／
　　　　　　　　　　　 /..／＿ﾄ.|::|　川ﾟ|＞イ　,.へ　`＜　ヽr‐ｧ―=‐､
　　　　　　　　　ー ",/´＼ﾉ/!_|　 .|: |,　　イ　,､〆｀`'ｰ　/;;/.:/　　ﾍ
　　　　　　　　　 /　　　ﾍ:.:|;i;;;;;;;ﾊ　　　∨￣　　　/;;/.:/　/　　ﾊ
　　　　　　　　　　 i　　　　 ∧:!;!;;;;;;|:}　　　|!　　　 /;;;;!:/／　　　　i
　　　　　　　　　 |!　　　　　∧l;|;;;;;;|,'　　　|!　　　〈 ;;;ﾚ　　　　　 |
　　　　　　　　　 |!　　　　　　ヽ|;; ;/ 　　ﾊ　　　 ∨!　　　　　 |

303 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:19:58 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　．　´:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　　　　　　　　／: ／-----　､:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　,:':.:. /─……─‐ミ:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　ノ￣/:.:.:./:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.V⌒i
　　　　　　　　　　　　7 .ｲ:.:.:./:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.ﾊ:.:|:.:.:.|＼」
　　　　　　　　　＼|:.:.:.':.:.Nーﾄ :.:.:.:ト斗匕ｲ:.:. |イ:l
　　　　　　　　　　　　 / |:.{:.l:.:.:.芹芯　＼ｌイf芯'|:.:.:.|　ヽ
　　　　　　　　　 // {ハl从{ 込ｿ　　　込ｿ |:.:.:.| 爪ﾟ，　　　そんなこと、考えてもみなかったけど、
　　　　　　　　　　　// /|:.:.:.:.:.∧　　　 ′　　　ﾑ:.:.:|　}:.:ﾊ
　　　　　　　　 ' i / :|:.:.:.l:.:.:込、　`　 ´　　.ｲ:|:.:.:.l　':.:| |　　　うーん、やっぱり英語・・・英語のような気がする。
　　　　　　　　　　 Ⅵ」　|:.:.:.|:.:.:|:.:.:.〕ト -- ≦{:.:./:.:.:.ｲ/:.:.|_l
　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:.:.:l￣≧=ｰ‐=== /:.:.:/:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　ｲ:i:i:/:.:.:ﾊ　　-{_ ト.　 /:.:.:/〕iト :.:.:|
　　　　　　　　　 /:i:i:ｉ:/:.:.:/:i:}__／/｢＼ /:.:.:/:i:|:i:i:i:i:〕iﾄ
　　　　　　　　　 .ｨ:i:i:i:i:/:.:.:/:／　 .′　 /:.:.:/:iく:i:i:i:i:i:i:i:i:ハ
　　　　　　／:i:i:i:i:ｉ/:.:.:/:〈　　　.{c |　':.:.:.ハ:i:》i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
　　　　　 .／:i:i:i:i:i:i /:.:.:∧:i:i:｀T¨¨　 l/:.:.:/:¨:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|
　　　　　／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:.:.:/:i:iﾟ，:i:ｉl　　 ./:.:.:ｲ:i:i:iｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|
　　　 .ｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:／|:.:八:i:i:iヾi∧.c{ {:.:.:{:i:／:i:i:i:i:i:{i:i:i:i:i:i:i:i:i|
　　　 {:i:i:i:i:i:i:i:iヾ{/:.:.V:.:.:ﾟ，:i:i:i:＼Ⅵﾊ:.:.!":i:i:i:i:i:i:i/|:i:i:i:i:i:i:i: |
　　　　 ∨:i:i:i:i:i:i:i∧:.:.:.}:.:.:.:.}:i:i:i:i:i:i:iヾイ从:i:i:i:i:i:i /:.:!:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|

　　　　　　　　...::´　　/　　　　　　　　　 ∨|!　　　 /　　丶､＼
　　　　　　,..:'　　　 /　　　.、　　　　　　　　川　　　 |　　　　ヽ￣
　　ー=彡'　　.'､＼＼　　｀ヽ　 !　　　　ハ　　　! 　 .|　}
. 　　　 ,'　　　.i.i.|.　＼＼＼　 !　ﾄ､　　　 } ﾉ　　　{　　ﾄ､!
　　　　　i　　　川　　　＼＼＼}　 !ミﾐﾄ､　 //　..　　!　　.}
　　　　 |　　 i , |.|　　　　 .斗-┼　!ミﾐﾄ､　＞､ .　　i　　人
　　　　 |　　 |.i i |　　 ´ ,,,r=≠i|　ﾄ､ﾐＹ´｀ヽ　/　Ｙ´＼ゝ　　アーニャは五歳から北京に暮らしていて、
　　　　　!　　 |ﾘﾘ　　 .〃弋::::ｿi　 |　!ｉ　{､. ﾘ '　 /　 ,{　ヾ
　　　　 |　　 |ｆトﾐ　　　　　 "　｜｜ﾘ　ｒ'./ i　 /　　人ﾄ､　　七歳から九歳までは、北京のソビエト学校に通っていたんだよね。
.　　　ﾉ人川弋ﾘ）　　　　　　 .!　i　　 ,,ｲ /　/　　/ |/　｀
　　／´　.从ﾊ　ヽ　　　　　　ヽ|　　∧ ハ从　/　 ′
　　　　　　　　ﾍ.　　　　　　　　　./　/ 　/　∨　　　　　　　それから半年間、ブカレストのソビエト学校に通って、
　　　　　　　　　ﾉ＼　￣　´　　　／.-‐ "´￣￣￣￣}
　　　　　　　i''￣￣｀ミト.､　　 ..ｲ　´　　　　　　　 |　　　　一〇歳から十四歳までは、プラハのソビエト学校に通っていた。
　　　　　　　|三三＞. 　｀＜´ _ _ ..-‐≠三三三三三{
　　　　　　　トﾆ三三ﾆ＞..､　｀　＜三三三三三三ﾆ!
. 　　　　ﾉト.、｀ヽ三三三＞..、　　｀ー=≠ﾆニニニゝ---､
　　　　　　 !/::::::::ﾄ､　｀ﾞ＜三三三三二二ニニニニニニニミ＼
　　　　　 |',:::::::::i´ ＼　　｀＜三三三三三三三三三三三ﾆﾐ､＼
　　　　　 |::V::::::!___..ノ>､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_｀ヾ三三ﾐ､＼
　　　　　 |::::V／　／::::|　/::::::|　　　∨::::::::::::::::::/::::/:::｀ヽ.＼三ﾆヽ　＼

304 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:20:30 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー--≧ 　 V　ﾚ´{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,フ'　　　　　　　　　__｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　-‐　　　≦＝=､､-､　　　　　＼｀ヽ
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､ }　　　｀フ
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ|　　　｀ヽ
　　　　∠ニ´_/　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 |　 }人　{ヽ.　＼ヾ
　　　　　　 /　　　　　/!　　　　ﾄ　|　ヽ　　.| 　ﾐ　　ﾉ　ヽ._
　　　　　　 |　　　　　/ |　|　　　 | | | ヽ |　　| ヽ }　　 {´￣　　人間の言語習得能力が頂点にある七歳から十四歳までの
　　　　　 }|　　　　 / __| ||　ヽ､|__ﾘ＿_ ヽ!　 |V-/,ｲ人
　　　　　　ﾘ|　|　　_／　ﾘ |　| /　y　　　　ﾘ|　i´[]´　/.ﾉ　　　　七年間をロシア語の学校に通って育ったんだよねえ。
　　　　　　　 |　､ | |jィ=≠ァ! // 　ィ≠=ァ　! ´|/|　| |/
　　　　　　　ヽ　､| | 弋付ソ|/"　　弋ｲタ　　|　|ノ/　　　　　　　ほとんど母語みたいなものだったじゃない。
　　　　　　　　＼v||　　　　　　　　　　　 !　!/
　　　　　　　　　　 |ヽ　　　　ヽ　　　　　　　／|　ﾄ,
　　　　　　　＿_　　|ヽ　　　　　　　　　ｲ､/ 　| }＿......,,__　　
　　　　　／　　｀ーヽ　ヽ､_ .　 ‐ ‐ 　／ .ﾉ/ 　./　／　　　ヽ
　　　　　|　￣＼　　ヽ　ヽ　＼ｰ ‐ ´ ／ i 　 /　/　　　　ヽ　
　　　　　|　　　　ヽ　　ヽ　＼　＼__／　　|　/ 　 }　　　　　 {
　　　　 |/　　　　＼j　|　 |;;}　/;;;;;ヽ　／!/　／　　　　　　　}　
　　　　 /　　　　 {　　|　| ./;;;{人;;;;;;;∧/;;;/ﾘ　 |　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　 , -、
　　　　　　　　　　　　　　　　ィァ ´　　＼＿
　　　　　　　　　　　　 /ﾍ⌒{// ／イ´　―-}
　　　　　　　　　　　／７ /ヽｲ/ /´　　―＝-ミヽ
　　　　　　　　　 ,ィ′{　{ミ、ヽｲ、∠ｨ、＝ミ＼ヾ｀ミヽ、
　　　　 _ , -‐"´ハ　ﾊ　ﾏｨ――-ミ、_、｀ヾ‐-、ゝ＼｀￣
.　　　　　　 , ｲ-‐-＝ミ、( 〉ノ_ｿ∠"勹ミ＼　ヾ｀ヽヽ、
.　　　　　／, イ　イ"´ ／/　ヽ　｀、　ミヾ、ｒ-ゝ＼　｀
.　　　　／イ　／´〃　ｲ /{　　ヽ　＼　＼ヾ　ヽ　ヾヽ
　　　　// ｲ／ / /　　ｨ　|　　　 }　　ヽ　ヽ、ヽハ　ヽヽ}
　　　 // //　/ ｲ　 _,＿ｭ、{　　　 }＿　 }　　｝|ヾゝ、ﾊ ',
　　　 |'　'ｲ　 { 斗孑./＿{_ﾊ　　」＿}｀仆-　.|.|ﾄ､　ﾊ V}
　　　 !　{' i　 |　{　イ_, = zハ　　　}ﾘz=ハ　　:}:|ﾏ∧　}　}',　　　　そのロシア語をすっかり忘れてしまったなんて信じられない。
　　　　 |　 !, _'ｨｬ孑竺卞ハ　　|孑竺卞ｧ_/ ﾘﾏ∧,ヽ i}
　　　　 {　ハ￣弋辷夕　　丶 ;}弋辷夕ｲ　ｲ　ﾏ∧ヾﾘ　　　　忘れようと思っても身に付いちゃってるじゃない。
　　　　　　Y爪ハ､＼　　　　 !　｀　　　/ｲｨ":| 　ﾏｽ/＼
　　　　　　 ',{、八＼ゝ　　、,　　　　 /　{/ﾊ　　Y/＼　｀　　一体、何があったの？
　　　　　　　}ハ　＼　　　　＿　　　ノ { { V/辷ソ　ﾏ/ヽ、
　　　　　　　　　ヽ　　ヽ、　｀´　　イ{　} 从ゞr=イ人　ヾ//ヽ、
　　　　　　　　　ﾏ、从}丶,‐-‐,´ｨ1ｲ从{ヽイヽく　＼、＼//＼
　　　　　　　　　　 }ハ}j////Y////}､　　　 }ヽ　＼、ヾ}　 ∨//≧、
　　　　　　　　　　 _, ィﾍ//////////ヽ、　　ﾊ}　　　　　　　　∨/　｀
　　　　 ,　z ///////∧////////////ヽ、｝　　　　　　｀´
　　　　ｲ/////////////ゞ、/////////////＞、_
　　　　ゞ//////////////／＼////////////////

305 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:21:12 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─……‐
　　　　　　　　　　　．　´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　／:.:.:.:. -───-　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
.　　　　　　　　 ,:':.:.:.:/　　＿＿ __　　＼:.:.:.:.:.:､:.:.:ヽ
　　　　　　　　　__/:.:.:.:/　イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〕iト．ヽ:.:.:.:.ヽ:.:.:ﾟ，
　　　　　／ /:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:｢￣｀７
.　　　　　 }　/:.:.:.:/:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.|､　 /
.　　　　　　 ∨:.:.:.:.':.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:|　Ｖ:.|　　　分からない。気がついたら、忘れてたのよ。
　　　　　　　 ':.:.:.:.:.i:.:.:.:i　 l}＼:.:.}:.:.:＼:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ｲ:.:.:!
　　　　　　　i:.:.:.:.:. |:.:.:.:!ー─ }:ハ:.:.: !斗匕{ヾ:.ｉ:.:.:}:.:.:| ||:.:.:|　　　でも、マリが言うことはだいたい分かるみたいだから、
　　　　　　　|:.:.!:.:.:.:.:.:.:.{ .ｨ芯卞　＼l ,ィ芯卞ｱ:.:/.:.:.:! |ﾄ :.|
　　　　　　　l/ｌ|:l.:|:ｌ:.:.:.:.　辷ﾘ　　　　　辷zﾘ ' |:.:.:.:.:.:ﾄﾊ　 !　　　パッシブなロシア語力はちゃんと痕跡を留めてるのよ。
　　　　　　　|　ﾄ| ﾄ|:.:.:.∧　　　　 ,　　　　　　　|:.:.:.:.:.:|　ヽヽ
　　　　　　　|　| X:.:|:.:.:.:込、　　　_　　　　　ｲ:|:.:.:.:.:.:ﾄ.　ハ/　　　失われたのは、話したり、書いたりする力。
　　　　　　　|　|':}_}:.!:.:.:.:.:.:父ト　　 `　　イハ:|:.:.:.:.:.:|:.V:.:.|
　　　　　　　ヽ.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|ﾉ/　≧== 　／　 :|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:. !
　　　　　　 |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|i:|　　ヽ　.イ　　　.ﾊ:.:.:.:.:.|:i:〕iト．
　　　　　　 |ィi〔:i:|:.:.:.:.:.:.:|i:|⌒Y¨¨¨Y´￣｀V:.:.i:.:.:.:.:|:i:i:i:i:i:i:i〕iト．
　　　　　 .イ:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:.:.:|i:|　ﾍ　　 {- 　 /l:.:.:l:.:.:.:.:ﾄ :i:i:i:i:i/:i/:i:i:ヽ
　　　　　/:i:|:i|:i:i:i//|:.:.:.:.:.:.:|ハ__ノ}￣/＼ｲ:i:|:.:.:.:.:.:.: |:}:}:i:ｉ:/:i/:i:i:i:i:iﾊ
　　　　 ,:i:i:i:i:i|:i:i:{i:ﾚ|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:ヽﾉ　 { ／:i:i:i |:.:.:.:.:.:.: |ｼ:i:ｉ/:i/:i:i:i:i:i:i:i:i

　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..、
　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　__,:':.:.:.:./　-──‐- ヽ:.:.:.:ﾊ___
.　　　　　 } ___}:.:./　-───‐‐ ﾍ:.:.K　 {
.　　　　　 {´　/:./:.:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{　∨　　　　　　きっと、十四歳でルーマニアに戻って、
　　　　　　　ヽ/:.:':.:.:.:.ﾊ:.:{!:.:.:.:.:.:i:.:ｌ:.:.:|:.:.Ｖ:ﾊ
.　　　　　　 /|:.:.ｉ:.:.:.`ト}ハ:.:.:.!:.:l斗:.:.l:.:.:.|:.:.:ﾟ，　　　　　必死でルーマニア語や必須外国語のフランス語を覚えるために、
　　　　　ｲ :|:.:.|:.:.:. ‐ｔｪz ＼ﾄｨｪｚ从:.:.:|:.:.:.}}
　　　　　　/{l　|:.:.|:.:.:N　　　　,　　　厶:.:.:.!:.:./{　　　　　　ロシア語のメモリーが押し出されちゃったのよ。
　　　　 {_〉　|:.:.|:.:.:.父ト　　-　 .イ:.:.:}:.:.:∨_j〉
　　　　　　　 |:从:.:.:.{i:i|＼≧≦.ノ!:i:i:i∨:.:!:.:.{
　　　　　　　 |:ィﾊ:.:.:Ⅵ--｀芥´- |:i:i:i:i:}:.:.|トミ、　　　　ルーマニアは、当時反ソ色を強めてたから、
　　　　　　.ィi〔:ｉ:/:∧:.:.:{ﾄ　-廴ト　ﾊ:i:i:i |:.:.|:i:i/:i〕ト
　　　　 /:i:i:l:iｲ:i:ﾑ:|:.:.:l|:i:∨ ﾊ ∨:ｉ:ヾ:ｉ:|:.:.|ｉ/:i/:i:i:i:ﾊ　　ロシア語は必須ではなかったし。
　　　　 {:i:i:i:i厶斗ｉ|:.:.:l|:i:i:i＼ }ｲ:i:i:i:i:i:i |:.:.|i:iｲ:i:i:i:i:i:i}
　　　　 |:i:i:i:}:i:ｉ:i//|:.:.:l|:i:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:/|:.:.|:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
　　　　 |:i:i:i:|:i:i:iﾄﾄ:|:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼:iｲ: |:.:.|:i:i:i:i:i:i:i:i:i|

306 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:21:59 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　＿＿＿＿_
　　__　　 .ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
　′　＼:.:.:.:.:.:.:.∠二二二二、:.:.ヽ　　─１
￤　ｲ:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ :.:.:.V　　│
┴─‐|:.:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.:∧:.:.:.:.:.:.从:.:.:.:.:.:.:.l:.v─ﾍ、
　　　 ,!:.:.:.:.:N　}:./　}:.:.:.:.:/　 Ⅵ:.:.:.:.「:l　　 !
‐:r:.:.刈:.:.:.:.:| 三三　ヽ／三三j:.:.:.: ! |┬‐┘　　　その後、イギリスに移り住んで英語を習得するために
　|:.:' ｌ |:.:.:.:.:|、、、　　 ′、、、|:.:.:.:.|:.|￤
　|/ .ｊ│:.:.:.:| u.　　　　　　　　 |:.:.:.:.|:.| l|　　　　　遮二無二になったもんだから、
..ｵ　/　:.:.:.: |　　　　＿_　　　　 |:.:.:.:.|:.| l|
/　/　.|:.:.:.:.:ﾄ　　　(　　ﾉ　　u .八:.:. |:.| l|　　　　　完全にロシア語の余地がなくなっちゃったんだ、きっと。
　/　　|:.:.:.:.:|　 ≧ー──　≦:.:!:.:.:. |:.| | ､
./　　从:.:.:.|V　　-{__}-　 /ヾ:.:.|:.:.:.:.|:.| ﾄ/
′　./:i:i:}:.:.:|:i:ヽイ　 `ト.ｲ:i:i:ｉⅥ:.:.:. |:.| |

　　　　　　　　＿｣ヽ　／|＿
　　　　　　＞　　ﾞＶ´　∠ｲz‐､＿
　　　　　／　 ,ヘ,＿　/　＿＿／ ∨ﾏ´
　　　　 //　 /　　　 ´　　　　　　　　｀丶、
　　 _,//　 /　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　 _,//　　　∧　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　_,// 　〃/　ヽ/　　　　｛
　 ,ノｲ|　ｌ　i　　ii　　 / 　 ∧　　ヽ＼　　　ﾊ
　　　小　|　ヽ,_,ﾉ|　　 | ｉ ./　＼　　 }ヽ　、　|　　　アーニャと一緒に何冊ものロシア語の本を読破したのに。
.　　　从 .|　　　 .|　　 | N__ノ　　＼}´_j､ハ　ｉ　|
　　　ノﾊ小　　 .|　八 _ -- ､　　　 , -､　iﾊｉ　|　　　アーニャがいいと言った本は必ず読んだし、
　　　　从ヾミ　　|　　 |/ i 示　　　示i` i{Ｖ　|
　　　ノﾊ小 Y　|　　 |　　迅　　　　 .少　i i　 |　　　アーニャも私の薦める本は読んでくれた。
　　　　　　　 (ヾ∧　　!　　　　　　　　　 / ｉ　,ﾘ
　　 ,／￣￣入＼∨i'、　　,-ーー''/　／ノ| /
　 < < <　　　 </ 　　　､_丶　 _, イ　　　　 '　　　　　ロシア語を使わなくても、本さえ読んでいれば、
　　ｿ＼＼　　　＼　　　　/　///　＼
　／　＼＼＼　　　`,,-ーイ／//　　　ヽ　　　　　　　ロシア語力は失われないはずなのに！
/　　　　＼＼＼ゞ＼_,　ﾉ／／　　　　　i

307 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:22:31 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:{／}ﾊ:.:.:.: ＼:.:.:､:.:＼:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ヽ　　＼:.（　＼:.Ｘ:{ ヽ:.:./:.:.:.:.Vi⌒77
　　　　　　　/:.:.:.:.:.イ:.:.:.:.:.ｲ　＼　　ヾ　／　ヽ　lｲ:.:.:.:.:.:{ﾊ　《
　　　　　　 {ｲ:.:.:.: /:.:.:.　　芹芯　　　　ｲ芯Y⌒Ｖ:.:.:.:.:.:.:.}　＼_}　　　　そういえば、プラハのソビエト学校を転校してからは、
　　　　　　　ヽ:.:.':.:/:.:.:.:.:ﾊ　乂ソ　　　　乂ソ／:.:.:.:.:.:.:.:∧　「＼
　　-ﾐ　　 ./＾Y l人ｲ:.:.:.:./:.′ 　、　　　　　 /:.:.:.:/:.:.:.: ｲ:.:.:ヽ.　､ヽ　　　一度もロシア語の本を読みはしなかった。
　 {　 {　　.{　 l　　 )イ//:.:.i u　　＿　　　〈:.:.:.:/:.:.:./ .ﾉ:.:.:.:.ハ　|＼＼
､　ﾟ，　、 |　 |　〈/　Ｖ:.:八　　 |　　ヽ　　　V:/:.:.:./イ:.:.:..:.:.{　}　!　)_ノ
. ＼〉　`ﾉ　│　／） :.:.:.:.:.＼　　、　　}　　　'/:.:.:./:.:.:.:.:.i:.:.:.:|　|_/
＼　　　　 | ./　,:':.:.:.:/:.:.:.:.:. 〕iト　ー　　 /:.:.:./、:.:. 从:.:.:.|
.ノ　　　　　　イ　/:.:.:.:/:.:_:._:._:.:.:.:.:. ≧==≦/:.:.:./:i:iヽ:._:._:.:ヽ:|_
　　　　　　　' 　 /:.:.:.:/:ｲi:i:i:i:i:i ｀ｽi/　 /　 /:.:.:./:i:i:i／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:｀ヽ

　　　　　＞　　　　／´　　　　　　 ′ 　　ヽ.
　　　／ｧ= 　　／　　　　　　　　　　　　 ∧
　　　／　　　 / /　 /　/　 / /　､|　|　ハ.　ヽ　 ∧
　　 /イ　　　 / /　 /　,ｲ　／/.}　 ,ト |、|! | 　 |　　ﾍ
　 /　/ :/　　 |. |　/:.:_:ﾑイ }:/_/:../ }/_|/トA:.　|.　　|. l
　　 / :/::　 .:::ト:|　|:::ｲ　 iｼﾄ、/／ﾉ' 　＝､ }: ハ　 l!:.|
　　 |:/l::::: .::::::Ⅵ　l/ |　代歹　　　　弋歹l{/.::　　||｜
　　 |　|::::/:::::V｜　 |　　￣　　　　、　￣ ||::::|:: | ハ|
　　　 |:::|::::::::{.｜:　: |. ´´´ 　　＿　　´´´八:|:/|′
　　　　|::|!::: |::｀:Ⅵ　:.l､　　　 ,. ―- ､　イ:|:::::l/　　　もったいない！
　　　 |ハ:::|､:::::Ⅵ. :l:{ ＞.／r――- く　 |:ｲ::/′
　　　　　　Ⅵ V:::ﾊ!:.:ﾄ∨`.|　,二二ﾆヽ.l､　 |/　　　　　ソビエト学校で最もロシア語のうまい非ソ連人だったのに！！
　　　　　｀{　V:|_.ヽ{∧ /| ‘ー―‐､　|ト､
　　　　　　　　,.くヽヽﾍ.V:ハ ( 二二　ハ/ i>､
　　　　　　　 i　､.ヽ::ヽハ.∧}　　 /　　{7ヽ///ヽ
　　　　　　　 |　＼ヽ:l 　 ∨　　 {　　 V 〈/// ｜
　　　　　　　 |　　　｀}!　 /　　　A.　　ヽ ∨ 　 !
　　　　　　　｜　　　 } /　　　∧∧　　ヽ}.　　|

308 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:23:18 ID:dSIls7nU0

　　　　＿＿＿＿＿
　　.ィ ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....、
.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.`:..､
:.:.:.:.:.:.／二二二二、:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　 =ミ
:.:.:.／ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　　　　 Y
:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:. !:.:.:.:.く￣｀Y.:.:.:. 　　 ′　　}
:.:l:.:.:.:{:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.厶:.:.: |:.:.:.:.:.:i ーｲ:.:.:. !　　/　　　/
:.:l:.:.:ハ:.:.:.:.:|:.:／:.:l从:.:.|:.:.:.:.:.:|ヽ./:.:.:.:.:l　 /　　　/
:.:.:V__　＼:.:l/ヽ:x示心:ｌ:.:.:.:.:.:ﾄ.　＼:.:. |　　　 /　　　　　　　あーら、それはマリでしょう！
:.:.:.|　＼　ヽ ´ ∨ツ ':.:.:.:.:.: | }/∨}:.:_ノ　　 ′
:.:.:.㌧≠ミ　　　　 ""/:.:.:.:.:.:.:从乂V´　　　 /⌒ヽ
:.:.:.∧""　′　　　　,:.:.:.:.:.:.:./:./l:／　　　　、　　＼
:.:.:.l:八　　　ｔ一　') :.:.:.:.:.:.:ｲi:i:{,/　　　　　厂ヽ　　}　　､
:.:.:.|:.:.:|:〕iト．￣斗:.:.:.／f´￣　　 /　　　{ 　 /　 /　}　}
:.:.:.|:.:.:|:.:.:.:.:.:.／ / |:.:.:':i:i:i乂＿_..イ≧=‐-ﾍ.　'　 /　厶ｲ
:.:.:ﾊ:.:.|:.:.:.イ广 }マ|:.:{i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:|i:i:ヽヽ　　　--彳¨{
:./　l:.:|:/i:i:ｉ:廴.八_|:.:K:i:i:i:i:i:i:i:i∧i:i:i:i＼二二.イi:i:i:|
:′│:li:i{!i:〈／　Ⅵ:.:|i:〉i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iｲ
　　,l:.:|i:i:|!i:i| o/i:i:ｉ|:.:|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:、:i:i}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i |
.／:il:.:|i:i ヽi| /i ／|:.:|i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i |

　　　　　　　r 、.　　　　　,、
　　　　　　　l　ヽ,,, -ー -', l
　　　　　　/　　＠　o 　@ ヽ
　　　　　Y　, ﾍ^ ⌒　^^⌒ヽヽ
　　　　　 l γ::..:::::..:::...ﾍ、: : : ﾊ j
　　　　　 `ﾉ :ﾉ...:ﾉ　ノ　　ヽ ::::::）　　　ねえ、ママ、
　　　　　　ﾘ::::::(　（ ⌒）　(⌒::（
.　　　　　　ﾊ::::ﾊ xx 　r‐ｧ xxj） )　　　そろそろいいんじゃない
　　　　　　　Ｙ　ヽ　￣イ' y
　　　　　　　／　'ﾍ　　 j￣ヽ
　　　　　　　/、　　ヾ　/　　ﾍ
　　　　　　　il 　　　　Ｙ　　　il
　　　　　　　l ヾ .._　　i!　 .. ｲl
　　　　　　　l　j 　　　i!　　 l l

┌────────────────────┐
│アーニャの背後から可愛らしい声がした。　　　　│
└────────────────────┘

309 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:24:13 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　＿__ ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　 }＿_ ':.:./二二二､:.:.:.:.:ヽ_＿_
　　　　　　　　　　　〈　 /:.:.:.':.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.`:.:.:.:〈＿ｨ′
　　　　　　　　　｀7:.:.:./X:.{:.:.:.:.厶イ:.:.:.:.:.{＿_{
　　　　　　　　　　　 ':.:.l:. 芹ﾐ:.:.:.:' ィ芯l:.:.:.:!　く　　　　　　　　　　ああ、そうそう、マリ、上の娘のナンシー。十六歳。
　　　　　　　　　　　　　i:.:.:Ｎ　じ＼l　じﾊ:.:.:.l:.:.､＼
　　　　　　　　ｨｌ|　　 .l:.:.:ハ" 　 '　　 "" }:.:.:|:.:.:ﾄヽ｀ニニニヽ　　　高校を休んで付いて来ちゃったの。
　　　　　　　//　ﾚ1　　|:.:.:.:込、ｰ　´　ィi:.:.:.|:.:.:|＼＼　　　､〉
　　　　　 ′　' /　　,|:.:./ｨf⌒≧=≦─ｵ:.:.:|:.从　ヽ　、
　　　　　 {　　ｲ　ｲi|:ｲ:i|i:| 　芥ﾄ　 /i|:.:.:ﾑ:.:∧　　＼_〉
　　　　　／ト-彡、　{:i:i|:.li:i|i:i`T´　/`彡 i:|:.:.|:i:i:ヽ:.:.:.、
.　　　　 {ト==':i:i:i:i}　 }i:ｉ|:.|i:ﾊ:i:i:|　 ,　/:i:i:i:ｉ|:.:.|:i:i:i:i:V:.:.:＼
.　　　　 |:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｲ　/i:/:.八/:i:i:! 　厶イ:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i}:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 V:i:i:i:i:i:i:i∨:iｲ:./:i:i{:i:i:i:i∨/:i:i:i:|i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:ﾑ:.:.:.:.:.:.:.:...、
　　　　 }:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:/:ｲ:i:i:∧:i:i:/:i':i:i:ｉ:/:i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
　　　　 V:i:i:i:i:i:/:i/:.:.{:i:i:i:i: V/:i:i:ｉ:／:i:i:i:i:|:.:.|:i:i:i:i:i:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}

┌───────────────────────────┐
│長い赤毛を腰の辺りまで垂らしたほっそりと小柄な女の子。　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│ちっともアーニャに似ていない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└───────────────────────────┘

　　　　　　ｒ‐ ､　　　＿＿_　　　＿
　　　　　 i　　｀ソ´　　　　ヾ´　　 |
　　　　　　∨ {:::}　r､ _ ･＿　 {:::} 　 |
　　　　　　.′ ／⌒ ヾ｀　｀ヽ.　　Ｙ
　　　　　　{　/　/　ﾄ､ヽ＼　ヽヽ　 }
　　　　　　.У . ｉﾅﾒ　ゝ.ヽ⌒､ﾍヽﾉ
　　　　　（.　/　从ヽ　イ:＼.}　i　ヽ
　　　　　　ヽ.!　 {.ﾟ::ﾘ　　.iﾟ::ﾘＶ　j　ノ
　　　　　　八　ﾑ¨ 　｡　¨i　_ノ .ヽ
　　　　　　＼i≦､!ﾊ~~~フゝヾ1/´
　　　　　　　　 /｀ヾ.π´ ／　ﾊ
　　　　　　　 ./　ｉ {_介､_}　i 　ヽ
　　　　　　　 /　 .　|l」 l」 |　､　　ﾍ
　　　　　　 ./　 /　.| ．．|　ｷ　　　＼

310 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:24:43 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　＿｣ヽ　／|
　　　　　　　＞　　ﾞＶ´∠ｲz‐､＿
　　　　　　／　 ,ヘ,＿　/＿＿／ ∨ﾏ´
　　　　　//　 /　　　 ´　　　　　　　｀丶、
　　　 _,//　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　_,// 　〃　 /　　　　｛　　　　　　　　ヽ
　　 ,ノｲ|　ｌ′　.i　　/ 　 ∧　　ヽ＼　　　　ﾊ
　　　　小　|　　 .| 　 | ｉ ./＿,＼　　　.}ヽ　　 |
.　　　　从 .|　　 .| 　 | N＿＿_　＼}´_j ハ　.ｉ |
　　　　ノﾊ小　 .|　八ﾄ |:::::::::|　　　｢:::｢iﾊ .ｉ |
.　　　　　从ヾミ.| 　 |.　､:.:.:ﾉ　　　､:.ﾉ　{Ｖ |
　　　　　ノﾊ小.Y|　　|　""　　　　　 " j i　|　　　パパ似なのかな。
　　　　　　　 (ヾ∧　ト　＿　　 σ_　イ .ｉﾘ
　　　　　　　入＼三∨:::::7ニE7 fﾞ} jﾉノ|/
　　　　　 /三三＼＼三ﾆ=-/)ｱX⌒Y/ﾉ-､
　　　　／三三三ﾆ≧､二>/ 　 /ハｿヽ三ﾐ､
　　　 ,'三三三三三三三/　　　　/　 /三三ﾊ
　　　仁三三三三三三ﾆ|　　　ノ　　ﾏ三三ﾆ!
　　　,三三三三三三三//^ヽ､/ム　　∧三三i|
　　　}三三三三三三∨/　　ハ__,∧ ∧ ﾏ三三!
　　 /三三三三三三i/ ′／　 }:/ ∧》∧ X三ﾆ)

　　　　　　　r 、.　　　　　,、
　　　　　　　l　ヽ,,, -ー -', l
　　　　　　 /　　＠　o 　@ ヽ
　　　　　 Y　, ﾍ^ ⌒　^^⌒ヽヽ
　　　　　 l γ::..:::::..:::...ﾍ、: : : ﾊ j
　　　　　 `ﾉ :ﾉ...:ﾉ　ノ　　ヽ ::::::）
　　　　　　ﾘ::::::(　（ ⌒）　(⌒::（　　　正解！髪の色も骨細なのも、パパ譲り！
.　　　　　　ﾊ::::ﾊ　 ,,　r‐ｧ　j） )
　　　　　　　Ｙ　ヽ　￣イ' y　　　　あっ、ママ、あれ何だろう？
　　　　　　　／　'ﾍ　　 j￣ヽ
　　　　　　　/、　　ヾ　/　　ﾍ
　　　　　　 /rｰ'ゝ　　Ｙ　　〆ヽ
　　　　　　/,ﾉヾ　,>　　i!　ヾ_ノ,|
　　　　　　|　ヽ〆　　　i!　　 l　|

311 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:25:09 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────┐
│ナンシーの視線の先に、銅像の前にろうそくを置く人々の集団があった。　　　　.│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　　　 ,　'´,..-─‐‐｀ｰ..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,...-──‐-<^>'´::::::::::::｀;ﾊ / ／:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:;､::::::::::::::::::::::ヽ: ;､: :. :::::ヽﾉ｀/::::::;vwｗwwvv::::::: ::::ヽ
　　　　　　　　　　 ,.o, -──- ､ /:::/　|i|＼::≠::::::::::V ヽﾄ､ﾊ ::｀´ｉ ::::/彡　　ミ､ヽ : :　:. :i
　　　　　　　　　　　/ｧ'/;ﾊ;ﾊ::ﾄ､::Ｏ!:::/‐　!| -‐､≠::ｌ::::::::i　　ﾃｫ|: .:::::!::::ｉｲｆ:i　　 f:ヽヽヽ:.:: .::::l
　　　　　　　　　 //ﾚﾚ'　レﾍl ヽ:ヾ::}ﾓﾗ　そﾗ l: .:|､:: ::l､　ﾞｰ' |::l）:::|ヽ}└',.　 └' '^ ∧_ﾉﾉ |
　　　　　　　　　〃　 }ヒ　ヒﾗ　ﾚ､｀{　､　　　 | .::ﾚ:: :::ｌｰ _, ィ|::|:::::ｌ/ii{ 　 ,、　　　 /:::仆:::::|
　　　　　　　　ノ'　　 {⊃　 ⊂⊃　ﾉノヽ､ｰ　 ,.ｲ:::::|､::::::仁-r‐'ｌ/:::::/::::::＼｀　 , ィ::::::::!:l::::::|
　　　　　　　　　　　ヽ､｀　　　ｽ´　　　｀ﾆ´〉|:::::ﾚﾍ:::::ヽ.∧/'^ヽi:::::::::::::::｀T´__/::::;:::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　 /´ｸ７ｰ‐'　ヽ､　／: ヾｰ|:::::|彡'｀:ｰ-.､ i　ノ V:::ﾉ､ノく,ハ_,!／:::::::::::;ノ
　　　　　　　　　　　 /　i::::/ 人　/´/ ,ﾊ: : : : 冂ｲﾉ : : : ; :‐:､ヽ´ ﾉ　〉:Y::ヽ.:.:l l.:.∧:::イ´:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　/ 　 |::::｀丶､/:::/ｒ': :ヽｌ: : l　l: ′:i:／: : : ; : l'´　 j〉人ノ.:.//人ノ::;ﾉ:.:.:./´:.i
　　　　　　　　／　　 !:::::::::::::::::::l/: :ヽ :|: :l　ｌ: : : :〉: : :／ : : l　/∧Y::::〉//(:::y::ィ:.:.:／:.:.:.:.|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..、ｨ/
　　　　　　　　　　　　　　丶　 /　V/
　　　　　　　　　　　　　　　｀Y　　i′
　　　　　　　　　　　　　　　　ｨｹ　ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　／{'⌒'} ｀丶
　　　　　　　　　　　／　ヽiノ
　　　　　　　　　　　　／　　,r'┴'ヽ.
　　　　　　　　　 .　　　,ｲ::''n::::,f'
　　　　　　　　　　　　　　　 i:: ll::iYll!
　　　　　　　　　　　　　　　 !:: :l:: : :l
　　　　　　　　　　　　　　　 l::l l:: l ll
　　　　　　　　　　　　　　 {i　l:: . l!
　　　　　　　　　　　　　　　 |j:i:::::li l,
　　　　　　　　　　　　　　　 }i::::::::ll !
　　　　　　　　　　　　　　　（!..:::::..lll　　　　　 ,ノ入
　　　　　　　　　　　　　　　 l...::::::..ll　　　　　fy' l l!
　　　　　　　　　 .. .:.:. --―ﾘ..::::::ﾊl―--:::.:.ﾑ!,_//
　　　　　　 r''"´:;:;:;:;:;' 　　,ｸ.::::::::i::ll..,,　　'';:;:''"　｀丶
　　　　　　｀丶､:.:_　 .:;:;:;ム;:;＿:;:;_ゞ､:;:_,,　　 _ ,,. ノ
　　　　　　　......:.:.｀ヾ" '' :.:.―---―.:.: '' ７"´
　　　 . . .:.:.:.:.:.:::::::::::::丶､::::::::::::::::::::::::::::::ノ:::::.:.:.: ..
　　　　: : : :.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　: : : : :.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.: : : : : :

312 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:25:57 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_ _
　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　｢｀　､/:.:.:.:.:,に二二ス:.:.:.:＼
　　　　　　 ./l　　 /:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:ヽ
　　　　　　 /:.廴.__ｉ:.:.:.:':.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:ヽ:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　　':.:〈　　 l:.:.:.:.:.:.廾:ﾊ:.:.:.:.:.:.ｲ--:.:.:. :.:.:.|
　　　　　　ｉ:.:.:.:}　 .ｨ:.:.:.:.:.厶:トミ:.:.:.:/厶ﾐ:.:.:.:.:.:.:.ﾘ
　　　　　　 |:.:.:.:｀７ |:.:.:.:.:.l {r::ﾘ　＼ {r:ﾘﾄ:./:.:.:.′　　　　そうか、読めたわ！
　　　　　　 |:.:.:.:ノ /|:.:.:.:.:.| ""　　　　 ""|:.:.Ｖ:/
　　　　　　ｌ:イ　ｲ{ |:.:.:.:.:.| 　　　 '　　从:.:.:|　　　　　　今日は、（※）ビロード革命のあった日の
　　　　／/ ／:.:.:.:|:.:.:.:.:.|、　 r ‐ｯ　ｲ:.:.:.:.:.|、
　　　.／　ィ:.:.:.:i:.:.:.|:.:.:.:.:.|父ト　＿ .イ:.:l:.:.:.:.:.:|　、　　　　何周年目かではないかしら。
　　 / 　 /:.:.:.:.: 从: |:.:.:.:.:.|⌒ヾーｧ ==ﾐ !:.:.:.:.: ! 　}＼
　 ./ 　 /:.:.:.:.:./:.:.:ｨｉ|:.:.:.:.:.l 　 -{__}-　　}il:.:.:.:.:.:ﾄ　ﾊ　ヽ　　昼間は、記念集会かなんかがあったはずよ。
　〈＿/:.:.:.:.:./ィi:i:i:i:|:.:.:.:.:.| ィ７'　ト､___/il:.:.:.:.:.i| }　 }＼/
　　 /:. ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:.:.l　/　cl|　　 Ⅵ:.:.:.:.八j＿j
. 　 /イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:.i./　　 lヽ._＿}i|:.:.:.:.:.:.:.＼

（※スロバキアで起こった打倒共産主義の民主化革命のこと）

313 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:27:10 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────────┐
│黙々と耐え続けた人々がこの広場にゾクゾクと集まって来て、　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ついに圧政を倒してしまったビロード革命のことをアーニャが口にしたので、　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│私は、もう一つの事件のことを思い出した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────┘

　　　　　､-ー'｀Ｙ＜,__＿
　　_＿≦ー`__＿　_二ｚ<＿
　　＞７￣､-‐ ´￣｀'┴＜
　＜之′Ｙ´／　　　　　　　＼
　　 >{　 ,' 　| ､　,　,.　 ,.l　　, 　ﾞｉ
　　 |　!､{　　| 寸寸T　ハT７} ｨ,ｌ　　　　アーニャ、一九六八年にプラハの春が
　　 ′Ｊｉ, ﾞｉﾞｉ（ ●）　（●）|ハ|
　　　　i⌒ヽ'(1. ''' 　＿'　 ''' ﾉ川／⌒)　鎮圧されたとき、どうしてた？
.　　　ヽ　ヽx＞､（_.ノ__,イｌ |::::ヽ／
　　　　 ∧　人lﾊ:::::l,三|:::/ｌ|　,:::::ﾊ

314 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:28:22 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　 __ ／:.:.:.:∠二二二二二､:.:.ヽ:.／ {
　　　　　　　　　　　　　　　 } /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:V--〉
　　　　　　　　　　　　　／ ':.:.:.:.: /:.:.:/|:.:.:.:.:{:.:.:.:.:＼:.:.:.:.|:.:.:.|　/
　　　　　　　　　　　ヽｲ: i:.:.:./:.:.:/ :lﾊ:.:.:.ト :.:.:.､:.ﾊ:.:.:|:.:.:.|.ｲ:{
　　　　　　　　　　　　　---!:.:l:.:.:.:.:.:/ ＼　ﾟ,:.:.ヽ＼:.:Ｘ´∨:.:.:.Ｋ　＼　　　　　ブカレストで催された抗議集会やデモに参加したわ。
　　　　　　　　　　＿厶イ　{从/:.:.:.:{ 芹心、＼(　イ芯Y:.:.:.:.:|:.:.`ﾄ　＼
　　　　　　／　＿＿ .イ:.:.:{:.:.:.:.:.:》匕ﾘ　　　　匕ﾘ彡:.:.:l:.:.:∧＼　ﾟ，　　『ソ連軍はチェコから撤退せよ！』って、
　　　　　　　/　／l /　　/:.:.:.:从:.:.:.:∧""　　_'＿,　""　厶:.: !:.:.:.:∧　V 〉
　　　　　　￣　/ {　　/:.:.:ィ:i:i:i:}＼:.込、　{　　　 )　 .ｲ:.:.:.:. |:.:.:.:.:.∧ ｢　　　何度もシュプレヒコールした
　　　　　　　　　　　ィi〔{:./:i:i:i:i:/:.:.:.:}:i:i:i:i〕iト　ｰ‐　イﾚ:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:./ ﾄ.．
　　　　　　　ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/:.:.:.:/{￣￣｀ヽ===≦イ:.:.:.:.:.仆ﾍ:.:.:〈／:.:.:.＼
　　　　　　 {:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:.:.:イ:i:i}　　ﾆ//￣／:.:.:.: イ:i:i:i:i:i:i＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i才:／:i:i:i:i:廴__.ノト.／ィ´/:i:i:}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ﾟ，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　 /　ﾟ，:i:i:i:i:i:i:i／:.:./く￣￣　　 /　イ:/、_∧:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　 ∧:i:i:i:i:iｲ:.:.:.:/ .ハ　 r一 ’/:.:.:/ /:i:iヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:ヽ
　　　　　　 ./:.:.ﾟ，:i:i:i:!:.:.:∧ {:i:i:{　∧　 /:.:.:/ /:i:i／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　 (:.:.:.∧:i:i:ｉ|:.:/:i:i:ヽ:i:i:Ｖ:ｉ| ＼{:.:.ハ.{／:i:i:i:ｉ:}/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{　}:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ .}:.:.:.:.:}
　　　　　　　＼(　ﾟ，:i!/:i:i:i:i:i:ｉ＼:i:i:|　 ∧:{:／:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:}./:.:.:.:.:.:.:.:/　乂:.:.:.:.ﾉ
　　　　　　　　　　＼:i:i:i:i:i:i/⌒ヾ:!／:i:i:ヽ:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|':.:.:.:.:.:.:.:/ イ:.:.:.::／

　　　　　　　　　　　＿　　_,
　　　　　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー-､
　　　　　　　　＿>ｚ二_　＿__`ー≧＿_
　　　　　　　　＞┴'´￣｀ ‐-､￣７＜
　　　　　　／　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
.　　　　　 /　 ,　　l、　、 ,　､ |　ヽ　}<
　　　　　ｌ ,ｨ {７Tハ　T寸寸 |　　}ノﾍ　））　　　　わあーっ、偉いわね！
　　　（（　,ﾍ, |（○）　（○）　/ / ,/　/
　　　　　　'､ `|'''' r-‐‐┐''''.「)'/|/　/　　　　　　　私なんか、何日も泣き暮らしてただけなのに
　　　　　＼ヽ､ヽ､__,ﾉ　_,.ィT/=/
　　　　　　　　<　l 7Eニ::ィ1　　〉
　　　　　　　　　ゝ'ｲ／ヽ::::｀､／
　　　　　　　　　　 i´￣｀ヽ::|
　　　　　　　　　　j| 　　　 <
　　　　　　　　　／　　　ヽ　＼

315 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:28:52 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────┐
│次の瞬間、あの当時は、政権に就いたばかりのチャウシェスクが　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│ソ連に距離を取り始めた時期だったのを思い出した。　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────┘

　 ,r'「´ ,ﾊ　{ .::.　　 r　　　... ､　　ヽ　　 _,乂巛､)＞/ilili}く三圭rー'￣｀＾ー'^ー-､
／{! {:. /::ヽﾉ(:::.　　 :|i　　.::::::: iトく　 |　,メ人ﾑ＞'"ﾐ/ililiム､二ﾝﾘ} 　　血　　刻　 }ミ
.::. ,、ヾ::::　 V:::　　 :|l　..:::::: ,　ﾏ/　　ﾉ从／/　{ﾊ/ililj'ｰ=く尨巛|　　液　　む　　|ﾏj
　::. ＼',::.　　V:　　 :!| ／￣ノ::.j} 　人／　 ≦ヾ!lili/ｰ=三え圭jl!　　の　　ぞ　　|斗
＼.:.　:ﾍ:.　　 :i:.　　　ﾄ､＜＿..ノー /／　ﾑ=､|il|ili/ー=≠´ゞ､彡} 　　ビ　　　　 |巛
　ヽ::. .:ﾍ::. 　」::＿／/i´￣ヽ. 　／ ...:::.. {込jﾒli／＿／二　 _j}ｼi!　　 l　　　　　 |州
　　ゝ二ﾊ＜__}＿＿| | ､__ノ} ／　 .:::::::::::ﾑv{ili(/二＝'´＿「i≦双}　　ト　　　　 }ﾉ{
　　　｀ヾﾆ＿＿＿ﾉ＼＿,／　　￣,＞'"´_!､に＝=rく三ﾝ/分ﾑL.　！　　　　　l!ﾑ
.　　　　　　　｀ヽﾆ＝ｰ／　　 ,/i´￣　,.ィ´＼ミ､ﾊilililﾑ(/ 《/巛{γ}　　　　　 _j∨
　　　　　　　　／　　 ,､jl/｀ｰく´::::::::::::::.)}三=寸ilil＼{ﾊj辿ﾊ}`vー-､＿_／=ミi!
　　　　　　　　　 /　､,r‐くj::Lゞヾ＿,〉:: 　　(::::::ヽ ,ｨ=寺ilili≧{ﾊ/(乂ﾑ从(ﾑｰ=彡"j}
.　　　　　　　　 /　　::ヽ　ヽ＼ヽｰ':::　　　　 ::::::j{i t;j i}〉ﾊ寸ミ≧≠ﾏﾊﾘ|ｆ''二ﾆ≠ﾝ
　　　　　　　　 /　　　 .:::! 　ﾏヽ::::.　　　　　 j!ゞ=く '::’.::::｀￣ﾌilili}州{､{圭(ﾏﾑﾘ
.　　　　　　　 /:.　　　人::ゝ.__ `='::::.　　　　　　ノ:::::::::::::.:.:..:.:.::.／7ﾊiliﾑﾏ从ゞ杢彡
　　　　　　　　ヽ:::...／.::::::ｿ　..::::::::::::::::::::::::ー＜::::::::::::::::::.:.:.:.:.:,r≦ﾘlilililili},二､叉〈人
　　　　　　　　 l＼::::::＜＿ノ.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ﾉ三ﾊ／´￣:|ﾘ乂j}´ )州i
　　　　　　　　 |三ﾆ=-､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:. ,.．＜ゞ-'"／フ´ﾌﾉ彡ﾉ从ｰ=彡

316 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:30:20 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────────────────┐
│自由化運動鎮圧のためチェコに侵攻したワルシャワ条約機構軍にルーマニアは加わらず、　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│チャウシェスク政権は、ソ連陣営の暴挙を公然と非難した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
└────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／､_ｒ'__ノノ））　　　　　ヽ／　　　|､＿　　ﾉ
　ー─'＾ー'ｰ――'（__　　　　　　　　　ﾉ　ｒ'/　／　　　/　　　　/　　ﾉ´　　　　 |　　￣ |
　　　　　　　　　　　　（　　　　　〈　/ﾉ　　　　　／　　　／／￣￣＼　　　 |､＿＿ ,l
　　ヽ rヤ　　 l　　　 L,　　　　ヽﾉ´　　　／／　　　／／　／￣｀ヽ＼　/l　　　　 |／￣ヽ
　　冫ｊ又　 |__|__|　　 {　　　　　）（　　　 /　/　　　　　 /　／　　　　　＼/ /　､_　　 |　 ==-|─ ､
　　　　　　　　　　　　　|　　　　 {　{　､　l{　/､　　　 /　/　　　＿___／／　　　　 |　　　 |￣二
　　幺_l__.　┌ﾉ┬ｧ　　.|　　　　　　＼!　ト-ｖ'" ﾉﾊ　/　/ .厶ィ´￣＿_,.＞ '　　＼　　　　|　　　 |
　　小乂　 └'_人_　　（￣￣￣＼-、＼{ト､　ｨｪｧｊ）ﾉﾉレ'　　 /´　ヽ　　ヽ　　　ヽ　　 j/　==､|
.　　　　　　＿　　　 (　　　　　　ヽ＼{__､ヽ L　Ｙ!　|二＼　/_ﾉ　　　}　　 l|　　　　| 　 / 　　 /､
. 　､┌┴　ﾉlﾆlコ　　 <＼_　　　／　　ヽ　}ｦ / ／─ |　〈　　　／ヽ　 /　　　 /　　i　/￣/　　ヽ
　　ﾉ,ﾉ矢_ 　 !＿_,　　て　￣　／＼　　＼ﾉー'　）'´二ﾊ　｀ー‐'　　　＼＿＿_/　　！{　 /-､　/
　　　　　　　　　　　　　 /￣　／　"／ヽ_＿ﾉ(二ィ´／二ﾆ　　　　　　 |　　＼　入ヽ/､__ﾉ//´
　　ニ|ニ　　　r┬ ､　　.|　　//　 /　　//　　//　/／＾　　＼　　　　ﾐ─--､　　　￣￣ ´ー‐ﾍ.ヽ-
　　人l二　　　∨ ノ　　│ ///　//　 ___r-く＼　/l　　　 ,.-―＼　　ミ､＼＼＼　　　　　　　　__,､､
　⌒v'⌒ヽ/￣￣｀V⌒ヽ!/// 　　 _ﾉ　　　 |＼）l{ ヽ＿_/　＼＼＼ｿ´　　　/´ ＼　　　　　 /　ヽ
　　　　　　　　　 ,.／／, /　　　　/,.,.,. ≠､　}7　ヾ三　｀ヽ.　＼＼　=====く＼＼,へ‐-､　 _レ=
　　　　　　　　／　　´"''ヽ-､　　/, , ,. ≠= Ｖ/　彡三三ミ､　彡'´￣＼　　　　＼ /-'　　＿ヽヽ＿__/
　　　　　　／彡,　　　　　 }_ﾉ　///　　　　//　/／　　　｀ヽ//　＼＼　､＞､　　　＼_/´　　　ﾄ､　　__
　　　　　///／彡　　　　/ヽ　 //　　　　∧　　|　　　　　　|/l　　　　／　　＼､、　/　　　　 |＼/＾ヽヽ
　　　　／／　　／／　／_ノ　//　　　　　 |　　ﾊ　i l l l l卅　〈__､､､/　　　　　　　/　　　　！/ノ
　　／／　　／／　／"´__　//　　　 //　 |　　 V´,.ィ:::7＿＼　｀｀｀ヽ＼＼　　/　　　　　　∧､__　／
　／　　　　／　　／／"´　∨　　　／/　　 ll　　／:::::::::::‘Ｚ,　｀｀ヽ　　＼､＼ |　　＿,.--　　∧　｀ヽ
　　　　　　　　　〃 |＿＿　ﾉ卅Ｎ､　く_＿／　/＾´::::::::::::::::::::/-‐ｧ　　　　　＼＼∨´　/　　　　 }　　|
　　　　　　　　　〃/　　　＼ / |l　　　　　＼ /:::::::::::::::::::::::::::::::／　　／ﾌ─一　'７　 /　　 /　　ﾘ /￣ヽ
　　　　　　　　　///////≠l　 ll　　　　　　　V:::::::::::::::::::::::::::/　　／　/　　　　　l　　　　 /　　 //　,
　　　　　　　　　/　　//　　/li　|　　　　＿＿ヽ:::::::::::::::::::::ノｘ＜　　 /　　　　　人＿　／　　／｢￣ヽ
　　　　　　　／｀ヽ._　.r─く　ll　　　／　　　　　トｖ;;;;_;;;;／/　　　　　ヽ　　　／　　　／　　／　　＼
　　　　　.／ヽ／､ /⌒ト､ﾉ＼l!　/　　　　　／／￣￣／l　　　　　　　　　　　￣　/ ／　　　　__　ヽ
　　　　 /､_)､/　　/｀ヽ/　 } 　 ∨　　　／⌒ｰ――┴く　　　　　　　＼　　　　　　／　_　-‐ 二　＞-､

317 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:31:22 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿>ｚ二_　＿__`ー≧＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞┴'´￣｀ ‐-､￣７＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 /　 ,　　l、　、 ,　､ |　ヽ　}<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ ,ｨ {７Tハ　T寸寸 |　　}ノ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ハ |（●）　（●）　/ / ,/ﾚ′
　　　　　　　　　　その抗議行動は、誰が組織したの？　　　　　　　　　　　　　`| 　　ヽ　　　「)'/|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､_ 　― 　_,.ィT/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ Eニ::ｨ -､ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::;／ヽ:::/:::/'::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::/へヘ/::::/:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::＼ヾミ::::/|:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（;;;;／| ＼;;;;ノ/:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　〈:::

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〕iト．
　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /　二二、
　　　　　　　　 ,:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./ｨ:´:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.r‐─}:.:.:/:.:{:.:.::.:.:.:.＼:.:.:.:.ヽ
　　　　　　 ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ｖ　/:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　　l:.:/:.:.:.:.:.:.:.く .ｲ:.:.:.:.!:|ート､:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:i
　　　　　　　|/:.:.:':.:.:.:.:.:|//|:.:.:.:.Ｎ　x=ミ＼:.:.:.:':.:./:ﾄl
　　　　　　　l':.:.:.l:.:.:.:.: // :|:.:.:.:.|　　以　 V:.:.:/:ｲ
　　　　　　　}:.:.: l/:.:.:ｲ/ゝ !:.:.:. |　　　　　〉'′
　　　　　 /:.:.:./:.:.:.:.:|{:| l:.|:.:.:.:.|　　　 , --/:|　　　　さあ？
　　　　 ./:.:.:./:.:.:.: ｲ||:| l:.|:.:.:.:.| 　　 {_∨:.:.!
　　　　 /:.:.:.厶イ:.: { :|:|.Ⅵ:.:.:. | 〉ｰ一ｲ:.:.: |　　　　大学当局や青年同盟から声がかかったのよ。
　　　 .':.:.:ｲ:i:i:i:i:i:i:i:iV:i|　i|:.:.:.:.|':i:ｉ:〕ｉト｡|:.:.:.:|
　　　 /:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ト-|:.:.:.:.|⌒}:i:i:i:ｉ:|:.:.:.i|
　　 ./:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:八　!:.:.:. ﾄ. _〉i:i:i:i:|:.:.:.l|
　　/:.:./:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:}¨|:.:.:.:.|　 {:i:i:i:ｉ:|:.:.:.l|
　./:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧=:i:i:i:∧|:.:.:.:.|＿.〉:i:i:i:|:.:.:.l|
　':.:./:i:i､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/:iⅥ:.:.:. |　 |:i:|:i:i:|:.:.:.l|

318 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:31:51 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　ｲ´／￣イ-
　　　　　　　　　{、 | {/　＿―二ア、
　　　　　　　　　ゝ＼´＿_ ´　　　　＞、
　　　　　　 , イ´　￣　　￣ヽ、"´　　＼
　　　／´｀/、　_　　　　　　／´￣｀ヽ　、　　,
　　/　／　　｀　　　　　　　　　　　　ヽ　 ',
　 ,'　/　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 }　 }
　ｉ /　　　　　　 /　　　　ヽ　　 ',　　　 }　.l　 |
　 |'　_i 斗-‐＝/、.ｉ　　　斗-‐=| 、　ﾘ　, 　 }
　 | ´ }　|　 /、_ {　|　　　　}.　　 |　｀ /　/　　ﾘ
　 |　 :|　ゞ‐-r、_ヽﾊ　　　 }_z-r=ｧ　 ,　 {　　ﾄ　　　　少なくとも、ルーマニアの政府と党に
　　,　.|　 { | ら云ド　ヽ　 /ら云} "　ﾊ、ﾊ　　{
　　ヽ ! 、ヾ弋-ソ　　　｀"弋‐ｿ　/ ｲ　} ヽ　 |ヽ　　　反旗を翻す類のものではなかったわけね。
　　　ヾ　ゝ＼_　　　　,　　　　　//}　ノヽヽ l
　　　　 ,　ヽ￣　　　　　　　　　　人　　　ヽﾐ
　　　　 ', 　 i＼　　　 --　　　イ　i ＼　　　ヽ、
.　　　　ﾊ　 i　｀ i 　、　　イi　{　　ヽ　ヽ　　{｀
　　　　　　ヽﾊ　　}^Yヽ｀-―ｲ{´{　　　ゝ　＼　ヽ
　　　　　　　　ヽ /////////∧ ヽ/ ＼{　　　｀
　　　　　　　イ////////////ヽ
　　　 _, z "/////////////////＞、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　＿__
　　　　　　　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　　 _＿_　.イ:.:.:.:.:.:.:.:≦二二二＼:.＼＿__
　　　　　　　　　　 {_＿＿_ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨__/
　　　　　　　　　　／　　 /:.:.:.:.:./:{:.:.:.:.!:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.:.:.:.:＼7
　　　　　　　　　　ヽ　　ｲ:.:.|:.:.:.:{:ハ:.从:.:.:.:.ハ:.:.:ﾊ:.:.}:.:.:.〈
　　　　　　　　　　　}:∨/l:.:.:l:.:.:.:|二≧= ＼:l≦二 l:.:ﾊ:.:.:「　　　　　　　　えっ？
　　　　　　＞　´ ／　!:.:.:.:､:.:|ー─ 　　ー─ }/:.:.:.ハ
　　　　／　　..イ:./　/:.:.:.:.: Ｎ　　　　　′　　　|:.:.:.:.|ヽヽ
　　　　　/　／　 //　/:.|:.:. !:.:. l　　　＿_　　　从:.:.:l＼} }
　　　　./　 ′　 /"　ｲ:.: !:.:.:|:.:.:.|　　　{_＿_　　 .ｲ:.:.:.:.:.|ヽ＼
　　　 .《　/　　 /　/:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.: |　、　　　　 .イ:.:l.:.:.:.:.:.| .∧　ヽ
　　　　Ｖ　　 /　/:.:.:. :.:.:|:.:.:.:.:.. ト　≧===　:.:.:.:.:j:.:.:.:.:.:|/ ハ　ﾟ，
　　　　　 .ｲ　/:.:.:.:/:.:. |:.:.:.:.:.:.l{￣〕iトイ￣｀ヽ:.:|:.:.:.:.: | /　 |　￤
　　　　　く__ ｲ:.:.:.:厶斗j:.:.:.:.:.:.ｌ|　　　芥　　　}:i:|:.:.:.:.: l.′　|　│
　　　　　　/:.:.:.:.:.ｲi:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:.:.:.l|￣/　ハ￣`7:i:ｉ|:.:.:.:.: ト．　j.／
　　　　 {:.:.:.:./:.|:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:.:.:.l| ./　/ d ヽ.ｲ:i:i:i|:.:.:.:.: |:i:i:}

┌─────────────────────────┐
│アーニャは質問の意味を分かりかねて顔をしかめた。　　　 │
└─────────────────────────┘

319 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:33:02 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　 _彡'　　　　 ,.．-──‐＜／ / ﾍ　　　　ﾍ、＼
　　　　　　　　__,ノ／　　 . へ、／￣｀　　.　｀ヽ. 　',│　　　V）ﾉ
.　　　　　￣ ¨ﾌ　　／　　　　　　　　　　｀　､ﾉｌ　| |　　　　 '.′
　　　　　　　　　/ , ／　　　　　　　　　　　　＼ﾉ/.　　　　八
　　　　　　　 /　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vﾑ　　　　＼
　　　　　ノ　{′　　　 /　　　|　　　　　　　　 Vj　　　　　ト､＼
.　　　　　　 |　　|　　/ 　,ハ　　　|＼　　　　 }　　　 }　　 │ 　}ゝ　｀ `
　　　　　　|　| |　　小: |≧ﾐ＼　 |　‐ -ﾍ.ｰ-/ヽ. 　 /　　 ∧　ﾉ（
　　　　　　　 Ⅵ. |.　l　|ィ=≠=ァ-`,ｊ.　ィ=≠=ァ-}　ノ　　/|　ﾚ'　　ヽ　　　　反体制的な行動ではなかったのね？
　　　　　　　　ヽj､　l |`弋;;;;ソ. 　　　弋;;;;ソ j／|　／ﾘi　　　　　|
　　　　　　　　　　ヽ小　　　　　　　　　　　　 j／/j/ ﾊ　　　　,'
　　　　　　 fヽ　　　 lヽゝ　　　ヽ　　　　　　/ｲﾊ|ノ|.::|　 j!　/
　　　　　　 |　|　　　　|ﾊ　　　　　　　　　　ｲ:::|　|:::|　八（
　　　　　　 |　|　　　　＼　　　-二ｰ　　　 ,. ´ﾚ |:::|　|:::|/　　ヽ
　　　　　　 | │　　　　　　＞; ._　　　　　＜::ﾄ;ｰ:八::し':ノ
　　　　ﾉ⌒`( ￣ヽ.　, ‐ ¨::::::::::L::_::￣::::´::::::_ソ::::::::::::::::ヾ＝、
　　　/　 `ヽ　Ｔ　 V:::::::::::::::::::::::::::::::~:::::￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.
　　 {　 `ヽヽﾉ　　}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､:::::::::::::::::::';
　　　ヽゝ _)‐'　　/j::::::::::::／ー　--　＿ ;;;;;;;;:::::::::::::丿::::::::::::::::::∧

　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　__
　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
　　　　　　　　　　　　 ,:':.:.∠二二二二ｽ:.:.＼__
　　　　　　　　｢｀V:.:/:/ﾊ:.:.:.:. ﾄ:.:.:.:.:.:.:.:.:V
　　　　　　　　 /廴ｉ:.:l:.Χ ヽ:.:.:.l／:.:.:.:l:.:.:.}
　　　　　　　　　 ,:.:/ /|:.:N==ﾐ　＼lｨ=ﾐ:.:.:.V∧
　　　　　　　 /:/ /:(|:.:| 匕ﾘ　　　ﾋﾘ Y:.:.!ヽ冫
　　　　　　　　 ,:.:.:.V.:.从:.| "" ､＿　"" 从:.|∨　　集会では、チャウシェスク自身が演説してたもの。
　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ〕iト　　 -=彡:.:.ﾒ
　　　　　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｲﾊ:.:广艾ｽ:.:|:.:|:.:.{ _＿_
　　　　　　　,:.:.:.:/:.:.:.:.::/i:i:i:i}:.l7__ハ_{:i≧=f´　厂
　　　　　 /:.:.:/ｌ:.:./:./i:i}:i:i:iＶ:i:ｉ:`7:i:iヾ:i:i:ｉ!=彳
　　　　 ./:.:.:/ :|:.ハ:乂iﾄ:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i/￣:.:.|
　　　　 i:.:.:/　 l/　 }:.才:i:i:`气ハ:i:i:iヽ:.:.:.:ｉ|
　　　　 |:./　　′　く:i:i:i:i/:i:i:i/:i:i:i:¨¨:i:i:Ｖ/
　　　　 l:′　　　　ヽ:i:i:i:ｉ/:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:}
　　　　　　　　　　　　　　＞=====彡'¨´
　　　　　　　　　　　／ヽ／|___,|
　　　　　　　　　　　　/i:i:i才　 .|i:i:i:|
　　　　　　　　　　　　{77/　　 .l77l|
　　　　　　　　　 V/　　　 }/シ

　　　　　　　　r‐- 、.　__＿　ﾊ
　　　　　　　　l　iヽヽ´　　｀ヽ!、
　　　　　　 /´.!　　　　　＠　　o）
　　　　　 Y　　｀´　　　, -ー、__ヽ
　　　　　 l 　　　　　　/::..:::...ﾍ、::ﾊ´
　　　　　 i 　　　　／:..::::ノ　　ヽ:::）
　　　　　　ゝ__＿ノ :/:..:::( （ ●） l:（
.　　　　　　ハ::ﾉ::::ノ:::::ﾊ　　,, r‐ｧl ::)　　　ねえ、ママ、もう九時半だよ。
　　　　　 ´　 .）Ｙ　 y.´　　　￣,y
　　　　　　　　　 /⌒　ﾄー‐i´
　　　　　　　　 ./　　/｀ヽ___i
　　　　　　　　/　　/　　　　l
　　　　　　___/　　/ 　　　 /
　　　　　（＿⊂_ノヽ__　　/
　　　　　　　　　　　　￣ｌ

320 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:33:54 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────────────────┐
│快活なナンシーに導かれるようにして、バツラフ広場を降りて言って左折し、ホテルに向かった。　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│アーニャはしっかりと私の肩を抱いて歩きながら、何度も確認するように私の顔をのぞき込む。　　　　.│
└──────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_ _
　　　　　　　　　　　　　　　．.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〕iト．
　　　　　　　　　　　 .ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　／:.:.　-====＼:.:.:.:.＼ｨ´￣￣{:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　 ,:':.／　　　　----＼:.:.:.:.＼ｰ‐y:.:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　 /:./ ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.＼/:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　　/:.:.ﾚ’:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ，:.:.:.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:':.:.:.　　　　　　マリなのね。
　　　　　　　 .':.:.:.:.:.:.:ト､:.:.:.:.:.:＼:.:.:∠:.:.:.:.:. :.:.:.: ヽ＼:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　ｉ:.:.:.:.:.:.:ｌ:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.､Ｘ　　＞ﾐ:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:、＼:.:.:.:.:.　　　　　ほんとにマリなのね。
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:┼ト＼:.:.:.:.:＼イし芯ハ:.:.:.:.:.:.:.:＼　､:.:.:.:､
　　　　　　　 |:.:.i:.:.:.:.ﾟ，　__　￣￣　 V_ツ　 ∨:./:.:.:.:.: ﾄ､＼:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.、:.:.:.Ｖ芹心、　　　　　　　Ｖ:.:.:.:.:.:.:.|ヽ＼_〕:.:.:.＼
.　　　　　ゝ:.:.:＼:.:.:ヽＶﾂ、　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:＼}:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　＼{ ﾍ:.:.:.:.:.､　　 _ノ　）　　 /|:.:;:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:込、　　ー　　　／　Ｖ:.:.:.:.:.:.|:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:..＼
　　　　　　　　　　　　ｉ|:.:.:.:.:|:.父ト　--　イ　　ィi}:.:.:.:.:.:.从:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　||:.:.:.:.:|:.:.:∧:.:.:.:.:.:.ハイ　 /:.:.:.:.:./:ｉ:|:i≧=======…ミ:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　 .八:.:.:. |:.:.:.:r─‐ﾐ个/　　 ':.:.:.:.:./:i:i:i|:i:i:i:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　〈_/}:.:.:.:l:.:.:.:{　　 -|_ﾄ　 /:.:.:.:.:./:i:i:ｉ:ｉ|:i:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:.:.':.:.:.:.
　　　　　　　　　 /:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.ﾊ　　丿　∨:.:.:.:.:ｲ:i:i:i:i:i:j:ｉ:ｉ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　 ./:.:.::ﾉ:.:.:. !:./i:i:}=≦′　/:.:.:.:.:/:i:i:=＜:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ}:.:.:.:.:.:.

321 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:34:17 ID:dSIls7nU0

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::。::::ﾟ+:::: :.::::.... ..:::::::.....::::...::::/　　 /　　　　　　　　　 |　　 |x㍉;';';';;;';';'〃;'';';';;'＼￣
──────────/￣￣/￣￣￣￣￣￣￣|￣￣|￣| ""`ｰ '⌒ー- ､;;'ヽ
7777777777777777777/　　 /　　　　　　　　　　 |　　 |　 |「「「「「「「「「「「｢ヾ;;ﾊ
７７７７７７７７７７７７７/￣￣/￣￣￣￣￣￣￣￣|￣￣|￣|ΓΓΓΓΓΓ,,-';;'
　　　　　　　　　 /　　 /　　　　　　　　　　　　 |　　 |　 |:.:.　　＿＿x彡;;'ヾ;
7　/￣/￣/7　　　 /￣￣/￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣￣|￣|:.:.　　 |　　 |　㍉;;';;;
　/＿/＿//　　　 /　　 /　　　　　　　　　　　　 |　　 |　 |:.:.　　 |　　 |　　'⌒
　￣￣￣´ 　　 /￣￣/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣￣|￣|:.:.　　　二二二二
/￣/￣/7 　　 /　　　, -────────-､　|　　 |　 |:.:.　　　|　　 |　　 |
＿/＿//　 /￣￣￣ / / HOTEL　INSPIRE |　 |￣￣￣￣￣｢|　　 |　　 |　　 |
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322 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:34:44 ID:dSIls7nU0

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互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互互
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|_厂| ［] [] [] [] [] [] [] [] [] [] []｜￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_厂￣￣￣￣￣￣￣￣￣|_|

323 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:35:12 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────────────┐
│チェックインを済ませると、まるで永遠の別れを前にしたかのように、強く私を抱きしめた。　　 │
└───────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─…━━　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:＼
　　　　　　　　　/ {　　　　　　　　　　　　　　 ,:':.:.:.:∠二二二二二ス:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　 |　l　　　　　　　　　　　　／/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｢＼
x─── -　.＿|　、　　　　　　　　　　 {_,/l:.:.:.':.:.:./ハ:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.Ⅵヽ. _}　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
───- .､　　 { 　ヽ　　　　　　　　　ｲ′:.:./:._l_l＿ l:|:.:.:.:.:.:.:.Y＿厶:.:l＼＼　　　　　　　　　　　　　　　/　|　　　　／
-──‐…　　　、　　}¨ミヽ.　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.! 　ﾘヽ:.:.:.:.:.:| |:.:.:|:.:.:|:.:ハ. ヽ　　　　　　　　　　　　　/　廴.. 　 ´ ／
── ァ　　　　　　　ﾉ　 } |i:〕iト .　　//:.:.:./Ⅵ :.:.Ｎ　　　＼:./ j:.从:.:. :.:.:.:.:.、{　　　　　　　　　　 / 　ｌ　　　イ
.　／　　イ　　　　　,　|i:i:i:i:i:i:〕iト /:.:.:.,:.:.:.:.|:.:.: x≠气　　　ｘ≠气:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ〉　　　　　　-‐=ァ'7´{　　！　　　´￣￣
　(／　／／￣￣{＼ノ　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼:.:.:.:.:.:.|:.:.:.|""　　　 ,　　　 ""|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.∧　-‐=≦:i:i:i:i:i/　′　　ﾉ　　 _(￣￣
　　 Y_／　　　　　乂__ 　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`ト :.:.|:.:.:.|　　＿＿__ 　　 |:.:.:|:.:.:.:l:.:.ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|　{　　　　　　　､　￣￣
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　　　　　　　　　 =彡:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.|:i:父ゝ :_:_:_:ノ.イ:i:i:|:.:.:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i乂:::::/　　　　　＼ }
　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣厂￣＼:i:i:i:ｉ:|:.:.:.|i:i:i:i| ≧==≦　|i:i:i:|:.:.:|:i:i:i:i:i:i:i:i: ィﾆ¨￣￣￣　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }i:＼:i:i:i/i:ヽ:iﾉ:.:.:.|7i{￣￣厂{￣￣} i|:.:.:.V:i:i:i／i:i:i:i:i:i}
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　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ---:i:i:i:i|iY:.:.ィi〔i:i:i:i:i∨　 | ｄ |　 ∨i:i:i:i:｀ヽ:.:)i:i:}:i:--=}
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　　　　　　　　　　　　　　　　 |i:i:i:i:i:i:i:i:人i:i:i:i:i:i:i:≧===== ≒ ====≦i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーく:i:i:i:i:i:i:i:i:i{:i:i:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼:i:i:i:i:ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀寸:i:i:i:i:i{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}--‐=≦´ ￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣

324 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:36:06 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〕iト．
　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /　二二、
　　　　　　　　 ,:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./ｨ:´:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.r‐─}:.:.:/:.:{:.:.::.:.:.:.＼:.:.:.:.ヽ
　　　　　　 ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ｖ　/:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　　l:.:/:.:.:.:.:.:.:.く .ｲ:.:.:.:.!:|ート､:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:i
　　　　　　　|/:.:.:':.:.:.:.:.:|//|:.:.:.:.Ｎ　x=ミ＼:.:.:.:':.:./:ﾄl
　　　　　　　l':.:.:.l:.:.:.:.: // :|:.:.:.:.|　　以　 V:.:.:/:ｲ
　　　　　　　}:.:.: l/:.:.:ｲ/ゝ !:.:.:. |　　　　　〉'′
　　　　　 /:.:.:./:.:.:.:.:|{:| l:.|:.:.:.:.|　　　 , --/:|
　　　　 ./:.:.:./:.:.:.: ｲ||:| l:.|:.:.:.:.| 　　 {_∨:.:.!　　　　　部屋でシャワーを浴びて旅の汚れを落としたら、
　　　　 /:.:.:.厶イ:.: { :|:|.Ⅵ:.:.:. | 〉ｰ一ｲ:.:.: |
　　　 .':.:.:ｲ:i:i:i:i:i:i:i:iV:i|　i|:.:.:.:.|':i:ｉ:〕ｉト｡|:.:.:.:|　　　　　すぐに逢おうね。
　　　 /:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ト-|:.:.:.:.|⌒}:i:i:i:ｉ:|:.:.:.i|
　　 ./:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:八　!:.:.:. ﾄ. _〉i:i:i:i:|:.:.:.l|
　　/:.:./:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:}¨|:.:.:.:.|　 {:i:i:i:ｉ:|:.:.:.l|
　./:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧=:i:i:i:∧|:.:.:.:.|＿.〉:i:i:i:|:.:.:.l|
　':.:./:i:i､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/:iⅥ:.:.:. |　 |:i:|:i:i:|:.:.:.l|

　　　　　　　　　　　　　、　＿_,
　　　　　　　　　　　､-ー'｀Ｙ＜,__＿
　　　　　　　　　_＿≦ー`__＿　_二ｚ<_＿_,
　　　　　　　＞７ >,＞-‐ ´￣　｀'┴＜
　　　　　＜"之Ｙ／　 ,　 /　　　　　　＼
　　　　　　　八 /:/　, ,/ / : /　/　ﾊ　　、ヽ
　　　　　　 |;ﾚ;, .i : /: |: |: :/l : |.　 /|:ｉ|　 :ヽ '.
　　　　　　　 J　: ﾄ､| : l/Ⅳ-|イ{: :/`ﾄ+ｌﾉ,: : ｉ: |
　　　　　　　ハ{: l:ヽ|:! :!ｨ≠=r ∨ｨ≠=r}: :!:|ハ　　　　　相変わらず大げさね。いいわ。
　　　　　　　　　'; : :V八_{ 下歹　　弋歹ﾊ:Ｎ
　　　　　　　　 }j : :;（_∧.　　　　 '　　 ,ｿ_）　　　　　　　夕食は、私の部屋にルームサービスを取り寄せて
　　　　　　　 /ｲ :! : V 个、　ー　　,ｲ|ﾉ
　　　　　　　　　　|八 : :{ : !:.:r}＞‐　'l∨L ＿　　　　　　　一緒に食べることにしましょう。
　　　　　　　　　　∨ ＼{⌒｛￣＞rく　｝　｢ }＼
　　　　　　　　　　/　　 ∨　{_／　孑 ∨　 Ⅵ　ヽ
　　　　　　　　　｛　　　 |ｉ rく＼　〉 /　　　|ｉ ,/ﾞハ
　　　　　　　　　　〉　　(＼ヽ＼　Yﾞi/　 _,　 ||/ /／)
　　　　　　　 ∧　＿_ヽ｀ｰ　 ∨/　（ヽ／　`∠-っ
　　　　　　　　　｛　 ‘ｰ‐ｭ｀/　　｝　　｝　＼　　(工_
　　　　　　　　　レ个ー-､　　 _ノ　　人_ 　　_x-r┬ '
　　　　　　　　＼|　　／`ｰ /　　/　　 ∧　　＼∨
　　　　　　　　 {　'´　　／/　 /　　 / ハ　　　｝
　　　　　　　　人　／　　　　　　　 /　＼　ﾉ

325 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:36:37 ID:dSIls7nU0

　　　　 | |　　 |: 　　　　 |　　 |　　　;:　　　　　:;　　　　　ｉ　　　　 ;:　　　 ::; 　　　 ||　　 :|　　　::／
　　　　 | |　　 |: 　　　　 |　　 |　　　;:　　　　　:;　　　　 !　　　　 ;:　　　 ::;　　　　 ||　　 :| 　::／
,＿＿_,　|_|＿＿|: 　　　　 |　　 |　　　;:　　　　　:;　　　　　ｉ　　　　 ;:　　　 ;　　i"`i　||　0　 | ／
　　　　ヽ.　　,, -‐=‐ 、,　　 |　　 |　　　;:　　　　　:; 　　　 ! 　　　 ;:　　　 :;　＿_,||＿||　　 :| ￣￣￣〒~〒
　　　　 ∧／　　　　ヽ..　　|　　 |　　　;:　　　　　:;;　　　 .ｉ　　　 ;;:　　　 :;;ｉ＼＿＿||　　 :|　　　　　{-=ﾆ
＝＝＝＝ゝ　　 ,／｀｀ヽ∨_＿＿＿_ ＿;;:＿＿＿_:;;＿　　;!　　　　　;;;　　　:;; | 　l─‐ ||,,,_ 　 |　　　　　{ﾆ=-
　 }: :: :{l　| |　,／、′ノ（ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ　ｉ　　　　　;;;　　　:;;;;| 　|　 .:::||　`ヽ_|　　　　　{-=ﾆ
　 {: :: :}l　|／,(⌒ヽ／ノ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 〃: : ｀} !_　__　_ ; ;;; _＿ _ _:;| 　|　 .:::|ト、 _ :|　　　　　{ﾆ=-
　 }:.:.:.:{|　|ニニニニ { : : : : : : : : : : ──────"、: :（　　　　　　　　　　 | 　|　 .:::||　＼ :|　　　　　{-=ﾆ
匕＿__,,ゝ￣／|　　 ,,）: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ _ノ　　　　　　　　＼|＿_.!||＼　 :|　　　　　{ﾆ=-
≧、=‐、_／　｜　 { : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ||＼.＼|　　　　　{-=ﾆ
　　ヽ、ヽ-= ≦￣￣￣iﾞi、⌒ ⌒ ⌒ ⌒⌒ ⌒　 ⌒ "　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ|_|￣￣￣i!{ﾆ=-
　　　ヾ　　　　　＿＿!.! }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {-=ﾆ
＼＿ _,.ﾞ=-=ﾆ二´　　　iﾞi }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ﾆ=-
　 `-=ﾆﾆ二"´　　　 ,,,|.|,!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {-=ﾆ
　　　　　　　　　　 ,|.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ﾆ=-
　　　　　　　　　　 ,|.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ-=ﾆ
　　　　　　　　　　 ,|.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ≦´──
　　　　　　　　　　　　 ,,|.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {＿＞、--
　_.　--‐‐……‐‐‐ '´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣￣"

326 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:37:26 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────┐
│部屋にやってくると、アーニャはまた私を強く強く抱きしめた。　　　 .│
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
　　　　　　　　　　　　　　　　 .ィ:.:.:.:.:.:.:. -───　ミ:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:／　　-───-　、ヽ:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　＿.厶ィ:.:./／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼{:.:.:.:{7〕iト．
　　　　　　　　　　　　{　／　}:.:.:.:.: /}:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:V ＼ﾉ
　　　　　　　　　 ∨　　/:.:.:.:.:/ ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}、　}
　　　　　　　　　　　　 ,:＼_ｨ:.:.:. _/　　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V:ハ
　　　　　　　　　　　 i:.://:!:.:.:.: l ＼　　ヽ:.:.:.:.ヽ :.:.X´:.:.:.:.:i:.:.:.ﾄ:∧　　　　　　ああ、よかった。
　　　　　　　　　　　 |//!:.|:.:.:.:.:|　　＼　　＼:.:.／　}:.:.:.:.:.:|:.:.:.!V:∧
　　　　　　　　　　 /ｲ:ﾘ: |:.:.:.:.:|　　　　　　　　＼{　　Ⅵ:.:ハ:.:.| Ｖ:.∧　　　　夢じゃないんだ。
　　　　　　　　　 ./:.:./}:从:.:.:.:.| .ｨ==ミ　　　　 z==ミ И:.:.:l:.:ﾄ. ∨:∧
　　　　　　　　　 /:.:.//:.:.:.:.＼:.:〉　　　　　　　　　 l:.:.:从!:.ヽ∨:∧
　　　　　　　　 ./:.:.//:.:.:.|:.:.:.:.:ﾄ{　　　　　　 ′　　　　 /|:.ｲ:.: |:.:.∧ヾ:.:.:ヽ
　　　　　　　　 /:.:.//:.:.:.: |:.:.:.:.:ハ　　　　　- ─┐　　　//|:.:.:.:. l:.:.:.:∧　＼:.＼
　　　　　　　　〃:./ｲ:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.､　　ｰ一 ’　　 .ｲ:.:.:|:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:∧ 　 V:∧
　　　　　厶:./　|:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.父ト　　　　　イ:.:.|:.:. |:.:.:.:. {:.:.:.:.:.:.:.}　　}ｲノ
　　　　　 ./:.:.:{　 |:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.ｨﾊ　￣￣　ハ:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:＼/:|:.:|
　　　　　 /:.:.:./＼j:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:|: イi:/　＼　　／　 {:ｉ〕ｉﾄ|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ　|:.:|
　　　　 ./:.:.:./　　x…─:|:.:':.:.:|:i:ｉr──‐ｚ≧≦──‐┐:i|:.:.:.:.:.|──ミ、:|　|:.:|
　　　　 /:.:.:./ 　 /:i:i:i:i:i:i:ｉl/:.:.: |:i:i{　　　　-} 　 {ｰ　　　 }:i:i|:.:.:.:.:i|:i:i:i:i:i:i:ハ:!　!: |
　　　 ./l:.:.:/　　 ':i:i:i:i:i:i:i: |:.:.:.:.:|:i:iﾊ　　　　廴__j、　　 .ﾊ:i:|:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i∧.ﾉ:. !
　　　 / :|:.ｲ　　/:i:i:i:i:i:i:i:i:/:.:.:.:. |:i:i:∧＿_ノ | 　 | ＼__ ｲ l|ｉ:|:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}:.:.:.:|
　　 ./′|:.:|　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:/:.:.:.:.:.:ﾘ:i:i:{/　　　 :| 　 |　　　ヽ:i:|:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ :.ﾉ

327 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:40:18 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────┐
│不思議だ。暖かくて分厚いアーニャの胸に抱かれて、　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│母音をことさら伸ばした甘ったるいアーニャの言葉を耳にすると、　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│辺り一帯の空気まで柔らかくなる。心身がゆったりと落ち着いてくる。　　　...│
└───────────────────────────────┘

　　　　　　　／　　/　　　　　　　　　　　　　从　　　　　　　＼ゝ
　　　　　　/　　　 i　　 |::::　ヽ　　　　　　　　　ゝ,　　　　　　　ヽ
　　　　　 .′ '　　ﾊ　　ヾ:::　 |＼　ﾊ　| 　ヾ;.　 |:::::　　　　ヽ　|
　　　　 | | │. /　＼. 　ヾ　|　 ! /　!. !　｜ i::: :ト.:::: 　　　　 ∨
　　　　 | | │ﾊ.|　 _ _､　　 | ,.x }/─ トl . /　i::::/:::∨ヽ:::::::　/
　　　　 |ﾊ　V. イ´　　｀ミ､.ｌ ,x=≠ミ.z/／ ,/ V::::::::::: ::::（::::::!|
　　　　　 l!　ゝ.　 l,x＝ミ､　 `　　　　ｲ／ / ) |:::::::::::::::::::＼ |
.　　　　　　　 7∨ 　　　,:　　　／ j.ｲr '_ノ::::::::::::::: ﾊ::::ﾉゝ
.　　　　　　　　ﾊ.　　　　　　 ,　　　　 rイ:::::::::::::::::::::/　　　　アーニャといると幸せな気分になるって、
　　　　　　　　ゝ　　｀　 ´ 　　　.イﾊi!:::::::::::::: //
.　　　　　　　　　　｀　　　　　 , 　　 |　ヾ.::::::::::::ﾊi　　　　　　アーニャのパパも言ってた。
　　　　　　　　　　　　　　＞- r_ﾉヽノ＼／|　 ∨ゝ::|
　　　　　　　　　　　　　　　)::::::::::::::::::::::::::::::{.　　　 `
　　　　　　　　　　　　　ノ:: - ―　… ...－::` …‐- ､
　　　　　　　　　　 _ .．' :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ
　　　　　　　　　　::::::::::::::::: /::ヽ.::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::, :: ,
　　　　　　　　　.:::::::::::::::::ノ::::::::::ゝ::::::::::::::::::::::::|:::/:::／:::::::|
　　　　　　　　　.::::::::::::::::::/| _:::ノ￣｀ヽ _::::::::::|/／:::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　 /ノ　　　　　　　　ヽ:: |.':::::::::::::::::│

328 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:42:32 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────────┐
│にこやかに微笑んでいたアーニャの眉間の皺がいきなりキュッと引き締まった。　　 .│
└───────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　＿__
　　　　　　　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　　 _＿_　.イ:.:.:.:.:.:.:.:≦二二二＼:.＼＿__
　　　　　　　　　　 {_＿＿_ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨__/
　　　　　　　　　　／　　 /:.:.:.:.:./:{:.:.:.:.!:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.:.:.:.:＼7
　　　　　　　　　　ヽ　　ｲ:.:.|:.:.:.:{:ハ:.从:.:.:.:.ハ:.:.:ﾊ:.:.}:.:.:.〈　　　ああ、ブカレストの両親を訪ねて下さったのね。
　　　　　　　　　　　}:∨/l:.:.:l:.:.:.:|二≧= ＼:l≦二 l:.:ﾊ:.:.:「
　　　　　　＞　´ ／　!:.:.:.:､:.:|ー─ 　　ー─ }/:.:.:.ハ　　　すごかったでしょう、警備が。
　　　　／　　..イ:./　/:.:.:.:.: Ｎ　　　　　′　　　|:.:.:.:.|ヽヽ
　　　　　/　／　 //　/:.|:.:. !:.:. l　　　＿_　　　从:.:.:l＼} }
　　　　./　 ′　 /"　ｲ:.: !:.:.:|:.:.:.|　　　{_＿_　　 .ｲ:.:.:.:.:.|ヽ＼
　　　 .《　/　　 /　/:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.: |　、　　　　 .イ:.:l.:.:.:.:.:.| .∧　ヽ
　　　　Ｖ　　 /　/:.:.:. :.:.:|:.:.:.:.:.. ト　≧===　:.:.:.:.:j:.:.:.:.:.:|/ ハ　ﾟ，
　　　　　 .ｲ　/:.:.:.:/:.:. |:.:.:.:.:.:.l{￣〕iトイ￣｀ヽ:.:|:.:.:.:.: | /　 |　￤
　　　　　く__ ｲ:.:.:.:厶斗j:.:.:.:.:.:.ｌ|　　　芥　　　}:i:|:.:.:.:.: l.′　|　│
　　　　　　/:.:.:.:.:.ｲi:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:.:.:.l|￣/　ハ￣`7:i:ｉ|:.:.:.:.: ト．　j.／
　　　　 {:.:.:.:./:.|:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:.:.:.l| ./　/ d ヽ.ｲ:i:i:i|:.:.:.:.: |:i:i:}

　　　　　　／ｧ=　　　　　＞x _　. 　 -─‐- 　、::::＜　　＼
　　　　　　／　　　 r' _,ノ　　　　　　　　　　 :｀ヽ:　:＼
　　　　　 /イ　　　 .r'´ ∨　　　　　　　　　　　　　ヽ:　:ヽ
　　　　 /　/ :/　　 } r'∨ 　　／　　　　､　　　　　':　:丶
　　　　　 / :/::　 .::r' ∨　　　〃　/ !　　　ﾄ､ '.　　　': :ﾘ
　　　　　 |:/l::::: .::::{ ∨′　　.′/　.|　　!　|　　V 　　i: ::ｌ
　　　　　 |　|::::/:::爿 i　　　 l　ハi.｜　　i　LL　!　 | 　!: ::!
　　　　　　 |:::|:::::::::ｉ | ｜　　/､＿､i＼　 |ﾉ_j_｣_｀ト: l 　ｉ:::::|
　　　　　　　|::|!::: |::Ⅵ　v: : : f　iｼﾄ、　＼i　 ,.＝､ﾄ､/ ｌ: :::|
　　　　　　 |ハ:::|､:∧从: : : |ｆ代歹　　　　代歹: : {ﾚｌ:../
　　　　　　　　　Ⅵ V:::Vハ: : : '.　　　　 ′ 　ﾉ: /,ｲ!ﾚ′　　ええ、マンションも豪華で立派だった
　　　　　　　　｀{　V:|ヾ: ﾊ : : ﾄ､　（_｀ｱ　 .ィ: 〃/ ﾘ
　　　　　　　　　　　 . '´￣ﾊ: : |}　＞‐ｧ≦千l　{ﾙ'
　　　　　　　　　　　/　　　{ ﾊ: | 　　 ′} } l｜/ハ
　　　　　　　　　 .′　　ヽ }人ヽ_＿.ノノ丿!′　i
　　　　　　　 i　　　　　ﾄ､　､二二´イノｉ　　|
　　　　　　　　 | ｉ　　　Ｖ　｀ー― '´　 v′　|
　　　　　　　　　ｌｌ　　　　∨ /　　　　　ｉ　　 l
　　　　　　　　　　 |∧　　　 ∨　　　　　　｜　 !

329 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:42:58 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　 -───- ミ＿_
　　　　　　　　　　　　.ｨ:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､ `　､
　　　　　　　　　　 .ノ:.:,,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　i:ト．
　　　　　　　　／:.:.:.:.:‐　ニニニ二二二.. _￣ V:.:-ﾍ
.　　　　　　 /ﾚ　　...:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:}ﾄ1{:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　 ′／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.／　;! ヽ:.:.:ﾄ
　　　　　　 ,　.ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:. く　 /|　/:.:.:!
　　　　　　 }/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.':.:.:.:.:.:.:.:.｀7 广i:.:ﾊ:.|
. 　　　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:i:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./{ ﾊ　!/:.:ｿ
　　　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{　l!:.Ⅵ:.メ
. 　　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.: !:./:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨{:.:.|l ヽ　　　　あれは、それほど大したマンションではないのよ。
　　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:..ｌ:':.:.:／:.:.:/:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:| |:.:.||　i
. 　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.l:.イ:.:.:.: /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:. | |:.:.||　|
　　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:. /| |:.:.|ｌ￤
. 　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.ｲ:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:. イ:.:ﾄ〈:..ﾊ　!
　 /:.:.:.:./:.:.:.:.:ｲ:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.::.:.:ｲ:.:.:≦===仆:.:.:.:.:ﾚ
. /:.:.:.:./:.:.／:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:./:.:.:.:.:／:.:／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ{:.:.:.|
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　　　　　　　　　 !/ /　　　 .ヘヽＶ｣∠ヽ. 　＼＼＼
　　　　　　 _＿ノ／　..　- ､￣　≠‐　- :.:｀ヽへ　　＼＼}
　　　　　　ﾌ　／　　　　　　　　　　｀ヽ:.:Ｖ| !　　Ｖ {
　　　　　　 //／　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵリ　　　 :、
.　　　　　 i//　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾊ　　ｉ　､＼
　　　　　　 /　　./　　 / 　　 !　　 !　､　　　　 ∨｝　 } 　厂｀
　　　　　. |　　./　　 / 　　 !　　 !　　ﾄ､　　　　∨｝ｊ!　ﾄ､　　　そうかなあ。でも普通のルーマニア人の
　　　　　　|　　:i　　ハi　　.|　　! :|　　 V　　　　ｊ/　ｊ! 　ﾚ
　　　　　 |　　:l:　:/＿ V|∧　_|:_|__| 　　ｌ　　　　:ﾊ　/Ｖ⌒ヽ　　アパートと較べると、御殿みたいだったよ。
　　　　 | : : | : : ｆ _,}Ｎ_　ⅤN∨__}N__}N.　　 |-、! ! ! |
　　　　 |: : ∧: l:|ｆ下ｨﾀヽ Ⅵィ卞ｨタ厂}| 　　|rj j!ﾉ｜{　　　　　いまだにチャウシェスク時代の特権が続いているのね。
　　　　 Ⅴ:lヽⅥ|　￣　 '　　　￣´　　| 　　|ﾉ .!ﾊ∧ゝ
　　　　　　ヾ、　＼ """　　　　 """"　,i　　/: :/
　　　　　　　　＼/|: ＞　 . _´｀＿_　　イ:/: : 厶i/
　　　　　　　　　　 _ﾚ＞ '　 /}　　　　 }f: : /　 ||＼
　　　　　　　　　　/´　　　 .|: :`ー一: :´:|: / 　 ,ﾘ　ヽ
　　　　　　　 /　　Ⅴ　ﾊ: : : : : : ;／Ⅳ､　/　　　ﾊ
　　　　　　　　 /　　 }:　　　　｀￣￣　　 |{　＼ / /　　 !
　　　　　　　「{ 　　Y´　　　　　　　　　　　　　 }//　　 }､
　　　　　　ﾊ＼　ｆ　　　　　　　　　　　　　　 i/　　　 {

330 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:43:36 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　 ─…─ ミ
　　　　　　　　　.ィi〔　二二二　　＼
　　　　　　 .／:.:.:/／:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:＼}:.:ヽ
　　　　　ｲ:.:. :.:.|':.:.ハ:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:l:.:.:.:ﾟ，
　　　　　 ./:.: l:.:.:l:`ト､ヽ:.:.:.:.:.厶斗:!:.:. ｢￣〉
　　　　　 /|:.:.:.l:.:.:l:.:{==ミ}＼:.:.:ｘ=ミ:.|:.:.:.|　ヽ　　　　特権なんかじゃないわよ。
　　　　 ∧ﾑ:.:.:.:.､:.:芹刈　　んﾒハ:.:.:.:ﾊ／
.　　／　ィﾊ:.､:.:.:ＮＶツ　,　Ｖツ /:.:.∧ ` ｰ‐┐　でも、あの大げさな警備には、ビックリしたでしょう。
　　　ヽ／ |　|:.}:.:.:.:i""　 r '⌒ヽ."/:.:./: ∧ ト--
　　　　　　|__j∧:.:込、__ ｌ＿＿_}ｲ:. /:.:.:.:.∧｀7　　　ルーマニアのああいうところが我慢ならないの。
　　　　　　 |:.:.:ヽ:.:.:.}ｨi厶--く/:.:.:ﾊ:.:.:ｌ:.:.:.:.∨
　　　　　　 |/:.:.;.:ﾄ:.ハ　芥Ｙ:.:.:/i:i}:.:.|:.:.:.:.:.i
　　　　　　　/:.:./:.:.V:./ト---:{:.:.仏iﾘ:.:.ｉ:.:.:.:.:.|　
　　　　　　 ,:.:.:/:.:.:./:人!､:i:i:i:ij:刈i:i/:.:.; :.:.:.:.:.|
　　　　 /:.:.;.:.:.:.:.{∧i:i:i:＞ｘ:i:i:i:ｉ/i|:./:.:.:/:.:.:!
　　　　　 ':.:.:ｲ:.:.:.:.:.:}i:i:i｀i:i:i:bi:i:i:´:i:ｉ|:':.:.:/}:.:. ′
　　　　　i:.:/│:.:.:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ﾊ:.:.:{,ﾑｲ　
　　　　　|/　:|:.:.:.:.:.}ト :i:i:i:i:ハ:i:i:iイi:i{:.:.:.＼
　　　　　|　　|:.:ﾄ :.:|i:i:i:7:i7:i:i:i:T:i:i:ｉ:∧:.:.:.く｀
　　　　　ゝ.　乂　くi:i:/i:i:{:i:i:i:i:i{:i:i:i:i:i彡、:.ﾊ
　　　　　　　　　　 |｀⌒ 7⌒¨｢￣｀i 　＼ﾉ
　　　　　　　　　 │　　′　│ 　 |

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_ _
　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　｢｀　､/:.:.:.:.:,に二二ス:.:.:.:＼
　　　　　　 ./l　　 /:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:ヽ
　　　　　　 /:.廴.__ｉ:.:.:.:':.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:ヽ:.:.:.:ﾟ，　　　　ほんとに後進国よねえ。
　　　　　　　':.:〈　　 l:.:.:.:.:.＼:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.ｲ／:.:.:. :.:.:.|
　　　　　　ｉ:.:.:.:}　 .ｨ:.:.:.:.:.厶:トミ:.:.:.:/厶ﾐ:.:.:.:.:.:.:.ﾘ　　　　どちらかというと、ヨーロッパじゃなくて、トルコなのよ、
　　　　　　 |:.:.:.:｀７ |:.:.:.:.:.l {r::ﾘ　＼ {r:ﾘﾄ:./:.:.:.′
　　　　　　 |:.:.:.:ノ /|:.:.:.:.:.| ""　　　　 ""|:.:.Ｖ:/　　　　　あの国は。いまだに。
　　　　　　ｌ:イ　ｲ{ |:.:.:.:.:.| 　　＿'_　　从:.:.:|
　　　　／/ ／:.:.:.:|:.:.:.:.:.|、　(＿_У　ｲ:.:.:.:.:.|、　　　　　父は、それと勇敢に闘っていたものだわ
　　　.／　ィ:.:.:.:i:.:.:.|:.:.:.:.:.|父ト　＿ .イ:.:l:.:.:.:.:.:|　、
　　 / 　 /:.:.:.:.: 从: |:.:.:.:.:.|⌒ヾーｧ ==ﾐ !:.:.:.:.: ! 　}＼
　 ./ 　 /:.:.:.:.:./:.:.:ｨｉ|:.:.:.:.:.l 　 -{__}-　　}il:.:.:.:.:.:ﾄ　ﾊ　ヽ
　〈＿/:.:.:.:.:./ィi:i:i:i:|:.:.:.:.:.| ィ７'　ト､___/il:.:.:.:.:.i| }　 }＼/
　　 /:. ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:.:.l　/　cl|　　 Ⅵ:.:.:.:.八j＿j
. 　 /イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:.i./　　 lヽ._＿}i|:.:.:.:.:.:.:.＼

331 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:44:03 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────┐
│頭がこんがらがってきた。「闘う」という言葉の用い方が違うんじゃないか。　　......│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　 !/ /　　　 .ヘヽＶ｣∠ヽ. 　＼＼＼
　　　 _＿ノ／　..　- ､￣　≠‐　- :.:｀ヽへ　　＼＼}
　　　ﾌ　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:.:Ｖ| !　　Ｖ {
　　　 //／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :Ⅵリ : : : : : :、　　━━┓
　　 i//: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨ﾊ: : ｉ: : ､: ＼　　　　┃
　　　 /:: : : : ::| │: : : : : : : :ヽ: : : : |: : : : | ∨｝ : }: : :厂｀　　 .┏┛
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　　　 |: : |: : ｌ:八:|: : : : : : :ﾄ|、:|＼ : | : : : :}∨ｊ/: :ｊ!: : :ﾚ
　　　 |: :ｉ|: : |　人: : |: : 八|∨￣| ∧: : : ﾙ─く/Ｖ⌒ヽ
　　　 |: :ｉ|: : |／　_＼|: /　　γ⌒ヽ |: : //⌒Y｝:厂! !
　　厶八.:ハ.γ⌒ヽ　　　ゝ __ノ |: ∧し///.:|!ﾉ| {
　　　　 |: :＼∧ゝ __ノ　　　　　 (|/＼＼イ : :ﾊ∧ゝ
　　　　 |／∨/ ／/ ）　,　　　（＼　ヽ　',ヽＶＮ
　　　　　〈/　{∨ /　　　＿　ヽ丶 |　| | |八
　　　　　　 {　 |/ 〈、　　￣　　　 }　j_|　ｌ | |＼
　　　　　　　 j　　} ＞　　 _,..　ィﾉ　｀　｀　}　〉ー---――-､
　　　　　　丶、 '⌒丶　 ∨|く／　　　　　/　/　　　　　／
　　　　　　 /{￣＼　　＼ﾏ7　　　　 /　/　　　　　/　　　　|

332 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:44:29 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────────────────┐
│あの体制に与しながら自分の子どもたちだけを国外に逃がすことが「闘い」と呼べるのだろうか。　　　.│
└──────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.＼
　　　　　　　　_ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::＼　　 ,
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　　　　　　　　　＞:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:./:.:.:.:.:.:.:.:ﾚ:.:.:/
　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´
　　　　　　　　｀ -､:.:.:/:.／/ ゞ:.x ､-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　ﾚ､:ﾚ´∧ /　｀　＼　.ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r､_::ゝ
　　　　　　　　　　　ミ,;,;:.::|　　　　　｀＞ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
　　　　 ,＿＿ r‐─ v'´　ヽ　　　　　／ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
　　 /.: : : : : : ＼: : : :＼　､　　　_　ヽ '´ |'' ´ ﾚハ:.:./
　　/／＼: : : : : : ＼: : :: :>v ＼　ヾ_ , -―
　.//: : : : :＼: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :＼: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : ＼//: :/ヽ

333 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:45:01 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────────────────┐
│それに、国是で国民の平等を唱えながらあれだけ貧富の差があったら、警備しなくては危険だろうに。　　　　.│
└─────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､-─- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′｡_,.-－､°　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! -〈　｡　　丶 _,.!、　||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ィﾞ｢ヾ:､＿,.､-''"⌒)　.||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ﾑ　 |:|_　ィ'"￣ヽ､ ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `<!ﾚ'´ﾆ￣｀`''ｰl.||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,..､-''"＾丶、丶、￣三!L、
　　　　　　　＿＿,,..　-ｧ''"￣｀｢´｀ヽ丶､　　　　　ヽ.　　i ￣|ヾ!
　　⊂ニ"￣　　　　　i |　　　　　　　　　　　　　　　 /　　|　　| |′
　　　　　＼　　＞ー-ゝ､＿_　　　　　　　　　　　／　　 |／｜|!
　　　　　　 `ｰ'´　　　　　　＿￣￣￣￣|￣＼ /　ヾ、 l三_| |
　　　　　　　　　　　　　／　 _ヽ　　 _／__r｢丁丁x!　　 rェ工_
　　　　　　　　　　.　／ヾ／_ ￣￣　| iｆ　!二エニ´　　l　｀7 ））
　　　　　　　　　　／.／へﾁ､_｀ヾ､　_| ｣　|｜|　|_x]　　j　 l/･/./
　　　　　　　　　　`<／　｀￣`<Yナ''´ ト|　rィT T x]　 i’　i￣厂!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_∟ﾌ　天＿　└＝ァｭノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　下-‐"＿＿￣｀"''ｆ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´￣　　ﾊヽ｀｢ヽ|　`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼　　　　　　　　| ､ヽ　,ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ＼､　　　　　　　　|=＝彳 |

334 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:45:24 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_ _
　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　｢｀　､/:.:.:.:.:,に二二ス:.:.:.:＼
　　　　　　 ./l　　 /:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:ヽ
　　　　　　 /:.廴.__ｉ:.:.:.:':.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:ヽ:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　　':.:〈　　 l:.:.:.:.:.:.廾:ﾊ:.:.:.:.:.:.ｲ--:.:.:. :.:.:.|
　　　　　　ｉ:.:.:.:}　 .ｨ:.:.:.:.:.厶:トミ:.:.:.:/厶ﾐ:.:.:.:.:.:.:.ﾘ
　　　　　　 |:.:.:.:｀７ |:.:.:.:.:.l {r::ﾘ　＼ {r:ﾘﾄ:./:.:.:.′
　　　　　　 |:.:.:.:ノ /|:.:.:.:.:.| ""　　　　 ""|:.:.Ｖ:/　　　　　マリ、どうしたの、難しい顔して？
　　　　　　ｌ:イ　ｲ{ |:.:.:.:.:.| 　　　 '　　从:.:.:|
　　　　／/ ／:.:.:.:|:.:.:.:.:.|、　 r ‐ｯ　ｲ:.:.:.:.:.|、　　　　　
　　　.／　ィ:.:.:.:i:.:.:.|:.:.:.:.:.|父ト　＿ .イ:.:l:.:.:.:.:.:|　、
　　 / 　 /:.:.:.:.: 从: |:.:.:.:.:.|⌒ヾーｧ ==ﾐ !:.:.:.:.: ! 　}＼
　 ./ 　 /:.:.:.:.:./:.:.:ｨｉ|:.:.:.:.:.l 　 -{__}-　　}il:.:.:.:.:.:ﾄ　ﾊ　ヽ
　〈＿/:.:.:.:.:./ィi:i:i:i:|:.:.:.:.:.| ィ７'　ト､___/il:.:.:.:.:.i| }　 }＼/
　　 /:. ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:.:.l　/　cl|　　 Ⅵ:.:.:.:.八j＿j
. 　 /イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:.i./　　 lヽ._＿}i|:.:.:.:.:.:.:.＼

335 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:45:51 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　＿　、　　　ィ
.　　　　　　　　 ≧⌒ ｀‐イ⌒≧
.　　　　／´￣｀　　　　＿　　＼
　　　　 //　　　　　イ´　⌒ヾ―-　＿
.　　　 / ／´　　／　　　　,　-‐-　　 _ ﾆ= 、
　　　 / / ィ　　 /　　　　／　　　　　　　　　　｀ヽ
.　　 /ｲ./　　　/　　　　´　　 /　/　/　i　　　　　ヽ
　　　 }/　　 /　　　 /　　　 /　/　/　 .|　　 i　　　｀
　　　 /　　 ,　　　　 , 　　ｲ　/　ｲ　　 l　　 ' |
　　　 ,　　 .|　　　　 |　　寸7Tヽ l　　 l　ｲ　l　　　}
　　　 | , 　 |　　　　 |　　ｬzぇミ、 |　　 '７寸ﾊ}　/　'
　　　 }ﾊ　.∧ 　 i　 .l　　{　弋タ　ヽ、/ ｾﾃぇ､ｲ　/
.　　　　 ∨　 ,　ﾊ　、　l　￣　　　 ′ゞノ /　/　　　　　アーニャは、その遅れた体制を変えるために闘ったの？
　　　　　 }　.∧　　}　 {、{　　　　　　　　,　／{ /
. 　　　 {ﾊ/　ヽ　ﾄ、ﾄヾゝ　　　　　　　　イ/
　　　　　　　 } ﾚﾊﾍヽ、　　　こ⊃　 ´
　　　　　　　　　　　　}＿　　≧ｭ　_　イ
　　　　　　　　ﾉ三≧ュ＿　ィ/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿
　　　　　　　　　　　　　＿__ ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　 }＿_ ':.:./二二二､:.:.:.:.:ヽ_＿_
　　　　　　　　　　　〈　 /:.:.:.':.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.`:.:.:.:〈＿ｨ′　あの国を出ることが私の戦いだったのよ。
　　　　　　　　　｀7:.:.:./X:.{:.:.:.:.厶イ:.:.:.:.:.{＿_{
　　　　　　　　　　　 ':.:.l:. 芹ﾐ:.:.:.:' ィ芯l:.:.:.:!　く　　　　もちろん、国を出たのは、彼に出逢ったことが大きいけれど。
　　　　　　　　　　　　　i:.:.:Ｎ　じ＼l　じﾊ:.:.:.l:.:.､＼
　　　　　　　　ｨｌ|　　 .l:.:.:ハ" 　 '　　 "" }:.:.:|:.:.:ﾄヽ｀ニニニヽ
　　　　　　　//　ﾚ1　　|:.:.:.:込、ｰ　´　ィi:.:.:.|:.:.:|＼＼　　　､〉
　　　　　 ′　' /　　,|:.:./ｨf⌒≧=≦─ｵ:.:.:|:.从　ヽ　、
　　　　　 {　　ｲ　ｲi|:ｲ:i|i:| 　芥ﾄ　 /i|:.:.:ﾑ:.:∧　　＼_〉
　　　　　／ト-彡、　{:i:i|:.li:i|i:i`T´　/`彡 i:|:.:.|:i:i:ヽ:.:.:.、
.　　　　 {ト==':i:i:i:i}　 }i:ｉ|:.|i:ﾊ:i:i:|　 ,　/:i:i:i:ｉ|:.:.|:i:i:i:i:V:.:.:＼
.　　　　 |:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｲ　/i:/:.八/:i:i:! 　厶イ:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i}:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 V:i:i:i:i:i:i:i∨:iｲ:./:i:i{:i:i:i:i∨/:i:i:i:|i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:ﾑ:.:.:.:.:.:.:.:...、
　　　　 }:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:/:ｲ:i:i:∧:i:i:/:i':i:i:ｉ:/:i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
　　　　 V:i:i:i:i:i:/:i/:.:.{:i:i:i:i: V/:i:i:ｉ:／:i:i:i:i:|:.:.|:i:i:i:i:i:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}

336 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:46:23 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────────────────────┐
│アーニャは、スペンサー伯爵の血を引く夫との出会いについて語った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│それから、今の旅行雑誌の編集の仕事について、音楽評論家の夫と二人の娘との生活について話した。　　　...│
└──────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
　　　　　　　　　　　　　　　　 .ィ:.:.:.:.:.:.:. -───　ミ:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:／　　-───-　、ヽ:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　＿.厶ィ:.:./／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼{:.:.:.:{7〕iト．
　　　　　　　　　　　　{　／　}:.:.:.:.: /}:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:V ＼ﾉ
　　　　　　　　　 ∨　　/:.:.:.:.:/ ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}、　}
　　　　　　　　　　　　 ,:＼_ｨ:.:.:. _/　　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V:ハ
　　　　　　　　　　　 i:.://:!:.:.:.: l ＼　　ヽ:.:.:.:.ヽ :.:.X´:.:.:.:.:i:.:.:.ﾄ:∧
　　　　　　　　　　　 |//!:.|:.:.:.:.:|　　＼　　＼:.:.／　}:.:.:.:.:.:|:.:.:.!V:∧
　　　　　　　　　　 /ｲ:ﾘ: |:.:.:.:.:|　　　　　　　　＼{　　Ⅵ:.:ハ:.:.| Ｖ:.∧
　　　　　　　　　 ./:.:./}:从:.:.:.:.| .ｨ==ミ　　　　 z==ミ И:.:.:l:.:ﾄ. ∨:∧
　　　　　　　　　 /:.:.//:.:.:.:.＼:.:〉　　　　　　　　　 l:.:.:从!:.ヽ∨:∧
　　　　　　　　 ./:.:.//:.:.:.|:.:.:.:.:ﾄ{　　　　　　 ′　　　　 /|:.ｲ:.: |:.:.∧ヾ:.:.:ヽ
　　　　　　　　 /:.:.//:.:.:.: |:.:.:.:.:ハ　　　　　- ─┐　　　//|:.:.:.:. l:.:.:.:∧　＼:.＼
　　　　　　　　〃:./ｲ:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.､　　ｰ一 ’　　 .ｲ:.:.:|:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:∧ 　 V:∧
　　　　　厶:./　|:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.父ト　　　　　イ:.:.|:.:. |:.:.:.:. {:.:.:.:.:.:.:.}　　}ｲノ
　　　　　 ./:.:.:{　 |:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.ｨﾊ　￣￣　ハ:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:＼/:|:.:|
　　　　　 /:.:.:./＼j:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:|: イi:/　＼　　／　 {:ｉ〕ｉﾄ|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ　|:.:|
　　　　 ./:.:.:./　　x…─:|:.:':.:.:|:i:ｉr──‐ｚ≧≦──‐┐:i|:.:.:.:.:.|──ミ、:|　|:.:|
　　　　 /:.:.:./ 　 /:i:i:i:i:i:i:ｉl/:.:.: |:i:i{　　　　-} 　 {ｰ　　　 }:i:i|:.:.:.:.:i|:i:i:i:i:i:i:ハ:!　!: |
　　　 ./l:.:.:/　　 ':i:i:i:i:i:i:i: |:.:.:.:.:|:i:iﾊ　　　　廴__j、　　 .ﾊ:i:|:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i∧.ﾉ:. !
　　　 / :|:.ｲ　　/:i:i:i:i:i:i:i:i:/:.:.:.:. |:i:i:∧＿_ノ | 　 | ＼__ ｲ l|ｉ:|:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}:.:.:.:|
　　 ./′|:.:|　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:/:.:.:.:.:.:ﾘ:i:i:{/　　　 :| 　 |　　　ヽ:i:|:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ :.ﾉ

337 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:46:58 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────────────────┐
│もともとゆっくりした話し方なのが、英語が苦手な私のために、さらに間延びした話し方になったが、　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│今の生活に心から満足していることは、言葉の端々から伝わってきた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
└───────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　 ─……─　ミ
　　　　　　　　　　　　　　ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
　　　　　　　　／:.:.:.:　　-──…＼:.:.:.:.:.:､:_:.＼
　　　　　　　　　 /:.:.:.:.／　　　 ─‐……＼:.:.:.:{__￣{ヽ
　　　　　　　　 r‐}:.:.:.:.:′ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.ヽ`７ハ
　　　　　　　 ∨:.:.:.:.:l/:./:.:.:.:.:.:.:.ｌﾄ､:.:.:.:.:--:.:.:.!:.:.:.∨:.:.:.ﾟ，
　　　　　　　 /:.:.:.:.:./:.ハ:.:{:.:.:.:.:.:|　.Ｘ:.:.、:.:.:. |:.:.:.:.:ﾟ，:.: ∧
.　　　　　　 /:.:.:.:.:.:':_/__ }:ﾊ:.:.:.:.:.| /　ヾ＼:.:ｌ|:.:.:.:.:.:ト:.:.:.:∧
　　　　　　 /:.:.:.:.:.: !:.:{ 　 `　＼:.:.l　　　　 `ﾄ:.:.:.:.:.| ､＼:.:.:.
.　　　　　 /:ｲ:. !:.:.:.|:.∧　　　　ヾ　　 ==≦　:!:.:.:.:.: l＼ヽ.＼{
　　　　　　　{　{ﾊ仆.:.ｌ:.:.:!:ヽ ===　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:|:.:. ヽ.＼＼
.　　　　　　 V/　|:.:.:＼:.{:.:.:.:.､　　 ′　　　　　 ,|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.}　l}.ノ
　　　　　　　 {l〉　|:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:込、　ｰ　’　　／ |:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:∨:.:.{
.　　　　　〈| 　:!:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:〕iト　-- 　／:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　 |:.:.:.:.::.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}　.ィi〔　 !:.:.:.:.: |==ｨ77777ヽ
　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.{:_:_:_:_:.厂￣ヽ/／￣￣|:.:.:.:.:.i|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧
　　　　　　　　 |:.:.:.:.:..:|:i:i:ｲ:i:i}　　 -にト　　　 |:.:.:.:.:.l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ
　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:l|:i〈:i:i:i:廴 __ノ八＿_＿,|:.:.:.:.:.l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:l
　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:/　　 }./　　ヾ:i:ｉ:|:.:.:.:.:.l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|

338 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:47:23 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────┐
│その中で何度も、「アッパーミドルクラス」というフレーズを吐いた。　　　 .│
└──────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢Ｖ:.:.:.:.:.:.:∠二二二二､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:ヽー──‐┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彳:.:.:.:厶斗ミ:.:.:.:.:.:.:.:_＿_ｌ_:.:.:.ﾟ，:.:.:.、　　〈
　　　　　　　　　　今の私と家族の暮らしはね、イギリスの典型的な　　　　　　　　 i:.:/:.: l:.:.:./::.l:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.|:.:｀:.:.:.V:.:.!＞===､」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｲ:.:.从:./　}ﾊ:.:.:.:|　 }:.:.:ハ:j:.:.:./:.:. !　　＼:.:.
　　　　　　　　　　中流階級の上の方に分類されるんじゃあないかしら。　　　　　　 |:l:.:.:.:.:.}:v==ミ＼:l　＿_　 :|:.:/:.:.:.:.|＼　 /:.:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾊ}:.:.:.:.:.|/i/i　　 `　￣｀ヽ|:.':.:.:.:.: ト:.:.∨:.:.:|
　　　　　　　　　　夫の収入も、私の収入も、中の上あたりだと思うの。　　　　　　　ﾉ:.:.:.:.:i|　　 '　　　 /i/i/|:.:.:.:.:.:. |　}:.:.:.:.:. !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:.:.:.:.:.:八　　､　＿　　　 |/:.:.:.:.:厶ｲｌ:.:.:.:从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:/:.:.:.:ヽ　　ｰ─’　　/:.:.:.:.:/:.:.:八:.:.:.:.:.:.:.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:ｲ:.:.:.:.:.:.;r＼　　　　ィ/:.:.:.:.:/:.:.:.:{:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:{　　｀ニ　 ./:.:.:.:.:/￣}:.:.ヾ:.:.:.:＼:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{:.:.:.:.:.:ｉ　 V:.:ハヽ　　　ｲ:.:.:.:.:/　　ﾊ:.:.:从:.:.:.:.:.:.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ:.:.:.:.:|　　}:.:ィi》　ノ　/ l|:.:.:.:ｲ＿　} ∨　 }:.:.:.:.:.:.:

339 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:48:00 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────┐
│という具合である。　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│心の狭い私は、思わず皮肉ってしまった。　　　...│
└────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　ヽ　V/　/ /
　　　　　　　　　　　＿＿ , ．イ　　　　　　　V }　　イﾆミー- ﾉ
　　　　　　　　　　　￣¨ー .,　　　　　／ヽ　　　／　ヽ　r-イ
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　./:::...:.＞＝<_＿:.:ハ＼
　　　　　　　　　　　 .／　　　　　 i / ＜´　　　　　　＞::>　＞..._
　　　　　､＿＿ , ィ　　　／　　ﾊ !　　,, -　　　　　　　ハ从＜
　　　　　　　￣￣＝ ≠　 { i　　 /八! ／　　　　　　　　　　 }/　ヾﾐ;､
　　　　　　　　　　 /　　　!i!　 //　 ,'　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 ,'　　　ﾊ　川　/　　,　　　　 /　　　　　　　ハ
　　　　　　　 /　　　　 ∧ |　 ,　　,'　　　　 ,ｨ　　　　 ,'　　 i　　　 .
　　　　　　　／　_,　　　　 }!　i　　,'　　　,／ ,'　　　/ /i 　 ./|　　　ﾊ
　　　　　　　／　イ7　　　　　 |　 |　 ,'　´¨,ﾃﾅ=i‐- 　ｨ／十-.|,,_i　　　 .i
　　　　　　　￣　　i　　　i!　从　 | .i l 卞ヮｪ\,.!_／./｜　／ヽ川,;　　　 .|
　　　　　　　　　　 |　 / .|　　 ∧ .| .| l　､ﾞ气彳　ﾞ'　　l／f''仗'‐,.ﾉ/　　　.|
　　　　　　　　　人八 {､　 ,' ∧ >　l,　｀ｰ- '.´ 　　　ﾞ”　, //　 / ﾉ.,'
　　　　　　　／　| {_ ノ!　　　|::|{　＼!　　　　　　　　　　￣　ｲ.//／./
　　　　　　　　　　　Vーイ{ 　　|::|　ト.､ >　　　　　　　　　'　　イ／
　　　　　　　　　　　 /　　　.|::|　|::|::|　　　　　　　　　　　　,ｨ'　　ルーマニアで特権階級に属するよりは、
　　　　　　　　　　　　 /　／Yﾟ|::|　|::|::|､　　　　.　⊂⊃　,／
　　　　　　　　　 /..／　ﾄ.|::|　川ﾟ|　＞ ,_　　　,　.＜　　　　　　イギリスで中流の上に属する方が居心地がいい？
　　　　　　　　　ー "　　　ﾉ/!_|　 .|: |,,,__ 　　　i´
　　　　　　　　　　　　　　　　y'　｀~~"'-ミ二ﾆl
　　　　　　　　　　　　　　　＞'"　　　　　　　　　ｔ、
　　　　　　　　　　　　　　'"　　　　　　　　　　　　　ﾞ''

　　　　　　　　　　　　＿_ __
　　　　　　　　　．　´:.:.:.:.:.:.:.:.`:..、
　　　　　　／:.:.:／──‐-ﾍ:.:.:.＼
　　　　　　 ':.:.:／　--======ミ:.:.:.:.ヽ
　　　　 //:.:.:∧:.:.:.:.＼:.:.:＼:.:.}:.:《` ー┐
　　　　｢/|:.:.:/､ヽ :.:.:.ﾄ:＼:.:.:メ:.:.:{ ＼__.!
　　　　{/ l|:.:.:|　＼＼:| ヽ:.×　!:.:.ﾟ， .ﾊ
　　　廴_|:.:.:| 芹莉　　／イ莉|:.:.:.|イ:.:i　　　特権って、マリは、私と私の家族が
　　　　|:.:.|l:.:. !　ﾋリ　　　ヒリ|:.:.:.| |{:.:|
　　　　|:.:.||:.:.:ﾄ　　　 ′　　　　,|:.:.:.| |ｌ:.:|　　特権を享受したと思い込んでいるのね。
　　　　l:.:/|:.:.:|:.:〕iト　_丶 __ .イ:.|:.:.:.| |》:.!
　　　　|:ｌ从:.:.{:.:.:.:.;r‐ヘイiトﾐ:.:.:|:.:.:从!:.:|
　　　　|:.:.:.:.ヽ:.:／ /に芥ス　{:.:{:./:.:.:|:.:.!　　あんなの、特権なものですか！
　　　　|:i:.:.:.:.:.〈　./{　ﾑﾏﾊ　 Vｲ:.:.:.:.l:.:.|
　　　　lﾊ:.:.:.i:.∧ ヽ}　У {:.:ﾟ,　{:.l:.:.:.:.:|:. |　　ここの下層階級の人の方が、物質的には恵まれてるわ。
　　　　|　}:.:.|:.:.:.:ゝﾉ ./　　｀l}　|:.|:.:.:.:.:!:.:{
　　　　|　ヽ!ﾄ :.:.:.:i／ゝ __.ノﾄｰ}:.!:.:.:.: !:.:|
　　　　　　　＼{:i:i:i:i:i:ｉ:／しﾉ:.ﾄ :.:.:.l:.！
　　　　　　　　　　i`ーrく＿_{:.:.:! ＼:j:.:.|
　　　　　　　　　　|// ﾄ. ∨/∧:j　　 |:.ハ
　　　　　　　　　　|// |.　 ∨/∧_　　′
　　　　　　　にス!　　込ス_}
　　　　　　　　　￣　　　　￣

340 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:48:34 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー--≧ 　 V　ﾚ´{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,フ'　　　　　　　　　__｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　-‐　　　≦＝=､､-､　　　　　＼｀ヽ
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､ }　　　｀フ
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ|　　　｀ヽ
　　　　∠ニ´_/　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 |　 }人　{ヽ.　＼ヾ
　　　　　　 /　　　　　/!　　　　ﾄ　|　ヽ　　.| 　ﾐ　　ﾉ　ヽ._
　　　　　　 |　　　　　/ |　|　　　 | | | ヽ |　　| ヽ }　　 {´￣
　　　　　 }|　　　　 / __| ||　ヽ､|__ﾘ＿_ ヽ!　 |V-/,ｲ人
　　　　　　ﾘ|　|　　_／　ﾘ |　| /　y　　　　ﾘ|　i´[]´　/.ﾉ
　　　　　　　 |　､ | |jィ=≠ァ! // 　ィ≠=ァ　! ´|/|　| |/　　　でも、ルーマニアの普通の人たちの暮らしに較べると、
　　　　　　　ヽ　､| | 弋付ソ|/"　　弋ｲタ　　|　|ノ/
　　　　　　　　＼v||　　　　　　　　　　　 !　!/　　　　　　はるかに恵まれてるでしょう？
　　　　　　　　　　 |ヽ　　　　ヽ　　　　　　　／|　ﾄ,
　　　　　　　＿_　　|ヽ　　　　　　　　　ｲ､/ 　| }＿......,,__
　　　　　／　　｀ーヽ　ヽ､_ .　 ‐ ‐ 　／ .ﾉ/ 　./　／　　　ヽ
　　　　　|　￣＼　　ヽ　ヽ　＼ｰ ‐ ´ ／ i 　 /　/　　　　ヽ
　　　　　|　　　　ヽ　　ヽ　＼　＼__／　　|　/ 　 }　　　　　 {
　　　　 |/　　　　＼j　|　 |;;}　/;;;;;ヽ　／!/　／　　　　　　　}
　　　　 /　　　　 {　　|　| ./;;;{人;;;;;;;∧/;;;/ﾘ　 |　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　 -─━━　ミ
　　　　　　　　　　　　　ィ／二二二　＼:.:.＼
　　　　　　　　　／:.:/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ l:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　_/:.:／:.:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:l＿_
　　　　　　　　　 Vイ:.:.:.:..:./ハ:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.l:.:｢￣　　/
　　　　　　　　　廴|:.:.:､:.:.l ＼ｌ:.:.:.ト／Ｖ从:.:トﾍーくニヽ
　　　　　　　　　　.ｲ:.:.:.:.:Ｎ芹苅ﾄ　 .ｲ苅笊:. l　}: ＼＼＼＼
　　　　　　 .／ハ:.: :.:.:ﾊ　Vﾂ　　 Vツ |:.:.:|ｲ:.:.:.:.:|＼＼_ノ
　　　　　　／/ |　 V:.:.:.:八""　`　　 "" :.:.|:l:.:.:.:.:.|　 )＿)
　　　　　　 '　 {　|　　ヽ∨:父ト　ｰ　 .ィ:.:|:.:.从:.:.:.:.:||　　　　　　　　　　さあ
　　　　　　レ’⌒　　　 }:.:.:.:.:l:.:ィi￣　 _刈:/:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　 .ｲ:.:.:.:／},ハ厂＼〃i:ｉ＼:.:.:.:.|
　　　　　　　　　／:/:.:.ｲi:i:rf/｀7´ヽi/:ﾑ:i:i:i:i:iＹ:.:.|
　　　　　　　　 .／:.:.:,:.:.,i:i:i:i/ﾚ廴ハ_/i|:.|:i:i:i:i:i:i:i|: 八
　　　　　 .／:.:.:.:.:/:/i:/i:i:ﾄ､|　}／i:i:ｉ|:.|:i:ヽ:i:i:i:|:.:.:.:.:ヽ
　　　　　／:.:.:/:.: /:ｲi:ハ:i:i!　/ｲi:i:ｉ／|:.|:i:i:i:Y:i:i|:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　,:.:.:.:.:./l:. /:.: lY:i:i:i:ヽV/:i:イ:i:i:ｉ|:.|:i:i:i:i} i:i|:.:.:.:､:.:.:.:.: ＼

341 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:48:56 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　...::´　　/　　　　　　　　　 ∨|!　　　 /　　丶､＼
　　　　　　,..:'　　　 /　　　.、　　　　　　　　川　　　 |　　　　ヽ￣
　　ー=彡'　　.'､＼＼　　｀ヽ　 !　　　　ハ　　　! 　 .|　}
. 　　　 ,'　　　.i.i.|.　＼＼＼　 !　ﾄ､　　　 } ﾉ　　　{　　ﾄ､!
　　　　　i　　　川　　　＼＼＼}　 !ミﾐﾄ､　 //　..　　!　　.}
　　　　 |　　 i , |.|　　　　 .斗-┼　!ミﾐﾄ､　＞､ .　　i　　人
　　　　 |　　 |.i i |　　 ´ ,,,r=≠i|　ﾄ､ﾐＹ´｀ヽ　/　Ｙ´＼ゝ
　　　　　!　　 |ﾘﾘ　　 .〃（ ●ﾉi　 |　!ｉ　{､. ﾘ '　 /　 ,{　ヾ
　　　　 |　　 |ｆトﾐ　　　　　 "　｜｜ﾘ　ｒ'./ i　 /　　人ﾄ､
.　　　ﾉ人川(..●）　　　　　　 !　i　　 ,ｲ /　/　　/ |/　｀　　　　　　ミルチャに逢ったのよ
　　／´　.从ﾊ　ヽ　　　　　　ヽ|　　∧ ハ从　/　 ′
　　　　　　　　ﾍ.　　　　　　　　　./　/ 　/　∨
　　　　　　　　　ﾉ＼　￣´　　　　／.-‐ "´￣￣￣￣}
　　　　　　　i''￣￣｀ミト.､　　 ..ｲ　´　　　　　　　 |
　　　　　　　|三三＞. 　｀＜´ _ _ ..-‐≠三三三三三{
　　　　　　　トﾆ三三ﾆ＞..､　｀　＜三三三三三三ﾆ!
. 　　　　ﾉト.、｀ヽ三三三＞..、　　｀ー=≠ﾆニニニゝ---､
　　　　　　 !/::::::::ﾄ､　｀ﾞ＜三三三三二二ニニニニニニニミ＼
　　　　　 |',:::::::::i´ ＼　　｀＜三三三三三三三三三三三ﾆﾐ､＼
　　　　　 |::V::::::!___..ノ>､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_｀ヾ三三ﾐ､＼
　　　　　 |::::V／　／::::|　/::::::|　　　∨::::::::::::::::::/::::/:::｀ヽ.＼三ﾆヽ　＼

342 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:49:19 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────────┐
│アーニャは、一瞬、露骨に嫌な顔をして、次にそれを取り繕うように微笑んだ。　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│ミルチャに逢うと言ったときに、アーニャのママが見せた苦しい微笑みとそっくりだ。　　　....│
└─────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐……‐
　　　　　　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:,;.:.:.:.:.:.:〕iト
　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　 _/_:.:.:.:.:.:/　二二二二二＼:.:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　　　　　　く／》:.:.:./ィ´:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:＼{:.:.:.ト￣｀7
　　　　　　　　　　　 }　/:.:.:/:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.:. :.:.:.|　 .У
　　　　　　　　　　　ﾊｨ′:.:.:.:.:/　 }ヽ:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:廴,ｲ:.
　　　　　　　　　　 .':.:.i:.:.:.:.:.､/　 / 　＼:.:.:|ヽ:.:.:.|_:.:.:.:.:.Ⅵ:.:i
　　　　　　　　　 i: /|:.:.:.:.:. !`ー‐一　　ヽj斗匕ﾊ:.:.:.:.:ｌ| |:.:|
　　　　　　　　　 |:.{ {ｲ:{:.:.:.|v≠=ﾐ　　　　ィ=≒ﾐ:.:.:.:. | |:.:|
　　　　　　　　　 |:.l/ |ハ:.:.! 戈夕`　　　戈夕 }:/:.:.:.| N:|
　　　　　　　　　ｨ:/ /|:.:.:.:.:ﾄ　￣　　､　　￣　ﾑ:.:.:.:.|Vヽ＼
　　　　　　　　　/i:i/ /:i:!:.:.:.: |ゝ.　　　　　　　 .ｲ|:.:.:.:.:.|i:}:i:i:Ⅵ
　　　　　　　　 .:i:i/ / |:ｉ|:.:.:.:.:|:i:i:〕ト. 　 `^　　.イ:i:i:|:.:.:.:.:.|i:iヽ:i:i:}
　　　　　　　 {:i:i:Ｖヽ|:ｉ|:.:.:.:.:|:i:i:i:|＿≧==≦__.|:i:i:i|:.:.:.:.:.|i:i:i:}〉i:|
　　　　　　 V:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:|:i:i〈　　 ‐{__}‐　　〉i |:.:.:.:.:.|i:i:i:i:ｉ/|
　　　　　　　　　|V:i:i:i:i: |:.:.:.:.:|:i:i:i:}　　ｲ芥ﾄ.　　{:i:ｉ:|:.:.:.:.:l|i:i:i:i:{:.:!
　　　　　　　　　|:.}:i:i:i:i: |:.:.:.:.:|:i:ｉ:/￣　 | d　￣ヾ:ｉ|:.:.:.:.:l|i:i:i:iﾊ:.!
　　　　　　　　　|:.|:i:i:i:i: |:.i:.:.:.|:i:ｉ{　　　￤:|　　　　}i|:.:.:.:.:l|i:ｉ:/:.:.:|
　　　　　　　　　|:.:V:i:i:i |:.l:.:.:.|:ヾ:i:〕iト､.ｊ　!__ ィi〔:i: l:.:.:.:.:ﾘi:i':.:.:.:.|
　　　　　　　　　|:.:.:ﾟ，:i:i乂.:.:.|:i:i:i:＼:i:i:≧≦:i:i:i:i:i:ｉ:|:.:.:./:i:i:{:.:.:.: !
　　　　　　　　　|:.:.:.:}i:i:i:i:i:iヾ:ト:-:-:i:i≧≠=:-:-:-ｲ:!:.:ｲ:i:i:i/:.:.:.: !
　　　　　　　　　|:.:.:.:|i:i:i:i:i:i: }:|:i:|:i:i:i:i:i::i:i:i:/:i:i:i:i:{:i:i:i|:.:.{:i:i:i |:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　|:.:.:.:|i:i:i:i:i:i:i从:i|:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:i:i:i:i:ｉ|:i:i:i|:.:ﾊ:i:i: l:.:.:.:,ｌ|
　　　　　　　　乂:. !i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:i:i:i:i:i:i:/i:i:V:i:i: |:i:i:iﾚ:i:i:i:i:ｉ:|:.:./.ﾘ
　　　　　　　　 /i|i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:|:i:i:i:i:ｉ/i:i:i:i:iV:i:ｉ|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉⅣ /

343 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:49:48 ID:dSIls7nU0

　　　　＿＿＿＿ _
/｀ヽイ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〕iト．
＼　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
:.:.:.＼　／:.:.:.:.:∠二二ーミ:.:.:ヽ￣}
￣￣ノ:.:.:.:.:..:./:.:.:.:.:.:.:.:.:〕iト．ヽ:.:.∨ヽ
.イ./ 7:.:.:.:.:.:. |､:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:l_／
.// /:.:.:.:.:.:.:.: !:.:`ト:､:.:.:/:.:.:/:.:.:.:.{:.:ﾟ，
./ /:l:.:.:i:.:.:.:.:.:ト-≧y':/}:.:.ハ:.:.:.:ﾊ:.∧
' // V:.|:.:.:.:.N　_込ｿ`/:./ｨォ:.:/:.:.:| ！
/:.{　　 |:.:.:.:.ﾄ , , , ,　/イド'/:.:从:ﾉ
:.:.:ヽ. __|:.:.:.:.|　　　　　 V:ﾙ′
: /＼　.!:.:.:. l　ﾄ～～　イ:.: !　　　　むさ苦しいほどに髭ぼうぼうだったでしょう。
/'　　ヽ|:.:.:.:.| 　ｰ‐ ´ ｲ:.:.:.: !
:ｉ:､{￣｀|:.:.:.:.|｀ー‐彡. |:.:.:.:.:|
:i:i:ハ.　|:.:.:.:.|　　./ヾ|　|:.:.:.:.:|
:ｉ/　　 .|:.:.:.:.|　ｲ:ｉ:ｉ:ﾊ .|:.:.:.:.:|
:iト- 彳|:.:.:.:.ﾄ __j:i:i:ｉ:ｉ:} |:.:.:.:.:|
:i:i:∧　.|:.:.:.:.| /i:i:i:i:ｉ:ｉ:| |:.:.:.:.:|
:i:ｉ:ｉ:∧│:.:.:.|:i:i:i:i:i:i:ｉ:∧ :.:.:..:|
:i:i:i:i:ｉ:ｉﾄ|:.:.:.:.|:i:i:i:i:i才:.:..i.:.:.:.:.|

344 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:50:10 ID:dSIls7nU0

　　　　　　／ｧ=　　　　　＞x _　. 　 -─‐- 　、::::＜　　＼
　　　　　　／　　　 r' _,ノ　　　　　　　　　　 :｀ヽ:　:＼
　　　　　 /イ　　　 .r'´ ∨　　　　　　　　　　　　　ヽ:　:ヽ
　　　　 /　/ :/　　 } r'∨ 　　／　　　　､　　　　　':　:丶
　　　　　 / :/::　 .::r' ∨　　　〃　/ !　　　ﾄ､ '.　　　': :ﾘ
　　　　　 |:/l::::: .::::{ ∨′　　.′/　.|　　!　|　　V 　　i: ::ｌ
　　　　　 |　|::::/:::爿 i　　　 l　ハi.｜　　i　LL　!　 | 　!: ::!
　　　　　　 |:::|:::::::::ｉ | ｜　　/､＿､i＼　 |ﾉ_j_｣_｀ト: l 　ｉ:::::|
　　　　　　　|::|!::: |::Ⅵ　v: : : f　iｼﾄ、　＼i　 ,.＝､ﾄ､/ ｌ: :::|
　　　　　　 |ハ:::|､:∧从: : : |ｆ代歹　　　　代歹: : {ﾚｌ:../
　　　　　　　　　Ⅵ V:::Vハ: : : '.　　　　 ′ 　ﾉ: /,ｲ!ﾚ′
　　　　　　　　｀{　V:|ヾ: ﾊ : : ﾄ､　（_｀ｱ　 .ィ: 〃/ ﾘ
　　　　　　　　　　　 . '´￣ﾊ: : |}　＞‐ｧ≦千l　{ﾙ'　　　　　ええ、最初、イディッシュ劇場の役者かと思った。
　　　　　　　　　　　/　　　{ ﾊ: | 　　 ′} } l｜/ハ
　　　　　　　　　 .′　　ヽ }人ヽ_＿.ノノ丿!′　i
　　　　　　　 i　　　　　ﾄ､　､二二´イノｉ　　|
　　　　　　　　 | ｉ　　　Ｖ　｀ー― '´　 v′　|
　　　　　　　　　ｌｌ　　　　∨ /　　　　　ｉ　　 l
　　　　　　　　　　 |∧　　　 ∨　　　　　　｜　 !

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_ _
　　　　　　　　　　　　　　　．.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〕iト．
　　　　　　　　　　　 .ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　／:.:.　-====＼:.:.:.:.＼ｨ´￣￣{:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　 ,:':.／　　　　----＼:.:.:.:.＼ｰ‐y:.:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　 /:./ ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.＼/:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　　/:.:.ﾚ’:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ，:.:.:.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:':.:.:.　　　　　　ハハハハ、あれ、ユダヤ人の風俗をなぞっているのよ。
　　　　　　　 .':.:.:.:.:.:.:ト､:.:.:.:.:.:＼:.:.:∠:.:.:.:.:. :.:.:.: ヽ＼:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　ｉ:.:.:.:.:.:.:ｌ:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.､Ｘ　　＞ﾐ:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:、＼:.:.:.:.:.　　　　自分の出自に目覚めちゃったわけ。
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:┼ト＼:.:.:.:.:＼イし芯ハ:.:.:.:.:.:.:.:＼　､:.:.:.:､
　　　　　　　 |:.:.i:.:.:.:.ﾟ，　__　￣￣　 V_ツ　 ∨:./:.:.:.:.: ﾄ､＼:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.、:.:.:.Ｖ芹心、　　　　　　　Ｖ:.:.:.:.:.:.:.|ヽ＼_〕:.:.:.＼
.　　　　　ゝ:.:.:＼:.:.:ヽＶﾂ、　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:＼}:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　＼{ ﾍ:.:.:.:.:.､　　 _ノ　）　　 /|:.:;:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:込、　　ー　　　／　Ｖ:.:.:.:.:.:.|:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:..＼
　　　　　　　　　　　　ｉ|:.:.:.:.:|:.父ト　--　イ　　ィi}:.:.:.:.:.:.从:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　||:.:.:.:.:|:.:.:∧:.:.:.:.:.:.ハイ　 /:.:.:.:.:./:ｉ:|:i≧=======…ミ:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　 .八:.:.:. |:.:.:.:r─‐ﾐ个/　　 ':.:.:.:.:./:i:i:i|:i:i:i:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　〈_/}:.:.:.:l:.:.:.:{　　 -|_ﾄ　 /:.:.:.:.:./:i:i:ｉ:ｉ|:i:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:.:.':.:.:.:.
　　　　　　　　　 /:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.ﾊ　　丿　∨:.:.:.:.:ｲ:i:i:i:i:i:j:ｉ:ｉ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　 ./:.:.::ﾉ:.:.:. !:./i:i:}=≦′　/:.:.:.:.:/:i:i:=＜:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ}:.:.:.:.:.:.

345 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:50:40 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　 !/ /　　　 .ヘヽＶ｣∠ヽ. 　＼＼＼
　　　　　　 _＿ノ／　..　- ､￣　≠‐　- :.:｀ヽへ　　＼＼}
　　　　　　ﾌ　／　　　　　　　　　　｀ヽ:.:Ｖ| !　　Ｖ {
　　　　　　 //／　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵリ　　　 :、
.　　　　　 i//　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾊ　　ｉ　､＼
　　　　　　 /　　./　　 / 　　 !　　 !　､　　　　 ∨｝　 } 　厂｀
　　　　　. |　　./　　 / 　　 !　　 !　　ﾄ､　　　　∨｝ｊ!　ﾄ､
　　　　　　|　　:i　　ハi　　.|　　! :|　　 V　　　　ｊ/　ｊ! 　ﾚ　　　ミルチャは、普通のルーマニア人と同じ学校に通って、
　　　　　 |　　:l:　:/＿ V|∧　_|:_|__| 　　ｌ　　　　:ﾊ　/Ｖ⌒ヽ
　　　　 | : : | : : ｆ _,}Ｎ_　ⅤN∨__}N__}N.　　 |-、! ! ! |　　　　自分たちが特権的立場にいたことを知って
　　　　 |: : ∧: l:|ｆ下ｨﾀヽ Ⅵィ卞ｨタ厂}| 　　|rj j!ﾉ｜{
　　　　 Ⅴ:lヽⅥ|　￣　 '　　　￣´　　| 　　|ﾉ .!ﾊ∧ゝ　　　　衝撃を受けたと言っていた。
　　　　　　ヾ、　＼ """　　　　 """"　,i　　/: :/
　　　　　　　　＼/|: ＞　 . _´｀＿_　　イ:/: : 厶i/
　　　　　　　　　　 _ﾚ＞ '　 /}　　　　 }f: : /　 ||＼　　　　　　　あなたが特権階級のための特別な学校に
　　　　　　　　　　/´　　　 .|: :`ー一: :´:|: / 　 ,ﾘ　ヽ
　　　　　　　 /　　Ⅴ　ﾊ: : : : : : ;／Ⅳ､　/　　　ﾊ　　　　　通っていたとも言っていたわ。
　　　　　　　　 /　　 }:　　　　｀￣￣　　 |{　＼ / /　　 !
　　　　　　　「{ 　　Y´　　　　　　　　　　　　　 }//　　 }､
　　　　　　ﾊ＼　ｆ　　　　　　　　　　　　　　 i/　　　 {

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─……‐
　　　　　　　　　　　．　´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　／:.:.:.:. -───-　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
.　　　　　　　　 ,:':.:.:.:/　　＿＿ __　　＼:.:.:.:.:.:､:.:.:ヽ
　　　　　　　　　__/:.:.:.:/　イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〕iト．ヽ:.:.:.:.ヽ:.:.:ﾟ，
　　　　　／ /:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:｢￣｀７
.　　　　　 }　/:.:.:.:/:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.|､　 /
.　　　　　　 ∨:.:.:.:.':.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:|　Ｖ:.|
　　　　　　　 ':.:.:.:.:.i:.:.:.:i　 l}＼:.:.}:.:.:＼:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ｲ:.:.:!　　マリは、それをそのまま真に受けたの？
　　　　　　　i:.:.:.:.:. |:.:.:.:!ー─ }:ハ:.:.: !斗匕{ヾ:.ｉ:.:.:}:.:.:| ||:.:.:|
　　　　　　　|:.:.!:.:.:.:.:.:.:.{ .ｨ芯卞　＼l ,ィ芯卞ｱ:.:/.:.:.:! |ﾄ :.|　　ミルチャは、ひどくひねくれた考え方をするようになってしまって、
　　　　　　　l/ｌ|:l.:|:ｌ:.:.:.:.　辷ﾘ　　　　　辷zﾘ ' |:.:.:.:.:.:ﾄﾊ　 !
　　　　　　　|　ﾄ| ﾄ|:.:.:.∧　　　　 ,　　　　　　　|:.:.:.:.:.:|　ヽヽ　物事をあるがままに受け取れないのよ。
　　　　　　　|　| X:.:|:.:.:.:込、　　　_　　　　　ｲ:|:.:.:.:.:.:ﾄ.　ハ/
　　　　　　　|　|':}_}:.!:.:.:.:.:.:父ト　　 `　　イハ:|:.:.:.:.:.:|:.V:.:.|
　　　　　　　ヽ.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|ﾉ/　≧== 　／　 :|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:. !
　　　　　　 |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|i:|　　ヽ　.イ　　　.ﾊ:.:.:.:.:.|:i:〕iト．
　　　　　　 |ィi〔:i:|:.:.:.:.:.:.:|i:|⌒Y¨¨¨Y´￣｀V:.:.i:.:.:.:.:|:i:i:i:i:i:i:i〕iト．
　　　　　 .イ:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:.:.:|i:|　ﾍ　　 {- 　 /l:.:.:l:.:.:.:.:ﾄ :i:i:i:i:i/:i/:i:i:ヽ
　　　　　/:i:|:i|:i:i:i//|:.:.:.:.:.:.:|ハ__ノ}￣/＼ｲ:i:|:.:.:.:.:.:.: |:}:}:i:ｉ:/:i/:i:i:i:i:iﾊ
　　　　 ,:i:i:i:i:i|:i:i:{i:ﾚ|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:ヽﾉ　 { ／:i:i:i |:.:.:.:.:.:.: |ｼ:i:ｉ/:i/:i:i:i:i:i:i:i:i

346 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:51:07 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.／　二二　＼:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　,:':.:.:.:.:.:/ ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:`:..､ヽ:.:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　厂刈:.:.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:｢￣｀7
.　　　　　　　 {/　/:.:.:.:.:.:.:. ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.〈　｀Ｖ
　　　　　　　　ヽ/:.:.:.:.:.:.:./ :i:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ ∧
　　　　　　　　　ｲ:!:.:.:.:.:.{:厶斗、:.:.:.:.:.ﾊ:.:.、:.l:.:.:.:.:{!:.:.:.
　　　　　　　／/:.:l:.:.:.:.:.:N 　　ヽ:.:.:.:.!　ヽ:.`ト:.:.:ハ:.:.:l
.　　　　　　／／ｌｲl:.:.:.:.:.:|　　　、　＼:{　　l:.川:.: !:..、:.:{
　　　　　 .}／　//从:.:.:.:N.====　　　 ==== ,小:.|:.:.:ヽ＼___　　　　ミルチャの心がひん曲がっちゃったのは、
　　　　　　　／ｨ:.:.:.:.Ⅳ:.八　　　､　　　 /:.j/:.ﾄ :.:.:.:＼＼{
　　　　　 }_.八:.:.:./:.:.:.:.:.i＼　　г￢　　 .ｲ|:.:.:.:.:|:iゞ===ﾐ、}　　　最初の結婚がまずかったのよ。
　　　　　ｲ:i:i:¨7:.:.:.:.:.:.:|i|　〕iト　___　.イ　 |:.:.:.:.i|:i:i:i:i:i:i:i::Ⅸ
　　　　　 /{:i:i:i:ｲ:.:.:.:.:.:.:.|i|_＿_≧==≦.＿_.|:.:.:.:.l|:i:i:i:i:i:i:i:i}　ヽ
　　　　 ./:ﾊ:i:i:i:ｉ|:.:.:.:.:.:.:.|ヘ----芥--- ､ハ:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:ﾊ
　　　　 /:.:.:.:ヽ:i:ｉ|:.:.:.:.:.:.:.ﾄ:､　　/| |ヽ.　　　/}:.:.:l|:i:i:i:i:i:i/:.:.:.
　　　 ./:.:.:.:.:. {:i:i:|:.:.:.:.:.:.:.|:i:ﾈ一’ | |　＼ .ｲ:ｉ|:.:.:l|:i:i:i:i:iｲ:.:.:.:.i
　　　 /{:.:.:.:.:.:.ﾊ:i:i|:.:.:.:.:.:.:.|く　　　│!　　　 /:i:|:.:.:l|:i:i:i:i:i:|:.:.:.: |

347 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:51:35 ID:dSIls7nU0

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同級生ですごく可憐な美人だったんだけれど、上昇志向が異常に強い人だった。

両親は最初から猛反対してたの。ミルチャと結婚すれば、ルーマニアの支配者層に食い込めると睨んでたみたい。

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　　　　　　　　　　　　　　　　＼　{ヽ　　／　　　　　＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ＼　　　　　　　 }: }
　　　　　　　　　　　__ ...　-　ｰ≠ : : : ￣￣: :＞､　　l:ﾉ
　　　　　　　　　　, イ: : : : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : :＼/
　　　　　　　　／: : : :__／: : : : : /:/^/｀ｰ―rv: : : : : : :＼
　　　　　　／-‐ 　／: : : ／: / / /　　　 | |: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : / : 斗ﾒ､/　　　　 l│:j: : : : : ヽ : ﾊ
　　　　　　　 /: : : : /: : :/|/　|　　　　/'Ｔ7ヽ、: : : :| : : }
　　　　　　　　　 /: :, ｲ /: : :/ .ｨ=ﾐ　　　 /　 |∧ : : : : : | ',: :|
　　　　　　　 |: /　|: |: : /〃ｨ心　　　　　 /　 V: : |: : |: :∨
　　　　　　　 |/　 '|: | : ﾊ　|ｖ:爿　　　＿　　　V: :|: : |: : :＼
　　　　　　　　 ∠Ⅵ/( }　込V　　　　三ミｘ　| : ｊ : ﾑ: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　 / ｧ^).:.:.:.　　　　　　　　ヾ> | ∧:/: :＼: ｢
　　　　　　／´ ￣￣７´_.ｨ个､　　ｰ'ーｒ　.:.:.:.　 j/-j;': : : : :ヽ
　　　　　/　　　　　/ } } ﾚ' 　 /＞.､ｰ '　　＜「 : |＼: : : ヽ: ﾊ
.　　　 ′　　　ﾑｰ' 　|　　 ,　-=≦厂´ ｢ヽ : |∧|　＼: : |＼}
　　　 } 　ヽ　　 | 　　ﾑイ　　　 / 　／　　＼　　　ヽj
　　　 | 　 ○ｰ‐､｣　　/{ Vﾊ　　 /　／　　　　ヽ
　　　 |　　　　○ | 　 {　〉Vﾊ　.'　/　　ｨ≦二二ﾊ
　　　 {　　　ー､ヽノ　ヽ Vﾊ│/　／／　＿＿｣
　　　　 |　　　　　￣　　 {{_ Vﾊ|/ ／／, ｨ≦ノ⌒ｰ}
　　　　 |　　　　　　　　　ヽ{_V_j_/／イノ´ 　　　 |
　　　　ヽ　　　　　／{　／.:.:.｀ー＜￣{ 　　　　 |

348 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:52:03 ID:dSIls7nU0

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その魂胆を知って、ミルチャはすぐにも別れようとしたのだけれど、

そうなると相手はしがみついて離れないという風になっちゃって大変だったの。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　-＝､ヽ
　　　　　　 lヽ.　 ,ｲ　　　　　　　　　　　ヽ＼
　　　　　　 |　＼{ |,へ、-―― -　..　　丿ﾉ
　　　　　　ゝ　 ! {　r _､_　　　　ヽ ` ＜,＜＿
　　　／￣　　／|　|´　＼ﾊ　　　 ',　　　　＿＞
　 ∠...＿_ 　　/　 |　|イ・￣∨　　　 ,　　＼`ー―――ｧ
　　　　／　　jr　ヽ.l　ｰ-＝ﾍ　ｌ､　 }ﾍｒ､　ヽ　　　　／
　　　 ./　　 | １　,　　　＿　ヽj ヽ |　　r＼ j　　＜
　　／　　/:| .| /・ }'　_ノ　　＼　　　　　 _ 丿　＜￣
　∠ ＿_ /　ヽﾊﾞ丿ﾍ　　　　 ',　　　　 /　　　　　＼
　　　　　{　/| .ハ　　　＼　 _ ノ　　　　〈　 l＼{＼　ヽ
　　　　　| / ヽ　,へ.　　　　　　　　　　　＼┴‐-　､￣
　　　　　ﾚ　　∨　　＞　　.. _ ..　＜ヽ　　 `,二}　　＼
　　　　　　　/ ｲ　　{／| /　Ｖ＞‐ ┴ ､　　　|　　　＼
　　　　　　　　　 |　／　ﾚ　／　　　　　 ',　　 |　　　　　＼
　　　　　　　　　ﾚ' 　　　　/　　　　　　　 }､　 .|　　　　　イj＿_
　　　　　　　　　　　　　/　 /　　　　　　ヽ＼j　　　イj／　　　ヽ
　　　　　　　　　　/　　iO/　　　　　　ヽ l, イノ.／　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 {　　 |　i　　　　　　　 ∨下ｲ　　　　　　　　　 :',

349 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:52:38 ID:dSIls7nU0

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優秀な弁護士の世話になって、ようやく離婚に漕ぎ着けた。そのコブ付の弁護士が今のかみさん。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , 　 ¨　￣¨ ─ - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　､─ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　/ 　　ゝ､　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　ｉ　彡/　　＼ヽ＼ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　 |!　　　　 |　／　 ` ゝ､　＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |!　　　　 l.∨　　寸tｯk　 rｉ_ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　 |ｽ　　　　　　　　fﾞ´
　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　 b,　　　　　　　　ゝ',
　　　　　　　　　　　　　　　 l∧　l l ! 〔!ヽ.　　　　 -＝ｯ′',
　　　　　　　　　　　　　　　 l　 ', l l ! |　　へ　　　　 /ﾘ从!
　　　　　　　　　　　　　　　 r‐､　ﾘ!从l＿＿＿＞ー‐　　　＿__
　　　　　　　　　　　　　 {　　＼( ＿＿_　／　　〕　　／　　＼
　　　　　　　　　　　　　,. ─ ﾑ　　　　|￣//r　 ,.ィつ:::ー/　　　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　 Υ￣¨＞|._//＜¨￣￣ヽ : :ｉ　　　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　|r 二／　i下 :::ヽ二ヽ/::::::|　　　　　　　　　＼
　　　　　　　／　　　　／／／　　|! 　＼::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　＼
　　　　　／　　　　／::∠ 〃　　　|!　　　ヽ ::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　/　　　　 /::::::::::::::/＿＿＿,|ｒ─‐一´ : ::::::::::!　　　　　　　　　　　 l
　　　　 l　　　　 l:::::::::::::::::マ　∨乙_)::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　 ‐──/
　　　　 l　　　　　ヽ::::::::::::::::〉〉// : :::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　　　／／￣￣_］
　　　　　　＼　　　　　＼::::::://∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー┬─f__f　　　　＼
.　　　　　＼　　　　　ヽ///　 ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　ヽ　　　　　　＼

350 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:53:43 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　 .ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼
　　　　　　　　 .／:.:.／　　二二二＼:.:.:＼:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　 .,:':.:,:.:/　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ￣￣ﾊ
　　　　　　　厶/:./:.:.:.:.:{!:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:Y＼/: i
　　　　　　　　i:.〃:.:.:.:.:.:/ハ:.:.:.:.＼:.:.:.／:.:lﾊ:.:.: |_ノ:.:.:.|
　　　　　　　く |:.:.:.:.:.:.|'＼＼:.:.:.:.:Χ:.:.:从:.!:.:. | l ＼:.l
　　　　　　　　|ハ:.:.:.:.:.:| 　＼ヽ:｢　ィf笊Ｙ:|l:.:.:| l＼ヽ　　　　あの通り、ミルチャは他人に厳しくて
　　　　　　　　|!　|:.:.:. N rf笊lﾄ　　　匕ﾘ　|l:.:.:l八:. ＼＼
　　　　　　　　　从:.:.刈　匕ﾘ　 ,　　　""" |i:.:.:|、＼:.l.＼　　自分の理想を押し付けるようなところがあるでしょう。
　　　　　　　　 /　|V:.:∧""　　　　　　　 |l:.:.:|:.ヽ　＼
　　　　　　　 ./　/|:.|:.:.::込、　　 -　　／ |l:.:.:|:.:.:.:＼　　　　それに、思い込みが激しいものだから、
　　　　　　　 /　/ l|:.ｌ:.:.:.:|!:.:.:≧=‐-　　　　 |l:.:.:|:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　／彡　ｉ|/:.:.:. |!:.:.:/:.:.:.:∧_ r==彡:.:.:.|i:＼:.:.:.　　　　そのコブにも煙たがられているみたいだわよ。
　　　 .イ　　|　　/:.:.:.:.: | -‐=≦　芥⌒ヽ i|l:.:.:|i:i:i:i:}ト
　　　　⌒}_,／　 /:.:.:.:.:.:.ｉ|:i:人　 - }_/ｰ　　 |l:.从:i:i:/:i:i
　　　　　　　　　,:.:.::.:./:.从i:>i:} 　 / l ＼　八:.:.:.:∨:i:i:i
　　　　　　 {:.:.:.:/l:./i「:i:i:八 ,/　:! 　 ∨i:∧:.:.:.:∨i:i
　　　　　　　 .人:.:.:li:/i:∧:i:i:ｉ:У　　ヽ .ノi:i:i:ｉ∧:.:.:.:∨i
　　　　　　　 /:.:.:.}:.:.:／i:i∧i:i:i|　/　/i:i:i:i:i:i／:ｉ∧:.:.:.:∨

351 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:54:17 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　＿　、　　　ィ
.　　　　　　　　 ≧⌒ ｀‐イ⌒≧
.　　　　／´￣｀　　　　＿　　＼
　　　　 //　　　　　イ´　⌒ヾ―-　＿
.　　　 / ／´　　／　　　　,　-‐-　　 _ ﾆ= 、
　　　 / / ィ　　 /　　　　／　　　　　　　　　　｀ヽ
.　　 /ｲ./　　　/　　　　´　　 /　/　/　i　　　　　ヽ
　　　 }/　　 /　　　 /　　　 /　/　/　 .|　　 i　　　｀
　　　 /　　 ,　　　　 , 　　ｲ　/　ｲ　　 l　　 ' |
　　　 ,　　 .|　　　　 |　　寸7Tヽ l　　 l　ｲ　l　　　}
　　　 | , 　 |　　　　 |　　ｬzぇミ、 |　　 '７寸ﾊ}　/　'
　　　 }ﾊ　.∧ 　 i　 .l　　{　弋タ　ヽ、/ ｾﾃぇ､ｲ　/
.　　　　 ∨　 ,　ﾊ　、　l　￣　　　 ′ゞノ /　/
　　　　　 }　.∧　　}　 {、{　　　　　　　　,　／{ /　　　　煙たがられているかどうかは分からないけれど、
. 　　　 {ﾊ/　ヽ　ﾄ、ﾄヾゝ　　　　　　　　イ/
　　　　　　　 } ﾚﾊﾍヽ、　　　こ⊃　 ´　　　　　　　その娘さんが夜の勤めに出ていると言って頭悩ませてたわ。
　　　　　　　　　　　　}＿　　≧ｭ　_　イ
　　　　　　　　ﾉ三≧ュ＿　ィ/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-──ミ:.:.:.`:...､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.イ:.:.:.:.:.:.:.〕iト.　｀　、:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ヽ:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.ト :.:.:.:.:.:.:.ヽ {:.:.:.:.ﾟ，
ほーら、何でも否定的悲劇的にとらえるミルチャの癖がまたでた。　　　　　　　　　ｲ:.:.':.:.:┼‐ヽ:.:.:.!ー≒:.:.、:.:.Ｖ二二二{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くハ:{:.:.:.:芹芯＼:{才笊ヾ:〉:.:!:{　＼:i
あの娘さんは、皮膚の奇病に罹っていて、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く/ト:.:.:.:l迄ﾘ　　迄リ　}:.:.:ト爪　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| | ﾄ:.|"　´ ＿　　 "从:.:lｨ∨∧!
太陽光に当たると、生命に関わるような危険に晒されるの。　　　　　　　　　　　　　　| |ﾑ込、　V＿)　 /:.:.:/:.:.:.:∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///:./:.: 〕iト - ≦/:.:.:/_:.:.:.:.: ∨∧
だから、夜の仕事に就いたのは、非行に走ったせいではなくて、　　　　　　　　　　///:./.::./⌒レ'⌒/:.:.:/i:}i:ｉヽ:.:.:.:∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///:.ｲ:.:.:.i　 {_l‐　/:.:.:/i:iﾉi:i:i∧:.:.:.:∨∧
病気のため昼間の仕事に就けないからなのよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈〈/:.:.:.!:.:.:.:ゝ彳ゝ/:.:.:.:{i:くi:i:i:i:ｉ:∧:.:.:.:∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:从:.:./＿l| 　{:.:.:.:.:∨i:ﾊ:i:i:i:ｉ∧:.:.:.:∨/〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:/:.:.:ト1i:i/ }ーﾍ:.:{:.:.:{ｉ/:.:.∨i:i:i∧:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.;.:.:.:.:}i:i|ヾイi:才i:i:i:i:i:ｉ/:.:.:.:.:Уi:i:i:i}:.:.:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:.:.:.:.:{:.:.:./i:/:i:i{0:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{:.:.:..イi:i:i:i:／:.:.::.:.:.:.:.:.:}

352 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:54:49 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　ヽ　V/　/ /
　　　　　　　　　　　＿＿ , ．イ　　　　　　　V }　　イﾆミー- ﾉ
　　　　　　　　　　　￣¨ー .,　　　　　／ヽ　　　／　ヽ　r-イ
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　./:::...:.＞＝<_＿:.:ハ＼
　　　　　　　　　　　 .／　　　　　 i / ＜´　　　　　　＞::>　＞..._
　　　　　､＿＿ , ィ　　　／　　ﾊ !　　,, -　　　　　　　ハ从＜
　　　　　　　￣￣＝ ≠　 { i　　 /八! ／　　　　　　　　　　 }/　ヾﾐ;､
　　　　　　　　　　 /　　　!i!　 //　 ,'　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 ,'　　　ﾊ　川　/　　,　　　　/　　　　　　　ﾍ
　　　　　　　 /　　　　 ∧ |　 ,　　,'　　　　 ,ｨ　　　　 ,'　　 i　　ハ
　　　　　　　／　_,　　　　 }!　i　　,'　　　,／ ,'　　　/ /i 　 ./|　　　 |
　　　　　　　／　イ7　　　　　 |　 |　 ,'　´¨,ﾃﾅ=i‐- 　ｨ／十-.|,,_i　　　 .i
　　　　　　　￣　　i　　　i!　从　 | .i l　／　しﾍ､／/｜　,孑气く　　　　 .|
　　　　　　　　　　 |　 / .|　　 ∧ .| .| lK｜｛::::}　|　　l／ｌｆ:::ｉｌヾﾉ/　　　|
　　　　　　　　　人八 {､　 ,' ∧ >　l, 弋_辷'ン_　　　､辷ﾝ　/　 / ﾉ.,'
　　　　　　　／　| {_ ノ!　　　|::|{　＼! 　￣"´　　　｀"￣　ｲ.//／./
　　　　　　　　　　　Vーイ{ 　　|::|　ト.､ > u 　　　　　　'　　　イ／
　　　　　　　　　　　 /　　　.|::|　|::|::|　　　　　　　　　　　　　,ｨ'　　　　　　エッ、そうだったの？
　　　　　　　　　　　　 /　／Yﾟ|::|　|::|::|､　　　⊂ニ＝⊃　／
　　　　　　　　　　　 /..／＿ﾄ.|::|　川ﾟ|　　　　　　　　　／

　　　　　　　　　　　　-─━─ミ
　　　　　　　　 _/:_:./:./二二ヽ＼
　　　　　　　　　廴ノl}:/.:.,ﾊ:.:.:.:.:l:.:.:ヽ
　　　　　　　　 }:.:7７:.N`ト＼斗:.:.: |
　　　　　　 .ノｲ l|:.:l Y以　ｫ}:.:./ﾘ
　　　　　　〈/:.//:|:.:|　　 __ ' 从′
　　　　　　 |〈/:. |:.:| ≧=-彡:ｌ|
　　　　　　ﾉ:.ィ匕:.:{ 芥气i:|:.:|ﾄ．　　　　そーなのよ。
　　　　　　〃:i:i:i:i:i|:.:l/ lト-ﾍ|:.:|i:ｉﾊ
　　　　　／:.{i:i:i:i:i:i:|:.:l__ハ_ノ:!: |i:i:ｉ:|　　　それでも自立して生きたいという娘さんの
　　　　.／;ｲ:.ハi:i:i:iヾ:.ﾘi:i:iV/i:ｉ|;ﾘi:i:i:i|
　　　 / /:.:./:.:∧i:i:/⌒＼i:-‐=彡i:i:i:i|　　　健気なところを見てあげられないのよ、ミルチャときたら。
　　 ./ /:.:.ｲ:.:/:.:ﾊi:i≧=彡:i:i:i:i:i:i:i:}￣冫
　　 ' /:.:,:':.:./l:.:.:.:.}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i斗彳l
　　　{:.ハ:./ :|:.:i:.:.:7i:Πi:Π:}iΠ:i:i:∨:j
　　　ゝ　V　 !:.:V/i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:i:i:i:i:i:∨
　　　　ヽ乂/i:i:i:i:i:i:i:i:i//∧i:i:i:i:i:i:ヽ
　　　　　　　　./7777'77////l}77彡 /ﾊ
　　　　　　　ｲ///////i}/// j//////ノ
　　　　　　　ーr──┴┐─‐ ==≦
　　　　　　　 | 　　 / │　　　 |

353 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:55:15 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　ｲ´／￣イ-
　　　　　　　　　{、 | {/　＿―二ア、
　　　　　　　　　ゝ＼´＿_ ´　　　　＞、
　　　　　　 , イ´　￣　　￣ヽ、"´　　＼
　　　／´｀/、　_　　　　　　／´￣｀ヽ　、　　,
　　/　／　　｀　　　　　　　　　　　　ヽ　 ',
　 ,'　/　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 }　 }
　ｉ /　　　　　　 /　　　　ヽ　　 ',　　　 }　.l　 |
　 |'　_i 斗-‐＝/、.ｉ　　　斗-‐=| 、　ﾘ　, 　 }
　 | ´ }　|　 /、_ {　|　　　　}.　　 |　｀ /　/　　ﾘ
　 |　 :|　ゞ‐-r、_ヽﾊ　　　 }_z-r=ｧ　 ,　 {　　ﾄ　　　　　娘さんの件は、そうなのかもしれないけれど・・・
　　,　.|　 { | ら云ド　ヽ　 /ら云} "　ﾊ、ﾊ　　{
　　ヽ ! 、ヾ弋-ソ　　　｀"弋‐ｿ　/ ｲ　} ヽ　 |ヽ　　　　でも、ミルチャの生き方は潔くてとても格好いいと思った。
　　　ヾ　ゝ＼_　　　　,　　　　　//}　ノヽヽ l
　　　　 ,　ヽ￣　　　　　　　　　　人　　　ヽﾐ
　　　　 ', 　 i＼　　　 --　　　イ　i ＼　　　ヽ、
.　　　　ﾊ　 i　｀ i 　、　　イi　{　　ヽ　ヽ　　{｀
　　　　　　ヽﾊ　　}^Yヽ｀-―ｲ{´{　　　ゝ　＼　ヽ
　　　　　　　　ヽ /////////∧ ヽ/ ＼{　　　｀
　　　　　　　イ////////////ヽ
　　　 _, z "/////////////////＞、

354 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:55:42 ID:dSIls7nU0

. 　　 /:.:.:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:| |:.:ｌ Ⅳハ:∧:.:.:./:.:.:.:.:.:.:/:.: !
　　 /:.:.:/i:i:i:i}:i:i:i:i:i:i:i:､:i:iV| |:.:.ｌ l、r　、ﾊ:./:.:.:. ／/:.:.:.:ﾄ
. 　 /:.:.:/i:i:i:ｉ∧:i:i:i:i:i:i:i:iヾ{ |_ｌ:.:.:ｌ l ≧＝彡:.:.:ｫ':.:ｨ:.:.:.:.:.:|ﾊ　　　　　　そう
　 /:.:.:/i:i:i:i:i:i:iﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i｝|:.:.:.:.L{　ｲ:i:i:i}:i:i:ｉイ :|:.:. :.:.:.! {
. /:.:.:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:｝:i:i:i==ミ:i |.|:.:.:.:.:| ∨:i:i`7:i:i:i:i:i|　|:.:.:ｉ:.:.:|__〉
ｲ:.:.ｲ:i:i:i:i:i:ヽ:i:i:i}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾄ|:.:.:.:.:|　|:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:|　|:.:.:|:.:.:|
:／l:|:i:i:i:i:i:i:i:i＼}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|ﾊ:.:.:.:.ﾚ":i:i/|:i:i/:i:i:i:|　|:.:.:|i:.:.|
:i:i:i}:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|i:i|:.:.:.:|i:i:i:ｲ│:':i:i:i:i |　|:.:.:|l:.:.|
:i:i:i|:|:i:i:i:i:i:iー:i:i|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i｢¨!:.:.: |T:.:.| .|:i:i:i:i:i:i |　|:.:.:|l:.:.|
ヾ:i|:|:i:i:＼:i:i:i:i: |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|　!:.:.: |.|:.: | .|:i:i:i:i:i:i |　|:.:.:ﾊ:.:|
:i:i:ヾ}:i:i:i:i:iヾ:ｉ:ｲ|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾄ. !:.:.: |.l:.:.:| .|:i:i:i:i:i:i |　}:./　}:.!
:i:i:i:i:〕iﾄ､//:i:i:i:i|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:ｉ:|:.:.:.:|.|:.: | .|:i:i:i:i:i:i l /ｲ　 .|:.!
:i:i:i:i:i:ﾊ:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|:i:i:i:i:i:i:､:i: |:ｉ:|:.:. 八:.: ! .!:i:i:i:i:i:ｉ://　　 j:.|
iト:i:i:i}/:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|:i:i:i:i:≧ﾐi:ﾊ:ｲ:.:/　 }:ﾘ　!:i:i:i:i: //　　,从!
:i:i}:i〕iト:．:i:i:i:i:i |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iＶi{、　　 .|:i:i:i:ｉ//| 　 .ｲハ}
:i:i}:i:i:i:i:i:i:i:T:i¨¨|:i:i／￣￣￣｀ヾ}　　　.{:i:iイ厂￣｀X　.ﾉ
￣￣￣￣￣:!:ｲ　｀　､ヽ＼＼￣ (＿__ｽ＿_)_))￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　¨ゝ＿___）__)＿)__)

┌───────────────────┐
│アーニャは力なく言うと、立ち上がった。　　　 .│
└───────────────────┘

355 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:56:21 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　- ──‐-
　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:＼
.　　　 /:.:.:.:.:.／　二二＼:.:.:.:ヽ
　　　 ':.:.:/:./.ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.ﾄ:.:ﾟ，
　　　 i/ ｲ:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.∨:ﾊ　　　　　マリ、今日は一緒に語り明かすつもりだったけど、
　　　ﾄ./|:.:.:.:.:lハ}ヽ :.:.:ト､:.:.:.:. !:.{！
　　　 |ｌX|:.:.:.:┼‐一＼lーヽ:.:.:|:.:!　　　　　なんだかすごく眠くなっちゃったわ。
　　　 K/|:.:.:.l:.K以`　　以ﾊ:.:ﾄ:.!
　　　 | | |:.:.:.Ｎ、　　　_′ ｲ:.:Ⅵ |:.、　　　　ここに来る前に東南アジアを往復した疲れがドッと出たみたい。
　　　 | | |:.:.:.l:.:.:〕iト ´　イ{:.l:.:.:.:.l_ｌ:∧
　　　ﾄﾍj:.:.: !ｲ:i≧==彡､}:i:!:.:.:/:.:':.:∧　　　悪いけど、失礼するわ。
　　　 l:.:∧:.:.|:i:ﾊ｀芥　 /:i/:.:∧:i:〕iトﾑ、
　　　イi:i:ｉ}:.:.|:i:i:i∨ ハｲ:i/:.:/:i:i:》:i:i:i:i:iハ
　　/:i:i:i:i: |:.:.|:i:i:i:i:ヽイ:ｉ:/:.:ｲ:i:｢:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|
.　/:i:i:i:i:i:ｉ:|:.:.|:i:i:i:i:i: ＼/:./:i:i:i:》:i:i:i:i:i:i:i:i:i:!

┌─────────────────────────┐
│アーニャの眉間の皺がさらに深まったような気がした。　　......│
└─────────────────────────┘

　　　　　､-ー'｀Ｙ＜,__＿
　　_＿≦ー`__＿　_二ｚ<＿
　　＞７￣､-‐ ´￣｀'┴＜
　＜之′Ｙ´／　　　　　　　＼
　　 >{　 ,' 　| ､　,　,.　 ,.l　　, 　ﾞｉ
　　 |　!､{　　| 寸寸T　ハT７} ｨ,ｌ　　　　おやすみなさい。
　　 ′Ｊｉ, ﾞｉﾞｉ（ ●）　（●）|ハ|
　　　　i⌒ヽ'(1. ''' 　＿'　 ''' ﾉ川／⌒)
.　　　ヽ　ヽx＞､（_.ノ__,イｌ |::::ヽ／
　　　　 ∧　人lﾊ:::::l,三|:::/ｌ|　,:::::ﾊ

356 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:56:44 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────┐
│頬ずりして引き上げていくアーニャの後ろ姿は、老婆のそれだった。　　　　.│
└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ _
　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ト--ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:ト
　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:.:.:厂[ﾄ:.:.:l:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:./:.:.:.:.:.7/ﾄｲ:.:.!イ
　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｲ:.厶斗彡’:.:.: |:.:l 〉
　　　　　　　　　　　　　　ィi〔:.:.く__.ィi〔:.:.:.:.:／ｲ:.|′
　　　　　　　　 -‐==≦´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.く／i:i:i:}
　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.}:i:i:i:ﾊ
.　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｲ:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｲ:.:.:.:/:.:./:i:i/i:.∧
　　 /／/:.:.:.:.:.:／:.:.:.":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.; :.:.:.:.:/:.:./i:i:/:i:lV:.ﾊ
. 　 /′/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:ｲ:.:./i:i:/:i:iﾘ }:.:.:}
.　　　　i:.:.／:.:.:.:.:.:.:..:.／.イ:.:.:／:.:.:.:／:.:.:.:ｲi:i:i{:i:i:/ /:イ
.　　　　|:/:.:.:.:.:.:/:.:. ｲ　　.}:イ:.:.:.:／:.:.:.／:i:i:i:i:i|:ｼ
.　　　 /i:.:.:.:.:./／　　／:.:.:.:.:.:":.:.:.ィi|i:i:i:i:i:i:i:i|′
　　　　　　　　　　彡:.:.:.:.:.:.:.:.:／:i:i:i|i:i:i:i:i:i:i:i|

357 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:57:06 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────┐
│胸に痛みが走った。自分がミルチャを褒め称えれば褒め称えるほど、　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│アーニャとアーニャの両親の生き方を非難する格好になっていた。　　　　....│
└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　＿_　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　＼　ヽ／ ∠_
　　　　　　　　　＜⌒＼　／ヘ
　　　　　　　　 -=ﾆ¨ 匸＞=＜二＼
　　　　　　　＞'"´￣￣｀＼ー≧＿_
　　　　　　　／　　　　　　　　￣７＜
　　　　　　　 /,　 / /_|　　＼__ヽ｀Ｙ′之＞
.　　　　　ｲ/　 |:/|:∧　:|＼{＼ ! }　ヽ　}<
　　　　ﾉ八　.{　---＼l ---　||　　}ノ　|
.　　　　　　　＼| （三）　（三）.ﾉr'／
.　　　　　　　人''　　__　　 u ィT´
　　　　　　　　　　　｀　ｧ┬=≦:ﾉj ∨
　　　　　　　　　〈ｘく矢¨¨ヽ|__八

358 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:57:30 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────┐
│ひとりぼっちになった部屋で、結局私は朝までまんじりとも出来なかった。　　　....│
└─────────────────────────────────┘

　　　　 | |　　 |: 　　　　 |　　 |　　　;:　　　　　:;　　　　　ｉ　　　　 ;:　　　 ::; 　　　 ||　　 :|　　　::／
　　　　 | |　　 |: 　　　　 |　　 |　　　;:　　　　　:;　　　　 !　　　　 ;:　　　 ::;　　　　 ||　　 :| 　::／
,＿＿_,　|_|＿＿|: 　　　　 |　　 |　　　;:　　　　　:;　　　　　ｉ　　　　 ;:　　　 ;　　i"`i　||　0　 | ／
　　　　ヽ.　　,, -‐=‐ 、,　　 |　　 |　　　;:　　　　　:; 　　　 ! 　　　 ;:　　　 :;　＿_,||＿||　　 :| ￣￣￣〒~〒
　　　　 ∧／　　　　ヽ..　　|　　 |　　　;:　　　　　:;;　　　 .ｉ　　　 ;;:　　　 :;;ｉ＼＿＿||　　 :|　　　　　{-=ﾆ
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　 }: :: :{l　| |　,／、′ノ（ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ　ｉ　　　　　;;;　　　:;;;;| 　|　 .:::||　`ヽ_|　　　　　{-=ﾆ
　 {: :: :}l　|／,(⌒ヽ／ノ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 〃: : ｀} !_　__　_ ; ;;; _＿ _ _:;| 　|　 .:::|ト、 _ :|　　　　　{ﾆ=-
　 }:.:.:.:{|　|ニニニニ { : : : : : : : : : : ──────"、: :（　　　　　　　　　　 | 　|　 .:::||　＼ :|　　　　　{-=ﾆ
匕＿__,,ゝ￣／|　　 ,,）: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ _ノ　　　　　　　　＼|＿_.!||＼　 :|　　　　　{ﾆ=-
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　　ヽ、ヽ-= ≦￣￣￣iﾞi、⌒ ⌒ ⌒ ⌒⌒ ⌒　 ⌒ "　　　　　　,_　　＿　　　　　　　　　ﾞ|_|￣￣￣i!{ﾆ=-
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vィ丶,　＿'　 ,.ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │「ィ::ニE7l´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └l´::::／ヽ.ﾄ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::|´ ￣｀il
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::| 　　 |i

359 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:57:58 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────┐
│自分にアーニャを非難する資格なぞ無い。そんなことは分かり切っている。　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│自分がアーニャやミルチャと同じ立場に立たされていたならば、　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│アーニャとった道を拒むことができただろうか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　＿｣ヽ　／|
　　　　　／　　　ﾞＶ´∠ｲz‐､＿
　　　　／　 ,　ヘ,＿／ヽ∨ ﾏ´
　　　//　 /／＾´ ￣＾｀ヽ丶,ゝ
　 _,// 　〃　 ,　　,　　　　､ヽ､
　 ,ノｲ| ｌ/　　　　　　　　　　　ﾍ
　　　小| 　　l/'ﾅｒ、ｒｉ,、ﾅﾅ| l |
　　　 l从　/| 　/　/（　ヽﾘ,ﾙﾘ
　　ノﾊ小 γ::::lヽｌ　レl:::ヽ
　　　　　　/l:::::,ｌ::::|∞|::::!::::l
　　　　　　　ヽ::::;ノ　ゝ;:::ノ
　　　　　　　ﾉ　 , 　 ,　八
　　　　　／　 /　　ﾊ　　ヽ、

360 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:58:20 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────────────┐
│ミルチャのように行動する勇気を持ち合わせていただろうか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│持ち合わせなかった方が確実だろう。それでも、私の美意識はミルチャの側にあった。　　　.│
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　＿　　_,
　　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー-､
　　　　　＿>　　　｀r‐ 　 ≧_＿
　　　　　＞ｲ　　　　｀　　　　＜
　　　／ >　　　　　　　　　　＞
.　　 /　<　　　,' 　　　　　　　ﾘ
　　ｌ ,ｨ　ヽ ,/　　　　　　　 } ノ
　　 |ハ |　|<ﾍ,Y´入ﾉ　ﾘﾉ ,/ﾚ′
　　　　 `| ノ　　　　　...::/|/
　　　　　ヽ､ゝ　/　 j.:./|/
　　　　　　　 ,l:/ﾉﾙﾘﾊ:ｿ
　　　　　　ｨ':::::::::::::::::｀.:
　　　　　　|::||::::::::::::::: ||
　　　　　　|::||'￣￣`j:|j
　　　　　　rｪﾘ　　　＼
　　　／ /　　 .ｌ　　　＼
　　　　＼/　　　|　　／
　　　　　｀ｰｒｰr┼‐ｒ'´
　　　　　　　|::::|　|::::|
　　　　　　　|::::|　|::::|
　　　　　　,/~ﾘ　ﾄ~}
　　　　　　`ｰ'　 `ｰ'

361 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:58:42 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────┐
│だから、もしアーニャの道を選んでしまったら、　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│自分を愛することも尊敬することもできなくなってのた打ち回るだろう。　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│自分のことが恥ずかしくて、後悔と自責の念に苦しむことだろう。　　　　　.....│
└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヘ　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼,　　　　　ヽ
　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　V∧　　　　Vヽ,
　 /　　　│　　　　　 !　　　　　　　　 V|ヾ　　　　　ゝ
　.　　! 　│ 　　 │　　|　　ヽ:　　　ヽハ　　　　　　＼
　　| ∧ ハ　　　.│　　 |　　　　ﾊ　　　　ヾゝ::.:.:.:.:.:. 　ヽヘ
　 ::, -┴ ､　　　::/l　　:::ﾄ､　　　 ::l　　　　..:::Nl :.:.:.:.:.ヽ:.:. |
∠´　　　ヽ ::__:ｉ l　　:::l　｀､　　 :l　　　　.:::::ｊ:::.:.:.:.:.:.ハ:. ,
　　￣｀~ヽ｀y　l　l :∧:l＿_ ｀､ .::l　::::::::::::___:ｊ:::.:.:.:.:.:!　j/
　　ヽ､　　 l/　/| -V￣ヽ　　　W|　::::「二ヽ|.:.:.:.ﾘ V
､　　　l 　 /イ´:::! __＿＿＿＿＿ |　:::|┌j　l.:.:.:/
_ ＼.　L／ /!::::::| '￣|「::::::::::|「　〉 |　:::|/／/ .:（
ｉ　ノ｀'´　 ∧ ヽ::|　　￣￣￣　´　l　::::|　／　:.:ゝ＼
二__ __ ,イ /　　｀　　　　　　　　 }　::::|く´　 :.|　`ー
　||　|「　|l |　　r､　　　　　　　,ィ　:::::|　ヽ　jﾉ

362 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:59:04 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────────────┐
│アーニャのように、ミルチャを偏屈者と貶めることなんぞできないだろう・・・。　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│アーニャは自己矛盾に陥ることはないのか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────┘

. 　　 /:.:.:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:| |:.:ｌ Ⅳハ:∧:.:.:./:.:.:.:.:.:.:/:.: !
　　 /:.:.:/i:i:i:i}:i:i:i:i:i:i:i:､:i:iV| |:.:.ｌ l、r　、ﾊ:./:.:.:. ／/:.:.:.:ﾄ
. 　 /:.:.:/i:i:i:ｉ∧:i:i:i:i:i:i:i:iヾ{ |_ｌ:.:.:ｌ l ≧＝彡:.:.:ｫ':.:ｨ:.:.:.:.:.:|ﾊ
　 /:.:.:/i:i:i:i:i:i:iﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i｝|:.:.:.:.L{　ｲ:i:i:i}:i:i:ｉイ :|:.:. :.:.:.! {
. /:.:.:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:｝:i:i:i==ミ:i |.|:.:.:.:.:| ∨:i:i`7:i:i:i:i:i|　|:.:.:ｉ:.:.:|__〉
ｲ:.:.ｲ:i:i:i:i:i:ヽ:i:i:i}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾄ|:.:.:.:.:|　|:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:|　|:.:.:|:.:.:|
:／l:|:i:i:i:i:i:i:i:i＼}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|ﾊ:.:.:.:.ﾚ":i:i/|:i:i/:i:i:i:|　|:.:.:|i:.:.|
:i:i:i}:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|i:i|:.:.:.:|i:i:i:ｲ│:':i:i:i:i |　|:.:.:|l:.:.|
:i:i:i|:|:i:i:i:i:i:iー:i:i|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i｢¨!:.:.: |T:.:.| .|:i:i:i:i:i:i |　|:.:.:|l:.:.|
ヾ:i|:|:i:i:＼:i:i:i:i: |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|　!:.:.: |.|:.: | .|:i:i:i:i:i:i |　|:.:.:ﾊ:.:|
:i:i:ヾ}:i:i:i:i:iヾ:ｉ:ｲ|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾄ. !:.:.: |.l:.:.:| .|:i:i:i:i:i:i |　}:./　}:.!
:i:i:i:i:〕iﾄ､//:i:i:i:i|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:ｉ:|:.:.:.:|.|:.: | .|:i:i:i:i:i:i l /ｲ　 .|:.!
:i:i:i:i:i:ﾊ:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|:i:i:i:i:i:i:､:i: |:ｉ:|:.:. 八:.: ! .!:i:i:i:i:i:ｉ://　　 j:.|
iト:i:i:i}/:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|:i:i:i:i:≧ﾐi:ﾊ:ｲ:.:/　 }:ﾘ　!:i:i:i:i: //　　,从!
:i:i}:i〕iト:．:i:i:i:i:i |:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iＶi{、　　 .|:i:i:i:ｉ//| 　 .ｲハ}
:i:i}:i:i:i:i:i:i:i:T:i¨¨|:i:i／￣￣￣｀ヾ}　　　.{:i:iイ厂￣｀X　.ﾉ
￣￣￣￣￣:!:ｲ　｀　､ヽ＼＼￣ (＿__ｽ＿_)_))￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　¨ゝ＿___）__)＿)__)

363 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:59:33 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────────────────────┐
│もしかして、少女時代、むやみやたらに『人民のために』とか『国を愛してやまない』という　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│恥ずかしくなるほどくさい台詞を吐いていたのは、それに反する想いが強く、それを振り切るために、　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│あれほど強い口調でスローガンじみたことを言っていたのではないか、と思えてきた。　　　　　　　　　　　　...│
└────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　． ´ -====ミ:.:.:.:.:.:＼
　　　　　／｀ヽ　　　　　　　　　　／:./／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:ﾄヽ
　　　　 ′ 　　　　　　　　 r':.:.:./:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.x:.:.::ヽ　ｽ
　　　　i　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.':.:.:|:X　ﾄ :.:.:.ト:.／:.:.:.:.:.: ∨:ﾊ
　　　　|　　　　ﾟ，　　　　 {l /:.:i:.:.:.:Ｎ＼{　＼! 芹ミ:.:.:.:.:.:.:ﾄ .ハ
　　　　　　　 ∧　　　　 V:.:.:.|:{:.:.:v芹ﾄ　　　 V/ﾂ:.:.:.: l:.l│:|:.
　　　　　　、　　　　　　　　 |:..:.:.|:.Y:.:| Ｖ/　　　　 ""|:.:.:.:.l:.|/Vｌ:.i
　　　　　　 ∨　　　、　　　　|:.:.l:.|:.:.:.:.| ""　　‐ﾍ　　　|:.:.:.:.l:.|:.:.:.|:.|
　　　　　　ヽ　　　＼　　　|:/从:.:.:八　　 {　　 !　　 |:.:.:.:.l:.|:.:.:.|:.|
　　　　　　　　＿、　　　　ヽ.　 |'　 =ﾐ:.:.:.:.〕ト　ー　　イ |:.:.:.:.l:从/j:.'
　　　　　 /　　＼　　　　{￣｀ヽ- ､:＼:.:.!: :}　￣　　| :|:.:.:.:/:.:/ /
　　　　 __.ノ　　￤　　　ゝ　　　　Ⅵi:ヾ ∧　　　 Ⅳ:.: /:.:ｲ
　　　　'　　ｉ　　　 |　　　　　　＞─一　´￣￣｀ヽ ===ﾐl:./}/、
　　丿　 | 　　ハ　　　　　　　　＿＿ノ V´￣|": : i:iト．
　　 .′ | 八　　　 .ﾉヽ　　　　　／￣ Ⅵi:ﾄ: : : : |　　 |: : : i:i| ハ
　　 { 　 !　　＼　　　　}　　　　　イ　 l 　ヾi:i:ﾄ: : : |　　 |: : : i:i|__ノ＼

364 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 22:59:57 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────────┐
│年老いた両親に愛され、いつも良い子であり続けなくてはならなかったアーニャは、　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│常にその時々の体制に適応しようと全身全霊を打ち込んできた。　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│そのたびに、古い主義をきれいさっぱりぬぐい去っていく。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　 -───- ．
　　　　　　　　　　　　　　´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.＼
　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:∠二二二二＼:.:.:.:ヽ
.　　　　　　　　 ,:':.:.:/:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼l:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　　　 / 》７:.:.':.:.:.:. イ:{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:トﾐ
　　　　　　　 ./l/　':.:.:l:.:.Χ　}ハ:.:.: |、:.:}:_:_:_:.:.:.:.:ﾄ､》
　　　　　　　 ':/ヽj:.:.:.:|:/==ﾐヽ　＼{ Xハ:.:/!:.:.:. | /:|
　　　　　　　ｉ:.| / l:.:.:.:ﾚ芹/ﾊ　　　　イ笊心 :.:.:.:.K}:.|
　　　　　　　|:.| !| |:.:.:.:ｌ　Vソ　　　　 l//ﾘ ' |:.:.:.:.| | :!
　　　　　　　|:.ﾄl:|_|:.:.:∧　　　　 ′ 　 ` 　 /|:.:.:.:.| l_l|
　　　　　　　|ハ:.:.|:.:.:.:.:.:.、　 `　一'　　ム|:.:.:.:.|ｲ:.ﾊ
　　　　　　　|　/⌒>-ﾐ :.:.＼　　　　イ:.: 从:.:.:l:.:/！
　　　　　　 ,/　　／ヾ「ﾉ ≧ｰ‐ ≦:./:.:.ｲ:.:.:.:.: !:′
　　　　　　ｲﾊ　　／ )ﾄ:ヽ　　　 /Ｖl:.:.:.:j:.:.:.ｲ:/
　　　　　 /:i:i:ｉ:ｌ　　　 ,ハ{:∧　＿ヽ: :〕iドミ、!′
　　　　 ./:i:i:ｉ:/|　　　 /:i:i: : : :V　　　＼: : i:i:iﾊ
　　　　ｲ:i:i:i:ｲ:i:＼　ｲ}Ｖﾊ: : : :∨￣￣　ﾟ，i:i: :∧
　　　 {:i:i／:i:i:i:i:i:i:i:¨:i:i:/{ヾiﾄ: : : :ヽ　　　　| i:i: :|:i:iヽ
.　　　 Ⅵ:i:i:i:i:ヾ:i:i:i:i:i:i:}圦: ヾiﾄ．: :∧　　 | i:i: :|i:i:i:/⌒ヽ
　　　 /}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|i:i:＼: ヾiﾄ : ∧ 　 ,| i:i: :|i:iｲj　　　＼

365 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:00:17 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────────────────┐
│アーニャがロシア語を忘れたことに驚いたが、あれは、アーニャの習性からくる当然の帰結だったのだ。　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│常に勝ち組にい続けるための過剰適応という名の習性。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└─────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿__ 　__＿__
　　　　　　　　　　 .,､.:＜::::::::::::::::::::::::::::::::｀＞.､
　　　　　　　　　　　 ,.::':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ;｀ヽ
　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:ﾄ、
　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨:}｝、
　　　　　　イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨::::',
.　　　　　く ;'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::lヽヾ、
.　　　　　　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l 　〉〉
　　　　　　　　ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::l::i: イく
　　　　　く_l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::l::l .l; ヽ
　　　　　　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::l::::::::::::l::::::::::::::: l::l .l;､ヽ
.　　　　　　 l:::i::::::::::::::::l:::::::::::::::::l:::::::::::::::l::::::::::::l::::::::::::::::l::L ハ__j
　　　　　　 l:::l:::::::::::::::::l::::::::::::::::l:::::::::::::::::l::::::::::::l::::::::::l::::l::: ﾘ
　　　　　 l:::|:::::::::::::::::l:::::::::::::::l::::::::::::::::: l::::::::::::l:::::::::l::::l::ﾉ
　　　　　　　 l;:i!::::: |:::::::::l::::::::::::::l:::::::::::::::::::l::::::::j::j:::::::ﾉ:::ﾉﾘ
　　　　　　　 iﾊ::::::l::::::::::i;::::::::::::|::|:::::::::::::::j::::::/:/::／ノﾉ
　　　　　　　　!　ゞ:ヽ:::::::l:∨:::::::l::l:::::::::::::ｲ:::::ｲ/::/ノ:く
　　　　　　　,イ:::|:.＼ヾ;:::!: ∨::::从:::::／:/:／∧/:::::/ :｀ゝ
　　　　　,ｲ: :l:::::l: : : : : ヾ: : ）ノ: : ∨: :／: :/: :./:::/.: :/　｀ヽ
.　　　 / i: : |:::::!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,'::::,': : :l　　　ヽ
　　　　/ ￤: :!::: !: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;:::::;: : : l 　　　｝

366 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:00:44 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────────────────────┐
│それにしても、ミルチャを貶すアーニャ。あれは、アーニャの本心なのだろうか。そうは信じたくない。　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│そうだ。アーニャは、ミルチャのことを言ったとたんに、嫌な顔をした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│私がミルチャのことを褒めるたびに必死になって抵抗した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　＿_ __
　　　　　　　　　．　´:.:.:.:.:.:.:.:.`:..、
　　　　　　／:.:.:／──‐-ﾍ:.:.:.＼
　　　　　　 ':.:.:／　--======ミ:.:.:.:.ヽ
　　　　 //:.:.:∧:.:.:.:.＼:.:.:＼:.:.}:.:《` ー┐
　　　　｢/|:.:.:/､ヽ :.:.:.ﾄ:＼:.:.:メ:.:.:{ ＼__.!
　　　　{/ l|:.:.:|　＼＼:| ヽ:.×　!:.:.ﾟ， .ﾊ
　　　廴_|:.:.:| 芹莉　　／イ莉|:.:.:.|イ:.:i
　　　　|:.:.|l:.:. !　ﾋリ　　　ヒリ|:.:.:.| |{:.:|
　　　　|:.:.||:.:.:ﾄ　　　 ′　　　　,|:.:.:.| |ｌ:.:|
　　　　l:.:/|:.:.:|:.:〕iト　_丶 __ .イ:.|:.:.:.| |》:.!
　　　　|:ｌ从:.:.{:.:.:.:.;r‐ヘイiトﾐ:.:.:|:.:.:从!:.:|
　　　　|:.:.:.:.ヽ:.:／ /に芥ス　{:.:{:./:.:.:|:.:.!
　　　　|:i:.:.:.:.:.〈　./{　ﾑﾏﾊ　 Vｲ:.:.:.:.l:.:.|
　　　　lﾊ:.:.:.i:.∧ ヽ}　У {:.:ﾟ,　{:.l:.:.:.:.:|:. |
　　　　|　}:.:.|:.:.:.:ゝﾉ ./　　｀l}　|:.|:.:.:.:.:!:.:{
　　　　|　ヽ!ﾄ :.:.:.:i／ゝ __.ノﾄｰ}:.!:.:.:.: !:.:|
　　　　　　　＼{:i:i:i:i:i:ｉ:／しﾉ:.ﾄ :.:.:.l:.！
　　　　　　　　　　i`ーrく＿_{:.:.:! ＼:j:.:.|
　　　　　　　　　　|// ﾄ. ∨/∧:j　　 |:.ハ
　　　　　　　　　　|// |.　 ∨/∧_　　′
　　　　　　　にス!　　込ス_}
　　　　　　　　　￣　　　　￣

367 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:01:14 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────────────────┐
│それだけ、気にかかって仕方ないのだ。ミルチャの存在は、アーニャの良心をチクチク刺している。　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│アーニャの眉間に深く刻まれた皺が目前にちらついて胸が目前にちらついて胸が苦しくなった。　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ィ´　　　　　￣`ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 Z　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　Z/／ィ　ィ　, /人､　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　Z/／/／/／/ .'　ヽﾊﾄ,　ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　,=､{　'　 '´　 ' ,　　　　__} ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　i' `}__≧ｔｧ‐《__》‐tｧ≦__{/ .〉
　　　　　　　　　　　　丶（!,弋二ノi 弋二ノ ,ｊﾉ./
　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ_ﾄ､.　　,〈 _ ,､　　,ｲ/''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ,.. 　＿＿ヽ　/ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ'!乂　　－　' ノｊ .ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　,《.}　＼`'''''⌒''''´,.ｲ　,!ﾉi
　　　　　　　　　　　　　　　 /　`＜_. `ﾞー‐''´._,.ィ´　 .ﾄ､
　　　　　　　　　　　　＞＜　`＜__/　　　　‐=V　　　 '　`ﾄ､
　　　　　　　　＞＜　　　　　　　〉`ー､＿,.=‐ V　　　　　　 `ト､
　　　　　＞＜　　　　　　　　　 / =‐-　　　　 _}　　　　　　　　　　`ト､
.　　　　, '　　　　　　　　　　　　 ,'`＜　　＞'´ .|　　　　　　　　　　　　 `ト､
　　　　|　　　　　　　　　　　　　,'　　/　 ∧.V　.|
　　　 |　　　　　　　　　 ,'　　/　　 ∧.V .|
...　　　|　　　　　　　　　　　 ,'　　/　　　 ∧.V|

368 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:01:56 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　（.::　　ヽ
　　　　 ,.:⌒ヽ　　　　（.:: 　　　　）　　　　　　　　＼　　　 |　　　　／
　　　（.:::　　　　'　　　（　　　　　　　ヽ.:⌒ヽ　　　＼　　　l
　　　　ゝ.::　　　　｀ヽ(.::　　　　　　　　　　　）　　　　　γ' ⌒ヽ　(⌒ 、
　　　(.:::: 　　　　　　　　　　､.:⌒　　　　　　　ヽ──‐ （　　　　） ─
　　(.::::　　　　(:::⌒　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　丶＿,ノ　　（
　（.::::　　　　　　　　　　　　　　.:::　　　　　　　Y.::⌒　ヽ　◇　　　　（
　　（.:::::　　　　　　　　｀).::: 　　　　　　　　　　　　┌┐⌒ヽ⌒
　　　ゝ.::::　　　　　　　　　　　　　　ﾉ.::　　ノ　　　　└┘
　　　(.:::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　(.:::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　,/二ヽ　　　　　　　　　,/二ヽ　　　　 .|
　　　｀ﾟ´　　　　　　　　　　　　　｀ﾟ´　　　　　　 |
　´゛￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣~~|
　　|￣￣|￣￣|　　　　|￣￣|￣￣|　　　 |￣￣|　　, -'"ﾞ|
　__,,＿_,_＿,＿__＿＿＿_　__,|＿＿|　___＿＿__,,_|　　|:::..:...|
: 二二二二二二二二二ﾐ) 　　　　 .(ﾐ二二二二|　　|:::......|
　XXXXXX::　________XXXi|┐　　　 .|iXXXXXX.| ,＿"'-､,|
　XXXX::::: ／／..／!　.Xi|フ!　　　　　　　XXX.| |＼＼
　　　　／／／　i.,___　　／￣￣￣＼　　__ﾉ　＼＼
　　.　　|￣|￣|　 ,,r'ﾞ　　.／　　　.　　　ヽ,　　ヽ. 　 |￣|
　／　.,,ﾉ　..|　 i,／　　.　　￣￣￣|i;￣￣￣　　 .　丶ﾉ　..|
　|￣￣_____|___｀￣￣|／　　　　...r'jｷ　　..　　＼|￣￣_____|

369 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:02:25 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────────────────┐
│翌朝一番に、レストランに乗り込んで熱いコーヒーを流し込んでいると、アーニャが降りてきた。　　　│
└─────────────────────────────────────────┘

　　　　／＼ヘﾍハ/ヽ､
　　　／　 , ヘ＿／ヽヽヽ
　　//　 /／＾´￣｀＾＼＼ゝ
　_,// 　〃 ,　 ,　　　　､＼ヽ､
,ノｲ| l/　//ﾊ|　　l | ﾊ| 　 lﾊ|`
　　小| 　l/ﾅ弋　 |.lﾅﾅ|　l |
　　l从　|（三）＼（三）|,ﾙﾘ
　　ノﾊ小ゝ　　＿　　ｲ|./
　　　　//＞ -.|￣T |-イi　　　　ｽﾞｽﾞｽﾞ
　　　　{{〃｣:^^|___(⌒.)
　　　　　／:::::::::　　|::＼.＼
　　　　/:::::::::|￣￣￣:l.:l　　〉
　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|

┌────────────────────────────┐
│目の下に隈ができている。同じように眠れなかったのだろう。　　　 .│
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　 _＿＿
　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
　　　　　　　 ,:':_:_:_:_:_:_:.:.、:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　 ./-------≧ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　 /ｨ:.:.､:.:.:.:.!:_:_:ノ:.ｉ:.:.:.Ｋ＾ヽ!
　　　　　！l:.:.:云､:.ﾄ:.:.:.＼|:.:.:.|、＼〉
　　　　　　 / }:.似　　==彡|:.:.:.|:.＼j」
　　　　　　ﾑｲ从　　　　 u|:.:.:.|:.:.:.:.:|
　　　　　　　 .L|:.l:≧=ﾟ ‐=≦:.:. !:.:_.:.:.、
　　　　　　　 /:.:l:.:.:./ｲﾚﾍ.l:. 才:i:i:ヾ:.:.、
　　　　　　 ./:./i|:.:/`r─‐/:./:i:i:i:i:i:i:i:＼
　　　　　　 /イ:./:/／!ヽ /:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　 ./i:i/:ｲ:.ハ/:!_.ｲ:./:i:i:i:i＼i:i:i:i:i:i:
　　　 .／:i:i:{:i{:./:i/／:i:ｉ|:.{:i:i:i:i:i:ｉ:/＼i:i:i:

370 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:02:53 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────┐
│悪かった。謝ろうと思った矢先、アーニャは、　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│笑顔をこしらえながら頬ずりしてきて、こちらの気勢をそいだ。　　......│
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
　　　　　　　　　　　　　　　　 .ィ:.:.:.:.:.:.:. -───　ミ:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:／　　-───-　、ヽ:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　＿.厶ィ:.:./／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼{:.:.:.:{7〕iト．
　　　　　　　　　　　　{　／　}:.:.:.:.: /}:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:V ＼ﾉ　　おはよう。ああ、久しぶりによく眠れたわ。
　　　　　　　　　 ∨　　/:.:.:.:.:/ ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}、　}
　　　　　　　　　　　　 ,:＼_ｨ:.:.:. _/　　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V:ハ　　今日は、どんな予定？
　　　　　　　　　　　 i:.://:!:.:.:.: l ＼　　ヽ:.:.:.:.ヽ :.:.X´:.:.:.:.:i:.:.:.ﾄ:∧　　　　　　　　　　　　　　　（フルーツ入り蒸しパン）
　　　　　　　　　　　 |//!:.|:.:.:.:.:|　　＼　　＼:.:.／　}:.:.:.:.:.:|:.:.:.!V:∧　いずれにせよ、お昼はオボチネー・クネドリキにしようね。
　　　　　　　　　　 /ｲ:ﾘ: |:.:.:.:.:|　　　　　　　　＼{　　Ⅵ:.:ハ:.:.| Ｖ:.∧
　　　　　　　　　 ./:.:./}:从:.:.:.:.| .ｨ==ミ　　　　 z==ミ И:.:.:l:.:ﾄ. ∨:∧
　　　　　　　　　 /:.:.//:.:.:.:.＼:.:〉　　　　　　　　　 l:.:.:从!:.ヽ∨:∧
　　　　　　　　 ./:.:.//:.:.:.|:.:.:.:.:ﾄ{　　　　　　 ′　　　　 /|:.ｲ:.: |:.:.∧ヾ:.:.:ヽ
　　　　　　　　 /:.:.//:.:.:.: |:.:.:.:.:ハ　　　　　- ─┐　　　//|:.:.:.:. l:.:.:.:∧　＼:.＼
　　　　　　　　〃:./ｲ:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.､　　ｰ一 ’　　 .ｲ:.:.:|:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:∧ 　 V:∧
　　　　　厶:./　|:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.父ト　　　　　イ:.:.|:.:. |:.:.:.:. {:.:.:.:.:.:.:.}　　}ｲノ
　　　　　 ./:.:.:{　 |:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.ｨﾊ　￣￣　ハ:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:＼/:|:.:|
　　　　　 /:.:.:./＼j:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:|: イi:/　＼　　／　 {:ｉ〕ｉﾄ|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ　|:.:|
　　　　 ./:.:.:./　　x…─:|:.:':.:.:|:i:ｉr──‐ｚ≧≦──‐┐:i|:.:.:.:.:.|──ミ、:|　|:.:|
　　　　 /:.:.:./ 　 /:i:i:i:i:i:i:ｉl/:.:.: |:i:i{　　　　-} 　 {ｰ　　　 }:i:i|:.:.:.:.:i|:i:i:i:i:i:i:ハ:!　!: |
　　　 ./l:.:.:/　　 ':i:i:i:i:i:i:i: |:.:.:.:.:|:i:iﾊ　　　　廴__j、　　 .ﾊ:i:|:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i∧.ﾉ:. !
　　　 / :|:.ｲ　　/:i:i:i:i:i:i:i:i:/:.:.:.:. |:i:i:∧＿_ノ | 　 | ＼__ ｲ l|ｉ:|:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}:.:.:.:|
　　 ./′|:.:|　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:/:.:.:.:.:.:ﾘ:i:i:{/　　　 :| 　 |　　　ヽ:i:|:.:.:.:.:l|:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ :.ﾉ

371 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:03:20 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　、　＿_,
　　　　　　､-ー'｀Ｙ＜,__＿
　　　　_＿≦ー`__＿　_二ｚ<_＿_,
　　　＞７ >,＞-‐ ´￣　｀'┴＜
　　＜"之Ｙ／　 ,　 /　　　　　　＼
　　　八 /:/　, ,/ / : /　/　ﾊ　　、ヽ
　　　 |;ﾚ;, .i : /: |: |: :/l : |.　 /|:ｉ|　 :ヽ '.
　　　 J　: ﾄ､| : l/Ⅳ-|イ{: :/`ﾄ+ｌﾉ,: : ｉ: |
　　　ハ{: l:ヽ|:! :!ｨ≠=r ∨ｨ≠=r}: :!:|ハ　　うんうん、母校の校舎に行ってみない？
　　　　'; : :V八_{ 下歹　　弋歹ﾊ:Ｎ
　　　 }j : :;（_∧.〃　　　　　〃,ｿ_）　　　　　今は、中等看護学校になっているけれど、
　　　 /ｲ :! : V 个、　―　　,ｲ|ﾉ
　　　　　|八 : :{ : !:.:r}＞‐　'l∨、　　　　　　予め申し込んでおいたら見学許可が下りたのよ。
　　　　 ∨ ＼{イ　ヽ. ＿　 } 　＼
　　　　　 r≦＼　　 /＞､ソ　　　/>、　　　クネドリキは、その後だ。
　　　　　i⌒ヽ＼＼ﾊ/／＞､　／／ヽ
　　　　 {　　＼}ヽ{ {ﾉ_/_ｫ　ヽイ/　　 }
　　　　　}　　　 |ヽ.＼　人　　}ノ　　　′
　　　　　ﾄ　　　ハ` ミ.}` 　i} 　 |　　　/
　　　　　|　　　 __ヽ　j　　 ′　{_ 　１
　　　　　}　／´　∨/　　 ,′　 '. ヽ. |
　　　　　l≦_ヽ.　／　　 /{　　 }　∧}
　　　　　　 |　∧　　　　/小　　　ムｲ
　　　　　　 }､　丶.__ .ｲヽﾊ入__ノ{

372 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:03:42 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─…━━　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:＼
　　　　　　　　　/ {　　　　　　　　　　　　　　 ,:':.:.:.:∠二二二二二ス:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　 |　l　　　　　　　　　　　　／/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｢＼　　　わーっ、手回しいい！
x─── -　.＿|　、　　　　　　　　　　 {_,/l:.:.:.':.:.:./ハ:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.Ⅵヽ. _}　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
───- .､　　 { 　ヽ　　　　　　　　　ｲ′:.:./:._l_l＿ l:|:.:.:.:.:.:.:.Y＿厶:.:l＼＼　　　　　　　　　　　　　　　/　|　　　　／
-──‐…　　　、　　}¨ミヽ.　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.! 　ﾘヽ:.:.:.:.:.:| |:.:.:|:.:.:|:.:ハ. ヽ　　　　　　　　　　　　　/　廴.. 　 ´ ／
── ァ　　　　　　　ﾉ　 } |i:〕iト .　　//:.:.:./Ⅵ :.:.Ｎ　　　＼:./ j:.从:.:. :.:.:.:.:.、{　　　　　　　　　　 / 　ｌ　　　イ
.　／　　イ　　　　　,　|i:i:i:i:i:i:〕iト /:.:.:.,:.:.:.:.|:.:.: x≠气　　　ｘ≠气:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ〉　　　　　　-‐=ァ'7´{　　！　　　´￣￣
　(／　／／￣￣{＼ノ　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼:.:.:.:.:.:.|:.:.:.|""　　　 ,　　　 ""|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.∧　-‐=≦:i:i:i:i:i/　′　　ﾉ　　 _(￣￣
　　 Y_／　　　　　乂__ 　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`ト :.:.|:.:.:.|　　＿＿__ 　　 |:.:.:|:.:.:.:l:.:.ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|　{　　　　　　　､　￣￣
　　　　　　　　　　 }}:::ヽﾉ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〕|:.:.:.l＼　{: : : : : : }　　ｨ|:.:.:|-=≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:|　.ゝ_7￣￣｀　、＼￣￣
　　　　　　　　　 =彡:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.|:i:父ゝ :_:_:_:ノ.イ:i:i:|:.:.:|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i乂:::::/　　　　　＼ }
　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣厂￣＼:i:i:i:ｉ:|:.:.:.|i:i:i:i| ≧==≦　|i:i:i:|:.:.:|:i:i:i:i:i:i:i:i: ィﾆ¨￣￣￣　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }i:＼:i:i:i/i:ヽ:iﾉ:.:.:.|7i{￣￣厂{￣￣} i|:.:.:.V:i:i:i／i:i:i:i:i:i}
　　　　　　　　　　　　　　　 /i:i:i:i:i:`:i}i:i:／:.:.:.ノヽiヽ＿/- ﾍ＿ノi:i:ゝ:.:.:＼"i:i{i:i:i:i:i:i{
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ---:i:i:i:i|iY:.:.ィi〔i:i:i:i:i∨　 | ｄ |　 ∨i:i:i:i:｀ヽ:.:)i:i:}:i:--=}
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:i:V:i:i乂i:i:i:i:i:i:＼_l、./!_／i:i:i:i:iノ:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i:i:i:i:i:i:i:i:人i:i:i:i:i:i:i:≧===== ≒ ====≦i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　、i:i:i:／:i:i:i＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｲ:i:i:i:i＼:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ＼:i:i:i:i:i:i:i:イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／i:､:i:i:i:i:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼i:i:i:i:i:i/:i:i:i:￣:i:７:i:i:i≧======‐＜:i:i:i:i:i:＼i{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーく:i:i:i:i:i:i:i:i:i{:i:i:i:i:i:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼:i:i:i:i:ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀寸:i:i:i:i:i{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}--‐=≦´ ￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣

373 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:04:32 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────────────┐
│そう言ってアーニャは抱きついてくる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│アーニャの分厚くて温かい胸に抱かれると、昨晩以来の胸の痞が嘘のように消えていく。　　　 │
└───────────────────────────────────────┘

　　　　　　　／　　/　　　　　　　　　　　　　从　　　　　　　＼ゝ
　　　　　　/　　　 i　　 |::::　ヽ　　　　　　　　　ゝ,　　　　　　　ヽ
　　　　　 .′ '　　ﾊ　　ヾ:::　 |＼　ﾊ　| 　ヾ;.　 |:::::　　　　ヽ　|
　　　　 | | │. /　＼. 　ヾ　|　 ! /　!. !　｜ i::: :ト.:::: 　　　　 ∨
　　　　 | | │ﾊ.|　 _ _､　　 | ,.x }/─ トl . /　i::::/:::∨ヽ:::::::　/
　　　　 |ﾊ　V. イ´　　｀ミ､.ｌ ,x=≠ミ.z/／ ,/ V::::::::::: ::::（::::::!|
　　　　　 l!　ゝ.　 l,x＝ミ､　 `　　　　ｲ／ / ) |:::::::::::::::::::＼ |
.　　　　　　　 7∨ 　　　,:　　　／ j.ｲr '_ノ::::::::::::::: ﾊ::::ﾉゝ
.　　　　　　　　ﾊ.　　　　　　 ,　　　　 rイ:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　ゝ　　｀　 ´ 　　　.イﾊi!:::::::::::::: //
.　　　　　　　　　　｀　　　　　 , 　　 |　ヾ.::::::::::::ﾊi
　　　　　　　　　　　　　　＞- r_ﾉヽノ＼／|　 ∨ゝ::|
　　　　　　　　　　　　　　　)::::::::::::::::::::::::::::::{.　　　 `
　　　　　　　　　　　　　ノ:: - ―　… ...－::` …‐- ､
　　　　　　　　　　 _ .．' :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ
　　　　　　　　　　::::::::::::::::: /::ヽ.::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::, :: ,
　　　　　　　　　.:::::::::::::::::ノ::::::::::ゝ::::::::::::::::::::::::|:::/:::／:::::::|
　　　　　　　　　.::::::::::::::::::/| _:::ノ￣｀ヽ _::::::::::|/／:::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　 /ノ　　　　　　　　ヽ:: |.':::::::::::::::::│

374 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:05:19 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||￣￣￣￣￣ ||
　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|| 　　i´T｀i　　 ||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　三三三三三三三三三三||　　 |__|__l　　 ||三三三三三三三三三三
　　　　 __　＿_,;　＿_ 　＿_;;　　||;　　　　　　　 ||　　＿_,,　＿_;;;　＿__　 __
　　　　 _||　||_|_||　||_|_||　||_|_|| 　; ||;　　＿__　 # || 　　||_|_||　||_|_||　||_|_||　||_
　　　　 _||　||_|_||　||_|_||　||_|_|| 　 ;||　　;;||_|_||　　 || 　　||_|_||　||_|_||　||_|_||　||_
　　　　　　￣'' 　;:;￣　 ''￣　　||;;　　||_|_||　　 ||
　　　　三三三三三三三三三三||　,,　||_|_||　　 ||三三三三三三三三三三
　　　　 __　＿_ 　＿_ 　＿_　　 [二二二二二二]　　＿_ 　＿_ 　＿_　　__
　　　　 _||　||_|_||　||_|_||　||_|_||　　 | |　＿＿　　| |　　 ||_|_||　||_|_||　||_|_||　||_
　　　　 _||　||_|_||　||_|_||　||_|_||　　 | |　 |_ :|: _|　 | |　　 ||_|_||　||_|_||　||_|_||　||_
　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,|_|　 |:::ﾟ|ﾟ:::|　 |_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
　　　　　;;;";;;:::::;; ﾞ"'':::::;;;;;;;" ""ﾞ　／￣￣￣￣＼ﾞ" ;:;;:;:;:''";:;:;:ﾞ" ﾞ" ;:;:;:"";;:;:
　　　　　;:;ﾞ" ;:;;:;:''"";:;:;:;:;:ﾞ" ﾞ";.／　　　　　　＼"'';;;";;;:::::;; ﾞ"'':::::;;;;;;;" ""ﾞ
　　　　 ⌒))ゝ⌒ゝ）⌒ﾐ⌒;;;)i^i　　　　　　　　　 i^i⌒ゝ;:;）⌒ゝ;;;⌒ゝ⌒´;;
　　　　 ;;ゝヾ;ヾ;:⌒;;Ｚ;）;.;)ヾﾐ|｜　　　　　　　　　　　｜| ゞ（(;;;ゝヾゝヾ;ヾ⌒;;;）)
　　　　ゝヾﾞヽｿ;;;)ヾｚ;:;ｿ(;;;ゝ|｜　　　　　　　　　　　｜|)ゝ;;;;ゝ））;ヾ;:;;;ヽｿヾﾐ;ｿ
　　　　 '"''"`''´"''"´"''"''"''`"´　　　　　　　　　　　　｀"''"''"`"´"''"''"`"´"''"''

375 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:05:47 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────────────────┐
│校舎の中は、ほとんど昔と変わりなかった。大理石の床も階段も。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│もちろん、ソ連国旗も赤旗もレーニンの胸像もなかったけれど、教室の佇まいは昔のままだった。　　　 .│
└───────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　ﾏﾍ　　　　　　|: :ｌ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|! :|　　　　　　　　　　／／l!
　　　　　　　　　ﾏﾍ　　　　　 |: :ｌ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|! :|　　　　　　　　／／: :.||
　　　　　　　　ﾏﾍ. 　　　 |: :ｌ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|! :|　　　　　　／／／|: :||
　　　　　　　　　　ﾏ/::ニニニ|: :ｌl ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ |! :lﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／／／: :｜ |l／
　　　　　　　　　　　 l　「￣￣.｜ｌ|　　　　　　　　　 |:: ::| 　　 .|! :l　　　／／／: : : : .!／.／´
　　　　　　　　　　　 |　|　　　｜ｌ|　　　　　　　　　 |:: ::| 　　 .|! :|　　 ,／／　.|l : : : :.／／´
　　　　　　　　　　　 |　|　　　｜ｌ|　　　　　　　　　 |:: ::| 　　 .|! :l　,／／／|　||: : ／／:´:!
　　　　　　　　　　　 |　|　　　｜ｌ|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿| : ／／／: :｜ |l／／'´|:::::|!
　　　　　__　　　　　｜ |　　　｜_ｨ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :::::／／: : : : .|／／　 . |:::::|!
　　　 // !＼　　 |　| 　　 ./:/ ￣￣￣￣￣￣|￣|￣￣￣￣￣￣l |: :!!: : : : ／／,　　　｜:::|!
. 　　 //::::|::::!:＼　 .|　|　　 /:/ || : : : : : : : : : : : :|　 |: : : : : : : : : : : : |.ｌ: :|ｌ: : ／／　　,ｨ　　 |:::::|!
　　 //!|::::|: :l::|::;:＼　└―./:/ l l| : : : : : : : : : : : :|　 |: : : : : : : : : : : : |.|: :|l／／　　／!:!　　 |:::::|!
. 　 //::::|::::|:ｨ==========/:/ l l l|＿＿＿＿＿＿|＿|＿＿＿＿＿＿| !／／　　／. : !:!　　 |:::::|!
　 //!|::::|: :/三三三三三/:/,ｌ l l l|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ｌ／　　／. : ／|:|　　　|:::::|!
. //::::|::::|:/三三三三三/:/.l ｌ l l/!　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　 .!　　,.ｲ. : ／: : :!:!　　 |:::::|!
//!|::::|:: /三三三三三/:/ l l l l/::|　|｢￣￣￣￣￣￣￣￣￣||　　　　 |　　|::|／..: : : ::|:|　　　|:::::|!
/::::|::::!:/ニニニニニ /:/ l l l l/: ::|　|| ｢￣￣|: : : : : : : : : : : : :||　　　　 |　　|::| . : : : : : !:!　　 |:::::|!
::l: :|:::l/ニニニニニ /:/ l l l l/ : : |　|| |＿＿.|―─┐: : : : : : :||　　　　 |　　|::|.:: : : : : ::|:|　　　|:::::|!
::l: :l::/ニニニニニ /:/ l l l l/:: : :::|　||: : ::| ~~~~　　|:: : : : : : ::||　　　　 |　　|::| : : : : ／}:!　　 |:::::|!
::|: :/二二二二二/:/ l l l l/:: : : :::|　||: :: :|＿＿＿__.!: : : : : : : ||　　　　 |　　|::|.:: ::／／|:|　　　|:::::|!
::|:/二二二二二［_］.l l l l/:: : : : :::|　||: : : : : : : : : : : : : : : : : : :||　　　　 |　　|::|:／／.: ::|:|　　　|:::::|!
::/二二二二二 : | | l l l/::: : : : : ::|　||＿＿＿＿＿＿＿＿＿.||　　　　 |　　|:{ ／ : : : ::!:!　　 |:::::|!
/二二二二二二:| | l l/:: : : : : : ::[二二二二二二二二二二二二二二]　　|::|:: : : : : :::|:|　　　|:::::|!
二二二二二二　| | l/:: : : : : : : :::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::l :|　　|::|:: : : : : :::|:|　　　|:::::|!
二二二二二二　| |/:: : : : : : : : :::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::|: ::l: |　　|::|:: : : : : :::|:|　　　|:::::|!

376 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:06:12 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────────────────────────┐
│二枚の黒板もそれぞれ一辺を教室正面の壁中央部に設けられた二本の軸に取り付けられていて、　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│一八〇度回転できるタイプのものがそのまま残っていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　 ||　　　　　　　　　　　　 ||
　　　　　　　　　|| ||　　　　　　　　　　　||　　　||
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　　　　　　　　　　　　　　　...＿＿　　　　　　　　　　　...|　 .,,..-''||,,..-''"||　|　　|　　|　 ||　　 ||　　　 ||
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　||(l||l)|　＿＿＿＿＿＿　　|　||,,..-''" ,,..-| ||　|　　|　　|　 ||　　 ||　　　 ||
　　　　　　　　　　　　　　||.└─┘ l|　　　　　　　 ||　 |　||二l.|| ||　 | ||　|　　|　　|　 ||　　 ||　　　 ||
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　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　||　　　　　　　|| 　|　||　　|| ||＿| ||　|　　|　　|　 ||　　 ||　　　 ||
　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　||　　　　　　　|| 　|　||　　||　　　 ||　|　　|　　|　 ||　　 ||　　　 ||
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＿＿＿＿＿＿[l＿l]＿__||　　　　　||＿_＿_＿_＿_.||　 |　||　　||　　　 ||　|　　|　　|　 ||　　 ||　　　 ||
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_]　　　　.|]＿＿＿＿＿＿]...|　||　　||　　　 ||　|　　|　　|　 ||_＿..||＿＿..||
￣￣￣￣￣￣|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||　　||　　　 ||　|　　|　　|
￣￣￣￣￣ .「　　＿＿＿＿＿＿_　　　＿＿_＿_＿_|_..||　　||　＿_..||＿＿＿＿＿
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377 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:06:40 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_ _
　　　　　　　　　　　　　　　．.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〕iト．
　　　　　　　　　　　 .ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　／:.:.　-====＼:.:.:.:.＼ｨ´￣￣{:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　 ,:':.／　　　　----＼:.:.:.:.＼ｰ‐y:.:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　 /:./ ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.＼/:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　　/:.:.ﾚ’:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ，:.:.:.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:':.:.:.
　　　　　　　 .':.:.:.:.:.:.:ト､:.:.:.:.:.:＼:.:.:∠:.:.:.:.:. :.:.:.: ヽ＼:.:.:.:.:.∧　　　　三〇年以上も昔のものが使われているなんて、
　　　　　　　ｉ:.:.:.:.:.:.:ｌ:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.､Ｘ　　＞ﾐ:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:、＼:.:.:.:.:.
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:┼ト＼:.:.:.:.:＼イし芯ハ:.:.:.:.:.:.:.:＼　､:.:.:.:､　　　物持ちがいいわねえ。
　　　　　　　 |:.:.i:.:.:.:.ﾟ，　__　￣￣　 V_ツ　 ∨:./:.:.:.:.: ﾄ､＼:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.、:.:.:.Ｖ芹心、　　　　　　　Ｖ:.:.:.:.:.:.:.|ヽ＼_〕:.:.:.＼
.　　　　　ゝ:.:.:＼:.:.:ヽＶﾂ、　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:＼}:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　＼{ ﾍ:.:.:.:.:.､　　 _ノ　）　　 /|:.:;:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:込、　　ー　　　／　Ｖ:.:.:.:.:.:.|:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:..＼
　　　　　　　　　　　　ｉ|:.:.:.:.:|:.父ト　--　イ　　ィi}:.:.:.:.:.:.从:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　||:.:.:.:.:|:.:.:∧:.:.:.:.:.:.ハイ　 /:.:.:.:.:./:ｉ:|:i≧=======…ミ:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　 .八:.:.:. |:.:.:.:r─‐ﾐ个/　　 ':.:.:.:.:./:i:i:i|:i:i:i:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　〈_/}:.:.:.:l:.:.:.:{　　 -|_ﾄ　 /:.:.:.:.:./:i:i:ｉ:ｉ|:i:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:.:.':.:.:.:.
　　　　　　　　　 /:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.ﾊ　　丿　∨:.:.:.:.:ｲ:i:i:i:i:i:j:ｉ:ｉ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　 ./:.:.::ﾉ:.:.:. !:./i:i:}=≦′　/:.:.:.:.:/:i:i:=＜:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ}:.:.:.:.:.:.

378 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:07:24 ID:dSIls7nU0

┌───────────────┐
│そのとき、就業ベルが鳴った。　　　 │
└───────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 |￣|￣|
　　　　　く二二７　　　／￣／|　 |　 |　|￣|　　 |￣|
　　　　　　　　　　　／　／　￣￣　 |　 |　　 |　 |　　|¨|　 |￣|
　　　く二二７　　.／　／　　　　　　　　￣　　 |　 |　　|_.|　 |　 | 　「i　「|
　　　　　　　　／　／　　　　　　　　　　　　　 ./　/　　　　　.}　 |　　¨　.|.|　　[]　「|
　　　　　　　／　／　　　　　　　　　　　　 .／／　　　　／　./　　　 .ﾉ ! 　　　ﾉﾉ　　リ
　　　[￣￣　／　　　　　　　　　　　　「￣　／　　　「￣　／　　　 └‐'　　　｀
　　　　￣￣　　　　　　　　　　　　　　　￣￣　　　　　￣￣

　　　　　、　
　　　≦｀ヾＹ´-＝＝＝- .
　＜　ヾ〃,　　　　　　　　＼　　　　　　！
　　_> ｿｨ'　 !　､　,　　 ,!　　、ヽ
　＜戈Y 　 |　 ,寸寸T ﾊT7 } ,　!
　　ﾉヾ!　　ヽ! ゝ( ●)　(●)|ハ|
　´⌒八ｿ　　(lv!　　　＾　 |
　　　　|::ヽ. ｼ゛　　　　￣　 ,
　　　　|::::|!ヾx　､　　　イ
　　　　|::::|!::|　`/⌒ヽ_〔

379 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:07:53 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　．　─…　　、
　　　　　　　　／:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:..＼
　　　　　 ___／:.:.:.:∠二二二＼:.:.:.:.:ヽ
　　　　　ﾏ':ｲ:.:.:./:.:{!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.:.:.:｢￣}
　　　　 / /:.:.:/:./ハ:.{:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:.l＼/
.　　　　　／}!:.:.:l:.:ﾊ{＼lﾊ:.:.:.厶斗:.: 川‐く
. 　　／.ｲハ:.:Ｎ芹心、＼{ィ笊Y:.:.:.:| ｢＼
　　　 i ,/ | l:.:从:.:. 匕ﾘ　､　　匕ﾘ|:.:.:.:| |　　　、
　　　 | {　| |:.:.:|:.:八"" 、 __,　 ""ﾑ:.:. | |　　 }￤　　　　ねえ、ベルの音まで、昔のままだ。
. 　　Ｖ　|/:.:. !:.:.:i:.:＼　　　イ:.:.:.:.∧　、　V
.　　　　　/:.:.:./:.:./i:ﾊｉ父ト/ )'ﾄ､!:.:.: i|:.:.:ﾄ _〉
　　　　ｲi:i:i:/:.:./｢´ヽ＼,/ /￣｀Ｙ:.:.lト:.:|
　　　 /}i:i:i:/:.:./i:}`ーへ　！　 /:.:.: |i:i:i:ヽ
　　 ./:.:!i:i/:.:./i:i:il≧=､　　:ト､__{ｉ|:.:.:l|i:i:i:i:i:}
　　/: /i:/:.:./i:i:i:/ 　 ,ﾊ　　|‐ｚｲi:|:.:.:l|i:i:i:i:i:|
.　/:.:.:}i/:.:./i:i:i:i:iTヽ/i人_ノ/i:i{ji込:.:.:ヽi:i:iﾊ

　　　　　､-ー'｀Ｙ＜,__＿
　　_＿≦ー`__＿　_二ｚ<＿
　　＞７￣､-‐ ´￣｀'┴＜
　＜之′Ｙ´／　　　　　　　＼
　　 >{　 ,' 　| ､　,　,.　 ,.l　　, 　ﾞｉ
　　 |　!､{　　| 寸寸T　ハT７} ｨ,ｌ
　　 ′Ｊｉ, ﾞｉﾞｉ（ ●）　（●）|ハ|
　　　　i⌒ヽ'(1. ''' 　＿'　 ''' ﾉ川／⌒)　　　　　ほんとだ。
.　　　ヽ　ヽx＞､（_.ノ__,イｌ |::::ヽ／
　　　　 ∧　人lﾊ:::::l,三|:::/ｌ|　,:::::ﾊ

380 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:08:23 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　----
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.`:..､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:':_:_:./:.:.:./二二＼:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　 /:.廴ｨ:.:.:.:/:.:.{!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　　　　　　　　　　 ':.:.:廴i:.:.:.:':.:/ハ:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.: ﾄ
　　　　　　　　　　　　　　　i :.:.:./ |:.:.:.l:/=ミ＼:ﾄ､ﾉ:.:.:.:.ｌ| }
　　　　　　　　　　　　　　　|:.／} l:!:.:.: 代之　　ﾚ }ﾉ:.:.ﾉﾘ
　　　　　　　　　　　　／:.:.//ﾞ|:.:.:N　　　 '　从ｲヽ　　ねえ、マリ、あのころは、私もあなたも、
　　　　　　　　　　　　　〈{ |:.:.ｌ/:从:.:.ト　　 ` ´ ｲ:.:.| }∧〉
　　　　　　　　　　　　　　　|:.:.}〉:.:.:V∧　≧=イ:r/⌒ヽ　　　純真無垢に体制を信じ切っていたわね。
　　　　　　　　　　　　　　　}:.:.:.:.イi:ｉV∧⌒Yi⌒{トくy　ﾟ，
　　　　　　　　　　　　　 /／:i:i:}:i:i:i V∧ノト--ﾍ:.:ﾏ　 }、
　　　　　　　　　　 /ｲ:i:i:i:i:i:i:＞:ｉ:V∧ ヽ.　　ﾄ:.:ヽ==ﾐ!
　　　　　　　　　　　　 /:.:}i:i:i:i:i:i:i:}ヾ:i:i:|V∧__}__ノi:i:ヾ:.}:i:i:|
　　　　　　　　　 /:.:. |:i:i:i:i:i:i:i}:i:ｉ:＼:ｉV.:}　　}:i:i:i:}i从:i:i|
　　　　　　　　　　　 /:.:.:.: !:i:i:i:i:i:iﾘ:i:i:i:i:i:iヾリ　 /:i:i:/:i:i:i:i:i:{
　　　　　　　　　　 ./:.:.:.:.:.ﾊ:i:i:i:i:i∧:i:i:i:i:i:i:i:i: ∨:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:′
　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:./i:i:i:i:i:i:iﾊ:.}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:i:i:iﾄ:i:i:i:i:i∧
　　　　　　　 /:.:.:.:.:./:i:i:i:i:i:i/:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉc}:i:i:i:i|:.≧彳:.:}
　　　　　　 ,:.:.:.:.:.:/:i:i:i:i:i:i/:.:./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i }:i:i:i:i∨ }:.:.:.:.ﾊ

┌──────────────────────────────────────┐
│私まで巻き添えにしないで欲しいと思ったものの、ノスタルジーに浸っているアーニャの　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│叙情的気分を害さないように黙っていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　､_　　＿
　　　　　　ｨ-‐ ` Y　＜＿＿
　　　＿≦―'´＿＿ _二z<＿
　　　＞ヾ￣, -‐　´￣｀┴＜
　＜戈､　Y　 /　　　　　　　　＼
　　　 >{　/ 　 l,　､　,　　,l_ 　､　ヽ
　　　|　ゝ{　　 l｀寸寸T ハT7 } ,､ l
　　　∨ヾﾊ ∨ゝ　（一）　（一）|ハ|
　　　　　　ヾi∨|　　 ,,　　'　,, |´
　　　　　　　ヽT､,_　　 )⌒_ ノ
　　　　　　　 |　lヽ::ニヨ7l
　　　　　　 └l´:::／ヽ |`

381 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:08:52 ID:dSIls7nU0

┌───────────┐
│アーニャは続けた。　　　 .│
└───────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_ _
　　　　　　　　　　　　　　　．.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〕iト．
　　　　　　　　　　　 .ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　／:.:.　-====＼:.:.:.:.＼ｨ´￣￣{:.:.:.:ヽ　　　　　あのころは、世の中のことすべて白か黒かで割り切っていた。
　　　　　　　　　 ,:':.／　　　　----＼:.:.:.:.＼ｰ‐y:.:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　 /:./ ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.＼/:.:.:.:.:.:.:.∧　　　今では、白か黒かなんてあり得ない。
　　　　　　　　/:.:.ﾚ’:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ，:.:.:.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:':.:.:.
　　　　　　　 .':.:.:.:.:.:.:ト､:.:.:.:.:.:＼:.:.:∠:.:.:.:.:. :.:.:.: ヽ＼:.:.:.:.:.∧　　現実は灰色をしているものだって学んだけれど。
　　　　　　　ｉ:.:.:.:.:.:.:ｌ:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.､Ｘ　　＞ﾐ:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:、＼:.:.:.:.:.
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:┼ト＼:.:.:.:.:＼イし芯ハ:.:.:.:.:.:.:.:＼　､:.:.:.:､
　　　　　　　 |:.:.i:.:.:.:.ﾟ，　__　￣￣　 V_ツ　 ∨:./:.:.:.:.: ﾄ､＼:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.:.、:.:.:.Ｖ芹心、　　　　　　　Ｖ:.:.:.:.:.:.:.|ヽ＼_〕:.:.:.＼
.　　　　　ゝ:.:.:＼:.:.:ヽＶﾂ、　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:＼}:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　＼{ ﾍ:.:.:.:.:.､　　 _ノ　）　　 /|:.:;:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:込、　　ー　　　／　Ｖ:.:.:.:.:.:.|:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:..＼
　　　　　　　　　　　　ｉ|:.:.:.:.:|:.父ト　--　イ　　ィi}:.:.:.:.:.:.从:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　||:.:.:.:.:|:.:.:∧:.:.:.:.:.:.ハイ　 /:.:.:.:.:./:ｉ:|:i≧=======…ミ:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　 .八:.:.:. |:.:.:.:r─‐ﾐ个/　　 ':.:.:.:.:./:i:i:i|:i:i:i:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　〈_/}:.:.:.:l:.:.:.:{　　 -|_ﾄ　 /:.:.:.:.:./:i:i:ｉ:ｉ|:i:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:.:.':.:.:.:.
　　　　　　　　　 /:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.ﾊ　　丿　∨:.:.:.:.:ｲ:i:i:i:i:i:j:ｉ:ｉ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　 ./:.:.::ﾉ:.:.:. !:./i:i:}=≦′　/:.:.:.:.:/:i:i:=＜:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ}:.:.:.:.:.:.

┌─────────────────────────┐
│素直に頷けなかった。そのような一般論に逃げ込んで　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│アーニャが自己を合理化していくのが嫌だった。　　　　　　.....│
└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　＿_　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　＼　ヽ／ ∠_
　　　　　　　　　＜⌒＼　／ヘ
　　　　　　　　 -=ﾆ¨ 匸＞=＜二＼
　　　　　　　＞'"´￣￣｀＼ー≧＿_
　　　　　　　／　　　　　　　　￣７＜
　　　　　　　 /,　 / /_|　　＼__ヽ｀Ｙ′之＞
.　　　　　ｲ/　 |:/|:∧　:|＼{＼ ! }　ヽ　}<
　　　　ﾉ八　.{　---＼l ---　||　　}ノ　|
.　　　　　　　＼| （三）　（三）.ﾉr'／
.　　　　　　　人''　　__　　 u ィT´
　　　　　　　　　　　｀　ｧ┬=≦:ﾉj ∨
　　　　　　　　　〈ｘく矢¨¨ヽ|__八

382 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:09:25 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　＼｀ヾ:.:.:.:.　.:.:　　.:レ'´／
　　　　　　　　　_,.　-=≒‐:.:.:. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣ﾞ≧
　　　　　　ｘ≦_:.:.: ,．　 ´￣｀ .　´￣￣｀丶､:.そ
　　　　　 ≪_:.:.:／: : :.:　　　　 :.　:.　　　　＼:.≧ｘ､
.　　　　　,ｘ≦:./:.: : : :.:　.: :　:　 :.　:.:.　 :.　　　　ヽ:て¨｀
.　　　　　￣｀7:.: : :　:.:　.: :　.:　　:　:.:.　 .:　:.: 　　ﾊ:.:.:.＼
　　　　　　　,':.: : :　.:.:　:.: :　.:　 .:.:　.:.: .: .:　.:.:. :. Ⅵ´￣´
　　　　　 i:.: : :　 :.:　:.: : : :.:　:.:.:.　.:.: .: .: .:.:.: ＼:＼
　　　　　 l :l|.:.: .:.:.:ﾄ､:.ﾄ､:.:.:j:.:.:.:.: /!:.:ﾊ:.: ﾊ.:　:.:.:トﾐ≧
　　　　　 |.:j|:.:.:.:ﾄ､|弌!弌ノ!:.:.:.:/ T7''T'7 |.:　:.: |
　　　　　 Ⅵk:.: :!.ｧ^笊ﾐ¨V:.:／ｧ^笊ﾐ¨Ⅵ:. .ｲ:.j
　　　　　　　ﾘﾊ:.:圦乂iｿﾉ´ 　ヽ.乂iｿﾉ.j:./ Ⅳ　　　　アーニャはソビエト学校でも愛国心の強さでは
　　　　　　八＼{　　　　　　　　　　 /ｨ　ﾉ
.　　　　　　　　ヽﾊ　　　ゝ　　　　 /ｨﾍ　　　　　　右に出るものいなかったでしょう。
　　　　　　　　　　 /:.＼　　＿_ 　　　.ｲﾊ:.kﾍ
.　　　　　　　　厶ｨ:.:/ﾐiｘ.　　　　ィ:.:.:.Vﾊ!　`　　　　　あれも、白黒の世界だったの？
　　　　　　　　　　ﾑﾊV:.:ﾏ=≧=≦=7:.:.:.:.:.Vﾊ
　　　　　　　　　ﾊV:.:x仆ミ//彡仆x :.:.:/Vﾊ　　　　　　国籍を変えるときは、辛くなかったの？
.　　　　　　　　 /ｘ＜///＞介＜////＞xVﾊ
　　　　　　　 ,ｘ＜//////〃./ﾊVﾊ.V///////＞ｘ,
　　　　　 //////////｛しﾞ//}.しﾞ.}//////////ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿
　　　　　　　　　　　　　＿__ ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　 }＿_ ':.:./二二二､:.:.:.:.:ヽ_＿_
　　　　　　　　　　　〈　 /:.:.:.':.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.`:.:.:.:〈＿ｨ′
　　　　　　　　　｀7:.:.:./X:.{:.:.:.:.厶イ:.:.:.:.:.{＿_{
　　　　　　　　　　　 ':.:.l:. 芹ﾐ:.:.:.:' ィ芯l:.:.:.:!　く
　　　　　　　　　　　　　i:.:.:Ｎ　じ＼l　じﾊ:.:.:.l:.:.､＼　　　　　　　　マリ、国境なんて二一世紀には無くなるのよ。
　　　　　　　　ｨｌ|　　 .l:.:.:ハ" 　 '　　 "" }:.:.:|:.:.:ﾄヽ｀ニニニヽ
　　　　　　　//　ﾚ1　　|:.:.:.:込、ｰ　´　ィi:.:.:.|:.:.:|＼＼　　　､〉　私の中で、ルーマニアはもう一〇パーセントも占めてはいないの。
　　　　　 ′　' /　　,|:.:./ｨf⌒≧=≦─ｵ:.:.:|:.从　ヽ　、
　　　　　 {　　ｲ　ｲi|:ｲ:i|i:| 　芥ﾄ　 /i|:.:.:ﾑ:.:∧　　＼_〉　　　　自分は、九〇パーセント以上イギリス人だと思ってる。
　　　　　／ト-彡、　{:i:i|:.li:i|i:i`T´　/`彡 i:|:.:.|:i:i:ヽ:.:.:.、
.　　　　 {ト==':i:i:i:i}　 }i:ｉ|:.|i:ﾊ:i:i:|　 ,　/:i:i:i:ｉ|:.:.|:i:i:i:i:V:.:.:＼
.　　　　 |:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｲ　/i:/:.八/:i:i:! 　厶イ:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i}:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 V:i:i:i:i:i:i:i∨:iｲ:./:i:i{:i:i:i:i∨/:i:i:i:|i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:ﾑ:.:.:.:.:.:.:.:...、
　　　　 }:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:/:ｲ:i:i:∧:i:i:/:i':i:i:ｉ:/:i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
　　　　 V:i:i:i:i:i:/:i/:.:.{:i:i:i:i: V/:i:i:ｉ:／:i:i:i:i:|:.:.|:i:i:i:i:i:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}

┌────────────────┐
│さらりとアーニャは言ってのけた。　　....│
└────────────────┘

383 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:09:48 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────┐
│ショックのあまり、私は言葉を失った。　　　 │
└──────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　 /l
　　　　　　　　　　　　　ﾉi　＿/.f_、
　　　　　　　＿Y´￣ﾒ´　i　　　　｀ヽ
　　　　　　　　7　 f　 .　　　　丶i　　ゝ/
　　　　　　　 ,.f-‐ ア丁￣｀丶　　　　V
　　　　　　／　　　　　　　　　＼　　　∧
　　　　／　　./　　　　　　　 V　　　l
　　　 ./　　　 /　　　　　　　　i::V　　N!
　　　 j　　　 {　　　　　　　　 i:::|　　<
　　 ./　　　　　　　　　　　　　　 |::l/i　ル
　　 | .!　　　 i　　　　　 ! 　　　 .|::i i /
　　 |;ハ　　ﾊ　　 {　ハ　!　　.iｲ:| ﾘ
　　 |!　 ' 　 | ヽ　 /／　ヽ|　 ./ |:.|
　　 |　　ハヽ , ,ヽ{　　 , , , .ｲ:.:/ 人:ーへ
　　　　 {:ヽ!:.:丶.　r_っ　／/|:.///::::｀¨¨´|
　　　　 l::::ヽﾙ|　「二二イ　|'.//:::::::::::::::::|
　　　 l::::::::＼ ,r=≠へ/　／/::::::::::::::::::::|
　　　　.|::::::::::::/　＜}ア　ヽ／/:::::::::::::::::: |

384 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:10:14 ID:dSIls7nU0

┌─────────────────────────────┐
│ブカレストで出逢った、瓦礫の中でゴミを漁る親子を思い出した。　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│うつろな目をした人々の姿が寄せては返すように浮かんでくる。　　　....│
└─────────────────────────────┘

: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : :, - '': : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : :,ｲ
: : : : : : : : : : : : : : : :/: : ,　': : : : : : : : : /: : : : : : l: : : : : : : : /､!　　　,
: : : : : : : : : : : : : : :/: ／: ; : : : : : : :i: : : : : : : :,; ｲ: : : : : : : /Vヽ- 彡'
: : : : : : : : : : : ; ィ/／ィ' /: : : : : : : :!: : : : ; ＜　 l: : : : : :／l`´: <´
: : : : : : : : : ／　l／: : : i: : : : : : : : l : :／　　｀`l' : : : :/／!: : : : ヽ-ｧ
､-､ _: : : ／　　　V: : :／l : : : : : : : l／ ' ￣ `　/ｨ : : /‐- l: : : : :,／
:＼ヽ`､; ′　　　ヽ:/rェl: ﾄ、 : : : ﾍ弋ｦﾌ￣｀〃l: :, 仞￣ﾄ:ﾍ.￣
: : :ヾヽヽ　　　　　　ヾi　ハl iヽ: : : :､ヽ‐---‐' 　〃　`ｰ ' l! ヽ!
: : : : ヾヽ､　　 , -､‐弋　　 !: ` ､: ﾍ`ヽ,,,,,　　　′　　〉''' }!
: : : : : :.＼ヾ、 f　　ゝ､::}`ー!: : : : !`ヽ　　　　　　　　　ﾉl
:.: : : : : : :.＼ヽ l　　　　`ー-l: : : : :ﾄ､　　　　　　　　　／: :l
:.:. : : : : : : : :＼ !　　　　　　l : : : : l:）¨''‐､、　　　 '´／,ｨ`>- ､
:.:.:.:.: : : : : : :／ヾヽ　　　　 l: : : : : l　　　〉:〉丶.__.／ ./:.:/　　 }
:.:.:.:.:.:. : : : /　　ヾヽ　＿ l: : : : : :l　　／:/　　ヽ､,＜¨￣　, ｲ
:.:.:.:.:.:.:.:. : :ヽ.　　　 >､ヽ.　l: : : : : : !／:.／　　　　　ヽ:〉　ｨ: : :l
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:. : :＼ .／　ヾヽl: : : : : : :l:.:.:/　　　　　／　　 i: : : !

　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　ﾍ |/　　　　　　　　　　　ハ　、　ﾊ
　　　　　　　　　　／　　　　　　 |ヽ　 /|　　　　　　　　　　　　ヽ＼　l
　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　::|:::::∨::::|　　　　　　　　　　　　 |　　＼
　　　　　　　 |　　　　　　　　　 |::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　|　　　ヽ
　　　　　　　　　　| 　　　　　 ,　 |::::::::::::::::::|　　　　　　　　 |_,　　　ｌ
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　　　　　　　　　　|　　　　　　 |- |:::::::,l:::::::/::.|　|∨ 　　　　　 |　ｌ　／＼
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　　　　　　 ,-'"::::|　/∨ 　　　 |弋__ﾉ"'::::::::ヽ_'| |　,_|　,　　　　　　| //:::::::::::::::::::
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　　　　 |:::::::::::::|/::::::::∨　 i　|::::.　　....::l 　　　　 | .|　　　　 /::./:::::::_,,..-‐''""
　　　　　 ∧:::::::::::::::::::::::::∨ |ヽ.|、:::::::::::::::!　　　　　　　|　　/| /::/:::::,-'"::::::::::::::::
　　　　　　∧、::::::::::::::::::::::ﾔ|:::::|:::'､,_:::::::::::,____________　 |　/.::|/::/::::/::::::::::::::::::::::::
　　　　　〈::::ヽヽ::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::｀丶 -------'"-|/.::::/::/::/::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　〉"'::、::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ --- '":::::::::|::::::::::::|:::|::::::::::::::::::::::::::::::

385 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:10:38 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ィ≦三ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　,..::'´:._j三三三ﾆ廴
　　　　　　　　　　　　　　／:r'二´三三三三二｝
　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.）三三三三三三く_
　　　　 rｰ-ｖ一'⌒ヽノj:.:.: , イ￣￣｀＜三三三ﾆ）
　　　　 |匸7:.:.:.:.:.:.:/_7:.:／:r┘/　　　　ヽ、三〔_
　　　／人/:.:.:.:.:.:.ﾊ７:.:.:.:.:.〈　 ′ 　　､　　　ヽ三ﾌ
　　　＼V{:.:.:.:.:. /ﾆ7.:.:.:.:.:_:ﾉ,　l　 |　　､ヽ　ヽ ∨ 〉
　　　　 └う:.:.:.:.{三{:.:.:.:.:.:ヽｌ　|　lﾄ､＼ヽヽ｀、｀､Vﾆヽ、
　　　／ {:.:.:.:.:.|三|:.:.:.:.r‐'∥ ｌ　| ',丶　ｌ川 l | ｌ | !　ヽ＼
　　　 //　∧:.:.:.:.ｌ三l:.:.:.:ヽ　|ヽ｣斗-ﾍ }ノ,ｴZ{ノ/リﾍ＼　＼ヽ
.　　 | l　/　ヽ、:.:Vﾆヽ:.:r个ﾄ,ｨfｌ圷　｀化ﾉｹハ　　｀ヽ＞└′
　　　ｌ｜,'　　　「ヽ{ｌＨｌﾘ:{ 小 ` ゞ ′　　　　八ヽ＼
　　｜V　 ,'　 l| | ｀＜7/ | lヽ､　　 , .′, 仆ヽ＼ヽ
　　｀７　/　 ,ｲ |　　 l├ヘヽ―ﾍ、__,.:'⌒ヽ｀､｀､　ヽ＼
　　　 /　　　/ |｜　　 | |:.／ヽ＼::.::rﾍ::.::.::.::.::＼ヽ＼　＼ヽ
　　　,'　′ / /|｜　／ヽ＼::.::.::.) ）{廴r-､__::.:rく　＼ヽノ /
　　 / /　　 /ﾊ !／:.:.:._:_;＞=≠-‐､::.f‐ﾐヽV　＼　}　〉 /
.　 / /　　 / 'rﾍヽ:.:.:. ヽ二ﾆ＝=､　｝:｢｀{　　,ゝ､＿Ｖ_/∠＿
　/ , 　　 / ,':.:.:.:.ヽ＼:.:.:.:.:.: r‐彡ィ´:::|::.::>‐':.:.:.:.｀)ー‐r≠ﾆ　｝
./ /　　 / /:.:.:.:.ノ:.＼ヽ:.:.:.:.:.ヽ＞:l ::.::|::└r1 :.:.:.:.:.ヽノ/_／く
／/　 | / /:.:.:.f⌒ヽ:.:.ヽ｀､:.:.:.:.:{{ヽＬ厶-‐'/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.人　　ヽ

　　　　 |:.:.:.:.∧:.:|　　　 |:.::∧:.:.:.:.:.| ≧:.:L-＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　 }:.:.:.:.ヾ:.:.:',　　　|:./　.V:.:.:.:|ﾆ-=＝＝=＼:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.∧
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　　　 /:.::V:.:.:.:ﾚ'´>=ﾆ示ヽ､＿V:.||　 {辷zり　 .||　ﾚr -､V:.:.:.:.:.:∧
.　　/:.:.:.:.:V∧:.r'´ /ひｮリ ||￣ .ヾ∧＿＿＿ //　　／ .}:|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　/:.:.:.:.:.:.:..:/ヾ::>　ゞ' ´　|| {　　　￣￣￣￣　　入ソ/:.:.:.:._＿／
　　￣￣￣ |:.:.:∧ヽ＿ -=''´ ヽ　　　　　　　　　　/　／:.:ヽ￣
　　　　　　　ﾚ'´ ヽ |　　　　　　　＿　　　　　　 /-'´／￣
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　￣_　　　　　　/￣゛゛
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　_　ィ|
　　　　　　　　　　　　　　｀　､　　　　イ　　　ｙ入
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニi　´　　　　／　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　／/　}　　　　/　　　　|＼
　　　　　　　　　　　　　　　/　/　ﾉ　　　　/　　　　　|　￣ ' - ､
　　　　　　　　　　　　　　/　　V'´￣￣ ../　　　　 |　　　　　　｀ ' - ､
　　　　　　　　　　　　.／/　　/::::::::::::::／＿＝=-､＿ |　　　　　　　　/ヽ

386 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:11:04 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　＿　　_,
　　　　　　　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー -､
　　　　　　　　　　＿>ｚ二_　＿　__`ー≧＿_
　　　　　　　　　＞┴'´￣｀　 ‐-､￣７＜
　　　　　　　 , '"　　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
　　　　　／ .／ ,　　 !　　　,へ　　　ヽ　.}<い
　　　 ./　 /　ハ　∧ ‐- ﾊ _,ﾊ:　　　ﾊ V. ﾚ
　　　　 |　　! _/_　|/ 　 r≠=ｧ!-‐'!ヽ　　.}　!"i}　　　本気でそんなこと言っているの？
　　　　 |　/.|/r≠、' 　　| _ｒｿ'|.　ﾄ、　 /|　∧ﾊ
　　　　 ∨ヽ/.| jﾘ　　 ´￣⊂⊃.|ﾉ　 /i .八ﾉ　　　　ルーマニアの人々が幸福ならば、
　　　。　　 / 7 ´　　　　　　ｲﾊ　∧|/ﾙ′
　　　　　　 i八　　l7￣'ヽ　　　/V/　|ﾚ　　　　　　今のあなたの言葉を軽く聞き流すことができる。
　　⊂　　　 .!/|＼　　-‐' ,'　 /ｲ、ﾊ_'゛
　　　 ι　　　∨ `ｰ‐ｧE二ﾆ:::::::｀ﾍ、＿　　　　　　でも、ルーマニアの人々が不幸のどん底にいるときに、
　　　　　　　　　　 `' _ノ;/ 　＼:::::::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　 /!::;ー―‐‐'ヽ /::::::::::::::::',.　　　　そういう心境になれるあなたが理解できない。
　　　　／）　　　　/:/　　　　　　　 i':´（＼:::::|
　　　/／）/´!　　,|/　　　 "　　　 .ヽｒ（＼＼ﾍ
　　　| /｀i　/ 　 /:{　　　'三'　　　　 }`（＼ヽ∨|
　　 /| /´!ｲヽr/:::::＼　　, ヽ　　　.//（ヽ、　|,ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　　|＼_ ￣ﾄ､ｰ―-､
　　　　　　　　　　＿＿＿＿_＞　＼| Ｌ＿＿_|
　　　　　　　　　　＞＿＿＿__　　　　__＿　＜
　　　　　　　　 l／　　　　ヽ　／　　＼!ゝ
　　　　　　　　／　　　　／ﾐヽ Vr勿＼　　＼ヾ
　　　　　　／／　　＞-―┴┴-　∠.:＼lVVV＼＼
　　　　　∠／　　／　　　　　　　　　　　　ヽ　　　ゝ　》
　　　　　/:/: . : /: . : . : . : . : . : . : . : . : . : .. :ヽ: . :}: | ﾉ　　　　　あなたが若い頃あの国で最高の教育を受けられて
　　　　 /:/|: . /: . : . : . : . :/: . : . : . : . : 　.　　 ',:.:| :∧
　　　 |/ :|: /: . : .:/: . : . ﾊ:: . : . : . : . : . :　 . 　', |'　 |　　　　　　外国へ出ることができたのは、
　　　　　j:/!: . : .,': . : .:／: .|: . : .// /ﾚ'|i ト､|:　. Ｎ　　ｌ
　　　　　　ハl 　 l 　/ヽ､＿､;:　|　,＿,.ハ＼ヽ　l i |.| l　l|　　　　　あの国の人々が作りあげた富や成果を
　　　　　ヽ!　ハ ./　　　○　　　　○　　　 l l !.| l　|
　　　　　　i Y/ 　Y.l　｀ー　　　　　ー　'　/ 》 ///i 　|.　|　　　　特権的に利用できたおかげでしょう。
　　　　　　.| l ! 　　 |´´´ 　　' 　　　 ´´´イ// /ﾚ'| 　i ト､|
　　　　　　ハ～､ゝ＞、　（_）　　　∠/ / /ﾚﾍ　ﾄヽﾊﾉ
　　　　　　　ﾚ//, ､/⌒ ＞ - ｧ　´ ﾑム/
　　　　　　　　 /,.-/_　く　 `ー '"´　　ﾉ　＼
　　　　　　.　／　＿_）／｀ｰ--- ‐ '"ﾍﾍ　　　ヽ
　　　　　　 / 　　 ___ﾉ　　　　,.　　　　　ｉl　　　　〉
　　　　　　 !　　　__,ﾉ　　　／　　　　　　ヽ　　　l

387 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:11:29 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　､　　__　_　_
　　　　　　　　　ｨ　‐､|V´　　　 <
　　　　　　　　／__/:＼∧. :　　.＼
　　　　　　／￣.　　　　　　⌒ヽ. : .＼
　　　　　/　　　 | .ｌｌ.　　| :.　　　∨. : .',
　　　　ｲ! ｌ.:| .|:ﾊ::|i:　 /!ﾊ:.,ｨ !|　|. : lヽl
.　　　　_|!|::|::.ﾏト廴|'∨斗ャﾚ/ .!. : !　｀
　　　」_Ⅵ､:ﾄﾞ ○　＿　○ 〃ｨ:/,-､　　　　それに心が痛まないの？
　　　 (_うﾄ､T¨　 /　　ヽ　　|ﾉ仆ン
　　　　＼ノ＞､」＿　レｲ「_」ｒ'´
　　　　　　　｀''-〈:::::7=_7::::ゝ´
　　　　　　　　　 |/￣￣ヾY
　　　　　　　　　 |　　　　 }

⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　о
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー -､
　　　　　　　　　　　　　　　　＿>ｚ二_　＿　__`ー≧＿_
　　　　　　　　　　　　　　　＞┴'´￣｀　 ‐-､￣７＜
　　　　　　　　　　　　　 , '"　　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
　　　　　　　　　､__-／ .／ ,　　 !　　　,へ　　　ヽ　.}<い
　　　　　　　　　 ./　 /　ハ　∧ ‐- ﾊ _,ﾊ:　　　ﾊ V. ﾚ
　　　　　　　　　フ　　! _/_　|/ 　 r≠=ｧ!-‐'!ヽ　　.}　!"i}
　　　　　　　　　￣|　/.|/r≠、' 　　 iﾘ　ﾉ|.　ﾄ、　 /|　∧ﾊ
　　　　　　　　　　 ∨ヽ/.| jﾘ　　　　　　|ﾉ　 /i .八ﾉ　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　 / 7 　　　　　　u　ｲﾊ　∧|/ﾙ′＞
　　　　　　　　　　　　 i八　　l7￣'ヽ　　　/V/　|:::::|　 {　　　あうう・・・
　　　　　　　　　　　　 .!/|＼　　-‐' ,'　　/ｲ、ﾊ_'゛|;;;;|　ｲ人
　　　　　　　　　　　　　　 ∨ `ｰ‐─ｧ　　　 .|　从　|:::;|
　　　　　　　　　　　　 ,､＿/;;/-y'　（!、　　ｲ＼_
　　　　　　　　　　 / ヽt――!　　ヽ＼_ﾉ l　　 Tｰ-､.!
　　　　　_　　　　 /　　 i　　 |　　　 V !ヽ!. 「i!i 下- ｣｀i
　　　_／　ヽ､　　 /　　　 l.　　 |　　　　ヽ!　!　L!｣　!　　　l
　　/　｀ >-､_) 　 /　　　　 l　 _ ,|　_,.r-ﾍヽV^>_-､_ _ト､/　l
　　! 　 /　／ヽ/　　　　　 !　　｀´ 　／ , Tト､ヽ、｀　',　 !
　　l　　　 '　　/ ｀7　　　　　 /　　　　ヽ／!ﾊ.l! ｀ｰ' 　　 ',　l､
　　ヽ､　　　　'　 /　　　　　 /　　　　　　 /　 !l!　　　　　 l　　ヽ
　　　l ｀>､_ 　_ ハ　　　　 /l　　　　　　 l!　/ !l.　　　　 /　　　ヽ
　　　!　 l　　 / 　 l　　　 /　l　　　　　　 l! /　ｿ　　　　 /　　　　　ﾍ

┌───────────────────────────────────────┐
│次々にそんな想いが頭の中を駆けめぐるのだが、口ごもってしまって、言葉にならない。　　　　│
└───────────────────────────────────────┘

388 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:11:58 ID:dSIls7nU0

┌───────────────────────┐
│アーニャは、顔を上気させて滔々とまくし立てる。　　　 .│
└───────────────────────┘

　　　　＿＿＿＿＿
　　.ィ ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....、
.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.`:..､
:.:.:.:.:.:.／二二二二、:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　 =ミ
:.:.:.／ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　　　　 Y　　　そうよ、マリ。民族とか言語なんて、下らないこと。
:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:. !:.:.:.:.く￣｀Y.:.:.:. 　　 ′　　}
:.:l:.:.:.:{:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.厶:.:.: |:.:.:.:.:.:i ーｲ:.:.:. !　　/　　　/　　　　人間の本質にとっては、大したものじゃないの。
:.:l:.:.:ハ:.:.:.:.:|:.:／:.:l从:.:.|:.:.:.:.:.:|ヽ./:.:.:.:.:l　 /　　　/
:.:.:V__　＼:.:l/ヽ:x示心:ｌ:.:.:.:.:.:ﾄ.　＼:.:. |　　　 /　　　　　今私は英語でしゃべり、マリはロシア語でしゃべっているというのに、
:.:.:.|　＼　ヽ ´ ∨ツ ':.:.:.:.:.: | }/∨}:.:_ノ　　 ′
:.:.:.㌧≠ミ　　　　 ""/:.:.:.:.:.:.:从乂V´　　　 /⌒ヽ　　　　お互いほぼ一〇〇パーセント分かり合ってるでしょう。
:.:.:.∧""　′　　　　,:.:.:.:.:.:.:./:./l:／　　　　、　　＼
:.:.:.l:八　　　ｔ一　') :.:.:.:.:.:.:ｲi:i:{,/　　　　　厂ヽ　　}　　､
:.:.:.|:.:.:|:〕iト．￣斗:.:.:.／f´￣　　 /　　　{ 　 /　 /　}　}
:.:.:.|:.:.:|:.:.:.:.:.:.／ / |:.:.:':i:i:i乂＿_..イ≧=‐-ﾍ.　'　 /　厶ｲ
:.:.:ﾊ:.:.|:.:.:.イ广 }マ|:.:{i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:|i:i:ヽヽ　　　--彳¨{
:./　l:.:|:/i:i:ｉ:廴.八_|:.:K:i:i:i:i:i:i:i:i∧i:i:i:i＼二二.イi:i:i:|
:′│:li:i{!i:〈／　Ⅵ:.:|i:〉i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iｲ
　　,l:.:|i:i:|!i:i| o/i:i:ｉ|:.:|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:、:i:i}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i |
.／:il:.:|i:i ヽi| /i ／|:.:|i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,．-,r=‐'⌒'=‐＜
　　　　　　　　　　　　　　　　, イ　 "　　　　-‐- ,_＼
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　｀ヽﾍ
　　　　　　　　　　　　　　__L__　　　　　　__　　　ヽ、ﾞﾍ
.　　　　　　　　　　, イ´￣＿..￣｀ '´￣　　｀ヽ、　　ヽ }
　　　　　　　／,ィ''"~　／⌒　　　　　　　　　＼　　ヾ
　　　　　　／　　　　　 '　　　　　__　　　　　　　ヽ　　ヽ
　　　　　／　　　　　　　　　　　 ´　＼　　　　　　 '　ﾍ/
　　　　イ´　｀　 ,　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　'　ヽ
　　　/　　 ,　　,'　.i　　 i　　　　　、　　　ヽ　　　　　 | 　 i
　　 ,' ,　 ./　　|　 :|　　 |　　ヽ　　ヽ　　　　.', 　　　 | 　 |
. 　 { .|　 .|　　 |　 :|　　ハ　　.', 　　',　　　 }　　　 .| 　 !
. 　 ! .|　 .|　　 |ﾆ=|､　　　 .ﾞyﾆキ―-､',　　　,'　　　　 !　ハ
.　　ﾍ!　　', 　弌仆ｔヽ、　　ｨf乏ぇ、 .|　　 /r-、　　 /　./
.　　　ヽ　、　!　込;}ﾞ　｀ヘ/乂い } ﾉ |　　/ァ-､',　 ./　/　　　　霊的存在としての人類ってわけね。
　　　　　ヽヽ　,`､__,,　　　　　 `'"’, /!　./ ,'.　 !j　./　ﾊ
　　　　　　ヾlヽﾐ　　　　　　￣´ /ｿ　从'＞'"＞'　｜|
.　　　　　　　ヽ、　　｀　　　　　 ,ｲ／〃　／　　　.l､!
　　　　　　　　|　ヽ、　、　　　　　 '／　 |"´,　　ﾍ/
　　　　　　　ヽ|　.ヽ　￣｀　　　イ　　ﾄヘ　　从
　　　　　　　　　｀　　.｀ぇr‐.＜　　　　_,,ｨ|　｀ﾞ从ヘ
　　　　　　　　　　　　　 |＿,,,... -‐,i彡ィﾍ
　　　　　　　　　　　　　 |≡-=≦三三三＼
　　　　　　　　　　 --‐≦三三三三三三三三≧ｭ

389 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:12:34 ID:dSIls7nU0

┌────────────────────────────────────────┐
│精一杯皮肉を込めて言いかえしたつもりだが、アーニャは、さらに高揚した口調で続けた。　　　　│
└────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_ _
　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　｢｀　､/:.:.:.:.:,に二二ス:.:.:.:＼
　　　　　　 ./l　　 /:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:ヽ
　　　　　　 /:.廴.__ｉ:.:.:.:':.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:ヽ:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　　':.:〈　　 l:.:.:.:.:.:.廾:ﾊ:.:.:.:.:.:.ｲ--:.:.:. :.:.:.|
　　　　　　ｉ:.:.:.:}　 .ｨ:.:.:.:.:.厶:トミ:.:.:.:/厶ﾐ:.:.:.:.:.:.:.ﾘ
　　　　　　 |:.:.:.:｀７ |:.:.:.:.:.l {r::ﾘ　＼ {r:ﾘﾄ:./:.:.:.′
　　　　　　 |:.:.:.:ノ /|:.:.:.:.:.| ""　　　　 ""|:.:.Ｖ:/　　　　　人類は、そのうち、たった一つの文明語で
　　　　　　ｌ:イ　ｲ{ |:.:.:.:.:.| 　　　 '　　从:.:.:|
　　　　／/ ／:.:.:.:|:.:.:.:.:.|、　 r ‐ｯ　ｲ:.:.:.:.:.|、　　　　コミュニケートするようになるはずよ。
　　　.／　ィ:.:.:.:i:.:.:.|:.:.:.:.:.|父ト　＿ .イ:.:l:.:.:.:.:.:|　、
　　 / 　 /:.:.:.:.: 从: |:.:.:.:.:.|⌒ヾーｧ ==ﾐ !:.:.:.:.: ! 　}＼
　 ./ 　 /:.:.:.:.:./:.:.:ｨｉ|:.:.:.:.:.l 　 -{__}-　　}il:.:.:.:.:.:ﾄ　ﾊ　ヽ
　〈＿/:.:.:.:.:./ィi:i:i:i:|:.:.:.:.:.| ィ７'　ト､___/il:.:.:.:.:.i| }　 }＼/
　　 /:. ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:.:.l　/　cl|　　 Ⅵ:.:.:.:.八j＿j
. 　 /イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:.i./　　 lヽ._＿}i|:.:.:.:.:.:.:.＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー--≧ 　 V　ﾚ´{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,フ'　　　　　　　　　__｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　-‐　　　≦＝=､､-､　　　　　＼｀ヽ
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､ }　　　｀フ
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ|　　　｀ヽ
　　　　∠ニ´_/　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 |　 }人　{ヽ.　＼ヾ
　　　　　　 /　　　　　/!　　　　ﾄ　|　ヽ　　.| 　ﾐ　　ﾉ　ヽ._
　　　　　　 |　　　　　/ |　|　　　 | | | ヽ |　　| ヽ }　　 {´￣　　アーニャ、私たちの会話が成立しているのは、
　　　　　 }|　　　　 / __| ||　ヽ､|__ﾘ＿_ ヽ!　 |V-/,ｲ人
　　　　　　ﾘ|　|　　_／　ﾘ |　| /　y　　　　ﾘ|　i´[]´　/.ﾉ　　　　お互い英語とロシア語を程度の差はあれ、
　　　　　　　 |　､ | |jィ=≠ァ! // 　ィ≠=ァ　! ´|/|　| |/
　　　　　　　ヽ　､| | 弋付ソ|/"　　弋ｲタ　　|　|ノ/　　　　　　　身に付けているからよ。
　　　　　　　　＼v||　　　　　　　　　　　 !　!/
　　　　　　　　　　 |ヽ　　　　ヽ　　　　　　　／|　ﾄ,　　　　　　　　あなたがルーマニア語でしゃべり、
　　　　　　　＿_　　|ヽ　　　　　　　　　ｲ､/ 　| }＿......,,__
　　　　　／　　｀ーヽ　ヽ､_ .　 ‐ ‐ 　／ .ﾉ/ 　./　／　　　ヽ　　私が日本語でしゃべったら、意思疎通はできないはず。
　　　　　|　￣＼　　ヽ　ヽ　＼ｰ ‐ ´ ／ i 　 /　/　　　　ヽ
　　　　　|　　　　ヽ　　ヽ　＼　＼__／　　|　/ 　 }　　　　　 {
　　　　 |/　　　　＼j　|　 |;;}　/;;;;;ヽ　／!/　／　　　　　　　}
　　　　 /　　　　 {　　|　| ./;;;{人;;;;;;;∧/;;;/ﾘ　 |　　　　　　　　 |

391 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:15:21 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　...::´　　/　　　　　　　　　 ∨|!　　　 /　　丶､＼
　　　　　　,..:'　　　 /　　　.、　　　　　　　　川　　　 |　　　　ヽ￣
　　ー=彡'　　.'､＼＼　　｀ヽ　 !　　　　ハ　　　! 　 .|　}
. 　　　 ,'　　　.i.i.|.　＼＼＼　 !　ﾄ､　　　 } ﾉ　　　{　　ﾄ､!　　大体抽象的な人類の一員なんて、
　　　　　i　　　川　　　＼＼＼}　 !ミﾐﾄ､　 //　..　　!　　.}
　　　　 |　　 i , |.|　　　　 .斗-┼　!ミﾐﾄ､　＞､ .　　i　　人　　この世に一人も存在しないのよ。
　　　　 |　　 |.i i |　　 ´ ,,,r=≠i|　ﾄ､ﾐＹ´｀ヽ　/　Ｙ´＼ゝ
　　　　　!　　 |ﾘﾘ　　 .〃弋::::ｿi　 |　!ｉ　{､. ﾘ '　 /　 ,{　ヾ　　　誰もが、地球上の具体的な場所で、具体的な時間に、
　　　　 |　　 |ｆトﾐ　　　　　 "　｜｜ﾘ　ｒ'./ i　 /　　人ﾄ､
.　　　ﾉ人川弋ﾘ）　　　　　　 .!　i　　 ,,ｲ /　/　　/ |/　｀　　何らかの民族に属する親たちから生まれ、
　　／´　.从ﾊ　ヽ　　　　　　ヽ|　　∧ ハ从　/　 ′
　　　　　　　　ﾍ.　　　　　　　　　./　/ 　/　∨　　　　　　　具体的な文化や気候条件のもとで、
　　　　　　　　　ﾉ＼　￣　´　　　／.-‐ "´￣￣￣￣}
　　　　　　　i''￣￣｀ミト.､　　 ..ｲ　´　　　　　　　 |　　　　　何らかの言語を母語として育つ。
　　　　　　　|三三＞. 　｀＜´ _ _ ..-‐≠三三三三三{
　　　　　　　トﾆ三三ﾆ＞..､　｀　＜三三三三三三ﾆ!
. 　　　　ﾉト.、｀ヽ三三三＞..、　　｀ー=≠ﾆニニニゝ---､
　　　　　　 !/::::::::ﾄ､　｀ﾞ＜三三三三二二ニニニニニニニミ＼
　　　　　 |',:::::::::i´ ＼　　｀＜三三三三三三三三三三三ﾆﾐ､＼
　　　　　 |::V::::::!___..ノ>､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_｀ヾ三三ﾐ､＼
　　　　　 |::::V／　／::::|　/::::::|　　　∨::::::::::::::::::/::::/:::｀ヽ.＼三ﾆヽ　＼

392 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:17:22 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　 _彡'　　　　 ,.．-──‐＜／ / ﾍ　　　　ﾍ、＼
　　　　　　　　__,ノ／　　 . へ、／￣｀　　.　｀ヽ. 　',│　　　V）ﾉ
.　　　　　￣ ¨ﾌ　　／　　　　　　　　　　｀　､ﾉｌ　| |　　　　 '.′
　　　　　　　　　/ , ／　　　　　　　　　　　　＼ﾉ/.　　　　八
　　　　　　　 /　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vﾑ　　　　＼
　　　　　ノ　{′　　　 /　　　|　　　　　　　　 Vj　　　　　ト､＼
.　　　　　　 |　　|　　/ 　,ハ　　　|＼　　　　 }　　　 }　　 │ 　}ゝ　｀ `
　　　　　　|　| |　　小: |≧ﾐ＼　 |　‐ -ﾍ.ｰ-/ヽ. 　 /　　 ∧　ﾉ（
　　　　　　　 Ⅵ. |.　l　|ィ=≠=ァ-`,ｊ.　ィ=≠=ァ-}　ノ　　/|　ﾚ'　　ヽ　　どの人にも、まるで大海の一滴の水のように、
　　　　　　　　ヽj､　l |`弋;;;;ソ. 　　　弋;;;;ソ j／|　／ﾘi　　　　　|
　　　　　　　　　　ヽ小　　　　　　　　　　　　 j／/j/ ﾊ　　　　,'　　母なる文化と言語が息づいている。
　　　　　　 fヽ　　　 lヽゝ　　　ヽ　　　　　　/ｲﾊ|ノ|.::|　 j!　/
　　　　　　 |　|　　　　|ﾊ　　　　　　　　　　ｲ:::|　|:::|　八（　　　　母国の歴史が背後霊のように絡み付いている。
　　　　　　 |　|　　　　＼　　　-二ｰ　　　 ,. ´ﾚ |:::|　|:::|/　　ヽ
　　　　　　 | │　　　　　　＞; ._　　　　　＜::ﾄ;ｰ:八::し':ノ　　　　　　　それから完全に自由になることは不可能よ。
　　　　ﾉ⌒`( ￣ヽ.　, ‐ ¨::::::::::L::_::￣::::´::::::_ソ::::::::::::::::ヾ＝、
　　　/　 `ヽ　Ｔ　 V:::::::::::::::::::::::::::::::~:::::￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.　　　　そんな人、紙っぺらみたいにペラペラで面白くもない。
　　 {　 `ヽヽﾉ　　}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､:::::::::::::::::::';
　　　ヽゝ _)‐'　　/j::::::::::::／ー　--　＿ ;;;;;;;;:::::::::::::丿::::::::::::::::::∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐……‐
　　　　　　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:,;.:.:.:.:.:.:〕iト
　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　 _/_:.:.:.:.:.:/　二二二二二＼:.:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　　　　　　く／》:.:.:./ィ´:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:＼{:.:.:.ト￣｀7
　　　　　　　　　　　 }　/:.:.:/:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.:. :.:.:.|　 .У
　　　　　　　　　　　ﾊｨ′:.:.:.:.:/　 }ヽ:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:廴,ｲ:.
　　　　　　　　　　 .':.:.i:.:.:.:.:.､/　 / 　＼:.:.:|ヽ:.:.:.|_:.:.:.:.:.Ⅵ:.:i
　　　　　　　　　 i: /|:.:.:.:.:. !`ー‐一　　ヽj斗匕ﾊ:.:.:.:.:ｌ| |:.:|
　　　　　　　　　 |:.{ {ｲ:{:.:.:.|v≠=ﾐ　　　　ィ=≒ﾐ:.:.:.:. | |:.:|
　　　　　　　　　 |:.l/ |ハ:.:.! 戈夕`　　　戈夕 }:/:.:.:.| N:|
　　　　　　　　　ｨ:/ /|:.:.:.:.:ﾄ　￣　　､　　￣　ﾑ:.:.:.:.|Vヽ＼　　　　　　・・・・・・・・・
　　　　　　　　　/i:i/ /:i:!:.:.:.: |ゝ.　　　　　　　 .ｲ|:.:.:.:.:.|i:}:i:i:Ⅵ
　　　　　　　　 .:i:i/ / |:ｉ|:.:.:.:.:|:i:i:〕ト. 　 `^　　.イ:i:i:|:.:.:.:.:.|i:iヽ:i:i:}
　　　　　　　 {:i:i:Ｖヽ|:ｉ|:.:.:.:.:|:i:i:i:|＿≧==≦__.|:i:i:i|:.:.:.:.:.|i:i:i:}〉i:|
　　　　　　 V:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:|:i:i〈　　 ‐{__}‐　　〉i |:.:.:.:.:.|i:i:i:i:ｉ/|
　　　　　　　　　|V:i:i:i:i: |:.:.:.:.:|:i:i:i:}　　ｲ芥ﾄ.　　{:i:ｉ:|:.:.:.:.:l|i:i:i:i:{:.:!
　　　　　　　　　|:.}:i:i:i:i: |:.:.:.:.:|:i:ｉ:/￣　 | d　￣ヾ:ｉ|:.:.:.:.:l|i:i:i:iﾊ:.!

393 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:31:17 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　 , -、
　　　　　　　　　　　　　　　　ィァ ´　　＼＿
　　　　　　　　　　　　 /ﾍ⌒{// ／イ´　―-}
　　　　　　　　　　　／７ /ヽｲ/ /´　　―＝-ミヽ
　　　　　　　　　 ,ィ′{　{ミ、ヽｲ、∠ｨ、＝ミ＼ヾ｀ミヽ、
　　　　 _ , -‐"´ハ　ﾊ　ﾏｨ――-ミ、_、｀ヾ‐-、ゝ＼｀￣
.　　　　　　 , ｲ-‐-＝ミ、( 〉ノ_ｿ∠"勹ミ＼　ヾ｀ヽヽ、
.　　　　　／, イ　イ"´ ／/　ヽ　｀、　ミヾ、ｒ-ゝ＼　｀
.　　　　／イ　／´〃　ｲ /{　　ヽ　＼　＼ヾ　ヽ　ヾヽ
　　　　// ｲ／ / /　　ｨ　|　　　 }　　ヽ　ヽ、ヽハ　ヽヽ}
　　　 // //　/ ｲ　 _,＿ｭ、{　　　 }＿　 }　　｝|ヾゝ、ﾊ ',
　　　 |'　'ｲ　 { 斗孑./＿{_ﾊ　　」＿}｀仆-　.|.|ﾄ､　ﾊ V}
　　　 !　{' i　 |　{　イ_, = zハ　　　}ﾘz=ハ　　:}:|ﾏ∧　}　}',
　　　　 |　 !, _'ｨｬ孑竺卞ハ　　|孑竺卞ｧ_/ ﾘﾏ∧,ヽ i}　　　好むと好まないとにかかわらず。
　　　　 {　ハ￣弋辷夕　　丶 ;}弋辷夕ｲ　ｲ　ﾏ∧ヾﾘ
　　　　　　Y爪ハ､＼　　　　 !　｀　　　/ｲｨ":| 　ﾏｽ/＼　　　どんなに拒もうと、抵抗しようと・・・・・・
　　　　　　 ',{、八＼ゝ　　、,　　　　 /　{/ﾊ　　Y/＼　｀
　　　　　　　}ハ　＼　　　　＿　　　ノ { { V/辷ソ　ﾏ/ヽ、
　　　　　　　　　ヽ　　ヽ、　｀´　　イ{　} 从ゞr=イ人　ヾ//ヽ、
　　　　　　　　　ﾏ、从}丶,‐-‐,´ｨ1ｲ从{ヽイヽく　＼、＼//＼
　　　　　　　　　　 }ハ}j////Y////}､　　　 }ヽ　＼、ヾ}　 ∨//≧、
　　　　　　　　　　 _, ィﾍ//////////ヽ、　　ﾊ}　　　　　　　　∨/　｀
　　　　 ,　z ///////∧////////////ヽ、｝　　　　　　｀´
　　　　ｲ/////////////ゞ、/////////////＞、_
　　　　ゞ//////////////／＼////////////////

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_ _
　　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　｢｀　､/:.:.:.:.:,に二二ス:.:.:.:＼
　　　　　　 ./l　　 /:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:ヽ
　　　　　　 /:.廴.__ｉ:.:.:.:':.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:ヽ:.:.:.:ﾟ，
　　　　　　　':.:〈　　 l:.:.:.:.:.＼:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.ｲ／:.:.:. :.:.:.|
　　　　　　ｉ:.:.:.:}　 .ｨ:.:.:.:.:.厶:トミ:.:.:.:/厶ﾐ:.:.:.:.:.:.:.ﾘ
　　　　　　 |:.:.:.:｀７ |:.:.:.:.:.l {r::ﾘ　＼ {r:ﾘﾄ:./:.:.:.′
　　　　　　 |:.:.:.:ノ /|:.:.:.:.:.| ""　　　　 ""|:.:.Ｖ:/
　　　　　　ｌ:イ　ｲ{ |:.:.:.:.:.| 　　＿'_　　从:.:.:|　　　　　　　マリ、何が言いたいの！？
　　　　／/ ／:.:.:.:|:.:.:.:.:.|、　(＿_У　ｲ:.:.:.:.:.|、
　　　.／　ィ:.:.:.:i:.:.:.|:.:.:.:.:.|父ト　＿ .イ:.:l:.:.:.:.:.:|　、
　　 / 　 /:.:.:.:.: 从: |:.:.:.:.:.|⌒ヾーｧ ==ﾐ !:.:.:.:.: ! 　}＼
　 ./ 　 /:.:.:.:.:./:.:.:ｨｉ|:.:.:.:.:.l 　 -{__}-　　}il:.:.:.:.:.:ﾄ　ﾊ　ヽ
　〈＿/:.:.:.:.:./ィi:i:i:i:|:.:.:.:.:.| ィ７'　ト､___/il:.:.:.:.:.i| }　 }＼/
　　 /:. ィi〔:i:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:.:.l　/　cl|　　 Ⅵ:.:.:.:.八j＿j
. 　 /イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:.i./　　 lヽ._＿}i|:.:.:.:.:.:.:.＼

394 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:32:08 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　|＼_ ￣ﾄ､ｰ―-､
　　　　　　　　　　＿＿＿＿_＞　＼| Ｌ＿＿_|
　　　　　　　　　　＞＿＿＿__　　　　__＿　＜
　　　　　　　　 l／　　　　ヽ　／　　＼!ゝ
　　　　　　　　／　　　　／ﾐヽ Vr勿＼　　＼ヾ
　　　　　　／／　　＞-―┴┴-　∠.:＼lVVV＼＼
　　　　　∠／　　／　　　　　　　　　　　　ヽ　　　ゝ　》
　　　　　/:/: . : /: . : . : . : . : . : . : . : . : . : .. :ヽ: . :}: | ﾉ
　　　　 /:/|: . /: . : . : . : . :/: . : . : . : . : 　.　　 ',:.:| :∧　　　　　たとえば、ルーマニアの母国度は今や
　　　 |/ :|: /: . : .:/: . : . ﾊ:: . : . : . : . : . :　 . 　', |'　 |
　　　　　j:/!: . : .,': . : .:／: .|: . : .// /ﾚ'|i ト､|:　. Ｎ　　ｌ　　　　一〇パーセント以下というアーニャの心根は、
　　　　　　ハl 　 l 　/ヽ､＿､;:　|　,＿,.ハ＼ヽ　l i |.| l　l|
　　　　　ヽ!　ハ ./　　　○　　　　○　　　 l l !.| l　|　　　　国土を長く持てなかったユダヤ民族の歴史と連なっている気がするし、
　　　　　　i Y/ 　Y.l　｀ー　　　　　ー　'　/ 》 ///i 　|.　|
　　　　　　.| l ! 　　 |´´´ 　　' 　　　 ´´´イ// /ﾚ'| 　i ト､|　　あなたの言葉遣いの美意識は、チャウシェスクにソックリ
　　　　　　ハ～､ゝ＞、　（_）　　　∠/ / /ﾚﾍ　ﾄヽﾊﾉ
　　　　　　　ﾚ//, ､/⌒ ＞ - ｧ　´ ﾑム/
　　　　　　　　 /,.-/_　く　 `ー '"´　　ﾉ　＼
　　　　　　.　／　＿_）／｀ｰ--- ‐ '"ﾍﾍ　　　ヽ
　　　　　　 / 　　 ___ﾉ　　　　,.　　　　　ｉl　　　　〉
　　　　　　 !　　　__,ﾉ　　　／　　　　　　ヽ　　　l

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　　　　　　　＿Y´￣ﾒ´　i　　　　｀ヽ
　　　　　　　　7　 f　 .　　　　丶i　　ゝ/
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　　　　　　／　　　　　　　　　＼　　　∧
　　　　／　　./　　　　　　　 V　　　l
　　　 ./　　　 /　　　　　　　　i::V　　N!
　　　 j　　　 {　　　　　　　　 i:::|　　<
　　 ./　　　　　　　　　　　　　　 |::l/i　ル
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　　 |;ハ　　ﾊ　　 {　ハ　!　　.iｲ:| ﾘ
　　 |!　 ' 　 | ヽ　 /／　ヽ|　 ./ |:.|
　　 |　　ハヽ , ,ヽ{　　 , , , .ｲ:.:/ 人:ーへ
　　　　 {:ヽ!:.:丶.　r_っ　／/|:.///::::｀¨¨´|
　　　　 l::::ヽﾙ|　「二二イ　|'.//:::::::::::::::::|
　　　 l::::::::＼ ,r=≠へ/　／/::::::::::::::::::::|
　　　　.|::::::::::::/　＜}ア　ヽ／/:::::::::::::::::: |

┌─────────────────────┐
│と、喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。　　　...│
└─────────────────────┘

395 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:32:42 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────┐
│大きく息を吐き、また飲み込んでから尋ねた。声がかすれていた。　　　 │
└──────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　＿　　_,
　　　　　　　　　　　＿__,＞Ｙ´'ー -､
　　　　　　　　　　＿>ｚ二_　＿　__`ー≧＿_
　　　　　　　　　＞┴'´￣｀　 ‐-､￣７＜
　　　　　　　 , '"　　　　　　　　ヽ｀Ｙ′之＞
　　　　　／ .／ ,　　 !　　　,へ　　　ヽ　.}<い
　　　 ./　 /　ハ　∧ ‐- ﾊ _,ﾊ:　　　ﾊ V. ﾚ
　　　　 |　　! _/_　|/ 　 r≠=ｧ!-‐'!ヽ　　.}　!"i}
　　　　 |　/.|/r≠、' 　　| _ｒｿ'|.　ﾄ、　 /|　∧ﾊ
　　　　 ∨ヽ/.| jﾘ　　 ´￣⊂⊃.|ﾉ　 /i .八ﾉ
　　　。　　 / 7 ´　　　　　　ｲﾊ　∧|/ﾙ′
　　　　　　 i八　　l7￣'ヽ　　　/V/　|ﾚ　　　　　　ルーマニアの人々の惨状に心が痛まないの？
　　⊂　　　 .!/|＼　　-‐' ,'　 /ｲ、ﾊ_'゛
　　　 ι　　　∨ `ｰ‐ｧE二ﾆ:::::::｀ﾍ、＿
　　　　　　　　　　 `' _ノ;/ 　＼:::::::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　 /!::;ー―‐‐'ヽ /::::::::::::::::',.
　　　　／）　　　　/:/　　　　　　　 i':´（＼:::::|
　　　/／）/´!　　,|/　　　 "　　　 .ヽｒ（＼＼ﾍ
　　　| /｀i　/ 　 /:{　　　'三'　　　　 }`（＼ヽ∨|
　　 /| /´!ｲヽr/:::::＼　　, ヽ　　　.//（ヽ、　|,ﾊ

396 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:33:07 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿ _＿
　　　　　　　　　　　　　ィ:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.．　ニニニニ＼:.:.:＼
　　　　　　　　　 ,:':.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼}:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　 _./:.:.:.:/:.:.:.:.ｨ:.:.:.:.::.:.:.＼:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ﾟ，
　　　　　　　　　/__/:.:./:.:.:.:/ |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:}7⌒7
　　　　　　 { .ｲ:.:./:.:.:.:/　:!:.:.:.: |ヽ:.:.:.:.:.:.ﾟ，:i:.:.:.:.:|＼.ハ
　　　　　　　　 ∨:.:.':.:.:.:/＿_メ､:.:.{　＼:ー┼ト :.:.:|　/:.:.:!
　　　　　　　　　 }:.:.:.!:.:.:.|　 ==ミ＼〉　　ヾ:.:.ﾄ.ｌﾊ:.:. |ｲ{:.:.: !
　　　　　　　 ∧:.:.{:.:.: !.芹芯ﾊ　　　　ｨ芯ﾊl》ﾚ:.:.!ﾊヽ:.:|　　それは、痛むに決まってるじゃないの。
　　　　　　 .///Ｖ:.ヾ:.l.　∨ツ　　　　 ∨ツ　/:.ｲ:||:.| |:.:|
　　　　　　　.ｲ//:.:.|:.:.:.l∧　　　　　′ 　　　 7:.:.:.:||:.| |:.:|　　アフリカにもアジアにも南米にも
　　　　　　　i |/:.:.: |.:.:.:.:.:.:.、　　 ⌒ヽ　　 ./:.:.:.:.:||:.| |:.:|
　　　　　　　L!{:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:込、　　ー‐　　　ｲ:|:.:.:.:.:.|Ｖ∧:.!　　もっと酷いところはたくさんあるわ。
　　　　　　ﾊ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.父ト　＿　 .イ:.:j:.|:.:.:.:.:.ﾄヾ:}＼
　　　　　　　 .{_{:.:.: !:.:.:.:.:. |:.:.:/ﾊ　　　　 ,ハ:.:.:|:.:.:.:.:.|:.Ｖ:.:.∨
　　　　　　　　 |:.:.:_|:.:.:.:.:.:.|イ　　＼　イ　 }ｉﾄ|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.: |
　　　　　　　ィ≦:i:|:.:.:.:.:.:.|´￣￣Ｙ¨Ｙ⌒ーミ:i|:.:.:.:.:.ト===ミ
　　　　　 /:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:.:.|　　 ⌒ト:ｲヽ　　 }i|:.:.:.:.:.|:i:i:i:i:i:iハ
　　　　　　;i:i:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:.:.:.|　　 ./|　| 　　ノ:i|:.:.:.:.:.|:i:i:i:i:i:i:i:i}
　　　　　 |i:i:i:i:i:i:i:i:|:.:.:.:. 八＿ｲ :| ハ＿ｲ:i:i:i|:.:.:.:.:.|:i:i:i:i:i:i:i∧
　　　　ハ:i:i:i:i:i:i:i|:.:.:.:/:/　　　 b{　　　Ｖ:i:i|:.:.:.:.:.|:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ∧
　　　 ./i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|:.:.ｲ:i:iヽ..＿__/│　　 /i:i:i|:.:.:.:.:.|:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:∧
　　　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|:.:{:i:i:i:i:{　　 { └‐一"}:i:i:ｉ|:.:.:.:.:.|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
　　 ./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ|:.バ:i:i∧　　　　　　　/i:i:i:i|:.:.:.:.:.|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ∧
　　 /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ|:{:i:i:ヽ:i:ﾊ　ｄ　　 .ｲi:i:i:i:ｉ|:.:.:.:.:.|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:∧

397 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:33:31 ID:dSIls7nU0

　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　＿＿≧ー＼ソ＜＿
　　　　　　＞　　　ｘ=ｭ-──´─ -　_
　　　＿≦　　 ,ｭ彡"´　　　　　　　　　｀丶
　　　　｀フ　　／／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　⌒ク八:′ ,/　 ,/　　　　　　|　　　　｀　　 '.
　　　　　/　:i 　 ′　′:｜ |　|!:i| |　| 　！　!　　　:
　　　 / 　 |　 |　　| 　 |:.｜:||八|　|! |i: |! :| :|!　　 |
　　　　 }　　　　|　　ﾚﾊ土士八　ｊノﾙj!i土士ﾙ　　 !|
　　　　 jﾘ　　 ||! i| |r‐rテi〒　　　　‐rテi〒r|: 　八
　　　　　|!　　从八|　弋.(ソ　　　　弋(ソ．.:　,/
　　　　　八:i| 　ｆ　ｉ|　､､､　　　　　 .　　､､ |i|/
　　　　　　　}:　|!　八　　　　　　　　　八　　　　でも、ルーマニアはあなたが育った国でしょう。
　　　　　　　レ个ｰf }|丶　　　　　　_　　　 . ′
　　　　　　　八从ﾉﾙ个ﾄ　　　´　　イ
　　　　　　　　　 |:::|::|　　fﾞﾊ　　　｀瓜ｨ7ｉ
　　　　　　　　　 j:八j　.斗ハ　　／　ﾚﾍ
　　　　　　　 _　-‐'´::.::.::. r}yく::.::..::.::.:.::.:.｀ーｭ｡.
　　　　　　 /⌒::.::.::.::.::.ｨⅥY薔VIく:.::.::.::.::.::.／⌒＼
.　　　　　 /::.:}::.::.:::.:／　　　　　　＼::.::.::.:.::.::.::/::.ハ

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　　　　　　　　　　　　　　　．.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〕iト．
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　　　　　　　ｉ:.:.:.:.:.:.:ｌ:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.､Ｘ　　＞ﾐ:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:、＼:.:.:.:.:.　　　　　そういう狭い民族主義が、
　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:┼ト＼:.:.:.:.:＼イし芯ハ:.:.:.:.:.:.:.:＼　､:.:.:.:､
　　　　　　　 |:.:.i:.:.:.:.ﾟ，　__　￣￣　 V_ツ　 ∨:./:.:.:.:.: ﾄ､＼:.:.ヽ　　　世界を不幸にするもとなのよ
　　　　　　　 |:.:.:.、:.:.:.Ｖ芹心、　　　　　　　Ｖ:.:.:.:.:.:.:.|ヽ＼_〕:.:.:.＼
.　　　　　ゝ:.:.:＼:.:.:ヽＶﾂ、　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:＼}:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　＼{ ﾍ:.:.:.:.:.､　　 _ノ　）　　 /|:.:;:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:込、　　ー　　　／　Ｖ:.:.:.:.:.:.|:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:..＼
　　　　　　　　　　　　ｉ|:.:.:.:.:|:.父ト　--　イ　　ィi}:.:.:.:.:.:.从:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　||:.:.:.:.:|:.:.:∧:.:.:.:.:.:.ハイ　 /:.:.:.:.:./:ｉ:|:i≧=======…ミ:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　 .八:.:.:. |:.:.:.:r─‐ﾐ个/　　 ':.:.:.:.:./:i:i:i|:i:i:i:i:i:ｲ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　〈_/}:.:.:.:l:.:.:.:{　　 -|_ﾄ　 /:.:.:.:.:./:i:i:ｉ:ｉ|:i:i:i:/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:.:.':.:.:.:.
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398 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:33:53 ID:dSIls7nU0

┌──────────────────────────────────┐
│丸い栗色の瞳をさらに大きく見開いて真っ直ぐに目を見つめるアーニャは、　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│誠実そのものという風情だった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿
　　　　　　　　　　　　　＿__ ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　　　　 }＿_ ':.:./二二二､:.:.:.:.:ヽ_＿_
　　　　　　　　　　　〈　 /:.:.:.':.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.`:.:.:.:〈＿ｨ′
　　　　　　　　　｀7:.:.:./X:.{:.:.:.:.厶イ:.:.:.:.:.{＿_{
　　　　　　　　　　　 ':.:.l:. 芹ﾐ:.:.:.:' ィ芯l:.:.:.:!　く
　　　　　　　　　　　　　i:.:.:Ｎ　じ＼l　じﾊ:.:.:.l:.:.､＼
　　　　　　　　ｨｌ|　　 .l:.:.:ハ" 　 '　　 "" }:.:.:|:.:.:ﾄヽ｀ニニニヽ
　　　　　　　//　ﾚ1　　|:.:.:.:込、ｰ　´　ィi:.:.:.|:.:.:|＼＼　　　､〉
　　　　　 ′　' /　　,|:.:./ｨf⌒≧=≦─ｵ:.:.:|:.从　ヽ　、
　　　　　 {　　ｲ　ｲi|:ｲ:i|i:| 　芥ﾄ　 /i|:.:.:ﾑ:.:∧　　＼_〉
　　　　　／ト-彡、　{:i:i|:.li:i|i:i`T´　/`彡 i:|:.:.|:i:i:ヽ:.:.:.、
.　　　　 {ト==':i:i:i:i}　 }i:ｉ|:.|i:ﾊ:i:i:|　 ,　/:i:i:i:ｉ|:.:.|:i:i:i:i:V:.:.:＼
.　　　　 |:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｲ　/i:/:.八/:i:i:! 　厶イ:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i}:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 V:i:i:i:i:i:i:i∨:iｲ:./:i:i{:i:i:i:i∨/:i:i:i:|i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:ﾑ:.:.:.:.:.:.:.:...、
　　　　 }:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:/:ｲ:i:i:∧:i:i:/:i':i:i:ｉ:/:i:i:i|:.:.|:i:i:i:i:i:i:}:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
　　　　 V:i:i:i:i:i:/:i/:.:.{:i:i:i:i: V/:i:i:ｉ:／:i:i:i:i:|:.:.|:i:i:i:i:i:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}

399 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:34:17 ID:dSIls7nU0

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┃｜　　　　　　　嘘つきアーニャの真っ赤な真実　終　　　　　　　　　　｜┃
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400 ： ◆nx51JYWniw [] ：2012/10/24(水) 23:36:31 ID:dSIls7nU0

『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』はこれで終わりとなります。

ご清聴ありがとうございました。

感想、質問などご自由にお聞かせください。

401 ：名無しのやる夫だお [↓] ：2012/10/24(水) 23:37:33 ID:f3raWebU0

乙でしたー

最後まで噛み合わずか……
内容的には面白かったけど、結果的にはモヤッとするなあ

402 ：名無しのやる夫だお [↓] ：2012/10/24(水) 23:37:49 ID:m.kTBnDw0

乙ーん
うーむ……

403 ：名無しのやる夫だお [↓] ：2012/10/24(水) 23:49:18 ID:hus/0obg0

乙でした
結局、アーニャが一番嘘をついている相手は自分自身な気がするなあ

404 ：名無しのやる夫だお [↓] ：2012/10/24(水) 23:55:21 ID:3w1xq8vk0

中国の共産党幹部の家族がこぞってアメリカに住んでるのと重なる感じかなー？ちょっとちがうかな？
アーニャはアーニャだからなのか、生い立ち的にそういうふうに考えるようにならざるを得ないのか。
おもしろかった!　乙

405 ：名無しのやる夫だお [↓] ：2012/10/25(木) 00:02:48 ID:BT1pubxY0

アーニャ...

406 ：名無しのやる夫だお [↓] ：2012/10/25(木) 00:04:04 ID:0k1Pixfw0

乙乙！　別れるところまで描写出来なかったのかしなかったのか・・・
自壊した体制の体制側ってだけで重い十字架だから、仕方ないと思う反面助走つけて殴りかかるかも

407 ：名無しのやる夫だお [↓] ：2012/10/25(木) 00:29:24 ID:QV17wfNo0

考えてみればすぐ近くではカラちゃんムラちゃんとかが大暴れしてたりしたし、民族主義滅びるべしとなってもやむをえなかったりしたりするのかな？
祖国の惨状をって言っても、実際その立場になったら一体個人の力で何が出来るんだという感じかもしれないしなー
あとハルビンわろた

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