4680 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 21:03:54 ID:NO7daXek0
／||ミ
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4681 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 21:05:08 ID:NO7daXek0
､ - ‐‐ -,
,´: : : : : : : : :
ﾞｉ : : : :○ ○ﾞｉ
}: : : : : : : _ _ _| 本当にやんなっちゃうね。
|: : : :-=´_ _,´
y' : : : : :_: : : : :i 下手したら年末までこの調子だよ。デッドリィ。
/ : : : : : : :┌─┐
i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ ま、それは置いといて、のんびりはじめてこうか。
ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
と_ : : : : : : ノ : :ノ
￣￣￣ ￣
4683 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 21:14:36 ID:NO7daXek0
┌─────────────────────────────────────┐
└─────────────────────────────────────┘
┌───────────────┐
└───────────────┘
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└───┘
Z――――― ､ ／:.:.:.:.:.:r‐‐､:./＼:.:.:.:.:.:.ヽ ｀ヽ、:.:.ヽ、 ．―
＜―ニニニニ:.:r---:.:.｀:.ヽ､:.:.:.:.＼:＼:.:./:./ヽ }:.:.:.∧ ．＜ ＞
｀ヽ‐‐／／:.:.:',:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.＼:.:.:.＼｀ヽ/:.:.}:.∨ ヽ:.:.:∧ r‐‐ ､ ．＜ ＞・
,.‐イ／〃:.:.:.:.:.:.∨:.:＼:.:.:＼ ／､:.:.:.:.:.ヽ≠､i∨∨ }:.:.:.:∧ { ノ ｀i＜ ＿__r====＜ ＞・
/ 〃 {:.|:.:.:!:.:.:!:.ヽ:.:.:.:＼／≠Tﾌ＼＼:.＼| ',:.ヽ i:.:.:.:.:.:ヽ、 ・＜／ ,'､ ＞r‐‐＜≠ , イ才
イ / ,. ｲ:.:|:.:.:',:.:.ヽ:.:.＼:.:.: ヽ ゞｿ }:.iヾ､｀,'ヽ ＼:', |:.:.:.:.:.:.:.:.:＼. ．＜ ＞．┘{ { {:.:.:.:.:.:.:',. / / ／
／:/ ／:.:.: /|:.:.!:.:.:.',:.:.￣心｀ヽ―＼ 〃､:.:.ヽ ∨|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{_{. ヽ ＞､/＼ 、ヽ乂_____ﾉ≠ ヽ/
／:.:./ ／:.:.:.:.:.:/ .!:.:.',:.:.:.ヽ:.:＼ゞ' 、 / / |＼:.', }ｌ/ ＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀.．＜ ＞} ＼ ￣￣￣--＞・
／:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.／ ヽ:.i ヾ、＼:.:ヽ <￣＼ / | ＼ 〃 ＜:．＜ ＞・: :＞．＜ ≧ニニ ', /
／:.:.:.:.:.:.:{/|:.r===∠---ヽ',=--＼ ｀ヽへ、ヽ ノ ,ｲ__ | .／ / ヽ ＞・: : ＞・ ∧===≠ | | |
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ/ ￣ ―＝ ､ ', ヽ､:.:.:- ｲ ‐┐ヽ ．ヽ＜ｌ: : :ｌ＞ ∨ ∧ ヽ/
. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ／{ .ヽ', ヽ ｀ヽ､-{ニニ}ヽ ．＜ ＞・´ ￣ ∨ ノ＼
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／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ／ | } }＿＿ |ヽヽ___ ヽイ ．＜ ＞・´ヽ、 ＼:.:.:.:.:.:＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／＿_＿, イ￣ ＼ ヽ――/ ｀ヽ L ．＜ ＞・´〃 ', ヽ ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ
.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／ ∨::::::￣￣ ::rニヽ__ ＿ /, ．＜ ＞・´ ヽ_| //＿ ＼ ＼ ＼:.:.:.:.:.:＼
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／ ／￣∨:::::::::::::::::::::￣ :::＞ …;;;;;;;;;;;/￣ヽ＜ ＞・´:.:.:.:.:.:.:｀ヽ:.:|:.:.:.:.:.:ヽ ＼ ＼ ＼:.:.:.:.:. ＼
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┃system message
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ナノハの凛々しい声が、熱気と恐怖と混乱が充満する中に響き渡る。
なぜか、自然と背筋がぴんと反り、剣を持つ手に力が入る。
隊員たちは雄叫びにも似た威勢のいい返事を返すと、走り出したナノハに
追随した。彼らの不信感は、先程のナノハの砲撃によって、
どこかへ吹き飛ばされてしまったようだ。
隊員たちの流れに従い、やる夫も走る。
依然として、恐怖は胸の内にこびりついている。
心臓はペースを乱し、気を抜けば動悸と息切れと目眩で倒れてしまいそうな
予感すらある。
だが、今はそんなことはどうでもいいのだ。
ナノハの、部隊の足を引っ張るわけにはいかない。
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4684 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 21:14:58 ID:NO7daXek0 [4/6]
. { ＿| ｀L,¨.! ./'ヽ､
. 弋 .＼ ...． ﾞ'､ . ..二二＝─ ｌ|
─＝二 ﾞl-''''ﾞ‐ '､ _＿ -./ ﾞ´ /.| .i、 /
／ lﾞ "くﾐ,,,＿ │ i / V L//
│ ." ＼,,-‐'"゛ .そ l.! _.'ﾞ.. -． ,i`l- 、
__＞┐ .ヽ ._ !ﾞ"'''''' ,て l .ｌ√ ″ ./ ! . ＞ヽ
｀`|ﾞ''' ´´ ヽ i .、 、 .＿ .,,x./ || ! .! .! ,ｨ ."---ｰ‐フ
.ノ_..-''''''Ｌ ‐'""i| ‐|.ｌ .''''ﾞヽ .iｰ/'､ ./ .｀" .! ｌ/ ｌ .,i !_／.! /
〃´ ゛ ." ,!.ｌ ﾞ'､| ﾞ' ＿____＜ ! .ﾞ‐'＿＿ ! ..、 ., ‐″
! .|, .゛ ,,.＞ .,ト ! ., -′ '"゛｀ﾞ''． ﾞ'i ! .､
| ｌ ＼、!、 :! .′ /､ ヽ
! ! ＿、 i / -〃´. 、 ! l -ｨ′
.. ..i､ │ ｌ ',ﾞ....､ヽ 、 ｌ′ ., / .| '"──ｰ 、.,, i/冖'
ﾞlヽ .i、 l.ヽ│ ｝,、 ﾞl'"''ヽ, .,／ ヽ/ | .｀ ‐､、 . ,ﾉ:! | ,,、 .i!
.ヽﾞ'"ン'^｝ ｀ﾞ 巛, ,／/ ,//.lﾞ ,／´ .丶 ,ﾞ;;i./ .ｨ'.二＝─ iﾘ
ヽ''" ｌ .ﾞl ヽ ､ ／ ﾞ‐r/ ,, !'" ＿＿ .、 i､＿_‐ ｰ＿__＼て”´ / |
､. ..,-‐''" , .! / __. / ＼.,..-'"´ ﾒ￣Ｌr从;;='ﾞ.- -''"´ ｀＞ﾆ＝-,. iｌｌ / |
'､"'-|、 / ,,- ｌ._lﾞ ｀ヽ / .ｌ, ″ .／弋 l ｌﾉ │
＼ ｀''-､ .i′ .lﾞ |冖| ｀'､ ! |ヽ __ ,ir .lﾞ | ｀''､
."＼ .｀'ｒ'" ゛ ｀v .! .￣二＝─ │ ヽ／ . ´ ,, l-- ヽ‐ て
│｀'''- .{ ゛ . l |_ l ヽ , .'゛ - ＿_‐|ﾞ､
.ｌ .、 .｀' r‐ _ﾕそ ,i┤ ｀'､.,!._,,、 .／ .l .｣i‐
弋 ,／ く .' ＜,ﾞ .´ 'ｔ､_/ | ._/ .,.. --､、 .ﾞ''"｣ﾞ､
,／ ._..〟 ,ﾞ二― _,＿-┬-l''''―--二;;;;-..,,,、 ..ｌ､｀″ / ゛ .,y￣´ﾞ'‐ ." て
-"._,, ‐''"゛.rﾞ‐'゛ ﾞ‐'´゛ ￣' / ｌ,./ '^゛ ／ ゝ＿-ﾅ .‐i
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戦闘が始まって、まだ十分も経過していないはずなのに、やる夫の耳には
爆音や砲撃が空を裂く音、刃物同士がぶつかり合う時特有の甲高い音、
飛竜の炎が燃え盛る音、地竜の断末魔といった音が混ざり合い、
嵐が巻き起こされていた。
平原を駆ける自分たちの慌ただしい足音どころか、
自分の呼吸の音すらも、それらにかき消されて聞こえない。
視界には味方の背中と、飛竜の炎やぶつかり合うメビウス軍の地竜隊と
アラディア軍の前衛隊の姿が映り、それがやる夫の恐怖心を煽った。
最早、戦場ではなく、災害の真っただ中にでも放り込まれた気分になっている。
ただひたすら、余計な思考を振り払い、ナノハの背中を追う。
息が弾むが、それでへばってもいられない。
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4685 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 21:27:10 ID:NO7daXek0
＿
＿// ﾆﾆ- _＿＿ ヽ==----- ＿__ ＿＿ -----==-
__ ／:.:.:.:.:.:.:.:、ヽ＼ ／ ｀＞― ￣｀二二二 ― 二ﾆﾆ-＞・´
―≠- {:./:.:l:.:.、、_ヽヽヽヽ、 ／_γ⌒ヽ二 -― ￣ ＞・ ´
￣7--- ´',:.{:l xｭ/笊 }:.ｉ:ｉヽｉ-ゝ _ ≠--､ __ .- r{>_ - ゝ-‐′ --＞・ ´
//:.:./ ∧ヾ:.ゞ'. ｀´//--|__ヽ ．＜´ { } ． ＞ヽ､ ＿_r ＜＞・´
//:.:/ ｉ／ _-＞ ´∠/ =､=ム /.| ヽ．＞´. ／ /＞・´
//:./ /ヽ ｉヽl 子∠ rｲヽヽ．＞＜ ・ ヤ |', { ／ ／
. // /∠{-〃L≠＜ ＞ﾌ.―ヾ--// }|ヽ:.＼ ∨ ∧ゝ ／ ＞・
//:.笊/＜＞・ ´ | |｀ヽ＼. ＼: : ',ヽ/:.:.:ヽ. ヽ―┘. ／., ‐‐ ´
{´ ＞・ ＼ｿ／ | |ヽ-ヽ-ヽ ／| ￣ ｀ ‘，:. ヽ. ／ ´
￣ |:.:,' ｀ ‐ ヽヽ｀´ -:::ヽ .:.:.:.:} ｀
|:.{ // ll ｀ ´ 〃､ }:.:.:.ｉ
!:.:ｉ /ヽ／＼ ／/ ! ＼ ｉ:.:/
',:.:.! / / |ヽ ヽ|/
ｉ:.:| ／ 〃 ＼ /ヽヽ ＼
ヽ| ／ // |: ｉ ヽヘ、
｀ ／ /: / l: : ヽ ヽ ｀ヘ、
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ナノハが急に立ち止まったかと思うと、その手に持っていた杖を振りかざした。
男性魔導士たちが壁を作るようにして、前に出る。
そして、息を呑んだ。
あの草原を飲み込まんばかりの軍勢の中から、数十はいるであろう地竜たちが
こちらに向かってきているのだ。
全身を筋肉の鎧で包み込んだ、古代の恐竜を彷彿させる地竜たちは、
その凶悪な口許からずらりと並んだ無数の牙と、ぬめる舌を覗かせながら、
第一混成小隊に向かって飛び跳ねるようにして走っていた。
力強い足音が地面越しに伝わってきて、腹に響く。
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4686 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 21:31:46 ID:NO7daXek0 [6/7]
＿＿＿＿__＼__:.:.:.:.:.--------:.:.:.:.:.:.ヽヽ/___ -- ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:|｀:.ヽ ､￣｀ ヽ≠￣￣￣￣｀ヽ＿:.:
｀ ヽ／/:.|:.:.ヽ:.ヽ､:.ヽ､＼:.:.:.:.:.:.＼:.:.|:.:.}:.:|:.｀ヽ､ ／￣￣:.:.:.:.:.:.
/:.:.:./!:.!:.:.:.:.:!｀ヽ｀ゝ､:.:.＼:.:.:.:.:.:.ｉ_____|_:ｉ- ＿＿｀‐‐‐´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
,':.:.:/ ',:.ヽ:.:.:ヽ ,'え｀ゝ｀ヽ ｀ヽ:.＿＿＿二≧--､￣ /￣￣￣￣￣
ｉ:./ }:.:.:∧:.:.ヽ ヾｿ ノ-ヽ- _ゝ- .} |.|___ / r‐‐,
ﾚ′ ｉ:.∧|｀,ヾ、 | | |ヽ| || ,′ ｀ ´ 男性魔導士、前へ！
. |/ |_ｉヽ、__ / /::::} || .ｉ
| ゝ ｉ ＼ ゝ - ､ ／／::::/ | | ! ／／ 援護砲撃、用意！
/ |__ヽ‐‐ ＼__／/ ヽ二／::::::::/ } } ヽ / /
l ￣ ― ヽ|ヽ |::::ヽヽ:::::::ｉ // ＼ ｉ ｉ 構え！
__ヽ ＼ ＼＼--＝┐:::{二二}::ヽLｉ‐‐ ‐､ヽ ､ ｜ |
/､;;;;;;;ヽ ＼ ヽr 二 /:::::::::::| ､::::::::::ヽ´ ＼＼＼ .| |
|￣ ',;;;;;;;ヽ ＼ | | /::::::::::::| | |::::::::::::::rヽ ヽヽ ヽ__| -
/￣￣ ｀ヽ };;;;;;;} ---＼ヽヽ/::::::::::::::| | .|:::::::::::〃´ ｀ヽ --＼＼＿＿
￣＼ .ｉ;;;__| ヽｉ::::::::::::::::::! |/::::::::〃 !
／ ´ ｀ヽ―――‐ヽヽ､::::::::::::ヽ',::::// ,'
／￣ ヽ ヽ二‐‐‐ヽ// 少
＞￣ ヽ、 ｀￣ ゞ----‐＜
／ ヽ ＿ - ´ | ヽヽ ヽ
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ナノハの号令に合わせて、男性魔導士たちは剣を握りしめ、
そのまま前進し、向かってくる地竜たちと相対する。
距離は三十メートルといったところだろうか。
いずれにしても、あと数秒で接触する距離だ。
にじみ出る額の汗が鼻を伝い、地面に落ちる。
雪が降りそうな寒空であるというのに、やる夫は汗が止まらなかった。
剣の存在を確かめるように、手元を見る。
無骨な西洋剣の刀身は、微かに震えていた。
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4687 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 21:38:51 ID:NO7daXek0 [7/12]
∧i＼l＼
. /,;',;'＼ ＼＞_ 、＿_
. ,＜｀ー――'.￣, __ -‐｀i
}:';';';'_, .-'´ /´ﾟ｀ _, /./
|,';';'_＿ /| '´￣/｀!/
∠、;';' ／ ./ !:i .l´ ´ ＿＿＿
>､;';';';' ./,,.,..|.;! / , ＜ ＿＿ ＼
/ ＞､,'_;_;_;|_;/ _／ ／｀ ＼.∧
| / ∧ ∧/! /!/./ /! ∨|
| ./ ;' / ＼ ＿＿,.イ ./ !_从/|_,ノ ./ rｧ'｀ .| |
∧ :! ,';'; ! ; ＞＜ ／／ / /｀Y´! /!..／ ./｀ り
| ∧ ', ';', | 〈 ｀ ＜＿/ / ./ ／ /
|;. .∧ ＼ ∨ ＞―-‐イ /
|ヽ､:〈＼ | |, l／ ＼ ／
| 〈,/ ｀ー ､ .| ∧;';';';' | .i ; ; ;'. ／
ﾄ-/ ／＼| | ｀ ＜_.! .| ,';',' ／
. ＼〉 ／ ./i !＼ . ∧ .! ／
<＿＿＿リ l∨丶＿_∧ .:; |／
|_ﾉ! .／ ∨ ,;'i ト､
∧|/ .|;',':: ヽ
/ / 弋三＞! |
＿＿_/ ∧ _| / !
/人_rイ_.ノ∨ ,ｲ∧l∨
｀ ´ ｀ ∨´
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鳥とも狼ともつかない、空気を裂くような叫び声がして、我に返る。
地竜たちが咆哮しながら、自分たちのすぐ目前まで迫っていた。
地竜の上に乗っている竜騎兵たちは、皆一様に赤錆色の鎧を着込み、
顔が見えない。両手には、以前見た飛竜隊の竜騎兵同様、盾と突撃槍を
携えている。
周りの男性魔導士たちが、それぞれの得物を構えると、地面を蹴った。
やるしかない。
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4688 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 21:48:38 ID:NO7daXek0
／´￣ ｀ヽ
. / _／ ｨ ﾍ‐＝‐-──っ
{ ｨ_＿ノ ,z､ <´
〈 ,､_ﾉ､ _,<>ﾆﾆi／二二ニニ＞
｀ゝ＼ ヽノゝ-イ´ゝ" ＼ , ／"ﾟ
￣´ ＼ ＿＿ ＼ イ(_ ィ
<´ ＜´￣￣ ￣｀ﾞﾐ '" ノ ( ｡
｀＝´ ´￣´￣
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┃system message
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踏み込みながら剣を振りかぶり、向かってくる地竜の内の
一騎に向かって右袈裟に振り下ろす。
地竜はそれに反応し、巨体に似合わない軽快な動きで後ろに飛び退くと、
再び突進してきた。
反射的に、剣から左手を放し、パンチを見舞うような形で地竜に突き出す。
地竜の目がそれを捉えるのが、見えた。
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4689 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 21:53:22 ID:NO7daXek0
:,: :(::)
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ヽ::::::::';''' ''`` 。
τ'::/ .;:
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。 ' 、 ;: 。
`'''`~''・ ' `
f''`⌒( ,,,, !:(',,,,、 ::,,,,,、...
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゜ (/ ⌒・ . ・、;::::::::::::;;.;`` ''
,,、.. ／/ ノ' /／'''`'`'` ` ..,,.. _,,,.、 ・ ,, ...:・..
π /;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ・っ ;,;;( ):::::;. c::── '`'''::::::::::;''
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τ !::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,, γ :'`'``:!
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地竜の口から漂ってくる、生暖かい吐息を左手に感じた直後に、
鋭い痛みが走った。強化した肌が裂ける感覚がする。
地竜もまた、反射的に突き出された自分の左手に食らいついたのだ。
全身から汗が噴出し、悲鳴が喉まで出かかる。
かろうじて呻き声で済ませつつ、やる夫はつとめて冷静に右手に握られた
剣を見た。
剣を下から振り上げ、筋肉質な地竜の体の中で違和感を感じさせる、
やけに細い首を狙う。
叩くようにして斬りつけると、刃からは地竜の皮にめり込み、
そのまま肉を切り裂いて、骨を断つ嫌な感触が伝わってきた。
地竜の足がふらつく。
仕留めた。
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4690 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:02:50 ID:NO7daXek0
＿＿＿
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／ u. ＼
| u. |
＼ ／
＼ ヽ ＼
// ,ノ ）
/（ ノ ＼
､（ 'ﾉ（ くヽ `ヽ､
／／` ＼＿＿＿_>＼＿＿_ノ
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頭部を失った地竜は全身から力が抜けたようにぐらりと揺れると、地面に倒れこんだ。
背中に跨っていた竜騎兵はその巻き添えを食らい、地竜より先にバランスを崩して
横に体を逸らした後、倒れた地竜の体の下敷きととなった。
一息つく間もなく、次の地竜が襲い掛かってくる。
やる夫は一騎だけを相手にしていたからよかったものの、他の男性魔導士たちは
一度に複数の地竜を相手取っていたらしく、視界の端には味方が地面に倒れる
姿が映った。
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4691 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:08:10 ID:NO7daXek0
: ,ｨ .! ,! ＿＿＿ ＿＿＿ __＿＿＿_ ＿＿＿＿
.ル .､ .| / ズバッ＿＿＿ ／_ノ ヽ､ ＼ 三三
'ﾄyﾑ ﾞ.|!l .〃 ＿＿＿ ＿＿／（●）三（●）) ＼ 三三
'|l|j||lｔｉレ'/レ'´ ＿＿＿ | u. （__人__） | 三三
::: ￣~'''!デ￣＼ ＿＿ ＼__ヽ|r┬-| /.u／ 三三三
:::::::::::::::::::|:: ! `゛ヽ ＿＿＿ ヽ -､ ＼ ＼三三三
::::::::::::::::::::｀ ー‐'l＿ . :ヽ ＿＿＿ ゝ、＼rL__/ 三三三
::::::::::::::::::::j:::::: ヽ、 ヽヽヽヽヽヽヽ ヽ/￣ 三三三
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飛びかかってくる地竜に合わせるようにして、剣を水平に振りぬく。
地竜の胸の辺りを斬りつけた後、間髪入れずに脇腹の辺りを竜騎兵の足諸共
突き刺した。
竜騎兵が人間のものとは思えない怪鳥じみた悲鳴を上げる。
背筋がぞわりとするが、気にしてなどいられない。
剣を引き抜くと、背後で地竜三騎に押し倒されている味方に駆け寄る。
地竜とその竜騎兵たちは、倒れた男性魔導士を嬲るのに夢中のようだ。
強化魔術による耐久力に手を焼いているのかもしれない。
必死に手に持った突撃槍を地面に向かって突き立て、地竜も巨大な顎を
振り回している。血と肉が飛び散る音に吐き気を覚えるが、飲み込む。
それらの足元に潜り込むように腰を落とし、体を捻って地竜たちの足を切断した。
三騎の地竜が一斉に、地面に倒れこむ。
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4693 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:19:18 ID:NO7daXek0 [12/33]
＿ ./＼
. ,，＜￣｀＞､ ,，-､＼ ＼! ＼l∨!
. ／ ／￣￣￣ ,，´￣￣￣￣￣ ＞―.､ |､_
/ ./ ／ ,，-― .＼ |､
. / | ／ .／ ｀ヽ、 ∨ | .＼
| .! ／,，-､,;;/ ! ', ＼! ∧
∨ 弋 ,，＜ ,＼;;;ﾉ/ ,..:'.! ', ! ∧
. ∨ ｀ー―-- -―' ,.,;,:',:" / ,.' ',_ .! ∧
∨;';';,;,, , , , , , , , , ,;,;,;';' ＜) | /!;';' |', ', :!
. ゝ、｀"'ﾏ"'"'"＜!''"''"" ,l _人__ ./ l .∨
. 弋＼ ＞´/ ＿_ ＞'´,，'/弋_ _!./ .:|
. ｀´｀ '＜ ＿＿＿ ＞´ / ./｀ｰ-､｀ｰく ∧_／/_ ＿＿/_/ .∧
/ .Yﾘ戈 ｀ヽ、｀'＜＿_ノ＜;';'.､ ／ .∧
/ /夊 ｀ゝ、 ＜:!:) ヽ, ;';';' | 〉
/ / `ヽ ｀ト､ ｀ヽ! ;';'; ＼ ., /
/ / l ._,，! ﾏ ', ｀;';'ｰ-く ／ /
/,.-､,.､| .// ／| _ ,＞ / .;';'; .!,イ /ヽ
／/::::/:::::l .／.／ .!// ＿.ノ:ﾏ ;';' }／ .∨ ﾏ:::|＼
／::/::::/|:::::/ ｀¨´i丈/´，'´! /ヽ| .;';ﾞ ／ ∨ ∨＼!
￣l:／ .l／ 弋__ノ .〈∨lり.|;';'.／ /!__ｌ∨lﾉ :|
＼;;フ∨ ＼::::/´ /
｀´￣￣
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┃system message
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襲われていた男性兵士は、幸いにも息があった。
体のあちこちから血を流し、服は破れていたが、彼は立ち上がり、剣を構えた。
安心を覚えつつ、背後の気配に振り返る。
地竜だ。しかも、先程より数が増えている。
列をなすようにして、地竜たちは男性魔導士たちを包囲していた。
敵の勢いは衰えることなく、立て続けに地竜たちが襲ってきていた。
後方からの支援砲撃が地竜を次々と貫き、倒していくが、それでも間に合わない。
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4694 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:23:40 ID:NO7daXek0 [13/33]
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{ ＼ ＿
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'，､ ＼ ＼ ＼ ,. :―: : ._
. ':, ＼ ＼ ,. . : :＼__}:}:´:,. ´: : : : :｀ヽ､ ＿
'， ＼ ＼､ ,. : '´: : :,: ' /: :/:,: ／}:_/: /: }:ヽ´:⌒｀
l∨ ＼ ＼_､__ ,. :'´: : : : :／ ,.ｨ:/ﾊ|{: /下≧ﾐ/イ/!:}:.､:､:＼￣＼
{ ∨ ＼＿ ＼. :´ : : : : : : ,/_,...イ |:{(/{: { 弋ソ／ｲ_ｲ:;: }: ∨:ヽ-- ｀
∨ {//ﾊ､. ＼: :,. ´ Ⅵ! ヽゝ _ ん}´:./:|: :ﾄ,:}＼
{ Ⅵ//} ､_ ＼> r､ Y:::. ／⌒ヽ'ゞ'/イ!:j!:.ﾘ: |: : ::. こちら第一混成小隊！
, ,､ ー'Y､__7-､＼＼ / ＼ j! ､ { ン ,ｲ:}|/ｲj:/ ＼: : : : .
,. :' | |＼＿7/} ノ＼＼ ＼ > 7/ ///ヽ｀/ ＼イ j/ ∨' ヽ: : : . 所定の位置には着いたけど、
／: : :.| | | |＼ノ ＼ノ r､ 丶 ＼///[｡｡]//_/_/ __./-- ､ ':，: ::.
／: : ／ ヽ､. | |-} ＼／／｀ヽ´ Y/ ＼///／ ＼ / __ ＼ }: : :| 敵の集中攻撃を受けてる！
:': : :／ }. | |ｰ' ＼ ＼ У´￣7￣￣´／ ´ __,..===ﾐ､｀ヽ ／:|: : }
: ／ , | |{| |＼ ＼ {! {=== イ ､ ｰ=},. : ': : : }: / これじゃ側面からの攻撃なんて無理！
, | ||!＿＿_.／ }＼＼ ＼ | i ＼ /: : : : : :／
,..ﾑ | |:::::://::/＼ﾉ .＼＼,. ´}_,.＼ ヽ _,..--////}:＿_／
r''´二//≧､:::Ⅵj〉://::/7-''{ / }i ＼＼＿! ＼ ＼//////////>
´/,ィ//////＼::::::{ {:://{ |＼{_/_/ ＼ ＼／__ ＼ |∨//イ￣ ∨
{ﾉ }/ とニ///|::::::| |:{//_r-､ ＿|||. ＼/ ,.-/ﾊ＿_＞'＿￣ },.-=､ '，
{ﾉ{_ﾉ {::ー'j!:::://ｲ´ //// {{{￣＼rrと{_ﾉ,イ}/∧:::::￣＼＼_ ,
ヽー'-- '´ ／￣ ||| {//イ{_!/ /＼}::::::::＼::＼//＼＿ノ
＼ /j!! ｰ'､. ＼::::::::::＼::＼イ
／ ＼／ ⌒ヽ､ ／ ＼ ＼:::::::/:／
/:::::/:::/:/|::::|:::|:|::::|::ヽ::::::|::ヽ:ヽ::::::::::＼＼::＼:ヽ::::::ヽ:::ヽ::::::＼ ``＜、´
/::::/:::::ｉ::::|:::::ｉ::/::|:::::|:::|:::::::|:::::＼:::::::::::＼:::＼:::＼＼::::ヽ:::::i:::::|::::ｉ＿ ＞、
/::::ｉ:::::::ｉ:::::|::::ｉ::ｉ:::|:ｌ::::ｉ::ヽ::::::!::::::::ﾊ:::::::::::::＼:ヽヽ:::ｉ ＼、::::i:::i::i:::i::ｉﾍ |￣― ―---__二＜、
/::ｉ::::::::ｉ:::::::|::|::|:::::|:ｉ::::ｉヽヽ::::ヽ::::ﾍ ＼::ヽ:::::＼ヽ .>:i'´ ヽ:::|::|::ｉ:::ｉ:::ｉ:ﾍ::::::::|:::::::|:| ￣￣
.// ｉ:::::::::ｉ::::::::|:||:::|:∧i:::i .ﾍヽ:::ヽ:::::ﾍ ＼＼ヽ、.<,≠弋ﾐ、i:::i::::||:::|:::ﾍ:::::/::::::|::|
// i |::::::::::ﾏ::::`|:::ﾍ::| ヽ:| ＼::::＼:::ﾍ ＼/≠代 .ﾔ′i::|:::::|::::|::::ﾍ::/::::::/::| 前衛適正のある者は前へ！
/ |:::|::::::::|:＼::::|::::ﾍ:ｉ__ヽ＿＿ヽ::i＼＼ .ｲ ﾚ ノ 乂 |:ｉ::/::::::|::::||/:::::::/:::|
|∧:::::::|:::::＼|::::::ヽヽ,≠=云=ﾐ.|`` ヽ＼ ゝ‐´´ ///::|::ヽ:|::|_|＿/,,, ＜´ 男性魔導士に加勢を！
| ヽ::::::ヽ:::::ヽ::::::::::弋 ﾚ ﾊ ＼ /:::::::::|:::,,,x ＜´
ゝ:::::::i、:::::＼::::＼ .∨ ﾚ´沙 、 | ゝ＜´
/:.ヽ ___＼::::::＼＼`-ヽ‐´ ヽ ,,, ＜´ ,, ＞＜´
／:.:.／ `ヽ::ヽ、＼／| ,,x.＜´ ,,＞＜
＞―ヽ| ´ ヽ￣:.:.:.:.:∧ x＜´´ ヽ ,, ＞＜
/ ＼ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|,,, ＜´ ヽ ＞＜´
4695 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:25:50 ID:NO7daXek0 [14/33]
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. ‐-
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／::: ::. ＼
':::::. .:::
. /:::::: .:::: ヽ
-‐ ￣ヽ.::::::__ 〈7ﾊ ｒ ､
_ - ´ ._ } l::〈/ハ ﾏ∧. !/,! ,
＿--､ ,' .） .ｌ ｌ::::: ﾏ,∧. ﾏﾊ. !/l ;, .!
ニニニ＼ l .!:::::::. ヾ∧. ﾏ,! .l/l ｌ'〉.! _ -‐ 、 …………
ニ二二二ヽ l .ｌ:::::::::. ヾ'､. V l'/ // !;;;;;;;;;;;;: !
二ﾆ＝-＿_,.ゝ---― ''" ￣￣￣ " ‐┴ ､;;;;;' /
ニニ三三/ .{ 〇 ー―‐ '' ￣￣ - ､＼'
二二二二＼.＼ ＿ ,. . ヽ.ヽ､_,...,_
＝＝=ﾆ二二＼｀ ､ ` ､.ヽ { ヽ 〈ニニﾆヽ
ヽ ＼ ＞ ｀ 、 ､ ､ ヽ .ﾉ ,.ｲiニニニ}
', ｏ ＼ ＞ _` _ 、 ヽ ￣ .j .! !ニニﾆ{、 ﾕﾗﾘ
}ー 、 ＼ ＞ _ _.ヽ ー‐ ' ﾉ !ニニニj
/ ｰ ＼ ＞ _‐- _￣ ´.／/Vニ-‐'、
, ￣＼ ＼ ､ ＿ ,.ｲ ヽ ,
／￣￣￣＼
. ／ ─:::::::─ ＼
| （●）::::::（●） | ！
＼ (_人_) u.／
/ ヽ、
/ i. ヽ |
∠ニニニニし| .ソ:::::::
. | r- ､ /:::::::::::::::::
. し´::::::::し′::::::::::::::::::::::::::
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あれから何時間経っただろうか。
正確には十分も経っていないのかもしれないが、やる夫からすれば、
一日中にも感じられる間剣を振り回していた感覚だった。
手にした剣は血まみれになっていた。
体中に痛みを感じる。
その時だった。
斬り伏せた地竜の死体の下から、竜騎兵が這い出してきたのだ。
剣を握る手が、再び震えだす。
竜騎兵は戦意をなくしてはいないらしく、手には突撃槍と盾を持ったままだった。
丸い兜の奥からは、興奮と怒りを宿した瞳が見える。
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4696 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:27:26 ID:NO7daXek0 [15/33]
::::.∧. /.:.:.:./.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{.:.:ヽ.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:ﾊ:ヽﾐ/
..:::::∧:. _/:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:.ﾊ:ﾊ
∨::::∧:. x-へ{.:.:.:.:.i.:.:.:..:.ハ:.:.:.:.:.:.i:.:.! ＼:.／.:.:.:.:.}:.:.: }:.:.}
}}∨::::∧:.r‐'⌒ ー ､.!.:.:.:.:{.:.:.:.:.!､ Ⅵ.:.:.:ﾄ.:{ ／ヽ.:.:.:.:.:.|:.:.:.|:.:.:!
仏Ⅵ / ／ ７､!.:.:.:.:!.:.:.:.:l ＼ヽ:.:.:| 弋／云ﾐx.:.:.:|:.:.:.':.:/
. ｀:.∨..八 ﾌ / .i`Ⅵ.:.|.:.:.:-《幵ミ､ヾ{ /ﾍ:::ｃﾘ"}/}:.|:.:/:./ 何やってるの！ 死にたいの！？
.:.∨: ＼ ﾊ ＼ヽ.:.:{:､:弋ｚ) ＼ ｀¨´ノ:/:/:/／rv‐i
＼ :::`ー ､ }:::ヾ＼:八 ' __ -=彡':./ﾆ(／⌒ヽ
.. ヾ 、 >=､ .ヾ ::::::::rヾ＞..＿ ヽ_) ／圭ii}:{ 》 (::::.....::::ﾊ
ゞ≧彡"ミヽ }:::::::辷z_Yiif⌒ヾ{ii)ii<´ .ｊi!(《 (::::/::::(::::::}
. ｀´Ч三三ミ(_>_)仁) Ⅵv彡"ヾii}`ーｲて"´:/::::::::ヽ:ヽ
｀´¨^^^ {::廴廴廴._￣{ii{-/.ヾii> (《 (::::::/::::::::::::∧:{
レ}::::ヽ廴)_)ノiｿr' r'廴〉廴)¨::::{:::::::::::::::::∧＼
八::::::::::::廴)¨廴/し'::::{:::::|::::::::|:::::::::::::::::::∧::::>
＼ヾ::::::::::::({⌒7::::::::::｣:::八⌒>:::::::::::::::::::::::〉'
¨＼::::ノ'全{:::::::/´(_::／三7¨ヾ＿＿／{
_|三/ヾイi￣三三三三/彡'ﾍ ＜.ゝ.
ゞミ/く >〉/三三三ﾐ／¨＼::.∧ ⌒ヽ:＼
／ミ〈 >ﾆ<_/三三三ミ> ＼:ゝミﾆ ﾊ::. ＼
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
動揺し、立ち尽くしていると、後ろから小柄な女性が飛び出してきて、
竜騎兵の懐に潜り込み、手に持った小ぶりな剣で竜騎兵の首を斬り落とした。
あまりにも一瞬のことで、呆気に取られていると、女性が振り返った。
ラピスだった。険しい表情でやる夫を見据えると、短く怒鳴った後、
またすぐに体を地竜の方へと反転させる。
震える手に力を込める。
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4698 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:32:15 ID:NO7daXek0 [16/33]
=-/ / __ ∧从 丶 ＼ 丶 ﾄ､ ／. .: .／ ／
∨ / /￣¨^'ヽ ＼ ＼ ハ | ﾏ ／. .: .／ ／
｜ ′ {斗--ｋ ＼ -－…- ｌ } ／. .: .／ ／ ナノハさんがいることもあって、結構狙われてるみたいなんだ。
｜ ￤ ⌒ 乂しﾘ ＼｛＼斗-ｬ| l }／. .: ／ ／
｜ ｜{ Λ ¨ じソ { j／. .: .／ ／ 実際、まずい状況に……
从 | Λ u. ' 片リ／. .: .／ ／
｝.| ∧ -_- ｲ「 ／...: .:／ ／ 「飛竜を確認！ 前方に飛竜二騎！」
イ 从 ∧ .イリ／.＿_／ ／
: : 〃⌒}ト----r==ﾆ六ﾆヽ／￣ ／ ……さらにまずくなった。
: : .:.:.:.:.:.: : :{__ 乂__ノ人／〈 }》Ａ《{ ／
: :.:.:.:.:.:ﾉ: : :___} 人 〈 }》Ｖ《{ ／:､
: :.:.:.:./: : : :{___ ／こ＞----＜.: : : :ヽ
:.:.:.::/＞--t___} ／＞≠ﾆこ)／ }:.:.: : :
: :ノ j/ ／／ 人__ソ 丁.:.:.:.:.: : :
⌒メｰ=≦厂 Υ ／ ／ |lh。.:.:. : :
⌒ヽ ㍉Ｖ 癶 _｛__／h.。 |川}h。.: :
ノｨ＞--乂___ｨﾉ }川川}〕h。ﾉ川川|lh.
‐vソ ｀'ヽ ｲj川川川ﾘⅩ川川川ﾘ
i{ ,＞‐┐⌒ヽ{川川川／ .:`¨¨¨¨¨´:
丶}ト-ｧ ノ}==⇒.ハ川レ'::.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : :
__ノ[乂_／イ_メ⌒ヽＶバ:.:.:.:. : ／:.:.:.:.:.:. : :
}ア_ノ____ノ : : : :.:.:.Vｨﾊ.: : イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
地竜に剣を向けたまま、ラピスが早口で状況を説明してくれた。
事実、彼女の言う通り、やる夫たちは追い込まれているようにしか見えない。
周りの男性魔導士たちも、押し寄せる地竜たちに対処しきれず、
負傷している者が多く見受けられた。エリヌス軍の狼を相手取った時よりも酷い。
自分の左手もずたずたで、強化魔術による治癒促進を以ってしても、
数分は使い物にならなさそうだった。
周囲には地竜や竜騎兵の死体、そしてその血や肉が散乱しており、
異様な生臭さを発していた。
それなりの数は仕留めたはずなのに、一向に敵の勢いは収まらない。
歯噛みしていると、後ろで誰かが叫んでいた。
この状況に、飛竜まで来るというのか。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4699 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:53:09 ID:NO7daXek0 [17/33]
z ‐＝‐ ミ
/ _メ､ ｀ヽ
〈､_ ﾄ<_･__ﾉ ', 『第一混成小隊上空に敵飛竜、番のカワウを確認。
i じ ) u. }
ﾍ └'｀￣´ イ これより待機させていた支援部隊を出撃させます』
｀ ‐ｩ ｀ヽ
_＿＿＿＿__,iiﾐ/ i ﾊ
＜────‐}_} 〕ィ レ' ﾍ
￣￣￣￣￣llﾑ''{ ',
ゝ へ
/ , ｨ===‐‐‐-､ ＼
ゝ} ｀￣´
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
すると、突如頭の中に声が響いた。
聞き覚えのある、上品な女性の声。
アンゼロットだった。
なぜ、このタイミングでアンゼロットから念話が入るのだ？
ラピスもやる夫同様、訝しげな表情で念話を聞いていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4700 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:53:23 ID:NO7daXek0 [18/33]
─────────────────────────────────────────────
-‐…・・・‐ ミ
__ ,,.ィ´ ｀ ､
,,. ´ﾌ⌒ ＼
〃 ／´ , ´ ヽ
/' /
/ / ;′ ′ ‘,
′ .′ ‘,
,′ .i i ‘,. }
{ {i￤ _| } :| } } .; } 『全軍に通達します。これより戦闘に参加する、
乂{从. 人｀ﾒ､{ |: j__ﾊ_} .i ./
ヽ{＼i芹ミ､ .i{､|´Ⅳ }ﾉ｀ ！ ./} ; 黒い四騎の飛竜に対する攻撃を禁止します。
/' ハ 込ｯ ＼{ ｧﾃ 弐 〉.ｉ / 八 /
/ .从 , 乂ソ ｲ,ノ./ ´ ./ 繰り返します。これより戦闘に参加する、
/ 込、 vーｧ } /、 { ′
/ .ｲ } }r≧s｡. ,. ≦/ /_‐＼ ‘, 黒い四騎の飛竜に対する攻撃を禁止します』
/／ }_ﾉ‐､-ｬニﾆ)r '7 /./ニニﾆ＼‘, {
'´ .ィ/⌒i､ﾉ, } ｝´(*)｀ヽi/ニニニニﾆ _{
／ r≦ﾆ7 i´ ﾉ ｀｀}: :/}: : : :}ニﾉﾆニニニﾆ‐
. ／ ／{ニﾆ「ｉ } .人': :}: : ノ／ニニニニニﾆ}
. ／ ／ 人i⌒'く⌒ヽ /⌒7ノ}´／ニニニニニニ‐7.
／ ／ r<⌒'く⌒>'⌒ｉ' ,.ｲ.ﾉ／ニニニニニニﾆﾆ7∧
／ ／ ／i_ﾉ⌒'く⌒ヽ :ﾚ'‐}´i{ニニニニニニニニ7/ ∧
. ／ ／ ／ﾆ‐「 __ﾉ :}／ﾆﾆ}ﾆ{ニニニニニニニﾆ7 /.:∧
. ' ,ニﾆﾆ(_r'´＼ヽ／ニニﾆ}_ﾑニニニニニニニ7 / ∧
. / {ニニﾆ〈ー =≦二二ニﾆ}ﾆ‐〉ｰ=ミ､ニニニ‐7 /.:∧
─────────────────────────────────────────────
4702 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:54:03 ID:NO7daXek0 [19/33]
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┃ , .┃ ┗┓◆┃ ┏━┓
┃ .,,.. -‐''ニ- △|＼ |＼ ､ .┗━┛ ┏━┓ ┏┛▼┃
┃ .／ ..／ ／ ▽ π＼ ﾘ ＼ .＼ . ━━━━┓ ┏┛◆┃ ┗┓▼┃
┃ .／一'i | ▽' ∨ ヾ_,,.ｰ、ヾｯ ＼ .┃ ┗┓◆┃ ┗━┛ ┏━┓
┃./ /一'i ∧∨| ＜| ヨ ／, ヘ__ゝ .┃ ..┏━┓ ┗━┛ ┏┛★┃
┃ /／| / ゝ ',＜{ '∧ ヽ、{＞＼＼ ┃.┏┛◆┃ ┏━┓ ┗┓★┃
.ｌ / / ∧/', ＼＼ ∧ } }i＞ ＼从 .ｌ ┃.┗┓◆┃ ┏┛▼┃ ┗━┛
| |∧,/ ∧/ ゝ＼ ∨ ＼＼ |/ ＿ ゝ__) | ┃ ..┗━┛ ┏━┓ ┗┓▼┃
| | ! ∧/_,. -‐=ニ 〈 ＼／ 〉 | ┃ ┏┛◆┃ ┗━┛ ┏━┓
.ｌ ヽ |／ _,.. -一 ''≦ ゝヘ ／^ﾘ .ｌ ┃ ┗┓◆┃ ┏┛★┃
┃ V /ﾘ ≦'' , ―┐／ ﾝ-、 / ..┃ ..┏━┓ ┗━┛ ┏━┓ ┗┓★┃
┃ V ≦' ,〈 ＼／ 爪 ／回ゝ ┃.┏┛◆┃ ┏┛▼┃ ┗━┛
┃ ﾘ ＜/ ヨ ｀ー＼ ／ // ┃.┗┓◆┃ ┗┓▼┃
┃ . ､ .＜{ ヨ ｀´ ／/ .┃ ..┗━┛ ┏━┓ ┗━┛
┃ .＼ △ ｀TTTTTTTT爪 △ ....┏━━━━━┛ ┏┛◆┃
┃ .丶 .∨∨∨∨∨∨∨∨ ／ ┗┓◆┃ ┏━┓
┃ .┃ .┏━┓ ┗━┛ ┏┛▼┃
┃ ..＿＿.. .┃ ..┏┛◆┃ ┗┓▼┃
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4703 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:54:14 ID:NO7daXek0 [20/33]
竜の紋章＝メビウス軍本隊 ◆＝アラディア前衛部隊（小規模）
△＝メビウス軍地竜隊 ▲＝アラディア騎兵部隊（小規模）
◇＝メビウス軍飛竜隊 ▼＝アラディア後衛部隊
. ★＝アラディア精鋭後衛部隊（小規模）
. ■＝アラディア混成部隊（小規模）
┏━━━━━━━━
┃system message
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
メビウス軍の戦力は圧倒的だった。
その物量は数の少ないアラディア軍を押し潰すように攻め立て、
戦闘開始から一時間で、アラディア軍の前線は崩れかけていた。
アラディア軍の精鋭魔導士部隊、独立魔道大隊ブリュンヒルドの先制攻撃が
あったものの、それもある程度攻撃の勢いを削ぐだけで、致命的なダメージには
なり得なかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4704 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 22:56:33 ID:NO7daXek0 [21/33]
ｨ∧
//! Vｲ
ｨ/ ﾚ1 /ー ｧ＿
ィ /∧／ {!.〉 ／ ／､
／:/ /rﾁｱ ,/〈 〈 」 ＼ 「: .
／: :/ ∧}´ゝ=彳 ∨ / r―ﾍ、 ヽ:.＼
, : : : ;′ ーヤくV1 |_{厶イ⌒ {, ',: : ＼
|: : : :{ ヽ{ | ∧| 厶ィ v ―ヘ、 }: : : _L､v
. ノ"⌒ヾ |,7 / ムィvz＿,{ xﾐ ゝヘ
厶ィ {_ ゝ ミ^´ そ_ 彡 } ミ＼
/ ,} 「｀ ｨﾁ父三｀ w ^ ゝ ∧ ∧{＼ ＼
,ｲ ^ w ﾄ ｨ爻爻彡ィ vV ミ ./ /^∨ ＼ ＼
∧/{ /! ∧ ∧ ／ 戈爻彡彳 ﾐ爻ヽ / / i ヽ
V }'ﾞ ∨∧ ／ 人 7 ￣ W1/∨^´ ∧ / / .│ ＼
/ | ∨∧ ／ ＞ ´ /´￣￣} _二二^ト ﾍ / / |
; | .ヽ ＼ ／ ／ /´二二ヽ_ ィ―z=＝二Ζィ=＝二Ζィ=＝二 ￣{=
! | ＼ ￣ .／ /´t― ､ t― ､ t― ､〈 t― ､ t― ､ 〈
} | ｀ T ´ t― ､/´ ＼ ￣⌒＼ ￣｀＼ ￣｀＼ ^ー―＼ ￣￣｀
/ | | ＼ ￣⌒｀)＼ )＞ ､ )＞､ ﾉ＼ ＼
./ } | ィ´￣ ｀T ー '´￣｀ ー‐' ￣ ￣｀ーヘ ＿＿,ﾉ＞―
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┃system message
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
さらにはそれに追い打ちをかけるように、側面からの攻撃を目論んでいた
アラディア軍の混成小隊に対して、メビウス軍はオルベルト・イェーガー少佐を
隊長とする精鋭飛竜部隊、番のカワウことゲルプ隊を
二個中隊規模の地竜隊と共に差し向けた。
一度は気勢を削がれたものの、メビウス軍は放たれた洪水のようにアラディア軍の
薄い前衛部隊を叩き、今にもそれらを突破しようとしていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4705 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:04:21 ID:NO7daXek0
,x----≠
___ r― { ｀ヽ- '
/:. /:.:.:.:.ヽヽ__ヽ＿＿_
{:.:.l{.ｲﾁ}:/:.｀ヽ―､￣
｀ヽ<｀ /ｲ:∠ヽ:.:.ヽ:.ヽ __≠
ゝ≠― 《__＼:.＼:.＼ , ＜＞´
__/ } lヽヽ ＼:.＼:.＼ , ｲ ゝ ´
∨￣ゝﾉ＿__l_i 》 ヽ :.＼ , ＜＞´
{- ｀ゝ---‐‐‐ゝヽ , ＜＞´:i
/ /} // ヽ ヽ, ＜＞´ ｀ヽ ＿
, / /r-┐ __i_r ､ , ＜＞´|ゝ､ ＼＼
r/ {/ //二 l, ＜＞´ヽ__/ ∧ ＼ヽ
i ー―} /￣ , ＜＞´∧ L=== }__ ｀ヽ:＼
{:::::::::ｲ , ＜＞´ | ∧ ¨ゝ‐‐≠ ‘，i
∨￣{ ＞ ´ :l ‘， }:}
, ＜＞´ l ＿＿＿≧ ＿＿＿ ／
. ,イ. / ., ＜＞´ / } ＼ ≧x 7＿
/ i 〃 ., ＜＞´ ./ /l i ヽ::＼ ／￣ /￣
.,' l ／/. ．＜ ノ / /: | / ヽ::::::＼ ／ ／＞
. / l／7 , ＜ ＞・ /_ /::: | / ＼::::::::{ / ヽ
. / /ｌ_∠r＞・´ / ヽ__ /:::::: | i ／￣￣ヽ::::::::＼ /＼￣
. ゝ γヽ /二二 ≠≧} / /::::::::: |― { ´ r-/ } ＼:::::::::::iヽヽi
. ／ , イ ,.ゝ ' ¨¨＞ ． /＿＿ ,イ }::::::::::::| | ／ } ∧ l｀ヽ、::::::l‐┘
／, イ≦_ - ＿＿＿＿＿≧- / 7| / |___7l ､::::: : | | ／_ヽ｀∨∧ゝ∧/ヽ_}
／,イ＞-―‐┘ {/ ｀ {--- }| ∧≠rヽ/ ┌-‐}
. ／,≠ ´ i―ｲ |/ ├‐ ｲ
{＿_| |＿_i
ゝ= ′ ゝ= ′
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アラディア軍第一混成小隊には、英雄ハイグリーズがいたものの、
彼女の火力と指揮能力を以ってしても、五十人程度で四百人近い敵を相手取る
ことは難しく、状況は劣勢だった。
序盤のエスパーダ隊撃墜が彼女たちの位置を知らせてしまったこともあり、
メビウス軍は彼女らの殲滅に躍起になっていたのだ。
白装束の女傑を討つことは、彼らの目標の一つでもあったのだから。
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4706 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:05:13 ID:NO7daXek0
＿ |＼ |＼ |＼ |＼ |＼
. ＼||￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣!
. /! .＼|￣￣￣￣￣￣ ／／
. |.! ＼ ＼￣￣ ／／
. / ! |＼ ＼ ＼__／／／|
/ |__|＼l´￣￣￣!! .／／￣.下!
|. ./__.l .／| || ､|／￣＼ .|/!
/ ／¨＼_|／ ／!,. ＼／|／￣＼! !/!
|./ ○￣＼／|,. .|! 伐_ノ| |/!
|∨三戈、 |／!＿＿|.＼￣! .| |/!
＼＿ノ ＞=イ|コ ／二!＼_| |_,j .!/!
. |￣￣ ＿ ＼!／__| ／ |/
￣￣￣／￣￣||下下下 、 ／
￣￣￣￣￣￣￣￣
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┃system message
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
刻々と状況が悪化していく中、アラディア軍はこの会戦に至るまでに得た
新戦力を投入する。
今まで空を支配し、地上を蹂躙し続けた覇者たちを地に落とすための
新たな要素にして、アラディア軍の希望の灯火となる部隊。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4707 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:16:37 ID:NO7daXek0
ヽ:.:.:.:. =＝: : : ::/' ｲ { .:ヽ ,ｲ
ヽ:::::::､〃,: ,ィi:.:＞ィ::: :} ,ィ /::::
＞イ／;:;;//={i´:.:＞／:/ _..,,＜} {:::::
i:ヽ ,, /: /;':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣:.:.:.:.:｀´;;;:.:.:.:.:{_,,,,,,,==,,,,,,,, ,.:＜::
i:::∧ ∧::i'::..:.:／i::.:.:;;;;:.:.:.:.:.:.:;,;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;｀<:;:;:;:;:::::
i::::::∧,､iヽゞ':.:.:.／:::::i;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／￣ヽ≧ゝ三:.:./:::::::::::::::::
. ,､ /i:.:.:.:.,:.:.ﾞi:::〃⌒';;:=＝{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／￣ ヽ} >壬〃‐-､彡ﾐ/／:;:;:;:;:;:;:
. V:ヽ--{i:.:}:.:.:/::／/:/:.'／:.:.:.:.:>'´:.:.:.:.:.:.:i'´￣＝＜´三====ゞ＝>三三三三三
__}:;:;.:.i:､::l:.:i:;;/:/ｉ;ﾞ〃／};;:;:;＞{;,;,;,;,,;,:.＞‐‐ﾞ-三='三三三}─-}壬三三三三三三
<i:.ヾ:::>i:i:.:}:;､ヾ〃;:/::::ｱ´:.:.:/＞壬ゞ'二三､三三三三三三三三三三三三三:::
V:.:,ヽi:i:.:y:.:;:;ゞく;;;;/ﾌ::ﾌ=＝}ニ,,,,,,:.:.:.:.:.:.::::::ヽ三三三三三三三三三三三.::::::
,<:;:;::::i:i:.:>;':;::ii{ﾉ,,,,<彡':.:.:／i;;;;;=＝ィヽｲ:.Y/ﾐ､三三三三三三三三三三:.:::.:.:
＜:.｀}:.i}:{､:.ィｨｧ:/;.;:.:.:.::.:.:.:./:::,'::.:./´､:.:}､:.:.:i:.:.:.ヽ三三三三三三三三三三.:.:.:
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――悪魔の亡霊、ラーズグリーズ隊である。
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4708 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:16:47 ID:NO7daXek0
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/:.:.:.:〃:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:|:.:/:.:!:.:.:.､:.:ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.}:./:.ト ＼:.:.:.:.:＼:.:ヽ
,':.:.:/ ,':.:.:.:.:./:{:.:.:.:|:ｉ.ｉ:.:ﾊ:.!:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ｉ_:.:.:.:.:.}:_:.:,' .｀ヽ 、 .＼:.:.:.:.:＼ﾍ アンゼロット！？
ｉ:.:./ ｉ:.:.:.:.:.,':.:|:.ヽ|､| |:.ｉ ヽヽ:.:＼:斗´:.|:.:.:.|:.,'/ } .ヽ:.:.:｀:｀:.‐:-ヽ:.:.:.:.:.:∧
/.|:./‐:´{:.:.:.:.:ｉ:.:.:{:.:.:|ｲヾ:.| ヾ.ゝイてう､}|:.:.:.|:/ .∧ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:.:.:.:.:.:∧ 黒い飛竜って、どういうこと！？
/‐ ﾚ′:.:.',:.:.:.:.!:.:.:.:',:.:ヽら',ヽ ＼ らｼ/./.}:./:.:l／.〃 ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∧
/:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:|,.{:.: | !ヾ､ゞ´ ｀¨´ .〃/:/ 〃 } ／￣￣｀ヽ、:.:.:.:.:.:.:∧
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.| ',:.:!ゝ人 ' ＿ ／ ///／ /｀l´｀/ ｀ヽ:.:.:.:.:.∧
/:.:.:.:.:.:.:, ＜ ',:| N ||',:.:|へ、ヾ＝' ／///|| / / rヽ ＼:､:.:∧
./:.:.:.:,∠-----､| |:lヾ___ ./ト ､_ ,.イニイ//|| / ./ ｀ ′ ./∧:.:∧
/:.:.:.:.:.7￣￣￣ヾ:､ ./ ￣ |/|:::::::::::| |::::::::_/＝′ ,' r --____ 〃 }:.:. ∧
./:.:.:.:.,┘ ｀ヽ'/.┌ニ‐ |::::::::::::lニコ::/｀ヽ､__ ,′ ／／｀｀‐‐‐´ !､:.:.:∧
/:.:.:／;;;;{ヽ ／ |.| /:::::::::::://:::::/ .// .ｉ ／／ /;;/＼∧
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部隊に動揺が走るのを、気配で感じた。
やる夫もそうだ。なぜ、その黒い飛竜には攻撃してはならないのだ？
その飛竜が、一体なんだというのだ？ 飛竜というからには敵ではないのか？
思考が高速回転し、衝突し、混乱する。
疑問が頭の中で弾け、跳ねまわっていた。
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4710 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:27:39 ID:NO7daXek0
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地竜が足に力を入れ、跳んだ。
三匹の地竜が、一斉にこちらへと飛びかかってきた。狙いは自分だ。
咄嗟に剣を前に掲げるが、その程度で防げるわけもない。
目の前に火花が散り、視界が真っ白になる。
足が地面から離れていた。
体が浮いていることをようやく認識し、閉じていた目を開いた時には、
すぐそこまで竜騎兵の突撃槍が迫っていた。
当然、これも避けられるはずがない。幾ら筋力や動体視力を強化したところで、
空中では手足をじたばたさせるしかないのだ。
槍の切っ先が脇腹の辺りを突いたのが見える。
強化魔術のおかげで貫かれはしないものの、衝撃はそのままやる夫の体を
襲った。呻き声が漏れる。
剣を振り回していると、今度は足元に痛みが走った。
地竜が自分の足に噛みついたのだ。
鋸状の鋭い牙が食い込み、骨にまで達するのが分かった。
ずぐり、ごり、と嫌な感触がする。
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4711 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:27:49 ID:NO7daXek0
,. - ‐―- ､
,.-'´三三三三三＞ヽ
／三三三三三,-‐ﾆ二 |
. ｌ三三ニ三三ﾆ三 三ﾆｌ
＼三三三三三三 三ﾆ!ｰ-､
＞三三三三-‐' ´二,.!-'ﾆﾌ ／／／
. ／ﾆヽ二二二ﾆ-- ´三三ﾆ/ ,-‐っ／／
＼三三三三三三三ﾆ=-〈 ｃ=ﾆL／ ／〃
ヽ三三三ニ＝‐'´.i..::.:..:.:ヽ ／ ,-‐i＿／／
. /;.::.:.i.:.::.:ﾄ､ﾄ;:.;;.:..::..:i:.:l.::.:;i lへ､ ノ｀ く´／ﾞ／ｖ,イ )
|:i::.::.:l:.:i:/､ヾ､＼＼彡.:l.::.i:l !- ヽ ,=-ｋ／ ／/ i-
ｌ:|ｌ.::.::l::.ﾄうﾐゞ､ ゞｲ.ﾝ!ｌ.::.l:| ノ!-‐彡ﾋ/つ）〉く.!^＾´
|:|〉:|:..::.ヾ=‐´ i ｀´/.:,-'ﾌ‐iﾆラ／ﾆ //
ｙ ヽ＼;ﾄミ:iｰ'´＾>-ー/ﾌて⌒ヽ〈／ﾉ, /
i:: ::i:: :: :: ７ ,.- i´ /」_,､ヽヽ」 ノ /
,. -┤:: :l:: :: ::/ 〃ｌ ｌ )〃L!'´／ /
i´:: :: ::i:: :: l:: :: ::ヽ └-‐--L」ｰ ' .´ /
ヾ:: /:: l:: ::i:: :: :: ::Yヽｒく〒元´ ノ
./:: :: :: ::!／￣て い ｌ)）‐- -―'i´
ヾ;;:: :: :: :｀ｰ-‐っ_.,､_,､_,､)ヾ'´｀´／
￣￣ヾ三三i､ﾆ,ﾌiﾆﾄ´ ヾ／
ゞ三三＜ ＞三ｌ
/三三三ﾆ｀三三〉ヽ､
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地竜は自分の足に噛みついたまま、首を捻り頭を振ると、自分を地面へと
叩き付けた。
背中と後頭部に鈍い痛みを感じる。脳がシェイクされ、潰れそうになる。
目眩がし、頭上の雲に覆われた空が真っ赤に染まった。
どうやら、目に血が入ったらしい。それが自分の血か、地竜の血か、
味方の血か、竜騎兵の血かは、分からない。
ラピスらしき人影が地竜に向かっていくのが見え、立ち上がらねば、と体に力を
入れるが、足が動かなかった。
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4713 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:35:56 ID:NO7daXek0
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ﾉ:∧
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ﾊ /i:iゞ"イ:.:.:.:.:.:}
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ヽ､:.:.>､._ ,ィｨ,_ ,.ィﾄ､__{:.:.:./:.:.:.ﾊ:.:.:.:.:.:.／
ヽ{､:.:}､〉i/:.l/:.｀''{:.:.:.:.:.:.:.:.:ｲ:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:,ｲ
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}:.:.:i//ｙ二ヽ〃ヽ:.::.:.:.:.:.＞''´
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ヽ{'､:.:.:=＝''、:.}:.:.:.i､
}:.:.:i >:.:.:.:{ﾊ
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なんとか上半身だけでも起こそうともがいていると、赤い空に、四つの影が
横切るのが見えた。
最初は鴉かと思ったが、目を凝らすと、それとは全く違う存在であることに気づいた。
飛竜だ。黒い飛竜が、四騎。
アンゼロットが言っていた、黒い飛竜だ。
飛竜たちは地上のやる夫たちに目もくれず、こちらに向かってきていた
二騎の飛竜に向かって滑空していった。
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4714 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:44:55 ID:NO7daXek0
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＿＿,，＜三/＿_ノ
,，'’三＞―＜.／
＿ ／三＞'’ /
＿ ＿ ＼＼∧∧∧∧,，＜_,r＜ .／￣ ./
｀ヽ＼ ＿ ＼＼ ∨!_.!∨三＞'´ ! ∨ /
＼＼/i/! ,､ ＿ ＼ ＼＼＼|爻爻＜ ￣￣|. .∧ .|
＼|｀ヽ＼爻|/:|/|／| ／ ／ ＼_/´:爻.／￣｀ー＞== ､.弋ノ ￣＼ .|
∧ ∧.＼爻｀ヽ_/／ ／ |三.∧∧ ＿ ｀≧ﾆヽ､ .|
｀´ ｀´＿＿,＞ﾐ爻爻<´ ,..イ |ミ/ !Ⅵ ∨￣￣| ｀'＜:＞､ |
／￣￣￣￣＼!ﾐ三ﾐ| ＿＿∧_∠.／ ./∨ ! |:∧ 弋＿／￣|＿ ｀'ヾ_＞=-.､
_i´｀ヽ／ /∧三| ＼／￣,.イ_＞ /ミ.! ! 弋∧ / ＞―､_ﾉ
／｀ヽ、 ヽ .// .|ﾐ∧ Σ! ／＞ .|三.! ! ∨ﾄ､ ＼ .＞'’￣
Y´.// ∧三! .∧/ﾘ＼! |ミ∧ l ∨.! .／
|_| i! .|三| .|∧i. ＿_ ､-.､iヽ、/∧:::! .|! ∨! ／
｀ヽ、 |_| i! .|三|、 . |_.∧...＼.人〉ノ＼!＼i!∨ !＞-､ Ⅵ /
. ＼ ./_| .! .∨爻＼＿|＿,.イ下＼｀ヽ≧＼ ∨|. ,i ii Ⅵ ./
＼ |ﾐ:| /＼ ＼爻≦ヾj＜二二ｽ}》＞}ｧ弋ｧ-〈 /:i / ∨l、
. ∨ﾐ:| || .＼ ｀＜爻.|≦ノ｀ー<ﾘ戈二＞＼/￣ﾉ |／|
|三| ./＼. 戈仝/! ./ ii.＼》 ￣｀! _＞'´￣￣￣＼_|
|∧|,，´￣｀'＜ .＼ .∨ | .|! .! ∨ _＞'´
|::::| ＼.:ヽ| |! ! 弋、 /／¨＼
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円卓は相も変わらず、混沌としていた。
地上では暗い紫色をした地竜たちに覆いつくされ、それらがアラディア軍の兵士を
薙ぎ倒し、食い散らしている姿が見受けられる。
慣れた光景だった。
ただ、相対しているのが、なす術もなく命を散らしていく敵兵の群れではなく、
かつての味方であったことを除けば。
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4715 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:45:34 ID:NO7daXek0
, ,, ト┐ ＜ || , |｜| |:| / / ￣/ /
, | ￣￣⌒ , || , |｜| |:| / / / / _
, | ;|;| , ; || |｜| |:| / / / / |:|＼＿
,, | |;| || |｜| |:|/ / / / |:ト ＿「
| ;十ト , |,;|| |｜| / / / / |:|
| ;;|｜ , l || , |｜| _,/7_ / / / / |:|
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;| ;｜| | || |｜| // , / / / /, |:|
;; ;; | ＿ ｜| ｜ ;|| ＿ ＿ |｜| // , / / / / ,,_ ; |:|
ミ | /ｰﾄハ｜| , | ,ﾊ／ハｰ〈} |｜| // , / / / /／∠ |:|
(｜ ｜| ⌒ﾍ/ V ⌒人〈＼三|｜| ⌒「ﾊヽ∠￣＞ ⌒＞L,＿ ＿ // , / / / / ＜ |:| へ＿
￣￣7Уー―｜| ム/＼ ＼ ＼へ{ |｜| ／ ＞―く ／／⌒ヽ＼／介ミヽ,/ / / / У⌒∠⌒ヽへ〃 ＞
￣￣ ＼_ 从乂彡 /＿ァ‐ ｧ ⌒＞､＿,|｜| ＿ ＜Ｘ ＿ 〉ミｘ/ 「三／ ん/ / / / / / ￣У〃 //
／ ＞ x 林彡＜〃〃 ／⌒ |｜| ／ ＞ ＿「人 } }＼￣/ ん/ / / / / ムﾍ ∠二二ヽ
〃 ／ ⌒ ＞ ､ ＼／／ x／ |｜| ／ ／{{⌒Ｖ ヽ ,| У⌒んム ,/ / / / ﾉ＿ ＞ ―‐ ､
{// 〃 ＞ｰ⌒> 彳爻 ／／ |｜| ／ ／ﾘ ヽ ∧イ⌒ﾊ / |：| ,/ / / / ん⌒〃 ＼
＿{///ハ ⌒X ＼＼ ＼/⌒／;|｜| ＼ ／ヽ }} }〈三 ト∨{ |：| / / / / ∠⌒ 「＿
＼＞‐く {:ト ､ ＼〃xy 爻 ＼ ;|｜| }＿／ヽ＿ハﾉ// /ト-ｲヽ | / / / / ∠⌒ ∠⌒＿ ＼
＼ 〉〉 ミミミ〃 ＼〉〉 爻 三 |｜| ミ ￣ // /∧ 人〉 ,/ / / / ム⌒У ム／ ⌒ ヽ ＿＿＿
＼ 〉У＼ ＼〃＼ 爻彡ミ 从 ⌒￣￣＼/,/ / / / // ＼ ￣￣￣
＼{＿_ﾉ ー‐' 从彡 / / / / | | ///ハ
/ / / / ;{ { /////,}
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徒に数を減らし、勇敢で血気盛んな男たちが物言わぬ死体へと姿を変えていく。
空は依然として暗く、雲が立ち込め、日の光を遮断していた。
風の音が変わる。
轟々と、流れる川のように延々と続いていた唸りの中に、竜の羽ばたきが混ざる。
二騎の飛竜が、こちらの移動を遮るようにして、滞空していた。
口からは赤い、というよりも橙色に近い炎が漏れ出ている。
竜の目を介して、向こうの様子を窺う。
草原を背に立つ、黄色いカワウのエンブレム。
ゲルプ隊だ。
雲の真下で、翼を広げ、こちらをじっと睨んでいる。
白い鎧の下にある目は見えないが、漲る敵意を肌で感じ、微かに肌が粟立つのを
感じた。
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4716 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:46:02 ID:NO7daXek0
／ // .__|／／ /二二＞､＿＿ .∠二二ﾆ/人人人人人／
/!,..イ/／_＿ムイ/､＞､＼＼＿ ＜二二二二ヽ/人人人人.／
l∨::::::::,.イ´ .i／￣/ ! |/ .| . / ∠二、￣｀∨人人人人 /＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
/::::::::,.ｨタ .|＿.ノ￣＞､/＿_/ ./ /＞.、ヾ、/人人人人／人人人人人人人人人人
|::::,イ＿＿_,. _,/＼二三二ミ＞､＼| ./ /＜ ∨人人人人人人人人人人＞――――
＿＿＿＿＿＿__ . ∨从>イ/: :l_ﾉ |￣〉〉ミ∨／∧ .＼!／ .>、__ヽ、人人人人人＼ ￣￣
＿ ＿ ＿_,.＜＼ .///_／! ／￣ l/!/!./!,／／／ ＼,,イ´ 夾夾≧ヽ人人∨＼人 ＼
/ |/ /／/.＿＿ｌ. ＼ l,' ∨_ノ ./ .|Ⅵ／／＞=イ´_人_夾夾＞'´｀|人人 ＼ .＼人 ＼
l/ミｖ彡爻爻.＼ .＼／ ,.x≦!V|／ｨ彡イ彡仝_人夾ノ人爻人爻人ノ.∨ ＼人 ＼
∧Ⅳ｀'＜ 爻爻 .＼ .,.x≦圭ⅳ´iii -=ﾆ 二 彡仝人人爻爻爻人人ﾉ|∨ ｀＜人＼
｀'＜、 .∧Ⅳ l＼爻爻.戈三＞､／圭圭:Y´ //-=ﾆ 二 イ .＜￣＼人人人人人ノ ＼ ｀＜ミ＼
ヽ∧Ⅳ jIII|＼爻爻爻爻ｽ｀ヽ圭圭.!≧.iii ー= 二 イ ./ ＼//＼￣￣￣ ∧ ｀ヾﾐ＼
. |ﾘV Ⅷi ＼爻爻爻爻ｽ|圭圭.|》.// ー ==ニ _ノ .∨//＼ .∧ ∨＼
. ∨＼＿＿ .Ⅷ! . ＼爻爻爻从圭_,ノ.//＜￣´-=ﾆ二彡 .∨///＼＿＿＿__ノ .＼＿＿,，'’ ￣
｀'＜ ＿.￣二＞=イ // ー=二二二/＿___ .∨////＼
＼＞'´. ＿ ／ /-=-/／-==／￣|人人人__／￣_￣>∨/////＼
,. ＜ ￣／ / ／| ー==ﾆ二／ .:／ . 【フィンブルヴェート騎士団ラーズグリーズ第一飛竜隊隊長ブレイズ】
,.＜ .／. ..∨ / ー == ./ ./ 二二_/ !::::::::|＿ .∨/////∧/ .|
,.＜ ／ / | .卅≧=､ | / .＿/ |::::／ ヽ∨////／＼|
／. .／ /: . : . : . :| .人＿, ..人 .川/::::::∨ ∨ ＿＿_.>―イ ∧ ∧
＜/ .／＿／∨´: : : : :..:.:.ﾉ ＿ .｀ー ＼ . ∧:::::::ﾉ ＜//////＼ ∧| . |
.|./ ∨―ﾆﾆﾆﾆー=＜´|＿ ＿＿＞― .＞-r､/ .＼|￣￣＞､_!´￣｀!/// .∧ .|. ,.ィ
＼三圭圭爻ノﾉ| .|＿ __ ＿＿＿＿＞' ／ |＼＿＿＿/ ∨￣.|∨ .∧| ／ /
＞―==: : :／ !| ＿＿＿ .!:::|. |＼＿＿＿! ﾉ ／ .|＿ ∧／ /
,ィ´｀＞― 、／: : : : .vⅳ´ || ／ ＿＿_＞'彡! .＼ _.ノ ＜_／ ／///＼ .∧ /
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「アラディア軍全軍に告ぐ。こちらはフィンブルヴェート騎士団所属、
ラーズグリーズ第一飛竜隊だ。これより支援魔導士の指示のもと、
戦闘に加わる」
アラディア軍の支援魔導士、アンゼロットと言ったか。
彼女に伝竜への念話の要領で語り掛け、それをアラディア軍全軍に繋いでもらい、
呼びかける。
「前方にてゲルプ隊、番のカワウを確認。戦闘開始」
念話を切り、視界の中央に捉えたゲルプ隊に意識を集中させる。
ゲルプ隊は自分たちに戦意があることを確認したようで、
螺旋を描くようにして湾曲した飛び方をしながら、自分たちに突進してきた。
自分たちもそれに応えるようにして、更に加速する。
あの機動では、この距離から火球を放ったところで当たらないのは目に見えている。
祖国に牙を剥こうとしているのに、心は恐ろしく冷静だった。
今となっては、祖国も正義もどうでもいい。
まずは、この二騎を落とす。それがこの瞬間における全てだ。
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4717 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:47:01 ID:NO7daXek0
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4718 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/09/05(土) 23:53:02 ID:NO7daXek0
. . .-─‐-. ミ
|: : : : : : : : : : ｀: ..
|: : : : : : : : : : : : /
}Ο : : : ◯: : : :,′
: : : : : : : : : : : :i
{ -===- ､: : :. :.| はい、今日はここまで。
〉: : : : : : : : : :ノ
i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘, 夜遅くまで付き合ってくれてスペシャルサンクスだね。
__/ : : : : : : : : : : : : i
＿__ ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘,
. ‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘
. ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
＼: :′:::::::::::/______」
弋:::::: ／
｀¨´
､ - ‐‐ -,
,´: : : : : : : : :
ﾞｉ : : : :○ ○ﾞｉ
}: : : : : : : _ _ _| 次回は来週の日曜日、午後九時からだ。
|: : : :-=´_ _,´
y' : : : : :_: : : : :i HQ！ 緊急事態だ！ 日曜日なのに当たり前のように出勤だ！
/ : : : : : : :┌─┐
i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
と_ : : : : : : ノ : :ノ
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