3142．

第５７話『ヴィルフォール家に最後の悲劇が訪れるようです』






＜前回のあらすじ＞
　裁判を待つ身のべネデットをベルツッチオが訪ねる。べネデットは本当の親父の名前を知りたいと言う。

　ヴィルフォールは毒殺事件の真犯人を裁く約束をしていた。裁判の日、彼は妻エロイーズに会いに行く。
ヴィルフォールはエロイーズこそ真犯人であると糾弾し、暗に自殺を求める。家の名誉を守り、妻が処刑
されないためには、彼女が自殺しなくてはならないのだ。エロイーズに念を押し、別れの言葉を残して
ヴィルフォールは出て行った。

3143．

┌──────────────────────────────────────────────┐
│べネデット事件は世間の大きな話題となっていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　│
│多くの人々は、この事件を何かの間違いか、あるいは彼の敵の陰謀であろうと考えており、彼の　　　　　　　　　　│
│『父親』が身柄引き受けのためにやってくるだろうと考えていた。社交界に対しての被告自身は愛想が　　　　　　│
│よく、立派であり、金離れもよかったからである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└──────────────────────────────────────────────┘



【審議中】

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　＿＿(；ﾟДﾟ)＿__　　　（(　)　）　　（(　⌒　）　（(　)　）
　|　⊂l >>1　l⊃ | 　　　 ノ火.,､　　ノ人.,　､　 ノ人.,､
　￣￣|.|.　 .||￣￣　　　γﾉ）::）　 γﾉ）::）　　γﾉ）::）
　　　　|.|=.=.|| 　　　　　　ゝ人ﾉ　　ゝ火ﾉ　　　ゝ人ﾉ
　　　　|∪∪|　　　　　　　　||∧,,∧　||∧,,∧　　|| 　ﾎﾞｫｵ
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　　　　|　 　 | 　　　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ ) 死んだら無罪って事で・・・
　　　 ~~~~~~~~　　　　 ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　).　.と ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　ｕ-ｕ （　　　 ) (　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'



┌──────────────────────────────────────────────┐
│この日の朝、裁判所には傍聴を求める人々が長蛇の列をなした。裁判の開始一時間前には、法廷は　　　 　　　│
│運良く入れてもらえた人々で一杯になったのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　【ボーシャン】
　　　　　　　　　　　　　　新聞記者。アルベールの友人。

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　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.: :/:.:.:.:.:.:./:.:.:.:./:.:.;ｲ:. :/:∧:.:.ﾄ､:.:!:.:.:. :',｀ ､
　　　　　　 　 　 　 ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.: :/:.:.:,イ:／/ イ:./　∨!　ヾｉ:.:.:. :ｉ
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　　　　　 　 　 　 　 :.:.:.:.:.:.:.: :!:.:.:.:.ｉ: :/.- ――‐ - ､　　, ― ､!: :|､:.!
　　　　　　　　　　　 ',: :i.:.:.:.:.:._:.:.:.:|:/　　 ＿＿　　　　/＿　 ﾊ:.:! ヾ
　　　　　　　 　 　 　 ｉ:.:!:.:.:.:./ ∨:.!' :!　 ´ ﾋ:::} ｀　 　 ｉ ﾋ::}｀/' }/
　　　　　　　　　　　　!:ﾊ: : :{　 (', : :ﾄﾞ､　　　 　 　 　 :.　　 ｉ　 '
　　　　　　　　　　　　　 ∨:.:.ヽヾ',:.:|　　　　　　　　 　 ､　 ｌ　　　　　　　　よう、シャトー・ルノーにドブレー！
　　　　　　　　　　　　　　ヽﾄ､:.:Y＾ﾍ!　　　 　 　 　 　 ノ　/　　　　　　　　　我らが友人を見に来たんだな？
　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ　ヽ　　　　　 r― ｧ　／
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_|　　 ＞.　　　　ー　 /_
　　　　　　　　　　　　,. _´.:.:.:. : :!　　　　　＞...　_＿/ : ｀ヽ
　　　　　　　　 　 　 / : : ｀.: : :く　　　　　 　 　 ｉ､: : : :｀:､:ﾊ　 ＿
　　　　　　　　　　／ : : : : : : : : :丶　　　　　　 |　 ー､ : ; : ｀:ミヽ｀:､
　　　　　　　＿／: ＿＿ : : : : : : : : :｀: ､　　　 丶　　 ヽ ; : : : :/: : : >―　､
　　　　　 ／: : : : : : : : : : ｀: : : ､.:.: : : : : ＼ 　 　 　 　 ハ: : : /: :.; へ　　　ヽ
. 　 　 　 {:＿_ : : : : : : : : : : : : : : 丶.:.: : : : :＼‐-　　´ 　 !:. :;: :.:/: : : :ヽ　　 ﾊ_
　　　　 /　　　￣｀　､＿: : : : : : : : : ＼: : : : : ヽ＿__　イ | : ｉ: :/: : : : :/　 ...: 　 ヽ
.　　　 /　　　　　　　 ヽ: :｀ ､: : : : : : : : ＼ : : : :ﾍ　 　 　 !:.:.!:.:ｉ: : : :.:/　..:.:.　　　 ヽ




　　 　 /: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/　|:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
　　＜ : _: : : / 〈　{} 　 |/　 .ﾚ　{} 　} |:./ヽ: : |
　　＜:: |. 小{　　 _,,.. -　　　　､-.,_　 ﾚ{: :.|ヽ:|　　　　　　　もちろん！
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　　 ､　　　　 {ﾊ/　V　　　　　　　あのお立派な公爵さまをね！
　　　　　 ＼_!　　　　　　＿　'　　　　 !
　　　　　　　 ヽ　　　Tﾆｰ‐‐‐,‐''　 ／
　　　　　　___,ｒ| ＼　 ｀二二´　／
　　　　／:/::::| ＼　 ヽ ｀_⌒ ィ´
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､
　　　　　　　　　　　　【ドブレー】
　　　　　大臣秘書官。アルベールの友人。

3146．

　　　　　 　 　 　 　　 　 　 l: : : : : : : : : : : : : : : : : :.l.:.:l: : : :.|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l : : : : : : : : : : : : : : : : : l.:.:l: : : :.|
　　　　　　　　　　　　　　　| : : : : : : : : : : : : : : : : :/.:/: : : :.!
　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : : : : : __:＿:/.:/: : : : ,′
　　　　　　　　　　　　　､_ノヽ､: :,.　 ´ ￣￣ ￣ /:::ﾄ､: : : ,′
　　　　　　　　　　　　ﾄ､_／　　｀ヽ､. : : : : : : : 〈.:.:.:.:〉ヽ:/
　　　　　　　　　　　　ヽ､_／　l/　＞｀ヽ､: : : : :V0V: : : Vﾉ
　　　　　　　　　　　　　　( 人 ヽ_弋りﾃﾐヽ｀ヽ: :_ﾆ´_;. イ
　　　　　　　　　　　　　　 l ヽ_　　 　￣｀　　ﾉノﾂｿｿﾉノﾊ　　　　　　　とんだ縄つきの公爵さまさ！
　　　　 　 　 　 　 　　 　_」　/ﾊ　　　　　　　 〉　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　/: :l/ﾊ| ',　　 　　 　 ´　.ｲ
　　　　　　　　　　　　　l: : : : ヽ､＼　　- _‐ ／. :|
　　　　　　　　　　　　 ﾉ. : : : : : : || ｀ヽ __, ｲ: : : :|
　　　　　　　　　　,. イ　､__: : : : ::||　　/⌒ヽ＼: :|
　　　　　　　 ,. イ: : : : : : : : :｀ヽ､||　 /　　 ﾄ､_|: : ｀ヽ､
　　　　 ,.. イ　　 ＼: : : : : : : : : :.」|､/ ヽ__.ﾉ　 |: :: : : :l:.:.:ヽ､
　　　／ ￣￣ ｀`ヽ ＼: : : : : ／.:.:＼　 「｀ヽ　|＼: : ::|::::::|: : :ヽ､
　 ／　. : : :.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ＼:.／.:.:.:.:.:.:.:.:＼l 　 V.:.:.:.:＼ |::::::|: : : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　【シャトー・ルノー】
　　　　　　　　　　　　　　貴族。アルベールの友人。




　　　　　　　　　／: : : : : : /: : : :／: : : : : : : ヽ: : : : :: : `､
　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : /: : ,ｨ: /l: : : l: : |: : : : : : ::ヽ
　　　　　　 　;´: : : : : : : /: : ／|／ .|/ .!: : /i: : !: l: : : : : :丶
　　　　　　 .i: : : : :|: : : : |／　　　　　　|／　| /|: :|: : i: : : :ﾞヽ
　　　　　　 i: : : : ::i: : : ::/ ´￣￣￣`''''　　　´　ヽ|: : | .|: :丶
　　　　　　 |: : : :,-ﾘ: : : |　 "疋;:ｿ`　　　 　'`'-､_.i: : |: |: ヽ
　　　　　　 .|: : :/-､',: : |　　　　　　　　　, f:ﾃﾘ` /: : |: i丶　　　　　だが、それにしてもそうとう達者に
　　　　　　 .ｿ､::l,.( _ ﾘ､:|　　　　　　　　　l .｀ 　 /l: :/| i　　　　　　公爵らしくしてたじゃないか？
　　　　　　　　,|::＼__ ヽ|　　　　　 　　 　, 　　 //|/ |/
　　　　　　　　 ﾘl: ::| |　　　　　　 　　 　′　 //
　　　　　　　　　 l::|ﾘ ヽ　　　 ` ― - 、　　 //
　　　　　　　　　 ,ﾘ　　 `､　　　　`"　 　 ／ﾘ
　　　　　　,----亠--- ､_`.､　　　 　 ／　彡
　 　　　 /／￣￣⌒`ヽ` ＼::`::-､,_, ´.

3147．

　　　　　　　　　　　　 ア　 ,　／　　　　｜　、　 　 ヽ　 ヽ＼　 ヽ＼
　　　　　　　　　　 　 /　／ /　　　 　 l　| l　|　 |　　 l　　 丶ヽ　 ヽ ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 /　/　 ,　　　　　,　 ﾑハ|｜|　　　　　 ヽi　　　 l　 ',
　　　　　　　　　　　l　/　 /　　　　 /　/　　 l/l/　　　　 ､、　＼ 　 l 　 !
　　　　　　　　 ｒ　　レ 　/ ,/　　 ! ' ／,. ≦￣＼_　　　＼＼ ―丶 ＿_,ﾚ　　　　　ま、なにしろ君は公爵が大嫌いで、
　　　　　　　　 |ー '/ ／／|､l　　l 「／ｒ公ﾃ〒　ﾘ　/ / ﾑ｀　ニ＝-　 ､_ヽ　　　　　しくじりを見つけ出しては悦に入る
　　　　　　　　 ゝ__｛´厂　､|Aゝ　ﾄl〃　ﾞ='_ノ　 丿ｲノl ハ )｜｜| l　｜| ｀`　　　　組のほうだし。
　　　　　　　　　　　Ⅵ |　 ｛ｨ汚i､!　　　´　　　　　´ /'　〈　/ 丿 / 　,!/　
　　　　　　　　　　　 `トlゝ _ゝ７　｀　　　　　　　　　　　　ｒ'_／　/　　'l′　　　　　　だけど、僕は本能的に貴族か
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾝ　　　　　　　　　　　　　　　|　| ｌ　　　/　　　　　　　　どうか嗅ぎ分けちゃうのさ。
　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ _　^　　　　　　　 　 　 　 ﾉ　Ⅵ|　 l |
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 _,,.. -;;ッ'ﾞ　　　　 　 　　　川 |　､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `､｀¨二　　　　　　　　　＿＿_jﾑ＿l≧ｚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶 　 　　　┌ｆ‘”￣　　　　　　　　　　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',　　　　 _| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　┌ｒ―……ゝ-　＜　| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　　　　　　　∧ | |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　　　　　　　 _」_| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　 　 　 　 ／ノ　| |　　　　　　　　　　　　　　 ／｀"ー- ,,,__




　　　　　　　　　　　 　 　 　 _＿＿__
　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ー､
　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.: ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　 　 　 　 　 /:.:.ｉ:.:.: ｉ:.:ハ:.:.:.ｌ､:.:.:ｉ:.:.:,.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　　　 　 　 　 ／ 〉:.:./ｌ/　 ＼:! ヽ:.!ヽﾄ､:ｉ:.:.:.:. ｌ
　 　 　 　 　 ／ ／:ｌイ　'　　　 ｀ 　 ｀　　 ｌ:.:.ｉ:.:.ｌ
　　　　　　 /　/／〉:.:.ｌ _＿ ノ　　 ´ ￣ ヽｌ:.:.!ヽ!
　　　 　 　 ｌ　 ´ イ !:. !　‐― '　　｀ー ‐　ｌ / _ﾉ
.　　　　　　ｌ　 　 ｉ Y｀ﾊ　　　　 ｉ　　 　 　 !'7〃　　　　　　　　じゃあ、あの男の公爵領のことも
.　　　　 　 ｌ　 　 '　ｉ.　 ヽ　　　 !　　　　 .ｲﾂ´　　　　　　　　　絶対信じていなかったのかい？
.　　 　 　 /　　/　 '　　　_>　―_－　／　!､
　　 　 　 ｌ　　　／　　 / ､ ｉ｀ ､ __ イ 　 ／ ヽ_
　　　　´　｀ー‐'｀　　 /　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
　　　　ｉ 　 　 　 ｉ‐　´ｉ　　 / ｀ ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
　　　　ｌ 　 　 　 ｌ　 　 !　 /. 　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
.　　　 ,| 　 　 　 |　　　ヽ/　 　 !＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
　　　/.ｌ 　 　 　 |　　　　　　　/:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
　 　 !/! 　 　 　 ｌ＼　　 　 　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ

3148．

　　　　　　ヽ｀￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､
　　　　　　　＞'／　　　　　　／　　　　　￣ ＼　　 ﾊ
　　　　　　/:／　　　　　 　 /　　　　　　　　　　＼　　ﾊ
　　　　 　 i/　　　　　　　.::/　　　u　　　　　　　　　ヽ　 ﾊ
　　　　 　/　　　　　 / .:::/　　　　　　　　　u　　　　　V　ﾊ
　　　　 ./　　　　　 ｛ .::ノ　　　　　　　 .::.::.　　　　　　i 　 |
　　　　/　　　..:::/　 i／ /..　　　..:　 : .::i::i:::.　 |:. 　 　 |:.　 ＼
..､＿／/　　..::::/-イT￣|::i　　 ..::　.:/:::ﾊ:ﾄ::::. /:::.　　　|::. ヽ￣
　 　￣| .:　.:::ノイ .:i::|:／Ⅵ　..::::: .:/:::/　ヾ Y人:::..　 i. |:::::::...｀ ﾌ
　　　　|:ﾊ ::::::::/.:／_|_≧ﾐ i .:::::::i:/／ _ ｨ≦/ハ::::.　ﾉ:.|:::/ー'.´
　　　　|i　＼::-ｲi　ヾ弋.ﾊﾍ..::::: l/ , 彡弋z.:ｿ　/>':./::/:/
　　　　　　　ヽ:::::＼゛ー─'　＼:/　　　ヽ-─ ´/:::/／´ 　　　　公爵領？それは確かに信じもしたさ……
　　　　　　　　 ヽ＞ゝ　　　　　ヽ　　 　 　 　 /／/　　　　　　　　　　だが本当の公爵かどうかは信じなかった。
　　　　　　　　　｀ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　/'i
　　　　　　　　　 _ハ　 　 　 　 　 i　　　　　　ｲ_ﾘ_
　　　　　　　　　|　ヽ＼　　　＿｀＿_ _,　 　.ｲ　> .i
　　　　　　　　　|　　.＼＼　 ｀ ー─ ´　 <-／　.:|
　　　　　　　　　|　　 　| | .＼　 ￣　　／ | |　　　|
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　　　　＿＿　ノﾐ､　..::::| |　 ／::::::::::::＼.::::| |　　/ﾊ　＿＿




　　　　/: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/ -=o=-| :/　|:./　　Ｖ: |.: : : | V
　　＜ : _: : : / 　　　　　 |/　　ﾚ-=o=-|:./ヽ: : |
　　＜:: |. 小{　　　　 　　　　　　　　　 ﾚ{: :.|ヽ:|　　　　　　へーへー、そりゃよかったな。
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　　 ､　　　　 {ﾊ/　V　　　　　　　ところでボーシャン、検事総長とは話したか？
　　　　　 ＼_!　　　　　　＿　'　　　　 !
　　　　　　　 ヽ　　　 ／　　｀t　　 ／
　　　　　　___,ｒ| ＼　 {　　　 /　／
　　　　／:/::::| ＼　ヽ ｀_⌒ ィ ´
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､

3149．

　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　 ／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀ 丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i　　　　　　　　　だめだ。一週間前から閉じこもったままなんだ。
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　 　 ﾊ　 　｀　　　 | .| l .| |ノ　　　　　　　　　　　まあ得体の知れない不幸続きの上に、
　　 　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､　　　　　　　　　　　　娘の怪死というわけだから、無理もないね。
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　 ￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　 ／　　　　/　ヽ
　/　　 ヽ､　,ｨl　　　イ /　　 　 /　 　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　 　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|




　　　　　　　　　　　　　　_,,,..-.ｰ.─.-.-....､._
　　　　　　　　　二ヽ,,..::"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:..､
　　　　　　　／::::::::｀`:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::ヽ
　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::ヾ:::::＼:::::::::',
　　　　　/:::::::::::::::i:::::i!::::::::::::::::ヾ:::::,,∠,､ _:::::＼::::＼:::::',
　　　　　i::::::::::::::::!:::::i i:::::::::l::::::::イ＼＼＼:::::::::＼:::＼::',
　　　　　l:::::::i::::::::!::::i,,ゞ;::::::::i:::::::::l　 >≧r､＼::::::ヾ＼_::＞
　　　　　ｌ::::::i!:::i::::l;/i ._,,＼::::!､::::::l 　 辻ヾ〉　＼:::ヾ）::::＞
　　　　　i:::::ﾊ::::|::::l:::i〈｀（ﾍ＼! ＼:', 　 ゞ-′　　ラ∨/"´　　　　　　怪死？
　　 　 　 l:::i　l:::|::::lヾ､ 弋i;） ヽ　 ＼ 　 　　　┌::ソﾉ
　　　　 　∨　l::::l::::l:::＼　" 　　　　　　　　　　ﾍ::::/
　　　　　　　 　＼|＼!＼　　′　　　　　　 　 　∨
　　　　　　　　　　ヾ ヾ　､　　　 ｰ　´　　　,　　　ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　｀　 ､　　　　　 , ′　 ／ 　＼＿
　　　　　　　　　　　　　　 　　　｀ ｰ　＜　 ／´ 　　　／:::::￣｀ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ノ´∧_∧　　　　／::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　:::::´￣／ /〈::ヾ∧ 　　 /:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　:::::::／　 / ﾉ::::〈　ヽ 　/::::::::::::::::::::

3150．

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　　　　　 ./:.:.:.:.:/:.:l:.:.:/:.:l:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:.:',
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　 　 　 l:.:|:.:l:.:.|:.:.l ﾘ l/　.ﾚ　.|/　　 ヽl　',:.ｌ:.:.:.:.　:|
　　　　 ﾚ|:.:|:.:.l.V _ ,, - - ,,　　　　 _,, - ,,ﾘ:.:.:. /リ
　　　　　 ﾚ|:.:.l:l　　-rc.n- ｀　 ./　-rcy､l:.:.:.:　:.l
　　　　　　 |/l:.:l　　 ﾋﾆﾉ　　　　　　ﾋﾀ　ﾚl:./.リ
　　　　　　 .l　l:.ll.　　　　　　　 |　　　　　.|:/ﾘ　　　　　　いや、知らないふりをした方がいいさ。
　　　　　　　＼ﾘ.l　　　　　　　 〉　　　　　ﾘ/　　　　　　　司法官の家のことだしな。
　　　　　　　　　`l'.,　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　 !ﾊ＼.　　　- ─　 　／　　　　　　　　　　　　　お？あそこにいるのは彼女じゃないか？
.　　　　　　　　　　 `| ＼　　　　　 ／|　　　　　　　　　　　　　　家出をしたって話だったが。
　　　　　　　　 　 _/l　　 丶 ＿／　　l`r､.
　　　　　　　　／ /　＼ 　　　　　／　 ', ＼
　　　　_　　,,./ : : |.　　　/ l｀ヽr 'lヽ　　 |: : ヽ- ,,
_　r '" r:`´:/: : : : l　　 /`､ lo|.‐レ'ヽ. 　l: : : :ヽ: : " -
: :.l　　.|: : /: : : : : :l　 /＼ ゝ- ＜／ヽ .l､: : : :ヽ: : : /
: :|　　 |: :〈: : : :／:.l丶　　 l: : : : l　　　 l: `:､:／: : :./




　　　　　　　　　　　　　　　　＿_､＿､__
　　　　　 　 　 　 　 　 ,　　´-‐- 丶 丶＼_
　　　　　　　　　 ,　 ／´、 ＼　＼＼　ヽ ｖ ヽ
　　　　　　　　　 `.ﾆ,　　| lヽ ﾄヽ　＼＼ 　 ヽヽ
　　　　　　 　 　 / {｜/ ﾚ∠ｨ　 V　 |　| ｛　 ,}ﾍ　　　　　　　　彼女？ユージェニーか？
　　　　　　　　 , l/ﾉｲ {./ﾉ付ｯ ､丿 .ｲ ム､こｿ　L..ｨ　　　　　　　　もう家出から帰って来たのか。
　　　　　　　　 `ｧ.l ゝ ゝ.　´　　￣ ノ´ｒﾉ ﾉ l　 l‐ ´
　　　　　　　　　ゝlゝlﾂ ￣　　　　　　 ｒ＜　 ﾙ′
　　　　　　　　　　　　ゝ､＝ｧ　　　　　'　 || ｛
　　　　　　　　　　　　 ヽ`ﾆ　　　　／　　ｊﾍ }
　　　　　　　　　　　　　 ',　 　 　 ´　 ∠　￢ー-､＿＿＿_　-――-､
　　　　　　　　　　　　　　`　￢　　／　 　 /　 　 |　　　　/　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｊ_／　　　　' 　 　 / 　　　/ 　 　 　 　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　/ .:＼　 ／ ,　　＜　 　 　 l　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　,/}　 ／∨　/　　　/　　　　/　　　　　　　　|

3151．

　　　　　　　　　　..---. ...
　　　　　　　, -‐.': :_: :---｀ ｰ-.、
　　　　ｰｧ´:,　‐ -ｧ: :7￣l:.ヽヽ‐..＼
　　　　 /／イ: : /: ./.:ｲ: }::. :}:.}:ヽ:､:ヽ、
　　　 ノ.: .: ./: : lﾊ:AL_}:/ }::.ﾊﾊ::.:}:.ト_--
　　 ´ ７:::::_|::. : | '┬ｫﾐｰ'jﾑ_ム}::ﾊ:｢｀
　　 　 |:.:{ r|{:.. :l　 ￣´　　{ｴｵﾊ.ﾊ{
　　　　ﾊ:ヽvﾍ:ﾘ u 　 　 　 〉　|:/
　　　　　Vl:.:T　　 　 , ---,　 ﾊ!　　　　　　そうじゃない、あそこに彼女の母親がいるんだ。
　　　　　　}::ハ、　 （ ＿_/ , ′
　　　 ／ﾌ´{　　＼　　－ /
_ .. イ:::::::{　 ＼　　｀ ┬‐′
:::::::｜ 　 l　 　 ＼,_　/ ＼
　　 }　 　 ヽ 　 ∧ 〉ヽ 〈| ＼
　　 ーｧ-‐ ﾍ_/ヽ.＞‐くﾄj､ ヽ＼
　　 ｢　　　　 l ｰ ヽ:.__..ﾊ　∨　 ｀ヽ､
　　 ヽ　　　　 l　　 }　 l｜　ヽ　　　 ヽ
　　 　 ＼　　　l 　 |:　 l |　　 l　　　　 l




　　　　　　｀ー'´　　 ／　　　　　　ヽ　　　ヽ
　　　　　　／　　　 i　　　　　　　　　＼　ヽﾊ
　 　 　 　 |　　　 i　|　　　　 |　|､　　　 ｀　 i ヽ
　 　 　 　 |　　 ..::V:i　　　　 |　ﾘヽ　,::..　　 |　ﾊ
.　　　　 　|　　..:::::/ﾉ:i　　 i!　　i　 ' ＞､::.　､ヽ　ゞ､
　　 　 _ ｨ_,､　..:::/ｲ::ﾊ　　 |_ _.ﾉ　／_,,_ヽ　人てー´
　　　　　 iﾘ　.::ｲ::ハ-､ヽ　（　= 彳てﾘ　i /i　ﾉ　　　　　　　ダングラール夫人か？
　　　　　 ヾﾊ::::ｨ:ヽ -=､ ｧ､ ＼　　'￣　 ﾊ/ /　　　　　　　　ばかな、娘が家出してから10日も経ってないし、
　　　　　　｀ー ─-ヽ｀┴'　i￣　 　　 　 ﾊiﾘ　　　　　　　　亭主が破産してからわずか3日だぞ？
　　　　　　　　 　 　 ヽ　　　|　　　　　　 i　|＿＿_
　　　　　　　　 　 　 　 ＼　 ｀ -─　　 ./_,,|＿ ／|
　　　　　　　　　　　　＿ .＞､　￣ ┌''￣￣　 　 .|
　　　　　　　　　　　 ﾊ　　 　∧ーイ|　|　 　　　　.|
　　　　 　 　 　 　 　 V　　 ./ ﾉ-／ |　|　　 　 　 : ＼
　　　　　　　　　　　　 V　. ﾄｲ:::::ヽ.::|　|　　　　　 :／￣￣＞-..､＿＿＿
　　　　　　　　　　_..:-:;;ﾊ　 i!::::::／V　 ＼＿＿／　　　／::::::::／　　　　 ＼
　　　　　_.....-.:::':´:::／　ﾉ／::::::i　 /／￣￣￣　　　.／::::::::／　　　　　　　　ヽ

3152．

.　　　　　／: : : :u: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : :u: : : ヽ
.　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
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　　　|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/　|:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
　　＜ : ｣_: : / 〈　（・）　|/:::::::ﾚ（・）　}|:./ヽ : |　　　　　　　……。
　　＜:: |. 小{　　 _,,.. -　:::::::::::､-.,_　 ﾚ{: :.|ヽ:|
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　::::::::::::::::::::､::::::::::::::: {ﾊ/　V
　　　　　 ＼_!　u 　　　　＿　'　　　　 !
　　　　　　　 ヽ　　　 ／　　 ｀t　u ／
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　　／::::::/::::::|　　＼u　　´ ∧＞､
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　　　　　　　　　　　　　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　　　　　　　　　 　 /: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　　　　　　　　　 　 |: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|: : r ､ : : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　　　　　　　　　 　 |: : |: : : : /!/ 　　 | :/　|:.:(ヽ､｀＼:|.: : : | V　　　　いや、ヴェールで顔がわからないじゃないか。
　　　　　　　　　　 　 ＜ : ｣_: : / 　_　 　_|/ 　 ﾚ. ＼ ＼　＼ : |　　　　　どこか外国の王女かな。公爵の母親かもしれない。
　　　　　　　　　　 　 ＜:: |. 小{　 ｀ﾞ'''''' 　 　 　 　‐-＼ ＼　＼_
　　　　　　　　　　　 　 厶ﾍ　ﾊ　U　　　　　 ､ r--‐-､ >､　　　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼_!　 　 　 　 　 '　` ‐-､ ｀`　　　　　 `､　　　　　　それより、怪死の話って？
　　　　　　　　　　　 _, r´:/ : :| ヽ　　　 r‐--っ　　　／＼ 　 　 　 　 `､
　　　　　　　　_, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.::|　| ＼　　 ￣　　　／ヽ :｀ヽ 　 　 　 　 ヽ
　　　　　_, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|　 ＼　ヽ _　,　ィ ´ |::.:.:ヽ: : `､　 　 　 　 `､
　　_, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　 >-､ー_'/ 　　!::.:.:.:.:ヽ: : ` 、　__ ＿__i__
　/ﾞ: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:.／i!　　/ﾍ　i. / 入　　|＼.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼／:.:.:.:!'! /ヽ､ヽrk'´:_,r､　ｲ:.:.:＼／ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l

3153．

　 /　　／ 　 ..::/.::/　.:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l　　::ヽ｀ヽ
　i　　/　　 .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l　 !
　! 　 ! l　.:::::::/l/__l／　/／　 ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
　ｌ　/l/l .::::::/　＿_ ｀ヽ、　 　 ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
　 V く ｌ .:::/ 　 ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ　.::::::_j/　-―ｌ:::/.∧l
　　∨ｰ!::/　　　　｀¨　　 　 　 ／fr芹､:::／l/.:/
　　j/iヽl/　　　　　　　　　　 /.:::::┴'..:::/./　j/
.　　　ｌ::∧　 　 　 　 　 　 　 { ::::::::::::::/.:/　　　　　ヴィルフォール家にどうしてあれほど不幸が続くと思う？
.　 __/V ::ヽ　　　　　　　　 ／..::::::::::/.:/
／i/　 ! ::::::ヽ　　 　 _　　　 　.:::::／ j/
.三l　:: ｌ　:::::::ヽ、　　　__‐-..::::／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、　....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼




　　　　　　　　　　　　　 _,　-‐--....､
　　　　　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　 　 　 　 　 　 　 / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　 　/..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ
　　　　　　　　　 l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
　　　　　　　　　 l/i::l:::N`|ﾒ､_|ﾑ|/.,j／ﾚ|::|::ト!
　　　　　　　　　　f＾i:::ｌ　''ZＴｰ 　 ｨ'Zト.|::|::ﾚ'＾ヽ､
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､l::|.　　　 　　ｌ　　　l::!Y::::::::::::::.ヽ､　　　　　　　
　　　　/::／..::::::::::::..ヽl_　　　 　　〉 　 /ｖ':::::::::::ﾉ::_;;:::::j,ト､
　　　/:::::::::::::::::::..`ｰ-､:l､ 　f＝==r 　,ﾍ:::::;::::::/￣　ﾞ''ﾍｭ_ﾉ　　　　　　それは、あの家の中に犯人がいるからなのさ！
　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:､L＿,,ﾘ ／:>:l/:::／
　 ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヾ､ｰ_-イ, 〉<.|／　_ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿　　＿
　 }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヾ!､!;::|:|,r‐ 'ﾞ　　　　　　　　 　 ／/ 　 ヽ
　「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　 ヽ　　　 　 　 l /　　　 l
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'"　　　　　　＼___　　　　　　 　/
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／　l　　　　　　　　　 ＼X=-､,,＿_／
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::|　|　　ﾉ　　　　 ` ､ 　　　　 ヽ ,ﾍ./
:::::::::::::::::::::..ヽ､:::::::::::::::::::::::::::|　l　i´　　　　　　　` ､　　　 ﾉ ヾ|
:::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ;::::::::::::::::::::|　|　|　　　　､　　　　　`'rイ　 ,ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..＼∩:::::::::|　l＼ 　　　　 `=､.._＿,ノ　 ￣
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i＼∩:/　 |　ヽ､＿　　　　ﾉ
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|　 ＼:!`ｰ､ 　,,=''::::｀､'‐-'ﾞ
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l　 ｌ　ヽ_;;ｧ'~ヽ;::::::::::.ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|　 |　i　　　　ヽ;::::::::::..＼

3154．

.　　　　　／: : : :u: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : :u: : : ヽ
.　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/　|:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
　　＜ : ｣_: : / 〈　（・）　|/:::::::ﾚ（・）　}|:./ヽ : |　　　　　　　　　！
　　＜:: |. 小{　　 _,,.. -　:::::::::::､-.,_　 ﾚ{: :.|ヽ:|
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　::::::::::::::::::::､::::::::::::::: {ﾊ/　V
　　　　　 ＼_!　u 　　　　＿　'　　　　 !
　　　　　　　 ヽ　　　 ／　　 ｀t　u ／
　　　　　　___,ｒ| ＼　 {　　　　/　／
　　　　／:/::::| ＼　 ヽ ｀_⌒ ィ ´
　　／::::::/::::::|　　＼u　　´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､
::::::::::::::/:::::::::∧　　　　/二＼　|::::::ヽ::::::::::::＼



┌──────────────────────────────────────────────┐
│ドブレーとシャトー・ルノーは思わずはっとして身を震わせた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│なぜなら、二人も一度ならずそういうことを考えたことがあるからだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└──────────────────────────────────────────────┘



　　　　　　｀ー'´　　 ／　　　　　　ヽ　　　ヽ
　　　　　　／　　　 i　　　　　　　　　＼　ヽﾊ
　 　 　 　 |　　　 i　|　　　　 |　|､　　　 ｀　 i ヽ
　 　 　 　 |　　 ..::V:i　　　　 |　ﾘヽ　,::..　　 |　ﾊ
.　　　　 　|　　..:::::/ﾉ:i　　 i!　　i　 ' ＞､::.　､ヽ　ゞ､
　　 　 _ ｨ_,､　..:::/ｲ::ﾊ　　 |_ _.ﾉ　／_,,_ヽ　人てー´
　　　　　 iﾘ　.::ｲ::ハ-､ヽ　（　= 彳てﾘ　i /i　ﾉ
　　　　　 ヾﾊ::::ｨ:ヽ -=､ ｧ､ ＼　　'￣　 ﾊ/ /　　　　　　　……すると、犯人は誰なんだ？
　　　　　　｀ー ─-ヽ｀┴'　i￣　 　　 　 ﾊiﾘ
　　　　　　　　 　 　 ヽ　　　|　　　　　　 i　|＿＿_
　　　　　　　　 　 　 　 ＼　 ｀ -─　　 ./_,,|＿ ／|
　　　　　　　　　　　　＿ .＞､　￣ ┌''￣￣　 　 .|
　　　　　　　　　　　 ﾊ　　 　∧ーイ|　|　 　　　　.|
　　　　 　 　 　 　 　 V　　 ./ ﾉ-／ |　|　　 　 　 : ＼
　　　　　　　　　　　　 V　. ﾄｲ:::::ヽ.::|　|　　　　　 :／￣￣＞-..､＿＿＿
　　　　　　　　　　_..:-:;;ﾊ　 i!::::::／V　 ＼＿＿／　　　／::::::::／　　　　 ＼
　　　　　_.....-.:::':´:::／　ﾉ／::::::i　 /／￣￣￣　　　.／::::::::／　　　　　　　　ヽ

3155．

　　　　　／´.:':.:.:.:./:.:.:.:!:.:.:.: /:ﾊ:.:.:.:.ﾄ､:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶
　 　 　 　 .:': / /:.:|:.:.: ハ:.:.:ハ! ＼:.:|　ｉ:.:.:.:ｌ:.:.:.:.:.ｉ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
.　　　　 /: ィ:.: ｉ:.:.:!:.:./　 :.:.|　　　 ヽ!　|:.: /:.:.ｉ:.:. ｌ:.ヽ:.:ﾊ:.:.:ｉ:.:.: ｌ
　　　　/´ /:.:.:.!:.: ﾊ:.:! 　 ﾍ{ イ´￣　　ｌ:./ｉ:.:.:.ｌ:.:.:|:.:.:ヾ:.:|:.ハ:.:.:|
　　　　 　 |:.:.ﾊﾍ:.L_ヾ　 ´　 ｨﾔ::)フ　 }:'　!: ﾊ!:.:.ｌ‐､:.:.:.:.!':.:.:|:.:.ｌ
　　　　 　 |:/　 :ハ ,ミ　　 　 ゞ ´　　　 　 !':.:.:.:.:'´｀ヽ:.:.:.:.:. ' ｉ:ｌ
　　　　　　!'　 　 ヽﾊﾋ}　　　　　　　　　 　 !:.:. /｀) 丿:.:.:. /:/!'　　　　　　エドゥワールという少年さ。
　　　　 　 　 　 　 ヾノ　　　　 　 　 　 　 　 !:/‐' /:.:.:.:.:.:.:Ⅳ
　　　　　　　　　　　ゝ､　　　　　　　　　　　　!ーｉ:.:.:.:.:.:.:.:ｉ {
　　　　　　　　　　　 ＼ ､ _＿　　　 　 　 　 /:.　|:.ﾊ:.:.:.:.:.!
　　　　　　　　 　 　 　 ヽ ー　｀　　　　　 . : : ｉ　}:'　＼Ⅳ
.　　　　　　　　 　 　 　 　 ､　　　　　 イ: : : :. ｌ　 　 　 ｀ヾ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ー‐　´ﾍ: : : : : :　ｌ　　　　　　 ＞‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ: : : :　 ｌ　　 　 ...:.:´:.:.:.:.:.:.:.＞‐
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _..ィヽ: :　　! 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:´:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　 　 　 　 _..:.:´{:.:./: :.}　　　.イ:.:.:.:.:.:.:.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　,....－:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.ゞ __ .才´:.:.:.:.:.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:




　　 　 /: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/　|:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
　　＜ : _: : : / 〈　{} 　 |/　 .ﾚ　{} 　} |:./ヽ: : |
　　＜:: |. 小{　　 _,,.. -　　　　､-.,_　 ﾚ{: :.|ヽ:|　　　　　あはは、まさか……
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　　 ､　　　　 {ﾊ/　V
　　　　　 ＼_!　　　　　　＿　'　　　　 !
　　　　　　　 ヽ　　　Tﾆｰ‐‐‐,‐''　 ／
　　　　　　___,ｒ| ＼　 ｀二二´　／
　　　　／:/::::| ＼　 ヽ ｀_⌒ ィ´
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､

3156．

　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　 ／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀ 丶ｰ- ､　i;:::|::::::/　　　　　　　　ところがそのまさかなのさ。
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i　　　　　　　　　昨日、ヴィルフォール家から逃げてきた召使いを雇ったんだ。
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　 　 ﾊ　 　｀　　　 | .| l .| |ノ
　　 　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　 ￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　 ／　　　　/　ヽ
　/　　 ヽ､　,ｨl　　　イ /　　 　 /　 　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　 　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|



　　　 　 　 　 /　　　　　 .: .: :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ヽ､ヽ,
　　　　　 　 / .:　.:　:. :. :. :. :. :. :. :. :. : i:. :. :. :. :. :. :ヽヽ
　　　　　　 ,' .:　,:　.:. :. :. :. ;. :. :./l:. :. /l:. ;. :. :. :. :. :. l
　　　　　　 l .i :.l.:　:. :.,.i:.., 'l:. :./　l:. /　l:..lヽ;.. ;、:. :. :l
　　　　　　 l :l:. :l　:. :.l l/　l／　　l/　　l/　 l:/ l:. :. :,,!
　　 　 　 　 ﾚl:.r.i :. :. l. ￣｀'ｰ_ ､ ,　　 ,._ ' ´＾　!:. :./　　　明日になったら暇を出そうと思うんだ。
　　　　　　 　 !l.'´!:. : l 　''!ﾆﾌﾞ 　　　　 '!ﾆﾌ`　!:.,i/
　　　　　　　　ヽｰl:. :l'　　　　　 　 　 　 　 　 ,':./'　　　　　ヴィルフォール家ではこわくて何も食べられなかったと
　　　　　　 　 　ﾚヽl: l　u　　 　　　i　　　　　l:./　　　　　　恐ろしいほどに食いたがるんでね。
　　　　　　　　　　 〉N　　　　 　 　 ' 　 　 　,i/
　　　　 　 　 　 ／l　l ヽ　　 　 　 　 　 　 , '　　　　　　　そいつが言うには……
　 　 　 　 　,.イ .:.:.!　l　 ヽ、　c. ニ っ　,ｲ.. ヽ、　
　　　 ,..　' ´. l.:.:.:.:.l.　 l　　　ヽ、　´　／.　!.:.:.l..｀ヽ､
,.　 '´　...:.:.: .:!.:.:.:.:.:l　　ヽ　　　　 ｰ './,' 　 !.:.:.:.!.:.:... ｀ヽ､
　....:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:l　　　ヽ、　 　 　 /　　 !.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.....｀ヽ、
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:li　　　 , 'ト ､_ ,.　'ヽ　　l.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ,
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:..!!　　/ヽ l O !! ' >':;ヽ　!.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.!
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.l l　/｀'　､>ｰ'-.く／　ヽl.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!.:l

3157．

　　　　　　　　　　　　　 ／.:.／ .:'".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛.:.:.:.:.:.:.:.:／}.:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:.／:／〃.:.:／／.:.:.:.: ﾊ.:.:.:.（.:（ﾉ人.:.:.:.:.＼.:`ｰイ
　　　　　　　　　　／ｲ／:／::::/.:.:∠_/:.:.:.／ノ　}.:.:.:人_:＞ ＼{.:.:.:.ヽ:＜
　　　　　　　　　　　/ イ/::::::,:'.:./了.:{.::〃＜_ ノ:.／::::::::::::::::::::}:}.:.:.:.:}.::::}
　　　　　　　 　 　 /ｲ:::/::::::ハ.:{ -j/j/‐≠-､＞}}ﾄ:::::::,,::::::::::_,,斗.:.:.,':::::ﾊ
　 　 　 　 　 　 　 　j∨::／l::::Ⅳｨ仟云不ﾐ　　´″ 〃=≦::ｰくﾘ.:./::::::j/
　　　　　　　　　　　乂:/:/::|::::|〃弋てク _,　　　　/:::ｨ仟云ﾐ､｀ｱ:::::::/
　　 　 　 　 　 　 ノ／/く:::厶入　｀¨¨:::::´　　　 　 ､_弋うク :}}:/::::／　　　　　あの子供は毒薬を盗んでいて、
　　　　　　　　　〃　 j/ ∨-ﾍ_::`=-　　　　 　 　 l、::::｀¨¨`=彡 '´　　　　　　ときどきそれで気に入らない奴を殺していくんだ。
　　　　　　　　　　　　　　{〈⌒}_　　　　　　　　 　 ′::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　 ＼__ﾑ　　 　 ぃ-――=ァ::::::::::::::,.'}
　　　　　　　　　　　　　　　　`ヾﾍ、　　　　 ー一'´::::::::::∠ノ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ|＼　　　 :.ー:::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l 　 丶 　 :::::::::,.イ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　x≧=≦==|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣「「　 　　　| |｢|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　| |　 　 　 .| ll |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【エドゥワール】
　　　　　　　　　　　　　ヴィルフォールとエロイーズの息子。

3158．


まずサン・メラン侯爵夫妻が気に入らないから、霊薬三滴を飲ませた。
三滴だけで十分だった。




　　|　　　　　　　　 i:.　　　 、─｀ヾ　　 i
　　|　　　　　　　　　ヽ　　＼　　　　 　 i
　　|　　 　 二二　　　　　　　ヽ, ＝ヾ. 　i
　　 i　 ￣　 ＝三三ミﾐ　　　 |i i　=、i|　 i
　　三＝ 、　i　､-弋シ -　　　Vゝ::: i l　　i
　　　i弋ｼi　　 　￣´　　　/　　　｀;;//　　 i
　　　｀i::.´i　　　　　　　　 l:　　, '--´　　　 ｀、
　 　 　i:::..l　　ヽ, -　　、　　 　i::.. |　i　　i　ﾄ､ヽ
　　　　ヽl_ , - '　　＿_,ヽ、　　|:::. | ii　　ﾄ､ヽ ｀ヽ
　　　　　｀、_, -─´　　　　　　 j:::: |.i i　 ｀、 ｀
　　　　　　ヽ　　⌒　　　　　 ／.:::: ij::ヽ､ _｀、
　　　　　　　ヽ　　　　　　r ´..:::::::　::;;,..┴-､｀ヽ
　　　　　　　　t ＿_ _　ノ ..::::j ;;..-‐'　　 _,,.-｀、
　　　　　　　　　_, ..‐' |r =､'　　　　 ..‐ '　　　 ｀　、
　　　　　　　　　l　-､　j　　ヽ、　 , '　　　　　　　　｀　､
　　　　　　　／ l／ii ｀´_,,,.-‐'｀ｖ´　　　　　　　　　　　 ｀ヽ、
　　　　　　/　　　,-‐'7´ 　　　　　　　　　　　　　　　 -‐ -　、
　　 　 　 /　　　　i_ /　 　　　 　　　　　　　　　　　/　　　　　ヽ




　　　　　　　　　　　, -ｰ-､　'⌒ヽ , - 、
　　　　　　, : : : :⌒ヽ: : ／: : : : : : ＼: : :＼
　　　 　／: : : : : : ／∨＼: : : : : : : : :＼:: ::ヽ
　 　 ／: : : : : : :./　　　　 | /ヽ、: :ﾐ : : : ヽ : :ﾊ
　　//.|: : : : : : /　 ニ. .二| |　　＼ |: : : : :ﾊ: : : :',
　 〃 /: : : : : :.|　 ＼　 　 ﾚ' ／￣,ﾞﾚ: : : : : |: : : :|
　　　|.:.:/.: : |: :ﾚ'⌒,ヽ|　　 /　　　 　 |: /N/: : : : |＼
　　　| :|.: : : |:人＿___/　　　二二二¨|::| |(⌒',: : /: : |
　　　| :|＼: :|　￣　.ム,＿　　　　　　 |/ j　)/: : : : : /
　　　| :|　 レ＼　/ i i　 i　￣｀ヾ.　 r一'　(人＿_／
　　　∨　　　　|　| (￣￣￣＼　!i　|　 /　　 ',
　　　　　　　　 |　　 } ／￣￣|　ji　　/　　　　＼
　　　　　　　　 ＼　 |_|＿＿_,ﾉ　　／ ／￣￣￣￣|
　　　　　　　　　　＼＿＿＿／￣ ／ ／￣￣￣￣￣￣|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼／ ／　　..　_ ＿＿＿＿|
　　　　　　　　　　　　　　　　／ ／　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 |／　　　　　　　　　　　　　　　 ＼

3159．

　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　 l　　　　　　　　　_　-　¨　　　　　　　　　 ¨　-　_　　　　　　　　 l
　　　　 l　　　　　,, -　''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨　- ､　　　　!
　　　　 l　 ,　 ' ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ヽ、　!
　　　　 l／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl
　　　　 lヽ　　　　　　　　　　　　__ ... ------ ....＿　　　　　　　　　　／ﾊ
　　　　 N､＼ 　 　 　,, - ―＝ﾐヽ`ｰ ｧﾉハ､r_≠≦ニ＝==､- .. __／:／:.:.!
　　　　 !:.:.＼ `┬ '<´　　　　　　ヽ`Tー―'ll`ｰ '´　　　　　　>　ll_.ィ´:.:.:.:.:l
　　　　 l:.:.:.:.:.￣:ll　､ ヽ、　_○-彡　ll´￣ `llヽミ.ヽ､○　　,　ﾉ　ll ./:.:.:.:.:ｨ:l
　　　　 ';.:.:.:.:.:.:.:.:ll.　`ｰ ￣ -‐''　　〃　　　 ',　　`ｰ　 ￣ ノ　 〃/;ｨ:.:.:/ ﾘ
　　　　　';ﾄ､:.:.:.:.ﾍ.゛===========" ,'　　　　゛===========" 〃/:／／
　　　　　 ヾ､ヽ､:ヾ､　 　 　 　 　 　 ,'　　　　　　　　　　　　　　　〃 ／ 、
　　　 _　-　¨ヽ､`ヾ､　　　　　　　 〈　　　　　　　　　　　 　　　　ｲ／　　　ヽ､
_　- ¨　　　　　　i　　　　　　　　　　`　　　´　　　　　　　　　　　l　　　　　　 ｀ヽ､
ヽ、　　　　　　　 l　　　　　,ｨ,ー-- ...＿＿＿...　-― ､　　　　　∧　　　　　　　　/`
　 ヽ　　　　　　 入　　　 〈く ﾄ､,､, ー----------､, ﾍ > 〉　 ,ｲ　ヽ,　　　　　　/
　　 ヽ　　　　 ./　 ＼　　 `ヽヽ､＿＿＿＿＿＿__ ...ノ　　 ／} !　　l　　　　　./



ノワルティエ老人の老僕のバロワも、ときどきその子につらく当たったって理由で霊薬を三滴飲まされてしまった。



　　　　　　　　 ,,
　　　　　　　,, ,;;;;;,
　　　　　　;,,;;;,;;;;;;;;,,
　　　　　　　　;;;;;;;;;;;,, 　,.-- 、
　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;,/_- .,|
　　　　　　　　　　　;;;;;| ゛'　.!゛
　　　　　　　　　　　_ ;;;;;, .（__
　　　　　　　　　.r''ﾌ　.i,/ ./　ヽ
　　　　　　　　　| | ,, -　,, !_i 　|
　　　　　　　　　| i"　　　　 |　.|
　　　　　　　　　| |　　　　　,|　|
　　　　　　　　　|/,,i-i,,__ ／.|　|
　　　　　　　　 .{!　 　　　　 |　|
　　　　　　　　. ||　　::　　　｛　｝
　　　　　　　　　|　　 |!　　 .|
　　　　＿＿＿_.|　　 |.!　　 t -'' - ,
　＿__"==-　　　!、　,,-!,　　,／""----、＿＿＿
"=-　　　＿＿　　゛ "　 ゛‐"　　,-.、＿＿,,――　"
゛　――"　　　゛ー――″""""

3160．

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　　　　　　　　　　 ,　 ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀丶、
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　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ:.:.:.:.:.:.:.
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　　　　　 ヽ､:.:.{レ'　　　￣￣｀}:.:.:.:.:.:.:.:.:.}ﾉ:{:.:.:.:.:.:.、
　　　　　　 ∧:.ヽ -‐ 　　　　￢､:.:.i:.:.:.:.:.|:.:.:、:.:.:.:.:.ヽ、
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　　　　　 {:.:.://.:.∧ 　 }　　　　 ノ小:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:}＞､:.:.:.:.:.＼
　　　　 　 ヽ{:{:.:.:{:.:.i＞　　t_ァ_,r‐〈}:.}/.:.:.:.:.:.:./　　 ',:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　/.ハ、厂i{　　 {Y´} ｜　|Y:.:.:.:.:.:.:./　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.　　　　　/:/:／.:{￣ト､　 }　　　　 ﾊ廴:.:.:., '　　　　 |:.:.:.:.｀ヽ、:.
　　　　　{:.{:.:{:i:.:ハ　ヽ ヽ｣　　　 /:.:.:.:.:.／　,　 　 　 }:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　 rﾍ ヽ:.从{:.:.:}　　∨ {　　　{:.:.:.:.:/　 i/　　　　,小、.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 ヽ ヽ_ノ.:.:ヽｲ　　 |//ﾄ､　 ﾉー＜.　/　　 　 //:.:.:.:ヽ、:.:.:.:.
　 　 ／.:ヽ ヽ／　|　　 { { {__／　　　　V　　　　//:.:.:.:.:.:.:.:}＼:.:.



ヴァランティーヌさんは別につらく当たったわけじゃなかったが、
つまり彼女に対するやきもちで霊薬を飲まされ、万事休してしまったんだ。



　　　　　　　i　　　　　{_____......_γ--－　　i　　　＼　　　　丶　　｀´--´｀〉
　　　　　　　|　　　　::i　｀..　　　　　　　　　　ゝ＼　＼　　　 i:::::::::λ_ζ´
　　　　　　 〈　　　;:::::{　＼　　　　　　　　　　｀-...≧　 ｀..　　　　｀－´　｀..
　　　　　　　丶:::::::::::/　　}　　　　　､... －- - -…...,ヽ;:::ヽ　　｀ﾍ　　　　　i
　　　　　　　　y::::／　　　j_...-´｀..　　　　 ´i￣｀｀ 　　}:::::｝　　　　｀ﾞ...;.;.:　ヽ
　　　　　　　 /:::/　　　 ィ　_...ィ　　　　　　 ｀ ...____..,　,i:::::i　　　::::〉:::;　　　｀..
　　　　　　　/　|　::::: /ヽ　　　 ｀　　　　　　｀＝＝=″}::::|　::::::／j:::::;;　　　 ヽ
　　　　　　 {　;::i:::::《　へ｀ i __.=≠´　　　　　　　　　ﾉ:::::/::::::::／:|::::::|::::. 　　 ＼
　　　　　　 i ::::::〉...　ｋ┤　ﾞ...　　　　　i　　　　　　∠:::κ::::{::::ﾐi::::::::::i:::.:.:　　　 ヽ
　　　　　　　＼/　i〆｀￣｀つ, 　　　　!　　　　　　　/::::::i::::::::{　ヽ::::入:::::::.:::　　　｀
　　　　　　　　/＼___/｀￣´i__＼..　　　 _-っ　　　／λ::ｌ::::|:::《　 Ψ　 i::::::::::::::.　　　＼
　　　　　　　 { （｀ヽ_｀ﾞ―-(...__　　へ..._　¨　　..／　|::::::::|:::{´｀ヾ　 ＼　＼:::::::::::::;　　　＼
　　　　　　　/　ゝ...　ヾ＝-...　｀ﾞヽ...__＼　─´/´　|::::::::ヽ《　　　　　￣￣｀-..:::::::::;..　　　＼
　　　　　　/　//ヽ..｀ﾟ-...__　　　　　　　 ＼〉　　　　i::::::::::ヽ::::｀　　　　　　　　｀:::::::::::;　　　　＼

3161．

　　　　　　　 　 　 　 ,ｨ　　　　　　　_　　　　　　　　　　　 ､__
　　　　　　　　　　　 八＿＿_　　 ´　　　　　 ､_　　　　　　ヽ ＼
　　　　　 　 　 　 　 ゝ　　／　　　´￣　　　　　 ＼　　 ＼　　 ､ヽ
　　　　　　　　　　　　 ア　 ,　／　　　　｜　、　 　 ヽ　 ヽ＼　 ヽ＼
　　　　　　　　　　 　 /　／ /　　　 　 l　| l　|　 |　　 l　　 丶ヽ　 ヽ ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 /　/　 ,　　　　　,　 ﾑハ|｜|　　　　　 ヽi　　　 l　 ',
　　　　　　　　　　　l　/　 /　　　　 /　/　　 l/l/　　　　 ､、　＼ 　 l 　 !
　　　　　　　　 ｒ　　レ 　/ ,/　　 ! ' ／,. ≦￣＼_　　　＼＼ ―丶 ＿_,ﾚ
　　　　　　　　 |ー '/ ／／|､l　　l 「／ｒ公ﾃ〒　ﾘ　/ / ﾑ｀　ニ＝-　 ､_ヽ　　　　　そんなまさか……
　　　　　　　　 ゝ__｛´厂　､|Aゝ　ﾄl〃　ﾞ='_ノ　 丿ｲノl ハ )｜｜| l　｜| ｀`
　　　　　　　　　　　Ⅵ |　 ｛ｨ汚i､!　　　´　　　　　´ /'　〈　/ 丿 / 　,!/
　　　　　　　　　　　 `トlゝ _ゝ７　｀　　　　　　　　　　　　ｒ'_／　/　　'l′
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾝ　　　　　　　　　　　　　　　|　| ｌ　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ _　^　　　　　　　 　 　 　 ﾉ　Ⅵ|　 l |
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 _,,.. -;;ッ'ﾞ　　　　 　 　　　川 |　､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `､｀¨二　　　　　　　　　＿＿_jﾑ＿l≧ｚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶 　 　　　┌ｆ‘”￣　　　　　　　　　　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',　　　　 _| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　┌ｒ―……ゝ-　＜　| |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　　　　　　　∧ | |　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　｜|　　　　　　　　 _」_| |　　　　　　　　　　　　　　　　|




　　　　　　　　　　　 　 　 　 _＿＿__
　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ー､
　　　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.: ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　 　 　 　 　 /:.:.ｉ:.:.: ｉ:.:ハ:.:.:.ｌ､:.:.:ｉ:.:.:,.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　　　 　 　 　 ／ 〉:.:./ｌ/　 ＼:! ヽ:.!ヽﾄ､:ｉ:.:.:.:. ｌ
　 　 　 　 　 ／ ／:ｌイ　'　　　 ｀ 　 ｀　　 ｌ:.:.ｉ:.:.ｌ
　　　　　　 /　/／〉:.:.ｌ _＿ ノ　　 ´ ￣ ヽｌ:.:.!ヽ!　　　　　去年も、リシュリウ町の少年が面白がって
　　　 　 　 ｌ　 ´ イ !:. !　‐― '　　｀ー ‐　ｌ / _ﾉ　　　　　眠っている兄弟姉妹の耳を針で突き刺し、
.　　　　　　ｌ　 　 ｉ Y｀ﾊ　　　　 ｉ　　 　 　 !'7〃　　　　　　殺した事件があった。
.　　　　 　 ｌ　 　 '　ｉ.　 ヽ　　　 !　　　　 .ｲﾂ´
.　　 　 　 /　　/　 '　　　_>　―_－　／　!､　　　　　　　　次の時代の少年たちは、いやはやとても早熟なんだぜ？
　　 　 　 ｌ　　　／　　 / ､ ｉ｀ ､ __ イ 　 ／ ヽ_
　　　　´　｀ー‐'｀　　 /　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
　　　　ｉ 　 　 　 ｉ‐　´ｉ　　 / ｀ ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
　　　　ｌ 　 　 　 ｌ　 　 !　 /. 　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
.　　　 ,| 　 　 　 |　　　ヽ/　 　 !＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
　　　/.ｌ 　 　 　 |　　　　　　　/:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ

3163．

　　　　　　｀ー'´　　 ／　　　　　　ヽ　　　ヽ
　　　　　　／　　　 i　　　　　　　　　＼　ヽﾊ
　 　 　 　 |　　　 i　|　　　　 |　|､　　　 ｀　 i ヽ
　 　 　 　 |　　 ..::V:i　　　　 |　ﾘヽ　,::..　　 |　ﾊ
.　　　　 　|　　..:::::/ﾉ:i　　 i!　　i　 ' ＞､::.　､ヽ　ゞ､
　　 　 _ ｨ_,､　..:::/ｲ::ﾊ　　 |_ _.ﾉ　／_,,_ヽ　人てー´
　　　　　 iﾘ　.::ｲ::ハ-､ヽ　（　= 彳てﾘ　i /i　ﾉ　　　　　　だが、君自身も本気にしてないと僕は断言するよ。
　　　　　 ヾﾊ::::ｨ:ヽ -=､ ｧ､ ＼　　'￣　 ﾊ/ /
　　　　　　｀ー ─-ヽ｀┴'　i￣　 　　 　 ﾊiﾘ　　　　　　　　ところでモンテ・クリスト伯爵も来ていないな。
　　　　　　　　 　 　 ヽ　　　|　　　　　　 i　|＿＿_　　　　　どうしたんだろう？
　　　　　　　　 　 　 　 ＼　 ｀ -─　　 ./_,,|＿ ／|
　　　　　　　　　　　　＿ .＞､　￣ ┌''￣￣　 　 .|
　　　　　　　　　　　 ﾊ　　 　∧ーイ|　|　 　　　　.|
　　　　 　 　 　 　 　 V　　 ./ ﾉ-／ |　|　　 　 　 : ＼
　　　　　　　　　　　　 V　. ﾄｲ:::::ヽ.::|　|　　　　　 :／￣￣＞-..､＿＿＿
　　　　　　　　　　_..:-:;;ﾊ　 i!::::::／V　 ＼＿＿／　　　／::::::::／　　　　 ＼
　　　　　_.....-.:::':´:::／　ﾉ／::::::i　 /／￣￣￣　　　.／::::::::／　　　　　　　　ヽ




　　　　　　　　　　　　　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　　　　　　　　　 　 /: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　　　　　　　　　 　 |: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|: : r ､ : : :.|.: : : ﾄ､:|　　　　　　　くたびれたのさ。
　　　　　　　　　　　 　 |: : |: : : : /!/ 　　 | :/　|:.:(ヽ､｀＼:|.: : : | V
　　　　　　　　　　 　 ＜ : ｣_: : / 　_　 　_|/ 　 ﾚ. ＼ ＼　＼ : |　　　　　　　　　カヴァルカンティ親子にしてやられて、
　　　　　　　　　　 　 ＜:: |. 小{　 ｀ﾞ'''''' 　 　 　 　‐-＼ ＼　＼_　　　　　　　　　人前に出たくないんだろう。
　　　　　　　　　　　 　 厶ﾍ　ﾊ　U　　　　　 ､ r--‐-､ >､　　　 ｀ヽ　　　　　　　　ニセの信用状に騙されたって話さ。
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼_!　 　 　 　 　 '　` ‐-､ ｀`　　　　　 `､
　　　　　　　　　　　 _, r´:/ : :| ヽ　　　 r‐--っ　　　／＼ 　 　 　 　 `､　　　　　　　
　　　　　　　　_, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.::|　| ＼　　 ￣　　　／ヽ :｀ヽ 　 　 　 　 ヽ
　　　　　_, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|　 ＼　ヽ _　,　ィ ´ |::.:.:ヽ: : `､　 　 　 　 `､
　　_, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　 >-､ー_'/ 　　!::.:.:.:.:ヽ: : ` 、　__ ＿__i__
　/ﾞ: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:.／i!　　/ﾍ　i. / 入　　|＼.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼／:.:.:.:!'! /ヽ､ヽrk'´:_,r､　ｲ:.:.:＼／ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l

3164．

　　　　　　　　　　　　 　　 　 __,,,､,, 　 ,,､- ､
　　　　　　　　　　　　 　 ／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　 　 　 　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　 　 　ﾚ!: !: :l i"⌒"'-､　　　,､-'''⌒`l: :::::ﾍ!
　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | でラ`　 　 , 　f∃ｿ /::∧|
　　　　　 　 　 　 　 !ﾍ∨ゝ　 　 　 　i　 　 　 ∧ｿ　　　　　　　マクシミリヤン君はどうしてる？
　　　　　　　　　　　 ﾚヽi l.　　　 　 　ｊ　　　 ∧ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍ　　　　　 　 　　/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　∨＼ 　´ ￣ 　／ ′
　　　　　　　　　　　　　／i｛　 ＼.　　 ／i
　　　　　　　　　　　 　/:::::l ﾍ　　 ｀　´　∧＼
　　　　　　　　　 _,,-''/::::::::l　　` ｰ､　,／　.i:::::＼､,_
　　　 　 　_,..-.:":::::::/:::::::::::i　　 /;;ﾍ__!入　 l:::::::::＼`::..､,,_
　　_,..-.:":::::::::::::::::::::＼:::／:|ﾍ /`ﾍ::::::::ｿ´ﾍ i::＼::／::::::::::::`i:ｰ.,
　,´ｰ-､::::::::::::::::::::::::::／:::::::::i　　　 ∨:/　 　 l::::::::＼::::::::::::::i:::::::',




　　　　　　　　　　　　　　 　 　,r=ニ､─-　 、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　｀　丶　､｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　 ｀ /〉‐ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　 //　　 /
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　//　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　 ＿,.. 　＿ //　　 /
　　　　　　　　　　　　　 (ｰ'ノ＞＜　　　　　 /_r､i＼/　　　　　　　　実は、三度訪ねてみたんだが影も形もないんだ。
　　　　　　　　　　　　　≦ン　　／≧ ､　 　ヾﾋi7〉 ヽ__,
　　　　　　　　　　　　　　`T,ィ　{　でラゞヾｰ-〉_/_,／t'′　　　　　だが、妹さんは心配している様子はなかった。
　　　　　　　　　　　　　 　〈 ヾ､ｰ'´　￣　 ﾉノ='ｲｿﾉﾘﾉ
　　　　　　 　 　 　 　 　 ,r(（ ﾘ ',　　　　　　l　 / ´　　　　　　　　　とても明るい顔つきで、『自分も二、三日会って
　　　　　　　　　　　　　 |　`ヾ､ ＼　　-- ´ ／、　　　　　　　　　　　　いないけれど、元気にしています』
　　　　　　　　　　　　　/　　　　 ｌﾄ＼ __ .イ r} |　　　　　　　　　　　と言ってたっけ。
　　　　　　　　　　　_／ 丶 　 　 ||　｀フヽ,ﾄ､||｜
　　　　　　　　, ＜　＼　　　ヽ　 ||　∧　 lヽ,||/｀ヽ ､_
　　　　_ , ＜　　　ヽ 　＼　　　,> |,/ 　〉-{　||、　 }　 l` ｰ-､
　 　 /　　｀＼ヽ　 　＼ 　ヽニ"／ ＼ |　 ∨`ヾ､ |　 |　 ||　l
　　｜　　　　 ヽヽ-ニへ　/ ＜ 　 　 ＼　/　　／､／ﾆ'/,　 |
　　/　　　　　　 l 厂　　 ヽヽ 　｀ 丶 ､ `/　／　＿ｌｌ 　　|　｜
　 /　　　　　　　 |l　　　　 ヽヽ 　 　 　 Yo´　 ‘ｰ--’ 　 |　｜

3165．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:／／;:;:;:;:;:;:ヽ-.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:/.::/:.:|.:.:|.:.|;;;:|;;;;;:|;:;:;;ヽ
.　　　　　　　　　　　　_　　　　　　　 　/:::::.| |/ |/ |/ ヽ|.;i.;.;.;.;.;.;.;:;:;:ﾐ
..　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　|/:.:i ,‐‐-、　　 ＿__|/|.;.;.;.;.;. ；
　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　 i..::|　　　　 ´　　　｀/.;.;.;.;.;.;|
　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　 　 　　|:|.‐-‐"/　"‐-‐‐|.;.;.;.;.;.;/
..　　　　 　　　,-〈｀ヽＪ |　 　 　 　　　　 　:i　　 < 　　　　 /.;.;/9 |.;|　　　　あ、そうか！
.　 　　　　 /´⊂´￣ヽ　|　　　　　　 　　　 | 　　 ,＿　　　 |/ |／ゝ
.　　　　　 ヽ_弋 入　｀　}　　　　　 　　　　　ヽ　（　 〕　 　／.|.;∨　　　　　　　伯爵は関係者だから来れないんだよ。
　　　　　　 /　/　　　 /　　　　　　　　 　 　　＼ ￣　 ／　/|、　　　　　　　　カドルッスは伯爵の家から出てきて殺された。
　　　　　　 |　{　　　 /　　　　　　　　　 _＿／/| ￣ ´　 ／　|＼　　　　　　　それに証拠の手紙の入ったチョッキも
　　　　　　 ヽ　　　 _丶　 　 　 ,--－゛:::::／::::| 〈　　 ／　　.|::::＼ﾞ''ｰ-::､_　　　　伯爵のところで見つかったんだ。
　　　　　　　|_,.．-´ /::}　　　　/::::i:::::::::/:::::::::/∧。V￣＼　 |:::::::::＼:::::::::::::｀ヽ,
　　　　　　,zi_,.．-´:::::::|　　　 |::::/::::∠:::::／::|/＼丱／/ ヽ/|:::::::::::::::ゝ::::::::::::::::|::}
　　　　　　|。|::::::::::::::::::|　　／:::::|:::::::／:::::::::|　　 |＿/　　　.|―ー＜::::::::::::::::::::|::::i
　　　　　　|::::|::::::::::::::::::.|／:::::::::::::|:::::|:::::::::::.|　 　 |;;|　　　　|::::::::::::::::/::::::::::::::::::|::::|
.　　　　　　|。|::::::::::::::::::::|::::::::::::::::|:::::|::::::::::::|　　 |;:;;|　　　　|:::::::::::::/::::::::::::::::::/:::::.i




　　　　　　　__,　 -ー- 　､__
　　　　　　 (_,'　　　　　　　',_)
　　　　　　　l　●　　　●　l
　　　　　　　i　　(_ ● _) 　 i
　　　　　　 ﾉ　　　　　　　　 ',　　　　　　　　開廷時間ですクマ！
　　　　　 /,,　-ー　､　　,　-‐ ､　　　　　　　静粛に願いますクマ！！
　　　　 （　　　,　-‐　'"　　　　 ）
　　　　　 `;ー"　`　ー-　-ー;'"
　　　　　　l　　　　　　　　　　l
　　　　　　|　　　　　　　　　　|
　　　　　　i　　　　　　　　　　i
　　　　　　',　　　 　i!　　　　 ,'
　　　　　　 ',　　　　i! 　　　 ,'

3166．

　 　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.: ..:｀.､
　　　　　　/:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.: .:/.:.:.:.:. :.:.　:.　:.　:　:.:}
　　　　　 /:./.:./ :.:.:./:.:./:.:./:.:. /.:. :./i.:.:. |. l　. 　　　:l
　　　　　/:.ｲ:.:.l　:.:.,':.:./:.:./:.:. /:.:.: / ﾊ .:..|: |:. 　:.: : .:.|
　　　　 //:.|.:.:.| .:.:.,.:./:.:./:.:. /.:.:. //　 ', :.l:..|:.|.:.:.:!:.:.i:.l
　 　　ノ　|:.|l:.:.l :l.:.|/:.:./ i}. ｲ:.:. //　　 ヽ.|!:.l:.l:.::..}:.l|:.{
.　　 ´　　|.| |:.:i :|.:.{:.:/≧|/_li:. //∠-─７小}.:.:./:.,'|lﾄ､
.　 　 　 　{l ヽ:|:.|:.:.',ゝ辷z､'.}.//〃,ｨz戈孑ﾌ:.:./:.:/ ヽ
　　　　　　ヽ　｀|i',:.|:ﾄ ￣￣/´i　　 ￣￣ ７.:/ｲ.:,'
　　　　　　　　　ヽ}.仆､　 　 　}　 　 　　 /ノ.:./|{
　　　　　　　　 _ -）ﾉl.:.｀:.､　　‐ー-　 , イ:./:./¨｀‐‐ ､
　　　　　　_, '´: : ´: : }ノﾘ}l｀ヽ､￣ ,∠　 |ｿi|l￣￣￣７
　　　　　　＼　 : : : :´　 r´rﾍ-ニ/ヽ､r‐´}_} 　 　　 /
　　　　　　　 ヽ　 : : : : (/　　/／　　 |　ハl 　 　　/
　　　　　　　　 ＞　 : : /　　/　　　　 |__／l　　　/`－-- ､_＿__
　　　　_　-‐ ´　∨ : :/　　　　　　　　l : : /　　 /　i　　　　　　　｀､
　 /￣　　　　　　∨: :l　　　_　　　　　|: :/　　　i　 |l　　i 　　　　　 ',
　 |　　　　　　　 　∨ |　　（_）　　　_∠´　　　 l |　| | ./| 　 　　/i　.l
　 l　　　　　　γ)) ゝ/　　　ﾉ　　r'´　　　　　　| ∨ ∨ |　　 ／/　 |

　　　　　　　　　　　　　　　【ヴィルフォール】
　　　　　　　　検事総長。エドモン・ダンテスを陥れた男の一人。



　　　　　　　　　 {　　　 　 　　　　　　　 　|
　　　　　　　　　　!　　　　 　 　　　 　　 　 |
　　　　　　　　　　 |　　_ -‐'''''''""""""'''ー|
　　　　　　　　　　 |‐''　　　　　　　　　　　 .|,,,,,,,,,,,,,______
　　　　　　　　　 ,､L,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,-‐‐‐''''"~´_____,,,,､､-‐'ｒ゛
　　　　　　,　-‐'　　　　________,,,,,,,､､､-=;;''''ヽ|　,,､-‐''"
　　　　　<　―‐'''!'''''''h''T'''廿'i＝　.r廿´|　{ ｒ~
　　　　　　￣￣ |⌒i ｒ　ヽ-- ' 　　|i‐‐‐' 　}|
　　　　　　　　　 |λ|｛　　　　　　　ヽ　 　 　 |　　　　　　　　　憲兵！被告出廷。
.　　　　　　　 　　|ヽi　|　　 　　　 , r.'　　　 |
　　　　　　　　　　lＶ　ｒ　 　 　　 　　 　 　　|
　　　　　　　　　　｀､　!　　 ‐‐''''''''"""'　　 !
　　　　　　　　　　　ヽﾄ　　　　　"" 　 　　/
　　　　　　　　 　　　　|＼　　　　　 　　　,.!
　　　　　　　　　 　,,､rl　　'''''''ｰ‐_"''''""_´└ ､
　　　　　　　　　／/ __｀-‐''""~　　 ／　　　　丶-､__
　　　　=--_-／ /''"　 ヽ　　　 ／　　　　　　 　//　 ゛''‐--､,,,
　　／　￣／　/　 　 _ノ＼ ／　　　　　　　 　 //､__　　　　／~'＝‐-
／　　　／　／⌒ヽ<　　／　　　　　　　　 　 //　　 ￣"''v　／
　　　　　　　　　　　　　　　【裁判長】

3167．

　　 　 　 　 _＿_　＿
　　.‐::::二´::イ:ｉﾄ､‐=-｀::.､_
／:::／／::::,:ｲ::ｉ:ｌ:ｉ::::､:::::｀:､::｀:.､
:::／／/:／/:ｉ: |:!:|:ｉ::::丶:::: ヽ丶＼
/:::/:::/´::〃ハ:ｌ::::!:!ｉ:::: ｉ丶｀:!ヽ:ヽ::ヽ
: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
/ｉ: /:: /ｉ::ｌ::: /ｉ::ｌヽｌ::丶:::ｌ::::::ﾊ:ｉ|::ｉ: ｉ:､::ｉ
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀ ､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉ ｌ
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　 ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |
::!:|:|::::!:!: !/ィ示ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!　　　　　……。
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ::ﾉ_ '　/'　|!　.ィ､ ｌ:!::|:!:: '
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く:::ｿ ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′
小:!. ヽ　　　　　 ￣ ｀　　　'Ⅵ'
::::ﾘ. 　 ＼　　　 ｀　　　／
Ⅵ.　　 　 ヽ､　　　　 ´
｀　 ー　 _　　 T　´
､　　　　　｀ ー ､
　｀　 ､　　　　　ｉ
. ､　 　 ＼.　 　 ｌ
.､ 丶　 　 ＼.　 !
　　　　　　　　　【べネデット】
元囚人。カヴァルカンティ公爵アンドレアと詐称していた。
囚人仲間のカドルッスを殺した罪で起訴された。




　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　...'.:´ ￣｀:丶、
　　　　　　　　　　　　　　 ／.::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　　　　　　　　 /.::::::::: ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　j : :::: : .::::::::::: .:: .:::::::::::::::::::::::: ::i!
　　　　　　　　　　　　　! ..i:: :: .: .:: : .::: ..: :::: .:! ::::::::::}: :::!
　　　　　　　　　　　　 .'.::::!.::.{: ..::.::::ｲ;ｨ::.: .}.:!}!::::. :: ::!::. {
　 　 　 　 　 　　　　 /ｲ::::!::::!::メ､´〃}!.::/:/ハ{!:::} ::!i!:i:ヽ
　　　　　　　　　　　/./ｲ:::{!:{K辷_ﾒ//／斗≠ミ/::..:i::!:ﾄ､ヽ､
　　　　　　　　　　　ノ´ﾊ{:ﾊ:ﾄ､｀¨´／ イ　ヒｪz/}ﾉ::ﾉ:ハ、｀　　　　　　　告訴状を朗読します。
　　　　　　　　　　　　/　i!:!ﾍヽ、　　　 !　　 ノｲ:::/{:{:{
　　　　　　　　　　　　　　ﾘハ}ヽ、　-_ ､　　／/:/{ﾊ|.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 {!｀ ＝.＼　　 .イﾚ'/ ﾘ　! ヽ
　　　　　　　　 , 　-　 ､　 j!: :._∧_:.}!´¨¨〒}
　　　　　　 ／´￣｀ヽ: : ｀丶: ﾍ}{∩!!: : : {{:{
　　　　　　!: : : : : : : : '. : : : : :.｀Y´: {!: : : {!ﾊ、
　　　　　　!:/: : : : : : : :.ヽ、: ! ｀{j´: : {!: : : iハ}｀丶.､
　　　　　　i{: : : : : : : :.:.:.:.:.}: :}:. ＿＿_,{!: : :ヽ｀ヽ: : : :.｀丶、
　 　　　　　': : : : : _.: :.:.:.:.:.i.: :!:.:}}￣￣｀: : : :.ヽミ ､: : : : : :ﾊ
　　　　　　　i!i: : :（ ｀ヽ、__ヽﾉ:.: |i:０: : : : : : : : : :oヽ}: : : :}:.:!

3168．

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　_,､ｒ'´:::‐､｀ヾ‐､｀丶、
　　　　　　　　　　　　 ／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　 〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　 ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　 ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊ ｿｒ‐ﾃﾊ!:l/
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　 　 　 　 !　 j川/
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/
　　　　　　　　　 　 　 Yｌ:ﾄ､　 　 ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ ニ′／}'
　　　　　　　　　　　 　 　　 丶、　　／
　　　　　　　　　　 ノ￣´"''‐ 、 　 ｀¨´
　　　　　　　 ＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　 ＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　 ヽヽ ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　 　 ∧=､､
　 |八 ＼　　 　 　＿_/　　　　　 ＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥


┌──────────────────────────────────────────────┐
│長い朗読の間、アンドレアは注目を一身に浴びながらスパルタ人のようにほがらかにこらえていた。　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│ヴィルフォールがこれほど簡潔雄弁な論告をしたのはおそらくこれが初めてのことに違いなかった。　　　　　　　│
│犯罪の顛末は生き生きと描かれ、被告の素性、経緯、行状の一部始終は見事に推論されていた。　　　　　　　　│
└──────────────────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　l. :.:.:.:./:.:.:./: :.// :/:.:. :.:.:./:.///l:.:.:.:.| :.:.: .:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　': .:.:.:/:.:.:./ .:.// :/|:.:. :.:./:.////|:.:.:.:.| :.: .|:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　 ﾉ:l:.l:./ :.:.:/: // :/| l:. :.:./:.////　|i:.:.:.| : .:.|:.:|:l
　　　　　　　　　　　　　//|.|:.|　:.:.l:./A|:./l:| |: .:/:.////_..-|l:.:.:l :.:.:.l:.:.|:|
.　　　　　　　　　　　　ノ´ l:|:.| :.:.:.|ｒ=ｒz|l､ﾘ､| ./:.////_,r=＝ﾐ} .:.:.ﾉ:.:.|:|
　　　　　　　　　　　　　　 |l|:.lri.:.:.',仆-´ｨ ﾐ.l:,':///_,イｼ-イ ﾌ:.:./.l:..:.:lヽ
　　　　　　　　　　　　　　 i!|:.|',|.:.:.ヽ｀￢ '´ ﾘ i}/´　 ｀ ＝‐７:.:.//:|:.:.l|
　　　　　　　　　　　　　　　ヽl|{ヽヽヽ　　　　 i!　　　　　　/／l´|:.lヽl　　　　　　　　……。
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　l:.l＼　　　 _｀＿　　　／ｲ:|:.l:l|:.l　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }/|:.:.|＼　　─- ｀　,イ:.|:./l:.||l `ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　l /_| ｀丶、　,　'　　|/|l| |:{ ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´ {ニニrﾆニﾆﾆ}ニニ}　`ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|∧: :| |: : : : | |: ∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ノ）)(,-.| |: : : : | |,-)( |
　　　　　　　　　　　＿　-─＝￣. : : 孑.| |: : : : | |（卅)＼
　　　　　　＿-─´: : : : : : : : : : : : : : :卞: : :| |: : : : | |: 干: : : ￣: :｀:丶 、

3169．

　　　　　 /ｰ- ＿＿....!
　　　 ／│　　　　　　 >‐- ､
　　<　　 ヽー----- '"　 ／
　　 `ー- ....＿＿＿_....ィi　　　　　　　　被告、姓名は？
　　　　{^:| く.(　・」 l・ ﾉ|/
　　　　l.h| r'　"^.　l.^" 〉i
__,.─／ヽ| |　　 `ー'　 |l＼─,
　 ／　　 | |∠ﾆ三i三i>lゞ ＼ ~^ヽ
　＼　　　~V 　 　　　　 〉　　 > 〈
　　＿＞　　ヽ.........へ- '　 ／　　|




　　　　　 /:,ｲ///: ／!／:〃:://::l::ｉ:l:l:l::l!:l:l
　　　　　,':/〃:ｉ:ｉ::/〃!,:イ/:://,'!::l::l:l:l:l::lｉ:!:l
　　　 　 ｉ:.!:'ｉ:ｉ/l::!'/ｲ l!:〃:,ｲ l/ lｉ::!'::l:l:!:ｉl::ｉl
　　　 　 |:ｉ:ｉ:l:l:.ﾊｿｲ !//,:ｲヾ//小ﾊ::ｌﾘ:/:l:ll
　　　 　 |:l:.l:l:!,:代ト/／　 ィﾏﾗ７:/l〃,‐:!l:!
　　　 　 |!l:ｉ:! ｉ　￣'　　　 ￣ ´/ｲｿ!'/ 〉}:l'　　　　　　失礼ですが裁判長。
　　　 　 lﾊ:ﾊ　　　ｉ　　 　 　 　 〃_才:ﾘ
　　　 　 ! ヾﾊ　　_｀ ´　　　 　 / .T:ｉ:ﾘ'　　　　　　　　　その順序ではお答えできません。
.　　　 　 　 ｀　 ､　 ､__￣　　 ｲ　 .Ⅵｰ,-､　　　　　　　　　　どうか別の順序でお答えすることをお許しください。
.　　　　　　 　 　 ヽ　　　 ／ 　 　 .　'　　 ＼
　　 　 　 　 　 　 ｉ: .ー　´ 　 ,.ィ ´　　 　 　 冫､_
　　　　　　　, -‐くl: : .　　　.:lｉ⌒ヽ　　　 　 /　　 ｀ｰ ､_
　　　　　 ／　 　 ヽ: : .　. :　ll.:.:.　ｉゝ.._　　/　, 　 ´ _＿_ﾐ:､
　　 　 ／　　　　 /ｉヽ: : : : 〃　／　　 ヽ/　/／／　　　　ヽ
　　 ／.- ⌒ヽ　 ,': :! }: : ／' ／.　 /　/　　/´／　　__　　　 l
　 /.:.:.:.:...　...:.:}　l : : : : ,'　　!　　 /　 l　　/' ´　 ／　　　　　l!

3170．

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!　　 ヾ 、L　う:::::::! 　 　 　 　 　 r‐′
　　　　ヾ丶｀ｰ'::::::ヽ　　　 rー┐'┐
　　　　　Y　 　ｰ､:::::::ヽ 　ﾉー-｀ｰ′
　　　　　 ヽ 　 　 ヽ::::::::ゝ{__, '⌒{
＿＿r―'´7、　　　 ヽ:::}　　　'⌒｀､
　　 　 　 /　ｌ　　　　　人　　　 λﾉ
　 　 　 ./　　｀７　　 「 　｀ー--′




【審議中】
　　　　　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ……
　　　　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧　　　　　　　　 ∧,,∧ 　∧,,∧ｷﾓｷﾓ……
　　　　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧　　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )(　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )
　　　｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　と ﾉ ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　と ﾉﾄｵﾅｵﾅ……
　　　　ｕ-ｕ （l 　　 　∧,,∧ 　∧,,∧　ｕ-ｕ （l 　　 ) (∧,,∧ 　∧,,∧
　　　　　　　 `ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧`ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　　　　　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )(　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )
　　　　　　　　　｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　と ﾉ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　と ﾉ
ｶﾞﾔｶﾞﾔ……　　 ｕ-ｕ （l 　　 )　(　　　ﾉu-ｕ　　ｕ-ｕ （l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ ﾄﾞﾖﾄﾞﾖ……
　　　　　　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'　　　　　　　　 .`ｕ-ｕ'　`ｕ-u'

3171．

　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　７
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　{
　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　＿＿〉
　　　　　　　　　　　　　　├------─ '´: : : : :ヽ_
　　　　　　　　　　　　 ,. ‐<: : : : : : : : : : : : : ___／ ｀` ‐-､
　　　　　　　　　　 _／　　 ｀ー─--─ '´￣　 ＿__,.＜二
　　　　　　　 ＜二,,＿＿＿＿＿＿,,..　--‐､'「::>､　　　　｀ヽ､
　　　　　　 ／　　　　　 ｨ^〉} {　　・)i　i､･　 ﾉ }::}^|　　　　　　＼　　　　　　　では、年齢は？
　　　　　／　　　　　 　 {（〃 ￣￣ |　{ ￣ 　 |::|）|　　　　　　　 ＼
　　　 ／　　　　　　　　 ヽヾ　 　　〈＿,　　　 .|::|ノ　　　　　　　　　＼
　　／　　　　　　　　　　　｀}　, へ､＿＿__ 　 |:}　　　　　　　　　　 ／
　　｀ヽ､　　　　　　　　　　〃 / ／´ 　　:::::ヽ |:}　　　　　　　　　／
　　 __,..＞､ 　 　 　 　 　 /|> ヽ、＿　　　 :::ﾉ}ﾉﾊ　　 　 　 　 ／
´￣　　 _,. -｀ヽ､　　 　 /: |〉　　　　 ￣￣ ／ .|: i　　　　　／￣￣￣｀`ヽ､
,. -‐‐ '´ 　 _,. -‐゛　　 i: : ﾊ､___,. >-､　　/　　 |: :|　　　∠二二`─--､　 　 >､
　　_,. -‐ '´　　　　　　|; :ｲ i　 ／!::::::`ｰﾊ　 　 |: :|　　　　　　　 ￣| 　 ＼　/
　　i　　　　　　　　　　| : |　! ./　 ヽ:::::/　ヽ　.ﾊ : |　　 　 　 　 　 /　　　 Y
　　ﾍ　　　 　 　 　 　 | : :|　∨ 　 /^ヽ　　 ∨ | : |　　　　　　　 /　　　　 |
　　　ヽ　　　　　　　　|: : :|　　　 /::::::::i　　　　|: : |　　 　 　 　 /　　　　　|




　　　　　　|:::|::||::::丶::::::::丶i:::ゞ:::::ヽ::::::::::ヽ:ヽ::ヽ:::|:::::::i::
　　　　 　∥::|::|ヽ:::丶::::丶:丶:ヽ::ヘ::::::::::ヽ::::ゝ丶i::::::i:::
　　　　　　|:::::|::|:::|::::::::ヽ丶ヽ::::::ヽヽ::::ヘ,,:::::ヽ:::::i::i:::::|::
　　　　 　 ∥:|ヽ::|ヽ|::::::丶丶ヽ::::::::ヽヘ,,,,:::::::::ヽ:::::i:::i:::
　　　　　　 |::丶丶|ヽ　 ヽ　ヽヽ　　/　　　 ＼:::::::::::::::/
　　　　　 　|:'ﾞl＼ヽ ''' '''''´　 '　 ".`''　、'　　 '|:::::::::::|:::|　　　　　　　　２１歳。
　　　　 　 　＼::::ヽ,＼　　　 　 　 　　 　 　　　ﾚ|:|:::,| /　　　　　　　正確に申しますとあと数日で２１歳になります。
　　　　　　　 　ゝヽ　''　　　　　 　　　　　　　 　 ||::::|:ﾉ::
　 　 　 　 　 　 ヽヽ 　　　　 　　　　　 　 　 　| ﾘl:/:/::::　　　　　　　わたくしは１８１７年９月２７日から
　　　　　　 　　 　'ヽ　 　　ヽ　-　　　　 　　　|, ﾉ/::::::/　　　　　　　　２８日にかけての夜に生まれました。
　　 　 　 　 　 　　 丶, 　　 , 　 　　 　 　　 　 /　|::::::/
　　　 　 　 　 　 　 　|ヽ 　ヽ二二＝ 　 　 　/　| | |:/ ,,
　　　　　　　　　　 　 | i＼　ヽ─　 　 　 ／　 l ヽﾘ:.:.く
　　　　　　　　 　 ..／ヽ'　ヽ, 　 　　　／　　 /　 |,,,　 |
　　　　 　 　 . .／ 　 　|ﾉ丶ヽ -- ／ 　 　　/　 　 | /
　　　　　　／ 　 　 　　ヽ　> 　 　　 　 　　/　　 　ﾚ

3172．

/:::/:::/´::〃ハ:ｌ::::!:!ｉ:::: ｉ丶｀:!ヽ:ヽ::ヽ
: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
/ｉ: /:: /ｉ::ｌ::: /ｉ::ｌヽｌ::丶:::ｌ::::::ﾊ:ｉ|::ｉ: ｉ:､::ｉ
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀ ､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉ ｌ
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　 ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |
::!:|:|::::!:!: !/ィ示ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ::ﾉ_ '　/'　|!　.ィ､ ｌ:!::|:!:: '
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く:::ｿ ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′　　　　　　生まれた場所はパリ郊外のオートィユです。
小:!. ヽ　　　　　 ￣ ｀　　　'Ⅵ'
::::ﾘ. 　 ＼　　　 ｀　　　／
Ⅵ.　　 　 ヽ､　　　　 ´
｀　 ー　 _　　 T　´
､　　　　　｀ ー ､
　｀　 ､　　　　　ｉ
. ､　 　 ＼.　 　 ｌ
.､ 丶　 　 ＼.　 !
　＼ ＼　 　 ヽ ｌ＼




　 　 　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/l ./;.:.:.:.:.: /::./l.:.:l.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.|.:.:.:.::.|.:.:.:.:.:|
　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.::／/.:./l.:.:.:.:.:／ﾒ ,// //.:.:.:.:./l.:/　i:.,!l.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:::|.:.:.:.:.::i
.　　 　 　ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:/.:.:.:.:／ /.:/./.:.:..:／ﾒ/,/ ///.:.:.:././/　　|.,! l.:.:.:.:i.:.:.:.:.:|.:.:.:.::|.:.:.:.:..:.:|
　　　　　l.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|..:.:./..:.:. /　/.ノ /.:.:.:/　/ /./..//./:.:.:./ //　 　 ヽl.ヽ:.:.:|.:.:.:.:.!.:.:.:.:,!.:.:.:.:.|..:l
.　　　　ﾉｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:/.:.:.:./-､/;､,,,/.:／,,,,ﾒ_//..:. //. /..:.:/.:.://__,,,､--''ヽﾞヽ:.:l.:.:.:ﾘ.:.:..:.!.:.::|.:.:!､.:|
. 　　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|.:/.:.:./　 /　　 l:/.:ﾞﾞ`''''''"/ヽ,l./.:/.:/.:ｯﾃ/""ｨ￣_,,,,.:.:｀.:ヽ:|:.:ﾉ.:.:.:.ﾉ.:.:.: ﾉ.:|.:､.:i
.　　　 　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/.|.:/ｯ=/ｰ‐‐-ﾉ､　　　//　.∥./:/.　 ∥　　／´　 ｀ﾞﾐｧ　|/l.:.:../.:.:.:/l.:.j　 `j
　　　　　　j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|. .!/《:.　　　,:-c;. ＼`､l/　.∥ //　　ﾉ　 ／. r ‐c,　　ﾘ ,l/lﾞ.:.:;/.:.:.::./|.:,!　　 ＼
　　　　　　 i.ﾄ.:.:.:,,-､...:.:.:ﾄ､ﾍ　`.　　弋 ･ﾉ　　`l/ 　 .|. l /　 .／　ｲ.　弋 ･ﾉ　　 　ﾘ l.:.:/.:.:.:.:/ |.:,!
　　　　　　 .ﾘ-ｯ|ヽ;;ヽ.:.:..`ヽﾍ　 ､_ 　 　　_／ .　　 .|　|/ .l　　　　　　､__＿ ノ　　 //l.:.:.:.:./　|,!
　　　　　.　/j　入;ヽ;;.ヽ.:.:.`,＼`､　｀ﾞﾞ￣　　　　　 　 ﾉ.　 |!　　　　　　　　　　　 .//./l.:.:.:./ . .|!
　　　　　 /　 ./.|;;;;;;;`､;;`､.:.＼ヾﾞ､.　　　　　　　　　　　　.l!　　　　　　　　 　　 //./.ﾉ.:.:/　　/
　　　　／　 ./　|;;;;;;;;;.ヽ;;'ヽ.:.:＼ ﾞ＼ 　 　 　　　　　　　　|!,　　　　　　 　 　 ノ..:/ /.:./
　　 ／　.　/　　|;;;;;_,,ｨ"´ﾞ｀.ｦ.:.:.:＼　 ヽ . 　 　 　 　　　　 |ﾘ　　　　　　　 .／/.:./ .//
　　'､　　 く,,--`""´　　,,,／`､.:.:.:ゞ＼　　　　　　　　　　　l!　　　　　　　　 ｲ.:.:,!　.!/
　　 |　　l´　　　　,,,-;;"´`､;;;;;.ヽ.:.:.:＼`ｰ　　　　　　 _＿＿＿_.　　 　 　 ／/.:./l'!
. 　 .l　　|　　 r'´ヽ;;;;;;;;;;;;;;;>-"ヽl.:.:.:.|. 　 　 　 　.--"―――‐‐`‐ 　 ／.:.:.:l.:.:| ﾘ
. 　 .|.　.|　　 | 　.ﾉ､;;;;;;;./::::`､::::ﾍ..._,}　　 ＼　　　 　　ー―　　　　／　|.:.:.:i / l,!
. 　 .|　ﾉ　　/　,l´ .ヾ､,/:::::::::`､::::ﾍ|　ヽ_ . 　 ヽ､.　　　 　　 　　.／　　 {-､ |l
　　.ﾉ /　　 }　　| 　／｀"`――――ｯｧ｀`-､_. . ` ､　　 　　 ／　　 ,-ｨ'' .| 入
　　レ　　　 i､___l／　　,,__＿＿＿＿ ノー―ヽ､` -　ヽ､ .／---勹 __,,--| |从
　. |　　　　／　　　　／,-ー―亠ﾞﾞﾞ￣''ｱ￣￣￣| |￣￣￣￣ ;| |;;;;;;;;;;;;;{} ,!
　/　　　　　　　　／　/　　------- '";;;;;;;;;;;.;;;;;;;| |...;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;{} 入

3173．

　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　├─--- ､_
　　　　　　　　　　　 　 〉　　＿＿＿＿＿＿ハ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　「￣￣ : : : : : : : : : : : ／　　　　/
　　　　　　　　 　　／|: : : : : : : : : : : : :＿／　　　　／
　　　　　　　　　／　 |,. --──　'´￣　　　 __,. -‐′ ＼
　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　 _,,. ｧ'´ヽﾄ､　　　　＼
　　　　　　∠＿＿,.　ｨ‐t‐┬‐ｧ─‐ヽ´:|　{　．} !ﾉ　　 　 　 ＼
　　　　　　　　／　　/ r-|: :}　{　　　・} :|　ﾄ- ′}　　　　　　　 ＼　　　　　　　職業は？
　　　　　　 ／　　　 {　!（.|: :|　 ゝ‐‐ ′:!　|　　 |　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 /　　　　　 ＼ヽ|: :|　 　 　 　 ｨ ´ ) 　 |　　　　　　　　　 ヽ
.　　　　 /　　　　　　　 ヽ_ﾍ:ヽ　 　 　 　 ￣　　 |　　　　　　　　　　ヽ
　　　　/　　　　　　　　 　 ﾊ: {　 　 　 　 __,.　ィ　〉　　　　　　　　　　ヽ
　　　 /　　 　 　 　 　 　 /　ヽ|i　　／￣‐　￣　ゝ　　　　　　　　　　 ﾍ
　 　 /　　　　　　　　　　|　　 ＼ 　ｰ'´　／　　 _ノ　　　　　　　　　　　ヽ─-､＿
/￣７　　　　　　　　　　 |　 　 　｀ヽ　　　 ／￣ ﾊ　　　　　　　　　　　　iﾆ=-
／'7　　　　　　　　　　　|　　　　 　 >‐ヤ′　　 | }　　　　　　　　　　　　|
　└‐‐----　,＿　　 　 ﾄ､　　　 ／::::::::ヽ　　　/ .|　　　　__,.　-─　'´￣
　　　　　　　　　 ＞　　 |　ヽ　 ハ:::::::::::::::>､　/　 |　　＜´
　　　　　　　　／　　 　 |　　∨　 ヽ::::::::/　 ∨ 　 |　　　｀ヽ､




　　　　　　 |::|:|::::::|丶:::::ヽ:|::::::::丶:::::::ヽ:::ヽ::丶:::丶::::ヽ:
　　　　　　|:::|::||::::丶::::::::丶i:::ゞ:::::ヽ::::::::::ヽ:ヽ::ヽ:::|:::::::i::
　　　　 　∥::|::|ヽ:::丶::::丶:丶:ヽ::ヘ::::::::::ヽ::::ゝ丶i::::::i:::
　　　　　　|:::::|::|:::|::::::::ヽ丶ヽ::::::ヽヽ::::ヘ,,:::::ヽ:::::i::i:::::|::
　　　　 　 ∥:|ヽ::|ヽ|::::::丶丶ヽ::::::::ヽヘ,,,,:::::::::ヽ:::::i:::i:::
　　　　　　 |::丶丶|ヽ　 ヽ　ヽヽ　　/　　　 ＼:::::::::::::::/
　　　　　 　|:'ﾞl＼ヽ ''' '''''´　 '　 ".`''　、'　　 '|:::::::::::|:::|　　　　　　最初はニセ金作りをやりました。
　　　　 　 　＼::::ヽ,＼　　　 　 　 　　 　 　　　ﾚ|:|:::,| /　　　　　それから泥棒をやりました。
　　　　　　　 　ゝヽ　''　　　　　 　　　　　　　 　 ||::::|:ﾉ::
　 　 　 　 　 　 ヽヽ 　　　　 　　　　　 　 　 　| ﾘl:/:/::::　　　　　……そしてきわめて最近、人殺しをやりました。
　　　　　　 　　 　'ヽ　 　　ヽ　-　　　　 　　　|, ﾉ/::::::/
　　 　 　 　 　 　　 丶, 　　 , 　 　　 　 　　 　 /　|::::::/
　　　 　 　 　 　 　 　|ヽ 　ヽ二二＝ 　 　 　/　| | |:/ ,,
　　　　　　　　　　 　 | i＼　ヽ─　 　 　 ／　 l ヽﾘ:.:.く
　　　　　　　　 　 ..／ヽ'　ヽ, 　 　　　／　　 /　 |,,,　 |
　　　　 　 　 . .／ 　 　|ﾉ丶ヽ -- ／ 　 　　/　 　 | /
　　　　　　／ 　 　 　　ヽ　> 　 　　 　 　　/　　 　ﾚ

3174．


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　｀ｰ-､　　　　　 '''''''''''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
　　　 .:｀ー--､＿＿＿＿＿＿　 　 ＼
　　　.::::::::::::::::::::::::／　_r'ﾞ`ヾ┘￣￣￣
　_r‐'::::::::/＾ヽ:::::::{ 　 -{　　．{
「 　 { {　｛,ｎ　::::::::i 　 ユ＿　 ｀ヽ＿,　　　　　　　なっ……！？
!　　 ヾ 、L　う:::::::! 　 　 　 　 　 r‐′
　　　　ヾ丶｀ｰ'::::::ヽ　　　 rー┐'┐
　　　　　Y　 　ｰ､:::::::ヽ 　ﾉー-｀ｰ′
　　　　　 ヽ 　 　 ヽ::::::::ゝ{__, '⌒{
＿＿r―'´7、　　　 ヽ:::}　　　'⌒｀､
　　 　 　 /　ｌ　　　　　人　　　 λﾉ
　 　 　 ./　　｀７　　 「 　｀ー--′




　　　　　 ∧,,∧ 　.∧,,∧
　 ∧∧( ｀д´#)(#｀д´ )∧∧　　　　　　　　ふてぶてしい……
　(#｀д´ ).∧∧) (∧∧(#｀д´ )
　｜　Ｕ (#｀д´ )( ｀д´#) と ﾉ
　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ　　　　　　なんて奴だ！
　　　　　　`ｕ-ｕ'　 `ｕ-u'

3175．

　　　　　　 ／:.／:.:./:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.ヽ :.:.:.:.',:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.ﾄ､ニﾆ=─
　　　　　 /:.:.:./　:.:/:.:// .:.:.:.:./:.:.ﾊ:.:.:.:＼ :.:.|: .:.i:.:.:.ヽ:.:.＼＿＿＿,
　　　　 ./.:.:. / .: :/.:.//　. :.:.//',:|　ヽヽ:.:.＼',:. :.|ヽ､.:.＼:.:.:､-‐´
　　（__ノ:.:.:. / :.:./.:.:.l:.| .: :.:. | l|_,,|l=弋ヽ､:.:.:.|:.:.:.l.: .ヽ:.:.:.＼:.＼
＿＿／:.:.:. .| .:.:.|:.:./|:|{:. .:.: .l| |i}_|!∠ヽ＝ミ,':.:.:,' :.: .:.ヽ.:.:.:.＼__｀ｰ､
ー─　´l.:. :.l :.:.:.l:.,'__|l､ヽ .:.:.{ {彡ｒて フ:::）7:.:./ :.r ､. :.:.＼‐-､＜￣ヽ
　　　　 |. : :.| :.:.:.|i仁_ヽ､',ヽ:ヽノ,ゝ‐´￣¨,':.:./ :./　l|.:.:.`ｰ､＼ ￣￣ヽ　　　　……。
　　　　 l:.:.|:.|:. :.:.ヽ<{f_rラ}　＼｀､.__　 　/.:./ :.,___ノ＿:.:.:.:.:.:.ヽ｀￣
　　　　ﾉ:.:.l:.|:l:.:.:.:.ヽゝ'¨´ﾉ　 　｀ヽ￣　 /.ノ :.ｲr───､ｦ─､￣＼
　　 ／´}:.ﾊ:l:|ヽ:.:.:.',ヾ､_ヽ,　　　　　 　/´/./:.| |: : : : : : } |￣＼＼
　　´　 ﾉ/ },'i|:.:lヽ`ｰ､__　　､-‐-､_　　　/:/}ﾉ{ {: : : : : : | | : /|: ＼＼
　　　ノ' 　　ﾉ|:.ﾄ |:.:.l:.ヽ｀ 　｀二￣　 　/'　/ﾘ｝｝: : : : : : ｝｝rヽ|r‐､: ヽ)-‐ー ´￣
　　　　　　　,':ﾉヽヽ:|ヽ:.:｀丶　　　　　／__|¨//: : : ,､: : // 《〈〉ヽ}-‐´: : : ／￣
　　　　　　／　　　ヽ､l.:./l/}:.ヽ... イ　/ﾍノ | |: :／　 ＼l: ／: : : : : : : : : /: : : :
　　　　　　　　 ._-‐‐‐|/　|!|＿}ﾉｿ',　|イ,‐─' ´　／ヽ ／: : : : : : : : : : ,': : : : : :




　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　_,､ｒ'´:::‐､｀ヾ‐､｀丶、
　　　　　　　　　　　　 ／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　 〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　 ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　 ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊ ｿｒ‐ﾃﾊ!:l/
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　 　 　 　 !　 j川/
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/　　　　　　検事総長さん、何かお探しですか？
　　　　　　　　　 　 　 Yｌ:ﾄ､　 　 ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ ニ′／}'
　　　　　　　　　　　 　 　　 丶、　　／
　　　　　　　　　　 ノ￣´"''‐ 、 　 ｀¨´
　　　　　　　 ＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　 ＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　 ヽヽ ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　 　 ∧=､､
　 |八 ＼　　 　 　＿_/　　　　　 ＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥

3176．

　　　　　　　（￣`''‐-、__,,,.-ｰｰ、
　　　　　　　 `i;;;;;;;;;;;;::: : : . .　／
　--、＿＿＿ﾉ;;;;;;;;　::: : : .　ヽ,
　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`''‐－一一一'ハ
　＼;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,＿＿＿＿＿＿,,,.ヽ、　　　　　　　　ではいよいよ姓名を名乗ってもらえるかな？
　　 ＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::: : : . .　　　　`''ー、
　　　　ヽ 、;;;;;;;;;;;;::: : : . .　　　　　　　　＞　　　　　　お前が自分の犯罪を、さも職業のように数え上げた
　　　　　 `i'ー、;;;::.＿＿＿_,,,. －―''''"　　　　　　　　不遜な態度。そしてその得意な様子によって
　　　　　　|;;;;;|，ｊ `i､_,,,.-r' {lll/　|　　　　　　　　　　　自分の名を引き立たせるために、
ｒ一一ー ┤;;;;;`''|　|’_ _ノ　|lll|ｲ/　　　　　　　　　　　姓名を名乗るのを遅らせたんだろう？
|;;;;;;::: : : . |;;;;;;; 〔_ 'i::: : : . . |lllﾚ/
|;;;;;;::: : : . l;;;;;;;;;;;::: : : . .　　|lll;;/`''ー-、＿
｜;;;;;;::: . .＼;;;;;;;::: : : . .　　|lll;i　　　　　　　７
｜;;;;;;;;;;;;;::: :＼¨ﾆ.''ｰ、_　,|lll|　　　　　　　/　へ
　|;;;;;;;;;;;::: : : . ＼;;"　　`'　〉ｿ＼、　　　 /／　　｀ｉ
　|;;;;;;;;;;;::: : : . .　 ヽ、,__／一六　　　　　　　　　　|




　　 　　!:/!:::::!::::::!::ヽ:ヽ{:::＼:::ヽ::::＼:::＼::ヽ:::::ヽ!::::}!::::l::li|
　　 　　j/:::ｌ:::::!:､:::!::ﾄ､:､:ヽ:::::｀ヽ{､::::::＼::::＼{､:::::::::i::!::l:l !
　 　 　 l:i:ｌ::::i::i:､:l::lﾃ=-､:ヽ､_､::＼_,≧ｪｭ､_､＼:::::::::i::li::!::ﾘ
　　　　　!ﾊﾄ:{:!:ｉ:ﾄN{､ﾋ_ﾗﾍ､{　＞､{ 'ｲ ﾋ_ﾗ　》＼::l::!:ﾄ!!:l::l!
　　 　 　 ヽ i､ヽ:ﾄ{､ヾ￣"´ l!＼　　　｀"￣"´　 |::!:l::! j:ll:!　　　　　恐れ入りました。その通りです。
　 　　　　　　 !::､::::i　　　 　 ｌ　　　　　　　 　 　 |:::/lj/l:!ﾘ
　 　　 　 　 　 ヾﾄ､:!　　　　　　　　　　　　　　　ｊ!/ j|:::ﾘ　　　　　　しかし、わたしは本当の名を知りません。
　　　　　　　　　　ヾ! 　　　ヽ　 ‐　 　 　 　 　 /ｲ´ｌﾊ/　　　　　　　ただし、父の名なら存じております。
　　　　　　　　　 　 }ﾄ.、 　 ｒ ＝＝=ｧ　 　 　 /'　!:://
　　　　　　 　 　 　 ﾘl::l゛､　 ､ ＿ ,ノ　　　 ／　　|/:/
　　　　　　　　 ｒｰ''"´ﾄ!::i{＼　　　　 　 ／　　/　!:/
　　　　　　　　/ ^ヽ　　ヾ!　 ヽ ＿,,、'´　 　 /　 ｊ/

3177．

.　　　　　 　 l:::::: /::: ::::/::: /::/ ! :::: ::八::ヽ: :: ::::::: :|　: : : ! ::.＼　＼
/|　　　　　　|:::::/ ::/ :/::: /::/ ::| ::::::/　 ＼＼　:::::::|:　::l ::l　:::::::〉.､　＼
/　　 　　 　 |::/ ::.' ::/ :::/::/: ::.' ::::/　 ／_ ＼＼:::│::: l ::| ::::::/:::::.ヽ　 〉
|　 　 　　 　 }'::::/ ::::{: :/:::ｲ: ::/: :/_／／__＞≦7::,':::::/::/ ::::/ヽ ::::/　/
|　　 　 　　 /:::::{ :::: |: l::/､|:::/ :://　/,ｨﾁ:rf:::ﾉ/ ./:::/ :/ :::://.､〉:/　/
|　　　　 　./:|:::::| ::: :|: |:仏∨ｲ//', 〃,,≠￢￣ /:::/ :/ :::/っ〉/:/　/
|　　　　　/:/|:::::| ::: :|: }:ｲ泛ﾑ/'　.'　＾ 　 　 　,ｲ: / :/ :::/.r'／::/　/
|　　　 ／´　.}:|::| ::: :|: |::ゞ屮'}　　' ,　　　　　 /イ :/ :::/ r '}::::/　/　　　　……。
ト _　　　　　 |:|::| ::: :ﾄ::l:::ﾊ　/　　 　｀ヽ、　 　 /:イ::／　{　|::/　/
',　 ＼＿＿__|ﾊ:ﾄ :: :|_}| ::::ヽ＼　　 __＿_｀_丶　/／ ,　'　 //　/
:ﾍ 　 　 　 　 ￣ヽヽ{ ﾘ::::/|ﾉ＼ ￢'-──￢ ｀、 ／ 　　' /　/
Vﾍ　　　　　　　　　乂::ｲ ´ 　 |＼ ￣￣¨｀ ,　＜＿__∠::/　/
:::Vﾍ　　　　　　　　／j/　　　 j/jﾉヽ 　 .イ￣￣　　　　/　/
ヽ::Vﾍ　　　　　　　　　　　　　 　 r‐｀≦==￢ニ二二フ ／
.　＼Vﾍ　　　　　　　　　　　　r‐ﾀ７￣／/　ｲ￣＾ ／／
　 　 ＼:ﾍ　　 　 　 　 　 　 ／ / / ／　/　/ ﾄ､／／
　　　 　＼ﾍ　　 　 　 　 ／　, ' / / 　 /　/ .／／




　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　＿＿〉
　　　　　　　　　　　　　　├------─ '´: : : : :ヽ_
　　　　　　　　　　　　 ,. ‐<: : : : : : : : : : : : : ___／ ｀` ‐-､
　　　　　　　　　　 _／　　 ｀ー─--─ '´￣　 ＿__,.＜二
　　　　　　　 ＜二,,＿＿＿＿＿＿,,..　--‐､'「::>､　　　　｀ヽ､
　　　　　　 ／　　　　　 ｨ^〉} {　　・)i　i､･　 ﾉ }::}^|　　　　　　＼
　　　　　／　　　　　 　 {（〃 ￣￣ |　{ ￣ 　 |::|）|　　　　　　　 ＼　　　　では父の名を言うがいい！
　　　 ／　　　　　　　　 ヽヾ　 　　〈＿,　　　 .|::|ノ　　　　　　　　　＼
　　／　　　　　　　　　　　｀}　, へ､＿＿__ 　 |:}　　　　　　　　　　 ／
　　｀ヽ､　　　　　　　　　　〃 / ／´ 　　:::::ヽ |:}　　　　　　　　　／
　　 __,..＞､ 　 　 　 　 　 /|> ヽ、＿　　　 :::ﾉ}ﾉﾊ　　 　 　 　 ／
´￣　　 _,. -｀ヽ､　　 　 /: |〉　　　　 ￣￣ ／ .|: i　　　　　／￣￣￣｀`ヽ､
,. -‐‐ '´ 　 _,. -‐゛　　 i: : ﾊ､___,. >-､　　/　　 |: :|　　　∠二二`─--､　 　 >､
　　_,. -‐ '´　　　　　　|; :ｲ i　 ／!::::::`ｰﾊ　 　 |: :|　　　　　　　 ￣| 　 ＼　/
　　i　　　　　　　　　　| : |　! ./　 ヽ:::::/　ヽ　.ﾊ : |　　 　 　 　 　 /　　　 Y
　　ﾍ　　　 　 　 　 　 | : :|　∨ 　 /^ヽ　　 ∨ | : |　　　　　　　 /　　　　 |
　　　ヽ　　　　　　　　|: : :|　　　 /::::::::i　　　　|: : |　　 　 　 　 /　　　　　|

3178．

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: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
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::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ::ﾉ_ '　/'　|!　.ィ､ ｌ:!::|:!:: '
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く:::ｿ ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/　　　　　　　　父は、検事総長をしております。
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′
小:!. ヽ　　　　　 ￣ ｀　　　'Ⅵ'
::::ﾘ. 　 ＼　　　 ｀　　　／
Ⅵ.　　 　 ヽ､　　　　 ´
｀　 ー　 _　　 T　´
､　　　　　｀ ー ､
　｀　 ､　　　　　ｉ
. ､　 　 ＼.　 　 ｌ
.､ 丶　 　 ＼.　 !




　　　　　　　　(￣￣ヽニニ＿, )
　　　　　　　　冫　　　　　　　　|
　　　　　　　　/￣^-―――′ヽ
　　　　　 ／　|　　　　　　　　　　　￣＼
　　　　／　　ヽ＿＿＿＿＿＿／　　／
　　　く　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　ー―、＿＿＿＿__＿____イl
　　　　　　/ヽ|　く て　．|　|．ノ-|(
　　　　　　|ヽ |　/ ´ヽ-^　L^　 く |　　　　　　　　　　　　　　　検事総長！？
　 ,――／|( )|　|　　　 、__ )　　/ |＼――__
／　 ／　 ヽ　|　|　 ____________　 | |　　＼_ | ＼
　 ／　　 　　|.|　|∠--i-i--i-ヽ| ゝ　　　＼ く
　 |　　　　 　儿　(　￣￣ニ￣　 く　　　　／　/
ヽ　＼　　　　ヽ＼/　　　　　　　　)　　／　　ヽ
、フ　　＼　　　 ＼｀ヽ_______へ―′　 / |　　 |
　　　_____フ　　　　|　　 /　 ＼　 |　　　￣|　　 |
　　　ヽ　　　　　 　|　　|　　　 |　 |　　　　/　　 |

3179．

　　　　　　 　 　, 　 　　 /〃ﾊヾ　 / ∧∨〃､ヾ}　ｌ| :}ﾐ;l＼
　　　　　　　　/〃//　/ 〃l　lヽ∨,〈ヽﾞ､ﾒ〈　}} ;l　ﾘ ハ ｌ｀!ヽ.
　 　 　 　 　 //' /,' 　,' 〃 ｌ　l川/,ﾍ丶＼;;ヽ/:'/〃∧ l ﾄ､:l　!
　 　 　　 　 〃,'/ ;　 ,l ,''　,l|　ﾚ'/Ａ､.`､＼;;ヽ∨〃/,仆|│l }. |､
　　 　 　 　 i' ,''　l|　,ｌ ' ｌ.　!|　l∠ﾆ_‐＼ヽ;＼,//,ｲ| ｌ | l　ﾄ/ λ!　　 、
. 　 　　　　 ｌ ;　 :|| ,'i:/ ｌ|　|:|: |｀`'^‐｀ヾ∨｀ﾞ/／|斗,l ! | ,ﾀ /l.| ｌ
　　　　 　　l ' l　|｣,' l'　lﾊ　|'Ν　　　￣´ ／｀　,|l_=ﾐ|! ly' ,〈 :|| |　
　　　 　 　 |ｌ .l　H|i: l　|　ﾞ､| l　 　 　　　 _.::: ,!: l厂`刈/ /!} :ｌ|
　　　 　 　 |! :ｌ　|)!|　! |　　ヽ　　　　　 '´ ’/'_,.　　　ノｲ.〃/|! 　 　　　その名を、ヴィルフォールと申します。
　　　 　 　 l|ｌ |ｌ 「ﾞ|l　|`{　 　　　 　　 　 　　.. 　 _　　　|}/,ﾊ l　　
　　　　　　 |!ｌ |l､|　!l :|. 　 　 　‘ｰ-‐=＝ニ=:､__ｊ:）　　ｌ'|/|l ﾘ　
ヽ￣ﾆ‐､__.｣乢!L!lヱL｣__ 　　 　 　　 　 ー､　`'''´ 　 从「 /　　　
　＼　｀ヽ＼　　　　　 /l |　　　　　　　/￣´　　 　　// 　　　　　 　
.　　,、　 l　 ﾞ､　　　　/ ' |､　　　　　　{　 　 　 　　/l/　　　　　
　　 '}　　ｌ　　ﾞ,　 　 / 　 |:::＼　 　 　　}　　　 　,.ｲ/　　　　　　
　　　ｌ　　l　　 l　 ,.ｲ　　 l:::::::::＼__　 　`'-‐::"// |′　　
　　　l　　 !　　 Ｋ　ヽ,、　＼「`''''''''"´:::::::;;:" //
.　 　 l　　 ｌ　　 ﾄ､＼(　_....　ヽ　　.:.::::::::;;″ /' 　　　 　　＿
＼ 　 |　　ｌ|　　八､ヽi´　　 　| .:.:::::::::::::i'　.:/'"´￣￣￣ ,.へ＼




　　　　　　　　　ナ ゝ　　　ナ ゝ　/　 　 十＿"　 　 ー;=‐　　　　　　　　　|! |!
　　　　　　　　　　cト　　　　cト　/＾､_ﾉ　 | ､.__　つ　 （.__ 　 ￣￣￣￣ 　 ・ ・
.
　　　　　／　ミ:::,..::- ､::;;;ﾐミミ彡）　　　　　　　　　　　　 .／´.: .:: ~:. :.｀ﾞｰ=,
　　　 !'"　 ﾐ:::／　　　u｀ヽ--､'k.､　　,..-一､,.‐--､,,_　　 i '.: .:　,,..,.,..,..　ﾄﾞヾ　　　__,,,,...::-一=､
　　　 i.　ﾐ::／　ﾞﾞﾞ''ヽ、　 u　　 iミ;!,.'";: .: .: .: .:. ::　ド;'.　　i _,.ｧ='-ノﾉi!_､i　　　 ／.: .: :　　　:. :.ﾐ
　　/',､ヾ　! u　,'"´r｡`ヽ､_ :.　_,,iﾐi ''　　彡_ｲｨiﾚヾiﾞ｀　　iﾍi ﾞ--ﾟ,..` t_;7!　　　.i .:　,.=-､ｿiヾ､.,ヾ
　　ﾞi 'ﾍ i:┘　　ﾞｰ---.,,　 ﾞi''f..i ,.i.-.／r'"r｡ヾ､ｨ;､ﾞ!　　　ゝ. u .,.-､.,.ゞ. i　　　.r､:i‐i' ( ;) i-i;"ﾞi'
　　 .! ﾞヾ　　u　　　　"　　 .:ﾔ''〈ﾍｫi　u￣,._　ﾄ‐-!　　 ,,.ｨ''ヾ ド--､ 〉丿　　　ゞ_ uﾞｰ=､'.冫ィ
　 _,__7‐'i　　　　　,.:-‐-､.´／　.i,ﾞF'i　　 /__.ﾞﾗ' ,..j_,,ｨ'"　i.　.:ヾ.==-'/　　_,,..／i'　.､（ー-7 ノ
;'";;;ﾞi.　　i.　　　 /｀＝=‐-/　 .ノ: i.　＼ ﾞ､__./.／　　ﾞ､　 :i. ﾞ' .:::`ﾞT´ i`ｰ'-､;,.　 ﾞ､ ::ﾞｰr-'_´
;;;;;;;;;;ﾞi.　 ,;＼　　ﾞ､-- ､.:/　／;,: : :ﾞi :. ;,,｀ｰr'´､.__　　 ﾞ､　 .i.-､ ,.-i:　.i　　　ﾞi ;,　　ﾞ､;::::i　 ';,ー､
;;;;;;;;;;;;ﾞi.　, ; ;;＼　 ﾞ二ﾆ'.／: : : ;,: : :ﾞﾄ､　;;::i: : :;,: :.ヽ　　ﾞ､　.:i.　　 i　:i　　　 ﾞi　;,　　ﾞ､ﾉ　　;'　 :i

3180．

　　　　　　 ／　　 　 |: : : : : : : : : : : : : :_／　　　　　　_ -‐､'´:::::ヽ　　　　／
　 　 　 　 / 　 　 　 ､|_: : : : : : : : _ -‐'´　　　　　　_／{　　 ヽ::::::::} 　　／
　　　　　/　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　 _ -イ::::::::| i⌒　}:::::::| _／
　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -‐i´:::::::ヾ::::::i |｀ヽ　i::_／
　　／　　　　　　　　　　　　　　 ,. -‐・´　　ﾉ::::　　 ∨:::| !_ -‐'´
　　￣￣｀ヽ､＿＿＿__,. ┬､‐1´ i:::｀ー‐‐'´　　　　　i::／　　　　　　　　ふざけるな！
　　　　 ／￣　　　　　　　i:::`´ヽ. l　｀`ヽ､　　　　_／¨
　　　／　　　　　　　　　　ヽ::::丿　　ヽ　　_,. -‐'´　　　　　　　　　　　　　　　　被告は予審で自らべネデットと名乗り、
　 ／　　　　　　　　　　　　 ヽゝ､＿_ノ　　｀`ヽ､　　　　　　　　　　　 ／　　　　孤児でコルシカの生まれと言ったはずだ。
／　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　 ｀ヽ､　　　　　　　 ／　 i
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 >　＿ 　 　 ＿,.,＿_　ヽ､　　　　 ／　　/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼＼ ￣￣　　　　 ｀ヽ　}　　　/　　　/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ( 　 `ー──----‐'´ .|　　 /　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,>　　::::::::::::　　　　　　|　　/　　　/




　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　_,､ｒ'´:::‐､｀ヾ‐､｀丶、
　　　　　　　　　　　　 ／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　 〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　 ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　 ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊ ｿｒ‐ﾃﾊ!:l/　　　　　予審ではなく裁判でこのような申し立てをしたかったのです。
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　 　 　 　 !　 j川/　　　　
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/　　　　　　　わたしは１８１７年９月２７日から２８日の夜、
　　　　　　　　　 　 　 Yｌ:ﾄ､　 　 ヾ＝＝r　　ﾉ/　　　　　　　　　ヴィルフォール氏の子としてオートィユで生まれました。
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ ニ′／}'
　　　　　　　　　　　 　 　　 丶、　　／　　　　　　　　　　　　場所はフォンテーヌ町の２８番地。
　　　　　　　　　　 ノ￣´"''‐ 、 　 ｀¨´　　　　　　　　　　　　家の二階の赤いダマス布を張った部屋でした。
　　　　　　　 ＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　 ＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　 ヽヽ ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　 　 ∧=､､
　 |八 ＼　　 　 　＿_/　　　　　 ＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥

3181．

　　　　　,...::´:.ｲ:::::i:::＼:::::｀:..、
　　　 ／.::／.:::!i:::::i::::::::ヽ::::::::＼
　　 ,.':/::/::::i:::::!i::::::!:::ヽ:::::!:::!:i:::.:ヽ
..　/::/::::!:::!::i:::::!i::::::!::::::::::::!:::!::!::i::::!
　 i:::i::i:::|:::i::::.::::i:!:::::i::::::::::::i::::!::i:::i:::i
　 |:::i::i:::|::::ヽiヽﾘ､::::!::::::::i::|::::!::i:::i:::!　　　　　　　父は、母にわたしが死んで生まれたと言い聞かせ、
　 !ヽ::ﾄ､!ヽ:::ｊｨ赱ﾊ::!:j::i:::i::! ヽ::i:::i::ﾄ､　　　　　　HとNの頭文字がついたタオルにわたしをつつみ、
　 　 ヽﾞ7　　´ 　 ﾉﾉ |::i/:::!　j:::i:::iﾘ　　　　　　　　そして庭に埋めようとしました。
　　　　〈 _　　　　　　i/ ヽiイ:!::i:::i'
. 　 　 　ヽ_.. _ 　 　 　 / 　 ﾄｊ:::ｉN
.　　　　　 iｰ　　 　 ／　／｀｀｀ヽ
　　　　 　 ゝ--ｒｒｆ´　／　　 ,　 ´＼
　　　　　　　　 ﾄi´／　 ,　' ,...:':::::::::::ヽ
　　　　　　　　 i !j　, .', .'.::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　 　 //' / ./.:::::::::::::::::::::::::::::::!




　　　　 〃.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　 .〃.:.:.:.:.:.:.′ .:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　 _〃.:.:.:.:.:.:.′.:.:.:.:.:.:.:..:′ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
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　 /.:/.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..′ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..′.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ、
. /.:ｲ.:.:.:.／|.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:/７.:.: /.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:}.:.:../.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:.′ゝ⌒:.、
. |/}.:.:.:.:ﾍ　 |.:.:.:.:.:.:.:.′.:.:.:.:.:..′}:/7.:.:}.:.:.:.:.:.:.:../|.:.:.:.:.:./.:.:..′.:.:.:./.:{.:.:.′´: : _: : ＼＿＿＿＿＿
..j' .|.:.:.:.:.:.ﾏ|.:.:.:.:.:.:..|.:.:.:.:.:.:.:/=//､_}.:./.:.:./.:.:.:/ .}.:.:.:.:./.:.:.:/.:.:.:.:../.:.:|.:.:{.: : ／: : : : : : : : : : : : : : :
　　|.:.:.:.:.:.:}|.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:/-// ＞:/.:.:./ }.:./ , '.:.:／./}.:ｿ.:.:.:.:.:.′.:ﾊ:.:|／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＿
　　|ﾊ.:.:.:.:..|.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:仆 '、u/:/}.:.:/ ｲ./'/.:.:ィ.:.:.//./_}.:.:.:.:/.:.:/ } .1: : : : : : : : : ＿　―　二　―
　　ヽ}.:小 .:',:ﾄ､:.:.:.|.:.:.:代芝ソ外z |.:ｲ/.:/ /.:∠}.:./´}ﾑ '.:.:.:.:.′/ /／ : : ―　二　―　￣: : : : : : :
　　_ﾉ　 ハ　ヽ{ :.:.{.:.:.{　 ¨¨¨｀　U.|ﾊ.:./ /.:/ｫﾀ丞ｱ.:.:.′.:./.:.; ′´: ／／￣: : : : : : : : : : : : : : : :
　　　ﾊ　 ハ u.|.:.:.:ﾄ:.:{　　　　　　u　}/彡ｲ ｀＾¨´.:.:.:/.:.:.:./.:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : :
　　　　ﾊヽ_　ヽﾍ ﾊvﾊ　　　　U　　 ´　.{　U／}.:.:.:/.:.:.:./.:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : :
　　　　V　　T ‐‐ﾏ ﾄ ヾ　 rｪ､＿_　　‐_' イ: : /.:.:/.:.:.イ.:/ー――――――――――――
ﾊ　　 /　　　|　　　vﾊヽ　　ー‐ '_ -‐´: : : : :/.:.:/.／/／
. ﾊ　/　　 　.|　　　} vﾊ ｀ ｰ　´: : : : : : : :／ﾊ/／ ./´
　 ∨　　　　1　　/　 ヾ./ ./: : : : : : : :／　_ノ
　/　　　　　 |　 .′　//i /: : : : : : ／

3182．

　　　　　　　　　　　　「￣￣ : : : : : : : : : : : ／　　　　/
　　　　　　　　 　　／|: : : : : : : : : : : : :＿／　　　　／
　　　　　　　　　／　 |,. --──　'´￣　　　 __,. -‐′ ＼
　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　 _,,. ｧ'´ヽﾄ､　　　　＼
　　　　　　∠＿＿,.　ｨ‐t‐┬‐ｧ─‐ヽ´:|　{　．} !ﾉ　　 　 　 ＼　　　　　だが、被告はなぜそんな
　　　　　　　　／　　/ r-|: :}　{　　　・} :|　ﾄ- ′}　　　　　　　 ＼　　　　　詳しい事情を知っているのだね？
　　　　　　 ／　　　 {　!（.|: :|　 ゝ‐‐ ′:!　|　　 |　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 /　　　　　 ＼ヽ|: :|　 　 　 　 ｨ ´ ) 　 |　　　　　　　　　 ヽ
.　　　　 /　　　　　　　 ヽ_ﾍ:ヽ　 　 　 　 ￣　　 |　　　　　　　　　　ヽ
　　　　/　　　　　　　　 　 ﾊ: {　 　 　 　 __,.　ィ　〉　　　　　　　　　　ヽ
　　　 /　　 　 　 　 　 　 /　ヽ|i　　／￣‐　￣　ゝ　　　　　　　　　　 ﾍ
　 　 /　　　　　　　　　　|　　 ＼ 　ｰ'´　／　　 _ノ　　　　　　　　　　　ヽ─-､＿
/￣７　　　　　　　　　　 |　 　 　｀ヽ　　　 ／￣ ﾊ　　　　　　　　　　　　iﾆ=-
／'7　　　　　　　　　　　|　　　　 　 >‐ヤ′　　 | }　　　　　　　　　　　　|
　└‐‐----　,＿　　 　 ﾄ､　　　 ／::::::::ヽ　　　/ .|　　　　__,.　-─　'´￣
　　　　　　　　　 ＞　　 |　ヽ　 ハ:::::::::::::::>､　/　 |　　＜´
　　　　　　　　／　　 　 |　　∨　 ヽ::::::::/　 ∨ 　 |　　　｀ヽ､




　　　　　　|:::::|::|:::|::::::::ヽ丶ヽ::::::ヽヽ::::ヘ,,:::::ヽ:::::i::i:::::|::
　　　　 　 ∥:|ヽ::|ヽ|::::::丶丶ヽ::::::::ヽヘ,,,,:::::::::ヽ:::::i:::i:::　　　　　はい。
　　　　　　 |::丶丶|ヽ　 ヽ　ヽヽ　　/　　　 ＼:::::::::::::::/　　　　　ちょうどその庭に、父を恨んでいる
　　　　　 　|:'ﾞl＼ヽ ''' '''''´　 '　 ".`''　、'　　 '|:::::::::::|:::|　　　　　　男が潜んでいたのです。
　　　　 　 　＼::::ヽ,＼　　　 　 　 　　 　 　　　ﾚ|:|:::,| /
　　　　　　　 　ゝヽ　''　　　　　 　　　　　　　 　 ||::::|:ﾉ::
　 　 　 　 　 　 ヽヽ 　　　　 　　　　　 　 　 　| ﾘl:/:/::::　　　　男は父をおそって刺した後、
　　　　　　 　　 　'ヽ　 　　ヽ　-　　　　 　　　|, ﾉ/::::::/　　　　　父が埋めていた私を、宝物かなにかと
　　 　 　 　 　 　　 丶, 　　 , 　 　　 　 　　 　 /　|::::::/　　　　　考えて掘り返したのでした。
　　　 　 　 　 　 　 　|ヽ 　ヽ二二＝ 　 　 　/　| | |:/ ,,　　　　男は私を孤児院にいったん預け、
　　　　　　　　　　 　 | i＼　ヽ─　 　 　 ／　 l ヽﾘ:.:.く　　　　その後、男の姉が私を引き取りに来たのでした。
　　　　　　　　 　 ..／ヽ'　ヽ, 　 　　　／　　 /　 |,,,　 |　　　　　こうして、わたしはコルシカで育てられました。
　　　　 　 　 . .／ 　 　|ﾉ丶ヽ -- ／ 　 　　/　 　 | /
　　　　　　／ 　 　 　　ヽ　> 　 　　 　 　　/　　 　ﾚ

3183．

　　　　　, -r"　　　　 ｰ
　　　／/　　　　　　　　　＼
　　/　　 ､ lヽ　 　　＼　　　ヽ　　　　　わたしは、かわいがってくれたその人たちのおかげで幸福になるはずでした。
　　/　| | l＼ l＼　　　丶　　　i
　 /l　 l､| l　　ヽヽ､　　　　　　l　　　　ところが持って生まれたねじけた根性が、養母が与えようとした
　　|l　kj,l　l L､＼rtゝ l |　　 .|　　　　まともな考えを打ち負かしてしまったわけです。
　　lj､jl'弋lヽ.Y'´kぅl j| lW／　|
　　　　l　　,　　　　　|//ｨ '|　|　　　　　私はどんどん悪い方に伸び、罪を犯すようになりました。
　　　　ヽ　'-　　　　　/　l､Ml7　　　　
　　　　　＼￣゛　 ／＿＿ ／ヾ　　　　　　　　ある日、わたしがそのことで神様をお呪い申し上げていると、養父が言いました。
　　　　　　　 ｰ '　　　　　　　／　 ｰ 　､
　 　　 　　 ／=＝￣￣￣￣　　　　　　　ヽ
　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
.　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ
　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿




...:..:::.:. ..:.::.:. :. . .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.. :.:.: :.:.:.:. . :＼:.＼
:..:::::.::.:.:.::.:.:　.:: ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : ..:.:. :.:.:. .:.:. :.ヽ:::.ヽ
::::::::.:..::::..:..:.:..::.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:. .:.:.:.:. . : :.:.:. ::.:ヽ､:ヽ
::::::::::::::::::::.:..::::.:.:.:.:.::::.:.:./:.ヽ.:.::..:.:.:::..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽヾ:ヽ
::::::::::::::::::::..:ﾊ::.:.:.:./::..:/ |::.:.l:..l:::..:ﾄ::..:.:.:.:.:.:.:::..:..|:..:.:.l　ヽ:!
::::::::::::::::::::.::l_|::.:./!/:.:.!　|::.:ﾊ:|ヽ:.ﾚ|::.:.:.:.::..:.:::.:.:|::..:.:.! 　 |
:::/|:::::::::::::ﾄトl::/､lﾊ:: !　 |: |_ﾘィ|:|‐j: :j: .::: :::: : ﾊ:: : |　　　『馬鹿、神様を呪ったりするな。
::ヽ|:.:::::::::::lY1辷YT::lｰ　|::ﾄィ辷Tｼ!.:l..:::|::.:::../　 l:..:!　　　　罪はお前ではなくお前の父親から出ているんだ。
ヽ:::::::::::::::ﾄ! ｀ ￣　!:| ｨ　!ﾘ ￣￣/::/:::ｲ:: |: |、　 !:l　　　　　　　　　　
￣＼::::::::ヽヽ　　　ヽ |　|′　　/´/:::/j::/|/:.:ヽ　|′
:..ヽ:::::＼:::::ヽ‐ ､　 　_'__　　 　 ／/ｲ!::/:.:.:.:.:.:.:i　　　　　　それは、もし生きていればお前を地獄に
:::::....:::::::::｀丶ヽヽ＼´ -　｀, イ::: /´/ !:::::. :.:.:.:.:.|　　　　　　突き落とそうとし、
::::::::::::::::::::::::＼｀jゝi ト-　´ノ ヽ:　/ /:::::::::／!:.:.|　　　　　　助かっていればお前をみじめな暮らしに
::::::::::::::::|￣lヽ::＼{.| ト く´　　 | / /:: i ´i::　ﾉ:.:/　　　　　突き落とそうとしたお前の父親から出ているんだ』
:. :::::::::::::|　 ハ:::::::ヽj＿　　　 ﾉイ:::::: |:: l／:::./　　　　　　　　　　
ゝ....::::::::j　 l　ヽ:::::::l:::::::..｀i ／:.:: :::::::: |: l:::::::/
--‐　´　!　! :::::ヽ:::.|::::::::: | !:.:.:.:::.. :::: |ｲ:::::/

3184．

　　　　　,...::´:.ｲ:::::i:::＼:::::｀:..、
　　　 ／.::／.:::!i:::::i::::::::ヽ::::::::＼
　　 ,.':/::/::::i:::::!i::::::!:::ヽ:::::!:::!:i:::.:ヽ
..　/::/::::!:::!::i:::::!i::::::!::::::::::::!:::!::!::i::::!
　 i:::i::i:::|:::i::::.::::i:!:::::i::::::::::::i::::!::i:::i:::i
　 |:::i::i:::|::::ヽiヽﾘ､::::!::::::::i::|::::!::i:::i:::!
　 !ヽ::ﾄ､!ヽ:::ｊｨ赱ﾊ::!:j::i:::i::! ヽ::i:::i::ﾄ､　　　　　それ以来、わたしは神さまではなく
　 　 ヽﾞ7　　´ 　 ﾉﾉ |::i/:::!　j:::i:::iﾘ　　　　　　　　　父を呪うようになりました。
　　　　〈 _　　　　　　i/ ヽiイ:!::i:::i'
. 　 　 　ヽ_.. _ 　 　 　 / 　 ﾄｊ:::ｉN
.　　　　　 iｰ　　 　 ／　／｀｀｀ヽ
　　　　 　 ゝ--ｒｒｆ´　／　　 ,　 ´＼
　　　　　　　　 ﾄi´／　 ,　' ,...:':::::::::::ヽ
　　　　　　　　 i !j　, .', .'.::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　 　 //' / ./.:::::::::::::::::::::::::::::::!




　　　　　 /ｰ- ＿＿....!
　　　 ／│　　　　　　 >‐- ､
　　<　　 ヽー----- '"　 ／
　　 `ー- ....＿＿＿_....ィi
　　　　{^:| く.(　・」 l・ ﾉ|/
　　　　l.h| r'　"^.　l.^" 〉i　　　　　　　　　　　母親は？
__,.─／ヽ| |　　 `ー'　 |l＼─,
　 ／　　 | |∠ﾆ三i三i>lゞ ＼ ~^ヽ
　＼　　　~V 　 　　　　 〉　　 > 〈
　　＿＞　　ヽ.........へ- '　 ／　　|

3185．

　　　　　,':/〃:ｉ:ｉ::/〃!,:イ/:://,'!::l::l:l:l:l::lｉ:!:l
　　　 　 ｉ:.!:'ｉ:ｉ/l::!'/ｲ l!:〃:,ｲ l/ lｉ::!'::l:l:!:ｉl::ｉl
　　　 　 |:ｉ:ｉ:l:l:.ﾊｿｲ !//,:ｲヾ//小ﾊ::ｌﾘ:/:l:ll
　　　 　 |:l:.l:l:!,:代ト/／　 ィﾏﾗ７:/l〃,‐:!l:!
　　　 　 |!l:ｉ:! ｉ　￣'　　　 ￣ ´/ｲｿ!'/ 〉}:l'　　　　　　　母はわたしが死んだと思っておりますので、
　　　 　 lﾊ:ﾊ　　　ｉ　　 　 　 　 〃_才:ﾘ　　　　　　　　母には何の罪もありません。
　　　 　 ! ヾﾊ　　_｀ ´　　　 　 / .T:ｉ:ﾘ'
.　　　 　 　 ｀　 ､　 ､__￣　　 ｲ　 .Ⅵｰ,-､　　　　　　　　そしてわたしは母の名を知ろうともしませんでした。
.　　　　　　 　 　 ヽ　　　 ／ 　 　 .　'　　 ＼　　　　　　わたしは母の名を知りません。
　　 　 　 　 　 　 ｉ: .ー　´ 　 ,.ィ ´　　 　 　 冫､_
　　　　　　　, -‐くl: : .　　　.:lｉ⌒ヽ　　　 　 /　　 ｀ｰ ､_
　　　　　 ／　 　 ヽ: : .　. :　ll.:.:.　ｉゝ.._　　/　, 　 ´ _＿_ﾐ:､
　　 　 ／　　　　 /ｉヽ: : : : 〃　／　　 ヽ/　/／／　　　　ヽ
　　 ／.- ⌒ヽ　 ,': :! }: : ／' ／.　 /　/　　/´／　　__　　　 l
　 /.:.:.:.:...　...:.:}　l : : : : ,'　　!　　 /　 l　　/' ´　 ／　　　　　l!




:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:./ {:.:.:.:.!ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:|:.:.:.:.:.|: .:.|
:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.ｲ,.-t─.:!‐匕:.:.:.:.:.:.:.: .| :|:.:.:.:.:.|: .:.|
:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:../:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|!.:.:.: |　　｀、:.! l　＼:.:.:i.:.:.:.ｌ:.:i!:.:.:.:.:| : .|
:.:.:.:.:.!: .: |:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: i !:.:.:.:|　 　 _YLL__　∨!:.:.:/:.:!|:.:.:.:.:!:.:.:|
:.:.:.:.:.!:.:.: |: .|,､:.:.:.:.:.:.l:.:.:.|.ﾍ : .|　 ,ｒｧ=＝=ミﾞ 、 !:.:/:.:/ !:.: ./!:.:/
:.:.:.:./:.:.:.:.!:.:ｌ　i:.:.:.:.:.:l:.:.:.|　ﾍ:.{ ⊂⊃　　 ''" ll./／､/　l:.:./ .!/
:.:.:/:.:.:.:.:./i:.:! ﾍ:.:.:.:.:.l!:.: l　　ヾ　　　　　　 イ ´　　＼,|:/
:./:.:.:.:.:.:.:i、ﾍ 　ヽ:.:.:.:!ヽヽ　　 　　　　　　!! 　　　　〃´
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘﾄ　　＼:ヽ ヽヽ、　　　　　 〃　＿__　/　　　　　　　　　　……！！
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;!｀ﾞーヵﾐヾ　　`ｰ-　　　 〃 ／　 ./ /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:! ｀　 　 　 　 　 　!! /　　 / /
:.:.:.:.:.:.:.:.: .:/: .:.:.:.:.:.,i　　　　　　　　　ハ｛＿__ﾉ/
＿＿_:.:／:.:.:.:.:.:.:./　　　 　 　 　 　 i! li　　　/
.　　　　｀ ｰ　､_,/　　　　　　 　 , -イ-=--‐'
　　　　　　　　 ｀ ｰ　　　　　　/

3186．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞女の人が倒れたぞ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞とりあえず外へ運ぶクマ！！

　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/　|:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
　　＜ : ｣_: : / 〈　（・）　|/:::::::ﾚ（・）　}|:./ヽ : |
　　＜:: |. 小{　　 _,,.. -　:::::::::::､-.,_　 ﾚ{: :.|ヽ:|　　　　　　　　……。
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　::::::::::::::::::::､::::::::::::::: {ﾊ/　V
　　　　　 ＼_!　u 　　　　＿　'　　　　 !
　　　　　　　 ヽ　　　 ／　　 ｀t　u ／
　　　　　　___,ｒ| ＼　 {　　　　/　／
　　　　／:/::::| ＼　 ヽ ｀_⌒ ィ ´
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　　　　　　　　　　　　　　　!l:l::l::へ ヾ ｀´ﾆfｿゝ ∨::::::::l:::!::::::::l
　　　　　　　　　　　　 　 　 |:::ﾚﾍ f_)）　　　　　　 ﾚﾍｿﾍ::!::::::!
　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍﾊ　く　　　　　　　　|/ )ソ!:::::::!　　　　（ヴェールの女はやっぱり彼女か。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　｀　　　　　　　　､／/:::/ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　……まさか？）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ 　- - ､　　　 ′|/:::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　_　´　　ﾉ:::/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `ｰ､ ´　　　　　∨_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/∨) /∧　 　　/::::::i:::ヽ._
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　　　　　　　　　　　　　,´:::::::::::::く::::::::/ヽ(⌒ｿ´´ヽ／::::::::::::::!:::::::::::::::::::ゝヽ.

3187．

　　　　　　 ／　　 　 |: : : : : : : : : : : : : :_／　　　　　　_ -‐､'´:::::ヽ　　　　／
　 　 　 　 / 　 　 　 ､|_: : : : : : : : _ -‐'´　　　　　　_／{　　 ヽ::::::::} 　　／
　　　　　/　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　 _ -イ::::::::| i⌒　}:::::::| _／
　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -‐i´:::::::ヾ::::::i |｀ヽ　i::_／
　　／　　　　　　　　　　　　　　 ,. -‐・´　　ﾉ::::　　 ∨:::| !_ -‐'´
　　￣￣｀ヽ､＿＿＿__,. ┬､‐1´ i:::｀ー‐‐'´　　　　　i::／
　　　　 ／￣　　　　　　　i:::`´ヽ. l　｀`ヽ､　　　　_／¨　　　　　　　　　　　　　……しょ、証拠は！？
　　　／　　　　　　　　　　ヽ::::丿　　ヽ　　_,. -‐'´　　　　　　　　　　　　　　　証拠はあるのかね？
　 ／　　　　　　　　　　　　 ヽゝ､＿_ノ　　｀`ヽ､　　　　　　　　　　　 ／
／　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　 ｀ヽ､　　　　　　　 ／　 i
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 >　＿ 　 　 ＿,.,＿_　ヽ､　　　　 ／　　/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼＼ ￣￣　　　　 ｀ヽ　}　　　/　　　/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ( 　 `ー──----‐'´ .|　　 /　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,>　　::::::::::::　　　　　　|　　/　　　/




　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　_,､ｒ'´:::‐､｀ヾ‐､｀丶、
　　　　　　　　　　　　 ／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　 〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　 ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　 ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊ ｿｒ‐ﾃﾊ!:l/
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　 　 　 　 !　 j川/　　　　　　　　証拠？
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/　　　　　　　　ヴィルフォールさんに聞いてください。
　　　　　　　　　 　 　 Yｌ:ﾄ､　 　 ヾ＝＝r　　ﾉ/　　　　　　　　　　ねえ？お父さん。
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ ニ′／}'
　　　　　　　　　　　 　 　　 丶、　　／
　　　　　　　　　　 ノ￣´"''‐ 、 　 ｀¨´
　　　　　　　 ＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　 ＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　 ヽヽ ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　 　 ∧=､､

3188．

.　 　 　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/l ./;.:.:.:.:.: /::./l.:.:l.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.|.:.:.:.::.|.:.:.:.:.:|
　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.::／/.:./l.:.:.:.:.:／ﾒ ,// //.:.:.:.:./l.:/　i:.,!l.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:::|.:.:.:.:.::i
.　　 　 　ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:/.:.:.:.:／ /.:/./.:.:..:／ﾒ/,/ ///.:.:.:././/　　|.,! l.:.:.:.:i.:.:.:.:.:|.:.:.:.::|.:.:.:.:..:.:|
　　　　　l.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|..:.:./..:.:. /　/.ノ /.:.:.:/　/ /./..//./:.:.:./ //　 　 ヽl.ヽ:.:.:|.:.:.:.:.!.:.:.:.:,!.:.:.:.:.|..:l
.　　　　ﾉｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:/.:.:.:./-､/;､,,,/.:／,,,,ﾒ_//..:. //. /..:.:/.:.://__,,,､--''ヽﾞヽ:.:l.:.:.:ﾘ.:.:..:.!.:.::|.:.:!､.:|
. 　　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|.:/.:.:./　 /　　 l:/.:ﾞﾞ`''''''"/ヽ,l./.:/.:/.:ｯﾃ/""ｨ￣_,,,,.:.:｀.:ヽ:|:.:ﾉ.:.:.:.ﾉ.:.:.: ﾉ.:|.:､.:i
.　　　 　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/.|.:/ｯ=/ｰ‐‐-ﾉ､　　　//　.∥./:/.　 ∥　　／´　 ｀ﾞﾐｧ　|/l.:.:../.:.:.:/l.:.j　 `j
　　　　　　j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|. .!/《:.　　　,:-c;. ＼`､l/　.∥ //　　ﾉ　 ／. r ‐c,　　ﾘ ,l/lﾞ.:.:;/.:.:.::./|.:,!　　 ＼
　　　　　　 i.ﾄ.:.:.:,,-､...:.:.:ﾄ､ﾍ　`.　　弋 ･ﾉ　　`l/ 　 .|. l /　 .／　ｲ.　弋 ･ﾉ　　 　ﾘ l.:.:/.:.:.:.:/ |.:,!
　　　　　　 .ﾘ-ｯ|ヽ;;ヽ.:.:..`ヽﾍ　 ､_ 　 　　_／ .　　 .|　|/ .l　　　　　　､__＿ ノ　　 //l.:.:.:.:./　|,!
　　　　　.　/j　入;ヽ;;.ヽ.:.:.`,＼`､　｀ﾞﾞ￣　　　　　 　 ﾉ.　 |!　　　　　　　　　　　 .//./l.:.:.:./ . .|!
　　　　　 /　 ./.|;;;;;;;`､;;`､.:.＼ヾﾞ､.　　　　　　　　　　　　.l!　　　　　　　　 　　 //./.ﾉ.:.:/　　/
　　　　／　 ./　|;;;;;;;;;.ヽ;;'ヽ.:.:＼ ﾞ＼ 　 　 　　　　　　　　|!,　　　　　　 　 　 ノ..:/ /.:./
　　 ／　.　/　　|;;;;;_,,ｨ"´ﾞ｀.ｦ.:.:.:＼　 ヽ . 　 　 　 　　　　 |ﾘ　　　　　　　 .／/.:./ .//
　　'､　　 く,,--`""´　　,,,／`､.:.:.:ゞ＼　　　　　　　　　　　l!　　　　　　　　 ｲ.:.:,!　.!/
　　 |　　l´　　　　,,,-;;"´`､;;;;;.ヽ.:.:.:＼`ｰ　　　　　　 _＿＿＿_.　　 　 　 ／/.:./l'!
. 　 .l　　|　　 r'´ヽ;;;;;;;;;;;;;;;>-"ヽl.:.:.:.|. 　 　 　 　.--"―――‐‐`‐ 　 ／.:.:.:l.:.:| ﾘ
. 　 .|.　.|　　 | 　.ﾉ､;;;;;;;./::::`､::::ﾍ..._,}　　 ＼　　　 　　ー―　　　　／　|.:.:.:i / l,!
. 　 .|　ﾉ　　/　,l´ .ヾ､,/:::::::::`､::::ﾍ|　ヽ_ . 　 ヽ､.　　　 　　 　　.／　　 {-､ |l
　　.ﾉ /　　 }　　| 　／｀"`――――ｯｧ｀`-､_. . ` ､　　 　　 ／　　 ,-ｨ'' .| 入
　　レ　　　 i､___l／　　,,__＿＿＿＿ ノー―ヽ､` -　ヽ､ .／---勹 __,,--| |从
　. |　　　　／　　　　／,-ー―亠ﾞﾞﾞ￣''ｱ￣￣￣| |￣￣￣￣ ;| |;;;;;;;;;;;;;{} ,!
　/　　　　　　　　／　/　　------- '";;;;;;;;;;;.;;;;;;;| |...;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;{} 入

3189．

.:./　　 /:.:.:.:./　　 }:..:.:.:.:./　　　　l:.:.{ヽヽ.:.',:.:.:.:.ヽ:.:.:| :.:.:|:.:.:.:.|:.:.:.:.|
./　　./.:.:.::./　　　l:.:.:.:.:/　　 　 　 !:.l　ヽヽ:.ヽ:.:.:.:',:.:l :.:.:l: .:.:.:l:.:.:.:.
´　　/:.:.／ 　 　 /.:.:.:./ 　 　 　 　 l:|　 ヽヽ:.:.ヽ:.:.∨ :.:.!: :.:.:.l:.:.: :.
　　/:.:./　　　　/.:.:.:./ 　 　 　 　 　l:!_,-‐ヽヽ:.:.＼:|: :.::.l: .:.:.:!:.:. :.:.
　 /:.:/　　　　/.:.:.:./　 　　　_ｪｨ=∠|!ﾆニ二＼＼:l: .:.:.! :.:.:.l:.:. :.:.
／／　 !　/ /.:.:.:./　　_, -‐=≠ニ￣:.ヽ　　　¨７ .l　.:.:! :.:.:.!:.: .:.:.
／ 　 　l|/ /:.:.／=＝∠才､__／孑:.:.:.:.｝　　　/　l　:.:/ :.:./:. :.:./:.　　　　　証拠……？
　 〉　　i| /:.:./＜_／¨　l:.:.:.:.:.:.ゝ‐':.:厶ﾉ　　ノ ノ/ .:./ :.:./:　.:./: :　　　　　そんなものは不必要だ。
／　 ＼_/:./　 ／ - ､__ ＼_:.:.:.:.:.0:.:／　／　　/ :./ .:.:/:. :.:./: :
￢ 　　/:./　　　¨￣｀冖 ￣￣￣￣￣ 　 　　/ :./ .:./:.: .:./: : :
　　|　/:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ :./. :./:.:.:.:./: : : :
_　┴､/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ :./. :./:.:.:.:./: : : : :
: : : |: : :｀　‐- ､　　　　　　　　　　　　　　/:.:./ :.:/:.:.:.:./: : : : : :
: : : |: : : : : : : : : :￣｀ ─--､　＿＿＿　/:.:./ :.:/:.:.:／: : : : : : :
: : : | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /／/ :./:.／: : : : : : : :




　　　　　　　　　　　　　　├------─ '´: : : : :ヽ_
　　　　　　　　　　　　 ,. ‐<: : : : : : : : : : : : : ___／ ｀` ‐-､
　　　　　　　　　　 _／　　 ｀ー─--─ '´￣　 ＿__,.＜二
　　　　　　　 ＜二,,＿＿＿＿＿＿,,..　--‐､'「::>､　　　　｀ヽ､
　　　　　　 ／　　　　　 ｨ^〉} {　　・)i　i､･　 ﾉ }::}^|　　　　　　＼
　　　　　／　　　　　 　 {（〃 ￣￣ |　{ ￣ 　 |::|）|　　　　　　　 ＼　　　　　　……え？
　　　 ／　　　　　　　　 ヽヾ　 　　〈＿,　　　 .|::|ノ　　　　　　　　　＼
　　／　　　　　　　　　　　｀}　, へ､＿＿__ 　 |:}　　　　　　　　　　 ／　　　　　それはどういう……
　　｀ヽ､　　　　　　　　　　〃 / ／´ 　　:::::ヽ |:}　　　　　　　　　／
　　 __,..＞､ 　 　 　 　 　 /|> ヽ、＿　　　 :::ﾉ}ﾉﾊ　　 　 　 　 ／
´￣　　 _,. -｀ヽ､　　 　 /: |〉　　　　 ￣￣ ／ .|: i　　　　　／￣￣￣｀`ヽ､
,. -‐‐ '´ 　 _,. -‐゛　　 i: : ﾊ､___,. >-､　　/　　 |: :|　　　∠二二`─--､　 　 >､
　　_,. -‐ '´　　　　　　|; :ｲ i　 ／!::::::`ｰﾊ　 　 |: :|　　　　　　　 ￣| 　 ＼　/
　　i　　　　　　　　　　| : |　! ./　 ヽ:::::/　ヽ　.ﾊ : |　　 　 　 　 　 /　　　 Y
　　ﾍ　　　 　 　 　 　 | : :|　∨ 　 /^ヽ　　 ∨ | : |　　　　　　　 /　　　　 |
　　　ヽ　　　　　　　　|: : :|　　　 /::::::::i　　　　|: : |　　 　 　 　 /　　　　　|

3190．

　 　 　 　 　 |.:|.:|.:.:.:.|.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.: /.:.:／.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　 |:.|.:l.:.:.:.:!:.:!.:.:.:.:.::/.:.:.:,/.:./.:.:/.:.:.:.:.:.:.:∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,'
.　　　 　 　 ノ, l:.l.:.:.:.:|:.:l.:.:.:.:./.:.:/ /.:/.:.:/.: .:.:/ //　|:|.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:./　 　 　 / /
　　 　 　 　 　 |.:l.:.:.:.:|:.:|.:.:.:/.:∠./.:/.:.:/.: .:.:ﾑ:/,' 　 !:ﾄ.:.:.:.:.:.:./}.:.:/ 　 　 ／／|
　　 　 　 　 　 |.l:.:.:.:.:|.:.|.:.:.ﾄ ム/ 7.:.:/.:.:.:./ /ｲ ￣｀|:| }.:.:.:.:://.:/　　 ／／: :/
._　 　 　 　 　 ﾉ ヽ:.:.:|:.:.:V戈に外 :/.:.:.:./ /' ィ必匁_７.:.:.:/‐' ＞‐ '' ／ : : /
.,＞ 、　　 　 　 　 ヽ V　　　　　 }/.:.:／ 　 　 ￣￣ /-‐ ￣＿＿／: : : ∠ ＿　　　　　　　わたしは今、復讐の神の
.: : : :ヽヽ　 　 　 　 　 }.:.:.|ヽ　　　ﾉ´ ′　　　　　　/.:.:＞‐ 、 ＼: : : : : : : : : : :　　　　　　　掌中に居ます。
: : : : : : .ヽヽ　　　　　ﾉｲ ﾊヾ ､ 　 　 {!　　 　 　 ／イ /'　 } ヽ　|: : : : : : : : : : :
: : : : : : : : ヽヽ　　　　　　　ト､ ヽ　 ー __ 一　 ／}/ '　　/　 }　,': : : : : : : : : : :　　　　　　　彼の言ったことは本当なのです。
: : : : : : : : : : ＼＼ 　 　 　 {　 ＼ ＞､　　　イ ヽ ／　／　 / /: : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : :＼＼　　　 ＼ ./　{　 ｀´　 /　　 ,　/　 ／／: : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : ＼＼　　　/ 　 |　　　　　　　 ∨ ／／: : : : : : : : : :／: : : :
: : : : : : : : : : : : |＼: : : ＼＼　{　　　　 (　)　　　　 ﾚ ／: : : : : : : : : :／/: : : : :




　　　　／　　ヽ＿＿＿＿＿＿／　　／
　　　く　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　ー―、＿＿＿＿__＿____イl
　　　　　　/ヽ|　く て　．|　|．ノ-|(
　　　　　　|ヽ |　/ ´ヽ-^　L^　 く |　　　　　　　　　　お、お気を確かに！
　 ,――／|( )|　|　　　 、__ )　　/ |＼――__　　　　　　突飛なウソで混乱なさっているのではないのですか？
／　 ／　 ヽ　|　|　 ____________　 | |　　＼_ | ＼
　 ／　　 　　|.|　|∠--i-i--i-ヽ| ゝ　　　＼ く
　 |　　　　 　儿　(　￣￣ニ￣　 く　　　　／　/
ヽ　＼　　　　ヽ＼/　　　　　　　　)　　／　　ヽ
、フ　　＼　　　 ＼｀ヽ_______へ―′　 / |　　 |
　　　_____フ　　　　|　　 /　 ＼　 |　　　￣|　　 |
　　　ヽ　　　　　 　|　　|　　　 |　 |　　　　/　　 |

3191．

　　}:.:.:. l.:.:|: :.:.:. :./.: .:./:.:.: .l|:.|:. :.:. :.:.:l :. |:.:.| .:.: .:. :.:|
　　|. i:. |:.:.l: :.:. :./.　:./.:.　./ l:.l:.:. : .:. :| :.:l :.:l: .:. .:.ﾄ:.:l
　　l. |:. |:.:.|.　.:./l　:./ :/ /　 ',ヽ:.:　.:. l :.,'.:.,':.:.　:.:.l |:l
　　|. l: .l:.:.|:. :.,' .| :./ /:./　　　ヽヽ.:.:.,':.:/:./7､.:.:l:.| l:|
　　l.:.|:.:.|:.:.|:.:.ト､|:.,':././∠=-‐'弋´∨.:/:.,':./} }:.:|.| ヽ､
　　,:.:ﾄ.:.l.:.:.l:.:|㍉l:.:/:/〃彡z辷テﾐﾌ./:./:./）/.l:.|l|　　　　　　　　　気は確かです。
　 /´|:l:.:|:.:.l:.:.,ゞ'}:/:ｲ　　　 ｀￣￣７/:/./_ノl:.:.l|:l　　　　　　　　　　そして、この青年に対するわたしの罪は
　　　',{ヽヽ:ヽ∧' / |　　　　　　　///:/ l:.:.l:|ｿ |i　　　　　　　　　　本物なのです。
　　　 ヽ＼＼ヽﾘ＼ヽ､　_　　　　 /´/　r‐ﾌ)
　　　　　　　 ヾ　__.＞-‐､ﾆ‐　　∠／／／{　　　　　　　　　　　　　　　　　私は家に帰り、後任の検事総長の
　　　　　　　　／　　＜ヽ ＼イ-‐r／.／ ／ ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　沙汰を待ちます。それでは……
　　　　　　　/　　　＼ ＼´／ﾌ　,'. ／ .／／／>､
　　　 　　　/　　　＼ ＼ﾉ- '　 　|彡／／／／: : ｀‐---　､＿
,　-‐ー: : :/　　　＼　ヽﾉ彡　　　|／／／／: : : : : : : : : : : : : :￣
: : : : : : : /　　　　　＼ﾉ（:::）　l|　 l／／／: : : : : : : : : : : : : : : : : :



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｶﾂｺﾂ｡ﾊﾟﾀﾝ!
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀ ､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉ ｌ
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　 ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |
::!:|:|::::!:!: !/ィ示ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ::ﾉ_ '　/'　|!　.ィ､ ｌ:!::|:!:: '
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く:::ｿ ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′
小:!. ヽ　　　　　 ￣ ｀　　　'Ⅵ'　　　　　　　　　　　　……。
::::ﾘ. 　 ＼　　　 ｀　　　／
Ⅵ.　　 　 ヽ､　　　　 ´
｀　 ー　 _　　 T　´
､　　　　　｀ ー ､
　｀　 ､　　　　　ｉ
. ､　 　 ＼.　 　 ｌ
.､ 丶　 　 ＼.　 !
　＼ ＼　 　 ヽ ｌ＼

3192．



　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　 　 　 　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　 　 　ﾚ!: !: :l i"⌒"'-､　　　,､-'''⌒`l: :::::ﾍ!
　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | でラ`　 　 , 　f∃ｿ /::∧|
　　　　　 　 　 　 　 !ﾍ∨ゝ　 　 　 　i　 　 　 ∧ｿ
　　　　　　　　　　　 ﾚヽi l.　　　 　 　ｊ　　　 ∧ﾉ　　　　　……どうだい。
　　　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍ　　　　　 　 　　/ﾉ　　　　　　　　人生、まさにあり得べからざることがあり得るな！
　　　　　　　　　　　　　　∨＼ 　´ ￣ 　／ ′
　　　　　　　　　　　　　／i｛　 ＼.　　 ／i
　　　　　　　　　　　 　/:::::l ﾍ　　 ｀　´　∧＼
　　　　　　　　　 _,,-''/::::::::l　　` ｰ､　,／　.i:::::＼､,_
　　　 　 　_,..-.:":::::::/:::::::::::i　　 /;;ﾍ__!入　 l:::::::::＼`::..､,,_
　　_,..-.:":::::::::::::::::::::＼:::／:|ﾍ /`ﾍ::::::::ｿ´ﾍ i::＼::／::::::::::::`i:ｰ.,
　,´ｰ-､::::::::::::::::::::::::::／:::::::::i　　　 ∨:/　 　 l::::::::＼::::::::::::::i:::::::',
　l::::::::::::`::､::::::::::::::ﾍ::::::::::::::::l　　 　 l::::i,　　　ｌ::::::::::::::ゝ::::::::l:::::::::',
　ｌ:::::::::::::::::::`:､:::;:::::::∨::::::::::::i　　　 l;::::;l　　　i::::::::::::::/:::::::::!::::::::::i
　i:::::::::::::::::::::::::`ﾍ::::::::∨:::::::::::l　　　l;:::::;i　　　 l::::::::::::i:::::::::::l:i:::::::::l




　　　　　 　 　 　 　　 　 　 l: : : : : : : : : : : : : : : : : :.l.:.:l: : : :.|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l : : : : : : : : : : : : : : : : : l.:.:l: : : :.|
　　　　　　　　　　　　　　　| : : : : : : : : : : : : : : : : :/.:/: : : :.!
　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : : : : : __:＿:/.:/: : : : ,′
　　　　　　　　　　　　　､_ノヽ､: :,.　 ´ ￣￣ ￣ /:::ﾄ､: : : ,′
　　　　　　　　　　　　ﾄ､_／　　｀ヽ､. : : : : : : : 〈.:.:.:.:〉ヽ:/　　　　　　　ああ。
　　　　　　　　　　　　ヽ､_／　l/　＞｀ヽ､: : : : :V0V: : : Vﾉ
　　　　　　　　　　　　　　( 人 ヽ_弋りﾃﾐヽ｀ヽ: :_ﾆ´_;. イ　　　　　　　僕なら、モルセール氏のような最期を選ぶな。
　　　　　　　　　　　　　　 l ヽ_　　 　￣｀　　ﾉノﾂｿｿﾉノﾊ　　　　　　　　ピストルでズドン！のほうが
　　　　 　 　 　 　 　　 　_」　/ﾊ　　　　　　　 〉　 ﾉ　　　　　　　　　　今回のような幕切れよりましだ。
　　　　　　　　　　　　　/: :l/ﾊ| ',　　 　　 　 ´　.ｲ
　　　　　　　　　　　　　l: : : : ヽ､＼　　- _‐ ／. :|
　　　　　　　　　　　　 ﾉ. : : : : : : || ｀ヽ __, ｲ: : : :|
　　　　　　　　　　,. イ　､__: : : : ::||　　/⌒ヽ＼: :|
　　　　　　　 ,. イ: : : : : : : : :｀ヽ､||　 /　　 ﾄ､_|: : ｀ヽ､
　　　　 ,.. イ　　 ＼: : : : : : : : : :.」|､/ ヽ__.ﾉ　 |: :: : : :l:.:.:ヽ､
　　　／ ￣￣ ｀`ヽ ＼: : : : : ／.:.:＼　 「｀ヽ　|＼: : ::|::::::|: : :ヽ､
　 ／　. : : :.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ＼:.／.:.:.:.:.:.:.:.:＼l 　 V.:.:.:.:＼ |::::::|: : : : : .

3193．

　　　　/: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/ -=o=-| :/　|:./　　Ｖ: |.: : : | V
　　＜ : _: : : / 　　　　　 |/　　ﾚ-=o=-|:./ヽ: : |　　　　　僕は一時期彼の娘と結婚しかけてたんだぜ。
　　＜:: |. 小{　　　　 　　　　　　　　　 ﾚ{: :.|ヽ:|　　　　　　娘は死んで幸せだったよ！
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　　 ､　　　　 {ﾊ/　V
　　　　　 ＼_!　　　　　　＿　'　　　　 !
　　　　　　　 ヽ　　　 ／　　｀t　　 ／　　　　　　　　　　　……なあ、君。今回の事件はどうなると思う？
　　　　　　___,ｒ| ＼　 {　　　 /　／　　　　　　　　　　　　（便宜を図ってくれた警官に対して）
　　　　／:/::::| ＼　ヽ ｀_⌒ ィ ´
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､




　　　 ∩＿＿＿∩　　　/)
　　　 | ノ　　　　　 ヽ　 ( i )))
　　　/　　●　　　● | /　/
　　 |　　　　( _●_)　 |ﾉ　/　　　　情状酌量※となると思いますクマ。
　　彡､　　　|∪|　　　　/　　
　 ／　　　　ヽノ　　　/´


※裁判官が情状（犯人の境遇や犯罪後の態度など諸事情）を考慮して、刑罰を軽くすること

3194．

………

……

…


＿＿/　　　　　　/:/i:.:.:.:|:.::.|:.:..:.:/:.:.:.／:.:.:/:./:.:.:/:.:/:./　|:| |:.:.:.:.|:.:|:.:.:|　//l　　|　　　　//: :
: : : /　　　　　　//　|:|:.:.:|:.:.:|:.:.:/:.:.:.:/:/　/:.:.／/:.:/／　 '!:l斗:.:.:|:.:}:.:.:l,//|:!　　|　　　.//: : :
: : /　　　　　　// 　 |:|:.:..|:.:.:|:./:.:.::./:'ﾆＬ/:/　/:./ 　 _ -‐弋 ' 入:.|:.:.:.:::/ ,i　 　|　 　/ /: : :
: : |　　　　 　 /　　　,|:|.:.:.|:.::.|:.:.:.:.:/f爻ｔ,孑､ /:/ -‐´__.t:イﾉ:.）/:./:.:.:.:/　/　　/　　/ /: : :
: : |　　　　　　　　　　|:|:;l:.|::.::|.:.:.//　￣ i:|　/ 　　　''￣￣￣'/:./:.:.:.:/| /　　/　 ／ /: : : :
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: : |　　　　 　 　 　 　 !' 'l;l;＼|::.| 　ヽ　　　　　|　　　　　　 /;/＼￣￣￣￣　 ／: : : : : : ／
: : ＼　　　　　　　　　　ヽ　　|:/　 　 ヽ　　_ ＿ _ 　 　 　　／／ヽ 　 　 i-‐': : : : : : : ／.　　　　神よ……神よ！
: : : : ＼　　　　　　　　　　ヽ 　　 ＼　　 ＼　　　 ￣ ‐, ／／　　　ヽ　　|: : : : : : : ／. . .
: : : : : : ＼　　　　　　　　　　ヽ　　　＼　／￣＼ _-‐　 ／　'|　　 　 i 　 |: : : : : ／. . . . .
: : : : : : : : ＼　　　　　　　　　　 ＿＿／＿_ へ　＼￣/ 　　,i　　／ | 　 |: : : ／. . . . . . .
: : : : : : : : : : ＼　　　　　　　 ／　＿＿　　　＼:ヽ　 ＼　　　|／　　 |,　 |: ／. . . . . . . . .
: : : : : : : : : : : : ＼＿＿＿　(__／　:;:;:／￣￣＼＼ヽ＿）‐- ,!＿_ ／, -‐ '. . . . . . . . . . .
: : : : : : : : : : : : : : : :_ -‐'　￣'　　 ／　 ／＼　 ＼ ｀　　　　　　　 ￣＼. . . . . . . . . . . . .
: : : : : : : :_ __.. --‐' 　　　　　　　 ヽ　／　 ＿＼　 ＼　　　　　　　　　　＼‐-、. . . . . . .
: : : :／|￣/　　　　　　　　　　　　　-‐ ' ￣　　　 ＼＿）　　　　　　　　　　'＼入. . . . . .
: :／| .|　/　　l＼　　　　　　　　　（ __.. --‐'￣￣ヽ 　　　　　 　　　　　 　 　// ＼. . . . .




　　l .l:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:l:.:/:.:.:.:.:.::,:.:.'´:::::::/／::::::::::::::::::::::':.:.:.:.l:l l:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l, '´.l:
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3195．

.　　　　　 　 l:::::: /::: ::::/::: /::/ ! :::: ::八::ヽ: :: ::::::: :|　: : : ! ::.＼　＼
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|　　　　 　./:|:::::| ::: :|: |:仏∨ｲ//', 〃,,≠￢￣ /:::/ :/ :::/っ〉/:/　/
|　　　　　/:/|:::::| ::: :|: }:ｲ泛ﾑ/'　.'　＾ 　 　 　,ｲ: / :/ :::/.r'／::/　/
|　　　 ／´　.}:|::| ::: :|: |::ゞ屮'}　　' ,　　　　　 /イ :/ :::/ r '}::::/　/　　　　　　　　……おお、そうだ！
ト _　　　　　 |:|::| ::: :ﾄ::l:::ﾊ　/　　 　｀ヽ、　 　 /:イ::／　{　|::/　/
',　 ＼＿＿__|ﾊ:ﾄ :: :|_}| ::::ヽ＼　　 __＿_｀_丶　/／ ,　'　 //　/　　　　　　　　あの女はおれと一緒になったせいで
:ﾍ 　 　 　 　 ￣ヽヽ{ ﾘ::::/|ﾉ＼ ￢'-──￢ ｀、 ／ 　　' /　/　　　　　　　　　　罪を犯したんだ！
Vﾍ　　　　　　　　　乂::ｲ ´ 　 |＼ ￣￣¨｀ ,　＜＿__∠::/　/
:::Vﾍ　　　　　　　　／j/　　　 j/jﾉヽ 　 .イ￣￣　　　　/　/　　　　　　　　　　　おれが罪の空気を発散していたので
ヽ::Vﾍ　　　　　　　　　　　　　 　 r‐｀≦==￢ニ二二フ ／　　　　　　　　　　　　それに感染したというわけだ！
.　＼Vﾍ　　　　　　　　　　　　r‐ﾀ７￣／/　ｲ￣＾ ／／
　 　 ＼:ﾍ　　 　 　 　 　 　 ／ / / ／　/　/ ﾄ､／／
　　　 　＼ﾍ　　 　 　 　 ／　, ' / / 　 /　/ .／／



／/:.:/:.:.:/　　/:.:.:.:.//　　　 ／／ 　　　　　　 _＿＿＿_l:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:
:./:.:./:.:.:/　　/:.:.:.:.//　 　／／ 　, -‐=´￣￣　＿---- ヽ:.l_'.:.:.:.:.:.:.:
/:.:./:.:./　　/:.:.:.:.//　 ／／__∠　_,-ｪr＝￢￣ヾ ￣｀─､::',|::ヽ:.:.:.:.:.
／,':.:./　　/:.:.:.:.// ／／ ,--'￣: : : : : : : : :|i: : : :ヽ　　　　¨|::::lヽ:.:.:.:
　/:./　　/:.:.:.:.//-‐=´／／ : : : : : : : : : ／/: : : ',::::! 　 　　}::/　∨:.
./:./　_r/:.:.:／/／ .／／:ヽ ヽ_ :_: :___:／／: : : : :l::::}　　　/:/ 　/:.:.:.　　　　それなのに、おれは彼女に
:./二-/:.／//　 ／‐´ : : : : ゝ7（::）l┌: ´: : : : : : /::/　　 /. '　 /:.:./　　　　死ねといった！
/三‐/:/　//_／l::| : : : : : : : ｛ .{___}. ｝: : : : : : : :/::/　　 /　　 /:.:.//
-─/:/‐'//　 　 ',', : : : : : : : :.＼_／: : : : : : : ノ／　　ノ　　 ./:.:.//:.　　　　だめだ！死んではいけない！
　 /:/　//＞─--⊂ニﾆﾆ＝==､＿__⊂ニニ￣￣,つ　　　//://:.:.
　//＿/---＝ニニﾆ¨￣￣￣｀　─-　　　　ヽ.'./　　　　//://:.:.:.:.　　　　御者よ、急いでくれ！
／-‐./　　　￣ ｀ ─- ､ 　　　　　　　　　　　　| |　　　　//://:.:.:./:.
　 ／　 　 　 　 　 ` ‐､ ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 | | 　 　 //://:.:.:./:.:.
／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l　　／/://:.:.:./:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　／´/:.:.:./:.:.:.:

3196．

【ヴィルフォール家】


.　　　　　　　 /:./'..:.:.| :.:.|.:.:./l:.:　.:/:./:./ .: .:.: :.:./.:.:.:l:.'、: .l.:.:.:.:|.:.:.|:.|:l
　　　　　　　/:./　l.:.:.| :.:.l.:./ l.: .:./:./:./:.:　.:.:.: /:.:./l:.l:.:.＼.|:.:.:.:l.:.:.l:.|:.l
　　　　　　　}/　　l'..:.l :.:.|/ヽ|: ./|:/:./.: .:. :.:／.':./　|:.!ヽ:.:.} .:.:/:.:/|:|'.:{
　　　　　　 /　　　|ヽヽ :.', ミ|:/‐|{:./l:.:.:.:／ /:.∠-‐´ヽ_',ﾉ .:/ ｝.{.',{　ヽ
　　　　　　　　　　l .:.ﾊ:ヽ:.{f㍉,爻ｲ､|:／ ／／,rz=伐升ﾌ .:/ /:.:l　ヽ　　　　　あれは息子のためにやったのだ。
　　　　　　　　　　| ﾉ ',ヽヽ',¨冖┴-/´',　　彡｀ゝｰ┴‐7 ../ /:.:,'　　　　　　　　息子のためなら心を入れ替えて
　　　　　　　　　　|/　ヽ:.＼ヽ､　　　　 } 　　　　　　　/:.:./_/ |/　　　　　　　　　くれるだろう。
　　　　　　　　　 ﾉ´　　ヽ:.:.ヽ￣　　 　i}　　 　　　　 /:.ノ:.:.l　/
　　　　　　　　　　　　　　l:.|:.:. ヽ､　　-‐- -､..　　,イ､/.:./ﾘ　　　　　　　　　　　もし罪が露見しそうになったら
　　　　　　　　　　　　　　ﾘ!|.:.（（｀丶　 ｀｀＿＿イ_／厶.:{　　　　　　　　　　　　おれが罪を被ればいいんだ……
　　　　　　　　　　　　__　-‐ゝ‐|: ミr ＞､_才‐‐‐‐イ´: : : ＼　
　　　　_　-　‐‐‐＝´ : : : : : : : l艸 | F￣￣￣｀l | 圸巛: : : ｀丶＿＿＿＿＿
,── : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 卅 | | : : : : : : : | |: :丱: : : : : : : : : : : : : : : : : : ￣￣｀ヽ
|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | | : : : : : : : | |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | | : : : : : : : :| |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :,'




　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
.　　　　　　　　 　 　 /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　 　 /: : ! : /: : /: :/: ://l //　l:|＼: :!|: : : : l
　　　　　　　　　　 ,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ
　　　　　 　 　 　 /ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ|
　　　　　　　　 　　,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外　}　　￣￣　//: /) }从
　　　　　　　 　 　 l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣　〈　　　　　 //: /.ン:l　　　　　エロイーズ？どこにいる？
　　　　　　　 　 　 l′lﾊ : ＼ ＼　　　　＿＿,./ｲｨ/彳|l l
　　　　　　　　　　 　 ′!: | |:ヽ‐ヽ　 ´-‐一　　 /ﾍ: N州
　　　　　　　 　 　 　 　 |/l/|:l､_､:＞ ､　　 　 ／,. -ﾍl 、
　　　　 　 　 　　　　　　'　' l／| ヽl: | ｀ ‐　'´　 〉 __l　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 |.:.:.|:.:.:.|∧　　　　 /彡,:.|　　|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:_ｊ.:.:‐￢l　　　 , ゝ／.:.|　　l-､
　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.へ　:.V＾ゝ　　/ / /.:.:.:l　 /⌒'ー

3197．

【エロイーズの部屋】



　 　 　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/l ./;.:.:.:.:.: /::./l.:.:l.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.|.:.:.:.::.|.:.:.:.:.:|
　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.::／/.:./l.:.:.:.:.:／ﾒ ,// //.:.:.:.:./l.:/　i:.,!l.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:::|.:.:.:.:.::i
.　　 　 　ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:/.:.:.:.:／ /.:/./.:.:..:／ﾒ/,/ ///.:.:.:././/　　|.,! l.:.:.:.:i.:.:.:.:.:|.:.:.:.::|.:.:.:.:..:.:|
　　　　　l.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|..:.:./..:.:. /　/.ノ /.:.:.:/　/ /./..//./:.:.:./ //　 　 ヽl.ヽ:.:.:|.:.:.:.:.!.:.:.:.:,!.:.:.:.:.|..:l
.　　　　ﾉｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:/.:.:.:./-､/;､,,,/.:／,,,,ﾒ_//..:. //. /..:.:/.:.://__,,,､--''ヽﾞヽ:.:l.:.:.:ﾘ.:.:..:.!.:.::|.:.:!､.:|
. 　　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|.:/.:.:./　 /　　 l:/.:ﾞﾞ`''''''"/ヽ,l./.:/.:/.:ｯﾃ/""ｨ￣_,,,,.:.:｀.:ヽ:|:.:ﾉ.:.:.:.ﾉ.:.:.: ﾉ.:|.:､.:i
.　　　 　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/.|.:/ｯ=/ｰ‐‐-ﾉ､　　　//　.∥./:/.　 ∥　　／´　 ｀ﾞﾐｧ　|/l.:.:../.:.:.:/l.:.j　 `j
　　　　　　j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|. .!/《:.　　　,:-c;. ＼`､l/　.∥ //　　ﾉ　 ／. r ‐c,　　ﾘ ,l/lﾞ.:.:;/.:.:.::./|.:,!　　 ＼
　　　　　　 i.ﾄ.:.:.:,,-､...:.:.:ﾄ､ﾍ　`.　　弋 ･ﾉ　　`l/ 　 .|. l /　 .／　ｲ.　弋 ･ﾉ　　 　ﾘ l.:.:/.:.:.:.:/ |.:,!
　　　　　　 .ﾘ-ｯ|ヽ;;ヽ.:.:..`ヽﾍ　 ､_ 　 　　_／ .　　 .|　|/ .l　　　　　　､__＿ ノ　　 //l.:.:.:.:./　|,!
　　　　　.　/j　入;ヽ;;.ヽ.:.:.`,＼`､　｀ﾞﾞ￣　　　　　 　 ﾉ.　 |!　　　　　　　　　　　 .//./l.:.:.:./ . .|!
　　　　　 /　 ./.|;;;;;;;`､;;`､.:.＼ヾﾞ､.　　　　　　　　　　　　.l!　　　　　　　　 　　 //./.ﾉ.:.:/　　/
　　　　／　 ./　|;;;;;;;;;.ヽ;;'ヽ.:.:＼ ﾞ＼ 　 　 　　　　　　　　|!,　　　　　　 　 　 ノ..:/ /.:./
　　 ／　.　/　　|;;;;;_,,ｨ"´ﾞ｀.ｦ.:.:.:＼　 ヽ . 　 　 　 　　　　 |ﾘ　　　　　　　 .／/.:./ .//
　　'､　　 く,,--`""´　　,,,／`､.:.:.:ゞ＼　　　　　　　　　　　l!　　　　　　　　 ｲ.:.:,!　.!/
　　 |　　l´　　　　,,,-;;"´`､;;;;;.ヽ.:.:.:＼`ｰ　　　　　　 _＿＿＿_.　　 　 　 ／/.:./l'!
. 　 .l　　|　　 r'´ヽ;;;;;;;;;;;;;;;>-"ヽl.:.:.:.|. 　 　 　 　.--"―――‐‐`‐ 　 ／.:.:.:l.:.:| ﾘ
. 　 .|.　.|　　 | 　.ﾉ､;;;;;;;./::::`､::::ﾍ..._,}　　 ＼　　　 　　ー―　　　　／　|.:.:.:i / l,!
. 　 .|　ﾉ　　/　,l´ .ヾ､,/:::::::::`､::::ﾍ|　ヽ_ . 　 ヽ､.　　　 　　 　　.／　　 {-､ |l
　　.ﾉ /　　 }　　| 　／｀"`――――ｯｧ｀`-､_. . ` ､　　 　　 ／　　 ,-ｨ'' .| 入
　　レ　　　 i､___l／　　,,__＿＿＿＿ ノー―ヽ､` -　ヽ､ .／---勹 __,,--| |从
　. |　　　　／　　　　／,-ー―亠ﾞﾞﾞ￣''ｱ￣￣￣| |￣￣￣￣ ;| |;;;;;;;;;;;;;{} ,!
　/　　　　　　　　／　/　　------- '";;;;;;;;;;;.;;;;;;;| |...;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;{} 入

3198．

　　　　i　 //　　　 , - ／ ,イ　　l　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　l　//　　／ ／ ／ //　　i　　　　　　|　　　　　　　 i
　　　　 i〃 ﾆZ ／ - '　 //　　 /　　　　　: :l　　　　　　　 l
　　　　　Vｲﾌ／' ´`丶　i,ｲ　　/　　　　 . : : i　　　　　　　 l
　　　　 /〉 `　　　-ﾐヽ`ﾄl.l　　/　　　　 . : : :i　　　　　　　 l
　 　　/ r '´　　　 ､じ,､.l llヽ /　　　　. : : : :/　　　　　　　 l
　　 /　 l　　　　　　ヾ ,ゝ､l./　　:　　. : : : :/　　　　　　　　i
　　/ 　 lヽ、　　　　　　 l ｿ　 . : 　. : : : : ｲ　　　　　　　 　!　　　　あなた……？
　/　/ : :l　 `　　　　　　/　. : : : . : : : : :/l　　　　　　　　/
　'　ｲ : : :l　　　　　　　/　. : : : . : : : : :/: l　　　　　　　l/
.,'　/l : : : :丶 ､ 　　　/　. : : : : : : : : :/: : :l　　　　　:l　 l
.l / l : : : : : :/: :7 ＞/ . : : : : : : : : : /: : : :l:　　　　　l　 l
l / .l : : : : : /: :/〃/ . : : : : :/: : :／.: : : : :i:　　　　　l:　 l
l/　 l: : : : :./: /〃/ . : : : : :/: :.∠ﾍ: : : : : l: .　 l　　:ﾄ; 　l
l　　 l: : : :〃/ 〃/: : : : :／: ∠.......ﾍ.: : : : l: .　l　　 l l:　 l
l　　　l: :.//ノ /,=i: : : :／: ／-－-ﾆﾍ.: : : :l: . .l　　 :l l:　 l
　　　 l /i/　／ l: : :／: ／　　　　　　ﾍ: : : l: . l　. : :l l: 　l




　　　　　　　　　　　　／.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　 　 　 　 　　　 /: .:.:.:./ ..:.:.:.:.:./:.:.:.:.: .i:. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　':.: .:.:./　.:./.:.:/:.:.: .:.l .:.l:.: .:',:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　 　,'.:.| :.:.l. :.:.//:/:.:.,':.: .:|:.:.:!:.:. .|:..:.:.:.:.:.:|
　 　 　　　　　 　 /:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
　　　　　　　　　/ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:.///　_ヽ:l:.:.|:.:.:|'.!
　　　 　 　　　 / /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ
　　　　　　　　　/´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､　　　　　エロイーズ！？
　　　　　　　　　　 |:.{ヽヽ:ヽ ￣i!´ﾘ　,' 　　￣ //ｲ:.l'.!
　　　　　　　　　　 ヽ! ヽ:.l:ヽ.　　　　i!　　　　/':.:.ﾊ:.| ヽ
　 　 　 　 　 　　　　　　l:.|:.:.＼　　!ニニ!　／l:.:.|　',{
　　　　　　　　　　　　　 ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ　　　 　　　　　_　-‐　'￣}
　　　　　　　　　　　　　　 ／ 艸 | |: : : : | | 圸｀ｰ---‐´￣￣￣: : : : : : : /: :￣¨}＿＿＿＿＿
　　　　　　　　_　-‐ー‐ ´: : : 丱 | |: : : : | |: :卉: : : : -─＝ : : : : : : : : : /: :/／: : : : : : : : : : :

3199．

.　/: : : : :/: : : : : /l: :l:l: : :ヽ: : : :､: : : :.ﾊ
　i: : /: :/: : : : : / l: :ﾊ:l.: : :ﾊ: : : ﾊ: : : : :i
. l: : i: :./: : : : :/　i: / ヽヽ: : ﾊ: : :ﾊ: : : : :l
. l: : l: :i: : : : / _ // -==-､...: :i: : : :i: : : : l
　l: : l :l: :,-,/'¨ 〃　　-___ヽ_i,:l: : : :l: : : :l|
　＼ 〉:l:'､;l-‐- ´　　 ´　　 `l: : : : :.l: : : :l
　　//ﾍﾍﾄ　　　　　　　 　　l: : : : : l: : : :l　　　　　　　もう、済みましたの、よ……
　 //: : ヽlﾍ　　 '　 __,　　　l: :l: : : :ﾊ: : : l
　i: i: : : : : :/丶､　　　　 , .ィ: l: : : /: i: : : l
　l: l: : : : : :l: : :!i:`:>-i　': ; :l: l: : : /: ﾍ: : : l
　l l: : : : : :lﾍ ; ＞'　/iﾍ´　l: l: : :/､:_: ﾍ: : :l
　l l､: :l: : :.l'´//i | / .l l.ﾍ　l l: : / ﾉ／／ ＞ ､
.　l l 〉 l: : :l　l lﾍ ' ｰﾉ+　` 'lll: :/, '/ /　 /　　 i
　 ヽlﾍ l､: :l=ゝl､l_　i .l　 .i´,ll /　.i /　 /　　　 l
　　 l` lﾍ〉､l /7`‐ニニﾆlr, ,＝　l l　 /　　　　.l




./ 　|.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ.:.:.:../.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:／:.:/.: /.:.:.:.:.:.:/.:.:./!:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.|:.:.ｌﾊ
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　　 ｌ/!: :|.:.:.:|.:.:.: |.:.:..l.:.:./＼{_.//:／!:/:.:.:.:.:.:/.::／　〃　 ノ"ﾍ.:.:.:..:l:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:ハ
　 ./　|.:.:|.:.:.:|.:.:.:.:l.:.:.:l:./L∠=ミ 、　|.:.:.:.:.:.:/／　　/　彡＞=ミ∨.:.ｌ.:.:.:/:.:.:.:ﾊ:.:/　 ヽ
　/ 　 V:.l.:.:.:ｌ.:.:.:.:∨:ｌ〃 　 〃＼＼|:.:.:.:.://{ 　　/／〃　　　 ヽ∨/:/.:.: /:l:∨
./　　　|.:.|.:.:.:l.:.:.:.:.:.', { 　 　ｨだﾊ`ヽ|.:.:.:.//八 //　/　 ｨだハ　 /}.:./.:.: /:.:ｌ.:.|
　　　　|.:.ｌ.:.:.:∨.:.:..:∧＼,c弋Yソ 　|.:.:.//　 　〃'"ヽ.c弋Yソ ノ/ﾚ'.:.: / }:.:l :.!
　　　　|.:.ｌ.V.:.:.V:.:.:. 人 ;;￣￣ ´彡'|:.:/｀ヽ ^ /　 ｀ミ、｀￣￣'''//..:.:./ / ﾘﾚ′
　　　　|.:.ｌ　V.:.:.',:.:.ハ　;;　　　　　　ｌ/ 　　l　 　 　 　 　 　 　 //:.:.:./ィ∨　　　　エロイーズ！？
　　　　l.:.l 　 い:.:Ｖ ハ.;; ＼　　　　　　 　 |　　　　　　 　 　 /.:.:/イ.:./l:.|　　　　目をあけてくれ！
　　　　ヾｌ　　｀ヽ.:.:＼.:.＼　　　　　　　 　 l　　　　 　 　 　 /_彡ｌ.:.:.:/ |:.|
　　　　　　　　　 V .:.:.＼.:ヽ　　　　　　, ‐ - 一 ､　　　　　　/.:.:|.:./　.|:.|
　　　　　　　　 　 V.:.:.:.:.:l:.:.:.＼ 　 　 /　 ￣￣　 ヽ　　　 ／.:.:.:.|.:l　　ﾚ'　　　　おお……
　　　　　　　 　 　 Vハ:.:| l.:./.:}＼　〈廴＿＿ ＿_ノ〉　／{ ヽ.:.:.:|.:{
　　　　　　　　　　　}　}.:.} {:.{:.:{ 　 ＼ 　 ニ二ニ 　 ／　.ﾉ.:.)}､:.:lV
　　　　　　　　　　 ﾉ ノ ﾘｨ∧:.＼　 　＼ 　 　 　 ／　／::／ >＼}
　　　　　　　　　　　　／:/ 　＼::＼　　　￣￣ 　 .／::／　/ ハ:::.＼
　　　　 　 　 　 　 ／.::::∧＼　 ＼rヘ`＝＝＝彡ﾍく　　〃 　 〉､:::::.＼
.　　 　 　 　 　 ／..:::::::/　｀､ ヽ､ /　　 Y^⌒Y´　　　'.／　　／　!::::::::::. ＼
　　 　 　 　 ／...:::::::::::{　ヽ　＼ / 　 　 i　 　 !　　　　∨ ／　 　.!:::::::::::::::::.｀ヽ、

3200．

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. /.:ｲ.:.:.:.／|.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:/７.:.: /.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:}.:.:../.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:.′ゝ⌒:.、　　　　　　　　　　　……エドゥワールは？
. |/}.:.:.:.:ﾍ　 |.:.:.:.:.:.:.:.′.:.:.:.:.:..′}:/7.:.:}.:.:.:.:.:.:.:../|.:.:.:.:.:./.:.:..′.:.:.:./.:{.:.:.′´: : _: : ＼＿＿＿＿＿
..j' .|.:.:.:.:.:.ﾏ|.:.:.:.:.:.:..|.:.:.:.:.:.:.:/=//､_}.:./.:.:./.:.:.:/ .}.:.:.:.:./.:.:.:/.:.:.:.:../.:.:|.:.:{.: : ／: : : : : : : : : : : : : : :
　　|.:.:.:.:.:.:}|.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:/-// ＞:/.:.:./ }.:./ , '.:.:／./}.:ｿ.:.:.:.:.:.′.:ﾊ:.:|／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＿
　　|ﾊ.:.:.:.:..|.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:仆 '、u/:/}.:.:/ ｲ./'/.:.:ィ.:.:.//./_}.:.:.:.:/.:.:/ } .1: : : : : : : : : ＿　―　二　―
　　ヽ}.:小 .:',:ﾄ､:.:.:.|.:.:.:代芝ソ外z |.:ｲ/.:/ /.:∠}.:./´}ﾑ '.:.:.:.:.′/ /／ : : ―　二　―　￣: : : : : : :
　　_ﾉ　 ハ　ヽ{ :.:.{.:.:.{　 ¨¨¨｀　U.|ﾊ.:./ /.:/ｫﾀ丞ｱ.:.:.′.:./.:.; ′´: ／／￣: : : : : : : : : : : : : : : :
　　　ﾊ　 ハ u.|.:.:.:ﾄ:.:{　　　　　　u　}/彡ｲ ｀＾¨´.:.:.:/.:.:.:./.:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : :
　　　　ﾊヽ_　ヽﾍ ﾊvﾊ　　　　U　　 ´　.{　U／}.:.:.:/.:.:.:./.:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : :
　　　　V　　T ‐‐ﾏ ﾄ ヾ　 rｪ､＿_　　‐_' イ: : /.:.:/.:.:.イ.:/ー――――――――――――
ﾊ　　 /　　　|　　　vﾊヽ　　ー‐ '_ -‐´: : : : :/.:.:/.／/／
. ﾊ　/　　 　.|　　　} vﾊ ｀ ｰ　´: : : : : : : :／ﾊ/／ ./´
　 ∨　　　　1　　/　 ヾ./ ./: : : : : : : :／　_ノ

3201．

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　　　　　 /:.:.i:.:. .l: .,':.:.:.:.//／/ ,イ:./ ,'　:.:./.}.:.lヽ:.:.',:. :.:.:.i:.: .:. :./:.:.il.:.:.:.{
　　　　　/.:./|:.:. |.:.|:.:.:.:/// /:./ /:/ / :.:.:/ /:./　 ヽヽ.:.:.:.|:.:. : /:.:./ ｝:.:..`､
　　　　 /／|:.l.:. l:.:.|.:.:./≧_/:/ /:/ / :.:.:/ /:./　.,∠戈‐､:.i:.:.:./:.:/ ノ|:.:.| `ｰ､
.　　 　/´　 |:.l.:. |:.:.|:.:,'{ {戈_>､// / :.:./ /:./,Ｋｲ_) - ｊ 〉7:.:../:.:/ ｲ.:.l|:.l|
　　　/　　　|:.l|.:.|:.:.:',ﾍ ＼ゝｪ ｲ∨.:／ /ｲ／､ゝzツノ´/..:./:.:/r':.:./|:l|ﾘ｀
　　　　　　　ヽ|.:.l:.:.}:.:∧　 ￣　/／i　〃´　´￣ 　　イ:.:./:.:.|ヽ､:./　l.|　　　　　おい、エドゥワールはどこだ！？
　　　　　　　　l.:.l|:.:.|l:.:.∧　　 /´　 i}　　　　　　　.／:.／i:.|:.|　　｀‐--------‐
　　　　　　　　|.:.lヽ.| }:.:.|:.ヽ　　　　 ､､　　　　　／‐´/:.:.,'|:|l|
　　　　　　　　l:/　',:| |:.:}:.:.|､＼　　 r､＿＿_ 　　　／ｲ:/ ﾘ/|　　　　　___ , -‐'
＼　　　　　 　|´　 ヾ l.ﾉヽ|　）ノヽ　',二＿,, 〉　／／／ ／ .|　　　　 |: : : : : : :
　 ＼　　　　　　　　 ./ 　（　´　　{｀ ､￣￣, イ／／　／/　 i　　　　ﾉ: : : : : : :
＼　 ＼　　　　　　　　　　｀／　　/`､｀ ‐´　／¨ヽ／　/　 ノ　　　/: : : : : : : :
: : ＼　 ＼　　　　　　　　 〈 　{　/　 /￣￣ヽ　　 }　／ ／　　 ／: : : : : : : : /
: : : : :`ｰ､ ＼　　　　　　　 ＼∨　 /　　　　/}　　|彡／　　 ／ : : : : : : : : ／




＼＿ノ　　＼＼ ヽ/　 / ／,.　-ー-　　ー-ミ_ ハ
　 ＼::::::::::::::...＼＼ヽ // ／::_;::ー:､__＞ミ､─' ノ::ヽ
　　　｀ 　 ＝ｧ::::＼ Y{/∨／__／＼＼　ヽ;::＼:＿_丿
、　　　／　　 ..:｀ヽ::|l;::ヽ＜′　　　＼＼ ∨／::/
:::ゝー/　　..::彡ーｧ´~　　＼＼ ､ ､ 　 ヾ}.__}／:/
＼{ 〈　　 .:/::/　〃　　 u 　 ＼', 〉 〉≧彡く|:::厶-─-　､
　.:＼＼　 {:::{　 |Ｌ ＿ ,.ィ≦ミキ　l　,ィ;:) 〉 ト〈 　 　　 　 ＼
＼　　..::ヽ:::人　|| 　 二二ミ､　}}　|/ ー '　 |　ヽ 　 　　　　 ＼　　　　　先ほど奥様のところに……
＼＞､::＿ノ |:|　||イ´　(:) ﾉ〉 } ﾘ　ヽ. 　　　 ｌ　　 ＼ 　 　 　 　.}
　　 ゝ-彡'　|:|　|| 　｀二彡' 　 　　　､　　　∧ 　　　', 　　　　 ,'
　　　ヽ::::＼ ｿ　ﾍ 　 　　/　　　　　　〉 　 /　',　　　 } 　 　　 /
　　　　 ＼::::ヽ　　　　　　　　　　　　′　/　　l　　　 ｌ　　　 /
　　　　　　＼::::＼　　　　　　　　,. ｰ _ﾌ ,'　　｜ 　 　|　　 ./
　　　　　　　 ＼:::::ヽ 　 　 　∠　-‐　　 l 　 　 　 　 /　　/
　　　　　　　　　＼::::::＞ー-　､ 　 　 ／　　　ヽ　　　　 /
　　　　　　　　　　　｀＞､:::::::::／￣ ´〉/　　　　 ',　 ＿〃

3202．

　i::rー─……ﾍ:::::::::::::::::::::!忖T勹≧fメ、！| 　 i::::::::::://.::::::::／:::/
　i::}: : : : : : ヘ : ヽ::::::::::::::i从 {{　{ :::: }　}}ヾi::| 　 |:::::::://.::::,イ.::::::/
　り: : : :／. : : :`:くヽ::::::::::{　ヽ`弋些歹′ j::| 　 |::::://.::rく /.:::, ′
　f: : ／. : : :rヘ: : :ヽヽ::::::',　　｀¨¨¨¨¨¨¨´|::| 　 |:://.::/　i/:／
　i／. : : :／{＞'"´ : ﾄ､ヽ:::::､　　　　　　　 ヽ| 　 l/ｲ::/ ／´
　{　_:＞'"´: : : : : : :ﾉ: {　ヽ::::ヽ　　　　　　　　 　　 |/　　 |
　∨. : : : : : :_: :r＜{: : ヽ　 ヽ､::＼　　　　　　　　 　 　 　 |
　 }: : _: :二ﾆ＝=￢ﾄ､: : ヽ　 ヾヽ::.ヽ、　　　　　　　 　 　 |　　　　　　　　……奥様の、ところ？
　 ｀ヽ: : : :_: : :-‐:￢ｒ-ヽ:_:_） 　|ﾄ､ヽ-＼　　　　　　　　　 }
　　　 ヽ: : : : : : : : :fi　ftﾄ､　　ﾉ,!:::＼
　　　　 ヽ: : : : : : : :i|　|｜i｀¨|/ !::::::/|ヽ、　　　　 _,　-‐‐‐--
　　　　　 ヽ: : : : : : i|　|｜i__i」　l::::厶j　　ヽ　　 　　 ー──
　　　　　　 ヽ : : : : i|　|｜i__i」　|/　 {:`ヽ、　丶、
　　　　 　 　 ヽ: : : :i|　|｜_ 斗ｧ′　 ヽ::::::｀:ー::::`::..、




　　　　　 /:.:.:./　:.:/:.:// .:.:.:.:./:.:.ﾊ:.:.:.:＼ :.:.|: .:.i:.:.:.ヽ:.:.＼＿＿＿,
　　　　 ./.:.:. / .: :/.:.//　. :.:.//',:|　ヽヽ:.:.＼',:. :.|ヽ､.:.＼:.:.:､-‐´
　　（__ノ:.:.:. / :.:./.:.:.l:.| .: :.:. | l|_,,|l=弋ヽ､:.:.:.|:.:.:.l.: .ヽ:.:.:.＼:.＼
＿＿／:.:.:. .| .:.:.|:.:./|:|{:. .:.: .l| |i}_|!∠ヽ＝ミ,':.:.:,' :.: .:.ヽ.:.:.:.＼__｀ｰ､
ー─　´l.:. :.l :.:.:.l:.,'__|l､ヽ .:.:.{ {彡ｒて フ:::）7:.:./ :.r ､. :.:.＼‐-､＜￣ヽ
　　　　 |. : :.| :.:.:.|i仁_ヽ､',ヽ:ヽノ,ゝ‐´￣¨,':.:./ :./　l|.:.:.`ｰ､＼ ￣￣ヽ
　　　　 l:.:.|:.|:. :.:.ヽ<{f_rラ}　＼｀､.__　 　/.:./ :.,___ノ＿:.:.:.:.:.:.ヽ｀￣
　　　　ﾉ:.:.l:.|:l:.:.:.:.ヽゝ'¨´ﾉ　 　｀ヽ￣　 /.ノ :.ｲr───､ｦ─､￣＼　　　　　　エドゥワール！！
　　 ／´}:.ﾊ:l:|ヽ:.:.:.',ヾ､_ヽ,　　　　　 　/´/./:.| |: : : : : : } |￣＼＼
　　´　 ﾉ/ },'i|:.:lヽ`ｰ､__　　､-‐-､_　　　/:/}ﾉ{ {: : : : : : | | : /|: ＼＼
　　　ノ' 　　ﾉ|:.ﾄ |:.:.l:.ヽ｀ 　｀二￣　 　/'　/ﾘ｝｝: : : : : : ｝｝rヽ|r‐､: ヽ)-‐ー ´￣
　　　　　　　,':ﾉヽヽ:|ヽ:.:｀丶　　　　　／__|¨//: : : ,､: : // 《〈〉ヽ}-‐´: : : ／￣
　　　　　　／　　　ヽ､l.:./l/}:.ヽ... イ　/ﾍノ | |: :／　 ＼l: ／: : : : : : : : : /: : : :
　　　　　　　　 ._-‐‐‐|/　|!|＿}ﾉｿ',　|イ,‐─' ´　／ヽ ／: : : : : : : : : : ,': : : : : :
　　　　　　　／: : : : /／　ﾘ　ﾘ／ | /￣／ ￣￣￣￣￣｀i : : : : :／: :l: : : : : :
　　　　 　／: : : : ／　　　　　/　／　　ｲ　　　　<￣￣}　 |: : ::／/: : /: : : : : :
　　　　　 ＼: : ／　／￣ヽ　/　/　　　　　　　-‐‐￣￣￣￣{ ／: : /: : : : : :

3203．

【エロイーズの寝室】

　　　　　　　　　,　'´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::ヽ
　　　　　　／ : : :／ : : : : :i: : : :､: : :ヽ: : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　/ : : : :/ : : :/ : :l :ﾄ､:＼:丶:､ :＼ : : : : : :ヽ : : : : ',
　　　　 /:: : : :/ : : :/: : /lﾉ　 `' :_:ﾌ: }メ､:ヽ : : : ヽ: i_: : : : ﾍ
　　 　ノ: : : : :{ : : : l:: :/ ﾘ　　　　イl :l　　'; :',: : : :}: :ﾄヽ : : : :'z
　ヽ二ｨ : : : : l : : : :l :l　　_ -　´_. ‐l :l-　　}: i: : : l :ﾊ! } } : :ｒ´
　　 　' :l : :i : '; : :: :从 ／　 ,ｨ'´ 　 l/ -‐ 　lﾉl: :/::/ソ / : :,'
　　　{: :l: : {:: : '; : :ﾊ　　　　　　,ｨ'´　　　　 ﾘ l:ｲ::/｀　ﾉ : :,'
　　　l:: :{ : :ヽ: : :V‐ ､　　　　〃　　　　　　　 /ｲ 　ｒ' ヽ: l
　　　ﾍ: ヽ : : :ヽﾉ　/ﾆヽ　　　　　　　　　　 　 　 　! 　 ﾍ!
　　　　 ヽ:ヽ : : :＼! 　,ｲ}　　　　　　　 　 　 　 　 / 　 　',
　　　　　　＼:ヾ: :: :｀〈　ヽ　　　　　　_　　　 　　/　 　 　 ',
　　　　　　 　ヽ:ﾊ:二>ﾍ　 　　　_　'´_, 　 　 　,ｲ 　 　 　　 ',
　　　　　　　　　ヽ　　 　ヽ、　　　　 　 　 　, '　　　　　　 _」-‐┐
　　　　　　　　　　　　　　 　｀　-　 　__　 ,ｲ _ -‐' ￣}￣_..::‐::￣l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ ｒ'┌::'´::￣l 「::::::::::::〈〉:::'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉 l:::::::::::::::l l::::/⌒ヽｒ'＾ヽヽ、
　　　　　　　　 　, -‐── ─---::::'::::￣::t! l:::::::::::::::l l:::ﾚ⌒Vlｒ⌒ﾘ::::::::‐- .._




　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
.　　　　　　　　 　 　 /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　 　 /: : ! : /: : /: :/: ://l //　l:|＼: :!|: : : : l
　　　　　　　　　　 ,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ
　　　　　 　 　 　 /ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ|
　　　　　　　　 　　,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外　}　　￣￣　//: /) }从　　　　　なんだ寝ているのか、エドゥワール……
　　　　　　　 　 　 l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣　〈　　　　　 //: /.ン:l
　　　　　　　 　 　 l′lﾊ : ＼ ＼　　　　＿＿,./ｲｨ/彳|l l　　　　　　　　　……エドゥワール？エドゥワール！？
　　　　　　　　　　 　 ′!: | |:ヽ‐ヽ　 ´-‐一　　 /ﾍ: N州
　　　　　　　 　 　 　 　 |/l/|:l､_､:＞ ､　　 　 ／,. -ﾍl 、　　　　　　　　
　　　　 　 　 　　　　　　'　' l／| ヽl: | ｀ ‐　'´　 〉 __l　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 |.:.:.|:.:.:.|∧　　　　 /彡,:.|　　|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:_ｊ.:.:‐￢l　　　 , ゝ／.:.|　　l-､
　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.へ　:.V＾ゝ　　/ / /.:.:.:l　 /⌒'ー
　　　　　　　　 　 ,　-―/／　　 ヽ ヽ‐.　 ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.

3204．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊﾗﾘ
　　　　　　 　 　 /⌒ｿ/⌒ヽ、
　　　　　　　 .　/　 //　　　 ..＼　　　　　　._,
　　　　　　　　/ 　//　　　　　　.｀ヽ,.._,ィ''´　　｀'ｰ- 、　　　　　　/i
　　　　 　　　/ 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼,.　　 _..ノ .|
　　　　.　　 / 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒´　　 .|
　　　　　　/　 //　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　　『わたくしが良き母親であったかどうか、
　　　　　 /　 //　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　それはあなたがご存じです。
　　　 .　/ 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|
　　　　/ 　//　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　私はその子のために罪を犯したのですから。
　　 　/ 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　そして良き母親は、子供を残していきません！』
　 　./ 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|
　　/ 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |
　ッ芝ヾｼ⌒ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|
　.ヾﾆジ　　　　＼　　　　　　._,.イ⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　 　|
　　　　　　　　　　｀ヽ,.._,ィ''´　　　　　 ｀'ｰ- 、　　　　　　　　.　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　.＼,.　　 _., ､　　.　.ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 ⌒´　　 ＼._,ノ




::::::::::::::,:イfkァ.:::∠ミ 、V.:::／ ／.::::.:::: イ_＿__,／.::::／-‐　￢.::
.:::::::／ff　／∠　 　 vﾊ}イ ／.:::ィ7 /／.::::::／.:::::／-──‐ｧ.:::i
:::::/　 {L/／{{℃ik}}　vﾊ／.:::／ { ﾚ'/⌒`ｲ.::::::／_ ー──ｧ.:::/|
.::/　＼メ、　｀¨¨¨´ 　ｖ.:::イ 　　ゝ一ァ' /.::／ 　_xkｧ=＝ｲ::::ﾑミ
:/　　｀ ｀三≡＝=一ｚl.:／　　　　　/　/／　 ＞'"´ _ 　 _｣:/
′ 　　　 　‐ =＝ｧ斗 ´　　　　　　　 /L_　イ　　　 {{℃fL}{}　　　　　　　　ああ……
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　 /　 　ヽ、ヽ、　 ｀¨¨¨|l　,ｨ/　
、　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　 ＼ ｀≧xz＝{彡ｲ:　　　　　　神だ！やはり神のなさったことだったんだ……
::ヽ　　　　　　　　 |　　 ､　　　　　　　　　　　　　｀　　　｀≧´.::::
＼l　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　ー=＝ニ二:::__::,:::::
　　　　　　　 　 /`　‐-　　＿　　　　　　　　　　　　　　　／.::::::
　　　　　　　　 ハ、　　　 　　｀丶、　　　　　　　　 　 ／.::::::::::::
',　　　　　　　∧_｣三三ニ＝‐ .､ ハ　　　　　　　　／.::::::::::::::::::
∧　　　　　 /三三三三三＝=三L｣　　 　 　　 ／／.::::::::::::/.::
/∧　　　　/三三三三／ 　 　 　　l　　　　　／イ.:::::::::::::／.:::::

3205．

【ノワルティエの部屋】


　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　, ':.:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.: /.:.:.:./:.:.:.|:.l　.:.:.:.:.:.| .:.:.: .:.:.:.:　.:.:.:,
　　}:.:.:. l.:.:|: :.:.:. :./.: .:./:.:.: .l|:.|:. :.:. :.:.:l :. |:.:.| .:.: .:. :.:|
　　|. i:. |:.:.l: :.:. :./.　:./.:.　./ l:.l:.:. : .:. :| :.:l :.:l: .:. .:.ﾄ:.:l
　　l. |:. |:.:.|.　.:./l　:./ :/ /　 ',ヽ:.:　.:. l :.,'.:.,':.:.　:.:.l |:l
　　|. l: .l:.:.|:. :.,' .| :./ /:./　　　ヽヽ.:.:.,':.:/:./7､.:.:l:.| l:|
　　l.:.|:.:.|:.:.|:.:.ト､|:.,':././∠=-‐'弋´∨.:/:.,':./} }:.:|.| ヽ､
　　,:.:ﾄ.:.l.:.:.l:.:|㍉l:.:/:/〃彡z辷テﾐﾌ./:./:./）/.l:.|l|　　　　　父さん……いらっしゃいますか？
　 /´|:l:.:|:.:.l:.:.,ゞ'}:/:ｲ　　　 ｀￣￣７/:/./_ノl:.:.l|:l
　　　',{ヽヽ:ヽ∧' / |　　　　　　　///:/ l:.:.l:|ｿ |i
　　　 ヽ＼＼ヽﾘ＼ヽ､　_　　　　 /´/　r‐ﾌ)
　　　　　　　 ヾ　__.＞-‐､ﾆ‐　　∠／／／{
　　　　　　　　／　　＜ヽ ＼イ-‐r／.／ ／ ヽ
　　　　　　　/　　　＼ ＼´／ﾌ　,'. ／ .／／／>､
　　　 　　　/　　　＼ ＼ﾉ- '　 　|彡／／／／: : ｀‐---　､＿
,　-‐ー: : :/　　　＼　ヽﾉ彡　　　|／／／／: : : : : : : : : : : : : :￣
: : : : : : : /　　　　　＼ﾉ（:::）　l|　 l／／／: : : : : : : : : : : : : : : : : :




　　　　　　　　　　_灸ヽヾヽi ヽ｀´ﾞ´´｀ r -,
　　　　　　　　　　,>　,r´￣｀ﾞ´ツﾞ´｀´々, ´ﾞ;,
　　　　　　　　　彡;.ﾞ　　　　　　　　　　　ヾ,　ミ
　　　　　　　　.ミ . i!　,: =ニヽ、　 ,r=ニ=;,.　ﾞ;彡ｿ
　　　　　　　　;｀7/ﾞr∥ 　 　 i|＝|i´　　 ｀li,.　;彡>,
　　　　　　　　彡l ,:/ヾ _ _ _ノ .|l|.ヾ=,. _ ノヽﾞ｀ミｿ
　　　　　　　　i!ヽヾ´　　￣ /∠_ヾ、 ￣ヽ｀ ｀;/!ﾐ
　　　　　　　　liゝ| 　 　 　 |ｿ |三|ヽゝ　　ヽヾ|/.:i　　　　　おや、お邪魔しております。
　　　　　　　　|l :.| 　,r,r============y;7　,i, yﾞ
　　　　　 　 　 ヾ.l/　ﾞ.｀ー========―´　ﾞ .lｿ
　　　　　　　　 　 i//　,　.　￣￣￣　　 ヾ、ﾞ,!
　　　　　　　　　　ト、// /,.　.il||!.　,.　liヾ i!ｲ
　 　 　 　 　 　 ,r┤　 ＞ 、i!ll|||||||lli!l.|l／.i!ト:、
　　　　　　　,r ﾞ　y´ﾞ￣￣トﾐー―ﾞﾉ￣ヾ:y,,|　 ｀ヽ、
　　　　　,y¨　 t´　　　　　i,　　 　 i!　　　　 ｀il　　　｀ﾞﾞヽ,
　　　　　　　　　　　　　【ブゾー二司祭】
　　　　　　　　　　　　暗躍する謎の神父……？

3206．

　　　　　　　　 ﾍ　　 ,ﾍ
　　　　　 　　/　ヽ,　　::.
　　　　 　　/　　　　　　::.
　　　　 　 /　　　　　　 :::.　　　　　　　　……。
　　　 　　″<●>　<●>::.
　　　 　 ｜　　　　　　　::::.
　　 　　｜　 　　 フ　 :::::::::.
　　　 　/　　　　　 　 　 ..::::.
　　　 /　 　　　　　　　　　:::::
　　　　【ノワルティエ】
　　　　ヴィルフォールの父。



　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
.　　　　　　　　 　 　 /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　 　 /: : ! : /: : /: :/: ://l //　l:|＼: :!|: : : : l
　　　　　　　　　　 ,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ
　　　　　 　 　 　 /ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑ ｌ:ﾄ|
　　　　　　　　 　　,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外　}　　￣￣　//: /) }从　　　　（この人と会う時はきまって人が死ぬ時だな……）
　　　　　　　 　 　 l:/ |:l: ､: ヽ ｀￣　〈　　　　　 //: /.ン:l
　　　　　　　 　 　 l′lﾊ : ＼ ＼　　　　＿＿,./ｲｨ/彳|l l　　　　　　　　……今日は何のご用でしょう？
　　　　　　　　　　 　 ′!: | |:ヽ‐ヽ　 ´-‐一　　 /ﾍ: N州
　　　　　　　 　 　 　 　 |/l/|:l､_､:＞ ､　　 　 ／,. -ﾍl 、
　　　　 　 　 　　　　　　'　' l／| ヽl: | ｀ ‐　'´　 〉 __l　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 |.:.:.|:.:.:.|∧　　　　 /彡,:.|　　|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /.:.:_ｊ.:.:‐￢l　　　 , ゝ／.:.|　　l-､
　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.へ　:.V＾ゝ　　/ / /.:.:.:l　 /⌒'ー
　　　　　　　　 　 ,　-―/／　　 ヽ ヽ‐.　 ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.

3207．

　　　　　　　　　　_灸ヽヾヽi ヽ｀´ﾞ´´｀ r -,
　　　　　　　　　　,>　,r´￣｀ﾞ´ツﾞ´｀´々, ´ﾞ;,
　　　　　　　　　彡;.ﾞ　　　　　　　　　　　ヾ,　ミ　　　　　　（この様子だと裁判所でべネデットが暴露したのかな）
　　　　　　　　.ミ . i!　,: =ニヽ、　 ,r=ニ=;,.　ﾞ;彡ｿ
　　　　　　　　;｀7/ﾞr∥_,r=-, i|＝|i´,r=ﾍ｀li,.　;彡>,　　
　　　　　　　　彡l ,:/ヾ_ﾞ _ ._ノ .|l|.ヾ=,. _ ノヽﾞ｀ミｿ　　　あなたが、これでわたしに対する負債を
　　　　　　　　i!ヽヾ´　　￣ /∠_ヾ、 ￣ヽ｀ ｀;/!ﾐ　　　　じゅうぶんお払いになれたこと、そして
　　　　　　　　liゝ| 　 　 　 |ｿ |三|ヽゝ　　ヽヾ|/.:i　　　　これからは、神さまもご満足くださるように
　　　　　　　　|l :.|　 ,r ,_　 ＿＿＿＿　 _, 7 ,i, yﾞ　　　　お祈りしようと思っていることをお耳に入れに来ました。
　　　　　 　 　 ヾ.l/　ﾞ ｀￣ﾞー===―｀￣ ´　ﾞ lｿ
　　　　　　　　 　 i//　,　.　　　 　 　 　　ヾ、ﾞ,!
　　　　　　　　　　ト、// /,.　.il||!.　,.　liヾ i!ｲ
　 　 　 　 　 　_,r┤　 ＞ 、i!ll|||||||lli!l.|l／.i!ト:、
　　　　　　 ／ﾞ　,／ﾞ￣￣トﾐー―ﾞﾉ￣ヾ:y,,|　 ｀ヽ、
　　　 　 ／　　 l::::::::::::::::::::i,　　 　 i!:::::::::::::｀il　　 　＼




　　　　　　　　　　　　　　l. :.:.:.:./:.:.:./: :.// :/:.:. :.:.:./:.///l:.:.:.:.| :.:.: .:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　': .:.:.:/:.:.:./ .:.// :/|:.:. :.:./:.////|:.:.:.:.| :.: .|:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　 ﾉ:l:.l:./ :.:.:/: // :/| l:. :.:./:.////　|i:.:.:.| : .:.|:.:|:l
　　　　　　　　　　　　　//|.|:.|　:.:.l:./A|:./l:| |: .:/:.////_..-|l:.:.:l :.:.:.l:.:.|:|
.　　　　　　　　　　　　ノ´ l:|:.| :.:.:.|ｒ=ｒz|l､ﾘ､| ./:.////_,r=＝ﾐ} .:.:.ﾉ:.:.|:|
　　　　　　　　　　　　　　 |l|:.lri.:.:.',仆-´ｨ ﾐ.l:,':///_,イｼ-イ ﾌ:.:./.l:..:.:lヽ
　　　　　　　　　　　　　　 i!|:.|',|.:.:.ヽ｀￢ '´ ﾘ i}/´　 ｀ ＝‐７:.:.//:|:.:.l|　　　　……その声は？
　　　　　　　　　　　　　　　ヽl|{ヽヽヽ　　　　 i!　　　　　　/／l´|:.lヽl
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　l:.l＼　　　 _｀＿　　　／ｲ:|:.l:l|:.l　｀　　　　ブゾー二司祭のお声ではないようだが！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }/|:.:.|＼　　─- ｀　,イ:.|:./l:.||l `ｰ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　l /_| ｀丶、　,　'　　|/|l| |:{ ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´ {ニニrﾆニﾆﾆ}ニニ}　`ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|∧: :| |: : : : | |: ∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ノ）)(,-.| |: : : : | |,-)( |
　　　　　　　　　　　＿　-─＝￣. : : 孑.| |: : : : | |（卅)＼
　　　　　　＿-─´: : : : : : : : : : : : : : :卞: : :| |: : : : | |: 干: : : ￣: :｀:丶 、

3208．

　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　 ／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　 |　　　 （⌒ ）（⌒）　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ﾊﾞｻｯ
　　　　　　　 |　　　　 （__人__）
　 　　　 　 　 |　 　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　そのとおり！
　　　　　　　　|　　　　　　 　 }
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾍミ|
　　　　　　　　／,`　、` -`,--` ,
　　＿＿,---/;;;;;`　　`-,-/ニﾆ |
　/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,＞、 /::l,_l･　,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::＜:::::::ヽ``l::::|　　|`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::＼|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/'　 `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l




::::::::::::::,:イfkァ.:::∠ミ 、V.:::／ ／.::::.:::: イ_＿__,／.::::／-‐　￢.::
.:::::::／ff　／∠　 　 vﾊ}イ ／.:::ィ7 /／.::::::／.:::::／-──‐ｧ.:::i
:::::/　 {L/／{{℃ik}}　vﾊ／.:::／ { ﾚ'/⌒`ｲ.::::::／_ ー──ｧ.:::/|
.::/　＼メ、　｀¨¨¨´ 　ｖ.:::イ 　　ゝ一ァ' /.::／ 　_xkｧ=＝ｲ::::ﾑミ
:/　　｀ ｀三≡＝=一ｚl.:／　　　　　/　/／　 ＞'"´ _ 　 _｣:/
′ 　　　 　‐ =＝ｧ斗 ´　　　　　　　 /L_　イ　　　 {{℃fL}{}
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　 /　 　ヽ、ヽ、　 ｀¨¨¨|l　,ｨ/　　　　モンテ・クリスト伯爵！！
、　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　 ＼ ｀≧xz＝{彡ｲ:
::ヽ　　　　　　　　 |　　 ､　　　　　　　　　　　　　｀　　　｀≧´.::::
＼l　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　ー=＝ニ二:::__::,:::::
　　　　　　　 　 /`　‐-　　＿　　　　　　　　　　　　　　　／.::::::
　　　　　　　　 ハ、　　　 　　｀丶、　　　　　　　　 　 ／.::::::::::::
',　　　　　　　∧_｣三三ニ＝‐ .､ ハ　　　　　　　　／.::::::::::::::::::
∧　　　　　 /三三三三三＝=三L｣　　 　 　　 ／／.::::::::::::/.::
/∧　　　　/三三三三／ 　 　 　　l　　　　　／イ.:::::::::::::／.:::::

3209．

　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）　　　　　　いいえ、もっと昔を思い出してください。
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　
　　 |　　　,.<))／´二⊃　　　　　　あなたはその昔、わたしに緩慢な死刑判決をお下しになった。
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃　　　　　　　あなたはわたしの父を殺し、わたしの自由、愛、そして幸福を奪った。
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉　　　　　　　　わたしはあなたによってシャトー・ディフに埋められた不幸な男の亡霊なのです。
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　　神は、その亡霊にモンテ・クリスト伯の仮面をかぶらせ、
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　　　　金とダイヤモンドで包み隠してくださったのです。
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|




: :.::::::/,'.:::/　/::/　 V ﾄ､.: .: |.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.: |　 ＼
:.:.::::/〃/　 .:::/　, イ::|　＼ ｌ.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:. |
: ::://::/　 /::/／ 彡ぅi冖Ｖ.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.ﾘ{:l
.:://::/　 /:／ｨf[_::::::_｣}　jﾉ.:.:.:.:/│.:.:.:′':,
ヾ.:::/｛_,.イ/ '弋::::V:::ノ　'/.:.:.:∧ | .:.:,′
' ／　　／ 　 ｰ-ﾆﾆ´-‐/.:.:::/　ﾉ}.:.:,′
　 :l　　　　　　　　　　 /.:.:::/　 人::.′
　 :|　　 　 　 　 　 　 //:::/ ／.:.:.::::{　　　　　おお……！君は……
　 :|　　　　　　　　　／ ｲ厂.:.:.::∧::|
　　　　　　　　　　　／ｲ.:.:.:.:. ﾊ{　'::|
-‐……‐-､　 　 　 ／ |.:.:.:.:./ }}　 ヽ
' -─‐-　｀ﾉ　　 ／|.:.:.:|.:.:.:/　″
　　￣　 　 　 ／　 |‐-┐:,′
､　　　　　　　　　／／ {:::{
ｰ`　_, イ -‐冖T_／: : : ljﾉ
─-----─┐ |: : : : : : |
　: : : : : : : : :|　|: : : :｢|: {

3210．

　　　 　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●
.　　　　　　　　　|　　　 　 （__人__）
　　　　　 　 　　 |,　 　　 　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　そう、おれはエドモン・ダンテスだ！
　　　　　　 　　 │ 　　　　 　　 ｝
　　　　　 　　　　 ヽ､　　　 　　ｿ
　　　　　　　 　 ｲ斗┴r┐｀ .;
　　　　／￣`ーゞ､　 /　|__ 〈ー─r､
　　　/　　　　　＼ ∨＼ 　|,ベ._ /　|
　　 ｛　　　 . : : : . ヽ＞ｰ＼[￣{ 〉＼|､_
　　　| 　 　 　　 ｀丶}＼　 __＼_]~∨'＼｀ヽ
　　　:|　　　._　　　　＼_}/r‐-}＼　ﾞ,`''く l　ﾞ,
　　　 ﾄ､: :./ ／￣｀` ぐ└f'二）::{　 ',　 | !,ゞ┐




.:./　　 /:.:.:.:./　　 }:..:.:.:.:./　　　　l:.:.{ヽヽ.:.',:.:.:.:.ヽ:.:.:| :.:.:|:.:.:.:.|:.:.:.:.|
./　　./.:.:.::./　　　l:.:.:.:.:/　　 　 　 !:.l　ヽヽ:.ヽ:.:.:.:',:.:l :.:.:l: .:.:.:l:.:.:.:.
´　　/:.:.／ 　 　 /.:.:.:./ 　 　 　 　 l:|　 ヽヽ:.:.ヽ:.:.∨ :.:.!: :.:.:.l:.:.: :.
　　/:.:./　　　　/.:.:.:./ 　 　 　 　 　l:!_,-‐ヽヽ:.:.＼:|: :.::.l: .:.:.:!:.:. :.:.
　 /:.:/　　　　/.:.:.:./　 　　　_ｪｨ=∠|!ﾆニ二＼＼:l: .:.:.! :.:.:.l:.:. :.:.
／／　 !　/ /.:.:.:./　　_, -‐=≠ニ￣:.ヽ　　　¨７ .l　.:.:! :.:.:.!:.: .:.:.
／ 　 　l|/ /:.:.／=＝∠才､__／孑:.:.:.:.｝　　　/　l　:.:/ :.:./:. :.:./:.　　　　　エドモン・ダンテス！！
　 〉　　i| /:.:./＜_／¨　l:.:.:.:.:.:.ゝ‐':.:厶ﾉ　　ノ ノ/ .:./ :.:./:　.:./: :
／　 ＼_/:./　 ／ - ､__ ＼_:.:.:.:.:.0:.:／　／　　/ :./ .:.:/:. :.:./: :　　　
￢ 　　/:./　　　¨￣｀冖 ￣￣￣￣￣ 　 　　/ :./ .:./:.: .:./: : :
　　|　/:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ :./. :./:.:.:.:./: : : :
_　┴､/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ :./. :./:.:.:.:./: : : : :
: : : |: : :｀　‐- ､　　　　　　　　　　　　　　/:.:./ :.:/:.:.:.:./: : : : : :
: : : |: : : : : : : : : :￣｀ ─--､　＿＿＿　/:.:./ :.:/:.:.:／: : : : : : :
: : : | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /／/ :./:.／: : : : : : : :

3211．

　　　　　　　　　　　　／.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　 　 　 　 　　　 /: .:.:.:./ ..:.:.:.:.:./:.:.:.:.: .i:. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　':.: .:.:./　.:./.:.:/:.:.: .:.l .:.l:.: .:',:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　 　,'.:.| :.:.l. :.:.//:/:.:.,':.: .:|:.:.:!:.:. .|:..:.:.:.:.:.:|
　 　 　　　　　 　 /:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
　　　　　　　　　/ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:.///　_ヽ:l:.:.|:.:.:|'.!
　　　 　 　　　 / /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ
　　　　　　　　　/´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､　　　　　　　こっちに来てもらおう！！
　　　　　　　　　　 |:.{ヽヽ:ヽ ￣i!´ﾘ　,' 　　￣ //ｲ:.l'.!
　　　　　　　　　　 ヽ! ヽ:.l:ヽ.　　　　i!　　　　/':.:.ﾊ:.| ヽ
　 　 　 　 　 　　　　　　l:.|:.:.＼　　!ニニ!　／l:.:.|　',{
　　　　　　　　　　　　　 ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ　　　 　　　　　_　-‐　'￣}
　　　　　　　　　　　　　　 ／ 艸 | |: : : : | | 圸｀ｰ---‐´￣￣￣: : : : : : : /: :￣¨}＿＿＿＿＿
　　　　　　　　_　-‐ー‐ ´: : : 丱 | |: : : : | |: :卉: : : : -─＝ : : : : : : : : : /: :/／: : : : : : : : : : : :
　　r──'￣: : : : : : ＼: : : : : : : } }: : : : { { : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : /´: : : : : : : : : : : : : :




　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　 ＼　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 .（●）（● ） 　u.　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　u　 　|
　　　　　　　　　　　　.(｀⌒ ´　　　　　|　　　　　　？あ、ああ……
　　　　　　　　　　　　 { 　 　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　{ 　 　　　u.　/
.　　 　 　 　 　 　　＿＿＼　　　　 /ﾘ 厂`'‐- .._
　　　　　　　　　／ :　　: :介ｰz＜__｣// |: : : : : : :ヽ
　　　　　　　 　 | : : : : ::〈　｢｀乂/ 　/ 丿: : : : : : : |
　　　　　　　　　| : : : : : /: |　{::::}　/ `7: : : : : : : :│
.　　　　 　 　 　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |

3212．

【エロイーズの寝室】

／/:.:/:.:.:/　　/:.:.:.:.//　　　 ／／ 　　　　　　 _＿＿＿_l:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:
:./:.:./:.:.:/　　/:.:.:.:.//　 　／／ 　, -‐=´￣￣　＿---- ヽ:.l_'.:.:.:.:.:.:.:
/:.:./:.:./　　/:.:.:.:.//　 ／／__∠　_,-ｪr＝￢￣ヾ ￣｀─､::',|::ヽ:.:.:.:.:.　　　（二人の遺体を見せる）
／,':.:./　　/:.:.:.:.// ／／ ,--'￣: : : : : : : : :|i: : : :ヽ　　　　¨|::::lヽ:.:.:.:
　/:./　　/:.:.:.:.//-‐=´／／ : : : : : : : : : ／/: : : ',::::! 　 　　}::/　∨:.　　　さあ見てもらおう！
./:./　_r/:.:.:／/／ .／／:ヽ ヽ_ :_: :___:／／: : : : :l::::}　　　/:/ 　/:.:.:.
:./二-/:.／//　 ／‐´ : : : : ゝ7（::）l┌: ´: : : : : : /::/　　 /. '　 /:.:./　　　　これで気が済んだか！！
/三‐/:/　//_／l::| : : : : : : : ｛ .{___}. ｝: : : : : : : :/::/　　 /　　 /:.:.//
-─/:/‐'//　 　 ',', : : : : : : : :.＼_／: : : : : : : ノ／　　ノ　　 ./:.:.//:.
　 /:/　//＞─--⊂ニﾆﾆ＝==､＿__⊂ニニ￣￣,つ　　　//://:.:.
　//＿/---＝ニニﾆ¨￣￣￣｀　─-　　　　ヽ.'./　　　　//://:.:.:.:.
／-‐./　　　￣ ｀ ─- ､ 　　　　　　　　　　　　| |　　　　//://:.:.:./:.
　 ／　 　 　 　 　 ` ‐､ ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 | | 　 　 //://:.:.:./:.:.
／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l　　／/://:.:.:./:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　／´/:.:.:./:.:.:.:




　　　　　　　 　 　 　 , ｎ　／￣￣＼ .ｎ
　　　　　 　　　　 .　/ / ｊ.´_ノ　 ヽ、u'l lヽ、
　　　　　 　　　　　/,ｲ /　（○）（○） .ｌ i i i
　　　　　 　 　 　 〈 .ｒ　{u　（__人__）　.i. } } 〉　　　　お、おお……！？
　　　　　　　　　　', ｉ. 　',　 　｀ ⌒´　/ 　 /
　　　　　　　　　　 .i　 　l.　　　　　　,'　 ./
　　　　　　　　　.　 ヽ､_.ｲ、.　　　　人　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　〈_ノ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　.／
　 　 　　　　　　　　　　　|　 　 . 　 |

3213．

　　　　　　　　　 　　,, -─- ､._　〃"
　　　　　　　　"ミ ／　　　　　　ヽ
　　　　　　　 　　 | u　 ノ 　ヽ､　 |
　　　　　　　 　　 |　（●）（●）　 |　　　　　（これはおれのやるべき復讐だったのか？いや、それよりこの子を……）
　　　　　　　　　　|　 （__人__）　　|
　　　　　　　　　　ヽ　 ｀⌒´　 J ﾉ
　　　　　　　　　　/　　 　 　　 ヽヽ,　） ）"
　　　　　 "（ （　（　ヽ　 　　　／.／



　　　　　 ――　[] ]　　　 ／￣三＼
　　　　　| ｌ￣ | | 　　　／　　 ＼三/＼
　　　　　|_| 匚. | 　　三　　 （ ○） （ ○）
　　　　　　　　| | 　　三　u 　　 （__人__）
　　　　 　　　 |_|　　　≡　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　 　　　　　　二 　　　　　　　}
　　　[] []　,-　　　　r⌒ヽ　　ｒヽ，　　}
　　　　 ／／　　　三　　　　i／　|　ノヽ
　　　匚／　　　 　三　 　三　　 /　　　 )≡
　　　　　　　　　　 三 　三　　／　　 ／≡
　　　　　　　　　ﾆ三　　　.／　　　／
　　　　　　　　二≡､__.／　　　 ／､⌒)

3214．

::::::::::::::,:イfkァ.:::∠ミ 、V.:::／ ／.::::.:::: イ_＿__,／.::::／-‐　￢.::
.:::::::／ff　／∠　 　 vﾊ}イ ／.:::ィ7 /／.::::::／.:::::／-──‐ｧ.:::i
:::::/　 {L/／{{℃ik}}　vﾊ／.:::／ { ﾚ'/⌒`ｲ.::::::／_ ー──ｧ.:::/|
.::/　＼メ、　｀¨¨¨´ 　ｖ.:::イ 　　ゝ一ァ' /.::／ 　_xkｧ=＝ｲ::::ﾑミ
:/　　｀ ｀三≡＝=一ｚl.:／　　　　　/　/／　 ＞'"´ _ 　 _｣:/
′ 　　　 　‐ =＝ｧ斗 ´　　　　　　　 /L_　イ　　　 {{℃fL}{}
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　 /　 　ヽ、ヽ、　 ｀¨¨¨|l　,ｨ/　　　　おお……子供をさらっていきやがった！
、　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　 ＼ ｀≧xz＝{彡ｲ:
::ヽ　　　　　　　　 |　　 ､　　　　　　　　　　　　　｀　　　｀≧´.::::
＼l　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　ー=＝ニ二:::__::,:::::
　　　　　　　 　 /`　‐-　　＿　　　　　　　　　　　　　　　／.::::::
　　　　　　　　 ハ、　　　 　　｀丶、　　　　　　　　 　 ／.::::::::::::
',　　　　　　　∧_｣三三ニ＝‐ .､ ハ　　　　　　　　／.::::::::::::::::::
∧　　　　　 /三三三三三＝=三L｣　　 　 　　 ／／.::::::::::::/.::
/∧　　　　/三三三三／ 　 　 　　l　　　　　／イ.:::::::::::::／.:::::



………

……

…

3215．

【およそ１５分後】


　　　　　　　　　　 　　　_________
　　　　　　　　　　　 ／　 　 　　 'r r.r.r.i
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 | | | | |
　　　　　　　　　　/　　　　　u　 .ﾉ.ﾉ.ﾉﾉﾉ
　　　　　　　　　 ﾊ_ノ　 ヽ､__　 /　　　/ﾉ　　　　　　　　　　　ああ、手遅れだった……
　　　　　　　　　/ (●）（● )　.(　　 　l ヽー―ー-､
　　　　　　　　/　 .（__人___）　 ﾑ　　 ｲ　 　　r　　　　ヽ
　　 　 　 　 ./　　 / ヽ`⌒´　　 |　　 .l　 　 /　　　 　､ l
　　　　　　/ 　　 / 　八_ ､__ ／l　　　| 　 ,'　　　　　 l 　l
　　 　.　 /　　　,'　　　　　　　ヽ|　　　|　ﾉ　　　 　 ﾊ　　 l
　 　 　 /　　　 .l　　　∧　　　　|　　 　ﾚ'　　　　 ノ　 　　 l
　 　　/　　　　 l　　ノ　　ヽ 　　|　　 　 |　　 　 ﾉ 　　 　　 }
　 　∧　　 　 / ,〆　　　　 ﾍ　 l　　　　　　　, '　　　 　　　l
　　　 ヽ､＿,ﾉ'´　　　　　 　　ﾍ .l　　　　　　/　　　　　　　 ﾉ




　　　　 　＿＿
　　　 .,／,-､　 ＼
　　／ ﾉ:/　ﾉfヽ.. ＼
　　|　/:/　/...|　|　　|
　　l　ﾚ　./..ノ .,''´}　i　　　　　　おお、召使いさん、ヴィルフォールさんはどちらに？
　　l　　　' ´ .〃 /　|
　　ヽ.　 　 　.　〈　.ﾉ
　　　 ＼.,_　　._ﾉ /
　　　 　/　　/　 ヽ
　　　 ./　　/　　　|
　　 　i　.／　　.　 |

3216．

＼＿ノ　　＼＼ ヽ/　 / ／,.　-ー-　　ー-ミ_ ハ
　 ＼::::::::::::::...＼＼ヽ // ／::_;::ー:､__＞ミ､─' ノ::ヽ
　　　｀ 　 ＝ｧ::::＼ Y{/∨／__／＼＼　ヽ;::＼:＿_丿
、　　　／　　 ..:｀ヽ::|l;::ヽ＜′　　　＼＼ ∨／::/
:::ゝー/　　..::彡ーｧ´~　　＼＼ ､ ､ 　 ヾ}.__}／:/
＼{ 〈　　 .:/::/　〃　　 u 　 ＼', 〉 〉≧彡く|:::厶-─-　､
　.:＼＼　 {:::{　 |Ｌ ＿ ,.ィ≦ミキ　l　,ィ;:) 〉 ト〈 　 　　 　 ＼
＼　　..::ヽ:::人　|| 　 二二ミ､　}}　|/ ー '　 |　ヽ 　 　　　　 ＼　　　　　……（無言で庭を指さす）
＼＞､::＿ノ |:|　||イ´　(:) ﾉ〉 } ﾘ　ヽ. 　　　 ｌ　　 ＼ 　 　 　 　.}
　　 ゝ-彡'　|:|　|| 　｀二彡' 　 　　　､　　　∧ 　　　', 　　　　 ,'
　　　ヽ::::＼ ｿ　ﾍ 　 　　/　　　　　　〉 　 /　',　　　 } 　 　　 /
　　　　 ＼::::ヽ　　　　　　　　　　　　′　/　　l　　　 ｌ　　　 /
　　　　　　＼::::＼　　　　　　　　,. ｰ _ﾌ ,'　　｜ 　 　|　　 ./
　　　　　　　 ＼:::::ヽ 　 　 　∠　-‐　　 l 　 　 　 　 /　　/
　　　　　　　　　＼::::::＞ー-　､ 　 　 ／　　　ヽ　　　　 /
　　　　　　　　　　　｀＞､:::::::::／￣ ´〉/　　　　 ',　 ＿〃
　　　　　　　　　　　　　　７:/ 　 　／/ 　　　　 } }´:／




　　　　　　　／￣￣＼
　　　　 　／　 ＼　 　 ＼
　　　　.（●）（● ） 　u.　|
　　　　 （__人__） 　u　 　|　　　　……え？
　 　　　.(｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　{ 　 　　　　　　|
　　　　　 { 　 　　　u.　/
　　　　　　＼　　　　 /
　　　　　　ノ　　　　　＼
　 　　 ／´　　　　　　　　ヽ

3217．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｻﾞｸｯｻﾞｸｯ
l { 从　ゞミ､{ __,.. ）ノ}/、 ）イ　从　圦
从　仆rゞ￣_.　　　 　 ._ `＜彡ｲ　从ﾊ
l 人 圦 _.二z　　　 　 z二._　 ﾅ　人＼}
l:::ノ::个/f:::し:}　　　　 {:::し:ﾊ ム∧:::ヽ::＼
|__::{^ヽ　ゝ-'′　　 　 ゝ-<　/　)ハ:::::}ｨ'′
ﾄ､`ﾄ､_ｭ　　 　 　 '　　 　 　 /ィ今リ／
|`　{ i　l＼ 　 　 '=`　　　,.ｨ′川　 ﾉ　 |
|　 ﾊ| ！ 个:.､.._　　_..ィ灸jﾉ_ﾉノ 〃　ノ
|㌢ f!　| _,ィ=ﾐトv-=彡'::::::::⌒＼ｲ从（
|　　l ,.イ{::i::≫rゞぐ７::／..:::::::::::〈`宀^｀
|x㌢＼:i:::::|　　 　 rf::::::／⌒ヽミj
| 　 　 ド-さ__x＝ミV/　　　 　 从
| 　 　 ∨;;//;,; : : :ﾉ〈　　 　 ／,小
ﾄ、　　　`Yﾊ⌒: :〈　ﾉ　 　 　 /　八



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｻﾞｸｯｻﾞｸｯ
.　　 /三三三三三≧―― -､ﾄ､三三三ミヽ
　　/三三三三三ﾂ´　ｉ　　　　　｀ヾﾐ三三ミ}
.　 {ﾐ三‐､‐､:三７' 　 ノ　　 　 　 ､　 ｀"´　ｉ′
　　',ミﾘ　ヽ ヾﾂ　　　　　　　 　 　 ､　 /　 l
＿　ヾl ｉ‐ 〈　　　u　　　 ￣｀ヽ.　　　ｉ /　　 !
:三:≧:}ﾐヽ　}　　　　　 ヽ._￣｡ヾ ､_ﾉ }∠.,/
彡´￣|:∧__ｉ　 {　　　　　　 ﾆﾆ､　　.'ー' .!
　 __,.ィ′　 |　 ヽ　 u　 　 　 　 　 　 |　　,'
／／ !　　　l　　　 　 　 　 　 , 　 　 | ／
:.:.:|　 ヽ　　 ヽ.　　　　　,._＿__ ｰ ､　j'
:.:.:|　　 丶　ｉ　 ｀　､　　{ヽ＿ヾ 7 /´
:.:.:.l　　　 丶!. 　 　 ＼　｀ー‐‐'　ハ
:.:.:.:l 　 　 　 丶　　　　ヽ ＿＿ノ､:.:ヽ.._＿__
:.:.:.:.l　　　　　　 ＼　 ノ　　 |:.:.:.:.:.丶ー―‐:´￣｀:..､
:.:.:.:.:.:､　　　 　 　 /ﾆﾆ＼ 　l:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:＼
:.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　,.ｲ::::::::::::::lヽ l:.:.:.:.:.:.:.:.__:＼:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:ヽ

3218.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ:;:;:;:;:;:;:;::ヘ､,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;｀ヽ　　　,-- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,, ノ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ ''''''t__,ソ´
　　　　　　　　　　　　　　　,,　 ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i､:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　 ＿＿ ｨ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|:;:;:;:;i　｀k:;:;ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;i:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;ﾄヾ､
　　　　　　　　　　　　　 /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;:;i　 ∧ヽ､ ヽ:;:;:;:;:;:;i､:;:;:;::;;:;:;:;:;:;ヽ　 ｀ｰ
　　　　　　　　　　　　　|ｲ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|:|:;:;:;:;i　/ｫｭｭｯｬ　｀i ﾐ:;:;:;:;iヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　　　　|:;|:;:;:;:;:;:;:;|:;:;:;::|ヽ:;:;:;∨ｶ　　　ヾ　|rヾ:;:;j　 i:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ､___
　　　　　　　　　　　 ／|:;|:;:;:;|:;::;:;|:;:;:;;､ 丶:;:;:i jj（｡）.　´　j　ﾉ:丿　iヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;zｰ-
　　　　　　　　　 ／: : : |:;|:;:;:;|:;:;:;|::|:;:;;|ヽヽ､::ヽ　彡　　　 ﾉノ　l´ i　i;;ﾄ､　　tﾆ=ｰ＿
　　　　　　　　／: : : : : |:;:;:;:ﾄ:;､ | y:;:;|(｡)ヽ､｀ヽ　　　　 ノ　　　l　　 ii　 ,ヽﾄ､ﾐヽ､: :　　　　ここでもない……
　　　　　　 ／: : : : : : : : ＼f　ヽ､ ヽ::|彡ﾉ　ヽ　　　　　　　　 /　　　, ';;;;;;;'　j: : : : :
　　　　　　/: : : : : : : : : : : ／　　　 ＼'､ヽ　　_ノ二二ヽ　　 /　　 , ';;;;;;;;' 　j: : : : : :　　　　ここでもない……
　　　　 ／: : : : : : : : : : ／　　　 　 ／: ヽ､｀ｰｰ==─'´　 ／　　 ,';;;;;;;;;;;' 　j: : : : : :
　　　／: : : : : : : : : : ／　　　　　 /: : : : : : ｀ヽ　　 　 ／￣｀ﾄy';;;;;;;'''ｿ　　j: : : : : : :
　　 /: : : : : : : : : : : ﾉ＿＿＿,,〆´: : : : : : : : : :ヽ...／: : : : : ヽ､;;;;;!　ヾ.　 j: : : : : : :
　／: : : ´￣￣￣￣´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｿ´l　 {　j: : : : : : :




　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　　　　　　　　　　|　　　　 （__人__）　　　　あなたは、息子さんをお亡くしでした。
　 　 　 　 　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　 　 　 　 　　　 |　　　　　　 　 }　　　　しかし……
　 　 　 　 　　　 　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　 ヽ､.,＿＿ __ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::

3219．

:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:| .|:.:.l l:.:.l l:..:.:.:.:.:./ _／.l:l　　_ ,>斗ﾐ:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.|:.:.:.:i:.:.:| .|:.:.| |:.:l..|:..:.:.::.ｲ 〃　/ ニｨ彳弋ミァ|:.:.:.:.:.:.:i:.:
:.:.:.:.|:.:.:.:|: ├乂≧::|=|:.:.:.:/:i''" . /　彡ｲ.-v;;v-) .|:.i:.:.:.:.:.|:.:
:.:.:.:.:V:.:.|:i: |ニニミ:l　|:.:./i/ 　 / ／　 ゞ::::V:::ﾉ=ｲ:l:.:.:.:.:|:.:.
:.:.:.:.:.:V:.:.ﾊ:ﾄ－＝=ミ.|:/　　／　　　ミ≧ニ＝" //:.:.:.::|:.:.::
:.:.｀:;:.:.V:.Yﾍ/　(:::) .斗i　　},　　　　　　　　　　//i:.:.:.:.:|:.:.:.:　　　　おお、きっと見つけて見せますぞ！
:.:.:.:..ヾ:.:.:.:i　弋;;;;;;ィ彡　　 |　　　　　　　､ 　 // .|:.:.:.:|:.:.:.::
;:.:.:､:.:.:.＼:.'､＝''´　　　　　ヽ _　　　＿ ノヽ　/　.|:.:.:/:./:.:::　　　　たとえ最後の審判の日まで探すことになっても、
ヽ:.:.:ﾄ､:.:.:.:＼　　　　　　　 　_　-''´_..-''´｀::i　　./:.:/:.:/:.:/::　　　　きっと見つけて見せます！
　＼乂:.::.:.＼＼　　　 ､_ ｨニ-::'':´:::::::::::::::::l　 //:/:.:/:.:/:.::　
￣￣＼/＼:.:.ミ≧=-　　ヾ:::::::::_ィ''´￣￣/　 ./:.／.i:./ |:.::
　　　i:./＼ .＼:.:.ヾゝ　　　＼:/　　　　　/　 ./〃/ ../....|:.::
　　　lﾘ　　　　ヾ:.:.:＞..､　　　＼＿＿／, 　 ／ｲ　./,＿|＝
　　　iｌ　　　　　 ＼:.ﾊ:.:.:＞...､　　ー= ''´　 ／　　ィ´:::::::::::
　　　　　　　　　　 i:l　V:.:.::.:.:..i＞..､￣　／::;ィ彡:::／ }::::::::
　　　　　　　　　　 ﾘ　 V:.:.:.:./l::.:.:.:.:.＞ｲ／／　il/　　i::::::::




　　　　　／￣￣＼
　　　 ／　　 _ノ　　＼
　　　 |　　　 （ ○）（○）
　.　　 |　Ｕ　　 （__人__）　　　　　　　　　　　　おお……！気が違ったのだ！
　　　　|　　Ｕ　　|r┬-|　　彡
　.　　　|　　　　　｀ ⌒}　　　彡
　.　　　ヽ　　　　　 　 }
　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　／　　　　 ＼
　　　　/ /＼　　　/￣＼＿＿＿＿l⌒l
　　 　 |　|　 ＼　/　 ヽ　＼_＿＿＿＿|
　Σ(⌒ノ　　　ゝ　　　 ＼＿_）

3220．

　　　　＿＿
　　 ／ノ　ヽ＼
　／.（○）（○）＼
　|. u.　（__人__）　|
.　|　　　　　　　　|　　　　　　　　（おれの復讐は……本当にここまですべきことだったのか？）
　 |　　　　　　 　|
.　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　 ヽ　　　 　/
　　　/　　　　ヽ
　　　|　　　　　|
　 　 |　 　 . 　 |




　　　　　 ――　[] ]　　　 ／￣三＼
　　　　　| ｌ￣ | | 　　　／　　 ＼三/＼
　　　　　|_| 匚. | 　　三　　 （ ＞） （ ＜）
　　　　　　　　| | 　　三　u 　　 （__人__）
　　　　 　　　 |_|　　　≡　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　　そうだ！もうこれで十分なんだ！
　　　　　　 　　　　　　二 　　　　　　　}　　　　　最後の者だけは助けなくては！！
　　　[] []　,-　　　　r⌒ヽ　　ｒヽ，　　}
　　　　 ／／　　　三　　　　i／　|　ノヽ
　　　匚／　　　 　三　 　三　　 /　　　 )≡
　　　　　　　　　　 三 　三　　／　　 ／≡
　　　　　　　　　ﾆ三　　　.／　　　／
　　　　　　　　二≡､__.／　　　 ／､⌒)



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（第５７話『ヴィルフォール家に最後の悲劇が訪れるようです』了）

>>前スレ978
＞月が囚人達に送った合図ってどういう意味があったんだろうなあ…

『口をきくことの許されない盗人仲間で、まさに幾千の合図に匹敵するところのものだった』
『みんなはすぐに、彼が自分たちの仲間であることを見てとった』

とのことなので、『合図を知っている』こと自体が仲間の証として重要だったようです。



>>4-6
そういえば宇宙論のホーキング博士もその病気（※異論あり）でしたね。

>>7-10
傍観者だったカドルッスも積極的なターゲットじゃありませんでしたね。
罪を犯した上に司祭を襲ったので、ああいう結果でしたが……




ではまた来週……

乙でした。
罰を受けて当然の連中だったが子供まで巻き込むと若干後味が悪いね。

乙

エドゥワールは完全に巻き添えな貴ガス

当初の伯爵はヴァランティーヌが毒殺されたってどうせヴィルフォールの
一族なんだから気にしないぜというドライな態度だったんだよなあ。
伯爵からの扱いの差にヴァランティーヌ涙目ｗｗ

バロワこそ真の巻き添え

乙。
やっぱり、ここが心に来る。

マリー・ヒリーってエロイーズだな