85 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:26:23 ID:4ABp.bSM
やる夫と学ぶ北欧神話 2
/ ̄ ̄ ̄ ̄`\
/ ____ ヽ
/ /::ノ::::::::::::::ト、ヽ やっと俺の出番だろ……
{ /:::(●) ::::::::::::| |
| ./::::::: (__人__)::::} |
| |:::::::. `.⌒´ ||
ヽ | ノ./
.| | / /
λ_ゞ\ゝ、.__ ,/У
イ ー ̄三 二三[]=イ"ゝ
/弋_ー = ー─ヤ彡ヽ
.
86 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:26:54 ID:4ABp.bSM
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ } できる夫は神様については教えてくれなかったお。
/⌒ ⌒\ | |
/( ●) (●)\ ! ! というわけで、どんな神様がいるのか知りたいお。
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | /
\ ` ー'´ //
/ __ /
(___) /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 了解、それじゃメジャーなところから始めようか。
. | (__人__). rm、
| ` ⌒´ノr川 || まずはオーディンだな。
. | },.! ノ'
. ヽ r / .|
ヽ ノノ ノ
/ / ./
| /
| i´
____
/ \ オーディンなら知ってるお。
/─ ─ \ 最初に生まれた神様で、アース神族の王なんだお。
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
.
87 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:27:37 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ その通りだが、他にも語ることはたくさんあるんだ。
| ( ●)(●
| (__人__) 最初は簡単なデータから入ろう。
. | ノ
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
【オーディン(odin)】
/7 アース神族の王。名前は「怒り」を意味する
//
// 【父】ボル 【母】ベストラ
__ //
. /ノ ヽ\ .// 【兄弟】ヴィリ(弟)、ヴェー(弟)
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l 【妻】女神フリッグ(+他) 【子供】たくさん
. | `⌒// ノ
l // ./ 【道具】グングニル(槍)、ドラウプニル(黄金の腕輪)、スレイプニル(馬)
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ 【従者】フギン&ムニン(カラス)、ゲリ&フレキ(狼)
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
____
/ \
/ ─ ─ \ (他……?)
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ `⌒´ ,/
/ ー‐ \
.
88 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:28:32 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\ まずは道具や従者について説明するだろ。
/ _ノ ヽ、.\
| (●)(●) .| グングニルは北欧神話の中でも代表的な武器だな。
! (__人__) | オーディンと言えばグングニル、という人も多いんじゃないか?
, っ `⌒´ |
/ ミ) / 必ず命中するとか、勝手に手元に戻ってくるとか言われているが、
./ ノゝ / 実際にどんな力があるかははっきりしない。
i レ'´ ヽ
| |/| | |
/ ̄ ̄\
/ ⌒ \ ドラウプニルは黄金で出来た腕輪だ。
( ●)( ●) |
.(__人__) | 九夜ごとに、自身と同じ重さの腕輪を八つ生み出すという
l` ⌒´ .| 不思議な力を持っている。
{ .|
{ _ |
(ヽ、ヽ / )|
| ``ー―‐'| ..ヽ|
ゝ ノ ヽ ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
89 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:29:17 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄ ̄ \
// \\
/ ( ≡) ( ≡) \ と言うことは、持っているだけで黄金がガッポガッポかお?
| /// (__人__) /// |
\__ `ー ' ___/ なんとも羨ましい腕輪だお……
/ ヾ、 // \ ヽフ
ヽ_⌒)ハ // | レつ||)
i⌒l ミ゚Д゚,,彡⌒) ヽ_ノ  ̄
| | ヽ__"" ヽ_ノ| |
ヽ  ̄ ̄ ̄/ ヽ ヽ_ノ
 ̄ ̄ ̄ / /ヽ__)
(__ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| (⌒ )(⌒)
| (__人__)
| ` ⌒´ノ ドラウプニルがあれば遊んで暮らせそうだな。
| }
ヽ ヘミ| 黄金や装飾品というのは財産・権力の象徴であることが多いんだ。
/,` 、` -`,--` ,
__,---/;;;;;` `-,-/ニニ | 財産を無限に生み出す腕輪は、神の王に相応しいアイテムと言える。
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/' `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
.
90 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:30:27 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ スレイプニルは灰色の毛並みと八本の足が特徴の、珍しい馬だ。
| ( ●)(●)
. | (__人__) 馬の中でも最高のものとされ、空を駆けることが出来る。
| ` ⌒´ノ ∧ ∧ 更にヘル――死者の国にも行くことができるんだ。
. | } / ヽ‐‐ ヽ
ヽ } 彡 ヽ
ヽ ノ 彡 ● ● こいつが生まれた経緯がまた一癖あるんだが……
/⌒ ヽ 彡 ( l それは別の機会にな。
/ y \彡 ヽ |
ノ ,/___,ンヽ,,-‐彡 ヽ l
(_"___ _ソ `/ ` ( o o)
| ヽ / /´
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ フレキとゲリは、オーディンの玉座のそばにいる狼だ。
| ( ●)(●) 二匹とも名前は「貪欲な者」という意味だ。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ フギン、ムニンというカラスは毎朝オーディンの元を飛び立ち、
.l^l^ln } 世界中を巡って目にした出来事を主人に報告するのが役目だ。
.ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
.
91 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:31:10 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ それから、オーディン自身も世界を見渡す力を持っている。
| ( ●)(●
| (__人__) オーディンの住居であるヴァラスキャルヴという館には、
. | ノ フリズスキャルヴという高座がある。
| ∩ ノ ⊃ そこに座ると、全世界を見下ろすことが出来るんだ。
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| | ※高座…目上の者が座るための席。他より高い位置に設けられる。
. \/ ___ /
____
/_ノ ヽ_\
/( ●)( ●)\ 世界が足元に見えるなんて、どんだけ高いところにあるんだお……
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| ( ( |
\ `ー' /
.
92 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:31:50 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ 次はオーディン自身について話そう。
(●)(● ) |
(__人__) | オーディンは老人の姿をしていて、つばの広い帽子とマントを
(`⌒ ´ | 身に着けていることが多い。
. { |
{ ノ 大きな特徴としては片目が無いことが挙げられるな。
ヽ ノ
ノ ヽ
/ |
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ミーミルの泉という泉があって、そこの水を飲めば膨大な知識が得られるんだ。
| ( ●)( )
. | (__人__) オーディンは番人の巨人ミーミルに水を飲ませて欲しいと頼むが、
| ` ⌒´ノ 条件として目玉を差し出すように要求される。
. | }
. ヽ } ミ● 片目と引き換えに、オーディンは知識を得たというわけだな。
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ ちなみにその目玉はミーミルの泉の底にあるそうだ。
| | ̄ ̄ ̄
.
93 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:32:23 ID:4ABp.bSM
____
/ \
/ ─ ─ \ 目玉を差し出すなんて、えらくエグい話だお。
/ u (●) (●) \
| (__人__) | そこまでして泉の水が飲みたかったのかお?
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●) )
. | (__ノ、_) 他にもルーン文字を得るために木に吊られたり、
| ` ⌒ノ 詩歌の才能を得られる蜜酒を手に入れるために
. | } 一人でヨーツンヘイムに行ったり。
. ヽ }
ヽ ノ 物知りな巨人がいると聞けば知恵比べをしたいと即出発。
.> < 詳細はわからないが、様々なまじないを修得している。
| |
| | 見かけによらず、行動力のある神様だ。
.
94 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:33:01 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ 他には、別名が色々あることも特徴と言えるかな。
. ( (● ) |
. (人__) | 万物の父と呼ばれるのをはじめ、人や巨人に対して
r-ヽ | 様々な偽名を名乗っている。
(三) | |
> ノ / ハールバルズ、グリームニル、ボルヴェルク、ガグンラーズ……
/ / ヽ / 他にも数え切れないほどの名があるんだ。
/ / へ> <
|___ヽ \/ )
|\ /|
| \_/ |
/  ̄ ̄\
/ ノ ヽ
|:::::: (● ) そうそう、オーディンのことを語るにあたって外せない別名がある。
. |::::::::::: (__人)
|:::::::::::::: ⌒ノ ヴァルファズル、「戦死者の父」を意味する名だ。
. |:::::::::::::: } 魔術師的な要素が多いオーディンだが、戦神という別の側面も
. ヽ:::::::::::::: } 持っている。
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
|:::::::::::::: |
|:::::::::::::::| |
.
95 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:33:23 ID:4ABp.bSM
___
/ \
/⌒ ⌒ \ 戦いを司る神様かお。かっこよさそうだお。
/(● ) (● ) \
| ⌒(__人__)⌒ | オーディンって意外と地味な神様だと思ってたお。
\ `⌒ ´ /
/ \
__
/ノ ヽ\
/.(○)(○)\ (全然地味じゃないと思うんだが……)
|. u. (__人__) |
. | | オーディンは自身の住居とは別に、ヴァルハラ……「戦死者の館」を持っている。
| | ここが住居だという記述もあるが、まあ別宅みたいなものなんだろう。
. ヽ ノ
ヽ / ヴァルハラがあるのは、グラズヘイムという平野だ。
/ ヽ
| |
.
96 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:34:24 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ
| ( ●) | ヴァルハラの玉座では、オーディンは食事をとらずぶどう酒だけを飲む。
| (__人)
| ⌒ノ 彼に出された食事を片付けるのは、側でうずくまる二匹の狼……
ン ノ フレキとゲリの役目だ。
/⌒ヽ、 _ノ
/ ノ \__ィ ´
/ / '|.
( y |.
\ \ |
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ /\'ー、 ,, ..,、 大きさについても言及があるな。
| ( ●)( / .\` 、 . // /
. | (__人/ \ヽ、,.// ../ ヴァルハラは540もの扉があり、一つの扉から800人の戦士が
| ` / ``77 / 打って出るという。
. ヽ / / / /
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./
/./ r-、 ヽ ∨,ノ /
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. |
| .\ \ ノ
.
97 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:34:58 ID:4ABp.bSM
____
/_ノ ヽ、\
/( ●) (●).\ えっ なにそれこわい
/ (__人__) u. \
|ni 7 ` ⌒´ . |n いきなりすごい数が出てきたお、800かける540……?
l^l | | l ,/) U l^l.| | /)
', U ! レ' / . . | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \ ヴァルハラに行けるのは、戦いの中で死んだ人間だ。
i ! | (●)(●) |
r;r‐r/ |. | (__人__) | オーディンは戦乙女……ヴァルキュリアをあらゆる戦に向かわせ、
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 勇敢な戦士を選ばせる。
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ } そうしてオーディンの元に迎えられた戦士達はエインヘリヤルと呼ばれる。
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
432,000ダナ
.
98 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:35:21 ID:4ABp.bSM
, -―- 、
/ \ _ エインヘリヤルとなった戦士たちは、ヴァルハラの中庭で
/ /_ | / | 日々剣を交えることになる。
(●) (●).u |///
(_人__) /// 練習試合なんかじゃない、ガチの殺し合いだ。
l`⌒´ ///
| .///、 まあ、死んでも夕方には生き返るから問題ないけどな。
__ト、/// \
/、 ヽ\/ r 、 ヽ
ハ ヽ Y`l`‐` | > Y
{'ッヽ_ゾノ | レi i i}
`¨´ ヽ ハ `'''
____
/⌒三 ⌒\
/( ○)三(○)\ なにその無間地獄
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\
| |r┬-| | 戦って死んだ先に、また戦場が待ってるのかお……。
\ `ー'´ /
.
99 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:36:11 ID:4ABp.bSM
.(⌒⌒⌒)
| |
| | 戦いばかりじゃ無いぞ、夜になれば皆で宴を開くんだ。
/ ̄ ̄\
ノ \_ \ 料理はセーフリームニルという猪の肉と、
|\ (●)(● ). | ヘイズルーンという山羊の乳から作られた酒。
| \ (_人__) |./| 横に控えたヴァルキュリアが酒を注いでくれる。
.\ \ (`⌒´ / |
.\ \ { / .| セーフリームニルは何度殺しても翌日には蘇るから
.\ \ { / / 食材が尽きることは無い、毎日肉と酒が食べ放題だ。
. ̄ ̄\._ヽ / ./
E /\ ./
/ / ヨ/ \/
( ヽノ/ ヽ_)
 ̄ | |
/ ̄ ̄ ̄\
γ⌒) (⌒ヽ な、なるほど……でも次の日になったらまた戦わないと……
/ _ノ ノ \ \ `、
( < (○) (○) | )
\ ヽ (__人__) / /
.
100 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:36:37 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
. ./ _ノ ヽ
| ( ●) (●) いやいや、ヴァルハラは良い所なんだぞ。
| (__人__) ∫ と言ってもこれだけじゃわからないだろうから、後で補足しよう。
| `⌒´ノ ∬
. ヽ } | ̄|
ヽ ノ |_|)
____/ イー┘ |
| | / / ___/
| | / / |
| | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ_\ 戦は「オーディンの嵐」と言い換えられたりもする。
| (●)(●) | オーディンの別名に「勝利の父」がある辺り、オーディンと戦は
|. (__人__) | かなり強く結び付けられていたようだな。
| ` ⌒´ ノ
|. } 戦いに挑む際、当時の王侯達は敵の戦死者を捧げることで
ヽ } オーディンの加護を願ったそうだ。
ヽ ノ
./ ̄\/ 丶./ ̄\
ニニニ|::::::::::::::::iニニニニニニニニニニニニニi:::::::::::::::|ニニニニニ∥三三三三>
.\;;;;;/.. l l .\;;;;;:/
...」 L
.
101 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:37:36 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \ オーディンは加護を与えるだけでなく、直接助力することもある。
i ! | (●)(●) |
r;r‐r/ |. | (__人__) | 優れた戦士をヴァルハラに迎えるために、
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 彼らの敵勢となる者達に加勢する話も残っているな。
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ }
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
/ ̄ ̄\
/ _ノ ,ヽ\
| ( ●)(●) オーディンが戦士達に力を貸す場面はそれほど珍しくない。
. \ | (__人__)
.\ .| ` ⌒ノ 荒れた海を進む軍勢のために嵐を鎮めたり、
. \ ヽ } 復讐の成功を願って供物を捧げた者に自分の槍を貸したり。
.\_,ゝ ノ 戦場に現れて、手に持った槍で戦士の剣を折ったり。
/, r、 く
./ 〈 \ i そのため「勝利を公平に与えることも出来ない」と
. ヽ、 .ヽ \ i..| 罵られたこともある。
.て_) \ノ
\
____
/ \
/ ヽ、 _ノ \ それって、生きるも死ぬもオーディン次第ってことじゃないかお。
/ (●) (●) \ n
| U (__人__) l^l.| | /) 勝手過ぎじゃないかお?
\ |i||||||i| /| U レ'//)
γ⌒ ` ー'´ ノ /
i j rニ ノ
ヽ、 l !ヽ、_,__/
.
102 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:38:34 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ\ そう感じても仕方ないな。
| (●) だが、オーディンも無闇にそういった行いをしているわけじゃあない。
. | (___ノ)
| ´ノ オーディンがエインヘリヤルを集めているのは、ラグナロクに備えて
. | } 少しでも多くの戦力を得るためなんだ。
. ヽ }
ヽ ノ ヴァルハラで戦士達が日々戦いに明け暮れているのも、最後の戦いまでに
/ く 腕を磨いておくためさ。
/ ̄ ̄ ̄ヽ
/ ヽ
| _,ノ ヽ、_ | 貪欲なほどに様々な知識を求めるのも、ラグナロクが訪れないように
| (●)(●) | するためだと言われている。
| (__人__) |
ヽ. ノ 神々の王は世界を守るために、あらゆる手段を惜しまない。
.> く
/ ヽ
_/((┃))____i |
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄(,_,ノ \
/ /_______ヽ.. \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
103 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:38:56 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) そんなオーディンも、ラグナロクで死ぬ運命にある。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ 黄金の兜をかぶりグングニルを持って、狼の怪物フェンリルに挑む。
.l^l^ln } そして、狼に飲み込まれる……要するに食い殺されてしまうんだ。
. ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ
____
/ \
/ _ノ ヽ、_.\ 結局死んでしまうなんて、報われない最期だお。
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ /
.
104 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:40:15 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
| (__人__) その辺はシビアだな。
| ノ 北欧神話においては、運命は決して変わらない、変えられないものだ。
| ∩ノ ⊃ }
/ヽ / _ノ } それでも力の限り生き抜く神々の姿が、北欧神話を魅力的なものにしていると
( ヽ / / ノ 俺は思っている。
ヽ “ /_| |
\__/__ /
__
/ \ フムーン。やる夫も北欧神話のミリョクというやつを感じたいお。
/─ ─ \
/ (●) (●) \ やらない夫、早く続きを聞かせてくれお。
| (__人__) |
\ .` ⌒´ /_
// ヽ /\
/ / _ / /
/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(__.ノ ̄|\/|
| | /
|__________|/
.
105 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:40:47 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ /\'ー、 ,, ..,、
| ( ●)( / .\` 、 . // / ほいほい。次はオーディンの身内……周囲の神々について
. | (__人/ \ヽ、,.// ../ 説明していこうか。
| ` / ``77 /
. ヽ / / / / 両親と兄弟については……やる夫はもう知ってるな?
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./
/./ r-、 ヽ ∨,ノ /
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. |
| .\ \ ノ
____
/ \ できる夫に教えてもらったお。世界が出来たところしか聞いてないけど…
/ ⌒ ⌒ \
/ (⌒) (⌒) \l⌒l 他に活躍する話は無いのかお?
| (__人__) |`''|
\ ` ⌒´ _/ /
.
106 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:41:05 ID:4ABp.bSM
. ___
. / ―\
./ノ (●)\ 無いんだなー、これが。
| ( ●) ⌒)l
} (_ノ ̄ i ヴィリとヴェーの名前が出てくる話は二つほど、
| / 親についてはほとんど無いと言っていい。
\ _ノ
/´ `、 北欧神話には名前が出てくるだけの神が多いんだ。
/ ,___ ,. i
( 、__⌒) ノ
ヽ、 i⌒i⌒i
i i i_
. \_)_)
./ ̄ ̄\
/ ヽ、_ .\
. ( (● ) . | ヴィリとヴェーについては、世界を創った他には
. (人__) | 人間を生み出した話に関わっている。
r‐-、 . |
(三)) . | オーディンが命を与え、ヴィリが知力と身体を動かす力、
> ノ / ヴェーが容姿と言葉を話す力を与えたという。
/ / ヽ、 . /
/ / ⌒ヾ .〈
(___ゝ、 \/. )
. |\ ,.1
. | \_/...|
.
107 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:42:08 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 別の資料によれば、人間を作ったのはオーディン、ヘーニル、ローズルという
. | (__人__) 記述もある。
| ` ⌒´ノ
. | } 別の神なのか弟達の別名なのかはわからないが、
. ヽ } 大筋には関係しない話だから、これは触れる程度にしておくぞ。
ヽ ノ
i⌒\ ,__(‐- 、
l \ 巛ー─;\
| `ヽ-‐ーく_)
. | l
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) | 他の家族はどうなんだお?
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ やる夫的には、妻の項目が非常に気になるお。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
.
108 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:42:34 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ⌒ \ じゃ、次はそこにするか。
( ●)( ●) |
.(__人__) | オーディンの正妻は女神フリッグだ。
l` ⌒´ .| この二人がアース神族の由来であると言われてる。
{ .|
{ _ | フリッグはアース神の女神の中でも最高位の立場で、
(ヽ、ヽ / )| フリズスキャルヴに座ることを許される数少ない神の一人だ。
| ``ー―‐'| ..ヽ|
ゝ ノ ヽ ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄\
/ ノ .ヽ、\ ,-、 _ 彼女は全ての人間の運命について知っているが、
| (●)(●) | . } } / ノ それを語ったり、予言したりはしない。
. | (__人__) .| .,/ ,⊥∠_/
| ` ⌒´ . | { L:--:、 ) 軽々しく口に出すことが出来ないくらい大事なことを
. ヽ ノ )ト‐-:、ノ 知っているのかもしれないな。
ヽ / ( `っ ,/
/ \ ._./'` ./
| |、.. . /
| |.`―‐'.´
.
109 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:42:56 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ \ フリッグの住まいはフェンサリルという、とても豪華な館だ。
| ( ●)(●) |
. | (__人__) | 彼女の身の回りの世話をする女神はフッラと言う。
| \_) | フッラはフリッグの持つ秘密を預かる役目を持っているそうだ。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、\ もう一人、グナーという女神がいる。
| (●) (●).|
. | (__(⌒.) | 彼女はホーヴヴァルプニルという空を駆ける馬を持っていて、
| `/ / (⌒) フリッグの使者としての役目を担っている。
. ヽ / / ./ /
ヽ/ // /
/ こ二二⌒)
| \
| |ヽ .\
(.__)
.
110 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:43:23 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ フリッグには、ヴィリとヴェーに関わる話があったな。
| ( ●)( ●)
| (__人__) オーディンがいない時は、弟達がアースガルドを治めていた。
| `⌒ ´l
| } ある時、オーディンが長く帰ってこないことがあった。
ヽ } 神々はもう王は戻ってこないだろうと考え、ヴィリとヴェーが
ゝ 丿 オーディンの財産を分け合ったんだ。
____( ̄ ̄ / ̄ ̄/´ ̄/_
i⌒ゝ、 ヽ ヽ. / / ⊂) i⌒ゝ、
i;;;;;;;;;;|__ L人  ̄ ̄`´ ̄ ノ__i;;;;;;;;;;|
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) その際、妻のフリッグは兄弟で共有することにしたそうだ。
. | /// (__人__)
| ` ⌒´ノ しかしそれから間もなくしてオーディンは戻り、彼は
. | } 兄弟達から妻を取り戻した。
. ヽ }
ヽ ノ \
/ く \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
.
111 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:43:42 ID:4ABp.bSM
____
/ \
/ ─ ─\ ふたりできょうゆう……なんて興味深いワード。
/ (●) (●) \
| /// (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\
| (●)(●) .| ……これで終わりだからな。期待するような内容は無いぞ?
! (__人__) |
, っ `⌒´ | ヴィリとヴェーが登場する数少ない話だろ。
/ ミ) /
./ ノゝ /
i レ'´ ヽ
| |/| | |
.
112 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:44:15 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)( ●) あと、オーディンとフリッグの間にはバルドルという一人息子がいる。
| (__人__) 彼についての説明は、もう少し後になるな。
| `⌒ ´l
| } …とまあ、フリッグに関してはこんなところだ。
ヽ }
ゝ 丿
____( ̄ ̄ / ̄ ̄/´ ̄/_
i⌒ゝ、 ヽ ヽ. / / ⊂) i⌒ゝ、
i;;;;;;;;;;|__ L人  ̄ ̄`´ ̄ ノ__i;;;;;;;;;;|
____
/ \
/ ─ ─\ お? やらない夫、オーディンの子供はたくさんいるって
/ (●) (●) \ 最初のほうに言ってなかったかお?
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ < ムジュンしてるお。
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
.
113 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:44:57 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) ああ……オーディンの子は結構な人数がいるんだが、
. | (__人__) ほとんど母親が違うんだ。
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln }
.ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/ \
/ ─ ─\
/ (○) (○) \ !?
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
.
114 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:45:36 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\ ヨルズ(女神) .……トール
/ _ノ \.
| ( ●)(●) リンド(巨人or女神) ……ヴァーリ
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ グリーズ(巨人) .……ヴィーザル
. | }. 。
. ヽ } / 八人と一人の母 ……ヘイムダル
ヽ ノ ./
/ lヽ介/lヽ、 ,rE) 母親不明:ホズ、ブラギ、ヘルモーズ
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
| | ゚| |\/
_ | | ゚| |__ とりあえず、わかるだけでもこれだけいるだろ。
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \ エインヘリヤルは「オーディンの養子」とも言われるから、
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \ それも含めると半端無いことになるな。
| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
´___ ギリリリリリr
:/ u\; ____
;/ ノル(<)\; / ;u ノ し ヾ ジジイのくせに愛人多すぎだろ!!
;| (>) _) \;./ ⌒ \
;|::: ⌒(__ノェソ / ヽ しかも九人カウントになってる所もあるし!!!!
.;\ u ´ ソ / ^ │
` ;\ , | │
,ヾ \_ n^^- \ , _/
;/ ∠_;i  ̄丶/ ̄ \
;( ⌒) ´ ノ \
<ちょ、ギブギブ!!
.
115 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:45:57 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
ノし. u:_ノ` ,,\. 何すんだ、俺は説明してやってるだけだろ!
/⌒` ( ◯)(O):
.:| j( (__人__)
:| ^ 、` ⌒´ノ:
| u; ゙⌒}:
ヽ ゚ " }:
ヽ :j ノ: _____
/⌒\ ゚ (´ . :/ ノし \ うるせえ、やる夫の怒りはこれくらいじゃ
:| ゚ \~、,⌒\. _ :/ u ⌒ ゚ \ 収まらないんだお!!
:| \j(, \ r \ :gj }`hi、. :|, 。 :j }
| \ 〆ー───〆 八 ヽ ( u 〃ノ
| :j \__゚___' ,ノノー`Y \ \/⌒ヽ~ヽ
| |: ー──‐‐\ . ィ ´ ゚ / \
| ゚ :j |: \、__/l ゚ :j \
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.
116 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:47:09 ID:4ABp.bSM
_______
/ \ ……気は済んだか?
__/ \
/. 、 | 母親については名前ぐらいしか情報が無いから、
|. ,(⌒(●)ヽ | 次はオーディンの子供達について説明するだろ……。
l lヽ )> lllllll /
/ ヽ\ `(__,(●) / / ゼーハー
| \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
| |ヽ、二⌒)、 \
____ ____
/ /::´:::::` 、 / \ あーい
/─ /::: :::ヽ / ─ \
/(●)/::: :::| / (● ) ヽ それはそうと、お母さんが巨人族になってるのが
| (__|::: :::| |__) | いるけど、巨人族は敵なんじゃないかお?
\ ` \::: :::/ \´ /
/ /::: :::\ / \
.
117 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:48:07 ID:4ABp.bSM
_______
/ \
__/ \ ああ、全ての巨人族が敵ってわけじゃないんだ。
/. 、 |
|. ,(⌒(○)ヽ | 神々に対して敵意がある奴もいれば、友好的な奴もいる。
l lヽ )> / その辺の関係は大雑把だから、深く考えなくていいぞ。
/ ヽ\ `(__,(○) / /
| \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
| |ヽ、二⌒)、 \
____ ____
/ /:::´/ \
/─ /::: :::/ ─ \
/(●)/::: / (● ) ヽ わかったおー
| (__|::: .|__) |
\ ` \: ::\´ /
/ / ::/ \
118 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:48:38 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ じゃ、本筋に戻るぞ。
| ( ●)(●)
. | (__人__) と言っても、ここで説明するのはブラギとヘルモーズ、ヴィーザルの三人だけどな。
| ` ⌒´ノ 残りについては別の回だ。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
| /
| /
\\
//
\/
___
/ ヽ、_ \
/(● ) (● ) \
/:::⌒(__人__)⌒::::: \ あら、案外少なくなったお。
| l^l^lnー'´ |
\ヽ L / <やらない夫、身体から何か抜けてないかお?
ゝ ノ
/ /
.
119 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:49:16 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) まずはブラギだな。彼は「詩の神」と呼ばれ、雄弁なことで知られる。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ 老人の姿をしていて、長いひげと舌に刻まれたルーン文字が特徴だ。
. | } フゥ
. ヽ } 彼の名前にちなんで、詩のことは「ブラグ」と呼ばれる。
ヽ ノ \
/ く \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
,. - ‐ ''l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l゛` ‐ - 、
,. - ‐ '' " ̄ | / // |  ̄ ゛` ‐ -、
|. // | // // .| / | ブラギはオーディンの一部が分化した存在とも
| / // | ____ | / // | 言われている。
|. // | / \. | // .|
| / ̄ ̄\. | / ─ ─ \. | ./ ̄ ̄\ | 知恵がある、詩歌に長ける、老人の姿など、
| / _ノ \. | / (●) (●) .\...| ./ ヽ_ \ | 似たような特徴が多いのが理由だろう。
| | ( ●)(●) | | (__人__) | .| (●)(● ) | |
|. | (__人__). | \ `⌒´ /.. | .(__人__) | .| オーディンが人間に詩を与えた逸話もあるしな。
| | ` ⌒´ノ. | /  ̄ ̄ ̄\ | .ヽ`⌒´ | |
|. | } . | / \ | . { | .|
|. ヽ } | / \ .| { ノ .|
| ヽ ノ | | | | ヽ ノ |
| / ヽ | \ / | / ヽ . |
| ,. - ‐ ''  ̄ / ヽ ̄゛` ‐ - 、 |
|,. - ‐ '' " ̄ | |  ̄゛` ‐ -、..|
.
120 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:49:44 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ /\'ー、 ,, ..,、
| ( ●)( / .\` 、 . // /
. | (__人/ \ヽ、,.// ../ 妻は女神イズン。
| ` / ``77 / 彼女は黄金の林檎をトネリコで出来た箱に入れて管理している。
. ヽ / / / /
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./ この林檎は若返りの力を持っていて、神々はこれを食べることで
/./ r-、 ヽ ∨,ノ / 不老のままでいられるんだ。
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. |
| .\ \ ノ
___
/ \
/ \ 年を取らないなんて羨ましいお。
/ ⌒ ⌒ \
| /// (__人__) /// | やる夫もイズンちゃんの林檎わけてもらいたいお!
. (⌒) (⌒)
./ i\ /i ヽ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 「ちゃん」て。人(神)妻だぞ?
| ( ●)(●)
. | (__人__) それはともかく、彼女の存在は神々にとって非常に重要だ。
| ` ⌒´ノ イズンの林檎を巡って一騒動あるくらいだからな。
. | }
. ヽ } 彼女が冥府に落ちてしまい、ブラギが探しに行く話もある。
ヽ ノ /つ その中では、イズンを取り戻すことは出来ずに終わる。
/ \ / /
/ /\ / ̄\ イズンを失うことは、永遠を失うことと同じ。
_| ̄ ̄ \ / ヽ \_ ラグナロクの予兆の一つなのかもしれないな。
\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \__)
||\ \
||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄
|| || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
.
121 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:50:13 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ、.\
| (●)(●) | 次はヘルモーズだな。
/ ̄ ̄ ̄ 丶人__). |
/ \ ._|_____ 彼は「俊敏のヘルモーズ」という別名を持っている。
, --'、 / `〉
/ ⌒ ) / / 出番こそ少ないが、オーディンの馬…スレイプニルを借りて
,′ ノ / / 使者を務める、ある意味重要なポジションで登場する。
l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ
ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l
`'ー'´ | .`'ー'――┬― --、/ _.ノ
__
/ ~\
/ ノ (●)\ 最後にヴィーザル。無口なことと、力が強いのが特徴だな。
. | (./) ⌒)\
. | (__ノ ̄ \ .彼は父であるオーディンの仇討ち、つまりフェンリルを倒す神だ。
\ | 口を引き裂く、あるいは剣で心臓を貫いて倒すそうだ。
\ /
. \ ⊂ヽ∩
/´ (,_ \.
/ \. \
./ / |. \ソ
( y' .|
/ ̄ ̄\ ヴィーザルは厚くて丈夫な靴をはいているから、狼の下顎を
_ノ ヽ、 \ ,.:┐ 踏みつけても大丈夫なんだ。
.( ●)( ●) ..| / | .この靴は、人々が靴を作るときに出来る三角の切れ端で出来ている。
(__人__) .|./ /
i⌒ ´ .r-、 |/ / だから、アース神族を助けたいと思うなら靴の切れ端を捨てるべきだ、
{ ヽ, ',. .,/ :/', という言い伝えがある。
.ヽ .| l_/_, -‐、',
.ヽ . | / , --'i| それから、ヴィーザルはラグナロクを生き延びる神の一人でもあるな。
/ { V , --ヘ
| ヽ L| r= |
.
122 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:51:06 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ ふむふむ……今回はこれで終わりかお?
| (●) (●) |
\ (__人__) __,/
/ ` ⌒´ \
_/((┃))______i |
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/ /_________ヽ.. \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ そうだな。
| (__人__)l;;,´| 次回はオーディンの子の一人、トールについて解説しよう。
| ./´ニト━・' .l
| .l _ニソ } オーディンよりも多く活躍していると言ってもいい神様だ。
/ヽ、_ノ /
__/ / ノ__
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
.
123 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:51:27 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\ ___
/ _ノ \ /⌒ ⌒\
| ( ●)(●) プニ /(● ) (● ) \ おお、それは面白そうだお!
. | (__人_(ニ~`ヽ、 /:::⌒(__人__)⌒::::: \
| ` ⌒´(((_⊂>ヽ| |r┬-| | 今すぐじゃ駄目かお?
. | } \ \ `ー'´ /
. ヽ } ゝ-| ヽ
ヽ ノ \ ヽ \
/ く \ \
| \ \ \ <だめー。まだまとめてないし
| |ヽ、二⌒)、 \
, '⌒ヽ、 / ̄ ̄\
/ ,. -ヽ ./ ノ \ \ と言うわけで、次回に続く!だろ。
__ | 、 ノ__ .| (●)(●) |
/´ `ヽ._/ `ー/´ ヽ.|_ (__人__) .| ____
/ \ / / `ヽ ` ⌒´ | / \
{ ,. y′ / /ヽ ノ / ─ ─ \ やらない夫、どこ見てるお?
丶. _ .. -‐ ヘ / / / } / / (●) (●) u \
ヽ / / l ヽ | (__人__) |
` ー、 .ノ .. | \ `⌒´ ,/
ヽ.__ / ... | / ー‐ \
丶--―‐--'´
.
124 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:51:44 ID:4ABp.bSM
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.ノ 、 、
…の前に、補足 。 ● ●) l
\ (人__) |
(^ヽ ノ
\ .ヽ
| | |
ゝl し'
`(_ノ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.
125 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:52:24 ID:4ABp.bSM
____
/ \
/ _ノ ヽ__\ ヴァルハラ……戦場で死んだら、更に戦いばかりの所に送られるなんて、
/ (─) (─) \ どんだけ戦いが好きなんだお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / やる夫には理解できないお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) まあ待て。
. | (__人__) 戦いが好きだから、なんてのは誤解だぞ?
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄
.
126 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:53:01 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | 北欧神話の神々は、ゲルマン民族……ヴァイキング達が
(__人__) | 信仰していたものだ。
(`⌒ ´ |
. { | 大体、8世紀~10、もしくは11世紀ぐらいかな。
{ ノ
ヽ ノ
ノ ヽ
/ |
_____
/ ― \
/ノ ( ●) \ ヴァイキングって、あの海賊のヴァイキングかお?
. | ( ●) ⌒) |
. | (__ノ ̄ / (神話って言うぐらいだから、もっと昔のものだと思ってたお…)
. | /
\_ _ノ\
/´ |
. | / |
.
127 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:53:55 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
. ( (● ) | 彼らが何よりも大事にしていたものがある。
. (人__) | それは「名声」だ。
r-ヽ |
(三) | | 黄金の財宝などの形あるものや、勝利などの目に見えないもの…
> ノ / 一言で表すのは難しいけどな。
/ / ヽ /
/ / へ> < ヴァイキングの戦士達は名声を手に入れるために、
|___ヽ \/ ) 或いは守るために戦うんだ。
|\ /| 戦いは目的じゃなく、手段ってことさ。
| \_/ |
____
/_ノ ヽ_\ 名声、かお。うーん、何かピンと来ないお。
/( ●)( ●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| ( ( |
\ `ー' /
.
128 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:55:05 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\ 俺らには理解しづらい考えだが、
/ ノ ヽ、.\ 北欧神話とは切り離せないものだから知っておいてほしい。
| (●)(●) |
/ ̄ ̄ ̄ 丶人__). | ヴァイキングの価値観は神話にも密接に絡んでるからな。
/ \ ._|_____
, --'、 / `〉 わかりやすいのは「オーディンの箴言」だな。
/ ⌒ ) / / この詩は当時の処世術や格言を並べたものだ。
,′ ノ / /
l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ いくつか抜粋してみよう。
ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l
`'ー'´ | .`'ー'――┬― --、/ _.ノ
==================================================================================
・財産は滅び、身内の者は死に絶え、自分もやがては死ぬ。
だが決して滅びぬのが自らのえた名声だ。
・財産は滅び、身内の者は死に絶え、自分もやがては死ぬ。
だが、決して滅びぬものをわしは一つ知っている。
死者すべてを巡って取り沙汰される評判だ。
・臆病者は戦から身を守ったら、いつまでも生きられると考える。
だが、槍には無事でも、寄る年波は容赦してくれない。
==================================================================================
.
129 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:55:32 ID:4ABp.bSM
/7
//
//
__ //
. /ノ ヽ\ .// どうだ? 当時の人々が名声を重視していたことがわかるだろ。
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
____
/_ノ ヽ_\ わかったような、わからないような……
/( ●) ( ●)\
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::\
|  ̄ |
\ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \ うーん、難しいか。他に例を挙げるとすれば……
. | ( ●)(● ) |
. | (__人__) │ 彼らにとって、自然死(老衰や病死)は恥であり、
| `⌒ ´ | 戦いの中で武器によって倒れることが当然だったそうだ。
. | |
. ヽ /
ヽ /
> <
| |
| |
.
130 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:56:06 ID:4ABp.bSM
/ / /
/ / /
/ / / / ̄ ̄ ̄ ̄\
/ / / ,/゙ ̄"'/ \
゙ ゚'X. / / / / \
\ `─-、' / | |丶 時には自ら武器で身体を傷つけることで、
/⌒'y"`ヽ.\______,,;,/ r''\ | |. :::::\ ヴァルハラに導かれるように願うこともあったという。
/゙ヽ(_,X., ゙r、\_ | _) | |. : ::.:::.:.ヽ
/゙`‘,' _ /、\_,〉 . : ::| く | "ー、_ 、_,ノ'′ ,|. : : : ::::::,r'ヽ
 ̄⌒ソ`;、i : , ': : : : : : : :! \ | ( ●) ( ●) ,|.: :: :: : ::::.::::ハ
,r''゙,r"⌒゙ヽ;_:_; : : : ::::| : ::;;\} j、 /.: :: :: .:::::::::::::.::i
::;;" / `・、_::::| : :;: : :,i:} ヽ _ ノヽ___ノ ,/ : : :: ::: :::::::::::.:::'、
_!_,r′ :ヽj : : :;;::./ ヽ ` ⌒ ´ /: :: :: :: :: .::/ .:::::::i
{、 _,,..,`-、;;:/ l ̄ ゙゚゙̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄”゙`'''" .:' ..::::::::::|
`r:: ,;'" ''゙゚゙ ̄⌒ヽ、.,,__\ ,; : ; : ; : : : : :`'':; , ' ..::::::::::::j
{: : : : \  ̄ ̄.:'⌒゜ ̄ ゙`'': :: :/: : : ..::::::::::::::'|
\::::::゙ヽ. ;、 、 \ ゙' 、 ,r:: /: : : ..:::::::::::::::';;;|
\::::゚、 ゙ヽ. , ヽ. ヽ ゙ヽ `・、,_ /: :/ ..::::::::::::::::::::::i
\::::゙,、 `.、 , . : : : 、 \ ヽ, /: : i ..:::::::::::::::::::::::::::::i,
____
/ヽ /\
/(●) (●)丶 そ、そこまでしてヴァルハラに行きたがるなんてすごいお……
/::⌒(__人__)⌒:::uヽ
l |r┬-| l
\ `ー'´ /
/ ヽ
し、 ト、ノ
| _ l
!___/´ ヽ___l
.
131 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:57:17 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ と言うよりは、自然死することで恥を作りたくない
| (__人__)l;;,´| (名声に傷をつけたくない)んだろう。
| ./´ニト━・' .l
| .l _ニソ } あと、運命という概念も関係してくるな。
/ヽ、_ノ /
__/ / ノ__
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
人はいつ死ぬか……つまり寿命は、運命を定める存在によって、
/⌒ヽ 生まれた時に決められるものとされていた。
( ^ω^)
ハ ⊃ 一見理不尽なようにも見えるが、考え方を変えれば
(人 l_, 「命運が尽きるまでは死なない」とも言える。
start ....... ‘ー´\ノ dead
├――――――――――――――――――┤
.
132 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:57:44 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
|\ / _ノ .ヽ、\ /|
\\ | (●)(●) .| // 決まった寿命しか生きられないのだとしたら、
\\ | (__人__) | // ただ時間が過ぎるのを待つより、やれることを
\\ | ` ⌒´ | // やりたいと思わないか?
\\.l } //
\\ノ) ヾ\//
/ ⊂ ̄ \∩_ノ )
(〆 ⊂ / _ノ |
.\ “ ヘ/_ /
\ /__/
____
/ \
/ \ ./\ 確かに……それなら「戦から身を守って」生きるよりは、
/ (●)゛ (●) \ 戦って名を上げるほうが戦士らしいお。
| ∪ (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
133 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:58:09 ID:4ABp.bSM
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
さて、これまでの説明を踏まえると、 ●)(● ) |
やる夫の感じ方もちょっと変わるんじゃないかな。 (__人__) |
(`⌒ ´ |
.{ |
{ ノ
ヽ ノ
ノ ヽ
/ |
____
, ヘー‐- 、 /ヽ / \
-‐ノ .ヘー‐-ィ /(●.) (● )ヽ 確かに何かわかったような気がするお。
''"//ヽー、 ノ ./:::⌒(__人__)⌒::::::ヽ 戦士にとって、名声は命をかけるくらい大事なものなんだお。
//^\ ヾ-、.| |r┬-| |
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)\ `ー'´ / 名声は自分が死んだ後もずっと残るから、だから名声のために
/ <^_,.イ `r‐'゙ ::::ヽー‐-..、 ,..-‐|、 戦うんだお。
\___,/| ! ::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| \
.
134 どこかの名無しさん 2011/05/08(日) 17:58:14 ID:7ecmY34M
ヒーロー願望みたいなもんかね
135 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:58:40 ID:4ABp.bSM
___
/ \
/ ⌒ ⌒\ 死ぬのだって怖くないお。
/ ( ⌒) (⌒)\ 寿命は生まれた時にもう決まってるんだから、
i ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i 戦いを避けて生きていても、いつ死ぬかは変わらないお。
ヽ、 `ー ' /
/ ┌─┐ むしろ、ヴァルハラに行けるのは戦士にとっては
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ とびっきりの名誉だと思うお。
r ヽ、__)一(_丿 神様に優れた戦士だって認めてもらえたようなものだお。
ヽ、___ ヽ ヽ
と_____ノ_ノ
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ \
| ( ●)(●) | ああ。そんな感じで、大雑把に理解するくらいでいい。
. | (__人__) |
| \_) | ヴァイキングやゲルマンの戦士たちの価値観……背景を知ると、
. | } 北欧神話がより面白くなるだろ。
. ヽ }
ヽ ノ これからも、こういった解説をちょくちょく挟んでいくつもりだ。
/ く
.
136 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:59:01 ID:4ABp.bSM
____
/_ノ ヽ、\
/( ●) (●).\ えっ、別にやらなくても……
/ (__人__) u. \ やる夫は北欧神話の話だけ聞ければいいお?
|ni 7 ` ⌒´ . |n
l^l | | l ,/) U l^l.| | /)
', U ! レ' / . . | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
(ヽ三/) ))
( i)))
/ ̄ ̄\ \
/ _ノ \ ) 何いってんだ、北欧神話とは切り離せないものだって
| ( >)(<) さっきも言っただろ。
. | ///(__人__)
| ` ⌒´ノ 大丈夫、やる夫にもわかるようにしてやるからさ!
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
⊂ヽ γ く
i !l ノ ノ |
⊂cノ´| |
.
137 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:59:18 ID:4ABp.bSM
/||ミ
/ ::::||
/:::::::::::||____
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| || ガチャ
|:::::::::::::::|| || あ、もうこんな時間だお(棒)
|:::::::::::::::|| ´  ̄ ̄ .ヽ
|:::::::::::::::|| ヽ それじゃ、お邪魔しました
|:::::::::::::::|| |
|:::::::::::::::|| /
|:::::::::::::::||ヽ_ _/
|:::::::::::::::||/ ヽ|
|:::::::::::::::|| i } |
|:::::::::::::::||ノ | } | あっ>
\:::::::::::|| | i |∪
\ ::::|| ̄| ||ー| ̄
\|| (_/_ノ
.
138 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 17:59:35 ID:4ABp.bSM
,.-‐ 、 / ̄ ̄\ 逃がすかあ!
/ \ / ノ" \ \ ミッチリ解説してやるぞォォオ!!
/ `ヘ、_ | (○)(○) |
. / ト、 ` | (_人_) |
/ i \ | {i j}, }
/ | ゝ, ゝ `'⌒´ ト-― 、
./ { / " ,ノ \
r 、,.-、,/'ヽ _j/ r ヽ、
,. -、 r‐f⌒i:| |:} 〉,.ヘ ) / ソ ,ノ''"Y~ ト-、
/ 、 く, `! {::', i:{. /( y'´ / , -ィ ̄Lノ( _/、 }
{ i / vノ`tノ ー' :`´ ´ \ / `ー"~ t.___ (,,人_
ノ j / ; \ / r ― 、 `ー-'ーt_,i
{;;;; { / ,,,/⌒"∪\,,, ヾ、, イ |r -.,i ,. ヘ,
`ーi ヽ / /´ `ヽ /´ `ヽ \`丶、,r 、 ハ`_ノ /ィ i
/⌒ヽ、 ,. ヽ / ( ○ liii||||iil ○ ) \、 ): ソ `"./ ,.ノ-、
i i ', \| ヽ_ _彡 ヾ _ _ノ ; | /,.ノ ー - { く` /v ,〉
.|: ゝ | ; ''"⌒'( i )'⌒"' ∪ r-‐" 、_ _ `ー ',ノ ,ハ ぎゃぼぉー!
-⌒ \´ ̄`)ー '、 ∪ `┬─'^ー┬' .r、.ヽ `, (く.Y´ 〉
ヽ ー´ ー ´__ 人 |!il|!|!l!l!il|!| /,.ノ, ,`ー' /
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
.
139 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 18:06:52 ID:4ABp.bSM
以上で第2回終了です。
臆病者と言われて切れたり、中傷がきっかけで殺し合いになったり、
ゲルマン戦士って怖い…と思った頃もありました。
当時の人にとっては真っ当な感覚だったんですね。
>>134
今で言うとそんな感じかもしれません。
やらない夫にも言わせていますが、ちょっと説明しづらい概念です。
140 どこかの名無しさん 2011/05/08(日) 18:18:50 ID:k8S8PvgY
ヴィンランドサガに出てきたノッポのおっさんはもろトールをイメージしてる希ガス
141 どこかの名無しさん 2011/05/08(日) 19:19:58 ID:7ecmY34M
ありがとう、乙です。
142 どこかの名無しさん 2011/05/08(日) 19:27:38 ID:.h9fYfLY
乙
>>88
なのにどうしてFFでは斬鉄剣と結び付けられてるのか
本当にわからないんだよなー
143 どこかの名無しさん 2011/05/08(日) 19:28:11 ID:Jw505Rmc
イズンはゆっくりなほうが有名になってしまったな
144 どこかの名無しさん 2011/05/08(日) 19:47:38 ID:9I9tyO4I
\足を狙えー!/
145 どこかの名無しさん 2011/05/08(日) 20:57:38 ID:SO6klHoI
おつ
「命を惜しむな、名を惜しめ」の価値観だったのかねえ
死んだ方(負けた方)をメインにヴァルハラに集めるのは不思議と思うのは現在の価値観なんだろうか
146 どこかの名無しさん 2011/05/08(日) 21:28:14 ID:R2/1Ogo6
乙でした。
ヴァウキングって言ったらやっぱヴィンランドサガを思い出す。
147 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/08(日) 21:34:17 ID:4ABp.bSM
詰め込みすぎだった気がしたが、書き込んでみるとそうでもなかった
密度は今回と同じぐらいで良さそうですね。
>>140
ヴィンランドといえば赤毛のエイリークのサガが浮かぶ……。
読んだことないのですが、wikiってみたところトルケルのことでしょうか。
怪力や勇猛なところは確かにトールっぽいかも。いかにもサガの主役になりそうな人物ですね。
戦いを求めて寝返る性格は何だか斬新。
>>144
.ゝ, ノ /__,. 、__ヘ i/j
o フ ノ(ヒ_] ヒ_ン `,'。フ
V.ゝ!'" ,___, "' iノゝi <足なんて飾りですよ
、_.. ヽ _ン ノノ
.|X|>,、_____, , ,.イ .|X|
我が家のレギンレイヴは積みゲーに…wii起動してないや
>>145
本当に優秀な戦士なら、無敗=戦死できないってことになりますからね……。
だからオーディンも戦に介入したりするのでしょう。
148 どこかの名無しさん 2011/05/08(日) 21:44:43 ID:NIKtdlaU
乙!
真の勇者であるほど、"神に愛され"死に易くなるとは…w
149 どこかの名無しさん 2011/05/09(月) 02:56:24 ID:XhVEQo/k
乙です
北欧神話って入門書少ないんで、楽しみにしてます
>>142
グングニル→ぐりぐり煮る→おでん→おでんといえばこんにゃく
→こんにゃくを切れないといえば斬鉄剣
ってことらしいよ
150 どこかの名無しさん 2011/05/09(月) 03:26:23 ID:37RNwprA
本当だとしたら、その秘話は知りたくなかったw
151 どこかの名無しさん 2011/05/09(月) 08:10:59 ID:TABZ3ZbU
>>145
目をつけた奴に加護を与えて勝たせて、
そいつがピークを迎えた時点で死なせて回収ってのが手口だとかなんとか。
152 どこかの名無しさん 2011/05/09(月) 22:33:49 ID:1B2easN.
1000年ほど前の北欧の言葉とか文化を調べてる自分としては神話読み直す手間が省けて嬉しいスレです
ヴァルハラに行くために勇敢に戦うのか、勇敢に戦うためにヴァルハラという考えができたのか
どちらにせよ荒らされたヨーロッパ諸国にとってはいい迷惑ですよね!
153 どこかの名無しさん 2011/05/10(火) 06:48:29 ID:M0NV8sp6
ロシアの祖を築いたり、イングランドの王になっちゃったりと
あの時代におけるヴァイキングの存在感はパないね
今のイギリス王家もヴァイキングの血を引いてるし(人種のミックスジュースだけど
154 どこかの名無しさん 2011/05/10(火) 10:12:40 ID:LzYZ5V.g
乙。分かりやすいな
155 どこかの名無しさん 2011/05/10(火) 13:42:35 ID:E05TpQ6E
面白いスレ見つけた
次も期待
156 どこかの名無しさん 2011/05/11(水) 01:16:12 ID:YSSQZUUs
わかりやすいのか?
やる夫とやらない夫が話してるだけだから何がなんだか
「いちいち配役とかで絵にされないと頭に入らねえのかこの漫画脳」と言われればその通りだけど
157 どこかの名無しさん 2011/05/11(水) 01:24:49 ID:Ev.Ed5Y2
そういや神様にAA当ててないんだな
158 どこかの名無しさん 2011/05/11(水) 04:26:50 ID:/i/zwj0k
実際にエッダの一幕をやるときにはAA化するかもしれんね
159 どこかの名無しさん 2011/05/11(水) 05:32:59 ID:8tiBHHEw
「なんでラグナロクなんて結末が用意されているのか」という点が、
そこに至る彼らの価値観がよく分からないので
その点もいずれ解説を期待したいところ。
最後に世界が再生するのはキリスト教の影響で、
元々は何もかもなくなって終わりという結末だった、という話も
聞いたことがある。本当かどうかは知らないけど。
160 どこかの名無しさん 2011/05/11(水) 15:55:20 ID:8hFZbs3g
>>159
しかし、破壊と再生の話は色んな神話に出てくるような気がする。
人間の生と死に因果関係でもあるんじゃないのか?
161 どこかの名無しさん 2011/05/11(水) 16:09:31 ID:GNaz3O9o
神だろうが人だろうが死ぬときは死ぬんだから、それを認めて悔いが無いように生きろ、って考えだったんじゃね
シュメールのギルガメシュ叙事詩も似たような感じだし
162 どこかの名無しさん 2011/05/11(水) 17:50:58 ID:/.Y102Bk
死を克服することは神々でもできないんだよ、って思想じゃないのかなと愚考
163 ◆xb9YsjmzN2 2011/05/11(水) 23:39:53 ID:vuzFkXqs
~∞ 時間がなかなか取れません。投下日は目処が付いたらお知らせします。
>>149
おでんから斬鉄剣だと…どうしてこうなった
>>152
スレが役に立ったようで嬉しい限りです。これからも頑張ります。
>>159
キリスト教の影響については難しい問題ですね。
エッダ等の資料自体が布教後に書かれたもののため、判断材料がほとんど無いという。
>AA化について
AAを当てていない理由としては、解説を中心にしたのが大きいです。
この形式だと、神様をAAで表現しても意味が無いんじゃないか、と。
やる夫&やらない夫の対話形式だとわかりにくいという方には申し訳ないです。
結果的に色々な話を省略する形になってしまっているので、
その辺はAAキャラで再現しようと思っています。
神話を一本のストーリー形式にするのは、色々と無理なので諦めました…orz
やる夫と学ぶ北欧神話 第2回
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