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視聴者カウント

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　　　　　　　|::::::::::::::::::::::::::｡:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::ﾟ::|　　　　　　　　　宇宙船　ＹＡＲＵＯ号　船内
　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼
　 ┌──┐　.ヽ二二ヽΘ‡ †＿†　. _Θ‡ †＿†○∞　　　　.　　　 |　＼
∪（）━◎┥U　 .　　田田田田三田田田田≡‰　　　　　　　. 　 |　　　＼
　V|　　　　|V　　￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　＿/￣|￣￣￣＼　　＼
　　|:日日:|.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|＿＿_|￣￣　　　　　　　＼
　 └┬┬┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　　　＼　＼
　　　亠亠　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　￣￣　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　　　　　　　／（ ●）　（●）＼　　　　　　おっおっお♪
　　　　　　　　　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　　　　　　　　　|　　　　　|r┬-|　　　　　|
　　　　　　　　　＼　　　 `ー'´ 　　／　　　

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　
　|　　　（ ⌒）（⌒）　　　　　　　　　　　　　　　　　おい
.　|　　　/ （__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　望遠鏡をのぞかせてくれ
　 |　　　　　｀ ⌒ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　オレのふるさと、地球はさらに近づいたことだろうからな
.　ヽ　　　　　　} 　　　
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼　
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒) 　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　

　狭い船内でのびをしながら老人が声をかけた。
　彼は最近目を覚めるたびにこのことを要求する。

　　（（　(ヽ三/)　　　 (ヽ三/)　））
　　　　　　(((i )＿＿　 ( i)))　
　　　　／　／⌒　　⌒＼　＼
　　　　 (　／（ ●）　（●）＼）　　　　　　　　　　　　　いいですお　どうぞだお
　　　　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　　
　　　　 |　　　　　　　　　　　　　| 　
　　　　＼　　　　　　　　　／ﾆﾔﾆﾔ

　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　／　　｀>　
　　　　　　　　／　 ,-､／
　　　　　　 < 　　l.o.l
　　　　　　　／>､／L_」　
　　　　　　　<／　　　　||　
　　　　　　　　　　示　
　　　　　　　　　　　／.|| ＼

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　　　　　　地球に帰るのは何十年ぶりだよ
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　海や山がよく見えるくらいに近づいたかな
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜　
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　　　　　　・・・ってよく見えないな
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　　　　　　　　　　　　　やはり歳のせいかな　　宇宙に長くいると、いろいろ体が故障してくるもんだ
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　　
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――――
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　 ∧_∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　　　　　　(･ω･`)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -- ､,　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo
　　　　　　しし )　　　　　　　　　　　　　　　　　,.―＜,__　　　　ヽ:::⌒（__人__）⌒::::: ＼　見えないのは当たり前だおｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
　　　　　　０(ヽ)　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　ヽ　　|r┬-|　　　　　|　　　だってやる夫がカバーかけたんだものｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
　　　　　　／　￣>　　　　　　　　　　　　　　__|　　　　　　　　　　　 }.　 |　|　 |　　　　　|
　　　　／　　／　　　　　　　　　　　　　　/　ヽ,　　　　　　　／　 { 　　|　|　 |　　　　　|
　　　>、／　　　　　　　　　　　　　　　{　　　Ｙ----‐┬´　　　、. 　　|　|　 |　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　
　　<／`ｲ|　　　　　　　　　　　　　　　/'、　　　ヽ　　　　|ー´ 　　ヽ,　　|　|　 |　　　　　|
　　　　示　　　　　　　　　　　　　　　{　　ヽ　　ヽ　　　ｌヽ_!´　　　ヽ　`ー'ｫ　　　　／
　　　／∥＼

　　　　　／￣￣＼　　　
　　　　／ﾉ(　_ノ　　＼
　　　　|　⌒(（ ●）（●）　　　　　くだらねーイタズラすんな！！！
　　　　.|　　 / （__人__）　/⌒l
　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　|`'''|
　　　　／ ⌒ヽ　　　　 }　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　
　　／　へ　　＼　　 }__/　/ 　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　／　／　|　　　　　ノ　ノ　　　　　　　　　　　／ ●))　((●＼’,　･
( _ ノ　　　 |　　　　　＼´　　　　　　＿　　　（　　　(_人_)’∴　）,　 ’サーセンｗｗｗｗｗｗｗｗ
　　　　　　|　　　　　　　＼＿,, -‐ ''"　￣￣ﾞ''―---└'´￣｀ヽ　　　て
　　　　　　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿ノ　　　（
　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　＿,, -‐ ''"　　ﾉ　　　　　　ヽ　　　ｒ'"￣
　　　　　　　　＼　　　　　　　, '´　　　　　　　　し/.. >>＠　| J
　　　　　　　　　　＼　　　　　(　　　　　　　　　　 /　　　　　 |
　　　　　　　　　　　＼　　　　＼　　　　　　　　　し-　 '^`-J

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　
　|　　　（ ⌒）（⌒）　　
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　　ったく…　おまえにはいつも一杯食わされるよ
　 |　　　　　｀ ⌒ﾉ　　　　　
.　ヽ　　　　　　} 　　　
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼　
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒) ━l二フ　　　＼

　　　　　　　　　＿＿＿＿__ 　　　　　　　　　　　
　　　　　　　／:υ::─ﾆjjﾆ─ヾ　！？
　　　　　　／:::li|.:（ ○)三（ ○)＼　
　　　　　（:::||!.:υ::::: （__人__）)::::　i|　　　ちょ　ナイフ出すな　
　　　　〃　）:::::::::::. 　 |r┬-|　li::::/　　　　　　　　　　謝るから

　　　老人は怒鳴ながら、まだ若い青年を軽く殴りつけた。だが決して怒っているわけではなかった。
　　　この老人は人生の大半を宇宙で過ごしてきた。どんな基地でも、そこらの連中は冗談をこぼしあう。
　　　悪ふざけが過ぎることもあるが、このどこまでも広く、狭い宇宙では娯楽なんてものがほとんどない。
　　　無理にでもピエロになり、お互いを笑わせることでもしないと退屈で死んでしまうだろう。

　　　宇宙船にいるのは、もう大分シワが出てきた老人と、まだ配属されたばかりの若い青年の二人だけだった。

　　　　　　＿＿＿_　　　　　＿＿＿_　　　　　　＿＿＿_
　　　／_ノ　ヽ､_ ＼　　／　　　　＼　　　／　　　　＼
　　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ／　 _ノ　ヽ､_　＼／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／::::::⌒（__人__）⌒::::::＼oﾟ⌒　　　⌒ﾟo　＼(（●）) (（●）)ﾟo＼
　 | 　　　 |r┬-|　　　　　|　（__人__）　　　　|　（__人__）　　　 |
　＼　　　｀ー'´　　　／　　｀ ⌒´　　　／　　｀ ⌒´　　　／
　　　　　＿＿＿_　　　　　＿＿＿　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒三 ⌒＼　　　／⌒　　⌒＼　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ○）三（○）＼／（ ●）　（●）＼／（―）　（―）＼　　　　老人はこの青年を気に入っていた。
　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼::⌒（__人__）⌒:::::＼⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　自分の下についたのはまだ浅いが、コロコロと表情を変え
　 |　　　　　|r┬-|　　　　 | 　　|r┬-| 　　　 |　　　　　　　 |　　　　　くだらない冗談ばかり飛ばしてくる。
　＼　　　｀ー'´　　　／　　｀ー'´ 　　／　　　　　　　　　／　　　　　　好奇心にあふれ、退屈なんて事を知らないような若者だ
　　　　　＿＿＿_　　　　　　＿＿＿_ 　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　
　　　　／　　　　＼　　／　　　　＼　　／＼　　／＼　　　　　　　　　　　　　
　　／　─　　 ─　＼／　　　　　　＼／（ ●）　（●）＼　　　　　　　　　　自分でもわからないが、妙に気が合い、
　／　（ ●）　（●）　＼　⌒　　　⌒　　＼:⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　　　　　　次にこいつがどんな冗談を仕掛けてくるのか楽しみになっていた
　|　　　（__人__）　　　 |// （__人__） /// 　| 　 |r┬-| 　　　 |
　＼　　　｀ ⌒´　　　／　　　　　　　／　　`ー'´ 　　／
　　　　　＿＿＿_　　　　　　＿＿＿_　　　　　　＿＿＿_
　　　　／ノ　ヽ､_＼　　　／⌒　ー､＼　　／_ノ '　ヽ_＼
　　　／（ ○）}liil{（○）＼／（ ●）　（●）＼／（≡）　（≡）＼
　／　　　（__人__）　　　＼⌒（__人__）⌒:::::＼//（__人__） /// ＼
　 |　　　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　　|　　|r┬-/ ' 　　　| 　|r┬-|　　　　 |
　＼　　　　|ｪｪｪｪ| 　　／　　 `ー' 　　　／　｀ー'´　　　／

　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　／　　｀>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_　　
　　　　　　　　／　 ,-､／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼　　
　　　　　　 < 　　l.o.l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　⌒　　⌒　＼　　　　　　今度こそホントだお
　　　　　　　／>､／L_」　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（―）　（―）　＼　　　　　　見えるかお　地球が…
　　　　　　　<／　　　　||　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　::::::　（__人__）　::::: 　|
　　　　　　　　　　示　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　／.|| ＼

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　あぁ…　見える…
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　地球だ…　青い海、白い雲、緑の陸地……　　
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なつかしい…
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なぁ　あとどれくらいで地球に着く？
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――――
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　さっきも言ったばかりだお
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　月の空港まであと２日　そこから船を乗り換えて、地球まで１日ですお
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　もう目の前だお　そんな急ぐことないお
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ー）（ー）　　
.　|　　/// （__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　あぁすまんな
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なんせ地球に帰るのは数十年ぶりなんだ
.　 |　　　　　　　 }　　
.　ヽ　　　　　　 } 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　年甲斐もなく、興奮してるんだよ
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　 (ヽ　／（ ●）　（●）＼　 /)
　　　(((i ):::::: ⌒（__人__）⌒::::＼ ( i)))　　　　　　　数十年！？　　それはすごいお　
　　／∠ |　　　　|r┬-|　　　　 |＿ゝ＼　　　　　　　けど普通の飛行士は、数年に一度休暇をとって地球に帰れることになってるお
　 (＿＿＿　　　 `ー'´ 　＿＿＿＿　）
　　　　　　　|　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　もしかして若いころに飛行に出てから、一度も帰ってなかったのかお？
　　　　　　　|　　　　　　　/
　　　　　|　　　ｒ　　/
　　　　　　　ヽ　　ヽ／
　　　　　　　　>__ノ;:::......

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　ヽ_　　.＼
　　　　　　　　　（ー）（ー）　　｜　　　　　まぁそういう事になるな
　　　　　　　　（__人__）　　　 |　　　　　　　　若かったからかな　オレは誰よりも宇宙に惚れてたんだと思うよ
　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜　　　　　
　　　　　　　　　{　　　　　｜　　　　　　最初は月の基地で働いてた　休みも取らずに、その次は火星の建設に加わった
　　　　　　　　　{　　　　　　 / 　　　　　　　
　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　…なんて言えばいいのかな　とにかく少しでも遠くを見てみたかったんだ　宇宙の端まで
　　　　　▼／￣　　　　　￣￣）＿＿__
　　　〃(⊥) ´/　　　　/￣￣/ / 　〃 ⌒i

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／ ⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼　　　　　　その気持ちはやる夫にもわかるお！
　　　　／　 ///（__人__）/// ＼　　　　　　　やる夫も出世したら、もっと遠くの星で働いてみたいお！
　　　 |　　 u. 　 `Y⌒y'´　　　 |
　　　＼　　　ﾞー ′　　,／　　　　　　　　　　
　　　　 /⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ　　　　　　　　　　宇宙がやる夫を呼んでるんだお！
　　　 / rｰ'ゝ　　　　　　　〆ヽ
　　　　/,ﾉヾ　,>　　　　　　ヾ_ノ,|
　　　　|　ヽ〆　　　　　　　　|´　|

　　　／￣￣＼
　　／　ノ　　⌒ ＼　　　　　　　　　　宇宙に憑かれる男は皆同じだな
　　|　（●）（●）　| 　　　　　　　　　　　　オレは１０年ばかし火星の建設作業をやっていた、それが終わると次に小惑星の調査隊に入った
.　　|　　（__人__）　 | 　　　　　　　　　　　　　そこで貴金属の鉱石を見つけた
　　 |　　｀ ⌒´　　ﾉ
.　　 |　　　　　　　 }
.　　ヽ　　　　　　 }
　　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　鉱山内

　　　　　　　　　　　　　

　　　　　 /￣ヽ　　　　　　　　　　ι　　　　 ,=＝（◎）=、　　、｀､、
　　　　〔==±=〕　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼　　ヽ＼
　　　 (( ( ･ω･) ))　　　　　　ι 　ι 　|　　　（＞）（＜）　＼＼＼　　　　　働いたよあの頃は…
　　　 (( (ｏ┳ｏ ))　　　　　　　　　　　.　|　ι　　（__人__）　　　　＼＼(@)　　　　そこで見つけた貴重な石を報酬に変え、火星の基地で賭け事に使う　
ｶﾞｶﾞｶﾞ (( し[圓] ))　　　　　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　／＼＼＼　　　　　　余った金でまた違う小惑星に出かける…　　　　
⌒Ｙ⌒Ｙ⌒　┻┻　　　　　　　　　ι　　 |　　　　　　　 }　　　／／´　＼＼＼　　　　　それを何年も繰り返してた
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒ヽ、ー‐　ィヽ.　／／　　　　　＼＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ι　　　　　l ＼　　＼　　　 i ／／　　　　　＼ヾ、
　　/￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　|　＼　　＼　／, ｲ　　　　　　　　　ヽ !
　〔=±==〕　　　　　　　　　　　　　　　　|　　＼ , '⌒く／　/ 　　　　　　　　ﾞ!　ｶ
(( (･ω･ )　))　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　ゝ、ﾆ≠ソ
(( ｏ┳ｏ)　))　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　｀´ ￣　|
((　[圓]Ｊ )) ｶﾞｶﾞｶﾞ　　　　　　　　　　　　 |　　　,ｨ'　　　 |　　　　ｶｰﾝｶｰﾝ
::::┻┻::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 | ヽ　　 ,l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　,|ノ　／

　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／⌒　　⌒＼　　　
　　　　　　　　　／（ ●）　（●）＼
　　　　　　　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　
　　　　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|　　　　　　　
　　　　 r'"ヽ＼　　　 `ー'´ 　　／　　　　　　　ほほぅ　それでそれで？
　　　　/ ､､i　　　ヽ＿＿,,/
　　　 /　ヽﾉ　　j　,　　　j　|ヽ
　　　 |⌒`'､__ /　/　　　/r　 |
　　　 {　　　　￣''ｰ-､,,_,ﾍ＾　|
　　　　ゝ-,,,＿＿＿＿_）--､j
　　　 /　　＼__　　　　　　/
　青年は目を輝かせ、老人の話を聞き入っていた。
　自分もいずれ、そうなるのだ、と感じながら。

　
　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　
　　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　　　
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　　
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　オレは出世し、木星の衛星調査隊に入れた
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　....:::,,　　　空にかかる驚くほど大きな木星を眺めながら、青白い氷だけの惑星で何年も過ごしたよ
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　　,）:::::::ノ　.
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　　　（:::::ソ:　.　　　　その頃はオレはもう４０を過ぎていた
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　　　,ふ´..　　　　　　　　けどオレは調査の途中で、また火星周辺の仕事に戻してもらった
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――ノ::ノ――　　
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　　　　＼　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　　／　　　　＼なんでだお？
　　　　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　／ ⌒　　　⌒　＼　　
　　　　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜／　（●）　（●）　　＼　
　　　　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} |　　　（__人__）　　　　　|　
　　　　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 }　＼　　｀ ⌒´ 　　　　_／　
　　　　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　|　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　|　|　　　　　　　　 | 　| 　　　　　＜あぁ、なぜだか地球に、
　　　　　　　　　　―|:::::::::::::::: ＼-―┴┴―――――┴┴――　　　　　もう少し近いところで働きたくなったんだ
　　　　　　　　　　　　

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼ﾎｼﾞﾎｼﾞ
　　　／（ ●）　（●）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　　　　　　　　　ホームシックならぬアースシックってやつかお？
　 |　　　ｍj |ー'´　　　　　 | 　　　　　　　　　　　　年をとると、そうなるのかお？
　＼　〈＿_ﾉ　　　　　　／
　　　　ノ　　ﾉ

　　　　／￣￣＼　
　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　おそらくそうだろうな
　　　|　　　（ ─）（●）　　　　　　　　　　　　　　氷だけの何もない星でも時間はたつものだ
　　　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　オレは火星に帰ってからも、地球が懐かしくて、たまらなくなっていった　　　　
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　地球を望遠鏡でのぞく回数が多くなったよ
　　　 |　　　 ∩ ノ ⊃ 　　　
　　／　　 .／　＿ノ　　　　
　 (.　＼／　.／_ノ │

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ_＼
　　　／（　●）（　●）＼　　　　　　　　　　　……やる夫には、その気持ちはよく分からないお
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　 |　　　　　（　（　　　　　 |
　＼　　　　 `ー'　　

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（─）（─）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　そうだな　おまえは若い　この気持ちはまだわからないさ
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宇宙から今度は地球に引き寄せられる感覚だ
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　宇宙がおそらくオレを必要としなくなったんだろうな
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼　　
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／＼　　／＼　ｷﾘｯ
.　　　　　／　（ー）　（ー）＼　　　　　　　　　　それが高まって地球へ帰る思いが高まったわけですかお
　　　　／　　 ⌒（__人__）⌒ ＼
　　　　|　　　　　|r┬-|　　　　|　　　　　　　　　　けどそれもいいと思うお！　何十年も宇宙で過ごし、余生は地球でゆっくり過ごす
　　　　＼　　　　 `ー'´　　／　　　　　　　　　　　やる夫はまだわからないけど、それが自然だと思うお
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　＼
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

　　　　　　／￣￣＼
　　　　／　　　　　ノ＼
　　　　 |　　　 .　（ー） |　　　　　　　　　　　　けど宇宙とも分かれたくないような気がするんだよ
.　　　　 |　　　　　（__人_）　　　　　　　　　　　　　オレにとって宇宙は、何年も過ごしてきた恋人みたいなものだ
　　　　　|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　　　 |　　　　　　　}
　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　ノ　　　　　＼
　　　／´　　　　　　　　ヽﾄﾞｳﾃｲﾀﾞｹﾄﾞ

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　─　　 ─　＼
　／　（●）　（●）　＼　　　　　　　　　　　　　…やらない…お？…ん？
　 |　　　（__人__）　　　　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　／
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

1＼ . ,,　.ドーーーーーーーーン　'／／　.,　／
＼＼　.　-‐-　. :: .　　-‐-　、　//　. ,　／ _　ヽ
＼＼(　⌒　　⌒　　´　　　' .. 'ヽ..　　／　 ´　　　)
　;: （　⌒　)=)´_　⌒;:　⌒ ..　) ）　／／　ﾆ＝=-
（　　(　nヽー‐'＿＿;:　＿,､__　／／　｀ヽ　　
二｀ - i　l　　/　。 i　/　　ﾟヽ　　　; .)　　）　.　　.─- 　　　　　　ちゅどーん
　)（ ((.ゝ',:　　ヽ＿ﾉ　､__ワノ　　）　　二＝－　)
ξ　⌒, ;　(,　__,-､＿,,､　￣　 )　）　）　　　　　　）
ゝ／／'..　.(> >＿＿,ノ　） )) ) ＝]3　　　二＝‐-
lー-､.　;　ゝ ., :　　Ｌヽ　ノ, ; .: .,　)　）　ノ　　ノ
￣, :.　,／／. ,　;ー─ - -　'. ,　＼＼＼　-'

　　　　　　　　＿＿ ___＿
　　　　　　／／　　￣　＼＼　　　　
　　　　　／/--.--　 -─＼＼　　　　
　　　/／　(● ●） (（●(●）＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　な、なんだお！？
　.|　|.|　　 ( . (（_人_人__）　　 |　＿＿＝＝　＝　　　　　　　　　　　　地震だお！！！
　　　＼＼　　　⌒　｀／,／　| |　　　￣￣￣　￣| ||
　　　　ノ　　　　　　　　　＼＼| | | |　　　　　　　　　||
　／´ 　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　| |
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　　|||
　ヽ　　　 -一ー_~､⌒)^),-､　　　| |_＿＿＿＿＿＿__| |
　　ヽ＿＿＿＿,ノγ⌒ヽ)ニニ-￣　　　| |　　| ＝　＝ｸﾞﾗｸﾞﾗ
　　　　　　　　ｸﾞﾗｸﾞﾗ

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　ヽ､_ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　う、うわー
　　　　　　　　　　　（＞）（＜）　u　.|　　
　　　　　　　　　　　（__人__）　　　　|
　　　　　　　　　　　　(,｀⌒ ´　　　　　|´￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　ﾄﾞﾃ　　{ 　　　　　　|　　　　　　　　ヽ＼＿＿
　　　　　　＿＿＿＿＿,{ 　　　　　 /　　　　　　　　　　　＼＿＿）_
　　　　　（＿＿＿＿｀ヽ_（￣￣ﾞ　 /￣￣￣￣￣￣ヽ､　　　　）

　　　　　　　　　　　　　　　　３分後～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,　'　⌒　　⌒ヽ　　
　　　　　　　　　　　　,r'´￣￣￣￣｀/　　（_＿）（＿） |　　　　　って宇宙で地震がおきるわけないだろ　常識的に…
　　　　　　　　＿＿／,r' ､' , 　　　"" |　",　（__人__） } 　　　　　　　一体何の冗談だよ　
　　　　　　_（;;;＿＿／　　　　　",　　ﾞｉ　　　｀ ⌒´　},＿＿＿_＿：　　こんな衝撃が起きるボロイ宇宙船なんて初めてだ
　　　　　（;;;; 　　　　　",､_　　~　""　　　　　────､　　　　　ヽ：
　　　　　|;;;,､ 'ﾞﾞ ,　　､,r'￣￣￣￣￣ﾞｉ　"｀　ﾞﾞ´,_　　　）───"´

　　老人はもちろんこれが、事故だということを瞬時に理解していた。
　　だが、宇宙で悲鳴を上げたところで何もならないことはよく分かっていた

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　
　　　　　　　　　　　／　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　l⌒ヽ　（●）（● ）　　　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫　平気か？　オレは全身を軽く打ちつけたよ
　　　　　　　ヽ、＼（__人__）　　　　| 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まったく宇宙ってヤツは老人にも容赦ないんだな
　　　　　// 　　＼　(,｀⌒ ´　　　　　|´￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　ヽ　{ 　　　　　　|　　　　　　　　ヽ＼＿＿
　　　　　| l l|,, ＿＿＿,{ 　　　　　 /　　　　　　　　　　　＼＿＿）_
　　　　　ゝ＿＿＿＿｀ヽ_（￣￣ﾞ　 /￣￣￣￣￣￣ヽ､　　　　）

　　　　　　　　　　／￣￣￣＼_
　　　　　　　　／:::／:::::::::::＼（ ;:;:;）
　　　　　　／（ ;:;:;:;:;ﾉ:::::::<－>　＼　
　　　　　　（;:;:;:;;;:;　（__人__）　　 .:::::）
　　　　　　 .／ ||　　｀ ⌒|||　　 ,／　　　　　　　　　　　　　こっちはひどい有様だお…
　　　　　　/ / |＼／ /　 /ｌ　| ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　全身ケガだらけで動くのはこの口だけだお……
　　　　　 / /__|　＼/　/　|　|
　　　　　ヽ、//////） /　 |　|
　　　　　　/　￣￣　/　　 |　|
___　　　_,/　　)--- ヽ　　　ヽつ

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒（__人__）⌒:::＼　　　/⌒)⌒)⌒)
|　/　/　/　　　　　|r┬-|　　　　|　(⌒)/　/ / /／
|　:::::::::::(⌒)　　　　|　|　 |　　／　ゝ　　:::::::::::/　　　　　　　　　…というのは嘘でホントはピンピンしてるおｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
|　　　　　ノ　　　　|　|　 |　　＼　　/　　）　　/　　　　　　　　　　　やる夫がこのくらいの事でくたばるわけないおｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
ヽ　　　　/　　　　　`ー'´ 　　　ヽ /　　　　／
　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　
　　／　　 _ノ　　＼　　　　
　　|　　　（ー）（ー）　　ﾊｲﾊｲｿｳﾃﾞｽｶ
.　　|　　　　（__人__）　
　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　けどさっきのはなんだろうな　隕石でもぶつかったのか？
.　　　|　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だとしたらセンサーの作動しないこの宇宙船はやっぱり欠陥品だよ
　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　ヽ　　　　　ノ　　
　　　　　/　　　く.[ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｀.ﾆﾆ´ﾆﾆ´ﾆﾆ´　
　　　　　|　　ヽ、二/　　　〈〉　　　　　　　　〈〉　　　〈〉ヽ
. 　　　　|　　　　　/　　　　　〈〉　　　　　　　　〈〉　　　ヽ_
　　　　|　　　　 /　　　〈〉　　　　　〈〉　　〈〉　　　〈〉　　ヽ
　　　　|　　　　/　　　〈〉　　　〈〉　　　　　〈〉　　　〈〉　　ヽ　ﾔﾙｵｺﾞｳﾅﾝﾃﾅﾏｴﾆｽﾙｶﾗﾀﾞ.

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　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼
　 ┌──┐　.ヽ二二ヽΘ‡ †＿†　. _Θ‡ †＿†○∞　　　　.　　　 |　＼
∪（）━◎┥U　 .　　田田田田三田田田田≡‰　　　　　　　. 　 |　　　＼
　V|　　　　|V　　￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　＿/￣|￣￣￣＼　　＼
　　|:日日:|.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|＿＿_|￣￣　　　　　　　＼
　 └┬┬┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　　　＼　＼
　　　亠亠　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　￣￣　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼　　　　　　
　　　　　　　　　／:::::::::::　　　:::::::::::::　＼　　　　　　　　…どうやらそうみたいだお
　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　u　| 　　　　　　　　　　　地球から軌道がずれてるお…　操縦もきかないお
　　　　　　　　　＼　　　　　u　　　／　　　　　　　　　　　　　しかも無線機も…　　

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（─）（─）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　おいおい
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冗談だろう？　今回はあまりにも笑えない話だな
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼　　
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　　／　（●）　（●）　＼　　
　　　　　　　　|　　　（__人__）　　　 |　　　　　　　　これが冗談だって言うんなら、やる夫はもう二度と冗談なんか口にしないお
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／　
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ　　　　　　　　　　　ちょっとやる夫が船の外の様子を見てくるお　
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　もしかしたら修理すれば何とかなるかもしれないし
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　 |　　　　　　　　　　　 | 　|

　　　　　　　　　　１０分後

　　　　　　　　 _＿＿＿/￣￣
　　　　　　　　　／　│￣＼＿＿　　　　　ゴゴゴ・・・
　　　　　　　　　　　　/

　　　　　　　　..　　　、　　　　　　,＿
　　　　　　　￣＼＿／￣￣＼/￣　　　　　ゴゴゴゴゴゴ・・・
　　　　＿＿＿／￣へ√⌒l⌒´￣￣＼＿
　　　　´　　　　　　　 /　　　＼

　　　　　＿　　　.／￣￣￣＼　　　　／
　　　　_＿　｀ソ／　─　　─ 　＼/￣／
　　　　　　＼／ﾟ　（●）。（●）　＼/ rへ,ノ　　　　　ただいま帰りましたお
　＿＿＞-へ| i 　　（__人__）　　　|ノ　 :.＼＿
　　　　　　.:／从へ、.ﾟ｀ ⌒´o.ノ从rーﾍ＿
　　　＿::ノ　　　　:ﾉ｀⌒Y⌒´::　　＼
　　　　　　　　.::┘ 　 :│　　　ﾟ

　　　　　　／￣￣＼
　　　　／　　　　　ノ＼
　　　　 |　　　 .　（●）（●） |　　　　　　　　　　　　　　どうだった？
.　　　　 |　　　　　（__人_）　　　　　　　　　　　　　
　　　　　|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　　　 |　　　　　　　}
　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　ノ　　　　　＼
　　　／´　　　　　　　　ヽﾄﾞｳﾃｲﾀﾞｹﾄﾞ

｡　　　ﾟ　　　　 |　i 　　　゜　　　　　｡i　　　　｡　　　　ﾟl　　｡　　 i　　 ┼┼``
　　　。　゜i 　ﾟ　　　　i　　　　　　!　　　　|　　　゜　　　i　　　　　　　　　/　　アアアアアアアアア ───‐─ ─
　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　l　　　　　　　i　　　　　!　ﾟ　　　　　　　　　　　ﾟ　　　　　　｡　　　　゜
　　i　　　　゜　　i　　　　　　　　　　　|　　　゜　i　　　　　　　|　　　　　　゜　i　　　l
　　　　　　　　　　　　゜　　　i　　　　　　　　　｡　　 i　　　　　　　　　　l　　　　　　　　i　　　l
　　|　　　　　　　　　l　　　　ﾟ　　　　;゜　　゜　　 :　;　;　i　　　　　　　　l　　　　　　　l　　　　　　　　　 !
:　　゜　 i 　ﾟ　　　　　　 i 　　　　　　　　　､i;,|　i,　ﾟ,゜　　゜　i　　　　　　l　ﾟ;　　　l　　　　　｡i
　　　|　　　　　　　　｡i　　　　　l　　　l　　゜;／￣u￣;j＼｡´　　　　i　　　ﾟ　|　　　　　　　　　!
゜　　｡　　　　　 .|　　 i　　　 i　　　　　:｡／　:j :::::＼:::／＼;ﾟ　　!゜　　゜　i　　　　　　　　l　　　　　　|　゜
　l　゜　　ﾟ　　　　　　　　　。゜　　　i　／　u 　｡<一>:::::<ー>。　!　ﾟ申し訳ないお
　　　　i　　゜　　　　 |　　　　　　　　 |:j　° .:::｡ﾟ~（__人__）~ﾟj 　　　　　修理は不可能なくらい破壊されてるおぉ
　　|。　　　　　! 　　　　　　 i　　　 !　＼、　u　;゜.｀ ⌒´,;／゜　　゜　i　　　しかもアンテナまで壊れてて救助信号も遅れないおぉ
　　 !　　　　　　 l 　　　｡i　　　／ﾟ:j⌒ヽﾟ　'"'"´(;ﾟ　｡　　 !　　゜　　　　｡i
　　　　｡　　ﾟ:　　　　!　ﾟ　　　　l　　 /　,＿＼　＼／＼＼゜　　　　　　!　　　　　　　゜　i　　ﾟ
　　､i;,　　､|;　　　　､i;,　。　　゜　;ﾟ､i;,と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;._　｡　l　　｡i　゜　　　　;ﾟ､i;,　　　゜　;ﾟ､i;,

　
　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　
　　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　　　
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　　
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　そうか…　まぁお前が謝ることないだろう
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　....:::,,　　　　　　宇宙という危険な環境にいる以上、こうなることは覚悟できてたよ
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　　,）:::::::ノ　.　　　　　　　
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　　　（:::::ソ:　.　　　　　　　　きっとオレは宇宙に呼び止められたんだな
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　　　,ふ´..　　　　　　　　　　　　いまさら地球に帰るなんて水くさい、とな
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――ノ::ノ――　　
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼　　　けどやらない夫は、これから地球でのんびり暮らそうって時に……
　 |　　　　（__人__）　　　　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　／

　　／￣￣＼　　
　／　ノ　　＼＼／｀i　　
　|　（●）（●）./　　ﾘ　　　　　　　　　　　　　いや　オレは充分生きたよ
.　|　　（__人__）..|　　/　　　　　　　　　　　　　　　それよりオマエの方が気の毒だよ
　 |　　｀ ⌒´　ﾘ　ﾋ　　　　　　　　　　　　　　　　　オレが地球に帰ろうとしなけれりゃ、まだ若いオマエだって
.　ヽ　　　　／/　　,｀弋ヽ　　　　　　　　　　　　　　　巻き添えを食らわずに済んだ
　　ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ　　　　　　　　　　　　　　
　　　/〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖ
　　　|　ヽ_ｰ､｀ヾ＿/　//
　　 |　　　ﾌ-､｀ｰ┴‐-〃

┏━━━━━━━━━━━┯
┃　　　　　　　／￣￣＼　　く
┃　　　　　　／　　ヽ_　　.＼　　ゝ
┃　　　　　（ ●）（ ●）　　｜〈　　　　　　　　　　　　　けどこれも仕方のないことかもな
┃　　　　　（__人__）　　　 | 　 7　　　　　　　　　　　　　　かつて宇宙を共にした同僚、友人たちの多くが宇宙の事故でいなくなった
┃　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜　ﾉ
┃　　　　　.　{　　　　　｜,イ
┃　　　　　　{　　　　　　 / |　＼　　　　　　　　　　　　　　　　オレが何十年も宇宙で生きてこれたのが不思議なくらいだ
┃　　,-､　　　ヽ　　　　　ノ、＼　｀ﾍ､
┃　/ ノ／￣／ ` ー ─ '/＞＜　　`∟＿
┃/　 L_　　　　￣　　／　　　　　　　ト､,＿
┃　　　_,,二)　　　　　／　　　　　　　　　〔―ヽ､人,,r､__
┃　　　>_,ﾌ　　　　 /　　　　　　　　　　　 }二ｺ＼.　 Li＼_,
┃＿_,,,i‐ノ　　　　　l　　　　　　　　　　　　　 └―ｲ　ヽ　| 　 ┃
┃　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　ヽl 　 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛　

　　　　そう老人がいい終えると、しばらく船内に沈黙が続いた。
　　　　自分たちが帰る場所は、暖かくにぎやかな地球ではない。
　　　　迎えてくれるのは、冷たく限りない空間。そして、”死”

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（●）（●）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　…さてと
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いつまでもウジウジしてたって仕方ないな　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こんな事故が起こった時、みなどんなことをするもんなのかな
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼　　
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼　

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　隕石にぶつかった時、たいていその瞬間に死んでしまうお
|　 u　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　　こんなことは滅多にないお　ある意味、即死じゃないだけ幸運かもしれないお
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　　／:::::::::::::::: 　　　＼
　／::::::::::::::::　　　　　　 |　　　　　　　もっとも、やる夫が習った講習の中では”冬眠剤”を飲んで、救助を待つようにって…
　 |:::::::::::::::::::::::: 　　　∩!　,ヽ　＿　　　
　＼:::::::::::::::: 　　　　|　ｰﾉ　　　　　　　　　　たしかここら辺に……　お、あったお
　　 |　:::::::::::::::　　　 |　i　ｊ　￣￣￣|
　　 |　 :::::::::::::　　　ゝ__/＿＿＿＿i
　　 |　　::::::::::　　　　　/　　　　　／
　　（＿＿（＿＿　　　ヽ⌒⌒⌒ヽ
　 /　 ,＿/　＿＿＿ノ　　　／ｶﾞｻｺﾞｿ
　 `ー'　　`ー'　　　　　　　／

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（一）（●）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　そうか　まぁそれを飲んだところで助かる見込みはないだろうな
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　無線機も使えない以上、海に逃がした同じ魚を見つけるようなもんだ
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　探しようがない
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼　　　　　　　　　　そう考えると、二度と目覚めることのない眠りを無理に急ぐこともないな
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼　

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ_＼
　　／（ ●）　（ ●）＼　　　　　　　　　まぁたしかに、そうだお
　／ ::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　　　　　　じゃあやることもないし、トランプでもしますかお？
　|　　　　　　￣　　　　　 |
　＼　　　　　　　　／

　　　　／￣￣＼　
　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　いいな　ポーカーでもやるか
　　　|　　　（ ⌒）（⌒）　　　　　　　　　　　　　　　オレは昔、ポーカーバーの常連で３強って言われるほど強かったんだぜ
　　　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　　　 ∩ ノ ⊃ 　　　
　　／　　 .／　＿ノ　　　　
　 (.　＼／　.／_ノ │

　　やがてそれらにも飽きてき、老人は残りわずかな酒を飲み始めた

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　ヽ_　　.＼
　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　｜　　　
　　　　　　　　（__人__）　　　 |　　　　　　　　　　やる夫　今さらキーボードなんて打って何やってるんだ？
　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜　
　　　　　　　　　{　　　　　｜　　　　
　　　　　　　　　{　　　　　　 / 　　　　　
　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　▼／￣　　　　　￣￣）＿＿__
　　　〃(⊥) ´/　　　　/￣￣/ / 　〃 ⌒i
　＿i /⌒＼./　　　/∧ ∧し' ＿＿|;;;;;;;;;;i

　　　　　　　　＿＿＿_
.　　　　　　／ ─　　─＼
.　　　　　／　（●）　(●）＼
.　　　　／　　　（__人__）　　＼
.　　　|　　　　　｀ ⌒´　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　通信用の小型ロケットが一つあるのを思い出したお
　　　＼　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それに手紙を入れて地球に飛ばそうと思うお
.　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　カ
　|　　　　ｌ　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l 　カ　　タ
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､. 　　タ
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))
　　　┌ ┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
　 ,. - ''"|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ρ￣`ｌ
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ノ￣

　
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　小型ロケットのことはオレも知ってる
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　けどそれで助けを呼ぼうとしても無理だぞ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　ロケットが地球に着くまで３日　すぐに救援が出発してくれてもさらに３日
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　その間にオレたちはどこかわからない、宇宙のはるか彼方に飛んで行ってるさ
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ　　ｍm　　
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ　　　
　　　|　　　　|￣￣

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（一）　（一）＼　　　　　　　　　やる夫もそう思うお
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　　これは救助を求める手紙じゃなくて、”遺書”だお　地球にいる母と父に向けて書いてるお
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　やらない夫もなにか言いたい事があったら、付け加えておくお
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　
　　　　　　　　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　／　ヽ_　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　　（●）（●）　　　|
　　　　　　　／　　─　　 ─＼　　　　　　　（__人__）　　　　|　　　　　　"遺書"か
　　　　　　／　　（●）　（●）＼　　　　　　ヽ｀⌒´　　　　 |　　　　　　　　オレには身寄りがいないから別に何もないが、
　　　　　　|　　　　（__人__）　　. |　　　　　　.{　　　　　　｜　　　　　　　　　お前が両親にどんなことを書いたかは興味あるな
　　　　　＼　　　　　｀⌒´　　..／　＿＿＿＿{＿＿_＿_　ノ
　　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼ . | |　　　　　　　　　　 |　⌒ｌ　　　　　　　　　どんなこと書いたんだ？　見せてくれよ
　　　／´　　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　 |　|　|
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　　　 VAIO 　　|　|　|
＿＿_ヽ　　　-一ー_~､⌒)^),-､　　　| | .＿＿＿＿＿＿_|__|　|＿
　　　　ヽ＿＿＿＿,ノγ⌒ヽ)ニニ-￣　　　| |　　|　　　（U　⊃　＜これだお

　　　　　　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |
　　　　　　 /　　　￣￣￣￣　　　　　/＿＿＿__
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　/ヽ＿＿／/
　　　　　/　　　　１　おつ　　　　/　　/　　　/
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　/　　/　　　/
　　　　/　　　＿＿＿＿　　　　　/　　/　　　/
　　／　　　　　　　　　　　　　／　　/　　　/
　／　　　　　　　　　　　　　／　　/　　　/
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/　　　/　　　/

　＜お父さん、お母さん。私のロケットは、いま隕石に衝突し、事故を起こしました。もう助かりそうにありません。
　　最後にもう一度会いたいと思いますが、その願いは叶いそうにありません。
　　しかしあまり悲しまないでください。私は子どもの頃からあこがれていた宇宙に行き、そこで死ぬのです。
　　私は満足です。先に旅立つことをお許しください。
　　ではお元気で。　さようなら＞

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ふむ…　ん？　そのまま入れるのか
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お前の名前を書くのを忘れてるぞ
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ　　ｍm　　
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ　　　
　　　|　　　　|￣￣

　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　　／　（─）　（─）　＼　　
　　　　　　　　|　　　（__人__）　　　 |　　　　　　　　名前なんてかかなくていいんだお
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／　
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ　　　　　　　　　　　　　
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|

　　　／￣￣＼
　　／　ノ　　⌒ ＼
　　|　（●）（●）　|
.　　|　　（__人__）　 |
　　 |　　｀ ⌒´　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なんでだ？
.　　 |　　　　　　　 } 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　名前がないと誰へ宛てた手紙かわからないじゃないか
.　　ヽ　　　　　　 }
　　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼　　　

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼　　　　　　　　　　　　　　　ソレですお
／　　（一）　（一）＼　　　　　　　　　　　　　　　　いままで宇宙で死んでいった若者は数多いお
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　その若者の親の中には、きっと自分の息子は、
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まだ生きていると諦めずに信じてるのもいるかもしれないお
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼ ::::::::::::.:: .:: :　::::::::::::.:: .:: :　
　.:::::::::::::: ::: ..: .. . . ..　　　／ ⌒　　⌒ ＼:.:::. 　　・　::::::::::::.:: :　／）::::::::::::.:: .:: :　　　　　　　.
. :: ::　　　 :☆::..　　:: ......　|　（ ●）（●）　|　:.: .. ::. 　　・　　,〇ﾉ　:::::::・:::::.:: .:: :　　　　　　
:::::.　　　　 ::::.: .:　　.／ノ|　（__人__）　　| 　　　　・　　　　（_／　::::::::::::.:: .::ﾟ　　　　　　　
::::.::..　　　 .:::::::.: ::..／^/　|　　｀ ⌒´　　 l　:.::. . ::::::::::::::.:: .:: :　
　::.::::::::::::.:: .:: :　（　 'ヽ　|　　　　　　　 } ::. .::: :☆ 　　　帰ってこない息子を思い出し、最後に自分のことを思い出してくれただろうか…と
::::.: ::.. ::　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 } 　　　　　　　　　　親たちはさびしい気持ちになってるはずだお

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そこに、この名前のない手紙が通信ロケットで来る　きっとTVで放送され、
　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　　（もしかしたらこの手紙は、私の息子が書いた手紙かもしれない…）
　　　　　　　　/　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　と思ってくれるかもしれない
　　　　　　　/::::::::::::::　　　　　ヽ　　　
　　　　　　　|:::::::::::::: 　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　そうなれば彼らにとって多少の慰めになるかもしれないお
　　　　　　　ヽ::::::::::　　　　／　　　　　　
　　　　　　　　/:::::::::::: 　　く　　ﾑｽｺﾖ…ﾑﾁｬｼﾔｶﾞｯﾃ…　　　　　
-―――――|:::::::::::::::: 　　＼ -―,――――　　
　　　　　　　 |:::::::::::::::　　|ヽ　⌒)

　　　　／￣￣＼　
　　　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　なるほど…　殊勝な考えだが、
　　　|　　　（ ●）（ー）　　　　　　　　　　　　　　やはりオマエの両親のことを考えたら　
　　　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫の名前を書いたほうがいい
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　 |　　　 ∩ ノ ⊃ 　　　　　　　　　　　　　　　そうした方が、やる夫の母親と父親は喜ぶじゃないか
　　／　　 .／　＿ノ　　　　
　 (.　＼／　.／_ノ │

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　　／:::::::::::::::: 　　　＼
　／::::::::::::::::　　　　　　 |　　
　 |:::::::::::::::::::::::: 　　　∩!　
　＼:::::::::::::::: 　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　いいんだお　やる夫の名前なんて…
　　 |　:::::::::::::::　　　 |　i　
　　 |　 :::::::::::::　　　ゝ__/
　　 |　　::::::::::　　　　　/
　　（＿＿（＿＿　　　ヽ
　 /　 ,＿/　＿＿＿ノ　
　 `ー'　　`ー'　　　　　

　　　　∩ _rﾍ　　　　　　 / ヽ∩
　　.　／＿ノυ＿＿＿ιヽ＿＼
　　／／　　／⌒　　⌒＼　　ヽ＼
　 ( 　く　　／（ ●）　（●）＼　　 >　）　　　　　　　だって
　　＼　｀／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼'　／
　　　ヽ|　　　　　|r┬-|　　　　　|/
　　　　＼　　　 `ー'´ 　　／

　((　(ヽ三/)　　　　　　　　(ヽ三/)　））
　　.　 (((i )　　　＿＿＿　　　( i)))
　　／／　　／_ノ　ヽ_＼　　ヽ＼
　 ( 　く　　／（ ●）　（●）＼　　 >　）　　　　　　　やる夫は
　　＼　｀／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼'　／
　　　ヽ|　　　　　　￣　　　　　|/
　　　　＼　　　　　　　　／

　　　∩∩∩　　　　.　　　 ∩∩∩
　　.∩_:||_:|_:|　　　　　　　　|_:||_:|_:∩
　　│　___　つ　　　　　⊂ 　___　│
　　ヽ　　ノ　　＿＿＿　　ヽ　　ノ
　　／／　　／_ノ　ヽ､_＼　　ヽ＼
　 ( 　く　　 oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　>　）　　　　　　孤児だからーーーーーーーーｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
　　＼　｀／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼'　／
　　　ヽ|　　　　　|r┬-|　　　　　|/
　　　　＼　　　|　|　 | 　　／
　　　　　　　　　　|　|　 |

　　／￣￣＼
　／　　　　　＼　　　　　　　　氏ね！！！！！
　| 　　　　ﾉ( 　　|
.　|　　　　 ⌒　　|　　　　　　　　　　、　　＿＿__ 　　　,
　 | 　　　　　　　|　　　　　　　　　　　`／､,:/,';;}: ;＼　/　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　＼　／､,:',. -‐‐-､ ; ,＼ ,. 　／┃･･
.　ヽ　　　　　　 } 　　　　　　　　／` ;ヽ|:::: ::　　　|ノ ,'＼　　┣━　　━━┓･･
　　ヽニニニﾆノ　､_　　　 ‐　―　|　',`冫|::::: :: : 　　|イ'; 、|　--┃ 　　　　　 ┃
　／:::::::::::::::::::::￣`ｰﾆﾆ==i＝┬ｒ＝＝＝| ,. -―- 、|`;､'(⌒).　　　　　　━━┛　┃┃┃
　ヽ:::::::::::::::::::::::ｰt-.._:::::::::_,. -┴一″ 　（　　　　　）／i　ヽ　　　　　　　　　　━┛
　　　ヽ::::::::::::::::::::::::i　￣　　　　ｌ___ﾉ //　`ー,,-一'　ﾉﾉヽ___i

　　　　　　　　　　　　
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ⌒）（⌒）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　ははっはっはははｗｗｗｗｗｗ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　まったく今のは、おまえがやった冗談の中で最高の出来だよ
.　 |　　　　　　　 }　　　　
.　ヽ　　　　　　 } 　　　　　　　　　　　
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼そういう事ならオレにも手伝わせろ　
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼　　　　　「今まで貯めてた、給料と残りの酒をいっしょにお送りします」とな！
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　／⌒ヽ ::::::::::ﾌﾞｰﾝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　⊂二二二（　＾ω＾）二⊃ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　|　　　 / 　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　
　　　　　　　（　ヽノ :::::ボクは小型ミサイル::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::☆::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　ﾉ>ノ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　三　　レﾚ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__::、:::─:－:″:′::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-"::′″″;;;;;;;;;;;;;;::;;:::::::;;:::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::，／::　丶ﾐゞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::δ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::　ヾ″°;;;;;;;;;;;;;;;;::::;;:::;;;;;;;::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-::::″ゞ;;;;;;;;;;;;;;;:::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::○::::::::::::::::::::::::::::::::::::/′°″丶;;;;;;;;;;;;;:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;:ヾ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::；″"::ゞ　′;;;;;;;;;;;:::::　　　　 ::::::::::;;;::::::;;;;;;;;;;：
:::::::::。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::。:::::::::；:::ヾ　″′　;;;;;;;;;;;;;;;:::::::;;;::::　　　　　:;;;;;;;;;;
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"::　:
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::;;　　　　:::::::;;;::::::::::″
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:　::::::::　;　　　　:::::;
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::；::　　　　　　 :::;ミ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::　　　　　　　　ゞ
　やがて、書名のない手紙と老人の金を抱いたロケットは地球に向けて発射された
　光の尾を引いて、蒼く小さな星が地球に向かって走っていくのを眺めながら、二人は同じ事をつぶやいた
　

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　ヽ　　 .＿＿＿_
　|　　　（ ⌒）（⌒）／⌒　　⌒＼　　　　　　
.　|　　　　（__人__） .（●）（ ●）＼　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒ﾉ ⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　無事に届くといいな
.　ヽ　　　　　　} . 　　|r┬-|　　　 .　|
　　 .ゝ＿,. 　　ノ＿＿__`ー'´＿＿_.／
　-(＿＿_.)-(＿＿)＿__.)─(＿＿＿)─ 　　　　

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　ヽ_　　.＼
　　　　　　　　　（ー）（ー）　　｜　　　
　　　　　　　　（__人__）　　　 |　　　　　　　　　　さてと、もうやる事も、飲む酒もないし冬眠剤とやらを飲むとするか
　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜　
　　　　　　　　　{　　　　　｜　　　　
　　　　　　　　　{　　　　　　 / 　　　　　
　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　▼／￣　　　　　￣￣）＿＿__
　　　〃(⊥) ´/　　　　/￣￣/ / 　〃 ⌒i
　＿i /⌒＼./　　　/∧ ∧し' ＿＿|;;;;;;;;;;i

　　　　　　＿＿＿_　　
　　　　　／　　　　＼
　　　／　　　ノ　ヽ　_＼　　　　　
　　／　　（―）　（―）＼　　
　　|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　　　じゃあ　船の電力を落としますお
　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
　　(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　
　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　＼／＿＿＿／　

　　電力を落とすと、機動音がやみ、あたりは何も聴こえない暗い空間になった。
　　そして二人はいすに座り、ゆっくりと冬眠剤を飲み込んだ。

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　ヽ､_ 　　＼　　　　　　　　　　　　　　ふぅこれで終わりか　
　　　　　　　　　　　（ー）（ー）　　　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫　短い間だったけどお前といた時間は楽しかった
　　　　　　　　　　　（__人__）　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　オレにはお前が自分の息子に思えてきたよ……
　　　　　　　　　　　　(,｀⌒ ´　　　　　|´￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　{ 　　　　　　|　　　　　　　　ヽ＼＿＿
　　　　　　＿＿＿＿＿,{ 　　　　　 /　　　　　　　　　　　＼＿＿）_
　　　　　（＿＿＿＿｀ヽ_（￣￣ﾞ　 /￣￣￣￣￣￣ヽ､　　　　）

　
　　　　　＿＿＿_　　　　
　　　　／　　　　　＼　　
　　　／　⌒　　⌒　　＼　　　　　　　　　
　／　　（―）　（―）　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫も…　あなたのことがホントの父親に……
　 | 　::::::　（__人__）　::::: 　|
　＼　　　　　　　　／

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ_＼
　　／（ ●）　（ ●）＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いや、最後まで冗談を言うのはやめておくお
　／ ::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫は本当の父親というのを知らないし、
　|　　　　　　￣　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あなたも自分の息子というのはわからないお
　＼　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…けど

　　眠りは頭から体にかけてゆっくりと全体を覆っていった。
　　体が重くなり、それでも、わずかに指先を動かしながら、どちらかもなく最後の言葉を言い合った。

　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　.　　　　.
　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　─　'　　　　　　　　・　　　　　ﾟ　　　　　　。
　　　　　　　　　　　　　　　　。　　☆　　　　.　　　　　　　。　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　.　　／）　　　　　　.
　　　　　　☆　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,〇ﾉ　　　　・　　.
　　　　　。　　　　．　　　　　　　　　　　　　　　　　（_／　　　　　　　　　ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　　・　　　　　ﾟ　　　・　　　　　　・　　〇
　　　　ﾟ　　　　　　　　　さよなら……　　　　　ﾟ　　　　.　.
　　　　　。　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　.　　　　o　　　　｡
　　　　　　　　　　　　　ﾟ　　　　　　　　　　　　.　　　　　　.　　　ﾟ
　　　　　　　　。　　・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 " 　 ""
　　　　　o　　ﾟ　　　　　　　。　　☆　　　　　　　　　　　r─── - .
　　　　・　　　　　　・　　　　　　　・　　　。　　　　　　イ´　<｀´ 　　|
　　　　　　　　　。　　　　｡　　　　　　　　　　　　　／､ﾉ　　`l 　　　.
　　　　　　ﾟ　　　　・　　　　　　　　　　　　　　　　/　ｎ　　　　｀ヽ　ζ　　　　　　　　　　　　　　　END

776 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/09(月) 23:28:15.84 ID:qD3oiLA0

　∧＿∧
　(　･ω･)＝つ≡つ　　　　　　　はい　というわけで原作は星ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰの「宇宙の男たち」からでした
　(っ　≡つ＝つ　　　　　　　　　　星ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰの中ではこれが一番好きでしたねー　
　/　　　) ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ　　　　　　　　　モララーのビデオ棚、というAAサイトで星ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰの短編がまとめられてるんですけど
　( /￣∪ 　　　　　　　　　　　　　　この話がなぜか作られてなかったので、どうせなら自分で補完したいなと
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「星ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰ　AA」で、ググると上のサイトでAAが見れますよ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　最初にバカやからしてすいませんです　それではありがとうございました

777 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/09(月) 23:29:43.00 ID:qD3oiLA0

ちょｗｗｗｗｗｗバーローになってる　まぁいいやｗｗｗｗｗｗ最後までばかですいませんｗｗ

778 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/09(月) 23:31:12.82 ID:rwqkNYYo

乙バーローｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

779 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/09(月) 23:32:50.85 ID:Cd6A9QQo

おつおつ

どれどれ実験

ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰ　　ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰ

780 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga] 投稿日：2009/02/09(月) 23:34:18.45 ID:zuTbanUo

乙ｗｗｗ

メール欄にsagaで良かったっけ
星新一

781 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/09(月) 23:35:12.52 ID:QV6MWkco

乙ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰｗｗ

782 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/09(月) 23:36:34.26 ID:i0OaEI.o

乙バーローｗｗ

783 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/09(月) 23:38:20.30 ID:z/NX3bo0

これは偶然が産んだ奇跡だなｗｗ

784 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/09(月) 23:39:19.29 ID:TscJT.go

乙ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰｗｗ

785 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/10(火) 00:27:13.19 ID:8oPy86.o

星ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰ

786 名前：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日：2009/02/10(火) 00:41:10.33 ID:0GlTp.so

☆ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰ

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