あらすじ

主人公は50近くのおっさんです
エリートから落ちぶれたヤラナイオが、かつての自分を取り戻すために
奔走する物語となります


やる夫スレは初となります
まだまだ拙いですが、ご容赦ください
ネタばれも無しの方向でお願いします


それではごゆっくりお楽しみください
スタート

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII










　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やらない夫はフランスで離婚弁護士となるようです



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　原作　佐藤賢一／王妃の離婚












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注意書き


・歴史上の実在人物が本人名義で多数登場しますが、性格等の改変については
あくまで創作上のものとして見ていただけるとありがたいです

・歴史的事実に関して間違いは極力無くすようにしていますが、
残念ながら作者自身不勉強のため（高校程度の世界史の知識＋ｗｉｋｉ程度）突っ込まれると詳しくは返せません
年号が違うなどありましたら、出典を明記の上教えていただけると助かりますｍ（＿＿）ｍ

・内容は離婚（＝夫婦生活）をメインとしているため、下ネタ多数ですｗ
エロというより下品な物言いが飛び交うため、苦手な人はご注意を


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フランス外略図


　 　 /　　　´7　　　　　　　　　´-´~ヽ,　　　　　　i‐､ ）
―‐´　　　, -´　　　　　　　　 　 　 　 !　　　　　 ﾉ　 ´　　　 ;
　　　　　!__､-､　　　　　　　　　　　／　　　　　/--‐―‐ヽ､''
　　　　　　　 ＿二っ　　　 　 　 く´_,,　　　 ,／,,,,,;''''"''';,,,,,; i､
　　　　　　i`´　　_　　_　　　　　　 ノ ,,- ‐;´,,,　　　　　　,,;　ヽ,
　　　　／´-､　i´　`‐` ~`´~~~~~´　 |ｶﾚｰ 　 "';,,,　　　　 ";　ヽ,
　　　 ~`´　　`´　　　　　　　　　　_,,ﾉ　　　　　　　;,,,;';　　;'';　　`‐-､
　　　　　　　　　　　　i--､　　 ／´　　　　　　　　　　 "';,,,;,,,',; 　　　）
　　　　　　　　　　　　 `i　"‐-´　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 "''''''''/
　　　　　,-―‐~~ヽ,,,--!　　　　　　　　　　ﾊﾟﾘ　　　　　　　　　　　/
　　　　　つ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｼｮｰﾓﾝ 　　i
　　　　　`‐`‐i＿　　　　　　　　　　　　　ｵﾙﾚｱﾝ 　　　　　　　 |＿,,,,-､,,,,,,
　　　　　　　　　 ヽ,,,ﾅﾝﾄ　　　ﾄｩｰﾙ　　　　　　　　ﾃﾞｨｼﾞｮﾝ　;''''"　　 　 （
　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　ｱﾝﾎﾞﾜｰｽﾞ　　　　　　　,;"　　　.,,-‐´
　　　　　　　　　　　＼,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;"
　　　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;''"';,,
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘﾖﾝ 　.　';",
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,;'
　　　　　　　　　　　　　|ﾎﾞﾙﾄﾞｰ　　　　　　　　　　　　　　　　　"'; 　　　,,,
　　　　　　　　　　　　　!　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　.　 ;,,,　 ,i´　~｀‐ -,
―､,,_　　　 ,,　　　　　ﾉ　　　　　ﾄｩｰﾙｰｽﾞ 　.　　　ﾏﾙｾｲﾕ 　　 ,-"‐´　　　　　 ｀i
　　　｀ ―´ ｀ ‐--,,ノ,　 　　　　　　　　　　　 ,,／｀―‐､　　　/´
　　　　　　　　　　　　";,,,　　　　　　　　　　 |´　　　　　｀ ‐‐´
　　　　　　　　　　　　　　"''';,,,,,,,,,;''';,,,,,,　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"'''''"'}

～プロローグ～


1478年　パリ


_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_ｌ二二二ｌn_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
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森森森森森森森森п森::::::....∧Ａli;'iﾞiﾞl'i,::;...;;.;;ii:i;;:ili､_,i斤il］il］ ,,,,,__i;;ii:i;;ir=ュ;;;;;;;;,,,,,,............n........
ヮ,'l㌍l､lﾟi: :.lＡﾞilｌ#｢ll!l;l㌶ni|』┌==┬─ii┐.,,'#ll,』 |.lll,,т㍑iﾞiﾞlｪli;'ｭｮｮｮﾞilｌ#‐｢ll!l;li+;;ii: ;rﾍ∧凸;;;;;;
田┐工ユE∧ヰＡ┌─≡─!杢卦士⊂ﾆ⊃;:::┌┐;;;;;;;:::,,,,,ﾛ卅ﾕ鬥H出Tエニ斤彳∟凵Ξ|田
=,ｨ'⌒ﾆﾆｴﾆﾆil］1lｰ-i］__森森森森＿ﾄﾛﾛﾛi|::rーilil==┬≡┐|￣|─r‐┬||irr-､v冖v"|l巫］||斤
､_|il］il］_三rー|￣￣|─r‐┬|iΠп/＿＿＿_/|　 |､＿＿＼|￣冂ПーГ┬┬ヱ￣|─r‐┬|Π
／三三三|￣≡≡￣|／二三　 　〉＝===Π/　 ﾞ.ﾍ_===＿＼_ |FF|ﾆ|i￣￣i| ／⌒＼ ／二三
/二二 ／∧￣∧＼ 「￣￣￣／「￣￣二二|j　　ﾞ、＿三＿＿|　 i|三三三三|i　|二二!　三＼
＿＿,,．‐',. ‐'i| 田|「| | 田,. イ＿＿_／´|　 　 |　　il　　 |＼ ＿_］　Πпｒ―.､=ﾆ二＞､||　田　|
ェェェ=‐´ 田|/二ﾆ,ハ_,．-_‐＝_二ｌ　　|＿＿|　　'|＿__| 　 |l二ﾆ‐- ､ ,,_丶、｀ ‐ ､_,,..．> ＿＿_
≡≡＝==> ,. - ‐''´‐ '' "´i i i i i i i| ／ 　 　 　 　 　 　 ＼ |l i l i l i｀''ｰ-.､｀、‐-､|皿皿|丶、＿
ニ―-┐γ´　 r''´i i| i| i_l⊥l,．-‐''´ 　 　 　 ::'' i ''::　　　　　｀''‐-．l l_i l| i| il|｀ヽ、｀ﾞヽ、　 .vi==
_,,..． -┤ゝ、＿ﾞ丶i,''"´　　　　　　　　＼　 .:'　 :i:　 ':.　 ／　 　 　 　 　｀ヽl| il| i|ﾉ　　　）、　|! ﾛ
　　r┐:|-‐''´／|＿ `ｰ-ｧ―ｧ、　＿　　　|圭圭圭圭圭|　　　＿ 　 .＿,,..．-‐''´　　_,.イｊ:::丶| l＾
」　.i__| :|_,,／n　|　 ／ /　／ ||　　　　　 ￣￣￣￣￣￣　　　　　　|ヽ　　._,,.．-‐<´-‐||:::::::::ヽ!
　　　　:|　| / ヽ|／∧’／ / ｉ||　　　　／　　　　　　　 　＼ 　 　 　 |丶＼ ＼ | | | 川 ノ::::::::::::::ヽ
-‐　 ／||￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣||＼
　 ／川||＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿||川
／川 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼

カルチェ・ラタン※

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※カルチェ・ラタン
セーヌ川左岸に広がる一帯で、パリ大学をはじめ多くの大学が集まる学生街
語源はラテン語が響く地域という意味から

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┃.　.　 ヤラナイオの下宿　　┃
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　|　　　 　 （ ●））　　　　　なぁ
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　 |　　　　　 　｀⌒ﾉ　　　　　結婚しよう
.　 |　　　 　　　　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
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　　　 ,' ⌒ﾊヽ、,_r　-　－¨⌒`へ　_,、,ﾊ⌒　、
　　 ﾉ....:::::::::.%〃:::::::::::::::::::::::ﾍ::::::::::::ヽ`ヽ:::::::::::ﾊ
　　i...:::ｨ::::∧::::::::　　::_::::::::,::::ﾊ:::::::::::ヽ:ヽ ´丶:/:i
　 ﾄ..:::/::/::|/:::　　:/´:::::::::ﾒ:/ヽ:::i::::::: :ゝ:::ヽy::::::::i
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　{.: 〈jYyﾉ::/::::ｲ:::::::::::::::::/|/　l:::/l:::/l::::::::i:ヽ::l:::〈
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　　　　　　l:/::::l;::/.ﾚl/,.　　　 l/ ,l;_　l:::,::::l:::!　　 ヽ）
　　　　　　ﾚ∧:j:l"弋ラ``　 " ﾋラ``ﾚ::i::l:Y　　　　　　・・・・・・
　　　　　　　|/::ハ''''　　　　.　　　''',!ﾉ:l:::l:/
　　　　　　　!/:::::｀ﾄ　　　　,、　　, ':::/|:::i:|
　　　　　 　 l:::,':::i:::;;ｌ:`r 、_　, イ/:::/:::|:::i:|
　　　　　　:l::l/:::::l/:l;l:::l 　　　　|l::从:ﾉｌ:.:.V
　　　　　:::/ ...;;::::l:/l::l:{ヾ、　　_ ｿ/￣/'ヽl:.::ヽ,
　　　　　/'l..,ｨ'´‐∧　ゞi ﾍ-‐-ｲ/　 /　　 ｀ヽ、
　　　 　/:.::{ ゝ ヽ　 '⌒`Ｖ＾~＾Ｖ⌒ヽ 　 /　i/ 'ヽ





　　　　　　 , ⌒ﾊ 　　　　　　　　　 ﾊ⌒ 、
　　　　　　j:::::::::ヽ ,ﾍ^ ⌒　Ｙ ⌒ヽ/ .::::::::i
　　　　　 ﾉ:::::::::j（ﾉ ..::::....::::..:::: ::. .ヾ)':::::::::::i
　　　　　 ﾙ:::::ﾘγ::..:::::..:::...ﾍ、: : : :: ﾉy:::::::ﾘ
　　　　　　Yyﾉ ﾉ :ﾉ...:ﾉ　ノ　　ヽ ::::::） ﾙﾘﾉ
　　　　　　　　 ﾘ::::::(　（ ●）　(●::（　　　　　　　　　　　別に今のままでいいわ
　　　　 .　　　　ﾊ::::ﾊ 　,,　 r‐ｧ　ﾘ） )
　　　　　　　　　 ） ) ）、 　 ￣ノくﾊ（
　　　　　　　　 （,（.(　' ﾍ　　 い ﾉ:::））
　　　　　　　　 ノ/）` 　 ヾ　ｿ￣（( 、
　　　　　　　　　,' 　 ﾉ　 　 Ｙ　　　　Y
　　　　　　　　　l:　（　......　　 　..... 　i
　　　　　　　　　lヾ. .. ::::::::　　　::::: .ノ

　　　　　　　ｨ'::￤
　　　　 ／:::::::::::l_　_ 一ィ'ﾍ斗､ｲl　　　　　、
　　　　':::::::::::`7 /::::::::::::::::::／:::::::lヽ､　　　　 ),
.　 , ':::::::::::::::ィ-:::Y´::::::::／::::::::::::::::::::,l　　彡
　〈::::::::::::::::::i:::::::::!:::::::::/::::::::::::::::::ｹ::::￢
　　::::::::::::::::{::::::::::::::::::〈::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::!
　　｝:::::::::::::::ゝ::::::::::::::::::丶:::::::::::|::::,､:::::::|
　　/:::::::::::/|:::::::::::::::::::::::::〉::::,.::/／/ , ﾍ|
,／:::::::_._/ .|:::::::/|:::::|!::::/::::（ﾚ 　 ／　　　　それじゃ、私買い物に行ってくるから
i::::r ' ´　　/:::::::ﾉＮ::/:::l:::::::::ム　,i
ヽ､　　　/::::∧ヘ　{:::::l:::::::::/_／
　　　　∧::::|　丶　　|/'l,::::/
　　　（.:::::〉/＼　　ヽ| 　l::::|
　　　　）f´　　　ヽ　　i|ﾚ ヽ丶
　　　　/　　　 　　　＼/A　ﾊ､





　　　　　 　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　 　 ノし. u:_ノ｀ ,,＼.
　 　 　 　　 　　　/⌒`　 （ ◯）（Ｏ):
　　　　　 　 　 　.:| 　　j（ 　　（__人__）　　　待てよ、ヤラナイコ！
　　　　　　　　 　:|　　 ＾　　､｀ ⌒´ﾉ:
　　　　　　　　　　|　　u; 　　 　ﾞ⌒}:
　　　　　　　　　　ヽ 　 　　ﾟ　　" }:
　　　　　　 　　　　 ヽ　:j　　　 ノ:　ｉ |ｉ　|
　　　　　　　　　／⌒　 　 　 ヽ　 | ||　|　　|
　　　　　:: ／￣￣ヽ :: 　 　 　 ＼　|| 　 　 |i
　　　　:: （｢　　　 ｀rﾉ ::　　　　　　＼　　　||i　　＼
　　　　　:: ヽ　　　ノ ::　　　　　 　 　 ＼　　　　 　 ＼
ガタッ！　　|　　 | r 　 　 　 　 ｢＼　　 ＼　　　　 　 ＼
　　　　　　　|　　 | | 　　　　　 ﾉ　　＼　　 ＼＿＿　　　＼
　 　 　 　 　 ヽ＿ノ　　 　 　 /||| l　　 ＼_, 　 　 　 ｀ヽ　　 ＼
　　　　 || ｉ　　/　　　　 　 　 | ||| |　　　　(＿つ￣と_ノ)　　　 ＼
　　　　 || ||　 |　　　　　　 　 | ||| |　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ,,　　、　　　　　　　ｌ
　　　　　　　　 ゝ_　　　 _/　 .. ＞..、　　　　　l
　　　　　　　　　　`''''''‐" 　_ __ ﾆ:＿丶　　 　 1
　　　　　　　/　、　　　　　　＾''''ー ､__　ゝ　　 │
　　　 / . ｌ 丿　　l'"! 、 、　'''-ｰ-､ ´　^ｰ-..､　.
　　　 |　」　|　　|　|| ! 　! ｌ　│　'　　 ,ｒ _..,,　ｆ.
　　　 `、　 '、　ゝ　ﾉ　/ l　..′ ,´　　|　l│l .ｉ　　　　　　　俺は本気で言ってるんだぜ
　　　　　　　｀- － ﾞ‐'′　 --"　　,ﾍ ∪ ﾉ l.
　　　 　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　´ /
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　 ｀）
　　　　　　　　　　 f　　　　　　　 丿　　 ヽ/
　　　　　　　　　　入 ＿＿＿ -'　　　　　,′
　　　　　　　　　（　V ｖ 　　　 　"‐＿ -'′
　　　　　　　　　　''-二ﾆ -=　　`'`ソ　/
　　　　　　　　　　　 ´　‐‐;ｭ ｀' ､ノ　 /...
　　　　　　　　　　　　 　ニ　　　′　丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !.
　　　　 丶.._ 　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　｀ﾞ　‐--- ＿＿＿＿-''
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

　　　／ ¨ヽ-、　　_　_　　_　　_ / : : :.ﾊ: : :ﾍ
　　./:.:.:.,:.ハ,ﾊィ.: ' :.:.-:.:.::.:ﾐ､:..｀`ヽ く、_: : : :ヽ
.../￣ : : :ヽ:.:/`-: : : : :.／ ヾ:.r´`ヽ:.:.:.ヽ、 : : : :〉
/ : : : :ヽ..／丶:.:／:.:../.:..:;::ｨ':.:/ﾍ:.,.:ヽ、:.＼/:.:/!
!: : : : : : :/!:.:.:.':./:.:.／: : : : :.ｲ,:.､ : :く:.:.丶 : : :､〈
〉 : : : : :/:.|l:.,:.:.,':.:./ : . .;:.:/:.:./:.:.ヽ : ヽ: : : ､ : :ヽ)
: : : : : :,':.:..:.,／:.:./ : : :,.':./:ハ:.:.:,1:.!:.:.!:.:∧ :ヽ、 :Ｖ
　／:.;'::.lヽ/;/:.:.:!: : : :/;ｲ:.l 　', :/ |:.:.:.ﾄ､:.:.:.!ヽﾊ : l
〉:::::,／~i　;' :. .ｲ:.:.:.:/!;' !:./　　l|:./_l_ ! | :i : : !:.:.:.:.|
::::/　　 |:,':.:/ﾚ|:.:.:.;' /-.|/_ 　 /|/,- /__!/| : :ｲ : :lﾘ
ヽ〉 　 /'lｌ:.|γ!:.:.:.!:'てｨヽ`　　　'ﾞこ'ﾃ;ﾊ|:./:.:.:.i ム　　　　　フフ・・・
／　　|/!|:.i.（､ﾚ: |ﾞゞ-' '　　　　　 `ｰ'´ l/:.1l:.ﾅ　　ヽ
　　　/:.:.|/:.|:.::|､!|　"　"　　　　　 　 "'/:./|/　　　　　　　　そんなことは髪が生えてから言いなさい
　　 /:.:!:人| !:| iヾ、　　　､__ '_,. 　　 , ｲ :!
　　:.ｲ !:|::!:.i.|:! !_/:`:..､　　　　 　, ., '´ ﾁ:.!、
　／ノィ ¨ヽ.:l´ | .⌒ヽ.`,. - . ィﾁ/　 ｨ!,!:::::::|｀ヽ
　　ｲ:::::::::::丶|:.| !:.｀ヽ.　ヽ ,ィ ,イ´　,/ /::::::::!　 |
　/＼_　　　ﾞ!:.|/ヽト､!　 ｀'"´ 　 　ﾞ'i /:::::::/ 　 !､
ィ　　　ヽ､:::::|:.!＼!　 ,!　　　　　　 　ﾍ::::::/ 　 ﾉ　!
　　　　　 ﾞ､:.ヾ!　　!,/.|　　　　 　　 ／:/,. - ィ;.:.ﾉ
　　　　　　 ﾞ､!'　 ／,ノ　　　　　,.イ /;ﾉ　　　　,′

　　 　 ._ _ _
　　 (ヽl_l_ll_l,l
　　　 ヽ　　ｒ
　　　　│　|
　　　　 |／￣￣＼
　　　／　　　　＼　ノ
　　　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　　髪なんか、いつでも生やしてやるさ
.　　　|　ノ（　　（__人__）
　　　 |　⌒　 　 ｀ ⌒´ﾉ
.　　　 |　　　　　　 　 }
.　　　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　 　 　
　　　　　l/　　　く 　 ＼ 　 　 　 　　　
　　　　　|　　　　 ＼　　＼ 　 　　　　　　
　　　 　 |　　　　|ヽ、二⌒).､　 　 　　 　 　

※ヤラナイオはキリスト教の聖職者を目指す学生であり、
頭頂部に輪のような形で髪を残す剃髪をしている（いわゆるザビエルカット）





　　　　　　　　　　　　 ,ハ　/＼　　　　　 /::::::ﾍ
　　　　　　　/´ヽ　　,/;:::::∨::::::::Y＾⌒ヽ､{ｹ:::::::::ヽ､
　　　　　　 /l:::::ﾉ!／::::／:l|:::_ｲ丶{:::ヽ､::::.ヽ::::::'⌒＾￣,}
　　　 　 ,／/:::::/::::／:::::／l{ﾆ、ﾐ::::＼::::::::.::::＼: : :./´::|
　　　　　i /:::::/::::::::::::::::′∧ヽ＼::::::::ヽ::::ヽ:.:.:.ｲ.:/:::::::;:
　　　　 /::::::::′/:::::::::/:::丿　'.:::::::ヽ:::::::ヽ:::::!::゛_,ｲ',::::::::ﾄ､
　　　／:::::::/::::〃::::::/:::::|　　　ヽ::::|ヽ:::::::';::::ｌ:＼:::i|::::::::: : ::>
　 , '::::::/::::/,ｨ!/:::::l::::::L::∟、　　､::|　 ＼!:::::|:::::l＼::::::::|ゝｲ
　 {::::::/:::://｜'::::::l-/　　　　　 　ヽl二,,'_'j::::|::::,ﾄ､:::＼::lﾙ
　 l::::/／ l:||::ｌ:::::::::l,' 　　　　　　　'´‘;!iﾒj }|:::ﾚ'::!ヽj/　）ヽ　　　またまた～
　 ｀/,'　　l:||::l:::ヽ∧=ニ三" 　　　　Ｖノ /|:::l丿::ﾘ::|　　`丶
　 （ l　　ﾘｌ:!い::::::{tﾍ ,,,, 　 　　,　　 　　,,,;ｌ|::::|::/ｲ|::l　　　　 ）　　無理しちゃって
　　　ヽ　ｌ/　Ｖ｜トrﾍ、　 　 　 　 　 　 ,ｲ.|::::|::i|| ﾘ
　　　　　 ＼｜::| |｜::::ﾄ､ 　　(⌒ヽ　 ｨ:::ﾚ':::::jl:::l
　　　　　　　 |::::j人!::::｜「 ト　 __ ,　´｜ ′ｲ八|
　　　　　　　 |::/　 i:::::::ｌ l! |　　　　　　∨/::∧::丶
　　　　 　 　 |/　　|:::::::l !ﾚ 　 　 　　　//::∧ ﾄ､::::＼＿,
　　 　 　 　 / 　 　ｌ:::::::川　　　 　　／/::,ﾍハL 「＿￣ヽ
　　 　 　 ／　＿ 厶ィ'::::/　　ｰ一' _／∠_ヽヾ. 　 　￣｀ヽ
　 　 　 ／￣　 　〃 j::/￣￣｀　 ´￣￣　　ヾ.j　　　 　　 }
　　　 /　　　 　　{{　　　　　　　　　　　　　　ヾ.j

　　　　, ⌒ﾊ 　　　　　　　　　 ﾊ⌒ 、
　　　 j:::::::::ヽ ,ﾍ^ ⌒　Ｙ ⌒ヽ/ .::::::::i
　　　ﾉ:::::::::j（ﾉ ..::::....::::..:::: ::. .ヾ)':::::::::::i
　　　ﾙ:::::ﾘγ::..:::::..:::...ﾍ、: : : :: ﾉy:::::::ﾘ
　　　 Yyﾉ ﾉ :ﾉ...:ﾉ_ノ　　ヽ､ ::::::） ﾙﾘﾉ
　　　　　　ﾘ::::::(（ ●） 　(●) ::（　　　　　　　　そんなことさせられるわけないでしょう
.　　　　　　ﾊ::::ﾊ　　　r‐ｧ 　ﾘ） )　＝３
　　　　　　　） ) ）、 　￣　ノくﾊ（
　　　　　　（,（.(　' ﾍ　　 い ﾉ:::））
　⊂⌒ヽ　　）` 　 ヾ　ｿ￣（　ヽ　　/⌒つ
　　　＼　 ｖ　ﾉ　　　Ｙ　　　　ヽ　ｖ 　/
　　　　 ヽ___ﾊ　......　　　 　.....　＼_ ノ
　　　　　 　　ヾ. .. ::::::::　　::::: .ノ





　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／ ヽ､.　_ノ　＼
　　　　　　　|　 （●）（●）　|　　　　　　　　　　お前のせいにするつもりはないんだ
　　　　　　　|　　（__人__）　｜
　 　 　 　 　 |　　 ｀ ⌒´　　|
　　　　　　　 |　　　　　　 　}
　　　　　　　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　　　人＿__＿_ノ"⌒ヽ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　 /　　　｛;;;;;;;｝　　　　＼　　＼
　　　 　 （　　ヽγ⌒) 　 　 　 　 ゝ 　 i
　 ￣￣￣＼＿＿／￣￣￣(⌒)＿_ノ￣￣￣￣

　　　 ,' ⌒ﾊヽ、,_r　-　－¨⌒`へ　_,、,ﾊ⌒　、
　　 ﾉ....:::::::::.%〃:::::::::::::::::::::::ﾍ::::::::::::ヽ`ヽ:::::::::::ﾊ
　　i...:::ｨ::::∧::::::::　　::_::::::::,::::ﾊ:::::::::::ヽ:ヽ ´丶:/:i　
　 ﾄ..:::/::/::|/:::　　:/´:::::::::ﾒ:/ヽ:::i::::::: :ゝ:::ヽy::::::::i
　/.:::ﾉ::::ﾘ/:::/:::::/:::/´::::/::/|　l:::::l::::::::::::丶::ヽ::::::ﾘ
　{.: 〈jYyﾉ::/::::ｲ:::::::::::::::::/|/　l:::/l:::/l::::::::i:ヽ::l:::〈
　 ）　　　|/|/:::;;/l;::/.ﾚl/,. j　 l::/l;:/　!:::::::l::::l ﾙﾘ:::、
　　　　　　l:/::::l;::/.ﾚl/,.　　　 l/ ,l;_　l:::,::::l:::!　　 ヽ）
　　　　　　ﾚ∧:j:l"弋ラ``　 " ﾋラ``ﾚ::i::l:Y　　　　　　　ﾊﾞｶ
　　　　　　　|/::ハ''''　　　　.　　　''',!ﾉ:l:::l:/
　　　　　　　!/:::::｀ﾄ　　　　,、　　, ':::/|:::i:|　
　　　　　 　 l:::,':::i:::;;ｌ:`r 、_　, イ/:::/:::|:::i:|
　　　　　　:l::l/:::::l/:l;l:::l 　　　　|l::从:ﾉｌ:.:.V
　　　　　:::/ ...;;::::l:/l::l:{ヾ、　　_ ｿ/￣/'ヽl:.::ヽ,
　　　　　/'l..,ｨ'´‐∧　ゞi ﾍ-‐-ｲ/　 /　　 ｀ヽ、
　　　 　/:.::{ ゝ ヽ　 '⌒`Ｖ＾~＾Ｖ⌒ヽ 　 /　i/ 'ヽ





　　　　　_　　　　　 _,..‐.....-......､..._　vr 、
　　　　/:.:.:｀ヽ、,／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ .: ﾊ.j∧:
.　　　 ハ.::.:.:.l／:.:.:.ｲ.:.:.:.:.:.,:.:'"´ .:,.,ィ´:.:.7.:.:.､
　　　/:ﾉ:.:.:.:.l〉:.:.:.:.:.:.:.:.;〃..:.:.:／:.:.l:.:.:.:./!ヽ:.l:.:.ヽ
　　　l:.:l:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.;〃..:.:.:／:.:.l:.:.:.:./!ヽ:.:.l:.ヽﾍ
　 /イ.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:-:.:.l:.:.:.:./:.:.:l:.:/:.:.:./ :::.:.l:. l､:.:.ヾ、
　 l:.:.:l:.:.:.:.:.:,ｌヽ:.ヽ:.:.j. :.ノ:.:.:,:ｌ::.lﾑ:/--ヽ:.ﾊ:l:.:l:ト|
.　l:.:.:.:l :.:.:./　:.ヽ:.:.:.／V:／:.i'"|:/_,ｭ、_i ,'lｿ:.:l|:.ｌ　
　 l:.:.:.::.ｨｿ　　!:.､:.:./r,ヾ;.:.:.:.:l f´弋厂　ヽ､:lﾚヽ|　　　　そのことについては何度も話合ったでしょ？
　　l:.:.（　　　 ,':.:!.:.ヽ ､6ｌ.:.:.:.l ,,,,´　　　　 /:l
　　:.:.ｿ　　　/:.:l:.:.ｲ:.:.ﾌ|ﾊ :.:.l 　 　 　 　 ∧:l
　（　　　　　l:.:.,'/l |ヽ:.:.lヘ.:.:|　　　 　 ´/|　ｿ
　　　　　　/:.八／ ´ ＼ヽ　ヽﾄ､r┬ - i:.i
.　　　 　 ,∠.......｀ヽ,　　 ＼　〈ﾐ'ヽ.|　　,l/
　　　　/"¨_""''＼、　　　 ヽ_,, ﾕ.!!
　　　ｲ／::::::｀:ヽ.、＼､_　_／:=ヽl.lヘ＼

　　　　　　 ., ──‐､
　　　　　 ／　　　　　＼
.　　　 　.|　　　　 _ノ　　ヽ
　　　　　| 　　　 （ ●) (●)　　　　　　　　　俺は納得したわけじゃないぞ
　　　　　| 　 　 　 （__人__） , -―ーっ
　　　 　　|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ （ ゝ彡￣
.　　　　　 ﾝ　　 　 　 　 } ﾞ|￣'|
　　　 ／⌒ヽ､ 　　　 ノ　 .|,　 |
＿＿/　　　ﾉ ＼_ィ ´ー‐ｨ'　　 ∫
| |　 /　　 /　　　　r_＿＿__ ∬
| |　/　　 /　 　 　 |i　　　 ┌‐┐
| | （　〆⌒'──r─≒､.（(| 　 |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣└‐┘￣￣￣￣￣￣





　　/....::::（ﾉ/'......................................
　 /...:::::::::/.......................................................
　 !...::::::; '".......................................................
　 l.....:/..;......　　,　...........+､'''''''ー:.　.......
　 .!....i:.:'.......,..'''大丶....::l　 _`丶､::::::::..　 　 /
　　 } ..ヽ::::/V ノ　~ヽ､:j ´ニﾆ孑丶..,l' l::.`l　　　　　　辞められないくせに・・・
　 /.........∨::::::lヾZ彡　　　　 ￣i!i!i!.ﾚl::..:!
. /.....l..:::i..:::::::::　ゝ´　ﾉ　　　　　u 　 ,:'
.'ー''"l:::::l..::::::::::/　ヽ､　r‐'⌒ヽ　 ,／.│
　　　ヽ::::}､::::／　　 　`｀ｰ‐‐ イ　 　 └──/ヾ''" `ｰ-
　　　　ヽl `"　　　 ,　 ,.- '''';:':/ﾌ　　　　 _,,. /:::!　　 ／
　　ﾊｧ…　　⌒　ノ　/　　/;:;' `　　:‐'''"~ ./:∧ヽ. /
　　　　　 （　 　 　 　l　.../'1l　　　　　　／／　 ヽ!
　　　　　　　 - ´　　 ! ／　ヾ.､＿,,. -'ﾆ-'"　　　　l
　　　　　　　　　　　./　　　　 '''''' ￣　　　　　　　ll

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）　　　　そ、そんなことはない
.　|　u.　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　たかが托鉢修道士じゃないか
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l





　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）　　　聖職録（給料のようなもの）をもらってるわけでもないし
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　修道士なんていつでも辞められるさ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
　　 　,-/　　　 __人〉
　 　/ ./. 　 /　 　 ＼
　 　| / 　 /　 　 　i　＼
　 　|"　 / 　 　 　 | >　 )
　　 ヽ／　　　　　 とヽ /
　　 　|　　　　　 　そ ﾉ

　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /＾ヽ　 .　‐─ ｰ　､　ﾊ⌒ 、
　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::／::::::::Y:::::::::::::ヽ/.:::::::::ﾞ,
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ:::::://:::::::/::l丶::::::::::::ﾍ<.:.:.:.:.ヽ ﾌﾟﾌﾟ
　　　　　　 　 　 　 　 　 〈::::.:.:,´::::::::/::::ﾍ::::::::::::::::::::＼::::::::〈
　　　　　　　　　　　　　　,'::::::∧::.:./::j:::::::ﾍ:::::h、l＼厂::::::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　 ! 〃:,ｨﾞ ____ 　 　　__　 .!::::::::::::::|
　　　　　 　 　 　 　 ｎｎ　　,ﾞ::/::!'"￣`　　 x＝=､ﾚ:::::::::::,'　　　ヤラナイオさんともあろうお方が
　　　　　　　　　 .Yｉ.| | | 　 { ::::::! ""　　'　　 "" /:::::::::::/
　　　　　　　　　　|.i.| | | /} ', ::八　　t ‐__ァ 　./:::::::://　　　　　なにをご冗談をｗｗｗ
　　 　 　 　 　 　 !　　, !'./　ヽ::::|＼.　 ｒｆ^ﾄ､_, {:::::: //
　　　　　　　　　 {　 /　 !　　 /:ﾉ:::|:|:ｉ' |.! .!〉'/:|/:::::}:{_
　　　　　　　　　 〉＿__./　,ｨ/ｨ{::::/ｨﾘ. }　' . }/:::::::ｿヽﾘ
　　　 　 　 　 　 .{ｰ─‐‐ﾚ"|::ﾄ从/::|__/　　/ﾞ/:,／:.:.:.:.＞､
　　　　　　　　　/ｰ──' Y∨ヽ,.:.:.:|-{　 ,ｨﾞ､:{/:.:.:.:.／／　ヽ





　　　　　　　　　　　　 ,ハ　/＼　　　　　 /::::::ﾍ
　　　　　　　/´ヽ　　,/;:::::∨::::::::Y＾⌒ヽ､{ｹ:::::::::ヽ､
　　　　　　 /l:::::ﾉ!／::::／:l|:::_ｲ丶{:::ヽ､::::.ヽ::::::'⌒＾￣,}
　　　 　 ,／/:::::/::::／:::::／l{ﾆ、ﾐ::::＼::::::::.::::＼: : :./´::|
　　　　　i /:::::/::::::::::::::::′∧ヽ＼::::::::ヽ::::ヽ:.:.:.ｲ.:/:::::::;:
　　　　 /::::::::′/:::::::::/:::丿　'.:::::::ヽ:::::::ヽ:::::!::゛_,ｲ',::::::::ﾄ､
　　　／:::::::/::::〃::::::/:::::|　　　ヽ::::|ヽ:::::::';::::ｌ:＼:::i|::::::::: : ::>
　 , '::::::/::::/,ｨ!/:::::l::::::L::∟、　　､::|　 ＼!:::::|:::::l＼::::::::|ゝｲ
　 {::::::/:::://｜'::::::l-/-ｰ-　_　 　ヽl二,,'_'j::::|::::,ﾄ､:::＼::lﾙ
　 l::::/／ l:||::ｌ:::::::::l,'　－ｰ.　　　　　 ｰ 　 |:::ﾚ'::!ヽj/　）ヽ　　　　あんたが大学から離れられるわけないじゃない
　 ｀/,'　　l:||::l:::ヽ∧`-ｰ=-"　　　｀ｰ=-‐/|:::l丿::ﾘ::|　　`丶
　 （ l　　ﾘｌ:!い::::::{tﾍ 　 　 　　,　　 　　u.ｌ|::::|::/ｲ|::l　　　　 ）
　　　ヽ　ｌ/　Ｖ｜トrﾍ、u. 　 　 　 　 　 ,ｲ.|::::|::i|| ﾘ
　　　　　 ＼｜::| |｜::::ﾄ､ 　　⌒　 　 ｨ:::ﾚ':::::jl:::l
　　　　　　　 |::::j人!::::｜「 ト　 __ ,　´｜ ′ｲ八|
　　　　　　　 |::/　 i:::::::ｌ l! |　　　　　　∨/::∧::丶
　　　　 　 　 |/　　|:::::::l !ﾚ 　 　 　　　//::∧ ﾄ､::::＼＿,
　　 　 　 　 / 　 　ｌ:::::::川　　　 　　／/::,ﾍハL 「＿￣ヽ

　　　　　　　　　　　　 ,ハ　/＼　　　　　 /::::::ﾍ
　　　　　　　/´ヽ　　,/;:::::∨::::::::Y＾⌒ヽ､{ｹ:::::::::ヽ､
　　　　　　 /l:::::ﾉ!／::::／:l|:::_ｲ丶{:::ヽ､::::.ヽ::::::'⌒＾￣,}
　　　 　 ,／/:::::/::::／:::::／l{ﾆ、ﾐ::::＼::::::::.::::＼: : :./´::|
　　　　　i /:::::/::::::::::::::::′∧ヽ＼::::::::ヽ::::ヽ:.:.:.ｲ.:/:::::::;:
　　　　 /::::::::′/:::::::::/:::丿　'.:::::::ヽ:::::::ヽ:::::!::゛_,ｲ',::::::::ﾄ､
　　　／:::::::/::::〃::::::/:::::|　　　ヽ::::|ヽ:::::::';::::ｌ:＼:::i|::::::::: : ::>
　 , '::::::/::::/,ｨ!/:::::l::::::L::∟、　　､::|　 ＼!:::::|:::::l＼::::::::|ゝｲ
　 {::::::/:::://｜'::::::l-/-ｰ-　_　 　ヽl二,,'_'j::::|::::,ﾄ､:::＼::lﾙ
　 l::::/／ l:||::ｌ:::::::::l,'_＿＿ _　 　　'＿＿ _}|:::ﾚ'::!ヽj/　）ヽ　　　 修道士を辞めるってことは、学生も辞めることになるのよ？
　 ｀/,'　　l:||::l:::ヽ∧ヾ` vｿ　　　 　｀Ｖ,ソ/|:::l丿::ﾘ::|　　`丶
　 （ l　　ﾘｌ:!い::::::{tﾍ ,,,, 　 　　,　　 　　,,,;ｌ|::::|::/ｲ|::l　　　　　　 学問に命かけるって力説したのはどこのどなたさんかしら？？
　　　ヽ　ｌ/　Ｖ｜トrﾍ、　 　 　 　 　 　 ,ｲ.|::::|:::i|| ﾘ
　　　　　 ＼｜::| |｜::::ﾄ､ 　　(⌒ヽ　 ｨ:::ﾚ':::::jl:::l　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 |::::j人!::::｜「 ト　 __ ,　´｜ ′ｲ八|
　　　　　　　 |::/　 i:::::::ｌ l! |　　　　　　∨/::∧::丶
　　　　 　 　 |/　　|:::::::l !ﾚ 　 　 　　　//::∧ ﾄ､::::＼＿,
　　 　 　 　 / 　 　ｌ:::::::川　　　 　　／/::,ﾍハL 「＿￣ヽ
　　 　 　 ／　＿ 厶ィ'::::/　　ｰ一' _／∠_ヽヾ. 　 　￣｀ヽ
　 　 　 ／￣　 　〃 j::/￣￣｀　 ´￣￣　　ヾ.j　　　 　　 }
　　　 /　　　 　　{{　　　　　　　　　　　　　　ヾ.j





　　　　　　 　.　＿＿
　　　　　　　.／::::::.　＼
　　　　　　 /::::::ヽ;;:　　 ＼
　　　　　. （:::::（::::冫 　　　|　　　　　ﾀｼｶﾆｲｲﾏｼﾀ、ｻｰｾﾝ
　　　　　. （:人;;;） .　　　　|
　　　　　r‐-;::::::. .　 　　　|
　　　　 （三））:::::..　.　　　|
　　　　　>::::ﾉ:::::::::.　　　 /
　　　　/::: / ヽ;::::::::: 　 /
　　 　/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
　 　 （;;;;__ゝ:;;:::::＼／:::::）
　　　　　　.　|＼::::::::::::;;:1
　　　　　　.　|:::::＼;;／:::|

　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　/｀i､_ , ' ~ ￣ ＼ __/ .:::＼
　　　 ／::::: ／..::::..:.゛_7:::: ::.. ヾ)'::::::｀i
　　　ﾙ:::::: /: ::..:::::／ ｀vﾍ、: : ::∧:::::::ﾘ
　　 （Yy∧ﾉ :ﾉ_.:ﾉ_ ノ　　__｀ ､:::） ゝ:/
　　　 ）ﾉ　ﾘ:::〃 （●）　 （●）i:!:〉 Yy　　　ここで学者を目指すんでしょ？
　　 （/　 　ソ::ﾊ 　,,　　　　　/i/　 ﾘ
　　　!　　　ノ ::/iゝ.　 ⌒ . イく　　　　　　　それしかできないのに無理しちゃ駄目じゃない
　　　　　.（::ｲ/ﾙ|_.ｲ|. ￣i'Y;ﾉ::ﾙ
　　　　　　）ﾉ.　　　　~V~ 　　 ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　/｀i､_ , ' ~ ￣ ＼ __/ .:::＼
　　　 ／::::: ／..::::..:.゛_7:::: ::.. ヾ)'::::::｀i
　　　ﾙ:::::: /: ::..:::::／ ｀vﾍ、: : ::∧:::::::ﾘ
　　 （Yy∧ﾉ :ﾉ_.:ﾉ_ ノ　　__｀ ､:::） ゝ:/
　　　 ）ﾉ　ﾘ:::〃 （－）　 （－）i:!:〉 Yy　　　もー、この馬鹿坊主は
　　 （/　 　ソ::ﾊ 　,,　　　　　/i/　 ﾘ
　　　!　　　ノ ::/iゝ.　 △ . イく　　　　　　　できもしないことなんて口走らないの！
　　　　　.（::ｲ/ﾙ|_.ｲ|. ￣i'Y;ﾉ::ﾙ
　　　　　　）ﾉ.　　　　~V~ 　　 ヽ

　　　, ⌒ﾊ 　　　　　　　　ﾊ⌒ 、
　　 j::::::::::::i ,ﾍ^ ⌒　Ｙ⌒ヽ .::::::::i
　　 I::::::::::::j ..::::::....::::..::::::. .:::ヽ::::::i
　　 I::::::::::ﾘγ::..:::::::..:::...ﾍ、::: ﾉ:::::ﾘ
　 　 Yyﾉﾉ ::::ﾉ...:ﾉ　_ノ　 ヽ::::ﾙﾘﾉ
　　　　ﾘ::::::::(　　（ ●）　（::(　　　　　　じゃあ、買い物行ってくるから
.　　　　ﾊ::::::ﾊ 　 ,,　 r‐ｧﾘ） )
　　　　　） ) ）、 　　 ￣くﾊ（
　　　　（,（.(　' ﾍ　　 い ﾉ:::））
　　　　ノ/）` 　 ヾ　ｿ￣（( 、
　 　 　 ,' 　 ﾉ　 　 Ｙ　　　　ヽ






　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　 ／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　 |　　　 （ ー）（ー）　　　　　　金は足りてるのか？
　　　　　　　　 .　|　　　　 （__人__）
　　　　　　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｴｴ､ｺﾅｲﾀﾞﾓﾗｯﾀｶﾗﾈ＞
　　　　　　　　 .　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
　　　　　　　　 .　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　ヽ　く
　　　　　　　　　　　 /　　　　　ヽ　＼



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・

====================================================================================================

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　ヤラナイオ・べトゥーラス（２７）は非常に優秀な学生であった
　　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　　　　　　　　　　|　　　　 （__人__）　　　　　　　 　 　 幼い頃から神童といわれ、その将来を期待され進学することになった
　 　 　 　 　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　 　 　 　 　　　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　 教会から奨学金が出る条件として托鉢修道士の身分を受けたが、
　 　 　 　 　　　 　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　 ヽ､.,＿＿ __ノ　　　　　　　　　　　特別信仰に厚いというわけではなく、
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　　　　「大学へ行って神学を学び、その道を極める」
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　　　　　という当時のインテリの常道に沿った生き方をしていた。
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::

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　　 　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　 　　　　　　　　 /ﾉ　 ヽ､_　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 （ ●）（ ●）　　 |　　　　　　　　　　　学問に対しては、14歳で始めた教養部を通常6年かかるところ
　　　　　　　　　　　　　 | （人__）　　 　 .|　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　 |　⌒ ´　　　 　 |　　　　　　　　　　　わずか3年で修了。
　　　　　　　　　　　　　 i　 　 　 　 　 　 i
　　　　　　　　　　　　.　.|　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　1年間の受験勉強の後、18歳の若さで「マギステル」となった。
　　　　　　　　　　　　.　丶　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　／.>＿　 　　 /::::::i:::ヽ._　　　　　 　 　（マギステルとは「先生」くらいの意味だが、この場合は
.　 　 　 　 　 _ ,,､-ｰ／ !// ー　ﾍ￣/:::::::::l:::::::::::｀:ｰ:.､
　　　　　　,´:::::::::::::く::::::::/　i　 / 　 ヽ::::::::::!:::::::::::::::::::ゝヽ.　　　教養部の教員資格の免許に合格したということ）
　 　 　 　/::｛::::::::::::::::＞:i 　 l7i　　　/:＼:／::/:::／::::::::::::::::i
　　 　 　,'::::::i::::::::::／::::::l　 /;;;;l　　/::::::::〉:::::/／::::::::::::::::::::::!　　その後さらに上の法学部に進級し、カノン法※を専攻
　 　 　 /:::;::::∨:::::l::::::::::i　/;;;;;;l.　/::::::::/:::::/:::::::::::::::::::::::::::/
　 　 　/::::ヽ:::::〉:::::l:::::::::l /;;;;;;;;l. /::::::／;;;;;;i:::i::::::::::;;;;::::::::::::::>　　5年の修学を経て、23歳で学士となる。
　　　 <::::::::::ソi::::::::l:::::::::li;;;;;;;;;;;l/::／,､;;,､;;:l!::l_／´:::::::::::::::: ｿ
　　　 !:::::::ゝへ､;;;::::!::::::」--‐‐'''""ﾞﾞ｀ヾゞＭソ／::;;;;:::::::::::::::::l　　まだ「教授資格」となるものは得ていなかったが、大学の
　　　 ）::::::ゝ彳´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍノ／´￣::::::::::::::::::::l
　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ﾍへ￣::::￣:::::::::::::::::::::/　　内規で35歳以下のものは認められていなかったためであり、
　　 l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／´::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::/
　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　 いずれ名のある教授として知れ渡るのも時間の問題であった。

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※カノン法
キリスト教会が定めた法律
国家が定めた法とは別に、キリスト教信者が属する教会という組織のための法
「教会法」ともいう
内容はここでは解説しきれないので、詳しく知りたくなった方はググッてくださいな

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・


　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）　　　　けど、お前はどうなるんだ
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣





　　　　　　　 ／´￣￣￣￣ ｀＼.
　　　　　　／　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　/　　　　　 　 　 　 　 　 　 '.,
　　　　　|　 　___ノ'′　　 ﾞヽ､___　　 ..|
　　　　　|　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .|
　　　　　|　;;;（　● ） ﾉヽ （ ●　） 　 |　　　　今はまだ良くても
　　　　　|　　.´"''",.　　　　 "''"´　　 |
　　　　　|..　　　（　　　 j　　　 ）　 　.l　　　　これから先、俺が僧侶である限り結婚はできないんだぜ？
　　　　　|　　 　 ｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′　　 /
　 　 　 .丶　　　　　｀ ⌒ ´　　　 　 /
　　　　 　ヽ　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　 　ヽ　　　　　　　　　　　/
　　　　　　 　 ゝ　　　 ＿　　　／イ＼
　　　　　　／　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼

　　　　　　　　 ,⌒ﾊ　　　　　　　　　　　　　,ﾊ⌒　、
　　　　　　　 ,'...::::::ヽ、,_r　-　－¨⌒`へ　_,、_-_:.:::ヽ
　　　　　　　ﾉ....:::::::.ｨ〃:::::::::::::::::::::ﾍ::::::::::::::ヽ`ヽ::::::::ﾊ
　　　　　　i...:::ｨ::::∧::::::::　　::´::::,::::ﾊ:::::::::::::::::ヽ ´丶/:i
　　　　　 ﾄ..:::/::/::|/:::　　:/´:::::::::ﾒ:/ヽ:::i::::::: :ゝ:::ヽy::::i
　　　　　ﾙ.:::ﾉ::::ﾘ/:::/:::::/:::/l/::::::/|　l:::::l::::::::::::丶::ヽ::ﾘ
　　　　　{　/jYyﾉ::/::::ｲ::::/::l::::::/|/　l:::/l:::/l::::::::i:::::l:::〈
　　　　　 ）　　　|/|/:::;/l;::/.:::l/ 　　 l:/ ,l;/ !:::::::l::::l ﾙﾘ:::、
　　　　　　　　　 　 ﾚ::l;::/.ﾚl/.,　　　l/_, l;_　l:::,:/:::l:!　　 ヽ）　　そうね
　　　　　　　　　 　 l/:ｌ::i "￣``　 　 "￣``ﾚ::i::l:::l　　　　　　　
　　　ｆﾍ　　　　,ｨｧ_ |::::::ﾍ'''' 　 　　.　　　 '''/::l::::l:/　　　　　　　あんたのとこの家政婦にでも雇ってよ
　　.ｲ ） ,彡 ／)ﾉﾉ::|/::::.::ﾄ.　　 r‐‐ｧ　 　 ,':::/|::::i:|　　　　　　　
ｼ　| } ヽ、 /＾) l/ ,､,':::::i::::::ｌ:`r　、_　 イ/::::/:::|::::i:|
　　ﾍ ヽ、/　′}/ /::::::l/:l;;;l:::l　　　　　|l::从:::ﾉｌ::.:.V
　　　∨,/　ヽ 　 /;;;;;;::l:/l/l::{ヾ、　　　　ｿ/￣/'ヽ、ヽ
　　　 { {　　　} /ヽｨ-‐/　　ゞ　ヽ　　　ｲ/　　　　／ヽ
　　　　ﾉ　 　 /::::::::|ゝ＼　 ﾞ⌒`Ｖ＾¨＾Ｖ⌒"　　/　i/　',





　　　　　_　　　　　　_,..‐.....-.....､..._　vr 、
　　　　/:.:.:｀ヽ、, .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ .: ﾊ.j∧:
.　　　 ハ.::.:.:. l孑:.:.ｲ.:.:.:.:.:.,:.:'"´ .:,.,ィ´:.:.7.:ヽ、
　　　/:ﾉ:.:.:.:.l〉:.:.:.:.:.:.:.:.;〃..:.:.:／:.:.l:.:.:.:/!ヽ:.l:.:.ヽ
　　　l:.:l:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.;〃..:.:.:／:.:..l:.:.:.:./ ヽ:.:.l:.ヽﾍ
　 /イ.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:-:.:.l:.:.:.:./:.:.:l:.:/.:.:.:./ 　!:.l:. l､:.:.ヾ、
　 l:.:.:l:.:.:.:.:.:,ｌヽ:.ヽ:.:.j. :.ノ:.:.:,:ｌ::.lﾑ､_/ヽ　 :.ﾊ,l:.:l:iト|　　　　　　　心配しないで
.　l:.:.:.:l :.:.:./　:.ヽ:.:.:.／V:／:.i'|__-,=‐　　_二ｿ:.l|:.ｌ
　 l:.:.:.::.ｨｿ　　!:.､:.:./r,ヾ;.:.:.:.:l f込厂　　 {ﾗ!ｌﾚヽ|〉　　　　　　　　ちゃんと延長で夜の仕事もしてあげるからｗｗ
　　l:.:.（　　　 ,':.:!.:.ヽ ､6ｌ.:.:.:.l 　 　 　 　 丶}..j:l
　　:.:.ｿ　　　/:.:l:.:.ｲ:.:.ﾌ|ﾊ :.:.l　　　　､ _ , /:l
　　（　　　　l:.:.,':.:l_|ヽ:.:.lヘ.:.:|　　　 　　 /| ｿ　ﾆﾔﾆﾔ
　　　　　　/:.八丿l,/‐~:＼ヽﾄ､:.. ┬‐-ｲ:ﾒ
.　　　　　 j /.:.「::Y´　｀　　ヽへ 千7
　　　　　　）:: //⌒ヽ＼　　 ',　　 ´　`‐-、
　　　　　 （／:.{　　　｀ヽ、　　　　 . ..:;　　∟

　　　　　　　　　　 ｀丶､
　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
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　　　　　　　 ｘ ＼　　　　　　　　　k
　　　　　　 〃 γ ＼ 　　　　　 ／ l.
　　　　　　 {i　 {　● }>､ﾉﾘ　xく●} l!　　　　そんな風にふざけるなよ！！
　　　　　　　ﾍ、`ｰ‐'′/　　 ﾍ.ﾞｰ'ノ:!
　　　　　　　　　￣　　　　　 　 ￣　 l
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　　　　　　　　　>､＿＿_／ ゝ､__ノ
　　　　　　 　 ./　　 　 　l//　 /
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　　　　　　 　 |　 　 　 　 !　 i
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　丶、　　　　　｀ ｰ---" 　 !
　　　 丶、　　　　 ｀￣´　ノ
　　　　　 ＞－----－''"






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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ二　二ヽ | |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / /　/ / |,｣
　　　　　　　　　　　　　　　　〈_/　<_/
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　　　　　　　　　　 　 　 　 /７　ｌ二 .ｺ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｒン

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　　　／　　　　　　　　　　ヽ､
　　/　　　　　　　　　　 　 　 ヽ､
　..′　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　　　ｷﾞｭｯ
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　　　　..ﾊ　　　ヾメー-ｲ　　, -― ､　　　.j!　　　　 ＿
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　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　`　　　　　　　　　　愛しているんだ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｲ　　 　 　 　 　 　 i
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 　 　　＞-､ -―:.-:.､_　　　　　誰かに渡すなんて絶対嫌だ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ　　　 　　,.:´.:.:.:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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　　　　　　　 /////////////////／//∧//∧ﾙ'ﾘi:.:;t.ﾉi｀ヾ､:.:.:.r-,__.:..ヾ:.､　　　　　どうしてわかってくれないの？
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　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　::::l 　 ', ', ',　　　　　　なにもエロイーズを気取ることはないんだぜ？
　　　l　　　　　　　　　　　{｀ヽ 　u 　 ::::｝　 ヽヽヽ
　　　l　　　　　　　　　　　　',´ ヽ J 　 /　　　　　｝
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　 　 　 　 /:::/::::,:/::::,ﾍ|＼::::＼:::::::::::::::＼ :::::::ヽ:::: ヾ:li､:.:::::ﾍ:::.ヽ.:.ヘ
　　　　　/::/:::::::/::::/　　　｀' ､i｀丶､::::::::::ヾ::.:.::`､:::::::ﾍ::ヾ.:.:::::ﾍ.:..＼.:ヽ
　　　　 ':::/::::::::/::/ 　　　　　　ー--ト ,._､::ヽ:::::::ﾍ::::::::ﾍ::::::ヽ::::::丶.:.ヽ.:ﾊ
　　　　 |::l!:::::::/::::|,.-‐'　　　　　　ｫ=＝ｱ＼｀i::＼i::＼::::ﾍ:.:.:.::ゞ::.:.:.ヾ.:ヽ））　　　　どうして？
　　　　 |::ﾊ::::/:ｲ::|,ｨ= ､　 　 　 　 r::::::::ﾘ ｲﾉﾘ｀'::ﾊ::::::::ﾉ＼i::::::::´ゝ､ヾ（.:.:（
　　　　 ゞ! V/::::ﾊ!::::::ﾘ!　　　　 　 ゝ- '　（::::(ﾉ::::(:::::::（::::::::::（:::::（　｀‐-､））ﾘ
　　　　　　　ﾉ:::::l:|:｀ｰ' 　　　　　　 /／l/l　）::)ｿ:::):::::::::）::::::::::）:::::）　　　ｿﾊ　　　　あの二人の関係はまるで私たちみたいじゃない
　　　　　　　ﾉ::）::|/l／ヽ　　　　 　 　　　　（::::(:::::(::::ﾉ:::（:::::::（:: ﾉ.:ﾊ
　　　　　　　（.::::::i　　　　r ､　 　 　 　 ｕ 　 ）::)::::::i::::ﾊ::::）:::::::）::ﾉ
　　　　　　　　）:::ﾍ　　　 ー'　　　 　 　 　 （:::(::::/::::::（:::::::（:::::::.(
　　　　　　　 /:（:::::ﾊ.　　 　　 　　　 　 　 　 ）:::):::ﾊ:::::::::）::::::）::,.:::)
　　　　　 　 ﾉ::）:::::::）::ヽ　　　　 　　 　 　 ／ﾉ:::ﾉ:/ ）:::::::(::::::::(::::::(
　　　　　　　 （:::::::（::::（:へ.　 ＿　　　　 　 ﾊﾚ''(::（(:::::::::)::::::::::)::::(
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アベラールとエロイーズ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..:´:::: :: :: :::: /:l::ﾉl:l:::/l::',::ﾘ::::::ﾄ､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::::::::::::::::l'　　､'仍/　　　 ﾋﾘ//
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　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ::!l、(　　　　　　　　　 ′ !
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿__　 ､,　　　　｀､ヽ_,｀ヽ　　　　　￣　 /
　　　　　　　　 　 　,　'´￣　 　｀　'´ ｀ 　、　＼|　　＼.　　　　　/
　　　　　　　　　／　　　　　　 　 　 　 　 ＼ 　 l_　 　 ｀ 　＿ , '
　　　　　　　　/::::　　　　　　　　　　　　　　 ヽ/　｀＞､_ /､
　 　 　 　 　 /:::::::::::　　 ::　　　　　　 　 　 　 |lー ､. 　　＞j__/´｀i
　　 　 　 　 /l:/::::::::::::l　l::　ll　 　ﾊ|　!::',　 ､　 ｌ　 　＼,- ､/::l 　 ｀ｰ､_
　　　　　　　 l:|ｲ:::::::/_/ﾊ:: ﾘ|　! /ﾉ!､|',_l:::: !　 |l ､　　/ヽ´ ヽ:ｌ 　　　　｀i､ _
　　　 　 　 　 l|:|/:/|/7ﾆ`l|､|/l/,-一_､ｌ＼::',　|l､￣￣　 l 　 ｀　　 　 　 |　ー、
　　 　 　 　 　 ! ｌ 乂ゞﾋﾏ｀　　 　´ﾋﾃ｀'/ ｀　|l　＼　　　 l　　　　　　　 l　　| ｌ
　　　　　　　　　!∧:〉､　　　　　　　　／´ 　/ヽ.　 ＼　　｀tｰ､　　　　 ﾉ 　 l. !
　 　 　 　 　 　　＼w〉、 　　 ' 　 　 ´/::／/　　｀i　　＼ 　|　 |　　　,'´ |　 / 〉
　　　 　 　 　 　 　 ﾍ|/.＼　 ￣ 　 ／／|/ 　 ヽ､|ﾉ 　　〉､ l._/￣丶|　 !　/l　|
　　　　　　　　　 　 ﾟ豸､　|`　ｰ　´|　　,豸゜　　　｀)　　　 ∨￣ヽ､　＼| ＿l　|
　　　　　　　　　　 　 　 ,ｲモ會テ込、　　　　　　__!､_　　/　　　　＼_/||＿|　!､
　　　　　　　　　 ＿ ≠: ｀´仏小｀´: : ｀ｰ. _　　／::::／i∨　　　 　 　 /'|　　|　 |
　　　　 　 , ' :￣ : l : :￣ ー〒/一 ￣: : :/: :｀.ヽ. ::ｌ /:: ｌ　　　　　　 ∧ | 　 l　 l
　　　　　,": : : : : : | : : : : : : : ′: : : : : :/ : : : : : :',./:: 　〉、　 　 　 /::::| | 　 |　.|
　　　　　l: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : :l　　 /:　　　 　 /:: :::| |　 /　 |

ピエール・アベラール（1079～1142)
12世紀のキリスト教神学者、唯名論学派の創始者として知られ、スコラ学の基礎を築いたとされる
パリのノートルダム大聖堂付属学校で神学と哲学の教師となって非常な名声を博した
後に教え子のエロイーズと恋仲になる

エロイーズ（1101～1164）
ノートルダム大聖堂参事会員フュルベールの姪
容貌が良く、学問にも優れていた
家庭教師となったアベラールと、20歳以上年が離れていたが恋仲となり、それが波紋を呼ぶ

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　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　 _ﾗ::/ｿｲ〃:::::::::ｨ:/|:l　ﾞl::|ヽ:::::;､ﾚVｗﾘl　　　　　　　ピエール・アベラールは12世紀の大学者だ
.　　　７:::::::::::::::､:ﾊ|/ ﾘ　l! 　 ｌ! _ｌﾊLｌ,i::;::::::::}
　　　 |ﾊ:::::::iⅵ_l!‐_二｀ヽ. 　｀　ｒ≠､､｀ｌｲ:::::!　　　　　　数多の弟子を育て上げ、その内50人は司教
　　　 　 ⅵ:ヽ 　/ l!寸｀　 　 　 弋ﾘ冫　1:::ﾄ
　　　　　　ヾ;ﾍ　　｀ ´　　　　　　 　 　 /ヾ'　　　　　　　20人の枢機卿、さらに１人の教皇も出している。
　　 　 　 　 { fヽ.　　　　　｀´　　 　 　/ｿﾉ
　　　　 　 　 ｀ヽゝ.　　　 ｰ ─‐　　 _'／　　　　　　　　
　　　　　　　　　　ム、　　　　　　／
　　　　　　　　　　 　 |｀ヽ､_ __,／ |
　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 |
.　　　　　　　 　 .'｀ｰ┤　　　　 　 |｀７ヽ
　　　　　　 　 _/　 i /! 　　　　 　 ト ｌ　,ﾄ､-､_
　 　 _,. -‐'"´/,.ヘ ＼ ‐‐､　 ,.‐‐　 / i＾|　ヽ　｀‐- ._

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　　　　　　 　 　 　 　 ／ム:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ﾄ::::ヽ，
　　　　　　　　　　　 /::::7　7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::rﾄ:::: ﾍ::::i
　　　　　　 　 　 　 /:::::〉／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヘ:::::::',
　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::;:ィ＝ｱ￣ﾌ:∧ ヘ:::::::::::::::::::::r=ｭ､:::::∧　　　　　　性格は強情で、自説のために敵を作る事も多い
. 　 　 　 　 　 　 ,':::::::::::::.／　　 ＞'´::::/／ヽﾍ＼::::＼!:::::＼　｀ヽ::::ヽ.
. 　 　 　 　 　 　 〈:::::::::::::::l　＞'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼》 〉:::::ヽ,　　　 その攻撃的なまでの学究に対する精神は、
　　　＿＿　　　　〉=ｬ､::::l_/::::::::::::::::::::: /｀l:::::::::,.ｨ:::::::::::::::::::::::::::::∨:::::l｀ヾ､
　 ／　　　 ＼ _,ィl´:::::::i,::::::::::::::::::/,l:::/　/::::／　 l::::/l:::::/∨l:::: /!::::::::.ﾄ　　　　 今も憧れと共に語りつくされている。
／　　　　　　 ヽ　∨::/il::::/l::::/l/　l,/　/／　 　 !/ ,l:::/　　l;/ .l::::/ヽ,lー.､
──.､　　　　　｀', l∨ﾍ!/　!/ 　 ＞=ｭ，_　　　　　 ,ﾚ' ,.ィ〔　　l::/.　　i　　＼　　・・・が、女のこととなると話は別だ
　　　　＼_＿＿＿_i. ｀ｰ､　　　<´　 ﾄｿ´.iゞ､_　ノ i ,.ィソ /　,ｲil/─‐-l　　　 ＼
　　　　　∨　　　　i　　　i　　 　 `ー＝'"　　　　 /｀ー '´ /　 　 　 　 !　　　　 ＼
　 　 　 　 ∨　　　 l　　　ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　　　/　 　 　 　 ,'
. 　 　 　 　 ∨　 　 !　　　', ＼　　 　 　 　 　 　 〉 　　／　　　　　　/
　　 　 　 　 ∨　　i　　　　ヽ. ＼　 く二ニﾆ＝r　 ,.＜　　　　　　 , '
　　　 　 　 　 〉　　l　　 　 　 ' .　＼　｀￣￣ ´,.＜　　∨　　　　 /
￣＼,　　　　〈　 　.i 　 　 　 　 ヽ｀ ＞.､　 ＜　,.ヘ　　 ∨　　.／
　 　 ＼　　　 〉　　l　　　 ,.ィ´ヽ 〉 　 　 _人／　 /＼　 .l　／
　 　 　 ＼_r'´　 　.l　 ,.イ　　　ノ｀'ｰ'´:::::::ソ　　./　　 ＼l〈
　　　　　/ 　 　 　 l／　l　　 （::::::::::::::::::::/ヽ　　　　　　　　〉､
　 　 　 / ﾄ　　　　　　　 i　　　ヽ,::::::::::::/ 　 〉　　　　　 ∠　 ＼
　　i　/　 l　　　　　　 　 l　　　　i:::／/　／ 　 　 　 <´.　　　　 ＼
　　i./ 　 .i　　　　　　　　l　　　　l:::::/ ／　l ＼　/ ／　　　　　　　＼

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::::::::￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::＿__:::::::::::::::::::::＼
　　　　 　 　 　 ,.　' ´ ￣￣￣ ｀ ` ヽ//　　　｀`ヽ::::::::::::::::::＼　　　　　　　優柔不断で未練がましく、
　　　　　　　／　／ ＼　　| 　 　 　 　 ＼　　　　　＼::::::::::::::::ﾞ､
　　 　 　 　 |　 / ノ＼.ヽ　| /　 　 　 　 　 ＼　　　　 ヽ::::::::::::::|　　　　　　うじうじと女を捨てることもできない。
　　　,. -―┴‐;;'´/.　|　ﾞ, l/　　　　　　　　　　ヽ　　　　｀､:::::::/
　 ／;;;;　::;;;;;;;;;;;;;;;;;7　|　.| |　　　　　　　 　 　 　 ﾞ,　　　 　 Y/　　　　　　　かと言って、女のために全てをなげうつ
　l;;;;;;;:　.:;;;;;;;;;;;;;;;;;/.　.!　,' |　　 　 　 　 /　　　　　〉　　　 .//
　!;.,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//　l_ノ;:/| ／ ￣ ｀`y'　　 　 　 ﾊ　　　 //　　　　　　　　決心もできない。
　l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　ノ::::::::::ヽ　　　　 ハ＿＿_／::::ﾄ､　 .//
　 ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l／-､,,,＿::::|　　 　 　 |::::::::::::::::::::;'　｀'Y/
　　　|ﾊ/V＼ﾄ､l　　 ＿ 　 ｀ヽ､＿＿_,ｲ::::::::::::::::::/ 　 // >
　　　　　　ヾ三___／:::::/｀`'ー- ､,＿__/:::::::::::_／ 　 ,//｢|
　　　　　　　　＼:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::,:r‐ ''"´　 ,.-'´ // .|.|





　　　　,ｲ/!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::li:::::l　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i、
　　　/　 /,ｲ:::::::::::::::::::::::!:::::::::::l !:::l　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
. 　 　! /| /!::/l:::::::::::::::::::|i::::::::::l |:::!　　　 !:|!:::::ﾄ:::::::::::::::::::::!::::::::::::::::|
　　 ｊ/:::ﾚ'::::| l/:::::::::::ﾊ:::| !:::::::!　!:|　　 　 ﾘヽ:::| !:::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::::ヽ.
. 　 /::::::::::::::|/::::::::/|:l　!:| l::::/ 　 il　 　 ､　　ヽｊ　ヽ:::::::::::i　 !::::::::::::::::::i
　 !/|::::::::::::::!:::::::/ ,ﾘ＿l|__V__,.　　　　　 ヽ`ｰ──V!::::ﾉ_　 lｊ::::::::::::::!:|　　　結婚しようと持ちかけながら、世評を気にして
　l/ l:::::::::::::| !:::/ 'ﾞ´＞-テ=､‐　　　　　　'ﾞ´ﾃｨ￣ﾌ‐､V　/｀:! ヽ:::::::::|｀
　　 |::::::::::::l　V　,.ｲ l_ノ;;;::l　　　　　　　　　　 lｰ'ﾞ;;::::! ヽ/::::::l　 〉::::ﾊ!　　　　妻帯の事実を隠し、田舎にやって赤子を生ませ、
　　 VY⌒i:|　　 ヽ　l:::::::::ﾉ 　 　 　 　 　 　 　 !::::::::ﾉ _ /:::::/　/:/ヽ.
　　　 { !´ヽ! 　 　 　 ｀￣ﾆ　　　 　 　 ｒ‐､　　｀￣￣ /:::::/　/!ﾉ｀! |　　　　最後にはその女を修道院に入れてしまう。
　　　 | l　 （|　　　 ハ ヽ＼　 　　　　 l:::::::!　 !ヾ ＼/:::::/　/:ﾊ　 リ
　　　 ヽ､　ヽ!、　　　　　　　　　　　　 |::::::|　　　　/::::::i_／::!ノ ／　
　　　　　｀ヽ、 l　　　　　　　 　 　 ､　,. !:::::l、　　/::::::::::::::::::i　/　　　　　　そんな器の小さい男になど憧れはしないだろう
　　　　　　 　 ｰi､ 　 　 　 　 　　 　　 　l:::::::ヽ.ノ::::::::::::::::::/‐'′
　　　　　　　　　 ヽ、　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　＼　　　　　 -‐‐-‐┼::::::::::::::::::::_／
　　　　 　　 　 　 　 　 ｀i ､　　　　　 　　{::::::::::::::, イ
　　　　 　 　 　 　 　 　　|　＼ 　 　　 　 ヽ::,.-'´ 　|
　　　　　　　　 　 　 _,.-‐|　　　ヽ. 　 　_,. '" 　 　 ├-､
　　　　　　　　　　 / 　 　|　　　　 ｀￣　　　　　　 |　 　!
　　　　　　　　　 ノ　i　　 |　　　　　　　　　　 　 　| l　 ｀ヽ.
　　　　　　　　／　　l　　 |　　　　　　 　 　　 　 　ﾞヽ!　 　 ヽ

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　　　　　　　　　　 　 　 ,.　- ､　,. - - =､
　　　　　　　　　　 ,.　'´　　　　´ 　 　 　 ｀ヽ､
　　　　 　 　 　 ／　 ／　　　　　　　　　　　　＼
.　　　　　　　／　 ／　／　　　　 　 　 　 　 　、 ＼
.　　 　 　 ／　 ／ ,　/　　　　　　　　　　　　　 ＼　ヽ
.　　　　 /　 ,〃／　,'　　　 　 　 ',　　　　　　　　　ヽ　',　　　　しかし女の方は違った
.　 　 　 !:　///　 ,' l　 i　　　　　 i　　　　　　　 　 　 '､:i
　　　　 |::/.//　　i: |　 l　 i　　 　 !　 　 !　 　 ヽ　　　 ',:!　　　駄目な男を愛しながら、彼女は強かった
　　　　 l/:,':,'　 .　l:Λ　!　 !　　　￤　! .i:!￤!　　', 　 :　ij　　　
.　　 　 ,' ,'.:i　.:/ /!! ﾊ: ﾄ､: ',:　 　 ｌ:　i: :ｌ:l: ｌ i､:.　 ',　 i　l!　　　男の輝かしい未来を思い、敢えて身を引こうとしたのだ。
　　　 ｜i ::l ::/ /,⊥!⊥ゝLjヽ::.　 !!: j /┼j┼ヽ::. !　 !: |
　　 　 ヽ!.::|:/!,ﾊ.　ミ'Tﾄｲiヾヽヽ:: !j://ﾄｲｱ｀>''∧!| : :|:::l　　　
　　　　　|:::l':!|'､::ヽ、｀ ﾟ¨´　　｀ V ' 　｀¨ﾟ　´ 〃::l:!:::!:|:/
. 　 　 　 ',:::!:', ::＼::＼_　　　　　　　　　　_／ ::/:::!:::!:ｌ'
　　　　　 ヽヽヽ＼＼ヽ､__　　　 '　　　　 ／／,':/:://
　　　　　 　 ＼ ＼＼:＞　 　 －‐　 ‐='´イ :://〃´
　　　　　 　 　 ｀　 ＼ヾ＼　　　　　　,.イｲ／'／
　　　　　　　　　　　　｀ ｜｀　､__ ,.　´　| ´
　　　　　　　　　　　_＿ ﾉ　　　 　 　 　 ', ＿_
　　 　 　 　 　 ,.　'´　／　　　 　 　 　 　 ＼ヽ.｀ヽ、
.　　　 　 　 ／　〈 ／　　　　　　　　　　　　 ＼〉　 ＼
　　　　　／ 　 　 ＼　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　＼
　　　 ／　　　　　　 ＼　　　　　　　　　 ／　　　　 　 　 ＼





　　　　　　　　 　 　 　 ,.､-:::ir､、
　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　 ／:.:::::､::::::::::';:::::.. i
　　　 　 　 　 　 | i::::,::ト_＼:､:::';:::l: l　　　　　　　　　　　　　その決断はカルチェ・ラタンに足繁く通う女たちに
　　　　　　　　　｀'!､!ﾄ|!:ャ|`':|:::j:/!〈_,.._
　　　　　　　　　　　　!|;!､.!:l::|:/、,､:'´　'､　　　　　　　　 　　自信を与えていた。
　　　　　　　　　　　　　`ヾ!''" /l,､-―::､'､
　　　　　　　　　　　　　　　　f.r--‐､ヽ::::::`、　　　　　　　　俗事に煩わされること無く、真理の道を邁進してほしい──
　　　　　　　　　　　　　　　 /.l゛,:　　ヽヽ::::::'、　　　　　　　
　　　　　　　　　　 　 　 　 /.r'´　　 　 〉 l::::::l　　　　　　　　そのためなら、乳飲み子を抱えて修道院に行こうが構わないという
　　　　　　　　　　　　　　/／　　　　 / 　!::::l　　
　　　　　　　　　　　　　 ,.'､　　　 　 '|　,.: _|;::〉　　　　　　　 ひたむきさを自分たちも共感できるからであるらしかった。
　　　　　　 　 　 　 　 ／　 >-､..,__ ﾉ‐'"´_;::':〉
　　　　　　　　　　 ,､' 　 ／'　　　 〈 :::::::::::::: ',
　　　　　 　 　 　 /　　/／　　　 /.!::::::::::::::::: ',
　　　　　 　 　 ／　／'´　　　　/::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　_,.r '　,∠l,_　　　　 /::::/::::::::::::::::::::::::l
　　　　　 〈:i!　　,k';m」 　 　 /::::/:::::::::::::::::::::::::::!
　　　　 　 ｀i`i"|`i'"´　　　 /::::/:::::::::::::::::::::::::::/
　　 ,.､-=＝l＝!=|i:.､　　　/:::::/::::::::::::::::::::::::::/
　　| `'＝===＝77"|　　/::::::/::::::::::::::::::::::::::(
　　 !　　　　　　　　!　 /:::::〃::::::::::::::::::::;;:‐〈　　　　　,､-ri
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　　　 /　　　　　　　 /　　,'　,'/　/　 , 　 , l.|、　 i　i:..::',､:ヽ
　　 /　　　　　 i 　 /　　 l　,'/ / 　 /　 / i| |l　　|.　l:::i::';:';:',
　 / 　 ,　　　　|　/ 　 　 |　i' /　 ／　ィ. /|:| |　 |i:: ::|::l::::';:i'!
　 |　　|. i　　　|　i　 |　　| .,'　　/　／7 /‐!トi　〃l::::l::::|::::l:l
.　 i　　| |　 　 |　|　i|:　　| |　／,イ　/''゛､_;'__l/ 〉i::::'::::;'l:::i::l
　　l,　 | |　 　 |　'　|:| 　 |　i　l´ ',.!　　　l￣,,､i〉゛l:::,:::/'|:/:l　　　それは自己犠牲などと簡単にくくれるものではない
　　',',　| l　 l　 |　　|::i　 |:i　l　l　',i',　...　ヽ.ﾚ'ﾞ ,ｲイ:/　!' /
　　 ヽ　i,|　 |　 i　 |::::|　|::',. l, |　 l ',　:::::::...　〈:: | '"　'゛
　　　ヽ　i 、 |i　l､　i::::l　|::::i |::|::.. |l:|　　 ::::..　ヽ:l
　　　　ヽ', :〉 |:'.,l::ヽ|::::l　|::::i |::|::::.| !　　　　 　 ..ゝ
　　　　　ヽ',ヽ::|＼:|l|､:::',. l::::l:i::|i::::|　　　 =:ィi´::|
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　　 　 /　　　　　　　　ヽ>ヽ.i:::l､!:l_,／::::i//:ll/
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.　　　　　 　 　 V　:l　　:从 以 :＼　 :l:l:斗七ｵ.::l　.::l　:!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Yｔ、　　 `＿_,　　〃′
.　　　　 　 　 　 `l :{　　:|:{ 斗=ﾄ､‐ゝ.从|ィ斤K .:! 　:!　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`‐へ　 `ー '　,ｲ
　　　　　 　 　 　 い 　.:ﾍ.::斗='　　　　　　￣ｲ/| 　:l　:!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lヽ､__,／ﾄ､
　　　　　 　 　 　 ∨＼　::廴｀_　　　　　　　　彡' .::/レ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／|　　　　ﾚへ、
　　　　　　 　 　 　 ヽ ::ヽ､ ≦_　　　_ '_,　　 ´Zィj/}/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,､-‐ｲ__　!　　 　 L　{ ｀''‐-､_
　　　　　　　　 　 　 __>､ _ヽ≦¨｀　　　　　イ≦‐' ､__, ―‐ 、　　　　　　　　　　　　　　　　 ／|　 　 ,ｲV Ｙ`ﾆﾆ二」ハ `ト-､　 ｀>､
　　　　　　　　　 ／　 r /　　 　 ｀ ーィ´ニう　　　　V| 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　 / 　 ｌ┬'´/／/|::::::r‐ｧ' ７　`ｰ'　　`Ｔ′',
　　　　　　　　 /　　 ∧′ヽ、 　 と ‐_‐＜　_ _, ィ´/∧　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　/　　 l│　 　 ＼!::::| /　/　　　　　 |/　　 !
　　　 　 　 　 .′　 .∧ ` ､/ヽ≧‐､ ヽ ¨＞‐' /__lノ　 ∧、　　　 |
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　　　　 　 　 .|　/　 ∨ 　 　 / 　 厂Uハ ﾍ　　'∨　　 /　　 ',　′
　　　　 　 　 .l .′ 　 V＿_ / }　_｝/ /　vVﾍ　| └― '　　　 |　|
　　　　 　 　 .|'　　 　 　 　 　 |厶 ' /　 ,l　Vﾍ′　　 　 　 　 |　|
　　　　 　 　 .l|　　 　 　 　 　 | / ./、　 |　 V{　　 　 　 　 　 |　|　　　　俗な世間に飽き足らず、
　　　　 　 　 ,'|　　 　 　 　 　 | } /廴r､ |_ ノ! V　　　　 　 　 |　|
　　　　　 　 ,' |　　 　 　 　 　 |ﾉｲ 　 廴f_厂V.lV　　　　　 　 ﾄ､|　　　　いつもいつも子供じみた壮大な理想を語ってみせる
　　 　 　 　 ﾚ'| 　 　 　 　 　 /l　l　　　人 　 l | ∨　　　　 　 |､.|
　　　　　　 ｲ/}　　 　 　 　 /{ |　!_ ,.　 |o|ヽ._| !｛ V　 　 　 　 l ヽ　　　 そんな男の“嘘”に惚れたのである。
.　　　　　 〈 '　l　　　　　　/}ﾉ l　|　　　|ol 　 | !丁∨　　　　　｝　|
　　　　　　 ヽ　　　　　　　/ ) |　|　　　| 」 　.| ! )　 V　　　　 '　/
　　　　　　 　 ＼　　　　 / ]7 |　l廴厂.} {,￢,| ! L　 ＼　　　　/
￣￣￣￣￣￣ ｀ー― ' ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ー‐"￣￣￣

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　　　　　 ｙ!／　　　　---、｀ﾞヽ､ '７/ﾚw::::::､::::､:::ヽ、ヾ:::ヽ'ヾ、ﾊ Y、 ﾞl
　　　　,.‐'　　　　　　　　　ﾞi､ヽ、 /::::!:::::ﾊヽ::ﾄ､_ヾ＼:､､::::::::::::v'::`':::ﾚﾘ:|
　　　/　　　/　　　　Vヽﾊﾉヽ. ﾞヽﾘ!:八::! 　 ヾ,.-‐ﾞ二ヾ‐｀ヽ:::::;:ｰ､::::::::::i　　　　だが結局アベラールは彼女との結婚に踏み切った。
　　 /ｲノﾚ/| i ﾉVﾊ ! Ｗv'ヾ　i ､ヽ|!::::;:iﾞ,.-、 '　´ｒﾃミ>　　 ヽ:i f=）ﾞl:::::/
　　 !ﾘ／ﾚl!| 1 ,､ w'ヽ　 ﾄ、ヽ l、 }､ﾊ:､ヽｨz､ 　 　ゝ‐'ﾊ/ 　 　 ﾞv'/:::::/　　　　 それが如何なる反発を招く結果につながった
　　| 　 i 　 | V　l!　i |＼ﾞヽヽi |ﾑ ｊ‐iVﾊハﾂ,　　 　"　　　　　　r-':::/
　　| 　 l 　 l!　　　 ﾊｊ ,.-ヽ!｀iｿ ',ｨｧ|| ﾞi　 　!'､ 　 　 　 　 　 　 / i:;ｲ　　　　　　としても、その時は考慮しなかったであろう。
　　ヽ、|! i　|!　 /,ハ　,,.ｨt､　　└'､lﾘ !|　　ﾞ ､ヽﾆフ　 　 　 　'　!ｲゝ
　　　ヽ|! l､ |!　i,ｲ 八く ﾞ┘、　　〉ﾞ ! ﾙ'　　　 ＼　　　　　,　　 　|　　　　　　　 結婚さえしてしまえば、幸せはあとからついてくると
　　　　ヾ､ヽ.∨ ﾞヽ.i ゝ、ヾ　___.,　/ｨﾉ　　　　　　｀ｰ-‐ 'l´　　　　!--,､
　　　　　 ＼ヽ＼　ヾ.ヽ　　 `ｰ' /ﾚi/　　　　　　　　　　 l　　 _,.-‐'"　|、　　　 ただ信じていたのかもしれない──
　　　　 　 　 ＾vViヽ､!ヾ､ ､..___/　　　　　　　　　　　_,.イﾞｊ-'´　　　_,.-,ｲ7
　　　　 　 　 　 　|　 ｀　　 !､　　　　　　　　　　 ,.ｒ'´　 l'´7　　　 /,ｨ'"　　ヽ、
　　　　　　 　 ｒ'くﾉ　 　 　 |､ヾｰ‐-;､__　 　 　 　i ﾞ!　 /i　|　　　/　 !　　　　 ヽ
　　 　 　 　 ,f´ 　＼　　　 !　 |　　 }::::::ﾞﾊ　　　ﾉ! f=ﾆｿ　ヽ、 /　　 ヽ、　　 　 ヽ
　　 　 　 ／　　　 　 ヽ、__　ｒ'|　　 !::::::i　!、 ｒ'ｲﾞ7|::::i' ／　 V　　　　　ヽ　　　 　i
　　　　 /'⌒ﾞ‐-､__　　　｀ヾ､　l　 ,ｲ:::!:::|　Z._| |　｀|:/　　　　　　　　　,.-‐`'´￣｀! |
　　　 /::::::::::::::::::::::::ﾞ‐‐-､____ﾞ､iノ;;;ｊ､:::V/＾へ､_!　 ｊ　　　　　 　 !　 /´　 　 　 　　 |
　 　 /ｒ'´￣｀ﾞヽ、:::::::::::::::ヽ.ヾ=ﾊﾒ;ヽy' ｨへﾞつl　 {　　　　　　　|　/　　　　　　　　ﾘ
　 　 {:i　　　　　ヽ、:::::!:::::::::ヽ ﾉ;;!ﾄ､;ﾞr'",.ヘ.｀ ﾞ!　 〉　　　　　 　|/　 ﾉ　　　　　　　l
　　　ヾ、　　　 ＼ ﾞヽ::|::::::::::::::ヽﾘ;!-ﾞi,r' ,ｨｰ'　 i　/ 　 　 　 　 　!　/ 　 　 　 　 /,ｲ
　 　 　 ヽ　　　　 ＼ ｀i:::::::::::::::::::＼ {_ｨ" ﾞ!　　 |/　　　　　　　　ﾞy' 　 　 　 　 / 　|

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　　　／ ¨ヽ-、　　_　_　　_　　_ / : : :.ﾊ: : :ﾍ
　　./:.:.:.,:.ハ,ﾊィ.: ' :.:.-:.:.::.:ﾐ､:..｀`ヽ く、_: : : :ヽ　
.../￣ : : :ヽ:.:/`-: : : : :.／ ヾ:.r´`ヽ:.:.:.ヽ、 : : : :〉
/ : : : :ヽ..／丶:.:／:.:../.:..:;::ｨ':.:/ﾍ:.,.:ヽ、:.＼/:.:/!　　　　　　　　ヤラナイコはそんな二人に俺たちを
!: : : : : : :/!:.:.:.':./:.:.／: : : : :.ｲ,:.､ : :く:.:.丶 : : :､〈
〉 : : : : :/:.|l:.,:.:.,':.:./ : . .;:.:/:.:./:.:.ヽ : ヽ: : : ､ : :ヽ)　　　　　　　 重ね合わせているようだった。
: : : : : :,':.:..:.,／:.:./ : : :,.':./:ハ:.:.:,1:.!:.:.!:.:∧ :ヽ、 :Ｖ
　／:.;'::.lヽ/;/:.:.:!: : : :/;ｲ:.l 　', :/ |:.:.:.ﾄ､:.:.:.!ヽﾊ : l
〉:::::,／~i　;' :. .ｲ:.:.:.:/!;' !:./　　l|:./_l_ ! | :i : : !:.:.:.:.|　　　　　　　「ヤラナイオとアベラールは同じ出身地
::::/　　 |:,':.:/ﾚ|:.:.:.;' /-.|/_ 　 /|/,- /__!/| : :ｲ : :lﾘ
ヽ〉 　 /'lｌ:.|γ!:.:.:.!:'てｨヽ`　　　'ﾞこ'ﾃ;ﾊ|:./:.:.:.i ム　　　　　　　 そして、私とエロイーズも同じように家庭教師の教え子。
／　　|/!|:.i.（､ﾚ: |ﾞゞ-' '　　　　　 `ｰ'´ l/:.1l:.ﾅ　　ヽ
　　　/:.:.|/:.|:.::|､!|　"　"　　　　　 　 "'/:./|/　　　　　　　　　　はてさてこの偶然の一致
　　 /:.:!:人| !:| iヾ、　　　､__ '_,. 　　 , ｲ :!
　　:.ｲ !:|::!:.i.|:! !_/:`:..､　　　　 　, ., '´ ﾁ:.!、　　　　　　　　　　 これを運命と言わずして、なんと言うのだね。」
　／ノィ ¨ヽ.:l´ | .⌒ヽ.`,. - . ィﾁ/　 ｨ!,!:::::::|｀ヽ
　　ｲ:::::::::::丶|:.| !:.｀ヽ.　ヽ ,ィ ,イ´　,/ /::::::::!　 |　ﾄﾞﾔｧ
　/＼_　　　ﾞ!:.|/ヽト､!　 ｀'"´ 　 　ﾞ'i /:::::::/ 　 !､
ィ　　　ヽ､:::::|:.!＼!　 ,!　　　　　　 　ﾍ::::::/ 　 ﾉ　!
　　　　　 ﾞ､:.ヾ!　　!,/.|　　　　 　　 ／:/,. - ィ;.:.ﾉ
　　　　　　 ﾞ､!'　 ／,ノ　　　　　,.イ /;ﾉ　　　　,′

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　　　　　　　　　　　　 ,ハ　/＼　　　　　 /::::::ﾍ
　　　　　　　/´ヽ　　,/;:::::∨::::::::Y＾⌒ヽ､{ｹ:::::::::ヽ､
　　　　　　 /l:::::ﾉ!／::::／:l|:::_ｲ丶{:::ヽ､::::.ヽ::::::'⌒＾￣,}
　　　 　 ,／/:::::/::::／:::::／l{ﾆ、ﾐ::::＼::::::::.::::＼: : :./´::|
　　　　　i /:::::/::::::::::::::::′∧ヽ＼::::::::ヽ::::ヽ:.:.:.ｲ.:/:::::::;:
　　　　 /::::::::′/:::::::::/:::丿　'.:::::::ヽ:::::::ヽ:::::!::゛_,ｲ',::::::::ﾄ､　　　　　　ヤラナイコはスコットランド系貴族
　　　／:::::::/::::〃::::::/:::::|　　　ヽ::::|ヽ:::::::';::::ｌ:＼:::i|::::::::: : ::>
　 , '::::::/::::/,ｨ!/:::::l::::::L::∟、　　､::|　 ＼!:::::|:::::l＼::::::::|ゝｲ　　　　　「カニンガム家」の娘である。
　 {::::::/:::://｜'::::::l-/　　　　　 　ヽl二,,'_'j::::|::::,ﾄ､:::＼::lﾙ
　 l::::/／ l:||::ｌ:::::::::l,' 　　　　　　　'´‘;!iﾒj }|:::ﾚ'::!ヽj/　）ヽ　　　　　　外国人だからと馬鹿にされたくない両親の意向で、
　 ｀/,'　　l:||::l:::ヽ∧iゞ=r'''" 　 　 　 Ｖノ /|:::l丿::ﾘ::|　　`丶
　 （ l　　ﾘｌ:!い::::::{tﾍ ,,,, 　 　　,　　 　　,,,;ｌ|::::|::/ｲ|::l　　　　 ）　　　 俺は彼女の家庭教師を依頼され務めることになった。
　　　ヽ　ｌ/　Ｖ｜トrﾍ、　 　 　 　 　 　 ,ｲ.|::::|::i|| ﾘ
　　　　　 ＼｜::| |｜::::ﾄ､ 　 ｀ 　 ´ 　 ｨ::ﾚ':::::jl:::l　　　　　　　　　　 当然、悪くない給金という理由があってのことだが・・・
　　　　　　　 |::::j人!::::｜「 ト　 __ ,　´｜ ′ｲ八|:　　　　　 ,- .
　　　　　　　 |::/　 i:::::::ｌ l! |　　　　　　∨/::∧::丶 　 　 　/　/
　　　　 　 　 |/　　|:::::::l !ﾚ　　　 　 　 //::∧ ﾄ､::::＼.〉　/　/
　　 　 　 　 / 　 　ｌ:::::::川　　　 　　／/::,ﾍハ.f^∨､ .__/　/
　　 　 　 ／　＿ 厶ィ'::::/　　ｰ一' _／∠_ヽヾ.i　 〉, '´＼/
　 　 　 /: :＼: : ./ 7/　 〈i 　 　 　 /: :/　　／ }　.〉´＼〈 }
　.　　　{.: : : : :.:/,ｲ./:.: : : :',　　　 /: :/, イ　|: :/ 　<^＼ /
　.　　　|: : : :.:〃 .ﾚ'ヽ: : : : '.,　　/: :〃: :.|　.j: :{f´　Y　 /|
　.　　　|:.: : : : : : : : :∧: : : : ＼/:.: : : : :.ﾉ ノ ハ　　　 /‐ｧ
　.　　　|: : : : : : : : : : : ',: : : :／＼: : : :/´: : : :〈ゝ､　 ／ |

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　　　　　　　　　　　　　 ,ハ　/＼　　　　　 /::::::ﾍ
　　　　　　　　/´ヽ　　,/;:::::∨::::::::Y＾⌒ヽ､{ｹ:::::::::ヽ､
　　　　　　　 /l:::::ﾉ!／::::／:l|:::_ｲ丶{:::ヽ､::::.ヽ::::::'⌒＾￣,}
　　　　 　 ,／/:::::/::::／:::::／l{ﾆ、ﾐ::::＼::::::::.::::＼: : :./´::|
　　　　　　i /:::::/::::::::::::::::′∧ヽ＼::::::::ヽ::::ヽ:.:.:.ｲ.:/:::::::;:
　　　　　 /::::::::′/:::::::::/:::丿　'.:::::::ヽ:::::::ヽ:::::!::゛_,ｲ',::::::::ﾄ､
　　　　／:::::::/::::〃::::::/:::::|　　　ヽ::::|ヽ:::::::';::::ｌ:＼:::i|::::::::: : ::>
　　 , '::::::/::::/,ｨ!/:::::l::::::L::∟、　　､::|　 ＼!:::::|:::::l＼::::::::|ゝｲ　　　　　そこからはお決まりのコースというか
　　 {::::::/:::://｜'::::::l::/ｌ_∟､　　 　ヽl二,,'_'j::::|::::,ﾄ､:::＼::lﾙ
　　 l::::/／ l:||::ｌ:::::::::l,'ｌ { ﾄ;ﾊ` 　 　 '´‘;!iﾒj }|:::ﾚ'::!ヽj/　）ヽ　　　　　 いつしか彼女は頻繁に部屋を訪ねてくるようになり、
　　 ｀/,'　　l:||::l:::ヽ∧ヾ` vｿ　　　　　 Ｖノ /|:::l丿::ﾘ::|　　`丶
　　 （ l　　ﾘｌ:!い::::::{txwx 　　　　　　 　 xwx|:::|::/ｲ|::l　　　　 ）　　　 ついには親に勘当されてまで同棲する運びとなった。
　　　　ヽ　ｌ/　Ｖ｜トrﾍ、　 　 　 　 　 　 ,ｲ.|::::|::i|| ﾘ
　　　　　　 ＼｜::| |｜::::ﾄ､ 　　(⌒ヽ　 ｨ:::ﾚ':::::jl:::l　　　　　　　　　　そこまで尽くしてくれた彼女に何かの形を報いたかった
　　　　　　　　 |::::j人!::::｜「 ト　 __ ,　´｜ ′ｲ八|
　　　　　　　　 |::/　 ト､_「 i! | 　　　　　 j 《|! !　 ﾘｷ「! 1:､　　　　　　　
　　　　　　　 ,ィ´ ｉ入　ヽ:ｲ　iｧj　　　_.．ｲ　ゞi　/ i　i:l　!　＼　　　　 決してあの二人の関係と一緒になりたくなかった──
.　　　　　　 / 　 l l:l人　∨ィく{_　　 _!　 ィ／! /　l　{:|　|　　 ヽ
.　　　　 　 ,′　 i l:l　 ヽ Ⅵ ﾄ､「ヽ ´j　／／!/ 　 い:!　|}　 　 ﾍ　　　
　　　　 　_i　　　l l:l彡　 ヾ:、! i!　 ,ｨ'イ／ｨ〃　 　 Ⅵ 〃
　　　　 く 、　　 ｙ"　　 　 ヾ:ヽ ∨/ / /　/ r‐ｬ　　ヾiﾂ
　　　　　jヾ　　/　　　 　 　 `圦i/ /／　 　 ヾｲ　　　ヽ
　　　 　 lヽ＼/　　　　　　　　ﾞミ彡"　　 　 　 　 　 　 ｷ　　/
　　　　　|　ヽ{ _＿r､_,__,､__＿__ゞ"＿＿＿＿＿＿＿__j　 /
　　　　 r{ 　_ゝY ｖ-ヽ_巛巛ヾ三三三三二ﾆ,､r'´" ｀ }i／ _＿
　　, - ┴=ミ/´／ rﾐ:､巛巛ゞ{"ﾞﾞﾞ"ﾞ`'''ﾞ""ﾞ`_,.:.:.,.r'ﾞ"ﾞゞli／
　/　　　　 Yi r く))Ⅶ､ﾞミ辷rﾞ`ﾞ""ﾞr=ｙﾐf=くｧ`''ﾞ"ﾞﾞﾞY ヾ1　　 _
./　　y　　ｲ rミ≧ィヾミｒ=ﾆ二≧､辷{.:O:r':7V´＊｀Y'≦|　　「
　．._j-,　ﾊ≧≦{≦≧}≦≧≦r(ぅｧｆヲζｽ≧≦≧≦≧､　r{

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　_,.
　　　　　　　　　　　　　　　　,.､-‐''"´ ｀´ィ,
　　　　　　　　　　　　　　　／..ﾂ::ﾄ､:、;､::::シ､
　　　　　　　　　　　　　　 /　人ﾘ　ヽ!_;ﾘﾙ ミ　 　 　 　 　 _,.._,,...､._　　　　　　　その恋の後半は悲恋として伝わる。
　　　　　　　　　　　　　　　!ﾘｨｽｼ'　　'ゞ'' l.ﾒ｀　　　　 　 ,,:'_.;､ ィ 二 `:,_
　　　　　　　　　　　　　　　 !rヽ　　'`_ 　 !ｿ　　　　　, ‐''´!　 `シﾆ‐: 　l_　　　　結婚後の彼らに幸せは訪れなかった
　　　　　　　　　　　　　　　　`'ヽ､ ´ 　/l゛　 　 　 　 〉 ､ﾄ､、 i!゛!ﾇ／,';ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !`ﾝ゛_,.〉'">__,. -.､!/ヾ`:､｀ヾﾁ匕/ｲ/!　　　 　 彼女の叔父はその関係を許さず、
　　　　　　　　　　　　　　　　　,､‐'"i　_,,!l_ /'゛/,:'　 ,ゞ''=;;ﾆ`ｰ＞''"/ﾉ/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /／ゝ!"r'゛´_,､'-'‐7´　'ﾂ_,ゝ‐'､z／ｨ|'〃.　　　 　 彼に復讐を企て実行した。
　　　　　　　　　　　　　　　／　 `'':Y゛,ｲ´ 　〃'"´｀／' 　 　 iﾌ,ｲiﾘ´
　　　　　　　　　　　　　　 l´　　　　 >i´j.;::'　　　　 / ,.:'l　　,.⊂>'゛　　　　　　 　悲劇の結果、二人は別々の修道院へ
　　　　　　　　　　　　　　 | い　,､<ヾl゛/ィ　...:::::::: ﾉ`:.､|ニｨﾆ`ｲ
　　　　　　　　　　　　　　j　ﾄ;l´　ｨﾐ|::}lｙ',..｀>-:イ_＼,.:!‐:::｀'7/ヽ　　　　　　　 　 別れることとなった。
　　　　　　　　　　　　　　l　i　|‐　　,.］ﾂ '- :::;;ｸ__/--i'ｵ‐:::::7 |刈
　　　　　　　　　　　　　 /,..: ゝ!;:..　 _ |　　　　／　　/`ﾄ::.._/ /'´　　　　.　　　　 焦った結婚は破綻を迎えるしかなかったのだ
　　　　　　　　　　　　　 !　 < .|,.　　..`l　 _　 / 　 　 | /'´ｨ.l‐'
　　　　　　　　　　　　　 7''"´`ﾚ　　 ｀l´　ヽlii‐;;;i-'" l-‐‐:|　　　　　　　　 　　　 そしてまた、本当はエロイーズ自身も結婚という
　　　 ,,.....､ィ;―― -- ､ '=:､、 'i:''"　,..::'､ｰ､.!l_!!!!|lヽ ｛..__ ''!.
: ''"´,:‐'´´　　　　　　　　　 ::ﾂ`､:'゛　,.,,.'i 　 ＼_| !'"〔=-:::|ヽ　　　 _ ,.､　.　　　 　形を望んではいなかったという・・・
' "´　　　　　　　　　　　,,.. -‐''"゛ゞ;ィ'l |'iヽ　/l''1/!!!{_.._:::r゛:ヽ　　,.|;'／
:__;;_、　　　　　　 , .､ '"　 ∠ニニニユ''７〃'゛´!||!!!!!l　　|＼::::`i｀´;|;|
ン'7　`''＝､''',.":'゛／,.-‐ ､....,,,.＿＿＿,,,..ノ!!!!!!!!!|〉!|!!l 　 !｀"ヾ,､!;;;;;;;;`‐'"
_/　　　 ,､:'゛　／　　￣`"'''ー-----;／!!!!!!!!!!__゛;:|!!| 　l!!!!!!!!!;l.|!､;;;;;;;;;;;
';:ｰ､; :'゛　,: '´　　　　　　　　,,..､:''"´!／´￣´;;;;;;;;;;;フ゛ ./!!!!!!!!!ｿ|!!ヽ;;;;;;;;
;;;;､'´　 i'´　　　　　_,､_-‐ '"!!!!!!!;_／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､;/.　 /`i!!!!!!!!ヽヽ_!〉;;;;;;
'゛　　　l　＿,.､:='"､..,_　｀,ヽ-‐''´　ヽ､;;;;;;;;;;;;;;r‐ﾄ/ ,ｲ /;;;;;|!!!!!!!!!!!ヽ､`ヽ;
　　　 l'´/　　　　　　 `'ヽ､_　ー゛l´ |;;;;;;;;:､:-'ﾆ〈ｲ_／;;;;;;;ヾ!!!!!!!!!!!!!!｀'‐､


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　　　　　　　　|　|　＿／　　 ＼）　 　 　 　｜ |　　ミё彡
　　　　　　　　|　|　ヽヽヽ　　　 ｌ 　 　 　 　｜ |　　　　　　　　ミё彡
ミё彡　　　　|　|　　＼｡＼　／　　　　　　｜ |　　　　　　ミё彡
　　　　　　ミё彡　　　　ヽｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミё彡
　　　　　 ミё彡　　　　　　　　　　　　　　　　ミё彡　　ミё彡　　　　　　　　結婚に囚われてしまうと、
　　　　ミё彡　　　　　　　　　　　　　ミё彡_
　　　　　　　　　ミё彡　　　　　　ミё彡　|､ ・）　　　　　　　　　　　　　　　　 結局は虚飾と惰性の日々が続く
　　　　 ∧＿∧　　　　　　　　　　　　　　∩￣　∧∧
　　　　（　；∀；） 　　゜。　　　　 　　　　　 ＼＼(ﾟДﾟ )_
　　　　/ 二]つつﾞ　 ∫∧＿∧∧＿∧　　　 ヽ~ У / 〉
　　　/＿_/|＿|　 ∫ﾉ （　´∀｀）ノ ﾊﾍX～ ∠（・>⊂Ｖ
　 　 /∧＿∧　｀ﾉノヽ,~〈∞〉ヽﾟﾉ ＾∀＾）～'　/ / ∧＼＼
　　（_（　 ´ー｀∠ ー 、～V　⊂〔二⌒)ヽ　　⊂⊃　　⊂⊃
　　　/二]つ´ﾟﾉ　　　|＿∧＿_|　ﾉ ノ~ ⌒ノ⌒ノ
　　　|＿_/|_|　　　_ l //　,|　| |　ﾉ　ノ　ノ　ﾉ　 　/§∧
　　　 〉＿〉_〉 　 _l_　| |　| |　| |ﾉノ　ノ　 ノθ　　(ーﾟ*　)
　　　（＿_）_）　 |　 （￣ ）（￣ ）　ノ　ノθ 　　 ⊂⊂~〉∩∩
　　∩_∩　 　 |￣|￣￣￣￣￣￣~~~l￣l　 　 　 /~~（∇｀ ）
　 （ ´ー`）　 |￣|￣￣￣￣￣￣￣￣ｌ￣ｌ　　 　l_____ﾟヽ~~~)
　 /ﾆ]つつﾞ|￣|￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣|　　　　UUノ__＿＼
　 |＿/|_| |￣|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣|　　　　　　 (__))
　　|　| | |￣|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣|

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　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-､.,_
　　　　　　　　ヾ;:､_〉ヽ-;:-'" 4)., /`;｡o｡
　　　　　　_／`-`ミヾﾝi!i!:;:;i^i|::il|ろｆｔﾏ'　 /"~,ゝ　 ,r:,
　　　,､＿ゝﾆ''ｌ､;:;:;mnっ,;;;;;;;;ヾｖ彡ﾆ'")ｋ;'"/､,.ﾍゝ_ｆｙ_,,.
　　　＼ゞヾ:;:ゝr‐"ijjヾヽ;;;-'彡ﾟミﾘ0:::::::/,r"ミoミ::;;:,.／
　　　　 ヾ-､o;:-'ヽ|ヽ::||;;;(ﾐo,.r'/'::::r-v"/ｖ;:""'"〈／　　　　　反対に結婚という楔を抜けてしまえば、
　　　　 /　　` :､::::ゝ'､||:;;:;Y:;;||::::::,-‐''''"""￣ ,／
　　　　 `ー-､- ､`.,､_/＼:;:|:;::||／　　_,,... ;　 ,.'　　　　　　　　その愛は形式に強いられることもない
　　　　　　　 ヽ　　　　ヽ､_`ヽ;'" ,.-'"　　　,.:'
　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　 Y　　 　 　,:'　　　　　　　　　　無償で惜しみないものとなる。
　　　　　　　　　 `:､　　　 |` '" |　　 　 /
　　　　　　　　　　　＼　　ヽ　 .l ,l　　,.'　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ヾ'^ミﾐ:､,i..l-‐｛　　　　　　　　　　　　　───愛したいがゆえに男を愛す───
　　　　　　　　　　　　　〉-ｔくし〉ヽｰ;r'　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　ゝー;~:i l＾|`'　　　　　　　　　　　　　彼女が望んだものは、そういった崇高な
　　　　　　　　　　　 ／,.ｲ_"　 i　 |　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　 ￣　　￣￣~~　　　　　　　　　　　　 　 心の交流そのものだったのだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'／/;/:.:./;/:.:.:.:.:. /;;;;;／:.:.:.i;;!:.:.:.:|;!.|;;;;;;;;;;/i':.:.:.:.:!.!;;;|.:. ﾍ;;;;;;;|.:.:.:.ﾍ;;
;;;;;;;/i;;;/´ , , :.:.:.:.:.i/:.:.:.:.:.:.{;;;;;/:.:.:.:.:.:i,':.:.:.:.|'.:.:|;;;;;;/. /.:.:.:.:.:|.:.!;|.:.:.:ﾍ;;;;;|.:.:.:.:.ﾍ
;;;;/ i;;/　　"　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|;;/:.:.:.:.:.:.:!':.:.:.:.:,!.:.:.|;;; /:.:'.:,:.:.:.:.:.!.:.:.|.:.:.:.:.ﾍ;;|.:.:.:.:.:.
;/　i;/　__, == ー== 、_:.:.:.!':.:.:.:.:.:.:.:'.:.:.:.:.:.:|.:.:.|;/.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:U:.'|.:.:.:.:.:.　　　　しかし、アベラールの望みは逆だった。
ﾍ　i' ' ´　　　　　　　 "｀"=_;:_.:.:.!,!:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.|':.:.:i/:.:.:.:.:.:.:.:.:._.:.-ｰ= =-,:__:.:.
;|ﾍ.'　 　 　　　_,.-="´""＝=_｀ヽ、、_ ,: : :i : : :: !.,〟: : :,_. = '" 　　　　　 //　　　俺から言わせれば、アベラールだって
'|　｀　　　 _, ="　　　 　鬱,　｀'i:.:.:｀:.":ミｧ,!/　　|;;;;;;;;;=＝'""ﾞﾐ._　　　　〃
　 　　　　'ﾍ　　 　　 　㌦ﾉ　　'　: ::　　 -'　:::::::>;;;/　.鬱　　　 ﾞi,　　 ./　　　　　 結局は“只の男”
　　 　 　　 ｀.、　　　　　　 _ ,　　　　　　　　 '7／ 　 ヾﾞ' 　　 　};;..:.:/　
ヽ　　　　　　　　　__ ...-ｰ´::.:.:::.:::.:...　　　　　 . ...:.ｰ-　,_　　　　'::.:∧　　　　　　　結婚に踏み切った理由も手に取るようにわかる
.{ i.　　　　　　　　: : ::.:..:.::.:.:. : :　　　　　　　 .i:.:.:...:.:.:.:.:......:.｀:': :.:.:./:.弋":'.ｰ-
ヾ::!　　　　　　　　: :.. :.:.　　　 　　　　　　　i:.:.:..::.::.:.:.::.:.:.:.:　　 ::/: : :ﾍ: : : :　　　　おそらくこう考えたはずだ
:.ﾍ::.i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i;;.:.:.:.:.:.:.: : : :　　 　ﾉ: : : : :ﾍ: : :　　　　　　　　
: : ﾍ:ﾍ　　　　　　　 __　　　　　　　　　　 '": :.;; : : :　　　　　　/ : : : : : :ﾍヽ :　　　　　　　　
.: : : :ヾゝ　　　　　´ゞ、ヽ、 　 　 　　　丶　／　　　　　　 ／:: : : : : : : : ﾍ:
: : : : : : ヾ....　　　　｀ヽ｀ﾞ＞丶、 , _＿＿＿＿　　　　　 ／|　　　: : : : : : :
: : : : : : : :.i::＼　　　　　｀丶、＿＿＿＿＿／　　　イ:::　!　　　　　　　: : :
.: : : : : : : : ﾍ::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　∠´;;;;;;i:::/


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,x幺主圭歪≫''¨”´ ,ｘｉｆ斧lll圭圭才''"´　 　 　 刈圭狄ｱ㌢　　 　 　 　 　 　 '守|会ｭ　　　 '守圭圭圭圭
丞圭亥7才´　　,.x幺lllll圭才"´　　　　　　　　,炸Ｉ圭jⅣ´　　　　　　　　　　 　 ｀Ⅵ|丞　　　 ｀Ⅵ圭圭圭|
圭歪ｊ㌢´　　,x幺llll圭才´　　　　　　　　 　 　焔圭:Ⅳ　　　　　　　　　　　　　 　 Ⅵ|伐　　　 　Ⅵ圭圭||
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　　　　 　 !垈　　　　　　　　他の男になど渡してたまるか！！と　　　　　　　　　ノ
　　　　　.為llll}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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f,/淤圭Ⅳ　　　　　　　　　　　　　Ⅵ心　　　　 　 刈圭?[ｱ　　　 　 　 　 　 　 　 `''寺ll≧ｭ｡.
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圭i:洲{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 以Ⅳ　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,炸,圭l圭l圭l丞
圭i:刈　　　　　　　　　　　　　　　　　[　　　　 　 Ⅵ7　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,炸圭圭l圭圭刻
圭lil代　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /k　　 　 　 　7　 　.λ　　　　　　　 　 　 　 焔圭l圭l圭l圭Ⅳ
圭圭淤t、　　　　　　　　　　　　　　!垈　　　　　　　　　 代　　　　　　　　　　　 以圭圭圭淤jⅣ
圭圭:歪会ｭ｡　　　　　　　 　 　 　 .為llll}　　　　　　Ｌ　　',{Ｉ≧ｭ｡.　　　　　　　　 込i:圭l圭圭:Ⅳ
圭圭淤冰ik会ｭ｡　　　　 　 　 　 .ｨ圭洲;　　　　　　[代 　 `''寺ｌ圭≧ｭ｡.　 　 　 Ⅵ7:圭lll圭lⅣ
ll圭圭圭淤冰ik会ｭ｡　　 　 　 ,ｨ劣圭:㌢　　　　　　Ⅵ心　　　`''寺圭斧≧ｭ｡._　 `''寺圭圭丞
圭圭圭圭圭圭圭ik会ｭ｡　 ,ｨ劣lll斧ｱ　　 　　　　　　Ⅵ会ｭ｡　　 .ﾞ㍉丞圭圭会ｭ｡_　｀'守圭ik会ｭ｡

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　 　 /　　ｨ　　 ハ　 ,ﾄ、
　　/　／ iハ /　　Ｖ　 i／ﾘ 　 i　　 r'ヽ　ﾄﾊ　　 | ﾘ ,ﾊ　i{
/ ハ/ |=-/'"ﾚ二ﾆ _　　/　 ,iﾊ/ゞ=ﾆ二ﾚ|;ヽr'⌒i-ﾚ'　ヽ|ﾚ'
r"ﾚ-=/_　ﾉ_,二ﾐ,　　￣ '"　　　　ー　" ,.r=-ヽ i/　 'ヽ、　　＼
,/ '^` ,ﾉ　　　　　 ヽ,　　　　　　　　　/／　　　＼　　　＼　　 ＼　　　　　　　情を重ねれば重ねるだけ、不安が生まれる。
　　　/　　r,ｧ　　　　i 　　　　　r- ､v' 　 　　ｨぅ　 ＼　　　 ＼　　 ヽ
　　/　　　ヾ'　　　　/ 　 ,i' 　　i| i_,ゝ＼　　　`'　　　〉　　　　)　　 /　　　　　無償の愛が、猜疑心も大きくしてしまう。
　,i(　　　　　　　　／⌒ir　-=-i＼　　　＼　　　　　 /　　　 /　　 /
　|i'ヽ　　　　　 ,/　￣ / 　 ー　　 ヽ　　　ヽ　　　 ,/　　　 /　　 /　　　　　　交わした時のこの身体が、その囁きが
　iヾ; `ー= "~/　　　/　　　　i :::::::::::i　　　ヽ=ー'/　　　 / 　　/
　i| 　　:;-=''/　　　 /　　　　 i ::::::::::::i,　　　 i　　/　　　 / 　　/　　　　　　　他の男にまで与えられやしないだろうか？と
　 iヾ,　　 /　　　 /　　　　_　 ;　:::::::::i　　　　i,r/　/　　'i　　 /
　 ヽ　　/　　　 ,i'　　　　⌒　⌒　　 i 　　　　＼,/





　　　　　　　　　　　　　,､　-- ､i!__
　　　　　　　　　　,　'´　　　　　　　｀`ヽ､
　　　　　　＿ ,／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　 　 ∠　　　　　li　 ﾄ､ ､　 ､　　　　ヽ
　　　　 　 /　　　 ,　, |ヽlヽ!ヽ､|ヽ!ヽ　　 　 l
　 　 　 　 ﾚ!　　./Viﾚ'　 , -ｰニｰ-､ﾚ､　　 .l　　　　　　　　　　　　　だから男というものは女を恐れ、また原罪を仕立て上げた。
　　　　　　 |　　|i ,-ｰ､　　　'⌒iTｯ 　 .| /`ヽ!
　　　　　　 ヽ,　',　ﾊT:}　　　　 ﾞ´　　　`　ｿﾉ　　　　　　　　　　　　 結婚という枠組みに閉じ込めることで、
　　　　　　　　`ヽ',　''´ﾉ　　　　　　　　 _,イ-､
　　　　　　　　　　{l　　`　　　　 　 　 / ヽ┤ |｀`ｰ- ､　　　　　　　 合理的に女を呪縛する方法を考え出したのだ。
　　　　　 　 　 　 /入　　￣　　　　,　　　./　 |　 　　 `ヽ､
　　　　　　　　　 ﾄ､ ゝ>-ｰ' ￣`ヽｲ　　　/　　.|　　　　,､ '" ＼
　　　　　　　　　 了､_　　　　　　　.〉　 ./　 　 |　　 ／　 　 　 ヽ
　　　　　 　 　 　 /ヽ｀`ｰ-l'　　　 |　　/__　　 |　　/　　　　　　　l
　　　　　 　 　 　 |　 ＼　 ,' 　 　 l`ｰ''|　ヽ､. |　 ﾉ　　　　　　 　 l
　　　　　　　　 　 |　　　`,' 　 　 .lヽ::::ﾉ　　　｀　l　 　 ／ 　 　 　 l
　　　　　　　　　　l　 　 ./　　　 ト-辷　 　 　 `Y　／　　　　　　 l
　　　　　　　　 　 l　　 ./　　　　|　　ﾄ､＿　　_-/　　　　　　　　　|
　　　　　 　 　 　 |　　/　　　　 |　　　 lヽ ｀　　l　　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　 L_../　　 　 　 ﾄ, 　　 |　l.　　 l　　　　　　　　　　|

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.　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _| 　 |--r:,::､-､‐r‐､-､　　　　　　　　　 ｜
.　　　　　　　　　　　　　,-/:::| 　 |:::,'::l:ヽヽ::ヽ::'､:､:::.､　 　 　 　 　 　 |
.　　　　　　　　　 　 　 //:: :::| 　 |/:: i:::::',:::ヽ: ヽ:::ヽ::::::､　 　 　 　 　 |
.　　　　　　　　 　 　 ,:':::::,"::::| 　 |:::: |:|::::l::l:::::':,:::ヽ:::ヾ､:ヽ、　　 　 　 |　　　　後に、彼女はその男の浅ましさを手紙の
.　　　　　　　　　　 /:::: / //:| 　 |::! ! :::::|::::!|::､ヽ､_＿::｀､ :ヽ 　 　 　 |
　　　　　　　　　　/:/:::/　/|!;| 　 |::|::::::|:::|i:li:匸二-―ﾍ;:|　｀)　　　　｜　　　 中で責めている。
.　　　　　　　 　 〈/:;::〈..:::「_]_| 　 |:l:| |::!|:| |l|:!　　　 　 _,|:!　　　　　　 |
　　　　　　　　　　|ｲ:/:::､:|　=| 　 |::::! |:!|:! |!_,|　＿-二-'’l 　 　 　 　 |　　　　どうして一緒に俗世を捨ててくれなかったのか
　　　　　　　　　　　|::|:::ﾊl　=| 　 |::l::! |!j!-T_三‐-ヽ::ヾ::|::|　　　　　　|
　　　　　　　　　　　ヽ!::!:|`ー| 　 |从!'lﾊ!　ﾍ'_ﾉ｀ｿ/∧ :',:l:|　　 　 　 ｜　　　 どうして自分を信じてくれなかったのか
.　　　　　　　　　　　　|::/!:l:l::| 　 ト'"　:　　 　 ノ/l,/:∧:::V　　 　 　 ｜
.　　　　　　　　　　　　|ハ:lﾊ:| 　 |､ 　_'_　 　 ノｲl:///冫′　　　　　 |　　　　美しい思い出が汚れてしまったのはなぜか
.　　　　　　　　　　　　　　ヽ | 　 | ､　　 　 ィ"!//::,:'　'　　　　　　　　|
.　　　　　　　　　 __　_　　 ___| 　 |　　`''"　 |'ﾉ'" '=,,-､　　　　　　　 ｜
..　　　　　　　　,-' ､｀ヾ､.ノ　 | 　 |　 　 　 　 '､_;;;／ ':　ヽ, 　 　 　 　 |
　　　　　　　r┴-､ ＼-'l　　 | 　 ﾄ､　､ / _, 　／　　　　'" ｀ヽ､ 　 　 |　　　　結局二人が心から分かり合うことができなかった
　　　　　　　r─ ､ヽ､-' .|､,,__| 　 |　＼　　,／　＿ 　 _,,､-‐ ＜　　　｜
　　　　　　　|　へ_)'"　　|:::::::| 　 |'''''- ヽノ, -''"　」''7::::,::::::::::::::｀':.、 ｜　　 　という事実が、憧れなどできない現実として
.　.　　　　　　ヽ、 ｀ヽ、　l:::::::| 　 |　　ノ「 | ＜￣　/　:::::::::::::::::::::，::> |
　　　　　　　 /　＼　ﾉ　 l:::::::| 　 | ／ /'|　!ヽ｀ヽ､'　　:::::::::::::::::/:; ｲ ｜　　 　重くのしかかってくるだけだった。
　.　　 　 　 /　　 /　　 /::::::::| 　 |' __/　 !｜　＼ ｀ヽ　:::::::::::::/:/ ｜｜
　.　　　　 /　 !. /　　 / :::::::::| 　 |「　　　 |｜ 　, `～':::::::::::::::i:/　　|.｜
　.　　 　 /　　l:/　　 /:::::::::::::| 　 |:|　　　　､ヽ､':::::::::::::::::::::::::::i'　　 ｜|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（○） （O）　　　　　　だから結婚してくれ
.　|.　　　.||　（__人__）
　 |　 　 ﾉi　　! 　 | }　　　　　お前だって本当はわかっているんだろう？
.　 |　　 し'　｀ ⌒´ﾉ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く
　　　|　　　　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)





　　　 ,' ⌒ﾊヽ、,_r　-　－¨⌒`へ　_,、,ﾊ⌒　、
　　 ﾉ....:::::::::.%〃:::::::::::::::::::::::ﾍ::::::::::::ヽ`ヽ:::::::::::ﾊ
　　i...:::ｨ::::∧::::::::　　::_::::::::,::::ﾊ:::::::::::ヽ:ヽ ´丶:/:i
　 ﾄ..:::/::/::|/:::　　:/´:::::::::ﾒ:/ヽ:::i::::::: :ゝ:::ヽy::::::::i　　　　何をどうわかれって言うのよ？
　/.:::ﾉ::::ﾘ/:::/:::::/:::/´::::/::/|　l:::::l::::::::::::丶::ヽ::::::ﾘ
　{.: 〈jYyﾉ::/::::ｲ:::::::::::::::::/|/　l:::/l:::/l::::::::i:ヽ::l:::〈　　　　 今日のアンタはどこかおかしいわ
　 ）　　　|/|/:::;;/l;::/.ﾚl/,. j　 l::/l;:/　!:::::::l::::l ﾙﾘ:::、
　　　　　　l:/::::l;::/.ﾚl/,.　　　 l/ ,l;_　l:::,::::l:::!　　 ヽ）
　　　　　　ﾚ∧:j:l"弋ラ``　 " ﾋラ``ﾚ::i::l:Y
　　　　　　　|/::ハ''''　　　　.　　　''',!ﾉ:l:::l:/
　　　　　　　!/:::::｀ﾄ　　　　,、　　, ':::/|:::i:|
　　　　　 　 l:::,':::i:::;;ｌ:`r 、_　, イ/:::/:::|:::i:|
　　　　　　:l::l/:::::l/:l;l:::l 　　　　|l::从:ﾉｌ:.:.V
　　　　　:::/ ...;;::::l:/l::l:{ヾ、　　_ ｿ/￣/'ヽl:.::ヽ,
　　　　　/'l..,ｨ'´‐∧　ゞi ﾍ-‐-ｲ/　 /　　 ｀ヽ、
　　　 　/:.::{ ゝ ヽ　 '⌒`Ｖ＾~＾Ｖ⌒ヽ 　 /　i/ 'ヽ

　　　 　 　 _,. -┬ ｆﾆト､
　 　 　 r'´　､r　|　| ,.L |
　 　 　 |　　 （_ノ　j {.　'､＼
　 　 　 |　　　 }‐イ-上　〉. ＼
　 　 　 |　 　 ﾉ´　　 　 /)ﾟo　|　　　　　おかしくなんてない
　　　 　i　　　 　 ｒ‐‐人__）　.|
　　　　　ヽ　　 .ノ　｀ ⌒´ .　|　　　　　 お前だって、俺と結婚したいはずだ！
　　　　　　i　　!,　　　　 　　ﾉ
　　　　　　.',　　ヽ、　.　 　/
　　　　　 　 ＼　 . 　　　　ヽ、
　　　　　　　　 ＼ 　　　　　|.i
　　　　　　　　 　 |　 　 . 　 | |





　　　　　_　　　　　　_,..‐.....-.....､..._　vr 、
　　　　/:.:.:｀ヽ、, .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ .: ﾊ.j∧:
.　　　 ハ.::.:.:. l孑:.:.ｲ.:.:.:.:.:.,:.:'"´ .:,.,ィ´:.:.7.:ヽ、
　　　/:ﾉ:.:.:.:.l〉:.:.:.:.:.:.:.:.;〃..:.:.:／:.:.l:.:.:.:/!ヽ:.l:.:.ヽ
　　　l:.:l:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.;〃..:.:.:／:.:..l:.:.:.:./ ヽ:.:.l:.ヽﾍ
　 /イ.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:-:.:.l:.:.:.:./:.:.:l:.:/.:.:.:./ 　!:.l:. l､:.:.ヾ、
　 l:.:.:l:.:.:.:.:.:,ｌヽ:.ヽ:.:.j. :.ノ:.:.:,:ｌ::.lﾑ､/ヽ　 :.ﾊ,l:.:l:iト|　　　　　・・・・・・
.　l:.:.:.:l :.:.:./　:.ヽ:.:.:.／V:／:.i'"|___ヾ、　 _i:,'lｿ:.l|:.ｌ
　 l:.:.:.::.ｨｿ　　!:.､:.:./r,ヾ;.:.:.:.:lf込厂｀　　{ﾃｌﾚヽ|〉
　　l:.:.（　　　 ,':.:!.:.ヽ ､6ｌ.:.:.xwx　　　　　ヽ〉:l
　　:.:.ｿ　　　/:.:l:.:.ｲ:.:.ﾌ|ﾊ :.:.lu 　　 　　　∧:l
　　（　　　　l:.:.,':.:l_|ヽ:.:.lヘ.:.:|　　　　´　/| ｿ
　　　　　　/:.八丿l,/‐~:＼ヽﾄ、 ┬‐-ｲ:ﾒ
.　　　　　 j /.:.「::Y´　｀　　ヽへ 千7
　　　　　　）:: //⌒ヽ＼　　 ',　　 ´`‐-、
　　　　　 （／:.{　　　｀ヽ、　　　　 . ..:;　 ∟

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　俺と一緒に逃げてくれ！！　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶ



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　　　　　　　　 |　　ゝ､　　　　　　　　　 ,　　　　　　　　　　 _,,　-'　 　　|　　　　i'´|
　　　　　　　　 |　　　 __`＞､::::::::::::::::::::::i!::::,ｨ::::::::::::::::::,,ィ二＿　　 　 　 |　　　　|　|_;. -‐''´i
　　　　　　　 　|　　　/　　 , -＼_,,_,,ｨ'"ヽ'´⌒ヽ>‐,／ ,-‐　､　｀ヽ　　　.|　　_,ノ　　　　　 |
　　　　　　　　 |　 　 i　　 |:::::･::::|ヽi!::::::::::::::::::::::､,/ 　 |::::･:::::|　　/ 　 　.l　i´ _ ..　i ´|　　 |
　　　　　　　　 i　　　ヽ､　.`ー‐'　 ﾉ,'::::::::::::::::::::::ヽヽ　`ー‐' _,／　　　 .|　　7´ |　|　|　　 |
　 　 　 　 　 　 i　　　 　 `ー‐‐ '::./　　　　　　 　　ヽ　￣￣　　　 　 　|　　　　|　|　|　　 |　　 　._　_ 　 __
　　　　　　　　　',　　　　　　　　 /　　　　　l　　 　 　',　　　　　　 　 　 i　　　 .││ |.　 _」.　　　|_| |_| / /
　　　　　　　　　 i　　 　 　 　 　 ! 　 　 　 人　　　 　 !　 　 　 　 　 　 i　 　 　 | _」　' ´　　　　　　　　/ /
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　　　　　　　　　　　　　￣　 　 ､
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　　　　　／　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　 /　　　　　　　　　　　､＿　　ヽ
　　　　'　　　　　　　　　　　　:::::::::｀ゝ"ヽ　　　　　　　　　　お前と一緒なら俺はどこでも構わないんだ
　　　 l　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::,､__
.　　　l　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::|　', ',｀,　　　　　　　 だから、頼む・・・
.　 　 l　　　　　　　　　　　　　　冫.:::::｜　', ', ',
　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　::::l 　 ', ', ',　　　　　　
　　　l　　　　　　　　　　　{｀ヽ 　u 　 ::::｝　 ヽヽヽ
　　　l　　　　　　　　　　　　',´ ヽ J 　 /　　　　　｝
　　　!　　　　　　　　 　 　 　',　　ヽ､_/　　　　　./
　　 ,'　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　 　 　 　./
￣　｀ー -　　　　　　　　　 　 `, 　 　 　 　 　　,'
　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　ゝ 　　 　 　 　,'
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´　　 ｜　　　　 .i
ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ　　　　｜　　　　 ｜
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　　　　　 ,‐-　、　　　　　　　＿　　_,ｨ　‐-┐
　　　　 _/:::::::::::＼:zrft'"´:::::::::::::::::::｀ヽ､:::::::::}
　　　,ｨ─-:::::::;/ヽ::／::::::::::::::::::::::::::::,..::::::::＼:::!
　　　|::::::::::::::::〆:,ｲ:ヽ::::::::/￣￣´::::',:::::/ヽ::､::ヽ、
　　　|:::::::: :::::/::/:::|::',::::／::::::::::::::::::::::∨:::::::｀::ヽﾊ｀ﾞ;
　　　|:::::::: ::/:::;::::::::｀／:::::::::::::::l::::::::::::'::::::,::::::::',::＼
　　 /::::::::::/::::i::::::::/:::/:::::::::::::::|::::::::/!'::::::|::::::::::':,:::::＼
　（ｲ　::::r::::::}::::::::/:::/:::::::::::::::::l::::::::|''|::::::::',:::::::',::∨:::/　　　もう、いつも理屈こねてばっかりで
　ﾉ::::::ィ:| :::::l::,-､|::/::/::::::::::::l::|::::::l:| |::::::::::',:::::::':,::ヽ〈
ｲノ´ 　 }:::/:｀!l /l::{:::l::::::/:::/:l:!::::::|:! |:!:::::::::',::::::::ヽ::::j　　　 ホント意地っ張りなんだから
（:　 　/:/:::l::::l､ヽ!:l::l:::::/:::// l:::::/l:! l:l::|::::::::',!:::::::lヽ::!
　　　 l:'|::::{',:::::ヽ'l:l,ｲ::/l::// /ｲ://　l:|',:!::::::l::|:::l::/ lﾊ!
　　　　l ヽ:ヽ:::',:::l/､!/ l/　/ l::/　 , l,' l/l:::/:ﾘ::l::{
　　　　　 ヽ::}):/l::::::::lヽ､　　 /　_　　 ,..ｲ:/:/:/l:､!
　　　　　　/ {:(. |::l::lﾉ　 ｀　､　´,..:＜´:/:/::l::j　ヽ!
　　　　　　　ヾ! l,-|:|　　　　 ｀´!::/l l/ l:{ /
　　　　, -― '"ヽ:.乂　　　　　　｀ヽ､,-― ¨ﾟヽ
　　 ／　　 　 ＼　､_　　　 ',　 /　　_,..-}　　　:,
　 /　　　　　　　 ヽ、￣￣ ヽ　　"´　 /　　　,! ',





　　　　　　　　　　　　 ,ハ　/＼　　　　　 /::::::ﾍ
　　　　　　　/´ヽ　　,/;:::::∨::::::::Y＾⌒ヽ､{ｹ:::::::::ヽ､
　　　　　　 /l:::::ﾉ!／::::／:l|:::_ｲ丶{:::ヽ､::::.ヽ::::::'⌒＾￣,}
　　　 　 ,／/:::::/::::／:::::／l{ﾆ、ﾐ::::＼::::::::.::::＼: : :./´::|
　　　　　i /:::::/::::::::::::::::′∧ヽ＼::::::::ヽ::::ヽ:.:.:.ｲ.:/:::::::;:
　　　　 /::::::::′/:::::::::/:::丿　'.:::::::ヽ:::::::ヽ:::::!::゛_,ｲ',::::::::ﾄ､
　　　／:::::::/::::〃::::::/:::::|　　　ヽ::::|ヽ:::::::';::::ｌ:＼:::i|::::::::: : ::>
　 , '::::::/::::/,ｨ!/:::::l::::::L::∟、　　､::|　 ＼!:::::|:::::l＼::::::::|ゝｲ
　 {::::::/:::://｜'::::::l-/　　　　　 　ヽl二,,'_'j::::|::::,ﾄ､:::＼::lﾙ　　　　　はじめから素直になれば
　 l::::/／ l:||::ｌ:::::::::l,' 　　　　　　　'´‘;!iﾒj }|:::ﾚ'::!ヽj/　）ヽ
　 ｀/,'　　l:||::l:::ヽ∧iゞ=r'''" 　 　 　 Ｖノ /|:::l丿::ﾘ::|　　`丶　　　　もっといい男になれるんだけどね
　 （ l　　ﾘｌ:!い::::::{tﾍ ,,,, 　 　　,　　 　　,,,;ｌ|::::|::/ｲ|::l　　　　 ）
　　　ヽ　ｌ/　Ｖ｜トrﾍ、　 　 　 　 　 　 ,ｲ.|::::|::i|| ﾘ
　　　　　 ＼｜::| |｜::::ﾄ､ 　 ｀ 　 ´ 　 ｨ::ﾚ':::::jl:::l
　　　　　　　 |::::j人!::::｜「 ト　 __ ,　´｜ ′ｲ八|:　　　　　 ,- .
　　　　　　　 |::/　 i:::::::ｌ l! |　　　　　　∨/::∧::丶 　 　 　/　/
　　　　 　 　 |/　　|:::::::l !ﾚ　　　 　 　 //::∧ ﾄ､::::＼.〉　/　/
　　 　 　 　 / 　 　ｌ:::::::川　　　 　　／/::,ﾍハ.f^∨､ .__/　/
　　 　 　 ／　＿ 厶ィ'::::/　　ｰ一' _／∠_ヽヾ.i　 〉, '´＼/
　 　 　 /: :＼: : ./ 7/　 〈i 　 　 　 /: :/　　／ }　.〉´＼〈 }
　.　　　{.: : : : :.:/,ｲ./:.: : : :',　　　 /: :/, イ　|: :/ 　<^＼ /
　.　　　|: : : :.:〃 .ﾚ'ヽ: : : : '.,　　/: :〃: :.|　.j: :{f´　Y　 /|
　.　　　|:.: : : : : : : : :∧: : : : ＼/:.: : : : :.ﾉ ノ ハ　　　 /‐ｧ
　.　　　|: : : : : : : : : : : ',: : : :／＼: : : :/´: : : :〈ゝ､　 ／ |

　　　　　　　　　　　　 ,ハ　/＼　　　　　 /::::::ﾍ
　　　　　　　/´ヽ　　,/;:::::∨::::::::Y＾⌒ヽ､{ｹ:::::::::ヽ､
　　　　　　 /l:::::ﾉ!／::::／:l|:::_ｲ丶{:::ヽ､::::.ヽ::::::'⌒＾￣,}
　　　 　 ,／/:::::/::::／:::::／l{ﾆ、ﾐ::::＼::::::::.::::＼: : :./´::|
　　　　　i /:::::/::::::::::::::::′∧ヽ＼::::::::ヽ::::ヽ:.:.:.ｲ.:/:::::::;:
　　　　 /::::::::′/:::::::::/:::丿　'.:::::::ヽ:::::::ヽ:::::!::゛_,ｲ',::::::::ﾄ､
　　　／:::::::/::::〃::::::/:::::|　　　ヽ::::|ヽ:::::::';::::ｌ:＼:::i|::::::::: : ::>　　　この私は簡単に捨てられるほど
　 , '::::::/::::/,ｨ!/:::::l::::::L::∟、　　､::|　 ＼!:::::|:::::l＼::::::::|ゝｲ
　 {::::::/:::://｜'::::::l-/-ｰ-　_　 　ヽl二,,'_'j::::|::::,ﾄ､:::＼::lﾙ　　　　 甘くはないわよ
　 l::::/／ l:||::ｌ:::::::::l,'_＿＿ _　 　　'＿＿ _}|:::ﾚ'::!ヽj/　）ヽ
　 ｀/,'　　l:||::l:::ヽ∧ヾ` vｿ　　　 　｀Ｖ,ソ/|:::l丿::ﾘ::|　　`丶
　 （ l　　ﾘｌ:!い::::::{tﾍ ,,,, 　 　　,　　 　　,,,;ｌ|::::|::/ｲ|::l　　　　 ）
　　　ヽ　ｌ/　Ｖ｜トrﾍ、　 　 　 　 　 　 ,ｲ.|::::|:::i|| ﾘ
　　　　　 ＼｜::| |｜::::ﾄ､ 　　―(　　 ｨ:::ﾚ':::::jl:::l
　　　　　　　 |::::j人!::::｜「 ト　 __ ,　´｜ ′ｲ八|
　　　　　　　 |::/　 i:::::::ｌ l! |　　　　　　∨/::∧::丶
　　　　 　 　 |/　　|:::::::l !ﾚ 　 　 　　　//::∧ ﾄ､::::＼＿,
　　 　 　 　 / 　 　ｌ:::::::川　　　 　　／/::,ﾍハL 「＿￣ヽ





　　　　　　　　/´〉,､　　　　　|￣|rﾍ
　　l､￣￣了〈_ノ<_/（＾ｰヵ　L__」L/　　 ∧　　　　　 /~7 ／）
　　　二ｺ ,|　　　　　r三'_」　　　 r--､　（/ 　 /二~|/_/∠／
　　/＿＿」　　　　　　　　　　　_,,,ﾆｺ〈　 〈〉　/￣ 」　　　　／^ヽ､　／〉
　　'´　　　　　　　　　　　　　 （__,,,-ｰ''　　　　~~￣　　ャｰ-､フ /´く／／>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ-､__,| 　　　`"

　　　,,､‐;:::￣｀丶 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::￣::::‐;､
　 ／:::::::::／￣,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:.:.￣＼:.: ＼
／:::.:::.:／ ::::/ :::／::／:／.:.:.:./.:.:.:.:.:.:./ 　　＼ .:.:.:,ﾊ.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.＼:.:.:. ヽ:.:.: ヽ
:::::.:::.:/ :::::::,' :::ｲ.:.:/.: /.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:./ .　　　　＼.:.::::ﾍ.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:. ＼:.:. ｀､:.:. l
:::.:.:::,' :::::::,´::::/:.:.:/.: /.:.:.:.／ .:.:.:. ／　　　　　　　＼:::::ﾍ.:.::.:.',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:｀i:. l
:::.:::/ ::::::ｲ.:,::/.:.:.:.:.::./.: ／ .:.:.:. ／.　　　 　　　　　　丶.: ﾍ.:.:.:.:',.:.ヽ.:.:.:',.:.: ',, l:. |
:::.::' ::::::/.:〃.:.:.:.:.:|: |／ :.:.:.: ／＿_＿　　　　　　ー　 -＼_':,.:.:.:.:|、 }.:.:.:.|.:.:.:. l:. |　　　　逃れようとしたって
　:.:.:.:./.:.:.:|.:.:.:.:.: ／--―／＿_,　_ 　　　　　　 　 ァ‐　 -ヽ＼-|::V.:..:.:.:!.:.:.:|:|:. ﾊ
､ ヽ_,'＿_:j_,．イ.:.__,. -‐''z ﾆ_二.ヽ　　　　　 　 ´ｧ',二'_ ﾆﾆ ､:::::::::!.:.:.:.:.|.:.:.:|:|:. l　　　　人人人人人人人人人人人人人人人人人人
／,ﾉ.:/.:.:::::',.:.:.:l:.:.l::::|ヽ.　ゝ._,．=',, -　',ハ￣¨' ‐-､ゝ =､ムイ　|.:.:.:., ｲ.:./:.:.:l:.:ﾉ　　　＜地の果てまで追いかけてやるんだから！！＞
. /／.:.:.: :: ﾍ.:.:.:l:.∨|　　 ー―''´　　　＼}　　 　 　 ￣￣ 　　　|::::|::::!ノ:::::: l/　　　 　　Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`
//.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l :.:::l :::.:|　 　-｀-　　　　　　　　　　　　 　 　 　　 ;ｌ::: l::: |:::::: リ　　　　
/.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.|::::::l::::::|　　　　　 　　＿＿__＿＿　　　　　　　 /|::: |::: |:::::ﾉ::ﾉ　　　　　　
.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.: |:::::::| ::::|､ 　　　　 　 ＼_二二_／　　　　　　 /::::|::: |::: |::/
.:.:.:.:.:／　l :::::l :::::::l ::::|:::ゝ、　　　　　　 == 　 　 　 　 　 ／ﾉ:::::|:: l:::: |
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　　　 　 　 　 　 / ヽ　　 /: : : :{-/: : : : ヽ‐- 、　/: : : : :ヽ
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　　　 　 　 　 /: : : : : /: : : : :ｲィ7ヽ、: : : : : ヽ―ヽ: :ヽ: : : :∨: : :{
.　　 　 　 　 /: : : : : /: : : : /: : :} !: : :ヽ: : : : : ＼: : :＼: ヽ: /: : : :{
　　　 　 　 /: : : : ／: : : イ: : / :人: : : ヽ: : : : : :ヽ: : : :>; V: : : : /
　　　 　 ／: : : ／: :／: : :i : /: /　　ヽ: : ヽ: : : : : : ヾ´: ヽ/: : : : ト
　　　 ／: : : : /: : :/:ｲ: : :.| : |ﾍ｛　　　ヽ: : ト、: :ハ: : :ヽ: : }: : : : |: :ヽ
.　　 /: : : : : /: : : { l {: : : | : |　ヽ　　　 ヽ: !　ヽ{　 !: : : :ヽ ﾘ: : : :{: : : ヽ　　　　　　その気にさせたんだから
　　/: : : : : /: ｨ: : ! | |: : : |_:_l　　ヽ　　　 斗七｀ヽ ﾘ: : : : :ヽ: : : ﾍ; ; : : :ヽ
　　{: : : : :/: / : : j: ! ヽ"´|ヽ|｀`ﾞ 　 ｀ 　 ィf千圷ヽ}: ト : : ハ: : : : ヽハ:}ヾ＼　　　 ちゃんと責任取ってよね
　 八: : : {ハ{: : /: :ﾊ: : ヽ{　　　　 _　　　　乂辷ｿ〉 ﾘ　ヽ八　ヽヘ: :＼ﾘ　ヽ}
　　 { ゝ: :＼}: :ﾚ: :jハ : ヾ｀`=≡"´　　 　 　 ｀‐´　 !　/ﾊ: : }　　　 ＼: ヽ
　　 ! {　　　} ∧: : !: :{　ヾ　/i/i　　　'　　　　/i /i 厂/: :{ﾍ: :}　　　　　ヽ ;ヽ
　 　 ヾ　　 ´　 ヽ } : |:込ﾍ　　　　　　　　　　 　 /: :|: : :.|　ヽ!　　　　　　∨
　　　 　 　 　 　 Y: : :l: : : : ＼　　　　'⌒)　　 ／:! : }.: : :|
　　　　　　　　　 | : : !: : : : :|: :l＞ 、　　　 イ {: : } : l: : : |
　　　　　　　　　 |　 ハ:.: : :.|: :|: :}　　｀´　　　ﾏ/: : :|: : : !
　　　　　　　　　 | ./: : : : :/|: :}: :!　　　　　　　ﾒ: : : ! ∧: ヽ
　　　　　　　　　 |/: : : : :/: |: :!ノ　　　　　　 / ∧: ハ: : ヽ: :＼
　 　 　 　 　 　 /: : : :.／: : !: :ﾊ　　　　　　ｲ/}: : :/､: ＼＿＼: ＼
　 　 　 　 　 ／: : : : : : ＞/: 人ﾍ　　　　　　/: : 人ヽ: :ヽ　￣￣￣｀ヽ
　　　　　 イ" ´ ￣￣/7　|: /―ヾ、　　-―ナ/　　　｀ヽ ＼　　　　 　 ヽ
　　　　 /　　　　　　/人　!"　　　　｀￣ ￣´　　　　　　 }ハ}　　　　　　 ヽ





　　　　　　　 ／´￣￣￣￣ ｀＼.
　　　　　　／　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　/　　　　　 　 　 　 　 　 　 '.,
　　　　　|　 　___ノ'′　　 ﾞヽ､___　　 ..|
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　　　　　|　;;;（　● ） ﾉヽ （ ●　） 　 |
　　　　　|　　.´"''",.　　　　 "''"´　　 |
　　　　　|.　::::::::（　　　 j　　　 ） ::::::::.l
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　　　　　　　 　 ー　　i /:::::/::::::::::::::::′∧ヽ＼::::::::ヽ::::ヽ:.:.:.ｲ.:/:::::::;:
　　　　　　 　 　 　 　 /::::::::′/:::::::::/:::丿　'.:::::::ヽ:::::::ヽ:::::!::゛_,ｲ',::::::::ﾄ､　　　　　　　　　同棲を始めて2年──
　　　　　　　 　 　 ／:::::::/::::〃::::::/:::::|　　　ヽ::::|ヽ:::::::';::::ｌ:ｒ⌒, |::::::::: : ::>
　　　　　　　　　, ':::::/::::/,ｨ!/:::::l::::::L::∟、　　､::|　 ＼!:::::|:::ー. 、:::::|ゝｲｲ　　　　　　　　最近は喧嘩した記憶しかない
.　　　　　 　 　 l::::/／ l:||::｜'::::::l::/ｌ_∟､　　 　ヽl二,,'_'j::::|::'::!ヽj/　）ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 　l:||::ｌ:::::::::l,'ｌ { ﾄ;ﾊ`　　　　'´‘;!iﾒj }|:::ﾚ'::ﾘ::|　:|　　　　　　　　　　　終始罵り合ってばかりなのに、
　　　　 　 　 　 　 　　 l:||::l::ヽ∧ヾ` vｿ　　,　　　 Ｖノ /|:::l:|::/ｲ|::l　.!　 　　（⌒)-､
　　 　 　 　 （ ⌒) 　　 ﾘｌ:!い::::::{twx　　　　　 　 xwx ,ｲ.|::::|::i|| ﾘ|:.:|!　　　,ﾉ 　 　)　　　肌を合わせずにはいられなかった
　　　　　　　(　ノ　　　 ｌ/　Ｖ｜トrﾍ、　 　(⌒ヽ　　　:ﾚ':::::jl:::l:ｉ!: !: | :|ｉ　　（　　ﾉ-'
　　　　　　　乂う　　 　＼｜::| | : i: ＼　　　　　 ,. イ｜ ′ｲ八|.:| : :.:|:! 　　｀ｰ'.　　　　 皮肉なことに、お互いが心の繋がりを
　　　　　　　　　　　　　/: |::::j人: | : :i个: ｰ 　´ 　 |∨/::∧::丶ｉ! : . |:|　　　０
　　　　　　 　 　 　 　 / i: |::/　 : |.--┴ ‐|　　 　 ///::∧ ﾄ､::::＼ : |:|　　　　　　 　　 　求めれば求めるほど、
.　　　　　 　 　 　 　 / /:|/　　: /　 ､　　　　　　/: /::,ﾍハL 「＿ : : : !
　　　　　　 　 　 　 / /: :/ 　 　　　　＼　, -‐ /: / : : /. 　 !:|　Y: : :.|.　　　　　 　　　 　ますます男と女であるしかなかった
.　　　　　 　 　 　 / /: :ｉ : :./i |'　　　　　　　　/: :,' : : /.　 　|:|　 |: : : |
　　　　　　 　 　 /'./: :.:i : /:ﾉ |｡　　　　　 　 /i: : i: : / ,　　 ,' ! 　!: : :i:|
　 　 　 　 　 　 ,'//: : : i:.／　,′　　　ﾟ　　 / .|: : !:./ /　　/ ﾘ　 ﾊ: : |:|
　　　　　　　　 | | !: : : ｨ´　 /　　　　 ／　/　/: : :/ /　　/:./　 ,′: : !:!
　　　　　 　 　 | | |: /: .! 　,′　　　 / 　 ,′/: : :/　! 　 ,':./　 /ｉ: i: : :.!:!
　　　　　 　 　 | | |: !: ﾉ 　 !　。　　,′　 i　,': :.:.ｲ　 }　 ,' /　 /: |: !: : :.!:!
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森森森п森::::::....∧Ａli;'iﾞiﾞl'i,::;...;;.;;ii:i;;:ili､_,i斤il］il］ ,,,,,__i;;ii:i;;ir=ュ;;;;;;;;,,,,,,............n.
ilｌ#｢ll!l;l㌶ni|』┌==┬─ii┐.,,'#ll,』 |.lll,,т㍑iﾞiﾞlｪli;'ｭｮｮｮﾞilｌ#‐｢ll!l;li+;;ii: ;rﾍ∧　／　 彡
ヰＡ┌─≡─!杢卦士⊂ﾆ⊃;:::┌┐;;;;;;;:::,,,,,ﾛ卅ﾕ鬥H出Tエニ斤彳∟　／　　　 ＜ 　　　 1478年　パリ
il］1lｰ-i］__森森森森＿ﾄﾛﾛﾛi|::rーilil==┬≡┐|￣|─r‐┬||irr-､v冖　／　　　　　＜
|￣￣|─r‐┬|iΠп/＿＿＿_/|　 |､＿＿＼|￣冂ПーГ┬┬ヱ　/｀　　　　　　 ｩ. 　　　　ヤラナイオ27歳、ヤラナイコ16歳
≡≡￣|／二三　 　〉＝===Π/　 ﾞ.ﾍ_===＿＼_ |FF|ﾆ|i￣￣i|　　/　　　　　　　ﾌ
￣∧＼ 「￣￣￣／「￣￣二二|j　　ﾞ、＿三＿＿|　 i|三三三三. /　　　　　ミミ/.　 　　　　季節は、未熟な二人が自然と
田|「| | 田,. イ＿＿_／´|　 　 |　　il　　 |＼ ＿_］　Πпｒ―　 /　　　　　 ミミ/
二ﾆ,ハ_,．-_‐＝_二ｌ　　|＿＿|　　'|＿__| 　 |l二　　,.._　　　_,/　　　　　　ﾐミ/　　　　 　　　　寄り添っていかなければ越せない
- ‐''´‐ '' "´i i i i i i i| ／ 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 　fﾞ　　 "''"　　　　　　　 ﾐﾐ./
r''´i i| i| i_l⊥l,．-‐''´ 　 　 　 ::'' i ''::　　　　　'"ーﾟ ､ヽ　　　　　　　　　　∠....　　　　　　 　　 ような寒い冬だった
ﾞ丶i,''"´　　　　　　　　＼　 .:'　 :i:　 ':.　 ／　 　 　　ノ　　　　　　　　　　　　＜
|＿ `ｰ-ｧ―ｧ、　＿　　　|圭圭圭圭圭|　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　〈＾
　|　 ／ /　／ ||　　　　　 ￣￣￣￣￣￣　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　〈
ヽ|／∧’／ / ｉ||　　　　／　　　 　 　　 　 　 ／　　　　　　　　／ 　　　　　　　>'
￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣〒￣　／i　|　　　　　　 ノ/　　　　　　 　>'
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プロローグは以上となります
続いて第１話に入ります
レスは１００ちょいです
気長にお楽しみください
ではスタート