～手を借る～





.

これは江戸の小日向（現在の東京都文京区内）でのことである
この地には水野家という武家の屋敷があった


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／／／.＼＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／／／:|| || ||＼＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　.／／　.|_||_||_||_||_.||　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　 .／／　　　￣￣￣￣´　 　.＼＼
_____________________________／／:: : :: : : : ....　　　　　　　　　.＼＼____________________________________________
ｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿ.／／:::::: :::: ::: ::: :::: ::::: ::: ::: : . .. . . .　　＼＼ｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿｿ
=============y／／_______________________________________________＼＼y========================
⌒/癶)))))))))))l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」((((((((((癶⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒
⌒/⌒ヾソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソ_/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/
⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/
⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/⌒/
二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二
　　　　|:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|
　　　　|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:|
__ __.　 |:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:|
| || |......|:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|| || || || || || |:|.........................................艸艸.
|_||_|......|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:||_||_||_||_||_||_|:|.............................................艸艸
.　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　艸艸艸
＼_________________________________________________________________________________________________________________________________ヾヽ
ｿｿ＞=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l==l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l==l=l=l=l=l=l=l=l=l=l=l==l=l=l=l=l艸艸-､,､　艸艸艸
|""＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝ 艸艸艸⌒ヽヽ/
|＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝二＝ 艸=彳艸艸　　　　_ｿ:’;;:
|((二二二二二((二二二二二二((二二二二二二((二二二二fnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn　 (,!｡:;;
|　|　　　　　| |::::|　 　 | |　 　 | |　　 　 　 　 　 　| |　　　　　|　|ﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍ　彳艸艸　艸艸丿艸
|　|　　　　　| |::::|　 　 | |　 　 | |ヽ.　ヽ.　ヽ. 　 　.| |　　　　　|　|:|`⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒艸艸艸⌒艸艸艸:::；,､
|　|　　　　　| |::::|＿＿|_|＿＿|_|　ヽ.　ヽ.　ヽ. 　 .| |　　　　　|　|:||_ _.i _ _;i _ _i _ _i.__,.i _艸彳　　　　　　　ｿ｡ﾟ；::
|　|　　　　　| |==========================| |　　　　　|　|:||　　　　　　　　　　　　　　　　　艸ヽ､丿;;::::艸艸艸
|　|　　　　　| |==========================| |　　　　　|　|:||_ _.i _ _;i _ _i _ _i.__,.i _ _;i _ _　艸⌒ヽ艸艸艸艸
|　|___________| |＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝| |___________|　|:||　　　　　　　　　　　　　　艸艸艸（jj,,;;〃
|　|　　　　　|_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|_|　　　　　|　|:||_ _.i _ _;i _ _i _ _i.__,.i 艸艸艸艸　　）::；；
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ,､,､,､
　::::::::::::::::::::／＝　　＝　　＝　　＝　＝　＝　＝　＼::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　ノ⌒´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒`´　,.r''"　""

この家に祐筆（主人の代筆などを行う役職）として仕えている武士がいた


　　　　　　　　　　　{-| }' !::::::ノ―‐'ヾ:.ーr---､___｀-}
　　　　　　　　　　　,Vr'´￣　　, __　　,):.} ｀ヽ:!:ー-ﾆ!
　　　　　　　　　　 {:!,'　- 　　ﾉ ,,,,,,ｨ´ {:.:{__ 　!:.ヽ:.:､:.:!
　　　　　　　　　　ﾉ:/, -､_r' V:.:ノ弋ｿ>-ー:>.!: :r'´ ヽ:.､-=ニﾐ､　　　　　あー、此度の件については誠に遺憾であり
　　　　　　　　　 ヽ:､.!ﾉ弋!|　i｀､｀ヽー'　　'　iﾐ! <ヽ |:ﾘ三三ﾐ､ﾐ､　　　　これはもう全力を挙げて潰―――
　　　　　　　　　　 く | r'´/　　　　　　　　/　ヾ {ノｲ:.!三ﾐ!三ﾐ!iﾐ､
　　　　　　　　　　　 ヽ　ゝ ,　､ )ヽ､　　　!　 r-,ｲ: : :}!三ﾐ!三ミiﾐ!　　　　……待て、今のナシ
　　　　　　　　　　　　 !　/ >:´:.:.::ー:.ヽ　|　/ /　v: :ヽ三ﾐ!三＝-
　　　　　　　　　　　　　!|/:.ｨニﾆ＝=rvi} !　|/　,r- '´
　　　　　　　　　　　　　! Y -r:.:.r　　　'´　,!' ,./
　　　　　 ,. --r､　　　　｀i ,ｲ': : : :ヽ､　　イ／ |　　　　　　　r===
｀ヽ､ ,／　　　 / ＼　　　>': : : : i: : : :}´,ｲ　　,.|＿,. ―― '´￣￣
　　/　　　　 /　　　!　 /ｨ: : : : /: : : ﾘ,イ!　　{i!
　　{r―v―<　　　| ト--,!:i: : : :/:ノ!ｨ三 |　　|i|
､　　|　　　　||　　　 |　/ii} |: / ﾘ／三三|　　|i|






.　　　　 　 　／￣￣￣＼
.　 　 　 　／　─　 　 ─ ＼
　　　　　/　　（●） 　（●）　ヽ　　　　 　 殿、紙も墨もタダじゃないんですお
. 　　　　|　　　　（__人__）　 　 |
　　　 　 ＼　　　｀ ⌒´　 __,／
　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　＿/((┃))＿＿＿＿_＿i　|
..　／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣￣（,,ノ ＼
／　 /＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. 　＼
.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

手紙などを含めた公的文書の作成を行う重要な役職であり、
当然のことながら相応の高い技能が求められる仕事である



　　　 　 　　　＿＿＿_
　　　 　　メ ,, -──- ､._＼
　　　　メ／　u　　　　ﾟ 。 ＼＼
　　／ ／　　　 ＼ 　／　　　＼＼
　　　! |　u　(（●）) (（●）)　 　|
　　＼＼　　。 （__人__）　　 ／く<
　　　ノ ﾒ/　　　｀ ⌒´　　　ヽヽヾ
　　　＿/((┃))＿＿＿＿_i　|＿
　 ／ /ヽ,,⌒)￣￣￣￣ （,,ノ 　 ＼
／　 /＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ　　＼






　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ν///j斗x: : ',＼:.:.:.:.:.＼:.:. : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 りr‐ '　　　'; : {_　ヽ:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:. : : :ヽ
.　　　　　　　　　　　　　　　　/:/　　 ,　　　≧z､:八:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:. : }　　　　残ってる昔の文書が達筆なのはこれが理由なんだなあ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 }:.}ｰ　ｲ　 ／^"´　}｝　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ｲ__, ｰ=彡沁ｰ=ｧ ｰ=　 }:.:.:.:.-､:.:.:.:.:.:.:i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 {:.:ﾊ >ｯ /　　 '¨¨´__　　　　}:./　　}:.:.:.:.:.:.{
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 j/ ' } //　　⌒ー'　　 　　 ハ{ f7 {:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾚ　　　　　　　　　　 r　　　　,ﾉ:.:.:.:./_＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼_.,こ　.,__　　　　　{　　 _／-‐￢冖
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　　　 /
＿＿＿＿,.　　　　　　 　 　 　 jv/"￣￣｀　ヽ;} -‐ /　　　　　_＿＿__
.　　　　　　　　　冖￢ｰ-ミ＼　　} /;;;ヽ,.,　 ／　　,/　 -‐　　　￣￣　　ﾆ=-‐＝＝ァ
　　　　　　　　　　 /＾/ i｛　　 ﾆ=-';;;;;;;;;;;;;ヽ}　　r=ｧ-‐￢冖 ￣￣￣　　　　　　-‐
　　　　　 　 　 　 / ,/　 ＼　　 j/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}　　!ﾆ{　　　　　　　　　　　　　／
.　　　　　　　 　 /／　　　 }　　 };;;;;;;;;;;;;;;;;;;/}　　!ﾆ{　　　　　　　　＿__

さて、ある日のことである
この祐筆が屋敷の門前にいたところ


　　　　　　　　　　　　　　　　 []ﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆﾆ立ﾆ[]
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ＼
ｒzzz_ｒzzz_ｒzzz_ｒzzz┐　／ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;＼　 ┌zzz_ｒzzz_ｒzzz_ｒzzz_ｒｚｚｚ
||‐─||‐─||‐─||‐─|／; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;＼ ||‐─||‐─||‐─||‐─||‐─
d‐─d‐─d‐─d‐─V二二ﾌ二二二ﾌ二二二ﾌ二二二ﾌ二二二ﾌ二二二ﾌ二二ﾌ;d‐─d‐─d‐─d‐─d‐─
￣￣　||￣ ￣￣ ￣;| |￣| ￣| ￣|￣￣|￣| ￣| ￣|￣| ￣| ￣|￣ |￣| |￣|￣|￣|　￣￣ ￣ ||￣￣￣￣||￣
　 　 　||　　　　　　　|_|＿|＿_|＿_|＿＿|＿|＿_|＿_|＿|＿_|＿_|＿_|＿|_|＿|＿|＿| 　 　 　 　 ||　 　 　 　 ||
　＿＿|| ＿＿＿＿_;|| 　 ｒzzzzzzｚｚ　　|||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||　　　　　　　　 ||;;＿＿＿＿||＿＿＿＿||＿
ΠΠΠΠΠΠΠΠ|| 　 || ;;; ;;;;;;; ||| 　 |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||ﾆﾆﾆﾆﾆｌl;　　　||ΠΠΠΠΠΠΠΠΠΠ
ヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ;;ゞ ;;||| 　 |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;|| ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ
; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ;;||| 　 |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;|| ヾ; ;ゞ |￣| ヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞ
ヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞ;;||| 　 |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;|| ; ;ゞヾ | ll | ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ
; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ;;;;ゞヾ ||| 　 |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;|| ヾ; ;ゞ | li | ヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞ
ヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞ;;||| 　 |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;|| ; ;ゞヾ | il | ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ
; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ;;||| 　 |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;|| ヾ; ;ゞ | ll |　ヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞヾ; ;ゞ
　从　从　从　从 从　从　从 从;;||| 　 |||| ｜｜｜ || ｜｜｜ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;||　;;从　| li |　从　从从　 从　从|
　Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒X⌒X⌒X⌒X⌒ヽ ||| 　 |||| ￣￣￣ || ￣￣￣ ||||;;;;;|;;;;;|;;;;|| Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ⌒Ｘ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／　　─　 　 ─＼　　　　　あー、肩凝った
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　　 （●）　（●）　＼　　　 殿も祐筆使いが荒いおー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ＼　　 　　 ｀ ⌒´ 　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　::::i　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/　　　　　　　::::|＿/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／　　　　 　 　 　::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　::::|　 ｷｭﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　＼　::::/　ｷｭﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 　|::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼＿／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　,}＼　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 r)　＿∨厂　「￣｀
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {∠＿＿_｀ヽ 廴
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ./　 ､ 　 ＼|_ソ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　′　 | ∧　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 /{　　从ｨｱ}　|　　　　　　　　やあ、この屋敷の祐筆ってのはあんただね？
　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　.八 |. ∨八 ‐'ノ 厂ヽ
　　 　 　　_爪＿ ,-=ﾆム}_／　 ﾘ 　 -{ 厂￣{　　|
　　　　 ／ 〆　　　　　∠　　 　 　 |　|.|　;　 |　./!
. 　 　 /　./　　　 　 ／ 「!/}　 　 　 !　!.!　:　 ! / {
　　　 !　 ′　 　 ／　 〈　/|/)＿__/　ﾉ.|　:　 {′ |　　 　 　 ∠￣ ｀
...　　 { ./ 　　 ／　　 　 ＼ ム _r=ﾆ￣￣￣/　.八　 　　／　　　 　　 ＼
　　　 V　　／　　　　　　　≧─}二二二／{ ／　 }_ ィ ´　　　　　　　　　＼
.　　　　 ／　　　　　　　　　　／二二_／二_＼_　ﾉ　　 ＿＿＿＿＿ 　 　 .|
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／二二／二二二二}ﾑイ￣　　　　　　 　 ￣ヽ .!
　　　　|　　　　　　　 　　/二二ﾆ/二二二二二!　　　　　　　　　　　　 　 } }
　　　　|　　　　　　　　 '/二二二{二二ﾆ〈く ＼∧　　./￣￣￣￣＞─一'"
　　　　|　　　　　　 ／/二二＿=|二二二_＼ヽ＼_､　{　　　　＿＿＿ ／
　　 　 乂＿_　 イ´　/二二＼く_|二二二二=＼ソ∧ ＼ 　 {＿
　　　　　　　　　　　/］二二二∨二／7}二二二二∧　 ＼.　　ヽ
　　　　　　　 　 　 /二二二二_|_／} ／二二二二二|　 　 `ーz }
　　　　　　　　　　 ＼二ム､二/{L／二二二二二二]　　　　 .//
　　　　　　　　　　　　＼}寸j=/二二二二二二二二/　　　　 { {　 ／
　　　　　　　　　　　　　 ｀ ＜{二二二二二ﾆ厂￣/′　 　 　 し ´
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼/＼二二二L＿/{
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼/二二二二ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　寸二二二_{´
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣￣}三_|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|三=!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 乂_ノ


見慣れない者が声をかけてきた

..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　 （●） 　（●）　　　　　はあ、たしかにここで祐筆としてお仕えしてるけども……
　　／　　　　 （__人__）　＼
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ






　　　　　　　 ,.へ､__　　　　　　__
　　　　　　__//＼　|　　　　　,.へ＼
　　　　　　＼＼ 　ヽﾄ,.--,.／　　 > >
　　　　　　　 ゝ､>　ヽ「7´ｰ-　 _/／､
　　　　　　 ／　　　￣'ｰへ　　　 l |　 ',
　　　　　　/　　 /___ ﾊ　　　｀ｰ==┘　 ',　 　 　 　 　 .そうか
　　　　　 ｲ /　ｲ,t､/　!　ﾊ__!__　i　ヽ 　 i　 　 　 　 　 ……実は、あんたの書の腕を見込んで頼みがあるんだ
　　　　　 Lﾊ._.ﾊ' ﾄj 　 ﾚ'ｫ=ｰr､ﾊ 　ﾊ 　 |
　　　　　　　'Y7,, ´　 　 　ﾋ_ソﾉ7レﾍ」 　|
　　　　　　　/人 　　､　　　 "/　/|/　i　 |
　　　　　　 く,.ﾍ/ヽ.､__ 　_,,.〈　　/　 ﾊ. 　|
　　　　　　　　7 /´!7 ￣ソ/7 ､/ヽ !　!　[!＜{
　　　　　　　　!〈　/ 　Ｔ　　l〈　　　 〉 |　 |　　
　　　　　　　}>|7 Y 　 |・　　ヽﾄ､.__,.ﾍ!　[!＜{
　　　　　　　　〈　､〉　 !・　　 　!〉　　 〉　|
　　　　　　　 /iヽr'-､_!・___,,..rく____ /　　[!＜{
　　　　　　}>[!　,ｲ｀ヽハ.,___〈______7　 i　i
　　　　　／/ !Y　 ､　 　　　'ー'　i　　/! |
　　　　 ＼ ／ 　　　Y´　　,.へ　く|　/　,'
　　　　　 〈ヽ､,______/　　　＼　>　ﾄ､__/
　　　　　　>ｰ---rゝ､,,__________,,..ｲ
　　　　　　'-- '´ 　 ｀''ｰr----r‐'´
　　　　　　　　　　　　　 ｀'ｰ‐'´

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　頼み、ですかお？
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／





　　　　　　　　　　,.へ
　　　　　　r=´＞' .ﾍ ',　　　　 ,.-、
　　　　　　 ヽ、く　　',i_____ _／へヽ
　　　　　　,,..-"' 、ヽ iゝ__イ∠_ヽ 〉〉
　　　 　, "　　　　ヽ、i__　)　　ﾛ　」 i
　　 　/　　　　　　　　　　 ｀'ｰ＝==' ',　　　 　 　 .今度、とある書の会に出なくちゃならなくなってな……
　　　,'　/　,　　　,'　 ,　　,　　ヽ　　、 ',　　　　 　 .これがどうしても断れないんだ
　　　i　,'.　', r;-ｲ__,/`ｰ〈-|l||l! ',　　i　 i
　　　i'LLゝi.'ｰc--　　ｰc--､ｲ.i', i　.|　|　 　 　 　 私、書が苦手なんだよ……
　　　'　,ｲ 7　ｰ-　　　ｰ-- く_/　i　 |　|　　　　 　 そこであんたの〝手を借りたい〟んだ
　　 　/ 　 '、　　　　　　u/　/　,' ｲ.　 |
　　　ﾚ、_ｲ__ヽ、ヽつ　, " , '　 / i .　　|
　　　　/ ,' i ／/~<7 ∠,__ｲ_」-' ,'　　　|
　　　/ .,' ,i///'く,ﾍ' 　 ／　>,λ.　i　 　|
　　 ,'　/〈 i/　　/　｀'´　 //　｀ヽ,.! 　　|
　　　　　　　　 '　　　　　i/　　 　〉, 　　|

　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・　　　　　　 ううん、そちらの予定と合わせて暇がもらえるかどうか
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|　　　　　 　 　 いやそもそも、あなたが呼ばれた書の会にやる夫が出るわけには……
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /
.　｜ 　 　 　 　 　 　 /
　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼
　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ







　　　　　　　　　　　　　 r､.,____,,..へ.
　　　　　 ト.､..,,__　　　　 !::r--‐‐ｧ::/
　　　　　 i:::::r-‐､＼　　/:/ []　;':::/
　　　　　 ';::::', l:::] |::|　,'::/ /] /:::/
　　　　　　＼＼__」ｿr'!::L__／／｀"' ､
　　　　　　　 ,＞､,_ン-'ｰ‐'''"　　 　 　ヽ.
　　　　 　 ,.'´ ,　　　　　　 ､　　ヽ. 　　　 ',
　　　　　/　 / ,' 　 ! ﾊ　ﾊ､_!__,i　 ';　';　　i
　　　　 ;' 　,' .-!イ_」/ !ﾑｧrｧｰt'､,! i　 ! 　 !　　　　　ああ、そこら辺は大丈夫だよ
　　　　 i i　! ,ﾊ'ｱ'iﾉ!　　´　!ﾉ　,ﾊi !　 !　　|　　　　　あんたはただ……そうだな、「三日手を貸す」と言ってくれればいい
　　　 　ﾚL_!_/'!` ゞ' . 　　　`"´,ｿ　　ﾊ　　|
　　　　　　 ,ﾉ八'"　　ｒｧ-､　　く　　,ｲ. '; 　 !
　　　　　 く_　 /｀＞,､｀　┘ ,.イ｀>'i__!　',　 |
　　　　　 　 ｀,ゞ､ｧ=-i｀7i"´／ﾚ'7'´　｀ヽ!__,! /ヽ.
　　　　　}_>/,ン´,'/ ヽ,ゝく__,ﾑ,'　　 　　 ';__k'___」
　　　 　　 ,'イ　/　　/o 　 　　,! 　　 　 ,.へ! 　 _____
　　　　r-／ヽ,'　　 ,' 　　　 　 ﾊ､_,.r'"´　　｀Y＾ヽ､_」
　　　 ｿ'´_　　!､_　 i.o､　　 _,,.ｲ/ i ';　　　　　 ',
　 　 ;'　　 ｀ヽ7､____!　　　　　ﾊ､_!ﾝ'"´￣｀ 　 !＜二l
　　/i　　 ,.r'ｿ:::::`'ｰ｀''ｰ-=ﾆ':,＞'､ヽ.　　　　,.ｲ
　 ,'　'､　 ﾚ'ヽ.:::::::::::::::::::r-と´　　 '; i　　　 / .!ヽ.
　 i　　ヽ､!`/::::::ヽ､_;:::::::ﾄ--｀ヽ.__.」.|　　,.ｲ　 |､_」

━┓
┏┛　　　　　⌒
・ 　 　　 ＿＿_⌒
　　　 ／　―　乂＿＿＿_　　　　━┓
　　／ノ　　(●／　　 ―　＼　 　┏┛　　　　 .はあ……
.　｜　(●) 　 | 　 　 (●)　ヽ＼　・　　　　　 　 じゃあ、「三日手を貸します」
.　｜　 　 （__ﾉl　 　（⌒　　(●) |　　　　　　 　 .これでいいんですかお？
.　│　 　 　 　〉　 　 ￣ヽ__） 　 |
　　＼＿＿／´　　　　　 _＿_／
　　　　　 /|　　　 　 　 　 ヽ
　　 　 　 | |　　　　　　　　 |






　　　　　　　　　　　　　　　 ／｀　、
　　　　　　　　　　　　　　／｀z＼::＞- 、
　　　　　 　 ／>、　　__,/　　,. イ´| l::::::::>
　　　　　r-' ィ::>ﾍγ´fｨ,． '´　 |_,.| .}::::/
　　　　 //,ﾍ　 ｀ﾞ' Y⌒＞─ -　__　 |:::ト、
　　 　 〈:!1:/,．　 '´ ￣　　　　　　ヽﾉ:/ ﾊ
　　　　 `r'ﾞ´　　　　　　　　　　＼　 Y　　 ,
　　　 ／/　　 |　　　 ､　、　 __,.　＼　,　　 l
　　 /,イ　　　∧　 ､　　> '´､ヽ　　　 ､ ,　　',
　　　 /　l　 __!_Ⅳﾍ　´1 _ィ卞､1　　ヽ1　　ﾊ
　 　 .'　i |　l､ 1 ,＿ _Ⅳ f　trりｨ　 ﾄ　l＼　　 ,　　　　 　 　 　 　 うん、大丈夫だ
　　　| ∧!　!ﾍ '. 圷ｭ!　　 ｀¨´xwx .!　j　 l＼　 、　　　　　　　 　 ありがとう、恩に着るよ
　　　l/　l＼Ⅳｰ1､xx　__,. ' 　 ノ|　Ⅳ1　 N!　　ヽ
　　　| 　.!　 Y 　{＞　 ､ __, ィ´ 个7 / }／　　　 　 、
　　 r- ､＿　7　 | ﾊ!|ゝ／7f´ ,/:/'´＼l　 !　　　　　' ､
　　 ｀ｰ'￣　/ 　 ﾚ1 | 7/ { ﾟ!,イ:/ 　 　 ＼ l　　　 ､　　＼
　　　　 　／/　 　 !. //　!ﾟ l7::/1　　 　 ノ |　 ､　 ＼　　 ' 、
　　　　 ./Ⅴ　　　/ j!:l　 lﾟ　!::{　|　 _ィ´」へ! 　 ' ,　　＼ハ ＼
　　　　/ /　　　/　/1!__,j_,r-f､　ｨf"´　　　 ＼　 l　　　 ヾ ＼ ',
　　 ／ 7　 /　,'　/ /::::i!::::::::::::::´> ＼,.ノ　　　 ヽ !　　　　 j　　 !
　　 　./　 /　 l　,' /::::::::::::::rz=＝＼／ 　 　 　 / |　　、　 ﾊ　　|
　　　/　 /　　l /　!:::::::|:::i:::l::!＿_､/　　　　　　/ i !　　 |　 ! ヽ　j
　　./　 ∧ 　 ;/　 |=z::::ｰ!:::l＝＝=z、　　　／　ﾉ　　i　 ,　　　/|/
　 / ,／ ノ 　/　　.|__,j|:::::l::::::::,､:::::::::::＼,.,ノ:::＼{　 　 l　 '　 　{　!
　 |´　　!　　 L____,j￣:::::::|::／z ＼:::::::::::::::::::::::::,ﾏ、 /　　ト､　1/
　 l　 　 l　　　ノ-j::::::::::::::::::＼_z／:::::::::::::::::／／＼＼　/l　∧|
　　　 　 '.　　(　/_ - ﾍ::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::＼＼／／＼,!/　/
　　　　　 ' ､　 Yー‐┐|:::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::＼／:::::::::/ ｀' ー　、
　　 　 　 　 ＼,l＿＿l 」::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　 |─‐- ':::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／

そう言ってその人物は立ち去った

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 　＼
　　　　　　　iニーヽ　　　　／─　　─　　 ＼
　　　　　　iニ＿ 　￣￣／（●） 　（●）　　　＼　　　　　なんだったんだお、今の？
　　　　　　　　⊂ノ￣￣|　　（__人__）　　u　　　 |　 　 　 .奉行所とかに通報した方が良かったかお？
　　　　　　　　　　　　⊂ ヽ∩　｀ー´ 　　　＿／
　　　　　　　　　　　　　 '､＿ ＼　　　　　　 ）
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　＼　／　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　ヽ　／　 |






　 ｝-‐＝　　　__　...::::::}rｰr rｰ--{/////　{ {
　 }　　-‐＝7:.:.:/:.:.:／　　}:.} ｰ--冖￢⌒ヾ｛
　｜ 　 ,...:.:':.:.::/:.:.:.:7　 .メ:.jト　_　 ヽ　 __,　}:}
　↓:'.:.:/:.:.:::::::.:.:.::::/ｰ:.r‐ 　,≧z:::ヽ {　{_,.-.j｛　 　 　 　 　 やる夫、また手紙を出さにゃならなくなった
　/:.:.:.:::::/⌒ヽ:::::::八::｛ ｰく {沁㍉ X＾ メ'"＾ﾊ::､　　　　　　仕事だぞ
八::::::::::::} にﾍ}::::ﾑ 〈r' =　　　-‐　 ｛ Y芯 }{ノ'＾
　 ヽ::::::ハ{ { 〈::::::ﾉ＼　　　　　 　　 ｛ ｛ｰ- ｢
　　/::/:::::::':,＼'´　　 }　　　　　　rｰ ｛ ｛　/
　　ｰ-::::::::::::>‐-､　　}　　　 -‐__にﾆ-く /
　　 /::::::::＜　　　}　 }　7ﾌ::::::::::::::::::::::::::::{__
〕iト ）::::::::::く　　　 :,　 ＼'^ｰ‐=ﾆ二　]ﾊX}　　＝=-
　　　 〕iト＜　　　 }　　　　　　 -‐ｧ:r　 j　　　　　　　 ＼
　　　　　　　∧　　　≧z　jV{　jV'::::Wﾊ　　　　　　rｰ 　 :.
　　　　　　 / /＼　　　　Y::::::::':::::::::::::::::{i　　　 　 ｜　 　 :.






　　　 　 　 　 ＿＿__
　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　 　 　／ （ ●）　（●）、　　　　はいはい、ただ今参りますおー
　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼
　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |
　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／
⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ
　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ

そうしてまたいつものように代筆をしようとしたが


　　　　　　　　　　　　r'´　,.-'´　　 /:(: :(　　　　　　　 ､　　　｀ヽ､|/
　　　　　　　　　　　　.Y´　 ,. r:=: : : :.>: )　　　　｀ヽ､＼ ー―　.|:i'
　　　　　　　　　　　　 {イ:- <: :／: :／´　, ヾ ､　　　 i　 ー　__ .|､:､
　　　 //=--､ _　　　/: /　>､ Y: :>:ゝ､ ､_, r,-,=ヽ::.､ ヽ　 ,r　　.| ヽ: ヽ
　　　///////// ーヽ:|　 i　} ,!: /　ノ- _ヽ='''--｀ヽ:.ｧ'　ノ-,.=-) ノ: ノ
　　 /////////////:.:.| .{　〈 ''´　　　　　｀ヽ--‐　　　i,ﾊｿヽ ノi:r'´
　　/////////////!: :ヽ ＼'　　 ＼　　　　　　　　　　|ヽ_'´Y__):)　　　　あー、おほん
　　////////////ノ: : : :.!　　　　　|　　　　　　　　　　|　　 ,!'´　　 　 　 ……酒井との交渉の日取りだが、これは立花側からの申し出により――――
　　///////////ミ――-｀=-､　 　|　,.--,.-'___ヽ-　_ ,ﾉ　/
　　///- '´　　　　　　　　　　　|　　| / ィ-: : : : : :,; :ヽ､ヽ/　　　　　　 　 おいどうした　今回はまだ間違えてないぞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ＼　!　　　 ､..__ー‐ヽ.:;/
　　　　　　r――-,――――-.|, 　 ＼　　 ,. ,.v: : |｀ //
　　　―''´￣￣　　　　　　　　 |i|　　　.! ｨ/:': : l: : :i!, /　　　　_ム､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　|i|　　　.|': : : : : : : : : :|-､＿_,.// ヽ　ヽ
　　　　　　　　　 -,r――――Y　　　ハ: : : :!: : : :ヽ:ヽ////|　　|＼/






　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　 　 　 　 ／　　　　　　　 ＼
　　　　　/　　 ─　　　─　　ヽ　　　　　………書けないんですお、全然
　　　 　 |　　 （〇） 　（〇）　　|
　　　　　＼　　 （__人__）　__,／
　　　　　／　　　｀ ⌒´　　　＼
　　　＿/((┃))＿＿＿＿_＿i　|　
..　／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣￣（,,ノ ＼
／　 /＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. 　＼
.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


祐筆は、何故か一文字も書けなくなっていた

　　　　　　　　　　　{-| }' !::::::ノ―‐'ヾ:.ーr---､___｀-}
　　　　　　　　　　　,Vr'´￣　　, __　　,):.} ｀ヽ:!:ー-ﾆ!
　　　　　　　　　　 {:!,'　- 　　ﾉ ,,,,,,ｨ´ {:.:{__ 　!:.ヽ:.:､:.:!
　　　　　　　　　　ﾉ:/, -､_r' V:.:ノ弋ｿ>-ー:>.!: :r'´ ヽ:.､-=ニﾐ､　　　　　　　は？　何言ってんだ、おい？
　　　　　　　　　 ヽ:､.!ﾉ弋!|　i｀､｀ヽー'　　'　iﾐ! <ヽ |:ﾘ三三ﾐ､ﾐ､
　　　　　　　　　　 く | r'´/　　　　　　　　/　ヾ {ノｲ:.!三ﾐ!三ﾐ!iﾐ､
　　　　　　　　　　　 ヽ　ゝ ,　､ )ヽ､　　　!　 r-,ｲ: : :}!三ﾐ!三ミiﾐ!
　　　　　　　　　　　　 !　/ >:´:.:.::ー:.ヽ　|　/ /　v: :ヽ三ﾐ!三＝-
　　　　　　　　　　　　　!|/:.ｨニﾆ＝=rvi} !　|/　,r- '´
　　　　　　　　　　　　　! Y -r:.:.r　　　'´　,!' ,./
　　　　　 ,. --r､　　　　｀i ,ｲ': : : :ヽ､　　イ／ |　　　　　　　r===
｀ヽ､ ,／　　　 / ＼　　　>': : : : i: : : :}´,ｲ　　,.|＿,. ―― '´￣￣
　　/　　　　 /　　　!　 /ｨ: : : : /: : : ﾘ,イ!　　{i!
　　{r―v―<　　　| ト--,!:i: : : :/:ノ!ｨ三 |　　|i|
､　　|　　　　||　　　 |　/ii} |: / ﾘ／三三|　　|i|





　　　　　　
　　　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　 ／　　　　 　 　　＼　　　　実はさっきそこで……
　　　　　　／ U　　_ノ 　　 ヽ_ 　＼
　　　　　　|　 　　 （一）|lil|（ー）　 |
　　　　　　/　　　　 ∩ノ ⊃_）　／
　　　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
　　　　　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　　　　＼ ／＿＿＿ ／
　　　　　　

祐筆はつい今しがたあったことを主人に話した

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }:::::::::::」///{{///L::::::::::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/イ「ヽ　}///}}//.{___/{{≧ミ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {　 }]　 -ﾍ//,{{//｛　{ ｛{　　Y
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }／ 厶 -‐ー―一ヘ;:;ミ ＼｜　　　　　　　おまえなあ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｛／;／　- ､　こ -‐　）:.:.ヽ,./　　　　 　 　 .それ、明らかに能力奪う術の契約しちまってるだろ、おい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.〉:.〉`ヾミ _}　/ _,. ｧ入:.:.:ﾊ}
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 }/:.:{ __rtｯト‐{ У＾tｯ ﾐ ）:.:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ:.:.{　 -‐　　} {　＾ｰ-　 Y人 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　 rf⌒V　　　　　}｛　　　　 /｛　j:.:;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_
-　 _　　　 　 　 　 　 　 　 　 _/八＼{ ヽ　　 ｨ r tﾍ　　 /　}./:.:.:L _　　　　　　　　　　　 　　_　=≦
　　　 ≧=　_　　　　　　_ -=≦ /＼:.:.ﾍ }　/;';';';'､;';';'ヽ　{ /:.:.jレﾍ ≧=-　_　　　　　 _　=≦
　　　　　　　≧=　_　／　rｭ　 十､　Ⅵ{ } ＾⌒"__"⌒＾ //}｛　　 >‐=ミ　　 ヽ　_ =≦　　　　　　　　＿
≧z _　　　　　　 　 ＼rタ 　 　 |]]}　 }八`　　zj;';'ﾚz,　 /　;{　　｛　　　　　>=≦　　　　　　　 r=ﾆ二
ニニﾑ　　　　　　　 　 ＼　.-‐十　 /{{ 介ｧ;^;';';';';';';'レ'　八　　 〉≧=-=≦　　　　　　　　　 /ニニ=‐
≧=-}}}.　　　　　　　　　　＼.　i| ／//ﾊ　};';';';';';';';';';';ﾊ ///,＼/　 ／　　　　　　　　　　 _ -=ﾆ二三
　　　　 ≧z　　　　　　　　 ///{/////∧j八;';';';';';'j/ ,///////≧{　　　　　　　 _　-=ﾆ二
　　　　　　　　≧z.　　 　 ///人/////,∧　 ヽ};';/}／/////////}　　　　　 ／






　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::: u ::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ○ 三 ○:: ＼　　　　　　あ、「三日貸す」って言わせるのってそういう……
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::u:　 （__人__）　:::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　ヽ　|┼┼|　/　u　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 ｀――'´ 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　


※この話より後年のものだが、この術の使い手から直接話を聞いた人間の記録が残されている

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ν///j斗x: : ',＼:.:.:.:.:.＼:.:. : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 りr‐ '　　　'; : {_　ヽ:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:. : : :ヽ　　　 　 　 まあ、奪うと言っても「三日」という約定付きのようだがなあ
.　　　　　　　　　　　　　　　　/:/　　 ,　　　≧z､:八:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:. : }　　　　　 .それまで待っていれば元に戻るとは思うが……
　　　　　　　　　　　　　 　 　 }:.}ｰ　ｲ　 ／^"´　}｝　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ｲ__, ｰ=彡沁ｰ=ｧ ｰ=　 }:.:.:.:.-､:.:.:.:.:.:.:i　　　　　　.その間に仕事が滞ることの埋め合わせは、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 {:.:ﾊ >ｯ /　　 '¨¨´__　　　　}:./　　}:.:.:.:.:.:.{　 　 　 　 .一体どうしてくれるんだろうなあ、おい？
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 j/ ' } //　　⌒ー'　　 　　 ハ{ f7 {:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾚ　　　　　　　　　　 r　　　　,ﾉ:.:.:.:./_＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼_.,こ　.,__　　　　　{　　 _／-‐￢冖
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　　　 /
＿＿＿＿,.　　　　　　 　 　 　 jv/"￣￣｀　ヽ;} -‐ /　　　　　_＿＿__
.　　　　　　　　　冖￢ｰ-ミ＼　　} /;;;ヽ,.,　 ／　　,/　 -‐　　　￣￣　　ﾆ=-‐＝＝ァ
　　　　　　　　　　 /＾/ i｛　　 ﾆ=-';;;;;;;;;;;;;ヽ}　　r=ｧ-‐￢冖 ￣￣￣　　　　　　-‐
　　　　　 　 　 　 / ,/　 ＼　　 j/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}　　!ﾆ{　　　　　　　　　　　　　／
.　　　　　　　 　 /／　　　 }　　 };;;;;;;;;;;;;;;;;;;/}　　!ﾆ{　　　　　　　　＿__　／






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／<○> 　 <○>＼　　　　　＼(^o^)／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　（__人__）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　`ー'J　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 　 　　　　 　 　 ＼

果たして三日後、例の人物が再び現れ



　　　　　　　　　 r-ｒ､　　　　　　　　　　　,.-ｧ､
　　　　　　　　　 |:::|｀＼　　 　　　　　 ／／ |:::|
　　　　　　　　　ﾉ::/ ＼,ﾍ､.　　　　　/::/　＼|:::|
　　　　　　　　く:::〈 //　､,べ ￣￣｀7/ /〉 　|/
　　　　　　　　　.>ヽ/､__ 　 _ゝ-､／/__Y　 /」
　　/＼　　　　/／〉^ヽ､二_,.ﾄ-'､___!､_____/:::|｀ヽ.
　　 ￣　　 　／ /-'､　/ __　i　　i　 __　 　ヾ..　　',
　　　[＞　 /｀ヽ! ｨ7´/ ´/_ﾊ.　 ﾊ　 !_ ｀ ',　 i　 　i
　　　　　r/　ﾉｰ'ソ|　i/ｧi´'ヽ|_,/ |ｱ!゛'｀!ヽ　 ,ゝ 　',
　　　 ノ`ヽ､__イ-､|_,ﾊ〈 ﾄ_,ﾘ 　 　　ﾄ__ｿﾉﾚ､」､ 　 i　　　　　.お陰で無事に済ませることができたよ
　 　 /　｀''ｰ--' ﾉ'| 　ﾊ"´　　　,　　 　｀"/　|ノ 　 |　　　　　いや、本当にありがとう
　　/　　　　　 ./､ !ﾉ .ﾊ､　　 ｒｧ‐‐､ 　 く/　 !　 i　|
　 i´　　　　､_/､_!く_/_」/＞.､ ､___ノ,.イ'｀ヽ./ 　 ﾊ |
　ﾉ 　　　-‐'　 |　￣｀'yｱr'＜｀二i´ヽﾄ-r‐-'､ 　i /|
　ヽ._ 　　　 　/　　 　 !/ /　／ﾑ |　 / |',　　｀ヽ!'/
　　　｀''ｧｰ-'､'.___　 .//　|／　/　 |／　| |　　　 |〈 ノヽ.
　　　 /　　　/　 ｀/Y　　 　　,'o 　　　　Y　 _,.イ 〈〉-‐'
　[＞|]　　　ﾊ　　i　,!　　 　　!_　　　　 　ﾊ'"　　',　ヽ､
　　　〉　　　| ヽ､ Y　｀'r　- ''|o｀　　　イi i 　　　 ヽ.　|〉＜]
　[>/|　　　 ',　　Y　rｲ|　　 ｜　　　　 | ﾊ. 　　 　 '"｀'ｰ- ､
　　|´ヽ.　　　ヽ. .|　/::[ﾄ､_,.-､!へ.,__,.イ]ヽiヽ.　　　　　　/7｀ヽ_
　__,ゝ　）　　　　）'/:::::::::::::::::､!:::::::::::::::::::::__',　iヽ.　　　　| |7´｀ヾ.
　L_/Y ＼　　/／>:::::::::::::ヽ､ﾚ:::::::::::::::::くく Y |ノ｀ヽ.　　ヽﾄ､）､　〉






　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　─　 　 ─ ＼　　　ｿﾚﾊﾖｶｯﾀﾃﾞｽｵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 （○） 　（○）　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　＼ 　（__人__） 　／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　|　　 ｀⌒J´ 　|　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 　 　 　 　 　 　＼

　　　　　　　　　　 .ｒ　.._　　　　　 ,.. -┐
　　　　　　　　　　 ,｀‐- ヽ､＿_／　-‐'､
　　　　　　　　　　 ゝ-　 , 'ー '-　..｀ -.く
　　　　　　　　　　 .ﾌィ´　　　　　　｀　ｰｲ､
　　　　　　　　　　/　 .,ni　 ヽ ヽ　 l　　 ∩　　　 　 　 　 さて、じゃあ借りてたあんたの〝手〟を返そう
　　　　　　　　　くヽ　lr:::､- ‐､r::::ヽi　/-￣ 'ヽ　 　 　 　 それから、あんまり大したもんじゃないが……
　　　　　　　　　 y.l　iっ::j　　 っ:::::jl　l　　　　j
　　　　　　　　　 l　i,」　　　　　 〃 i l　〉ヽ/ ｨl
　　　　　　　　　 ヽ_i.ﾍ､　－　　　,.LiH　　　 iﾍ
　　　　　　　　　　　 l,／｀.ァ　fﾆ , -'fi　　　r'　ヽ
　　　　　　　　　　　　T｀ヽi´｀'　´　 .il　　 / ∞　丶
　　　　　　　　　　　 ﾉ∞.〈　 ・　　　li　　 i　　∞　ﾊ
　　　　　　　　　　　,' ∞_.」　・　_,,....''..-‐..'7　　∞　 l
　　　　　　　　　　 .l　　ヽ_::｀ﾆ::´::､_::::＿::」　　 .,　 .j
　　　　　　　　　　　i ﾍ､ ﾄ､/::::::::::::::::::::ノ .ﾊ　7〃ノ
　　　　　　　　　　　｀　 ,':::::::::::, ::､:::::::ヽ..'::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　l:::::::::く／:::L-,::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　 .k ]::::::::::::::::ﾄ┘:::::::::r ´ 〉
　　　　　　　　　　　　　i､:::::::::くヽ,i::::::::::::::::::´:7
　　　　　　　　　　　　　｀ -,- ｧ7　 ヾ､-,-ｧ-‐'
　　　　　　　　　　　　　　　ｰ.'　　　　　ｰ.'

返礼としてその人物が懐から出したのは、何やらよく分からないものを書きつけた紙切れだった



　　　　　　　┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::／ ）:::::::::　　　　　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　:::::（＼:::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／　):::::::::::　　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　:::::/＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　／　／ヽ::::::::::::　　　　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　:::: ヽ　＼＼　　 　 　 　　　　　　　　　　／　 ／　／　／::::::::::::::::　　　　　..┃
　　　　　　　┃　　　　:::: （ ＼　＼＼　 　 　　　　　　　　　　　ｌ　 三　／　／　）:::::::::::::::　　　　....┃
　　　　　　　┃　　　　:::::::ヽ　ヽ . ミヽヽ 　 ﾍ , 　,へ-,　　　　　/　　　二　／　／::::::::::::::::::　　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　::::::: ( ＼　ヽミ ヽヽ」,__ﾞｉ=i_,_ヽ,+　　/　　　　二 ___／ヽ　...::::::::::::::　　　　　..┃
　　　　　　　┃　　　　::::...　/ヽ ヽ　ﾆ　ヽヽ　'ｰ´ 　　', ／／　　 ニ _______／　　　...:::::::::　　　　　.┃
　　　　　　　┃　　　　:::.　　 ヽ____　　ﾆ　〈!.ルﾊﾉi」〉> i／　　　 ニ ____ノ　　　　　.....::::::::::　　　　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　 　ヽ___,　　ゝiﾉﾟ ヮ ﾟ<_l　i　　′ 　　　ニ ___ノ　+　　　+　....:::::::::　　.┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　 　　 ヽﾆ -‐| i'i｀T´ i^ri i<i　__ ≡ __ノ+　┼　＊　　　　:::::::::　　 　 .┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　 　 ヽ---|ﾄi'｀''´ ^<!　i<i＝'''''＿＿　+　　┼　　+　 .::::::::::　　　...┃
　　　　　　　┃　　　　　:::::...　　　　　+　┼ Ｊ'r_rr_rヽ'ﾙ.i.Qー-､___~'''''ー-､　　　:....::::::::::::　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　:::::::....　　　　　+　┼　ＥＥi. Q.　.Q　　+~~'''ヽ　..:...::::::::::::::::::::　　　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　:::::::::::::::::.....　　　　+ 　ＥＥi. Q. 　Q　　┼　　:....:::::::::::::::::　　　　　　　 .┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　::::::::::::::::::::....:　+　＊　EＥi　Q 　　Q　　.....:::::::::::::::::　　　 　 　 　 　 .┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::...　 +　EE!　 Q 　 　＠.....:::::::　　　　　　　　　　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::....::....::. 　ｶカ 　＠...::::::::::::::::　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

　　　　 　 　　　　　,.へ.　　　　　　　ト..､..,,_____
　　　　 　 　　　 ／,.ﾍ::::ヽ.　　　　　,'::;:-‐--､:::｀＞
　　　　 　 　　 /::::/　 ',::::::!　　　　/::/-─､/::／
　　　　 　 　 く::::く ／ ヽ;::::!,,.. -‐/::/　/> /:/,
　　　　 　　 　｀ヽ､;ヽ､ヽ,>::',　　7:/　_'__.'／ 　｀ヽ.
　　　　　　　　　　,>:;､:;____>r‐ｨ'7r--‐'"　　　 　　 ':.,
　　　　　　　　 .,:'´ 　　　 ; ｀'ｰ'´　　 ',　ヽ.　　､ 　 　 ',　　　　　 　 　 もし火事などで屋敷が燃えそうになったら
　　　　　　　　/　/　　 / !　　;　　',. -!─-', 　 ', 　 　 ',　　　　　　 　 これを掛けておくんだ
　　　　　　 　,'　.,'　　 ,'.‐ﾊ　,ﾊ 　 ﾊ._」=-‐'､　　i　　 　i　　　 　 　 　 きっとその難を遁れることができるだろう
　　　　　　　 i　 !　　/'ｧr';､ﾚ　L./'´ ! 　　 ,ﾑ___.」.　 　 |
　　　　　　　 !__,ﾊ　,ﾊ ! ﾄ ,i｀　　　　 '､っン　,ﾊ　!　 i　 i
　　　　　　　　　｀ｿ　 !.　`´　.　　 　　　'''"ﾝ'　 !/　 |　 !
　　　　　　　　　く　 人"　　　　 　　　　 く　　/　　!.　 ',　,ﾍ.
　　　　　　　　　　｀ヾ､!,＞,､,　 ｀ 　 　,. イ'ヽｲ　　 |　　 ',// .>
　　　　　　　　　　　 ,'　 /　.,'｀"'7i"´／ !｀''ｧ' ､,　 i　　〈ﾊ／
　　　　　　　 　「`ヽﾊ　,'　,.''"7´ レ'' 　/ / 　　 ヽ!　　　',´ヽ._,ﾉヽ.
　　　　　　　　└--!/ .i / .//i／,' ＼./ ,'!　　 　 _ｿ　　　', くメ.,__」
　　　　　　　 __　　./, 　,〉`i7　　o　　　/ ヽ.,_,,.:'"　ヽ.　　 i　　 ヽ.
　　　　　　　 l_,＞,'　ヽﾝ　,'　　 o　　 .,'　　ﾊ　　　　　' ､ ,'　　　,ハ　ﾉヽ.
　　　　　　　　　./ .／　r'!､.,___,'　　　i __,./ﾍ.':,　　　　　 ＼　 ノ､,ｿく.___」
　　　　　　　 　 !ｧ' 　 ,.ｲ_::::::::::::｀"''"´::::::::; ﾍ. ':,　　　　　　 ヽ. 　 　 ',
　　　　　　　 「,:'　　.,:'__/:::ヽ､_:::,::::::::::::::::くく ハ ':,　　　　　　　'､　':,　!
　　　　 [ヽ／,' 　　/::::::::::::::::::i7´:::::::::::::::::::::ヽ,rﾍ,.'､　　　　　 _,.ﾊ 　', |
　　　 　 ,:'　 ,iヽ､,ﾑ>:::::::::::l三i':::::::::::::::::r─‐┐::::':,ゝ､.,_,,..'"´　_Y　ハ|
　　　　.,'　　.i｀'r'7::::::::::::::::::::;:i::::::::::::::::::└─.┘::::::',　 ﾊ､_,i'"´ .ﾉ /
　　　　i. 　　| ｀'i､::::::::::::::::く_,!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::く,ﾊ /　　 ﾄ-r'　,'
　　　　 '､　,ﾊ　ﾊ'､!::::::::::::::::::::ﾊﾆコ::::::::::::::::::::::::::::｀ﾘ'!　　 ﾊ　!ﾝ'
　　　　　）'　 ﾚ' ｀ヽ:ニ二ン'i 　ヽ､_:::::::::::::::i二二ノ ,ﾊ　 /　V
　　　　　　　　　　　 !　 　!　|　 /　 ヾニ二ニイ´ﾚ' 　V
　　　　　　　　　　　ﾄr-r':! 　ﾚ'　 　 　 ｀'､_,,..-ｒ!
　　　　　　　　　　　!::'ｰ':::! 　　　　　　　 ';-‐'::::!
　　　　　　　　　　　'､:;___:j 　　　　　 　 　!___;;ノ


そう言って立ち去り、その後再び現れることはなかった

祐筆はまた字が書けるようになり


　　　　　　　　　　　{-| }' !::::::ノ―‐'ヾ:.ーr---､___｀-}
　　　　　　　　　　　,Vr'´￣　　, __　　,):.} ｀ヽ:!:ー-ﾆ!
　　　　　　　　　　 {:!,'　- 　　ﾉ ,,,,,,ｨ´ {:.:{__ 　!:.ヽ:.:､:.:!
　　　　　　　　　　ﾉ:/, -､_r' V:.:ノ弋ｿ>-ー:>.!: :r'´ ヽ:.､-=ニﾐ､　　　　　あー、先日の酒井との話し合いだが
　　　　　　　　　 ヽ:､.!ﾉ弋!|　i｀､｀ヽー'　　'　iﾐ! <ヽ |:ﾘ三三ﾐ､ﾐ､　　　　やっぱあいつぶっ殺さねえ？
　　　　　　　　　　 く | r'´/　　　　　　　　/　ヾ {ノｲ:.!三ﾐ!三ﾐ!iﾐ､
　　　　　　　　　　　 ヽ　ゝ ,　､ )ヽ､　　　!　 r-,ｲ: : :}!三ﾐ!三ミiﾐ!　　　　……いかん、今のもナシだ
　　　　　　　　　　　　 !　/ >:´:.:.::ー:.ヽ　|　/ /　v: :ヽ三ﾐ!三＝-
　　　　　　　　　　　　　!|/:.ｨニﾆ＝=rvi} !　|/　,r- '´
　　　　　　　　　　　　　! Y -r:.:.r　　　'´　,!' ,./
　　　　　 ,. --r､　　　　｀i ,ｲ': : : :ヽ､　　イ／ |　　　　　　　r===
｀ヽ､ ,／　　　 / ＼　　　>': : : : i: : : :}´,ｲ　　,.|＿,. ―― '´￣￣
　　/　　　　 /　　　!　 /ｨ: : : : /: : : ﾘ,イ!　　{i!
　　{r―v―<　　　| ト--,!:i: : : :/:ノ!ｨ三 |　　|i|
､　　|　　　　||　　　 |　/ii} |: / ﾘ／三三|　　|i|






.　　　　 　 　／￣￣￣＼
.　 　 　 　／　─　 　 ─ ＼
　　　　　/　　（●） 　（●）　ヽ　　　　 　 殿、当家の名前で変な文書が後世に残ったらどうするんですお
. 　　　　|　　　　（__人__）　 　 |
　　　 　 ＼　　　｀ ⌒´　 __,／
　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　＿/((┃))＿＿＿＿_＿i　|
..　／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣￣（,,ノ ＼
／　 /＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. 　＼
.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

あの紙は普段は蔵に仕舞っておき、近隣で火事が起きた時には言われたとおり屋敷内に掛けると
不思議なことに一切延焼などの害を受けることがなかった


　　　　　　　┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::／ ）:::::::::　　　　　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　:::::（＼:::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／　):::::::::::　　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　:::::/＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　／　／ヽ::::::::::::　　　　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　:::: ヽ　＼＼　　 　 　 　　　　　　　　　　／　 ／　／　／::::::::::::::::　　　　　..┃
　　　　　　　┃　　　　:::: （ ＼　＼＼　 　 　　　　　　　　　　　ｌ　 三　／　／　）:::::::::::::::　　　　....┃
　　　　　　　┃　　　　:::::::ヽ　ヽ . ミヽヽ 　 ﾍ , 　,へ-,　　　　　/　　　二　／　／::::::::::::::::::　　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　::::::: ( ＼　ヽミ ヽヽ」,__ﾞｉ=i_,_ヽ,+　　/　　　　二 ___／ヽ　...::::::::::::::　　　　　..┃
　　　　　　　┃　　　　::::...　/ヽ ヽ　ﾆ　ヽヽ　'ｰ´ 　　', ／／　　 ニ _______／　　　...:::::::::　　　　　.┃
　　　　　　　┃　　　　:::.　　 ヽ____　　ﾆ　〈!.ルﾊﾉi」〉> i／　　　 ニ ____ノ　　　　　.....::::::::::　　　　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　 　ヽ___,　　ゝiﾉﾟ ヮ ﾟ<_l　i　　′ 　　　ニ ___ノ　+　　　+　....:::::::::　　.┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　 　　 ヽﾆ -‐| i'i｀T´ i^ri i<i　__ ≡ __ノ+　┼　＊　　　　:::::::::　　 　 .┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　 　 ヽ---|ﾄi'｀''´ ^<!　i<i＝'''''＿＿　+　　┼　　+　 .::::::::::　　　...┃
　　　　　　　┃　　　　　:::::...　　　　　+　┼ Ｊ'r_rr_rヽ'ﾙ.i.Qー-､___~'''''ー-､　　　:....::::::::::::　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　:::::::....　　　　　+　┼　ＥＥi. Q.　.Q　　+~~'''ヽ　..:...::::::::::::::::::::　　　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　:::::::::::::::::.....　　　　+ 　ＥＥi. Q. 　Q　　┼　　:....:::::::::::::::::　　　　　　　 .┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　::::::::::::::::::::....:　+　＊　EＥi　Q 　　Q　　.....:::::::::::::::::　　　 　 　 　 　 .┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::...　 +　EE!　 Q 　 　＠.....:::::::　　　　　　　　　　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::....::....::. 　ｶカ 　＠...::::::::::::::::　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
　　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

だがある火事の折、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｊしｲ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ノ: :.:廴.ィ　　　　/{
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / : : : : : : :そ　　　}/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ'⌒ヾ: : : : : 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 }: : : : : : :.:ヽ }＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｊし': : : : : : : : :.}ﾊ:.:.{
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 ノ´:⌒ヽｰ-ミ: : :ﾉし: :.し イ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｊし' : : : ｊ -ミ: : : : :.､:.:}: : : : : ﾉ
　 　 　 　 　 　 !　　　　　　　　ノ': : : : :ノ: : : :｀丶: : :ソ: : :.／　　　　　 !
　　　　　　　　 ｊしｲ　　　　　　'⌒｀) ／: : : : : : : : :Y´: : : /{　　　 　 　 ｊしｲ
　　　　 　 　 ノ: :.:廴.ィ　　 　　/{_//': : : :ノ : : : : :ﾉし{: :.:{/　 　 　 　 ノ: :.:廴.ィ　　　　/{
　　　　　　 / : : : : : : :そ 　　　ノ /: : :／⌒ヽ : : ﾊ: :ﾉ: : :し イ　　　/ : : : : : : :そ　　　}/
　　　　　　ﾉ'⌒ヾ: : : : : 丶　　}: {: : : :j: : : : : : :/: :ﾉ}: ｀ヽ: :.:／　　　ﾉ'⌒ヾ: : : : : 丶
　　　　　　　　　 }: : : : : : :.:ヽ/:ハ: : :ﾉ: : : : :／ : : /: : : :}: :′ ｲ　　　　　 }: : : : : : :.:ヽ }＼
　　　　　　　　ｊし': : : : : :ノし': : : : /: : : : :.!/: :/: : { : : : /: :し':八 .ノしｲし': : : : : : : : :.}ﾊ:.:.{
　　　　 |　 ノ´:⌒ヽｰ-ミ: : :ﾉし: :.ｊし' : : : :ｊ -ミ: : : : :.､:.:}: : : : : :ﾉ| 　ノ´:⌒ヽｰ-ミ: : :ﾉし: :.し イ
　　　　 ｊし' : : : ｊ -ミ: : : : :.､:.:}: :ノ': : : : :ノ: : : :｀丶: : :ソ: : :.／　ｊし' : : : ｊ -ミ: : : : :.､:.:}: : : : : ﾉ
　　　 ノ': : : : :ノ: : : :｀丶: : :ソ: '⌒｀) ／: : : : : : : : :Y´: : : /　　ノ': : : : :ノ: : : :｀丶: : :ソ: : :.／
　　　'⌒｀) ／: : : : : : : : :Y´: : : /_//': : : :ノ : : : : :ﾉし{: :.:{　　'⌒｀) ／: : : : : : : : :Y´: : : /
　　　　 _//': : : :ノ : : : : :ﾉし{: :.ノ /: : :／⌒ヽ : : ﾊ: :ﾉ: : :し イ　_//': : : :ノ : : : : :ﾉし{: :.:{
　　　 ノ /: : :／⌒ヽ : : ﾊ: :ﾉ: :}: {: : : :j: : : : : :./: :ﾉ}: ｀ヽ: :.:／ノ /: : :／⌒ヽ : : ﾊ: :ﾉ: : :し イ
　　　}: {: : : :j: : : : : :./: :ﾉ :}｀ /:ハ: : :ﾉ: : : :.／ : : /: : : :}: :′ ｲ {: : : :j: : : : : :./: :ﾉ}: ｀ヽ: :.:／
　　 /:ハ: : :ﾉ: : : :.／ : : :ノし': : : : /: : : : :/: :/: : { : : : /: :し':八 .ノしｲ : : :.／ : : /: : : :}: :′ ｲ
ノし': : : : /: : : : :/: :/: : { : : : /: :し':八 .ノしｲ: : : : }: :ノし': : : : /: : : : :/: :/: : { : : : /: :し':八 .ノしｲ

////////／//////ノ: : : : :!,　　　 ｀＼: : : .､　 ＼ ￣￣ ／　 _／: ／ -'´　　 .!: :ヽ:､_＿,/////////
/////／///////r- ､: : : /　　　,　　--ヽ: : :＼　 !　　 /　　／: : イ二＿ヽ　　 !: : : :,.--､//////／／/
///／////////| ,へ ヽ: :.i,　　 /,.く￣￣｀ヽ､: :ヽ ,)　 〈　r: : :,.イ''´￣￣ヾ､　_　i!: :/ ,r-､ |､///////＼/
/／//////／//| 二_ヽ,!: '　 ￣ヽ ,.　　じ　｀,ヽヾ!'　ヘ ｀ レ'´/,　 じ　　 ､/´　　､: |/ 二　|/＼///////
///////／////| | 　 ｀ii: :!　　　　ヽ-----　__ ヽヽ　　',　　　ー―----'　　 -　 V/　　 ) |///＼/////
/////／////／! |　　 ( ﾋ'　　 ＼　　　　 ／　　　 i　　 i　￣ヽ､　　　　　／｀　　!i )　 /　/､////＼///　　　　　あ、あの紙掛けるの忘れた！
///／///／　　 ヽ＼､ ヽ　　　　　 ー '´　　　 　　.|　　|　　　　｀ ー　　　　　 　 /　／／　　＼////＼/
//////／　　　　 /＼｀ヽ| |　　　　　　　　　　　　　|　　|　　　　　　　　　　　　 /- ' ／　ヽ　　　＼////ヽ
:://///　　　　　 /　/: ヽ　 |ヽ　　 u　　　　　　r　 ,|　　 | -､　　　　　 J　　　/ |___ﾉ: |　 　 !　　　　ヽ///
.|///'　 　　　　 / /: : : : :Y |　ヽ　　　　　　　/　　/　　　　ヽ＼　　　　　　ィ´ ./|: : : : :|　　　!　　　　　､//
,|//,'　　　　　　/　＼: :__,|　 |　 |｀　　　 ,／　ヽ-､　　　　r-'　 ｀ヽ､.　　 　 ,'　,.! |: : : : ﾉ　　　|　　　　　 !/
///|　　　　　 /　　　 /三|　 |　 |　　　 /,,. r: : : : ＼___ノ: : :｀:ヽ､　 ヽ　　 /　,!　|: : :ノi|　　　 |　　　　　 |ii
///|　　　　　/　　　/三ﾐi|　　!　.|　　//: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ!　 /　 ,'　 |三三|　　　 |　　　　　 |
///|　　　　 ,'　　　/三三|　　 !　.!　 .| iVi:イィ--= '--｀-ー- ヽ: :､:ヾ｀　,'　　!　 .|三三|　　　 |
///|　　　　 |　　　 |三三ヽ　　!　　　 i　　/／￣￣｀ ´￣￣ヽ､｀､　　　　　/　,ノミ三ii;|　　　 |
＼/|　　　　 !　　　 |／三三＼　､　　 |. Vゝ　　　　　　　　　　 .f i　 ,!　　 /／三三､//　　　 l
　 ＼　　　　|　　　/三三三三ミ､ヽ　 ヽ　＼ ー- ､ ＿＿___ ノ　/　/　　/イ三三三ﾐ､　　　　l 　　 　　 /
　 　 ＼　　 |　　 /三三三三三三ミ､　　　　｀ ー――――‐ '　　　　／三三三三三ﾐ､　　　l 　　　／






　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 　　　／ノ 　 ヽ､_＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／（ ○）}liil{（○）＼　　　えーーー！？
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 （__人__）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　|ｪｪｪｪ| 　 　 ／

屋敷は全焼してしまった
だが、あの紙を仕舞っておいた蔵だけは綺麗に残ったということである



　　　　　　　　　　　　r'´　,.-'´　　 /:(: :(　　　　　　　 ､　　　｀ヽ､|/
　　　　　　　　　　　　.Y´　 ,. r:=: : : :.>: )　　　　｀ヽ､＼ ー―　.|:i'
　　　　　　　　　　　　 {イ:- <: :／: :／´　, ヾ ､　　　 i　 ー　__ .|､:､
　　　 //=--､ _　　　/: /　>､ Y: :>:ゝ､ ､_, r,-,=ヽ::.､ ヽ　 ,r　　.| ヽ: ヽ
　　　///////// ーヽ:|　 i　} ,!: /　ノ- _ヽ='''--｀ヽ:.ｧ'　ノ-,.=-) ノ: ノ
　　 /////////////:.:.| .{　〈 ''´　　　　　｀ヽ--‐　　　i,ﾊｿヽ ノi:r'´　　　　 　 ま、まあこれでこの紙の効果が本物だと証明されたわけだ……
　　/////////////!: :ヽ ＼'　　 ＼　　　　　　　　　　|ヽ_'´Y__):)
　　////////////ノ: : : :.!　U　　　|　　　　　　　　　　|　　 ,!'´
　　///////////ミ――-｀=-､　 　|　,.--,.-'___ヽ-　_ ,ﾉ　/
　　///- '´　　　　　　　　　　　|　　| / ィ-: : : : : :,; :ヽ､ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ＼　!　　　 ､..__ー‐ヽ.:;/
　　　　　　r――-,――――-.|, 　 ＼　　 ,. ,.v: : |｀ //
　　　―''´￣￣　　　　　　　　 |i|　　　.! ｨ/:': : l: : :i!, /　　　　_ム､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　|i|　　　.|': : : : : : : : : :|-､＿_,.// ヽ　ヽ
　　　　　　　　　 -,r――――Y　　　ハ: : : :!: : : :ヽ:ヽ////|　　|＼/






　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／　─　 　 ─　＼　　　　いやたしかにそうですけど……
　　　　　　　　　　　　　　 ／ -=・=- 　　-=・=-　＼
　　　　　　　　　　　　　　 |　 　 　 （__人__）　　U 　|
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　 　 ｀ ⌒´ 　　　 ／

流石江戸シティ、火事多すぎｗ

. . . . . . . . . . . .-＝- . . . . . . . . . . . . . . . . . .、___＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　'　　　　　　　 -=彡 . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ...､＿＿）; ;ミﾒ　　　　　　　　　〃　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 -=彡' . . . . .
. . . -=‐. . . . . . . . . . . . . . . . . . ......-=ミ ; ; ; ; ; ; ; ; ;し(　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /￣《　　　　　　　　　 〃. . . .〆 . .
. . . . . . . -=‐. . . . . . . . . . . . . .....-=彡' ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;Y　　　´　　 　 　 「＼　　/　　《___　 　 〆　　 　 | . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . _　-=＝　 三 ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; し(　 　 ヾﾒ.__,. -┴…‐-' 、 ／　《　　　　　　　　レ' | . . . . . .
. . . . . . . . . . ....,　´ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; -=- ; ; ; ; ;,;/　 ｀‐='　r'' ´i ＾＼　　　 ヽ-==《　　,　' 　 〃　/,;, |. .〃 . . .
　〃. . . . . . . ./ ; ; ; ;,〃/ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; /　`ミ＝' ノ　　|　ﾄ､ ヽ　 ﾐﾒ ∨=《　　　　 　 　 / ; ; |/ ; ;' . . .
. . . ,′.. . . . / ; ; ; ; ; ∨ ; ; ; ; ; ; ; ; r=‐ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;し(-=彡　/ .i|　lメ≦ヽ:|　! iｌ| ﾊ￣　　　〃　　 / ; ; ;〃; /. . . .
. . ./... . . . . ,′; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;/) ; ; /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; 厶イ{ﾊ从リ　 以 ﾘノ ﾉﾘ 八 　 ′'　　　 / ; ; ; ; ; ;/. . . . .
. . . . . . . . ..,　; ; ; ; ; /) ; ; ; ; ; ; ;/´ /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; 从乂ﾊ」　　　　 -=彡'､ ＼ ＼ 　〃 　 ,′ ; ; ; ; ;' . . . . .
. . . . . ........//, ; ; ; ; /´ ; ; ; ; ; ; ; ; 〃; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;,;{　 ｲハ ｀ -‐　 ∠∧. ＼ ＼ ＼ 《〉 /〃 ; ; ; ;/ . . . . . .
. . . . . . . //; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;〃, ; ; ;/ { ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;し､　ﾘ介 - r‐´ 　 /}￣￣｀ヽ.　＼〃 // ; ; /. . ./ . . . .
. . .／.///,; ; ; ; ; ; ; 〃 ; ; ; ; ; ; ;,{_ﾉ ; ; ; ; ; ; ; ; 〃 ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; Y__ﾉ_」ノ＼　 // 　　　　　｀ｧ　＼〃; ／ . . . . . . . .
. . . . /川 ; ; ; ; ; ;〃 ; ; ; ; ; 〃 ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;〃 ; ; ; ; ; ／ ／‐=-　｀７/ ､_,　　,　　　｀ヾ 〃; ; ; ／ . . . . . . .
. ..-=彡'ﾉ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; 〃 ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;〃 ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;ﾉ 〃　/　 　 //　　' 　/　 -=ミ ﾉ; ; ; ; ; ;=彡 . . . . . .
-──ｧ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;〃 ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; 〃 ; ; ; く　/　 /　　　//　　{ 　 ∨ ,　 　 ｀ヽ ; ; ; // . . . . . . .
　｀-='-=＝＝ｱ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;／""} ; ; ; ; ; ; ; ; ;〃 ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; >{ミ＝=--　| |　 　 ¨¨７∨/￣｀ 　 i! ; ; /. . . . . . ./. .
　　　　　　　/ ; ; ;／""レ'"　 　 / ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; 人 }　 {　　　 | |　　 　 /　 /　　　 　 | ; ;/. . . . . . ./ . .
　　　 /')　 / ; ／　　　　　　　 /／""''"7''ソ""ﾉ; ; ; ; ; ; ; ; ;／ 　 ト 　〉,　　 | |　 　　,{ ／　 　 　 　 ! ;/. . . . . . ./ . . .
　　　'　　 /;／　　 　 　 　 　 /　　 　 　 ‐＝彡/; ; ; ; ; ; ／　　 　,〉=-　r─[ﾆ]──〃　　　　 　　 ; ; . . . . . . . . . . . .
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 彡'""ソ__/　　　 ／o＼__ﾉ-‐=＝‐- //　　　　　　　 / . . . . . . . . . . ./ .
　　　　　　　　〃　　　　/(　　　　　　 　 　 　 　 　 　_）　 　　 |／ ￣　　　　　 　∧　　　　　 　　/. . . . . . . . . . . / . .
　　　　　 　 　 　 　 　 / 　）　　　　　　　　　　　　　　_)'　 　／ ｀ヽ　 　　　　 　∧ ゝ--‐'　　　 // . . . . . . . . . ./ . . .
　　　　　　　　　　　　/ ／ 　 〆　 　 　 　 　 　 　 　ヽ＿／　 ￣｀　　 　 　 ／　 ∨ }ヽ　　-=彡' . . . . . . . . . . . . . .
　　　　　 　 　 　 　 / ´　　　　　 　 　 　 .,（＿＿＿＿／ 　 　 　 　 -‐=＝〈〈 〈 〈 ヽﾊ　　　 ノ . . . . . ./ . . . . . . . ./.



　　　　　　　　　　　　　～手を借る～　「耳嚢　巻一」（天明～文化刊行）より　　了

ずっとかけっぱなしってわけにはいけなかったんかな

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 VⅥ､_＿,
　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::::: y'´
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,　　-―ｲ:::::::::::::{､__
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／.::::::::::::::::::｀ﾟﾟﾟﾟﾟ¨´:::::..｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 , "　.:::::::::::::::::::::...........:::::::::::::::`:,
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,　　　 .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　　 ′　　 .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ',　　　　　以上となります　ありがとうございました
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　 .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;
　　　　　　　　　γｭ　　　 ,　 　 .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　fY＾Y^ろぃ_ 〉....:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,′
　　 　 　 　 xｆ⌒^Y^Y^Y^Y^)_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　/{_　 　 )(^Y^Y^Y^Y^);:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　Ⅵ_　　 VY^Y^Y^Y^Y^Y^Y^x;::::＿＿, 　　 '
　　　　　　 ∨j_　　 `^Y^X^Y^X^Y^X^Y^)x_
　 　 　 　 　 Ｖ　 　 　ｘ(て(_)(__)(__)(__)(て_)(_)ｘ、
　　　　　　　　＼ 　x(_)(_)(__)(__)(__)(_)(_)'⌒>'^フ
　　 　 　 　 　 　 ＼　x(__X_X_X_X_)' 　 _／ ／
　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　___,斗'"´
　　　　　　　　　　　　　｀‐---‐ '"´

乙
祐筆の右手三日分とは思えないくらい豪華な恩返しだ

乙
三日というのが、何か現実味のある話しだなｗｗ

おつおつ
江戸時代の火事は、一歩間違えれば都市災害だからなー
時代背景を考えると物凄いご利益のあるアイテムだｗ

乙でした。

ご利益からすると、物の怪の類というよりかは仙人っぽいものだったのかな