───雍澨（ようぜい）の河畔における戦いで 沈尹戌（しん・いんじゅ）率いる楚（そ）軍が敗れた結果

　 　 　 現時点で楚の国内に 呉（ご）に対抗できる軍事力は完全に喪われた


　　　　　　　　　　　　 _.._　｀`､,.､-::─::-..、
　　　　　　　　　　 ／:::::::::｀:く:ﾉ:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ
　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::ｲ::::::::::: 丶::::::::::::::::::::::::',　　　　　そりゃまあいいか悪いかで言ったら
　 　 　 　 　 /::::: /:::::::::::::/ l::::::: !:::::::|＼::::::::::::::::: l
　　　　　　　i::::: /:::::::::::::/一V:::::| :::: |ーヽ:::::::::::::::!　　 　 　 確実にいい方の話なんだがそれはさておきだな
　　　　　　　|:: /:::::: /::: |ィ云∨ |V::::| ィﾃﾍヽ::::::::!イ
　　　　　　　|:/ |::: /::ﾊ::| 迂:ﾘ V|　ヾ! 迂:ﾘハ::ﾄ::::::＞
　　　　　　　|′|::/|:::|ﾈﾍ ｀ｰ´　ヽ　　 ｀ｰ´　ﾊ!ﾉﾘ｀ヽ
　　　　 　 　 　 i/　V､_ﾍ 　 　 　 !　　　　　ﾑﾘ′
　　　　 　 　 　 ′　　　 ヽ、　　- -　　　, ′
　　　　　　　　　 　 　 　 　 |ヽ　　　　イ/
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,.ｲ 　 ｀　´　 ﾊ
　　　　　　　 　 　 　 ,.イ:!　 ＼　　 ／　 ヽ..､、
　　　　　　　　 ,...::::´/::::::l　　 /;⌒;ﾍ　 　 j:::::ﾍ:｀:::....、
　　　　　,...::::´::::::::::/:::::::::l､　∧;;;;;;;;;∧　/:l:::::::: ﾍ:::::::::::｀:::....、
【呉王 闔閭（こうりょ）】









　　　 ｀丶＝二ー－＿、＿　　　　　　　、　　　│　　 　＼
　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;｀￣──＿＿二三三二｀＼＿」│ ∥　 │
　　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;::;:;:;:;:;:;:;:　　　　　　　　　　;:;:;:;:;:;:;:;:;:　 ∥　　│
　　　　　;:;:;:;:;:;:;:;:;: ＞　─￣´二￣￣ 丶＼;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼　　/
　　　　　　　 ＿／　　 　 ,ィ炙ノ　㌧ 　　　 ＼;:;:;:;:;:;:;:;:;:│　ﾉ /
　　　　　　／／　　　　 ,彷/Ｏ ﾟ亥. 心　　　　 〉　;:;:;:;:;: ﾉ／/－
　　　　　　く│　　　　　以亥亥主主/!　　 　/ 　 　／／二
　　　　　　　 ｉ　　　　　 Ｗ圭靈圭' ,У　 　 /　　　/／≡=、　　　　　　よし 最大の障壁は消えた
　　　　　　　ハ、　　　　 `冬圭竺才　　　ノ　　　;:;:;
　　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 ;:;:;:　　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　;:;:;:;:;:;:;　;:　　　　　　　 i.
　　　　　　　　　　　　　　　;:;:;／:;:;:;:;:;:;::　　　 　 　 　 　 i:
　　　　　　　　　　　　　　　 /:;:;:;:;:　　　　　　　　　　　　 i!:;
　　　　　　　　　　　　　　　 |:;:　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｉ!;:;
【伍子胥（ご・ししょ）】
呉の行人（こうじん，外交官） 元は楚の人
父と兄を楚の前王に殺され 復讐を誓い亡命する

　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∧
.　 　 　 　 ＼.　　　　　　 　 　 |　;　`、　　／
　　 　 　 　 ＼　.,　　　　　　　ﾉＶ　　｀¨¨´｛　　　　_,,　 ／
　　　　　＼ 　 ＼　ー---‐‐　　 　 　 　 　 ｰ‐　　 　 /
　　　　　 `､＼　__)　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /
.　　　　　　 `、｀¨´　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /
.　　　　　　　 `､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｛
　 　 　 　 　 　 `、　さあ 楚王を探し出せ！ 　 　 二ﾆ=-
.　　　 　 　 　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／
.　　　 　 　 　 　 }　　　　燻り出せ！！　　　　｛
.　　　 　 　 　 　 ;　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 `、　　　　　　　 　 　 　 　 　 r r┌,
　　　　　　　 　 /　　　　　引き摺り出せ！！！ `、　　 　 　 　 　 　 　 　 　 } l .l .l　r 7
.　　　　　　 　 /　__　　　　　　　　　　　　　　　　 　 `､　　　　　　　　　　 r 、　i_i .L.ﾚ´/
　　　　　　　 /／⌒i　　　　　　　　 　 　 　 　 _二__　 ＼ 　 　 　 　 　 　 'ヽ､Y　　r' γ
.　　　　　　 ／　 　 |　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　￣⌒.　　　　　　 　 　 !､⌒ { 　 ﾄﾏ、
　　　　　　　　　　 _］　　 -‐==‐- 、　 'ハ　 ;.　　　　　 　 　 ＿__　　　　　　　ヽ___‐‐ ｿ.: :ヽ
　 　 　 　 　 　 　 /／　　　　　　　＼/　 `､{　　 　 　 　 ／　　　 ＼　　　　　　　〈ン´ : : : .＼
　　　 _,.-ｰ ､..　　´　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ:::::::⑪ 　 　l　　　　　　　 ＼ : : : : : : :＼
　 　 〉 ＼＼＼ 　 .-,　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 (_ﾉ､__,ｲ　　　i　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : ヽ
　 　 ＼＼ '´⌒∨ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} '--´　　　 .'　　　　　　　　　　 〉 : : : : : : : :　/
　　　　 ヽ.　 ｨ　　丿　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '､_、__　　 ,ｨ'　　　,.ｒ‐-､_,､__＼,　　　　　　 _ノ し　7
　　　　 　 ヽ_　　rクヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〕_____｀,.‐ｨ'｀ヽ‐ｲ : :/ :/ :...＿fて ヘ ノレ´　　　　 弋 ＿
　　　　　　　 〉彡´. : : ＼　　　　　　　　　　　　_____,,.-‐ｨ'!´「ヽ／. : : :／ : :/ :/ : :...)三ヘ: : :＞-‐'"
　　　　　　 　 ヽ : : : : : : :＼　　　　　　　　　／i : : : : :/／ｿ　/. : : ／ : : :/／ : : :...≠7.ﾞ‐ '´
　　　　　　 　 　 ＼ : : : : : : ＼　　　　　　 ,ｨ' :/ : : :,.ｲ':::::/　/. : ／ : :l : : i/ : : :..　,毛1　　屠れ！
　　　　　　 　 　 　 ＼ : : : :ﾆ= :ヽ､,ﾍ--ｲ´〃/ : : : /:::::/／ :／ : : : : ヽ : : :＞´....　三!;
　　　　　　　　　　　　 ヽ : :／/ : : : : : :／ : / : : : /:::::／ : : : : : : : : : : :ヽ:/　　　　 7Zz
　　　　　　　　　　　　　 ヽ.　 : : : : : : : : : : :,' : : : :ｉ::::,' : : : : : : : : : : : : : : i　　　　　 二{　　　　晒せ！！
　　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ--‐‐ー-- 　 ｲ : : : : :ｉ/ : : : : : : : : : : : : : : ｿ　　　 _＿ ノ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /. 　 　 　 　 7 z
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :!　　　 　 　 　 |Z　　　　　辱めろ！！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i.　　　 　 　 　 jN　　　　　　　　　　　 Z
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i　 　 　 　 　 /三ﾍM≠z _ ,.z=≠1 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{　　　　　　 て(´　 　 /´　 　 )へ､1{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼



　　 ,,.-''"￣￣｀ﾞ'ｰ-､r=
　　./:: : :i: :: :i: : !､.:.::.::ヽ
　　|ｲ.:..:i|/__ﾚ|:/lヾ.:.::ﾍi
　 くlr:l:.:.l -ｰ ﾚ -､ vﾚﾍ!　　　　うちの行人が絶好調です
　 くl　ﾚ.i　　　　|　　N
　　ﾑ`ｰ 　 　　 '　,/
　　　 | `ｰ　￣ , '
　 ,,rへ､_　｀ 〔´__
／l :ヽ､　ﾞ7'r'Yヽ､ﾞｰ､
: : |: : : ヽ/､;:;;;}ｲ: :ヽ: ＼
.: :.＞': : ヽ/::::| .ｌ: :＜: : ヽ

───その楚王がどうしていたかというと


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.　 　 　 　 ||ｉ: :: :ｌへ､_|ｌ:|:| :|: |:ｌ:ﾊ: ｌ: ::: {Ｖ}　　　　　　逃げるったってどこへ行ったらいいのでおじゃ！？
.　 　 　 　 | ｉ:: ::|　 __､ ﾚﾊ　,___　ﾊ:ｌ:: :: M
.　 　 　 　 ｌ ｉ: ::ｉ 　○}liiiiiiiil{○ u　Vｌ:: ::M
.　　　 　 　 ｌｉ: ::|　　"　＿＿　 　　/: : :OO
　　　　　 _ril.ﾞｌ:: :|:ヽ　 |!!il|!|!l|　 U/: :/: :: | |
　　　　　 l_!!!ﾞｌ∧Ｖﾊ`,|ｪｪｪｪ|イﾊ:/: :ﾊ ﾉﾉ -―--､　、
　　　　　 | ! !_!|i::::::::: ﾞ＾＾ｰ''´:::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::,..､::｀ヽ
　 　 　 　 ! ',　,|!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ／---‐'´｀＼::::＼
　　　　　　!､_,ｲ:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::|　　　　 　　 ＼:::ヽ､_
　　　　　　',::::::',::::::|ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::l　　　　　　　　 ヽ'◎ ヽ
　　　　　　 ',:::::::',::::!　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::,!　　　　　　　 　 ヽ __　'､
　　　　　　　',:::::::::::|　　 ',::::::::::::::::::::::::::::/|　　　　　　　　　　ヽゞｰ'
　　　【楚王 軫（しん）】


　 　 　 都を棄てて以来 逃げに逃げ回っていた

　 　 　 今回はこの顛末を追うことにする

やらない夫は

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　 r-―――――――――--､
　　　_,.---――――――――--.,　　　　 ｆ´,r―――――――‐-､ヽ　　　 ￣￣￣￣￣'|　|￣￣￣￣!_ﾉ
　　　'ー‐7 /￣| .|￣￣/ /￣￣￣　　　 　 |　|　　　　　　　　　 　 　 |　|　　　f´￣ﾆ ヽ 　　|　|　　　 f｀i
　　　 　 / / 　 | .|　　/ /　　　　　　　　　　ゝ ｀ー―――――――'　ﾉ　　　.|　f´　|　| 　 .|　'ー―‐' ﾉ
　 　 　 / /　　 ゝ＼/ /　　　　　　　　　　 r､ ￣￣￣￣|　|￣￣￣￣ r､　 　 |__j 　 ゝ ｀ー'　 f二二_´＿
　 　 　 | .|　　 　 ＼　｀ー―-､　　　　　　 | .i　　　　 　 .|　| 　 　 　 　 j .|　　　　　　　 ｀ー―――――‐'
　 　 　 | .|　　　　 / /｀ー‐-､ ヽ　 　 　 　 ゝ,｀ー――‐'　 ｀ー―――' ﾉ　　　　f´ 二二二二二二二 ヽ
　 　 　 | .|　　 　 / /　　　　　| .|　　　　　　　￣￣￣￣'|　|´￣￣￣￣　　　 　 .|　L＿＿＿＿＿___」　|
　 　 　 | .| 　 　./ /　 　 　 　 | .|　　　　　　　　　　　　　|　|　　　　 　 　 　 　 　 |　＿＿＿＿＿＿＿　|
　 　 　 | .|　　 / / 　 　 　 　 .| .|　　　　　　　　 　 　 　 j　j　　　　　　　　　　 　 |　L＿＿＿＿＿___」　|
　 　 　 | .|　 ./ /＿＿＿＿＿| .|＿＿　　　　　　　　　ノ ノ 　 　 　 　 　 　 　 　 |　＿＿＿＿＿＿＿　|
　 　 　 | .|⊂'＿'＿＿＿＿＿＿＿＿ﾉ　　r―――'´ ／　　　　 　 　 　 　 　 　 |　|　　　　　　 　 　 j　j
　　　　 ｀´　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　 　 |__j　　　 ⊂二二二__/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なようです

　　　　　　　　　　　　【九五】「楚王は彷徨するようです」

【略年表（作中）】※史実とは時期が異なる事柄や史実にはない事柄も含みます

前530　　 　 　 （楚）公子子干・子皙・弃疾が叛乱を起こし都を占領 楚王囲は自死（霊王） 弃疾が王となる
前527　　 　 　 （呉）呉王余昧死去・余昧の息子僚即位
前523　　 　 　 （楚）楚王弃疾 太子建の為に秦公女を娶るが 費無忌 秦女を弃疾に献ずる
　　　　　　　　　　 　 太子建 城父へと派遣される
前522　　 　 　 （楚）費無忌 太子建を弾劾 太子建は宋へ亡命 太傅伍奢・伍尚父子処刑 次男の伍子胥は逃亡
　　　　　　　　　（宋）華氏の乱 建と伍子胥は乱を避け鄭に亡命
前520　　 　 　 （鄭）建と晋の謀議発覚 建は処刑される 伍子胥は公子勝を連れ呉へ逃亡
　　　　　　　　　（呉）伍子胥 呉に亡命するが 楚を討つ策を退けられ下野する
前519　　 　 　 （呉・楚）呉が州来へ侵攻 迎え撃つ楚と諸侯の連合軍を雞父において撃ち破る
　　　　　　　　　（呉）公子光が蔡から太子建の母と宝器を奪う
　　　　　　　　　（楚）令尹 子常が郢に城壁を築く
前518　　 　 　 （呉・楚）楚王 水軍を率い巣に到り 楚軍の撤退後 呉は巣と鐘離を攻め陥れる
　　　　　　　　　（呉）公子光 健康を理由に職を辞す
前517　　 　 　 （楚）范蠡と文種が出会う
　　　　　　　　　（呉）専諸が公子光の招きを受ける
前516　　 　 　 （楚）楚王弃疾死去 平王と諡される
　　　　　　　　　　 　 范蠡と文種 楚を離れる
　　　　　　　　　（呉）孫武 斉に赴く
前515　　 　 　 （呉）掩余と燭庸に率いられた呉軍が楚に侵攻 潜を囲む
　　　　　　　　　（楚）沈尹戌と郤宛が呉軍を挟撃し 呉軍の退路を断つ
　　　　　　　　　（呉）公子光 刺客専諸を用いて王僚を弑逆し 自ら立ち闔閭と称し 伍子胥を行人に任ずる
　　　　　　　　　（越）范蠡と文種 越に仕える
　　　　　　　　　（楚）子常の命により郤宛が攻め殺され これに対する批判を逸らすため 子常が費無忌を殺す
前514　　 　 　 （呉）僚の子慶忌 父の仇を討つために呉に攻め入るが 要離に暗殺される
　　　　　　　　　　 　 伍子胥 孫武より預かった兵法書を闔閭に勧める
　　　　　　　　　　 　 斉の公女 呉の公子波に嫁し 越から剣が贈られる
　　　　　　　　　　 　 孫武 呉王闔閭の前で女官を使った練兵を披瀝し 呉に用いられる
前513　　 　 　 （呉）闔閭 姑蘇の城壁を築く
前512　　 　 　 （呉）孫武 将軍に任ぜられる 冬 鐘吾・徐を討つ
　　　　　　　　　（晋）6月 晋公去疾死去 8月 葬儀が行われる
前511　　 　 　 （呉・楚）呉が楚に攻め入り 夷を討ち 潜・六・弦を攻める
　　　　　　　　　（楚）子常が将軍に任ぜられる
前510　　 　 　 （呉）夏 越を攻める
前509　　 　 　 （楚）子常 蔡昭侯と唐成公に貢ぎ物を要求するが断られたためこれを三年の間抑留する
前508　　 　 　 （楚）子常 豫章で呉軍に敗れ 巣を守る公子繁が捕えられる
　　　　　　　　　（楚・越）越王 允常の孫（勾践の娘）と楚王 軫との婚約が取り交わされる
前507　　 　 　 （楚）蔡昭侯と唐成公が釈放されるが 楚に恨みを抱き呉に接近する
前506　　 　 　 （呉）冬 呉が楚を攻め 柏挙の戦いで楚軍を大いに破り 楚都を陥落させる
　　　　　　　　　　 　 伍子胥 平王の墓を暴き屍を鞭打つ
　　　　　　　　　　 　 沈尹戌 雍澨において呉軍に敗れ 戦死

───郢（えい，楚の都あるいは都を囲む城壁の名）を脱出した楚王一行は
　 　 　 まず雲夢（うんぼう）の地に逃げ込む


【楚王逃走経路】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣○￣｀ｰ､　 　 　 {　　　　　　　　　＿,.-‐'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　葉　　　　｀}_　　 }　　　 　 ＿_／
　　　　　　　　　　　　　　　堂谿○　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ-{ 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ｰr‐'￣
　　　 ○宛　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ○蔡　　　　　　　　　 r―'´○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 沂○　　　　　　　　 ,.----'´￣　　 　豫章
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○息 　 　 _/
　　 　 　 　 　 　 　 ｀ー――､＿＿/￣￣￣￣￣￣￣


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 }￣ｰ'￣}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰv'￣　　　 ／
　　ヽ　　　 　 　 　 唐○i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 r―'￣
　 　 ￣￣|　　　　　随○｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 }
　 　 　 　 |　　 　 　 　 　 　 'ｰ,○鄖　 　 　 　 　 　○柏挙　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 r'
　 　 　 　 |　　　　　　 　 　 　 ヽ_,_　　　　　　　　　 ▲小別山　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ
　 　 　 　 |　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　乂雍澨　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 r―'
　 　 　 　 |＿_　　　　　　　　　　　　｀ー-,　　　　　　　▲大別山　　　　　　　　　　_,.-‐'
.　　　　　　 　 |　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＞-―‐､　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　 ヽ_■雲夢　 |　　　　　　　| 　 　 　 ＼_　　　　　　　　　　　 　 　 　 |
.　　　　　 　 　 　 ￣￣ヽ＿ﾉ　　　　　 　 |　　　　　　　￣|　　　　　　　　　　 ＿r‐'´
..　　　　　　　 　 ↑　　　　　 　 　 ＿＿_/　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　 ＿/
..　　　　　　┌─┘　○麇 　 　 　 ￣7　　　　　　　　　　　 'ｰ-､＿＿＿イ
　　　　 ヽ_ ◎郢　　　　　　　　　　／
.　　　　　__）　　_,.__　　　　　＿r‐'
　　　　　'ー'´￣　 |　　　 ／
　　　　　　 　 　 　 ｀ヽ　r'
　　　　　　　　　　　　 ＞'



　 　 　 雲夢とは邑ではなく 長江中流域に存在する広大な沼沢地帯の名である

　 　 ※ただし「史記 楚世家」では邑として記述されている

　 　 　 多くの支流が合流し 長江の水量が増す地点に形作られたこの自然の遊水池は
　 　 　 葦などの茂みが散在していることもあり 姿を隠すにはもってこいの場所であった


　 　 　 　 　 　 　） 　 　）:... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　　　　... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　　　... :. .:.:.:
　 　 　　）　 　 　 　 　　人:... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　　　　... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　　　... :..:.:.
　 　 ） 　 　 　 ） 　 　 ） 　 ）:... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　　　　... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .:　（　　（
　 ） 　 　 ）　　　　　）　　）　） 　 ）:... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　　　　... :. .:.:.:.: .: ....　..（　　　　　（
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＿,　'―'二' ,＿　―　（─,　　二 　,─' ￣ー（＿ 　 ─　）　 　 )　'' 　 (　（'＿　 　 　 　 ,　'　　二 ＞　─　 ,＿　'　,
:... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　　　　... :. .:.:.:.: .: ....　... :. .:.:.:.: .: ....　　... :. .:.:.:.: .: ....　　... :. .:.:.:.: .: ....
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　　ﾉ,:;riｯ'}}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ~~ﾞ"'''ﾞﾞ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,i!|i!i,,,,　　　　　　　　　　　　　ﾉ,:;riｯ'}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~~ﾞ"'''ﾞﾞ



　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ○) (○） 　 　 　 　 　 確かに俺も土地勘はあるし 雲夢のことも知ってるがな
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__　 　 　 　 　 だだっ広いわ大きさも変わるわ茂みの位置は定まってないわ…
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |　　　　　ここに逃げ込まれたら厄介この上ないだろ
　 　 　　 　 　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈 、 ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　 ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
　丿: : : : : : : : : : : : ／: : :.∨ |:::::', |: ゞニﾆ彡〉,
. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
/. : : : : : : : : !: : : : : : : ＼ : : :.'､:::::| : 〈: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : ＼: : :'.,:::|: ;∧: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v

　 　|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::i;:;:;::;:;:;:;:;:;|
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　　|＿＿＿＿_|＿＿＿＿|
　 /: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ
　j: : :イ斗 .!: |　 |:l:|;;.:; .: ..:　::! 　 　 　 　 湿気は多いわ揺れる船の上だわで
　|: .: :.|: |,:' ､ l 　|:l:|｀ヽ、: |: 　}　　　　　　決して良い環境とは言えぬでおじゃるが…
　ﾚ:.:.:|:!:ｲ__,ィ:|　 ヽl.､.__∨:i: ﾚ
　|: |（|: :.|. ＿, 　 　 ＿_ .|:.:|）|
　lN:. |: :.|,,,￣::::::,::::::￣,,,,!l.:|: |
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　j: : :イ斗‐!: |　 |:l:|-:､T ｫ:　::!
　|: .: :.|: |r‐i､ l 　|:l:|r‐ ､: |: 　}　　　　　　呉兵の目を逃れられるだけでもまだ安心できるのでおじゃ！
　ﾚ:.:.:|:!:ｲ.f㍉:|　 ヽl.f㍉∨:i: ﾚ
　|: |（|: :.| ﾄｭﾘ 　 　 ﾄｭﾘ |:.:|）|
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　　　　　　　ｌ::.::;'::/::.::,:::.::.:::.::.:.:::.::.}::.::.|
　　　　　　　|::.::ﾚ'::.::::i:.::.::.::.:.i::.:.::.:.|::.::.|　～♪
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　　　　　　　/人:ドレ|::.::.::.:.::.::.::.:.l::ﾘ
　　 　 　 　 ′　｀ヽ ﾚ'|ゝ'V´| ﾚ'|;/
　　　　　　　　　rt＜　　 　 　 　 ｰ､
　　　　　　　　 / :.｀ヾ､　　 　 　 　 ﾊ

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　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |＿＿＿＿|＿＿＿_|　　　　　　　　　 　 　 　 　 | ﾚ' |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /::.::/::;´::.::.::.::.:.::.::.ヽ::.::ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 :レ'! |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｌ::.::;'::/::.::,:::.::.:::.::.:.:::.::.}::.::.|　　　　　　　　　　　　　　　 |│
　　 　 　 　 　 　 　ん？　 　 　 |::.::ﾚ'::.::::i:.::.::.::.:.i::.:.::.:.|::.::.|　　　　　　　　　　　　　 　 |│ /７
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∨::.l::.:::.:ﾚ:.::.::.::;i::.::.::.j::.}:/　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / / /
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 }:l::.|:::.::.:::.::.:::.::.:::.::.:/:/:,′　　　　　　　　　　　　 ／l.　/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /人:ドレ|::.::.::.:.::.::.::.:.l::ﾘ　　　　　　　　　 　 　 ／／　/ /
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′　｀ヽ ﾚ'|ゝ'V´| ﾚ'|;/　　　 　 　 　 　 　 　 |／　　/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 rt＜　　 　 　 　 ｰ､　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / :.｀ヾ､　　 　 　 　 ﾊ　　　　　　　　　　　　　 /ノ


　 　 　 まあそんなものである

───呉の目を逃れやすいということはすなわち 楚の目も逃れやすいということである

　 　 　 楚から逃れているもの いわゆる賊たちの中には この雲夢を根城としているものが相当数いた


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,､,､､,,,';i;'i,}､,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ､';|i,!　　'i i"i,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `､||i　|i　i　l|,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',||i　}i |　;,〃,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .}.||||　| ! l-'~､ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,＜.}||| il／,‐'liヾ;;ミ
　　　　　　　　　　おい聞いたかよ？　　　　　　　　　 　 　 　 　 {/ﾞ'､}|||/／　 .i| };;;ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 Y,;-　　 ｰ､　　.i|,];;彡
　　　　　　　　　　楚が大負けして 楚王がこの雲夢に 　 　 　 iil|||||liill||||||||li!=H;;;ﾐミ
　　　　　　　　　　逃げてきてるらしいぜ　　　　　　　　　　　　　{　 く；ｧｿ　 '';;,;'' ﾞ};;彡ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞi　[`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ　 　＿,,＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi　}~~　｝ ';;:;li,　ﾞiミミミ=三＝-;;;;;;;;;''
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,,,-‐‐''''''}￣~フハ,“二ﾞ´ ,;／;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ;;;;;;;;''''/_　 / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 '''''　　,r'~ `V　ヽニニニ二､-'{ 十　）＿＿;;;;/


　　　　　ゞ　　　　　　　　　ﾉ
　　　　ヾ　　　　.　　　.　　ﾉ
　　　　ゞ　ヾ　　　　　　　　.|
　　　ミ　　　　 　ﾐ　 　ヾ　,/
　 　 ミ　　　　ゞゝ　`ヽ,／´ヽ
　 　ミ 　 　_ゝ　　　　　　　　ヽ
　　ミ　　　　.ゝ ..ー-､　　, --､|
　　ミ　　　_/　　　, --､　 , -､ i
　　彡　　ﾍ|　　　/／。|.　|＼ヾ　　 　 　 　 ハッ ザマぁねぇぜ！
　　彡　| 〈|　　　　ーイ　 .!゜/..irヽ
　　彡　ゝ_.|　　　　　　ゞ ､T　ヽ/
　　ノ　　　.ﾄ　　ヽ,ー――‐i´　i
　　ﾉ　　　　 ﾄ　　｀!ー―‐r 　./
　　ﾉ　　　　　|＼　　　 　 　 /
　∠ー――／/_＼＿＿＿__!ー―― 、
／　　 　 ／ /　|　　　　　　|　　＼　（　）＼
　　　　／　ﾐ|　○　　　　　○―　|　　　　　i
　　　　|　　ﾐ| 　|　○　　　○.／　＼　　　　!
　　　　|　　ﾐ|　:;|　　　○　／　　　 ｀ヽ＿／


　 　 　 彼らは無論楚から追われるお尋ね者であり
　 　 　 また 領域国家の概念が希薄であったこの時代 楚に対しての帰属意識もない

　 　 　 と なると

　　　　　　　　　　､__人_从_人__/し､_人＿入_人_从_人__/し､_人＿入/_
　　　　　　　　　 ､_）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （､
　　　　　　　　　 _）　　　ヒ　　ャ　　ッ　　ハ　　ー　　ッ　　！！　　　 _ヽ
　　　　　　　　　　 ｀)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（
　　　　　　　　　 '´⌒V＾'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒V＾'^Y⌒V^V⌒W^Y^V⌒｀
　　　　　　,,､,､､,,,';i;'i,}､,､　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,,､,､､,,,';i;'i,}､,､
　　　　　　 ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃
　　　　　　　　ﾞ､';|i,!　　'i i"i,　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾞ､';|i,!　　'i i"i,
　　　　　　　　 `､||i　|i　i　l|,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `､||i　|i　i　l|,
　　　　　　　　　 ',||i　}i |　;,〃,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',||i　}i |　;,〃,,
　　　　　　　　　 .}.||||　| ! l-'~､ミ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}.||||　| ! l-'~､ミ
　　　　　　　　 ,＜.}||| il／,‐'liヾ;;ミ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,＜.}||| il／,‐'liヾ;;ミ
　　　　　　　　.{/ﾞ'､}|||/／　 .i| };;;ミ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .{/ﾞ'､}|||/／　 .i| };;;ミ
　　　　　　　　Y,;-　　 ｰ､　　.i|,];;彡　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Y,;-　　 ｰ､　　.i|,];;彡
　　　　　　　　iil|||||liill||||||||li!=H;;;ﾐミ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 iil|||||liill||||||||li!=H;;;ﾐミ
　　　　　　　　{　 く；ｧｿ　 '';;,;'' ﾞ};;彡ﾐ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　 く；ｧｿ　 '';;,;'' ﾞ};;彡ﾐ
　　　　　　　　 ﾞi　[`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ　 　＿,,＿＿ 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞi　[`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ　 　＿,,＿＿
　　　　　　　 　 ﾞi　}~~　｝ ';;:;li,　ﾞiミミミ=三＝-;;;;;;;;;''　　　　　　　　　　 　 ﾞi　}~~　｝ ';;:;li,　ﾞiミミミ=三＝-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''}￣~フハ,“二ﾞ´ ,;／;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''　 　 ,,,,-‐‐''''''}￣~フハ,“二ﾞ´ ,;／;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
　;;;;;;;;''''/_　 / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''　　　　　 ;;;;;;;;;''''/_　 / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''　　,r'~ `V　ヽニニニ二､-'{ 十　）＿＿;;;;/　　　　　　 '''''　　,r'~ `V　ヽニニニ二､-'{ 十　）＿＿;;;;/


　 　 　 当然こうなった


　　 |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::i;:;:;::;:;:;:;:;:;|
　　.|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　|＿＿＿＿_|＿＿＿＿|　　　　　　おちおち寝てもおられぬのか！
　 /: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ
　j: : :イ斗‐!: |　 |:l:|-:､T ｫ:　::!
　|: .: :.|: |r‐i､ l 　|:l:|r‐ ､: |: 　}　　　━━┓┃┃
　ﾚ:.:.:|:!:ｲ.f㍉:|　 ヽl.f㍉∨:i: ﾚ　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　|: |（|: :.| | ﾉ 　 　　.| ﾉ |:.:|）|　　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　lN:. |: :.| `,,, 　 '　　`,,,　!l.:|: |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
　　|:.:|:. :|ヽ ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ
　　Nl!: :.|从｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　ヽ:.l ｲ-ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　　　　　　ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　　　 ｡ﾟ　/｡･ｲﾊ ､､　　　　｀ミ　｡ ﾟ　｡


　 　 　 楚王一行は寝込みを襲われる羽目になる

　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_人_从_人__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）
　,..r;;:　　（　 人)　 )　,;｀ｰ､　　　 　 　　　 |　ヽ丶　　　　　　　_）　消　　楚
　ヾゞ､　　ゞ'´　　　'｀´　　 ｀ヾ､　　 　　─|─　　　　 　 　 　　_）　毒 　 人
　　　　　　　　　　-‐':､ゞ'｀` 　,l　　 　 　/ |　ヽ 　 　 　 　 　　 _）　だ　　は
ヾ､ ゞ;;.　　,r-､　　　｀ヾ､　　　　ヽ､　　　　　 　 　　 　 　 　 　 _）　 l
, rヾ 　　 ,r!/r'ヽ　　　　'｀　　　　　 ＼　　 　 　＿|＿　　　　　 _）　っ
　　　_,,,.,ﾉ､_ ヽ,　　　　　　　｀ゞ;;　 　 ;:､　　　　／|　　　　 　 　｀)　！
,r‐'''"　,.r ,ｲ彡ミﾐヾ､　　　　　　｀`　 ´;;i　　　　　　　　　　　　　V^V⌒W^Y⌒
__,.;;,ｨ'´　,:;;;;彳彡ミ;j｀､　　　　　　　　`i;:､　　　　　　オ
;;　ヾ､彡;;;ﾉﾘ;jjjjj;;;jr'　i 　 .　ノ;;:''　｀ﾞ｀､　｀`ｰ､　　　　 　 　 　 　 　　　 　 ,ｨ
彡冫;;il;;;ミ;;;;;y;ﾚ 　,t'´ 　 　 　　 　　 ,.､ｰ､　　ゝ　　 　 ｫ 　 　 　 　 　 　 i|l;
;'ｲ;;;'ヾ｀`ヽ､ｨ;;i ,ri'´　 　 ヽ ヾノ　,ry' il'Yﾞr　 　 ヽ､　　　　　　　　　　　　,j|l;;
j'´ '´ '´／ゞ';;::`´ヽ 　 　｀`´ｰ　 ﾞi　;;: ,r'　　　　　 )　　,r､　　　　　 　,rヾlir'ﾐ,
　　/ ,;:' '´/　ｰ≡;i{､　　　　　 ／ヾr'´　　,.　　　'`;;:､　〉ゝ　 r-ｰ-､_ ,{i＝i= }i､
ｰr-､j　,!　,;',;'ｨ;;:ｲ''｀`ゞ､_,､-‐'´ヽ:;/　､　｀`ヽ　　;:､　｀' (´　 ｀ゞ､;;;;'',,fi､,≡:;ｲ＝=､
,,:'　 ｀`ゞ､,;;ゞ､ "´ｲ ,...　`'彡 ,／´　　｀ヾ､ヾ　　　'　　　 ｰ､ 　ii;j ｀i;;!'´ﾆil';;;;ゞr､_,r'ミ
'　　　ｰ‐─　,rｰ'ﾞｰ─-､_j;:r'´　　　　 ヾ,ゞ　　　　　　　　 ､ ゞ,ﾐ;:l;;l　　,! 　,!,i;;'´¨/
;.　　　r-‐;;'"}　　　　　　　　　　　 ｀`ヾ､　 ﾉ　　　　　　　,;;;:　(i,;)））､,,:;!､__,:};!_,.､l
....　　　_,,,ｨ､ i　　　　　　　　'ヾ人　　､}(　/　　　　 ノ　　 ,r'i　 r'"ヾ-‐i‐-:;ｲ, / ヾ
　　　　,.r'´,ｨ'l､　　　_ｨ;;､　　　､,.ミﾐ'´　,;:'´ﾊ　　　'´　　,j　,r'　 }ミ,r;}ゞ‐'─l:::.i 　,jl
,l:.　　　ヾ;'´ｲ'´ﾄ､_　　j (＿,r'´（`'´`ｰ'´,ﾉ　 i; l　　（｀'´ Y´　　 　 ,ｲ≡＝‐-ゞ､,r'
ｷ:.　　,.彡;:､　　　 }ヽ、'´　｀　　　､,;{　　　ﾞﾚ　　 ,ゝ'　　　　　　　 i;;;:: ,;:li三ﾐ;}jlK
'i　　　,r'"´,;ゞ､_,.イレ'ﾞ､　　　　　　　　　,.{ i'　　 )　　　　　　　 ,ｲ　;;;;;;jk三ミ}ﾞkiヾ､


　 　 ,ﾍ　∧人
＿_ノ　∨　　 ヽ＿
＼　 命　　　　 ／
_ノ　 .も 　 お　＞
ヽ 　 財 　 ら　 ＼ 　 ＿＿＿__
　〉　.も　　｜　　/ ／　　 　 　 ＼
ノ　　頂　　.|　　 ゝ　　　　　　　　 ヽ
>　 　く.　　 |　　/　 　 　 ,人/　　　 ヽ
　　　ぜ　　っ 　〉　　　 ､ﾌ /　　/＼　Yﾍ
ヽ　！！　　　 /.',　、　Ｚ r'　 ,　＼/　 ヾ.ヽ
　）　　　 　 　 ( 　', ﾐ　_} （、 ｛　爪_ /　/}i }
　⌒V⌒Y＼/⌒　ﾄﾐ　_｝ {_＼{_(ｲ_｡7∠ィiｌﾉ-
　 　 ｛　 {.: .:::::::::::∧kｰ-＜｡≧⌒ミ　　 ｛ｌ|ｌ!ニ,
　　 　＼ ゝヘ :::::{　ヽゝ 彡^ r_j__ｨ　 ィ　,l|||三!
　　　　　ーr‐'.::::::ヽ 　 }ﾄ、 ヽ‐--= ´/　,i|l|l三|
　　　 　 　 ヽ.: .:::::::} 　 l|ｉ!　 弋三- ´/ ,|ｌ|l|!厂}
　　　　　　 ／＾) .:::|　　`ｌ|ｉl、,ヽ‐ ⌒´ｉ|ｌ||ｌiィ　/
　　　　　　 ￣ヽ.:::::|　　　 ヾｉ|ｌ|ｉ|l||ｉ|l|i|ｌ|r'／／
　　　　　 　 　 ∧.::{　　　ミミ'弍二二二／ ／
　　　　　　　　ーヘ＞.　　ミミミ|彡彡´　／＿
　　　　　　　　　 　 　 ｀ヽ､ﾐミミ|彡彡　/:::::＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ミミ{彡´　/:::::::::..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　{:::／＾)

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　＿＿_r冖‐､＿__
　　　　　　　　　　　＿　―＿二-―‐く_/二ゝ―'
　　＿...　 ─　 二　─ r彡_,ィ_ミ､　 　 {!＿_｝
　　―　　￣　 　 　 ｛Ｖ∠ノム}ミ=-　　}!　　}　　　　　おっ？
　　　　 　 　 　 　 　 ｀ｺ匸e] L)ミ　 　 j}´￣｝
　　　 　 　 　 ,r=ﾆ二¨ ＼=ｲ/_{=ｧ＼∠ゝ- ｲ　　　 　 身なりのいい奴がいるじゃねえか！
　　　 　 　 ｨ三/´　　｀ヽ､＼三彡' 　ヽ 　 　}
　　　＿r‐ノ⌒´￣　　_ﾐ} }　｀丁´ 　 /　/　/　　　 　 .殺して身ぐるみ剥いでやるぜ！！
　　,ｲ/´　　 　 　　　ノミ}｛　　｛ 　　厶ノ-‐'
_,イ{l{　 ヽ― ´＿,≦三ﾐゝ＼__廴__/
/_圦,ゝ-―￢}丁´ 　 ｀￣￣/ヽ=ｲ
　　　　　　　厶}_,. -r-i_　　/　 ／
　　　　　　 ＿//＿廴} ＼_ 　/
　　　　　 r仁二) =-､〈＼＿Y
　　　　／二Ｘ＾＼ ヽ　| 　 　}
　 　／ｰ=イ＼＼　 　 }　 　 |
　／　　,／ 　 ｀　｀rz彡､＿_ゝ-―　´￣て




　　　　 　／￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
　　　　　|;:;:_:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;:_:;_:;:_;:_;:|
　　　　　|＿＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿|
　　　　 ||ｉ: :: :ｌへ､_|ｌ:|:| :|: |:ｌ:ﾊ: ｌ: ::: {Ｖ}　　　 　 いやぁぁー――っ！！
　　 　　| ｉ:: ::|　 __､ ﾚﾊ　,___　ﾊ:ｌ:: :: M
　　　　 ｌ ｉ: ::ｉ 　○}liiiiiiiil{○ u　Vｌ:: ::M　　　　　やめるでおじゃ！！
　　　　　ｌｉ: ::|　　"　＿＿　 　　/: : :OO
　　　　　　ｌ:: :|:ヽ　 |!!il|!|!l|　 U/: :/: :: | |
　　　　　　ｌ∧Ｖﾊ`,|ｪｪｪｪ|イﾊ:/: :ﾊ ﾉﾉ
　　　　　　／￣＼＼　　 ／／￣＼
　　　　 ／　　　　　＼／／　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　 ,　'
　　　　　　　　　　　　　〆
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　　　　　　　　　,'　　|i　　　　 　 　 　 　 　 　 | |／／
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　　　　　　　　i|　　　.|i　　　　　　　　 　 　 　 | |／／　　　＿/ﾑ_　　 ,ｲ,ｲ ,ｲ
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　　　／ 7　 　 !　トﾊﾑ//ハ　　 .!　　 ｉ　　　l|　:!
　　　　　|　 　 :!　|　　　　　',　l　:!　　 | ｉ　 / }
　　　　　| i　　 !　{:　　　 　 |　ｌ/ｉ|　 l| | | ,/ ' |　|
　　　　　| |　　i| l!ﾊ　 '　 　 |ｌ .　ｌ|│l! | {/ﾚｌ i|　ｌ　1 |
　　　　　| |l　i l|､ﾄ.　/ 　 　 }/|　ﾘ 川厶ァ |l.木　　| |l　　　　　王よ 危ない！
　　　　　}八 川 {〈　/､､＿ ..斗=匕ﾗ　 厶 ﾚ :! |　ルﾍ
　　　　　　　　/ l/::..　ニ=7///≧≠＜　ﾞ 　 Ⅳ　│
　 　 　 　 　 /　,'::.:..　　　 ∨////　　　　　　|i　　.|_ノ
　　　 　 　 _从 ′　　 　 　 ｀　 　 　 　 　 　 |l　　.|
.　　　 ,x幺　　 |ｉ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |l　　.|ィ
　　＜Ｘ　 　 　 ｰ─一ｬ__　　　　 　 　 　 　 厶　　|
　　　 ｀ 　 .　 　 　 　 ∧ ー　===- 、　　　/ }　 .斗
　 　 　 　 　＼ И 　l　 |ﾐー　　　 　 　 　 ' ﾉ|く
　　　　　　　 ｌ|`ﾄ:ｌ　 l　 | }　 /　　　　　 ,.ｨ１i l　ヽ
　　　　　　　 ﾘ 川　 i　 | ゝ〈　　　　 ／///;リ　.∧
　　　 　 　 　 ﾚ1 |　 　 :!、　　ー‐＜////// 　 i　|
　　　　　 　 　 ／|i　 　 ! ＼　　 ////////{　　:|　!
.　　　　　　 ／　 ,!! 　,从　　＼　　　 ////:| 　 :　 !
【王孫由于（おうそん・ゆうう）】
楚の臣

　 　 　 　 　 　 　 　 |￣|
　　　　　　　／￣〉　|＿|　口
　　　　　 ／　 　/
　　 　 ／　　 　/
　　　〈　 　 　 /　　　〈＼
　　＼..＼＿_/　 　　　＼〉　|　| |　　　　　　 /　　　　　　　／
.　　＼＼＼　　　　 　 　 　 .|　|　┌┐.　　 /　　　　　　／
　　 　 ＼＼　　　　　　　 　 |..ﾞ┌┘└┐../'!　　　　 ／
　　 　 　 ＼＼..　　　　　 　 |..ﾞ└┐┌┘..　!　 　 ／／
　　　　　 　 ＼　　　　 |＼.....　┌┘└┐　　〈〉〈〉ｒ┐
　　　　　　　　 ＼　 　 |　 ＼　| ￣|/￣　 　 　 　くノ
　　　　　　　＿＿＿＿|　|＼＼／＼//　　／ ／
　　　　　 　 ＼　　＿＿__|　 ＼／＼/　／ ／　 ＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　 ＼ ＼　 　 　 　 　 　 ／　　￣￣　 ＿＿　　　　　／
　　　　　　　　　　＼ ＼　　__lV ､＿　￣￣￣￣￣―　""　　 ／　―――
　　　　　　　　　　 /　 /　,　>　 へ´　　｀ ､￣￣ 　 　 　 　 ／　――
　　 　 　 　 　 　 /　 /／/　 Y　l＼　　　　＼　　 　 　 　 く　――――――
　　　　　　　　　/　　／./　　　　!　 ＼　 |￣　　　　　　　　 ＼
　　 　 　 　 　 /　／ //　　／! .! l＼　＼l　　 !￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　 /／　..//　／　...! l l　　＼ 　 　 | 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 /　　　//／／ |　.l l ｌ　　　 ＼ 　 | 　 　 　 　 ＼
　　　　 /　/　　　/　／　　 ｌ　∥ｌ　　　　　＼ | 　 　 　 　 ＼＼
.　　　 /　/　 　 /／　　　　 l　　.i　　　　　　 ｀　　　　　　　　＼＼



　　　 　ヽ､　　il ヽ,ヽ,ﾊ　|　|　|　|　　　リ　,,　 //　／　// /　/　/　/ /
　　　　　 'iﾐﾐﾐ､,ヽ ヽヽ, i i, |　 |　|　/ | / / ///／ ／/ / / /　/　 / /
　　　　 　 |ﾐﾐﾐﾐ ヽ ヽ ヽ l i,|　|　|　l　i l / /´/　／／／　／／　／/ /
　　　　　 ﾉ｀'-､,__｀ヽヽヽ´ゝi　| l　l ,i i / / / ／／／　／／　　 _,,‐'´
　　　　　|三三二｀-　　／;;;;｀　　|　ﾚ´´/ ／　／　／／　 _,,-'´　　　　　 ノ
　　　　　|三三;;;;;/　／;;;;;;;;;;　　　) /''´i ヽ　／　／／　 ／　　　　　／￣
　　　　　）三彡;　 ,/;;;;;;;;;;;;;;;　　 //　 　 l |　　　 .ﾉl　 ／　　　 　 ／彡／　　／
-､　　　 （彡　;;;;;r',,____;;;;;;;;;;　　 |.|　　;;;　l|　　 　,i ﾉ /　　　　　 /彡／彡／
_,,,|　　　 ヽ,彡;;;;:|>_;_;_;_'_'_'''　　 ||　　　;;;;||　　　//　l　　　　　ノ三三二===
--l　　　　 i;;;彡,ﾉ. i´::::::｀i''''-　　ヽ　‐---,,,_____//　（　　　　 ﾉ三三三二二ﾆ==
彡|　　　 　 |;;;;;/￣｀ﾞﾞﾆ´==_ | 　　　-'--;,-;-;;;,二,,''''）　 ,,,.‐'´ミ＼　　＼
　/ヽ､　　　|'´/;;;;;;;;;｀''''''''　ノ;;;;;;;　　 ''--l,, :::::::ﾉ　 ｀ﾉ　 l´ |　| ミ＼　＼　＼
彡彡,i､　　 ｀''i,,,-‐､,　,,..‐i´;;;;;;;::　　　;;;;;;｀￣｀''''ﾆﾆ/　 ﾉ |　|ミミヽ,＼　＼　＼
‐､　冫i　　　 _r-､,,　i ゝ┃　 ''　　　　　:::;;;;;;;;;:: __,ﾉ　／　/　 / /´｀iヽヽ＼＼　＼
　 ｀ヽﾐ｀''ーi'´ ヽ　i､ '-,┃｀ ┃　　　　 ;;;; _f''''´　 ／　　/　/　/7 /ヽ　＼　＼＼
　　　|彡|, 　l 　 ｀ヽヽ､ i‐--┃__　　　 ,/´ ノ´￣　　　;;;;;/ /ノ ///ヽ＼＼＼ ＼
　　　|彡 ;;　,｀i,'''　 ｀ヽi､l　　　　 ｀''''''''',| l",ﾌ　　　 ;;;;; _,-'''´　/　//＼　＼ ＼＼
　　　|｀''''''ゞ. 　'i,　'''　┃'i''ー,,------i-┃i ;;;;;;;;;;;;;;;ril' 　 ,／　　 //　 , ヽi-､＼＼
　 　 l　〃　_,／ i,　　┃-'-,,,┃　　　 l ┃ l;;;;;;;;;;;／ﾉ ｀'‐"＼＼　　＼＼l　　＼
　　　l　 く´''''/ 　 i,　┃ 　　 ┃　　　,l ┃ﾉ ;;;;;／;/,　 i, ヽ,＼＼＼　＼＼ヽ,
　　　i､ ﾉ;;ヽ,／／　i,┃　 　 ┃　　　l　┃|_,-';;;;;;/　ヽ,　i, ヽ,＼＼ ＼　＼＼ヽ
　　　　l､;;;;;;ヽ_,..,／. i┃. i 　┃ 　 　ﾉ_,┃´;;;;;;;;;/ヽ　 |ヽ i,ヽ i, i＼＼ ＼ l　＼＼ヽ
,,､　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;｀''''''｀r-J,__┃_,,-'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;/| |ヽ　| ヽ l,ヽ,ヽﾄ､＼＼＼|

　 　 　 王を庇った王孫由于は肩を撃たれ倒れたが そのおかげで王は逃れることが出来たという

───楚子涉睢濟江、入于雲中、
　 　 　 王寢、盜攻之、以戈撃王、王孫由于以背受之、中肩

　 　 　 楚子睢（すい）を涉（わた）り江を濟（わた）り 雲中（雲夢のこと）に入る
　 　 　 王の寢るに 盜これを攻め 戈をもって王を撃つ 王孫由于背をもってこれを受け 肩に中（あた）る

　 　 　 楚王は睢水を渡り長江を渡って夢雲に入った
　 　 　 王が寝ていたところ 盗賊がこれを襲い 戈をもって王に撃ちかかった
　 　 　 王孫由于が王を庇ってこれを受け 肩に中った

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（春秋左氏伝 定公四年）


.　　 　 　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣＼
.　　 　 　 　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
.　　 　 　 　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
.　　　 　 　 |;:;:_:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;:_:;_:;:_;:_;:|
.　　　 　 　 |＿＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿|
.　 　 　 　 ||ｉ: :: :ｌへ､_|ｌ:|:| :|: |:ｌ:ﾊ: ｌ: ::: {Ｖ}　　　　　　由于…そなたの命 無駄にはせぬでおじゃ！
.　 　 　 　 | ｉ:: ::|　 __､ ﾚﾊ　,___　ﾊ:ｌ:: :: M
.　 　 　 　 ｌ ｉ: ::ｉ 　○}liiiiiiiil{○ u　Vｌ:: ::M
.　　　 　 　 ｌｉ: ::|　　"　＿＿　 　　/: : :OO
　　　　　 _ril.ﾞｌ:: :|:ヽ　 |!!il|!|!l|　 U/: :/: :: | |
　　　　　 l_!!!ﾞｌ∧Ｖﾊ`,|ｪｪｪｪ|イﾊ:/: :ﾊ ﾉﾉ -―--､　、
　　　　　 | ! !_!|i::::::::: ﾞ＾＾ｰ''´:::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::,..､::｀ヽ
　 　 　 　 ! ',　,|!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ／---‐'´｀＼::::＼
　　　　　　!､_,ｲ:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::|　　　　 　　 ＼:::ヽ､_
　　　　　　',::::::',::::::|ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::l　　　　　　　　 ヽ'◎ ヽ
　　　　　　 ',:::::::',::::!　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::,!　　　　　　　 　 ヽ __　'､
　　　　　　　',:::::::::::|　　 ',::::::::::::::::::::::::::::/|　　　　　　　　　　ヽゞｰ'


　 　 　 危ういところを逃れた楚王は雲夢の北 漢水沿いの鄖（うん）の邑へと逃れた

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｨ ―
　　　　　　 　 　 　 　 , -‐　￣＜:.:.:.:.:.:.:.:.￣:ヽ
　　　　　　　　　　 _ノ:.:.　＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀￣｀ヽ
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　　　　　　 {:.:.:.:.:.:.:.／ヽ:{ﾚ′　 '乂ｿ　゛　　　　，_‐､ }:.:.:i!:.ﾄ:.:′
　　　　　 　 V:.:.:.:.〈 ヽ i:j　　　　　｀ 　 　 　 　,rうヾ_/:,ｲ:.:.ハ!
　　　　　　　 V:.:.:.:.ヽ_　　　　　　　　　　　　､ 乂八 :./ !:/　　　　　どうしたのこの騒ぎは！？
　　　 　 　 　 _!v - ､ﾑ 　 　 　 u.　　　　　　 >　 ﾊノ
　　　　　　（（　人__ﾉ!
　　　　　　 ≧:.:.:.:ヽ:ﾉ 　 　 ､ 　 　 　 ´_　）　　ノ
　　 , ＜:.:.:.／:.:.:.:.:∧　　　　 ＼
_／:.ィ:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ-　 _　 　 /　 ､　_ ／
"／:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.} 　 　 ｀ く
/:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:i　　　　　　　､
:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./　!:.ﾘ　　　　　＿＿＞､
:.:＞イ:.:.:.:.:.:.:.:.:/ 　 l:/　_. .-‐: : : : : : : : : ＼
【季羋畀我（きびひが）】
楚王の妹 楚王とともに楚都を脱出した
岩男潤子さんの本復を心よりお祈り申し上げます


　　　　　　　　　　　　　 _,､ィ'' " ~｀`ヽVi_
　　　　　　　　 _ ､__,.r'':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`"ヽ
　　　　　　　 _,＞´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　ヲ::::::::::::::::::＿:::::､､ヾ|!ﾚ/;:;:;＿;:;__:::::::::L_
　　　　　　 ‐ﾆ;::::::::::::F´　　 ￣｀｀´´￣　　 　 ミ::::::;ｋ、
　　　　　　　　７:::::::::|゛ _..,,__　　 U　u　　_,,､、`l::::::ド
　　　　　　　　f'ﾌ┐::l　 , -‐｀¨'<゛　７''"´丶、 ｣::;r'`
　　　　　　　　　　 ｣:l　/　 　 ｡　}　 {　 ｡　　 }　|:{、　　　　 　 賊や！
　　　　　 　 　 　 〈ｎl, ヽ　　 _ ノｲlﾊゝ- ､ _,ノ　!/ }
　　　　　　　　　　 l ,ﾊ　 ￣‐'''´ ・・　 ｀`''‐ 　 ｌ) /　　　　　　 公女 あんたも早う逃げるんや！！
　　　　　　　　　　 ヽ )!　　　　　　　 ＿_ 　 u !_/
　　　　 　 　 　 　 　 `ﾍ　,ィi"二二´- ､い ､/
　　　　　　　 　 　 　 　 ヽゞ、r:::::::ｖ‐::-､_ﾉ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 ＞｀ｰ-‐--‐'',.イヽ　　 　 ＿＿_
　　　　　　　　　　　　　／''>┘ﾆｰ─ ´､::::::｣ァ:ﾂ´/:::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　└＜／:::::::|.|::::::::::::::::::: /　/ ::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::|｣::::::::::::::::: /　/ :::::::::::::::::::::::::::: ヽ、
　　　　　　　　　　　_,,ィ''´::::::::::::::::::::::::::::::::::/　/ :::::::::::::::::::::::::::::::::::: l
　　　　　　　 _,､-''´//:::::::::::::::::::::::::::::::::::: /　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　 ,ィ::::|　　 |:l::::::::::::::::::::::::::::::::::/:/　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: j
【鐘建（しょう・けん）】
楚の臣 この物語では畀我の護衛を命ぜられている

　　　　　　　　　　 ≦｀¨´　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　' ,
　　　　　　　 _,　ィ´　　　　　　 /い　/¨ヽ/　　　　　 ＼_!
　　　　　　　￣フ　ィ　　　　　 |^^^｀´^^"|　　　　　　　　｀＞
　　　　　　　　イ´　,　　　　　,ｲ　　　　　 l　　　　　　　 ≦、
　　　　　　　　/ ／　　　 　./N　　　　i　 .V! ./V!　　　ヽ　ヽ
　　　　　　　　ｲ./　　/l /｣/_＿__,'　　 ゝｰ-V-‐弋、　 　 ＼ヽ　　　　　でも…お兄さまが…！！
　　　　　　　　./　,ｲ/l　　 ,kr:::、::. 　　　ヽ ,kr:::. ､,_N｀ヽ、　' ﾉ
　　　　　　　　ｌ　/ /ハ　_ｙ i::r!j` 　 　 　　 ,r!::ｿ_ '´ }いハ　/
　　　　　　　　.V　.ゝヾﾍ　｀　 ´　　 ,　　　　　　 ｀　.ト/⌒V
　　　　　　　　　　　 rヘ_!　　∴　　j!　　　　　∴　f⌒Y
　　　　　　　　　　　弋ｆ⌒',　　　　　｀.＿ 　 　　　人_,人
　　　　　　　　　 ／　弋,__入　　　　「　 ヽ　　 ／　 |　　＼
　　　　ゝ、_＿_/　　　　/　 　＞､. 　ゝ- ′.／ | 　 .|　　　 ヽ,
　　 ≦　　　　　　　　 / 　 　　　| ｀ヽ __, イ 　 .|　　,'　　　　ハ
＜´　　　　　　　　　 / 　 　　　 .|　　　　　　　 .|　 /ィ　　　 　.|
　　≧ｰ--ヘメ 　 ／　　　　　 __j　　　 　 　 　 !､__　|　　　　 .}
　　　　　 ／　__／　　　 ＿_,ノ「ﾉ　　　　　　 　.ﾍ, ∧!　　　　/
　　　　　　￣　　_＿＜´　　　 .V　　　　　　　　　/　 ＼/!　/
　　　　　　,､-‐'´:.:.:.:.:.:.:＼　　 　' ,ー-　　 --―./　　　　＞､
　　　　　　｢〉,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　＼　　　　　 /　　　.／:.:.:.:.:.:.:.:.:....、
　　　　 　 /　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　ヽ.　　　 /　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/}



　　　　　　　　　　　　　 _,､ィ'' " ~｀`ヽVi_
　　　　　　　　 _ ､__,.r'':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`"ヽ
　　　　　　　 _,＞´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　ヲ::::::::::::::::::＿:::::､､ヾ|!ﾚ/;:;:;＿;:;__:::::::::L_
　　　　　　 ‐ﾆ;::::::::::::F´　　 ￣｀｀´´￣　　 　 ミ::::::;ｋ、
　　　　　　　　７:::::::::|　　　　　　　　　　 　 　 `l::::::ド 　 　 　 　 なに言うてんねや！
　　　　　　　　f'ﾌ┐::l゛ ＼_　　　　　　　　_,／ ｣::;r'`
　　　　　　　　　　 ｣:l　／　｀`'<゛} `ｧ=''"´丶、 |:{、　　　　　　　あんたが行って何が出来る！？
　　　　　 　 　 　 〈ｎl, ヽ　{:i:}_ノｲ lﾊゝ､{i}_,ﾉ 　 !/ }
　　　　　　　　　　 l ,ﾊ　 ￣‐'''´ 〈{　 ｀`''‐　　.ｌ) /　 　 　 　 　 .むしろ進んで酷い目に遭いに行くようなもんや！
　　　　　　　　　　 ヽ )i 　 ィi"二二´二い　　.!_/
　 　 　 　 　 　 　 　 `ﾍ　{｀　　　　　　　´}､ /
　　　　　　　 　 　 　 　 ヽゞ、r:::::::ｖ‐::-､_ﾉ ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 ＞｀ｰ-‐--‐'',.イヽ　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　／''>┘ﾆｰ-:ｧ⌒ヽ､｣ァ:ﾂ´/:::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　└＜／:::::::|.|::::>､:::ノｿ　`''ヾ、:::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::|｣::::|　　ﾘ　　l　　└ ､::_:::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　_,,ィ''´:::::::::::::::::／__ヽ| ､　 j　　 ,　 ｜ヾ::::::::::::::::l
　　　　　　　 _,､-''´//:::::::::::::::::::::::} ´　｀- ､ _/ 　 / 　 ﾉ　 |l::::::::::::::::|
　　　　　 ,ィ::::|　　 |:l::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿（_〕）___／　／　 _,,ﾘ:::::::::::::::j
　 　 　 /:::::::::|　　 |:l::::::::::::::::::::::::::::::::::l::|￣ |:::::`弋´､- '´:::::::::::::::::::/
　　　 /::::::::::::|　　 |:l::::::::::::::::::::::::::::::::::l::|　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/

　　　　　　　　　　　　 　 _＿.....
　　　　　　　　＿､ゞｒｍィＷ::イｚｧ｀ヽ､_
　　　　　 　　 そ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　 ,ゝ:::::::::_::;;;;;::;;::::;;-; -ィ;;;;:::;::Zﾍ　　　　　　（んな事になったら 助かったとしても俺の身の破滅やないか…
　　　　　　　 ,ィ::::::{´ ｀　　｀´　　　　　ゝ:ゝ'}
　　　　　　　　 彡j ,, ＿... i　l_,,,,-;;'''''　 }:::::从　 　 　 　 えーいまだるっこしいわ！）
　　　　　　　　　 'f､ ィﾍテヽ ｀ ' ゞ｀ゝ　ゝ:::ﾐ
　　　　　　　　　　,j!　　　く{ _　　　　　 j/,｀ヽ
　　　　　　　　 　 {,ﾍ　　　　　　　　.u　 r') /
　　　　　　　　　　 ヽ'､ 　 '￣｀ヽ　　 　,.／
　　　　　　　　　　　 ｀ヽ.　 ｀　　 　 , イ´
　　　　　　　　　　　　 　＼＿　, _', .-⊥_
　　　　 , ､ ＿..　　　 ／７7ゞ7ﾍ ＼ _r｀ゝ> ＿.. -, ...._
　　 ／:::::::l　 　 ヽ--ゝ／::::ij:::::ゝ'::´::::-::''７':::::／:::::::::::ヽ
. ／＿__::ハ　 　 ,ﾉ::::｀丶ニ≠-─::'´:::;ィ' _..ノ:::::::::::＿__::ﾍ
'ニニ ヽヽ::::ｉ　 r;':::::::｀ヽ::{_..　-─ …'‐- '､∠::-:'´:::::::::::｀::ﾍ
'ィヽ_ヽ.ゝｊヽ｣＿l!-─ '' ´ 　　　　　　　　 /,::-､∠三::ミ::-::､:}
::::/:::::::::::l´　　　　　　　　　　　 　_,. ---┴z::::::::::::::::::::::｀ヽ:Y
::::{＿.::- ﾍ　　　　　　　　 _　- '´　|:::::::￣￣l!:::::::::::::::::::::::::::::ヽ.
::::l:::::::::::::::ﾍ　　　 　_　- ´ 　 　 　 |──-::-lrヽ::,:::::::::::::::::::::::ﾉ
∨-::─:::::::ﾍ__, - ´　 　 　　　 　 /:::::::::::::::://::l::j::::::::::::::::::::::::{


　＿/＼／＼/＼／|＿
　＼　　 　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　/
　＜ ええから来い！＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　/
　／　 　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　＿　　　 　 　　/
　 ￣|／＼/＼/＼/￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /￣　　￣ヽ､　　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿ -‐-　_　　 　　　　 　　/　　　　　　　 ', 　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 _　 -‐　　　　　　　ー　_　　　　 /　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　＿＿,,,　　　　　　　　　ｘ-‐'　　　　::::::ヘ　 　Y
　　　　　　　　　　　　　 　 /　 _∠／　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　:::::::::Y　j
　　　　　　　　 　 　 　 　 （￣　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　 :::::::|ﾍ}
　　　　　　　　　　　　　　 | ｰｧ､一､- ､ _　　　　 /　　　 ,＿:::.....　　　 　:::::::|;;;}
　　　　　　　　　　　　　　 ､_ﾉ　＼　j＼_）ー-- ｨ　　／　　　　　ヽ、　　　:::::ﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀~　　　　 　 / 　人　　　　　　　ヽ　 　::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ'　 .|　　　　　　 　 ﾍ.　　::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 　　　　 　 ﾊ　　::j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　ﾊ::....:ﾉ　　　　　　 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜　　　あっ…！　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂


　 　 　 この混乱の中 鐘建は季羋畀我を背負って脱出したと言う

　 　 　 なお王孫由于も死んでおらず しばらくしてから息を吹き返して王の後を追ったもよう

　 　 　 　 　 　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /...　;;;;;;;;;;;;　　　　　/;;;;;;;;;;;;;; /;;:::　　　　　　|
　 　 　 　 　 ＿|　 ＼/＼/　　 ＼／＼/　|∧／　/／/.　　　 　 　 　 　 /;;;;;;;;;;;;　 /ヽ;::　　　　　_,ﾉ|
　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/　　　　　　 　 　 /:;;;;　　　,,;/　 |　　　 　　 　 |
　 　 　 　 　 ∠　　鉄の由于と呼びたまえ！ 　 　 ＞...＼　　　　:::　/　　　　.:;;/　 　|　;:::　　　　　|
　 　 　 　 　 ／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ＼　　　 　 ,,;;;::　/　　　;;　;/　　 　|;:::　 　 　 　 |
　 　 　 　 　 ￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣. ::::　　 ;::　　,,ﾉ　　　　　/　;;; 彡 l;;;;　　　　 　 |
　　　 　 　 　 　 /／　　　|/　　 　 ＼/　　 　 ＼| 　 　 ;:::　　ノ　／/　　　　 /;; ,-'　 　 l::;;;　　　　 　 l
　　　　　　　　　　　　,'ﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　　　 ,,,|　　＼,ﾉ;;;　＿＿_;:,,::,,,,,,',,,,,,/,,,＿_　:;;:/ :;　　　 　l　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　 ,'　　　""""　　　,ﾉ　ﾐﾐ､_,）ﾆﾆi:::r‐ー──‐､:::r---,,'ﾆﾆ'､　 　 　 　 l;;;;... 　　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　,'　　　　　　　　　/　　ヽ|| ヽ__,,|::L,,,,＿＿,,／::::L___,...-‐´:'=-　　　　　l　;;;;;;;;;;,,,,　 　ヽ,
　　　　　　　　　　 /　　ﾞﾞﾞﾞ　　　　　/ 　ヽﾐ ,,l'''´::::::::::::::::__;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::彡"´　　　　l;;;;,,,,,,,,,,　　　 iヽ
　　　　　　　　 　 /.....,,,,,,,,,,,,,,,,,　　 /　　ヽ､_l´::::::::::::::;-'´　　　 　 ､　 　｀'-､　::::::ﾆ=-　　 　|;;;;;;;;;;;; 　　 _,,,-i､
　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::　 / 　 　 　 l::::::::::::;/　　　　　　　 ',　　　 　｀ﾞ'､::::＞　　　　ﾚ'''｀l'｀｀´''´ 　|
　　　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ./　__ﾆ､__ﾐ::::::::::::::l　　　　　　　　　',　　　　　　l::(,,-　 　 　　 　 l;;;;;;;　 　 |
　　　　　　　 /^l/'''''ﾚ''-､,.r､;;;;;;;l　　　ﾆﾆ;:::::::::::::::l　　　　　　　　　　l　　　　 　 l<,,-'´　 　 　　　 l;;;;;;;;,,, 　l
　　　　　　　　 /;;;;　　　 ;;;;;/;l^||　　　　　;;::::::::r'´/　　　　　　　　　,l　　　　　　l::/　　　 　 　　 　l; 　 　 　 l
　　　　　　 _,,.ィ__;;;　　　:;;;/　　´　　　　 ,':::::::::i:::::l　　　　　　　　　ﾉ　　　　 　 ,':::=-'´　　　　 　 　l;　 ;;;;; 　 l
　　 _,r‐';"´　　　｀ﾞ'‐､_ 　,'　　　　　　　 ,':::::::::::'､:i､　　　　　　　 ノ　　　　　_,ノ:::ﾉ|_　ヽ､　　　　　　l;;;; 　 　｀'ー─､
　　/　,.　:::::;;;; 　　　　　 ,'　　　　 __,,-"ﾉ:::::::::::::::!_:'､｀'''ー-.,,,,.-'´｀''ー─‐'";__;;;ﾉ::::ヽ　　｀　-､_　　;ﾉ､,,,__,,.-'´　 ,.､ |
　/　 /　 /　　r'　　　　 |　 ．' '' ´　　l::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::_,r-､_,,-,,,__::::::_,'´::::::::::::::ﾐ｀ヽ　　　　｀　(::::::　　_,,.-‐,'ゝノ
　ゝ､i　　i　 　 l　　 ﾉ　 ﾉ　　 　 　 　 |::::::::::::::::::::｀'''''ﾞﾚ--'":/　´ l:::::::::｀'´::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　｀'､-､,,,,'二)-'´
　　　｀--｀-‐"'､_,,,/｀'''´　-'　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l｀ヽ　　ヽ､　　　ゝ‐-‐'
　　　　　　　　　　　　 ''´ 　　　　 _,'/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　 ; ;　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　 ヽ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　; ;;　　i,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　 ､　　 ヽ､
　　　　　　　　　　-'''´ 　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　 　 ;; ;　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ｀


───王奔鄖、鍾建負季羋以從、由于徐蘇而從

　 　 　 王鄖に奔り 鍾建季羋を負いて以て從う 由于徐（おもむろ）に蘇り而して從う

　 　 　 王は鄖に逃げ 鍾建は季羋を背負って従った 由于はしばらくして息を吹き返し王に従った

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（春秋左氏伝 定公四年）

───楚王たちが逃げ込んだ鄖は長江の支流 漢水に面する邑であり 古くから楚の影響下にあった


【楚王逃走経路】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣○￣｀ｰ､　 　 　 {　　　　　　　　　＿,.-‐'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　葉　　　　｀}_　　 }　　　 　 ＿_／
　　　　　　　　　　　　　　　堂谿○　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ-{ 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ｰr‐'￣
　　　 ○宛　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ○蔡　　　　　　　　　 r―'´○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 沂○　　　　　　　　 ,.----'´￣　　 　豫章
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○息 　 　 _/
　　 　 　 　 　 　 　 ｀ー――､＿＿/￣￣￣￣￣￣￣


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 }￣ｰ'￣}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰv'￣　　　 ／
　　ヽ　　　 　 　 　 唐○i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 r―'￣
　 　 ￣￣|　　　　　随○｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 }
　 　 　 　 |　　 　 　 　 　 　 'ｰ,◎鄖　 　 　 　 　 　○柏挙　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 r'
　 　 　 　 |　　　　　　 　 　 　 ヽ_,_　　　　　　　　　 ▲小別山　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ
　 　 　 　 |　　　　　　 　 　 .↑ 　.ヽ　乂雍澨　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 r―'
　 　 　 　 |＿_ 　 ┌───┘　　...｀ー-,　　　　　　　▲大別山　　　　　　　　　　_,.-‐'
.　　　　　　 　 |　 │　　　　..＿＿＿＿＿＞-―‐､　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　 ヽ_■雲夢　 |　　　　　　　| 　 　 　 ＼_　　　　　　　　　　　 　 　 　 |
.　　　　　 　 　 　 ￣￣ヽ＿ﾉ　　　　　 　 |　　　　　　　￣|　　　　　　　　　　 ＿r‐'´
..　　　　　　　 　 ↑　　　　　 　 　 ＿＿_/　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　 ＿/
..　　　　　　┌─┘　○麇 　 　 　 ￣7　　　　　　　　　　　 'ｰ-､＿＿＿イ
　　　　 ヽ_ ◎郢　　　　　　　　　　／
.　　　　　__）　　_,.__　　　　　＿r‐'
　　　　　'ー'´￣　 |　　　 ／
　　　　　　 　 　 　 ｀ヽ　r'
　　　　　　　　　　　　 ＞'

　 　 　 現在 この邑を治める鄖公は 楚の王室に連なる闘辛（とう・しん）という男であった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /|￣　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　ｌ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　|　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /＿＿ﾚ´￣　￣丶|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 　 ｌ 大 ｌ　　　　　　　 　 ',
　　　はっはっ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〃　　　| 人 |　　　　　　　　　 ｌ　ト
　　　王よ 大変だったのう　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ　/￣＼, ､ 　／￣＼ 　 　 　 |ノ }|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　{　　 0{　 ¨{　 0　　/　 　 　 |／ |
　　　だがここ鄖は今のところ安全じゃ　　　　　　　　　 ｌ　　ｰ‐ ﾉ 　　｀ ー　'　　　　　 ｌ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ',　 　 （､　　 ｒｚ─ ､　　　 　 /|　　ｌ
　　　我らがお守りしよう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /´｀¨¨¨´ 　 　 ヽ　 　 /;’ 　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　| 　 ── ' 　 　 |　 ／/ :|／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 -‐ｒ: : : ;乂　　　　　　　ノ／／ 　 「＼＿
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 --─ｒ─＝─＜ 　 /: : ::/ i＼＞─一＜／／ 　 / ／: : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　 　 ／　　　　　　　 / : : /　ﾉ　丶　＿　　イノ　　{／ : : ／￣￣｀ｰ ､
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　 ´￣/ : : /￣｀ヽ〉 　 　 ／　/ 　 ／ : : ／　＼　　　　　＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　/ 　　　　　　　 　 　 / : : /　　　　 ＼L　-─┴:／ : : ／´￣＞─ ､＿　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/　　 {　 　 　 　 /　／　／ : : /　　　 　 ／　 　 　 ／ : : ／　　　/　　　　　　￣￣　＼
　　　　　　　　　 　 　 ／ 　 ー┴　　＿ | | /　／: : : : /　 　 　 У￣ 　 　 / : : : /　　　　　　　 ／　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　【闘辛（とう・しん）】
　　　　　　　　　　　　鄖公 楚王 若敖（じゃくごう）から分かれた宗族


　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　　 　 　 　 ／:;:;:;:;:;:;:;:;:i:;:;:;:;:;:;:;:＼
　　　　　　 　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　　　　　 　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　　　　　 　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　　　　　 　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　　　　　 　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　　　　　 　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　　　　　 　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　 　 　 　 　 |＿＿＿＿_|＿＿＿＿|
　　　　　　 /: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ
　　　　　　j: : :イ斗‐!: |　 |:l:|-:､T ｫ:　::!
　　　　　　|: .: :.|: |r‐i､ l 　|:l:|r‐ ､: |: 　}
　　　　　　ﾚ:.:.:|:!:ｲ　ヽ:| 　ヽl　　∨:i: ﾚ　　　　　　おお…鄖公の情けが身にしみるでおじゃ
　　　　　　|: |（|: :.|　＝　　　　＝ |:.:|）|
　　　　　　lN:. |: :.|　 ||. ､_,､_,　||　il.:|: | 　 　 　 　 これで漸く人心地つけるでおじゃ
　　　　　　　|:.:|:. :|ヽ /⌒!　　 .ｲ:/⌒i|
　　　　　　　Nl!: :.|ｲ/　 /ァ ≦j/　 /j
　　　　　　　　ヽ:.l ,ﾍ__∧ l_／ﾍ､__∧

>>911
若敖氏の生き残りが居たのか！

　　　　　　　　　　　　　　 　 丶､ ＼ 　｀､　',　!　/　,. ´　／　,　'　 ,.-
　　　　　　　　　 　 　 　 _　｀ -､　　　　　　　。　　 　 　 　 　 　 　 ,、　 　 ,.-､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ‐-　　　　　 　 　 l｢￣｀ ｰ- ､　　　 　 / |　　 /〃/
　　　　　　　　　　　　　　 ─　　　　　　　　　|| 　　 　 　 ＞　　 ┤├ ／ゝ-'
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 -‐　　　　　　　　lｌ＿_ ,, -‐'´　　　　 |　ﾚ' ／
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.-'´　 　 　 　 　 ||　 　 　 　 　 　 　 |　／　　/l
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '´ ／　 ＿＿＿＿＿__.　 ＼ ｀ 、|　|　 /|│レ'７　／|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／:;:;:;:;:;:;:;:;:i:;:;:;:;:;:;:;:＼　　　　|　レ' /ノ　／／ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|.　　　 ヽ__∠-'l └" ／　／|／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|.　　　 　 　 ／ 　／　∠ィ 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|..　　　　　/　／|│ 　 ／ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|.　　　　 /／ 　 |│　　￣ /|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|　　　　　　　　　V　　　　 |│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|　　　　　　　　 　 　 　 　 |│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |│ ,
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |＿＿＿＿_|＿＿＿＿|　　　　　　　　　　　　 　 | ﾚ' |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 　 :レ'! |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　j: : :イ斗‐!: |　 |:l:|-:､T ｫ:　::!　　　　　　　　　　　　　　 |│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: .: :.|: |r‐i､ l 　|:l:|r‐ ､: |: 　}　　　　　 　 　 　 　 　 　 |│ /７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ:.:.:|:!:ｲ　ヽ:| 　ヽl　　∨:i: ﾚ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / / /
　 　 　 　 　 　 　 えっ　　 　 　 |: |（|: :.|　＝　　　　＝ |:.:|）|　　　　　　　　　 　 　 ／l.　/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　lN:. |: :.|　 ||. ､_,､_,　||　il.:|: |　　　　　　 　 　 　 ／／　/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:|:. :|ヽ /⌒!　　 .ｲ:/⌒i|　　　　　　　　　　 |／　　/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Nl!: :.|ｲ/　 /ァ ≦j/　 /j　　　　　　　　　　　　 　 / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:.l ,ﾍ__∧ l_／ﾍ､__∧　　　　　　　 　 　 　 　 /ノ

　 　 　 前世で何かしたのかというレベル

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,..　-一-　、　　c　　　　 ∧__｀ヽ　　　　　　　 　 のわっ！？
　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.-＜￣ヽ　　　　　　 ｀ヽ,,_　 　 ,ｨ´_/＾ヽ＼i　っ
　　　　　　　　　　　　　 /　　_ヽ:_:ﾉ　　　　　　　　　ﾞ ｀ヽf,(´‘j’　 }　 i　　　 っ　　　 懐（かい） 何をしとるんじゃ！？
　　　　　　　　　　, -一' ,-　 　 ） ＼,,_＿_,:　　　　レ　 /,～(_c)ﾆ,ヽ　|､,ﾍ
　　　　　　　　 とノ_フｰ'_,.ｨ=､　｛　　　　　ヽ､＿／　　｛ {:`:ｰ'-;':‐:} |,ハ￣｀ヽ,,＿
　　　　　　　　 ／,(-イ/´　　 `ｰ'　 　 　 　 　 /　　　　ゞ=ニヾ:_:ノ/／　　 ¨´　　 ｀`ー--､
　　　　　　　　 `´　　L）　　　　　　　　　　 　 l　　　　　,- ´__冫='"　　　, _　 　 　 ／　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ､　　　/　 　 　 　 　 　 /´ -　 　 /　　　　　 }
　　　　　　　　　　 　 　 　 , -─-､　 　 　 　 {,　｀,二,'ヽ、　　　　　　 , '　 /ｰ--‐ゝ､,,.. --､ /
　　　　　　　　　　　　　 _,/　　　　 ヽ　 　 　 / ／　i　ヽ ＼_＿　-‐'´　 ノ　　　　　 }:_:_:_:_/
　　　　　　　　　　 　 ／　　　-=　　 ト、　　 j ,'　　,__ 　 ヽ　　　 ,/-‐''´ 　 　 　 r- '´､ヽヾ=ｰ､
　　　　　　　　　　　/　　 　 　 　 ,.i　　 ヽ_,ｲ　　 _/_　　　,!　　_ノ　　　 　 　 　 r'_,ノ-ヘ_jﾍ ,! ﾄ'
　 　 　 　 　 　 　 /-.、　　　　　 l. 'i　　　ヾ:｀:ｰ:.'_　　　　′ /　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀＾′
　　　　　　　　　 /.: : :`i.　　　　 /　 ′　　 i: : : : :｀:¨:ｰ:-:‐:‐{


　　_,､,-､ﾍ　　　　　 ,..:::::::::::::::::::.､
ﾞ､ﾍ ﾍ ﾍ ﾍ　　　　 /::::::::::::::::::::::::::ﾞ:､
　ﾞ､ﾍ ﾍ ﾍ ﾍ　　　l:::::::::::::::::::::::::::::::::.|　　　　 　 　 知れたことよ！
　　ﾞ､ﾍ ﾍ ﾍ ﾍ　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::::::.l
　 　 ﾞ､ﾍ ﾍ ﾍ ,〉, l::::,.ｰ-----ｰｰ､:::::l　　　　　　　楚王めを斬るのだ
　　　　ﾞr'ﾞ,:'ﾞ´:::::ﾍ.V,大-､ T ,.イﾞ;.ﾞ-'j
　　　 r''ヽ＼::::::::::::l |ﾍ ｀´.| ｀´ ﾉレ'-ｯ,
　　　 ﾞ'､_)＼ヽ:::::::::ﾞl　ﾞl　 .|　 ,/ ,／／ﾞ'-､
　　　　 l´ﾞ､　>ﾞ'´,.--l　 ｀'ｰ''" / ,/　　 ,..-‐｀ﾞ''''ｰ..､
　　　　 |:::::ﾞ､'イ　 ,.--ﾞ､　　 ,/ ,/　　　l:::::::::::::::::::::::::::ﾞl,
　　　　 ,l:::::::::|ﾞv'"　　　ヽ､,/ /　,.-''"´ﾞ､::::::::::::::::::::::::::.l
　　　　/ ＼;;;|　l　　　　　､＼,-'"　　　　 ＼::::::::::::::::::;l
　　　 |　　　 |　 ﾞl　　:.　　　　ﾞ､　　　　l　　　＼:::::::ノ
　　 　.|　　　 |　　l　　 :.　　　　ﾞ　　　ﾉ　　　　,-ﾞ'"|
　 ,.ィ´ ﾞ-､____＼　 ﾞ､　　　　　　　　　　　　ﾉ ﾉ　 /
''"　　　　　　　,..|　　ﾞ､　　　 r----,　　／／　　/
.|　　　　　ノ,ノ　ﾞ､_　　｀ﾞ''レ'r---,ﾉ---'"　　 /
ノ----ー'''"　　　 ｀lﾞ'''ー-､￣￣´　　　　　,ｲ
【闘懐（とう・かい）】
闘辛の弟

　　　　　　　　　　　 /　.|　　＼
　　　　　　　　　　 /　　 |　　　　ヽ.
　　　　　　　　　　┴ 　┴　　　　　',
　　　　　 　／　　肉　　　　　＼ 　|
　　　　　 / .へ　　　　　　　　　　V　　　　　 　 な…なぜそのようなことを！？
. 　　　　/ /　　V　　　　　　　　 　',
　　　　/　､ 　･/ `┬'´ ￣`ヽ　　　ｌ　　　　　　 我ら楚王には何の怨みもないではないか
　　　　ｌ　　　ソ 　　､ ･ 　　/ 　　　|/|
　　　　|　　（ ＿ ｎ 　￣￣　　U //　|
　　＿_| ／ ￣￣￣ ＼ 　　　　// 　.!
／ 　　||　　/ ￣ ＼　　',　　／/| 　/
　 　／ﾊ　　ゝ＿＿ ） 　| ／ / ハ/
　イ　/　＼ ＿＿＿＿ノ　／ / 　＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.:'´::::::::: ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ::::::::::::......:::l　　　　　　　　 　 　 　 楚王になくともその父に怨みはあろうが！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:,､;;:_:_:_:_;;;; l､_
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｯく::i:i.ir-_=_-i.l;i::| |ヽ、, _ _　　　　　　　父を殺された怨みは兄者とて同じであろう
　　　　　　　　　　　 　,..r=::.､_,ｲ::', ';:.l.l｀¨::|::´;ﾘ::::| |:: :ii::: ..　｀ヽ、
　　　　　　　　　　 ,.:'´ .. ... .:: :::ヾ::i i:::`ヾ､|,イ:::_:::〉〉:: :ii::::.. .. ..::::',
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───兄弟の父を闘成然（とう・せいぜん）という
　 　 　 楚の前王 平（へい）王の即位に功があり 令尹（れいいん，宰相職）にまでなった男である

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |_|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ＼
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　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ,「l「l「l::|:「l「l「lヽｲ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | l_!l_!l_!:|:l_!l_!l_!　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | | 辷ｿ | 辷ｿ |　|
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　　　　　　　　　//:::::::::::::::::: Y:i'´　{:　 　/　:/　　/: /... /￣/| |
　　　　 　 　 　 | |::::::::::::_＿__| |　 八 　/　:/　　/: /..../￣/...| |￣　｀ヽ
　　　　 　 　 　 | |::::::／...........ﾏﾍ　　 ∨　/　 ／／､.....￣ .... | |
.　　 　 　 　 　 ,| |:::/...........／...ﾏニ二二二二,イ.....∨ ............ |_|　　　 　 　 ＼
　　　　　 　 ／ | |/ ......／|￣￣￣＼|／￣￣￣|......∨............∧　　　　　　　 ',
　　　　 　 ,'　　 ヽi......./.....|￣￣￣＼|／￣￣￣|.........∨............∧　　　　　　 人
　　　　 , ｲ　　　　|..../ ......|￣￣￣＼|／￣￣￣|............∨........... |　　　 　 ／　 }＼
.　　 ／ ＼　　 　 ∨ ....... |￣￣￣＼|／￣￣￣|...............∨...... 人 ＿　イ
　　/　　　　､＿　ｲ＼ ...... ￣￣￣＼|／￣￣￣..............／./.... |　|rく　 　 　 　 　 　 ',
　 ,'　　　　/　 :}　　　ﾄ､　　 　 ＿　 人　＿ 　 　　__ イ..../.........!　!
　　　　　　　／ 　 　 |.....￣....................{..................￣.....∨../........../　 `、　　　ﾄ
　 ﾄ､ ＿　イ　　　　 人.......／￣￣￣￣￣￣￣＼ ....∨........./　　　 ＼　　{　＼
　/　 　 ,'　}　　　／　　＼l.......／￣￣￣￣￣＼....＼...＼／　　　　 　 ＼ i　　　　／
【闘成然（とう・せいぜん）】
曼成然（まん・せいぜん）とも 字は子旗（しき）


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈::::::::::::::::::::｀丶､/＿:_:_:_:_:_:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ミ了`ｰ- ､::::::/::::::::::::::::::::::::￣:::::`::::―‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 lミミ　　　(三ｼ`‐---　　＿＿＿:::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 lミｼ　　,.　　　　 　　 ヾ三)　　　 }三三三
　　　　　　　　 　|　 /　　　　　　　　　　　　fi7　 . "　　｀、 :　　　　 _ _　　　 ヾ三ミ三
　　　　　　,＼__ノし/／　　　　　　 　 　 　 .| !　 '　､==z､ヽ|:　　, '"　　丶　　 ｀}ミミミ
　　　　　/　 ..)/⌒　　　 　 　 　 　 　 　 　 |i|　　｀ ｀二彡/　 　 ､ｰ==､、:　　　|ミミﾐ
　　　　　￣￣ 　 l⌒＼　　　　　　　　　　　lﾘ　　　　 　_/　　　　 `二ﾆ｀`　　　|ミﾐ/
　　　　　 　 　 　 !　　 ヽ　 .,.　''´￣￣￣｀ヾ!:、 　 　f´'′　 :^ヽ　　　　　　　 ,.lミ/
..　　　　　　　　　/　　　/／　　　　　　　　　l　｀ :r '´`^'､__,.-､ノヽ、　　　 ,.　" }ｼ
　　　　　　　　／⌒ト､/. 　　　　　　_,. -‐ 'ﾞ´ヽ　｛ ､-- ､:.:＿_　　　ヽ...　 '　　 /｝＼
　　　　r-='´　　　　 ヽ　_,.　-‐ ''"´　　　　 /,ハ　ヾ｀ヾｴｴェｪｪ＞-　　　　　, 'ノ 　 ﾊ、
　 　　 |　　　　＿∠ ノ |　　　　　　　 ,. -, {{（　 ヽ　｀丶｀二ﾆ´　　　　　　／´　　　| |
　,.　'´}　⌒´　　　　 ｀V　　　　　　　 i　//ヽヽ、 ,ﾍ　　　　　　　　　　,　'´　　　　 //
'´　　　〉　　　　　　 -‐く　　　　　　　 、ヾ、 ＼＼| ヽ、 　 　 　 ,. -,:'´　　　　　／/
　　　　ヽ　　￣ 　 　　 / 　 　 　 　 ／ヽ、｀`ｰ`､_｀丶＞---_彡'"´　　　　　／／
　　　　ﾊ　　　　　　／|/　　　 　 ／　　　｀ ‐-　、｀　‐--｀ﾆ＝=----――'´／
【楚 平（へい）王】
楚の前王 楚王軫の父親

　 　 　 この王と令尹 当初は良好な関係であったのだが
　 　 　 功を誇った成然は次第に傲慢になり欲望を隠さなくなる

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∧　　　　　　　　　　　　　　 __　__
　　　　 　 　 　 __　__　　 　 　 　 　 !∧!　　　　　　　　　　　　　/ /　ｉ ｉ
　　　　　　　　/ /　ｉ ｉ　　 　 　 　 ／ | ＼　　　　　　　　　　　./ / 　 ｉ ｉ　　__　__
　 　 　 　 　 / / 　 ｉ ｉ. 　 　 ∧／　　|　　＼∧　　　　　　　　∨　　 У　/ /　ｉ ｉ
　　　　　　　∨　　 У. 　 　 〉ｌｌ ｌｌ ｌｌ　| .|| || ||.〈　　　　　 ＿_　　　　　　./ / 　 ｉ ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　| !!_!!_!!__|__!!_!!_!!│　　　　/::::::::ｌｌ　　　　　∨　　 У
　　　　　　　　　　　　　　　　| ｉゝ--':::::::｀--::'ｉ |　　　　 ｉ:::::::::::ｌｌ
　　　　　　 r--､､ 　 　 　 　 | | ￣￣│￣￣| |_　　　　ｉ::::::::::::ｌｌ
　　　　　　 |::::::::＼ヽ 　　　　| ゝ､　　│　 　 |_ｧ ）　 　 !:::::::::::::!!
　　　　　　 |:::::::::::::ヽヽ 　 　 _〉∧　　│　 ／＿＼, -――- ､:::!￣＼
.　　　 　 　 ｉ:::::::::::::::::ヽヽ_ 　 Ｖ＿＞ ―　￣　　　　　／　　ヽ＼　　 ヽ
　　 　 　 　 ｉ::::::::::::::::::::ヽ_ｉ. ―　 　 ＿＿＿＿＿__／ 　 ／　ヽ　ヽ　　ト､
　　　　　　　ｉ::::::::::::, -―　､　　　　 ＼_＿＿＿＿__＼／　　／ヽ　 ｉ　　　＼　　　　　　　　　　　 ∧
　 　 　 　 　 ｉ:::::／　　　　　ヽ　　　　 ＼＿＿＿＿＿＼ ／　／￣＼￣＼　＼ 　 　 　 　 　 ／ : /
　　　　　　　 ﾚ´　　　　　　　　ヽ　 　 ,-､＼＿＿＿＿___＼／￣＼ /――――＼__　　　 ／: : : /
　　　　　　　 ｉ　　　　　　　　　　 ＼ / /ヽ,-､――､――／　 　 　 v　　　 　 ＼　 ＼＼／: : : : /　　　　　／:
.　　　　　　　 ｉ　　　　　　　　　　　 / /／／-､　　 ヽ ／　　　　　 /　　　　　　　ヽ　 ｉ　ｉ : : : ／　 　 　 ／: : :
　　　　　　　　ヽ　　　　 　 　 　 　 ゝ´ Ｖ　／ヽ　　／　　　 　 　 /　　　　　　　　 ｉ　 ｉ　|: :／∧＿＿／: : : : :
　　　　.__　__.　　＼＿___　　　　　　　　 ゝ'ヽ_〈　／――､　　　 /　　　　　　　　 /　/／ : : Ｖ: : : : : : : : : : :／
　　　 ./ /　ｉ ｉ.　　 　 ＼　　　　　　　　　　　　∨＿＿ 　 ＼　 /＿＿＿＿＿_／_／: : : : : : ＿＿　-―――
　　　/ / 　 ｉ ｉ.　　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　 ＼　　＼ 　 ∨　　＿/_＿_/＿_）__　―￣
　　　∨　　 У　　　　　 　 ＼　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ　 /　／ｉ＿_）::::::::::..　::::::::＼
　　　 　 　 　 　 　 　 __　__ 　 ＼＿　　　　　　　　　　　/　/／／:::::::::::::::::::::::..　::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　/ /　ｉ ｉ. 　 　 　 ＼＿＿＿　　　　/__/　／.:::::::::::::::::::::::::::::.　..::::::::::::ｉ
　　__　__　　　　　 / / 　 ｉ ｉ.　　 　 ＿＿＿＿/ヽ ―‐'／ ／　..::::::::::／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　/ /　ｉ ｉ 　 　 　 ∨　　 У.　 ＜: : : : : : : : : : : : :＼_/.／:::.　..::::::／
./ / 　 ｉ ｉ　　　　　　　＿＿＿／: : : : : : : : : : : : : : : ｉ/::::::::::.　.:／
∨　　 У 　　 -=ﾆ二:..: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.〉彡'､:.／
　　　 __　__　　　　 　 ￣￣￣￣￣￣￣＼ : : : : : : : !ﾐ彡∨
　　 / /　ｉ ｉ　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〉: : : : : : : ヽ彡 ｉ
　 ./ / 　 ｉ ｉ　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : ＼ﾐヽ
　 ∨　　 У　　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼::＼　　　　　　　　　　　　　　＿　　―　　￣￣
　　　　　__　__　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : :／ヽ.: : : : : : : :.｀ ―――――――　　￣: : : : : : : : : : : : ＼ ＿
　　　　/ /　ｉ ｉ　　　　　　　　　　 /／￣レ'￣ｉ: : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　./ / 　 ｉ ｉ　　__　__　　　 　 ﾚ´.　　 　 　 |:／ : : : : : : : : : : :ハ : : : : : : ト､: : : : :∧ : : : : : : : ＼￣￣￣￣
　　　∨　　 У　/ /　ｉ ｉ　　　　　　 　 　 　 ／: : : : :／∨ヽ : :/ : : ＼: : :／　 ＼:／　 ＼: : : : : : : :ヽ
　　　　　 　 　 ./ / 　 ｉ ｉ　　　　　　　　　／: : : : :／: : : : : : Ｖ: : : : : : :∨:|　　　　　　　　 ＼: : : : : : :ｉ
　　　　　 　 　 ∨　　 У

　 　 　 結果──


　　　　　　　　　　　／￣ﾞヽ.　　　　　　　　 　 　 l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　　　　, '/｀ﾞ' ､　 l　　　　　　 　 　 　 ,!;:;:;:;:;:;:;:;:＿＿;l＿_;:;:;:;:;:;:;:l
　　　　　　　　　, ':〈　　 /　ﾘ　　　　　　　　　　 ﾑ;:''"´￣＿＿;:;|;:;＿~｀丶､!
　　　　　 　　, '　　｀''''" 　/　　　　　　　　　　 ,{__, ィ''"´ r‐っ ￣ r-､丶､;:;l
　　　　　　　, 'ヽ,ヽ､,,::'"　, ' 　 　 　 　 　 　 　 ,'ミﾐ:::::ゝ , . ￣:.　 　 ｀`′,}:`i!
　　　　　　 /　　~'ｰ彡　/　　　　　　　　　　　,'ミﾐ:::/　,. -‐- ､:.　　 , - ､ヾ:::l　　　　　ちとおイタが過ぎたようじゃの
　　　　 　 /　　　　彡　/　　　　　　　　　　　lミ:::::' ,:' ,ｨ戓ﾆ>,:' 　: ｨ戓ゝ、ﾞi::l
　,,,,,,　,,'"/　　　　 ,'　 /　　　　　　　　　　　　〃ﾍ:::j　:.　　‐ '" ,.　ヽ` ﾆ　　!:l
"　　ﾞヽ, '　　　　,, '" /　　　　　　　　　　　　{に}ﾊ::, :.:.:.:..　　 (r:､ ,､〉　　　 l:ﾊ
　　　, 'ヽヾ､ミ 彡:: /　　　　　　　　　　　　　ヽいjl::',　:ヽ　　　　,' ;　ヽ　　ﾉlﾉ}
　　, '　ヽ＼､,,,ｿ::. /　　　　　　　　　　　　　 丶-ltﾂ .:.: l:.:　 ,r'ﾆ=ﾆ､ ﾞi, 　 i_ﾉ
::／"　　　 ::::::::　,ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 ､:.:.l:.:　 ｀ ''―''" 、　/
"::　　　　　::::::　/ﾞtt,ヽ,,,,,,　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､、ヽ丶、:.:..　　　ノ:／
::.　　　　::::::::::::/ ,,､-'"　ヾ｀' ､　　　　　　　　　　　,(ﾆヽﾐミ=､、::.::.::.::''"／
　　 　 .:::::::::::,､ '"　　　 　 ＼,',　　　　　　　　　／:.:.:.｀ヽヽ、:.:.:　￣　 ,!
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　　　 ''"　　　　　　　　　　::: "/"´⌒丶:::::::｀ヽ､｀`ヽ､::::::｀ミﾆゝ丶、　　八


　　 |＼__／｀ｰ-､_
　　 ｌヽ､/ <ヽﾀfi ti',
　　/　/<ヽ ／~ﾞfコヽ
　　ｉr‐'ヽ／ﾌ ,　-<￣ヽ
　　|l ヽﾍﾞ~／ 　　ヽ　　!
　　ヽ　∨ ヽ　 　　 ヽ 人
　　　ヽ. ＼_ヽ　　　／l_／
　　　　 〉'´　 ￣!￣　ヽ
　　 　 /　＿, -‐}　　　ﾉゝ､
　　　　￣　　 　├‐‐ '　　・｀丶、　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／!
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　　　　　　　　　　l ・ ヽ　　　 　 ・ ',　　　　　　　　　　　　　　　　／　/ |　　_
　　　　　　　　 　 ヽ　・ヽ　　　　 ・ i　　　　　　　　　　　 　 , -‐厶--' <ー'´/
　　　　　　　　　　　＼・ ・ヽ　　　　｀ ｰ- ､　　　　　　　 ,. - ､)（,’-‐-､ ヽ /
　　　　　　　　　　　　 ＼ ・ ＼＿,､　　　　＼　 　 　 　 { 　_ﾉ‐〈　　　 }：!.iﾌ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ・　・　　ヽ　　　　l｀Tｉヽ､ f⌒ﾋﾆ┬i-､ー‐ '.：| }
　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　・　　ヽ 　 　 ｌ ｌ ｌ 　 ヽ._,ﾌ）二ニ フ ｝：/ノ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { ・ ・　　 ＼　　ｌ ｌ l　 　 ｌ. {.ﾞ＝＝'ゝ ,.イ‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　・ ・　　ー-ヽヽ・　　' ｀ー─<￣ （
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　・　・　　/／　・.　 ＼　　　＼・＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　｀i・ ・・　　! l・　・　 ・ ・｀ ｰ- ､　　　｀ ｰ- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　l・ ・ ・ 　l l ・　　　　　　　　 ヽ ´￣　・ ・　ヽ
　　　　　　　　　　,.　　-─────‐ゝ ・　　 l l・　　　 　 　 　 　　} i {　　・ { ・ l──-　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　（ ＜二ニ二二＝＝_　　＾＾""'''＾＾＾"´´"""＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾　￣二ニニ＞　─-､￣￣ ）
　　　　　　　　　　￣ 　｀　　ー──-　二二二二 ー ────── ー────＝＝ニニニ　=＝＝ 二

　 　 　 成然は処刑される

　　,彡ニ三三三三三三三ﾆ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
　 ,彡ニ三三三三ニ三三ニﾆ;〃ヾ､;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
　,彡彡,'',ﾆ=ﾐﾐミ三三三三ニﾆ彡　 ｀ﾞﾞ''ｰ-､;:;／;;:;/
　',彡'/ r' ﾉヽヾミ三三三三三彡'　　　_,,,,,,､ヽ;:;ｨ''|
　 彡'|.|（‐'''"　'iﾐﾆニ三彡"´￣　　　　 ｀ﾞﾞｰ'　　;;;:|
.　 彡i､ヾ　('　 ヾミﾆ三'　 　 　 　 　 __,,､　....ﾉ 　 /
　　彡ゝ ｀'' "　 |ミﾐﾐ' 　　　　　　　 　　 ,;'´　,,　 ｧ'
　　 '彳｀ー‐i　 |ﾐﾐﾐ'　 　 　 　 　 ｀ﾞﾆｼ'　　 |､ﾆ'　　　 　 しかしあやつに功があったのもまた確かなことでおじゃ
　--､/ 　 　i　 |ミﾐ 　 　 　　　　.,,r‐''"　　　| ﾉ
　く'ﾉ　　 　:i 　ミﾐ 　 　 　　　　´　　.,　'　　 |' 　 　 　 　 息子に鄖の地を与え
　､＼ 　 　 .l　 ヾ 　 　 　 　 　　　.ﾉ（_,,､. 　 |　　　　　　 その功を忘れぬようにするでおじゃるよ
　:＼ヽ,　　 ヽ　　　　　　　　　 ／　　 ｀t‐一'
　::::ヽ ヽ　　　｀::.　　 　 　 ,; ' 　　　　　.:i
　:::::::ﾍ ヽ　　　 ｀::. 　 　 　 　''"⌒ﾞ''一ﾉ
　::::::::::ﾍ.ヽ　　　　ヽ､ 　 　 　 ｀ ー'ｰﾉ
　::::::::::::::ヽﾍ　　　　　｀ｰ┬‐一;;''""´
　＼､:::::::::ヽヽ　　　　　 /::ﾍ ）　｀ﾞ'ｰ､_
　〃｀ﾞｰ､;;;;＼＼　　　/i:::::::丿　' , ' , '｀ﾞヽ､


───楚令尹子旗有德於王、不知度與養氏比、而求無厭、王患之
　 　 　 九月、甲午、楚子殺鬥成然而滅養氏之族、使鬥辛居鄖、以無忘舊勳

　 　 　 楚の令尹子旗王に德有り 度を知らず養（よう）氏と與（とも）に比（なら）び 求むること厭（おさ）える無く 王之を患う
　 　 　 九月 甲午 楚子鬥成然を殺し養氏之族を滅す 鬥辛をして鄖に居さしめ 以て舊勳を忘ること無し

　 　 　 楚の令尹子旗は（平）王の即位に功があったため 度を忘れて養氏とともに利を貪ったため 王はこれを憂えていた
　 　 　 九月 甲午の日 楚王は鬥成然を殺し養氏を族滅したが 鬥辛を鄖に封じ 成然の旧勲を忘れないようにした

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（春秋左氏伝 昭公十四年）

───このような顛末があったのである
　 　 　 この件に関しては平王の措置はまあ常識的と言える


　　　　　　　　　／ 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　 　 　 　 ト､　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　　いや…ありゃあ父に非があろう
　　　　 　 　 　 |　ﾍ　 　 　 　 ＿　　　　ﾊ
　　　　 　 　 　 |　　ﾍ 　／　　　　　｀ヽ　ﾊ　　　　　　　　　　それに私を鄖公に封じたことで
　　　　　 　 ／ l ______∨　　　 　 　 　 　 ハ　∧　　 　 　 　 父の功は顕彰されておるではないか
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 `、ｖ　ﾍ
　　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　 !
　　　　　　　 　 i 大ヽ　　　　　 　 　 　 　 　 ﾄ､__,　__
　　 　 ,ｲ　　 　 | 人 |　　　　__　　　　　　　　i　　　　 ｀ヽ _
　　／　　　i'´＼ __　　 　／ﾋｿ ｀Y　　　　　　ﾄ　　　　　 //
, ィ　　　 ', ﾊ　　ﾋｿi　-イ　　　　/　　　　　　 i! ＼　 　 //:::
　　　 　 ハ 　､＿,.ｲ 　 ｀　---ｲ　　 u. 　 　 ,'　　 ＼ //:::::
　 　　, '　　 　 　 / 　　 ｲ　　 　 　 　 　 　 ハ　　　 //::::::::
　 　 ｲ　　　｀､　 ゝ -‐´ ｀ ￣｀ヽ 　 　 　 /　 ',　　 //::::::::/
.　´　　　　　　＼i　　ー― ､ 　　',　　 , イ 　　 ',　//:::::::://
　　　　　　　　//:ヽ､　ヽ _,ノ　 　 !／ ／　　 -‐ //:::::::://
--イ -‐　´　//:::://＼ _____　, イ　／　　. : ´　//:::::::://
　　　　　　 //:::://　　 ＼　　　 ／ -- イ　　 //:::::::://
　　rく Y　//:::://　　　　　｀￣´　　　　　　　//:::::::://


　　　　　　　　　　　 　 __,...　 .....,,__
　　　　　 　 　 　 , ＜::::::::::::::::::::::::　｀ヽ
　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::....　∧
.　　　　　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　 　 .::r‐──────‐､:::::::::::::::::.　　　　　　だからと言って 平王が父を殺したことは変わらん！
.　　　　　　 i:::l ｢￣￣￣￣￣￣ヽ∨::::::::::::i
.　　　　　　 |:::l |⊂二}:::::::{二ﾆ⊃::l |::::::::::::::|　 　 　 　 その怨みを晴らすのが子のつとめだ！！
　　 　 　 　 |:::!.|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l |::::::::::::::|
　　　　　 　 |::| l::::|＼＿＿＿／l:::::l |::::::::::::::|
　　　　　　　|::l |::::.　　 　 　 　 /:::::ヽ＼:::::::::|
　　　　　　　ﾚ'∧::ヽ　　__　　 /:::::::/ ＼＼__:}
　　　　　　 └'/∧::::￣:::::::￣::::::::/│　｀ーr'
.　　　　 　r‐ /　 ∧::::::::::::::::::::::::/　 j　　　 |
　 　 ￣￣}　l　 　 ∧:::::::::::::::::; ' 　 /　　　 |
　　 ::::::::::::|　|￣￣＼￣￣￣　 ／


　 　 　 とはいえ父を殺された怨みが総て理で消えるわけもない
　 　 　 闘懐の怒りももっともではある

　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／ 　　　　　　　／
　　　　　　.へ.＿／　　　￣￣＼／　 　 　 　 懐よ 聞け
　　　　　　| 　　　　_／ 　　　　　ヽ
　　　　＿⊥　　／/|　　　　　　ヘ.ハ　　　　　君主たるものが臣下に罪があるときこれを討つのは当然のことじゃ
￣￣｀ 　　　／　│|　　　　　{　　，V
　　　　 ､ 　　　　│|　　　　　　￣｀く　　　 　 .君命は天命と同じであり その天命の裁きによって死んだのなら
　　　　　＼/ 　　∧＼ 　／ ￣｀v ┘ 　 　 　 それは誰にも怨みようのないことだ
　　　　　　 ＼　　　|＼＼| 　くフ }
　　　　　　　　＼ 　| 　`rへ＿ ／
　　　　　　　　　＼ 　/ 　ヽ
　　　　　　　　　　 イ 　　　',
　　　　　　　　　　　|　　　　}
.イ　　　　　　　　　 | 　　　∧
.│　　　　　　　　　/　　　/　|


　　　　　　　　　／ 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　 　 　 　 ト､　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　 　 　 　 |　ﾍ　 　 　 　 ＿　　　　ﾊ
　　　　 　 　 　 |　　ﾍ 　／　　　　　｀ヽ　ﾊ　　　　　　　　　　　　　お前は人の禍に乗じようというのか？
　　　　　 　 ／ l ______∨　　　 　 　 　 　 ハ　∧　　　　　 　 　 　 それは仁とは言えん
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 `、ｖ　ﾍ
　　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　 !　　　　 　 　 　 家を滅ぼしその祭祀を断とうというのか？
　　　　　　　 　 i 大ヽ　　　　　 　 　 　 　 　 ﾄ､__,　__　　　　　　　 それは孝とは言えん
　　 　 ,ｲ　　 　 | 人 |　　　　__　　　　　　　　i　　　　 ｀ヽ _
　　／　　　i'´＼ __　　 　／ﾋｿ ｀Y　　　　　　ﾄ　　　　　 /　　　 　 不仁不孝の行いをもって名声を失おうというのか？
, ィ　　　 ', ﾊ　　ﾋｿi　-イ　　　　/　　　　　　 i! ＼　 　 //::　 　 　 それは智とは言えんぞ
　　　 　 ハ 　､＿,.ｲ 　 ｀　---ｲ　　 　 　 　 ,'　　 ＼ //:::::
　 　　, '　　 　 　 / 　　 ｲ　　 　 　 　 　 　 ハ　　　 //::::::::
　 　 ｲ　　　｀､　 ゝ -‐´ ｀ ￣｀ヽ 　 　 　 /　 ',　　 //::::::::/
.　´　　　　　　＼i　　ー― ､ 　　',　　 , イ 　　 ',　//:::::::://
　　　　　　　　//:ヽ､　ヽ _,ノ　 　 !／ ／　　 -‐ //:::::::://
--イ -‐　´　//:::://＼ _____　, イ　／　　. : ´　//:::::::://
　　　　　　 //:::://　　 ＼　　　 ／ -- イ　　 //:::::::://
　　rく Y　//:::://　　　　　｀￣´　　　　　　　//:::::::://

　 　 　 しかし闘辛の説得もむなしく 闘懐を翻意させることは出来なかった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .　´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 　 　 うるさい！
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',　　　　　兄者が何と言おうと楚王は殺す！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __/ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､ ＿＿＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 _＿＿＿__ ,　イ:::{:::::/￣二二二二二二｀ヽ:::::::| :::::::::::::::::::::＼　 _＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　 .　´ //////／:::::::::::::| : | /´ ＿ : | | :＿ : : :｀} | :::: ! :::::::::::::::::::::::: ∨////////＼
　　　　　　　　　 　 ／/,////////:::::::::::::::::::!::::| |　乂_ﾝ | | 乂_ﾝ : : | | :::/ :::::::::::::::::::::::::::::|///////////＼
　 　 　 　 　＿ , イ //////////::::::::::::::::::::::∨| |.: : : : .: |_| : : : : : : :| l::∧:::::::::::::::::::::::::::::::|/////////////ト .
　 　 　 . : ´.: : : : :l//////////::::::::::::::::::::::::::/!ﾏﾍ :ﾄ､＿＿＿　ｲ : //∧ | :::::::::::::::::::::::::::::|/////////////| .: :＼
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￣￣｀ヽ: : : : : ／　　　　 　 　 　 　 ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::人 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/　　 　 　 　 ＼ .: : : : : : : :


　　　　　　　　r─,し'し'´/ ﾊ
　　　　　　　　｀￣＼ '´└'　ヽ
　　　　　　　　, ─--' 　 　 {　 ﾄ､
　　　　　　　　`ー-- ､　 　 _／: :`; ､
　　　　　　　　　　　　　｀￣ヽ:_:_:ノ　 ｀ﾞ`ヽ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 i　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ　　　　　 　 　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　冫､,,__　　　　　 |　　　　　のわ～っ！こりゃいかん！
　　　　　r─ -- 、　　　　　　,ｲ　　　　　　　　/
　　　　　ヤ　　 　 ＼　　 ｢７´ i　　　　 　 　 ,ｲ､　　　 　 王よ 逃げるんじゃ！
　　　　　_,〉- ─- ､ 　ヽ-'/　　' 、　　　　　　　 ＼
.　　　 /｀ヾ､　　　　 ｀ー'´'　　　 ＼　 　 　 　 ヽ　ヽ､_
　　　 |!　　i`、　　　　 i　　,　　　　 ｀　　　　　　ヽ､ `
　　　,ﾊ・　 !　　　　　　i　　i　　 　 　 　 ｀ヽ　　　　、
.　　（__dー'-- 、　　　 ハ　l　 　 　 　 　 　 ',　　　 ヽ
.　　　 ゝ＝=-、ヽ　　 ′ ', |　　　　　　　　　l
　　　　　　　,ノ,　 } ,,ム､_　'!　　　　　　　　　|　　,,. -─
　　　　　　に二.ノ／⌒-二'　　　　　　　　　 ／´ ,
　　　　　　 ヾ:,:-'´　ヽ、　　｀ヽ､　　　　　 / '´　 丿 ノ
　　　　　　　｜　 　 　 ヽ､ 　 　 ｀ﾞ''ー-, '´-‐ ,ニ_＿∠
　　　　　　　 |　　 　 　 　 ｀＞─--‐''´ｰ─''´
　　　　　　　 ヽ　　　　 　 〈
　　　　　　　　 }''"　　　　　i
　　　　　　　　 |　　　 　 　 |
　　　　　　　　 ﾞi　　　　　 /
　　　　　　　　　ヽ,.:':￣:Y′
　　　　　　　　　　ﾞ!: :_:_:j、

　　　何がどうなってるのでおじゃ！？

.　　 　 　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣＼　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |!￣｀¨`''ヽ､
.　　 　 　 　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |l　　　　　　＼　　　　すまんのう…
.　　 　 　 　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ'"´￣｀¨ヽ、　',　　 ,､　　,, -
.　　　 　 　 |;:;:_:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;:_:;_:;:_;:_;:|　　　　　　　　　　　　 ｲ　　　 　 　 　 ヽ　ﾞー'__j／
.　　　 　 　 |＿＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿|.　　　　　　 　 　 　 /,へ　　　　　　　　}｀¨'´　 ,,　　　　待ってくださいよ兄上～
.　 　 　 　 ||ｉ: :: :ｌへ､_|ｌ:|:| :|: |:ｌ:ﾊ: ｌ: ::: {Ｖ}　　　 　 　 　 　 　 j‘-'′　　　u.　　　,!　　 , /
.　 　 　 　 | ｉ:: ::|　 __､ ﾚﾊ　,___　ﾊ:ｌ:: :: M　 　 　 　 　 　 　 （__ｐー- 、 　　　　/:ｉ　　/ ′.　　　 /|` ､
.　 　 　 　 ｌ ｉ: ::ｉ 　○}liiiiiiiil{○ u　Vｌ:: ::M　　　　　　　　　　　 {　r'ヽ　ヽ　　／　,!　 /.　　 　 　 /　|　`､
.　　　 　 　 ｌｉ: ::|　　"　＿＿　 　　/: : :OO　　　 　 　 　 　 　 ｀ゝr:‐:＜-イ;　　/ ／　　 　 ,.-‐ "￣｀''‐- 、
　　　　　 _ril.ﾞｌ:: :|:ヽ　 |!!il|!|!l|　 U/: :/: :: | |　　　　　　　　 　 　 ／`ー'´ｰ-`　　/ 　 　 ,ィ"　　にく　 　　　>､
　　　　　 l_!!!ﾞｌ∧Ｖﾊ`,|ｪｪｪｪ|イﾊ:/: :ﾊ ﾉﾉ -―--､　、.　　　　 /　　､i　　　　 ｀ﾞ ′.　 /　 ,.-‐、　 t‐- ､　　　ヽ
　　　　　 | ! !_!|i::::::::: ﾞ＾＾ｰ''´:::::::::::::::::::|:::::::::::::ﾞ,.- ､　　　　　　 i__　　 !　　　　 　 ﾞ､..　:'　 l´　 ・i　 |<　　`‐i　 　';
　 　 　 　 ! ',　,|!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ／--.ﾞ|　 ｛ヽ　　　／´　 ｀ﾞ　ﾞ:、　　　　　 ヽ. |　 |　　　 l　|　　　　 | 　　:ｌ
　　　　　　!､_,ｲ:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::| . l⌒ﾄ--'　`--'､　　　　　　 ヽ.　　 　 　 　 l　 |　　　 l- l　　　 　| ∪　|
　　　　　　',::::::',::::::|ヽ::::::::::::::::::::::::::::/::::::: l´ i. 　},,　　,'　_r　｀}　　　 -一ド:､　_　　__,,..'ｌ　 i､＿ノC ` ─, - '　 　/_丿
　　　　　　 ',:::::::',::::!　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ/|　 ト‐'″__／ :`iｰ' ヽ　´　　　ﾚ'´ ＼￣.　　 ヽ　　　 /`￣￣ヽ　　 ,:"
　　　　　　　',:::::::::::|　　 ',::::::::::::::::::::::::::::.| ｀t'＿_ノ-:': : : :/　　　}　　　／　　 　 ＼__　　'.ﾞ` ､　 ` ──´　 , ."
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ` ー---‐''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【闘巣（とう・そう）】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　闘辛の末弟

　 　 　 結果 闘辛は末弟 闘巣を連れて呉王とともに漢水のさらに上流に位置する随（ずい）へと逃げる

【楚王逃走経路】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣○￣｀ｰ､　 　 　 {　　　　　　　　　＿,.-‐'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　葉　　　　｀}_　　 }　　　 　 ＿_／
　　　　　　　　　　　　　　　堂谿○　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ-{ 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ｰr‐'￣
　　　 ○宛　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ○蔡　　　　　　　　　 r―'´○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 沂○　　　　　　　　 ,.----'´￣　　 　豫章
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○息 　 　 _/
　　 　 　 　 　 　 　 ｀ー――､＿＿/￣￣￣￣￣￣￣


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 }￣ｰ'￣}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰv'￣　　　 ／
　　ヽ　　　 　 　 　 唐○i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 r―'￣
　 　 ￣￣|　　　　　随◎｀ヽ←┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 }
　 　 　 　 |　　 　 　 　 　 　 'ｰ,◎鄖　 　 　 　 　 　○柏挙　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 r'
　 　 　 　 |　　　　　　 　 　 　 ヽ_,_　　　　　　　　　 ▲小別山　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ
　 　 　 　 |　　　　　　 　 　 .↑ 　.ヽ　乂雍澨　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 r―'
　 　 　 　 |＿_ 　 ┌───┘　　...｀ー-,　　　　　　　▲大別山　　　　　　　　　　_,.-‐'
.　　　　　　 　 |　 │　　　　..＿＿＿＿＿＞-―‐､　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　 ヽ_■雲夢　 |　　　　　　　| 　 　 　 ＼_　　　　　　　　　　　 　 　 　 |
.　　　　　 　 　 　 ￣￣ヽ＿ﾉ　　　　　 　 |　　　　　　　￣|　　　　　　　　　　 ＿r‐'´
..　　　　　　　 　 ↑　　　　　 　 　 ＿＿_/　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　 ＿/
..　　　　　　┌─┘　○麇 　 　 　 ￣7　　　　　　　　　　　 'ｰ-､＿＿＿イ
　　　　 ヽ_ ◎郢　　　　　　　　　　／
.　　　　　__）　　_,.__　　　　　＿r‐'
　　　　　'ー'´￣　 |　　　 ／
　　　　　　 　 　 　 ｀ヽ　r'
　　　　　　　　　　　　 ＞'

───鄖公辛得昭王大喜、欲還之、
　 　 　 其弟懷怒曰「昭王是我讎也！」欲殺之
　 　 　 謂其兄辛曰「昔平王殺我父、吾殺其子、不亦可乎？」
　 　 　 辛曰「君討其臣、敢讎之者？
　 　 　 夫乘人之禍、非仁也、滅宗廢祀、非孝也、動無令名、非智也」
　 　 　 懷怒不解
　 　 　 辛陰與其季弟巣以王奔隨

　　　　 鄖公辛昭王を得て大いに喜び これを還さんと欲す
　 　 　 其弟懷怒りて曰く「昭王是我が讎也！」と これを殺さんと欲す
　 　 　 其の兄辛に謂いて曰く「昔平王我が父を殺す 吾其の子を殺すに 亦（また）可ならざるや？」と
　 　 　 辛曰く「君の其の臣を討つ 敢えてこれを讎にせんや？
　 　 　 夫人の禍に乘ず 仁に非ざる也 宗を滅し祀を廢す 孝に非ざる也 動きて令名無し 智に非ざる也」と
　 　 　 懷の怒り解けず 辛陰と其の季弟巣王を以て隨に奔る

　　　　 鄖公辛は昭王を迎えて大いに喜び これを故国に還そうと思った
　 　 　 しかしその弟懷は怒って言った「昭王は我が讎である」と そしてこれを殺そうと欲した
　 　 　 懐はその兄辛に「昔平王は我が父を殺した 私がその子を殺すのに何の不都合があろうか」と言った
　 　 　 辛は言った「君主たるものがその臣を討ったとして 誰がこれを讎と思おうか
　 　 　 お前は人の禍に乘じようとする これは仁ではない 宗族を滅ぼし祭祀を断とうとする これは孝ではない
　 　 　 そしてそれらの行いで令名を失おうとしている これは智ではない」と
　 　 　 しかし懷の怒りは解けず 辛はその末弟巣とともに王を連れて隨に奔った

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（呉越春秋 闔閭内傳九年）

───随公もまた 楚王一行を温かく迎え その身柄を保護する

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／;;;;;;;;;;／:':':':':':':':':':':':':':＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／;;;;;;;;;;／:':':':':':':':':':':':':':':':':':':':＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {;;;;;O／:':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 , ― ｧ､＿{0／:':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':'}
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　／):':':':':'´ ／ ￣￣￣￣ｌ＼:':':':':':':':':':':':':':':/　　　　おやおや 楚王のみならず鄖公もか
　　　　　　　　　　　／　／／:':':':':':Y´米{ ＿,tｫ｀ヽ ｀ヽ ＼ :':':':':':':' ／
　　　　　　 　 　 ／⌒＼,/＼ :':':':':':|ｨ tｫ｀ ､＿_ ノ　　 ! ,/｀ﾊ :':':／　　　 　 　 色々あったようだがまあいい
　　　　　 　 　 /⌒＼　　! /^)､＿__ｌ ー/　　　　　　　 !/}/ ├ ´　　　 　 　 　 まずは身体を休めてくれ
.　　　　 　 　 /　ヽ 　ｌヽ_jｲ　|　　　ﾊ　(　　　　 ,　　 　､ノﾉﾙ!
　　　　　　　 |　　(_／ ／ 　 l　　 　 ! 　 ー　 　 　 　,'　　 )ヽ＼_＿_　　 　 　 ＿
　　　　　　 ,ノ　　　 У　 　 / 　 　 　　　　　　　　, ｲ:　／:::::ｌ　:|　　　￣ ｀7´　 　 ＼
.　　　　 　 ﾊ ＼､＿,､＿ ／　　　　　　＼＿＿ ／ /／:::::::::/ 　|　　　　　/　　　　　　＼
　　 　 　 /八 ::::＼＿人　　　　＿ _ノ7´∧　　　 ／ ::::::::／　／　　　　 ,'　　 　 　 　 　 :.
.　 　 　 /　　 ＼ ::::::::::::::{｀⌒￣　　　 / {:::::＞＜::::::::::／!　＜　　　　　 :|　　　 　 　 　 　 :.
　　 　 / 　 　 　 ＼＿＿,〕 　, 　 　∠, ∧,ｲ///∧／ ::/　 　 ｀7　 　 　:|　　　　　 　 　 　 }
.　 　 /　　　　　　　 　 　 |　/　　　／:/ :::/777´::::::::::/　　　／　 　 　 .:|　　　　　　　　　〈
　　 /　　　　　　　　　　∨ ,'　　　 l　 :|:::///,∧::::::／　　,／ 　 　 　 　 :|　　　　　　　　 　 ＼
.　 / 　 　 　 　 　 　 　 /Y´{　　　 |　.:|//////l／　　,／　　　　　 　 　 !　 　 　 　 　 　 　 　 :.
　/　　　 　 　 　 　 　 /　l!　　　　 |　 |////／　　,／　　　　 　 　 　 　 ',　　　　　　　　　　　　:.
【随公】
諱は不明 姓は姫（き）である


　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／l ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　.l 　 ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　＜　￣｀＞ｘ　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 肉 　 　 　 ＼ ',
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ＿　_,.､＿　 　 　 　 ヽl　　　　　 面目ない…
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /ｆ 　 ^,ﾉ_ （^　 ｀　x 　 　 ';!
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,'　`ｰf´　　 ,ヽ ＿,ノ　　u.　|　　　　　懐を説得出来んかったわい
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 !ｆ⌒ヽﾐｰ＿‐'_,　‐　⌒ヽ　　l
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ! ｆ`ト ､ ＿ ＿,　‐T´）. ,!　 ,!
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ.ヽ`ｰ'ー－'ｰ "´／,／ 　,'|
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ､`ｰ=＝=-_彡 "　　 / .l _,.ｲ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼_≧＝≦＿＿＿_, '　　　 ,!
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿, -l｀ ー－＝彡　＿ト､＿_ /
　　　　　　　　 　 ＿,　- ‐　 ／ / ｀＞＜　￣　　 /　l　　 ￣｀　ー -　､
　　　　　　 　 ／/　　　　.／　 /イ　 　 　 X　　 / 　 !　 　 　 　 ／　　 ＼
　　　　　　　/　/　　　.／ 　 _/.　Ｖ.　　／ 　ヽ./ . 　 }　　　　　/　　　　　 .ヽ
　　　 　 　 ,f　 !　　　 L_. 　 / 　,ィﾞｰ‐l　　 　 / 　 　 !　　　　./　　　　 　 　 ﾊ
　　　　 　 ,! 　,!　　 　 _, ＞ l ／ 　 　 ト､ 　 /　　 ＿l　 　 　 l　 　 　 　 　 　 l

　　　 |:;:;:;:;:;:;i;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾞ三|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::i;:;:;::;:;:;:;:;:;|
.　　　|;:;:_;:_;:;l:;_;:_:;:_:;:_:ﾞ　 |;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　　|＿＿_|＿＿＿. 三|＿＿＿＿_|＿＿＿＿|
　,.　/::::::::::::::::::::::::::::: 　 /: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ
　　/:-ｯ::::::::::::::::::::::: 　 j: : :イ斗‐!: |　 |:l:|-:､T ｫ:　::!
　　|: :::::::::::::::::::::::::::: 　 |: .: :.|: |r‐i､ l 　|:l:|r‐ ､: |: 　}
　　从ﾄ|::::::::::::::::::::::: 三ﾚ:.:.:|:!:ｲ.f㍉:|　 ヽl.f㍉∨:i: ﾚ
　　　　| ::u :::::::::::::::::　 |: |（|: :.| ﾄｭﾘ 　 　 ﾄｭﾘ |:.:|）|
　　　　|:|::::v::::::::::::::::　 lN:. |: :.| `,,, 　 '　　`,,,　!l.:|: |
　　 　 从:::ﾄ:::|:{:.:.:|:./..三|:.:|:. :|ヽ、u　Ｃ　　.ｲ:j:l |: |
　　　 　 　 　 　 　 　 　 Nl!: :.|从:≧ァ　≦‐j:从:!:.j
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ:.l ｲ {　l_／/ 　._.ﾄﾚ


　　　／　　　　|
　　/　　　　　　| 　|
　 ｌ　　／￣￣￣　＼
　 |／　　　　　　 肉　＼
　/　　　　 ＿　　　　　　ヽ
Ⅵ　　　 イ　・　｀┬　・⌒}ｌ　　　　　ん？ どうしたんじゃい王よ
　|　　　　|＿＿ノ　　| ＿/|
　|　　　　　　　　　_　`ヽ　|
　|　　　　　　,　 ┴亠‐く　|
　ﾊ　　　　/　　　　　　　ヽ|
/　 ＼　　|　　 ￣￣　　 |イ^ヽ ＿
　　　　＼.l　　　　　　　 /| |　　|
　　　　　　＼＿＿＿／| | |　　|

　 　|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::i;:;:;::;:;:;:;:;:;|
　.　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　|＿＿＿＿_|＿＿＿＿|
　 /: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ
　j: : :イ斗‐!: |　 |:l:|-:､T ｫ:　::!
　|: .: :.|: | ノ､ l 　|:l:|｀ヽ、: |: 　}　　　　　いや いつまた何か起こるかと思うと…
　ﾚ:.:.:|:!:ｲ.＿_:|　 ヽl.＿_∨:i: ﾚ
　|: |（|: :.| ﾄｭﾘ 　 　 ﾄｭﾘ |:.:|）|
　lN:. |: :.| `,,, 　 '　　`,,,　!l.:|: |
　　|:.:|:. :|ヽ、　　_　　 .ｲ:j:l |: |
　　Nl!: :.|从:≧ァ　≦‐j:从:!:.j
　　　ヽ:.l ｲ {　l_／/ 　._.ﾄﾚ


　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,, 　_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 . : ´　　　　｀ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 Y 　ヽ　＼　＼ ハ
　　　　　　　　　　　　　　 　 / ﾉ人j从乂ト､　　ゝ　　　　　 　 ははは 色々あったようだからな
　　　　　　　　　　　 　 　 　 {,r 　 　 米　　}　 人　　　　　　　だが今のところ心配は要らない
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ( i　<赱ﾘ (､＿,｀Y ) 　 　 　 　 　 王に危害を加えようとする奴はいないよ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀!　　 　 |〉　 　 ｊﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 _　ｲl　　　`ｰ'　　 ∧　_　　　　　　　だが心強い味方は来たがね
　　 　 　 　 　 　 ,　＜ 　 　 :| ＼　｀ ￣ ´ ｲ　　　 ＞　,
　　　　　　　　／ 　　 .＼　 .:l　　｀　ー　´ ﾊ　　 　 　 ＿i｀ヽ
. 　 　 　 . : ´￣￣ ＼￣￣ ｀ヽ　　 ＼/　　　',／￣　 ＼::::::::::＼
.　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::＼.　　 　＼　　　 　 ／　　＿＿　 ￣l::::::::＼
.　　/￣￣￣＼ :: |＼:::: i:　　　 　 ＼ 　 　 ｀ ／ 　 　　 ＼ :l／ ＼}
　　{. 　 　 　 　 ＼! 　＼l　　 　 　 　 ＼　　/　 　 　 　 　 }＼　　　i
　　i／ ￣￣￣　 ヽ　Y´　　　　　　　　　Y´　　　 　 　 　 ﾊ　:＼　 l
　　l　　　　 　 　 　 ＼!　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　 ト､　.:＼!
　 /　　　　　　　 　 　 l:　　　 　 　 　 　 人　　　　　　　　　!　',　　人

　　 /:.:.:., -‐　/ .:.　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::/{/z'::_:／::::／::::|
.　 /:.:／　　 / .:　.:.:.:.:.:.:.:.:/ .:.:.:::::::::::::::::::::::::::::,ｲ::::::::::::::::::::::/´￣＜:__ ｨ':::::::::::!
　/／ 　 　 /:　..:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:.::::::::::::::::::::::::::／/:::::::::::::::::::::/　　　　　ノ-‐:::::::::|
./ 　 　 　 /: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ .:.:.:::::::::::::::::::::::／　/::::::::::::::／:/　　　　　 ７二:::::::::::`ー‐z‐
　　　 　 /:....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i　.:.::::::::::::::::::::／　　/:::::::/;:イ:／　　,. へ､　 lヽ:::＼:::::::`＜＿
.　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.::l .:.:.:::::::::::::::∠≧x､./::::::／ /　 _,..ｨ／　　 ｀　}::::ﾊ:::::＼― ´　 　 　 おう 何とか無事なようだな
　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.;:イ:.::::l .:.:.:::::::::::／朽心`V:::::/　/_z=z≦zz､_　　　 /::ﾑ:::ヽト--ｰ
.　　 /:.:.:, /:.:／　|:.:::::|:.:.::::::::::/>､弋zダ,ｲ:::/ 　 ,.z　´ {x勿i｢｀ヽ　 j:/_ V´　　　　　　　　　大事なときにいなくて済まねえ
　　/::／/／　 　|:::::/!:.:.:::::::/ 　 ′￣´ |::/　　|!′　 ヾニ´､く　　lｲぐi′
　 /´　/　　　　,.|::/´|:.:.:::::/|　　　　　　 l/　　｜　　　　　　　　　/}l　ﾘ
　　　　　　　／..|/..:..|:.::::∧ l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ノ, く.
　　　　 ,..イ : : : : : : |:.::/: : ｀!　　　　　　　 ､　_　　　　　　　　 /／:.:.:.:.｀＞ー-..､
　　,...イ: : : : : : : : : :| /: : : :∧　　　　　　　　　　　 　 、　 　 /´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
- ´ : : : : : : : : : : : : |′: : : : :ﾊ.　　 ` ｰ――― -- ‐ ^　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....:.:.:.:.:.:.:.:＼
- 、: : : : : : : : : : : : : : : : : : :｜丶　 　 　 .＿＿_ 　 　 　 ／|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　 ｀ ー- :__: : : : : : : : : : : :/: |　　ヽ　 　 　 　 　 　 　 ／　.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　 `V: : : : : : : : /: :.:|　 l　 ヽ　　　　　　　 ／　　∧:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : ,:＜:.:＿.:.
　　　　 _,...＜∨　:.:.:.:.:.: :{/イj　　i.　　＼ ＿＿_ .イ　 /　 {　Ⅵ:.:.:.:.:.:.: : : : : ／
【子期（しき）】
公子 結（けつ） 楚王の異母兄


　 　|:;:;:;:;:;:;:;:;;:;::i;:;:;::;:;;:;:;:;:;|
　.　|;:;:_:;:_:;:_;;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　|＿＿＿＿_|＿＿＿＿|
　 /: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ
　j: : :イ斗‐!: |　 |:l:|-:､T ｫ:　::!　　　 　 兄上！
　|: .: :.|: |r‐i､ l 　|:l:|r‐ ､: |: 　}
　ﾚ:.:.:|:!:ｲ.f㍉:|　 ヽl.f㍉∨:i: ﾚ　　　　　ご無事でおられたか！
　|: |（|: :.| ﾄｭﾘ 　 　 ﾄｭﾘ |:.:|）|
　lN:. |: :.|oﾟ`,,, 　 '　 `,,ﾟｏil.:|: |
　　|:.:|:. :|ヽ、　 □　　 .ｲ:j:l |: |
　　Nl!: :.|从:≧ァ　≦‐j:从:!:.j
　　　ヽ:.l ｲ {　l_／/ 　._.ﾄﾚ

　　　　　　　　　　　　　　　 ‐-､、
　　　　　　　　　　　　　＿,､､_　', ｉ　／ﾍ､
　　　　　　　　　　　　´ _,∠￣ゝ| l7〈-‐z__
　　　　　　　　　　 , ‐'＿, - '´　l ７ﾍ ‐=､‐`､
　　　　　　　　 　 ﾉ／ ／'´ 　 , /|　　l 　 ＼｀
　　　　　　　 　 // ／　 /　／/ j　l | l ヾ' ､l
　　 　 　 　 　 ﾉ／ /　ノ, /7/l`,ﾊ! jﾊ_}､i ﾄ l　　　 　 彼は他所で兵を集めていたんだ
　　　　　　　イ/　/l∠､ｲ/ /''弋^}/（Lj,l/ !ﾘ
　　　　　　　 /／ 八'Ｋ!{l　 　 　 　 'ｲ ﾉ!|′　　　　　ただこの一連の出来事の収拾を付けるのに
　　　　　　　／ _/　rゝィ 　 　 -‐ ￢ /　　　　 　 　 .彼の力が必要と考えてね
　　　　　　 ´￣/ｲ/／, !　` 　 　 　 /
　　　　　　　　　 ´ｿj/ﾚ|　 ｉ　　 r一′　　　　　　 　 .呼びに出向いていたんだ
　　　　　　　　　　　r‐┴ ､l　 　|
　　　　　　　　　 _∠、　　　7ｉ　{ｰ ､
　　　　　　_, ‐ '´　 　 l　　丿,ト ヽ、 ＼
　 　 　 ／　　　　　　 ヽ '´く ヾ＝=| 〈ｌﾊ､_
　　　 / 　 ヽ＼　　　　　 　 ｀ ｰ＼j /`'　i ｀＼　＿_
　 　 /　,.＿ ＼ヽ　l　　　　　　 　 V　　_｣ - ' ´　､__ ＼
　　〈　|　　　 ＼ ヽﾄ、　　　　　 　 j ／　　　　､＼＼＼ヽ
　　　ｉ | 　 　 　 ＼l　'､＼　 　 　 ／　＿ ,. - ､ ﾄ､ヽ. ｌ¨L|
　　　 !| 　 ＼　 　 ＼ ヽ ヽ 　 ／　　　∠z_ァ'{｜｝ |人
　　　 ｌ| 　 　 ｀丶、__,＼　　>'´　 　 ／　　/l　`'_ゝ'′_`'ｰ､
　　【子西（しせい）】
　　公子 申（しん） 楚王の異母兄 子期よりも年長


　　　　　　　　　　|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::i;:;:;::;:;:;:;:;:;|
　　　　　　　　　　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　　　　　　　　　|＿＿＿＿_|＿＿＿＿|
　　　　　　　　　/: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ
　　　　　　　　　j: : :イ斗‐!: |　 |:l:|-:､T ｫ:　::!
　　　　　　　　　|: .: :.|: |r‐i､ l 　|:l:|r‐ ､: |: 　}　　　　　これは心強いでおじゃる！
　　　　　　　　　ﾚ:.:.:|:!:ｲ.f- .:|　 ヽl.f- ∨:i: ﾚ
　　　　　　　　　|: |（|: :.|x＝x 　 　ｨ＝x|:.:|）|
　　　　　　　　　lN:. |: :.| `,,, 　 '　　 ,,,　!l.:|: |
　　　　　　　　　　|:.:|:. :|ヽ、　ﾏ ｱ　 .ｲ:j:l |: |
　　　　　　　　　　Nl!: :.|从:≧ァ　≦‐j:从:!:.j
　　　　　　　　　　　ヽ:.l ｲ {　l_／/ 　._.ﾄﾚ
　　　　　　　　　　　　　 |　＼、／／:::Vj
　　　　　　　　　　　　　 トｲ:／／::::::::::Vj
　　　　　　　＿＿＿z―.|::::/:／::::i::::::::: Vj

　 ／.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
／.:.:.:／.:.／.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:∠;;;;;;,;:.:.:.:.:.:|　　　　　　つっても俺の兵は大して集まってねえし
-‐''７:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.／!:.:.:.:./　　 ≦:.:.:.:.:.:!　 　 　 　 随は信は置けるが小国だ
　 /.:.:.//.:.:.:.:.:.／　.|:.:.:./　 , -‐＼:.:.:.:.:|
. /:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:./.＼　|:.:./_／‐-　 〈:.:.:.:.:.Ζ　 　 　 .呉軍が来たらどうなることか
/:.:.;ｲ:.:.:|.:.:.:./弋ラ>|.:/"､弋ラ`,　|r´｀l:.:.:.>
／　|:.:.:.|:.:./ ー ´　|/　　｀ー　　　>　|／
　　 |:.:.:.∨:|　　　〈 ､　　 　 　 　 / ／
　　 |:.:/|:.:./l 　 　 　 　 　 　 　 /ィ
　　 |/　|/　ヽ　　´￣ `　　　／　|
　　　　　　　　＼　　　　　／　 　 ＼
　　　,,... --‐''''"´＼＿_／　 /　　 　 ＼
-‐''"シ 〃　/l/ 　＼　　 　/　　　　　 　ヽ
二彡'''"　　|l/‐-､　 ヽ　　/　　　　 　ノ三|l､


　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 　 ｀ ーzノ!
　　　　　　　　　∧|V　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 く
　　　　　　　 　 L　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ハ
　　　　　　　 ∠,　　　　　　　　　　　　　　　　､　 　 　 〈
　　　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 ＼ト､　　＼ｌ　i 　 ゞ　　　　　　楚軍を幾度も破った呉軍が相手では
　　　 　 　 　 {　　　　　　　　{＼ 　 ＼ーヽ　￣￣ V　　}
　　　　　　　　}　　　　 ､ﾊ{`ー`　￣￣　　　　 　 　 |i ﾊﾉ　　　　　　 .さすがに勝負にはならないな
　　　　　　　 / 　 　 　 {　　 ＿　 　 　 米 　 　 - 　|ﾊ 　 　　_
　　　　 　 　 {　__ 　 　 ′　＿__　　　　 　 　 ,. ‐く .ﾊ.},.． '"´　 　 　 易々と王を引き渡す気もないがね
　　　 　 　 　 ｝|　V　 /　 〈　　　`t:ト､ﾉ├riﾁ　　ﾉ | || ｀
　　　　　　　 { i| ＾ｉV il　 　 ＞── '´　 l ｀ー＜ 　|ノ
　　　　　　　∧ ＼. Ｖ|　 　 　 　 　 　 　 i　　 　 　 |
　　_,.． -‐ /　 〉ｨ ｀Tﾐ　　　　 　 　 　 r__〉 　 　 　 !
'"´　 　 　 　 　 　 Y{∧　　　　　　 ＿＿＿　 　 　 |
　　　 　 　 　 　 　 i!　∧　　　　　〈二ﾆ=-┘　　　/
　　 　 　 　 　 　 　 i!　　＼　 　 　 　´￣`
　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ'　　 　 丶､　　 　 　 　 ,.イ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ ｰ─‐＜／　　　　　／
　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　 　 　 　 ＼/　　　　　／

　　　　　　　　　　　　　　＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:＼
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　　　　　 /:.:./:./:.:.:.:. ｉ:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:|:::::::〈　　　㍉ミヽ:.:.:.:.:.:.＼:.:⌒
.　　　　 /:／ｉ:.:l:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:|:::::::::}　 __　　㍉:.:＼:.:.:.:.:.:ヽ{　　　　…ああ そうだ
　　　　/　　 |:.:i:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.|:::::::〈／_　｀　　|ﾄ､:i´｀i:.:.:∧{
.　　　　　 　 |:.:i:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:i､:.:.:.:.:.:.: |::::／＿_｀__, 　 |i　 }　,:.:/　 　 　 　 ひとつ 王に報せなきゃならんことがある
.　　　　　 　 i:/!:.:.:..:.∧ :.:.: |＼:. |::＼ .:.:.: |/´､,_ゞﾟ'メ､　　ﾘ　/ /:/{
　　　　　 　 　 i:.:.:.:/:.:∧ :. |:.:.}ヾ!: /::＼ :.l　､:::::::::::／ 　/　 r‐''　 i＼
　　　　　 　 　 i:.:./i:.:/　∨:i:.∧　/:::::}　ヽ!　 ＼／ 　 　 　 ;i
　　　　　 　 　 i:/ .j/　　 Ⅵ/　∨::::〈__　　　　　　　　　　 ,小
　　　　　 　 　 i　 　 　 　 i/　　 ＼:::::〈 ｀　　　　　　　　 ｲ/|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼:::〉ﾆ二＞　 　 ／///!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ:::ー　　　 ,ィ///,ﾊﾘ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ー―＜/////　/


　 　|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::i;:;:;::;:;:;:;:;:;|
　.　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　|＿＿＿＿_|＿＿＿＿|
　 /: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ
　j: : :イ斗 .!: |　 |:l:|;;.:; .: ..:　::!
　|: .: :.|: |,:' ､ l 　|:l:|｀ヽ、: |: 　}
　ﾚ:.:.:|:!:ｲ__,ィ:|　 ヽl.､.__∨:i: ﾚ
　|: |（|: :.|. ＿, 　 　 ＿_ .|:.:|）|　　　　　（嫌な予感しかせぬでおじゃ…）
　lN:. |: :.|,,,￣::::::,::::::￣,,,,!l.:|: |
　　|:.:|:. :|ヽ、 　 _　　 .ｲ:j:l |: |
　　Nl!: :.|从:≧ァ　≦‐j:从:!:.j
　　　ヽ:.l ｲ {　l_／/ 　._.ﾄﾚ

　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::三三三｀ヽ、
　　　　　　　-―￢/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::_:::::::ﾆ三三三∧
　　　　　　　　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ::::_,::-―::､三三ﾆ',
　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､::::,zム‐ｚ三三三三ミ'
　　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::|―'　　　　 三＞三三ﾆﾄ､
　　　　　　　 /::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　 三＼三三三≧z
　　 　 　 　 /::::::_,.r::::::/::::::::::::::::::::∧:::::::::::::::::|　　　　　　 ﾆ三}三三三＞
　　　　　　/,.ィ´　}:::::/::::::ｌ:::::::::::::/..,_ ∨:::::::::::ｌ　　　　,r=―ﾆﾆi三Ｙ⌒
　　 　 　／ 　 　 i::::/,.ィ´}:::::::::::/　_≧､∨:::::::i　　,∠＿ 三三|｀≧
　　　　　　　　　 i::/:::::,r-l:::::::::/r云 ｚﾆ､.＼:::::i≦' .ｚ::ﾆ､￣ﾌﾆ}三ﾆi　　　　　沈公が 死んだ
　　　　　　　　　 l:::::::/　 |:::::::/ ＾ゝ弋ｚﾉ＾ . ＼{　､弋z::ﾉノﾆﾆ∧三,'
　　　　　　　　　 |::::∧ 　|:::::/　　　 ￣　　} 　丶　　　　 三ﾆ∧ﾆ/
　　　　　　　　　 |:::/　ヽｲ::∧　　　　　　　|　　 　 　 　 三三ト- '
　　　　　　　　　 |/.　　　ﾚ' ﾍ　　　　　　　、 ,　　　　　,三ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ 　 　 　 　 　 　 　 　　ﾆ三/
　　　　　　　　　 　 　 　　 　　l＼ 　 　 , ー ― ､　　 三,,ｲ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　.＼　 ｀ー――' 　三／少､
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ﾍ　　＼　　ヾ 　 三／三 |三＼
　　　　　　　　　　　_,..-―￢"　　',　　　ヽ　　　,ィ三三ﾆl三三≧､
　　　　　　　　　／:::/　　　　　　　　　　　　￣　　　　 〉 |ﾆ三三三＼
　　　　,..―７￢:::::::/　　　　　　　　　＼　　　　　　　 /　　　三三三ﾆ`'‐.､
　　￣／::::/　 {:::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 三三三三三三


　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾヽ､　|ヽ
　　　　　　　　　　　　,,_,,-'^`"´`‐'　 ヾ i　}　,,／
　　　　　　　,,,_____,,､-'‐''"　　ﾆ=ー',,,　ﾐ!　ﾚ'/
　　､､　　,,,,_＞　　　　　　　　''""´´　-‐ヾ／~'ﾆﾐ、
　　 ＼`‐---‐'"　　　　　　　　　　"´ ,,，　ﾆﾐ＼
　　　　＼__ﾆﾆﾆﾆ／　 ..　彡 　/　 ／'! 　 i, iﾄﾐヽ,,
　　　　､,,_／,,-＝彡　 ,イ　, 　　-/‐‐ﾒ!　 i! llヾ＼!
　､_____,,>, 　　 　　 彡'ﾆﾐ!/;;/／/`￣li'|　ﾉ!ﾉ| ,|　 `
　 `ヽ--,,,__,,　　ｦ" ,〈 |6,i//ｿ〃:　　　/ 入'' !,/
　 　..彡／／　"　〃ヽﾆｷ/: : : : : 　　7'´　＞　　　　　呉軍と戦い 苦しめはしたが
　　 .〃|／//'"/　/! /'' ~ilヽ: : : : :　　-‐,'´
　　　,,,．-‐'ﾆ=ヾ/'　!!: : : : : :`: : : : : 　 i’　　　　 　 　 力及ばず敗れたとのことだ
　,／;;;;;;;;;;;;/ : : : : : : : : : : : :_,,‐--，,,__ﾉ
r';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| : : : : : i l : ,, ‐'´
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ;_ : : : | r 'l;;;;ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼`‐-､.j: :ﾄ ;;;;;;ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´＼, : :/: :i;;;;;;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;7/-‐ ';;;;;;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~;;;;;;;;;;;;;;;/
;;;;;;;;;;;;;;;;;;ii;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;i

　 　|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::i;:;:;::;:;:;:;:;:;|
　.　|;:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;;:__:;:_;|
　　|＿＿＿＿_|＿＿＿＿|
　 /: : : : : イ:T ¨ri:l;; .. :: ::¨ヽ
　j: : :イ斗‐!: |　 |:l:|-:､T ｫ:　::!
　|: .: :.|: | ノ､ l 　|:l:|｀ヽ、: |: 　}
　ﾚ:.:.:|:!:ｲ.＿_:|　 ヽl.＿_∨:i: ﾚ　　　　　…左様におじゃるか
　|: |（|: :.| ﾄｭﾘ 　 　 ﾄｭﾘ |:.:|）|
　lN:. |: :.| `,,, 　 '　　`,,,　!l.:|: |
　　|:.:|:. :|ヽ、　　_　　 .ｲ:j:l |: |
　　Nl!: :.|从:≧ァ　≦‐j:从:!:.j
　　　ヽ:.l ｲ {　l_／/ 　._.ﾄﾚ


　 /::/:/::::::::::::::|::::/::::::::::/　 ＼ |::::::::::::/　　　　　　 ＼::::::::::|
／::/:/:::::::::::::::::!:/::::::::::/-==≡ﾐ!::::::::/}　　　　　　　　_ヽ::::::|
￣/:/:::::::::::::::::::!:::::::::::/ 行示ﾘ ﾘ:::::/´　_i＿＿__　　　!:::､>::|　　　　　だから憂いのなくなった呉軍は
. /:/:::::/⌒Y:::/!::::::::/｀¨｀￣´¨ |:::/　／ r==､ 　＼　 |:::::::::ﾘ　　　　　じきにこっちめがけて押し寄せて来るだろうな
/:/:::::/(丶/∨ !:::::/　　　 　 　 |/ 　!　　!ｲ示＼ 　} /:::::i::/
:/:::::/ /V^　　 |:::/　　　　　　　　　 i　 　 ヽﾘ 　} //::::::::!:
:::／|{｛　 ＼ 　|:/　　　　　　　　　　'　　　　 ヽ '　/::::::::::|:|
´　 |::>､＼ }　 '　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /::::::::::∧!
. 　 i/　 ヽ_i|　　　　r　二二二 丶　　 　 　 　 //}:::/i/
　　　　　{　 ､　　　　　　　　　　 ＼ヽ　 　 　 ｲ/´¨
　　　　　|　　＼ 　　　　　　　　　　i/　　 ／／
　　　　　|　　　 ＼　　　　　　　　　　　 /-'


　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　 , '　　　　　　　　　　　　　　 ｀､
　 　 ,ｨ'ｨ' , '　　　 ,　　　 ヽ　 　 ､　　 '.ヽ
　 - '´/./　　　　 l　　　　 |､ '､　 '.　 ､ '.　 　 　 　 さて どうするかだ
　　　 {/　　/　/ ,| ,i　　//| ヽ､'､　'.　 ｀iヽ
　 　 /　i　/i　 !/ |i.|　//,.iｒ‐_.エ_､ | '.　. l ｀　　　　まだ北へ逃げられないことはないが…
　　/.ｨ　|　/! /|_.⊥| ri|´ｨｆ´弋ｿ｀i !i|ﾍ | !
　ィ´ |　 ! { | 「ﾚ' 'i,ｿ/ ヽ　　 　 　 lﾚﾘ !.|
　　　| /|i| i l∧　´　| l　_　　　　　,レ' |ﾘ　　　　　　　　ｒ ､
　　　V ハ.ﾄ |. ﾍ　　　｀_...　-　　/!　ﾄ{　　　　　t' ｰ- .._ヽ ｀､
　 　 　 　 ﾘ .}l ,ﾍゝ.　´　　　　 /|ﾘ|iﾄ.|　　　　　　｀ ヽ､_ '. '.　'.
　　　　　 　 /ﾍ!　V ｀ ,.､ 　 ／. ﾄ{ﾉ ﾊ　　 t_ー-- ､　 .!　| |　| ,ｨ
　　　　　　　　　　ﾚ」/_| ｀ ´　.'　!‐ ､　　　　 ｀ 丶. ＼ |　ヽ　'.l　'.
　　　　　　 　 ,. ‐'´　　|　　　.'　 ,>' ヽ､　　 _＿＿_｀> ｀ ､　!　|)　〉
　　　　 　 　 /ヽ　　 ,ｒ'　　 /　/￣!　/ー ､'ｰ-　..__ ‐､　 '.　'. !　/
　 　 　 　 　 !　 ゝ､ .L ､_　ｒ‐/､　∧ |ノ　 ｀　､　　ヽ　　　　 !　/
　　　　　, ィ }　　_ノ/__　　__/.／ '　ヽ!　　　　　｀ヽ､ '.　　　　　|
　　 , ィ´　　'　 く　 |‐-｀´／ｲ／　　　　　　　　 ,　'　!ﾍ　　　　 |
　　/　　　　　 　 '.　!　 / ´ ´　　　　　　　　　　　　　'. ヽ　　　 |

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼　　　　　　　はい 一番の邪魔者だった沈尹戌が戦死しましたお
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼
　　　　　　　【公子 夫差（ふさ）】
　　　　　　　呉王 闔閭の次子


　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_　　　　　　　　 （ち～ん）
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼　　　　　　　　　沈　　（笑）
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼ 　 　 　 　 逝きましたー
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼

















　 　　　　 　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 なんつっておｗｗｗｗｗ
　　　　　　　 ／_ノ 　ヽ､_＼
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　　　　 誰が上手いこと言えとｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
/⌒)⌒)⌒) :::::⌒（__人__）⌒:::＼　　　　　　/⌒)⌒)⌒)
|　/　/　/　　　 　 |r┬-|　　　　|　　　(⌒)/　/ / /／
|　:::::::::::(⌒).　　　 |　|　 |　　 ／ 　　　ゝ　　::::::::::/
|　　　 　 .ノ　　 　 |　|　 |　 　＼　　　/　　）　　/
ヽ　　　　/　　　　　`ー'´　 　 　 ヽ　/　　　　／
　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l 　 　 　 バ
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､ 　 　 　 ン
　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))　 バ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ン

　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　／￣￣￣￣￣￣｀ ヽ.　　　　　　 　 　 　 __ノ｀j　　　　勇戦した敵手を貶めるのは徳のある行いとは言えません
　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　 　 　 　 　 　（ ●;
. /　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　 〉
/　 　ｰ―-　　　　　　　　　　 　 i　　　　　　　 ,--/　　　　　　　　【伯嚭（はく・ひ）】
.　　（　○ ）　 　 -―- 　U 　 　 i 　 　 　 　 ＿／　 　 　 　 　 　 呉の大夫（たいふ） 夫差の傅（ふ，教育係）
　 　 　 　 　 　 （ ○　）　 　 .,,,, ノ￣ ￣.::ﾌ /
　 （_　　.j 　 　 ,　　　　　 .ノ ‐-..‐｀‐ ' :´ー-､　　　　　 　 /　　| ○
. 　/yﾆゞﾆﾞr=ｊ"　　　,　- '´:..　._;:::　　 　 ＿ 三 ニ =　 　/　　　|
ο }}ｒ-;ｰ;:i叨;' ´ .::/　　...:::::...'´ -＝´￣:　:::三ノニ＝―　　　　　 /
　,/lｒｎnnｦｿ 　 .:::l:::. ‐ ' ´ .::: ｀ .::::::....＿:, --‐'三≡=　　　　　二/二
: :ﾄ｀-ﾆ､イl::　.:::::人::ー --::　-'´ ￣　　_ ／三二　　 　 　 　 　/
: :ヽi|ii 　 :: , .- '´ 　＼::...ー-:::::..__ ,:::' 三二ニ＝　 ｀ヽ､　　　　　　　イ
l: :|:｀ ー く:::::　 ::::::　:::｀ ―, - . ＿::／　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼


　　　　　　　　　　　　 _,.. -‐―-―-、_
　　　　　　　　　　,.. '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:::...、
　　　　　　　　 , ':::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::::::::::::`..、
　　　　　 _,,,... ':::::::::::::::::::::::,::::::ハ:::;::::::::::::::::::::::::::`、
　　　　　　,ﾌ゛::::::::::::::::/:::/;:::::l　　 l;ﾊ;;;;;;',:::::::::::::::::::.,
　　　　　 ,.;::::::::::::::/l::/ l/ l人!　　l;　l::N l:l::::;:::::::::::::;_
　　　　　 / l:::::::::::l. v　..__,.....,　　　-...,,,,_' j/ l:::::::::::l
　　　　　　 .l/l:::::r　-'~_,,..._　 ;.　　　 ,-　、‐-l:::::::,''　　　（いつもこんな感じなのかなぁ…）
　　　　　　　 　 j::,　 ,;' .f:::i 　 ﾞ　　　 .f:::i ヽ　 /:}'
　　　　　　　　 lヽヽ　　'`　　　　　　 　'"　　 /~.l
　　　　　　　　 `、(ゞ.　　　　　 ;:　　　　　　/) ,.'
　　　　　　　　　 `　、　　　　　　　　　　　/／
　　　　　　　　　　　　ヽ、　　- -- 　　,. '~
　　　　　　　　　　　　　 .i. 、　　 　 .,　i′
　　　　　　　　　　　　 __,j　` 　_ ,.. '　 l._
　　　　　　　　　　　r'　,. l　　　　　　 l 、~ヽ
　　　　　　　　　　　l　.ゝt　　　　　　 lkl　　l
　　　　　　　　_,. -'/　　l　　　　　　　　/　 ヽﾞ';,
　　　　　 _,..-"　 /　　 _ l‐--、　.,-―/　　 ヽ、ﾞ'':.,
　　　 ,.-"　　　 /　　r~ l l　　　　'　　f .r～,　 l　　 ﾞ'':.,
　　【熊勝（ゆう・しょう）】
　　楚の廃太子 建（けん）の遺児 伍子胥と共に呉に亡命
　　楚王 軫の甥にあたるがほぼ同い年

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ′::::::::::::::::::::::::::::::トx:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′:i::::::::::::::::::::::::::::::〈⌒ヽ:::::::､:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::|:::::::::::::::Α:::ﾄ､::∧ ｆ芹ト､{ヽ:::::::i、::::<＼::::::::::ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::}:::::::::::::{ｆ'芯:|　＼ﾊ. ヒj　｀　＼::| ヽ::ﾊ　.}::; - ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ::ﾊ::::/:::::::“.ﾏﾘ!　　 ｀| ｰ一　　　｀|　ハ::| //　　 ｀
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 V　V:::|､::::::}-‐　　　　　　　　　　　　 __ツ:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V:| V{ﾊ　<　　　　　　　　　　 ／^ヾ::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V! ｀|. ヽ　　ｬ‐ ､　　　　　　/ 　　　>^ヽ＿＿＿__
　　　　　　　楚王たちは雲夢を出た後　　　　　 　 　 　 ＼. ｀¨´　　　　　　　　 ／／´:::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　漢水沿いに逃げてるって話だ　　　　　　　 　 ＼　　　 _.　 '´　 .／／:::::::::::::::::_:::::-‐''´￣｀ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　ｰ　´ ＼　 .／／:::::::::;::-‐::´::::::_::-､ー--:､::::ヽ
　　　　　　　俺たちはこれを追う　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／入/／::::::::イ:::::;::::::-＜_:::::::｀ー--::ミＹ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:::::|ァｲ::_::イ:::::::／:::::::::::::::::::｀丶::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ:::::::/;:::イ:::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶::::::::::::::〉


　　　 　　 ＿＿＿_
..　 　　 ／　　 　 　＼
　 　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　はい
　 ／ 　　 （●） 　（●） ＼
　 |　　　　　　 　 ' 　　　　 |
　 ＼　　　　　　⌒　　　／
. 　/⌒ヽ　 　　　 　 　ｨヽ
　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
./　 　 ／　r─--⊃、 　|
|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|


　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､
　　　　　 　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　だが全軍でというわけにもいかん
　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　/: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ　　　　　 特に郢（えい）は確保しておきたいからな
　　 　 　 /: : /: /: ::::::|::::/　V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::|
　　 　 　 |: :/: /: :/:::::|∠─ V| ヾ:::::::|￣ V:::::i:::::::::::::::::}　　 　 　 だから北上する隊と残る隊とを分けにゃならん
　　　　　 ﾚ.|:.::::|:::i:::::/:/　　.､ﾊi　＼:::ﾚｨ--V::ﾄ::::::::::::::::ヽ
　　　 　 　 .|::::::|:::l::/|::ﾚｲ飛ゝ　　　ヾ| 'ｊ及ｧVﾊ::::::::::::::::ﾊ
　　 　 　 　 |::::::|:::K .V 辻 tｊ}　　　　　 弋 ｿ ' ﾊ::::::::::::ﾄ;;ゝ
　　　　　　　|::::∧:r-､　ゞ- '´　　　　　　 ￣　i .ﾋ V:ﾊ::::i::＞
　　　　　　　|::/　|:|ﾚヽ　　　　　　i 　　　　　　レｲ/'ﾘ::::::＞
　　　　　　　ヾ.　 | ヽ∧　　　　　＿　　　　　r‐ム::ﾊ／
　　　　　　　　　　V:::/ ヽ､　　　　　　　　 ／'´
　　　　　　　　　　 ヾi　 　}＞　　　　　, イ
　　　　　　　　　　　　　　　 　| ｀ - ´_ -┴┐
　　　　　　　　　　　　　　　r‐'V/￣　　　　/::＼
　　　　　　　　　　　　　　 / /:::::入 　 　 ./::::::::::|""＼
　　　　　　　　　　　　／:/ /:::::::::::∧　　/::::::::::::|::::::::::::" - ､
　　　　　　　　　　／/:::::|V∧::::::/　 ＼/::::::::::::::|::::::::::::::::::::::

.　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
　　 　 /: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　 ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/　|:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
　　＜ : _: : : / 〈　 ノ　|/　　ﾚ　ヽ　}|:./ヽ: : :|
　　＜:: |. 小{　　 _,,.. -　　　　､-.,_　ﾚ{: :.|ヽ:|　　　　　　まあとは言っても──
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　　 ､　　　　{ﾊ/　V
　　　　　 ＼_!　　　　　　　 　'　　　　!
　　　　　　　 ヽ　 　 'ー―--　 　 ／
　　　　　　___,ｒ| ＼　　 　 　 　 ／
　　　　／:/::::| ＼　 ヽ _　,　ィ´
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､
::::::::::::::/:::::::::∧　　　　/二＼　|::::::ヽ::::::::::::＼
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ　 /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｎ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l^l.| | /）
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | U ﾚ'/／)
　　　　　　＿＿＿　　　　　　ﾉ　　　 ／
　　　　／ ⌒　　⌒＼　　ｒニ 　　　　|
　　 ／　（⌒）　 （⌒）＼　　ヽ　　　/　　　はいはーい 夫差は郢の守備を固めますお！
　／ 　 ///（__人__）///＼ / ` 　 /
　|　　 　 　 `Y⌒y'´　　　 | 　　／
　＼. 　 　 　 ﾞー ′　　,／　 ／
　　/⌒ヽ　 　ー‐ 　　ｨ　　／
　 / rｰ'ゝ　　　　　　　　／
　/,ﾉヾ　,>　　 　 　 　 ｲ
　|　ヽ〆　　　 　 　 　 |

　　　　　　 　 　＿＿＿_　　　　　　　　　こんな湿気くさい土地で野宿とかするより都会の空気を吸っていたいお！
+ 　 　 　　 .／ ＼　　／＼　ｷﾘｯ
　　　　　 ／　（●） 　（●）＼　　 　 　 （父上の留守を守り この郢を敵に渡すようなことはありませんとも！）
　　　　／　　 ⌒ﾉ(､_, )ヽ⌒　 ＼
　　　　|　　 　　 ｀-=ﾆ=-　 　 　 |
　　　　＼　　 　　 `ー'´ 　 　 ／ +



































　　　　　　　　　 _＿＿＿
　　　　　　　　／　_ノ　ヽ_＼
　　　　　 　／ ∩ｌ＾ｌ^ｌnnｌ^ｌ^|＼
　　　　　／　 。ヽ 　　∥　　ﾉ　＼
　　　　　|　　　／　 　人　 　ｌ　　 |
　　　　　＼ ／　　 /|ii!i!|＼　＼／
.　　　　　　|　　　 /. |;;;;;;|　 ＼　|
　　　　　　　　　　　 ｀ｰ´

.　　　　　　　 　 　 ／::::／::::::::／::::::: ／:::: /::i::::::::::∨::::::＼:::: ＼
　　　　　　　　 　 /::::::/:::::::::::/::::::::; ｲ:::::::::/:::::ﾄ;::::::::::∨:::::::∧:::::∧
.　　　　　　　 　 /::::::/:::::::::::/::::::::/　|:::::::/::::::::! ＼:::::∧ :::::: ∧:::::∧ 　 　 　 　 んじゃまあそういうことで
　　　　　　　 　 '::::::/:::::::::::/i:::::::/⌒ﾞi::::::ﾊ::::::::|￣｀∨::∧:::::::::∧:::::::i
　 　 　 　 　 　 i::::/:::::::::::/:::l::::/　__,,,Ⅳ|　Ⅵ::i　ィｔ=∨::::i:: ∨::∧::: !　　　　　　伯嚭は補佐を頼む
　 　 　 　 　 　 |:/i::::::::::/::::::l:::l ん:刋Ⅵ!　 Ⅵ!　 斥圷::::iﾍ:::∨::∧::!
　　　　 　 　 　 '　|:::::::/i::::::::ｌ::l〈 比::ﾘ ＼　　＼　比::ﾘ∨　∨∨::: ﾘ
.　　　　　 　 　 　 |::::/　ｌ::::::/::i 　ゞ-′　　　　　　ゞ-′　　jK_∨:::＞
.　　　　　 　 　 　 |:/　　ｌ:::/小　　　　　く:.　　　　　 　 　 　 {__j ∨::::＞
　　　　 　 　 　 　 ′ 　 !/　 !　　　　　　　　　　　　　　　 j___ソ＼!´
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 '､　　　　　ｒ _，　　 　 　 　 /／
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　 　 　 ／!
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀　､　　　　　　　 ／ .:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__　 ..　　´ 　 ..:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　 ...:.:.:_jｰ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　__j　　 __ ..　-　´　　　ヽｭ､、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ノ ハ_／　　　　　　　 　 /:i:i:i:i:iヽ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　.．＜/　/////∧　 　 　 　 　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　 　 　 　 .．＜:i:i:i:i:/　///////∧　 　 　 　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ────- 、
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 　 　　‐- ､　＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　 （ ●）　　｀、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 { 　 　 　 　 　 　 　 （●ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ　　　 　 　 　 　 '　　 !　　　　　承りました
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　＼　　　　　　 ー-　, '
　　　　　　　　　　　　　_,, -‐‐‐‐'/.. lヽ　 　 　 , ____／
　　　　　　　　　 　 ,-‐'、　 ヽ　　Ｌ.::丶:::: ヽ--'` 、
　　　　　　　　　　/　　 ヽ　..::l:::::::<´:::::l:::::ノ‐‐l.l　z 、
　　　　　　　　 　/　 ......　l:::::::l::::::::丶　 l‐'`t-l'l´ 　/l丶、
　　　　　　　 　ｒ'l...:::::::::::::::l::::::l::::　　`、　l /　.l/　/　l　.l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿__
　　　　　　　　/l,ヾ:::::::::::::::l:::::l　　　　`、 .l　 ./ ./ 　 l /l　　　　　　　　　　　ぁぃぉー　　 ／　/　　#　　;,; 　ヽ
　　　　　　 ／:::::`..:::::::::::::/:::/...　　　　ヽ .l_./／　　 l/ .,t　　　　　　　　　　　　　　 ：　／ノ　 ;;#　 ,;.;:: 　　　　＼　　：
　　　　　　/　::::::::::::::::::／／:::::::::....　　　`ｙ '　　　 ./..::::.:f　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 -==、 　 '==-　　　..:::::|
　　　　 ／ミ　::::::::::::イ;;;T:::::::::::　　　　　l.0　　　　/:::::::　 l　　　　　　　 　 　 　 　 　 | ::::::　 （__人__）　　 　:::::.::::|　：
　　　　ト--- 、 wソ .l;;;;;l:::::::::..　　　　　.l　 　 　 l::::::　　　l　　　　　　　 　 　 　 　 ： !　#;;:..　 l　　|　　　　　.::::::/
　　　 ｒ' 　 :::::::::::,'　　.l;;;;;l:::::::::::..　　　　.l.0　　　 ll::::::::====ヽ　　　　　　　　　　 　 　 ヽ.;;;//;;.;`ｰ‐'ｫ　　 ..;;#:::/
　　　,'　　..:::::::::/　 　 l;;;;;l::::::::::::::...　　 .l　　　　 l ヾ:::::::／二二ヽ　　　　　 　 　 　 　 　 ＞;;;;::..　　　　　..;,.;-＼

　　　　　　　　　　　-─ ､　 ,　-──- ､
　　　　　　　　　　 , - ─｀＜::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､
　　　　　 　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　/: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ
　　 　 　 /: : /: /: ::::::|::::/　V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::|
　　 　 　 |: :/: /: :/:::::|∠─ V| ヾ:::::::|￣ V:::::i:::::::::::::::::}　　　　　　　で…だ
　　　　　 ﾚ.|:.::::|:::i:::::/:/　　.､ﾊi　＼:::ﾚｨ--V::ﾄ::::::::::::::::ヽ
　　　 　 　 .|::::::|:::l::/|::ﾚｲ飛ゝ　　　ヾ| 'ｊ及ｧVﾊ::::::::::::::::ﾊ　　　　　　夫概（ふがい） お前は俺と同道してもらうぞ
　　 　 　 　 |::::::|:::K .V 辻 tｊ}　　　　　 弋 ｿ ' ﾊ::::::::::::ﾄ;;ゝ
　　　　　　　|::::∧:r-､　ゞ- '´　　　　　　 ￣　i .ﾋ V:ﾊ::::i::＞
　　　　　　　|::/　|:|ﾚヽ　　　　　　i 　　　　　　レｲ/'ﾘ::::::＞
　　　　　　　ヾ.　 | ヽ∧　　　　　＿　　　　　r‐ム::ﾊ／
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　　　 　 　 　 　 /,イj:.:.:.l　ィ fﾃ　 i　　 fj_ヽ　iﾐ:.:.:Z　　　　　え？
　　　　　　　　　　　/ｸハ　 ´　　 i!　　　　｀　'ハ､〈
　　　　　　　　　　　 'ｲ　 i　 　 　 {　_ 　 　 　 fﾉﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 ヽﾆ!　　　　｀　 　 　 　 jr′
　　　　　　　　　　　 　 　 ゝ　　 rﾆ二ヽ　　 /′
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　　　　　　　　　　　　　　　, イ＼　　　　/／　 }｀ヽｰ-　_
　　　　　　　　　　　　_　イ//|　　ヽ　　/´　　　|/∧/////＞　.,
　　　　　 　 　 　 _ ＜///// ! 　 /ミｰムヽ　　i//.∧/////////｀ー､
　　　　　　　 _ ＜////////.ﾊ　人ヽ:i:i:i　 j＼ !///.∧///////////∧
　　　　【公子 夫概（ふがい）】
　　　　闔閭の弟

　　　　　　　　　　　　　　_,,,..-.ｰ.─.-.-....､._
　　　　　　　　　二ヽ,,..::"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:..､
　　　　　　　／::::::::｀`:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::ヽ
　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::ヾ:::::＼:::::::::',　　　　　　　　手柄立てたかったんだろ？
　　　　　/:::::::::::::::i:::::i!::::::::::::::::ヾ:::::,,∠,､_:::::＼::::＼:::::',
　　　　　i::::::::::::::::!:::::i i:::::::::l::::::::イ＼＼＼:::::::::＼:::＼::',　　 　 　 　 郢にいたら立てられんだろが
　　　　　l:::::::i::::::::!::::i,,ゞ;::::::::i:::::::::l　 >≧r､＼::::::ヾ＼_::＞
　　　　　ｌ::::::i!:::i::::l;/i ._,,＼::::!､::::::l 　 辻ヾ〉　＼:::ヾ）::::＞
　　　　　i:::::ﾊ::::|::::l:::i〈｀（ﾍ＼! ＼:', 　 ゞ-′　　ラ∨/"´
　　 　 　 l:::i　l:::|::::lヾ､ 弋i;） ヽ　 ＼ 　 　　　┌::ソﾉ
　　　　 　∨　l::::l::::l:::＼　" 　　　　　　　　　　ﾍ::::/
　　　　　　　 　＼|＼!＼　　′　　　　　　 　 　∨
　　　　　　　　　　ヾ ヾ　､　　　　‐-　　　　,　　　ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　｀　 ､　　　　　 , ′　 ／ 　＼＿
　　　　　　　　　　　　　　 　　　｀ ｰ　＜　 ／´ 　　　／:::::￣｀ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ノ´∧_∧　　　　／::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　:::::´￣／ /〈::ヾ∧ 　　 /:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　:::::::／　 / ﾉ::::〈　ヽ 　/::::::::::::::::::::


　　　　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::＜￣¨｀　 `'＾゛＾｀ヽiヽ:::/::／:::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::∠´　　　　　　 　 　 　 V!/イフィ::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　 　 ｉ::::::::::::::::／　　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣i::::::::::::::::::::
　　　　　 　 　 　 i:::::::::::::::ﾌ　　　-‐‐‐-- ､ _　　.､　　　　　　　i:::::::::::::::ヽ:
　　　　 　 　 ､＿_i::, =-､;7　　　 　 ＿＿ ｀ヽﾆフﾉ　　,≠=-、 .i::::::::::::::::::::
　　　　　　　　＼::/ .ハ.ｉ　 　 　 ＜i::::ﾟ/ ヾ｀::　　 　 /::´　　　　i::::!¨＼::::::
　　　　　 　 　 ＜i　/⌒i　　　　 　 ￣¨　　　　　　.::ｨ-ｔ‐､　　/::::::!.　　＼::
　　　　　 　 　 .∠i ｉ　 （|　　　　　　　　　　　　　 /:::`‐' ´　 ∧__::::＼　　｀
　　　　　　　　 　 ｀ﾄ.ヽ_,|　 　 　 　 　 　 　 　 　 i:: 　 　 　 /　　 ￣¨｀
　　　 　 　 　 　 　 i:｀>ｲ　　　　 　 　 　 　 　 　 i:::　　　　/
　　　　　　　　　　 ｉ:::!　!　　　　 　 　 　 　 　 　 i::.　　 　/　　　 　 　 そりゃそうだけどそんな頭ごなしに…
　　　　　　　　　　 i/: : : ',　　　　　　　　　 ‐ ,_ノ:　　 　/
.　　　　　　　 ┌-ｲ: : : : : ',　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　俺に選択する権利はないのかよ
　　　　　　,;;､ ﾉ.｀〈: : : : : : :＼　 ∠ニ_‐‐---,　　／
　　　　 ／;;;;く　　 ＼.: : : : : :.:ヽ　　　　￣￣　／
　 　 ／;;;;;;;;;;;;;ヽ　　　｀ﾞｰ-:,:,: : :＼_　 　 　 ／
,.,:;;;;´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼.　　　　　¨ヽ : : ¨7‐-‐'

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
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::::::::::{:/:::::::::/::::::/　　 !::/三三三|::::/ﾚ:::::/ |/ 　 　ﾘ
:::::::::::i:::::::::/ |:::/　　　i/　　 　 　 |:∧　|:/　′
:::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　 ヽｿ　 　 　 　 　 ねえよ んなもん
:::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼
:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　今回みたいな醜態晒してどの口で言いやがる
:::::/　∨　　　　　　　 　　　∠二 7 /
／ﾍ　　　　　　　　　　 　 　 　　 , '
＼　 ＼　　　　　 ＿　 　 　 　 /
　 ＼　 ＼　　　 /　　｀　ー - ′
　　　＼ 　＼__ /
　　　　　￣＼ ＼


　　　　　　　　　　　-─ ､　 ,　-──- ､
　　　　　　　　　　 , - ─｀＜::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､
　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　/: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ 　 　 　 　 　 お前さんは独断専行がお好きな上に
　　 　 　 /: : /: /: ::::::|:::/　.V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::|　 　　　 　 　 威張り散らすのも得意みたいだしな
　　 　 　 |: :/: /: :/:::::|/ _ノ .V| ヾ:::::::| 　 ∨::i::::::::::::::::::}　
　　　　　 ﾚ.|:.::::|:::i:::::/|　 　 ､ﾊi　＼::::|｀^ｰV::ﾄ::::::::::::::::ヽ　　　　　　　郢の守りは夫差に任せたってのに
.　　　 　 　 |::::::|:::l::/|::i　 　 　 　 　 ヾ|　 　 Vﾊ::::::::::::::::ﾊ　　　 　 　 .お前に妙な横槍入れられてもかなわん
　　 　 　 　 |::::::|:::K .V　≡≡′　 　`≡≡'　.ﾊ::::::::::::ﾄ;;ゝ
　　　　　　　|::::∧:r-､　　　　　　　 　 　 　 　 i .ﾋ V:ﾊ::::i::＞
　　　　　　　|::/　|:|ﾚヽ　　　　　丶 　 　 　 　 レｲ/'ﾘ::::::＞
　　　　　　　ヾ.　 | ヽ∧　　　　　　　　 ､　 　 r‐ム::ﾊ／
　　　　　　　　　　V:::/ ヽ､ 　 ｰ､―‐ノ 　 ／'´
　　　　　　　　　　 ヾi　 　}＞ 　　￣ 　 イ
　　　　　　　　　　　　　　　　 | ｀ - ´_ -┴┐
　　　　　　　　　　　　　　　r‐'V/￣　　　　/::＼
　　　　　　　　　　　　　　 / /:::::入 　 　 ./::::::::::|""＼
　　　　　　　　　　　　／:/ /:::::::::::∧　　/::::::::::::|::::::::::::" - ､
　　　　　　　　　　／/:::::|V∧::::::/　 ＼/::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　 ／:::/:::::::|　 /:=:::i　 　 /::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
　　　　　　　 /:::::::::|::::::::|　/::/::::|　　 /:::::::::::::::::/::::/:::::::::::::::::

　　　 :::::::::::::::::::::::::::::＼::ヽ:::;イﾚ´^"^´´　´¨￣＞:::::::::::::::::::::ヽ
　　　 ::::::::::::::::::::::::ゝ＼!ヽ!V　　　　　　　　　　　｀ゝ:::::::::::::::::: i
　　　 ::::::::::::::::::::i￣　　　　　　　　　　　,-,-‐　　　＼ :::::::::::::: i
　　　 :／::::::::::::::i　　　　　　　　　 　 ／/　　　　 　 く::::::::::::::: i
　　　　::::::::::::::::::i　‐-=ﾐ ､　 　 　 ／／＿＿ 　 　 　 ＼,.-=､::i_＿,
　　　.:::::::／¨!::::i　　　　＼ヽ {､<_／´ﾌ ゝ;::::i＞　　　　 i ハ. Y::／
　　　::／　　 !:::::ﾍ 　 ｨ┬-､::.　　　　 　 ¨￣　　　　　　i⌒､　i:＞　　　　　　くっ…
　 　 　 　 ／::::__∧ 　｀ ゝ‐'ﾍ　　　　　　　　　　　　 　 |)　 i .iヽ、
　　　　　'´¨￣　　 ', 　 　 　 ::i　　　　　　　　　　　　　 |､_ﾉ,.ｲ￣
　　　　　 　 　 　 　 ',　　　　:::i 　 　 　 　 　 　 　 U 　 ﾄ-<::i
　　　　　　　　　　 　 ',　　　 .::i　　　 　 　 　 　 　 　 　 ! 　!:i
.　　　　　　 　 　 　 　 '、　　 :ゝ､ - 　 　 　 　 　 　 　 /　 ヾi
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 ゝ┐
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　,.──-､　　　　　／　　　　ﾉ´ ヽ､,､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　￣｀　　　　　／　　 　 ／　　　 〉;;＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼ 　　　　_／　,. -一' ´ 　 　 ／;;;;;;;;;;;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 `ｰ-‐T¨　　/　　　　　 　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀;;;､


.　　　　　　　 　 　 ／::::／::::::::／::::::: ／:::: /::i::::::::::∨::::::＼:::: ＼
　　　　　　　　 　 /::::::/:::::::::::/::::::::; ｲ:::::::::/:::::ﾄ;::::::::::∨:::::::∧:::::∧
.　　　　　　　 　 /::::::/:::::::::::/::::::::/　|:::::::/::::::::! ＼:::::∧ :::::: ∧:::::∧
　　　　　　　 　 '::::::/:::::::::::/i:::::::/⌒ﾞi::::::ﾊ::::::::|￣｀∨::∧:::::::::∧:::::::i
　 　 　 　 　 　 i::::/:::::::::::/:::l::::/　__,,,Ⅳ|　Ⅵ::i　ィｔ=∨::::i:: ∨::∧::: !　　　　　で 他の奴らだが…
　 　 　 　 　 　 |:/i::::::::::/::::::l:::l ん:刋Ⅵ!　 Ⅵ!　 斥圷::::iﾍ:::∨::∧::!
　　　　 　 　 　 '　|:::::::/i::::::::ｌ::l〈 比::ﾘ ＼　　＼　比::ﾘ∨　∨∨::: ﾘ
.　　　　　 　 　 　 |::::/　ｌ::::::/::i 　ゞ-′　　　　　　ゞ-′　　jK_∨:::＞
.　　　　　 　 　 　 |:/　　ｌ:::/小　　　　　く:.　　　　　 　 　 　 {__j ∨::::＞
　　　　 　 　 　 　 ′ 　 !/　 !　　　　　　　　　　　　　　　 j___ソ＼!´
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 '､　　　　　ｒ _，　　 　 　 　 /／
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　 　 　 ／!
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀　､　　　　　　　 ／ .:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__　 ..　　´ 　 ..:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　 ...:.:.:_jｰ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　__j　　 __ ..　-　´　　　ヽｭ､、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ノ ハ_／　　　　　　　 　 /:i:i:i:i:iヽ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　.．＜/　/////∧　 　 　 　 　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　　　 　 　 　 .．＜:i:i:i:i:/　///////∧　 　 　 　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （●）（● ）　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　私は当然お供いたしますよ　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜　　　　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　 ／_.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　 ／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ＼: ヽ:ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､'ｰr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ　V: : : : ｀ :´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ :.／￣＞＜ :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / : : :ム　/ : : : :￣￣￣￣~ﾞ''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ : : : : : :＼､ : : : : : : : : : : : : : : : :＼. : : :∨ : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : :￣"＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／ : : :{


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:::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　 ヽｿ
:::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　わかってるわかってる
:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／
:::::/　∨　　　　　　　 　　　∠二 7 /　 　 　 　 　 楚の北なんて俺ぁ知らんからな
／ﾍ　　　　　　　　　　 　 　 　　 , '
＼　 ＼　　　　　 ＿　 　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 案内して貰うぜ
　 ＼　 ＼　　　 /　　｀　ー - ′
　　　＼ 　＼__ /
　　　　　￣＼ ＼

　　　　　　　　　　　-─ ､　 ,　-──- ､
　　　　　　　　　　 , - ─｀＜::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､
　　　　　 　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　/: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ　　　　　無論 孫武もだ
　　 　 　 /: : /: /: ::::::|::::/　V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::|
　　 　 　 |: :/: /: :/:::::|∠─ V| ヾ:::::::|￣ V:::::i:::::::::::::::::}　　　 　 あとは…
　　　　　 ﾚ.|:.::::|:::i:::::/:/　　.､ﾊi　＼:::ﾚｨ--V::ﾄ::::::::::::::::ヽ
　　　 　 　 .|::::::|:::l::/|::ﾚｲ飛ゝ　　　ヾ| 'ｊ及ｧVﾊ::::::::::::::::ﾊ
　　 　 　 　 |::::::|:::K .V 辻 tｊ}　　　　　 弋 ｿ ' ﾊ::::::::::::ﾄ;;ゝ
　　　　　　　|::::∧:r-､　ゞ- '´　　　　　　 ￣　i .ﾋ V:ﾊ::::i::＞
　　　　　　　|::/　|:|ﾚヽ　　　　　　i 　　　　　　レｲ/'ﾘ::::::＞
　　　　　　　ヾ.　 | ヽ∧　　　　　＿　　　　　r‐ム::ﾊ／
　　　　　　　　　　V:::/ ヽ､　　　　　　　　 ／'´
　　　　　　　　　　 ヾi　 　}＞　　　　　, イ　　　ノノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　| ｀ - ´_ -┴┐
　　　　　　　　　　　　　　　r‐'V/￣　　　　/::＼
　　　　　　　　　　　　　　 / /:::::入 　 　 ./::::::::::|""＼
　　　　　　　　　　　　／:/ /:::::::::::∧　　/::::::::::::|::::::::::::" - ､
　　　　　　　　　　／/:::::|V∧::::::/　 ＼/::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　 ／:::/:::::::|　 /:=:::i　 　 /::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
　　　　　　　 /:::::::::|::::::::|　/::/::::|　　 /:::::::::::::::::/::::/:::::::::::::::::


　　　　　　　　　　　　　　,.　-‐………‐‐一ｧ
　　　　　　　　　　　　 ／.:::::／l.:::::/.:i::{:::::＜_
　　　 　 　 　 　 　 ／.:::::,lィ≠≧厶∧|｀ヽ:::::｀ア
　　 　 　 　 　 　 /.:::::/l/　,f弋{｢｀`　　､__厶::::ト
　　　　　　　　　 {::::::::{　　　　　　　　 く衍∨!::l　　　　　　僕もご一緒してよろしいでしょうか
　　　　　　　　　 ｊr弌:!　　　　　　　 　 ′　!｣`｀
　　　　　　　　　 { ⌒｀　　　　 　 一 ､　 　 }
　　　　　　　　 　 ヽｰ┘ 　　　　 　 　 　 , '
　　　　　　　　　　　｀Ｔ7　　　　　　　　, '
　　　　　　　　　　　 个　　　 　 　　／
.　　　　　　　 　 　 　 |　　　　 厂｢´
　　　　　　　 　_.　-‐┤　　 　 　 ｢ﾉ｀ヽ
　　 　 　 　 ∠　　　　|　　　 　／　　　}
.　　　 　 　 }　　}　,r＜_　　　/　　∧ 厶__
.　　　　 　 ,'　　 て{::::.::.:.:.:￣｣　／　 ヽ {、 ｀丶、
　　　　　 / r‐一'´ヽ:::.:r一'′´　　　　 ＼丶、　丶、
　 　 _　７⌒＼　　　 ',::{　　／ /　　　　　　 　 丶、 丶、
　／　　　　 　 ＼ 　 ｣::!　　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼　 ヽ

　　　　　　 /.:.:.:.:.:./.:.〃:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ::::::::::::＼
.　　　　　 /.:.:.:.:.:./.:.:/ :/:〃:.:.:. ハ､ .:.: ＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧:::::::::::::::.
　　　　　/.:.| .:.:./.:.:/ :/:,:.:| .:.:.:.:|.:.:.:::ﾄ､:.:.:. ＼.:.:.:.:.:.:.:∧、::::::::::l
.　　　　 .:.:/|.:.:/.:.:/ :/:/:.∧:.:.:. |.:.:.:::|　＼:.:.:.:.＼.:.:.:.:.:∧ヽ::::::::l　　　　　　　　ああ 無論だ
　　　　 |:/ :|! :.:.:.:|:.:.| 厂厂∨:.:|.:.:.:::|￣｀ヾ下｀ヾ、.:.:.|: ∨＼:::'.,
　　　　 |′:|!.:ｉ.:ﾊ|:.:.|:!:.刈圷∨ﾍ:.:.:.:', γてぅⅥ:.∧:. |ﾍ:::ﾄ､:::＼ヽ､、
.　　　 　 　 !:.:|′|:.:从:j　比:::Ⅳヽ:.:.:.',　 比:::::Ⅳ:.∧:|:∧j |::::::::ぐ￣｀
　　 　 　 　 Ｖ|　 Ⅵ:.Ⅵ 弋ｚﾘ ＼　＼', _戈zソ ∨ /:|そﾚ':::::::≪´￣
.　　　　　　　 ＼　∨Ⅵ　　　　　　　　ヽ　　　　 ∨: ;_ノ／´￣｀ヾ
　　　　　　 　 　 　 ヽハ　　　<　　　 　 　 　 　 /ﾍ:/"´
　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　ｰ_一　　　　 ／　 |′
　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　 　 .　　　／ﾍ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 丶 __　　 ´　 . 　´　　 }､、
　　　　　　　　　　　　　 　 ／ ::|＼ 　　. 　´　　　 　 j::::: ト､、
　　　　　　　 　 　 　 　 ／/:::::::|　 〉く　　　　　　 　 ,::::::: |:::::::｀::... ､
　　　 　 　 　 　 ..．.:.:.´::::/ ::::::::| ./:.:.:.:＼　　 　 　 /::::::::::|:::::::::::::::::::::｀::... ､
　 　 　 _ ..．.:.:.´::::::::::::::::/ ::::::::: |/:.:.:.:.:.:.:/＼　　　/:::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::... ､


　　　　　 　 　 　 ,､‐ ''" ￣ ｀`'' ‐- 、
　　　　　　　　／イハ/レ:::/V＼∧ド＼
　　　　　　 ／::＾'´::::::::::::i､::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　‐'7::::::::::::::::::::::::ハ:ﾊ::|ヽ:::;､::::::::::::丶
　　　　 ／::::::::::::::/!i::/|/　 ! ヾ　ﾘハ:|;!､:::::::l
　　　　/´7::::::::::〃|!/_,,、　　 ''"゛_＾`''`‐ly:::ﾄ　　　　　ありがとうございます
　　　 　 /|;ｨ:::::N,､‐'゛_,,.＼　　 ´''""'ヽ　 !;Ｋ
　 　 　 　 ! |ﾊﾄ〈 　,r''"゛　 ,　　　　　　　ﾘｲ)| 　 　 　 それと──
　　 　 　 　 　`y't　　　　 ヽ' 　 　 　　 /／
　　　　　　　　 ! ぃ､ 　 　 ､;:=＝ｦ　　〃
　　　　　　　　　｀'' へ、 　 ` ‐ '゜ 　 .ｲ
　　　　　　　　　　　 　 `i;､　　 　 ／ l
　　　　　　　　 　　 　 　 〉　` ‐ ´ 　 l`ヽ
　　　　　　　　　　　　／　!　 　 　 　ﾚ' ヽ_
　　　　　　　　　_,､‐7　　 i|　　　　　 i´ 　 l ｀' ‐ ､_
　　　　 ,､-‐''"´　 ﾉ,､-､ /　､,_ ,.､-　{,ﾍ　 '､_　 　 ｀ヽ､_
　　　／ i　　　 ,､ｲ ∨　l.j__,,､..-‐::-:;」,ハ、　'､｀ ‐､_　　 ,`ヽ
　　/　　l ,､‐'´　/／ ',／!:::::::::;､--ｧ' /　　｀` ‐　　　｀'7゛ 　 ',
　/　　　l　 i　　´　　く 　 ';::::::l　 /　/　　　　　　　　 /　　 　 ',
/　　　　 !　l　　　　　 ＼　';:::l , ' 　/　　　　　　　　i/　　　　　',

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::}:::::::::::::{ｆ'芯:|　＼ﾊ. ヒj　｀　＼::| ヽ::ﾊ　.}::; - ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ::ﾊ::::/:::::::“.ﾏﾘ!　　 ｀| ｰ一　　　｀|　ハ::| //　　 ｀
　　　　　　　　　　ん？　　　 　 　 　 　 　 V　V:::|､::::::}-‐　　　　　　　　　　　　 __ツ:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V:| V{ﾊ　<　　　　　　　　　　 ／^ヾ::{
　　　　　　　　　　どうかしたか？　　　　 　 　 V! ｀|. ヽ　　ｬ‐ ､　　　　　　/ 　　　>^ヽ＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　＼. ｀¨´　　　　　　　　 ／／´:::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　 _.　 '´　 .／／:::::::::::::::::_:::::-‐''´￣｀ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　ｰ　´ ＼　 .／／:::::::::;::-‐::´::::::_::-､ー--:､::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／入/／::::::::イ:::::;::::::-＜_:::::::｀ー--::ミＹ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:::::|ァｲ::_::イ:::::::／:::::::::::::::::::｀丶::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ:::::::/;:::イ:::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶::::::::::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {::|:::/ｲ::::::::::::::／:::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::}:::::::::/


　　　　　　l::::::::::::::::::::::::::::l/:::/／:::::/ｲ ／ﾘ::::::::l::::::Vヾヽｊ:::::::::::::::
　　　　　　j::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾚ:::ｨ:::::::::::ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 l::::::__::::::::::::/:::,:ｲ:::::/l::::::;ｲ::/:|:::::ｲ::l　!:::: ﾊ::::::l:::::::::::::::::
　　　　　　　Ｙ,ヘ 1::ﾊ:l:/- |:::/‐|::/__l/　|:/　l/　l::::i　!:::ﾊ:::/|:::l::ﾄ
　　　　　　　|　　,〉l::i　　　 lノ,ｨｒ-ｒ-､｀ﾞ‐ﾘ‐'　　 _ﾚ'-‐'lﾅ ﾘlﾉ::/ﾘ
　　　　　　　l　（ゝ V　　 　 くゝソ　 ｀　　　 　 /ｨて「｀ﾒ / lﾙ'
　　　　　　　 ＼｀　 i　　　　　 ー　　　 　 　 　 ゝニ '　/
　　　　　　　　　iｰｨ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　はい 不躾ではありますが…
　　　　　　　,　'´＾ﾘ ﾍ　　　　　　　 　 　 　 i　　　　 /
　　　　　 ｒ'　　　 j　　 ヽ　 　 　 　 　 　 ‐　〉　　　 '
　　 　 　 |　ヽ､／　　　　＼　 　 　 -‐- -‐　　／‐　_
　　　 　 /　　　l　　　 　 　 　 、　　 ｀￣´ , イ｀､　　　￣｀ヽ
　　　／|　　 　 ',　　　　　　 　 ｀ ､ ＿ , 1　　　　ヽ　　　 　　ヽ
　 ／　　',　　　 ヽ、　　　　　　　　　 |　　',　i　　　 ＼　　 　　 l
／　　　　i　　　　　ヽ、　　 ヽ 　 　 /l　 　ヽ l 　 　 　 ヽ　　　　!

　　　　　　　　　　　　　　,.　-‐………‐‐一ｧ
　　　　　　　　　　　　 ／.:::::／l.:::::/.:i::{:::::＜_
　　　 　 　 　 　 　 ／.:::::,lィ≠≧厶∧|｀ヽ:::::｀ア
　　 　 　 　 　 　 /.:::::/l/　,f弋{｢｀`　　､__厶::::ト
　　　　　　　　　 {::::::::{　　　　　　　　 く衍∨!::l
　　　　　　　　　 ｊr弌:!　　　　　　　 　 ′　!｣`｀
　　　　　　　　　 { ⌒｀　　　　 　 一 ､　 　 }　　　　　いまひとつお願いがあります
　　　　　　　　 　 ヽｰ┘ 　　　　 　 　 　 , '
　　　　　　　　　　　｀Ｔ7　　　　　　　　, '
　　　　　　　　　　　 个　　　 　 　　／
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　　　　　　　 　_.　-‐┤　　 　 　 ｢ﾉ｀ヽ
　　 　 　 　 ∠　　　　|　　　 　／　　　}
.　　　 　 　 }　　}　,r＜_　　　/　　∧ 厶__
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　　　　　 / r‐一'´ヽ:::.:r一'′´　　　　 ＼丶、　丶、
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　／　　　　 　 ＼ 　 ｣::!　　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼　 ヽ


.

本日の投下は以上になります

お付き合いありがとうございました

【本日の登場人物】
呉王 闔閭（こうりょ）：伊藤誠（School Days）
伍子胥（ご・ししょ）：VIPでやらない夫（2ちゃんねる）
楚王 軫（しん）：麻呂重（2ちゃんねる）
王孫由于（おうそん・ゆうう）：パルコ・フォルゴレ（金色のガッシュ！！）
季羋畀我（きびひが）：洞木ヒカリ（新世紀ヱヴァンゲリヲン）
鐘建（しょう・けん）：鈴原トウジ（新世紀ヱヴァンゲリヲン）
闘辛（とう・しん）：キン肉スグル（キン肉マン）
闘懐（とう・かい）：ウォーズマン（キン肉マン）
闘成然（とう・せいぜん）：ロビンマスク（キン肉マン）
楚 平（へい）王：一条三位（水戸黄門）
闘巣（とう・そう）：アレキサンドリア・ミート（キン肉マン）
随公：テリーマン（キン肉マン）
子期（しき）：カミナ（天元突破グレンラガン）
子西（しせい）：渚カヲル（新世紀ヱヴァンゲリヲン）
公子 夫差（ふさ）：ニュー速でやる夫（2ちゃんねる）
伯嚭（はく・ひ）：できる夫（2ちゃんねる）
熊勝（ゆう・しょう）：碇シンジ（新世紀ヱヴァンゲリヲン）
公子 夫概（ふがい）：澤永泰介（School Days）

>>935
この闘辛は子文の玄孫 闘韋亀の更に孫にあたります
若敖氏の滅亡の元となった子越は子文の甥ですね

乙でしたー。

ここで勝をうまいこと使うって手もあるよなぁ。
楚の王族だし

あと余録として若敖からの楚王家と闘氏（若敖氏）のざっくりした系図です

　　熊儀(若敖)
　　├───────────┐
　　熊坎（霄敖）　 　 　 　 　 　 　 闘伯比
　　│　　　　　　　　　　　　　　　　├───────┐
　　熊通（武王）　 　 　 　 　 　 　 闘穀於菟（子文）　 子良
　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　熊貲（文王）　 　 　 　 　 　 　 闘般　 　 　 　 　 　 闘椒（子越）
　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　｜
　　熊惲（成王）　 　 　 　 　 　 　 闘克黄
　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　熊商臣（穆王）　 　 　 　 　 　 闘韋亀
　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　｜
　　熊侶（荘王）　 　 　 　 　 　 　 闘（曼）成然（子旗）
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　　熊審（共王）　 　 　 　 　 　 　 闘辛　 闘懐　 闘巣
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　　熊招（康王）　 熊弃疾（平王）
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　　熊建　 熊申（子西）　 熊結（子期）　 熊軫
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　　熊勝