491 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:03:54 ID:EVUwvcVc
やる夫と学ぶ北欧神話 6
l
/ l _人_
/ i i `Y /\/\
ー――ー一 " 丶ー一' / / \. \
, ____ y ,__ 〈 | l l |
/,儷鑾 Y .,儷鑾 Y _j|_ \. | / |
{ 建夛 / i建夛 /  ̄|! ̄ \ X. /
.ヽ_ ン ヽ_ ン \/
⌒ ⌒ k 、
/" j "y' i {_
iゝ / i_∠イY
===========⇒\___________∧________ノイ|_,√{
''  ̄ ̄ ̄ "  ̄ ̄ !`r'\ {ノ
ヾ ,,_,, ,,,_ ノゝ_!ノ_,v'`
\ __ イ ー――- _人
\ , -ー- , / \ / `Y |
\ / / ヽ \./ __j|__ ____
/ i! ! \,  ̄|「 ̄ / \
/ ヽ .{i | i | |! / ― ‐
/ 丶{!、 / ̄ ̄ i | | / ( ー) )
( 丶、 _/ }| | | (__ノ、_)
ゝ ,, _____ /| ⌒il \ `_⌒
/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ、__ノ __j!__ ノ |
.
492 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:04:34 ID:EVUwvcVc
____
/ \
/⌒ ⌒ \ やらない夫ー、次はどんな神様のお話だお?
/( ●) ( ●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ ー‐ /⌒ ヽ
____/_____/ /_______
(⌒ィXXXX(⌒ /
/XXXXXX/´ フキフキ
 ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\
| (●)(●) .| そうだな、ロキの話をしたことだし、
! (__人__) | 次はバルドルと、彼に関わる神にするか。
, っ `⌒´ |
/ ミ) /
./ ノゝ /
i レ'´ ヽ
| |/| | |
.
493 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:04:56 ID:EVUwvcVc
___
/ \
/⌒ ⌒ \ バルドル……ロキが殺しちゃった神様だおね。
/(● ) (● ) ヽ
| ⌒(__人__)⌒ | オーディンの子だし、トールみたいに活躍したりするのかお?
\ `⌒ ´ /
/ \
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)( ●) これといって無いな。
| (__人__)
| `⌒ ´l と言うか、ぶっちゃけ殺される話にしか出てこない。
| }
ヽ }
ゝ 丿
____( ̄ ̄ / ̄ ̄/´ ̄/_
i⌒ゝ、 ヽ ヽ. / / ⊂) i⌒ゝ、
i;;;;;;;;;;|__ L人  ̄ ̄`´ ̄ ノ__i;;;;;;;;;;|
____
/ \
/ ─ ─ \
/ u. (●) (●) \ ……なんか、不憫な神様だお。
| (__人__) |
\ `⌒´ ,/
/ ー‐ \
.
494 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:05:50 ID:EVUwvcVc
. / ̄ ̄\ 【バルドル(baldr)】
/ \ 名前は「君主(または主人)」を意味するとされる。
| 仟ト 心 また、光(bal)との関連もあると言われている。
| .弋cソ cソレ.
| (__人__) 【父】オーディン 【母】フリッグ
| `i i´ノ
| . `⌒ } 【妻】ナンナ 【兄弟】オーディンの回参照
ヽ .}
ヽ ノ 【子】フォルセティ(息子)
/ ヽ
/ ヽ, 【道具】フリングホルニ(船)、馬(名前不明)
/ / } |
.| .{. .| | いつものだろ。
.| .|. .| |
, . /: ィ彡:=:-: : : : : : : : : : : `: ..
,.. :´: : : : : : ヾミ: -: : : : : : : : : : : : : : :ヽ、
,.': : : : : : : : : : : : : : : : : 、: : : : : : : : : : : ヽ\
,.: : : /: : : : : : : : :/: : : : : ヽ: : : : : : : : \ :\\
,: : /: : : : : : : :〃: : : : : : : : : : : : :ヽ:\ : : \ハ
,: : : ;: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :ト、: : : :.',: : : : ヾ}
i: : : : : : :/ : : :/: : : : : : : /|: : : :: :ハハ:: i: : : : : : : y 「善良なバルドル」とも呼ばれるこの神は、
|: : : : : :;': : : : i: : : : : : :./.ノ: :,ィ: : iム_从!: : : : : : : i 最も優れた神であると言われる。
八: : : : i: : : : :.|: : : : :.∠/: :/ j: :./ ,__ハ: : :i: : : : !
∨: :_j: : : : :.|: : :ィ/_//_ // ,ィf笊ミ}: :/: : : :.,’ その容貌は輝くように美しく、光を発しているほど。
Ⅵ 小rイ: : !: /イf示笊ミ./ r'f::j ,':/: : : i: :
ハ{ 从::i: :.:Ⅳ ヾ{イf::j:リ `'''´イ: : : :ノ:/ アース神族の中で最も賢く、雄弁で優しい神だが、
}ト、._∧: :トミ、 ゞー''´ ヽ i: :イ:.:/ 彼の裁きは不変ではありえない、とされている。
}:.ハ: :ヾ:.、 _ _ イ: : :/イ
/^}レ:ヘ: : ヽ 、. /i:ノ!:.:/
,.:.:.:.:.i{ \: ', > _./、 j;/
/:.:.:.:.:.:..ヽ \ /:.:.:.:|::||:::.
. ∠.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..∧ イハ:.:.:.|::||:::::i
. /:::::::\:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ ノ i : :|::||:::::|
/⌒ヽ\::::\:.:.:.:.:.:.:.:∧ __ ,.' }!:.:.|::||:::/
.
495 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:06:30 ID:EVUwvcVc
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 不変ではない……つまり変わるってことかお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / 優柔不断さんだお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ、.\ その部分についてはいくつか解釈がある。
| (●)(●) |
/ ̄ ̄ ̄ 丶人__). | どうも、資料によって綴りが異なっているらしい。
/ \ ._|_____
, --'、 / `〉 他にも彼の裁きが揺らぐことはありえない、
/ ⌒ ) / / 不公平であることは無い、などの解釈がある。
,′ ノ / /
l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ
ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l
`'ー'´ | .`'ー'――┬― --、/ _.ノ
.
496 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:06:59 ID:EVUwvcVc
/7
//
// 光り輝く彼の容姿から、白い植物は「バルドルのまつげ」に
__ // 例えられる。
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ これは「カミツレモドキ」のことを指すんだそうだ。
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/ カミツレモドキ
/ と'_{'´ヽ
ttp://www.hakodate.or.jp/nature/flower/kiku/kamiture.htm / _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\ バルドルの住居はブレイザブリク、ここはいかなる災厄も
| (●)(●) .| 訪れない聖域とされている。
! (__人__) |
, っ `⌒´ | バルドルの所持品であるフリングホルニは、
/ ミ) / あらゆる船の中で最も大きいものだ。
./ ノゝ /
i レ'´ ヽ この船はバルドルが死んだ際、彼の馬と一緒に焼かれた。
| |/| | |
.
497 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:07:32 ID:EVUwvcVc
,. :-:.' ー ' ¨ :.ゝ.、
,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ、
,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`、`ゝ 妻のナンナはネプの娘とされている。
,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ハ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
/イハ:!:.:.:l:/ i/ ノノ ノリリハリ:!:i:.:.!:.l ネプがどのような存在かは記述が無いため不明。
i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ハ!
∨|:.:.! ノ/i/ノ ナンナ自身についても、彼女が登場するのは
ヘ!:| ノ!/′ バルドルの死においてのみ。
ヾ!>ー- -- <イリ
(;;;;;ソ⌒) ̄`´ ̄(⌒ヽ
ヽ;;=;;/__,,、_/;;`ソ
〉;;;;;;;;ソ:/A.i:l;;;;;;!′
ノ`;;;;;;;;;;i;!___i;!;;;;;ゝ、
(_;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;)
` ̄ ̄ ̄´` ̄ ̄ ̄´
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ \
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ム/_ l:/::: l:: !l::! i::!
. ! l .: : .::::| :i:.:: レ',ソ,_/`!::/i:/ i:! | フォルセティはグリトニルという館に住んでいる。
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i` !/ / !
i:l', :::::. :. ::. ::〈 、'_゙il::::. |.| j_ソ ゙、_ 彼はあらゆる揉め事を調停する役目を持ち、
ヽヽ、:::::::::. :::.::::\ニ',::. ii::! ノ グリトニルを訪れる人々は皆和解して帰るという。
ヾ、i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ィ´
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. /
ノ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ '
イ'"`'‐- 、 / ヽl/ '
/ \__{ヽ、
/_,, -‐‐‐-- ,,_ \_,ヽ‐、
.
498 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:08:11 ID:EVUwvcVc
____
/_ノ ヽ_\
/( ●)( ●)\ これだけかお? 何だか随分とアッサリしてるおね。
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| ( ( |
\ `ー' /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | バルドルに関する記述はホントに少ないんだよな。
(__人__) |
(`⌒ ´ | 善い神であるとされているにも関わらず、だ。
. { |
{ ノ
ヽ ノ
ノ ヽ
/ |
.
499 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:08:54 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ バルドルの死について語る前に、この話に関わる神を
| ( ●)(●) あと二人紹介しよう。
. | (__人__). rm、
| ` ⌒´ノr川 || ホズとヴァーリ、両方ともオーディンの息子だな。
. | },.! ノ'
. ヽ r / .|
ヽ ノノ ノ
/ / ./
| /
| i´
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ /\'ー、 ,, ..,、 ホズ(hodr)は盲目のアース神だ。
| ( ●)( / .\` 、 . // /
. | (__人/ \ヽ、,.// ../ 名前は「戦」を意味し、力が強いとされている。
| ` / ``77 /
. ヽ / / / / あと、おそらくだが弓を持っているようだ。
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./
/./ r-、 ヽ ∨,ノ /
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. |
| .\ \ ノ
.
500 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:09:26 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ノ \ ヴァーリ(vali)は「引き裂くもの」を意味する。
─(⌒)巛 (● )(●) │
││ (__人__) │ 彼は勇敢な名射手だ。
││ {` ⌒´ │
││ { │ また、ラグナロクの際はヴィーザルとともに生き残ると
( ' ̄ ̄ ̄ ヽ、.,__ __人 言われている。
 ̄ ̄ ̄ ̄\ \
____
/ \ ヴァーリはオーディンとリンドの子だおね。覚えてるお。
/ ⌒ ⌒\
/ ( ●) ( ●)ヽ 次はいよいよバルドルが死んじゃうお話かお?
l ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒´ /
/ ヽ
.
501 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:09:47 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) そうだな、バルドル達に関しては、
. | (__人__) 神話で説明するほうが早いだろ。
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln } バルドルの死は神々にとって重要な出来事であり、
.ヽ L } そして恐ろしい事件だとも言われている。
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
.
502 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:10:26 ID:EVUwvcVc
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
____
/ノ ヽ_\ ウーンウーン
/( ー) (ー)\ きっかけはバルドルの夢だ。
/ (__人__) u \
| ー―' | ある時から、彼は悪夢を見るようになった。
\ /
/ ⌒⌒⌒⌒⌒⌒/^)
//######/ /
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧ これを知った神々は話し合いの場を設けた。
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U ( ´・) (・` ) と ノ 悪夢は悪いことが起きる前触れだとされているためだ。
u-u (l ) ( ノu-u
`u-u'. `u-u'
.
503 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:10:58 ID:EVUwvcVc
何が起こるのかを知るために、オーディンは
スレイプニルに乗ってニヴルヘルに向かった。
r‐-―-ュ
-=ニ=゚===i
(゚∀゚`,,9;; ちょっくらニヴルヘル行って来る
,〈ヾ、;;ン''"';、
/ /`゙"y''゙" i`ヽ
/ / 允 | |
, : ´  ̄`゛ :: .
,::´:,::':::::::::::::::::::::::::\
.:::::/:::::,::::::::,:::::::、:::::、:::゙:. オーディンはニヴルヘルにある墓から死んでいた巫女を起こし、
.|:::::i::::::|i:::::_||::::::_|:::::,|i゙l::l 未来に起きることを聞き出す。
|:::::|::::::|(●) (●)|::::|::|
|:::::|:::::_| , j:::::| ` 巫女が語ったのは、バルドルの死を予言する内容だった。
|:::::|:´:|、_ /ヤ:.ノ:::i `
|:::::|:::::{´,/ .∧:|:::::|
|:::::|:::::|イ ,/:|:::::|
|:i|:|:::::| /l'i:|:::::|
|:||:|::,i'l、_,. ィ" j__||,、i'| ネタバレなので詳しくは言えません
|| |ッ'゙\ /‐イヽ.
| |:::|| `iー |ィ´
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.
504 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:11:33 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) バルドルが死ぬと知り、神々はあらゆる危険から彼を守ろうと考えた。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ フリッグと彼女の使いは世界中を巡り、様々なものに
. | } 「バルドルを傷つけない」と誓いを立てさせた。
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
| |
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、\
| (●) (●).| 火や水、鉄やあらゆる金属、岩などの物質に、
. | (__(⌒.) | 獣や鳥に蛇といった動物、果ては病気や毒まで。
| `/ / (⌒)
. ヽ / / ./ / とにかく危険のあるもの全てに約束を取り付けたんだ。
ヽ/ // /
/ こ二二⌒)
| \
| |ヽ .\
(.__)
.
505 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:12:16 ID:EVUwvcVc
____
/_ノ ヽ_\
/( >) (<)\ 鉄や毒にも約束させるなんてすごいお!
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-/ | これなら大丈夫なんじゃないかお?
\ ` ̄'´ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
| (__人__) 神々は集会場で、誓いが守られていることを確かめた。
| ノ
| ∩ノ ⊃ } バルドルが中央に立ち、周りの神々は石を投げたり、
/ヽ / _ノ } 剣で切りつけたりした。
( ヽ / / ノ
ヽ “ /_| |
\__/__ /
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\
/ (__人__) \ あぶなっ!!
| ヽ |!!il|!|!l| / |
\ |ェェェェ| /
.
506 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:12:53 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) だが、どんな剣も矢も、バルドルを傷つけることは
. | (__人__) 出来なかった。
| ` ⌒´ノ
. | } これに安心した神々は、気晴らしとしてバルドルに
. ヽ } 武器を投げつける遊戯を始めた。
ヽ ノ \
/ く \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
____
:/ \:
:/ _ノ iiiii \. \
/ (○) (○) \ 無傷といっても、それはどうなんだお……
: | (__人__) |:
\ ` ⌒´ / バルドルは武器を投げつけられてもよかったのかお。
/ ⌒ /⌒Y⌒ヽ ヽ
:| \| .i イ |
|\ / 人 .\!
| \___/ \__/:
| /
| /
.
507 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:13:21 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \ さあ、どうなんだろうな。
| (●)(●) |
. | (__人__) | それはさておき、一人だけこの状況を気に入らない者がいた。
| ` ⌒´ ノ
. | } ……ロキだ。
. ヽ }
ヽ ノ \
/ く \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
____
/ \
/ ─ ─ \ わぁ、嫌な予感
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ `⌒´ ,/
/ ー‐ \
.
508 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:13:56 ID:EVUwvcVc
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ロキは女に化けて、フリッグの元を訪れた。
そして、たった一つだけ、誓いを立てなかった
/  ̄'´ ̄` ヽ 「あるもの」の存在を聞きだすことに成功する。
/ `´ ヽ \
//, '///`´| | | ヽ 、ヽ
〃 {_{ レ| レりりリ .l彡||
|!小 l━ ━レ| |、| |
ヽ| | ● = |.| |ノ.| | -☆
| |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃| |i | |
| |/⌒l,、 __, イァト|/| | 誰が見ても女よ
|./ /::|三/::// ヽ||
|| l ヾ∨:::/ ヒ:::::彡,|
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・ その、あるものって何だお?
. | ( ●) ⌒) |
. | (__ノ ̄ /
. | /
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ
.
509 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:14:29 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) ヤドリギ(ミストルテイン)、という植物だ。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ ヴァルハラの西に生えていたヤドリギはまだ若木だったので、
. | } 誓いを求めるには早すぎたらしい。
. ヽ }
ヽ ノ /つ━・
/ \ / /
/ /\ / ̄\ ヤドリギ
_| ̄ ̄ \ / ヽ \_
ttp://www.geocities.jp/greensv88/jumoku-zz-yadorigi.htm \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \__)
||\ \
||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄
|| || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| || ||
____
/ \
/ ─ ─\ 「やどりぎのタネ」のあれかお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | ヒョロッとしてるおね。
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
.
510 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:14:56 ID:EVUwvcVc
. ___
. / ―\
./ノ (●)\ それも誓いを取り付けなかった理由の一つだろうな。
| ( ●) ⌒)l
} (_ノ ̄ i 細くて見るからにひ弱なヤドリギには、バルドルを傷つける力は
| / 無いと思ったんだろう。
\ _ノ
/´ `、
/ ,___ ,. i
( 、__⌒) ノ
ヽ、 i⌒i⌒i
i i i_
. \_)_)
.
511 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:15:32 ID:EVUwvcVc
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヤドリギを手に入れたロキは集会場に向かい、
盲目のため遊戯に参加していなかったホズを唆す。
∧_∧ ? _, _
( ´∀`) (゚∀゚ )
(つ つ ノヽノ |
と___)_) < <
∧_∧ ヤドリギアタ~ック!
_( ´Д`)
/ ) ドゴォォォ _ / ホズはヤドリギを射るが、誓いを立てていなかったために
∩ / ,イ 、 ノ/ ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _ ヤドリギはバルドルの身体を貫き、殺してしまう。
| | / / | ( 〈 ∵. ・( 〈__ > ゛ 、_
| | | | ヽ ー=- ̄ ̄=_、 (/ , ´ノ \
| | | | `iー__=―_ ;, / / /
| |ニ(!、) =_二__ ̄_=;, / / ,'
∪ / / / /| |
/ / !、_/ / 〉
/ _/ |_/
ヽ、_ヽ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.
512 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:15:59 ID:EVUwvcVc
____
/ u \
/ / \\ えー……いくらなんでも、ヤドリギで死ぬなんて……
/ し (○) (○) \
| ∪ (__人__) J | よわ……
\ u `⌒´ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ ,ヽ\
| ( ●)(●)
. \ | (__人__) だって死ぬんだもん。
.\ .| ` ⌒ノ
. \ ヽ } ホズの力でどうにかなったんじゃないか?
.\_,ゝ ノ
/, r、 く
./ 〈 \ i
. ヽ、 .ヽ \ i..|
.て_) \ノ
\
\
\
_______
/ \
__/ \
/. 、 | バルドルが死んだ時、その場にいた神々はしばらくの間
|. ,(⌒(○)ヽ | 何も話すことが出来ず、ただ涙がこみ上げてくるだけだったという。
l lヽ )> /
/ ヽ\ `(__,(○) / /
| \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
| |ヽ、二⌒)、 \
.
513 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:16:44 ID:EVUwvcVc
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
. __r__
. ┼ )_) その後、バルドルの死体は、彼の馬とともに
ャ┴、 ャ┴-、 フリングホルニに乗せられて葬られることになった。
ノ_ノ ノ ノヽ ,.
!~~¨ゝニエニ-ァ"
lゝ.,, ,,,ノ
'~~ ~"''~ ~ ´´''~~ ~"''~ ~ ´´
:.:.:.|:.:.:.:.:./ /:.:/ { r‐ |:.:.:.:| :/: :l:.:.:./≧´:.:.:.:.:.:.:.\// /: : :.:/: :.:.:.:.:.:i:.ハ
:.:.:.|:.:.:.:./ / :/ 八 ヽ. |:.:.:.:レ':.:.:.!:.:./:.:.:.:.:_:. ´Ⅹ /: : / i:.:.:.:.:.:.:l!:.:.l
:.:.:.|:.: :〈_/ :/ / :ヽ. ー、|:.:.:.:.:.i: .:l :/´ ̄ ト / ´ ヽ' :/ム l: :.:.:.:.:ハ:.:l
:.:.:.|:.:.i.:.:.:. :i i:.:.:.iハ. _ !:.:.:.:.:.|: :l :i ヾ..、 / ´ ,.':.:.:.:.l: : .:.:/ !:.!
:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.:.| |:.:.:.| :i:.i l:.:.:.:.:.l: :|:.l ヾ:! ..: /}: イ:.:.:.:./ !/
:.:.:.|:.:.l:.:.:.:.:.ゝ ':.:.:.:.l:.|:l l: :.:.:.:l:.:|:.l o {/ /' /: :/ /' 彼の死体が運ばれる様子を
:.:.:.l:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.i! l: :.:.:.:! :!:l 。 、 / // 見ていたナンナは、悲しみのあまり
:.:. :l:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.i l:.:.:.:.:l :l:| \/´ 胸が張り裂けて死んでしまった。
:.:.:.:.!:.:.∧: : :.:.:.:.:.:.:.:l:l !: :.:.:.! l:| .イ
:.:.: :ハ:.:.:.ヘ: : :.:.:.:.:.:.:.:i! !: .:.:.:! i! ` 、 -'
:.:.:.:.:.:〉:.:.:.:丶: .:.:.:.:.:.:.:! ',: :.:.:l :| , -ハ 彼女は火葬薪の上に乗せられ、
:.:.:.:.:/: :丶:.:.:\:.:.:.:.:.:.', ヘ: .:.:!:|ヽ. /:.: :ト:.:| (おそらくバルドルと共に)荼毘に伏された。
:.:. :/: : : : :\:.:.:\: : :.:', ハ: :.:ll: .:}` ー i:.:.:.:.:.! }:!
:/:. : : : : : : :\:.:.:\ : ', ∧:.:.i!:./ |:.:.:.:.ハ l|
:.:.:. : : : : : : : : : :\: :.{ヾ:',ヽ ト.、:.:{/ |:.:.:/ l!
: : : : : : : : : : : : : : :ヾ:}: :`!: : \:\ !:./ }
:.:. : : : : : : : : : : : : : :}' : : }: : : : :\ ヽ }:' ′
≦三三三≧z、: : : : : : : : : : : : : : :ヽ X
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.
514 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:17:04 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● オーディンはバルドルの身体の上にドラウプニルを置いた。
| (__人__) 多分、バルドルへの副葬品だろう。
. | ノ
| ∩ ノ ⊃ この時から、ドラウプニルは九夜ごとに八つの腕輪を生み出す
/ ./ _ノ 力が備わったとも言われている。
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)( ●) 船を海に送り出すとき、トールでは無理だったので
| (__人__) 女巨人のヒュロッキンを呼んで船を押させたり、
| `⌒ ´l
| } そのせいで機嫌が悪くなったトールがドヴェルグのリトを蹴飛ばして
ヽ } 一緒に焼かれたという記述もあるが、まあ蛇足だな。
ゝ 丿
____( ̄ ̄ / ̄ ̄/´ ̄/_
i⌒ゝ、 ヽ ヽ. / / ⊂) i⌒ゝ、
i;;;;;;;;;;|__ L人  ̄ ̄`´ ̄ ノ__i;;;;;;;;;;|
./ ̄ ̄\
/ ヽ、_ .\ さて、場面は少し巻き戻って、バルドルが死んだ時になる。
. ( (● ) . |
. (人__) | ショックからようやく立ち直った神々に対し、フリッグは
r‐-、 . | ある提案を出した。
(三)) . |
> ノ / 「自分の好意と寵愛と報酬としてニヴルヘルへ行き、
/ / ヽ、 . / ヘルにバルドルの身代金を差し出す者はいないか」と。
/ / ⌒ヾ .〈
(___ゝ、 \/. )
. |\ ,.1
. | \_/...|
.
515 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:17:47 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\ 要するに、ヘルにバルドルを生き返らせてもらうよう
| (●)(●) .| 頼みに行くわけだな。
! (__人__) |
, っ `⌒´ | これを引き受けたのが、オーディンの子ヘルモーズだ。
/ ミ) /
./ ノゝ /
i レ'´ ヽ
| |/| | |
ヘルモーズはスレイプニルに乗り、九夜かけてニヴルヘルに
たどり着いた。
∧__∧∧∧∧∧∧
(・ω・` )┐┐┐┐┐┐ そこでバルドルに会って更に一夜過ごし、ヘルにバルドルを
と´_,ノ゙ヾ.ヾヾ.ヾヾ.ヾヾ.ヾ 生き返らせて欲しいと頼む。
(´ ヽ、 \\\\\\\
`ー' \__)__)__)_)__)_)__) ヘルはバルドルを生き返らせてもよいが、そのためには
条件があると答えた。
.
516 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:18:11 ID:EVUwvcVc
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
__ ______
, ' /\ `ヽ、
,.'' ゝ / @ \ ノ `ヽ
、' /⌒y'へ-'⌒i' ̄ヽ_,.へ__l じゃあ、バルドルがどれだけ愛されているか調べましょう。
とヘ-,─'´ ̄`ー--^ー---、_フ
i ィ / .ハ /!,!_t!、ハ │ i 地上の生きた者死んだ者全てが彼のために泣くのなら
.イ i iイ.ヽノ レ´ ,. - 、ゝ,イ | | 返してあげてもいいわよ。
. レ ヘ i,,'´` ,,,, ン ! | ゝ、
i 从 ヽフ ハ.イ. |、ノイ 全員だからね~、もし一人でも泣かない人がいたら、
. ハ |ノ>.、.,,_ イゝ ハ . iヽ-´ 地上には戻してあげなーい。
`ゝ、i_.r'` -r' ヽ、iノレ´
/ ゝ[><]/!/^'ヽ
「=( § },=∞{
く !__§___〈 . '>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.
517 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:18:35 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ヘルモーズはオーディンへの贈り物として、
| ( ●)(●) バルドルからドラウプニルを受け取った。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ また、ナンナからは衣服などをフリッグに、
. | } 指輪をフッラに託すように頼まれた。
. ヽ }
ヽ ノ \
/ く \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
____
/_ノ ヽ_\ どうしてドラウプニルを返すんだお?
/( ●) ( ●)\
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::\ オーディンが贈ったものなのに……
|  ̄ |
\ /
.
518 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:19:07 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
. ./ _ノ ヽ
| ( ●) (●) ドラウプニルの所有者の移動が何を意味するのかは、
| (__人__) ∫ よくわからないな。ナンナについても同様だ。
| `⌒´ノ ∬
. ヽ } | ̄| 分裂する性質が後から加わったのだとしたら、
ヽ ノ |_|) ニヴルヘルと地上を行き来することに何か意味があるのかもな。
____/ イー┘ |
| | / / ___/
| | / / |
| | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | ヘルモーズの報告を聞いた神々は、世界中のものに
(__人__) | バルドルのために涙を流すように頼んで回った。
(`⌒ ´ |
. { | 生き物は勿論、石や樹木、金属も泣いたそうだ。
{ ノ
ヽ ノ
ノ ヽ
/ |
.
519 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:20:02 ID:EVUwvcVc
. __
./::::::. \
/::::::ヽ;;: \
. (:::::(::::冫 | しかし一人だけ、セックという女巨人だけは
. (:人;;;) . | 涙を流すのを拒んだ。
r‐-;::::::. . |
(三)):::::.. . | そのため、バルドルを生き返らせることは出来なくなった。
>::::ノ:::::::::. /
/::: / ヽ;::::::::: / 女巨人セック……彼女はロキが変身したものだと言われている。
/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
(;;;;__ゝ:;;:::::\/:::::)
. |\::::::::::::;;:1
. |:::::\;;/:::|
/ ̄ ̄ ̄\
/ / \ \ なんとまあ……
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ \
.
520 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:20:31 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ、.\
| (●)(●) | ロキのその後については、前回説明したとおりだ。
/ ̄ ̄ ̄ 丶人__). |
/ \ ._|_____ 次は直接の下手人となったホズの話だな。
, --'、 / `〉
/ ⌒ ) / /
,′ ノ / /
l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ
ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l
`'ー'´ | .`'ー'――┬― --、/ _.ノ
/ ̄ ̄\ ホズへの復讐は、リンドの子ヴァーリが行うと
/ノ \ 予言されていた。
(● )(●). │
─(⌒)巛 (__人__) │ ヴァーリはバルドルの死後間もなくして生まれ、
\ \ {` ⌒´ │ 生後一日でホズへの復讐を遂げた。
\ \ { │
\' ̄ ̄ ̄ ヽ、.,__ __人 彼は復讐を終えるまで、手も洗わず髪も梳らないという。
 ̄ ̄ ̄ ̄\ \
※梳る…くしけずる、髪を整えること
.
521 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:21:02 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄ ̄\
/ \ 別に一日くらい……でも、手を洗わないのはちょっと
/ ─ ─ ヽ ばっちいかもだお。
| (●) (●) |
\ ∩(__人/777/
/ (丶_//// \
_____
/ .r┐ヽ「| 髪については、今で言う願掛けみたいなものだろう。
/ r-、 | .| ./ l l゙l
. / .__,ノヽ ゙、_,ノ '-' .|,,/ | ノルウェーを統一したハラルド王(ハーラル一世)は、
| (●)ヽ ノ ´/ 統一を成すまでは髪を切らないし梳らないと誓いを立て、
| 〉 〈_,,.-、 実際に十年ほどの間、一切髪の手入れを行わなかったという。
.| (__人{ .r''´
.| ´ ⌒| _,.-i'´
. .{ l-‐'''''''ーl }
{ . |´ ̄ ̄``l }
{ .| |.}
____
/ \
/ ⌒ ⌒\ へえ、そんな話もあるのかお。
/ ( ●) ( ●)ヽ
l ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒´ /
/ ヽ
.
522 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:21:50 ID:EVUwvcVc
____
/_ノ ヽ\
/ ( ●) (●)、 それにしてもオーディンは回りくどいことをするお。
/::::::::⌒(__人__)⌒\ ホズへの復讐くらい、自分でやればいいのに。
| |r┬-| |
\ `ー'´ / バルドルが殺された時にすぐやっちゃえばいいんじゃないかお?
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ / ヽ /
\_,,ノ |、_ノ
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) それもちゃんと理由がある。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ すぐに復讐しなかったのは、バルドルが殺された集会場が
| } \ 聖所だったからだ。
/ヽ } \
/ ヽ、____ノ ) 聖所では血を流すことは禁じられていたから、ホズを殺すことは
/ . | _/ 出来なかった。
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
.
523 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:23:21 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ オーディンが自分で復讐しなかったのは、ゲルマン民族の
| ( ●)( ●) 価値観によるものだと思われる。
| (__人__)
| `⌒ ´l ゲルマン民族は氏族・血族……わかりやすく言えば、
| } 家族や親戚などの血縁が社会の単位だった。
ヽ }
ゝ 丿
____( ̄ ̄ / ̄ ̄/´ ̄/_
i⌒ゝ、 ヽ ヽ. / / ⊂) i⌒ゝ、
i;;;;;;;;;;|__ L人  ̄ ̄`´ ̄ ノ__i;;;;;;;;;;|
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) |
. | (__人__) │ 血縁者同士は団結し、守りあうのが基本だ。
| `⌒ ´ |
. | | だから、不和の原因となる身内間の争いは好まれなかったんだろう。
. ヽ /
ヽ /
> <
| |
| |
.
524 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:24:20 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● 復讐を行うのは、基本的に殺された本人の身内だ。
| (__人__)
. | ノ しかし、オーディンにとってはホズは息子=身内なので
| ∩ ノ ⊃ オーディンが復讐をすることは出来ない。
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
.. ____
/ ― -\
. . / (●) (●) そこでヴァーリの出番というわけかお。
/ (__人__) \
| ` ⌒´ | でもヴァーリがバルドルの身内になるなら、
. \ / ホズも同じなんじゃ……
. ノ \
/´ ヽ
.
525 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:24:51 ID:EVUwvcVc
/  ̄ ̄\
/ ノ ヽ
|:::::: (● ) 苦肉の策ってやつだろ。
. |::::::::::: (__人)
|:::::::::::::: ⌒ノ 発端のバルドル殺害からして身内間の殺人(神)だからな……
. |:::::::::::::: } あまり細かいところまで突っ込むと話題が逸れるし、
. ヽ:::::::::::::: } ほどほどにするだろ。
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
|:::::::::::::: |
|:::::::::::::::| |
_____
/ ― \ うーん、わかったお。
/ノ ( ●) \
. | ( ●) ⌒) | そう言えば、ラグナロクの前には親兄弟間での殺し合いが
. | (__ノ ̄ / 起きるって、できる夫が言ってたお。
. | /
\_ ⊂ヽ∩\ これはよっぽど世紀末な状態なんだおね。
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ お、その辺も覚えてるんだな。
| ( ⌒)(⌒)
. | (__人__) 人の心がどれだけ荒んでしまっているかがわかるだろ。
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ \
/ く \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
.
526 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:25:28 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ /\'ー、 ,, ..,、 殺されたバルドルとホズだが、彼らは
| ( ●)( / .\` 、 . // / ラグナロクの後に地上に戻り、ともにヴァルハラに
. | (__人/ \ヽ、,.// ../ 住むと言われている。
| ` / ``77 /
. ヽ / / / /
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./
/./ r-、 ヽ ∨,ノ /
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. |
| .\ \ ノ
_
. ,,-‐'''´ `―-、
. ,/ ヽ
ィ'/ 、 、 ヽ
i.,, i /.,、 i、 i l .l .l ……デンマークでは、バルドル殺害の話は
"ll、 l、トTヾ lやヽ,T l ,,l 少し異なる形で残っている。
`l.lヽらフ ` 'ちフ'l /,), /`
'.l l''_, ─、_''.,ィ /,/!/
!r'# # #Y〃i
. ム # # rク、 .l モグモグ
'- ケtォャl、 __,,)
. ャ''ヽィ.' !l__,λ_
`i--.ォ''~~'´>_) )
`´ `‐ ´ ̄ `´
.
527 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:26:11 ID:EVUwvcVc
__
/ ~\
/ ノ (●)\ ゲスタ・ダノールム……デンマーク人の事績か。
. | (./) ⌒)\
. | (__ノ ̄ \
\ |
\ /
. \ ⊂ヽ∩
/´ (,_ \.
/ \. \
./ / |. \ソ
( y' .|
_ _ ___
/ ) ) )/ \ /\ おお、別の神話があるのかお?
{ ⊂)(●) (●) \
| / ///(__人__)/// \ そっちも聞かせて欲しいお!
! ! `Y⌒y'´ |
| l ゙ー ′ ,/
| ヽ ー‐ ィ
| / |
| 〆ヽ/
| ヾ_ノ
.
528 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:26:48 ID:EVUwvcVc
,.. --- ..
,..-.:. ̄.:..:..:.. : : : : `丶、
/:..:..:. ..: : : : : : : : : : : : :\
/:ヘ=、、:._: : : : __:ヽ:_: -^,.ト、
ノ:..:..:./:..  ̄: :7´:―― : :|‐: :´、: ヽヽ
ー-/:..:.i:../:. : : ,/:..:.:イ:.ハ:.. : j:.. :}:.、ヽ:. トヽ 「デンマーク人の事績」は、デンマークの歴史を記したもの。
!:..:..:|:.{/:..ィ_jz≦ノ ' }:./_}_イ:. } |:.|||
Vl:.:.|:. Vl´「_ 、` ノ′ _ノ:ソ:イ: リ ノ 作者はデンマーク人の歴史家サクソ・グラマティクス。
. }:ハ: : l f7「::`ハ /:::7}7イ:/}/
ノヘーl、: :!VZツ ヒ:ノ/:.//
`ィヘ:ト、 _ _ ノ:イ/
rく、\` ヽ二コ:千:|K、′
|:..:ヽヽ\: :Yニ|: :!:/j!:.l
ト:..:..:.\ヽ\!r|┴=ミ!r ァ7
|!::.:..:.ヽ\ヽ|! /7 /
j::.l::..:..:.⌒ーァ⌒} / / /^}
|::.:.\::..::.::.::>ー'―-L∠_¨´
l::.::.:..:. ̄ ̄ト 、, --、―弋i
ヽ::.:..:..:.::..∧/ ヽ i _ .. -―
``ーニ´/ー-、 | _|
_. -―  ̄ ト―.:「:.:l
ヽ:..__:L_|
ヽ.__)ノ
, -=―=―- 、 _
〃⌒>'´ / 丶`ニ=‐'
./ ,′// , ´ / j } ヽ \
/ l | i l / /// ,イ ハヽ ヽ バルドル達が登場するのは、序盤の伝説時代。
ノ,イ八 l レ_j/∠∠///∠Ll }ヘ
<ノ .∧ l ムrt=k` ィ=、ルレ′j ホズはホテルスという名になっていて、盲目ではない。
/ イ Vヘ. ヽVr! jr/ムイ{ 彼はスウェーデン王の息子。
´ W^{ゝヘ ハ.ヽヽ _ ' /〈リヽ
j八 }ヽ ヘ、 j`<ミ\ ナンナはノルウェー王の娘で、ホテルスを慕う女性である。
リ朽\!`{7|:::::::::>ミ;>,
ノ \- 厶]::::::::f }::/:/ また、こちらのナンナにはスンナという妹がいる。
r=< V三|:::::::::| |/:/
/‐-、 \ ∨メ、::::ノ V、
. /_j , X \ ヽ {´ /
〈 ´ \\ >ヘ、___,イヽ
____
/⌒ ⌒\ ホズとナンナは人間なのかお?
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ 立場も違うっぽいお。
| 。`,⌒゚:j´ |
\γ⌒/■)' _ /
( ^ノ ̄ ヽ
.
529 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:27:22 ID:EVUwvcVc
/ ヽ \ \
,' / / l \ ヽ
! / / / ,' | l ハ ヘ、ヽ、_,
. | ! l l / / ,イ ! i ! l ヽ ',` ̄
. l | l l ,/ 〃 ,/ /│ l j l│ ! l バルデルス(バルドル)は、オーティヌス(オーディン)を
ノ | ! │ | /_// // / ,' ∧ / | / j l│ 父とする半神。
ノ l ァ| |尢/‐=乞t/ / /∠ニ「厂! / ,/ / リ
イ 八{´l !|<f{矛:下 ' イ孑代フ.j/. / / ある日、バルデルスは沐浴をしていたナンナを見つけ、
. Vハ | r';;z j r';;zリ /}, '// 彼女に一目ぼれしてしまう。
ヽ ', |  ̄ ,  ̄ チ' /
`ヘ lヽ _ 厶 ./ ホテルスは狩りに出かけた際に戦乙女に出会い、
', {.代ト、 , イ | / バルデルスがナンナを欲していることを知る。
\_'i| > 、 _ , イ/ V l./
/ ヽj {`ヽ ′
. _ / 「´ ヽ} \
_, -‐ ´ l‐--‐、 _ -‐ | ` ー- 、
. r<\\ ヽ '´ ̄ ___ `ヽl| / /ヽ
y⌒ヽ \\ V  ̄ _ `ヽl| / / ∧
./ ヽ. \\ ∨ ̄ `ヽ | / / / l
{ ヽ \\ ヽ / / / / │
.
530 どこかの名無しさん 2011/06/11(土) 22:27:47 ID:ytaf4GfE
お、始まってるw
>>485
遅レスですが、>>484です。情報ありがとうw
ギュルヴィたぶらかしの原語読みだったのか
古ノルド語読みはヴォルスパーとロカセナしか聞いたことなかったんで、知らなかった
タメになりましたw
531 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:28:00 ID:EVUwvcVc
ホテルスはナンナに求婚するが、半神を恐れる
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ ノルウェー王によって成就しなかった。
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、 しかし同時に、ノルウェー王はホテルスに助言を与える。
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ 彼は森に住むサテュロス……ミミングスから富を増す腕輪と
_,-+ 匸ヘ/V 必勝の剣を得る方法をホテルスに教えた。
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /∥::l
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::| ※サテュロス…ギリシア神話発祥の、半人半獣の精霊。
l::::::|人|:::::::l
_. --- ._
. ,..イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:´ ̄`丶、
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ その後、ミミングスの剣を得たホテルスたち人間と、
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヘ バルデルスに味方するオーティヌス、トールら神々との
∠:ィ:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.',:.:.:.:.: ハ:.:.:.:.:.:\ 戦いが始まる。
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:. ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:トゝ
. |:.:':.:.:.:.:.:.:.:|:.:∧:.:.:.:.:!、:.:.!.、:._」 ',...L:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.N はじめは神が優勢だったが、ホテルスが
. l:.:l:.:.:.:|:.:.:下'ト ヽ:.:.:| x|'´\! ',:l:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.| トールの持つ樫の木の棍棒を切り落とすと形勢は逆転、
V||:.:.:.V:.:.|,ィ=ミ、\! ィイ¨'トヽ:.:.:.:.:ハ:.:トソ 神々は敗走する。
リ、:.:.:.\|:{ ヒ,ハ ら、j.| |:.:.:.:.,'ノ〉:|′
ヽN:.:.:.:| ー‐' ー-' ,!:.:.:./イ/ヾ
l∧:.:.ヽ '_ /:.:.// '′
\:.|` _,..__ .ィ ./:.:./ー、
`rァ ´ / l ,./:.:/ ∧
/′ /三ミ 、/// ヽ
/ .′ / `y ´ ヘ.
,′| | / .ィ´ ̄ヽ.〉
/ .| | / ,.'´ |
.
532 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:28:36 ID:EVUwvcVc
/.:.:. \
/:,:.:.: / ヽ \
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ー
/!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ハ だが、二度目の戦いではバルデルス側が勝利。
/イ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ム_/| l l } 一進一退の攻防が行われた。
N:.ハ:.:.:lィfアト/ レ ィ=ト | /| ∧j
ヽム:.} c;_j c;リ ル iレヽ ある時、ホテルスは夜半に敵情視察に赴く。
`ヘ:ゝ .' 小/
ヾ:{>、 _ ィ<}/|/ そこでバルデルスと鉢合わせし、彼の横腹に剣を
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_ 突き立てて傷を負わせる。
/| l:| | ===| |:l゙ヽ
/ | l:l l l l::l l その傷がもとで、バルデルスは三日後に死ぬ。
l ヽハ l l // |
ハ ヾヽ l l // l l
| ヘ l ヾ\ ヽm/ ,/ V :|
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ \
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ム/_ l:/::: l:: !l::! i::! オーティヌスはルテニア(ロシア)の王女リンダを
. ! l .: : .::::| :i:.:: レ',ソ,_/`!::/i:/ i:! | 暴行し、息子ボーウス(ヴァーリ)を生ませる。
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i` !/ / !
i:l', :::::. :. ::. ::〈 、'_゙il::::. |.| j_ソ ゙、_ ボーウスはバルデルスの復讐を成し遂げるが、
ヽヽ、:::::::::. :::.::::\ニ',::. ii::! ノ 傷を負ったため、その翌日に命を落とす。
ヾ、i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ィ´
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. /
ノ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ '
イ'"`'‐- 、 / ヽl/ '
/ \__{ヽ、
/_,, -‐‐‐-- ,,_ \_,ヽ‐、
.
533 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:29:56 ID:EVUwvcVc
内容を比較すると、以下のような違いが見られる。
..-─‐- .
/ /__ / __ ヽ
. 厶イ /レ`Vレ ` > ・ホズとナンナに相当する人物が人間である
. f⌒゙n|l | | ● ● Ⅵ ・バルドル、ホズ、ナンナの関係
. Y__.ノリ | ト r‐┐ 仆x! .・ヴァーリの生死
{:::::\.从ゝrー‐イ乂\
ゝ:::::::i:::ヽ v=y ∧ また、ロキにあたる存在がいないのも大きな相違点。
\::::::ィ≧ヘムイ::::ハ
 ̄|:::/ 介 |::::i:::|
|::i 〈ハ〉.|::::l:::|
____
/ \
/ ─ ─\ と言うか、神様側が全体的にひどいお。
/ (=・=) (=・=)\
| (__人__) | トールはホズ相手に負けてるし、オーディンなんて婦女暴行……
\ ` ⌒´ /
.
534 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:30:50 ID:EVUwvcVc
/ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
イ:.:.:.:/-|/|∧:;、:.:.〈
リ:.:./ ● く!:,:.:..、 最初に言ったように、これはデンマークの歴史の記録。
l:.:.l ●/:./ ̄
vヘ - ノ:./ 神々についての記述が中心でないのは当然と言える。
_,-+ 匸ヘ/V
,《 ヒ⌒j 》、
l::\ l /∥::l
|:::::::ト,Vイ:::::|
|:::::::l介l:::::::|
l::::::|人|:::::::l
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 純粋に北欧神話に分類出来るかと言うと、微妙なところだろ。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ 伝承を補完するための参考には出来るかもしれないけどな。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ \
/ く \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
.
535 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:31:25 ID:EVUwvcVc
|: : : : :.| : : : | : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : |
|: : : : : l.: : : :|: ! : : |: : : : : : : :|: : :|: : :/: : : : : : : :|
|: : : : : : : : __|厶: : |_:|: : : : : 厶: /: _/_: /.: : : : : :|
|.:.: : : :.:∨\|Vヘ: :|:∧: : : :/j/|: :/|: /∨.: : : : :| ところで、やらない夫。
. |: : : \:.: l,ィ≠z> ハ: :./ zモ示ヾ /: : : /: ,′ バルドルの話はキリストの死と復活に
lハ.: : : :\:ト Vfzjハ ヽ∨ Vfzjソ 彳 : : /: :/ 影響を受けているというのは本当?
丶: : : : :ヽ` ー'" /: : : /: :/
_ \ : : : ゝ ' /: : : /j∨
/:::`ーくヘ: : : :> _ - _ <: : : /:::::::ヽヘ、
_ノ三三ニ≡=- \ :.{ \> _, </ /_j/-=≡ニ三三\
F¬≠=≡三三ニ≡= ミ`ヽ、 \_. _/ / -‐= ニ三三三ニ≠¬|
|l  ̄¨¨ ¬ー-、ヾ\V⌒V/_,, -―¬ ¨¨ ̄ l|
|l {{ ̄ ̄ ̄ ̄}} l|
. /|l } | | { l|
. l |l | | | | l|ヽ
___
/ \
/ ヽ / 丶 えっ、やらない夫、それはホントかお?
/ (●) (●) ヽ
l::::⌒(__人__)⌒:::u:l
\ |r┬-| /
/ `ー'´ ヽ
し、 ト、ノ
| _ l
!___/´ ヽ___l
.
536 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:31:50 ID:EVUwvcVc
,, -─- 、._
/ ヽ
| ノ ヽ、 |
| (●)(●) |
| (__人__) |
ヽ `⌒´ ノ
/ \
__/((┃))_____i | キュッキュッ
.. / / ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ  ̄\
/ /_________ヽ.. \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) |
. | (__人__) │
| `⌒ ´ |
. | |
. ヽ /
ヽ /
> <
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| トン
_(,,) 学 者 に (,,)_
/ | 聞 け | \
/ |__________」 \
.
537 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:32:30 ID:EVUwvcVc
____
/ ― ― \
ミ ミ ミ / (●) (●) \ ミ ミ ミ てーぬーき
/⌒)⌒)⌒) (__人__) \ /⌒)⌒)⌒)
| / / / ` ⌒´ | (⌒)/ / / // てーぬーき
| :::::::::::(⌒) / ゝ :::::::::::/
| ノ \ / ) /
ヽ / ヽ/ /
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
, --v‐‐- 、
/ ヽ,
/ . ヽ 手抜き
/ , / , .j ヽ ヽ
7 i| l /.i /l .,ト、 l i ト、l 手抜き
./ィ ,l| .レ'‐-|/ .j∠+‐N ハ. ` ミ ミ ミ
ミ ミ ミ |/(| |ィf'卞 ,ィ'卞.|ヘj/ n ,-,
.,r ,r ,r, .`l/| |.''ー' 'ー' ,l/l/ n,ノ / ん
/ / / ん l`l .ト、. x ,,イ.// ! :::::::y
| ゝy ,ィ'''l|´.|l ` ー.イヽlZ_ / ) ノ
ヽ / , イ'i | | `ー'゙ l l |`iヽ/ / バ
| |イ l. l l lミ==_ィl__./ l||l 从人 l||lバ ン
ヽ -一'''''rr,,r‐-、 _ノイ .}::::イ;ヽrrー-、 ン
ヽ___ (( 、_)_)_)っ /:::::::::::(( と⌒つつつ)
.
538 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:33:00 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| (○) (O) お前ら、聞き手だからって好き勝手言うんじゃねえよ……
. |. .|| (__人__)
| ノi ! | } 俺にだってわからないこともあるんだぞ!
. | し' ` ⌒´ノ
. ヽ }
ヽ ノ \
/ く テヌキテヌキ
| \ タヌキタヌキ
| |ヽ、二⌒) /
/: .,: : : i: : : : : : : : : : : : : ,、:: : : : : : : : :.: |: : : ::::::::::::::::::|::::::::/::::::::::::::::
: : ,|: : /: : : : ∧: : : : : . :: ::|ヽ: : : : : : . .::.| : : :::::::::::::::::::|:::: /::::::::::::::::::
/|::/: : : ―ト-、:ヽ: :.:: : : | 斗―‐―-:::.i::::::::::::::::::::::::::|:::/::::::::::::::::::::: だが待って欲しい
|: : :.:|::::::.::| レ' \ :::::i __ \ヽ、:::::|: ::::::::::::::::::: : |/::::::::::::::::::::::::
レ::::: |: :::ヘ:i ィ=ミ、. \| -‐≦==ミ、|: ::::::::::::::::::://:::::::::::::::::::::::::::: やる夫が知りたいことをやらない夫が教える…
|: : :::| : : :ヽ`ト':::} イ゚'::.:::::i} 》 i:: :::::::::::::::://iヽ:::::::::::::::::::::::::: それが学ぶ系スレの流れのはず。
|: :::∧: ::: :ヽ代ソ マヽ‐ソ/ |:: :::::::::::::::/:|〉 }:::::::::::::::::/|::::
|: :/ ヽ:::i:::::i , `¨´ i::::::::::::::::/: / /::::::::::::::::/ レ
|:/ |::|:::从 ヽ |:::::::::::::::::::/ イ::::::::::∧/
/ i: | :::∧ |:::::::::::::::::::|::::::::::::/
レヽ::::::ヽ `` /::::::::::::::/::/:::::::::/
ヘ::::::::i\ イ /:::::::://レヽ:::/`ヽ
ヽ:: | ヽ _ < レ'|::::::/|/ i ∧'/:∧
ヽ| /ヽ |:::/ / /:::::::::∧
_ イ .∧ i/ /::::::::::::::::::::ヽ
,ィ´/ / / .〉 ノ ./:::::::::::::::::::::::::::::::\
.
539 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:33:29 ID:EVUwvcVc
/ ヽ
/ , , ' ヽ
/ / / / / , / ヽ !
〃/ / ! l / ! ! ヽ | !
│ ! ! │ { ! | ヽ ! ! ! | よって、やらない夫はやる夫の疑問に
! /{ {. ト` ト、 |ヽ !\ ,ム‐ハ| } l 解答する義務がある。
レ ! iヽ !,,====ミ、\l ,,====ミ ! l l !
ヽ |.-ヽ!'<fえヶ.ll, - 、ll イkか>l ,!、 ハl 要するに調べろ。
/, ニヽト ゞ-' ノ ヽ ゞ-' ,' / ノリ
,'/ニヾ 人 `_ / /リ´
{ /ニヽ ヽへ ィ ハl
ヽ、ヽ } | > _ , ィ´/ノ-、
_,' レ′_,-‐l / ヽ
__/ | /、‐'/ / , ' \
/ ─ ' } /へ、 / \
{ / / ヽ、 , ' ィ ニ二二\
, イ ,' 〉/ / // , -―─-}
/ / / / // / !
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ \
| ( ○)(○) \ \ メタメタな発言すんじゃねえええええ!
. | o゚ (__人__) __
| 0 `ー'´ノ´ ̄  ̄\
. | / } \
. ヽ / } }て・,‥¨
ヽ ノ ___ _ノ そ¨・:‘ .
/ く \ YY ̄ ̄YY\
| \ \ ・; ∵ ..\
| |ヽ、二⌒)、 . \
.
540 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:33:58 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) .|
(__人__)゚o │ わかったよ調べりゃいいんだろ
(,`⌒ ´ | そんで俺なりの説明が出来ればいいんだろ
{ |
{ ..:/ そのうちやるから待ってて欲しいだろ……
` ー \
/ _ l
/  ̄`Y´ ヾ;/ |
__,| | |´ ハ
| | |-‐'i′l.
|__ | _| 7'′
( (  ̄ノ `ー-'′\
* _______
/ ̄| + / ヽ + 完璧な理論展開、さすが有希ちゃんだお!
| ::| /⌒ ⌒ \
| ::|x / ( ●) ( ●) | .人
,― \ | ::::::⌒(__人__)⌒::::: | `Y´
| ___) ::| .! l/ニニ| /
| ___) ::|+ヽ `ー‐' / 十
| ___) ::| .> \
ヽ__)_/ / \
.
541 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:34:28 ID:EVUwvcVc
__
/ \
,ン ヽ、 . \ とりあえず神についての解説を終わらせてからな。
(●)(● ) |
(__人__) | 有名どころは残り少ないし、そんなにかからないだろ。
{`⌒ ´ . |
{ |
キュー ___ ヽ、 /
...__/_ノ ヽヽ、 .ン ヽ
._(_ )) (●)ヾ"'‐、 .// i
.(___)⌒(__人_(⌒ `二_/ | . |
. (__) ) (  ̄フ' .ノ
(_) ` ⌒´ .∠;-'"
じゃあ、次はどんな神様だお?
__
/ ___`ヽ
/ ノ ●) | ┏┓
| (●, ,⊃ノ .┏┛ チヂンダオ……
ゝ `´ ヘ .・
.
542 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:35:30 ID:EVUwvcVc
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ、.\ 説明に時間がかかりそうなのは……
| (●)(●) |
/ ̄ ̄ ̄ 丶人__). | んー、次はテュールにするか。
/ \ ._|_____
, --'、 / `〉
/ ⌒ ) / /
,′ ノ / /
l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ
ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l
`'ー'´ | .`'ー'――┬― --、/ _.ノ
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ おっ、なんだかカッコよさそうな名前の神様だお!
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\
| |r┬-| |
\ `,. -'"´´ ̄`ヽ
/ (___ |
/ |
( ̄ |
 ̄ ̄ ̄| |
.
543 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:35:56 ID:EVUwvcVc
__ __
, ´ ` ´ `'' 、
/ / / ヽ 、 ヽ\ ヽ: 、
. ,.:'/ / / / / /! / l ハ! lヽ`ヽ オチはない……
.//f,'i / / /l / l ハ / / / |ヽ ゙ヽ',ト、
. _∠‐ 7 /ヽ/ /‐/- .l / l / l / /|i.トヽヽl./', l l `i、
/;ィl;{ '/l/ l/ l/ l / ! / |."|//ハ l | l、 `l__
////!,r  ̄`ヽ ァ^¬ヘ.ヽ| | /|∧j!`ヽ─-,.l ', ` ー 、
. /,' ,i i| l l l′ l. V::ヘ./ !、./、ニ‐1| l. ヽ
,.,イrl/ヽヘ',/ ヽ、 ノ 、 ノ /ノiイ.'/l::l 」ヽ´ | l-一 ´
(...__| 'ァ:_ ヘ ' '  ̄ ` ー ´ ////::Ll:::::7 /`ヽ一 '′
ム-‐ヘN` ‐ 、..__......_ ' '_,.ィリ/ツ、::::::、:::::ト.⊥ -'
` `¨ ¨´ `ヽ、:ト、|
~次回に続く~
.
544 どこかの名無しさん 2011/06/11(土) 22:36:38 ID:j7AN8Jz6
おっつ
次はテュールか
545 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 22:36:59 ID:EVUwvcVc
今回は以上です。オチ付けるの難しい…
____ ~追記~
/ ./ /|
_| ̄ ̄ ̄ ̄.| .|___ 「デンマーク人の事績」を取り上げましたが、
/ |____.|/ / >>1はこの本を持っていません。
 ̄ ̄~ |し |  ̄ ̄
し⌒ J 手持ちの文献に載っている概要を参考にしました。
____ なので、詳細についての質問にはお答えできません。
/ ./ /| クスン
_| ̄ ̄ ̄ ̄.| .|___ 売ってないし高いし地元の図書館にも無かったよママン…
/ |____.|/ /
 ̄ ̄~  ̄ ̄
.
546 どこかの名無しさん 2011/06/11(土) 22:43:47 ID:ytaf4GfE
乙です
何かこのスレのおかげで久しぶりに北欧神話が気になってきた
エッダ以外は菅原邦城の北欧神話とカーメンスキイの神話学入門くらいしか読んだことないんだけど、>>1さんのおすすめとかありますか?
547 どこかの名無しさん 2011/06/11(土) 22:45:27 ID:zX9ikxTs
テュールか
めがてんだと頭に鳥かごつけてたような
549 どこかの名無しさん 2011/06/11(土) 23:07:33 ID:j7AN8Jz6
メガテンのテュールって赤いマントに長い髪で、義手に斧を持った陰気そうな男だったと思うけど、別のデザインもあるのか?
550 ◆xb9YsjmzN2 2011/06/11(土) 23:22:36 ID:EVUwvcVc
>>546
菅原邦城さんのというと、東京書籍のでしょうか?
うーん、それ以外の本となると難しいですね。。
少し趣旨が異なりますが、「生と死の北欧神話」(松柏社)とかかな。
神話のエピソードにどのような意味があるのかを考察している本で、
なかなか面白いです。
英雄伝説やサガを読むなら「エッダとサガ-北欧古典への案内-」(新潮選書)が手軽でいい感じ。
「北欧神話と伝説」(新潮社)も評判がいいみたいですね。
菅原邦城さんの北欧神話は初めて北欧神話を読むのにオススメの一冊です。
551 どこかの名無しさん 2011/06/11(土) 23:42:30 ID:ytaf4GfE
>>1さん、丁寧な解説感謝ですw
自分が言った菅原邦城本は東京書籍の奴ですw
表現が簡潔で読みやすいですよね
もう10年くらい前ですが、図書館で見て欲しくなったはいいですが、絶版だったんで、
中古を必死で探して記憶があります
「生と死の北欧神話」ですか…
解釈や考察に重点を置いている点が面白そうですね
そういえば、サガの方は知らないんですよね。谷口本欲しいけど、中古が結構いい値段するんですよね…
ひとまずオススメの2冊調べています
色々、情報ありがとうございました!
スレの方も応援していますw
552 どこかの名無しさん 2011/06/11(土) 23:51:11 ID:wCK7/T7c
乙でした!
次回は北欧メタラー御用達wwwwテュールすか
期待してます
555 どこかの名無しさん 2011/06/13(月) 00:32:27 ID:sSOE9t4U
話題が一回り遅いけど、上にあったロキの悪魔化は
キリスト教の影響ってやつ、そこまで考えるなら、もういっそ
ラグナロクの存在自体がキリスト教の終末思想の影響と考えた方が色々すっきりすると思う。
556 どこかの名無しさん 2011/06/14(火) 21:27:01 ID:FiovHssw
念願のテュール様キター
557 どこかの名無しさん 2011/06/15(水) 18:14:48 ID:jGtEh.Gc
フォーゴトン・レルムにもぐった神様キター
558 どこかの名無しさん 2011/06/16(木) 01:25:08 ID:EPc8lfiU
遅いけど乙
バルドルがまさかメガテンにあんな風に出るとは思わなかった・・・
559 どこかの名無しさん 2011/06/16(木) 04:00:51 ID:Gs6/u2eQ
メガテンとFE聖戦とついでにラグナロクオンラインがちらついて困るスレだw
やる夫と学ぶ北欧神話 第6回
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