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┃｜　　　　　　　　やる夫は『新皇』を名乗るようです .　　　　　　 　 　 .　 ..｜┃
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　　　　　　　　　　　　　　　＜第四話＞　召喚







.

┌─────────────────────────┐
│　当時の兵士には、大きく分けて二つの種類があった。　　....│
│　　　　　ﾊﾞﾝﾙｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　従類と伴類である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
└─────────────────────────┘




　　　　　　　∧　 ∧
　　　　　　 |1/　|1/　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／@　@　@　@ヽ
　　　　 ／￣￣￣｀ヽ、　　　　　　　 　 　 　 　 /@／￣￣￣｀ヽ@ヽ
　　　 /　　　　　　　　ヽ　　 　 　 　 　 　 　 　 / /　　　　　　 　 |　 |
　　　/　 ⌒　 ⌒　　　 |　　　　　　 　 　 　 　 .| /　 ⌒　 ⌒　　 | @|　/ヽ
　　　|　（●） （●）　　 |　　　　　　　　　　　　 ||　（●） （●） 　 |　| / 　 ヽ
　　 /　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　|@| ヽ/〉　ﾉヽ
　 /　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　　|　|　//ヽﾉ /
　{　　　　　　　　　　　　|　　　 　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　 / /|//　　 `
　 ヽ、　　　　　　　ノ　　|　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　ノ / //
　　　｀`ー――‐''"　　　|　　　　　　　　　　　 ヽ｀`ー――‐''"ノx//x|
　　　 /　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　 　 　 ￣／○＼￣x //x| |
　　　|　　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　 　 　 | 〈__/ｙ/ヽ__〉x//ヽ,|x|
　　 .|　　　　　　　　|　　|　|　　　 　 　 　 　 　 .|x　x // x　x(⌒　 /x |
　　 .|　　　　　　　　し,,ノ　|　　　　　　 　 　 　 .|=＝＝＝＝//'ー'＝=|
　　　!、　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 　 　 !、＃＃＃〈/＃＃＃/
　　　 ヽ､　　　　　　　　 / 、　　　　　　 　 　 　 .ヽ､＃＃＃＃＃＃/、
　　　　　ヽ、　 ､　　　／ヽ.ヽ、　　　　　　　　 　 　 ヽ、＃､＃＃／ヽ.ヽ、
　　　　　　 |　　|　　 |　　　ヽ.ヽ、　　　　　　　　　　　_|＃_|_＃_|　　　ヽ.ヽ、
　　　　　 （＿_（＿＿|　　　　 ヽ､ニ三　　　　 　 　 （Y^ヽ（Ｙ^ヽ|　　 　 ヽ､ニ三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣￣
　　　　　　　【従類】　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 【伴類】

┌──────────────────────────────┐
│　従類とは、伴類に比べて数は少ないが、主人との関係が密接で、　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　最後まで行動をともにする精鋭の部下である。　　　　　　　　　　　　　　..│
└──────────────────────────────┘




　　　　　　　　 ∧　 ∧
　　　　　　　　|1/　|1/
　　　　　　／￣￣￣｀ヽ、
　　　　　 /　　　,,　 　　　ヽ
　　　 　 /　 丿 　＼　　　 |
　　　　　|　（●） （●）　　 |
　　　 　/　　　　　　　　　　| 　　　 日中は営所に出勤して、
　　 　/　　　　　　　 ^　　　|　　　　　　　　 ﾄﾉｲ
　　　{　　　　　　 　 /|　　　| 　 　　時には宿直（夜勤）することもあるよ。
　　 　ヽ、.　　　　／丿ノ 　 |
　 　　　 ｀`ー――‐''"　　 　| 　
　 　 　 ./　　　　　　　 　.　| |
　(⌒―|　　　　　　　 　 |　゛―^⌒)
　.￣￣|　　　　　　　　　￣￣|￣
　　　　.|　　　　　　　　 　　 　|
　 　　　!、　　　　　　　　　　/
　 　　　 ヽ、　　　　　　　　/ 、
　 　　　　　ヽ、　、 　　 ／ヽ.ヽ、
　　 　　　　　|　　|　　 |　　　ヽ.ヽ、
　　　 　　　（＿_（＿＿|　　　　 ヽ、ニ三

　　　　　　　【従類】

┌────────────────────────────────┐
│　一方、伴類は、数は従類より多いが、主人との関係は薄い。　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　いったん戦況が不利になると、蜘蛛の子を散らすように逃げてしまう。　　　 .│
└────────────────────────────────┘




　　　 ／@　@　@　@ヽ
　 　 /@／￣￣￣｀ヽ@ヽ
　　 / /　　　　　　 　 |　 |
　　 | /　 ⌒　 ⌒　　 | @|　/ヽ
　　 ||　（●） （●） 　 |　| / 　 ヽ
　　 /　　　　　　　　　|@| ヽ/〉　ﾉヽ　　　普段は農業をしてて、
　 /　　　　　　　　　　|　|　//ヽﾉ /
　{　　　　　　　　　　 / /|//　　 `　　　　戦さの時に徴発されるんだよ。
　 ヽ、　　　　　　　ノ / //
　　ヽ｀`ー――‐''"ノx//x|
　　　 ￣／○＼￣x //x| |
　　　| 〈__/ｙ/ヽ__〉x//ヽ,|x|
　　 .|x　x // x　x(⌒　 /x |
　　 .|=＝＝＝＝//'ー'＝=|
　　　!、＃＃＃〈/＃＃＃/
　　　 ヽ､＃＃＃＃＃＃/、
　　　　　ヽ、＃､＃＃／ヽ.ヽ、
　　　　　　_|＃_|_＃_|　　　ヽ.ヽ、
　　　　　（Y^ヽ（Ｙ^ヽ|　　 　 ヽ､ニ三
　　　　　　￣￣￣￣
　　　　　　【伴類】

┌──────────────────────────────────────┐
│　「良兼の営所に敵が集結、その数およそ数千騎────」　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　緊急の知らせを受け取った将門は、取るものもとりあえず、一〇〇騎ばかりをつれて　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　良兼の営所がある下野国に向かった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
└──────────────────────────────────────┘



　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣＼
　　　　　　 .ィ:::::.:.イ 　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 　 ＼
　　　　　／ﾉ;;;／/::::i::　　　　　／　　ノ　　＼　　　　＼
　　　　/ ::::::::::...ﾉヽ,,,/　　　　　|　(（●）) (（●）)　　　　|
　　　./　ゝ　... .ll::::::::巛＼　.　　＼　（__人__）　 　　　／
　　 /　.:::　:::::::::ll:::::::/:::::::::ヽ.　＿ノ　｀ ⌒´ 　　　　 　｀7ｰ;、
　　ヽ　::::　.:::::::ll::::ノ:::::::::::::::::::::──_　'　| .|　　｜|　{⌒Yｨ ､ ｿ
　　/　::::　::::::::/／:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::　 ﾉ .L＿_j,-Ｌﾉ　 ｀^ｰ＼＼'' ヽ
　 /　　　:::: ◇:::::::::::::::..　::.. 　　　　:::::丶:ヽ　　　　｀‐'/...::::.....　 　＼＼､ﾊ,
　/　:::::...- ノヽ::::::::::::::::::.. ::::..　　　　　::::: ;;l,__.>ｰ －７::::＼:::　　　 ^ <　 て ,,,,,,,,,,,,,　　　　,,,,,,,,,,,,,,,,.
　ゝ ⌒)ﾉ　　　＼:::::::::::::. ::::::..　　　　.: :::::__,∠　 　 /:::::::::＼　　　::::./'Y''~ヾ:::::::::::::,,,,,,,,,,,:::::::::::::::::
　＼_ノ　　　　　　ヽ::::::::::.. 　　　　 ..::　:::::、　// ｀Ｙ:::::::::::..　....::::::::::::::::::: 　;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　）:::::::::::　　　　..:::::　 ::::ゝ__ﾉ７ﾉ--￣~:::::　...:::::::::::::: ::::/''';;;;:::::;;;;;;;;;;;;::::::::::;;;;;;;;''
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　　　　　　　　 　 |ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::　::::::::::::::／
　　　　　 　 　 　 |　 :::: ::::::::´:::ﾉヽ::::::/./::::::::::::::::;;:::::::::::::::::　 :::::::::/
　　　　　　　　　　|　 ::　::: ::::::::::ヽ ::/ /:::::::;;;;;;'''''　＼:::::::::　　..:::/
　　　　　　　　　／ゝ::::::::::／ヽ::::::i/ノ;;...'''''　　　　　 ゝ::　　　:/
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　　　　　／.:／　　ﾉ　/　　　　　　　　　　　　　　／..::／ゝ::ヽ
　　　 ／.:／　　　|,,;;;|　　　　　　　　　　　　　 ／:::／　　l::::::l
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　/⌒ヽl　　　　　 |::::|　　　　　　　　　　／::::::ｿ　　　　　　 l::::l
./____-~　　　　　　|::::|　　　　　　　　　/⌒ヽ丿　　　　　　/:::/
　　　　　　　　.　 （:::::）　　　　　　　　 ￣~~　　　　　　　/:::/
　　 　 　　　　　　丶（_　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::/
　　　　　　　　　　ゝ__ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　l::::::ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヾ



┌──────────────────────────┐
│　この時将門がつれてきた一〇〇騎は、皆従類である。　　　....│
└──────────────────────────┘

┌───────────────────────────────┐
│　将門軍に対して、良兼らの軍勢は数では圧倒的に勝っていた。　　　　　....│
└───────────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　　　 .　 /,|
　　　　　_＿_　 _＿　　_＿,...　∥|　
　　　　　))。I／:: :: ＼ |I。( 　 ∥|
　　　　　＼ ＼::_::_:: ／ ／.. .. ∥|
　　　　　,/::＼_((⌒) ／ヽ　　 ∥|　
　　　／,＼=ﾆニ二二ﾆ=／,ヽ＋＋-
　　　＼　/　●　　　● ヽ／つ⌒)
　　 ／//　　　( _●_)　 ミI　／|x|
　　/三//__　　|∪|　__ ｀ ,／　 ｀ﾞ
　/ニ// ,|｡|_　ヽノ　_|｡|_ノ＼
　　(￣￣)　￣￣￣　 〕＼//
　　 ￣Ｔﾆ===∞===ﾆ!,〆`"
　　　｛I|三三|⌒I|三三〕
　　　　|｡｡/　　　(| ｡ ｡)
　　　　∪　　　 　（￣＼.　　　
　　　　　　　　　　 ＼＿).. 　　　　
　　∩　　　　　∩　　　　　∩　　　　 ∩　　　　∩　　　　 ∩ /⌒)
　　| 　￣￣￣　ヽ/⌒)　　| 　￣￣￣　ヽ　　　| 　￣￣￣　ヽ　/∩　　　　 ∩
　 /　　　　　　　　|　/　　/　　　　　　　　| ∩　　　　　∩　　　,/ | 　￣￣￣　ヽ
　 |　　　　　　　　ﾉ /　 　|　　　　　　　　ﾉ | 　￣￣￣　ヽ,/⌒)　/ 　　　　　　　|
　彡､∩　　　　　∩　　∩､　 　　　∩　ヽ/　　　　　　　　|　/　 |　　　　　　　　 |
　　　| 　￣￣￣　ヽ　　| 　￣￣￣　ヽ　 |　　　　　　　　 ﾉ/　 彡､　　　　　　　ﾉ



┌─────────────────────────────┐
│　だが、戦意はあまり高くない。かれらは内心恐れていた。　　　　　　　│
└─────────────────────────────┘

　　　 　　　　∩＿＿＿∩
　　　　　　　 | ノ　　　　　 ヽ　　将門の騎馬隊の噂、聞いたクマー？
　　　　　　　/　　●　　　● |
　　　　　　 |　u　　( _●_)　 ミ　　∩＿＿＿∩
　　　　　　彡､　　　|∪|　　ﾉ　　 / 　　　　　ヽ|
　　　　　　 ／　　　ヽノ　 /　　　| ●　　　●　ヽ　　国香様も良正様も歯が立たなかったそうクマー！
　　　　　／　　　　　　　/　　　ミ 　(_●_ )　u　 |
　　　 ／　　　　　　　　/　　　　 ＼　|∪|　　　　ミ
　　　　　　　　　 　 　 　　　　　　　` ヽノ　　　　＼



　　 ∩＿＿＿∩ 　　　　　　　　　　　　 ∩＿＿＿_∩
　　 | ノ 　　 　u ヽ 　　　　　　　　　　　/ u 　 　 u └| 　∩＿＿＿_∩
　　/　 ●　　　● | 　 　 　 　 　 　 　 | ●　　　● 　 ヽ/ 　u　　　 └|
　 |　u 　　( _●_)　 ミ 　 　　　　　　 彡 　 (_●_ )　u　 |●　　　●　　ヽ
　彡､　　　|∪|　　､｀＼　　　　　 　 ／ 　 　 |∪| 　　 彡　 (_●_)　u 　 |　　　……俺たち、勝てるのかクマー？
/　＿＿　 ヽノ　/´>　 )　　　 　 　（　 く　　 ヽ ﾉ 　 ／ u 　 |∪|　　　　ミ
(＿＿＿）　　　/　(_／　　　　　　　 ＼_ )　　　　 　（ 　く 　 ヽ ﾉ　　　　　ヽ

┌────────────────────────┐
│　将門軍はまったく逆である。恐れなどまるでない。　　 　 .│
└────────────────────────┘




　　　　　　　　 　＿＿＿_
　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　 ／　ヽ、　 　_ノ　＼　　　　　　我々は寡兵だが、恐れることは何もないお！
　　　　　／ 　 （●） 　（●） 　 ＼　ｎ
　　　　　|　 　 　 （__人__）　　　　l^l.| | /）
　　　　　＼　　　　|i||||||i|　　　／| U ﾚ'/／)
　　　　γ⌒　　 　｀ ー'´　　　　ﾉ　　　 ／
　　　　 i　　j　　　　　 　　　ｒニ 　　　　ﾉ
　　　　 ヽ､ l 　　　　　　　　　 !ヽ､_,__／



　　　　　　　　　　　　　 　∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿_＿　　　〈⊃　　}
　　　　 ／:::＼:::／::＼.　　 |　　 |
　　　／ <●>::::::<●>＼　 !　　 !
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l
　 |　　　　　|!!il|!|!l| 　 　 　| 　／　　　　行けっ！　突撃！
　 ＼ 　 　　|ｪｪｪｪ| 　 　 ／／
　　/　＿＿　　　　　　　　/
　　(＿＿＿）　　　　　　 /

┌───────────────────────────────┐
│　将門軍は敵陣に突入し、敵たちはたちまち多くの死傷者を出した。　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　数千騎といえども、ほとんどが伴類である。　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　たちまち戦意を失い、浮き足立って逃げ出しはじめた。 　　　　　　　　　　..│
└───────────────────────────────┘




＼　　＼　　　　∩＿＿＿∩
　 ＼　　＼　　 | ノ　　　　　 ヽ　
　　　＼　　＼/ 　 ○　　 ∩＿＿＿∩
　　 |　　＼　　＼ 　 ( _●| ノ　　　　　 ヽ　
　　彡､　　＼　　＼　|∪/　　○　　∩＿＿＿∩
　 /　＿＿　 ＼　　＼ | 　 　 ( _●| ノ　　　　　 ヽ　や、やられたクマー！！
　(＿＿＿） 彡､＼　　＼　　　|∪/　　○　　　○ |
　　|　　　　/　__＿＼　　＼ ヽ |　　　　( _●_)　 ミ
　　|　　／(＿＿＿）　＼　　＼彡､　　　|∪|　　､｀＼
　　|　/　　　|　　　　　/　＼　　＼　　　 ヽノ　/ ´>　 )
　　∪　　　 |　　／＼(＿＿＼　　＼）　　　　/　(_／
　　　　　　　|　/　　　 )|　　　　＼　　＼　　/
　　　　　 　 ∪　 　 （　|　　／＼　＼　　＼
　　　　　　　　　　 　 ＼|　/　　　)　 )＼　　＼
　　　　　　　　　　　　 　∪　 　 （　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼＿)



　　　　∩＿＿　　　＿＿∩
　 　　/ノ　　ヽゝ≡ ´　 　 /ヽ
　　　 |○　　○ニ　●||||||● |　　　こりゃ駄目クマー！
　＿_ミ (_●_ ) 三三 ( _●_)　ミ
（＿＿丶|∪| 　＿_　　|∪|／ ￣￣`lつ:：
　ミミ 　/ヽノ ＿＿）￣l⌒ｌ　ι 　〇.:::ヽ:：
　 　 ＿|＿／　　　彡 .|　 |　 　 　⌒:::;;;;|:： 　　に、逃げるクマー……
　 ：/　　　　　　　　 　 |　 | 　 （） ●:::;;;;|:：
　 ：l,_丿￣￣ 　　 　 |　 |　ヽi:　ー〇;/つ─､：
　　：l,_丿￣￣ :` ──ヽ_,ﾉ─ﾉﾉヽ-￣-──'"：

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､ ,.､ﾟ 。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧i ヽ-‐'ヽ、。・ ﾟ o
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 , 、,　 　r'/ ∞ } fﾆ､i　V⌒'|/　　　　　何でどいつもこいつもすぐ逃げるのよッ！？
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,,;ﾞ::::::::ヾ ,,／!.:: ::/j_ `ｰ'　 j,:: ∞!　 , 、
　　　　　　　　　　　　　　　ﾌ:::::::::::::::::::ゞ':: :: !/ﾊ ヽ_, ｲ }}:＼::ﾚ´〃::｀ヾ　
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 7::::::::::::::::::（:: :: :: :{ｌ 　薔　|}::ﾉヽ::ﾉ::::::::::::::::`ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　/〃::::::::::;,〃´ゝ､_:: ::ﾞ=∞=″:: :: ::{:::::::::::::::::::::;ゝ､
　 　　　　　　　　　　　　　 '″:::::;,.''　　//　/:: ::.介:: :: ｌ`ｰ'´ `ﾞヾﾞ＼ﾞヾ､ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　〃:::;ゞ /　//　/:: :: :}{:: :: ::l ｌ|　i　＼　　　ヾ＼
　　　　　　　　　　　　　　　,ﾚ'　　/　/　 /}:: :: ∧:: :: ::{ iｌ　ｌ! 　　＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.:-‐イ´:＼/｀Ｘヽ／ヽ
　　　　　　　 　 ,.　-───‐ｧ'´.:::／:: :: :: ::/／　 入:: :: ＼､_
. 　 　 　 　 ／.:: ::. ::.::: :: :::／.: ::／:: :: ／:: / ＼／ 　 ＼:: ::.＼｀:.､
　　　 　 　 ＼::.:: :: ::, ‐'´.:: :／/:: :: ×.:: ::/　／＼　　　 ＼:: ､:＼::＼

　　　　＿＿
　　 ／ノ　ヽ＼
　／.（○）（○）＼　　　　（無理もない……将門の強さは知れ渡っているし、
　|. u.　（__人__）　|
.　|　　　　　　　　|　　　　　それに元々、大義名分に乏しい戦いだ────）
　 |　　　　　　 　|
.　 ヽ　　　　　　ﾉ
　　 ヽ　　　 　/
　　　/　　　　ヽ
　　　|　　　　　|
　 　 |　 　 . 　 |



　 　 　　　 　　 ＿＿__r----..､
　　　　　 　　 人＿:: :::「｀ヽ: :: .＼_ヘrヘ._
　　　　　　　｛:: :: :: :: , : :. :.　 :: ::. ヾ丶::. :: _}
　　　 　 　 　 〉:: ;; , ' "‐　￣　｀　ヽ,ヾ ヽ:: ::廴/
　　　　　 　 ｛:: :;; ／ /　　 l 　　i　 　ｌ　 .}:　}::.３
　　　　　　　　}::://　ﾄ､ i | iｌ　ｊ // |ｲ1 ｀|:: ∧|ヽ
　　　　　　　　 >;从 |ノv! ｌﾉﾚ｀ヽ ./__/ /:.r'　 |
　　　 　 　 　　 vi小ｌ●　　　 ●　川薔ﾖ i: 　|
　　　　　 　 　 　 !|l　| |､_,､_　| |　 |　 |ﾉ　i: 　i　　　　良兼兄、ここはいったん退きましょう！
　　　　　 　 　 　 |ﾍ .| | {　 } .| |　 j　/　　ｌ: 　!
　　 　 　 　 　 　 lr'⌒)､._￣_ (´ j　ァ　　 |: 　|
.　　　　　　　 　 /ヾ三}l￣(*)''{彡'´}ヽ　　|: 　|
　　　　 　 　　　|::::::::::ﾉl_,.イト､.|:::::::::l::::}　 |: 　|
　　　　 　 　 　 ゝｰ' ∧::::::::::::∧:_:_:j::::j.　 |: 　|

::::::::::::::::......i　　　　　　　　ﾊ:::::::::::　＼＿＼　　　　　　　　　　　　Ⅵi
＼::::::::::::::::ﾊ　　　　　　　　 i::::::::::::　　　　￣　　＿　　　　　　　　　>
::::::＼:::::::::::∧　　　　　　　　|::::::::::::.　　　　　i　iヽ､＼　　　　_ 　ィ　i､
::::::::::::＼:::/::∧　　　　　　　 |::::::::::::::　　　　　　＼ ＼＼＿ﾊ　　　　|_ゝ　　　　おのれ将門ッ！！
:::::::::::::::::V::/:::::＼　　　　　　 |:::::::　　　Ｕ　　　　　 Y⌒　　/: V　　 .|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 　　.|:...　　　　　　　 　>'´　　　./　　i　　　|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ 　 　 .ﾊ:::::...　　　　_ イ　　　　　/　　 |　　 /
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　ト-､＿,ﾊ｀　/　　　　　/　　　.|　／
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　＼＿＿| /　　　　　/　　　　|/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　 .V:::::/:::::ヽ　　　/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ＼ハ:::::::::＼ /





　 　 　 　 ／ｲ;小ヽノ::/　| |　｜ ＼ ヽ　＼　 ﾞ, 　 　 　 ｌ l　　ヽ
　　　 　 〈:{_/:/ |:|`ー'　　| |､rr==≧ﾐﾒ、　 ＼ i 　 　 ｲ | j　　　'
　 　 　 　 ヾ:/　|:|｜　 　 | ｌ　`＿ゝ'ノヾｰ　 　 |　 ／ |/|.′　　 l
　　　　　 //　　|:|∧　　　|　　｀''"￣`　　　　　lイ=ﾐﾒ､lﾉ　　′| |
　　　　 /::/　　 |:|　ヽ　　 '、　　　　　　　　　 、 ヽ'_ﾍ /　 /　/| |　　　　皆、国庁よ！
.　　　 /::/　　　|::|　　＼　 ヽ　　　　　　　　／　　 ゛''/　イ／　jﾉ
　　　/{:::{　　　 ﾚ′　　|｀ 　 ＼ 　 r＝ｰ ､　 　 　 　 ハ ﾉ　}　　　　　　 下野国庁に向かうの！
､　 /　￣　　　/|　　　｜　　　 　 　 ￣`ー'　　Ｕ　 / ／　ｲ
::::V　　 　 　 /　| 　 　 |　　　　　　　　　　　　　ｰ ニ´- ' ノ
―‐ 、 ､ 　 / 　！　　 |　　　　　　　　　　　　イ　｜
::.::.::.:..＼＼′　/ ｌ　　｜ ＿＿_ ＼　　,　　i´　l　　|
.::.::.::.::.::...＼＼/　 |　　 |７/::.::.::.::＞ﾄ二. 　 |　｜　 |
::.::.::.::.::.::.::.:..＼＼_,l　　 |/.::.::.:／ ´ 小:ﾄ＼｜　ｌ　　|




┌───────────────────────────┐
│　咄嗟の判断だった。しかし、国司らしい判断でもあった。　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　良兼は、上総・下総の国司である。　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　下野国庁に飛び込んで、これこれだと説明すれば、　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　下野国庁も決して将門には味方すまい。　　　　　　　　　　　　　...│
└───────────────────────────┘

　ｉ:/ i:ｨ::ヽ　　 |　l　i　! |　　ｉ 　 i　ｉ　! l　､　ヽ
　l:l_/!:レ'::〉 / | .li　l　! |　　| 　 l　|　! |　 |　 ﾊ
./:/ｉ ﾄｒ‐i´　.!‐トl､! l　! |　　|　 /　|　! |　 |　 | |
::/ .ｌ |:|　!　 .l≡＞≧l＼ 　 ｌ .//　ﾚ//　./　.ﾊ.!
　　| |:|　ヽ　|ﾔ''{ fﾝ}ヾﾐ　∨/ム一〈/　/　/　l|
　　| |:|　　|ヾ､　`'~　 　 　 　 ィtfｿ7／,}／　 " ,ｨ　　　　　 何ぼさっとしてるの！？
　　| ヾ 　 |　　　　　　　 　 　 `~ / ／ｨ|　　 ／/
　　.!　 　 i＼　u　　 　 __ ´　　<"ｲ　 l」 ／.:::/ 　　　　　　貞盛、あなたも来るのよ！！
　　 !　　 .ﾄ､.,へ　　　‘‐ ´　 イ　i ／/／.::.::./,─ｧ
　　 .l　　 l::::::::二_＞ -､.＜ 　,|　 !: : : : -- ―<＿
ニﾆiハ　 |::／／７只ﾄ､＼ ／:l　 .ﾄ､: : : : : : : : :‐-
:::::::::ヾ∧ |::＼｀´,ｲ　|:L/厶ー:|　 .!:::＼ : : : : : : : :





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 　　 'r r.r.r.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 | | | | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　u　 .ﾉ.ﾉ.ﾉﾉﾉ　　　　い、いや、私は将門の誤解を解かねば────
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾊ_ノ　 ヽ､__　 /　　　/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ (○）（○ )　.(　　 　l ヽー―ー-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 .（__人___）　 ﾑ　　 ｲ　 　　r　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　　 / ヽ`⌒´　　 |　　 .l　 　 /　　　 　､ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　 / 　八_ ､__ ／l　　　| 　 ,'　　　　　 l 　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 /　　　,'　　　　　　　ヽ|　　　|　ﾉ　　　 　 ﾊ　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 .l　　　∧　　　　|　　 　ﾚ'　　　　 ノ　 　　 l

',＼｢　 　 　 　 　 　 _＼ト､＼:.:.!:.:.|:.:.:　 　 　 .:.:| :.!:　ｌ.:.:
:.!　ヽ　 　 　 　 　 /:,:.! 　 ヽヽ＼:.:.!:.:.:　　　..:.:./:./: ./.:.:
ヽ.　 ゝ　　　　　　l:.//　　　 トゝ.ヽヽ:.:.　..:.:.:.:///l:rｲ':´　 ,:
　ヽ　､ヘ　　　　　ｰ'　　　　 　 　 ヽヽ':.:.:.:／/イ'T, !:.: ..:./:
　　　 ｀ -丶-_-- ――-_- 　 　 　 ヽ',:／ ／,ﾘ ,ｲ/:.:.:／／
ヽ　　　 ｀￣　　　　　　 ￣｀　　　　　 '′/'　'' //:.:／/´:　
ヽ:＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l`￢'イイl:.:./:.:.:
＼ ヽヽ　　　　　Ｕ　　　　　　　　　　　　 ',　　,'.: | !:/:.:.:　　　　　　　こ、この馬鹿ッ！
:.:.. ＼｀`丶　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　/:.: .!/:.:.:
丶､:...ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　,. '´　 , ':.:.: /:.:　　　 /　　　　　まだそんなこと言ってるの！？
　　 ｀丶､　,ィﾆ二二.._‐　.._　　　　　 　 ／.: :.:./: 　 ／／
　　　　　 〈 ､　　　　　 丁:.:ア´　　 ,. イ:.:.:.: ／,. ィ"／
　　　 　 　 ヽ二...__‐..二!／　 ,.ィ:´:.:!:.:!:.:-'‐:.´ l　|
　　　　　　　　　　　　　 ,...:.':´:.:.l:.:.:.:l:.:.!:.: 　 :　/ /





　　　　　/　　/　　　/《彡X＜＞¨￣　..:/::.:.:/:: /:.:::/..:/:::/:...:i.: l::..:.
.　　　　/　　/　/　/　ノ公イトﾝﾉ}　　.::/:./:/:.::/ :: / ./ :/ . . :ﾚ:':.:.:.:
　　　 /　　/::::/:. / 〃 //　||r¨.　..　 ./::　:.:/::{　 / ./ ./　 //　 /::..
.　　 /　　/..:: :: :/　}}　.}}.:... || /..::/.:../ .i　 /:ﾊ!_,/,〃 / ./// .／ :::.::
..　 /　　/:.:.: :. /:..　/　　 /..||化/　 i...:.:| ./ｲ＞ニヽ．／／／　.／::.
.　/　　/:::.　 ./:::..../　　./:.: ¨//.:ﾊ:::|i　:|/　ﾐ（・） 　ヾ　彡ｲ..／/.:. /
../　　/:.:..　 /:::::::/　 . /::: il i::.i: .ﾄ 从　/　　 `¨=- "　　 i./　／.:／　　　 将門はさくらを奪い、国香兄を殺し、
..　　/　　 ./.. : ./ .　 /::.　ﾊ.} ,|..::!ハ . {　　　　￣　　　　Vイ..／　　　　　 そして今、あなたも殺そうとしている！
　 ..:::...　 ..:... : /　　./　 ./:::i|　l　|:::∧ |　　　　　　　　　_ V´
　/ .::i　 /　.::/..:..イ　 .:/.:.:.:l.:...l　|./　ヽ　　　　　　　r ':.::/　　　　　　　　　ここに残ればどうなるか、分かるでしょう！？
./　　　/.　 /.:./:{　　 /　:::::| :..l　|{　　　　　　　ーrｰ'.:: /
　　　./　 ./:::::::/　　/　　::∧ .|　|=>､　　　　 , イ{ i..:::/
　　　}.:...:/ : : /　　i　　　::i　l.::|　|,,イ} ＞ _ ノ　　ヽﾊ｛
　　　 ／　 :::{ 　 ..l 　　　:l　 l::|　| // Ⅶ}}

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　グイッ
,,,,＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　⌒ヽ、　　　 ノ⌒`''''－- ,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　u　　ヽ (⌒　 ノ 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 __,,--
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀－へ,,,,,____ 　 　 ＼"''ヽ　_＿＿,,--－－''""￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣''''''－----- 、
　　＿＿ ,,　----─ ''' ￣￣ ＼　/⌒,!　/⌒,)　　　u　 ＼ ＿＿_　＼
￣　　　　　　　　 　　　　　　　　Y 　 ﾉ /　　/ /"`ヽ 　 _　.＼　　＼ 　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　∟___Y　　 /./　　/　　＼＼　＼　λ　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　.//　　:/./ﾞ`)　　＼.l 　|　　`┘　　　　　 ＿_,--－
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'--::`!　　 //　./　＼　`!　/　　＿,,--－''"￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ-.//　./　〉　 〉　〉"　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ-/　/　 /　/





　　　　　　　　　〈￣ﾆ/　 .i　/ / .|　| |　l　 ﾄ、　ヾ　ヽr==c〈</i
　　　　　　　　　_又_,' /　 |｀ト＼ l ﾄ| l　|　 | ヽ　 ,| 　 ゞ//ヾ＼|
　　　 　　　 　 〈ﾄ、 i .l　i　卞"ﾌ〒k,ﾚヽ!　 |__,}.∠| 　 }/人_ﾉﾊ ＼_
　　　　　　　 　 ゝﾆﾉ.ﾊ　＼ゞ上；ム　　　 　十≦ﾃ==ｘ行 |∨/＼/　　　　　　ついて来なさい！！
　　　　　　 　 // /,'./ .i ＼ ＞￣￣　　　　　　匕；_)_ﾉ ゞ|_| | トニﾆi
　　　　　　　 ｛｛　ﾉ/　 .! 　ヽ　　　　　 '　　　　　ー=ﾗ　 ,　|＼＼_　　　　　　　逃げるわ！！
　　　　　　　　　//　　 ﾊ ＼＞　　 , ´ ｀ヽ　　u　 ,_ノ　 /i　|　 l＼/、
　　　　　 　 　 //　　 / ,ﾍ　ゝ-　　l　　 　 l　　 ／　／/　八 ｜　　 、
.　　　　　　　 //　　 /　:　l　ﾍ　　 　 　 　 '　／　／一＜ 　 ｿ　　　　 、
　　　 　 　 ／/　　 / ;　i ._}　 ｌ＞　　　　　 / 　 /　　　 　｀ノ　ヽ　　　　 、
　　　　　 /　/　 ／　,' ／/ 　 ﾄ　「＞ー＜7　 ./. 　 　 　 　 ＼　＼
　　　　　 レ' 　/　　.〆 ./　／/　く<ハ//｜　/　　　　　　　　 ヽ　l ＼
　　　　／　　 //_, ノ 　/／ イ_,_,／/| ﾄ' ./| 　|　　　　　 　 　 　 ＼l_　 ー-
.　　　/　 i　 /／　　　｛｛__ﾉ_　　ヽ/ .|_|∨ ,|　.ﾄi、 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　 /　　l　 l l.　　　 ／￣　く_ｒｰ、_ｒｰ、 ｒ' |　ﾄ-ヽ　　 　 　 　 一、/）ｲ
.　 /　　 !　 | ｌ＼_,／/|　　/　! 　 ヽﾉ　｀´　l　l　　|　　 　 ／　　　（／)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -'"´　　　　　｀¨ー 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　ヾ　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 ,ゝ=＝=く、}; 　ヽゝ.
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　 　､_γ　r,J三;ヾ ｀ヾ,ﾄ┬-、i
　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　　　　　　 く( 　 {三●;= }　　)>● ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　ゝ　 ゞ'丕シ　 ノ　} 　｝
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　｀ ＝=＝ ´,ノ｀ー-'ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　 ￣ "'''"´　　}　　　　　　くっ……！
　　　　　　　　　　　　　　 ：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./
　　　　　　　　　　　　　　　i　　　Ｕ　　　　　　　　　　　　　　 　,!
　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　Ｕ　　　　　　　　　　　　！
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　.}　　　　!　　　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　 ヽ、　　　　　　　　　　i　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　ヽ、　　　　　　　　 |.　/
　　　　　　　　＿　--､＿　 /　　　　　　　　ヽ..,,_＿＿＿,,..ﾉノ
　　／´￣￣　 ＼::::::::|　　　　　　　　　　 　　　　ノ




┌──────────────────────────────┐
│　こうして良兼らは、最寄りの下野国庁に向かって走り出した。　　　　　....│
└──────────────────────────────┘

　【下野国庁】

　　　　　　　　　　　　 　 　 Д＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿Д
　　　　　　　　　　 　 　 　 ［[]!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!![]］
　　　　　　　　　　　　　　　|-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.|
　　　　　　　　　　　　　　　|.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.ゝ.
　　　　　　　　　　　　　　ﾉ=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.ゝ､
　　　　　　　　　　　 ｷIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIﾔ.
　　　　　　　　　　　ノ＿二三_-=＝-＿─￣三─≡￣-三=＝_-二＝三≡-_─＿二三_-=＝ヽ､.
　　　　　　　　　 ／二＝_-三￣≡_-=＝─≡_-￣_=≡＿二三二＝_-三￣≡_-=＝─≡_-￣_=＼,,
　　　　　　,,_,,,-''''＝_-三￣≡_-=＝─≡-￣_=≡_＿二三二＝_-三≡_-=＝─≡_-￣=≡＿二三''''-,,_,,.
_,＿,,_,,,-'''＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ "''-､,,,_,,＿,_,,_
ヽ @==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@　ﾔ
　`ヽ丶.}{　|艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸艸|　}{　 ／
　　　＼}{　|ｌ|!￣￣||￣￣￣||￣￣￣||￣￣￣||￣￣::┣━Д━┫::￣￣||￣￣￣||￣￣￣||￣γ∴⌒∴⌒ .；}{.／
　　　 　}{　|ｌ|!: ::::::::|iiiiiiiiiiiiiiiii|iiiiiiiiiiiiiiiii|iiiiiiiiiiiiiiiiii|jjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjj|iiiiiiiiiiiiiiiii|iiiiiiiiiiiiiiiiii|ir;(∵ ∴丿;∵;∴ヾ∴ヽ
　 γ;;⌒ ﾉヽ;;);⌒ ヽ|:::::::::::::::::| :::: :: ::::::| :: :::: :::::::||　 |＿＿||＿＿||＿＿| 　.| :: :: :: :::::| :: :: : (:;;ソ∴∵丿∴ゝ∵∴):∴::∴):
r;;ゞ(;::　丿;::　;;;;;ヾ;;),,):.＿＿|.＿＿＿|..＿＿＿||＝.＝.＝＝＝＝＝＝＝ |＿＿＿_|____`(∵(;ゝ(:::∴　ｿ)::〆:ソ":（∴;（∴;ヾ)
(:: ;;;;ソ;;　)　;::ｿゝヾ)　;;):::)==ii==ii==ii==ii==ii==|^|＿＿＿＿＿＿＿＿＿|^|==ii==ii==ii（ソ∴∵丿　∴(;ゝ(:::∴　ｿ)::〆:ソ" |;`ﾍﾞ
(:::　:（;;;;;（　 ;::).　(;ゝﾉ ::)Y...||￣￣｀ﾞr|￣￣￣/l--------------------lヽ￣￣￣|（∴ﾐ∵丿 ;`ﾍﾞ∴;（∴　∴(;ゝ(:::∴　ｿ)::〆:
((:::(::;〆;;;ゝ;::　;::))(　;::),ﾌﾞ__||_________||________/l----------------------lヽ____（∵ゝ丿;`ﾍﾞ∴;(;ゝ(:::∴　ｿ)（∴　∴::〆:ソ"ﾍ∴;
`ﾍﾞ(; ゛(;;;　(::::　ｿ)::〆:ソ|il!li!li|il!li!li|il!li!li|il!li/l------------------------|ヽ　(;ゝﾉ∵∴;（∴)::(:;;ソ∴∵丿∴ゝ∵:(:;;∴∵丿∴;
: : : : : : : : ゝ|;iｌ|!|ソ´~: : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : :ゞ|;iｌ|!|;iｌ|!|/: : : : : ; : : : : : : : :
: : : : : : : : ﾉ;ﾊﾉﾘヽ_ : : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : ; : :ﾉ;ﾊﾉﾘﾊﾉﾘヽ_: : : : ; : : : : : : : :
: : : : : : : :＾"''`"" ^: : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : ⌒＾"''`"" ^ : : : : : : ; : : : : : :

┌───────────────────────────────┐
│　国庁に飛び込むと、良兼は自分の主張を声高に告げ始めた。　　　　　......│
└───────────────────────────────┘




　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 厶|　|　　| 　 |　　　　｜　 |　　|　 |　＼ｊ:|、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //ﾚﾉ　|　　', 　 !　 　 　 !　 /　 /|　/　　|l＼丶　　
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 // |:| |　ヽ 　 ＼ ＼　　 /ｌ ,厶イ 厂ｲ　　 ||i:|　ヽ＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:||　ﾍ ＼　Ｌ　⊥＼ ヽ ′'´才　Tﾏﾘ　 　,' |:|　　 ＼>　　将門軍が押し寄せてくるわあ！！
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:|| 　 ヽ ヘl斗 ┬　　　　　　　￣` //　 /　|＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:|ﾍ　　 ∨ｰ┴ '´　　　 i　　　　　　/ ／　　|ヽく　　　　　兵を出して、何とか防ぎましょう！！
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:|　＼ 　 ＼　　 　 　 　 　_ ｨ 　 ／　ﾊ　　 |　　＼　　　　　　
　　　　 　 　 ,. -- ､,　 ､　　／　｀ 　 | ＼ 　 ＼　　 　 ｰ ´　ﾉ　 　 ., ′| 　 |　　 　 ＼ 　　　　
　　　　,.―＜,__　　 　 ヽ／ ＼　　　 ｌ　　｀　ー一 　 　 ｀　　 　 ／　　|　　l 　 　 　 　 >' / /／
　　　/　　　　　　　　　　ヽ.　ヾ＼　 ｜　 　 |　　｀ 　 .,_　 ＿ ／|　　　l 　 ,′　　　 ／　/／ ∠
　　__|　　　　　 　 　 　 　 .}.＼_〉:.:＞ﾍ　　　 ｌ　　　　 〉'´::.::.::.:｀:.|　 　 l　 / 　 　 ／　　　　／￣
　/　ヽ,　　　　　　　／　 {:＼　／／::.:ヽ　 　 l､＿＿/::.::.::∧::.::.ﾍ、　/　/　　 ／　　＿　-―::::::::
　{　　　 Ｙ----‐┬´　 　 、／／::.::.::.::.::.＼　 ∨::/>|::.::.:/　 ',::.::.:/>/／＿∠ ―＜::::::::::::::::::::::::::
/'、　　　ヽ　　　　|ー´ 　　ヽ, :.::.::.::.::.::.::.::.::.:＼ ＼＼＼/　　 !::.:/>/ﾍ〉,::.::.::.::.::.::.:＼＼::::::::::::::::::::
{　　ヽ　　ヽ　　　 ｌヽ_!´　　　ヽ..‐- ､＼::.::.::./::.:>､ ＼__　＿_└'／　　 {|::.::.l::.::.::.::.::.::ヽ ヽ:::::::::::::::
',　　 ヽ　　ヽ　　　 ,／　　　　　}:.::.::.::.::.::.::./::.:〈￣Ｌト ＼|　├/￣l_,.、 {|::.::.|l::.::.::.::.::.::.::丶...ｰ ､:::::
　ヽ　　ヽ　　、,__./　　　　　 ／ :.::.::.::.::.::./::.::〔 ＼　|　　ｨr乞ﾍ.　 ′ﾑヘ!::.:|l::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:＞＼
　　＼　 ヽ__／,' 　　　＿ ／:.::.::.::.::.::.::.:/::.::.::.:冫 　 〃 弋乏ゾヾ　ｲ:.:.:.く::.::|l::.::.::.::.::.:／, -―￢ /

　　　　　　　 　 　 　 , ｎ　／￣￣＼ .ｎ
　　　　　 　　　　 .　/ / ｊ.´_ノ　 ヽ、u'l lヽ、
　　　　　 　　　　　/,ｲ /　（○）（○） .ｌ i i i　　　 　 お待ちください！
　　　　　 　 　 　 〈 .ｒ　{u　（__人__）　.i. } } 〉.　　　　この合戦の性格はまだ分かりません！
　　　　　　　　　　', ｉ. 　',　 　｀ ⌒´　/ 　 /
　　　　　　　　　　 .i　 　l.　　　　　　,'　 ./　　　　　よく調べてからでないと！
　　　　　　　　　.　 ヽ､_.ｲ、.　　　　人　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　〈_ノ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　.／
　 　 　　　　　　　　　　　|　 　 . 　 |





　　　 　 〈:{_/:/ |:|`ー'　　| |､rr==≧ﾐﾒ、　 ＼ i 　 　 ｲ | j　　　'
　 　 　 　 ヾ:/　|:|｜　 　 | ｌ　`＿ゝ'ノヾｰ　 　 |　 ／ |/|.′　　 l
　　　　　 //　　|:|∧　　　|　　｀''"￣`　　　　　lイ=ﾐﾒ､lﾉ　　′| |
　　　　 /::/　　 |:|　ヽ　　 '、　u　　　　　　　 、 ヽ'_ﾍ /　 /　/| |
.　　　 /::/　　　|::|　　＼　 ヽ　　　　　　　　／　　 ゛''/　イ／　jﾉ　　　貞盛ッ！！
　　　/{:::{　　　 ﾚ′　　|｀ 　 ＼ 　 r＝ｰ ､　 　 　 　 ハ ﾉ　}
､　 /　￣　　　/|　　　｜　　　 　 　 ￣`ー'　　　　 / ／　ｲ　　　　　　あんたどこまで根性無しなのよ！？
::::V　　 　 　 /　| 　 　 |　　　　　　　　　　　　　ｰ ニ´- ' ノ
―‐ 、 ､ 　 / 　！　　 |　　　　　　　　　　　　イ　｜
::.::.::.:..＼＼′　/ ｌ　　｜ ＿＿_ ＼　　,　　i´　l　　|
.::.::.::.::.::...＼＼/　 |　　 |７/::.::.::.::＞ﾄ二. 　 |　｜　 |

┌─────────────────────────────────┐
│　この二人の言い争いを、その場にいた下野の掾※はじっと聞いていた。　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　下野守と介は出払っており、この場にいない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
└─────────────────────────────────┘




　　　　.':.:.:.:.:.,!':.:l:.:.:.:.!:.l　　　 ､:.:. ､:.:.:.:.:.:.:.:.! ､:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:. ｉ:ｉ!:.:.:. !:.:.:.l
　　　　l:.:.:.:.:ｲ:.:.:.:.l:.:.:!:ｉ　　　　 ､:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.!　ヽ:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.l:.:l:.:.:.:.l.!:.:.l
　　　　|:.:.:.:':.:l:.:.:.:.:l:.:. !　　___　　､:.:. ＼:.:.:.:.:!　__ヽ-‐:l:.:.:.:.:.:.!:.:l:.:.:.:l ｉ:.:.l
　　　　|:.:.:':.:._l:.:.:.:.:.l:.:l　￣____ ｀　 ､:.:.　ヽ:.:.:.!´_＿ヽ:.:.l:.:.:.:.:.l:.ｉ:.!:.:.:l .|:.:'
　　　　|:.:':.:.'　l:.:.:.:.: l　< {j:tｿ ヾ　　 ､. 　 :.ィｲ tｿ ｱ ::.lｉ:.:.:.:l:.l:ﾘ:.: l　|:'
　　　　|:ハ:{ヾ.l:.:.:.:. l　　　￣　　　　 ＼　 ',:ｉ　￣　　',:|:!:.:.:!:.':l:ｉ:.:ｉ . |'
　　　　|'　 l:ヽ .l:.:.:.:.l　　　　　　　　　 ｉ　ヽ ':! 　 　 　 '!:l:.:.!:.' l:.l:.l　 {
　　　 　 　 !:.:.:｀:!:.:.:l! 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　.':.:l:.':ハ|:.:|!　　　　………
　　　　　　　､:.:.:..!:.lﾊ　　　　　　　　　ｌ　 　 　 　 　 /:.:.:|':l 　 ヽ:!
　　　　　　　 ヽ:.:..|!:.:.ヽ　　　　　　 　 !　　　　　　 /ｉ:.:.:.ｉ:.:!　　 ヽ
　　　　　　　　 ヽ:.l.､:.:.:.ﾄ､　　　 ―‐　―‐　　 　 ｲ:,l:.:./l:.'
　　　　　　　　 　 :! ヽ:.:.:l ＼ 　 　 ー－ 　 　 イ:.:./.l:/ .|'
　　　　　　　　　　　　|　　丶　　　　　　／　|ﾊ:!　'
　　　　　　　　　　　　ハl　　 　 ｀ 　__ 　 ´　　 !ハ
　　　　　　　　　 　 / 　 l　　　　　　　 　 　 　 l　 ヽ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｶﾐ　ｽｹ　　ｻｶﾝ
　※掾（じょう） … 地方官位の一つ。国司（守・介・掾・目）のうち、三等官に相当する。

┌──────────────┐
│　掾は藤原秀郷という。　　　　 　 .│
└──────────────┘




　　　　./　.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::|:::::::::ﾞ''ｰ､
　　　　|........　　　:;:::::::::::／.:::::::::／:::::::::::::/:::::::::/::::::::::::|::::i:::::::.. ::|
　　　 .l::/:::::::::l::::/........./....　 ／..............／........./........　 ﾊ:::::|::::::　:|
　　　 l::i::::::::::::|:::|:::::::/.:::::／:::::::::::::::／.:::::::／::::::::/::::/ .|i ...|　､: .|
　　 ./::l::::::::::::::l::|:::::/.::::/::::::::::::::;／..::::;／ /::::::::/,::::/　i.l:::::|:::::|::::|
　　/,:'|:::i:::::::／i|:::::l:::::/:::::::::::;≠‐-:Z._　 /.::::／/:::/　,!::|:::::|:::::|:: l
　ノ 　 |::l::::/.斤l::::|::;ｲ:::::::／＿.|／ -､｀ﾒ::／　/::/-''7::::|::::|:::::|ﾍ:l
　　　　|::ﾄ::ヽ,弋l:::|/:|::::;ｲ　攵;:cﾘ￣`/／　　/,ィ-ｧ/:::::|::::|:::::|　|:!
　　　　.i:| l:::l.:＼,l::::::|::/:|　　　￣　　　　　　/'ﾞｰﾞｲ;':::::::l|:::l|::::| 　ヾ　　 どうも私は、平貞盛殿の言われることが
　　　　 ｌ|.ﾉ::|::::l:::|i::::|/:::|　　　　　　　 　 ／､　　/:::::::/.|::l.|:: l　　　　　 正しいように思われます。
　　　　,ｨ''〈 |::::j:::l !:::::::::|　　　　　　 　　　 　ヽ./:::::::/　ｊﾉ.l::/
　　　/,.;:;:;:;/／ｊﾒ　ヽ:::::|　　　　　　　　　 -‐.T:::::／　 　 j/　　　　　　 下野国庁としては、手出しを控えます。
　 ／{,.;.;.;.;.;.;ﾞヽ,　＼.ヽ;::ﾄ､　　　　-‐‐‐-　,ｲ l::::/
／,.;:;:;l,.;.;.;.;.;.;.;.;ヽ,　 ＼N.　`　､　　ー　／|/ .|::/
;:;:;:;:;:;:;:l,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.ヽ.　　ヾ､ ／､ﾞ ー '　　　　 |/
:;:;:;:;:;:;:;:;l,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;:ヽ､　　＼__. ヽ､::,＼

　　　　━━━━━━━━━━━━━
　　　　 藤原秀郷（ふじわらのひでさと）
　　　　━━━━━━━━━━━━━

　　　 　 　 　 ,　'´,
　　　 　 　 ／ ／　 , '　 　 ハ
　　　　　, '　 /　/ /　　　 ｌ　｜
.　　　　//　/　/ ,'　,′ｌ　ｌ|　 ｌ　! l　 　|
　　　 /〃 // ' /　/　 l|　ｌ|　 l　ｌ |　 　|
.　　 /// //､ /　 '/ /!|l　ｌ!　ﾊ ｌ| {　　｜
　　// l　|ｌ| | ｢トl| l !| l l|_厶⊥Ｌ!_|｀ｌ　 l
　 〃　|l |ｌl ,ｨ永 ｌ l |ｌ　|jﾑ=ミ/〃ﾉ|｜　l
　 {　　川lＶ| {ﾘ|　 ｿ　　 f℃　｀X ﾘ｜　|　　　　は……？
　　　　 　 |ｌ| ﾞﾌ　　　　　{じ' 　 ｲ/ /l|　|
　　　　　　l||!ヽ　　　　　｀iiT′/' ｨ　′|
　　　　 　 ﾉハ　 、__　　　＿彡1/ ,′ l
　　　　　　 　 lヽ ｀　　　　￣　/,' /　　l
　　　　　　 　 ! ∧　　　　 　 〈〈 ,′　 ハ
　 　 　 　 　 //　/ﾝｰ┬=≦三N　　 ,′|
. 　 　 　 　 //　∧　 /ｊ三三三｜　/l　 ｌ
　 　 　 　 //　/　 ∨/l三三三/ , / l|　|





　　　　.':.:.:.:.:.,!':.:l:.:.:.:.!:.l　　　 ､:.:. ､:.:.:.:.:.:.:.:.! ､:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:. ｉ:ｉ!:.:.:. !:.:.:.l
　　　　l:.:.:.:.:ｲ:.:.:.:.l:.:.:!:ｉ　　　　 ､:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.!　ヽ:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.l:.:l:.:.:.:.l.!:.:.l
　　　　|:.:.:.:':.:l:.:.:.:.:l:.:. !‐-　__　　､:.:. ＼:.:.:.:.:!　__ヽ-‐:l:.:.:.:.:.:.!:.:l:.:.:.:l ｉ:.:.l
　　　　|:.:.:':.:._l:.:.:.:.:.l:.:l　 _＿ _ ｀　､:.:.　ヽ:.:.:.!´_＿ヽ:.:.l:.:.:.:.:.l:.ｉ:.!:.:.:l .|:.:'
　　　　|:.:':.:.'　l:.:.:.:.: lイ 弋しﾘヾ　　 ､. 　 :.ィ弋しﾘ メ:.lｉ:.:.:.:l:.l:ﾘ:.: l　|:'
　　　　|:ハ:{ヾ.l:.:.:.:. l　　　￣　　　　 ＼　 ',:ｉ　￣　　',:|:!:.:.:!:.':l:ｉ:.:ｉ . | 　　　　 伺うところによれば、
　　　　|'　 l:ヽ .l:.:.:.:.l　　　　　　　　　 ｉ　ヽ ':! 　 　 　 '!:l:.:.!:.' l:.l:.l　 {　　　　　都から将門追討の命令は出ていないそうですね。
　　　 　 　 !:.:.:｀:!:.:.:l! 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　.':.:l:.':ハ|:.:|!
　　　　　　　､:.:.:..!:.lﾊ　　　　　　　　　ｌ　 　 　 　 　 /:.:.:|':l 　 ヽ:!　　　　　　　そうなるとこの合戦は私戦です。
　　　　　　　 ヽ:.:..|!:.:.ヽ　　　　　　 　 !　　　　　　 /ｉ:.:.:.ｉ:.:!　　 ヽ　
　　　　　　　　 ヽ:.l.､:.:.:.ﾄ､　　　 ―‐　―‐　　 　 ｲ:,l:.:./l:.'　　　　　　　　　　 したがって、下野国庁は加勢できないと
　　　　　　　　 　 :! ヽ:.:.:l ＼ 　 　 ー－ 　 　 イ:.:./.l:/ .|'　　　　　　　　　　　申しているのです。
　　　　　　　　　　　　|　　丶　　　　　　／　|ﾊ:!　'
　　　　　　　　　　　　ハl　　 　 ｀ 　__ 　 ´　　 !ハ

　 　 　 　 /＿＿{ｆ|:::::／　 ｌ　ｌ　　｜　　　　　 ヽ　　',　 ヽ　 / /
. 　 　 　 /〈匚／ｲﾄ＼　　 | ｜　　|　　　　　　　',　　ｉ　 ヽ∨ / 　 ／　／／
　 　 　 /　 ￣7　|l|___}〉　∥｜ 　 |　{　　　　　　| 　 | 　 　 ∨ ／　 ..::／
. 　 　 /　　 //　 |:|￣　 | ||　l　　 | | ﾄ　 　 　 | ∥　;　　　 ', Ｙ ／.::∠
　 　 /　　 , / l　 |:|　 　 l┼ヽ＼　|｜| ＼　　｜ﾊ　/ ｜　| |: l::.::.::.:／
　 ／　　　|:|　|　 |:|',　　　|ヽー=≧ｘ、ヽ　ﾞ,　//_｣./ｌ　 |　｜|:ﾘ::.:／ ／
／　　　　 |:|　|　 |:| ヽ　　| 　 弋_リﾉヾ'ｰ　|/ィ,T7/ ／ｊ　/ /::.::.::.∠ -‐::.::.　　　　かりにも私は、上総・下総の国司よ！
　　　　 　 |:|　|　 |:|　 ﾄ　 ヽ　　￣　　　　　　ゝ' /´ |::::／::ｲ::.:／.::.::.:: -―
　　　　／ 　 ｜　　 　|　＼ ＼　u　　　　　　　/ ／::.::.::.::.:／＿＿　 ｰ―　　　　 あんまり無礼なことを言うんじゃないわ！
　＼／　　　 ∧　　 　|＼　 ￣　　 _＿_,.　'　／´::.::.::.::.::.::.＜二 ＿　￣￣
＿__ ＼　　 / ∧　 　 ﾄ　 ＼　　 　 ￣｀　イ 　 |::.::.::.＜￣￣￣　　r―一
::.::.::.::＼＼/ /.::.ﾍ　　 ∨＞=＞　　_ ∠::.::.:|　　|::.::.::.::.::.＞　　＿＿￣￣￣
::.::.::.::.::.::.｀ ＜´＼ﾍ.　　∨::/∧:ﾄ＼く＿＿_|　　|￣￣ｰ―::.::.::.::.:ー- ::.::.::.::.
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.＼ ﾞﾍ　　∨/　|:|:::://::.::.::.::.:|　 ∧＿＿ー＜ ￣￣￣｀`￣





　　　　　　　r:::/:!::::. : : : : : : : : : : : :ヽ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　 ｲ::/::::!::::. : : ､: : : :ヽ､: : : : : ＼: : : ＼ : : : : ＼: : : : : ヽ
　　　　　　ｲ/:::/::::ﾊ:::::.::＼: : : : ＼: : : : : :＼: : : ヽ: : : : :ヽ: : : : : ヽ
　　　　　 ｲ/::::f:::,ｲ ヾ::ﾄ､: : ＼: : : : :＼: : : : : :ヽ : : ヽ: : : : : ヽ: : : :}
.　　　　　ｲ::::!::f::::!　ヾ:::k ＼: :　ヾ: : :: : :丶､: : : ヽ : : : ＼: : : : ヽ: : ﾄ
　　　　　ｊ::::!:::!::::! .,,_ ヾ:ヽ　 ＼ヽ､　 _ ,､-‐ゞ､: : : : ヾ: : : : ヽ: : : i : : !
.　　　　　i::::!:::!:::::ヽ, ｀ﾞヽ,　　　ヾ,r'",,.-＝ｚ　＼: : : : ヾ: : : :i : : 1: :/!
　　　　　 !::::!::ﾄ､::::::ヽt〒ﾊ､　　　 'ﾞゞ-'‐゜　　　）ヽ: : : : 丶: : ヽ! ﾉ
　　　　　　!::::ﾊ::! ヾ :::::l｀¨´ i｀　　　　　　　　　　　 ヽ: : ,.: : : ゞ: :ｲ
　　　　　　!:::!　ヾ　i:::::::!.　 /　　　 　 　 　 　 　 　 　ｿ:, ヽ:ヽ:ヾi　　　　　　 ええ、存じ上げております────
　　　　　　 ii　　　 ヽ::::ヽ 〈.,__　　　　　　　　 　 　 　 　ゞﾚ :ﾊ:ﾄ､
　　　　　　　　　　　 ヾ:::i 丶､｀　＿＿, 　 　 　 　 　 　　ヾﾚ/ヽ､
　　　　　　　　 　 　 　 ヾj 　 ＼　　ｰ　　 　 .／　　／　　　／
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 丶､._＿,,.イ　　 ／　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　 丶_,／　　　 ／




┌──────────────────────────────────────┐
│　心の中では、秀郷の言うことに理があると思っていた。だから、よけい始末が悪い。　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　良兼は完全に追い込まれた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└──────────────────────────────────────┘

┌────────────────────────────────────┐
│　一方、押しかけた軍勢の戦意の高まりの中で、将門もまた思案していた。　　　　　　　.│
└────────────────────────────────────┘



　　　　　　　 ＿＿__
　　　　　　／　　　　＼　　　　何モタついてんだよ、殺っちまえよ……
　 　 |＼／　　ノ' ヾ　　＼／|　
　　　|／ ≪①>　 <①≫ ＼|　　　　　　　　　　⊂ニニ⊃
　　　|　　 　 （__人__） 　　 　|　 　　　　 　　　　　＿＿＿_ﾉ Ｌ
　　　 ＼、 　` ＾＾＾＾ ´ 　,／　　　　　　　 　　 ／＼　／　 ⌒
.　　　／ ヾ 　｀ー‐"　"　⌒ヽ　　　　　　　 ／（○）　（○）　＼
　　 / 　 　 　 ヾ ,"　　　　　　＼　　　　 ／　　 （__人__）　　　 ＼　　いいや、国庁に手を出すのはまかりならんお！
　　 | 　 r　　　　　　　　　r＼,"⌒ヽ　 　|　 　 　　|::::::|　　　　　　|
　　　::::::　::;;::　　,,,　;;:::　,,::　　;;;;::::''　　　＼　　 　 l;;;;;;l　　　 　／l!| !
　　　 ::::;; ::::::: ;; ::::　::::::::;;;::　 ::::::;; γ⌒⌒／　　　 `ｰ' 　　 　　＼⌒⌒ヽ
　　　　　::::::::;;::::::;; :::::::;;;::::: 　　　 （_ノノ／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽしし_）
　　　　　　　:::::::::::;;:: ::::::::　　　　　　 （　　 丶- 、　　　　　　 しＥ　|
　 　 　　　　　　::::::;;;::::::::;;;;　　　　　　　`ー､＿ﾉ 　 　 　 ∑　l､Ｅ ﾉ　(
　　　　　　　　　　　:::::: :::::::　　　　　　　　　　::::::;;　:::::::　::::: :::::;; 　 ⌒
　　　　　　　　　　　　　:::::::::　　　　　　　　　:::::;;; ::::::::::::::: :::;
　　　　　　　　　　　　　 　::;;::.／￣￣￣＼:::;;;;::::::::;;;;;;;:::''
　　　　　　　　　　　　　　　／　─　 　 ─ ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　 <○> 　<○>　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 |　　　　（__人__）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　　　 ｀⌒´　 　　／
　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 　 　　　　 　 　 ＼

┌──────────────────────────────┐
│　こういう時に将門を助けるのは、分別人の弟・将頼であった。　　　　　　│
└──────────────────────────────┘




　　 　 　 　 !　　　　　　,.　 -‐── ────┴ ─‐┐
　 　 　 　 　',　　,.　　'´　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　 　 　 > ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　く　　　　　　　　　.　-‐=＝＝＝＝= ー-く
　 　 　 　 　 ＼　　,.　. :"´: : : : : : : : : : : : : : l: : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　>'´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ./ハ: :.l: :!: : : : : :l
　　　　　 　　 　i: : : .: : . :. {: : : : : : : :./　/ﾊ: l.: !: : : : : :}
　　　　　　 　 　|: : |: :.|: : : |::.:.:.:.:.:.｀メ､ //　V: :l: : : l : ;′
　　　　　　 　 　|: : |: :.|: : : |::|: : :∠イ_〃＞　Vく: :./}:/
　 　 　 　 　 　　＼|: :.|: : : |:.|: : :`弋夕ｿﾉ｀　tり:.:/ l/　　　 兄上、かかわりのない下野国庁を攻めるのは
　　　　　　　　　　　＼|ヽ: :|.:|: : : :.i.:|￣ 　 　ヽjⅣ　　　　　 さすがに具合が悪いよ。
　　　　　　　　　　　　 }ヽ仆ヽ: : : :lN　　 _ _／: :l
　　　　　 　 　 　　 ／￣￣｀`ヽ､: レ'´￣｀): : : :l
　　　 　 　 　 　 ／　　　　　 　　V　　`ー ﾕヽ.:.|
　　　　　　　　,ん子こ`ヽ　　　　 |　　　　　ﾕ､l./
　　　　　　　,ん'´: : : : `ヽヽ　　　|　　　　　l ﾊ'′





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　 ⌒　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／（＿ ）　（＿ ）　　　ヽ　　　　　そうだな────
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　⌒（__人__）⌒　 　u　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　 ｀⌒ ´　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 　 　 　 　 ＼

┌───────────────────────────────┐
│　この時の将門の心境について、『将門記』は次のように記している。　　......│
└───────────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　 ｀‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:.　　　　　　　 :.｀:‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:.:.:　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ_＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿__　　　 l:.:.:　　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.:.::.. ヽ　　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 _,-‐－'´..:.:.:.:.:.:.:.｀‐-､_l:.:.:.:.　　　　　　　　　　 .:.:.:.:.:...　 ヽ　　　ヽ
　　　┌───────────────────────────────────
　 ,イ│良兼は毎晩の夢に見る敵であるといえども、血筋を尋ねてみると近い関係にある。
／ｉ:l └───────────────────────────────────
:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:..:　ヽ　　　ヽ
:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:　 ヽ　　　ヽ
l:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.　　　　　　　　　　　:.:.:.　　:.:.:.:　 ヽ　　　ヽ
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:　　　　　　　　　 :.:.:.:.:　　:.:.:.:.:.　 ヽ　　　ヽ
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.　 :.:.:.:.:..　　ヽ　　　ヽ
..lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:　　　　　 　 　 ,-‐－-､_ :.:.:.:.:.:.　　 ヽ　　　ヽ
. lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:　　　　　　 ／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;｀－‐--､_＿_ヽ　　　ヽ
　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.　　　　 .／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三=ゝ
　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:　　 ./;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;__,-－'´三三‐'´
　 lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ..　/;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三 ‐－'´
　 .lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._＿ヾ´_＿,-－'´三三-'´
　　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl.　　　　　　　　 　 ┌─────────────────────────
　　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　 　 │　もし思い切って殺害しては、人々の誹りを受けるだろう。
　　 lｉ:ｉ:ｉ:ｉl .　　　　　　　　　└─────────────────────────
　　 .lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　_,-‐'´三三三三三-‐'´￣
　　　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　 _,-‐'´三三三三-‐'´￣
　　　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　_,-‐'´三三三三-‐'´
　　　 lｉ:ｉ:l/三三三三-‐'´
　　　 .lｉ:/三_,-‐'´￣
　　　 .｀´￣



┌─────────────────────────────┐
│　将門は思案のあげく、国庁を囲んでいた西の陣を解いた。　　　　　　│
└─────────────────────────────┘

　　　┌──────────────────────────────── ──　─
　　　└────────────────────────── ──　─
　　　┌──────────────────── ──　─
　　　└──────────── ──　─
　　　┌──────── ──　─
　　　└── ──　─



:./　　　　　　 f: : : : : ヾ三三三!: : :〔__l　ヽｌﾐ} 　lヾﾐx
/　　　　 ヽ ヽゞ‐' ヽ: : ヾ〃 y '}: : : : :}　　,lミ!.　l　ヾﾐ}
　 l　　　　 ヽ ヽ ヽく:__ﾊ:.ヽ辷 ﾉ!: :r‐ 'l　　 lミ}　 !　 lﾘ
/　!　　　　　ヽ /',ィ了（: :_:ヾ三l}: : :） ′　 ゞ' 　 l　　　　　　 良兼兄、将門軍が包囲を緩めているわ。
!　 l　　　　　　,' /::::ﾊ,　 l く:_ﾐ三!:r' /　　　　',　　',
l 　 !　　　　　l　l弋:ツ　 l 　 l三/ｰ-､,　-t＿_l　　 !　　　　　　どうも私たちを逃がすつもりのようね。
l　　',　､　､　 l　　　′　 ! l　lﾐ/,ィ´ : : : : ゝ=､!　 　!、
ヽ ヽ ヽ ＼ﾄ､l　　　　u　l l!　l/ー――ﾍ:.:.:. : :l　　 lﾐゝ
　｀ヽト､｀ｰ` ヾj　　　　　l lィ´<　>　　　iﾍ:.:.:...:l　　 lヽﾐゝ
　　　　　　　　 ト　´_　　/二二二二ニ/ﾐi:.:.:.:.ｌ　　 l :ヽﾐゝ
　　　　　　　　 | 　 l ,ｨ'/　/ ./　/　/　/ミi:.:.:.:.ｌ　　 l: : : ∧
　　　　　　　　 l　　l三l ７ .７. ７. ７. ７ミ/ーﾍｌ　　 l: : : :ﾍヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　人__／
　ｉ:/ i:ｨ::ヽ　　 |　l　i　! |　　ｉ 　 i　ｉ　! l　､　ヽ　　 ⌒ヽ(
　l:l_/!:レ'::〉 / | .li　l　! |　　| 　 l　|　! |　 |　 ﾊ　　　　 )て
./:/ｉ ﾄｒ‐i´　.!‐トl､! l　! |　　|　 /　|　! |　 |　 .　　　__ノ(｀
::/ .ｌ |:|　!　 .l≡＞≧l＼ 　 ｌ .//　ﾚ//　./　.ﾊ.!　 ｀Y^＼
　　| |:|　ヽ　|ﾔ''{ fﾝ}ヾﾐ　∨/ム一〈/　/　/　l|　　　　　　
　　| |:|　　|ヾ､　`'~　 　 　 　 ィtfｿ7／,}／　 " ,ｨ　　　　　え？
　　| ヾ 　 |　　　　　　　 　 　 `~ / ／ｨ|　　 ／/　　　　　
　　.!　 　 i＼　　　　 　 __ ´　　<"ｲ　 l」 ／.:::/.　　　　　　────それ、ワナじゃないの？
　　 !　　 .ﾄ､.,へ　　　‘‐ ´　 イ　i ／/／.::.::./,─ｧ
　　 .l　　 l::::::::二_＞ -､.＜ 　,|　 !: : : : -- ―<＿
ニﾆiハ　 |::／／７只ﾄ､＼ ／:l　 .ﾄ､: : : : : : : : :‐-
:::::::::ヾ∧ |::＼｀´,ｲ　|:L/厶ー:|　 .!:::＼ : : : : : : : :
:::::::::::::＼ﾍ/　 ¨ i:!　 ￣ .}:::::::::|　 .!:::::::::ヽ : : : : : :

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）　　　　 将門は、そんな姑息な真似はしません。
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　 あいつはそういう男です。
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　　 ／.:::::/ /　　 　 　　 |　|　| 　 　 　　.:!　　　 .:!　　　　　　 ｀,
　 .／.://.:/ /　　　　 i　　 |　|　|　　　　　.::l .:.:.:/ .::!　　 ,′　!　　',
／.::::://:/lNl. 　 　 |　|　　 |　|　|::.　　　.::/.l.:.:.:/ .::::!　　,′　 |
￣`ﾌ/:/　l/l. 　 　 |　|　　 |　|　|:::.　　.:::/l l.:.:/.:::::/l　 /　　　 !
_／:/:/　 :|　',　　,,,,ﾄ､|_ヽ__ﾄ､ﾄ､.ﾄ､:.　.::/　/.:/.::／/__/l　　　　!
.::::/:/　　::|　 ',　　 |ヽ 二ヽ!ﾆヽＮﾄ､.::/　/ｨ/イ￣7 / /　　　/
フ::/　　/ﾘ　 ﾄ､　　',. `ヽ弋込ﾐヽ､ V 　　 ィ_万孑 フ　　　/
"´　　./　　 /i: ＼　ヽ　 　｀¨´￣　 　　　　 ´￣￣/　　／　　　　　　　　ちっ……
　　　/　　 /.::|　　＼/.　　　　　　　i　　　　 　 　 /　, ｲ　　　　 /
　　./　　 /.:::::|　　　|`ヽ 　 　 　 　 ` 　 　 　　 ／ィ´　l. 　 　 /
ミﾐヽﾐミヽ.:.::::::| 　 　|　 ヽ 　　　　-─- 　　　　／1　 /　　　/
ミミﾐ斗;;ミﾐ､.:::|　 　 |　　// >.､　　 ｰ　　 ,.　.'´l 　1 /　　　/.::::::::
彡''"￣｀`ヾﾐヽ　　i :|　.// /.:::::.＞ 一 ＜::､l　 l 　 /　 　 /.:::::::::::

; //　 //　 //　//　// / ,
//　 //　 //　//　// / /'　 /　　 ,
/;ﾄ､:'/　 //　//　// / /'　 /　　 /　 ,　　 ;
7/,/＼;//　//　// / /'　 /　　 /　 // 　 川
/ﾝ_厶ｨ＼;// , ｲ{ / /'　 /　　 /　 //　　/// '
　「７::ヾ:、＼/　|!ﾊ/'　 /　　 /　 //　　/ '　/　　ｲ　,
　　{う}::::＼、＼jl　|{　/　　 /　 // 　 / 　 / 　 /'　/　 .:
　ヽ弋こツ ゞｖ/＼}f/,　　.:′,〃　　,　　 /　　/　 /　　'
　　 `　-　　`Ｙ{｀ーｸ　／　ｨ　　 ／/　 /　　 '　 /　　,′
　　　　　　　　　　/／ィ／ ハ／ィ/　 /　 ／　 /　　/
　　　　　　　　　　　　　　　ｒ-:zL」＿厶イ彡 ィ　　 /
　　　　　　　　　　　　　　ィﾁう≧ｧｘ /／　'　/ 　 /
　　　　　　　 　 　 　 　 ‘代こツ　/く 爪/／ 　 ,
　　　　　　　 ｀ _」　　　　 `ー　 　,ィ/彡　 　 ／
　　　　 ｀丶、 　 　 　 　 　 　 ／/ ｲ　 }　／/　　　　　　忌々しいけどここを去りましょう。
、　　　 ｀　　　　　　　　　　イ　/ / |　/　　 '
::＼　　　　　　_＿__ . ．　´ﾊ{ 〃{　 }/ 　 　 |　　　　　　 下野国庁はまるで当てにならないことだしね！
≫ｘ:ｰ:7_「￣} 川　爪{/ | l i l//　ヾｲ　　　　|
//ﾌイ/ﾑ､　j/ l !/ |i/　 | l i l{　　 川　　 　 |
才///「｀ヾ:{′| ′L__ ;/| l i l　　 | !{　　 　 '





　　　　　　　　　　　　　　 ／'´　 /: : /: :!: : : :l: : ､: : : : : ヽ: : l: : : : : : !: ヽ: : : : : :l: : : : : :
　　　　　　　　　　　　　 /' 　　 ./: : /l: : l: l: : : ',: :ヽ :､: : ､:ヽ :l: : : : : :l＼ヾ､: : : : :ト､＼: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l : /イ: : l: :l: : : :l: : ヽ ＼: ＼ヽ! : : : : l＼ヽ:ヾ: : : : l､: : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,': :/　l: :/ヽ:ヽ: : :ﾄ､ :､: : :＿ :＼ヾ: : : : l : ヽヽ:ヽ: : l:l:＼: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　 l /　 l: /: :/l､ヽ: : l＞､＼＼:ヽ: :＼ヽ: :l: : : lヽ: : ',: : l:', : :＞
　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l　　l/: :/: l: ヽヽ ','´L__ゝ_≧:ヽ: l`:＼': : : l: :ト: :l: :!.l !: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　 !l　　/:/ヽ: :l`Уヽ:ヾ'´ {泌､ｲ ＼ヾ,: :/`＼:!: :l: :λ!: l !l,: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　/:/　 ヾУ　　＼ヽ.￣´`ヽ　　l`メ: : : :ﾒ､l: :/ ヾl:ﾄﾘ}: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' /'　　　 /　　　　　ヾ　　　 `　 l:/l: :＞: l: /:/　( ゞl ﾉ!: : :　　　　何とでも────
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,--=‐ ､.　 ヽ　　　　　 ＼　　　 /ｲ l: : : : :l:/'　/イ＞.7: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　/ , -､￣ヽ＼ ヽ　　　　　　　　 /'　 l: : : : :l/ ｒ-イ´ l: :l:ヽ: :
　　　　　　　　　　　　　　 , -' ´　 ｀＞'ヽ､_｀ヽ　＿　　　　　　　　l: : : : /イ　　　 .l: lゝ／
　　　　　　　　　　　　　　 l　 ,／' ´　／｀丶ﾆ,〉｀￣`　　　　　　 .l: : : :/'　　　　　／!´
　　　　　　　　　　　　　　 l /　　／ｙ'´￣::￣:::丶　　　　　　　　 l : : /　　　　 ／　 l
　　　　　　　　　　　　　　 .〈　　 ヽ':::::::::::::::::::::::::::::',＿ ＿　, ＜:::ｨ: : /　　　 ／

　　　　　　　　　　　　　　　,. -─＝ﾆ_ー- ､
　　　　　　　　　　　　　 ／　ヽ　ヽ. 　 _≧､マ>_
　　　　　　　 　 　 　 ／　　l ! l !　}ヽ （(._ｨ个､_)）.　
　　　　　　 　 　 　 / /　　 j l j L.j　 !　　 i |　ヽ ヽ　
　　　　　　　　　　/i　!　　 /ィ´ |/,.ｨ |　　〃|　l ヽ ヽ
　　　　　　 　 　 / | い　 / ﾉ,ィ(ぅﾉ　!　 / ヽ! j　 }　 ﾞ,
　　　　　　　　　i | l　ﾄト､i{　　 ｰ'′/　,1　　 /　/　　.ﾞ, -　　　　　貞盛、一緒に来なさい！！
　　　　　　　 　 l ﾊ ヽく,.ｨr,､　 　 ∠ '´ j　　/1/i l　､　ﾞ, .
　　　　　　　　　 ＼ヽヽヽヾ 　_／,. -‐-､.. /-ﾄ/　|　l　 ,.;
　　　　 ,. -‐‐‐--‐‐''"ﾒ T ヽ_＞/..::::::::::..＼...i　l　l　ｌ　l ゛.;
　 　 ／,. -‐‐‐---‐‐'''" _,. '"_,. ｲ.:::::::::::::::::::..＼:..l:.,,-‐''~）.;.;.;.
　　/／　　　　　　,. -‐''"_,. '"薔}ヽ::::::::::::::::::;: -‐'"　,. ''"l　l.;
　 /　　　　　　 ／,. -‐''"　／..:::::ﾞ,::::;: -‐''"　　　／　ｌ　 l　l
　　　　　　　　/／　　 　 /.::::::::::::／__　　__　 　 {　　l　　l　l　
　　　　　　　 /　 　 　 　 !::::_;; -''~　　￣　　　　 ＼　l　 l　 l
　　　　　　　 l 　 　 　 　 ∨_,, ‐''~7　 ,..┐　 f＼　 ＼　 ｌ　 l
　　　　　　　　　　　　　 　 ﾞ､::::::::/　 /.::::l　　l　l ＼　 ＼l　 l
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾞ､::/　 /.::::::ｌ　　l　 l　 ＼__,,ｌ　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､ﾞｰ' .::::::::!　　!　 ｌ　　　　i　　!
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {､ ヾ:::::::::/ﾞ''''"　　j　 l　　 |　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 {　ゝ`-／　 /　　ﾉ　 j　　ｿ　/
　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾉ'''~~フ　　／　／　／　／　/
　　　　　　　　　　　　　　 ／_;;::彡-‐彡-‐'"彡::彡／　／
　　　　　　　　　　　 　 ／..::::::::::::::::::-‐'"_;;:: -‐'" ._,,. '"
　　　　　　　　 　 　 ／..::::::::::::_;;;::: -‐''"　　_,,. -''"..＼
　　　　　　　 　 　 /_;;::::::-‐'''"　 _,,.......-‐''"....::::::::::::::::..＼
　　 　 　 _,,.. --‐'''" __,,,......-‐''''"....;;;;;;;;::: :::::::;;; ┃:::::::.;;;;;.＼
　 ,. -‐''"_,. -‐''7￣....::::::::::;;;;::::::::::::;;;;;;;;;;::::::::::━╋━::::::::;:::.,＼

┌─────────────────────────────────┐
│　こんな状況では、頭にきた将門が貞盛の言うことなど信じるはずがない。　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　この場は引き上げて、後で事情を説明しに行った方がいい。　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　貞盛はそう考えた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
└─────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　 |
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..イ 　 　 　 |
　　　　　　　l　　　　　　　　　　_,,,...イ´ 　 |　　　　　|
　　　　　　　ヽ、ヽ ＿_,,..-t''"´:::::::::::|　 　 l　　　　　|
　　　　　　　　　　　　|　　ヽ:::::::::::::ノ　　 /　　　 　 .|
　　　　　　　　　　　　ヽ、　　 ￣　　　／　 　 　 　 |　　　　 （この場を切り抜けるためには、
　　　　　　　　　　　　　 ｀　　　　　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｕ　　　 　 |　　　　　　良兼叔父についていくしかないだろ……）
　.:::::...｀` ‐┴----_以ヘ‐-､　　　　　　　　　　　　|
:::::::::::::::::::::::::::::::::;/ｲ　´..:::::::::.ヽ、　　　　　　Ｕ　 　.|
::::i;_;:_:::;_:::;, ィ'¨´::::::i:::;ｿ　　:::::::..＼　　　　　　　　 |
,r'-‐‐::'::::::::::::::::::::::::;ｙ'　　 .::::...　　 ｀¨`' ､.　 　 　 |
　　:::::::::::::::::::::::;:／　　..::::::::::::::￣｀ヾ､_ 　　｀'ｰ- .|
.　..:::::::::::::::::::;ィ'´　　 ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::...`丶、　.＼_`マ
.:::::::　;:__;斗＞'´　 ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ
≧´　.....::::::::::::::::::::::::_;;;､ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　i:::::::::::::::::::::;ィ¨´:_:_:i'::::::｀ゝ‐---ｭ､;::::::::::::::::::::::::::::::::

┌────────────────────────────────┐
│　良兼らが去ったのを見届けると、将門は国庁の建物に入った。　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　そして、礼を尽くして掾の藤原秀郷にこれまでのいきさつを説明した。　　　　│
└────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿__　＿___
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　 （＿＿ ゝ
　　　　　　　　　　　　　　／ 　　　　　　　　　　（＿＿_ヽ_
　　　　　　　　　　　　 ／ 　　──　　 　　──　 （＿_ _　ヽ_
　　　　　　　　　　　／　　／´　 ｀ヽ　　　/´　 ｀ヽ　 （＿＼ 〈
　　　　　　　　　 ／ 　 　 `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ 　　`Ｔ;;;:::;;;Ｔ′　　＼ ＼　　　　良兼伯父が、私を討つべく手勢を召集していました。
　　　　　　　　　 |　　　　 ヽﾞ''''''´"ノ　　　ヽ⌒ﾞ''''''´" 　　|　 ）
　　　　　　　　　 |　　　　　　　（　　　　i　　　　）　　　　 　 |三三）　　 よって先制攻撃をしたのです。
　　　　　　　　　　＼　 　 　 　｀ー ─'＾ー 一'　　　　 　 ／.:.|　 .|
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 　 　￣￣　 　 　　　　／|.:.:.:.:|　 .|
　　　　　　　　　　　　　〉三三三》　　　　　《三三三〈　 |.:.:.:.:|　 .|

┌──────────────────────────────────────┐
│　 国府に対して敵がい心がなかったとはいえ、上総・下総介である良兼を追い詰め、　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　下野国庁を囲んだのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　このままでは、謀反の疑いをかけられかねない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└──────────────────────────────────────┘




　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト.､_
　　　　./　.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::|:::::::::ﾞ''ｰ､
　　　　|........　　　:;:::::::::::／.:::::::::／:::::::::::::/:::::::::/::::::::::::|::::i:::::::.. ::|
　　　 .l::/:::::::::l::::/........./....　 ／..............／........./........　 ﾊ:::::|::::::　:|
　　　 l::i::::::::::::|:::|:::::::/.:::::／:::::::::::::::／.:::::::／::::::::/::::/ .|i ...|　､: .|
　　 ./::l::::::::::::::l::|:::::/.::::/::::::::::::::;／..::::;／ /::::::::/,::::/　i.l:::::|:::::|::::|
　　/,:'|:::i:::::::／i|:::::l:::::/:::::::::::;≠‐-:Z._　 /.::::／/:::/　,!::|:::::|:::::|:: l
　ノ 　 |::l::::/.斤l::::|::;ｲ:::::::／＿.|／ -､｀ﾒ::／　/::/-''7::::|::::|:::::|ﾍ:l
　　　　|::ﾄ::ヽ,弋l:::|/:|::::;ｲ　攵;:cﾘ￣`/／　　/,ィ-ｧ/:::::|::::|:::::|　|:!
　　　　.i:| l:::l.:＼,l::::::|::/:|　　　￣　　　　　　/'ﾞｰﾞｲ;':::::::l|:::l|::::| 　ヾ
　　　　 ｌ|.ﾉ::|::::l:::|i::::|/:::|　　　　　　　 　 ／､　　/:::::::/.|::l.|:: l
　　　　,ｨ''〈 |::::j:::l !:::::::::|　　　　　　 　　　 　ヽ./:::::::/　ｊﾉ.l::/
　　　/,.;:;:;:;/／ｊﾒ　ヽ:::::|　　　　　　　　　 -‐.T:::::／　 　 j/　　　　────仰ることはよく分かりました。
　 ／{,.;.;.;.;.;.;ﾞヽ,　＼.ヽ;::ﾄ､　　　｀ｰ-- -‐ ,:ｲ l::::/
／,.;:;:;l,.;.;.;.;.;.;.;.;ヽ,　 ＼N.　`　､　　ー　／|/ .|::/
;:;:;:;:;:;:;:l,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.ヽ.　　ヾ､ ／､ﾞ ー '　　　　 |/
:;:;:;:;:;:;:;:;l,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;:ヽ､　　＼__. ヽ､::,＼
;.;.;.;.;.;.;.;.;.l:;.;.;.;.;.;.;.;.;.;:;:;:;＼　　　/-､{;:;:;:,.ヽ､

　　　　　　　　　　　　 __　,.-￢-　､._
　　　　　　 　 　 　 ／　'´,　 ､　　 、 ｀ヽ､
　　　　　　　　　 ｒ´　 　 /　l　ヽ　　＼　､ヽ
　　　　 　 　 　 /　　/ /l.　 l、　＼　　ヽ ', lヽ
　　　　　　　　/,　l. / /´ヽ　lヽ 　 ヽ. !　ヽ. ト ヽ､
　　　　　　　 '´|　 V　'＿_ヽ. ﾄ＼､＿',| 　 ',｜　　お話は、国庁に正式に記録します。
　　　　　　　　 | l. ,|　|　__　＼ﾞ､ヽ.__ヽl.　　ﾄ.|　　
　　　　 　 　 　 lﾊｌﾍ｜´　｀ 　 ヽ´　｀｀〉,^! | !　　都にも報告致します。
　　　　　　　　 　 l＼ｌ|　　　　|　　　　//ｨ N
　　　　　　　　　　| ﾊ ヽ　　＿＿ 　 /ﾊ/ ｀　　　　 　 _
　　　　　　　　　　'′lﾊn＼ ｀ニ´／! !　　　　　　　 ,ｲ |
　　　　　　　　　　 _,.-' /ヽ ｀ - ´ ,ﾊ＼　　　　　　　| |ヽ
　　　　　　 _,　- ' / 　 |　　ヽｪ､ ' 　 |　ヽｰ､　 　 _　| ﾄ. ヽ
　　,.､-‐　´　 　 /　　｜　 /　　〉 　 | 　 ヽ　｀⌒.l ヽ',ヽヽヽ
　 / ヽ　　　　　〈　　,.-|ヽ/ ヽ-/ ヽ/|､　　,〉 　 　 |　l_! ヽ　ﾞl




┌──────────────────────────┐
│　将門は、嫌疑をかけられた場合の証拠として、　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　この戦いが良兼により仕掛けられたものであることを　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　下野国庁に文書で証明してもらい、本拠に引き上げた。　 　 .│
└──────────────────────────┘

　　　　　 　 　 / /.::;　　.:; .:.:::;::/i　.:.:.:.:.:::::::::::::::::.:.:.｀`ヽ､
　　　　　　　 / /.:::;′,.::/.:.::://.::l::i　.:.:.:.:::::::::::i:::i .:.:.:::::::.:.`ヽ __／
　　　　　 　 ,' /.:.:;′/:/.:.:::/:/!::::|::ﾄ､　.:.:.:.:::::::|::|::i .:.::::::::::::::.:「
　　 　 　 　 l/.:.::;'.:.:/./.:::ノ::/ |:::::|::ﾄ､ヽ.:.::::::|:::|::|::| .:.::::.:::::::::::|
　　　　　 　 |:l:::::l::::|:::ﾚ':ﾅナヽ|:::::l::l＼ヽ.:‐:十:|十!、.::::::::::::::/
　　　　　 　 lハ::l::::|:::ﾚ'´　‐- |:::/l/　 ＼::::::|:::|::|::| .:.::::.:::|:./
　 　 　 　 　 　 ',l::::|:::|　 ＿　 |/ 　 　 　　｀` ｀`7!.:.:::::.:::|/
　　　　　　 　 　 ﾄ､ﾄ::ﾄ､´￣`ヽ　　 　 ‐＝=ﾐ､ ./:!:.:.::::::::|
　　　 　 　 　 　 ヽ:|:::|::!　　　　　　　　　 　 　/./.:.:::::::::;′　　　国庁の役人にも、頼りがいのある人がいるんだね。
　 　 　 　 　 　 　 `l:::|::ﾄ､ 　　 _｀_　　　　　 /::/.:::::::/l/
　　　　　　　　　　　|:::!.l.:::>､ 　 　 ｀　　 ,..イ::/::::::::/
　　　　　　　　　　　|.::::::/:::/ﾆ＞.--‐ ＜ﾆ7⌒:::::/ 　 _ ＿
　　　 　 　 ,r‐r‐- ､|::::/´l/　 L_　 　 　 /　　 |::/￣`ヽ 　　｀」
　　　　 　 ﾉ:いぃ￣|:/ヽ　 　 　`ｰrrrt7′　　l/　　　　V￣｀`





　　　　　　　　　　　　　　　　_, -===＝＝＝===ー-、
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 　　　　　ー--=、 　＼
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　／　　ヾ　　｀l
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 ∥　＿__ |　　 .|　　　　　 うむ……
　　　　　　　　　　　 　| 　　　　　　　　　　　ヾー-ーナ　　 |
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　 俺のやっていることをキチンと
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 　　　　　（,,＿,,人）　　　　受け止めてくれる人物がいる。
　　　　　　　　　　　　 !、＿_,,,,,,＿＿　 　__　　　　 　　￣￣７
　　　　　　　　　　　　　 〉＿＿＿ __￣￣〈　　　　　 　 　／　　　　　 藤原秀郷殿は良い方だお。
　　　　　　　　　　　　　＞三三三三》:.::.:.:..＼　　　　／´/



　　　　　　　　　　　　　　　　_, -===＝＝＝===ー-、
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 　　　　　ー--=、 　＼
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　／┬-ヾ　　｀l
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 ∥　 i、:::::|　　 |
　　　　　　　　　　　 　| 　　　　　　　　　　　ヾー-ーナ　　 |
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 　　　　　（,,＿,,人）　　　（────それにしても、貞盛………）
　　　　　　　　　　　　 !、＿_,,,,,,＿＿　 　__　　　　 　　￣￣７
　　　　　　　　　　　　　 〉＿＿＿ __￣￣〈　　　　　 　 　／
　　　　　　　　　　　　　＞三三三三》:.::.:.:..＼　　　　／´/




┌──────────────────────────┐
│　これが、承平六（九三六）年七月二六日のことである。　　 　 .│
└──────────────────────────┘

┌────────────────────┐
│　ところがホッとできたのは束の間だった。　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　また新しい災難が降りかかってきた。　　　　......│
└────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　,ィ⊃　　, -- ､
　 　 ,r─-､ 　 　 　,. ' ／ 　　,/ 　 　 }
　 　{ 　 　　ヽ 　／ ∠ ､＿__/　　　　|
　 　ヽ.　 　 　 V-─- 、 　, ',_ヽ / 　,'
　 　 　ヽ 　ヾ､　　',ﾆ､ ヽ_/ ｒｭ､ ﾞ､　/
　　　　　＼　 l　　ﾄこ,! 　　{`-'} 　Y
　 　　　　　ヽj 　　'ー'' ⊆) '⌒｀ 　!
　 　 　 　　　l 　 　　ﾍ‐--‐ｹ　　　}　　　　　都から派遣された、英保純行と申します。
　 　 　 　　　ヽ. 　 　　ﾞ<‐y′ 　 /
　 　 　 (ヽ､＿_,.ゝ､＿ 　～ 　___,ノ ,-､
　 　 　　） 　 　 　 　 　　ﾉ/｀'ー-'　<
　　　　ｒ'／, 　　_..　　　//　　ｌ、、､ヽ_)
　 　 　 ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/　　__,ｌ ヽ)_)‐'
　　　　　　　　　{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
　 　 　 　　　　　〉 　　/ 　/＿
　 　　　　　　　/ 　　´￣｀ヽ 　）
　 　 　 　 　　（＿＿＿＿ノ--'

　　　　━━━━━━━━━━━━━
　　　　 　英保純行（あほのともゆき）
　　　　━━━━━━━━━━━━━




　　　　　　＿＿＿
　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　　 ／（●）　（●.）　＼
　／　　（__人＿,）　　　 ＼　　　　はあ……
　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |
　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　　 ゝ 　ﾉ
　　／ 　 /

┌──────────────────────────────────────────┐
│　前年の承平五（九三五）年二月※、将門を攻撃して三人の息子を失った源護が、都の朝廷に　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　将門を訴え出てきたのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└──────────────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ⊃　　, -- ､
　　　　　　　　　　,r─-､ 　 　 　,. ' ／ 　　,/ 　 　 }
　　　　　　　　　 { 　 　　ヽ 　／ ∠ ､＿__/　　　　|
　　　　　　　　　ヽ.　 　 　 V-─- 、 　, ',_ヽ / 　,'
　　　　　　　　　　 ヽ 　ヾ､　　',ﾆ､ ヽ_/ ｒｭ､ ﾞ､　/
　　　　　　　　　　　 ＼　 l　　ﾄこ,! 　　{`-'} 　Y
　　　　　　　　　　　　　ヽj 　　'ー'' ⊆) '⌒｀ 　!　　　　　ち　ょ　っ　と
　　　　　　　　, ､　 　 　 l 　 　　ﾍ‐--‐ｹ　　　}
　　　　　　　　ヽ ヽ.　　_ .ヽ. 　 　　ﾞ>‐y′ 　 /　　　　　都　ま　で　来　い
　　　　　　　　 　}　 <'´.-!、 ゝ､＿ 　~ 　___,ノ
　　　　　　　　　|　　　 －!　　 ＼` ｰ一'´丿 ＼
　　　　　　　　ﾉ　　　 ,二!＼　　 ＼___／　　　/｀丶､
　　　　　　　 /＼　 ／　　 　＼ 　 /~ﾄ､　　 ／　　　 l ＼




┌───────────────────────────────────┐
│　朝廷はこれを受理し、将門を都に召喚すべく、英保純行らを東国に派遣した。　 　 .│
└───────────────────────────────────┘

　※ … 『将門記』では、将門召喚の太政官符は承平五年一二月二九日付で出され、翌六年九月七日に
　　　　 もたらされたとしているが、いくら何でも時間がかかりすぎている。
　　　　 官符の出された日付に誤りがあるのかもしれない。

┌──────────────────────────────┐
│　これに対し、将門は速やかに対応した。　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　承平六年一〇月一七日に上京し、検非違使庁で尋問を受けた。　　　...│
└──────────────────────────────┘




　　　　　　 　 　＿＿＿_
+ 　 　 　　 .／ ＼　　／＼　ｷﾘｯ
　　　　　 ／　（●） 　（●）＼
　　　　／　　 ⌒ﾉ(､_, )ヽ⌒　 ＼　　　先に仕掛けたのは向こうで、私はやむを得ず応戦したのです。
　　　　|　　 　　 ｀-=ﾆ=-　 　 　 |
　　　　＼　　 　　 `ー'´ 　 　 ／ +



　　　　　　　　　　　　　　　　 .　､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＞　　　　　　　　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞＿＿＿＿＿＿＿＿　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣ 　　.|./＿　　 ＿＼ |　　 |　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | /　 ヽ／　 ヽ　|　　|　
　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 | | 　 ・ | ・　　|　 V⌒ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　 |.＼　 人＿_ノ　　　6 |　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼￣　　○　　　　　　　　/　　　　うーん？
　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 ＼　　　　　　 　　　厂　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 ＿＿＿＿_／　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣, -/へ／＼/｀- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／./　 ./op　　　 i.　＼

┌───────────────────────┐
│　しかし、将門の場合、「理務に堪えず」とある。　　　 　 │
└───────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／（⑪） 　（⑪ ） 　 ＼　　　ﾔﾑｦｴｽﾞ ﾀﾀｶｯﾀ　ﾏｻｶﾄﾞ ﾜﾙｸﾅｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.　　（_人＿）　　　u　|　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　ﾔﾑｦｴｽﾞ ﾀﾀｶｯﾀ　ﾏｻｶﾄﾞ ﾜﾙｸﾅｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　l　　　,/　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (＿) 　　(__ ノ 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　／　　　___ ,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !､＿__!､＿_＿＿_つ



　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　| 　　　　　　　　　　 　　＜
　　　　　| 　　＿＿＿＿＿＿＿ ＜
　　　　　|　　|　　　＼　　　／ | ￣
　　　　　|　　|　　/ ￣ヽ/￣ヽ|
　　　　　|　ｖ 　　|　 ＼ | ／　||
　　　　　（ｄ　　　＼＿人＿ﾉ |＿
　　　　　　|　　　　　　　つ　　　／
　　　　　　＼　　　　　　　　　／　　　　　どうもおかしいぞ！？
　　　　　　 　＼＿＿＿＿＿＼　　
　　　　　　　　　/　∨L∨＼ ￣




┌─────────────────────────────────┐
│　将門は武芸に秀でていても、理路整然と語ることには長けていなかった。　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　検非違使庁の役人の追及に対して、うまく弁明できなかったらしい。　　　　　.....│
└─────────────────────────────────┘

┌───────────────────────────┐
│　そんな将門に助け船を出したのが、かつての主人であり、　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　時の太政大臣藤原忠平である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
└───────────────────────────┘




　　　　　　　 ト､、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -‐ '":;:;:;:;:;:;:;_,.ノﾐ'、
　　　　　　　 |:;:;:;:｀`'ー:;:;:;:''"´:;:;:;:;:;:;:_,. -‐='二三ｼﾊ
　　　　　　　 ト､＿:;:;:;;l:;:;:;:;:;__,. - '"´ 三三三三彡ﾉ!
　　　　　　　 l:::l　 二、― 'r―-,_ 　 _三三三彡彡ﾆヽ
　　　　 　 　 ヾi　 `ｰ′:.　`""´　　 ｀￣'三三彡片ヽl|
　　　　　　　　 '、 , - ､、　　 __,.. .. ,、_,　　'三彡'^> ﾉﾘ
　　　　　　　　　l ｲで>､ヽ　 ':,ｨ'で'＞'"　　 三ｼ' f ﾉ /
　　　　　　　　　l ヾ二ﾌ ,!　　ヽ二彡'´　　　}ﾂﾘ ,､_ノ　　　　　 将門は私のお気に入りじゃ。
　　　　　　　　　'､　　　 l　 　 ,.、　　　　　 i 川 ├ミ'、
　　　　　　　　　 ヽ　　 ,'　　 '__)ヽ、　　　 /｀`7>、　　　　　　 よきにはからえ。
　　　　 　 　 　 　 ヽ　/`ー'i´　　　＼ 　 /　 ///>、
　　　　　　　　　　　ヽ'､ ､_,=＝ァ=-､_,｝ / /./////ﾄ､
　　　　　　　　　　　　＼ヾ二"´_,. ‐-.:.:/ /.//////:.:ヽ
　　　　　　　　　　　,. -/ゝ､':､_:' :、_ _:/ / //////:.:.:.:.ヽ‐- 、
　　　　　　　　　 ／　/:.:.'､ ヾ"ﾞ´￣ / / /////'′:.:.:.:.:.ｿ ﾉ ）
　　　　　　,. -―{　､/:.:.:.:.:ヽ ヽ.　　/ / /////:.:.:_,. - '"　／￣｀`丶、
　_,. -‐ '"´　　　ヽ ｀丶､r―--`'-/ / /////''"´　　　／　　　　　　 ｀丶、
'´　　　　　　　　　 丶､＿｀￣￣ / / ////'′　_,. - '′　　　　　　　　　 ｀丶、

┌───────────────────────────┐
│　────結局「将門を暫くのあいだ都に留め置く」という、　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　超がつくほどの微罪で済んだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
└───────────────────────────┘




　　,彡ニ三三三三三三三ﾆ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
　 ,彡ニ三三三三ニ三三ニﾆ;〃ヾ､;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
　,彡彡,'',ﾆ=ﾐﾐミ三三三三ニﾆ彡　 ｀ﾞﾞ''ｰ-､;:;:;:;/;:;/ 　
　',彡'/ r' ﾉヽヾミ三三三三三彡'　　　_,,,,,,､ヽ;:;ｨ''|　　
　 彡'|.|（‐'''"　'iﾐﾆニ三彡"´￣　　　　 ｀ﾞﾞｰ'　　;;;:|　　　
.　 彡i､ヾ　('　 ヾミﾆ三'　 　 　 　 　 __,,､　....ﾉ 　 /　　　　
　　彡ゝ ｀'' "　 |ミﾐﾐ' 　　　　　　‐'"ひi,;'´　 ,ｨ;;ｧ'　　　　
　　 '彳｀ー‐i　 |ﾐﾐﾐ'　 　 　 　 　 ｀ﾞｰｼ'　　 |､ﾆ'　　　　　
　--､/ 　 　i　 |ミﾐ 　 　 　　　　.,,r‐''"　　　| ﾉ　　　　　　
　く'ﾉ　　 　:i 　ミﾐ 　 　 　　　　´　　.,　'　　 |'　　　　　　　
　､＼ 　 　 .l　 ヾ 　 　 　 　 　　　.ﾉ（_,,､. 　 |　　
　:＼ヽ,　　 ヽ　　　　　　　　　 ／　　 ｀t‐一'　　　　　　　　__　　　
　::::ヽ ヽ　　　｀::.　　 　 　 ,; ' 　　　　　.:i　　　　　　　　　 〈 　ヽ
　:::::::ﾍ ヽ　　　 ｀::. 　 　 　 　''"⌒ﾞ''一ﾉ　　　　　　　　　　 | 　 }
　::::::::::ﾍ.ヽ　　　　ヽ､ 　 　 　 ｀ ー'ｰﾉ　　　　　　　　　　　 !＞'⌒ヽ、
　::::::::::::::ヽﾍ　　　　　｀ｰ┬‐一;;''""´　　　　　　　　　　 ／ヽ、　,　 ）
　＼､:::::::::ヽヽ　　　　　 /::ﾍ ）　｀ﾞ'ｰ､_　　　　　　　　　/:::::::::Τ ￣ ｀ｌ
　〃｀ﾞｰ､;;;;＼＼　　　/i:::::::丿　' , ' , '｀ﾞヽ､　　　　　　/:::::::::::┼‐- -ﾉ




　　　　　　　　　　　　　　　 -─‐──‐-、
　　　　　　　　　　　　　／ 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ／ ;　　　　　 　 　 　 　 ヽ.
　　　　　　　　　　　l　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　|　　　　　 ,　、　　　　 ;　 　 |⌒´⌒｀ヽ、　　　　　忠平様っ……感謝しますお！
　　　　　　　　　　　!、　　_ノ"　"ヽ、__　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　ヽ (（ー）　　（ー） )::　 /⌒゛`　　　　　　 l:
　　　　　　　　　　　　　/ヽ∪（_人__）∪__ ,ノ|　　 　 ,　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　 /　　　/` ⌒　´ 　 　 |.　　　 |　 　 ,　　 !
　　　　 　 　 　 　 　 /　　 ∪　　　　|∪`-,,,.|"　　　|___,ノ　　 |
　　　　　　　　　　　/.　　　/　　　　 |　　　　|　　　　|　　　　 ,lー─- 、
　　　　　　　　, --‐-ー、_/∪　　　 l ∪ 　 ,|　　　　|　　　,／　）　 　 ）
　　　　　　　く / /　ァ- ,ノ　＿　　　＼ノ＾ノ^／⌒ヽj＼　　 ／＾ー-‐'
　　　　　　　　`ー' ー´￣ （＿）　　（＿(_イ_,イ、_,ィ'´__/ ￣

┌──────────────────────────────┐
│　────「今回、源護から平将門を訴えるという事件が起こった。　　　│
│　しかし仔細に調べると、むしろ原告に非があり、将門にはない。　　　......│
│　将門の行為は、東国武人の名を高からしめるものだ」──── 　 　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　こんな評判が、都では立った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
└──────────────────────────────┘




　　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..-――-..,,
　　　　　　 　 　 　 ／　 　 　 　 　 ＼
　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　　　 /　　　　　 ＿__) 　 ヽ-　l
　　　　　 　 ／l 　 　 　 '´ 　 _　　 r　　.l
　　　　　　/　..| 　 　 　 t''j"´　 　 ==''　',
　　 　 /｀ヽ、__.',　 　 　 ｀¨¨´　　 ヽ　　 l
　 　 ./　　　＼ .ヽ.　　　　 （＿ノ--'　　ﾉ
　　 /　　 　 ／-‐| ＼､ ＿＿＿_ ,,..-＜
　 ./　　　 ./　　 l l　　＼　 　 |　r-ヽ　 ｀ヽ
　/　　　　l　　　 | ヽ　 　.>､ r'__..>＞　　　|
./　　　　 iヽ　　 .|＿ヽ.イ .〈Y´　i ｀''１ |　 |
'　　　 　 l　　、　 < ´　 .i　　|　　i　　| |　 |
＼　　　/　_,,-ヽ　 ヽ　　.i　 .|　　.i　 .|.l　 |
　 .ヽ∠-''"ヽ　　　　ヽ　 i 　.|　　 i　 |l　..|
　　　　　　　 〉　　　　ヽ .l 　.|　　 .i　|｀ヽ|
　 　 　 　 ／　　　　 　 l/　 .|　　　ヽ|　 .l
　　 　 .／　　 　 　 　 ./　　 l 　 　 /.＼ ヽ
　　　　l 　 　 　 　 　 /　　　.l　　　〉　　＼l
　 　 　 ヽ　　　　　／＿_,..--'┬-イ　　　 |
　 　 　 　 ＼　 .／―‐┴''"´￣￣l　　 　 |

┌────────────────┐
│　そんなある日のことである。　　　　　..│
└────────────────┘




　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／⌒　　 ⌒　　 ＼
　　　　　　　 　 ／（● ）　（● ）　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 |　⌒（__人__）⌒　 　 　 |　　♪～
　　　　　　　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　　　　／
　　 　 　 　 　 　 /　　　　 　 　 　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おう、お前が将門か。 ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿／

　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　‐　　 ─ 　　　　＼
　　　　　 　（　　（ ●）　　　　　＼
　　　　　　（人__）　　　　　　　　　|　　ん？
　　　　　 　｀⌒´　　　　　　　　 ／
　　　　　　　｀ｌ　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　 ＼

　　　　　　　／ｌ |l|　　　　　　　:::| :　　　　　　　　　　|ｌｌ!_ﾉ.,'　!＼
　　　　　 ／　　`ｉ| 　 　 　 　 r_::| :　_，　　　　 　 　 :| |_ノ　,'　　＼
　　　 _, ｲ 　 　 　 ヽ 　 、　　 　 ｰ'　　　　　　 ,　　　,|,!　ll ,'　　　　ト　　　　ククク……
-‐' ´ 　.|　　　 　 　 ヽ　 ￣￣￣￣￣￣￣￣　　／:|　　/ 　 　 　 !
　 -‐' ´|　　 　 　 　 |;;ヽ　　 　 ＿＿_　　　　　.／::　:| l /　　 　 　 :|　　　　評判は耳にしてるぜ、将門……！
.　　 　 |　　　　　 　 |;;;;;;;＼　　 ￣￣　　　　／:::　　│/　　　　　　 |
　　 　 |　　　　　　　 !;;::::::::::＼　　　　 　 .／::::　　 　 |/　　 　 　 　 :|
. 　 　 |　　　 　 　 　 l;:::::::::::::::::＼　 　 ／:::::　　 　 　 |　　　　　　 　 |
　　　 |　　　　　　 　 :|:::::::::::::::::::::::`ｰ:'::::::　　　　　　　|　　 　 　 　 　 |
.　 　 |　 　 　 　 　 　 |::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　 |　 　 　 　 　 　 !
　 　 |　　　 　 　 　 　 |:::::::::::::　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　|
.　　 |　　　 　 _,.. -‐'　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　|　｀` ‐- ､.　　 　 |




　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　　　 ／　　 ─　　 　 ―
　　　　　　／ 　 　　（ ●） 　（●）'
　　　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　 |　　　あんた、誰だお？
　　　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´　／
　　　　　　／　　　　　　　ー‐　 '

　　　　　　　 ＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　 　 ＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
　 　 　 　 7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　 　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　 　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　 　 　 （⊂ﾆﾆ⊃)　　俺か……
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　 ｀二⊃ﾉ
　　　　　　| " ﾞハ　 ー--7′　　 　 　 （( ￣　　　　俺は藤原良範の三男……
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　 　 　 　 　 ;;
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　 　 　 　 　 [l、
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　 ）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

　 ,,‐´　＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝ
∠-‐´,, -‐' ´　　　ll　　　　 ll　　　ll　　　　ll　　　ll　ヾ
　　／　ll　　　lll　　　　ll　　　　ll　　　lll　　　ll　　　ll ヽ
／　,, ‐; ‐' ~　　　ll　　　　ll　　　　lll　　　lll　　　ll　　 |
,-‐', '´　ll　　　lll　　　lll　　/|　ll　 　 ll　　　 ll　　　ll　 |
.／l , -‐'´　ll　　　lll　／ll/.　|　.iﾍ　　　lll　　　ll　　　ll
.ll／ ／ 　 　l　 /ll.／/l/　 　 |ll|　| llヽ、　lll　　　ll 　　|
　　/ ll.／ ll.∠/／　.l/　　　 , |.|-‐|.|￣ヽ、　ll. 　 　lll |
　./l／/l ／　/ `ヽ、|　　 ／　　|　　|　　::＼　　ll　　ll|
..／　/／.|.＝＝===､　　__ =====＝＝＝::::| .l⌒ヽ　.|
　　.／　　| ｀ ‐--ﾟ‐/,:::　'''' ` ‐-ﾟ--‐ ' ´　 ::|ll|⌒ｌ |　|
　　　　　　| 　 　:::/,::::::::　　　　　　　 　 　 :::| |⌒l |llｌ|　　　　　　　　藤原純友だ……！
.　　　　　　|　　::/,:::::::::::::　　　　　　　　　　:::|l|６ﾉﾉ .|＼
.　　　 　 　 |.　/,:::::::::::__:::)　　　　 　 　 　 :::::||､_ノ　|::::::＼　　　　　 ヨロシクな……！
.　　 　 　 　 ｌ.(_::　　　　　　　　　　　　　:::::::/l　　 ll|::::::::::::|
.　　　　 　 　 l. 　￣￣￣￣￣￣　　 :::::::／　| lll　|::::::::::::::|
　　 　 　 　 　 l、　　 ＿＿_　　　　 ::::::／： 　 |　ll|::::::::::::::::|
　　　 　 　 _, -/l、　　￣￣　　　 :::::／:：　　　 |　|:::::::::::::::::|
　　　 _, -':::::::/::::::!.　　　　　 　 ::::／::：　　　　　|.|:::::::::::::::::::|
　 　 ::::::::::::::/::::::::::ヽ、　　 　 :::／:：：　　　　　　 |:::::::::::::::::::::|
　　　:::::::::::/::::::::::::::l::ヽ、　 ::／：：：　　　　　　　/l:::::::::::::::::::::|
　　　::::::::/::::::::::::::::l:::::::lヽ／：：：　　　　　　 　 /::|::::::::::::::::::::::|
　　　:::::/::::::::::::::::::|:::::::::|：：：：　　　　　　　　 /::::|::::::::::::::::::::::::|
　　　::/:::::::::::::::::;:へ::::::::|　　　　　　　 　 　 /:::;:へ::::::::::::::::::::::|
　　　/:::::::::::::／:::::::::＼::|- ､　　　　　 , -‐/／:::::::::＼::::::::::::::::|
　　　::::::::::／::::::::::::::::::０:|　 ヽ　　　／　 /:::::::::::::::::::::::＼:::::::::::|

　　　　━━━━━━━━━━━━━
　　　　 藤原純友（ふじわらのすみとも）
　　　　━━━━━━━━━━━━━

┌─────────────────────────┐
│　藤原純友──藤原良範の三男であり、　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　藤原四家の中で最も栄えた藤原北家の出身である。　　　..│
└─────────────────────────┘




　　　　　　　 　 　 　 　 _z―‐‐-､,. -―z_
　　　　　 　 　 　 　 ,∠,　〟 　 ｙ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ／〟　〟　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　 　 ,ノ〃 , 〟〟,　　　 ,　  |
　　　　　　　　　　／,／〟 ／!〝〟/!/　|
　　　　　　　　　/／/　,　,ヘ/／j／_｣∠L  |
　 　 　 　 　 　 '　 /／ l/ｋ‐-｡ﾐ /ﾆ-｡‐ｧ |.|=､!
　　　　　　　 　 　 ' 　　' ∧￣//ヽ ￣´　ｊﾉyﾘ
　　　　　 　　,.--一ァ　　!ｯﾍ//／　　　 /=彳_　　　　ずいぶん暴れたそうじゃねえか……
　　　 ,.-‐‐く￣,二'つ_　　 　'‐ﾍﾞ￣｀¨´/　 ／（
　　/￣⌒ヽ_＼_｢＿l_｣　r――ﾍ ｢〉　/ ／/　　〉　　　今、都でお前さんの名前を聞かない日はないぜ？
　 /　 ﾉ⌒'ｰ'`ｰ'／ 　 　 ＼　　 .ヽ／ /＿|　／}
. /　　!　 ,.-‐　/　　　　　　_〉 ／ ﾉ　 _〉　 　 　 ＼
/　　　| /　　ノ　　 _,. -‐'´/ 〈.　 r‐'´　　　　 　 　 ＼
　　　./　 ／　　／　　　　ヽ　|～| {}　　　　, -‐‐‐‐-､〉




　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　 「暴れた」とは聞き捨てならんお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　何せ、非はこちらには無いんだから。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　 ＿,. -‐―‐-､)ヽ
　　　　　　　　 　'´,＞ 〃　　　ノ　｀⌒ｰz
　)） 　　　　　　 ／ 〃 　　　　　　　　　　ゝ
（(　 　　　　　 〃,／, 〃　　　　　 　__,ノしﾍ
　)） 　　　　　 |〃/ ,〃 〃 ,､,､ ､　,ゝ　　ヾ'|　　　　　 へっ！
（(　 　　　　 　　/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ　ヾ　|
　)） 　　 　 　 　l/ / ,.く　 /＞‐｡ｧ ヽ'ト､ヾ' !　　　　　くだらねえな……！
（( 　 　 　 　 　 　 |/　　>ヾ￣´　　 |'ト||ヾ |
　<ﾞ､_/ﾞヽ　　　　　　 ／　　 　 　 　 |l〃 ヾ|　　　　　 結局、勝った方が正しいんだ……！
　ﾉヽ し'（ﾞ＼　　　∠-‐フ 　　＿,　/ ヽ.ヾ'｣　　　　　 そしてお前は勝った……！
（ ヽ.ﾉヽ>ﾉ　.|　　 　 　 ｀￣匚, 　 /　　　＾ヽ.
〈ヽ.ﾉ　 / 　 .|　　　　　　　　/　 /　　|　　　└、
　Y´　（　 　ｲ 　 　 　 　 　 '―ﾍ　　　　　　 　 ヽ
　 ＼　i　　　|　　　　 　　　　／　　/　　　　　　 ＼
　 　 L_　　　｣　　 　　　　　/　ゝ　, ──
　　　 |　　　 |




　　　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　 　／　　─　 　 ─＼
　　　　　　／　 　 （●） 　（●） ＼
　　　　　　|　u　　　（__人__）　　 　|　　　　 お前、貴族のクセになかなか言うじゃねーかお。
　　　 　　 ＼　　 　　｀ ⌒´　　 ,／
　　　　　　ノ　　　　　　ー‐　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　７i　" " " " " 　" " ヾ" ーﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　/,. " " " " " " " " " "i; 、 " ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/,." " " " " " " " " " " i; 、" i
　　　　　　　　　　　　　 ／ " " " " " " " " " "" " i.　ﾞ ,
　　　　　　　　　　　　　 "7 " " 　v ｖ 　　ﾍ、ヽヾヾ i i i＼i　
　　　　　　　　　　　　　 　l" " ノ / / i　/　 ヽ　!_Aﾘ|ﾉ!'!'!　　　　　　　　　　　　　 「貴族」か……
　　　　　　　　　 　 _,,.､､ｨ､Vノﾞ-＝-､､!/　 　_,.ゞ､､Yﾍﾚ''-､､,, ） ）　　
　　　　　 _,,.､-‐''"´　　/　 i,　ｰ==。=、_ｯ‐‐ ､｡==-'　!!:::::::',:: 〃　｀''‐ ､　　　　　　だが俺なんぞ所詮は下っ端……
　 ,､‐''"´　　　　　　　/　　 ',　｀ー ,､''" 　ヽ, `ﾞミ,''‐-､,'′::::::!:（',;　　　　 ヽ
,/ ':,　　　 　 　 　 　 ,'　 　 l ':,,.､ '"　　　 ヽ, ＼ 　 ` ､　ヽ,:::: l _;;ﾘ　　　　　 ':,　　　これ以上の出世は望めねえ……！
　　 ヽ',　 　 　 　 　 i　　 ,､ '"　　　 ､　　　 ＼ ヽ,_　　ヾ二二で)″　　　　　 !
　　 　 ':,　　 　 　 　 ! ,r"　 :.　　　 　 ﾝｰ' ､　 ﾞ!　},,,ヽ,　 ':､'､〉　　／／　　　 ｌ
　 _　 　 ',.　 　 　 　 /　　 　 :.　　 ／ 　 　 !　 !　!　　ヽ　;ﾍ　　〃;／　　　　 l
　‐､ヽ 　 ',.　　　　 /　 　 　 　 ﾝ､､..,,,__,,.. -{ r/　l‐--‐' ゝｰ' 〃／　　　　　　ｌ
　　 ヽ ヽ. ',.　　　/　　　 　 　 /,　　　　　　 ｀! __,'　　　　　　f,'"_,,　-　''　　　 !




┌───────────────────┐
│　純友の父は早世したため、　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　後ろ盾を失った彼が都で出世する道は　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　ほとんど閉ざされていた。　　　　　　　　　 　 .│
└───────────────────┘

∠-'';::／　,∠/　.／::　　 ::＼.ヽ＼ ヽ　ヽ　＼　ヽ. ＼
::::r''∠- '´:∠ -ﾍ::....... ,...:‐''７,ゝl‐-ヽ} 　 ﾄ､　lヽ.　!
:::l::::-==＝ﾓ＝= _::::／:::::::::/_　 ` ／ ,ﾍ.　| ヽ |. ヽ.!
: |::::　｀　 ー‐=''"::´:::::::::::::/ﾆ´＞,'／　 ヽ |　ヽ!　 ﾞl
::|:::::　　　 　 ..::::::::::::::::::::::/　　　 ﾊ 　 　 ヽ!
:|::::::　 　 ...:::::::::::／::r:::::::i_:　　　,'l }
|l::::::　　　　　 　 ｀＿＿:::　　　 /.|′
iﾍ::::.. 　 　 ￣￣　　　　 ｀ヽ　./^'　　　　　なあ、将門……くだらねえと思わないか？
:|::ヽ:::..　　　　　　‐＝=;;　　　/
::l::::::ヽ::..　 　 　 　 :::::::　　　/　 　 ,.､
:::l::::::::::＼.　　　　　　　　　/　　／.:/:ヽ.
::::|::::　:::::::＼. 　 　 　 　 ,ｲ　／....::/::::::::ヽ.




　　　　　　　　＿,. -‐―‐-､)ヽ
　　　　　　　'´,＞ 〃　　　ノ　｀⌒ｰz
　 　 　 　 　／ 〃 　　　　　　　　　　ゝ.
　 　 　 　 〃,／, 〃　　　　　 　_　　　ﾍ
　　　　 　 |〃/ ,〃 〃 ,､,､ ､　,　　　ヾ'|
　　 　　 　　/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ　ヾ　|　　　　　　都で高い官位を得ることが出来るのは
　 　 　 　 　l/ / ,.く　 /＞‐｡ｧ ヽ'ト､ヾ' i
　 　 　　 　 　 |/　　>ヾ￣´　　 |'ト||ヾ |　　　　　　能力のある奴じゃねえ……！
　　　　　　　 　　 ／　　 　 　 　 |l〃 ヾ|
　　　　　　 　　∠-‐フ 　　＿,　/ ヽ.ヾ'｣　　　　　　ゴマすりの上手い奴だ……
　　 　　　　　　　 　 ｀￣匚, 　 /　　　>'＾ヽ._
　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　 ／　　 　|
　　 　　　　　 　 　 　 　 '―ﾍ　 ／　　　 　人
　　　　　 　　　　　　　　　／冫′　　　 ／ミﾐ＼
　 　　 　　　　　　　　　　/|　|＼　　　.／ミミミミ
　　　　　 　　　　　　　／|,ヽﾉ! 　＼／




　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　 まあ、俺もかつては都仕えをしてたから
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　 その辺はイヤというほど分かるお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　 　 |: : 彡: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ　 /　 ハ: .　l:､ ヽ　 l　|
　　　　|: : : : : : 彡: : : : : : : : : : : : : : ./　/:::::::l: 　|: ',　|　 |ﾘ
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　　　　|: : ｿ: : : : : : : : ;. ''´::￣ ~" メ､::::::::::::　 ﾚｲ　f
　　　　|: : : : 彡_:_: i:!:|:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::..,,ﾑ 'ﾌ/
　　　　:l: : : : / r‐|: : :| "､´￣(ｯ￣~"ﾌｼ　 く'ﾞ′ /
　　　　 l: : : :.|　i: :lN: |:::: ::::::::::::￣::::　 .::::::::::', .　/
　　　　　!: : i.!ヽ :､ヽ､:|::::　　　　　　 .::::::::::::::::', ./　　　　だがな、俺はこんなところじゃ終わらねえ。
　　　　　|N: : : :＼_ノﾍ::::::::.　　　 .::::::::::::::::::::::::', .
　　　　 /|:!: : : : : ／::::ヽ::::::::....:::::::::::::＿::`:-ｧ.､_'､　　　　必ず武功を挙げて、ひと花咲かせてやるぜ……
　　 ／　 |l: : : ／::::::::::::::ヽ::::::::::::::::'＾::ー ´　/
　　三三;;;;＼´::::::::::::::::､::::::＼::::::::::::::::-‐:: /




　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒　　 ⌒＼
　　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ
　 　 　 　 　 　 l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|　　　武功？
　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ

　　　　 　 　 ｀ヽミメ、　. -‐,=‐
　　　 　 . . .-‐‐ミ i!　Y i! 厶イ_＿
　　　∠..., =‐-　i!　 i!　 i!　i!　＜´
　　　 .ィ´ i! 　 i!　i!　i!　i! 　 i!　i! ヽ
.　　, ′i!　i!　i!　i!　i!　i!　 i!　 i!　i!.!
　 /イ i!　i!　i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､　i!　i!　!
　　/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j　　　　　　　おう。
　 /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
　　　 ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|　　　　　　　この度朝廷より、南海の海賊を追捕せよとの宣旨を受けてな。
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|
　　　　 　 　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
　　 　 　 　 　 ､ 　ー　..:::::／;　 ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　 　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;




　　　　　　＿＿＿＿
　　　　／　　⌒　　＾＼
　　 ／　　（ ●） 　（●）　　　　 それはそれは……
　／　　::::::⌒（＿人__）⌒ヽ
　|　　　　　　　|r┬-|　　　|　　　武運を祈るお。
　＼ 　　 　 　　`ー'´　 ／




　　　　　　　　 　 ,ノ〃 , 〟〟,　　　 ,　  |
　　　　　　　　　　／,／〟 ／!〝〟/!/　|
　　　　　　　　　/／/　,　,ヘ/／j／_｣∠L  |
　 　 　 　 　 　 '　 /／ l/ｋ‐-｡ﾐ /ﾆ-｡‐ｧ |.|=､!
　　　　　　　 　 　 ' 　　' ∧￣//ヽ ￣´　ｊﾉyﾘ　　　　　うむ。
　　　　　 　　,.--一ァ　　!ｯﾍ//／　　　 /=彳_
　　　 ,.-‐‐く￣,二'つ_　　 　'‐ﾍﾞ￣｀¨´/　 ／（　　　　 ────して将門、お前はこれからどうするんだ？
　　/￣⌒ヽ_＼_｢＿l_｣　r――ﾍ ｢〉　/ ／/　　〉
　 /　 ﾉ⌒'ｰ'`ｰ'／ 　 　 ＼　　 .ヽ／ /＿|　／}
. /　　!　 ,.-‐　/　　　　　　_〉 ／ ﾉ　 _〉　 　 　 ＼
/　　　| /　　ノ　　 _,. -‐'´/ 〈.　 r‐'´　　　　 　 　 ＼
　　　./　 ／　　／　　　　ヽ　|～| {}　　　　, -‐‐‐‐-､〉

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　 　 赦されれば故郷に帰って、
　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　
　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　父祖の地を護るため、必要ならばまた戦うお。
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|




　　　　　　*　　　＿＿＿_
　　　　+　。　／ ＼　　／＼
　　 　　　　／　（ー） 　（ー）＼+　。　*
　　　　　／　　 ⌒（__人__）⌒ .＼　　　　　　　そしてゆくゆくは祖先・高望王様のご遺志を受け継ぎ、
　　+　。|　　 　　　|r┬-|　　　　|　　+　。
　　　　　＼　　　　 `ー'´　　　／　　　　 　 　 東国に常世の国を造るんだお！
　　　　 　　＼　,,,,　　　　,,, ／　+　。　　　　
　　　　　　 ／　　　　　　　 ＼
　　　　　／　,､　　　　　　.l>　,>
　　　　　＼　ﾘ　　　　　　 l　<
　　　　　　<_/　　　　　　　ト-'
　　　　　　　ｉ　　　　　　　 l
.　　　　　　 l　　　　　　　　l
　　　　　　 ｌ　　 ､__.　　　　ｌ
　　　　　　 ｌ　　　 ∧　　　 ｌ
.　　　　　　l　　　 /　ｌ.　　　ｌ
　　　　　　/ 　　 ' 　 ｌ　　　ｌ
　　　　　(＿＿ﾉ　　 ﾞ'-､,＿)

　　　　　　　 ＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　 　 ＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
　 　 　 　 7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　 　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_　　　　 『常世の国』？
　　　　 　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　 　 　 （⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　 ｀二⊃ﾉ　　　　何だかよく分からんが……
　　　　　　| " ﾞハ　 ー--7′　　 　 　 （( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　 　 　 　 　 ;;　　　　　　　 まあせいぜい頑張りな。
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　 　 　 　 　 [l、
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　 ）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/




　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （● ）　 （● ） ＼
.　　　　　　　　　　(ニ~`ヽ、 ／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼　　　お前も海賊追捕、頑張れよ！
　 　　　　　　　　　 (((_⊂>ヽ|　　　 |r┬-|　　　　　　|
.　 　　　　　　　　　　　　 ＼ ＼　　　`ー'´ 　　 　 ／
.　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ-|　　　　　　　　　　ヽ
　　 　　　 　　　　　　　　　　　ヽ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼

┌───────────────────────────────────────┐
│　藤原純友は、生い立ちから動向に至るまで、いまだ多くの謎に包まれた人物である。　　　　...│
└───────────────────────────────────────┘




　　 , ‐'´　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿`‐､
　∠ -‐'' ／　　　　　ｌ||　　　ｌ||　　　 　 l|l　　　　||l　 　 　 `‐､￣
　　　　, '　　　ｌ||　　　　　　　　　　ｌ|ｌ　 ,　 　 l|ｌ　　 　 　 　 　 ヽ
.　 　 /　　　　　　l||　 　 ｌ||　　　,ｨ　　/l/|　　　　　　 ||ｌ　　　 、ヽ
　　 /　　 ｌ||　　　　　 ,ｲ　./!　 / |　 /　　| lll ﾄ､　 ||l　　　 |l　 l＼!
.　 ,' ,.イ　　　　l|| 　 / l ll/ l |l/　| ll/　　　ｌ　 | l　　 　 ||l 　 　 |
　／　| lll　 /|　　　/　| /　| /　 | /　　　　ヽl !.ヽﾄ、　　　　　 ||
.　 　 |　　/ :l　lll　/─|/‐-l/、　l/　　 ,. -─ヽ!ｰ` ヽ　|ll　 |ll　|
　　　l ll /　 | r:､ / 　 　 　 　 `　 　 '´　 　 　 　 　 ヽ　 ,r‐､　|
　　　! ./　　|/| |ll|.＝＝＝=｡==　　　　==｡=＝＝＝ |l|ｌ|'-､ l　!
　　　|/　　　　| | |　 ｀　ｰ--‐ '　| :　　　ｰ--‐ ' ´ 　 |　!｀ i | ||
　　 　 　 　 　 | | !　 　 　 　 　 ::| :　　　　　　　　　　| .|ヽｌ l　!
　　　　　　　／ｌ |l|　　　　　　　:::| :　　　　　　　　　　|ｌｌ!_ﾉ.,'　!＼
　　　　　 ／　　`ｉ| 　 　 　 　 r_::| :　_，　　　　 　 　 :| |_ノ　,'　　＼
　　　 _, ｲ 　 　 　 ヽ 　 、　　 　 ｰ'　　　　　　 ,　　　,|,!　ll ,'　　　　ト
-‐' ´ 　.|　　　 　 　 ヽ　 ￣￣￣￣￣￣￣￣　　／:|　　/ 　 　 　 !
　 -‐' ´|　　 　 　 　 |;;ヽ　　 　 ＿＿_　　　　　.／::　:| l /　　 　 　 :|
.　　 　 |　　　　　 　 |;;;;;;;＼　　 ￣￣　　　　／:::　　│/　　　　　　 |
　　 　 |　　　　　　　 !;;::::::::::＼　　　　 　 .／::::　　 　 |/　　 　 　 　 :|
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.　　 |　　　 　 _,.. -‐'　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　|　｀` ‐- ､.　　 　 |




┌───────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｺｳﾑ　　　　　　　　　　　　　　　│
│　『本朝世紀』では、「承平六年に海賊を追捕すべきの由、宣旨を蒙る」と記されている。　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　最初は、海賊を鎮圧する側にいた訳である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
└───────────────────────────────────────┘

┌───────────────────────────┐
│　だが彼は、朝廷の命令におとなしく従うタマではなかった。　　　 │
└───────────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _z―‐‐-､,. -―z_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,∠,　〟 　 ｙ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／〟　〟　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ〃 , 〟〟,　　　 ,　  |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／,／〟 ／!〝〟/!/　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/　,　,ヘ/／j／_｣∠L  |
　　　　　　　　 　　　　　　 　'　 /／ l/ｋ‐-｡ﾐ /ﾆ-｡‐ｧ |.|=､!
　　　　　　　 　　　　　　　　　　' 　　' ∧￣//ヽ ￣´　ｊﾉyﾘ
　　　　　　 　　　　 　 　 　 　, - ､ 　 !ｯﾍ//／　　　 /=彳_
　　　　　　　　　　　　　　∠二_ヽヽt─-.'‐ﾍﾞ￣｀¨´/　 ／（
　　　　　　　　　　　　　l´＞,へ｀lﾍ　r― ―ﾍ ｢〉　/ ／/　　〉
　　　　　　　　　　　　,／　/:::.::|ﾗ, ＼ ＼　 / .ヽ／ /＿|　／￣}＿__
　　　　　　　　　　 ／　　./:.::.::.|　　 ﾍ｀ｰ>/＞_.＿/　 　 ＼ _--..,_＼＼
　　　　　　　　　／;　　ヽ¨ﾞ゛'' ―- ...､､　/______,⊥ -ー"´´ 　　　 ｀'‐ゝ
　　　　　　　　./::::::':;.. 　!､ 　　　　　　￣　　　　　　　　　　　≡三　　⌒＼
　　　　　　　 /'::;:::::::::::'::,l! ＼　 　　　　　　　　　　　　....._≡三三,r'　　　ﾐミ＼.
　　　　　　　;!　 '::;::::::::::::l:.:.:....゛'''‐-　...＿＿＿....　-ー ＼ : : : : :／　　　　三三ﾝ―- 、
　　　　　　　l.　　　''::;;／＼:.::.:..:.:.i!　/　 　　/　　　　　　 } : : :／　　　　.三､ r`　　　　!､
　　　　　 　 |:.:..　　／　　　＼:::.:.:.:!/ 　　　/　　　　　　　l: :／　　　　　／　　ﾞ,　　　　　゛''‐-、
　　　　　　　:!::::.／　　　　 　. ＼::.::ﾞ:、.　 /___＿＿＿､,,r'／ 　 　　　／: : : : : :|　　　　:ll 　 　 ﾞｉ
　　　　　　　 ﾞく　　　　　　　　　 ＼:.:.ﾞ: ￣　　: : : : : : :／ 　　　　／ : : : : : : :! 　 　　 l|ｌ　 　　ﾍ
　　　　　　.　 　`　、　　　　　 　 　 ＼::ﾞ:.、ｰ-----／ 　　　　／:: : : : : : : : :| 　　　,r'', 　　　|　|
　　　　　　　　　 　 ｀ﾞ　‐-　 .,,__　　　_,,.＞　　　 ／ 　　　　／: : : : : : : : : : :l 　　　| : :',. 　 　! 　ﾞｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　　 　 ／　 　　　／　￣゛'' ―- ...＿l 　　　|: : :l　　　|




┌────────────────────────────────┐
│　やがて、伊予国日振島を拠点に朝廷に反旗を翻し、都を震撼させる。　　......│
└────────────────────────────────┘

┌───────────────────────────────┐
│　年が明けて承平七年一月七日、朱雀天皇元服の祝宴が行われた。　 　 .│
└───────────────────────────────┘




　　　 /／: : : /: : : :／,: : : : : : : : ,: : : /: : : : : : : : : : ::｀`ｰ-,‐
　　 ／/: : : :/: : : :/ /: : : : : : : ／__／: : : : : : : : : : : : : ＜
　∠-/: : : :/ : : : / /:/: :､-‐＝￣__ ノ: :|: : : | : : : : : : : : ヽ
　　 /|: : : /: /: :/ /| |: : : :了￣ // /}: 人: : :| : : : : ､: : ＼|
　　//|: :/／|: :/|/　{|: : : :/ |: :/ / ///| : |＼{: : : : : ｀丶、＼
　　l|　|: |: :{ |/冫＝=|: : /___|/-/ノ≠ニ弌: :｀: : : :|_: : : : l`ｰヽ
　　　 ヽ{| ||: : |{ 仁ヽ|: / ￣｀__..-=≠ヽ. 　|: : : : : / |: : : /
　　　　 ｀ヽ＼ ',└┴lヾ 　　 ´_{‐-'::::}　ﾐ　|: : : :ノ } l: : /
　　　　　　　 ｀､|　　/　　　　　 ￣｀¨￣ ／: :／　／:／
　　　　　　　　 ｀、ヽ.　　　　　　　　　／-‐'´∠´: : /
　　　　　　　　　 ヽ　｀_　　　　　　　　　　ノ　/　/レ
　　　　　　　　　　 ＼　｀二‐ ､　　　 ,　'　　 '/ノ}
　　　　　　　　　　　　＼　　　　_ -　　　　ィ戈 彳
　　　＿＿_　-‐=＝￣r≧≦二＿-─=彡冖 : : ﾄ､
　 ／ :／: : : : : : : : : : |: : : : : : :|　|￣∧: : : : : : :l: : ヽ
. /: : /: : : : : : : : : : : : :V: : : : : :|　|.,-ﾍ/‐､: : : ／: : : :｀丶
/: : /: : : : : : : : : : : : :/ V : : : : | /⌒)乢⌒:／: : : : : : : : : ＼
|: :/: : : : : : : : : : : : : { {: :V: : : : | |: : :{山}'´: : : : : : : : : : : : : : ＼
|: :|: : : : : : : : : : : : : ://　‐-　-//-‐´）（: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
ヽ |: : : : |＼ : : : : : //: : : : : : l l: : : : :于: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. | |: : : : ||: : ＼: : //: : : : : : //: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

　　　　　　　　　　　　━━━━━
　　　　　　　　　　　　　朱雀天皇
　　　　　　　　　　　　━━━━━




┌───────────────────────────────────┐
│　この時代は宮中に慶事があった際、その天皇の徳を全国に知らしめるために　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　恩赦が出されるのが慣例であった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└───────────────────────────────────┘

┌───────────────────────┐
│　将門の罪も、この恩赦令によって赦された。　　　　　　│
└───────────────────────┘




　,r'ﾆﾆﾆヾヽ、　　 　 　 　 　 　 　 　 //ﾆﾆﾆヽ、
（"´￣￣ヾ））　　 　 ＿＿＿__　　　（（/￣￣｀ﾞ`）
| 　 、ィ_ﾉと)'　 　／ "＼, ､／"＼　 (つ（_,,ｱ　　 |!
i| 　 ｀ ｲ_／　 ／ （‐-､）､ ,（,-‐ ） ＼. ＼_Y　　　|!
.ヽ、　 ' （　 ／　　 ｀ﾞ（__人__）'" 　　＼　/ `　　/
　　＼　　＼l　　　　 i|　　 　|!　　　 　l／　　／
　l|l 　＼　　 ＼　　､i|,/⌒ヾ､|!;,　　 ／　　／　|l　　　　ようやく国に帰れるお！！
　　　　　＼　　ヾ　　 `ー一'´ 　ｨ　 　 ／ 　　i
　　　 　 　 ヾ、　　　　｀`"´　 　 　 ／
　　　ﾟ　 　|!　 Ｙ　　　　　　　　 　 ｨ　|!　　｡
　　　,.　 '　 ､/　　 　 　 　 　 　 　 ヾ　´　’　　｀
　ﾟ,　i! `|　゜､l!　　　　　　　　　　　　i|!;　ﾟ ゜ ｡
　 ヾ从ｿヾ､, ;;ｿ'人ﾟ;,ｨ~;;へ､ｨﾍ;;´ﾝy∧从/∨ゞ〆´　 ,.，
_..〆　　..:::ｿ　　..:＿::ノ .::j　　 .:::ﾉ｀ｿ´::ゝ　.::::...ヽ _.:::｀

　　　　　　　ﾄ､:;:＼:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; --;:─''"!
　　　　　　　l::ﾄ､:;:;:;:` ー──:;:;:''":;:;:;:;:;:;:;:;ｨ彡!
.　　　　　 　 ':! __`　､:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ｘ≦f三三三三|
　　　　 　 　 |!ヾ三}　 ￣ｨ三ｦ　`ヾ三三三んﾍ
　　　　 　 　 l! ＿....　　 ........　　　　ヾ三三f { ﾘ
　　　　　　　 | fｔ‐ｒミ　.::::''ニニ、　　 三三rく/
　　　　　　　 l `ｰ='彳 ::ヾｲ弋ノﾞ::.　　三「f”/
　　　　　　　 '.　￣´j:　 :　￣´　:::.:.　 ﾐｲ/-’
　　　　　　　　'.　 ,ｨ’　　.:^ヽ..　　　　 jﾂト．　　　　　よかったのう、将門！
　 　 　 　 　 　 ∨;:ヽ ＿:ノ　＼:: ｀ヽ　ﾊ　ﾄ､
　　　　　　　　　 }､ト= ｪｪ=ﾃｱヽ}　　 /　i .|:〈ヽ
　　　　 ＿..,, ィ//:::i　ゞ┴シ′ 　 ／　 ' /:::::ヾ:.＿__
一 ''"´　　 　 :{ {::::::ゝ　⌒　 　 ／ 　 / /:::::::::ﾉｨ1　　ﾞ …- ．
　　 　 　 　 　 ヽヾ.::::: ー‐一イ　　 ./ /::::::::ｲ/　|
　　　　　　　　　 ` ー─┴──一 一" ￣　　ノ





　 　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　　／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　この度は、忠平様にも大変お世話になりましたお。
　　　 ＼　 　 　 `_⌒ ´　　／
.　　　　ノ　　　 /　）ヽ 　 く
　　　(　 ＼　／__ノi　）　,　)
.　　　＼　　ﾞ　／　ヽ ヽ/ /
　　　　　＼_／　　　 ＼_ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈::::::::::::::::::::｀丶､/＿:_:_:_:_:_:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ミ了`ｰ- ､::::::/::::::::::::::::::::::::￣:::::`::::―‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 lミミ　　　(三ｼ`‐---　　＿＿＿:::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 lミｼ　　,.　　　　 　　 ヾ三)　　　 }三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fi7　 . "　　｀、 :　　　　 _ _　　　 ヾ三ミ三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| !　 '　､==z､ヽ|:　　, '"　　丶　　 ｀}ミミミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|i|　　｀ ｀二彡/　 　 ､ｰ==､、:　　　|ミミﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lﾘ　　　　 　_/　　　　 `二ﾆ｀`　　　|ミﾐ/　　　　　 なに、気にすることはない。
　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　''´￣￣￣｀ヾ!:、 　 　f´'′　 :^ヽ　　　　　　　 ,.lミ/
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　l　｀ :r '´`^'､__,.-､ノヽ、　　　 ,.　" }ｼ　　　　　　　源護もそなたの伯父たちも、
　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　_,. -‐ 'ﾞ´ヽ　｛ ､-- ､:.:＿_　　　ヽ...　 '　　 /｝＼　　　　　　これからはおぬしに手出しはすまい。
　　　　　　　　 ＿＿_/　_,.　-‐ ''"´　　　　 /,ハ　ヾ｀ヾｴｴェｪｪ＞-　　　　　, 'ノ 　 ﾊ、
　 　　 _,. - '"´ 　／/'´　　　　　　　　,. -, {{（　 ヽ　｀丶｀二ﾆ´　　　　　　／´　　　| |
　,.　'´　　　　 ／　/　　　　　　　　　 i　//ヽヽ、 ,ﾍ　　　　　　　　　　,　'´　　　　 //
'´　　　　　　/　　/　　　　　　　　　　 、ヾ、 ＼＼| ヽ、 　 　 　 ,. -,:'´　　　　　／/





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　　　─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　はいですお。
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　（残念だが、それは無いだろうな……）
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 　 ／　　　 ⌒　　　　 ⌒　　　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　　 ／　　｀ヽ　　/´ 　 ｀ヽ　　 ＼
　　　　　　　 　 ／ 　 　 （　　　＿ l 　 ｌ ＿　 　 ） 　 　 ＼
　 　 　 　 　 　 |　　　　　 ヽ_　　_ノ 　 ヽ_ 　 _／　　 　 　 |　　　（おそらくまた口実をつけて、俺を攻めてくるに違いないお。
　 　 　 　 　 　 | 　 　 ´￣｀ （　　　　i　　 　 ） ´￣｀ 　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　　 　 　 　 ー― ＾ ー―　　　　　　 ／　　　　────だが何度来ても、返り討ちにしてやるお……）
　　　　　　　　　　 ＼　　　　 　 　 ー一　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
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　　　　　　　　　　 ／　　 ／　　｀ヽ　　/´ 　 ｀ヽ　　 ＼
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　 r'´ l　　|:::　/／::::｀ ソ.　 ／::::　　　　　　 ::::::ヽ　　i,:::ヽ　　i、
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　i　 ::::::l 　:|　　 .／､ 弋ソ｀ー､::ヽ　　　　　,r'´:::_,:::rヽﾄー─-　　　
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　　|.　 　 　 　 ´"''",　　　 　 　"''"´ 　 　 　 　 l
.　　＼. 　 　 　 　 （　　　 j　　　 ）　　　　 　 ／　　　　（それにしても藤原純友──面白い奴だったお……）
　　　　＼　　　 　 ｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′　　 　 ／
　　　　／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　 ／　　　　　　　｀`ｰ- -‐'"´　　　　　 　 ＼
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;;:;;:.,;:,.:,.:.,,..,.,...:.,.:

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　　　　∨三三三三三三三三三三三三三彡/　　 .　人__／
　　　　　∨三三三三三三二≡≠: : : : : : : :∧　　　　　 ⌒ヽ(
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　　　　　|: : : : : :/-－-､',: : : :∧{_zzz l_: : : : : : : }　　　　 ｀Y^＼
　　　　　',: : : : : {_ zzz _　'.: : :{〃ら;::ﾊゞ: : : ﾄ､.:/
　　　　　.lﾊ: : : :|ヾら;:ﾊ`　 ＼|　 ゝ- "|ｉｌ: : :.l,//
　　　　　.| .∨ 八　ゝ-" 　 　 ヽ 　 　 .|ｉ|: : :.l:/
　　　　　ヽ　∨: ﾍ＼　 　 　 ､　　　 　 ﾘﾊ 从　　　　　兄上！
　　　　 　 　 .∨.: :ヽ､　 　 ｰ -‐ '　　 ｲ .ﾘﾊ:}
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　　　　　　　　　　＼: :.ヽ .i ＞ ＜ i. |/. |/
　　　　　r‐-y-､,, … ヽ.}イ ,ｲ_/.}ミﾒ､　ゝ…-､r‐､-ﾍ
　　　　　ゝ__ｉ!__)　　　 ,,ィ彡'/.ﾊヽ　ヾミii､　　 ゝ-yi⌒)
　　　. /".:)_l}_(.　　　 ゞミ彡{::{ }::}ヾミ彡' 　 　 ｀)_l}_(｀ヽ
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　　　　 .／／／/l::::::|,!.|::::::::l'l　 ＿__　　 　 　 　　,_＿ 　||::::::::::| !::::::|
　　　／ ／./. //l::::::::|亅::::::|.|.,-=＝x 　　　　　ｨ＝=ミ/ ||:::::::::|ﾉ::::::::!
　.／　 /　/ //　!:::::::::::|::::::::| !　　　　　　　　　　　　　　|,! :::::::|:::::::::::|!
'´　 ／ ／ /./ ｜::::::::::::|:::::::| l.　　　　　　_ _　 　　 　 　,|::::|:::::|:::|::: :::!l　　　　　将門様！
　／　/　/ /　 .! ::::::::::::::|::::::.|＼　　　　　　　 　 　 　 ／:￣l￣:::j::::|::::l.l
/ 　 /　/ ./　　! ::::::::::::::|:::::::l.l:::::: ヽ､　　`　　´　_,ィ'´::::::::,||:::::::::|::::|::::l l,
　 ／.／ /　　.l::::::::::::::/|::::::,!,!|:::_,ノ|　｀`ｰ---‐'"　 ト_ ::::::l !::::::::|l:::|l::::| !l
／　/　/ 　　.!:::::::::::::/i,|:::::/,l〃'､ ヽ＼.　　　　　／ .／入l |:::::::::| !:l.l::: l !l
　,/ 　/　　 .,!::::::::::::/ !!|:／"ヽ_ノ`､ !、ヽ.　　 ／ .／ / :::::７-､::::| !: !l::: ! !l

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　　　　　　 ／ 　 , --､　 　 　 ,.-- 、　 ＼
　　　　　／　　 　., ーヽ　　　,'. ｰ-、 　 　＼
　　 　／ 　　 　 （　● l 　 　l　●　）　　　　＼
　　　 | 　 　 　 　 ｀ｰ ノ　　　 ヽ.ｰ '　 　　　　　|
　　　 |　　　　　 '⌒（_＿__人_＿__）⌒｀ 　　　　|
　　　　＼　　 　 　 　　｀ｰ--‐´ 　　　　　　　／　　　　俺の留守中、変わりはなかったかお？
　　　　　 ＼　 　　　 　　　　　　　　　　 　／
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 〈





　　　　　 　 ,' /.:.:;′/:/.:.:::/:/!::::|::ﾄ､　.:.:.:.:::::::|::|::i .:.::::::::::::::.:「
　　 　 　 　 l/.:.::;'.:.:/./.:::ノ::/ |:::::|::ﾄ､ヽ.:.::::::|:::|::|::| .:.::::.:::::::::::|
　　　　　 　 |:l:::::l::::|:::ﾚ':ﾅナヽ|:::::l::l＼ヽ.:‐:十:|十!、.::::::::::::::/
　　　　　 　 lハ::l::::|:::ﾚ'´　‐- |:::/l/　 ＼::::::|:::|::|::| .:.::::.:::|:./
　 　 　 　 　 　 ',l::::|:::|　 ＿　 |/ 　 　 　　｀` ｀`7!.:.:::::.:::|/　　　　 ああ、大丈夫だよ。
　　　　　　 　 　 ﾄ､ﾄ::ﾄ､´￣`ヽ　　 　 ‐＝=ﾐ､ ./:!:.:.::::::::|
　　　 　 　 　 　 ヽ:|:::|::!　　　　　　　　　 　 　/./.:.:::::::::;′　　　　 伯父上たちは手を出してこなかった。
　 　 　 　 　 　 　 `l:::|::ﾄ､ 　　 _｀_　　　　　 /::/.:::::::/l/
　　　　　　　　　　　|:::!.l.:::>､ 　 　 ｀　　 ,..イ::/::::::::/　　　　　　　　さくら殿も、ご覧の通り元気さ。
　　　　　　　　　　　|.::::::/:::/ﾆ＞.--‐ ＜ﾆ7⌒:::::/ 　 _ ＿
　　　 　 　 ,r‐r‐- ､|::::/´l/　 L_　 　 　 /　　 |::/￣`ヽ 　　｀」
　　　　 　 ﾉ:いぃ￣|:/ヽ　 　 　`ｰrrrt7′　　l/　　　　V￣｀`
　　　　 　 ﾚ'⌒.:いﾊ｀ヽi　　　　 ノﾉ只〕ﾄ､　　　 　 　 　 i ‐1⌒
　　　　　 /.:.:.:.:.:.:Ｈ.::〉ヽl 　 　 〈:::(ﾉ八ヽ)::〉　　　　　　　l ‐|.:.:.:

　　　　　　　　　 　 ,:::::::::|/::::::::::::::::::::::/::::/:ヽ:::::::ヽ.:::::::ヽ.ヽi
　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::::ｲ:::::::::::::::::::::j'::::::l:::::::',::::::::::',､:::::::ﾞl::::|
　　　　　　　　　　/:j::::::::|:::::|:::::::::::::::|:::::::|:::::::::ﾄ.:::::::::l､::::::::|::::|
　　　　　　　　　 /:,ｲ::::::|::::::{:::::::::::::::|:::::::||:::::::::|i:::::::::|r|::::ｨ'|::::|　　　　　朝廷より赦されたという事は、
　　　　　　　　 /::/´|::::::|::::::|::::::::::::::::|::::::|.|:::::::::|i:::::,ｲ●ﾟj:::|::::|
　　　　　　 　 /ｲ 　 |::::::|::::::ﾔ::::::::::::::ﾄ.ﾄ:jﾄ-‐" ~´　ゞ="}:::|ヽj　　　　 もう父や良兼様たちと争わなくてよいのですね？
　　　　　　　 ﾉ'　　　}::::::j|::::::ﾔ:::::::::::::k｡●゜ﾉ　　　　 ///::ﾄ､
　　　　　　　|:|　　　 j:::::j:::::::::ﾄ､::::::::::::ﾔ≡"　　　　,　 /::::::∨ヽ.
　　　　　　　||　　 　 j::,ｨ ﾔ:::::::::｀ヽﾄ､::ﾞ///　　　 ／⌒ヾ.､:::〈　ヽ.
　　　　　　　ﾔ　　　,ｲ´ ｀`j:::::::::::::::ﾞi　ヾY:.､..＿/´　　　∧ﾞﾄ､:ヽ　i
　　　　　　　ヾ､　／　　 　ﾔ::::::::::::::|　　ヾﾄ､〉ﾅ　　　　　 ﾔjﾞヽ:＼|
　　　　　　　　ヽ,'　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ.　 ｀Y"　　　　　 　 ﾔj ヽ:::＼
　　　　　　　　 /　　　　　　|!::::::::::::::|　ヽ　/　　　　　 　 　 ﾞ|i|　ﾔ::::::＼
　　　　　　　　 |　　　　　　 |ﾔ:::::::::::|　　ヽj　　　　　　　　　 |i|　.ﾄ.::::::::::＼




　　　　　　＿＿＿
　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　　 ／（●）　（●.）　＼
　／　　（__人＿,）　　　 ＼　　　もちろん俺は、それを望んでいるが……
　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 u 　 |
　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　　 ゝ 　ﾉ
　　／ 　 /



　　　 　 　 　 ＿＿__
　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　 　 　／ （ ●）　（●）、　　　　だがさくら、案ずるな。
　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼　　　
　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |　 　たとえ戦さになっても必ず勝つ。俺は無敵だお。
　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／
⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ
　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ

.　　　　 !:: :::::::::::::::::::::::::::::::::::|:|::l|:::::::::::::ll|::::::::::::::::::|||:::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　 |:: ::::::::::::::::: :::::::::::::::::|:|!:lｌ:::::::::::::||l: :::::::::::::::l||::::::|::::::::::::::::::.!
　　　　 |:: ::::::::: ::_l||::::::::::::::::::|ll.l||::＿:::_| ll　:::::::::::::||.!:::::|l:::::!::::::::::::|
　　　　 |: ::::::::: /､ll|::::::::::::::::::|＞|ｧ-､､''ﾐ ￣￣￣〃ﾆ‐く∠!::::::::::::|
　　　　 |:::::::::::::! /l!|: :::::::::::::::||/;●.c !＼'　　　　'.f{●.!..∨::: :.!::::::|
　　　　 !::::::::::::::!.ｌ.|!|:::::::::::::::::|ヽ:l..≦.ﾉ . '　　　　　.!ic丿 /:::.!:::l:::::f|
　　　　 |:: :::::::: :ヽ.!||: :::::::::: ::|l|　l｀.´ 　　　　　　　　´　 .!:: :|::l||::::ll|
　　　　 |:: :::::::::::: ::||:!: ::::::::: ::||| │　　　　　 　 !　　　　/:::::l!:.!||:::|l|　　　　将門様……？
　　　　,l:: ::::::::::::::::::::::::::::::_::_l:!|| │u 　　　´ 　　　　/.::::::.!|:|.!|:::|l!
　　　　l|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!ﾄ､　|　　　 ─‐‐　　 ／.:::::::::i|￣ ￣　　　　 （何だかお人が変わってしまったみたい────）
　　 　 l|::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::||　 丶、　　　　　 ／ :::::::::::::::||
　　　 !|:: :::::::::: :::/|::::::::::::::::::|.| 、　　.｀ ｰ┬ '´::::::::::::::::::::::::l|　
　　　l:!::::::::::::::::/ :l|::::::::::::::::::l |､ 丶、　　/丶、:::::::::::::::::::::::|.!
　　 l:!|::::::::::／::::: !|:::::::::::::::::.! !､ヽ 　＼ l ｉ　　!ヽ:::::: :::::: ::::lｌ|
　　!:|:!:::／'"｀ﾉ ｰ!|: ::::::::::::::::|:.!:::ヽ丶、 ヽ! 　 ! |:､!::::: :ヽ:::|.||
　 !::!'´ノ＞∠: :: :||!::::::::::::::::::.!:|:::::::＼ヽ　.! 　 | .!:(ヽ:::: ::ヽ|､!|
／::￣ｿ '´ 　 ＼::|:l|::::::: ::::::: :|:.!:::::::::::ヽ ヽl 　 |　!::::ヽ:::::::::ヽ:＼





　 /　　 l　　　　　.i,　'i､
　　/　　　!　　　　　.|.!　!.ヽ　　　ｌ
　 /　　　.|　　　　　 ! .ｌ　! .ヽ　　 ｌ＼　　　　　　　　　　，
　 ! /　　│　 .|　　 !　.ヽ.ｌ,　 ＼ . ｌ､ ＼　　　　　　　　　!
　.! ｌ|　　　ｌ　 / .，./ 　 . ｌ..ｌ.　　 ＼ﾐ/;;､.,ﾞ;;xi..ii,i--――-l..,、
　| l│　　 .ｌ .l'"/了ﾞﾞ''''''''''.ｌヽ　　　　　.｀'!!r..,,._,,,｀-ﾆﾆ二l、 ｀
　.ｌ.! .!　.,　 .}ﾞ.iiｼ'┌'''Ｚ,ﾞ,ﾞ'''x/.ｌ、　　　　　　!" .|コy　,,, |.,l′
　 │ ｌ　ｌ ,iシl,.ｌ.　ヽ .ｌ'Yくッ.!　.＼　 　 　 　 　 ! ﾞ‐''ﾞ'ジﾞ/ ｒ　　 　 .，
　　ゝ ﾞlir彳　..ｌ,.ｌ　　 .ﾞ―ｰ"　　　｀''　　　　　　 ￣´　 /./ 　　　 　!
　　　　 ヽ.!i、　ﾞ l､　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /. /　　　 ,lﾞ /
　　　　　 ﾞ'.乂、 .＼　　　　　 　 ゝ　　　 　 　U　　 ,〃 !　/ 　　/l/
　　　　　　.| lｌ ＼ 　.＼　　 　　　 ＿　　　　　　 ´ 　/./　　 / 〃　　　　（兄上、それは驕慢だよ……）
　　　　　　 ! |l ｀'‐　 ﾞｌ‐ヘ､　　　　　　 　　 　　 　 ,!/　 　.i| l'!ｌﾞ
　　　　　　 .! l.ｌ　　　.l.!ﾞ7-、　 　　　　　　 　_／´l|〕　 .,l"l/ l!
　　　　　　　ｌ ! ｌ　　 .l l |　 .　　　　　　　　　　　　　 .|'lﾞ　./ . ′
　　　　　　　ﾚ　.ｌ　　l .|/　　　　　 ｀ﾞ'''Y'"゛　　　　._,.. |　ｌ＼
　　　　　　　　　 .ｌ　│　　　　　　 　　│　　 _..-'"　　| ｌ 　 .＼
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..　　|　　　　　────貞盛……！！
　　_乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　 　 　,,;''￣　　￣ヽ
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　　　　　　　　　　　　　 '､,　 　　 （＿人_）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　 |r┬ ､l　ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　ヽ,　　 　｀ ― ´　 ）　　　(⌒ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　　　　ノ 　 　 と　,ｨ_ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿`-/::..　 ｀　　　⌒ ￣￣｀　　 >
　　と⌒ヾー―――― ⌒　　　　　 ￣｀´￣　 　 ｲ　　 - － ´
　 < ゝ　/､＿＿＿＿_　 　 　 ヽ､　　 　 　 　 　 　 ヽ'
　　 く／　　　　 　 　 　 ￣｀ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 ∨
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌ　　　　　　　　　　　　 ∨　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｌ　　　　　　　　　　　　　∨　 |　　　　　────貞盛……！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　 　 　 　 　 　 　 丶　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ 乂_
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　 　 ―――‐ ､　　　　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　／　　　　 　 　 ＼　 　 　 丶
　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 ／　　　　　　　　　　 ＼　 　 　 ヽ　　　 ,.-､
　　　　 　 　 　 _　　　 ／　　 ／　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　｀ ｰ ⌒ヾゝ
　　　　　 　 　 { ｀￣　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　∧　　 　 　 　 　 Ｙﾗ
　　　　　　 　 ∧　　　 　 　 ｌ　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ　　　　　　　ノﾉ
　　　 　 　 　 　 ｀ ー――‐'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ￣￣￣￣

　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
..　　|　　　　　────貞盛……！！
　　_乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ

　　　　　　　　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　 て_
　　　　　／￣￣Y￣￣＼　　 そ
　　　 ／　　ヽ,_.　　 ノ　　＼　（
　　 （●）（● ）　 （ ●）（●）
　　 （__人__）　　　 　（__人__）
　　　{｀⌒ ´　　　彡　｀ ⌒´ﾉ　　　誰だ、俺を呼ぶのは────
　　　 { 　 　　　　　　　　　 }
　　 　 { 　　　　　彡　　 　}
　　　　 ヽ、　　　　/　　 ノ
　　　　　　 .ﾝ　　　 ヽ
　　　　　 ／／　　　 |
　 (⌒二_／ |　　.　　|



　　　　　　　　　　　　 ,
　　　　　／￣￣＼　　て_
　　　 ／　　 _ノ　　＼　　そ
　　　 |　　　 （ ○）（○） （
　.　　 |　Ｕ　　 （__人__）　　　　　　ああッ！！
　　　　|　　Ｕ　　|r┬-|　　彡
　.　　　|　　　　　｀ ⌒}　　　彡
　.　　　ヽ　　　　　 　 }
　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　／　　　　 ＼
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　　 　 |　|　 ＼　/　 ヽ　＼_＿＿＿＿|
　Σ(⌒ノ　　　ゝ　　　 ＼＿_）

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.　　　　　　　 　 　 >ヽ,{ /.:　　 ｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,.ィ'´　　.:..＼ }'´V | :::::::::::::::
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::::::::::::::::::　　　　　 ヽ,.ｨ´',:::::::ｲ　{ {О} lヽ、　　　　　　 /１{О} }　〉:::::::::ト,.、ｿ::::::::::::::::::::::　　　貞盛……！
.　 　 　 　 　 ,rァ／''ヽゝ.',::::::::... ゞ:::::ノ　´:..　　 　 　 ..:｀ ゞ:::::ノ...::::::::::::|'´／＼=‐-、::::
　　　　　　／ //　　　 ＼',　 -､　　　　　　　　　　 　 　 　 (r'´　　 　 ﾚ'´　 ／,>､´￣｀ヽ、___
,r‐　 ,.-‐く,.-‐ゝヾ"ヽ､ 　 |',....ノ　　　　　　　　　.:::..　　　 　 ｀ヽ､.__　/　　 /／　 ﾉ）　 ,..ｫ'
{ ゝr'　　　 ｀ヽ､ ｀"'''''''''弋"ﾍ　　　　　　　　　　::::::::.　　　　　　 　 ７ー- ┴‐='''"´　 / {　
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::::::::::::::::::　　　　ゞ {:/l≧=、 　 ｀≧=ミ、 ＼＼{＿人ｯ∨}:::｝　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
::::::::::::::::::　　　　ｒ＝与} Ｖﾉ　　　　 廴nﾉヾ　∨＼｝∨∠:シ　..　　|　　　　貞盛、なぜ将門を討たない……！
　　　　　　　　　ゝ　｀v} ｀¨　　　　 　¨¨´ 　　}::}ノ:／//:::::::::::::::::::_乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ
　　　　　　　　　　::::_人　　｀_　 _　　　、＿ノノ／<／
　　　　　　　::::::::::::（三ﾐ心、　｀　　　　厂￣￣¨ミヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　 ::::::::::::::::::::::::::::/}ﾆニ==ミﾌｰ-...-＜三＝ｰ-≠く　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::/　＞ｰ=-ミ｝¨｀Ｙ´￣｀Ｙ三三三ﾐ人　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::　／　厶∠二三）＞句＜}}｛ー--―〈.　 ヽ　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　/　 　 　ヾ三三ｦ∨/ 8∨/l ヾ三三ﾐｦ　　 ｝::::::::::
:::::::::::::::::::::::（ 　 　 　 　 ゞテ /∧_,_,_| |ﾉ　 ヽゞテ　　　/:::::::::::
::::::::::::::::::::::::::＼　／　 　 ソ ｀ｒ‐--‐,l |　　 　ソ　　 ／　　　 ::::::::::::::::::
　:::::::::::::::::　　　｛ﾆ, ､二}<　 く／ハ＼>　｛ﾆ, 、ニ}〈　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::　　　ｌ// | |　 ＼ 　/∧ヽ　　 //　 ＼＼＼　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　 ::::::::::::::::::　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　:::::::::::::

,x幺主圭歪≫''¨”´ ,ｘｉｆ斧lll圭圭才''"´　 　 　 刈圭狄ｱ㌢　　 　 　 　 　 　 '守|会ｭ　　　 '守圭圭圭圭
丞圭亥7才´　　,.x幺lllll圭才"´　　　　　　　　,炸Ｉ圭jⅣ´　　　　　　　　　　 　 ｀Ⅵ|丞　　　 ｀Ⅵ圭圭圭|
圭歪ｊ㌢´　　,x幺llll圭才´　　　　　　　　 　 　焔圭:Ⅳ　　　　　　　　　　　　　 　 Ⅵ|伐　　　 　Ⅵ圭圭||
圭ｊア　　　,ｨ劣圭才´　　 　 　 　 　 　 　 　 .以圭Ⅳ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ|伐　 　 　 Ⅵ圭圭
j炒′　 ,ｨ劣l才´　　　　　　　　 　 　 　 　 　 込i:圭{　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵｉ伐　 　 　 Ⅵ圭ll
Ⅳ 　　/{}{ア´　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ7:刈　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵｉｉﾍ　 　 　 Ⅵ圭
/　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ代　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ||圭]　 　　　 ||圭
..　　|　　　　　貞盛、将門を殺せ……！　　 　 `'冬淤t、　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ||洲ﾘ　　　 　 ||洲
　 　_乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ 》i淤〉　　　　　　　　　　　 　 　 　 為Ⅳ　　 　 　 Ⅶll
　 　 {{　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾍ㌢　　　　　　　　　　　　　 　 　 '為ｿ　　　　　　　Ⅶ
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　　　　　Νk　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
　　　　 　 !垈　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　|　　　　　貞盛、将門を殺せ……！
　　　　　.為llll}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　為ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ 乂_
　　　　.ｨ圭洲;　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /淤l圭l丞
　　 ,ｨ劣圭:㌢　　　　　　　　　 　 Ｌ　　　 　　 　 　 /淤圭圭ＩＩＩＩ)　　　　　　　　　λ
　 ,ｨ劣斧ｱ　　 　 　 　 　 　 　 　 [代　　　　　　　 ,攷圭斧:㌢´　　　　　　　　　 {会ｭ｡.
f,/淤圭Ⅳ　　　　　　　　　　　　　Ⅵ心　　　　 　 刈圭?[ｱ　　　 　 　 　 　 　 　 `''寺ll≧ｭ｡.
/淤f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽjⅣ　　　　　　　　　　　　　 　 為圭圭丞
..　　|　　　　　　貞盛、将門を殺せ……！　 Ⅵ7:Ⅳ　　　　　　　　　 　 　 　 　 為圭圭圭丞
圭i:_乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ ノ　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,炸,圭l圭l圭l丞
圭i:刈　　　　　　　　　　　　　　　　　[　　　　 　 Ⅵ7　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,炸圭圭l圭圭刻
圭lil代　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /k　　 　 　 　7　 　.λ　　　　　　　 　 　 　 焔圭l圭l圭l圭Ⅳ
圭圭淤t、　　　　　　　　　　　　　　!垈　　　　　　　　　 代　　　　　　　　　　　 以圭圭圭淤jⅣ
圭圭:歪会ｭ｡　　　　　　　 　 　 　 .為llll}　　　　　　Ｌ　　',{Ｉ≧ｭ｡.　　　　　　　　 込i:圭l圭圭:Ⅳ
圭圭淤冰ik会ｭ｡　　　　 　 　 　 .ｨ圭洲;　　　　　　[代 　 `''寺ｌ圭≧ｭ｡.　 　 　 Ⅵ7:圭lll圭lⅣ
ll圭圭圭淤冰ik会ｭ｡　　 　 　 ,ｨ劣圭:㌢　　　　　　Ⅵ心　　　`''寺圭斧≧ｭ｡._　 `''寺圭圭丞
圭圭圭圭圭圭圭ik会ｭ｡　 ,ｨ劣lll斧ｱ　　 　　　　　　Ⅵ会ｭ｡　　 .ﾞ㍉丞圭圭会ｭ｡_　｀'守圭ik会ｭ｡

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┃｜　　　　　　　　やる夫は『新皇』を名乗るようです .　　　　　　 　 　 .　 ..｜┃
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　　　　　　　　　　　　　　　＜第四話＞　召喚

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終わり





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　　　　　　　　　　 >　 ゝ‐----' '<　　　　　　　　次回は番外編という形で
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　　　　　　　　　,'　 　ノ　　 　 ＼_ ;　　　　　　　 藤原純友について詳しく触れたいと思います。
　　　　　　　　 ≧　　　●　　　 ●≦
　　　　　　　　　＼⊂⊃（__人._）⊂ﾉ　　　　　　　よろしくお願いします。
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◆嗚呼！　やる夫道様：ttp://gokumonan.blog87.fc2.com/blog-entry-1801.html

◆やる夫疾風怒濤様：ttp://yaruosippu.blog.fc2blog.net/blog-category-71.html

乙　テンポよくて読みやすいね

乙。菅原道真の怨霊からも目をつけられなかったという風説のせいもあってか、忠平は窮地に陥った主人公を助ける善玉的な感じですね

乙でした
朱雀天皇の配役に吹いたｗ

乙乙！　そろそろと奈落の淵が見えてきたなー

乙
藤原純友はほんとわからん人だから期待

乙
最後の将門の台詞は傲慢とか思えんがな
ここまでこじれて完璧な和解は不可能に近いんだから
攻めてきたら返り討ちにするぐらい思ってもしかたなかろう

>>478さん
ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。

>>479さん
最近読んだ文献では、「毀誉褒貶の甚だしい時平に比して、忠平については悪評が全くといってよいほどない」
という記述がありました。おそらく立派な人物だったのでしょうね。

>>480さん
朱雀天皇の配役は、まったく迷いませんでした(笑)

>>481さん
これほどまでに強いと、己の力に過信してしまうのもむべなるかな……という感じでしょうか。

>>482さん
藤原純友については、遺された史料が少なく、今でも不明な点が多いとされます。
少しでも詳しく言及できれば、と思います。

>>483さん
これだけ親族に攻め立てられた訳ですからね……