やる夫がイスパニアの独裁者になるようです



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第三話　第二共和制






.

　1930年1月28日、独裁者プリモ・デ・リベーラ将軍が辞任する。
　国内の支持を失ったからである。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,..-‐-､,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r''"　　　　　`'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　 ﾞl
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈_,,,,-､　　　　　　　　ﾞl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'~nｮｪ　　　　,r ､　　　ﾞl､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ゞ　　　　　i　l　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 こﾐ彡　　　　　　/　　　　`i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〉　｀`　　　　 i　　　　_,､-‐'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi　　　　　　 i_,,､ｨ‐'"´　　　_〉
　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 ,>-----‐''´　_,,.､-‐''"´￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　／,ｨ>--‐‐''''""´_,,,,,....,,,,,_　
　　　　　　　　　　　　　　　／ <,ｨゞ　　　　､ｨ'´　　　　　｀'　　
　　　　　　　　　　　　　　ノ　　　△　　　　ヽ　_,,､-‐‐- ､,,_ﾞi
　　　　　　　　　　　　 ／　　(フ　 ◇　　　　 _,.､-‐''''''''''‐-､,　
　　　　　　　　　　　／　　　　　(フ　　　 ,ｨ'´　　　　　　　　 `i､.　
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　,ｨ´　　　　　　　　　　　　`､

　莫大なむだを生んだ水力発電ダムや高速道路など、無謀なインフラ開発により、
　1925年から1929年にかけて赤字は倍増し、雇用の悪化を招いた。



;:.';:.;:.';:.Y;:.';:.;:ヾ;:.';:.;:.';:.;:.';:.;.V;:.';:.;:.';:.;:.'r=r=く!　 ヾ　　!ノ;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.| ノ;:.';:.;:.;!;:.';:.;:.';:..:(　ヾ;:.';:.;:.';:.
;:.';:.;:.';:.ﾉ;:.';:.;:.';:.Y;:.';:.;:.';:.;:.';:.!;:.';:.;:.';:.;:.'!　! |ヾ;:.';:.;:.';:.r==イ;:.';:.人;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.l!;:.';:.;:.';:.;:.';:ヽノ;:.';:.;:.'
;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:/戈__/__!;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';く三ノ;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.'j;:.';:.;:.';:.
￣ - ￣￣ _　￣￣　`ー==='’ー====-==/三三ソ;:.';:.;:.';:.;:.';:.ヾ;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.;:.';:.ﾉ_;:.';:.;:.';:.
　　　＿　　　　￣　　　　　　　＿　　　ー　　　　　｀ ー===／　 　 ,.ィ;ﾘ;:.';:.';:.';:.';:.';:.';:.';:.'|_!_|＿＿
￣　　　　　－　　　　　　￣　　　＿　　　　　￣　　　　＿ `ー====/.＞ ´　 ，―　――――― '’
　ー　　―　　　　　＿　　　　　―　　　　￣　　　　-　　　　　 ＞ ´　 ,　＜::|__!＿ ＿＿ ＿＿ ＿
　　　＿　　　－　　　　　　　　＿　　　－　　　　ー　　　＞ ´　 ,　＜.::|　| |_!__!＿ ＿＿ ＿＿ ＿
　　＿　　　　　　　　－　　　　　＿　　　＿　　　　＞ ´　 ,　＜ |　::!_!_:!__|/
＿　　－　　　￣　　　＿　　　　　－　　　－　 ／　　 .／:ii　:!. |＞'　　　　 　―　　―――－ －
　　　　＿　　　－　　　　　　￣　 　 －　 　 ／　　 .／|　 |!:>|ノ　,，　´
_　￣　　　　－　　　　￣　 　 －　 　 _　 ／　　 .／　 .!.ィ　　 ／
　＿ 　 －　　 　 ￣　 　 －　 　 ￣　 ／　　　 /　　 ./ 　 .／　　　　　　　　＿＿＿＿ ＿＿　＿_
　　＿　　　￣　　　　　-　　　　￣　 /　　 　 ./　　 ./　.／　|　　　 ,，　´
　＿　　　―　　　￣　 　 -　　― 　/　 　 　./i　　 /,／　　 .!　 .／　　、-=- ､ ,　　　　　　　　　.／
　 ＿　 　 　 　 -　 　 ￣　　 　 _　/　　 　 ./ :|　 .//　　　　 !／　　,.:ｨ´ヾ　ヾYゞ､　　　　　　 ／
　　　 　 －　 　 　 　 　 ￣ 　 　 /　　　　 ′:j : /´　　　 .／　　　　} :! ﾉ:! :! |　:!人　　　　.／
　　￣　　　-　　　￣　　 　 -　 /　　　　　|　 :!:/!　 　 .／　　＿,，_ﾉ :j ﾉ :! : :! 人 ﾉゞ　 ／
　-　　￣　　　-　　　　￣　　 ノ　　 　 　 .|　 :!:i !　　./,，ﾟ´ : - : . ､ ｀ヾ　:i! : :! ﾉ ;　lﾟﾞ ´
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　 |　 :!:i !　.:/ ;.:　-　　、: : .ヾ　:,ゞ　; :　: ,! ::!ゞ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ!_ _|:j:|、/　ﾟヾ : ,　､ ﾟﾞヾ　:ﾊ　.ゞヾ :　: ::! :!
　|:::|　　　　　　|:::|　　　　|　|　　　　　　　 ∧ :|:l !::,!　　　ヾ: , :.ﾟﾞ　ﾊ : ,:!　;　 ゞ　: :! ; .,
　|:::|　　　　　　|:::|　　　　|　|　　　　　　 　 .∧|:|:| ::,　　　　ﾟヾ: ,　ヾ ゞ　ﾉ :　:ヾ!　: : ::!
　|:::|　　　　　　|:::|　　　　|　|　　　　　　　 　 ∧!:!　:,　　　　　ﾊ　:.ﾉ : ﾊ　　: ,　ゞﾟ : :::.!

　また、賃金と労働条件の改善のための仲裁委員会を農村地域に
　導入しようとしたことで、地主階級の支持を失う。



　　　 　 ∧,,∧　　∧,,∧
　∧∧ (・｀　　)　(　　´・) ∧∧
(ω・｀ )　Ｕ　　)　 ( 　Ｕﾉ(　´・ω)　　余計なことすんなよ……
｜　Ｕ 　　u-ｕ　 　u-ｕ　(Ｕ　 ﾉ
　ｕ-ｕ ∧,,∧　　∧,,∧　　u-ｕ
　　　 (・ω・｀)　(´・ω・)　分かりもしないくせに……
　　　 （l 　Ｕ) 　(Ｕ　　ﾉ
　　　 `ｕ-ｕ'.　　`ｕ-u'





　　　　　　　　　　　　　　 ├r'i´､-‐'"´__,,..､､..,,__　 ｀`‐､
　　　　　　　　　　　　　　 ├'､,.､-‐'"ﾞ`'-､.,_　, ._-"゛ﾞ`i‐'
　　　　　　　　　　　　　　ｨ'､~i　 ,,.. (´._“,ｨ　　 '､;.“.,）‐iO
　　　　　　　　　　　　　 l´ ii　　　　`'‐‐'　r　　 .i｀`'´　'l
　　　　　　　　　　　　　 ヽ` ,　.　　　 `､'‐'"゜`_'´ﾟ｀ﾞ,' 　{
　　　　　　　　　　　　　　,r ' 　U　｀ﾞﾆ､-ﾞ`'"´_｀`,´　　 l
　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　 `'‐---‐'´　　∠___,,..､､　,-‐,‐‐'''>‐- ､.,_
　　　　　　　　　　　　　　 >-､,_　　　　　　　-‐　　_,ｨ'´, ;="゜　r'_=___,'´　　　　　`'‐､
　　　　　　　　__,,.､-､, -‐''l i .i i i‐`'‐- ､,､..,,,___,,..r';;="゜　　　　　　,　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 ,r‐r'´'_,ｨ'´　　　 ｀/`'‐,---`‐‐‐'''";;="゜　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　,ｨ'　　　　　　　　/`'ﾟ｀':,/-,　　　,;;;="゜　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,..-‐-､,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､r''"　　　　　`'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　 ﾞl
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈_,,,,-､　　　　　　　　ﾞl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'~nｮｪ　　　　,r ､　　　ﾞl､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ゞ　　　　　i　l　　　　）　　　　　　 （スペイン近代化のために、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 こﾐ彡　　　　　　/　　u　`i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〉　｀`　　　　 i　　　　_,､-‐'i　　　　　　 精一杯頑張ってきたつもりだが……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi　　　　　　 i_,,､ｨ‐'"´　　　_〉､
　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 ,>-----‐''´　_,,.､-‐''"´￣　　　　 　　 もはや、これまでのようだな）
　　　　　　　　　　　　　　　　　／,ｨ>--‐‐''''""´_,,,,,....,,,,,_　
　　　　　　　　　　　　　　　／ <,ｨゞ　　　　､ｨ'´　　　　　｀'　
　　　　　　　　　　　　　　ノ　　　△　　　　ヽ　_,,､-‐‐- ､,,_ﾞi
　　　　　　　　　　　　 ／　　(フ　 ◇　　　　 _,.､-‐''''''''''‐-､,　　　　　
　　　　　　　　　　　／　　　　　(フ　　　 ,ｨ'´　　　　　　　　 `i､.　　　　
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　,ｨ´　　　　　　　　　　　　`､

　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::.ﾞｉ　ﾞｉ　　　　!　!::::::.,'
　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::ﾞｉ　ﾞｉ　　　|　|:::::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ 　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛　　　　しかしながら、プリモは、
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!　　　　　　 敵対勢力に挑戦されたわけではありません。
　　　　　　　　　　 ﾐ 　 　 　　　ｨ、'　!
　　　　　 　 　 　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'　　　　　　世論の動向を察知すると、
　　 　 　 　 　 　 '' 十‐- 　.,｀ィ 　 　ﾞｉ　　　　　　自発的に引退を宣言してパリへ退去したのです。
　　　　　　　　　　　､　 .,　　 ｀!､　 　 〉
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`　　　　　　独裁者の身のひき方としては
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´　　　　　 稀有な例であるといえるでしょう。
　　　　 　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、 ヾ
　　　　　 ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',
　　 ／､:::::ニニ二二ﾌ::::::::::::::::::::ヽ::', l
.　 /::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::ヽlj
　/:::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll

……なんかすごいな、クーデターで亡命ってわけでもなく自発的にか

　その数ヵ月後、プリモ・デ・リベーラは、失意のうちに亡命先のパリで客死する。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　:::::::　　　　 ＿_　　　　　 _,. -‐' ¨´　　　　　　 　 　 　
　　:::::::::::　　　　　　て＿,＿｀　`ーく^ヽ　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　:::::::::::::::ｲ⌒ー::"　,．(　:::::::::ヽ ヽ　　　　　　　　　　
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽｲ⌒r-ー ｿ　:::::::::::　_Lj　　　　　　　　　　
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　ｲ⌒r--,,　:::::::::::　／ヽ　　　　　　　　　
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　ヽ⌒＿-ー´"　:::::::::::｀¨´　　　 　 　 　
　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　
　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　
　　　　　　　　:::::::::::　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　| |=＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝=| |
　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | |
　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | |
　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | |
　　　　　　　　　　　| |＿＿＿＿＿＿／￣ ￣ヽ＿＿＿| |
　　　　　 　 　 ／￣ｰユ¨‐‐- ､_　　 (＿＿＿_ノ　 　 ／| |
　 　　　　　_／　 　　　 ｀ ヽ__　 `-　　　　　　　 　 ／ 　| |
＿＿＿　／　　　　　　　　　｀ヽー、}　　　 　 　 ／　 ／| |
　　　　ノ　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ__　 ｀ヽ. ／ 　／　 | |
　　／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ|　 ／
／　　　　　　 　 　　　　　　 　　　 　 　 ／　|／
| 　　　　　.|　　　　　　　　 |　　　 　 　 .|　|　|
|　 　 　 　 |　　　　 .|　　　.| 　 　 　 　 |_　|／
| |　　　　　|　　　　 |へ　　|　　　|　　ﾉ| ||/
|_|＿＿＿ﾉ|＿＿＿|　　＼|＿＿|＿ﾉ |_|







　　　:::::|| |!.　､　　　　　　　 　 　 　 　 r ´　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
　　 　 ::ll {.　　＼　　　　 　 　 －=ﾆr‐'　　　 ..　　|　　父さん……
　　　　 :!.　　　　 ヽ　　　　　 　 　 _ﾉ　　　　　　 _乂＿＿＿＿＿＿_ ノ
　　　　　　　　　　　　､　 　 　 　 /
　 　 　 　 　 ､.　　 , -‐丶　　 _　′
　　　　　　 　 ＼イ ＼　　 ￣
　　　　　　　　　 ＼.　 ヽ

　　　　　ｉﾄ::!:::l　　　　　!　　　　　　　　 /'´:/:/´〉.ﾉ:l:!
　　　　　|| l:ﾄﾊ　　　　　　　　　　　　　 　 // ´才ｉ::!'　　　　　　　 .父さんの理念は正しかった。
.　　　　　! ヾ!ハ　　 　 ｀　´　 　 　 　 　 /'｀T´l:l::!ﾘ
　　　　　　　ヽ　 ､　 ‐-　　_＿ _　　　　 '　　l:.:!!.l　　　　　　　　　 だけど、その理念の追求の仕方で過まったんだ……
　　　　　　　　　　ヽ　　､＿　　 　 　 ／　　　Ⅵ:!ｰｧ－､
　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　 ／　　　　　 才´　　　＼
　　　　　　　 　 　 　 ｉヽ. 　 　 ィ　 　 　 　 ．‘　　　　　　　＼
　　　 　 　 　 　 　 　 !: : ￣　　　　　 . イ　 　 　 　 　 　 　 /ー‐､_
　　　　　　　 　 ．-‐､_',: : :　　　　　: ｉ '⌒ヽ.　　　 　 　 　 /　　　　｀ー､_
　　　　　 　 ／　　 　 ヾ.: : :　　　 .:　l l:.:.:.:.:.入　　　　 　 /　　　 才´　　 ｀ｰ､
　　 　 　 ／　　　　　　 ｉ､: : : . . : :　 ! !:.:.／ ｉ　｀ｰ､　　 /　_.才´　　 .. -‐－-ﾐ､
　　 　 ／　　　　　　 ／l ヽ: : : : :　 //　'　／ /　/　ヽ/　//.／　／ 　 　 　 　 ヽ
　　 ／ _才⌒ヽ　　 /: : }　}: : :　　ノ/　 ／　 '　　 /　　　!//　／　　　　　　　 　 ｉ
　／:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:::!　　l: : : : : . . . ／　 /　　 　 /　　l 　 　 //／　　　　 -‐　　　 　 !
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::)　 !: : : : : : : ｉ　　　!　　　 /　　　!　　 //´ 　 　 ／　　　 　 　 　 !
:., -― ´｀ｰ､_::::ゝ 　 !: : : : : : :ｉ 　 　.!　＿＿＿　　　　〃　　　／　　 　 　 　 　 　 l

　　　　　, -r"　　　　 ｰ
　　　／/　　　　　　　　　＼
　　/　　 ､ lヽ　 　　＼　　　ヽ
　　/　| | l＼ l＼　　　丶　　　i
　 /l　 l､| l　　ヽヽ､　　　　　　l
　　|l　kj,l　l L､＼rtゝ l |　　 .|
　　lj､jl'弋lヽ.Y'´kぅl j| lW／　|　　　　　　　　（父さん……父さんが正しかったことは、
　　　　l　　,　　　　　|//ｨ '|　|
　　　　ヽ　'-　　　　　/　l､Ml7　　　　　　　　僕が必ずや証明してみせるよ……）
　　　　　＼￣゛　 ／＿＿ ／ヾ
　　　　　　　 ｰ '　　　　　　　／　 ｰ 　､
　 　　 　　 ／=＝￣￣￣￣　　　　　　　ヽ
　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
.　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ
　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿
　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l
　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　v 　　　　　　　/
　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./

　父の最期に深く動揺したホセ・アントニオは、やがて政界入りを決意する。



　　　　　　　　　　_＿__　 _,.-=＝－- ､
　　　　　...-‐＝三ﾆ≧弐ﾆミ´三ﾆ=-､
　　　／:,::::‐:'´／::::::,ｲ::::::∧:｀:､｀:､=:ﾐ､｀::.､
　 .::'::／::,:イ,ｲ:/::::::/ｉ|::::::':::: ヽ:::ヽ:::ヽ:::ヽ::::＼
. /:::/::::::'::::///:ｉ:ｉ:::': !|ｉ:::ｉ:::ｉ:ｉ::ｉ::＼:｀::､::＼:＼::::::､
/:::/::::/::::/,ｲ':::ｉ:l:::::::/!|:::|::ｌ ｌ::|:::､:::＼::＼:::ヽ::ヽ: 丶
:::/::::/ｉ::://::l::::l:!:::::/::ハ:|::!:|::ﾄ､:::＼:::',::､:丶::丶::､: ヽ
/::: /::l:::'/:ｉ::|:::l::::::;':::ｉ:::::l:|::::|::|小ﾄ､::ヾﾄ､:ヽ: ',:::ｉ､::ｉ::::ｉ
:::::/::::l::ｉ::::;斗､!::::,ｉ:::l::::::; |::::|:l/:::|､ ｀ ､!:::ｉ:: ｉ:ﾊ l::ｉ |ヽ!
::::'::::::l::l::::' r ､!: /:|::l::::/:l:|::::!!: /|!=≧､ヾl::::ｌ':::!|:::!:|:::|
:::::::::::|:|:ｉ::ｉ {　!:/:/l:l: /: ﾊ!:: Ⅵ:八 {{ }!ヾ!::/ｉ::: |:::: !: !
:::::::: ｉ|:|:|::l　y/:/:/l| ' / ｉ∧::l {′ ヾ　　}ﾊ. |::::|: /}:/　　　　　 『────私が政界入りを望むのはひとえに、
　::::::!|:!:|::|V/l/ '.　|::/ /'　ヾ!.　　 　 　 '　 ､::::!/::::'　　　　 　 父の神聖な記憶を守るためである。
　 ::::::!:::|::ｌ::ｉ: '　 　 !'　　　　　 　 　 　 　 　 V,'／　　　　　　 民衆の前で、私の父の神聖な記憶にたいする暴言が
　　 :::::::l:ｉｌ:l:' ｉ　　　　　　　 　 　 　 　 ,　　 ノ´　　　 　 　 　 浴びせられ続けているというのに、
　　　:::::|| |!.　､　　　　　　　 　 　 　 　 r ´　　　　　　　　　　私が穏やかにまどろんでいるとしたら、
　　 　 ::ll {.　　＼　 　 　 　 　 - ― ､‐'　 　 　 　 　 　 　 　 それは臆病が愚鈍かということになるだろう。────』
　　　　 :!.　　　　 ヽ　　　　　 　 　 _ﾉ
　　　　　　　　　　　　､　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　（1930年10月に発表した声明より）
　 　 　 　 　 ､.　　 , -‐丶　　 _　′
　　　　　　 　 ＼イ ＼　　 ￣
　　　　　　　　　 ＼.　 ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . イ:.:.､:.:.:.:.:.Y:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ハ:.:.V:.:.:.:.＼ﾘ.:.:./ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{:.:.:}:.:.:.ヾ:.:.:.:/:.:.:/:./ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.!:.:ト､:.:.〈ﾟY:.:.:.:.:.:}/:.:.:.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 Vﾘﾟへﾊ:J､:.:.:.:.:|､:.:.〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 L_　　　　}､:.:.|:.:.:.ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_犬 --'ー＜￣￣＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ィ:::::::::::::::::＿:::::::::::::::::::::::::::＞- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::￣::::::::::::::::i::::::::::::::＞ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r＜＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::::::::::::＞ ､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　 r--'＜::::::::::￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rイ＝=---z＿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞-　､
　　　　　　　　　　　　　　　　 .　＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::＿:::::::::::::::::::::ﾘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞-　.__
　　　　　　　　　　　　　 _r＜::::::::::::::::::::::::::::::＞ー-､::::::::::::::::::::::￣:::::::::::/:::::::::::::::::, -＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　 _..　　-＜＿::::::::::::::::::::＞　´　　　　 }::::::::::::::::::::::::::::::::::::f:::::::::::::::::/　　　 ｀　＜::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　 _r-- ＜::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞ ´　　 　　　　　 Y:::::::::::::::::::::::::::::::::::{::::::::::::::/　　　　　　　　｀　＜::::::::::::::::::::::
￣｀¨!ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞ '´　　　　　　　　　　　}::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾘ:::::::::::〈　　　　　　　　　　　　｀　　＜＿
　　　Vﾊ::::::::::＞--　　¨¨´　　　　　　　　　　　　　人:::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::: |







.　ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
. 　 ヽ !| !　,- -、 / !,' /
.　 　 ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
.　　 　 ヽ (::___:;;)　/ 　 　 　 . ,-､
.　 　 _　,'　 　　 　　',. _　 　 .///
.　　 　 ﾌヽ ヽ /　 ／l　 .∩,///
　　　..,' ヾゝ　　　ｨﾌ ', :...|／二ヽ.　　　　　 彼が、急進右翼政党「ファランヘ党」を設立するのは、
.　 　 | _ 　 　' l 　　 __Lヽ| | ソ　|　　　　　 父の死から3年後のことになります。
.　' ´ﾆt-_　　‥ 　,　メ　 ;ヽ ( 　 |‐､
.　'´.,-､.._ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、 .ゝ､,,,..|.゛;ヽ
　　..ヽ',　 |::,-.." ." ,/|/　　/ゝ‐'＼ ﾉ
　　, ‐'‐'‐'||＿_,,,.' 　 |　　 | |ヽ　　 ＼
　 |　　 ／:::::::／　　　|　 //:..ヽ　　　 ＼
　 | 　/::::::::／　　　　 .ヽ‐::::::::::ヽ　　　　 ヽ
　丶　|:::／　　　　　／:::::::::::::::::/＼　　　　|
　/ ゛‐|＿＿＿　／:::::::／::::::::/:::::::|丶､＿ﾉ

　　　　　　　　　　　　 ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
　　　　　　　　　　　　 　ヽ !| !　,- -、 / !,' /
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ (::___:;;)　/
　　　　　　　　 　 　 　 　 _　,'　 　　 　　',. _　　　　　　　　　 話を戻しましょう。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾌヽ ヽ /　 ／l
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,' ヾゝ　　　ｨﾌ ',　　　　　　　　　　アルフォンソ13世としては、
　　　　　　　　　　　　　　 | _ 　 　' l 　　 __L＿　　　　　　　 先にプリモのクーデターにより断ち切られた
　　　　　　　　　 　 　 ' ´ﾆt-_　　‥ 　, _メ ､_　　　　　　　　合憲的政権交代のルールを、単純に復活するわけにはいきません。
　　　　　　 　 　 　 　 '´　　 _ｨl ｰ┴-'ヽ　　　　　　　　　　　 自分で公然と破ったルールであるからです。
　　　　　　　　　　　 　 _, -':::/lレ'二ヽl:: !`. ‐‐-__
　　 　 　 　 　 　 ,-‐'´..::::::::/::| | .!|　l .!::.|::::／:::::::: ',　　　　　そこで、1930年1月30日に政府をダマソ・ペレンゲル将軍に任せました。
　　　　　　　　　/｜::::::::::::/:::::| ! !|　! l::: |::::::,-::::ヽ:: !
　　　　　　　　　|　', ::::::::::/ ::: | | ||.　.l:,r:l,::'´/::::::.:ノｰ‐‐┐
　　　　　　　　　|　　::::::::::ヽ 　| l || ./,r/::＿,-‐'"　　　／
　　 　 　 　 　┌ン　: ::::::::::｀〉 l.! ll !:::／　　　　　,-‐'"
　　　　　　　　 l´::::::::::λ::::::::!､:l. lレ !　　　 __, ｲ
　　　　　　　 ./::::::::::::/　!:::::::::.＞'´　 ￣￣　　 |
　　　　　　　 !::::::::::::/ 　|　／　　　　　　　　丶　ヽ､
　　　　　　 / ::::::::::/ 　丿 ! 　 --‐ 　　 　 ヽ,|　　　 l
　　　　　 / :::::::::: !　　 ゝ ! .__, 　__､　 ,!　　 ノ' ､___,/
　　　　　,' 　:::::::/　 _,-‐'´ 　 ／ 　　,/ 　 .,'l: !
　　　　 ,' 　:::::::/.／　 　_,-ｧ"　　,-７　　., ヽｲ!
　　　 .,! ! 　::::// . ,ィ'´ l / 　 ／,､ l　　 .|　_/|::!
　　 　!. | : ::: !. `'´./ :::: !,′ / / ::::|　　 !:'´::: |:: ',
　 　,' :::|　:::/　　 ,' : ::::: !ヽ<´ :::ヽrヽ__ノ:::::: : |:::: ',
　　ヽ　: : ::l　　 / : ::::::: l　::::ヽ:::::: !::::::::::::::::::　!::::: ヽ

　これが、当時内務省の治安総局長で、自分こそ適格だと思っていたサンフルホ将軍を激怒させた。



　　　　　　 , -- 、　 　 ,. -- ､
　　　　　　j 三ミ､ヽ.／　三ﾐ､ヽ
.　　　　r彡'⌒　　　　　　三ヾ､L_
　　　　 }〃ｆr三ヽ　r彡ﾆヽ　ヾヽ. ヽ
　　　 r'ﾉ ﾉﾘ ,イ/ﾊ ﾊ 三 }｝　 ）））　）
　　　ﾉﾉ,ﾉﾉ,ｲﾉ`{{ｰ{{‐ヽ,ﾐ ﾘ　（( (.　(
　　（((.〃/ {f＼｀:::ij~ｿﾍにヽ、｝｝} ､＼
　　　）)ｎ|'/'´＼ヽ~:/／'⌒ヾ､r,ﾆヽ }} j
　　 ((（| ||{{　　@| v:|　　@ jﾘ:|l-､|.| {（
　　　 )}l ||:`ﾐ=彡!ij :|ミ==彡'::||＾ｿﾉ ,j ）
.　　 （((ﾊ|!｀!u'こ′j｀つ v j｢ l|ﾆｲ ｛{.{
　　　 ヾミ| r'ﾆヽ.`ｰ'´ノ,ニヽ |＼ヾ ヽ`ｰ ､
　　　　　｀|.||⊥工工工.⊥|.| |　 ）川 `,っ j　　　　なんで後継者にわしを選ばんのだ……！？
　 　 　 　 |.||-─ｰr──-|.| |　（ ゝﾆ._（ (
　　　　　　|.|ｌｺコゴｺコｺｺj.| |.／:`ァｰ､ヾ. ）
　　　　　　ヽﾞ二三三二二／::::／ : : ;ゝ._ヽ
　　　　　　　　 　 　 ＞:'´::::::／: : :∠-─-ﾘ､
.　　　　 　 　 　 　 ∧::::::::／ : ;.ｨ´: : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 L:_〉／: :／/: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　 　 　 |: |:/: : /: : | : : : : : : : : : : : : : |

::::::::/::::||::ゝ|　　 ＞
:::u:,>-/-:::/　　 |
　|',=｡=,,::丶,-、 .＼
　|:.､~~~ ::::::||∩|　./
(__,-ﾉ　「::::::|| 0 |　|　　　　　 このわしを怒らせたからには、
-、_,- -、::::|'`-'　 ヽ、
ｴｴｴｴ) | :::/ヽ　　.／　　　　どうなっても知らんざんすよ……？
二二`-' ::/.|　ヽ　.＼
　　　　 ::/:::|　 /~~`--







　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::ﾞｉ　ﾞｉ　　　|　|:::::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ 　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!
　　　　　　　　　　 ﾐ 　 　 　　　ｨ、'　!
　　　　　 　 　 　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'
　　 　 　 　 　 　 '' 十‐- 　.,｀ィ 　 　ﾞｉ
　　　　　　　　　　　､　 .,　　 ｀!､　 　 〉　　　　　　サンフルホ将軍は、閣僚たちにたいして、
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`　　　　　　「治安警察の忠誠は保証しかねる」と警告し、
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´　　　　　　王への支持を拒否します。
　　　　 　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、 ヾ
　　　　　 ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',

　　　　　　　　＞－ ' ´￣ ＞‐|:::::::::::::::::::::::::::ｲ　　 ﾉ　／
　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y　　　　　　　 アルフォンソ13世が頑なに将軍たちに頼ったことに、
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l　　　　　 　　 国民は憤激しました。
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}　　　　　　　 やがて大学生や労働者は、
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、　　　　　　王制の転覆のために活動を始めました。
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
.｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::∨ ,l_/ ﾚ-‐./:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::
　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::〉 l　 〉 /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,,,,,,,,,,,,,
　　　　　 ,.....、　　　　　　　　　 ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　　　　fｪゝヽ　　　 ,rﾆ'''ー､　 ;;;/ニヽ;;;;;;;;;;;;）
　 r ､_　〈o　ﾘl＿　　 lｒ｡ヽ,r､ l　　> ''`　〉;;,.r---､.、
　 ｀>｡ヽ 'Y、ノ　 ｀ヽｖ'､　 -''ｖ'｀'-`l._　 ,r'";;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ
　　ヾ-､｀''ｰﾆ､__,......l"`'[_＿ノ　　　l`´　〉'"　　　l;;;;;;;;;;ヽ
　　_　　`l'-､＿＿,..⊥ 〈l　　　　　　>‐'< ｒ―　 <;;;;;;;;;;;;;;l
　lwヽ､＿l ヽ､_,r'"　 ヽ ヽ　 /　　 /　　ﾘ　ｴ　　レ'´`';;;/
　｀ー‐'､__==' l　,,,..r'"‐ヽ ｀ｲ'ー‐/､_　.<、 ､　　　　,r'_,l,_
　　　ｆ"　 ｀ｰｿl´　　,r'''''''''L, ／ノ　 .7　 i,'ヽ、　　´ /;;;;;;;｀'''ｰ､
　　　l　　　<" l　　 l　__,r'ｪ'　／　 ／!　/i'''"　 ,ノ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　l　　 λ　l　　 l　`,r'" /　　／　レ';;;`ー''<、ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　l　　.〈 ヽ l　 / i,　 i, /　 ／ 　 /;;;;;;;;;;;,..r'´`i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　＿ヽ_＿l .ヽl /　l i,　 ヽ.,r'　 ,..=_;;;;;;;;;;;,ｆ　　　 l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　（＿＿＿ﾉ　 / 　 l　i、　 ヽ、,r'"　｀ーｭ'l、　 　 !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　／　　l　　i、　　 ヽ　　　／　ヽ　　,..ュ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　 '　　 　 !　　 ヽ　　　　　'"　　　 ヽ'" ｀''`'''''''''''''''''''''

　王党派の軍人エミリオ・モラ将軍は、暴動の主導者たちを逮捕したが、
　これで共和派のはずみをとめることはできなかった。



　　　　　　　　　　　　　　,.　　　'"´￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　,.　'ﾞ´　　　 　 　　 ／.::`ヽ ＼
　　　　　　　　　 ／　　　　　,. __´ _＿|.:‐=!=‐!: : :}
　　　　　　　　／　　　　 ,.　´: : : : : : :{ ( ﾉ}:::ﾉ: : :.!
　　　　　　,.　´　　 　 ／. : : : ._ _＿＿＼,. ｲ: : : ;′
　　　　.　´　　　　 ／ ,.　.:.:::´.:.::::::::::::::.:.｀ヽj: : ./
　　　　ヽ　　　,.　´　´ ￣　＞　==_-===_-- く_
　　　　　ヽ イィ´　　　 ィ´.:.:.:.:.:(　) `ｰく､､,,「￣
　　　　　　｀Y´ ィ´ ,.　ィ´￣`ｰ===r⌒ヽ(　}
　　　　　　　ﾚ'ハ｀Vﾞ´{;　　　 ,.　'ﾞﾞ´ .; .}`=ｲ
　　　　　　　{！い{: :.:;;;`ゝ　,.　　'´ｰ=_ﾊ, .;}　　　　　 どいつもこいつも
　 　 　 　 　 ｝ヽ_ 」: : :..:;{　 { ー__--_-､_,.,'′
　　　 　 　　 i:.:.'､.:i: : : : .;: : :: : : .,ﾆﾆﾆ､ j!　　　　　　 王制の転覆をはかる奴らは
　　　 　 　　 j.:.:.:',:{: : :: : ;: : : ::.'ﾞ´　ﾞﾞﾞﾞ｀.ﾉ
　　　 　 　 _！.:.:.:',｀丶､: :ﾐヽ､: .　　　 ｲ　　　　　　　 片っ端から逮捕だ！
　　　　　 「:::::::.￣ ｀丶､:::::::;:;:;ヽ::.:...:.:.:.ﾉ
　　　　　 i　　　　　　　 ｀Tﾆﾆﾆ-_二i´
　　 　 　！　　　　　　 　 |::::::::::::::::TTi
　,. .::´.:::::.L　　　　　　　　|:::::::::::::::::| | L
　.:.:.::::::::::::::.:.:.:｀丶､　　　 」::::::::::::::::| | |:::`ヽ

　　 | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ|
　　 |丶､;;; _;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,: ィ";_|
　　.ﾄ､;;;;;;｀ ` '' ー --- ‐ '' ";;;;;:ィ;:;!
　　{;:｀`' ､ ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - -'ヽ;:;:;;;{
　　l;:;:;:;:;ﾐ　 ＿` '' ｰ -‐ '"　　　ﾘ;:;:l
　　|;;;;;;rﾞ　'´ﾞ゛ﾞ゛ﾞ`ヽ　　/'ﾞﾞﾞﾞ゛`ヽ';;;;|
　rヾ;;;;;| 　　r旬-､　　　ｨ旬-､　　|;;|
　|`ヽ;;;|　　　｀￣´　　　ｉ`─'ﾞ　　 };|´）
　ヽ　|::|　　 　/　r　　　'､　　u 　!:| /
　　!､ |:} し　　　弋r､_r-ﾉ　　　　|:lﾉ　　　 　　この混乱を収めるには、
　　　`'|　　　　,ｨ'　　　　ヽ　　　 /´
　　　　| 　 　　|　,ィ=＝､ `､　U/　　　　　　　もはや選挙しかないでおじゃる……　
　　　　| 　 ヽ. ヽｉ}⌒⌒}lノ　　./
　　　./|ヽ u ヽ 弋､ｪｪｪﾉﾉ /::/
　,r'ﾞ^|　| ＼　､　｀──'´ﾉ／
´　ヽ{::::::|　 ＼ヾ､　　　ノ'ﾞ/::::＼



　相次ぐストや暴動に動転した王はベレンゲルを更迭し、統一地方選挙の実施を命じた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　━　 ／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.￣￣￣| 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.投票箱| 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.　　　　 |／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣

　　　　　　　　　　　 　 ∧＿∧　 ∧＿∧　 ∧＿∧　 ∧＿∧ ≡=-
　　　　　　　 ‐――と(´･ω･`)と(´･ω･`)と(´･ω･`)と(´･ω･`) ≡=-
　　　　　　　　　 ―= /―と_ノ= /―と_ノ= /―と_ノ= /―と_ノ ≡=-
　　　　　　 　 ‐―＝ ／⌒ｿ＝ ／⌒ｿ＝ ／⌒ｿ＝ ／⌒ｿ ≡=-
　　　　　　　　　　-'´ -'´　 　-'´ -'´



　そして1931年4月12日、統一地方選挙がおこなわれた。

.　ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
. 　 ヽ !| !　,- -、 / !,' /
.　 　 ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
.　　 　 ヽ (::___:;;)　/ 　 　 　 . ,-､
.　 　 _　,'　 　　 　　',. _　 　 .///　　　　　 スペイン王国としては、
.　　 　 ﾌヽ ヽ /　 ／l　 .∩,///　　　　　　プリモ独裁政権によって憲法秩序が中断されて以来、
　　　..,' ヾゝ　　　ｨﾌ ', :...|／二ヽ.　　　　　.いかにして旧に復するかの試行過程を意味します。
.　 　 | _ 　 　' l 　　 __Lヽ| | ソ　|
.　' ´ﾆt-_　　‥ 　,　メ　 ;ヽ ( 　 |‐､
.　'´.,-､.._ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、 .ゝ､,,,..|.゛;ヽ
　　..ヽ',　 |::,-.." ." ,/|/　　/ゝ‐'＼ ﾉ
　　, ‐'‐'‐'||＿_,,,.' 　 |　　 | |ヽ　　 ＼
　 |　　 ／:::::::／　　　|　 //:..ヽ　　　 ＼
　 | 　/::::::::／　　　　 .ヽ‐::::::::::ヽ　　　　 ヽ
　丶　|:::／　　　　　／:::::::::::::::::/＼　　　　|
　/ ゛‐|＿＿＿　／:::::::／::::::::/:::::::|丶､＿ﾉ
./ 　　 |　　　 ／￣￣::::::::::::/:::;;ﾉ;ﾉ




　 　 　 　 . ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
　 　 　 　 　 .ヽ !| !　,- -、 / !,' /
　　 　 　 　 　 .ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
　　　 　 　 　 　 .ヽ (::___:;;)　/
　　 　 　 　 　 ._　,'　 　　 　　',. _
　　　 　 　 　 　 .ﾌヽ ヽ /　 ／l　　　　　　────しかし、事実上は、
　　　　　　　　　,' ヾゝ　　　ｨﾌ ',　　　　　 王政の継続か、共和国の樹立か、
　　 　 　 　 　 .| _ 　 　' l 　　 __L＿　　　 いずれかを占う人民投票となった観があります。
　 　 　 　 . ' ´ﾆt-_　　‥ 　, _メ ､_
ー―-､ _r　'´　　 _ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、...
　　　　　＼　 ＼　　　r ､　卜、 l⌒!　.r‐､ _
　　　　　　 l　 　 ＼　ﾉ　| ￣　l/　/　/　/　〉
＼　　　　　|　　　　 〈　 丶__／　/ ／　/　/＼
　 l　 　 　 ﾉ　　　　　 〉　　　　　¨´　／　ｲ　 /

　　　　　　　　＞－ ' ´￣ ＞‐|:::::::::::::::::::::::::::ｲ　　 ﾉ　／
　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l　　　　　 はたしてその結果は、
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}　　　　　 共和派の勝利でした。
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
.｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::∨ ,l_/ ﾚ-‐./:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::
　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::〉 l　 〉 /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::

　　　 　＿　　　　　　 　 　　　 　 , ､ 　 　 　　　., ､　　 　 　 　 　 、　　　　　　　　　　　　　ｒ
　　　　'Ｆﾆ]ヽ　　　 　 　 　 　 ,／―＼＿＿_,／―＼＿＿＿／―＼_　　　 　 　 ＿　 　,/:
_　　　　l　 |,ｨｆﾞヾ ､　　,ｒュ_,､ -''| l田l |　ｒュ　 | l田l |　　ｒュ　 ! l田ｌ l　`''-ｒュ ,ｨｆ'ﾞ―‐ヾ ,｣ ::
: >　　　|,ｨf'ﾞ.＿__ ヾ ､_|__|＿＿_|＿＿|_,,|_,,|＿|＿＿|＿_ｌ_,,|＿|＿＿.!＿__,l_,,|_ゝ .ｒ┬┐_>"ﾞ:.
; .そ_,ｨf'ﾞ　　|__|_,｣　<ﾆlﾆ!ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロ｣　 _ィ'´`＾"ﾞ:.:；
::"..；:ﾍ'_'　　 　 　 　 |==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|| <"ﾞ:.:；:::.
"ﾞ:.:；:,”:7|三三三三_|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 || ｣:":: :,”"ﾞ:"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':,<||―|―|―||　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||ｒ'::；:":: :,”ｌ `:::.
:: :,”:"ﾞ:.:ﾞそー|―|―||　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||ﾞ､；:":: :,”::`"ﾞ:
:,”:"ﾞ:.:ﾞィ　 ￣￣￣~'ｆ==ﾄﾆﾆﾆニﾆﾆﾆf==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆ;ｆ==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆf==ｒ'´ﾞ:":: :"ﾞ:.:；:"ﾞ:
"ﾞ:.:ﾞ'”て =========|―'　,,. -－-　、 ﾞｰ'　 ,,. -－-　、 ﾞｰ'　,,. -－-　、／”:":: :,”::_/ヘ"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':ﾍ.、＿＿＿_,!　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /‐､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､”:":: :,；l´:_:：,"ﾞ:.:；
:: :,”:":: :,”7,,_||＿||＿|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|ｒ- ､￣|￣<,ｖ､”:":7　｢"ﾞ:.:；::
:: :,”:":: :,”〉,,_||＿||＿|　 l　ｒ‐､ ||　 |　 |　 |　 |　 ||　 |　 |　_|　<::.:;..:ｒ‐,,!、 !　 |`―'　　ﾞ､"ﾞ:.:
:: _,, ､_:":: ｌ_, ,ィ^´`^''ヽヘ<::;;..;ﾞｒ ､'^"＾''ｽ,.|＿|＿||＿|_,ｒ''´::..＾''=､::.::::.:ｒ‐- ､ . |―――‐<"ﾞ:.:
´　:: :..; ＼' /;;.;;...;.;.;;;..;ｌ::.:::ﾞ､:::;;.;;::.ﾐ ::.;;.::;.ミ|＿＿＿＿ﾐ::..::;＿::;.:...` ､::..;;..:::..ﾐTTTTTTTTTTT
､` ､; :::...:;;:ｌｲ;;.;..;;;::;;:::ｌTTTTTＴＴＴＴＴＴＴｌ三/＿＿__／＾´:::;.. `､:: ｒ┐_::.::...ﾐｒ―――――‐‐
;;.'i:::.ヽ､::;...ｌ`''-----‐---‐---‐---‐---‐---‐--ミ:: ;.:::;..::;;..;;..:. |　　 |-┐|_　　　 ｢￣￣￣
:./::.;;:; ..ｌヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｢::..:::;;..;;..:;;..;;..: .ｒ -‐‐､, !_,,ｌ..　-　 ､ 　　＿
:ﾉ-ｆ'ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾐ:;;..;;..:;;..;;..:;;..／;::.::.::..:::ｆ::...;;::.::.:;;:...::.:ヽｒ.:::::.:
ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆｼ:;;..;;..:;;..;;../::.:...;;;..:::...:ｌ..::.:;;.::.:;;.::.:;;::..::ｌ::...::::







　 彡'|.|（‐'''"　'iﾐﾆニ三彡"´￣　　　　 ｀ﾞﾞｰ'　　;;;:|
.　 彡i､ヾ　('　 ヾミﾆ三'　 　 　 　 　 __,,､　....ﾉ 　 /
　　彡ゝ ｀'' "　 |ミﾐﾐ' 　　　　　　‐'"ひi,;'´　 ,ｨ;;ｧ'
　　 '彳｀ー‐i　 |ﾐﾐﾐ'　 　 　 　 　 ｀ﾞｰｼ'　　 |､ﾆ'
　--､/ 　 　i　 |ミﾐ 　 　 　　　　.,,r‐''"　　　| ﾉ
　く'ﾉ　　 　:i 　ミﾐ 　 　 　　　　´　　.,　'　　 |'
　､＼ 　 　 .l　 ヾ 　 　 　 　 　　　.ﾉ（_,,､. 　 |
　:＼ヽ,　　 ヽ　　　　　　　　　 ／　　 ｀t‐一'　　　　　そうか……
　::::ヽ ヽ　　　｀::.　　 　 　 ,; ' 　　　　　.:i
　:::::::ﾍ ヽ　　　 ｀::. 　 　 　 　''"⌒ﾞ''一ﾉ　　　　　　　　国民は、共和国を選んだのだな……
　::::::::::ﾍ.ヽ　　　　ヽ､ 　 　 　 ｀ ー'ｰﾉ
　::::::::::::::ヽﾍ　　　　　｀ｰ┬‐一;;''""´
　＼､:::::::::ヽヽ　　　　　 /::ﾍ ）　｀ﾞ'ｰ､_

　　,彡ニ三三三三三三三ﾆ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
　 ,彡ニ三三三三ニ三三ニﾆ;〃ヾ､;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
　,彡彡,'',ﾆ=ﾐﾐミ三三三三ニﾆ彡　 ｀ﾞﾞ''ｰ-､;:;／;;:;/
　',彡'/ r' ﾉヽヾミ三三三三三彡'　　　_,,,,,,､ヽ;:;ｨ''|
　 彡'|.|（‐'''"　'iﾐﾆニ三彡"´￣　　　　 ｀ﾞﾞｰ'　　;;;:|
.　 彡i､ヾ　('　 ヾミﾆ三'　 　 　 　 　 __,,､　....ﾉ 　 /
　　彡ゝ ｀'' "　 |ミﾐﾐ'　　 　 　 　 　 　 ,;'´　,,　 ｧ'
　　 '彳｀ー‐i　 |ﾐﾐﾐ'　 　 　 　 　 ｀ﾞﾆｼ'　　 |､ﾆ'
　--､/ 　 　i　 |ミﾐ 　 　 　　　　.,,r‐''"　　　| ﾉ
　く'ﾉ　　 　:i 　ミﾐ 　 　 　　　　´　　.,　'　　 |'
　､＼ 　 　 .l　 ヾ 　 　 　 　 　　　.ﾉ（_,,､. 　 |
　:＼ヽ,　　 ヽ　　　　　　　　　 ／　　 ｀t‐一'　　　　　 それが国民の選択ならば
　::::ヽ ヽ　　　｀::.　　 　 　 ,; ' 　　　　　.:i　
　:::::::ﾍ ヽ　　　 ｀::. 　 　 　 　''"⌒ﾞ''一ﾉ　　　　　　 　　しかたあるまい……
　::::::::::ﾍ.ヽ　　　　ヽ､ 　 　 　 ｀ ー'ｰﾉ
　::::::::::::::ヽﾍ　　　　　｀ｰ┬‐一;;''""´
　＼､:::::::::ヽヽ　　　　　 /::ﾍ ）　｀ﾞ'ｰ､_
　〃｀ﾞｰ､;;;;＼＼　　　/i:::::::丿　' , ' , '｀ﾞヽ､



　王は、軍の力で権力の座にとどまるべきだとする他の閣僚の提案をしりぞけ、
　フランスへ退去した。

　王は家族とともにマドリードを離れ、カタルヘナ港よりフランスへ向かった。
　王の退去でなんの騒ぎも起きなかった。
　王制は、その崩壊のずっと前にスペイン人の意識から蒸発してしまっていたのだ。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. .'||‐-　_,,
　　　　 　 ,,､　　　　　 　 　 fゝ ,.　'" , ','|l,.-''" ヽ
　　　　　　ヾ＼　　 　 　 　 ik'" 　 ,,.'‐'' !|　　 　 ヽ
　　　　　　 λ　ヽ､　　 　 ,.'!!ヽ.　　ヽ　 !|　　　　 ﾊ.　|ゝ
　　　　　　　λ 　 ﾞヽ､ 　.'..,!|　 ｀ ､,' i　 !|　　　　　ﾊ. !!､
　　 　 　 　 　 !　　 　 ﾞヾ､ |.!　　 ,'｀.ﾘ_,,l.l,,_　　_,, _,,,」,!!-=ギ、
　　　　　　　　 ｉ　　　,.'　　ﾞ|.ﾄ､　,'　/ ゝｪiノ'ｷ''"~　ヽ !!　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 !　　,.'　　,' |.lヾ､',,,.'-‐''"!:!;　　　　 　 ﾞ!!. 　 　 ﾊ
　　　　 　 　 　 }　,.'　　 ,'　!.!　'ヾ､　 ,:.:;|:|.; 　　　　　　iｦ_,,... ..,,」
　　　　 　 　 　 !,.' 　 　 　 |.ｌ 　 . ヾ､,:.; | !;.;.　　　　　　i=‐'''"~ﾊ
　∧ ∧　　　　,l'　　　 ,'　 :!.!　　 　 ヽ､.!:|.;.;　　　　　　,!:　　　　i',
　廿 廿　　　,.' !　　　 '　　| !　　 　 　 ヽ.ヒ二ニﾕ=､‐n.:.　　 　 } ',
　　ゝ‐ゞ -　'､ﾉ　＿,,.'　-‐| |'''"ｬ"" ''''''i''iヽ;"~￣　　ヾ|-－‐-_y,　'.,
　　　V∧,,"_''　~"'',‐- ､,,_;| |　 ∧,',',':　| |; ; ;.　　　　　i|'''¨¨~~ i~ ',　'.,
　　　 ﾇ¨ヽ.　｀"'' ‐- "'',,_‐"' ｰ'､,ﾊ,' 　 ! | ; ; ;　　　 　 !! ::　　　}　 ',　,:ｬ
　　　　 Vハ-　,,,,_　　　 　 "'' ‐ ヾ,i,,_　|::|; ; ; ;　　　　7.!　:: 　 ﾉ__,,.≠"__、
＿　t─ｷ‐-ﾞt- ､、,,_"''　‐-　 ,,_　　　 ~"i''i:‐ｭ;-_､..　,'l Lﾆ=ｯ',."≠"""バ　＿＿＿＿＿
　　　Ll,,,ｌ__l　l! ｌ　l. i~r~;''ｪ- ､,,_　~" ''' ＝===ﾞー--｀┴ﾞ‐　ゝ'フﾞ　　　　 }
　　 　 　 ﾞ, ￣',~¨"''' 'ｰ'-ﾞ ',,,:__|　　~¨"'''　ー－- - - - ‐ ''〃─ - - ､ノ
　　　　　 }¨'''''ｷ－,,-　 　 ..,, __　~¨" ''' 　ー　--　- － ''' "ﾉ;;,
　　　　　,厂i|::::!;;;;;;.;.;.;,,,,.,.,.. 　 　 ~~¨¨"　''''''_'',,二ﾆ,,'''-"~'"~
'';; ''::'';;: ::ｉ,;,;｣!;;;i;;::''''-－,,..,,,'''~;;~":::;;;;::''"~"~''''~~~
　...,,,,,..:::;;;;::;;:;:;;;::::;,,,..,,::,,,::::::　'' '''''~~
:::;;;::::;;;;'';;;::;;'''''~~

吊るし首やギロチンの声がでないだけ平和で良いな

　マドリードでは、1931年4月14日、臨時政府が成立した。
　それは、「自由共和派」、「左翼共和派」、「社会党」の三党連立政権だった。
　これが、第二共和制の門出だった。



　 　 ＼ 　 　 　 　　　　ヽ　　　　　　　　　|　　　　　　　　　/　　 　 　 　 　 　 ／
　 　　　＼　　　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　 |　 　 　 　 　 　/　　　 　 　 　 　／
　　　　　　＼　　　　　　　ヽ 　 　 　 　 　 |　　　　　　 　/　　　　　　　　／

　　　　　　　　　 ＼　　 　 　ヽ　　　　　　　 　 　 　 　/　　　　　　／
‐､、　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　／　　　　　 　 　 _,,－''
　　｀－､、　　　　　　　　　　┌─────────┐　　　 　 　 　 　 _,,－''
　 　　　　｀－､、　　　　　　　|　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 　 　 _,,－''
　　　　　　　　　｀　　　 　　　|　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　 !｀ヽ　 |. ●　 　 　 　　　　　　● .|　i⌒!
───────‐　 ヽ､ ＼|:.　　　　├──┤　　　　.:|ノ　ﾉ　　 ───────‐
　　　　　　　　　　　　　　＼_|:::...　　　 ヽ、 　ノ　　 　 ...:::!_／
　　　　　　　　　　 　 　 　 　|::::::::::...　　　 ￣　　　...:::::::::::|
　　　　　　 　 　 _,,－'' 　 　 |:::::::::::::::........ 　　 ......:::::::::::::::::|　　 　｀－､、
　 　 　 　 _,,－'' 　 　 　 　　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!　 　 　 　 　｀－､、
　,'´＼　　　　　　 　 　 ／　|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　＼　　　　　　　　　　　／｀i
　!　 　＼　　　　 　 _,,-┐ 　＼:::::;‐､:::::::::::::::::::::::::::;‐､:::::／ 　 　 ｒ‐-､、　　　 　 ／　 　!
　ﾞ、　　　｀ー--＜´ 　 / 　 　 ￣|　|￣￣￣￣￣|　|￣ 　 　 　 ﾞ、　　＞－一'′ 　　,'
　　y'　　　 　 　 　｀ヽ/　　　 / 　|　|　 　 　 　 　 |　|　ヽ 　　　 　ヽ '´　　　 　 　 　 ｲ



　ちなみに、スペインの第一共和制は1873年から1874年までという
　短命なものだった。

　ﾑ ｀ヽ｀ヽ　∨|　!
　　.＼　＼::, .∨　r-.､
　　　　＼　ヽ　∨}:::::::j
　　　　　　＞｀　ゞミュ!
　　　　　 ,　　　　＼ ､ヽ
　　　　　,ﾞ　　　　 ､_｀ﾊ ∨
　　　　ノ／　　　　　ゞュ.∨
　　　ｲ　　　　_＿＿＿　　｀ヽ　　　　　さて、第二共和制の政権についた三党ですが、
.　　 ｜　　　´_　　-―-ﾐ 　 )ｒ}　　　　三党はそれぞれ異なる政策路線を
.　　　ゝ　　'´　　　　　 ｀ー彡ﾘ､　　　 標榜していました。
　　　　 ｀　､　　　　ー-ﾐ　w,ノ
　　　　　　 ハー―ュ　i´｀ヾ
　　　　 　 ,..＜≦￣{三rﾄ､
　rー.: :´: : : : ﾍ∨ﾊ　{__ﾏ}､
. : : ヾ: :､: : : : :∧∨ﾊ　}__ﾏﾑ
: : : : :.∨ﾏ: : : : ∧∨ム {__ﾏﾑミ : ,
; : : : : :.∨ : : : : ;ハ.トマﾍ }_ﾏﾑ: : ﾏ:､
: : : : : : :.∨: : : ﾉ: : ＞ュﾐヽ {.ﾏﾑ: : :∧
: : : : : : : :.∨: /. : : : : : : / ∨}_ﾏﾄ､: : :}
彡'｀ ー -: :}: :, : : : : : : : ＼ ゝマハ}: ｜

　アルカラ・サモラとアレハンドロ・レルーがひきいる自由共和派は、
　古典的な自由民主主義を唱え、厳格な民主的手続を重んずる。


　　　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　　　／　　 ⌒　⌒丶
　　　　　　　　|　 　 （ ●）（●）
　　　　　　　　|　　　　 　 ｜　|
　　　　　　　　|　　　　　__´___|
　　　　　　　　|　　　　　`ー'´}
　　　　　　　　ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　 　 　 ,､-='l　＼_,ﾝ g<＼
　　　　 / ＼　└〆＼　i=i|＼'＼
　　　 丿 　　ﾞi 　 ＼　＼=il　/　i!
　　 　 l　　　　l 　　　＼＼| /＝|l
　　 　 |　　　　|　　　　　＼i/ 　 ||


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/ 　 　　, '::::::::::::::::/　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　　　／:::::／::::::::i／/　　　　　　　　　,.ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::!　　／:::::／:::::::::::::::::/　　　　　　_,. ‐''":/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::i　／::::::/./:::::::::::::::::/,.　--─'''''"::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::'::::::::／／:::::::::::::::::::::::::::::_;::／::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_:::､､::::r'' ／::::::::::::::_;: -‐'''',.ﾆ-;"‐''ｱ:::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ`i`''‐ L::::‐'"'''''‐-＜:~::::／ r‐‐':::／＿_,,.. -‐ '／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ ､lヽ ｀`''ｰ---‐'''=‐-z_､,.ィ'／ {::::::::::::"~::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋‐ﾞ, ＼V:ヽ､__,..＜'''r') ,ﾆ-‐ﾆ‐'て::`''‐､::::::::::::::::;／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽヽ ∀l)）/,イ　 ヽノ/ﾍヾi,C i´‐ヽ､:::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}.}　〉!/ij:| |/　　i,ﾉﾐ ﾉ〉〉ヾ〈::::::::::`:::; ‐''"＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ /　 l.ﾊ',/　　/　 ﾛ/>':::::::!|:::::::::::::::"~:::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾞi ﾞi ,ノ　/　　　　　l'‐r;）::::::/::::::::::::_,z''"~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | i, ﾞ,ヽ､_　　　　　 ,! :=+=＼:::::::::::::::::_;二ﾆ=‐'　 iヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ!ヽl　＼　　　 ,.ｲ＿|.||.|_,. -'‐-ﾆこ＿＿＿＿/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 ＼　ヽ...／_,|ﾆﾆl i i.! ／　へ＿＿__,. ‐',r''⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､,,./_l `"　/ || ||ゝ／／ ,. =＝= ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |`/ //iヽ／_,/ -‐''" i　/　rr ‐‐ヽ＞

　共和国大統領に就任したのは、自由共和派のニセト・アルカラ・サモラである。



　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／ 　 ｢ 　 ヘ＼
.　　　　　　　　　 |　　 （●）（●) |
.　　　　　　　　　 |　　　　　｜　　|
　　　　　　　　　　| 　　　､__´__　 |
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
.　　　　　　　　　　 ヽ　　　　 　 /
　　　　　　　 　 　 ∧...__　　 ヽ/／＞
　　　　　　　　　／　 ､i i!「Tiｧ￢ﾄ､__
　　　　　　　 ／｜　　〉￣¨¨ﾃァﾍ ＼｀.¨　､
　　　　　, ィ´､ｰ┴一'　'.ヽ　f'´,,ィ'ﾍｰ｀ ´|一' .
　　　／　　'.　＼　　　　 '. ヽ!'´ ,,ィ'ﾍ　　.!　　 ＼
　　 l　　　　 '. 　 ＼　　　 '.　ヾ'´　,,ｨ'.　｜　　　 .i
　　,'　　 　 　 V　　 ＼　　 '.､　ヾ'´ } '. ｜i!　　　 i
　　l　　　　　　! 　 　 | ＼ 　 '.｀　､Y／! |　|　　　 |
　 .,'　　　　　 ,'　 　 　!　　＼　'.　 {f:)　|j　 |　　　 |
　 l　　　　　 ,'　　　　 !　　　ｒ'ヽ}　 !　　'{´　|　　　 |
　,'　　　　　 l　　　　 ,'　　　 ｀´,'　 '. ,､　'.　 '.　　　 i
　　　　　　 ,'　 　 　 ,'　　　　　l　　 lゝ'　 l　 '.
　　　　　　,{　　　　 ,'　　　　　,' 　 　!　　 '.　 !
　　　　　　|.!　　　　l　　　,...　l　　　 l,ｒi　　l,.　!
　　　　　　{ l　　　 ,'　　　ゝﾉ,'　　　　!´　　'.　 !

　マヌエル・アサーニャを指導者とする左翼共和派は、
　スペインを近代化するために文化革命を唱える。



　　　　　　　　　　　　／: : : : : : /: : : :／: : : : : : : ヽ: : : : :: : `､
　　　　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : /: : ,ｨ: /l: : : l: : |: : : : : : ::ヽ
　　　　　　　　　 　;´: : : : : : : /: : ／|／ .|/ .!: : /i: : !: l: : : : : :丶
　　　　　　　　　 .i: : : : :|: : : : |／　　　　　　|／　| /|: :|: : i: : : :ﾞヽ
　　　　　　　　　 i: : : : ::i: : : ::/ ´￣￣￣`''''　　　´　ヽ|: : | .|: :丶
　　　　　　　　　 |: : : :,-ﾘ: : : |　 "疋;:ｿ`　　　 　'`'-､_.i: : |: |: ヽ
　　　　　　　　　 .|: : :/-､',: : |　　　　　　　　　, f:ﾃﾘ` /: : |: i丶
　　　　　　　　　 .ｿ､::l,.( _ ﾘ､:|　　　　　　　　　l .｀ 　 /l: :/| i
　　　　　　 　 　 　 ,|::＼__ ヽ|　　　　　 　　 　, 　　 //|/ |/
　　　　　　　　　　　 ﾘl: ::| |　　　　　　 　　 　′　 //
　　　　　　　　　　　　 l::|ﾘ ヽ　　　 ` ― - 、　　 //
　　　　　　　　　　　　 ,ﾘ　　 `､　　　　`"　 　 ／ﾘ
　　　　　　　　　,----亠--- ､_`.､　　　 　 ／　彡
　　　　 　　　 /／￣￣⌒`ヽ` ＼::`::-､,_, ´.
　　　　 ,- ﾞ´ ￣￣＞-､_　　　　　＼::::｀::`-y.
　 　　/::/　 ∥ ./":::::::::::＼　　　　　＼::::z[].
　　 /::::::|　 ∥ /::::::::::::::::::::.ヽ　　　　　 `､::{|.
　　 {::::::::|　∥ .|:::::::::::::::::::::::::::`､＿＿,-ｰ―`､



　それは、政教分離の原則の導入であり、カトリック教会の活動を制限して
　国家による世俗的教育制度を実現することである。

　社会党は、古典的なマルクス主義を標榜する政党である。
　その指導者は、穏健中道派のインダレシオ・プエリトだった。



　　　　 |:.:.:.:.∧:.:|　　　 |:.::∧:.:.:.:.:.| ≧:.:L-＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　 }:.:.:.:.ヾ:.:.:',　　　|:./　.V:.:.:.:|ﾆ-=＝＝=＼:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　 >:.:.:.:.:.|ヾ:.V=＝/ニ　 V:.:.:i{　ゞテ＝ァ　||＼:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.∧
　　　 /:.::V:.:.:.:ﾚ'´>=ﾆ示 ヽ､＿V:.||　 {辷zり　 .||　ﾚr -､V:.:.:.:.:.:∧
.　 　/:.:.:.:.:V∧:.r'´ /ひｮリ ||￣ .ヾ∧＿＿＿ //　　／ .}:|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　/:.:.:.:.:.:.:..:/ヾ::>　 ゞ' ´　|| {　　　 ￣￣￣￣　　 入 ソ/:.:.:.:._＿／
　　￣￣￣ |:.:.:∧ヽ＿ -=''´ ヽ　　　　　　　　　 　/　／:.:ヽ￣
　　　　　　　ﾚ'´ ヽ |　　　　　　　 ＿　　　　　 　 /-'´／￣
　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　 ￣_　　　 　 　 　/￣゛゛
　　　　　　　 　 　 　　＼　　　　　　　　　　_　ィ|
　　　　　　　　　　　　　　 ｀ 　 ､　　　　 イ　　　ｙ入
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニi　´　　　　／　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/　}　　 　　/　　　　|＼
　　　　　　　　　　　　　 　　/　/　ﾉ　　　　/　　　　　|　 ￣ ' - ､
　　　　　　　　　　　　　 　/　　V'´￣￣ ../　 　 　 　 |　　　　　　｀ ' - ､
　　　　　　　　　　　　.／/　 　/::::::::::::::／＿＝=-､＿ |　　　　　　 　　/ヽ

　しかし、その社会党傘下にある労働組織「労働総同盟」を牛耳るのは、
　急進左派のラルゴ・カバリェーロだった。



　　　　　　　　　 ,. -‐ 二二 _─-､
　　　　　　　　／／　　 　 　 ＼　 ＼
　　　 　 　 ／ /　 ＼　　　　　　＼ 　＼
　　　　　 /／小、　　ヽ　　|　　 　 |　　 ヽ
　　　 　 〃/ | | |＼　　| !　|　　 　 |　　　 |
　　　　 /　|　| ヽ|　|＼ | l∨　　 　 |　　　 |
　 　 　 ||　ｌ! i ､　ヽ ＼ | | |＼　　　|　　　 |
　 　 　 ||　|| ヾ､＼ ＼　｢ﾄ､＼＼_　|　　　 |
.　　　　|ヽ　|トr㍉ﾐゝ､ゝﾘk'ラ「丁｀ |　　　 |
.　　　　| |＼ヽ ﾆ´　　　　-一′|　亅　　　|
.　　　　| | ハ　 　}　　　　　　　│/　 　 　 |
　 　 　 N　小　　`ｰ　　　　　　 |/　　　　　|
　　　　 |　| | 　ヽ　ー一'´ 　 ／|| !ｉ　 | ′/
　　　　 ヽ ヽ ＼　＼　　　_　 　 |川　//rく
　 　 　 　 ＼＞､＼＼￣｢ 　 　 jルｲノ´　 `┬-､
　　　　　　／　_ ￣￣//」　　 　 　 |　　　　│　 ｀ー
　　　　∠＿　 ＼〕　//　　　　 _　_」　　　　 ヽ
　　　 ／/ 　￣＼　 | |⌒'　 　´／::|　　　_,.-- ゝ
.　　 /　/ｒ　{＾ 　　〉/│　 　 ／:::::/┌'￣　　 　 　 |
　　 |／　|　|　　 〈/::::::＼_／::::::::/／　　　 　 　 　 |
　　 |　　 |　|　　 /::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　 　　　亅
　　 |　　 |　|　　 |:::::::::::::::::::::::::/
　　ｊ}､　　Ｙ´　　 |::::::::::::::::::::::/
　　　　　亅　　　|:::::::::::::::::::/



　この二人は、個人的にも肌があわず、行動様式も対照的だった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　　　 ／ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 ', ＼　r-､ 〃 /
　　　　　　　　　　　　　　ヾ、i:}=={/ , '
　　　　　　　　　　　　　　　　i'　　 Yﾞ　　　　　　　　　　この共和国の指導者たちは、スペイン社会に根を深く下ろした
　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾞ' _, 'ﾞ}　　　　　　　　　　 巨大な問題に直面します。
　　　　　　　　　　　　　　_彡ゝ＝チヽ_
　　　　　　　　　　　　 　 i///ﾊ i ﾊ//∧　　　　　　　 .農業改革、軍部の非妥協的態度、
　　　　　　　　　　　　　rﾞ///,∧∧////!　　　　　　　 カタルーニャとバスクの自治問題、
　　　　　　　　　　　　ﾉ///|///,-,//,!|i/{　　　　　　　 カトリック教会対国家の関係────
　　　　　　　　　　　 ///ー≦}＿彡/{ !/|
　　　　　　　　　　　 ｀ーァ'///∧〃.{ j/,|　　　　　　　「国民の共和国」を建設する目的に沿って
　　　　　　　　　　　　　//j//〃::∨∧_ノ　　　　　　　 教育制度の欠陥に取り組む必要もありました。
　　　　　　 　 　 　 　 ///}ﾍ._／＼ﾉ∧
　 　 　 　 　 　 　 　 ////!´//i///,|/,ヘ.
　　　　　　　　　　　 i////!///i///,!///,ヘ
　　　　　　　　　　　 |///∧//,|//,:､/////,:ヘ.
　　　　　　　　　　　 i////ﾊ/////j　ヾ./////,∧
　　　　　　　　　　　 ∨//　|//,i./,'　　 ｀"'''ﾐ､//∧
　　　　　　　　　　　　i〃　 ヾ//!,:{　　　　　　　｀ヾ{
　　　　　　　　　　　　ﾚ　　　}/ｿ/i
　　　　　　　　　　　　　　 　 {/,!/,!
　　　　　　　　　　　　　　　　i/,j/{
　　　　　　　　　　　　　　　　j去::k
　　　　　　　　　　　　　　　ノ///}ｿー､
　　　　　　　　　　　　　　 {:::::::::/ー-='
　　　　　　　　　　　　　　　￣

　1929年のウォールストリートの株価暴落につづく国際情勢は、その前途を暗くした。
　世界恐慌はスペインには、より進んだ工業国ほど打撃をあたえなかったが、伝統的輸出はほぼ半減した。



│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃　_」L...
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥｜│┃　,ｺ lﾆn
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃.〈<ｌ ﾜ/)）
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃　｀`'´ ´
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃　_」L...
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃　,ｺ lﾆn
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥｜│┃.〈<ｌ ﾜ/)）
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃　｀`'´ ´
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃　_」L...
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃　,ｺ lﾆn
│|∥┃│┃│∥ 　│┃∥││┃.〈<ｌ ﾜ/)）
│|∥┃│ 　 　 　 　 　 　∥││┃　｀`'´ ´
│|∥┃　　　　　l.ﾆｺ 　 　∥││┃　_」L...
│|　　　　　　　　|　| 　 　 　 ││┃　,ｺ lﾆn
│|　　　 　 ノ⌒`‐┴┐　 　 　 ｜┃.〈<ｌ ﾜ/)）
│　　　　　,>_|__　　,ノヽ 　, くヽ､　┃　｀`'´ ´
│　　　,r‐/Z//＼/＼　ヾ　/`ｰ'　┃　_」L...
│　　/ |r‐-､ 　 〈　　 ` -.'′　　 .┃　,ｺ lﾆn
│　/ / |_「､r'ヽノヽ　　 　 　 　 │┃.〈<ｌ ﾜ/)）
│彡ﾘ 　　　　　 !｜　　　　　　 │┃　｀`'´ ´
│　 　 　 　 　 (巛.　　　　│││┃　_」L...
｜| 　 　 　 　 　 　 　 　　 ∥││┃　,ｺ lﾆn
│|∥　 │　 　 │┃ 　│∥││┃.〈<ｌ ﾜ/)）
│|∥┃││││┃│┃∥││┃　｀`'´ ´
│|∥┃│││∥┃│┃∥││┃　　o
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃
│|∥┃│┃┃∥┃│┃∥││┃　　o

　　　　　　　　　　　　 ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
　　　　　　　　　　　　 　ヽ !| !　,- -、 / !,' /
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ (::___:;;)　/　　　　　　　　　 　.新政府は、プリモの独裁制下でおかされた経済失策────
　　　　　　　　 　 　 　 　 _　,'　 　　 　　',. _　　　　　　　　　つまり公共投資による膨大な負債とペセタの暴落を負の遺産として
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾌヽ ヽ /　 ／l　　　　　　　　　　引きつぎました。
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,' ヾゝ　　　ｨﾌ ',
　　　　　　　　　　　　　　 | _ 　 　' l 　　 __L＿　　　　　　　 巨額の資本が、増税と経済的衰弱を見越して
　　　　　　　　　 　 　 ' ´ﾆt-_　　‥ 　, _メ ､_　　　　　　　　海外に送金されました。
　　　　　　 　 　 　 　 '´　　 _ｨl ｰ┴-'ヽ
　　　　　　　　　　　 　 _, -':::/lレ'二ヽl:: !`. ‐‐-__　　　　　　また、政府がとるとみられた社会計画を恐れて、
　　 　 　 　 　 　 ,-‐'´..::::::::/::| | .!|　l .!::.|::::／:::::::: ',　　　　　地主と資本家はただちに投資をやめます。
　　　　　　　　　/｜::::::::::::/:::::| ! !|　! l::: |::::::,-::::ヽ:: !
　　　　　　　　　|　', ::::::::::/ ::: | | ||.　.l:,r:l,::'´/::::::.:ノｰ‐‐┐
　　　　　　　　　|　　::::::::::ヽ 　| l || ./,r/::＿,-‐'"　　　／
　　 　 　 　 　┌ン　: ::::::::::｀〉 l.! ll !:::／　　　　　,-‐'"
　　　　　　　　 l´::::::::::λ::::::::!､:l. lレ !　　　 __, ｲ
　　　　　　　 ./::::::::::::/　!:::::::::.＞'´　 ￣￣　　 |
　　　　　　　 !::::::::::::/ 　|　／　　　　　　　　丶　ヽ､
　　　　　　 / ::::::::::/ 　丿 ! 　 --‐ 　　 　 ヽ,|　　　 l
　　　　　 / :::::::::: !　　 ゝ ! .__, 　__､　 ,!　　 ノ' ､___,/
　　　　　,' 　:::::::/　 _,-‐'´ 　 ／ 　　,/ 　 .,'l: !
　　　　 ,' 　:::::::/.／　 　_,-ｧ"　　,-７　　., ヽｲ!
　　　 .,! ! 　::::// . ,ィ'´ l / 　 ／,､ l　　 .|　_/|::!
　　 　!. | : ::: !. `'´./ :::: !,′ / / ::::|　　 !:'´::: |:: ',
　 　,' :::|　:::/　　 ,' : ::::: !ヽ<´ :::ヽrヽ__ノ:::::: : |:::: ',
　　ヽ　: : ::l　　 / : ::::::: l　::::ヽ:::::: !::::::::::::::::::　!::::: ヽ

　皮肉なことに、こうした危惧を助長したのは社会党員のプリエトとカバリェーロの、
　それぞれ財務大臣と労働大臣として入閣だった。



　　　　 ／ -''´:.:.:.:.:.::.:.:.|／　　 　 |:.:/:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.::.:ヾ:.:.:.:.:.::.､:.:.:::＼
　　　　 ￣/:.:.:.:.:.:.:.:.V:.:.|　　 　 　 |:/:.:.:.:.:,､:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.::.:V:.:.:.:.:.:ヽ ￣
.　　 　 　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ:.:ヽ　＿＿/ﾊ:.:.:.:.: /__V:|≧､:.:.:.:.:.:.V:.:.:.:.:.∧
　　　　 /:.:.:.:.:.:.::V:.:.├弋￣＿＿/ .V:.:/＿ _V=- ､V:.:.:.:.:V:.:.:.:.:.∧
　 　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V:.:ﾚ-=≦￣￣||　i:./i | ゞﾃ=､-､ ||ヾ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.∧
.　　　/,;,;:.::.-' /:.:.:.:.Vゞr'て・) }　 ||=イ=|.|　{ ・ .) / || V:.:./ヾ:.:.:.:.:.:.::ゝ
　　　 ￣　 　/:.:／/∧　｀== ´　/　　　廴=三三=/　r─､:./￣￣ ´
.　　　　　　 /／　{　ヾー＝＝''´　 {　　　￣￣￣　　 r　 }´
　　　　　　　　　　 ヽ .|　　　　　　 ＿＿　　　　U　 /／/　　　　　　 ええっ！？
　　　　　　　　　 　　 ∧　　　　　 {=---ｧ}　　　　 /__／
　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　　　 ─= ‐　　　　ノ　　　　　　　　　　.僕たちのせいなの？
　　　　　　　　　　　　　　　｀　､　　　　　　　, イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|> ､ _ , ィ´　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　r─|　　 　 　 　 ├‐ ､
　　　　　　　　　　　 　 　　 / ..| .}　　　　　　　 V 　 }
　　　　　　　　　　　　　 ／　 　V､　　　　 　／/　　 |＼




　　　　　　 　 　 　　　　　　　,.-ｧxﾃこ'ｰ-.､
　　　　 　 　 　　　　　　　／7//　 }ヽ＼ ヽ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　,r' / ,' j 　ﾉﾊ ヽ',ヾ ＼ヽヽ
　 　 　 　 　 　 　 　　/ //　i |　//! i　ヽｉ　iヽヽ､ '.,
　 　 　 　 　 　 　　 / /i7　/i l,ﾉ ハ Nヽ i　} i ',ヽ',. ',
　 　 　 　　　　　　 ﾊ/リi　,' Nノ'ｏヾ､ゞ､`jﾒ ﾘl i } ',　i
　 　　　　　　　　　i i,' .{ |! i ｲﾄ`ｰ =' '　　､く.ﾟ'_)!ﾊ. i　l
　 　 　 　　　　　　{ i|　i　l !li 　　　　 　r　.!　 ´'.i|　!　|
　 　 　 　 　 　　　| l　 !　',i l　　　　　＿_ 　 　　ﾘ j　 i
　 　 　 　 　　　　 !lN　　 ﾊ !　u　 /-ー'┤　　ｿ! ﾘ　 }　　　なんかゴメンな……
　　　　　　　　　　 liハ ! ',', N 　 　´￣-￣　 ,r'ｿ ﾝ i　l
　 　 　 　 　 　　　 ', ' ゝ,ヾ､_ヾ丶､　　　　／ィﾉ/jｉ l　ﾘ
　　　　　　　　　　　ヽ' ,＼ ゞ､`ｰ　::`:::ｰ:'::lン／ﾝrｲノ
　　　　　　　　　 ｪftｬ､ヾ=ｪ_ﾆ＝ーｭ　　::::l_-ン' ´'
　　　　　　　　 rえｼf＝‐＜::::::::::::::::'k　　;::fl:`i
　　　　　　　,､'ふ/　::::==､:j￣:):::::::::i:fl　/::ｿ:::}
　　　　, - '　　ｼ ..::::レ'''"￣::)~.:::::::::::K　!.fl:::::ﾟ:`ｰ..､._
　 　 /　　　　　i:〉-'...::::::,r‐''':ヽﾟo.::::ヾふﾝ::::｡ﾟ:::::::::::::::i::lｰ- ､.
　 　,'　　　　　　K_ ;r‐'´.:::::::ﾝヽ:::ﾟo:::::i}Ｑ::::｡:::::::::::::::::::ｉ::l. 　　ヽ

　ﾑ ｀ヽ｀ヽ　∨|　!
　　.＼　＼::, .∨　r-.､
　　　　＼　ヽ　∨}:::::::j
　　　　　　＞｀　ゞミュ!
　　　　　 ,　　　　＼ ､ヽ
　　　　　,ﾞ　　　　 ､_｀ﾊ ∨
　　　　ノ／　　　　　ゞュ.∨
　　　ｲ　　　　_＿＿＿　　｀ヽ
.　　 ｜　　　´_　　-―-ﾐ 　 )ｒ}
.　　　ゝ　　'´　　　　　 ｀ー彡ﾘ､　　　　 前途多難の船出となった連立政府ですが、
　　　　 ｀　､　　　　ー-ﾐ　w,ノ　　　　　 ともかく議会を招集して、第二共和国憲法の起草に着手します。
　　　　　　 ハー―ュ　i´｀ヾ
　　　　 　 ,..＜≦￣{三rﾄ､
　rー.: :´: : : : ﾍ∨ﾊ　{__ﾏ}､
. : : ヾ: :､: : : : :∧∨ﾊ　}__ﾏﾑ
: : : : :.∨ﾏ: : : : ∧∨ム {__ﾏﾑミ : ,
; : : : : :.∨ : : : : ;ハ.トマﾍ }_ﾏﾑ: : ﾏ:､
: : : : : : :.∨: : : ﾉ: : ＞ュﾐヽ {.ﾏﾑ: : :∧
: : : : : : : :.∨: /. : : : : : : / ∨}_ﾏﾄ､: : :}
彡'｀ ー -: :}: :, : : : : : : : ＼ ゝマハ}: ｜

　同時に、1931年4月、5月、6月をつうじて農地改革関連の法令がつぎつぎと出された。
　これを主導したのが、社会党出身の労働大臣カバリェーロである。



　　　　　　　　＿.....＿__
　 　 　　　,r' ´　　　　 　｀`''' - ､、
　 　 　 ,ｨ'/　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ、
.　　　,ｲｌ| i 　 　 ,　　;i 　 　 ､　 　 、 ､ヽ
　　 / l | l 　 　 l　　l l　 l　 l } 　 ;　ｉ　ヽヽ
　　,'　 l! !　　　l!　　l i　i　　リ　 }　ﾘ　i !ﾘ
　　l　　l　　　 i l　　l |　l　iソ　ﾉ ,ｒ'´l! l }ｿ
　　| _..=､ｪ_____!_l＿_l |　! |!ィ弋~lﾅ　!ン'i
ﾞﾞﾞ￣　　　＼::ヾ::::::::::::＼　l!　　￣　　ﾞヽl
　　　　　　　l::::::ヽ::::::::::::ヽﾞi、　　　 ´ i´ |
ｪ-‐ ''''''‐ｪ-┘:::::::::::::::::::::､}ﾊ. 　　　)┤　l!　））
　　 l　|l　! l｀'ｰtｪ_:::_::::::::::ヽヾ.　　　/　i ﾘ
　　_!_弋ｪ-=ゞ､ヽ＼_|:::::::::入＼ー ' , ノﾉ
￣　　　　　　＼`::￣::ﾞ＝'｡.￣:ﾐニ≦､.._
　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::ﾟ:･:。::::::::::::ﾞi ｀' ー- ....___
　　　　　　 　 　　 l::::::::::::::::::::::::::::ﾟ:・:。:::ヽ、　 　 　　_ヽ,＿...-――
　 　 　　　　 　　　l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾟ::・＼---ｨ:´::::::ヽ
　　　　　　　　　　 i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::f;.､、{:::::::::::::::＼

　　　　　　　　　 ,. -‐ 二二 _─-､
　　　　　　　　／／　　 　 　 ＼　 ＼
　　　 　 　 ／ /　 ＼　　　　　　＼ 　＼
　　　　　 /／小、　　ヽ　　|　　 　 |　　 ヽ
　　　 　 〃/ | | |＼　　| !　|　　 　 |　　　 |
　　　　 /　|　| ヽ|　|＼ | l∨　　 　 |　　　 |
　 　 　 ||　ｌ! i ､　ヽ ＼ | | |＼　　　|　　　 |
　 　 　 ||　|| ヾ､＼ ＼　｢ﾄ､＼＼_　|　　　 |
.　　　　|ヽ　|トr㍉ﾐゝ､ゝﾘk'ラ「丁｀ |　　　 |　　　　　 .これからは、地主が小作農を強制排除したり、
.　　　　| |＼ヽ ﾆ´　　　　-一′|　亅　　　|　　　　　 地域外から日雇い労働者を雇うことは禁止だ。
.　　　　| | ハ　 　}　　　　　　　│/　 　 　 |
　 　 　 N　小　　`ｰ　　　　　　 |/　　　　　|　　　　　 あと、8時間労働労働制を新たに導入する。
　　　　 |　| | 　ヽ　ー一'´ 　 ／|| !ｉ　 | ′/　　　　　 .8時間を超える労働に対しては時間外手当を払うこと。
　　　　 ヽ ヽ ＼　＼　　　_　 　 |川　//rく
　 　 　 　 ＼＞､＼＼￣｢ 　 　 jルｲノ´　 `┬-､
　　　　　　／　_ ￣￣//」　　 　 　 |　　　　│　 ｀ー
　　　　∠＿　 ＼〕　//　　　　 _　_」　　　　 ヽ
　　　 ／/ 　￣＼　 | |⌒'　 　´／::|　　　_,.-- ゝ
.　　 /　/ｒ　{＾ 　　〉/│　 　 ／:::::/┌'￣　　 　 　 |
　　 |／　|　|　　 〈/::::::＼_／::::::::/／　　　 　 　 　 |
　　 |　　 |　|　　 /::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　 　　　亅
　　 |　　 |　|　　 |:::::::::::::::::::::::::/
　　ｊ}､　　Ｙ´　　 |::::::::::::::::::::::/
　　　　　亅　　　|:::::::::::::::::::/

　ところで第二共和制政府の陸軍大臣は、左翼共和派の
　マヌエル・アサーニャであった。



　　　　　　　　　　　　　　　　 _._.,,.､.-.ｰ.-..､_
　　　　　　　　　　　　　ゝ＜´:::::::::::::::::::::::::::::`ｰ:.､
　　　　　　　　　　　 ／::::::::/::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　 /／::::::/::::/＼!＼_＼::::i:::::::::::::::::＼
　　　　　 　 　 　 /´/:.:l::::ﾚﾍ!　ヽ／__＼::::l::::::::::::i:::::::::｝
　　　　　　　　　　　!l:l::l::へ ヾ ｀´ﾆfｿゝ ∨::::::::l:::!::::::::l
　　　　　　　　 　 　 |:::ﾚﾍ f_)）　　　　　　 ﾚﾍｿﾍ::!::::::!
　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍﾊ　く　　　　　　　　|/ )ソ!:::::::!
　　　　　　　　　　　　　　 !　｀　　　　　　　　､／/:::/ﾘ　　　　　　 カバリェーロのやつ、張り切ってやがるなあ……
　　　　　　　　　　　　　　　､ 　- - ､　　　 ′|/:::／
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　_　´　　ﾉ:::/　　　　　　　　　俺も負けてられんぞ！
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `ｰ､ ´　　　　　∨_
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　_,∧　 　 _,､＜´　〉､_
　　　　　　　　　　　　　　　　／/ ∧_／ ＼　 　/::::::i:::ヽ._
　　　 　 　 　 　 　 _ ,,､-ｰ／ ∨!/（｀ソ＼ .i　 ./:::::::::l:::::::::::｀:ｰ:.､
　　　　　　　　　,´:::::::::::::く:::::::/ 　 .;´; 　　ヽ／:::::::::::::!:::::::::::::::::::ゝヽ.
　　　　 　 　 　/::｛:::::::::＿＞:i 　 .;　.;　 　/ノハヽヾゝ:::/／::::::::::::::::i
　　　　　 　 　,'::::::i:::::＼::::::::::l　 .;　.;　 　/ゞ彡"ミゞ､ｿ（:::::::::::::::::::::::!
　　　　 　 　 /:::;::::∨:::::l::::::::::i　.;　.; 　 /::ゞｆ~（ｒ)）ﾉ;li)）ク(::::::::::::::::/
　　　　 　 　/::::ヽ:::::〉:::::l:::::::::li､;　 ;／/:::::ﾍ_ゞミ≡彡ｿﾉノ;;;::::::::::::::>
　　　 　 　 <::::::::::ソi::::::::l:::::::::lﾍ／　./:::::::::人ゞﾐにソ入´::::::::::::::::ｿ
　　　　　　 !:::::::ゝへ､;;;::::!::::::」--‐‐'''""ﾞﾞ｀ヾゞ::::ソ／::;;;;:::::::::::::::::l
　　　　　　 ）::::::ゝ彳´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍノ／´￣::::::::::::::::::::l
　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ﾍへ￣::::￣:::::::::::::::::::::/
　　　　　 l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／´::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::/



　アサーニャは陸軍掌握のために、大胆な軍制改革に着手する。

　アサーニャは、4月22日付の政令で、
　全将校団にあらためて共和国にたいする忠誠の宣誓をもとめた。



　　　　　 　 　 !.:ハ:ヽ:.:ハ!￣≧ｚ､ ,　　､ ,ｨ≦￣ ｌ:イ:.:.ｌ
　　　　　　　　ﾉ'　 ｉ,､:.:.ｉ　弋赱メ　 　 　弋赱メ　ｌ:.人:.!
　　　　　　　　　　 ! ヽ:.!　　　　　　 　 　 　 　 　 !:.:Ⅳ
　　　 　 　 　 　 　 ゝ.从　　　 　 　 ｉ:.　 　 　 　 ':./
　　　　　　　　　　　　ｉ:.:ﾊ.　　　　　､!:　　　 　 /:./
　　　　　　　　　　　　!ハ:.:..　　 f　＝＝,　　 .:'Ⅳ
　　　　　　　　　 　 　 　 ヾ ＼　ゝ ―　' ／ｉ､
　　　　　　　　　　　　　,.ィ　ヽ　 ､　　 ／　ﾉ 丶
　　　　　　　　　　　 ／ /　　冫､.　　´　,.〈.　　 ',｀:..､







　王党派の軍人は窮地に立たされた。
　拒否すれば、自動的に予備役に編入される。
　宣誓すれば、王党派の同僚から裏切り者とみなされるかもしれない。



　　　　　 　ｒ ､
　　　　　　 |　 ＼
ｰ―-､　____|＿ 　ヽ_
　　 　´　　 　 　 　　｀ヽ.
＼/　　　　　　　　　 　　:,
　i'　　　 　 -―　　　‐-　i
　l　　 し　　　　 　 　　 　l
　ゝ､ 　 　　　　　rっ　　/
／⌒　　　　,.-ｰ-､___,ノ^)
　　　　　　　｀⌒ｨ　　　〈
　　　　　　　　　 ﾞｰ--､　＼

　このような状況のもとで、やる夫は格別異議もなく、平然と宣誓した。



　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　￣ ＼　　　　　｢l「l｢ｈ
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　-l⌒l 、}　　　__　| |｜| |
　　　　　　　　 　 　 　 　／　／　 人_ﾉ 仏 - └ ､ヽ ￣　!
　　　　　　　　　　　　　（_　 / c∠二≦二}つノ 　 }　l /　|
　　　　　　　　 　　　　　／　　 ─　　 　 ― ､　　　ｈ.＿_ｲ
　　　　　　　　　　　　／ 　 　　（ ＿） 　（＿）'　　　| 　 　 |
　　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　 |　　｜ｰ一.｜
　　　　　　　　　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´　／ 　　| 　　 　|
　　　　　　　　　　　　/{＼　　　　　ー　　ノ'-､　　 |　　 　 |
　　　　　　　　r=ﾆ,二|　＼｀ ー-r--イ |　 }}　 ￣ﾉ!　　　　|
　　　　　　　 /　　|　 ∟ _ ＼　/＾＼ |/_　 }}　 !　　　　　　|
　　 　 　 　 人_　 |　　　く　　＼〉-〈/　/　 }}　|　　＿＿／
　 　 　 　 /　　　 l r―― ト　　_ У_／r―‐i} |／
　　　　　/　　 ／ ! |ー rｰ|　　　 |　| 　 |ーrf ﾘ
　　　 ／　　　　 /　!　 l|　|　　　 |　|　　l　l| l |
　　 ｛　　　　 ／{　　＼ ／　　　｜ |　　 ＼/ﾊ}
　　　＼　　 '　　|　　　　 　 　 　 |　|　　 　 　 |

　あるとき、宣誓を拒否して官職を失った同僚にたいして述べている。



　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　 　 　 ／⌒　ー､＼　　　　　　　　　　　スペインが困難な時期に
　　　 　 　 　 ／（ ●） 　（●）＼
.　　　　　　／::::::⌒（__人__）⌒::::::＼　　　　　　　 それだけの理由で官職を失うなんて、
　 ｃー､ 　 |　　　 　|r┬-/ ' 　 　 　|⌒,一っ
　,へ　λ　＼　　　 `ー‐' 　 　　 ／　入　 へ、　もったいない話だお。
<<<／ヽ　 　 　 　　 　 　　　　　 　 　　/＼




　　　　　 f^ヽ　　　　 　 　　／',
　　　　　 |:.:.:. ヽ　　　　　／　　!
　　 　　　|:.:.:.:.:.:.ゝ-─-<　　　 |
　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:..　 　　 　u 　',
　　 　　,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 　 　　　　　,
　 　 　,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:　　 　‐- 　,
　　　　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:　　　　　　l
　 　 　 ';.:.:.:.:u.:.:.:.:.:.:.:.:　-―　　/-──-　､
　　　　　ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.::.:　　 　 ／　　　　　　　ヽ
　　 　　／:.:ﾞ"''':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... 　/　 　 　　　ﾉ
　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. | 　 　 　 ／

.　ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
. 　 ヽ !| !　,- -、 / !,' /
.　 　 ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
.　　 　 ヽ (::___:;;)　/ 　 　 　 . ,-､
.　 　 _　,'　 　　 　　',. _　 　 .///
.　　 　 ﾌヽ ヽ /　 ／l　 .∩,///　　　　　　　やる夫は、基本的には保守的な信条をもっていましたが、
　　　..,' ヾゝ　　　ｨﾌ ', :...|／二ヽ.　　　　　　 他の多くの王党派の軍人と異なり、
.　 　 | _ 　 　' l 　　 __Lヽ| | ソ　|　　　　　　 共和国にたいして強く反対はしませんでした。
.　' ´ﾆt-_　　‥ 　,　メ　 ;ヽ ( 　 |‐､
.　'´.,-､.._ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、 .ゝ､,,,..|.゛;ヽ
　　..ヽ',　 |::,-.." ." ,/|/　　/ゝ‐'＼ ﾉ
　　, ‐'‐'‐'||＿_,,,.' 　 |　　 | |ヽ　　 ＼
　 |　　 ／:::::::／　　　|　 //:..ヽ　　　 ＼
　 | 　/::::::::／　　　　 .ヽ‐::::::::::ヽ　　　　 ヽ
　丶　|:::／　　　　　／:::::::::::::::::/＼　　　　|
　/ ゛‐|＿＿＿　／:::::::／::::::::/:::::::|丶､＿ﾉ
./ 　　 |　　　 ／￣￣::::::::::::/:::;;ﾉ;ﾉ

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　（個人的見解として、スペインには王制が
／ 　　 （●） 　（●） ＼　 　　 望ましいと思うけど、
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　 　　だからといってボルボン朝に身命をかける
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　 　 義理はないお）
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／




　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　 （たしかに、アルフォンソ13世にはいろいろと
／ 　　 （＿） 　（●） ＼　　　 引き立ててもらったお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　 でも、それでもって絶対忠誠を誓うほどの
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　いわれもないお……）
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　 　 　 　 . ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
　 　 　 　 　 .ヽ !| !　,- -、 / !,' /
　　 　 　 　 　 .ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
　　　 　 　 　 　 .ヽ (::___:;;)　/
　　 　 　 　 　 ._　,'　 　　 　　',. _　　　　　やる夫は、「国家」と時の「政権」とを明確に峻別していました。
　　　 　 　 　 　 .ﾌヽ ヽ /　 ／l
　　　　　　　　　,' ヾゝ　　　ｨﾌ ',　　　　　 つまり、彼は軍人として国家に対する忠誠は絶対でしたが、
　　 　 　 　 　 .| _ 　 　' l 　　 __L＿　　　 その政体や政権については、次元の低い
　 　 　 　 . ' ´ﾆt-_　　‥ 　, _メ ､_　　　　相対的な問題として考えていたのです。
ー―-､ _r　'´　　 _ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、...
　　　　　＼　 ＼　　　r ､　卜、 l⌒!　.r‐､ _
　　　　　　 l　 　 ＼　ﾉ　| ￣　l/　/　/　/　〉
＼　　　　　|　　　　 〈　 丶__／　/ ／　/　/＼
　 l　 　 　 ﾉ　　　　　 〉　　　　　¨´　／　ｲ　 /

　アサーニャが次に着手したのは、俗に「アサーニャ法」と呼ばれる、急進的な軍縮措置だった。



　　　　　　　　　　　　　 _,　-‐--....､
　　　　　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　 　 　 　 　 　 　 / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　 　/..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ
　　　　　　　　　 l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
　　　　　　　　　 l/i::l:::N`|ﾒ､_|ﾑ|/.,j／ﾚ|::|::ト!
　　　　　　　　　　f＾i:::ｌ　''ZＴｰ 　 ｨ'Zト.|::|::ﾚ'＾ヽ､　　　　　　　　 現有兵力の16個師団はあまりに多い────
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､l::|.　　　 　　ｌ　　　l::!Y::::::::::::::.ヽ､
　　　　/::／..::::::::::::..ヽl_　　　 　　〉 　 /ｖ':::::::::::ﾉ::_;;:::::j,ト､　　　　半分の8個師団で充分だろ！
　　　/:::::::::::::::::::..`ｰ-､:l､ 　f＝==r 　,ﾍ:::::;::::::/￣　ﾞ''ﾍｭ_ﾉ
　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:､L＿,,ﾘ ／:>:l/:::／
　 ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヾ､ｰ_-イ, 〉<.|／　_ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿　　＿
　 }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヾ!､!;::|:|,r‐'ﾞ　　　　　　　　 　 ／/ 　 ヽ
　「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　 ヽ　　　 　 　 l /　　　 l
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'"　　　　　　＼___　　　　　　 　/
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／　l　　　　　　　　　 ＼X=-､,,＿_／
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::|　|　　ﾉ　　　　 ` ､ 　　　　 ヽ ,ﾍ./
:::::::::::::::::::::..ヽ､:::::::::::::::::::::::::::|　l　i´　　　　　　　` ､　　　 ﾉ ヾ|
:::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ;::::::::::::::::::::|　|　|　　　　､　　　　　`'rイ　 ,ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..＼∩:::::::::|　l＼ 　　　　 `=､.._＿,ノ　 ￣
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i＼∩:/　 |　ヽ､＿　　　　ﾉ
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|　 ＼:!`ｰ､ 　,,=''::::｀､'‐-'ﾞ
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l　 ｌ　ヽ_;;ｧ'~ヽ;::::::::::.ヽ

.　ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
. 　 ヽ !| !　,- -、 / !,' /
.　 　 ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
.　　 　 ヽ (::___:;;)　/ 　 　 　 . ,-､
.　 　 _　,'　 　　 　　',. _　 　 .///　　　　　　　　 アサーニャは将校団の大幅な整理のために
.　　 　 ﾌヽ ヽ /　 ／l　 .∩,///　　　　　　　　　自発的な退役を奨励します。
　　　..,' ヾゝ　　　ｨﾌ ', :...|／二ヽ.
.　 　 | _ 　 　' l 　　 __Lヽ| | ソ　|　　　　　　　　この奨励に応ずれば給料の全額を保証し、
.　' ´ﾆt-_　　‥ 　,　メ　 ;ヽ ( 　 |‐､　　　　　　 もし応ぜず余剰人員とみなされれば、補償なしに
.　'´.,-､.._ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、 .ゝ､,,,..|.゛;ヽ　　　　　　失職するというものでした。
　　..ヽ',　 |::,-.." ." ,/|/　　/ゝ‐'＼ ﾉ
　　, ‐'‐'‐'||＿_,,,.' 　 |　　 | |ヽ　　 ＼　　　　　　当然、軍部内には不満が鬱積しました。
　 |　　 ／:::::::／　　　|　 //:..ヽ　　　 ＼
　 | 　/::::::::／　　　　 .ヽ‐::::::::::ヽ　　　　 ヽ
　丶　|:::／　　　　　／:::::::::::::::::/＼　　　　|
　/ ゛‐|＿＿＿　／:::::::／::::::::/:::::::|丶､＿ﾉ
./ 　　 |　　　 ／￣￣::::::::::::/:::;;ﾉ;ﾉ

　アサーニャ陸相の軍制改革は、さらに次々と追いうちをかけた。
　伝統的な軍管区制度廃止措置にともない、中将の官位を全廃するというのである。



　 /　　／ 　 ..::/.::/　.:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l　　::ヽ｀ヽ
　i　　/　　 .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l　 !
　! 　 ! l　.:::::::/l/__l／　/／　 ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
　ｌ　/l/l .::::::/　＿_ ｀ヽ、　 　 ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
　 V く ｌ .:::/ 　 ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ　.::::::_j/　-―ｌ:::/.∧l
　　∨ｰ!::/　　　　｀¨　　 　 　 ／fr芹､:::／l/.:/
　　j/iヽl/　　　　　　　　　　 /.:::::┴'..:::/./　j/
.　　　ｌ::∧　 　 　 　 　 　 　 { ::::::::::::::/.:/
.　 __/V ::ヽ　　　　　　　　 ／..::::::::::/.:/
／i/　 ! ::::::ヽ　　 　 _　　　 　.:::::／ j/
.三l　:: ｌ　:::::::ヽ、　　　__‐-..::::／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、　....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼







: : : : : : : :: :::: :: :: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　.　. .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　 Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 　/:彡ミ゛ヽ;）ー､　. . .: : : :Λ＿Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.:. ./彡ミ゛ヽ;）‐､. .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
　　 　　 / :::/;;: 　 ヽ　ヽ ::ｌ　. 　./ :::/;;: ヽ　ヽ::i:. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
￣￣￣（_,ノ ￣￣￣ヽ､_ノ￣ ..（_,ノ￣￣.ヽ_ノ￣



　すでに少将であった将官たちは、突如として昇進の道が閉ざされた。

　さらにアサーニャは6月3日付政令で、「昇任再審査制度」を導入した。
　功績による特別昇任制度を問題としたのである。



　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::i::::i:::::::::::::::ヽ
　　　　　　　 　 　 　 /::::::::::/:::::::::/::::::::,:::::,ｲ:::::|:::::!:::::i:::ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　/::::::::::/:::::::,.ｲ:::::::,ｨ:::,ｲ::::::/!:::::|::::::!:::::!:::::::ヽ
　　　　　　　　　　 ,'::::::/::::!:::／,ｲ::／ .!/ .|::::/ |:::::ﾊ:::::!::::::!::::::::::i
　　　　　　　 　 　 !::::::l::::::ﾚ',! ー-､　　　 !/　 !::/　!::ハ:,ｲ:::::::::::|
　　　　 　 　 　 　 !::::_」:::::::::!　..,,＿`ヽ､_,.　　 ,ﾘ 　´ _,..,_ !::::::::ﾊj
　　　　　　　　　　!/f r.|::::::::!　 弋ｴﾉ｀　　　　｀'ｨﾆ二_　/:::::::::!
　　 　 　 　 　 　 　 k.ﾔ!:::::::!　　　　　　　　　　 ゞｚｿ,. /::::∧::|
　　　　　　　　　　　|∧`Y::ﾘ 　 　 　 　 　 i　　　　　 //|/　 ヾ
　　　　　　　　　　 　　 !Tヾ　　　　　　　　j 　 　 　 //ノ　　　　　　功績による昇任制度が
　　　　　　　　　　　　　ﾔ. ヽ.　　 　, ‐-､,__　　　 ,.ｲ:/
　　　 　 　 　 　 　 r＜´|.　　＼　 丶,＿ヽ/　 .／ |/　　　　　　　　 軋轢をうむ原因になってるんだ！
　　　　　　 　 　 　 !　 ｀丶､.　　＼　 ｰ　　 ／
　　　　　　 　 　 _/　　　　　`'-､.　`'ｰ-r<´　　　　　　　　　　　　　 よって、こんなものは廃止だ！
　　　　　　　, -'" ｀ヽ､　　　　　 ｀ヽ､　f｀, ＼
　　　　 , -'´　　　　ヽ ｀ヽ､　　　　　 >く_Lｒ'´｀ト､
　　　／　　　　　　　　ヽ　 ＼　　／ヽO〉 |｀r､.|　｀丶､
　　/　　　　　　　　　　　＼ 　＼/＼r‐＝<.　!｀　　　　｀ヽ,
　 /　　　　_　-－‐　　　　 ヽ　　　　ヾ　　 !　ヽ　　　　　　i
　/　　 ／　　　　　　　　　 　 ! 　　　 ｀ﾄｰ〈　　 !　　　 /　 |



　アフリカ派の軍人たちが憤激したことはいうまでもない。

　1931年6月30日、やる夫は、アサーニャ陸相から、にわかには信じがたい命令をうける。



　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　,　　　､,,.-='､'､　＼
　　　 ／　　`┬;;;:::┬′　 　ﾞ.ﾞ､;;;;::',ﾉ　　＼　　　　 .だ、大臣……
　　／　　　　⌒ﾞ''''''´"　　　　｀''''''"　　u 　 ＼
　　|　　　　U　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　いま、なんと？
　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／

　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　 ／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀ 丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ　　　　　　聞こえなかったのか？
　　 　 ﾊ　 　｀　　　 | .| l .| |ノ
　　 　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､　　　　　　　　「サラゴサ総合士官学校を閉鎖しろ」って言ったんだよ。
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　 ￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　 ／　　　　/　ヽ
　/　　 ヽ､　,ｨl　　　イ /　　 　 /　 　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　 　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|

　　　 　　　　＿＿＿
　　　 　　 ／_ノ　　ヽ＼
　　　 　／ （○）　（○） ＼
　　　／ u 　 （__人__）　　　＼
　　　|　　　　　|i!i!i!i!|　　 u　　|　　そんなッ……！
　　　＼　 u　　|;;;;;;;;;|　　　 ／
　　　 ／ 　　　｀⌒´　　　　＼
　　　(<<<)　　　　　　　　（>>>）
　　　 |、　i、　　　　　　　,i　　/
　　　　ヽ＿/　　　　　　　ヽ__/
　　　　 |　　　　　　　　　　|




　 　　　　 　ﾉ Ｌ＿＿＿_
　　　　　　　⌒　＼　／ ＼
　　　　　　／　（○）　（○）＼　　　　 そんなバカな話があるかおッ！！
　　　　 ／　　　 （__人__）　　 ＼
　 　 　 |　 　 　　　|::::::|　　　　　|　　　そんなことをして、
　　　　 ＼ 　 　 　 l;;;;;;l　　 　／l!| !　 .陸軍になんのメリットがあるんだお！？
　　　 　／　　　　　`ｰ'　 　　＼ |i
　　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　 （　　 丶- 、　　　　　　 しＥ　|そ　　ドンッ！！
　　　　`ー､＿ﾉ 　 　 　 ∑　l､Ｅ ﾉ　<
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽｌ

　　　　　　　　／￣￣￣ ＼
　　　　　　　ﾉし ﾞ＼, .,､,／"u＼
　　　　　／ ⌒ （◎）ヾ'（◎）u　＼　　　　説明を求めるお！！
　　　 　 | u 　⌒ﾞ（__人__）"⌒ u　|
　　 　 　 ＼　u 　 `ヾ,┬､/`　,／　　　　 じゃなきゃ納得できんお！！
.　　 　 　 /⌒/＾ヽ､ ）__（ ,ィヽ、
　　　 　 /　 ,ゞ　,ノ　ﾞ⌒"　, 　ゝ､
　　　　　l ／　 /　　　　　　ト/.＼＼







　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,..-－――‐-､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ..:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀.:..
　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
　　　　　　　　　 　 　 ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ
　　　　　　　　　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,ｉ:.:.:ハ:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:. ｌ
　　　　　　　　　 　 　 ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:./.ｌ:.:.ｉ　 :.:.:.:.:.ﾊ:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:ｌ
　　　　　　　　　　　　 ｌ:.:.:.:.:.:.:. ｌ:. /　ｌ:.:ｌ 　 ｉ:.:.:/　|:.:.r ､ :.:ｉ:.:.:: !　　　　 　　　 いまさら説明もなにもない。
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ:.ｉ^ｉ:.:.:.:ﾊ/_　 ヽ! 　 ｌ:./ 　 !( ヽ ＼ｌ:.:.:.'
　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ:ｌ　ｌ:.:.:.ｉ ' _　￣　´　!:^ー‐'´＼ ＼｀ ､　　　　　　　　 .これは決定事項だ。
　　　　　　　　　　　 　 !ﾊ　ヽ:.ｌ　 ｀ー‐'　　　　 ｀‐-‐' ＼ ＼ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 ゝ j:.:ｌ　　　　　 　 ｉ:　r‐― -　､ヽ.　　 ヽ　　 　　　 逆らうことは許さない。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _/ヽ: ｌ　　 　 　 　 !.:　｀ ー,-､　｀`　　　　､
　　　　　　　　　 　 ....:.:´:/:.:.:.ｉ｀!､　　　　 　 '.: 　 　 '.､‐:＼　　 　 　 ヽ
　　　 　 　 　 .....:.:´:.:.:.:.:/:.:.:.: ｌ　ヾ ､　 r‐--っ　／!:.:.:ヽ:.:｀ヽ　　 　 　 ',
　　　 　 ....:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:. ｌ　　＼ヽ､.￣　／　 ｌ::.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ　　　　 i
　　....:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.ｌ　　　 〉‐､ｰ_.´〈　　ｌ:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:!　　　　 !-､
　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:／ｌ.　　 ∧:::::::::::::ハ.　ｌ＼:.:.:.:.:/:.:.:/｀ー―‐´:.:.:',

|ｌ!ｉ│iｌ　 |ｉ!　　　|!　　　　|　 　 ―――――――― ､　　 i|　　　　!i| 　　!ｌｉ|　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ　 |ｉ!　　　l:　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :＼　　　　　　i| 　　!ｌｉ|　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ　 |ｉ!　　　|　　　／:::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : :　:＼ 　 　 　 l 　　!ｌｉ|　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ　 |ｉ! 　 　 　 ／::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : :　:　:　:　: ＼　　　　　　!ｌｉ|　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ　 |ｉ　 　 　 /:::::::.:.:.:.:.:. : : : : : : :　:　:　:　　 　 　 　 　 　 ヽ　　 　 　 lｉ|　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ　 |!:　　　 /::.:.:.:.: : : : :　:　:　　　　　　　　　　　　 　 　 　 :.　　 　 　 ｉ|　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ　 |　　 　 |.:.: : :　:　:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | 　 　 　 :!|　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ　 |　　 　 |:.　:　　　¨二ﾆ=ミ ＿ノ　 廴_ 幺=ﾆ二¨　 　 　 |　　　　　 |　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ　 |　　 　 |:　　 ≫ ´　 __　　Ⅵ :ｉ|ｉ:ｉ|ｉ: Ⅳ　　__　 ｀ ≪　　 |　　　　　 |　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ　 |　　 　 |　　 i{　 　 ( ・ )　 川　li|il　从 　( ・ ) 　 　}ｉ　　|　　　　　 |　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│il　 　 　 　 |　　　 ≧=― ‐=彡　　　　 　 ミ=‐ ―=≦'ﾞ　　 |　　 　 　 　 ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|　　　 （こ、この野郎ッ……！！！！）
|ｌ!ｉ│iｌ　　　　 　 :.　　　　　 　 ／　 　 　 　 　 　 ＼　 　 　 　 : /　　　　　　　ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│ｉ!　　　　　　 ヽ　　　　　/　　　　 　 　 　 　 　 ヽ 　:　:　: / 　 　 　 　 　 l|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│il 　 　 　 　 ／＼.　　　{　　 　 　 　 　 　 　 :　: } :　: : ／＼　　　　　 　 ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ.　 　 　 ／　　　 　 　 ヽ　　　 　 人:　:　:　:　ノ: : : : : :.:.:.:.:.＼　　　　　 ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│il:　 　 ／ 　 　 　 　 　 　 ≧=‐≦ ＿ ≧‐=≦: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::＼　　 　 ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|
|ｌ!ｉ│iｌ: 　 /　　　　　 　 　 :　:　:　:　:　: : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::ヽ　 　 ｌ|i│ｉｌ!ｌｉ|

　ﾑ ｀ヽ｀ヽ　∨|　!
　　.＼　＼::, .∨　r-.､
　　　　＼　ヽ　∨}:::::::j
　　　　　　＞｀　ゞミュ!
　　　　　 ,　　　　＼ ､ヽ
　　　　　,ﾞ　　　　 ､_｀ﾊ ∨　　　　　　　　　 .アサーニャがサラゴサの総合士官学校閉鎖を命じたのは、
　　　　ノ／　　　　　ゞュ.∨　　　　　　　　　予算上の理由もありましたが、
　　　ｲ　　　　_＿＿＿　　｀ヽ　　　　　　　　そこが反動的軍国主義の温床になっていると見たからでもありました。
.　　 ｜　　　´_　　-―-ﾐ 　 )ｒ}
.　　　ゝ　　'´　　　　　 ｀ー彡ﾘ､　　　　　　 .しかしこの措置によって、
　　　　 ｀　､　　　　ー-ﾐ　w,ノ　　　　　　　 アサーニャは、やる夫の永遠に消えぬ憎悪を買ったのです。
　　　　　　 ハー―ュ　i´｀ヾ
　　　　 　 ,..＜≦￣{三rﾄ､
　rー.: :´: : : : ﾍ∨ﾊ　{__ﾏ}､
. : : ヾ: :､: : : : :∧∨ﾊ　}__ﾏﾑ
: : : : :.∨ﾏ: : : : ∧∨ム {__ﾏﾑミ : ,
; : : : : :.∨ : : : : ;ハ.トマﾍ }_ﾏﾑ: : ﾏ:､
: : : : : : :.∨: : : ﾉ: : ＞ュﾐヽ {.ﾏﾑ: : :∧
: : : : : : : :.∨: /. : : : : : : / ∨}_ﾏﾄ､: : :}
彡'｀ ー -: :}: :, : : : : : : : ＼ ゝマハ}: ｜

　 　 　 　 . ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
　 　 　 　 　 .ヽ !| !　,- -、 / !,' /
　　 　 　 　 　 .ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
　　　 　 　 　 　 .ヽ (::___:;;)　/
　　 　 　 　 　 ._　,'　 　　 　　',. _　　　　　　　　　さらに政府は、民衆の共和国への熱狂的支持を維持するため、
　　　 　 　 　 　 .ﾌヽ ヽ /　 ／l　　　　　　　　　　一種の「責任問題」を俎上に載せます。
　　　　　　　　　,' ヾゝ　　　ｨﾌ ',
　　 　 　 　 　 .| _ 　 　' l 　　 __L＿　　　　　　　 王制末期の要人に、
　 　 　 　 . ' ´ﾆt-_　　‥ 　, _メ ､_　　　　　　　　しかるべき「責任」をとらせるというものでした。
ー―-､ _r　'´　　 _ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、...
　　　　　＼　 ＼　　　r ､　卜、 l⌒!　.r‐､ _
　　　　　　 l　 　 ＼　ﾉ　| ￣　l/　/　/　/　〉
＼　　　　　|　　　　 〈　 丶__／　/ ／　/　/＼
　 l　 　 　 ﾉ　　　　　 〉　　　　　¨´　／　ｲ　 /







　まずベレンゲル将軍が逮捕され、かつてストを弾圧したモラ将軍も逮捕された。



　　　　　　　　　　　 |　　/ ｀ｰ‐'_＿__　＼. :.:. :＼
　　　　　　　　　　　 !　 」イ二 ＿,/ / ＼.ヽ..: .:.:.:.＼
　　　　　　　　　　 ,イ二ﾌr =､二´r＝､.:.;ﾞヾj､ .: .:.: .:.〉
　　　　　　　　　　　￣｀1(◎,)元,(◎,)_j」＼.::ヽ」.:／
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｲｰ-‐j⌒ゝ‐-‐'ﾞ^iｰ;:'乍7'´
　　　　　　　　　　　　 i{t､　,ｨ ﾆ>'ヾ､　　j;:;:,ﾍ;「
　　　　　　　　　　　　 ゝj,'　 _ ＿,,､､　u.::;ﾚ'ｿ;/
　　　　　　　　　　　　　jﾘ　'"￣｀ｰ'ﾞ ,'　,'::;i;:ｲ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ!　　´￣`　,'　.:j;::;!;:1
　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､　　　　 　.:,ｲィ;:;:/
　　　　　　　　　　　　 ,ｲ!. `ー一‐''.:´/.:.j:;:;:ﾄ､
　　　　　 　 　 　 　 　| ﾄﾐt､.: .:. .:_,､-‐''"´ .:.::i
　　　　　 　 　 　 　 　| | T j 「￣ T　　　.: .:.:.:|
　　　　　　　　 ＿_, イ 」 | ,! |　 　 |　　.: .: .::.::L_
　 r77´￣￣ 　　　　 `ヾj ,! ,! 　　」＿,．-‐'"´.:.:.:`ｰ- ､_

　　　　　　　　＞－ ' ´￣ ＞‐|:::::::::::::::::::::::::::ｲ　　 ﾉ　／
　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y　　　　　　　 .これは、長期的にみると意外に高くつくことになります。
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l　　　　　　　　民衆の支持とひきかえに、
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}　　　　　　　　軍部のなかに残したしこりは想像以上に深刻でした。
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
.｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::∨ ,l_/ ﾚ-‐./:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::
　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::〉 l　 〉 /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::

　これら一連の軍制改革は、右翼の新聞や軍事刊行物が、
　猛烈な反アサーニャのキャンペーンをおこなう契機となった。



　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,'
　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__::/
　　{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ ﾊ,'iヽ
｀ヽ ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 　 ｙ::,'::/
::::::/:ヽ::::::::::::::::::::::::::; _＿_＿＿__::::::::::::::::ヽ___/:::ﾚ′
:::::',:::::::＼:::::::::::::::< __　 　 _＞‐´::::::::::::::、::::::::::/
:::::::i::::::::::{:::::::::::::::::::::::｀￣´::::::::::::::::::::::::::::＼:::::,'
:::::::::｀ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>∧　　　　　　 ────おい、聞いたか？
::::::::::::::::＼__:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::＼
::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::＼　　　アサーニャの野郎、この前の議会で……────
::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::＼__
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀￣￣￣´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　　　／: : : : : : /: : : :／: : : : : : : ヽ: : : : :: : `､
　　　　　　　　　　　/: : : : : : : :/: : : /: : ,ｨ: /l: : : l: : |: : : : : : ::ヽ
　　　　　　　　　 　;´: : : : : : : /: : ／|／ .|/ .!: : /i: : !: l: : : : : :丶
　　　　　　　　　 .i: : : : :|: : : : |／　　　　　　|／　| /|: :|: : i: : : :ﾞヽ
　　　　　　　　　 i: : : : ::i: : : ::/ ´￣￣￣`''''　　　´　ヽ|: : | .|: :丶
　　　　　　　　　 |: : : :,-ﾘ: : : |　 '叨¨ヽ:::::::::::::::::::'`'-､_.i: : |: |: ヽ
　　　　　　　　　 .|: : :/-､',: : |　　` ー::::::::::::::::,/叨¨)`./: : |: i丶
　　　　　　　　　 .ｿ､::l,.( _ ﾘ､:|　　　　　　　　　l　ヽ,　/l: :/| i
　　　　　　 　 　 　 ,|::＼__ ヽ|　　　　　　　　　,　´　//|/ |/
　　　　　　　　　　　 ﾘl: ::| |　　　　　　 　　 　′　 //
　　　　　　　　　　　　 l::|ﾘ ヽ　　　 ヽ,― - 、 　 .//　　　　　　　共和国の最大の敵は、陸軍だ。
　　　　　　　　　　　　 ,ﾘ　　 `､　　　　`‐´　　／ﾘ
　　　　　　　　　,----亠--- ､_`.､　　　 　 ／　　　　　　　　　　俺は、この陸軍を粉砕するつもりなのさ。
　　　　 　　　 /／￣￣⌒`ヽ` ＼::`::-､,_, ´.

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





　　　　　　　 /::::ヽ:::::::::::::‐--- 、::::::/
　　　　　 　./::::::::::::ヽ:::::::::｀ ￣´:::::/
　　　　 　 人:::::::::::::::::',:::::::::::::::::::::/　　　　　　 ────なんてことをぬかしたそうだぜ……
　　_____／::::::i:::::::::::::::::::＼::::::::::::/
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ー<´
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ::::::::::::::::::::/::::::＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ー 、

　　　　　　　　＞－ ' ´￣ ＞‐|:::::::::::::::::::::::::::ｲ　　 ﾉ　／
　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!　　　　　　　　.もちろんアサーニャは
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、　　　　　　 一度もそんな発言はしていません。
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l　　　　　　 軍民関係の研究に長年取り組んできたアサーニャが、
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l　　　　　　 「陸軍を粉砕する」ことなど
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}　　　　　　 考えるわけがありませんでした。
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
.｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::∨ ,l_/ ﾚ-‐./:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::
　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::〉 l　 〉 /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::

　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　/::/::::./::::/:::::.|:::::ｽ::::: ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　!/:::::::|::::ﾊ::::./|:::::| i　 i　＼::.ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::i
　　　|:::::|::::|::::| ∨　＼| .＼|　　.ｿ　ヽ::::::::::::::::::::::::::i
　　　|::./|::::|ヾ──'　 | '───､　　i::::::::::::::::::::::::::i
　　　|/ .|::::::i　ｨ匕>　　　 K辷!> 　　.i:::::::::/⌒i:::::::i
.　　　 　ヽ::::ｌ.i　　 　i　　　　　　　　. i'i::::/ ソ i:::::::i
　　　　　　 lﾊi　　　ﾉ　　　　　　　　 　i::ﾉ－ /:::::::i　　　　　　　保守系新聞は好き放題書いてるけどさ……
　　　　　　　　i　　　｀　　　　　　　　　ｿ､_／:::::::ii'
　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　 / .i:.:ﾉｨ l::::i'　　　　　　　 俺はただ、軍事予算がもっと効果的に
　　　　　　　　　＼　´￣￣｀ 　　　／　 ｿ .|人ｿ　　　　　　　　使われるように努力してるだけなんだよ……
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　／　 ＿,,-ｰ'￣￣丶
　　　　　　　　　　　　＼＿＿／／:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　＿-──ｿ──:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　 ／:;＿:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　＜¨￣:;:;￣¨ﾞﾞヽ､:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　 /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＼:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;


　アサーニャは、ポルトガルやルーマニアといった国々の陸軍にも
　劣るスペイン陸軍の再生に腐心した。
　皮肉にも、1936年のスペイン陸軍の軍事的機敏さは、
　アサーニャの努力に負うところが多いのである。

.　 ヽ マ
　　　ﾍ　＼
.　　　 ﾍ　:. ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞ ´j
　　　　 ﾍ　ヽ　＼　　　　　　　　　　　　　 ＞ ´／,　/
　　　　　 ﾍ　丶　 ヽ　　　　　　　　　　／　　,ｲ　　 '
　　　　　　 ﾍ　 丶　∨　 Y´￣｀ヽ 　 '.　　 / ／／
　　　　　　　 ゝ .ヾﾐ:.　ﾏ　ト .三斗　/　　,ｲ , イ
　　　　　　　　　 ＞ ､｀ヽ {ﾑｰ=彡､,'　 ／,ｲ
　　　　　　　　　　　　 /.　ゞミ:_:彡'　'zヂ
　　　　　　　　　　￣｀ヽ　､　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　 i 　 ＼:,　　 / ,.イ l
　　　　　　　　　 　 /　　　　　　'　ﾞ　　 ﾏ　　　　　　　　　　　　　　.しかしながらこうした改革は、
.　　　　　　　　 　 〈　 ヽ.　､ 　 　 ,　 /　∨　　　　　　　　　　　　　不平不満の将校団に、共和国にたいする
　　　　　　　　　　,ム　　￣　　　 ￣　　 ﾉ.:≧ュ .　　　　　　　　　 陰謀をたくらむ機会をあたえることになるのです。
　　　　　　　　 ／.::::}ヘ　　　 j {　　　／.::::::::::::::::::ヽ:.｀ヽ
　　　　　　,. イ.::::::::::|:::::{｀ヽ ､_ _,　,.イ,:::::∨.::::::::::::::::i |::::ﾊ
　　　 r≦:::::::::::':::::::::|:::::| ≦≧^≦zjﾑ:::::::.∨.:::::::::::::j l:::::::|
　　 /.:::::｀｀ヽ::::::::::::::|:::::|　 }__{　}＿}　}:::::::. ∨.::::::::::, ,'.:::: j
　　i.:::::::::::::.ヾﾏ::::}､: |:::::∨ {__}　{___{　!:::::::::::.∨.::::://.:::::ｲ

.　ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
. 　 ヽ !| !　,- -、 / !,' /
.　 　 ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
.　　 　 ヽ (::___:;;)　/ 　 　 　 . ,-､
.　 　 _　,'　 　　 　　',. _　 　 .///
.　　 　 ﾌヽ ヽ /　 ／l　 .∩,///
　　　..,' ヾゝ　　　ｨﾌ ', :...|／二ヽ.　　　　　　　 混乱のなか、1931年の末から1932年のはじめにかけて、
.　 　 | _ 　 　' l 　　 __Lヽ| | ソ　|　　　　　　　 治安警察の暴走事件が2つ生じます。
.　' ´ﾆt-_　　‥ 　,　メ　 ;ヽ ( 　 |‐､
.　'´.,-､.._ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、 .ゝ､,,,..|.゛;ヽ
　　..ヽ',　 |::,-.." ." ,/|/　　/ゝ‐'＼ ﾉ
　　, ‐'‐'‐'||＿_,,,.' 　 |　　 | |ヽ　　 ＼
　 |　　 ／:::::::／　　　|　 //:..ヽ　　　 ＼
　 | 　/::::::::／　　　　 .ヽ‐::::::::::ヽ　　　　 ヽ
　丶　|:::／　　　　　／:::::::::::::::::/＼　　　　|
　/ ゛‐|＿＿＿　／:::::::／::::::::/:::::::|丶､＿ﾉ
./ 　　 |　　　 ／￣￣::::::::::::/:::;;ﾉ;ﾉ

　1つは、「カスティルブランコ事件」である。
　バダホス地方の寒村カスティルブランコで、農業労働者のデモに、
　治安警察官が発砲して死傷者を出した。



　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
　　　　　　　　　　　　/⌒''⌒) :,,゜　　　　　 '　　　　　　　　 ,,,,,,,
　　　　　　　　　　　(:::::::::::::::!'　　　　　　　　　　　　　　　　 (::::::)
　　　　　　　　　　　ヽ::::::::';'''　　　　　　　　　　　　　　　　　''``　　 。
　　　　　　　　　　 τ'::/ .;:
　　　　　　　　　　　 )/
　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　'　　、　　　　　　　;:　。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''`~''・　　　　' `
　　　　　f''`⌒(　　　　　,,,,　　　　　　　　　　　　　　　!:(',,,,、　　　　　　　　　　　　　　::,,,,,、...
　　　　　,!,,,、(　　　　　/::τ　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::)　　　　　　　　 　。 　!::::::::::`!　、
　:.、　　　　　　　　　　!:::(　　　　　ﾉ::`!　 　o　　　(::::::::::::::::::τ　　　　　　　　　　　　(:::,,;,;,、; 。
　　　　　　 ゜　　　　　(/　　　　　　⌒・　.　　 ・、;::::::::::::;;.;`` ''
　　　　　,,、..　　　／/　　　ノ'　　　　　　　　 　/／'''`'`'` `　　　　　　 ..,,.. _,,,.、 ・　　　　　　　　　,, ...:・..
　　π /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　・っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '`'''::::::::::;''
　　　):::::::::::::::::::::::::::/　　'''''`　　　`　　　　　　　　'`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒　` !.:::τ''　``
　τ　!::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,,　γ　　　　　　　　　　　　　　 :'`'``:!
　　　(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'　　　　、,:'::::::`:::,,,,　　　　　　　 !:::::ノ　　　　　　　　　・
　::：':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ｰ''''`'`''''''''"



　農民の反発はすさまじく、発砲した治安警察官はリンチにかけられ
　殺害された。

　 　 　 　 . ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
　 　 　 　 　 .ヽ !| !　,- -、 / !,' /
　　 　 　 　 　 .ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
　　　 　 　 　 　 .ヽ (::___:;;)　/
　　 　 　 　 　 ._　,'　 　　 　　',. _　　　　　　　　　 もう1つは、「アルネード事件」です。
　　　 　 　 　 　 .ﾌヽ ヽ /　 ／l
　　　　　　　　　,' ヾゝ　　　ｨﾌ ',　　　　　　　　　　それは、カスティーリャ北部のアルネード村で、
　　 　 　 　 　 .| _ 　 　' l 　　 __L＿　　　　　　　　靴工場の労働争議にかかわる抗議集会の際に、
　 　 　 　 . ' ´ﾆt-_　　‥ 　, _メ ､_　　　　　　　　 治安警察が銃撃をくわえて数人を死にいたらしめました。
ー―-､ _r　'´　　 _ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、...
　　　　　＼　 ＼　　　r ､　卜、 l⌒!　.r‐､ _　　　 いすれも、共和国政府に衝撃をあたえる事件となりました。
　　　　　　 l　 　 ＼　ﾉ　| ￣　l/　/　/　/　〉
＼　　　　　|　　　　 〈　 丶__／　/ ／　/　/＼
　 l　 　 　 ﾉ　　　　　 〉　　　　　¨´　／　ｲ　 /

　アサーニャは、ただちに治安総局長のサンフルホ将軍を呼びつける。



. /:.,:.:.／:.:／:.:.:.:.:.: ／:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.: ',:.:.:.l:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:',:.:.:.:.:',:.:.:.ヽ
/:.ｲ:./:.:.:./:.: ,:.:.:.:.:/:.:.:.:.:ｨ:.:ｨ:.:.ｨ:.:.:.:. ﾊ:.: ﾄ､:.:.:.:.',､:.:.:.',:.:.:.:.:.',:.:.:.:
´ .l:/:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:／ |:'.l:.:/.l:.:.::.:/ l:.:.'　ヽ:.:.:.l ヽ:.:.!､:.:.:.:.ｉ:.:.:.
　 |':.ｨ:.:':.:./:.:.:.:ｨ:.:／　　　l:/　l:.:.:./　|/　　 ヽ:.:l　 ヽl　:.:.:.:.!､:.:
―|ﾊ:. l:.ｲ:.:.:.ｲ l:/｀ｰ､　　|' 　 !:.:/　 '　　　　 !:'　 _ .－〉:.:.:l‐ヽ
　 '　ヽ!' l:.:./:l　' ィ＝≧ｪ.､　 |: '　　　　　　 _ｪ≦＝､/:.:',:.'
　　　 {　l:./:.:l　　　 __ヒラ_ ＞- '　 ゝ -＜_ヒラ_　　.':.:.:.:' !
　　　 !ヽl':.:.:.:!　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　':.:.:./ '
　　　 !　 !:.:.:ﾊ 　 　 　 　 　 　 　 ｉ:　　 　 　 　 　 ':.:.:.ｨ　　　　　　　いったい治安警察隊はなにをやってるんだ！！
　　　.! 　 l:.:.lｰ:. !j　 　 　 　 　 　 l.:.　　　　　 　 /ｉ:. / l
　　　l　 　 !:lヽﾊ　　　　　　 　 　 l.:.:.　 　 　 　 / .!:/　 !　　　　　　 君は、まったく職責を果たしていない！！
　 　 !　　　l:l 　 ヽ　　　 　 　 　 /:.:　　　　　／　 !'　　 !





　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , =-､
　　　　　　　　　　　　　　　 ,'´三｀::"三ミi_,,...,,
　　　　　　　　　　　　　, ='"彡 ミ::::彡　ﾐ::::::::::::i
　　　　　　　　　　 　 ,'((,､ｼノｲ{{ }} ヽ)) )ﾐミ::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　ヾ巛､ﾉ{{ )}（　./)} {(ヾﾐ､ )）））
　　　　　　　　　　　　　）)), =-､ヽ)/ , "⌒ii》,-､//
　　　　　　　　　　　　,i'"ﾘ|{　　ヽ　 /　 　 }|r i.i《(ヽ
　　　　　　　　　　　 ヾ《〈| ﾄ､　o|u |o　 ノ''|:ト!|ミ:（
　　　　　　　　　　　　　）ﾘ||vﾞ＝|　 |ﾞ＝"u !|ンﾐ:::::）
　　　　　　　　　　　　 （(( !ﾄ,,_⊂､_, ⊃_,.._ｒ ﾄ､ミ::::（　　　　　 そ、そんな……！
　　　　　　　　　　　　　ヾ))|.!rェｪｪｪｪェｴi |.|　ヽミ::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　>;;!||-― y―‐-| !|　　iヘ;;;＿ヽ
　　　　　　　　　　　,. - ''"　!!ﾋｪェェェｪｪ」.!|　 /|　　|　　￣｀｀
　　　　　　　　　 ／|_,,. ‐ ''"ヽ二三三二 ノ.／::i　　|￣r ､｀ﾞﾞﾞ
.　 .,''''つ／）　　/　 |　　　　　/　 /ヽ　　.／::::::i　　i ヽ !　!(,ヽ
.　/ /／／ノ´)/　　|　　　　 /　 /:::::ヽ／::::::::::i / ）ﾄ .| |　| |　i
. 〈 Y ∠／／,' )　　| 　　　 /　 /::::::／ヽ;:::::::::i〈 〈 .|　| |　|/ ./

　 /　　／ 　 ..::/.::/　.:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l　　::ヽ｀ヽ
　i　　/　　 .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l　 !
　! 　 ! l　.:::::::/l/__l／　/／　 ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
　ｌ　/l/l .::::::/　＿_ ｀ヽ、　 　 ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
　 V く ｌ .:::/ 　 ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ　.::::::_j/　-―ｌ:::/.∧l
　　∨ｰ!::/　　　　｀¨　　 　 　 ／fr芹､:::／l/.:/
　　j/iヽl/　　　　　　　　　　 /.:::::┴'..:::/./　j/
.　　　ｌ::∧　 　 　 　 　 　 　 { ::::::::::::::/.:/
.　 __/V ::ヽ　　　　　　　　 ／..::::::::::/.:/　　　　　 もういい！！
／i/　 ! ::::::ヽ　　 　 _　　　 　.:::::／ j/
.三l　:: ｌ　:::::::ヽ、　　　__‐-..::::／　　　　　　　　　君はクビだ！！
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、　....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼



　サンフルホ将軍は治安総局長の職を解かれ、国境警備隊総監に格下げされる。

:::::::::::::::::::::|　|:::::::|　|::ヽ|　|:::| |　　　　　　　　　　　　　＼
::::::::::::::::::::::|::::|::＿|,,━--| ヽ| |　　　　　　　　　　　　 ／
::::::::::::::::::::::::|／￣ヽ |::::/ /::|ﾉ　　　　　　　　　　　　/
:::::U:::::::::／~ヽ＼:::::|ﾉ:::ヽ':::::/　　　　　　　　　　　　{
:::::::::::::::/::__,,＿ヽ|＿__＿::::::(　　　　_―--__　　　　 ＼
::::::::::::::::／~~　o￣￣　彡:::ヽ　　 /　::::::::::::::|　　　　　 ＼
　　　　|ﾐ≡＝=~＝彡~_　　:::::|　 |／"~~ヽ::::|　　　　　　 |
　　　　|::ヽ,,＿"" ,,, -'":::::::::::::| 　|:::::::::::::::|:::::|　　　　　 丿
　　　　|:::::　 　￣　　　:::::::::::::| 　|　---　|:::::|　　　　 ノ
　　　　|:::::　　　　　　 ::::::::::::::| 　|/:::::::::~::|:::::|　　　<
　　　　|＿　　　　　┏＝::::::::| 　|::::::::::::::::|:::::|　　　　＼　　　　　　　　 （あの野郎……！
　　　　　　￣ヽ 　 从::::::::::::::::|　|　--::::::|:::::|　　　　　　}
　　　　　　　　ﾉ　 ||;:::::::::::::::::::|　|/:::::::~/::::ﾉ　　　　　　 {　　　　　　　 共和国成立を助けてやったというのに……
　　　　　　　/　　　:::::::::::::::::::| /＼___／::/　　　　　　　　＼
　　　　/~￣　　　　::::::::::::::::::/＼＿＿／　　　　　　　　　　 ＼　　　　恩をあだで返しおって……！）
丶＿ノ　　　　　　　::::::::::::::::/＼　　　　　　　　　　　　　　　　　)
丶＿ノ"~~~`'＼　　　:::::::::::/　　＼　　　　　　　　　　　　　　 丿
＿＿＿＿＿＿~＼　:::::::::/:|　　　 ＼　　　　　　　　　　　　 /
┴┴┴_┼┼┼｝　 |:::::::/:: |　　　　　＼_ 　　　　　　　　　　＼
　　　　　 ~￣￣　　 |::::/:::: |　　　　　　　 /-,,＿　　　　　　　　 )
―――--ヽ,,＿＿;;/::/::::　|　　　　　　　/　　　 ~~"`'--,,＿　／
　　　　　　　　　::::::::/:::::::　|　　　　　　　{　　　　　　　　　　 ￣""` --、
三三＝　　　:::::::::::/:::::::::　|　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　~"`―

　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::.ﾞｉ　ﾞｉ　　　　!　!::::::.,'
　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::ﾞｉ　ﾞｉ　　　|　|:::::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ 　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!
　　　　　　　　　　 ﾐ 　 　 　　　ｨ、'　!　　　　　　.1931年4月におこなわれた統一地方選挙のとき、
　　　　　 　 　 　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'　　　　　　サンフルホ将軍は、内務省の治安総局長をつとめていました。
　　 　 　 　 　 　 '' 十‐- 　.,｀ィ 　 　ﾞｉ
　　　　　　　　　　　､　 .,　　 ｀!､　 　 〉　　　　　 そのときサンフルホ将軍は王への支持を拒否することで、
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`　　　　　　間接的ではありますが、
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´　　　　　 共和国成立を助けたという事実があります。
　　　　 　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、 ヾ
　　　　　 ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',
　　 ／､:::::ニニ二二ﾌ::::::::::::::::::::ヽ::', l
.　 /::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::ヽlj
　/:::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll

　　　　　　 ＿_ 　 　 , --　、
　　　　 r',ニ二¨ヽ､/∠ニヽ＼
　　　　j l r_三ﾆ 　 　 r三ヽ　 }
　　　 rリ '　 ,ｨ'ﾐ　ハ 彡'ﾍ　ヽ.＼
　　　{（(　ｉ　j,.ィ1{--ヽ.ﾄ, ,､　　j } ｝
　　　 )）' ﾉ 力ト､}￣´j.{｣ﾚﾍ.ｉ ' <.く
　　 ｛ !　' .ﾉ ,ﾘ jハ　 r'い}. jﾊ　j ﾘ }
　　　Y,ニ!l r.=＝= 　 =＝=.､ |にﾞY
　　 /{にﾞ|| ヽ.＿ﾟ,ｨ　.l､ﾟ＿,〃.|lこj.ﾄ､
　　{i_,ゝﾆl| ┐￣_｣　 |__￣┌ |lﾆ.ｲj_｝
ﾆ¨-‐7 : : ｌ ﾄ､.___ｰ､_, ‐'＿, ｲ.l : ヾｰ-¨ﾆ
: : : : l: : : : ｌ.l.lｴｴｴｴｴｴｴｴ1|.l : : : l : : : :
: : : :.|: : : : ||.l.lー─‐r──l.|.l|.: : : :|: : : :
: : : :|.: : : : |:l.ｌ.ｌｴｴｴｴｴｴｴl.j.ｌ:| : : : :| : : :
: : : l : : : : l:::l_｀￣二二￣´_l:::l: : : : :|: : :
: : :.| : : : : |::::ヽ￣￣￣￣／::::|: : : : :| : :
: : :l : : : : :l:::::::::::＼ 　 ／:::::::::::| : : : : |: :







　 　 　 　 . ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
　 　 　 　 　 .ヽ !| !　,- -、 / !,' /
　　 　 　 　 　 .ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
　　　 　 　 　 　 .ヽ (::___:;;)　/
　　 　 　 　 　 ._　,'　 　　 　　',. _
　　　 　 　 　 　 .ﾌヽ ヽ /　 ／l
　　　　　　　　　,' ヾゝ　　　ｨﾌ ',　　　　　　　　 サンフルホはクーデターをもくろんで、
　　 　 　 　 　 .| _ 　 　' l 　　 __L＿　　　　　　.他の高級将校と連絡をとりはじめます。
　 　 　 　 . ' ´ﾆt-_　　‥ 　, _メ ､_
ー―-､ _r　'´　　 _ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、...
　　　　　＼　 ＼　　　r ､　卜、 l⌒!　.r‐､ _
　　　　　　 l　 　 ＼　ﾉ　| ￣　l/　/　/　/　〉
＼　　　　　|　　　　 〈　 丶__／　/ ／　/　/＼
　 l　 　 　 ﾉ　　　　　 〉　　　　　¨´　／　ｲ　 /

　　　　　　　　＞－ ' ´￣ ＞‐|:::::::::::::::::::::::::::ｲ　　 ﾉ　／
　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l　　　　　　　サンフルホは、7月にやる夫の赴任地である
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l　　　　　　　ラ・コルーニャをおとずれて、
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}　　　　　　　やる夫に軍事蜂起に参加する可能性を打診します。
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
.｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::∨ ,l_/ ﾚ-‐./:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::
　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::〉 l　 〉 /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::

- 　 ..;;_:::::::::::::::::::,.:　'´　　　 | |　　 　 | |
::::.::: :.:.:.:.｀:.`ﾞｰi´＝==ｰ_ｰ- ｣ Ｌ.. __　 | |
:.::::::.:.:.:... 　 　 |　 　 　 　 ￣ｉ i￢＝ｰt |
::.:..　　　 　 　 |　 　 　 　 　 | |　　 　 | |　　　　　　 　 　 __
:.　, -rｔ--　 ...」_,　　　　　　 | |　　 　 | |　　　　　 x≦爪川
　 !　| | F＝=ﾐ. |＝＝‐_ー-''└ー　.._| |　　　　　 | }八L}ﾊ|
　 ｉ　| | |////,| |　　　　　￣| |￣￣｀'ｉ |　　　　　 |（_ﾄ､ﾐｰj|
　 |　| | |////,| |　　　　　　 | |　　 　 | |　　　　　 | xz公こ|
　 |　| | |////,| |　　　　　　 | |　　 　 | |　　　　　 |从行辷|
　 |　| | |////,| |　　　　　　 | |　　 　 | |　　　 　 └-----'
　 |　| | |////,| |　　　　　　 | |　　{爻爻〆　　　　　 　 {沁爻爻}
　 |　| | |」」」」｣ |=====ﾐ. 　 | |　 　 YＹ广 r─---　 .....L乂＿ﾉ＿_
　 |　| |-‐Ｖﾍ￢||| || || ||l 　 | |　 　 ﾉ八　 |￣　｢三二,.ｘ≦}┬r=＝
　 j　| |　　Vﾊ　|j｣L.＜⌒￣￣￣ （_＿_） ⌒＞｢三ﾆ/: : :/　| |
　 j　| |　　 Ｖﾊ |￣　　 ≧‐┬------┬‐≦　 ｢三 ,': : / 　 | |
.　 ! :| |　 　 |/ﾊ!＿＿＿_,＞|:. .　 　 . .:|＞ﾄ､_　｢三:ｉ: : :i　　 | |
.　 ! :| |　 　 Ｋ＿_＿_＿_ﾉｉ　|:. .　 　 . .:|:,.　'´￣｀`Ｙ|: : ,l.. ＿| |
-ｰ[〉| |-‐￢| r──ー､ | |　|:. .　 　 . .:|｢ ,ﾆ￢=─'_!ｘ1.|　　:|_| ￣
　 　 !｣　　　| | |　　 　 | | |　|:. .　 　 . .:|| |　 | |￣ | |　| |
　　　　　 　 | |_|　　 　 | |_| (乂:..　　.:乂| |: . Ll　　| |　| |
　　　　　 　 |_|　　 　 .::Ｌ!. .: .:.:.:￣￣＾:..|_l:::.:.:...　　| |　Ll
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 :.:.:.:....Ll





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　 サンフルホ将軍、
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　 今日は遠方からご苦労様だお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　＿_　　＿＿_
　　　　　　　　　/三三Ｙ三三三ヽ
　　　　　　 /三三三三三三三三三ヽ
　　　 ,-'三川川 , 三ヾﾂ三､川川川川川ト 、
　　 （:川川川川彡三ﾐ彡三ミ川川川川川リ
　　　 )川川川彡川州升州州ミ川川川川川
　　　 ﾌ川リ三彡￣ ﾒ八ル'￣``ヾミ川川川ﾉ　　　　　　 形式ばった挨拶はぬきざんす。
　　　'､川川ﾘ|,=＝｡=!　|,=＝=｡､::::|:::|ヾリﾘく
　　　　,リ川!|| `･=彡|　| ミ==･‘..::::|::|こ!|川.ヽ　　　　　　 今日ここに来たのはほかでもない……
　　　（川川り| ┐　 r'_ _`,　　┌:::::::|:|!シ川リﾉ
　　　　`!川川|ヾ三ﾆﾆｴニニニ'''ﾌ::::|!川川（　　　　　　　共和国打倒のクーデター、
　　　 ノ川川:;:|| |こ!ｺコココｺこ! !::::/川川川ヽ
　　 r'川川川:;:|| !二ﾆﾆＹﾆﾆ二!/::/　ト､__川川ヽ　　　　 これに参加してほしいって話ざんすよ……
　　 ヾ川;;_,.. -‐|ヾ三ニﾆニ三ｼ::/:;:;:;:|＿　￣¨`''ｰ
　-‐''"~´　_,...-,,|　　　=≡=　　/:;;::／|　 |￣¨`''ｰ-
　　-‐''"~´　 /　~/￣￣￣￣　／::::::::|　　|
　　　　　　 /　　/＼;:;:;::　　／:::::::::::::::::|　　 |

　　　 　 　 ,. -‐- 、 ／´ ￣ ｀ヽ　　　　　　ｎ
　　 　 　 /　 ﾆﾆ、ヾ　r',.ﾆ二ヽ ｝-=ﾆ二,¨ｽﾘ
.　　　 　 { r',ﾆ--　　 ′-‐ﾆ.ヽ {.　　　/／
　　　　　 } ! r　jﾆ,ﾍ ｆrヽ＼ヽ＼.ヽ.　／
　　　　 ノﾉノ,.イ/　 }.ﾊ. ､　ｌ│、ヽ,ﾚ7　l＼
　　　 (.く　,ｲｆ十-　{（-}.}‐!ﾄ､ヽ ! / /!　 ＼ヽ.
　　　 rリ ハい）　　jハ(__{! し !.|'イ {　 ＿.二,
　 　 ﾉ, ) |.⊆ﾆ･!　.i⊆ﾆ.･う, ｀i.ｆ,ヽ ) ）　ｰtﾏﾉ
　　（ (r　| ┐_´j　 |　｀￣┌　||rj }｛（　　 jﾉ´
　　　) ） |ﾄ､ ヽ、　_つ　 _,..イ.ﾚ‐く.ヽ.ヽ,ｲ　　, -─　　　　　　　今の政府はダメ、全然ダメざんす……
～‐く.'_　||ｌゝソﾉ='{ し-ｰくl」/ ,_- ､`ｰ（（､_ノ r'´￣
二ﾆ=‐-¨,ﾆ´＜Zｴ`ｪ'エ7ヽ. くl_:_ン.ﾉﾆ））‐-､二￣　　　　　　 とくにアサーニャ陸相、あいつは即刻排除せにゃいかん……
　　_,r- ｲl.ﾋﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃ'//`;‐-:イ‐-（（¨ﾆ._ｰ-
ニ:-‐_'ﾆ| ヽ.ﾆﾆニニ二ノ./ /|: : : :|: : : jﾉ: : : : :
‐'' ¨: : : L.＿_ｰ一　　　_/ /::|: : : : |: : : : : : : : :
: （:_: : : :./: : : :｢￣ ｀¨　 ノ :::|: : : : :|: : :O: : : : :
､　ヾ'￣￣'＼:|::＼.　 ／::::::: ! : : : : |: : : : : : : :
´)　ﾉ_7:7ヽ._くヽ;::::::Ｘ::::::::::::: |: : : : : |: : O: : : :
（ (: ././ｰ;:- ,二;__:' : :ヽ:::::::::|: : : : : :|: : : : : : :
.¨)j/./ー-;- ,_.二ﾌ: : :.∧:::/| : : : : : | : : : : : :
:-ヾｼ─-;-_.二ﾉ::::〉ｰ〈:::::V::|: : : : : : |: : : : : :
,.-─‐----イ::::::::l: : : :l:::::::::l: : : : : : :| : : : : :






　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , =-､
　　　　　　　　　　　　　　　 ,'´三｀::"三ミi_,,...,,
　　　　　　　　　　　　　, ='"彡 ミ::::彡　ﾐ::::::::::::i
　　　　　　　　　　 　 ,'((,､ｼノｲ{{ }} ヽ)) )ﾐミ::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　ヾ巛､ﾉ{{ )}（　./)} {(ヾﾐ､ )）））　　　　　　　　　だから……！
　　　　　　　　　　　　　）)), =-､ヽ)/ , "⌒ii》,-､//
　　　　　　　　　　　　,i'"ﾘ|{　　ヽ　 /　 　 }|r i.i《(ヽ　　　　　　　　　 だからこそクーデターざんすよ……！
　　　　　　　　　　　 ヾ《〈| ﾄ､　o|u |o　 ノ''|:ト!|ミ:（
　　　　　　　　　　　　　）ﾘ||vﾞ＝|　 |ﾞ＝"u !|ンﾐ:::::）　　　　　　　　　やる夫が参加してくれればもう、
　　　　　　　　　　　　 （(( !ﾄ,,_⊂､_, ⊃_,.._ｒ ﾄ､ミ::::（
　　　　　　　　　　　　　ヾ))|.!rェｪｪｪｪェｴi |.|　ヽミ::::ヽ､　　　　　　　成功は間違いなし……！
　　　　　　　　　　　　　　>;;!||-― y―‐-| !|　　iヘ;;;＿ヽ
　　　　　　　　　　　,. - ''"　!!ﾋｪェェェｪｪ」.!|　 /|　　|　　￣｀｀　　　 もちろん異論はないでしょう……！？
　　　　　　　　　 ／|_,,. ‐ ''"ヽ二三三二 ノ.／::i　　|￣r ､｀ﾞﾞﾞ
.　 .,''''つ／）　　/　 |　　　　　/　 /ヽ　　.／::::::i　　i ヽ !　!(,ヽ
.　/ /／／ノ´)/　　|　　　　 /　 /:::::ヽ／::::::::::i / ）ﾄ .| |　| |　i
. 〈 Y ∠／／,' )　　| 　　　 /　 /::::::／ヽ;:::::::::i〈 〈 .|　| |　|/ ./

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼ （ ;;;;(
　 ／　　＿ノ　 ヽ__＼) ;;;;)
／ 　　 （─） 　（─ /;;／
|　 　　 　 （__人__） l;;,´|　　　うーん……
./　　　 　 ∩ ノ)━・'／
(　 ＼　／ ＿ノ´.|　 |
.＼　 " 　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／







.　ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
. 　 ヽ !| !　,- -、 / !,' /
.　 　 ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
.　　 　 ヽ (::___:;;)　/ 　 　 　 . ,-､
.　 　 _　,'　 　　 　　',. _　 　 .///
.　　 　 ﾌヽ ヽ /　 ／l　 .∩,///
　　　..,' ヾゝ　　　ｨﾌ ', :...|／二ヽ.　　　 　　 このときのやる夫の態度は曖昧で、
.　 　 | _ 　 　' l 　　 __Lヽ| | ソ　|　　　　　　その発言はイエスともノーともとれる
.　' ´ﾆt-_　　‥ 　,　メ　 ;ヽ ( 　 |‐､　　 　　ものであったといいます。
.　'´.,-､.._ｨl ｰ┴-'ヽ':,ヽ、 .ゝ､,,,..|.゛;ヽ
　　..ヽ',　 |::,-.." ." ,/|/　　/ゝ‐'＼ ﾉ
　　, ‐'‐'‐'||＿_,,,.' 　 |　　 | |ヽ　　 ＼
　 |　　 ／:::::::／　　　|　 //:..ヽ　　　 ＼
　 | 　/::::::::／　　　　 .ヽ‐::::::::::ヽ　　　　 ヽ
　丶　|:::／　　　　　／:::::::::::::::::/＼　　　　|
　/ ゛‐|＿＿＿　／:::::::／::::::::/:::::::|丶､＿ﾉ
./ 　　 |　　　 ／￣￣::::::::::::/:::;;ﾉ;ﾉ

　その後、マドリードでも二人はひそかに会合している。
　このときは態度を明確にし、結局参加を拒む。



.　　　　　｛〃 r;三ミ､ 〃彡ミ（_
　　　　 　 ）リﾉ,ｨ,ｲr';ﾘ"`〈ぃヽミﾞヽ
　　　　r,=' 彡〈でｻく::v:::::`r}ﾋ7 ﾐ（
.　　 　 ｌ〃r;=:､} r;==ﾐ ij~,〃=､ﾞﾐヾ.)
　　　　ﾉ,ﾘﾊY^i|:{{　 e l:v i e　j}|.|:(
　　　（.(（(. {に|! `ﾐ＝'|::　ド＝''|.| )）
　　　　) ））｀フl ,コ_⊂、u,⊃,[ K(（
　 _,∠-‐'Ｔ´|　l.|[ﾞT'ﾃ=三=ﾃ']l|_ﾘ）)
　: : : : : :│: l　:l.|l.`' ┴┴‐'´l|| :｀¨''ｰ-　.._
　.:　: : : :.|: : ﾄ､::l.|ｌエエエｴｴl|.!: : : : : : : : : lヽ.
　 : : : : : |: : :|::::ヾ.二二三二ﾝ:| : : : : : : : : | : :l
　: : : :　ｎ , ‐_''ﾆつ＼　／::|: : :|: : : : : : : : | : : ﾄ､
　: : :　/.ﾉ' r´',二ﾆ⊃＾＼::::|: :⊂ニ'_‐.、∩: : /: :}
　 : : _ﾚ′'　"_二ﾆ⊃__/::ヽ|:⊂ﾆ二_`;:.＼l: : : : :ﾊ
　／｢l　　 '´　,.ﾆﾆ⊃!　|:::::::|⊂ﾆ二_｀ ヽ　ﾄ､: :/: :;〉
　: : ヽ＼_-r ´l::::::::::::|.　|:::::::l:⊂ﾆﾆ_` ｀　 ﾉi:}＼: :"ﾍ.
　: : : : ｀フ′: |:::::::::::|　 |:::::::| : : | : :｀ト- 'ノﾉ : : ＼ : ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　＼. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／（●) 　（●）　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(⌒(⌒(⌒ヽ　　　　 ／ ∪（__人__）　　 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ ヽ ヽ　 (⌒)　　|　　　　｀⌒ (⌒(⌒(⌒ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::　 　 |.　 ＼　　　　 　 ヽ　ヽ ヽ 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　 （　 ヽ　／ 　 　 　 (⌒):::::::::::　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 V 　　　 　 　　! 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ 　　　　ﾉ

　　　　　　　　　 　 　 .＿＿＿＿＿
　　　　　　　　 ,,.. ' ´　　　　　　　 　 　 ｀・ .,
　　　　　　 ., ・´　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　.／　／7￣i=､_　　ヽ ヽ　　　 　 　 　 ＼
　 　 　 /.　 ,ｲヽ.,'　 .l　 !｀ヽ　}　}　　　　　　　　　 ',
　　 　./..　　ｌ　 〉 　丶 l　 |ﾍ　　　　　　　　　　　　.',
. 　 　 l　　　ﾉ　,'　　　　　 丶i　 　 　 　 ／　　　 　 l
. 　 　 l　　 〈　 ｌ　　　　 　 　 |　　 　 ／;;;;,,,,　 　 　 l　　　　　　クーデターなんてのは、やる以上は
. 　 　 {　　...| 　 　 　 　 　 　 |　､_ｨ´;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　 }
　　　　', 　 .l　　　　　　　 　 ,'　　　　ヽ 　 　 　 u　/　　　　　　必ず成功させなきゃいけない……
　　　　..',　ﾉ ｀ヽ　　 　 　 　.,'　　　　　}　　　　　 /
. 　 　 　 ヽ〉､＿l＿_　　 　 .,'人　　　 ﾉ　　 　 ／　　　　　　　　今回の計画は、あまりに準備不足だお……
　 　_,. ＜ .ｒ'´　　　 ｀ー-､.,'_　　ー '　　　,. ＜　＞ .,_
. ＜　 　 .,'　　　　 　 　 　 .ﾍ、 　 　 ,. ＜　　 ／　　　＞ .,_
　　　　 .,'　　　　　　　　　　 ﾍﾍ　　∧　　 ／　　　　　　　　＞ .,
　　　　/　　　　　　　 　 　 　 ﾍl. 　|　ﾏ　/　　　　　 　 　 　　 　 ＼
　　　.〈　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾍ.　|　 ∨
　　　　V￣｀ー-､　　　 　 　 　 .!　|

　1932年8月10日、サンフルホ将軍の蜂起が決行される。



　　　　　　 , -- 、　 　 ,. -- ､
　　　　　　j 三ミ､ヽ.／　三ﾐ､ヽ
.　　　　r彡'⌒　　　　　　三ヾ､L_
　　　　 }〃ｆr三ヽ　r彡ﾆヽ　ヾヽ. ヽ
　　　 r'ﾉ ﾉﾘ ,イ/ﾊ ﾊ 三 }｝　 ）））　）
　　　ﾉﾉ,ﾉﾉ,ｲﾉ`{{ｰ{{‐ヽ,ﾐ ﾘ　（( (.　(
　　（((.〃/ {f＼｀:::ij~ｿﾍにヽ、｝｝} ､＼
　　　）)ｎ|'/'´＼ヽ~:/／'⌒ヾ､r,ﾆヽ }} j
　　 ((（| ||{{　　@| v:|　　@ jﾘ:|l-､|.| {（
　　　 )}l ||:`ﾐ=彡!ij :|ミ==彡'::||＾ｿﾉ ,j ）
.　　 （((ﾊ|!｀!u'こ′j｀つ v j｢ l|ﾆｲ ｛{.{　　　　　　　こうなりゃヤケクソざんすッ……！！
　　　 ヾミ| r'ﾆヽ.`ｰ'´ノ,ニヽ |＼ヾ ヽ`ｰ ､
　　　　　｀|.||⊥工工工.⊥|.| |　 ）川 `,っ j
　 　 　 　 |.||-─ｰr──-|.| |　（ ゝﾆ._（ (
　　　　　　|.|ｌｺコゴｺコｺｺj.| |.／:`ァｰ､ヾ. ）
　　　　　　ヽﾞ二三三二二／::::／ : : ;ゝ._ヽ
　　　　　　　　 　 　 ＞:'´::::::／: : :∠-─-ﾘ､
.　　　　 　 　 　 　 ∧::::::::／ : ;.ｨ´: : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 L:_〉／: :／/: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　 　 　 |: |:/: : /: : | : : : : : : : : : : : : : |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／"ﾞ'' ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::ヽ.,_,,.. .,,
　　　　　　　　　　　　　　　　_,.ﾉ:::::::::::::::::::;!:::::::::::ﾐﾞ'i,
　　　　　　　　　　　　　 , '"~::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::;;iiﾘ）
　　　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::::::::::::::;､;､=ミﾐ::::((（_
　　　　　　　　　 　 ,,. .ﾉ::::::::::;..､::ﾉ'ﾒr,.ノ.〃!::::ミ::::::ii !!）
　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::/r//　 ﾘ | ヽ!! ）ﾉ!::::川::ﾘ
　　　　　　　　,,. ..ﾉ:::::::::::::::///' _ ＼i　!　」」_{（巛(／
　　　　　　　　）:::::::::::::::::::::i /u～￣７u./＿_υ/!((
ー――---=ﾆ三/￣7'"~７,,.､'　 ,.､/　/＼　／彡ﾉ
.i――--- :.:.:,;,;,/: : /i 　/〃ｽ/ﾒ､ﾞi 　〈υ／《(
/ : : : : : : : : : / : : /:::|. /《///ﾒ/7ﾃﾗ'》／ﾉﾘツ
.: : : : : : : : : /: : : /:::::.Vυﾞ=＝､ｸ'ﾒ/／巛i"
: : : : : : : : :/: : : :/:::::::::ヾ'' -､.,,ヽﾞ=／:＼'"
: : : : : : : :./ : : : /::::::::::::::＼／!:ﾞ.-"i: : ＼:＼
: : : : : : : 〈: : : : /::::::::::::::／ヽ:::|: : : :|: : : : ＼:ゝ、



　それは、みじめな失敗におわった。
　やる夫の言うように、準備がまともにできていなかったからである。

　　 　　　　　 /'⌒ﾐヽ
　　　/⌒ﾞﾐ - '::::::::ミﾐﾞ'=- 、
　　　i:::::::ミﾐ:::::::::::::::::ミ::::::ﾐ,!
　 ,,.-':::::::::::::::::::::::;へﾍ、_;:::ﾞ=- 、　　　　　/"'' ー ''"￣
. （:::::::::::;;. !i⌒ヾ.ﾒ.ﾞ>-=、i.|⌒i::::i　　　　　ヽ,
　ヾ、::::/.{!ヾ、 ,/ /　　 ii.||;;ｺ|ミヽ、　　 　 (　　がぎぐっ・・・・・・！
　　 ):::::il⌒＼ﾞ " !　 ◎》.||_」|:::::::::ﾞミi　 　 ﾉ
　 く:::::::{i ◎　ヽu i,,__,,ノ'/ヾ.ﾉ:::::::::::::::i　　〈 　　げっ・・・！
　　 ）:::::《_　　_(　 し┐ !, =、!ﾞi:::::::::ミﾐヽ、）　　げっ・・・！
　　/:::::::::!.ﾐ''" ゝu ,-',ノi' iｺi | ﾞ'=;;:::::::::::＜ 　 　げっ・・・！
　　'-=,,_::ﾞ'i ! ﾞ''ﾆ=' イ レ" || |　　/!=-r''"〉
　　　 　 !;:ヽ（(_|__!-'"~＿,ri.|.|　 /::| 　|　,.( 　 　ごごごっ・・・・！
　　　　　ﾞ''-ゝヾ、 ,r<>┴┘!.|　/::::|　.| 7　）
　　　　　　 　 ヽ.i<>ｿﾆ￣ ﾞ"ﾉ ./:::::|　.| i　 ￣ヽ、
　　　　　　　　 ヽﾞ''"　,,.／"＼/::::::::|　| ヽ、 ./　 ﾞ'',⌒￣
　　　　　　　　　ヽ-''"　　　 　!ヽ;:::::|　| 　 ﾞ〈　　 /



　サンフルホ将軍は逮捕され裁判に付された。

　やる夫は、その弁護人を依頼されると明確に拒絶する。



　　　　　　　　 　 　　＿＿＿_
　　　　　　　　 　　／　　 　 　＼
　　　　　　　 　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 ／ 　 （＿） 　（＿）　 ＼　　　　　 『反乱をおこして失敗すれば、
　　　　　　　 |　 　 　 （__人__）　 　　 |
　 　　　　　　＼　 　　 ｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　当然、「死ぬ権利を得た」ものと思うべきだ』
　r､　　　 　r､／　　　　　　　　　　ヘ
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　 　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　　 　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ 　　　　　　 　 　 　 　　|　 |
　　　 　 　 |　　　　　　　 　 　 　 　 | 　|







　　　　　　　/: :　　　　　　　　　　　　 ＼　＼
.　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　 　 　　l
　　　　　 ,'　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _　　　 i
　　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　 ／;ﾐ､　　 l
　　　　　 l ,　　　　　 　 　 　 　 　 ヾー'　　 ヽ
　　　 　 ／ ,／l　　　　　　　　　　　　　　　　 'っ
　　　　< ／!: :/ ／: : ;　,. .-,　 ／　　　　　　　 j
　　　　　　 L: :´: : : :/／: :　／／　　/　　　　/　　　　　　.サンフルホは、死刑こそ免れましたが、
　　　　　　 /:, -/: : : : : : ／ :/　　 　.! ＿_ ／　　　　　　　長期の拘禁刑となります。
　　 　 　 　 　 /: ; ﾍ: : . : : :./　　　　　 ／
　　　　　　　　 ´,ﾍ/ ヽ／: :/　　 /ー ´
　　　　　 　 　 /三ゝ、　　　　　 i
　　　　　　　 /三三三三二ﾆﾆ＝-､

　　　　　　　　　　　　 ヽ. | !.|　 　 　 　 ,' ! ,'/
　　　　　　　　　　　　 　ヽ !| !　,- -、 / !,' /
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ`ヽ.l:`;';;| / ,'／
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ (::___:;;)　/　　　　　　　　　　　　このクーデターの直後、王党派の将校が
　　　　　　　　 　 　 　 　 _　,'　 　　 　　',. _　　　　　　　　　　 秘密結社「スペイン軍人同盟（ＵＭＥ）」を組織します。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾌヽ ヽ /　 ／l
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,' ヾゝ　　　ｨﾌ ',　　　　　　　　　　　これに対抗して、共和派の将校も「共和国軍人同盟（ＵＭＲ）」を結成します。
　　　　　　　　　　　　　　 | _ 　 　' l 　　 __L＿
　　　　　　　　　 　 　 ' ´ﾆt-_　　‥ 　, _メ ､_　　　　　　　　　 スペイン陸軍内部の政治的分裂は、
　　　　　　 　 　 　 　 '´　　 _ｨl ｰ┴-'ヽ　　　　　　　　　　　　 のちにスペイン内戦長期化の要因の1つとなりました。
　　　　　　　　　　　 　 _, -':::/lレ'二ヽl:: !`. ‐‐-__
　　 　 　 　 　 　 ,-‐'´..::::::::/::| | .!|　l .!::.|::::／:::::::: ',
　　　　　　　　　/｜::::::::::::/:::::| ! !|　! l::: |::::::,-::::ヽ:: !
　　　　　　　　　|　', ::::::::::/ ::: | | ||.　.l:,r:l,::'´/::::::.:ノｰ‐‐┐
　　　　　　　　　|　　::::::::::ヽ 　| l || ./,r/::＿,-‐'"　　　／
　　 　 　 　 　┌ン　: ::::::::::｀〉 l.! ll !:::／　　　　　,-‐'"
　　　　　　　　 l´::::::::::λ::::::::!､:l. lレ !　　　 __, ｲ
　　　　　　　 ./::::::::::::/　!:::::::::.＞'´　 ￣￣　　 |
　　　　　　　 !::::::::::::/ 　|　／　　　　　　　　丶　ヽ､
　　　　　　 / ::::::::::/ 　丿 ! 　 --‐ 　　 　 ヽ,|　　　 l
　　　　　 / :::::::::: !　　 ゝ ! .__, 　__､　 ,!　　 ノ' ､___,/
　　　　　,' 　:::::::/　 _,-‐'´ 　 ／ 　　,/ 　 .,'l: !
　　　　 ,' 　:::::::/.／　 　_,-ｧ"　　,-７　　., ヽｲ!
　　　 .,! ! 　::::// . ,ィ'´ l / 　 ／,､ l　　 .|　_/|::!
　　 　!. | : ::: !. `'´./ :::: !,′ / / ::::|　　 !:'´::: |:: ',
　 　,' :::|　:::/　　 ,' : ::::: !ヽ<´ :::ヽrヽ__ノ:::::: : |:::: ',
　　ヽ　: : ::l　　 / : ::::::: l　::::ヽ:::::: !::::::::::::::::::　!::::: ヽ

　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::.ﾞｉ　ﾞｉ　　　　!　!::::::.,'
　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::ﾞｉ　ﾞｉ　　　|　|:::::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ 　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!　　　　　　　 容易く鎮圧されたといはいえ、
　　　　　　　　　　 ﾐ 　 　 　　　ｨ、'　!　　　　　　　サンフルホ将軍によるクーデターは、
　　　　　 　 　 　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'　　　　　　　共和国支持者のあいだに強烈な衝撃になったことも事実です。
　　 　 　 　 　 　 '' 十‐- 　.,｀ィ 　 　ﾞｉ
　　　　　　　　　　　､　 .,　　 ｀!､　 　 〉　　　　　　 こうして安定を失った共和国政府は、
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`　　　　　　　急速に崩壊の道を歩むことになるのです────
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´
　　　　 　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、 ヾ
　　　　　 ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',
　　 ／､:::::ニニ二二ﾌ::::::::::::::::::::ヽ::', l
.　 /::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::ヽlj
　/:::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫がイスパニアの独裁者になるようです



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第三話　第二共和制

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終わり





.

本日は以上です。どうもありがとうございました。

次回「アストゥリアス革命」は、9月29日の投下を予定しております。

乙ー
報復人事としか受け取れないものなあ

乙でした
gdgdなのか、そうじゃないのか判断が難しい感じだｗ

乙でした。
真の独裁者ってのはこういう時勢を観るのがうまいよね。
しかしなるほどなぁ。キョンできたかあ。

乙

ボルボンはブルボンのスペイン語寄りの表記じゃないかな

乙
長い目で見れば方向性は間違っていないんだろうが短兵急すぎてむやみに敵を作りすぎだよな＜アサーニャ
理想は高いが足が地についていない。というか共和派全体がこういう傾向なんかな。

乙
細かい点では、よく解らん所も多いが
(急進右翼や世俗的教育制度や反動的軍国主義って何?とか)
大筋が理解できないほどの疑問点はなくて良かった