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　　　嘉永７年（１８５４年）４月２３日　蒸気船ミシシッピー号・応接室
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　　　　　　　 　　　 　 　 　 ｒ'´　　 　 ＼
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　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　 y　　 ,!　 ヽ､ ＿_
　　　　　　　 　　　 　 　 ,!　〈　./　 ,ｒ'⌒ヽ､＿_,.-'　　　　　　 　 　 　 これが、幕府と我々アメリカとの間で締結された
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　i　| ,'　 ,ｲ}
　　　　　　　 　　　　　/　 ,! _y　 /＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_　　　　「日米和親条約」の正式な書面だ。
　　　　　　　 　 　 _,. '　,r'￣/　,/　 　　 　　　 　 　 　 　 　／
　　　　　　　 　　 (＿,ィ.　 ｒ'　, '　　　　　　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　 　 　 ／　 　 `¨　　　　 　　　 　 　 　 　 ／
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　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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　　　　　　　　/―Ｙーヽ
　　　　　　　/:::::(○)(○)ヽ
　　　　 　／::::::::::⌒｀´⌒::::＼　　　　　　　　　　　　　　　（和文で細かく書かれた条約文、幕府重鎮の署名…
　　　　／:::::::::,-）＿＿＿（-、|
　　 　 |:::::::::::::l　　|-┬-|　　l |　　＿＿＿＿＿＿＿_　　　もう箱館の開港を疑う余地はどこにもないっていう…！）
　　 　 ＼::::::::　　　`ー'´ 　 ／　 / 　　　　　　　　　/
　　　　ノ:::::::　　　　　　　　　＼ /　 　 　 　 　 　　/
　 ／:::::::::::::::::　　 　 　 　 　 　 / 　 　 　 　 　 　 /
　|:::::::　　ｌ　　　　　　　　　　　/ 　 　 　 　 　 　 /




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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..._,,.. --ｰ―ｰｲ.,
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,. -''⌒∨ :/　 . . . . . . . ..　^ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ,,.-／　　　　 ヤ: : : : : : : : : : : : : ... ｀ヽ.　　　　　「条約の内容を知らない」とのことだったが、
　　　　　　　　　　　　　 /　　　 _ノｲヽ､./: : : : : : : : : : : : : : : : :.　ヽ.
　　　　　　　　　　　　　/⌒｀￣￣|　|~７: : ' ' ' ' ' ' ' ' : : : : : : : : :.　|　　　　 これで満足してもらえたかね？
　　　　　　　　　　　／7,.- ､　　　.ゝヽ｛'　　　　　　　　　' : : : : : : /
　　　　　　　　　 ／　/　　　￣~^''''ゝこ|　　　　　　　　　　 ' : : : /
　　　　　　　　　/　 i^ ~^''ヽ､　　　　　|＼ノ=ﾆﾆﾆ=-､　　　　' :./
　　　　　　　　./　　 !　　　　　^'''-　　|　/-ー-　　　 ＼　　　ノ

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　　　　　 　 / ﾆＹﾆヽ
　　　　　　/　（0)(0）ヽ
　　　　 ／u.　⌒｀´⌒＼
　　　　|　,-） 　 　 　 （- |　　　　　　　…こ、この条約の内容を写し取っておきたいので、
　　　　| l　 　ヽ＿＿ ノl |
　　　　 ＼　　｀ ⌒´ 　／　　　　　　　 少しの間この文書をお借りしたいっていう。
　　　　／　　　　　 　　ヽ
　　　/　　　　　　　　　 　ヽ




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　　　　　 　 　丶 } 　 ､　　　　　　}　|　　 |　l　　 ￣￣ヾx､　{//
　　　 　 　 　 　 ＼ 　 ヽ　　　　　|　|　　 |　|　　　　　 / ヾl ／
　　　 　 　 　 　 　 |　 　}　　　　 / ﾉ　　 ヽ　､　　　　 { 　 |´　　　　 　 　生憎だが、その文書は大統領に提出する
　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　 ,--｀=ヽ __∠='--､　　　　　 !
　　　　　　　　 　 ノ|　 　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼＼　　 |　　 　 　　 　 非常に大切なものだ。
　　　　　　　　／＜lヽ　ヾ/ ´⌒ ー――一 ' ⌒｀ヽ〉ﾉ　 ,ｲ｀ヽ.
　　　　　　 　 |　 ヽゝ､＼ ｀　　　 -―――-､　　　 Y ／/ソ　 |
　　　　　　　 ﾉ　　　　 ＞ヽ､_　　　　 ー　　　　 ＿_／＜　　　 |　　 　 　わずかの間であっても、貸し出す訳にはいかない。
　　　　　 　 /　　　　　　　 　 ＞‐ 、　　　r=＜　　　　　　　　　|
　　　 　 ＿∧ 　/＼　/￣|　/　∧ }￣￣||⌒! |　　　　　　 　 ノヽ__

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /三ミ　､　/'`X'ﾞ゛"'`ﾊ'ｲ=彡`,､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i三三;　ﾉ　 ヽ､ﾍｰ-‐ ﾉ !　´"〉;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ!ゞ´､‐=ﾍ.　　 ヽ∨_,　⌒ /./;/
　　　　　　　　 　__　　　　　　　　　　/〃〉ﾘ ‐=､,kzｪﾒ､_,冫l（ヽ､,=-､ /;/
　　　　　　　　 /　｀ｉ　　_＿二二二__ｉ匕'　､ '＾｀ ¨´ゝｲ" ＾ 〉尨圭ミﾊ;/_　　　　──だが、その文書とまったく同じ内容を
　　　　,==-.､.丿_,=‐ﾆ￣=――― -=二ﾆ) 〉　　　　/ ,'　　ｉｌ俐}圭lﾉ !´,ｉ
　　 ／　　i　.｀ヾ圦　　　　　　　　　　　.;;i /　,.､ _　 〉,'　　//`ー‐〈 /,'､!　　　　 漢文で記したものをこちらで用意している。
._／　　　 .｀_,　　 ｀∨―――――――ﾘ, ,∠;´;;;;ヾ､,,_　 ,' ｉ　 　 ,仆ﾉ/
　 =､＿_／＿〉ｧ､ノ.∨:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ｉ　　｀ヾ､;;;;;;;;￣;;;｀ヽ､ /.ﾉ／
'　　　　 ￣　　｀ヾ､ｰ∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./=､ﾞ　 ､___,､.｀¨"ー‐､;;ｉ' ,'/　　　　　　　　それならば持って行ってもらって結構だ。
,　 ＿＿＿＿　　　）二X二二 二二ノ:::::::ヾ､　　　 ﾞ¨¨ヽ､,　`ノｲ､
,　　　　　　　 ￣｀Y´　'´,ﾞ）二二二（:::〈〉/＼｀ｰ､_　ﾉ　　　∠ノ/::〉
!　　 ,,＿＿＿＿.ノ　 ,.''　￣:|￣￣￣ﾄ::::＼/:::://ﾞ!ー､ゝrf´::::::::/ｉ`､
｀ﾞ　'´　 　 　　　ﾉ　 /　　　　ｉ;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ､､:::::://::|.|;;;;;;//|.|:::::::::ﾊ;;;;;;;;｀ﾄ
　　　＿,ゝ―‐'"　 /　　　　　ｉ;;;;;;;;ゝ┐::::ヾ､//::::|.|;;;;//::|.| _／イ;;;;;;;;;;ﾄ､｀ヽ､
　　　_/　 　　　　/　　　　　　|;;;;;/::ｉ..|:::::::::.┌―=ﾆ//.::::|__／:::::ｉ;;;;;;;;;;;i　ヽ　 ｀ヽ､

　　【 マシュー・カルブレイス・ペリー (アメリカ東インド艦隊司令長官) 】

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　　　大正２年（１９１３年）　函館・とある喫茶店
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|　　　　　　ﾉ＿__ ﾉ_＿__ﾉ_＿__ﾉ　　 　　　|ヽ
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　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　──とまあ、こんな感じで我らが松前藩は
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　 正確な条約の内容を把握することに成功したお。
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|




　　　　　　　　　　　　 ,ｨ　 ,.イ 　 ,.イ　 _,,
　　.　　　 　 　 .、　/　| /　| ／　.レ'' / ,.ィ
　　　　　　　　　、　| ヽ! 　 ′　´　　 ′　'"　ﾚ!
　　　　　　　　| ヽ|　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　lヽ|　　　　　　　　　　　　　　 　 レ1　　　　　　　相変わらず、肝心な情報の入手先は黒船か…
　　.　　　　 　 |　　　　　 ./´＼__,／＼　　　　　./_,
　　.　　　　　 |＼　　 　 ./_　　　　 ｉ　_,ゝ　　 　 '"/
　　　　　　　　.|　 　 　 /`'-ﾆ_┐ r,キ‐''´!　　　∠ィ　　　　　　それで、交渉の方はどうなったんだ？
　　　　　　　　.|ヽ　 r=!| ＝tr=ﾞ　 =tｆ＝ :|r=､　　ノ
　　　　　　　　 ト 　 {h||　`ー　l.ｉ　 Ｔ´ u.||hﾘ　‐'ﾌ　　　　　　　とりあえず例の”誤解”は解消したようだが。
　　　　　　　　　ヽ 　ヾl|　/'　､廾,､　 ＼ |!ノ .∠
　　　　　　　　　　ゝ､,._Ｖ' ヾﾆﾆニつ　 /i`''＜´
　　　　　　　　 _／ ;;''　|:ヽ　　 --　 ヽ/ ;|　　 ヽ＿
　　　 , -‐_''.二/　 ;　　 |::::ヽ.　　　　./　.;|　　　 l＿ ￣
　　,ｲ￣　 　 /　　'　 　 |:::::::`ー─ '　　 |　　　　|　 ￣
　　　　'ｰ- ､'　　　,. -‐､|、::::::::　　　　 ,ﾚ-‐-､　 |

ペリーこいつかｗ

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼ 　 　 　結局、松前藩は先の要求を全部受け入れることにしたお。
／ 　　　　　　　　　　＼
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　 けれども、黒船側はそれだけに飽き足らずに
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　 　 新たに３つの要求を突きつけてきたお。
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／



　　　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　　　│【新たな要求】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　   │
　　　　　　│　１．松前藩主・松前崇広との会見　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　   │
　　　　　　│　２．箱館市中の商人とアメリカ人との間の直接売買の実施　   │
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　   │
　　　　　　│　３．市中民家の門戸を開き、婦女子を見せること　　　　　　　   │
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　   │
　　　　　　└──────────────────────────┘

┌────────────────────┐
│　 要求その１．松前藩主・松前崇広との会見　   │
└────────────────────┘

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／　　 　 　＼
　　　／　─　 　 ─　＼　　　　　　まず、黒船側がこの１つ目の要求をしてきた理由。
　 ／ -=・=- 　　-=・=-　＼
　 |　 　 　 （__人__）　　U 　|　　　　それは、「幕府の役人が箱館に来ていない」ことに尽きるお。
　 ＼　　 　 ｀ ⌒´ 　　　 ／
　 ／　　　　　　　　　　　＼




　　　　 /: : /: : : : |: : : : : : : : : |: : : : : : : |: : |: : : : ----､: l: | |∧
　　　　 |: :/: : : : : |: : : : : : : : : |: : : : : : : |: : |: ／／: ://: : : |:.|::∧
　　　　 |: ||: : : : : :| ＿＿＿,_, :|: | ､＿＿|＿|_:| | O //: : : : : :|:::::
　　　　 |: ||: : : : : :|:_:_:_:_:_:_:_:_:_:l:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_ヽヽ//: : : :::l: : |V::::　　 　 …言われてみれば、確かにおかしいですよね。
　　　 　.V||/＾＾l＾＾ヽ .,,,zzzzz､　　　　rzr==,=､z､|: : : : : .:::::| : :| .V
　　　　　V　 　|: : :::l llハ:::::し|　　　　'､|:::::::`..'ll|ゝ: : : : : ::::::|: :.|　　　　　　黒船側はあれこれ交渉する気満々なのに、
　　　　　　　　/: : ::::l ｀ ､l:::::::.| 　 　 　 ｀ー―´/: : : : : :::::::::|: :.|
　　　　　　　./:/: : ::::l . 　 ￣　　　　　　　 ,　 //: : : : : ::::::::＼:|　　　　　　交渉相手の幕府の役人が箱館に来ていないなんて。
　　　　　　 /::/: : : ::::::、 　 　 　｀ 　 　 　 Ｕ//: : : : : : :::l:::::::::ヽ
　　　　　 〈: : l＼: ::::::::::＼. 　　　＿＿　　 /:::|: : :::::::::::::/::::::::::/|
　　　　　　 ＼＼＼ --､/ l｀＞　　__　-‐ ´l＼＼ -､:／:::::::／: ﾊ
　　　　　　　　 ￣.l　　　l |::::l:::::_; /ヽ ／￣ン:::l.　　 lー::´::::::: : ﾊ

　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　 　 ＼
.　　 　／　　　　　　　＼　　　　　　　　もちろん、来ていないのには理由があるお。
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|　 　 　 　 下田から箱館へ向かおうとする黒船に対し、幕府は徒目付の平山謙二郎と
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　 ／
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼　　　　　　 オランダ語通詞の名村五八郎を現地へ派遣すると伝えたお。
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ


　　　　┌──────────────────────────────────────┐
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,. -‐7　　　　　　　　　   │
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-,. -‐r - '"　　 /‐.７　　　　　　　  │
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.-',"'´, -,'´'´　 _, ‐'´　 /　　　　　　　　  │
　　　　│　　　　　　　　　　,,,,,;;/;;;;;`;;;;;;;,､.　　　　　　 　 　 　 　 , ‐'´／i　// , ‐, ,- '　　_, - '7　　　　　　　　  │
　　　　│　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;〉､;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　　　　　 　 　 　 ヽ、 ! l .!.,'/,. ／/-.､,. ‐'.,...､　!_　　　　　　　　   │
　　　　│　　　　　　　　il;;/;;''' ,,,_　 _,,,､'';;;;;;;;i　　　 　 　 　 　 　 くヽ, ､　／'´　　　 .!､　i !｀,ヽi´　　　　　　　　  │
　　　　│　　　　　　　 l;;i;lli;. __,.-､__,-､_､);;;;;;;;l.　　　　 　 　 　 　 'ヽ!｀ ｀　　　 ,r'_",　'ヽ!ゞi l.!.i´　　　　　　　　 │
　　　　│　　　　 i;;,,__/;;;/` ´ `=(_._)='`'　::l;;;:::l_ __;;i;　 　 　 　 　 　 ',.-_､_.､／!.t;:,!l 　 　 l' ﾉ､l　　　　　　　　  │
　　　　│　　　　 '::;;:;;;;/l::: ili;,,;il|||l!!|||||i;;,il ::'ｼ､;;:::::::ﾉ 　 　 　 　 　 　 ヾ.ゞ'i　 `｀　　　　　 'iﾞ　 ',　　　　　　　　  │
　　　　│　　　　 `;;;;;;;;l=:::: `'==''´-`''=='´::::ie);:::;;;;ﾉ　 　 　 　 　 　 　 ヽ. !　,　　 _　　　　,'　　',_　　　　　　　  │
　　　　│　　　　　　''''';>::::::::..: :............: :.::::::::ﾉ_-''''` 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ｀r_'ﾆ´‐'ヽ　 ,_',.-‐;´-ヽ,　　　　　　  │
　　　　│　　　　　_,,/;´|`､::::::::::-､...,ー::::::ノ l;;;:i､_　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼'i'-‐_'ノ ./r‐.く´, -‐ ''｀' ､　　　  │
　　　　│　_,,,,;;-;;;;;;/;;;;;;l　 ` -::､_:::::_,::-'　　l;;;;;;;i;;;ヽ_　　　　　　　　　　　　 　 ヾ,´ _, ,'./　::: !　　_ヽ＿__｀'_ ､　   │
　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　     │
　　　　│　　　　　　【 平山 謙二郎 (徒目付) 】　　　　　　　　　【 名村 五八郎 (オランダ語通詞) 】　　　 │
　　　　└──────────────────────────────────────┘

　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　 　 ＼
.　　 　／　　　　　　　＼
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　　ところがその後、この２人は蝦夷地で別件の用事があり、
　　|　／ .ｲ '=・=　　=・=　u|
　 　 /,'才.ﾐ)　（__人__）　／　　　　箱館で黒船に対応するのは無理だと判明したお。
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ




　　　　　　　　　　　 　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　, : :.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀.:...
　　　　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
.　　　　　 　 　 ／::.::.::./::.::./::.::.::.:|::.::.ヽ::､――,:ヽ
　　　　　　　／/::.::.::.:/::.::./::.-‐.:.:|::.::.:|‐-:ヽﾟ／::ﾊﾄ､
.　　　　 　 　 / |::.l:.::.i::.／{ｙ==　　　　:j==ｘ:!＼.::|ﾐ｝ヾ､　　　　　もしかして、幕府がそのことに関して
　　　　 　 　 　 |/|::.::|::.::〃 r'ﾊ　　　　 r'ﾊ ∨::.::|ﾐ｝　ヾ
　　　　　　　　 　 Ｌ:人ﾊl　 ﾋソ　 　 　 ﾋソ　}::. 人j　　　　　　　黒船に伝えなかった、なんてことは…？
　　　　　　　　　　　/::.从 　 　 　 '　 　　 u j　/::.∧
　　　　 　 　 　 　 /::...(　)丶 　　r　っ　　ｲ (　):::: :∧
　　　　　　　　　 /::./: ｌ:.:l::.:＞rー ─ r＜、 .|:.:|:: :: :::∧
　 　 　 　 　 　 /::./: : |::.トr｛hｈnｎｎnｈ}.yヽ |::.|.:: :: :: ::.、

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／　　 　 　＼
　　　／　─　 　 ─　＼　　　　　　…いや、幕府も一応は伝えようとしたらしいお？
　 ／ -=・=- 　　-=・=-　＼
　 |　 　 　 （__人__）　　U 　|　 　 　 それが黒船側に正しく理解されなかったってオチだけど。
　 ＼　　 　 ｀ ⌒´ 　　　 ／
　 ／　　　　　　　　　　　＼




　　　　　　　 /: : : : l : : : : | : : : :| : :| : : : | : : :| : : : :Y｀ヽ
　　　　　　　/: /:/: |: : : : /.: : : :.|: : | : : : |: : : :| : : : : V: :ヽ
　　　　　 　 |:/: :| : | : : : /|: : : : :|: :||: : : :|: :＞＜ヽ: : :|ヽ:∧
　　　　　 　 ||: : |: : |: : : :| |: : : : :|: :| |: : : l l: :o: //: |: :|　ヾ∧
　　　　　　　|.|: :|: : | :,:-+-+-: :: :|:-|-|-:-|､|:::::／|: :|: : |　　ヾ
　　　　　　 　 ーl￣￣￣ 　￣￣￣　￣｀　￣|/:|: :.|: : |
　　　　　　　　//| ﾄ　 　 　　　　　　 　　　　 /:,: |:|: |: : |　　　　　　　──幕府、ダメダメですね。
　　　　　　　∥|:.||　ﾊ ≡≡≡　　　≡≡≡／:/: |:| :|ﾊ|
　　　　　　/ |:|: :|:|: : ﾊ 》,　 　　'　　　　／/ //: :|: |: |:ﾊ|
　　　　　 《 /||: :|:.|: : :ﾚ/､　　　 ヮ　　u.＼ノ|:|: /:/: :ﾉ: ﾊ
　　　　　　＼::V/: :／/: : ＞　_　　　　＜へ:V://:／:./: ﾊ.
　　　　　　　/: (＿)＞ ´∥:::::|::＼／:::/::::V (＿):ー ´: : : ﾊ

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　 　／　─　 　 ─　＼　　　　 　 …そして、”騙された”黒船側はこう考えたお。
　　　／ 　 （─） 　（─）　 ＼
　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　 　「アメリカの代表として箱館にやって来たのに、
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ　　　 　 　 交渉相手の幕府の役人が約束通りに来ていない。
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|　　　　 　 代わりに出てきたのは一地方政府のただの家老」
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|




　　　　 /: : /: : : : |: : : : : : : : : |: : : : : : : |: : |: : : : ----､: l: | |∧
　　　　 |: :/: : : : : |: : : : : : : : : |: : : : : : : |: : |: ／／: ://: : : |:.|::∧
　　　　 |: ||: : : : : :| ＿＿＿,_, :|: | ､＿＿|＿|_:| | O //: : : : : :|:::::
　　　　 |: ||: : : : : :|:_:_:_:_:_:_:_:_:_:l:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_ヽヽ//: : : :::l: : |V::::　　　　「幕府の役人がいない以上、我々の交渉相手として
　　　 　.V||/＾＾l＾＾ヽ .,,,zzzzz､　　　　rzr==,=､z､|: : : : : .:::::| : :| .V
　　　　　V　 　|: : :::l llハ:::::し|　　　　'､|:::::::`..'ll|ゝ: : : : : ::::::|: :.|　　　　　　 相応しい地位を持つのは藩主だけだ」…と。
　　　　　　　　/: : ::::l ｀ ､l:::::::.| 　 　 　 ｀ー―´/: : : : : :::::::::|: :.|
　　　　　　　./:/: : ::::l . 　 ￣　　　　　　　 ,　 //: : : : : ::::::::＼:|
　　　　　　 /::/: : : ::::::、 　 　 　｀ 　 　 　 Ｕ//: : : : : : :::l:::::::::ヽ　　　　　　アメリカの威信に関わる問題、ということですね。
　　　　　 〈: : l＼: ::::::::::＼. 　　　＿＿　　 /:::|: : :::::::::::::/::::::::::/|
　　　　　　 ＼＼＼ --､/ l｀＞　　__　-‐ ´l＼＼ -､:／:::::::／: ﾊ
　　　　　　　　 ￣.l　　　l |::::l:::::_; /ヽ ／￣ン:::l.　　 lー::´::::::: : ﾊ

┌──────────────────────────────┐
│　要求その２．箱館市中の商人とアメリカ人との間の直接売買の実施　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
│　要求その３．市中民家の門戸を開き、婦女子を見せること　　　　　　　  │
└──────────────────────────────┘


　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　／　　 　 　＼
　　　 ／　　　　 　 　　＼
　　／ 　　　　　　　　　　＼　　 　 残りの２つの要求は、箱館市中に出された
　　|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
　　/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　御触れ（第２話参照）に対する黒船側の不満の表れだお。
　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　＼ ／＿＿＿ ／




　　　　　 　 　 lヽ|　　　　　　　　　　　　　　 　 レ1
　　.　　　　 　 |　　　　　 ./´＼__,／＼　　　　　./_,
　　.　　　　　 |＼　　 　 ./_　　　　 ｉ　_,ゝ　　 　 '"/
　　　　　　 　 .|　 　 　 /`'-ﾆ_┐ r,キ‐''´!　　　∠ィ
　　　　　 　 　.|ヽ　 r=!| ＝tr=ﾞ　 =tｆ＝ :|r=､　　ノ　 　 　 　 …まあ、あの御触れの内容なら
　　　　　　　　 ト 　 {h||　`ー　l.ｉ　 Ｔ´ u.||hﾘ　‐'ﾌ
　　　　　　　　　ヽ 　ヾl|　/'　､廾,､　 ＼ |!ノ .∠　　　　　　　 不満が出るのは時間の問題だよな。
　　　　 　 　 　 　 ゝ､,._Ｖ' ヾﾆﾆニつ　 /i`''＜´
　　　 　　　　　_／ ;;''　|:ヽ　　 --　 ヽ/ ;|　　 ヽ＿
　　　 , -‐_''.二/　 ;　　 |::::ヽ.　　　　./　.;|　　　 l＿ ￣
　　,ｲ￣　 　 /　　'　 　 |:::::::`ー─ '　　 |　　　　|　 ￣
　　　　'ｰ- ､'　　　,. -‐､|、::::::::　　　　 ,ﾚ-‐-､　 |

　　　 　 　 　 i　　 　 　 　 　 ,.、　　　　　　　,'ｨ
　 　 　 　 　 .|ヽ　　/＾ヽ.＿.／　 ＼　　　　 　 /ィ
　　　　 　 　 |　　 /_　　　　　　 l　 __ヽ　　　 　 /
　 　 　 　 　 |ヽ　 l‐-ﾞﾆﾕ　 Lﾆギ-‐'７.　　　　"７　　　　　　　…だけど、何か変だな。
　　　　 　 　 ゝ 　 :!＝｡=､　 ,,=｡=＝ | r=､　　∠_,
　　 　　 　 　 ゝ　　l　ｰ-/　　 ｰr '´ :l:|f‐ﾘ 　 _／　　　　　　　 ３番目の要求についてはともかく、
　 　 　　 　 　 ヽ 　 l/ ７￣_ ，　|　　 |L:ソ　 _,フ
　　　　　　　 　 ＼　 l ‘"＿＿_ 　　./l　　　_フ　　　　　　　　　２番目に関してはもう認められていなかったか？
　　　　　　　　　　,＞､l　　 __　　　V:　|　_,ラ＼＿
　　 　 _,,.. -‐''／,r　,.　l　　　　 ヽ/::　 ｢　 ､ ヽ ヽ. ￣
　 ,ｨ''"　　　 /　/　/　/:l＿＿＿/::　 ／ｼ、 ヽ.ヽ. ヽ
　/ |　　　　/　/'　/　,ｲ.l:ｷ:::::::::::::　／ﾂ"　ﾄ､　 ｌ　ｉ　l


　┌──────────────────────────────────────────┐
　│【 黒船側が要求し、認められた項目 （第３話参照） 】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　   │
　│　４．箱館市中の商人とアメリカ人との商品の売買を認め、そのための通貨を定めることを望む。　　   │
　└──────────────────────────────────────────┘

　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　／　　 　 　＼　　'_
　　　 ／　　─　 　 ─＼　、　　　──ああ、そのことかお。
　　／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　
　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　ぶっちゃけた話、それは表向きのことで
　　./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　
　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　 　 　 　 商売に関する例の御触れはまだ有効だったんだお。
　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　＼ ／＿＿＿ ／


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│【 １８カ条の御触れ （第２話参照） 】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
│　１１．呉服店・小間物店は商品を片付けること。ただし餅・菓子、草履・草鞋等は店先に置いてもよい。　　　　　│
│　　　　彼らが食物に限らず差支えのない品を無心した場合は、拒否することによって角が立つようなことが　　   │
│　　　　あってはまずいので、望みの品を与えてもよい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  │
│　　　　もし相手が返礼品を差し出したとしても一応は断り、強いて差し出す様子であれば、その品を預り、　　　  │
│　　　　早々に町役所へ差し出すこと。遣しがたい大切な品は、必ず隠しておくこと。　　　　　　　　　　　　　　　　  │
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 lヽ|　　　　　　　　　　　　　　 　 レ1
　　　　　　　　　　.　　　　 　 |　　　　　 ./´＼__,／＼　　　　　./_,
　　　　　　　　　　.　　　　　 |＼　　 　 ./_　　　　 ｉ　_,ゝ　　 　 '"/
　　　　　　　　　　　　　　 　 .|　 　 　 /`'-ﾆ_┐ r,キ‐''´!　　　∠ィ
　　　　　　　　　　　　　 　 　.|ヽ　 r=!| ＝tr=ﾞ　 =tｆ＝ :|r=､　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ト 　 {h||　`ー　l.ｉ　 Ｔ´ u.||hﾘ　‐'ﾌ　 　 　 　 おいおい、大丈夫なのかよそれで…
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ 　ヾl|　/'　､廾,､　 ＼ |!ノ .∠
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ゝ､,._Ｖ' ヾﾆﾆニつ　 /i`''＜´
　　　　　　　　　　　 　　　　　_／ ;;''　|:ヽ　　 --　 ヽ/ ;|　　 ヽ＿
　　　　　　　　　　　 , -‐_''.二/　 ;　　 |::::ヽ.　　　　./　.;|　　　 l＿ ￣
　　　　　　　　　　,ｲ￣　 　 /　　'　 　 |:::::::`ー─ '　　 |　　　　|　 ￣
　　　　　　　　　　　　'ｰ- ､'　　　,. -‐､|、::::::::　　　　 ,ﾚ-‐-､　 |

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （─） 　（─）　 ＼　　　　…もちろん大丈夫じゃなかったから、こうして要求されたんだお。
　　　|　 　 　 （__人__）　 　u. |
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　 自由な遊歩を認められた黒船の連中が、箱館市中をあちこち歩き回った結果、
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　 多彩な商品・産物、酒、婦女子を隠していることがバレてしまったんだお。
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|


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│【 黒船側が要求し、認められた項目 （第３話参照） 】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　３．箱館においてアメリカ人の自由な遊歩を認め、店舗・寺社・公共の建物に自由に入れることを望む。　　   │
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　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,7:::::::::::,' ﾌ:::::::::::／､ /:::::/　　 l::l::::::::::::::::::::l::::::l
　:::::::::::::_::::::::::::::::::::::::::／/:::::::／ /:::::::／ト､/::::./　　　 l:ll::::::::::::::::::::l l::::l
　:::::::::/ ／::／ヽ:::::::／ /:::::／　/:::::／　　`/::::/､ヽ　　　ll l:::::::::::::::::::l l:::l
　:::::/ /::／ヽ　　ヽ.'　 /::.／　 /::／　　　 /::乂ﾟ;;,ﾉ､l　　　l　l::::::::::::::::l　l::l
　::/ /／/⌒ 〉　　　 /／　　/／　　　　 /／　　　　''　　　　 〉:::::::::::::l　 l:l　　　　箱館入港以来、婦女子の姿が見えない！
　:l /　　l　/´　　　 /　　　 /　　　　　　 /　　　　　　　　　 ／::::::∧:::::l　 ll
　:::ヽ　 ヽl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::/　 l:::l　　l　　　　もし我々を恐れて逃げたというならば、
　::::::ヽ　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　___,‐ｰ-､　　　　　　ヽ/　　 l::l
　:::::::::::､＿/　　　　　　　　　　　　 ／:l___　　　 ＼　　　　　　ヽ　　l:l　　　　　　　早々に呼び戻すべきなのに、松前藩は
　:::::::::::::::/　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::｀..､　　　＼　　　　　 ヽ　ll
　:::::/l:::/　　　　　　　　　　　　/ヽ､::::::::::::::::::｀..､　　 ヽ　　　　 ,/　l　　　　　　　　何一つ手を打とうとしない！！
　::/__l/_l　　　　　　　　　　　/　　　ヽ::::::::::::::::::::::.､　　 〉　　-'
　::::::::::::::ヽ,,＿＿　　　　　/-､　　　 l::::::::::::::::::::::::::::／　/´
　:::::::::::::::::::::::::::::l￣ﾞ､　 /　　｀ｰ､_　l::::::::::::::::::::::::/　　/　　　　　　　　この和親の精神に反する現状を速やかに改善し、
　:::::::::::::::::::::::::::l　　　ヽ l､　　　　　ヽl:::::::::::::::::::/　　/
　:::::::::::::::::::::::./　 l　 /　　`ｰ‐､　　　｀ｰ､_::::::::/　　/　　　　　　 　 　 婦女子の皆さんをすぐに呼び戻すべきだ！！！
　:::::::::::::::::::::/　/..l /､　　　　　｀ｰ-､_　　　`::/　　/
　:::::::::::::::::/　 /::〈 l::::...､　　　　　　　 `ｰ､__/　／
　:::::::::::::/　　/::::::l l::::::::.｀､　　　　　　　　　　 l 　 　 　 　 　 　 　 　 ──以上、うちの提督からの伝言だ。
　￣/::/　　/:::::::::l ﾄ､:::::::::::`ｰ､_＿___　　　　 l
　./:::/　　/::::::::::::l l　ヽ::::::::::::::::::::::....￣'''""

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　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　　　　 　 　　＼　　　　　　当然ながら、黒船側は強硬に改善を要求してきたお。
　　　／ 　　　　　　　　　　＼
　　　|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　　　１つ目の要求（「拒否したら松前に会いに行く」の脅迫付き）も含め、
　　　/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　 松前藩は窮地に追い込まれたお。
　　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　＼ ／＿＿＿ ／

　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　 　 ＼
.　　 　／　　　　　　　＼　　　　　　 　 …とは言え、１つ目と３つ目の要求は松前藩の威信にかけて
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|　 　 　 　 認めるわけにはいかず、その代わりに２番目の要求を
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　 ／
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼ 　 　 　 　 渋々ながら受け入れることになったお。
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ




　　　 　 　 　 i　　 　 　 　 　 ,.、　　　　　　　,'ｨ
　 　 　 　 　 .|ヽ　　/＾ヽ.＿.／　 ＼　　　　 　 /ィ
　　　　 　 　 |　　 /_　　　　　　 l　 __ヽ　　　 　 /　　　　　　「箱館市中の商人とアメリカ人との間の
　 　 　 　 　 |ヽ　 l‐-ﾞﾆﾕ　 Lﾆギ-‐'７.　　　　"７
　　　　 　 　 ゝ 　 :!＝｡=､　 ,,=｡=＝ | r=､　　∠_,　　 　 　　 自由な商品の売買」か…
　　 　　 　 　 ゝ　　l　ｰ-/　　 ｰr '´ :l:|f‐ﾘ 　 _／
　 　 　　 　 　 ヽ 　 l/ ７￣_ ，　|　　 |L:ソ　 _,フ
　　　　　　　 　 ＼　 l ‘"＿＿_ 　　./l　　　_フ　　　 　 　 　 だけど、連中がそれで納得して
　　　　　　　　　　,＞､l　　 __　　　V:　|　_,ラ＼＿
　　 　 _,,.. -‐''／,r　,.　l　　　　 ヽ/::　 ｢　 ､ ヽ ヽ. ￣　　　　 他の要求を引き下げるとは思えないな。
　 ,ｨ''"　　　 /　/　/　/:l＿＿＿/::　 ／ｼ、 ヽ.ヽ. ヽ
　/ |　　　　/　/'　/　,ｲ.l:ｷ:::::::::::::　／ﾂ"　ﾄ､　 ｌ　ｉ　l

　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼ 　 　 　 確かにこの状況のままだったら、その通りだったかもしれないお。
　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　 だけど、ここで１つの”事件”が発生したお。
　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼




　　　　　　　　　.′:::::: l ::::::::::| :::::::::::::::: | :::::::::::|::::::: , ---- ､ !／／:',
　.　 　 　 　 　 .::: .′:::l::::::::::::ll:::::::::::::::::::|::::::::::::|| ::::::＼ ○ ./ !／／/',
　　　　　　　　.::::::l:::::::::|::::｀ヽ:l∨:::::::::::::: ー―― :::::::|: 丶-′!／／/ !
　　　　　　　 ∥::::! ::::: |l :::::::::l ∨:::::::::::::|ｌ::::::::::l | ::::: |::::::::::::::::!／／::: i
　.　　　 　 　 ﾚ'И::::::::::: x≠=ミ　　　　　≫≠＝ミ､::::::::::::::::::! ::::::::::::::i
　　　　　　　　　　i::::::::::::{!　ﾄ､ハ　　　　 　 爪_ノ:} j} :::::::::::::::l::::::::::::::::i
　　　　　 　 　 　 i:::::::::: ﾊ　弋_ｼ　　　　　　乂_シ .:::::::::::::::::: ! :::::::::::: i　 　 　 　…どんな”事件”ですか？
　.　　　　　 　 　 i:::::::::::: ﾊ　　　　 '　　　　　　　 /::::::::::::::::::: ! ::::::::::::::
　　　　　　　　　 i::::::::::::::::::.　　 　 　 　 　 　 u. /::::::::::::::::::::: ! :::::::::::::i
　　　 　 　 　 　 l:::::::::::::::::::丶　　　υ 　 　　／:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::l
　　　　 　 　 　 /!:::::::::::::::::::: i:::::...　　　　 　 {::::::::::::::::::::: ／ :::::::::::::: !
　.　　 　 　 　 /::::',:γ⌒ヽ::,'::::::::::::＞　≦　γ⌒　´　　　 ヽ:::::::::::::!

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　　　嘉永７年（１８５４年）４月２５日　箱館港・沖ノ口番所
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　　　　　　ll＼＼　.c(　 ｱ　　旦　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　 ＼､| | |　 　 　 |||
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　　 　 　 　 　 　 ＼l二二二二二二二二二二二二二二二二l　　　　　　　 　 　 | | |　 　 　 |||
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼..＼.　|||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼.＼|||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.!||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼`

　　　　　　|┃
　　ｶﾞﾗｯ.　|┃
　　　　　　|┃　 ﾉ//　　　.／￣￣￣ ＼
　　　　　　|┃三　　　　／　 ノ ' 　 ヽ､　＼
　　　　　　|┃ 　　　 ／　　（●）　（●） 　 ＼　　　　　…新しいお茶、お持ちしましたお。
　　　　　　|┃　 　　 |　　　　（__人__）　　 　　|
　　　　　　|┃三　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／.
　　　　　　|┃三　　 ／￣￣￣￣￣￣￣ ＼

　　　　　　　　　　　　　　　/ﾆY二ヽ　 　／⌒ '"⌒ ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　/uー ー;##ヽノ　　ｰ　　 　 　＼　　　　　　　　　　　…ご苦労っていう。
　　　　　　　　　　　　／　（＿)（＿）　.u＼　　　　　　,; 　 ＼　,rｰ､
　　　　　　　　　　　　|-）;;#⌒｀´⌒:::: （-,　⌒￣￣`￣￣￣ヾ｀ヽ　ヽ　　　　　適当な所に置いておいてくれっていう…
　　　　　　　　　　　　| 〈 ,_＿＿＿ 　､ 〉 i,ﾉ､_＿＿＿"_＿＿,､___ｿﾉ__ﾉ
　　　　　　　　　　　￣￣￣゜｀⌒´ ￣￣｀￣￣￣￣￣￣




　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　 　 ＼
.　　 　／　　　　　　　＼　　　　　　 ご家老…
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　 　 　 　
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|　 　 　 これ以上は無理せずお休みに…
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　 ／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ　 　 　 　 　 　　　　　　 |　大丈夫だっていう……　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　　 ＼＿＿＿＿＿＿＿　 ＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 V

　　　　　|┃
　　　　　|┃三　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
　　　　　|┃.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　　　　|┃　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　|┃　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　　ｶﾞﾗｯ.|┃　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　　　　　|┃　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从＿人_∧_人／
　　　　　|┃三　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ 　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
　　　　　|┃.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ　　　 ＜　ご家老！　またまた一大事です！！ ＞
　　　　　|┃三　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　 <　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞
　　　　　|┃　　　　　 l 　 　 ｉｰ-ー､　　u./:|　　　　 　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^^Y^⌒Y^Y＼
　　　　　|┃三　　　 　ﾄ､　　｀ニﾆ´　　,.ｲ　|
　　　　　|┃　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　　　　|┃　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　　|┃　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／_ノ　 ヽ、＼
　　　／（ ●） 　（●）.＼　　　　　　　　あっ…！
　 ／　　　（__人__）　　u. ＼
　 |ｎi 7　　 ｀ ⌒´　　　　.　|ｎ　　　　　 今ご家老は危険な状態なので、あまり無茶は──
l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）
', U ! ﾚ' /　　　　　　.　.　| U ﾚ'/／)
{　　　 〈　　　　　　　　　ﾉ　　　 ／
..i,　　 　."⊃　　　　ｒニ 　　　 /
　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''




　　　　　　　　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
　　　　　　　.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　　　　　　　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　　　　　　　　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |
　　　　　　　　　　｀ゝf‐ゞﾞujヾ二r^ｧｕj＜ y=ﾚヽ.　　　　　──もちろんそれは分かっている！
　　　　　　　.　　　 |fjl、　￣.ﾘj＾ヾ.) ￣ 　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　　　　　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　 　 　 　 だが、この一件はお話しなくては！！
　　　　　　　　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|
　　　　　　　　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|
　　　　　　　　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､
　　　　　　　　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 N /i/´ ﾞ￣￣｀`ヾ)＿　　　　　 ∧　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Nヾ　ﾞ　　　　　　　　ﾞヽ　　　|＼/　∨l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Nﾞ､　　　　　　　　　　　 ﾞi　_|｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Nﾞゞ　　　　　　　　　　　　.! ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゞミﾐ､　　ノ,彡ｲﾊヾ、　　i　Z
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ー-r-==､'リノ_ﾉ_,.ヾミ,.ｨ,ﾆi　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {i　｀ﾞ';l={ﾞ´石ゞ}='´ﾞ'r_/　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ iー'/　ヾ､__,.ﾉ　 /i´　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　 ﾞﾆ-=､　 u / ,ト,　∠_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ、i'､_丿　／／/ ヽ　/_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,.ｨﾍヽ二 ｨ'_／　/　　ﾞi＼|／Wlﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐ '''" '￣／　i　ヽ_.／´ 　 ./　 　 .|　｀＼　　 ∨＼
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　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　 ／　.u　　　＼
　　　　　　　　　／(（○）) (（○）)＼
　　　/⌒)⌒)⌒).::::　 （__人__）　l_j :::＼　　 　 /⌒)⌒)⌒)
　　　|　/　/　/　　　　 |r┬-|　　　　　|　(⌒)/　/ / /／
　　　|　:::::::::::(⌒)　U　.|　|　 |　　　 ／ 　 ゝ　　:::::::::::/
　　　|　　　　　ノ　　 　|　|　 |　　 　＼　　/　　）　　/
　　　ヽ　　　　/　　　 └ー.┘　　　　ヽ /　　　　／
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　　　 　　　　＿＿＿
　　　 　　 ／_ノ　　ヽ＼
　　　 　／ （○）　（○） ＼
　　　／ u 　 （__人__）　　　＼　　　　　…なんて面倒なことを！
　　　|　　　　　|i!i!i!i!|　　 u　　|
　　　＼　 u　　|;;;;;;;;;|　　　 ／　　 　 　 黒船の連中、やる夫たちをどこまで──
　　　 ／ 　　　｀⌒´　　　　＼
　　　(<<<)　　　　　　　　（>>>）
　　　 |、　i、　　　　　　　,i　　/
　　　　ヽ＿/　　　　　　　ヽ__/

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　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,.　 -─＿-_　 .. ＿＿_＿_
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∠ -‐''"´　　　　￣￣`ー '"´￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　／　 __ ..　--　.. ＿
　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ,.＜L人_＿_　　　　　　　　　 ,. -─-　... __
　　　　　　　　　　 ／{_/⌒ヾ＞　.　 ｀ﾌ7 ー---‐　'´
　　　　　　　　　, '^Y　　　　 }　 　｀ く /
　 　 　 　 　 　 　 /廴,ﾉ　　　　/　　　　　ヽ.　　　　　　　　「──やる夫。
　　　　　　　　{　　　　　　, '　　　　　　　',
　　 　 　 　 　 '.　　　　,. '　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　　　　これは絶好の機会だっていう」
　　　　　　　 　 ﾞｧrr　´　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　 　 Lrﾍ.　　 　 　 　 　 　 , '
　　　　　　　　 　 　 ヽ、 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　 　 ｀ 　 --‐　'´
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　 　／　　u　　 ノ　　＼
　　　　／ 　　　　 u （●）　　＼　　　　　…ご家老！？
　　　　|　 　　　　　　　（__人__）|
　 　　 ＼　　　　u　　　.｀ ⌒／　 　 　 　 ”絶好の機会”とは一体──
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　 ／´　　　　　　　　　　　　 　　ヽ



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ζ　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　(　　　(.　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 . -‐　） ‐- .
　　　　　　　　　　　　　　　　´,.::::;;:... .　. _ 　`.　　　　 「”和親”だの、”条約の精神”だので
　　　　　　　　　　　　　　　　i ヾ<:;_　　　_,.ン |
　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　 ￣...:;:彡|　　　　　松前藩に無理難題を押し付けてきた──
　　　　　　　　　　　　　　　　}　　. . ...::::;:;;;;;彡{
　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　　　. . ...:::;;;;;彡|
　　　　　　　　　　　　　　　　} 　 . .....:::;::;:;;;;彡{
　　　　　　　　　　　　　　　　!,　　　 . .:.::;:;;;彡j:::::::::::::::....
　　　　　　　　　　　　　　　　 ト ,　 . ..,:;:;:=:彳::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､..　....::::;;;ジ.::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣
　　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　　　　/ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　　　 / （0)(0）ヽ,
　　　　　　　　　　　／　⌒｀´⌒　＼
　　　　　　　　　　 |　,-）　　　　（-、.|
　　　　ζ 　　　　 | l　 ヽ＿＿ ノ　l |　　　ζ
　　 　|￣|　　　 　ﾘ＼　｀ ⌒´ 　　／　 　|￣|　　　　ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人__从人
　　　⊂⌒ヽﾞ　 ./　　　　　　　　　　⌒i /⌒つ　　 ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　＞
　　　　　 ＼＼/ /i　　　　　　　　　i　ﾚ /￣　　　＜　　──あの黒船の連中の鼻っ柱をへし折ってやる　 　＞
　　　　　　　＼_/ .i　　　　　　　　 .L__/　　 　 　 ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞
　　　　　　　 　 　 | 　　　　　　 　　 |　　 　 　 　 ＜　　　　　　 　　 絶好の機会だっていう！！　　　　　 　 　 ＞
　　　　　　　　　　 ｌ　　　　　　　　　.|　　　　　　　 ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞
　　　　　　　　　　/　　　　,.　　　　/　　　　　　　　　 Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY⌒⌒Y
　　　 　　　　　　/ 　　　/ヽ　　　/
　　　　　　　　　（　 　　く　/　　/
　　　　　　　　　　＼　　　（　　(
　　　　　　　　　　 　＼　 |　　 i
　　　　　　　　　　　　　＼|　　/
　　　　　　　　　　　　　 　|　 .|ヽ
　　　　　　　　　　　　＿ノ　　i (
　　　　　　　　　　　（＿＿＿ノし

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【第５話に続く】

【第４話の登場人物（新規のみ）】
　○幕末（回想）
　　【幕府】
　　　 ・平山 謙二郎 (徒目付) 　 　 　 　 ・・・ 星影宇宙ノ介 (逆転裁判)
　　 　・名村 五八郎 (オランダ語通詞)　・・・ 成歩堂龍一 (逆転裁判)

　　【黒船】
　　　 ・ マシュー・カルブレイス・ペリー (東インド艦隊司令長官)　・・・ キング・ブラッドレイ (鋼の錬金術師)

乙
黒船の連中、何をしでかしたんだろう

第４話は以上です。

乙
これは続きがきになるな

乙
まあどこでもいえる事だけど、距離の問題は通信・移動技術の制限がどうしようもなく存在するからなあ