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やる夫達はローマ共和国を作るようです 第七十九話 ターラント陥落





 原作・塩野七生 著 ローマ人の物語2
「ハンニバル戦記」

*ですが、wikipediaとか他の本とかもたまに参考にしてます。
*そしてわりとオリジナルの部分あり。史実・原作重視ですがフィクションです。



 紀元前213年、イタリア中南部


`ー、 ローマ       `ー--、
  \ ◎               ゙~ ̄ ̄~`!
    \                 ,_,,.-‐'
      ~`ー‐-‐、   カプア   ゙‐-、_
          `、___●       `'ー-、_
             ◎ナポリ          `'ー-、_
              ̄~`i             `゙''ー-、,_
                 {             /´~`◎ターラント~゙'、_
                `゙''ー-、,_    /´    ~`ー-‐‐ゥ  \_
                         ``i   `'ー‐-、       `i  ./
                      {       l′      `ー'´
                          ゙'、      }_
                           (    ,,_●クロトーネ
                          __/´  r´~
                        /~    .|
                     __  ~フ  .ァ‐'′
ァ‐"^!__i"`ー、__ゥ-‐--‐‐' ̄^''´ィ′i゙″ .●ロクリ
                /" ◎レッジョ
                   ノ   `~ ̄
ー--、,_                }
    `'ー-、__      ●シラクサ
         `ー-、_   /
             `~~`′

 やる夫達はローマ共和国を作るようです

 第79話 「ターラント陥落」








958 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:20:47 ID:lgpE3gWU





 年が変わって前213年。
 この年の執政官は、グラックスとファビウスの息子。
 ファビウスの息子の副官には、ファビウスがついた。



       .厂`ヽ.........._
       /< ̄::::::::::::::: ̄`丶
     /{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::'.
    ハ:::::::::::丁|::アト、/|::::::ハ:::::::|
    /::l::,i:::::::{ -‐r┬  |/ ̄|,ヘ::|
   ./:::::ヽ|:::::::|  .「::!   ー┬r/V!
.  ,:::::::::::::ヽ:::|  `´     し/:::::|
  ,::::::::::::/:::|::|   r- 、    /::::,、|
.  ,:::::::::::/|::::>!>- 、____.ノ|::/
  .::::::::::::|/\   「コ `丶 .|/
 ,::::::::::::/::,.-、::ヽ  } .!  /ハ  r―- .
 |::::::::::l/  .}::::::ヽ | ! .//:::::} ハ  、__.〉
 |:::::::/  _,、_ハ::::::::'. .り//::::i::::|!:::`イ
 '.::::::`T´:::::::::|::::::::::} |イ:::::: |:/:::::::::!
 丶::::: |::::::::::::|:::::::: }人|::::::: |::::::::::/
   ゝ_.|::::::::::::|:::::::::| .| 〉::::::|:::::::/
    .|::::::::::/::::::::::V!,イ:::::::::ト-.'
      ゝ::/::::::::::::L||_」:::::::::'.
     .}:::::::::::::::::::|  |:::::::::::',
     .|:::::::::::::::::::|  |:::::::::::::}
     .ト---― '´    ̄ ̄ヽ
     .L__, ----― T´
       |    /.|   ./

*前執政官ファビウス・クンクタトール(AA/キョン子)



 要するに、3年連続の執政官選出は流石にまずいので、こんな感じになったんだろう。





959 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:21:47 ID:lgpE3gWU





 この年のローマは、更に軍団を増やし、22個軍団になった。
 そして、マルケルスをシチリアに投入。



           ,. :'´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.\
          /. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : .:\
           /. : : /: : : : :/:./: : :/ :: : : : :三ミミヽ: : : : : : :\
        /:/: :l/: : :/:./:./: : :/: : /: /: :i三ミミヽ: : : : : : : : :ヽ
         /:/: :./: : :/:./:./: : :/: ::/: /: i:.:|`ヾミミヽ: : : : : : : : : ',
      /:/: : :.l: : /l:/::/: : :/: ::/: :/:.: l:.:|  ヾミミ: : : :.:.l: : : : : |
       |: : : :l: l: /`メ、: : : /: :./: :/: : /:/   }ミミ: : : : l: : : : : |
       |:ハ: l: l.:lテん心 / l: :メ--‐ 七 ´`   }ミミ: : :l: l: : : :.:.:|
       |:! l.:l: l::|  ト:。j  l:/ l:/ テ==ぅ    ミミミミi. l: l: : : :.:.:|
       |:! l:.l: l | ヽヒリ     ,彳 {.: fハ:ミヽ  }ミミ i: l: l: : : : {
       リ  リ ハ `¨       弋.。ソノ   リ´⌒ヽ l: : : : :.i
          {    〈             ノ _ ) 〉:l: : : : : |
          i:.                  ,. イ: :l: : : : : |
          l:∧   r ‐‐ァ       イ.:`T´: :/: : /: : : : :! 行ってくる!
          |: :∧  `ニ ´        |: : :.|/:.:./:./: : :.// :!
          | /: : \ ___   ´    |: :.: |://:./: : :.// i:ト、
          ∧: :l: : : : ./: : :i ,.   ´ ̄ ̄`V:./:./: : ::/: |  リ
           /  :. |: : :./ V. '´         V: /: : : /: : |
        /   .::|: :/  /          /::∧: : ∧: : |
            |/   /  ,  -‐ <  ̄ ̄l:/ ̄V/  \|

   *前執政官クラウディウス・マルケルス(AA/御坂美琴)



 シラクサの攻略を目指した。





960 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:22:21 ID:lgpE3gWU





 ローマ軍の配置は、前年とほとんど変わらない。
 ただし、ファビウスは息子とともに、プーリアの押さえに回った。
 グラックスはもちろんカラーブリアへ。


                    ,..-─-  ._
                ,.-:'::::::::::::::::::::::::_::`丶、
                /::::::::::::::::::::::::::\:::::`ヽ::::::\
                 ,.':::::::::::::|::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::':,::::::::ヽ
             /::::::::::::::::l::::::::!::::::::::::::::::ヘ:::::::::l::::::::::ヘ
              ,′:::::::::l:::∧:::::|:::::|\ -‐-L_:::::|::::::::l:::i
               |::l:::::::::::j:イ´\l\|  \::::ハ:::::/:::::|::|:::|
              |::|:::::|::::::N,x=、       行ミト/|:::/l:ノ:::|
            、|:::::|::::::|ハ 心.}     { じり' jイ.:::::::::!
             \|\_> 辷ソ  ,   ー-' ;:::リ:::::|::|
               |::::::::::',     ___    /:::::l::::::::|::|
          __   |:::::::::ヽ、   ` ´   ,/::::::::l:::::::::、| 私も頑張ります!
.            Y7ヽ、 | :::::::::::::::>.,. ..__.. '´/::::::::::l::::::::::::ヽ
          〈 ' / ∧ |:::::::::::::::j_//   /:::::::::/ヽ、:::::::::::ヘ
          ヽ   ( |::::::::::::://⌒ヽ /'::::::::;::/  _ヽ:::::::::ヘ
           rヽ   ):::::::::,'厶-、/ /:::::/j/ /  `ヽ:::::::∧
           , }`¨¨´ }:|::::/    , '  |::::/  /       l::::::::::ハ
         i´ ヽ ___N∨   /     ∨   /      |:::::::::::::'.
         |     } |  ./      /         |::::::::::::::|
         /     /  !  /     /        |:::::|::::::!
.         /     ハ  | /   _,. -'´     l         |:::::::|::::,′
        |      l. \∨_,. -'´       |         |::::/|::/
        ヽ    / |マ|            |         l∨ |/

               *法務官レヴィヌス



 レヴィヌスも二個軍団を指揮し、ファビウスを支援することになった。





961 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:22:52 ID:lgpE3gWU





 ハンニバルは、セコイ戦略を使い始めたローマ軍と、
マジメに戦うつもりはもう、無かった。



   / ̄ ̄\
 /    _ノ \
 |::::::     (● ) )
. |:::::::::::   (__人) やってられねーだろ・・・常識的に考えて・・・
  |::::::::::::::  `⌒´ノ          ....,:::´, .
.  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..
.  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .
   ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .
   /:::::::::::: く         ,ふ´..
   |:::::::::::::::: \       ノ::ノ
    |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´

    *ハンニバル



 この年の彼の目標は、ターラントの攻略。
 だがターラントは半島の先にある堅固極まりない都市で、
正攻法で陥落させることは不可能である。





962 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:23:24 ID:lgpE3gWU





 通常、ローマ共和国は撃破した相手を同盟国として扱う。
 そして、完全な自治を与える場合が多い。



         ノ´⌒ヽ,,
 モジモジγ⌒´      \
     // ""´ ⌒\  i^マ'フ
    .i / ⌒  ⌒   i )レ' /  
     i  (-)` ´(-) / ,イ ヽ、 当然、我々にも自治がいただけますよね?
     l /// (_人_)// 、 /ーヘ_,.ヽ,
     \  ´ ⌒` / 、\`ヽ´__ .`t
           /   ヽ r'´_}__,   {
          /  {'T /`7/ _,ノ  !
        .-'    `7'/ヽY´   |

  *ターラント人のみなさん(AA/やるぽっぽ)





963 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:24:37 ID:lgpE3gWU





 しかし、ローマはこの都市に限り、自治は与えなかった。



        ノ´⌒ヽ,,
    γ⌒´      ヽ,
   // ""⌒⌒\  )
    i /   ⌒  ⌒ ヽ )
    !゙   (・ )` ´( ・) i/
    |   ∪(__人_)  |  な、なんでだよ!!
   \     "  /



 当然だろ。





964 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:25:24 ID:lgpE3gWU





 別にターラント人が信用できなかったわけではなく・・・
 いや、多分それもあるのだが、
この都市は海港都市として極めて優れているのである。
 現代でも、イタリア海軍の本拠地になっている。



     /              /
   /  内湾        /
  /__________/
/⊂   ◎ターラント   |
   \______|←城壁
              \
     外海        \



 巨大な2つの内湾全部を港として使うことが出来る。
 都市も鉄壁極まりない。
 岬の先の砦によって、内湾への海路の封鎖も可能で、
海からの攻撃にも極めて頑強なのである。

(現代では、城壁のあたりが掘られ、島になっている。)





965 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:26:21 ID:lgpE3gWU





 そんなわけで、この都市はローマ海軍の基地として、
ローマ共和国の直轄地になっていた。



        ノ´⌒ヽ,,
    γ⌒´      ヽ,
   // ""⌒⌒\  )
    i /   \  / ヽ )
    !゙   (・ )` ´( ・) i/
    |     (__人_)  | おのれ・・・!何で誇り高きギリシャ人である僕らが
   \    `ー'  / ローマ人なんぞに・・・!



 だが、彼らはそれが不満だったようである。





966 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:26:59 ID:lgpE3gWU





 ハンニバルは、そこに目をつけた。



         / ̄ ̄\
       /   ⌒   \
      ( ●)( ●)    |
      .(__人__)      .| どうかな?
       l` ⌒´      | 俺が協力してやろうじゃねえか。
       {          |
       {       _ |
      (ヽ、ヽ   /  )|
       | ``ー―‐'| ..ヽ|
       ゝ ノ    ヽ  ノ
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



        ノ´⌒ヽ,,
    γ⌒´      ヽ,
   // ""⌒⌒\  )
    i /   ⌒  ⌒ ヽ )
    !゙   (⌒)` ´(⌒)i/
 (⌒\    (__人_)  |  ) おお!本当ですか!
  \ .\  ヽ、__( / /. これからはハンニバルがわれわれを守ってくれる!
    \         /.



 ターラント人は、あっさりと了承。





967 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:27:34 ID:lgpE3gWU





 こうして、夜襲をかけたハンニバルの前で城門は開かれ、
ターラントは簡単に陥落した。



   .r-、 _00           /::::'┴'r'
   .|::::'´::::r┘  !「`L00、|.l└ク_;厂  /
   .|::::「|:::|    l| |Ln:::r┘|.l _lニユ、 ./
   . ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ::/ /  /
   、ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/  / /
   . \\`´ |:::|. l| l 〈::/  、 !     '/
           ____
          /  ノ_ ヽ,,\
        / ≦゚≧ミ:≦゚≧
        |    (__人__)|
        |     |r┬| }
         |     | | | }
       .  |.    `ニニ  }
       .  ヽ      }
          ヽ    ノ



 これにより、周辺の都市群も次々と彼に寝返り、
ローマの植民都市であるブリンディシ以外は、ほとんど彼のものとなった。





968 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:28:05 ID:lgpE3gWU





 ただし、岬の先の砦はローマ側に残っていた。
 このため、港は使用不能だった。



               /7
                 //
             //
       __    //
.    /ノ ヽ\ .//
.   / (●)(●〉/
  l    (__人_,//l 一見、不可能に見える事でも、
.  |    `⌒// ノ 見方によっては可能になるものだ。
   l       // ./
.   ヽ r-‐''7/)/
    / と'_{'´ヽ
    /  _.、__〉 ト,
    {  、__}  |.i
    ヽ _,.フ  .|.|



 そこで彼は、外海側に新港を建設。
 船は陸上輸送した。
 こうして、新しい港が使用可能になった。





969 : ◆yxZlGN83jM:2012/07/07(土) 19:28:55 ID:lgpE3gWU





 ハンニバルは、ターラント人たちに砦を陸海から兵糧攻めにするよう命令し、
カラーブリアへと帰還した。



        ノ´⌒ヽ,,
    γ⌒´      \
   .// ""´ ⌒\  )
   i / ⌒    ⌒  i )
   i /・ \` ´/ ・\i,/
   l   ̄(__人_) ̄ |
   \   \  |  ノ めんどくせー
   /    `-' \
   | |.      | |



 だが、ターラント人達は兵糧攻めをさぼったため、
ローマ海軍が補給し、砦は維持され続けた。




第79話「ターラント陥落」終わり

つづく・・?





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